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▶ メドトロニック・ゾーメド・インコーポレーテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-19
(45)【発行日】2023-04-27
(54)【発明の名称】プレジェット刺激及び記録電極組立体
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/05 20060101AFI20230420BHJP
   A61N 1/36 20060101ALI20230420BHJP
   A61B 5/251 20210101ALI20230420BHJP
【FI】
A61N1/05
A61N1/36
A61B5/251
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020516544
(86)(22)【出願日】2018-10-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-17
(86)【国際出願番号】 US2018054530
(87)【国際公開番号】W WO2019071080
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】62/568,841
(32)【優先日】2017-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504101304
【氏名又は名称】メドトロニック・ゾーメド・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】キャントウェル,マシュー・エル
(72)【発明者】
【氏名】ハッカー,デービッド・シー
(72)【発明者】
【氏名】プリスコ,ジョン・アール
(72)【発明者】
【氏名】ナラシンハン,アニルダン
【審査官】和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-522178(JP,A)
【文献】特表2016-527033(JP,A)
【文献】米国特許第04549545(US,A)
【文献】米国特許第04823794(US,A)
【文献】国際公開第00/071067(WO,A1)
【文献】特開2008-142541(JP,A)
【文献】特開昭61-257628(JP,A)
【文献】実開昭55-092304(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0142410(US,A1)
【文献】特表2007-521076(JP,A)
【文献】特開2016-106914(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/04 - 1/05
A61N 1/36
A61B 5/251 - 5/259
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚切開部内に挿入されたカニューレを通して患者の生体電気組織へ送達される術中電極組立体であって、
親水性である第1の表面を有する吸収性プレジェット基板と、
前記吸収性プレジェット基板によって支持され、前記吸収性プレジェット基板内に位置決めされた第1の電極と、
前記第1の電極と相互連結されたリードワイヤ組立体と、
を含む、
術中電極組立体。
【請求項2】
前記リードワイヤ組立体は、ワイヤコアのまわりに位置決めされた絶縁ジャケットを含み、前記第1の電極は、前記第1の電極及び前記絶縁ジャケットを相互連結する絶縁カップを更に含む、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項3】
前記絶縁カップは、前記吸収性プレジェット基板のまわりを回転するように構成される、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項4】
前記吸収性プレジェット基板は、レーヨン/ポリエチレンテレフタレートブレンドである、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項5】
前記吸収性プレジェット基板の材料は、更に多孔性材料である、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項6】
前記第1の電極は、前記第1の電極のまわりを前記吸収性プレジェット基板が回転するのを可能にする少なくとも1つの環状のスペーサを備えた前記吸収性プレジェット基板によって支持され、前記吸収性プレジェット基板内に位置決めされる、
請求項1に記載の電極組立体。
【請求項7】
前記吸収性プレジェット基板は、コーティングを含む、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項8】
前記コーティングは、結合剤、水及び界面活性剤を含む、請求項7に記載の電極組立体。
【請求項9】
神経監視システムに連結されるように構成されたコネクタを更に含む、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項10】
前記吸収性プレジェット基板は、1つ又は複数のマイクロフック又はマイクロ針を含む、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項11】
前記吸収性プレジェット基板は、マイクロ針のアレイを含む、請求項10に記載の電極組立体。
【請求項12】
前記吸収性プレジェット基板の前記第1の表面は、親水性の第1のコーティングを含み、前記第1の表面と反対側に位置する第2の側面は、疎水性のコーティングを含む、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項13】
前記第1の電極は、第1及び第2のチャネルを有する上部を含み、前記リードワイヤ組立体は、前記第1及び第2のチャネルに受容される、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項14】
前記第1の電極は、少なくとも1つのスペーサを備えた前記吸収性プレジェット基板によって支持され、前記吸収性プレジェット基板内に位置決めされる、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項15】
前記環状のスペーサは、前記リードワイヤ組立体に対して前記第1の電極を保持する保持構造を含む、請求項6に記載の電極組立体。
【請求項16】
前記吸収性プレジェット基板は、複数の穿孔を含む、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項17】
前記第1の電極は、上部と、ベースと、前記上部及びベースを相互連結する車軸と、を含む、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項18】
第2の電極を更に含む、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項19】
前記吸収性プレジェット基板は、互いに接触する第1及び第2のボディを含み、前記第1の電極は、前記第1のボディの内部に位置決めされ、前記第2の電極は、前記第2のボディの内部に位置決めされ、更に、前記第1及び第2のボディは、分離できるように構成される、
請求項18に記載の電極組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]この非仮出願は、2017年10月6日に提出された米国出願第62/568,841号の利益を主張する。
[0002]本技術は、一般に刺激及び記録電極組立体、並びに、術中組織監視及び/又は刺激手順を実施する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0003]神経監視は、神経が危険に晒される手術手順で使用される。幾つかのシステムの場合、神経完全性モニタ及び手持ち型刺激プローブは、外科医が神経を探針するときだけ間欠的な刺激を提供する。しかしながら、神経は、腫瘍除去中の操作及び伸張によって引き起こされる外科的な切開「ブラインド」外傷による刺激と、神経遮断をもたらすことのある蓄積外傷又は損傷と、の間の危険に晒される場合がある。しかしながら、自動周期刺激(APS)は、連続的な術中神経監視(CIONM)を提供する。術中NIM神経監視システムは、ENT手術や一般手術を含む様々な手順中の神経損傷の危険を低減するのに役立つために、外科医が運動神経機能を識別、確認、及び監視するのを可能にする。
【0003】
[0004]そういったシステムの1つは、Medtronic,Inc.のNIM(登録商標)神経監視システムであり、意図しない操作のせいで神経が危険に晒され得る様々な手術中の術中使用のための筋電図(EMG)モニタを含む。電極を有するNIM神経監視プローブは、実行されている手順のために患者の適切な筋肉の場所に配置される。これらの電極は、影響の及ぶ神経によって神経支配される筋肉からのEMG活動を連続的に監視するNIM神経監視システムに連結される。特定の神経が活動化され又は刺激されると、NIM(登録商標)システムは、外科医と手術室スタッフに警告して、神経の外傷を最小にするのに役立つために、カラータッチスクリーンモニタに視覚的な警告と、音声フィードバックの双方を提供する。
【0004】
[0005]外科医は、早期の神経の識別及び確認を支援するために、NIM(登録商標)神経監視システムを備えた単極及び双極の刺激プローブと切開器具を使用する場合がある。これらのツールは、特定の神経及び枝を所在確認、識別、及びマッピングする並びに神経機能と完全性を検証するために使用されることがあり、外科医がきわどい手順を実行するのに役立ち、同時に、神経機能を維持して患者の安全性を改善する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0006]本開示は、関連技術に関係する改善を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0007]本開示の態様は、一般に、接着剤を使用することなしに、神経などの生体電気組織に取り付けられる場合のある刺激及び/又は記録電極組立体に関する。
[0008]本開示の態様は、自動周期刺激(APS)に特に有用である刺激及び/又は記録電極組立体及びシステムに関する。そういった実施形態は、手術中に神経の連続的な刺激を提供するための神経監視システムと互換性がある。開示される実施形態は、脊髄及び脊髄神経根を含む、手術中の脳神経、抹消神経、及び混合運動感覚神経を含むボディ全体の誘発電位監視のために有用である。開示される実施形態は、それらに限定されないが、頭蓋内、頭蓋外、側頭内、側頭外、頸部郭清術、胸部手術、上肢及び下肢、変性処置、椎弓根スクリュー手術、固定ケージ、リゾトミ、整形手術、開腹及び経皮的な腰椎及び頸部外科手術、及び胸部外科手術を含む誘発電位監視手順中の神経に対する刺激、生体電位記録
、治療刺激及び自動周期刺激(APS)に有用である。
【0007】
[0009]本開示の態様は、親水性である材料で少なくとも部分的に作製されたプレジェット基板、並びに、プレジェット基板によって支持されプレジェット基板内に位置決めされた1つ又は複数の電極、を有する術中電極組立体を含む。様々な実施形態では、材料は、レーヨン/ポリエチレンテレフタレートブレンドである。電極組立体は、各電極と相互連結されたリードワイヤ組立体を更に含む。様々な実施形態では、リードワイヤ組立体は、ワイヤコアのまわりに位置決めされた絶縁ジャケットを含み、電極組立体は、電極及び絶縁ジャケットを相互連結する絶縁カップを更に含む。カップは、プレジェット基板のまわりを回転するように構成されることがある。幾つかの実施形態では、プレジェット基板は、2つの分離できるボディを含み、個々が電極を含む。
【0008】
[0010]本開示の態様は、術中手順を実施する方法も含む。方法は、親水性である第1の表面を有するプレジェット基板と、プレジェット基板によって支持されプレジェット基板内に位置決めされた1つ又は複数の電極と、電極と相互連結されたリードワイヤ組立体と、を含む電極組立体を提供することを含む。方法は、患者の組織にアクセスするための切開部を作成することと、プレジェット基板を組織に適用することと、によって持続する。次いで、1つ又は複数の電極は、活動化される場合がある。電極を活動化させることは、電極から検知された組織の生体電気応答を記録することを含む場合がある。代替的な実施形態では、電極を活動化させることは、電極から適用された生体電気組織の刺激を含む場合がある。
【0009】
[0011]開示された実施形態は、それぞれの神経全体のまわりの電極組立体の余分な切開又はラップなしで神経を危険に晒す現在及び新たな手順において連続的な術中監視を提供する。このように、開示された実施形態は、より容易に神経に適用され、従って、臨床医にそれ程のスキル(実際の又は知覚される)を要求しない。
【0010】
[0012]本開示の1つ又は複数の態様の詳細は、添付の図面及び下の説明に記載される。本開示で説明される技術の他の特徴、目的、及び利点は、説明及び図面、並びに、特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】[0013]電極組立体の1つの実施形態の上部斜視図である。
図1B】[0014]図1Aの電極組立体の下部斜視図である。
図1C】[0015]図1A~1Bの電極組立体の断面図である。
図1D】[0016]図1A~1Cの電極組立体の追加の斜視図である。
図2A】[0017]電極組立体の別の実施形態の上部斜視図である。
図2B】[0018]図2Aの電極組立体の下部斜視図である。
図2C】[0019]図2A~2Bの電極組立体の断面図である。
図3A】[0020]図1A~2Cの実施形態で使用され得る電極の斜視図である。
図3B】[0021]図3Aの電極の代替の斜視図である。
図4A】[0022]実施形態1A~2Cで使用され得るリードワイヤ組立体の側面図である。
図4B】[0023]図4Aのリードワイヤ組立体の斜視図である。
図5】[0024]図4A~4Bのそれなどのリードワイヤ組立体に相互連結されたクリップ及びピンの断面図である。
図6】[0025]先に例証された実施形態に、電極組立体が2つの電極を含むが、大部分が同様である代替の電極組立体の斜視図である。
図7A】[0026]代替の電極組立体の上部斜視図である。
図7B】[0027]図7Aの電極組立体の下部斜視図である。
図7C】[0028]図7Aの電極組立体の断面図である。
図8】[0029]図7A~7Cの電極組立体のベース材料及びハブの斜視図である。
図9】[0030]図7A~7Cの電極組立体の電極の斜視図である。
図10】[0031]図7A~7Cの電極組立体のカップの斜視図である。
図11】[0032]直径0.3mmの神経のまわりに巻かれた図1の電極組立体の概略図である。
図12】[0033]代替の電極組立体の概略図である。
図13】[0034]甲状腺軟骨に動作可能に固定された図12の電極組立体の概略図である。
図14】[0035]縫合糸及び/又はステープルがプレジェット基板を組織に固定するために挿入され得るアパーチャを含むプレジェット基板の部分概略図である。
図15】[0036]プレジェット基板を組織に固定するためのマイクロフックを含むプレジェット基板の部分概略図である。
図16】[0037]プレジェット基板を組織に固定するためのマイクロ針を含むプレジェット基板の部分概略図である。
図17】[0038]甲状腺摘出術及び頸部郭清癌手術中の刺激及び記録に適した本開示の様々なシステムのブロック図である。
図18】甲状腺摘出術及び頸部郭清癌手術中の刺激及び記録に適した本開示の様々なシステムのブロック図である。
図19】甲状腺摘出術及び頸部郭清癌手術中の刺激及び記録に適した本開示の様々なシステムのブロック図である。
図20】[0039]顔面神経の刺激を連続的に監視する耳下腺手術又は頭蓋底手術に適した本開示のシステムのブロック図である。
図21】[0040]顔面神経の刺激の連続監視用の電極組立体と、第8脳神経の直接神経監視用の電極組立体と、を備えた頭蓋底手術に適した本開示のシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0041]神経監視は、神経が危険に晒される外科手術で使用される。神経完全性モニタと、電極を有する手持ち型の刺激プローブと、を含むシステムは、外科医が神経を探針するときだけ間欠的な刺激を提供する。しかしながら、神経は、腫瘍除去中の操作及び伸張によって引き起こされる外科的な切開「ブラインド」外傷による刺激と、神経遮断をもたらすことのある蓄積外傷又は損傷と、の間の危険に晒される場合がある。しかしながら、自動周期刺激(APS)は、連続的な術中神経監視(CIONM)を提供する。電極は、著しいベースラインの変化のための調整可能な警報制限を含む、振幅及び潜時をリアルタイムにトレンディングするために使用される神経の連続的な周期刺激を提供する。この早い警告は、殆どの損傷が即時に可逆的であるが、長期化の場合に永続的になる可能性があるので、外科的外傷を止めるために外科医に警告するのに役立つ。
【0013】
[0042]本開示の態様は、例えば、APSで特に有用であるプレジェット刺激及び記録電極組立体に関する。そういった実施形態は、外科手術中に連続的な神経刺激を提供するための神経監視システムと互換性がある。2つの互換性のある神経監視システムは、NIM
Eclipse(登録商標)(部品番号945NCCPUE4)、NIM-Response(登録商標) 3.0(部品番号8253001)、及び、NIM-Neuro(登録商標) 3.0神経(部品番号8253401)監視システムを含み、全てがミネソタ州ミネアポリスのMedtronic,Inc.から入手可能である。開示された電極組立体は、頭部及び頸部処置における主幹の顔面神経、並びに、外側頭蓋底手術(LSB)手順における顔面神経の監視に特に有用である。電極組立体は、24時間未満の短い手順に使用され、又は、24時間より長く患者に植え込まれる場合がある。電極組立体の電極表面は、接触中又は電気麻痺などによる強化処置中に薬物を送達するためにコーティングされることがある。他の開示された実施形態は、筋電図(EMG)気管内チューブなしの甲状腺喉頭監視に特に有用である。そういった電気外科的気管内チューブは、2018年8月22日に提出されたMcFarlinらの米国特許出願第16/108,682号に開示されており、その内容全体は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。本開示の電極組立体は、外科手術中に誘発電位の術中監視システムで使用される場合があり、また、刺激のために使用されるカフ付きAPS電極又は針電極を含む現在の方法よりも組織の刺激を単純化する代替手段である。本開示の電極組立体は、そういった現在の方法よりも組織の記録を単純化する。そういった現在の方法の例は、Sinclair,C.F.、Tellez,M.J.、Tapia,O.R.、及び、Ulkatan,Sにおいて完全に開示されている(2017)。全身麻酔下のヒトにおける喉頭内転筋反射の対側性のR1及びR2構成要素。喉頭鏡、127 12、E443-E448。しかしながら、開示された実施形態の使用は、電極組立体が組み込まれる場合のある特定のシステムの特定の手順及び例に限定されることを意図しておらず、使用の方法は、下に更に開示されるであろう。
【0014】
[0043]電極組立体10の1つの実施形態例は、図1A~1Cに示される。電極組立体10は、1つ又は複数のスペーサ16、18を備えたプレジェット基板14によって支持されプレジェット基板内に位置決めされる1つ又は複数の電極12を含む。1つの実施形態では、1つ又は複数の電極12は、誘発電位監視電極である。電極組立体10は、ワイヤコア26のまわりに位置決めされた少なくとも1つの絶縁ジャケット22を含むリードワイヤ組立体20を更に含む。
【0015】
[0044]電極12は、記録及び刺激電極並びに治療刺激電極として使用される場合がある。幾つかの実施形態では、例えば、図6に関して下で更に開示されるように、2つの電極は、双極刺激又は記録を提供するために設けられる場合があり、電気刺激を組織に伝えるように構成され、こうして、電流密度に関して組織に接触するための適切な表面積を提供しなければならない。電極12が形成される材料、又は、ベース30(又は電極12が神経又は他の生体電気組織に接触する界面)の電極12に設けられる表面処理(図示せず)は、そういった好適な卑金属の選択、表面積を増やすための焼結、又はめっきを介して、組織に対する生体電気界面を強化するために、選択される場合がある。界面又はベース30における電極12のための適切な材料例は、ステンレス鋼、銅、金、イリジウム、パラジウム、白金、ルビジウム、ルテニウム、銀、導電性プラスチック又はインクを含む。導電性プラスチック又はインクは、組織への伝導送達を強化するために、上部32又はベース30の表面上に使用される場合がある。例えば、導電性インクは、電極12の表面でインクを乾燥させるために蒸発する溶剤を含むポリ塩化ビニル(PVC)粒子を含む約40~60%の導電性銀粒子を有することがある。導電性粒子及びポリマ粒子で造られる導電性プラスチックは、導電性プラスチックを形成するために互いに融合される。
【0016】
[0045]電極12は、リードワイヤ組立体20の圧着及び歪み緩和を可能にするようにも構成される。図2A~2Bにも示されたように、電極12は、ベース30と、上部32と、上部32及びベース30を相互連結する車軸34と、を含むように構成される場合がある。そういった特徴は、スペーサ16、18及びプレジェット基板14を捕捉する。そのうえ、上部32は、ドーム状部分36及び車軸34に対して外方に延びるフランジ状部分38に相互連結されたドーム状部分36を含む場合がある。上部32は、リードワイヤ組立体20の部分を保持するように構成される第1及び第2のチャネル40、42を含む。1つの実施形態では、第1のチャネル40は、ドーム状部分36内に位置決めされ、また、単一の点圧着を用いて上部32に近位の露出ワイヤコア26に圧着される場合がある。第2のチャネル42は、ワイヤコア26内に歪み緩和を提供するために使用される場合があり、また、任意選択でフランジ状部分38内に延びるように位置決めされる場合がある。特定の実施形態では、上部32は、低プロファイルのワイヤコア26界面を提供するように構成される。例証された実施形態では、第1のチャネル40は、ジャケット22及びワイヤコア26の双方を保持するように構成され、第2のチャネル42は、ワイヤコア26だけを保持するように構成される。電極12は、接着互換性材料で作製される場合があり、そうでなければ、ワイヤコア26が接着剤(図示せず)で電極12の上部32に固定され得るように接着互換性表面を提供する場合がある。
【0017】
[0046]ベース30は、任意選択で、イオントフォレーシスによってその送達が強化され得る生物活性剤又は治療薬(薬物又は麻酔薬)を包含又はそれに適用する場合がある。生物活性剤の例は、それらに限定されないが、ステロイド、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、又は、リドカインキシロカインエピネフリンなどの麻酔薬を含む。電極12は、そういった局所薬物又は麻酔薬を選択された場所に適用するのに役立つ場合があり、電極12(電流戻り電極と結合)は、外部印加電位差を送達し、膜を横切るイオンの動きは、治療目的のために用いて強化された。
【0018】
[0047]示されていないが、電極12は、任意選択で、電気的に選択的に絶縁される場合がある。そういった実施形態では、電極12は、完全に(例えば、化学蒸着を用いて)絶縁体内でコーティングされる場合がある。このコーティングは、次いで、所望のエリアを露出させるために、選択的に(例えば、レーザーを用いて)除去される場合がある。代替的に、電極12は、マスキングされる場合があり、その後に、絶縁コーティングは、適用される場合がある。
【0019】
[0048]プレジェット基板14は、例えば、ファンデルワールス力或いは組織凝固、乾燥又は瘢痕組織治癒などの生体接着を介して表面張力から付着する材料の丸い形状のボディ50を含み、また、濡れた状態下での神経/組織への固定を維持するように構成される。様々な実施形態では、プレジェット基板14は、約1mmから約4mmの範囲内で神経とインターフェース接続するように構成される。更に、プレジェット基板14は、リードワイヤ組立体20のワイヤコア26及び電極12の双方に対して自由に回転する。ボディ50は、流体の吸引を可能にするために多孔性材料で作製され、また、結合剤、水及び界面活性剤の水溶液を含むコーティング(見えない)が設けられることがあり、それは、ボディ50の表面繊維を拘束し、ボディ50のほつれを排除し、同時に、生体電気組織への適用のためにボディ50に追加の強度を提供する。コーティングは、プレジェット基板114の刺激又は神経側の色差を提供する顔料を更に含む場合がある。このように、ボディ50の第1の側面52は、第1の色のコーティングを含む場合があり、ボディ50の第2の側面54は、第2の色の、或いは、色の無いコーティングを含む場合がある。幾つかの実施形態では、組織/刺激側54コーティングは、親水性であることがあり、他方、プレジェット基板14の反対側52は、電流ステアリングを強化するための疎水性コーティングを有することがある。望ましいことは、ボディ50が高度の吸収力を維持する糸屑の出ない材料で作製されることである。ボディ50に適した材料の1つの例は、スパンボンドレーヨン(約0.33mmの厚さ)である。他の適切な材料は、例えば、レーヨン/ポリエチレンテレフタレート(PET)ブレンド及びPET/ビスコースブレンドを含む。プレジェット基板14及び本明細書に開示される任意の代替のプレジェット基板に適した材料を評価するテストは、表5~14に関して下で更に議論される。
【0020】
[0049]リードワイヤ組立体20は、任意選択で、図1Dに見られるようにスリーブ23を更に含む場合がある。スリーブ23は、臨床医がリードワイヤ組立体20を患者の解剖学的構造(図示せず)の一部に貼り付けることを可能にする綿又は同種のものなどの材料で作製される場合がある。そういった実施形態では、スリーブ23は、解剖学的構造へのスリーブ23の接着(こうして、リードワイヤ組立体の接着)を容易にするために、スリーブ23がジャケット22に沿った部分に任意選択で位置決めされ、水又は同種のもので濡らされ、その後に解剖学的構造に押し付けられ得るように、ジャケット22の長さaに沿って任意選択で摺動可能である場合がある。リードワイヤ組立体20は、例えば、電極12を作動させて電極12から検知された組織の生体電気応答を記録するように構成された、本明細書に開示されたものなどの神経監視システムに連結されるように構成されたコネクタ25を追加的に含む(図17~21も参照)。代替的な実施形態では、電極12からの生体電気組織の刺激。
【0021】
[0050]図2A~2Bに全体が例証されたように、本開示の電極組立体10’は、丸い形状を有するボディ50’を含むプレジェット基板14’を含む必要がなく、正方形状などの代替の形状を有する場合がある。他の形状は、不規則な形状を含んで想定される。本明細書で説明されたように同様の特徴を指す同様の参照番号で示されるように、電極組立体10’の全ての他の態様は、同様に構成され、明示的に記述されている場合を除いて、図1A~1Cの実施形態10に関して上で説明されたやり方で動作する場合がある。
【0022】
[0051]示されたように、開示された実施形態の電極組立体10は、プレジェット基板14の両側に位置する第1のスペーサ16及び第2のスペーサ18を含む2つのスペーサ16、18を有する場合がある。第1のスペーサ16は、電極12がそれを通して位置決めされるアパーチャ(はっきり見えない)を含む。第1のスペーサ16は、プレジェット基板14内に歪み緩和を提供する場合があり、また、電流指向性と電極車軸34及びプレジェット基板14間の絶縁も提供する。1つの例示的な実施形態では、第1のスペーサ16は、ポリエチレンで作製される。第2のスペーサ18は、電極車軸34がそれを通して位置決めされるアパーチャ(はっきり見えない)も画定する。第2のスペーサ18は、プレジェット基板14内に歪み緩和を提供する場合もあり、また、電極12まわりのプレジェット基板14の自由回転、並びに、ボディ50の接着用の表面を提供する場合もある。第2のスペーサ18は、電流指向性とプレジェット基板14の刺激側及び神経側の色差とを追加的に提供し、電極12及びワイヤコア26が自由に回転するのを可能にし、電極12を操作する能力を強化する特徴部60を含む場合がある。1つの例では、特徴部60は標準的な外科器具によってつかむことのできるリップである。第2のスペーサ18は、接着剤が乾燥又は硬化した後に、ワイヤコア26に電極12の上部32を固定するために使用される液体接着剤(図示せず)を保持するために、特徴部60によって少なくとも部分的に画定され得るボウルなどの保持構造62を更に含む。1つの例示的な実施形態では、第2のスペーサ18は、ナイロンで作製される場合がある。
【0023】
[0052]さて図3A~3Bにも転じると、代替のリードワイヤ組立体20’が例証される。リードワイヤ組立体20’は、本明細書で説明されるリードワイヤ組立体20と実質上同様であるが、単一の絶縁ジャケット(例えば、ジャケット22)だけを含む代わりに、リードワイヤ組立体20’は、内側ジャケット22a、ワイヤコア26を囲む外側ジャケット22bを含む。内側及び外側ジャケット22a、22bの双方は、ワイヤコア26を絶縁するため、及び、リードワイヤ組立体20を継ぎ合わせる潜在的要求を排除するために、任意選択で提供される場合がある。このように、外側ジャケット22bは、内側ジャケット22aから少なくとも部分的に剥ぎ取られる場合がある。加えて、シリコーン又は同種のものなどの剥離剤28は、内側ジャケット22a及び外側ジャケット22b間の接着を防止するために、内側ジャケット22a及び外側ジャケット22b間に適用される場合がある。幾つかの実施形態では、略6インチ(15.24cm)の長さLの内側ジャケット22aは、外側ジャケット22bに対して露出されるであろう。
【0024】
[0053]リードワイヤ組立体20、20’は、糸のような可撓性を有する展性及び柔軟性を有し、同時に、高い引張強度を有する。幾つかの実施形態では、リードワイヤ組立体20、20’は、少なくとも0.5ポンド(226.796g)の破断強度を支持する場合がある。設けられる場合、内側及び外側ジャケット22a、22b(又は単一のジャケット22)は、ワイヤコア26に電気絶縁を提供し、幾つかの実施形態では、リードワイヤ組立体20又はジャケット22、22a/22bの柔軟性を維持するために集合的に薄い。1つの実施形態例では、ジャケット22又は外側ジャケット22bは、ポリ塩化ビニル(PVC)などの低反射率材料で作製され、また、1000VCの絶縁耐力の電気絶縁を提供する。提供される場合、内側ジャケットは、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で作製される場合がある。ワイヤコア26は、変形形状を保持するために展性を有し、また、任意選択で、300シリーズのステンレス鋼40AWGの単一ストランド材料で作製される場合がある。ジャケット22、22a、22bは、患者の解剖学的構造とのコントラストを提供するために、黄色などの特定の色にされる場合がある。図5にリードワイヤ組立体20に関して示されたように、リードワイヤ組立体20、20’は、例えば、患者インターフェース(図示せず)との電気通信を提供するピンジャック70などを介して、電極12及び/又はAPSシステムへの電気的連結を更に支持する場合がある。ピンジャック70は、国際電気標準会議60601準拠に関して保護される場合がある。
【0025】
[0054]図5に全体が例証されたように、クリップ80は、手術中に、例えば、歪み緩和を提供するために、リードワイヤ組立体20’を患者の耳、又は、患者をカバーする滅菌ドレープに固定するために、リードワイヤ組立体20’(又は同様の様式でリードワイヤ組立体20)に固定される場合がある。クリップ80は、閉位置に付勢されたヒンジ連結86を含む2つのアーム82、84を含むように構成される場合がある。ヒンジ連結86は、2つのアーム82、84がそのまわりを回転できるピンを含む場合がある。2つのアーム82、84は、閉位置にばね付勢される場合がある。クリップ80は、一方のアーム82をジャケット22bに固定する実装ブロック88を含む。実装ブロック88は、クリップ80がリードワイヤ組立体20’の長さに沿って軽い抵抗(例えば、0.3ポンド(136.078g)以下)で摺動するのを可能にするように構成される場合がある。加えて、実装ブロック88は、クリップ80が実装ブロック88に対して360度回転又はスピンするのを可能にするようにクリップ80に連結される場合がある。
【0026】
[0055]図1A~1Dの実施形態に関して、先に示唆されたように、代替的な電極組立体では、電極組立体は、複数の電極12を含む場合がある。図6は、概ね長円形状のプレジェット基板14”に支持された2つの離間した電極12を含む電極組立体10”を例証する。各電極12は、1つ又は複数のスペーサ16を用いて、更には、他の実施形態に関して上で説明されたやり方で、プレジェット基板14”内に連結及び支持される。本明細書で説明されるように同様の特徴を指す同様の参照番号で示されるように、プレジェット基板14”の他の特性を含む電極組立体10”の他の全ての態様は、明示的に異なると記述されている場合を除いて、図1A~5の実施形態10又は10’に関して、同様に構成されて上で説明されたやり方で動作する場合がある。
【0027】
[0056]さて図7A~10にも転じると、代替的な電極組立体110が例証される。電極組立体110は、アパーチャ162と、アパーチャ162から半径方向に延びる第1及び第2のフランジ164a、164bと、を有するハブ160を備えるプレジェット基板114によって支持され、プレジェット基板内に位置決めされた誘発電位監視電極112を含む。ハブ160は、プレジェット基板114にオーバモールドされ、また、ポリエチレンなどの剛性材料で作製され、例えば、任意選択で着色顔料を含む。ハブ160は、プレジェット基板114材料の繊維を保持及びカプセル化することによってプレジェット基板114の物理的保持を改善すると考えられている。ハブ160は、更には、ハブ160/電極112のまわりのプレジェット基板114の自由回転を提供するように構成され、また、プレジェット基板114に分与される横応力に起因するプレジェット基板114の変形を低減する。
【0028】
[0057]先の実施形態と同様に、電極112は、記録及び刺激電極並びに治療刺激電極と
して使用される場合がある。幾つかの実施形態では、先に図6に関して議論されたように、2つの電極は、電極組立体110に設けられる場合がある。各電極112は、組織と接触するように構成されたベース130と、そこから延びる車軸134と、を含む場合がある。チャネル142は、車軸134内に延び、また、リードワイヤ組立体120のワイヤコア126を受容するように構成される。図7Cから理解され得るように、車軸134及びカップ190の第1の部分192は、車軸134がチャネル196内に位置決めされ得るように構成される。電極112が形成される材料、又は、電極112のベース130(又は電極112が組織に接触する界面)に設けられる表面処理(図示せず)は、そういった好適な卑金属の選択、表面積を増加させるための焼結、又はめっきを介して、組織への生体電気界面を強化するために選択される場合がある。例証された実施形態では、車軸134及び任意選択のベース130の一部は、車軸134を通って延びるチャネル142の外側に適用される選択的適用型コーティング139を含む。コーティング139は、分路を排除し、また、刺激電流の全てが電極112のベース130に送達され、従って、接触組織に送達されるのを確実にする。これは、無血の「乾燥」及び冠水の「湿潤」手術野の両方での電極組立体110の性能の一貫性を改善する。加えて、この構成は、ハブ160がプレジェット基板114内で回転できる円滑で低摩擦の表面を提供する。そのうえ、選択的適用型コーティング139は、圧着エリア及び神経接触エリアの導電率を確実にし、同時に、電極112の他の表面全部を電気的に絶縁する。コーティング139に適した材料の例は、それらに限定されないが、フロロポリマ、ダイヤモンド様コーティング(DLC)、パリレン二酸化シリコーン、酸化アルミニウム、ハラー、硬化フォトポリマ、セラミック及びポリイミドコーティングを含む。電極112の適切な材料例及び他の特性は、明白に記述されている場合を除いて、電極12に関して開示されたものと同様である場合がある。
【0029】
[0058]電極組立体110は、ワイヤコア126のまわりに位置決めされた少なくとも1つの絶縁ジャケット122を含むリードワイヤ組立体120を更に含む。1つの実施形態例では、少なくとも1つの絶縁ジャケット122は、図7に例証されるように、ワイヤコア126上に位置決めされた内側ポリエステル層及び外側製織ナイロン層を含む。電極112及びワイヤコア126をポッティングするのに必要な接着剤(図示せず)の体積を最小化するために、電極組立体110は、カップ190が設けられる。カップ190は、任意選択で顔料を含むナイロンで作製される場合があり、また、第1の部分192及び第2の部分194を含む。リードワイヤ組立体120を受容するためにサイズ決めされるチャネル196は、第1及び第2の部分192、194の双方を通って延びる。第1の部分192は、概ね円形の周囲を画定し、また、複数の凹所又はランディングゾーン198a~198cを含み、組立中と使用中の両方での操作のために、標準的な外科用器具とのインターフェース用のグリップを提供する。1つの実施形態では、ランディングゾーン198a~198cは、互いに略120度で隔置される。第2の部分194は、テクスチャ付き表面200を任意選択で含む場合がある。
【0030】
[0059]プレジェット基板114は、ファンデルワールス力、或いは、例えば、組織凝固、乾燥又は瘢痕組織治癒などの生体接着を介して表面張力から患者組織に付着する材料の丸い又は他の形状のボディ150を含み、また、「湿った」条件下で神経/組織への固定を維持するように構成される。様々な実施形態では、プレジェット基板114は、約1mm~約4mmの範囲内で神経とインターフェースするように構成される。更に、プレジェット基板114は、リードワイヤ組立体120のワイヤコア126及び電極112の双方に対して自由に回転する。ボディ150は、流体の吸引を可能にするために多孔性材料で作製され、また、結合剤、水及び界面活性剤の水溶液を含むコーティング(見えない)が設けられることがあり、それはボディ150の表面繊維を拘束し、ボディ150のほつれを排除し、同時に、組織へのその適用のためにボディ150に追加の強度を提供する。コーティングは、プレジェット基板114の刺激又は神経側の色差を提供する顔料を更に含む場合がある。このように、ボディ150の第1の側面152は、第1の色のコーティングを含む場合があり、ボディ150の第2の側面154は、第2の色の、或いは、色の無いコーティングを含む場合がある。幾つかの実施形態では、組織/刺激側154コーティングは、親水性であることがあり、他方、プレジェット基板114の反対側152は、電流ステアリングを強化するための疎水性コーティングを有することがある。望ましいことは、ボディ150が高度の吸収力を維持する糸屑の出ない材料で作製されることである。ボディ150に適した材料は、本明細書の他の実施形態に関して開示されたものを含む。明示的に記述されている場合を除いて、リードワイヤ組立体120は、上で開示されたリードワイヤ組立体20、20’と同様に構成される場合がある。
【0031】
[0060]さて図11にも転じると、示される電極組立体10は、神経Nに動作可能に取り付けられる。この例証的な例では、神経は、0.3mmの直径を有する。理解されるであろうことは、本開示の他の電極組立体が神経Nに同じやり方で取り付けられるように構成される場合があること、及び、電極組立体が適用される組織(例えば、神経)が例証された神経Nに限定されないこと、である。
【0032】
[0061]さて図12~13にも転じると、代替的な電極組立体210が示される。電極組立体210は、プレジェット基板214によって支持され、プレジェット基板内に配置された複数(例えば、4つ)の電位監視電極212を含む。実施形態例では、各電極212は、前述の実施形態に関して開示されるような任意のやり方でプレジェット基板214に支持される場合がある。
【0033】
[0062]各電極212は、記録及び刺激電極並びに治療刺激電極として使用される場合がある。各電極212のための適切な構成、材料例、及び特性は、明白に記述されている場合を除いて、電極12及び112に関して開示されたものと同様である場合がある。電極組立体210は、電極212のそれぞれについて、前の実施形態に関して開示されたように、絶縁ジャケット222によって少なくとも部分的にカバーされたリードワイヤ(見えない)を含むリードワイヤ組立体220を更に含む。明示的に記述又は例証されている場合を除いて、リードワイヤ組立体220は、上で開示されたリードワイヤ組立体20、20’、120と同様に構成される場合がある。
【0034】
[0063]プレジェット基板214は、接合領域213で相互連結又は互いに接触する材料の2つのボディ250a、250bを含む。1つの実施形態では、接合領域213は、2つのボディ250a、250bの個々の最大幅と比較して、減少した幅又は厚さを有する。説明され得ることは、2つのボディ250a、250bが全体としてプレジェット基板214の不規則な外側境界をもたらす、ということである。このように、ボディ250a、250bは、接合領域213で切断、そうでなければ分離される場合がある。1つの実施形態例では、2つのボディ250a、250bは、個々が丸いか又は長円であり、また、同一の比率を有する。2つのボディ250a、250bを分離するための選択肢を提供することによって、2つのボディ250a、2850bは、互いに対して移動又は事前位置決めされる場合がある。この設計は、一貫性のある喉頭EMGデータを取得するときに、特に有益である。多くの状況において、EMG ETチューブの表面チューブ電極と喉頭との間の接触は、処置の過程で絶えず変化しており、それによって、偽陰性の結果を除外する疑いがあるたびに、外科医がEMG ETチューブを操作するのを強制する。逆に、電極組立体210の場合、電極組立体210は、図13に示されたように、甲状腺軟骨Tに付着して、喉頭と共に動いて、喉頭EMG痙攣を識別する。理解されるであろうことは、開示された電極組立体のどれもが、例えば、図11及び13に例証されているのと同様のやり方で、組織に固定される場合がある、ということである。1つの実施形態では、接合領域213は、2つのボディ250a、250bを任意選択で分離するのに役立つために穿孔215を含む。先に開示された実施形態と同様に、プレジェット基板214は、ファンデルワールス力又は、例えば、組織凝固、乾燥又は瘢痕組織治癒などの生体接着を介して、表面張力から患者の組織に付着し、また、湿潤状態下で神経又は組織への固定を維持するように構成される。電極212及びプレジェット基板214は、明示的に記述されている場合を除いて、他の開示された実施形態と同一のやり方で、同一に構成されて機能する場合がある。例えば、電極212は、本明細書で説明される任意のやり方で、プレジェット基板214内に支持される場合がある。
【0035】
[0064]1つの実験では、図1A及び7Aの電極組立体は、比較してテストされた。テストするために、各プレジェット基板は、生理食塩水に浸されて、迷走神経に動作可能に配置された。刺激は、手術野が「乾燥」の場合に両電極組立体でEMG応答が約1100μVである1mAに設定された。生理食塩水のシリンジからの2~3滴が、それぞれのプレジェット基板上に直接配置されたときに、それらの双方は、低下したEMG応答(図1Aの電極組立体で略50%、図7Aの電極組立体で略30%)を経験したが、しかしながら、図7Aの電極組立体は、迅速に回復し、図1Aの電極組立体は、手術野が乾燥するまで回復しなかった。
【0036】
[0065]本開示の任意のプレジェット基板は、様々なやり方で神経又は他の組織に任意選択で固定される場合がある。少数の方法例は、個別又は組合せで利用される場合があるが、図14~16に例証される。図14に例証されるように、プレジェット基板314は、ステッチ又はステープル(図示せず)で組織に固定される場合がある。この実施形態では、アパーチャ315(全体を参照)は、縫合糸及び/又はステープルを介してそれぞれの電極組立体を組織に固定するために、外科医が標準縫合糸又はステープルをその中に通すために、プレジェット基板314に設けられる場合がある。
【0037】
[0066]さて図15にも転じると、例証されるプレジェット基板414は、電極組立体を組織に固定するためのマイクロフック415(全体を参照)を含む。フック415の個々は、半剛性(フック及びループ締結システムで使用されるフック締結体と同様)であり、従って、フック415は、組織の中に押圧されるので組織に係合し、除去のために、各フック415の柔軟性は、各フック415が組織から自由に引っ張られ得るように、外向きの引っ張り力が適用された後には、自然に真っ直ぐになる。
【0038】
[0067]さて図6にも転じると、例証されるプレジェット基板514は、組織へのプレジェット基板514の固定を支援するためのマイクロ針515(全体を参照)を含む。マイクロ針515は、組織界面のインピーダンスを低減し、また、皮膚の表面で使用される場合もある。マイクロ針は、アレイ構成(参照番号515で全体が表される)で提供されるならば、刺激の経路を提供する、並びに、組織へのプレジェット基板514の接着を改善する場合がある。そういった実施形態では、マイクロ針515は、必要に応じて、プレジェット基板514によって画定される平面に関して真っ直ぐ(垂直)又は角度付け(非垂直)される場合がある。
【0039】
[0068]先に示されたように、様々なプレジェット材料基板は、組織接着、組織から除去する能力、摩耗/粗さ(乾燥時と湿潤時の双方)、柔軟性と順応性、湿潤性、横応力変形、及び、せん断後の完全性を含む望ましい特性を評価するためにテストされた。テストされた各サンプルは、0.25インチ(6.35mm)の直径を有する材料の円形見本であった。
【0040】
[0069]接着性をテストするために、縫合糸は、各プレジェット基板サンプルの中心に通された。プレジェット基板サンプルは、0.9%生理食塩水で完全に飽和されて、ステンレス鋼シート上に配置された。プレジェット基板サンプルは、ステンレス鋼シートの平坦表面に垂直な方向に引っ張り試験された。接着性の格付けは、下の表1に示されたように
割り当てられ、各テストの結果は、表5~14に提示される。
【0041】
【表1】
【0042】
[0071]組織を除去又はそれから剥離するための各基板の材料能力をテストするために、各プレジェット基板サンプルは、プレジェット基板サンプルの縁部近くに縫合糸が通された。プレジェット基板サンプルは、0.9%生理食塩水で完全に飽和されて、ステンレス鋼シート上に配置された。プレジェット基板サンプルは、プレジェット基板サンプルの中心軸の方向に、ステンレス鋼シートの平坦表面に対して45度の角度で引っ張り試験された。剥離の格付けは、下の表2に示されたように割り当てられ、各テストの結果は、表5~14に提示される。
【0043】
【表2】
【0044】
[0073]乾燥及び湿潤の双方の各基板材料の摩耗又は粗さをテストするために、各基板材料のサンプルは、手動で定性的に評価された。各材料をスコア化するために、リッカートスケール定性的品質格付けは、下の表3で詳述されたように使用された。
【0045】
【表3】
【0046】
[0075]各基板材料の柔軟性/順応性をテストするために、2mmの鋼製ゲージピンは、ステンレス鋼の表面に配置された。0.9%生理食塩水で完全に飽和したプレジェット基板サンプルは、ピンの上でドレープされ、プレジェット基板サンプルをピン幾何学に適合させるために、手袋をはめた指を用いて押圧された。力は、除去され、プレジェット基板サンプルは、力の除去後の30秒にピン及びステンレス鋼表面にどれだけ良好にプレジェット基板が適合したままであるかに基づいて評価された。各材料をスコア化するために、リッカートスケール定性的品質格付けは、上の表3で詳述されたように使用された。
【0047】
[0076]各プレジェット基板材料の湿潤性をテストするために、水滴は、プレジェット基板サンプルの表面に適用された。基板サンプルは、次であるかどうかを判断するために観察された。A)親水性(生理食塩水をよく吸収)、B)中間(幾分遅れて生理食塩水をかなりよく吸収)、又は、C)疎水性(生理食塩水滴は表面に着座するであろう)。湿潤性の格付けは、下の表4に要約されたように割り当てられた。
【0048】
【表4】
【0049】
[0078]各プレジェット基板サンプルの横応力変形をテストするために、サンプルは、横方向に「引っ張り」をされ、任意の軸に沿った塑性変形に対する材料の快諾さに基づいて評価された。各材料をスコア化するために、リッカートスケール定性的品質格付けは、上の表3に詳述されたように使用された。
【0050】
[0079]各プレジェット基板サンプルのせん断後の完全性をテストするために、各プレジェット基板サンプルは、外科用はさみを用いてせん断され、縁部の完全性(即ち、サンプルはきれいな縁部を示したか?カットラインを超えて延びる繊維があったか?等々)に基づいて定性的にランク付けされた。せん断は、乾燥したプレジェット基板サンプルで実行された。各材料をスコア化するために、リッカートスケール定性的品質格付けは、上の表3に詳述されたように使用された。
【0051】
[0080]下の表5~14に示された結果から理解され得るように、70%レーヨン/30%PETのブレンドで作られたプレジェット基板サンプルは、他のテスト済みサンプルと比較して、全体的に優れた性能だった。50%レーヨン/50%PETのブレンドで作られたサンプルも、他のサンプルと比較して、全体的にかなり良い性能でもあった。
【0052】
【表5】
【0053】
【表6】
【0054】
【表7】
【0055】
【表8】
【0056】
【表9】
【0057】
【表10】
【0058】
【表11】
【0059】
【表12】
【0060】
【表13】
【0061】
【表14】
【0062】
[0091]さて図17~19に加えて参照すると、含まれる本開示の様々なシステム600~800のブロック図は、甲状腺摘出術及び頸部郭清癌手術中の刺激及び記録に適する。図17のシステム600の場合、本開示の電極組立体604の1つ(例えば、電極組立体10、10’、110)は、誘発電位監視システム602に動作可能に連結され、それは、本明細書で開示された任意のタイプ、或いは、上で参照されたNIM Eclipse(登録商標)(部品番号945NCCPUE4)、NIM-Response(登録商標) 3.0(部品番号8253001)、及び、NIM-Neuro(登録商標) 3.0神経(部品番号8253401)を含む当技術分野で知られた任意のタイプである場合がある。加えて、システム600は、EMGチューブ606を含む。任意の知られたEMGチューブは、適切である。1つの例は、フロリダ州ジャクソンビルのMedtronic Xomed,Inc.から入手可能なモデル番号82-29707、TriVantage(登録商標)EMGチューブ7mmを含む。神経刺激プローブ608は、同じく提供される。適切なプローブ608は、フロリダ州ジャクソンビルのMedtronic Xomed,Inc.から共に入手可能なStandard Prass Flush-Tippart(モデル番号8225101)又はIncrementing Standard Prass Flushチップ(モデル番号82-25825)を含む。
【0063】
[0092]図18のシステム700は、同様であり、誘発電位監視システム602と、誘発監視システム602に動作可能に連結されるEMG記録用の本開示の電極組立体612のうちの1つと、誘発電位監視システム602に動作可能に連結された、同じくAPS神経刺激電極610(例えば、フロリダ州ジャクソンビルのMedtronic Xomed,Inc.から入手可能なモデル番号8228052、APS電極2mm)と、を含む。このシステムは、刺激プローブ608も含む。
【0064】
[0093]図19のシステム800は、誘発電位監視システム602を含んでおり、それは
、神経刺激用の本開示の電極組立体604と、反回神経及び迷走神経記録用のEMGチューブ614と、上喉頭神経記録用の本開示の1つの電極組立体616と、同じく刺激プローブ608と、に動作可能に連結される。
【0065】
[0094]図20は、顔面神経の刺激を連続的に監視する耳下腺手術又は頭蓋底手術に適した本開示のシステム900のブロック図である。システム900は、顔面神経の刺激のために提供される本開示の1つの電極組立体604と、針EMG記録電極618と、に動作可能に連結された誘発電位監視システム602を含む。適切な針EMG記録電極の1つの例は、フロリダ州ジャクソンビルのMedtronic Xomed,Inc.から入手可能なモデル番号82-27411ペアード皮下電極4-CHである。加えて、システム900は、刺激プローブ608を含む。
【0066】
[0095]図21は、顔面神経の刺激の連続監視用の電極組立体と、第8脳神経の直接神経監視用の本開示の電極組立体と、を備えた頭蓋底手術に適した本開示のシステム1000のブロック図である。システム1000は、顔面神経への取り付け及び顔面神経の刺激のために、本開示の1つの電極組立体604に動作可能に連結された誘発電位監視システム602を含む。加えて、誘発電位監視システム602は、針EMG記録電極618に連結される。誘発電位監視システム602に追加的に連結されるのは、第8脳神経に取り付けてそこから生体電気応答を記録するための本開示の1つの電極組立体620である。刺激プローブ608は、誘発電位監視システムにも連結される。
【0067】
[0096]本明細書に開示される電極組立体は、例えば、脳神経、末梢神経、及び、混合運動神経を含むボディ全体の神経刺激又は生体電位記録のために、手術中に使用される誘発電位監視の方法に使用される場合がある。上で示されたように、特に、図17~21を参照して、想定されることは、本開示の電極組立体が、誘発電位監視を適用するための補完的な方法として、標準電極、針電極、連続監視電極又はEMGチューブと交換又は連結するために、排他的に使用される場合がある、ということである。
【0068】
[0097]本開示の電極組立体は、大脳皮質、脊髄、及び脊髄神経根を含む、手術中の脳神経、より多くの抹消神経、又は感覚神経又は混合運動感覚神経を含むボディ全体の誘発電位監視のために使用される場合がある。本開示の電極組立体は、それらに限定されないが、頭蓋内、頭蓋外、側頭内、側頭外、頸部郭清術、胸部手術、上肢及び下肢、変性処置、皮質マッピング、椎弓根スクリュー手術、固定ケージ、リゾトミ、整形手術、開腹及び経皮的な腰椎及び頸部外科手術、及び胸部外科手術を含む誘発電位監視手順中の神経の刺激、生体電位記録、治療刺激及び自動周期刺激(APS)の連続監視に使用される場合がある。
【0069】
[0098]上で示されたように、誘発電位監視方法のための開示された電極組立体の使用は、現在の方法と交換又は取って代わる場合がある。例えば、甲状腺摘出術中の神経監視は、喉頭の神経(反回喉頭神経、上咽頭神経、迷走神経)を保存及び保護するために使用される。誘発電位監視(刺激及び記録)は、典型的には、神経機能を所在確認して査定するために、手持ちの刺激プローブで神経を刺激することによって達成される。迷走神経の刺激の連続監視は、自動周期刺激(APS)の使用によって実現される。EMG応答の記録は、典型的には、EMGチューブ(統合された記録電極を備えた直腸内チューブ)又は喉頭の筋肉に経皮的に又は口腔内に配置された侵襲的な針電極で、神経支配筋からEMGを記録することによって実施される。本発明者は、現在の方法が欠点を有することを発見した。APS電極は、刺激された神経のまわりの円周方向に配置する必要があり、それは、侵襲的であり、慎重な切開手術スキルなしで神経学的損傷の危険を呈する。EMGチューブは、専門の電極であり、複雑で高価である。両方の従来のデバイスは、効果的であり再配置に時間が掛かるために操作者の配置に依存する。
【0070】
[0099]本開示の電極組立体を用いた誘発電位監視(刺激及び/又は記録)のための本開示の方法は、費用効果及び製品用途の使い易さを改善するために、必要に応じて、デバイス、配置位置決め、及び交換を簡略化する。本開示の電極組立体は、知られているシステム(図17及び図19)のAPS電極と交換する場合がある。本開示の電極組立体は、電極が適用されるであろう神経の360度切開を必要とする知られたAPS電極と比較して、濡れて神経に配置される場合がある。本開示の電極組立体は、ボディ全体で使用される場合がある。例えば、電極組立体は、甲状腺及び頸部郭清術中の連続監視中に迷走神経を刺激するために使用される場合がある。本開示の電極組立体は、耳下腺又は頭蓋底処置中の顔面神経の連続監視中の刺激のために使用される場合もある(図20~21)。
【0071】
[0100]想定されることは、本開示の電極組立体がEMGチューブの使用と交換する場合(図18)もあるということである。本開示の新しい電極組立体は、適切なEMG応答を記録するために挿管に配置されて慎重に位置決めされなければならないEMGチューブ電極と比較して露出気管に後に湿らせて配置される場合がある。また、EMGチューブは、手術中に患者の気道も維持しているので、視覚化及び救済が困難である手術中に移動される場合がある。プレジェット基板の配置は、視覚的に明らかであり、甲状腺手術中に容易に交換又は移動される。ツイストペアプレジェット基板は、単一のチャネル参照EMG記録用に1つの電極が気管の各側に位置決めされる場合があり、或いは、ペアは、2つのチャネル側の特定記録用に気管の各側に配置される場合がある。
【0072】
[0101]更に想定されることは、本開示の電極組立体が、侵襲的でデリケートな筋系を損傷し得る針電極と比較して、特定の上喉頭神経反応を記録するための輪状甲状筋に直接配置される場合があるということである。
【0073】
[0102]例えば、本開示の電極組立体は、第8脳神経誘発反応を記録するか又は顔面神経の連続刺激を頭蓋内で提供する場合がある(図21)。本開示の電極組立体を使用する方法は、繊細な頭蓋内神経に配置するのがより容易で回避性が低い。本開示の電極組立体は、頭蓋刺激又は記録神経のためのクエバ(Cueva)C形状電極の使用と交換する場合がある。本開示の電極組立体は、神経のまわりにクエバC形状電極を配置することが、クエバ電極を受け入れるために繊細な頭蓋内神経が切開されることを要求することと比べて、濡れていて最小限の操作で神経に配置される場合がある。
【0074】
[0103]システム600~1000を使用して術中神経監視及び/又は刺激手順を実施する1つの方法は、一般に次のように実施される場合がある。本開示の電極組立体10、10’、10”、110、210は、患者の生体電気組織にアクセスするために、皮膚切開部内に挿入されたカニューレを通して任意選択で送達される場合がある。組織は、反回神経、上喉頭神経、迷走神経、末梢神経又は脳神経などの神経である場合がある。他の実施形態では、組織は、気管である場合がある。追加の実施形態では、組織は、神経支配筋又は輪状甲状筋である場合がある。幾つかの実施形態では、カニューレ及び皮膚切開は、2.5mmに等しいか又はそれより大きい。いったん所望の組織がアクセスされると、プレジェット基板は、組織に適用される。従って、プレジェット基板がそこに固定される神経又は組織は、切開が必要とされない。そういった適用は、プレジェット基板を生理食塩水で濡らすこと、次いで、プレジェット基板を組織のまわりに巻くことを任意選択で含む場合がある。マイクロフック又はマイクロ針がプレジェット基板に設けられる実施形態では、それらは組織内に挿入されるように適用されることがある。アパーチャがプレジェット基板に設けられる場合、プレジェット基板は、アパーチャを通して組織に縫製されるか又はステープル留めされる場合がある。プレジェット基板の親水性の性質のおかげで、プレジェット基板は、プレジェット基板を神経に対して保持するであろう標的組織に存在する水分を自然に吸収するであろう。幾つかの実施形態では、基板は、組織の全周よりも少な
く(即ち、周囲の360度よりも少なく)まわりに巻かれる。幾つかの実施形態では、プレジェット基板は、組織の周囲の360度よりも少なく、しかしながら、組織の周囲の20度よりも多くカバーするように適用される。いったん適用されると、方法は、電極組立体の1つ又は複数の電極から検知された組織の生体電気応答を記録することを含む場合がある。生体電気応答は、EMG活動又は直接的な神経記録を含む場合がある。幾つかの実施形態では、刺激は、組織に適用される治療刺激である。図12の電極組立体が利用される方法では、ユーザは、望みに応じて、ミシン目又はその他のいずれかに沿って、プレジェット基板の第1及び第2のボディを任意選択で連結解除する場合があり、理解されるべきことは、方法で提供されるシステムが電極組立体に動作可能に連結された1つの誘発電位監視システムを含むことである。リードワイヤ組立体のコネクタは、電極組立体が組織上に位置決めされる前又は後で、本明細書に開示されたタイプの誘発電位監視システムに固定される場合がある。
【0075】
[0104]代替の実施形態では、刺激は、図7Aの電極組立体の電極を介して組織に適用される場合があり、ユーザは、プレジェット基板のまわりのカップの回転を介して、リードワイヤ組立体の方向を任意選択で調整することがある。
【0076】
[0105]本開示が好適な実施形態を参照して説明されてきたが、当業者は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、変更が形態及び詳細に行われ得ることを認識するであろう。理解されるべきことは、本明細書に開示された様々な態様が説明及び添付図面に具体的に提示された組合せとは異なった組合せで組み合わされ得る、ということである。同じく理解されるべきことは、例にもよるが、本明細書で説明されるプロセス又は方法のどれかの或る種の行動又は事件が、異なる順序で実行されることがあり、追加、合併、又は一斉に除外されることがある(例えば、全ての説明された行動又は事件が、技術の実行に必要ないかもしれない)、ということである。加えて、本開示の或る種の態様は、明確にする目的のために単一のモジュール又はユニットによって実行されると説明されるが、理解されるべきことは、本開示の技術が、例えば、医療デバイスと関連する、ユニット又はモジュールの組合せによって実行され得る、ということである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21