(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-19
(45)【発行日】2023-04-27
(54)【発明の名称】治療用抗体製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 39/395 20060101AFI20230420BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20230420BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20230420BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20230420BHJP
A61P 17/04 20060101ALI20230420BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20230420BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20230420BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230420BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
A61K39/395 N ZNA
A61K9/08
A61K47/26
A61P17/00
A61P17/04
A61P17/06
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P35/00
(21)【出願番号】P 2021548156
(86)(22)【出願日】2020-02-11
(86)【国際出願番号】 US2020017594
(87)【国際公開番号】W WO2020172002
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-08-17
(32)【優先日】2019-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【氏名又は名称】呉 英燦
(72)【発明者】
【氏名】コーバリ,ビンセント ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ピスパティ,カルティク
(72)【発明者】
【氏名】シ,ガレン ホワイチュウ
【審査官】深草 亜子
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-521047(JP,A)
【文献】特表2012-511540(JP,A)
【文献】国際公開第2018/169348(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/162500(WO,A1)
【文献】特表2013-543868(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106474470(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 39/00-39/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)80mg/mL+/-10%の濃度の抗IL17A抗体と、
(ii)234mM+/-10%の濃度のショ糖と、
(iii)0.005w/v%+/-10%~0.05w/v%+/-10%の濃度の界面活性剤とを含
み、
緩衝液を含まない、水性医薬製剤であって、
前記医薬製剤が、L-アミノ酸賦形剤を実質的に含まず、pH5.2~6.5である水溶液であり、前記医薬製剤が、イオン性等張性賦形剤を実質的に含まず、前記抗IL17A抗体が、軽鎖可変領域(LCVR)と、重鎖可変領域(HCVR)とを含み、前記LCVRが、相補性決定領域(CDR)のLCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含み、前記HCVRが、CDRのHCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含み、
LCDR1が、配列番号1のアミノ酸配列を含み、
LCDR2が、配列番号2のアミノ酸配列を含み、
LCDR3が、配列番号3のアミノ酸配列を含み、
HCDR1が、配列番号4のアミノ酸配列を含み、
HCDR2が、配列番号5のアミノ酸配列を含み、ならびに
HCDR3が、配列番号6のアミノ酸配列を含む、医薬製剤。
【請求項2】
前記界面活性剤が、ポリソルベート20またはポリソルベート80である、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項3】
前記界面活性剤が、ポリソルベート80である、請求項2に記載の医薬製剤。
【請求項4】
前記LCVRが、配列番号7のアミノ酸配列を含み、前記HCVRが、配列番号8のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項5】
抗IL17A抗体が、軽鎖(LC)および重鎖(HC)を含み、前記LCが、配列番号9のアミノ酸配列を含み、前記HCが、配列番号10のアミノ酸配列を含む、請求項4に記載の医薬製剤。
【請求項6】
前記抗IL17A抗体が、イキセキズマブである、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項7】
関節リウマチ、乾癬、陰部乾癬、掻痒、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、掌蹠膿疱症、化膿性汗腺炎、または多発性骨髄腫を治療するための、請求項1に記載の医薬製剤であって、それを必要とする患者に、有効量の前記医薬製剤を投与することを含むことを特徴とする、医薬製剤。
【請求項8】
0日目に初回用量の前記医薬製剤を前記患者に皮下投与し、次いで、その後4週間ごとの間隔で前記医薬製剤を前記患者に皮下投与することを含むことを特徴とする、請求項7に記載の医薬製剤であって、前記初回用量後4週間ごとの間隔で前記患者に投与される前記医薬製剤が、約80mg/mLの濃度の前記抗IL17A抗体を含む、医薬製剤。
【請求項9】
0日目に初回用量の前記医薬製剤を前記患者に皮下投与し、次いで、その後2週間ごとの間隔で前記医薬製剤を前記患者に皮下投与することを含むことを特徴とする、請求項7に記載の医薬製剤であって、前記初回用量後2週間ごとの間隔で前記患者に投与される前記医薬製剤が、約80mg/mLの濃度の前記抗IL17A抗体を含む、医薬製剤。
【請求項10】
0日目に初回用量の前記医薬製剤を前記患者に皮下投与し、次いで、14、28、42、56、70および84日目のそれぞれにおいて、前記医薬製剤を前記患者に皮下投与し、次いで、その後4週間ごとの間隔で前記医薬製剤を前記患者に皮下投与することを含むことを特徴とする、請求項7に記載の医薬製剤であって、14、28、42、56、70および84日目のそれぞれ、ならびにその後4週間ごとの間隔で前記患者に投与される前記医薬製剤が、約80mg/mLの濃度の前記抗IL17A抗体を含む、医薬製剤。
【請求項11】
前記初回用量の前記医薬製剤が、約160mgの前記抗IL17A抗体を含む、請求項10に記載の医薬製剤。
【請求項12】
前記約160mgの初回用量の前記医薬製剤が、2回の用量の前記医薬製剤を含み、各用量が、約80mgの前記抗IL17A抗体を含む、請求項11に記載の医薬製剤。
【請求項13】
抗IL17A抗体を含む水性医薬製剤の皮下、腹腔内および/または筋肉内投与時または投与後間もなく患者が経験する注射随伴痛を軽減するための、請求項1に記載の医薬製剤であって、請求項1に記載の医薬製剤を患者に投与することを含むことを特徴とし、前記投与のステップが、治療的に好ましいレベルの注射随伴痛を与える、医薬製剤。
【請求項14】
注射随伴痛の前記治療的に好ましいレベルが、30mm以下または20mm以下のVASスコアを含む、請求項13に記載の医薬製剤。
【請求項15】
前記抗IL17A抗体が、イキセキズマブである、請求項13に記載の医薬製剤。
【請求項16】
前記界面活性剤が、ポリソルベート80であり、前記抗IL17A抗体が、イキセキズマブである、請求項
1に記載の医薬製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬の分野に属する。より詳細には、本発明は、皮下(「SQ」)、筋肉内(「IM」)、および/または腹腔内(「IP」)投与に適した治療用抗体を含む水性医薬製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
SQ、IPおよび/またはIM投与を介した治療用抗体の投与は、一般的で有利である。このような投与経路は、治療用抗体が短期間で送達されることを可能にし、患者が医師を訪問することなく治療用抗体を自己投与することを可能にする。しかしながら、治療用抗体をSQ、IM、および/またはIP投与に適した水性医薬製剤に製剤化することは、困難であり、予測不能である。さらに、注射針が取り外された後でも、望ましくない注射随伴痛が、このような投与経路で報告されており、患者の治療に対するコンプライアンスを損なう場合がある。
【0003】
SQ、IM、および/またはIP投与に適した水性医薬製剤への治療用抗体の製剤化に伴う問題および予測不可能性は、部分的に、医薬製剤が治療上実行可能であるために有しなければならない多数の特性に起因する。水性医薬製剤は、溶液中の治療用抗体に安定性を与えると同時に、標的親和性、選択性および有効性などの治療効果に不可欠な治療用抗体の機能的特性を維持しなければならない。さらに、水性医薬製剤はまた、患者への投与に対して安全であり、患者に十分に忍容されるとともに、製造および貯蔵に適していなければならない。
【0004】
高濃度の治療用抗体の製剤化は、さらにより複雑である。例えば、抗体分解、切断、クリッピング、高分子量凝集、二量体化、三量体化、沈殿pHシフト、混濁、溶液の色の変化、電荷の変化、異性化、酸化および/または脱アミノ化(これらはすべて、治療用抗体の濃度、機能性および有効性に影響を与える)が、高濃度の治療用抗体の水性製剤について報告されている。高濃度の治療用抗体を製剤化する場合の別の既知の問題は、水性医薬製剤のSQ、IM、および/またはIP投与に悪影響を与え得る粘度の増加である。さらに、粘度が増加した製剤では、注射随伴痛が報告されている。
【0005】
さらに、イキセキズマブなどの一部の治療用抗体は、(例えば、動的光散乱によって示され得る)高レベルの分子間相互作用、相分離、ゲル化および沈殿をもたらす電荷分布を有し、分子の水溶液への溶解が、特に高い濃度で、バランスがとれるのを非常に困難にする。このような抗体の電荷分布は、等電点でも現れ、中性pHでの製剤化を妨げる場合がある。例えば、一部の治療用抗体は、極性または双極子モーメントを有するため、狭い非中性のpHウィンドウ内の水性医薬製剤でのみ安定である。しかしながら、注射随伴痛が、治療用抗体の酸性(例えば、≦pH6.5)医薬製剤について報告されている。したがって、(酸性pHでの製剤化を要する)8.1の等電点を有するイキセキズマブなどのこのような治療用抗体は、治療用抗体の安定性と、有効性に必要な機能的特性と、患者による忍容性とのバランスをとる方法で製剤化することに対して、さらなる予測不可能な問題を生じさせる。
【0006】
イキセキズマブは、例えば、米国特許第7,838,638号に記載されているように、非常に特異的な抗IL17A拮抗性抗体である。TALTZ(登録商標)の商品名で市販されているイキセキズマブは、酸性pH(約5.7)を有する高濃度(約80mg/mL)医薬製剤で患者に皮下投与される。米国特許第9,376,491号に記載されているように、イキセキズマブの市販の医薬製剤は、高濃度のクエン酸緩衝液(約20mM)およびNaCl(約200mM)も含む。しかしながら、酸性pHと高濃度のNaClおよび/またはクエン酸緩衝液とを有する医薬製剤は、注射随伴痛と関連があり、患者らは、イキセキズマブの市販の医薬製剤を注射した後に、注射随伴痛を報告している。
【0007】
治療用抗体を含む水性医薬製剤の注射随伴痛は、複雑で多因子的な問題である。例えば、水性医薬製剤の個々の成分、ならびに/またはその濃度、割合および特性は、治療に関連して、注射随伴痛に影響を与え得る。同様に、個々の成分(ならびに/またはその濃度、割合および特性)は、水性医薬製剤中の製剤化された治療用抗体の安定性、機能的特性、製造性および/または忍容性に影響を与え得る。したがって、特定の製剤調整は、製剤の所与の性質に有益な影響を与える可能性があるが、同じ調整は、製剤の他の性質に悪影響を与える可能性もある。さらに複雑さが増すことになるが、ほぼ無限の数の異なる製剤成分(例えば、緩衝液および賦形剤)、ならびにそれらの濃度および割合が報告されている。しかしながら、特定の製剤が所与の治療用抗体の様々な性質および特性に与える影響を予測するための相関性は、ほとんどあるいは全く存在していない。
【0008】
したがって、SQ、IMおよび/またはIP投与に適しており、治療上有益なレベルの注射随伴痛を示し、患者に十分に忍容される治療用抗体の水性医薬製剤が必要とされている。より詳細には、中性の溶液のpHと適合しない等電点を有し、酸性pHでの水性医薬製剤を要する高濃度の治療用抗体のための当該水性医薬製剤が必要とされている。さらにより詳細には、SQ、IMおよび/またはIP投与に適しており、患者に十分に忍容され、(米国特許第9,376,491号に記載されている)イキセキズマブの市販の医薬製剤よりも改善されたレベルの注射随伴痛を示すイキセキズマブの水性医薬製剤が必要とされている。当該水性医薬製剤はまた、治療用抗体に安定性を与え、治療効果に不可欠な治療用抗体の性質を維持しなければならない。当該水性医薬製剤はまた、製造も可能でなければならず、好ましくは長い貯蔵寿命を有する。
【発明の概要】
【0009】
本明細書で提供される水性医薬製剤は、驚くべき予想外の方法で前述の必要性を満たす。より詳細には、本明細書で提供される水性医薬製剤は、治療効果に不可欠なイキセキズマブの機能的特性を維持しながら、高濃度のイキセキズマブのSQ、IMおよび/またはIP投与に適した緩衝液を含まない水性医薬製剤である。さらに、本明細書で提供される水性医薬製剤は、患者に十分に忍容され、イキセキズマブの市販の医薬製剤よりも改善されたレベルの注射随伴痛を示し、治療的に好ましいレベルの注射随伴痛を与える。
【発明を実施するための形態】
【0010】
したがって、本開示は、治療的に好ましいレベルの注射随伴痛で、患者に高濃度の治療用抗体をSQ、IMまたはIP投与するための緩衝液を含まない水性医薬製剤を提供し、当該水性医薬製剤は、50mg/mL、60mg/mL、70mg/mL、80mg/mL、90mg/mL、100mg/mL、110mg/mLまたは120mg/mLを超える濃度の治療用抗体と、234mM+/-10%の濃度のショ糖と、0.005w/v%+/-10%~0.05w/v%+/-10%の濃度の界面活性剤と、を含み、当該医薬製剤は、5.2~6.5のpHの水溶液である。具体的な実施形態によれば、界面活性剤は、ポリソルベート20またはポリソルベート80である。さらなる具体的な実施形態では、界面活性剤はポリソルベート80である。いくつかの実施形態によれば、緩衝液を含まない水性医薬製剤は、イオン性等張性賦形剤を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、L-アミノ酸賦形剤を実質的に含まない。さらなる実施形態では、抗体は、中性の溶液のpHとは適合しない等電点を有する。いくつかのこのような実施形態では、抗体は、≧7.5の等電点を有し、さらなる他の実施形態では、抗体は、≧8.0の等電点を有する。本明細書で提供される水性医薬製剤のさらなる具体的な実施形態では、治療用抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を有するLCVRおよび配列番号8のアミノ酸配列を有するHCVRを含む抗IL-17A抗体である。さらなる他の具体的な実施形態では、抗IL-17A抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を有する軽鎖(LC)および配列番号10のアミノ酸配列を有する重鎖(HC)を含む。本開示の実施形態によれば、本開示の水性医薬製剤が提供され、水性医薬製剤は、患者へSQ、IPおよび/またはIM投与する場合、注射随伴痛のリスクの低減および/または治療的に好ましいレベルを示す。
【0011】
本開示の特定の実施形態によれば、抗IL7A抗体用の緩衝液を含まない水性医薬製剤が提供される。実施形態では、抗IL7A抗体は、相補性決定領域(CDR)のLCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含む軽鎖可変領域(LCVR)と、CDRのHCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含む重鎖可変領域(HCVR)とを含み、LCDR1は、配列番号1のアミノ酸配列を有し、LCDR2は、配列番号2のアミノ酸配列を有し、LCDR3は、配列番号3のアミノ酸配列を有し、HCDR1は、配列番号4のアミノ酸配列を有し、HCDR2は、配列番号5のアミノ酸配列を有し、HCDR3は配列番号6のアミノ酸配列を有する。このような実施形態によれば、水性医薬製剤は、5.2~6.5のpHの水溶液であり、60mg/mL+/-10%、70mg/mL+/-10%、80mg/mL+/-10%、88mg/mL+/-10%、100mg/mL+/-10%、120mg/mL+/-10%または160mg/mL+/-10%を超える濃度の抗IL17A抗体と、234mM+/-10%の濃度のショ糖と、0.005w/v%+/-10%~0.05w/v%+/-10%の濃度の界面活性剤と、を含む。いくつかの実施形態によれば、緩衝液を含まない水性医薬製剤は、イオン性等張性賦形剤を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、L-アミノ酸賦形剤を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポリソルベート20または80のうちの1つである。より具体的な実施形態では、界面活性剤はポリソルベート80である。さらにより具体的な実施形態では、ポリソルベート80は、0.03w/v%+/-10%の濃度である。このような実施形態によれば、緩衝液を含まない水性医薬製剤は、患者へのSQ、IPおよび/またはIM投与に適し、イキセキズマブの市販の医薬製剤よりも改善されたレベルの注射随伴痛を示し、かつ/または治療的に好ましいレベルの注射随伴痛を与える。
【0012】
特定の実施形態では、本明細書で提供される水性医薬製剤は、約80mg/mL(例えば、+/-10%)の濃度の抗体と、約234mMの濃度のショ糖(例えば、+/-10%)と、約0.03w/v%(例えば、+/-10%)の濃度のポリソルベート80と、を含み、当該医薬製剤は、イオン性等張性賦形剤を実質的に含まず、L-アミノ酸賦形剤を実質的に含まず、約5.7(例えば、+/-10%)のpHであり、当該抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を有するLCVRおよび配列番号8のアミノ酸配列を有するHCVRを含む抗IL17A抗体である。さらなるこのような実施形態では、抗IL17A抗体は、配列番号10のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号9のアミノ酸配列を有する軽鎖とを含む。このような実施形態によれば、水性医薬製剤は、患者へのSQ、IPおよび/またはIM投与に適し、イキセキズマブの市販の医薬製剤よりも改善されたレベルの注射随伴痛を示し、かつ/または治療的に好ましいレベルの注射随伴痛を与える。
【0013】
さらなる実施形態では、治療を必要とする患者に水性医薬製剤を皮下送達するためのシステムが提供される。このようなシステムは、チャンバー、チャンバーに動作可能に連結された駆動機構、および針を有する装置を含み、チャンバーは、液体を貯蔵することができ、針は、チャンバーから液体を受けるようにチャンバーの出口と流体連結する孔を有し、駆動機構は、チャンバーから針の孔へ液体を移動させるように動作する。このようなシステムは、チャンバー内に配置される本開示の医薬製剤も含み、チャンバーの内壁は、約0.4mg以下の量のシリコーンオイルコーティングを有する。いくつかのより具体的な実施形態によれば、チャンバーの内壁は、約0.2mgの量または約0.2mg以下の量のシリコーンオイルコーティングを有する。当該システムのいくつかの実施形態によれば、患者は、RA、Ps、GenPs、掻痒、AS、PA、PPP、HSまたはMMの治療を必要としている。
【0014】
さらなる実施形態では、本開示は、注射随伴痛を軽減するための方法ならびに/または治療用抗体を含む水性医薬製剤のSQ、IMおよび/もしくはIP注射時もしくは注射後間もなく患者が経験する治療的に好ましいレベルの注射随伴痛を与えるための方法であって、本開示の水性医薬製剤を患者に投与することを含む方法を提供する。実施形態によれば、本開示は、治療的に好ましいレベルの注射随伴痛で患者に治療用抗体を送達する方法を提供し、当該方法は、患者に本開示の医薬製剤を投与することを含み、当該方法は、治療的に好ましいレベルの注射随伴痛を与える。さらなる実施形態によれば、本開示は、治療用抗体を患者に送達する改善がなされた方法を提供し、当該改善は、水性医薬製剤のSQ、IMまたはIP投与による注射随伴痛を軽減すること、および/または治療的に好ましいレベルの注射随伴痛を与えることを含み、当該方法は、本開示の水性医薬製剤を患者に投与することを含む。実施形態によれば、注射随伴痛の軽減は、市販の製剤から軽減すること、および/または治療的に好ましいレベルの注射随伴痛を与えることを含む。実施形態によれば、注射随伴痛の治療的に好ましいレベルは、30mm以下のVASスコアまたは20mm以下のVASスコアを含み得る。
【0015】
実施形態によれば、本開示は、抗IL17A抗体の投与を必要とする患者に抗IL17A抗体を投与するための改善がなされた方法を提供し、当該改善は、水性医薬製剤のSQ、IMまたはIP注射の実施時の注射随伴痛のレベルの低下を含み、当該方法は、本開示の水性医薬製剤を患者に投与することを含み、該投与のステップは、改善されたレベルの注射随伴痛を与え、かつ/または治療的に好ましいレベルの注射随伴痛を与える。いくつかの実施形態によれば、水性医薬製剤は、本開示の水性医薬製剤から本質的になる。実施形態によれば、注射随伴痛のレベルの低下は、注射随伴痛のレベルの改善を与えること(例えば、イキセキズマブの市販製剤、すなわち、表2の対照製剤によって例示されるクエン酸塩およびNaCl製剤と比較した、VASスコアの低下)を含む。いくつかの実施形態によれば、当該方法は、30mm以下または20mm以下のVASスコアを含む、治療的に好ましいレベルの注射随伴痛を与える。実施形態によれば、抗IL17A抗体は、イキセキズマブであり、いくつかのこのような実施形態によれば、注射随伴痛のレベルの改善は、イキセキズマブの市販製剤(表2の対照製剤によって例示されるクエン酸塩およびNaCl製剤)と比較したVASスコアの低下を含む。いくつかの実施形態によれば、水性医薬製剤は、SQ注射によって投与される。
【0016】
本開示のさらなる実施形態によれば、PsO、PsAおよびAxSpaのうちの少なくとも1つを治療する改善がなされた方法が提供され、当該改善は、抗IL17A抗体を含む水性医薬製剤のSQ投与時の注射随伴痛の軽減を含み、当該方法は、本開示の水性医薬製剤の投与を含み、該投与のステップは、改善されたレベルの注射随伴痛を与え、かつ/または治療的に好ましいレベルの注射随伴痛を与える。いくつかの実施形態によれば、30mm以下または20mm以下のVASスコアを含む、治療的に好ましいレベルの注射随伴痛が与えられる。いくつかのより具体的な実施形態では、抗IL17A抗体はイキセキズマブであり、いくつかのこのような実施形態によれば、注射随伴痛のレベルの改善は、イキセキズマブの市販製剤(表2の対照製剤によって例示されるクエン酸塩およびNaCl製剤)と比較したVASスコアの低下を含む。
【0017】
本開示はまた、治療に使用するための本開示の水性医薬製剤を提供する。特定の実施形態では、本開示は、関節リウマチ(RA)、乾癬(Ps)、陰部乾癬(GenPs)、そう痒症、強直性脊椎炎(AS)、乾癬性関節炎(PA)、掌蹠膿疱症(PPP)、化膿性汗腺炎(HS)または多発性骨髄腫(MM)の治療に使用するための本開示の水性医薬製剤を提供する。本開示のさらなる実施形態によれば、RA、Ps、GenPs、掻痒、AS、PA、PPP、HSまたはMMの治療用薬剤の製造者のための本開示の水性医薬製剤の使用が提供される。このような実施形態によれば、当該水性医薬製剤の使用は、患者へのSQ、IPおよび/またはIM投与に適し、イキセキズマブの市販の医薬製剤よりも改善されたレベルの注射随伴痛を示し、かつ/または治療的に好ましいレベルの注射随伴痛を与える。
【0018】
特定の実施形態によれば、本開示は、RA、Ps、GenPs、掻痒、AS、PA、PPP、HSまたはMMを治療する方法であって、それを必要とする患者に有効量の本開示の水性医薬製剤を投与することを含む方法を提供し、当該水性医薬製剤は、抗IL17A抗体を含む。より特定の実施形態では、当該治療方法は、0日目に初回用量の水性医薬製剤を患者に皮下投与し、次いで、その後4週間ごとの間隔で水性医薬製剤を患者に皮下投与することを含み、初回用量後4週間ごとの間隔で患者に投与される水性医薬製剤は、約80mg/mLの濃度の抗IL17A抗体を含む。別の特定の実施形態では、当該治療方法は、0日目に初回用量の水性医薬製剤を患者に皮下投与し、次いで、その後2週間ごとの間隔で水性医薬製剤を患者に皮下投与することを含み、初回用量後2週間ごとの間隔で患者に投与される水性医薬製剤は、約80mg/mLの濃度の抗IL17A抗体を含む。さらに別の特定の実施形態では、当該治療方法は、0日目に初回用量の水性医薬製剤を患者に皮下投与し、次いで、14、28、42、56、70および84日目のそれぞれにおいて、患者に水性医薬製剤を皮下投与し、次いで、その後4週間ごとの間隔で患者に水性医薬製剤を皮下投与することを含み、14、28、42、56、70および84日目のそれぞれ、ならびにその後4週間ごとの間隔で、患者に投与される水性医薬製剤は、約80mg/mLの濃度の抗IL17A抗体を含む。本開示によって提供される治療方法のいくつかによれば、初回用量の水性医薬製剤は、約160mgの抗IL17A抗体を含む。いくつかのこのような実施形態では、約160mgの初回用量の水性医薬製剤は、2回の用量の水性医薬製剤を含み、各用量は約80mgの抗IL17A抗体を含む。当該方法によれば、水性医薬製剤は、イキセキズマブの市販の医薬製剤よりも改善されたレベルの注射随伴痛を示し、かつ/または治療的に好ましいレベルの注射随伴痛を与える。
【0019】
特定の実施形態によれば、本明細書では、RA、Ps、GenPs、掻痒、AS、PA、PPP、HSまたはMMの治療に使用するための抗IL17A抗体を含む水性医薬製剤が提供され、当該医薬製剤を、0日目に初回用量で、次いで、その後4週間ごとの間隔で、ある用量で皮下投与し、初回用量後4週間ごとの間隔で投与する当該医薬製剤は、約80mg/mLの濃度の抗IL17A抗体を含む。別の特定の実施形態では、RA、Ps、GenPs、掻痒、AS、PA、PPP、HSまたはMMの治療に使用するための抗IL17A抗体を含む本明細書に開示される医薬製剤が提供され、当該医薬製剤を、0日目に初回用量で、次いで、その後2週間ごとの間隔で、ある用量で皮下投与し、初回用量後2週間ごとの間隔で投与する当該医薬製剤は、約80mg/mLの濃度の抗IL17A抗体を含む。さらに別の特定の実施形態では、RA、Ps、GenPs、掻痒、AS、PA、PPP、HSまたはMMの治療に使用するための抗IL17A抗体を含む本明細書に開示される医薬製剤が提供され、当該医薬製剤を、0日目に初回用量で、次いで、14、28、42、56、70および84日目のそれぞれにおいて、ある用量で皮下投与し、初回用量後14、28、42、56、70および84日目のそれぞれにおいて投与される当該医薬製剤は、約80mg/mLの濃度の抗IL17A抗体を含む。いくつかの実施形態によれば、初回用量の水性医薬製剤は、約160mgの抗IL17A抗体を含む。いくつかのこのような実施形態では、約160mgの初回用量の水性医薬製剤は、2回の用量の水性医薬製剤を含み、各用量は、約80mgの抗IL17A抗体を含む。このような実施形態によれば、本明細書で提供される水性医薬製剤は、イキセキズマブの市販の医薬製剤よりも改善されたレベルの注射随伴痛を示し、かつ/または治療的に好ましいレベルの注射随伴痛を与える。
【0020】
本明細書で互換的に使用される場合、表現「水性医薬製剤」または「医薬製剤」は、ヒトにおいて生物学的効果を発揮することができる少なくとも1種の治療用抗体、治療用抗体と組み合わせた場合にヒトへの治療的投与に適する、少なくとも1種の不活性成分(例えば、賦形剤、界面活性剤など)を有する水溶液を意味する。本開示によって提供される医薬製剤は、緩衝液を含まない(すなわち、pH変化に耐えるための、酸塩基共役成分を有するクエン酸緩衝液、ヒスチジン緩衝液、酢酸緩衝液、もしくは同種のもの、またはそれらの組み合わせなどの薬剤を含まない)、水性の安定な製剤であり、製剤中の治療用抗体の分解、修飾、凝集、生物学的活性の喪失などの程度は、許容できるように制御され、時間とともに許容できないほど増加しない。
【0021】
本明細書で使用される場合、用語「抗体」は、ジスルフィド結合によって互いに結合した2つの重鎖(「HC」)および2つの軽鎖(「LC」)を含む免疫グロブリンG(IgG)分子を指す。各重鎖は、重鎖可変領域(「HCVR」)および重鎖定常領域(「CH」)から構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(「LCVR」)および軽鎖定常領域(「CL」)から構成される。HCVRおよびLCVRはそれぞれ、フレームワーク領域(「FR」)と呼ばれるより保存されている領域とともに点在する、相補性決定領域(「CDR」)と呼ばれる超可変性の領域にさらに細分される。HCVRおよびLCVRはそれぞれ、以下の順番、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4でアミノ末端からカルボキシ末端へと配置している3つのCDRおよび4つのFRから構成される。各HCおよびLCの可変領域には、抗原と相互作用する結合ドメインが含まれる。抗体の定常領域は、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的補体系の第1の成分(Clq)を含む、宿主組織または因子への免疫グロブリンの結合を媒介し得る。
【0022】
本明細書で提供される水性医薬製剤の特定の実施形態によれば、抗体は、抗IL17A抗体である。本明細書で使用される場合、インターロイキン17AまたはIL17Aは、(細胞毒性Tリンパ球関連抗原8(「CTLA8」)としても知られている)IL17サイトカインファミリーのサイトカインを指す。IL17Aサイトカインは、ホモ二量体複合体(例えば、IL17A/A)として、またはIL17Fなどの別のIL17サイトカインファミリーメンバーと複合体を形成したヘテロ二量体複合体(例えば、IL17A/F)として存在する。IL17Aサイトカインは、主にエフェクターTヘルパー(Th17)細胞によって産生されると考えられており、IL-6、IL-8、IL-1およびTNFなどの炎症促進性サイトカインの分泌を誘発することが示されている。IL17Aのホモ二量体複合体であるIL17A/Aは、乾癬および乾癬性関節炎などの疾患と、T細胞の調節不全に関連する免疫関連疾患においても役割を果たすことが示されている。
【0023】
本明細書で言及する場合、このような抗IL17A抗体は、Aサブユニット(例えば、IL17A/FのAサブユニットまたはIL17A/AのAサブユニットの一方もしくは両方)に対する特異性によって、ヒトIL17Aに特異的に結合しアンタゴナイズする抗体である。抗IL17A抗体の具体的な実施形態によれば、LCDR1は、配列番号1のアミノ酸配列を含み、LCDR2は、配列番号2のアミノ酸配列を含み、LCDR3は、配列番号3のアミノ酸配列を含み、HCDR1は、配列番号4のアミノ酸配列を含み、HCDR2は、配列番号5のアミノ酸配列を含み、HCDR3は、配列番号6のアミノ酸配列を含む。いくつかのこのような実施形態によれば、LCVRは、配列番号7のアミノ酸配列を含み、HCVRは、配列番号8のアミノ酸配列を含む。このような抗IL17抗体のさらにより具体的な実施形態では、LCは、配列番号9のアミノ酸配列を含み、HCは、配列番号10のアミノ酸配列を含む。抗IL17A抗体の例示的な実施形態は、例えば米国特許第7,838,638号に記載されているように、イキセキズマブである。抗IL17A抗体の他の例は、例えば米国特許第7,807,155号に記載されているように、(商品名COSENTYX(登録商標)で販売されている)セクキヌマブである。
【0024】
本明細書で使用される場合、用語「約」または「およそ」は、具体的に列挙されている数値または値の範囲に関して使用されている場合、値が列挙されている値とは10%以下(例えば、+/-10%)異なり得ることを意味する。例えば、本明細書で使用される場合、表現「約100」は、90および110ならびに間のすべての値(例えば、91、92、93、94など)を含む。
【0025】
本明細書で言及される場合、用語「実質的に含まない」または「実質的にない」は、所与の物質(例えば、イオン性等張性賦形剤)の存在が、当該物質の存在を検出するために使用されるアッセイの検出限界を下回ることを意味する。
【0026】
本明細書で言及される場合、用語「イオン性等張性賦形剤」は、水性医薬製剤をなす抗体および界面活性剤とは異なる、イオン性化合物(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩酸アルギニン、または同種のものなどの電解質)を含む賦形剤を意味する。当該分野で知られているように、イオン性等張性賦形剤を使用して、医薬製剤の浸透圧を調整し得る。しかしながら(本明細書で与えられている実施例で示されているように)、水性医薬製剤の溶解および混合後必要に応じて、HClまたはNaOHによりpHを調整することは、本明細書で使用されるイオン性等張性賦形剤という用語の意味の範囲内にない(pH調整のために添加されたHClまたはNaOHは、イオン性等張性賦形剤として製剤中で作用していない)。
【0027】
本明細書で言及される場合、L-アミノ酸賦形剤という用語は、緩衝液の一部として(例えば、ヒスチジン緩衝液中のL-ヒスチジン、アルギニン緩衝液中のL-アルギニンなど)、または水性医薬製剤の賦形剤成分として添加されるL-アミノ酸を指す(ただし、治療用抗体の成分を指すものではない)。
【0028】
本明細書で互換的に言及される場合、「視覚的アナログ尺度」または「VAS」は、患者が経験する注射随伴痛を評価するための評価ツールを指す。VASは、100mmの連続したスケールからなり、スケール上で患者が注射後の疼痛のレベルを認定する。VASスコアの極値は、「まったく疼痛がない」(例えば0)および「想像し得る限り最悪の疼痛」(例えば100)である。疼痛の深刻度は、VASツールに従って、軽度の疼痛(≦30mm)、中等度の疼痛(>30mm~≦70mm)および重度の疼痛(>70mm)に分類され得る。本明細書で言及される場合、「注射随伴痛」は、水性医薬製剤の注射時または注射後間もなく患者が経験する急性痛を指す。安定した医薬製剤の望ましい性質は、患者によって十分に忍容されること、例えば、治療的に好ましいレベルの注射随伴痛(例えば、<30mmかつ/または<20mmのVASスコア)を与えることである。知られているように、医薬製剤の成分、ならびにその濃度および/または割合は、患者が経験する注射随伴痛に影響を与え得る。
【0029】
本明細書で互換的に使用される場合、「治療(treatment)」および/または「治療(treating)」および/または「治療(treat)」は、完全な消失、緩慢化または遅延、(例えば、フレアまたはエピソードの)重症度または頻度の低下、疾患および/または疾患の症状の進行の中断または停止があり得るすべての過程を指すことが意図されているが、すべての疾患症状の完全な消失は要しない。治療は、ヒトにおける疾患の治療のための本開示の水性医薬製剤の投与を含み、上記の過程の少なくとも1つから利益を享受し得、(a)疾患の症状および影響のさらなる進行を阻害すること、すなわち、疾患の発症を阻止することと、(b)疾患を軽減すること、すなわち、疾患、疾患症状または疾患の合併症の消失または退行を引き起こすことと、(c)疾患のエピソードまたはフレアの頻度を防止または軽減することと、を含む。特定の実施形態によれば、本明細書で提供される医薬製剤は、RA、Ps、GenPs、AS、PA、PPP、HSまたはMMのうちの少なくとも1つの治療に使用し得る。
【0030】
本明細書で互換的に使用される場合、用語「患者」、「対象」、および「個体」は、ヒトを指す。特に断りのない限り、対象は、本明細書に開示される医薬製剤の投与から利益を得るであろう、疾患の症状を、有する、発症するリスクがある、または経験するものとしてさらに特徴付けられる。
【0031】
本明細書で互換的に使用される場合、本開示の医薬製剤の「有効量」または「治療有効量」は、所望の治療結果を達成するのに必要な量(用量、投与頻度、および特定の投与手段に対する期間)を指す。本開示の医薬製剤の有効量は、対象の病状、年齢、性別、および体重ならびに対象において所望の応答を誘発する本開示の医薬製剤の能力などの因子に応じて変動し得る。有効量はまた、本開示の医薬製剤の毒性効果または有害効果よりも治療上有益な効果が上回る量である。
【0032】
本開示はまた、本開示の医薬製剤を用いる疾患の治療のための用量レジメンに関する。本明細書で言及される場合、当該分野で一般に知られているように、用語「用量」は、対象に投与される医薬の量を指す。当該分野で一般に知られており、本明細書で互換的に言及され得る「用量レジメン」または「投与レジメン」は、ある期間にわたって患者に投与される用量のセット(すなわち、連続または順序)を投与するための治療スケジュールを含む。
【0033】
例として、本開示の用量レジメンは、治療の初日(例えば、0日目)に患者に投与される本開示の(例えば、抗IL17A抗体を含む)水性医薬製剤の初回用量を含み得る。初回用量は、本明細書で「負荷用量」と呼ばれる場合がある。さらに、本開示の用量レジメンは、負荷用量に続く初期治療期間を含み得、初期治療期間は、本明細書で「誘導期間」と呼ばれる場合がある。誘導期間中、例えば、患者は、所与の期間(例えば、4、12または16週間)、所与の投与頻度(例えば、毎日、2週間ごと、4週間ごとなど)で、特定の濃度の治療用抗体(例えば、抗IL17A抗体)を含む用量(または複数の用量)を投与され得る。さらに、本開示の用量レジメンは、本明細書で「維持期間」と呼ばれる場合がある、誘導期間に続く期間を含み得、維持期間において、患者は、特定の濃度の治療用抗体を含む用量を、所与の投与頻度(例えば、2週間または4週間ごとなど)で投与される。
【0034】
本開示の水性医薬製剤は、非経口投与を介して患者に投与し得る。非経口投与は、医療分野で理解されているように、滅菌シリンジまたは自動注入器もしくは注入ポンプを含むいくつかの他の薬物送達システムによる体内への用量の注射を指す。本開示の水性医薬製剤とともに使用するための薬物送達システムの例は、以下の参考文献に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれる。2013年3月7日に出願され、「Infusion Pump Assembly」と題されたLaniganらの米国特許公開第2014/0054883号、2006年2月3日に出願され、「Medication Dispensing Apparatus with Triple Screw Threads for Mechanical Advantage」と題されたDeRuntzらの米国特許第7,291,132号、2006年9月18日に出願され、「Medication Dispensing Apparatus with Spring-Driven Locking Feature Enabled by Administration of Final Dose」と題されたJacobsらの米国特許第7,517,334号、および2012年8月24日に出願され、「Automatic Injection Device with Delay Mechanism Including Dual Functioning Biasing Member」と題されたAdamsらの米国特許第8,734,394号。非経口経路には、IM、SQ、およびIPの投与経路が含まれる。
【実施例】
【0035】
水性医薬製剤の例
【表1】
表1に示される抗IL17A抗体医薬製剤の製造プロセスは、適当な量の水を(例えば、20+/-5℃の温度で)適当なサイズの風袋引きした空の容器に秤量することによって成し得る。適量のショ糖を添加し、混合する。ポリソルベート80をガラス容器に正確に量り分けし、適当な量の水を20+/-5℃の温度でガラス容器に添加して、所望の濃度を得、溶液を混合する。ポリソルベート80溶液の全内容物を、他の賦形剤に添加する。全内容物が確実に移されるように、ポリソルベート80溶液の容器を水ですすぐ。ポリソルベート80溶液を添加した後、溶液を混合する。溶解および混合が完了した後、溶液のpHが5.7+/-0.3以内であることを確認し、必要に応じて、HClまたはNaOH溶液を用いて調整を行う。バイオバーデンを低減するために、賦形剤組成物をフィルター(ポリフッ化ビニリデン[PVDF])に通す。
【0036】
事前に細胞で発現され、精製され、濃縮された抗IL17A抗体を、適当な量の製剤賦形剤溶液と混合する。溶液のpHが5.7+/-0.3以内であることを再確認する。バイオバーデンを低減するために医薬製剤をPVDFフィルターに通し、次いで、5℃で保存し得る。
【0037】
物理化学的性質
治療用抗体の医薬製剤が貯蔵および輸送(例えば、1年、18ヶ月、または2年)を可能にし、安全性および有効性を保持するためには、物理的および化学的安定性の両方が不可欠である。医薬製剤の物理的安定性を測定するための評価の例には、溶解度(相分離、ゲル化)評価、(例えば、DLSによって測定される)分子間相互作用、濁度評価による視覚的透明度(すなわち、オパレセンス)特性評価、および粘度測定が含まれる。さらに、化学的安定性は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、陽イオン交換クロマトグラフィー(CEX)HPLC、還元型および非還元型キャピラリー電気泳動(CE-SDS R/NR)および粒子分析を含む様々な分析方法を使用して評価し得る。本明細書に示されるように、表1の例示された抗IL17A抗体医薬製剤は、≧7.5の等電点を有し、中性の溶液のpHでの製剤と適合しない高濃度の治療用抗体であるイキセキズマブに関する化学的および物理的安定性ならびに溶解度を実証する。
【0038】
溶解度評価
水性医薬製剤には十分に高い溶解度が不可欠である。水性医薬製剤は、高分子量(HMW)凝集がなく、高濃度で抗体をモノマー状態に維持する必要がある。(溶液中)≧8.0の等電点を有する抗IL17A抗体の高濃度での溶解度を、様々な条件下で分析する。
【0039】
表2に提供される各水性製剤のサンプルを、1週間、摂氏5度、0度および-5度のそれぞれでインキュベートする(例えば、各製剤のサンプルを、5℃、0℃および-5℃で並行してインキュベートし得る)。インキュベーション後、サンプルを、相分離、ゲル化、濁度および粘度について評価する。
【表2】
【0040】
相分離
米国特許第9,376,491号に詳述されているように、(配列番号7のアミノ酸配列を有する2つのLCVRおよび配列番号8のアミノ酸配列を有する2つのHCVRを含む)例示された抗IL17A抗体は、摂氏0度(℃)未満の溶液で相分離する性質を有する。しかしながら、医薬品の貯蔵は、5℃であり、0℃未満となる定期的な冷蔵温度の変動に対する安定性を要する。米国特許第9,376,491号に示されているように、クエン酸緩衝液およびNaClの濃度を上げると、相分離が起こる温度が十分に下がる。しかしながら、クエン酸緩衝液およびNaClの濃度が高い製剤に関連して、注射随伴痛が報告されており、患者らは、イキセキズマブの市販の医薬製剤を注射した後に注射随伴痛を報告している。
【0041】
表2に示す製剤の相分離を、-5℃で1週間インキュベートした後、相分離の兆候(例えば、バイアルの底におけるタンパク質が豊富な高密度層の形成)を視覚的にモニタリングすることによって評価する。結果を表3に示す。
【0042】
ゲル化
熱力学的固相変化(例えば、ゲル化)などのイベントは、低温(5℃以下)で発生し得、安定性に悪影響を及ぼす。米国特許第9,376,491号に詳述されているように、ゲル化は、5℃以下の温度で高濃度の例示された抗IL17A抗体で観察された。米国特許第9,376,491号は、クエン酸緩衝液およびNaClの濃度を上げると、低温でのゲル化が十分に回避されることも示す。しかしながら、前述したように、クエン酸緩衝液およびNaClの濃度が高い製剤に関連して、注射随伴痛が報告されており、患者らは、イキセキズマブの市販の医薬製剤を注射した後に注射随伴痛を報告している。
【0043】
表2に示す製剤のゲル化評価を表3に示す。簡単に説明すると、上記のインキュベーション後、各バイアルを攪拌し(例えば、逆さにし、次いで直立に戻し)、次に凝固または液体の流れがないことについて視覚的に検査する。
【0044】
濁度
濁度(すなわち、粒子状物質の懸濁による透明性の喪失)は、治療用抗体の水性医薬製剤に固有の問題である。高濃度の抗体の場合および低温の場合では問題が悪化し、製剤が目視検査で不合格となる可能性がある。
【0045】
簡単に説明すると、上記のインキュベーション後、濁度を視覚的に(例えば、コンパレータとして精製水を使用する光ベースの方法)、かつ、比濁計(HACH濁度計、製造業者の指示に従う)によって評価し(測定値を周囲温度でとり)、定量的測定値を得る(NTU)。NTUは、より低いことが望ましく、より具体的には、不良カットオフが80NTUであり、NTU値が50以下であることが望ましい。結果を表3に示す。
【0046】
粘度
製造、患者への投与および患者による忍容性に関して許容できる水性医薬製剤は、適当な粘度を有しなければならない。粘度の低い(少なくとも<20cP)水溶液が、皮下に送達するために必要である。治療用抗体の濃度が高くなると、粘度が高くなるという問題がある。NaClを含む医薬製剤は粘度が低いことが知られているが、前述のように、医薬製剤中のNaCl濃度の増加は、注射随伴痛と関連している。
【0047】
表2の製剤1および対照製剤の粘度を、20℃でのインキュベーション後、粘度計(Anton Paar AMVn粘度計、製造業者の指示に従う)によって評価し、センチポイズ(cP)測定値を得る。cPがより低いこと、特に例えば、<20cPであることが望ましい。結果を表3に示す。
【表3】
【0048】
表3に示すように、相分離を示さなかった製剤1を除いて、150mM以上のNaClを欠くすべての製剤(およびNaCl緩衝液を含まない製剤)で許容できない相分離またはゲル化が観察された。製剤1の相分離の結果は、対照製剤(高クエン酸塩、高NaCl製剤)と同等である。また、許容できないゲル化が、pH6.5のヒスチジン緩衝液およびNaClを含む製剤で観察された。製剤1はゲル化を示さず、対照製剤(高クエン酸塩、高NaCl製剤)と同等であった。さらに、許容できない濁度が、製剤5(クエン酸塩(5mM)、NaCl(175mM))および製剤8(ヒスチジン(9mM)およびNaCl(150mM))の両方で観察された。製剤1は、許容できるレベルの濁度を示し、対照製剤(高クエン酸塩、高NaCl製剤)と比較して、予想外に改善されたレベルの濁度を示した。さらに、示されているように、製剤1および対照製剤の両方が、許容でき、かつ、同等の粘度を示す。
【0049】
化学的安定性
貯蔵を可能にし(すなわち、十分な貯蔵寿命)、かつ、安全性および有効性を保持することを目的とした水性医薬製剤の開発には、化学的安定性が不可欠である。(表2に示す)対照および製剤1を比較する化学的安定性は、分解促進試験において25℃または40℃で4週間のインキュベーション期間の後に評価する。%HMW凝集体の変化を、時間0での%HMW凝集体と比較する。
【0050】
1つの評価において、製剤中の高分子量(HMW)凝集体の変化を、標準的な手順に従って、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用して評価する。結果を表4に示す。
【表4】
【0051】
示されているように、表2の対照製剤および製剤1の両方が、分解促進試験において、許容できる、同等のレベルの化学的安定性を示す。
【0052】
表2の対照および製剤1の別の化学的安定性の促進を、陽イオン交換(CEX)HPLCを使用して試験する。簡単に説明すると、サンプルを25℃で4週間インキュベートする。インキュベーション後、CEX HPLCを使用して、サンプルを総%酸バリアント(%AV)の増加について分析する。総%酸性バリアント(%AV)の増加は、水性製剤中の治療用抗体の分解の指標を与える。結果を表5に示す。
【表5】
【0053】
示されているように、表2の対照および製剤1の両方が、さらなる分解促進試験において、許容できる、同等のレベルの化学的安定性を示す。
【0054】
表2の製剤1の多変量評価
本明細書に示されるように、表2の製剤1は、表2の対照製剤と同等の(またはそれよりも改善された)予想外の安定性を与える。表2の製剤1の物理的および化学的安定性の多変量評価を、以下に示すように行う。
【0055】
簡単に説明すると、表2の製剤1の4つの変数(抗体濃度、pH、ショ糖濃度、およびPS-80濃度)を変更して、各変数の物理的および化学的安定性応答ならびに/または変数間の相互作用を評価する。表2の製剤1を、このような実験の中心点製剤として設定する。結果を表6に示す。
【表6】
【0056】
各バリアント製剤を、上記の手順に従って、相分離、ゲル化および濁度について評価する。この多変量評価は、評価された変数の許容限界の同定を与える。相分離またはゲル化は観察されず、許容できる濁度値が観察された。
【0057】
長期安定性評価
水性医薬製剤の長期安定性は、貯蔵能力および十分な貯蔵寿命(例えば、1年、2年またはそれ以上)を示すために必要である。(表1に示される製剤および表2の製剤1に対応する)表6の中心点製剤の長期安定性を、5℃で1ヶ月、3ヶ月および6ヶ月間、25℃で1ヶ月および3ヶ月間、ならびに35℃で1ヶ月および3ヶ月間、サンプルをインキュベートした後に評価する(インキュベーション前のサンプルの評価も実施する)。
【0058】
インキュベーション後、標準的な手順に従って、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用して、サンプルを、パーセントモノマーとパーセント高分子量(HMW)凝集体について分析する。結果を表7に示す。
【表7】
【0059】
示されているように、表6の中心点製剤は、高温での長期間のストレス条件下であっても、治療用抗体の長期安定性を示す。
【0060】
インビボ忍容性試験
高濃度(80mg/mL)のイキセキズマブの水性医薬製剤の皮下注射による注射随伴痛の評価を、対象が(表8に示されている)製剤AまたはBのうち一方のSQ注射を受け、次いで一定期間(例えば、1、5、7、10、14など、数日)後、製剤AまたはBのうちもう一方のSQ注射を受ける試験により実施する。次に、対象を、各注射後指定された時点(例えば、1分以内(すなわち、注射直後)、10分以内、1時間以内、4時間以内1日以内)でのVASスケールスコアリングに基づいて、注射随伴痛について評価する。
【表8】
【0061】
したがって、対象が2つの治療群のうちの1つにランダム化される、単回投与、対象盲検化、ランダム化、クロスオーバー試験を実施する。各治療群は、以下の注射レジメンに従って、表8に記載されている、80mg/mlのイキセキズマブを含む医薬製剤の皮下注射を受ける。
【0062】
治療群1は、製剤Bの単回投与を受け、次いで7日後に製剤Aの単回投与を受ける。治療群2は、SQ注射により、製剤Aの単回投与を受け、次いで14日後に、SQ注射により、製剤Bの単回投与を受ける。注射は、対象が座位またはリクライニング位置にある間に、対象の腹部において、医療関係者により実施する。その後の注射は、腹部の象限間で代えて行ってもよい。VASスケールスコアリングに基づく注射随伴痛の評価を、各注射の直後(例えば、1分以内)および注射後10分に実施する。結果を以下の表9および表10に示す。
【表9】
【0063】
表9に示すように、製剤Aは、注射直後および注射後10分の両方で、製剤B(Taltz(登録商標)の市販製剤)よりもVASスコアの大幅な低下を示す。
【表10】
【0064】
表10に示すように、製剤Aは、注射直後に注射随伴痛を経験しない患者において実質的な改善を示し、製剤B(Taltz(登録商標)の市販製剤)については、注射直後に中等度から重度の注射随伴痛を経験する患者を減少させるという実質的な利益がある。
【0065】
インビボ薬物動態分析
イキセキズマブの水性医薬製剤の薬物動態分析を、対象が(表8に示されている)製剤AまたはBのうちの一方のSQ注射を受ける試験により実施し得る。次に、対象を、様々な時点で(例えば、SQ注射前、および注射後1~24時間、注射後1~90日などのSQ注射後)薬物動態分析のために評価する。
【0066】
したがって、1日目に対象が2つの治療群のうちの1つにランダム化される、単回投与、対象盲検化、ランダム化、並行デザイン試験を実施する。治療を受ける前に(例えば、1日目、投与前)、両方の治療群の患者からの投与前のサンプルを、薬物動態的特性評価のために採取する。1日目に、治療群1は、製剤Aの単回のSQ注射を受け、治療群2は、(表8に記載されている)製剤Bの単回の皮下注射を受ける。注射は、対象の腹部において、医療関係者により実施され得る。投与後、サンプルを試験日3、5(+-1日)、8(+-1日)、11(+-1日)、15(+-2日)、22(+-2日)、29(+-2日)、43(+-2日)、57(+-3日)、71(+-3日)および85(+-3日)に採取して、Cmax(最大観察薬物濃度)、AUC[0-∞](時間ゼロから無限大までの濃度対時間曲線下の面積)、AUC[0-t
最後](試験1日目の時間ゼロから最後の測定可能な濃度の時間までの濃度対時間曲線下の面積)、およびTmax(最大観察薬物濃度の時間)を含む薬物動態パラメーターを評価する。結果を表11に示す。
【表11】
【0067】
表11に示されているように、製剤Aは、製剤B(Taltz(登録商標)の市販製剤)と同等のPKパラメーターを示す。また、いずれの製剤でも重篤な有害事象は報告されず、全体的な安全性は一貫しており、製剤Bと同等である。
【0068】
標的中和評価
製剤Aのサンプルを5℃で1ヶ月、6ヶ月および12ヶ月間、25℃で1ヶ月間、ならびに35℃で1ヶ月間インキュベートした後、細胞ベースのバイオアッセイにより、製剤Aの有効性を(表8の)製剤Bと比較して評価する。簡単に説明すると、IL-17A受容体を内因的に発現し、ホタルルシフェラーゼ遺伝子を安定して発現するマウス骨芽細胞株MC3T3-E1を培養し、IL-17Aが存在する場合に、IL-17A活性に比例したレベルでルシフェラーゼの転写が誘導されるようにする。事前にインキュベートした製剤AおよびBのサンプルを、それぞれ細胞ベースのバイオアッセイの培養ウェルに導入し、ルシフェラーゼ発現を測定した後、阻害用量曲線を生成する。データを、4パラメーターのロジスティックカーブフィットを使用して分析する。相対的有効性を、製剤BのEC
50(例えば、参照標準)と比較した製剤AのEC
50の比率を計算することによって決定する。結果を表12に示す。
【表12】
【0069】
表12に示すように、製剤Aは、長期間の貯蔵後およびストレス条件下で、製剤B(Taltz(登録商標)の市販製剤)と同等の標的中和のレベルを示す。
【0070】
配列
配列番号1(実施例の抗IL17A抗体のLCDR1)
RSSRSLVHSRGNTYLH
配列番号2(実施例の抗IL17A抗体のLCDR2)
KVSNRFI
配列番号3(実施例の抗IL17A抗体のLCDR3)
SQSTHLPFT
配列番号4(実施例の抗IL17A抗体のHCDR1)
GYSFTDYHIH
配列番号5(実施例の抗IL17A抗体のHCDR2)
VINPMYGTTDYNQRFKG
配列番号6(実施例の抗IL17A抗体のHCDR3)
YDYFTGTGVY
配列番号7(実施例の抗IL17A抗体のLCVR)
DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCRSSRSLVHSRGNTYLHWYLQKPGQSPQLLIYKV SNRFIGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCSQSTHLPFTFGQGTK LEIK
配列番号8(実施例の抗IL17A抗体のHCVR)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYSFTDYHIHWVRQAPGQGLEWMGVINPMYGTTDYNQRFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARYDYFTGT GVYWGQGTLVTVSS
配列番号9(実施例の抗IL17A抗体の軽鎖)
DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCRSSRSLVHSRGNTYLHWYLQKPGQSPQLLIYKVSNRF IGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCSQSTHLPFTFGQGT KLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQ SGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRG EC
配列番号10(実施例の抗IL17A抗体の重鎖)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYSFTDYHIHWVRQAPGQGLEWMGVINPMYGTTDYNQRFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARYDYFTGTGVYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPV TVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPS NTKV DKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVV DVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLN GKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLV KGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNV FSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG
【配列表】