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特許7266182無線通信システム、無線通信装置及び無線通信制御方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】無線通信システム、無線通信装置及び無線通信制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20230421BHJP
   H04W 40/22 20090101ALI20230421BHJP
   H04W 40/12 20090101ALI20230421BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W40/22
H04W40/12
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019144493
(22)【出願日】2019-08-06
(65)【公開番号】P2021027477
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白方 亨宗
(72)【発明者】
【氏名】西保 和磨
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-034467(JP,A)
【文献】特開2015-188207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の無線ノードと、
前記第1の無線ノードに接続された、信号を前記第1の無線ノード宛に送信する1つ以上の第2の無線ノードと、
前記第1の無線ノード宛の前記信号を受信した場合、前記1つ以上の第2の無線ノード宛に接続要求を送信する第3の無線ノードと、を備え、
前記1つ以上の第2の無線ノードは、前記接続要求を受信した場合、
前記第1の無線ノードと前記第3の無線ノードとの中継ノードとして機能することを示す接続許可を前記第3の無線ノードに送信する、
無線通信システムであって、
前記1つ以上の第2の無線ノードから前記第1の無線ノード宛に送信される前記信号は、前記1つ以上の第2の無線ノードが測定した受信品質に関する情報を含む、
線通信システム。
【請求項2】
第1の無線ノードと、
前記第1の無線ノードに接続された、信号を前記第1の無線ノード宛に送信する1つ以上の第2の無線ノードと、
前記第1の無線ノード宛の前記信号を受信した場合、前記1つ以上の第2の無線ノード宛に接続要求を送信する第3の無線ノードと、を備え、
前記1つ以上の第2の無線ノードは、前記接続要求を受信した場合、
前記第1の無線ノードと前記第3の無線ノードとの中継ノードとして機能することを示す接続許可を前記第3の無線ノードに送信する、
無線通信システムであって、
前記1つ以上の第2の無線ノードは、前記第3の無線ノードが測定した受信品質に関する情報の要求を、前記第3の無線ノード宛に送信し、
前記第3の無線ノードは、前記情報の要求に応じて、前記第3の無線ノードが測定した受信品質に関する情報を前記第2の無線ノード宛に送信し、
前記1つ以上の第2の無線ノードは、前記第3の無線ノードが測定した受信品質に関する情報を含む信号を、前記第1の無線ノード宛に送信する、
線通信システム。
【請求項3】
第1の無線ノードと、
前記第1の無線ノードに接続された、信号を前記第1の無線ノード宛に送信する1つ以上の第2の無線ノードと、
前記第1の無線ノード宛の前記信号を受信した場合、前記1つ以上の第2の無線ノード宛に接続要求を送信する第3の無線ノードと、を備え、
前記1つ以上の第2の無線ノードは、前記接続要求を受信した場合、
前記第1の無線ノードと前記第3の無線ノードとの中継ノードとして機能することを示す接続許可を前記第3の無線ノードに送信する、
無線通信システムであって、
前記1つ以上の第2の無線ノードが複数個あり、
前記第3の無線ノードは、前記複数の第2の無線ノードのそれぞれが前記第1の無線ノード宛に送信した前記信号を前記第3の無線ノードが受信したレベルに基づいて、前記接続要求を送信する1つの第2無線ノードを前記複数の第2の無線ノードから決定する、
線通信システム。
【請求項4】
前記第3の無線ノードは、前記第1の無線ノードの通信可能範囲外に位置し、前記第2の無線ノードの通信可能範囲内に位置する、
請求項1ないし3のいずれか1つに記載の無線通信システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1つに記載の無線通信システムの無線通信装置であって、
前記第1の無線ノード宛に前記第2の無線ノードが送信した信号を受信する受信回路と、
前記受信回路が前記第1の無線ノード宛の前記信号を受信した場合、前記第2の無線ノード宛に接続要求を送信する送信回路と、を備え、
前記受信回路は、前記接続要求に対して前記第2の無線ノードが前記第1の無線ノードとの中継ノードとして機能することを示す接続許可を前記第2の無線ノードから受信する、
無線通信装置。
【請求項6】
第1の無線ノードと、1つ以上の第2の無線ノードと、第3の無線ノードと、を備える無線通信システムにおける無線通信制御方法であって、
前記第2の無線ノードは、接続された前記第1の無線ノードからの要求に応じて、信号を前記第1の無線ノード宛に送信し、
前記第3の無線ノードは、前記第1の無線ノード宛の前記信号を受信した場合、前記第2の無線ノード宛に接続要求を送信し、
前記第2の無線ノードは、前記接続要求を受信した場合、前記第1の無線ノードと前記第3の無線ノードとの中継ノードとして機能することを示す接続許可を前記第3の無線ノードに送信する、
無線通信制御方法であって、
前記1つ以上の第2の無線ノードから前記第1の無線ノード宛に送信される前記信号は、前記1つ以上の第2の無線ノードが測定した受信品質に関する情報を含む、
無線通信制御方法
【請求項7】
第1の無線ノードと、1つ以上の第2の無線ノードと、第3の無線ノードと、を備える無線通信システムにおける無線通信制御方法であって、
前記第2の無線ノードは、接続された前記第1の無線ノードからの要求に応じて、信号を前記第1の無線ノード宛に送信し、
前記第3の無線ノードは、前記第1の無線ノード宛の前記信号を受信した場合、前記第2の無線ノード宛に接続要求を送信し、
前記第2の無線ノードは、前記接続要求を受信した場合、前記第1の無線ノードと前記第3の無線ノードとの中継ノードとして機能することを示す接続許可を前記第3の無線ノードに送信する、
無線通信制御方法であって、
前記1つ以上の第2の無線ノードは、前記第3の無線ノードが測定した受信品質に関する情報の要求を、前記第3の無線ノード宛に送信し、
前記第3の無線ノードは、前記情報の要求に応じて、前記第3の無線ノードが測定した受信品質に関する情報を前記第2の無線ノード宛に送信し、
前記1つ以上の第2の無線ノードは、前記第3の無線ノードが測定した受信品質に関する情報を含む信号を、前記第1の無線ノード宛に送信する、
無線通信制御方法。
【請求項8】
第1の無線ノードと、1つ以上の第2の無線ノードと、第3の無線ノードと、を備える無線通信システムにおける無線通信制御方法であって、
前記第2の無線ノードは、接続された前記第1の無線ノードからの要求に応じて、信号を前記第1の無線ノード宛に送信し、
前記第3の無線ノードは、前記第1の無線ノード宛の前記信号を受信した場合、前記第2の無線ノード宛に接続要求を送信し、
前記第2の無線ノードは、前記接続要求を受信した場合、前記第1の無線ノードと前記第3の無線ノードとの中継ノードとして機能することを示す接続許可を前記第3の無線ノードに送信する、
無線通信制御方法であって、
前記1つ以上の第2の無線ノードが複数個あり、
前記第3の無線ノードは、前記複数の第2の無線ノードのそれぞれが前記第1の無線ノード宛に送信した前記信号を前記第3の無線ノードが受信したレベルに基づいて、前記接続要求を送信する1つの第2無線ノードを前記複数の第2の無線ノードから決定する、
無線通信制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信システム、無線通信装置及び無線通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のノード(又は、無線ノード、無線通信装置又は無線通信端末とも呼ぶ)間においてメッセージの転送を行うネットワーク(例えば、無線メッシュネットワーク)がある(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2016-506198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、無線メッシュネットワークのようなネットワークにおいて、ノード間の無線リンク品質に基づいてマルチホップ伝送に関わるノードを決定する方法については検討の余地がある。
【0005】
本開示の非限定的な実施例は、複数の無線通信装置を有するネットワークにおいて信号伝送に関わる無線通信装置を効率的に決定できる無線通信システム、無線通信装置及び無線通信制御方法の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施例に係る無線通信システムは、第1の無線ノードと、前記第1の無線ノードに接続された、信号を前記第1の無線ノード宛に送信する1つ以上の第2の無線ノードと、前記第1の無線ノード宛の前記信号を受信した場合、前記1つ以上の第2の無線ノード宛に接続要求を送信する第3の無線ノードと、を備え、前記1つ以上の第2の無線ノードは、前記接続要求を受信した場合、前記第1の無線ノードと前記第3の無線ノードとの中継ノードとして機能することを示す接続許可を前記第3の無線ノードに送信する。
【0007】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一実施例によれば、複数の無線通信装置を有するネットワークにおいて信号伝送に関わる無線通信装置を効率的に決定できる。
【0009】
本開示の一実施例における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】無線ネットワーク構成の一例を示す図
図1B】無線ネットワークを構成する無線ノードの通信経路の一例を示す図
図2】無線ノードの構成の一例を示すブロック図
図3】無線ネットワークの動作の一例を示すフローチャート
図4】接続処理の一例を示すシーケンス図
図5】無線ノード間の通信経路の一例を示す図
図6】リンク品質収集処理の一例を示すシーケンス図
図7】リンク品質行列の一例を示す図
図8】リンク品質収集処理の一例を示すシーケンス図
図9】代理接続処理の一例を示すシーケンス図
図10】無線ノード間の通信経路の一例を示す図
図11】無線ノード間の通信経路の一例を示す図
図12】リンク品質収集処理の一例を示すシーケンス図
図13】リンク品質行列の一例を示す図
図14】代理リンク品質収集処理の一例を示すシーケンス図
図15】リンク品質行列及び無線ノード間の通信経路の一例を示す図
図16】リンク品質行列及び無線ノード間の通信経路の一例を示す図
図17】代理リンク品質応答処理の一例を示すシーケンス図
図18】リンク品質行列及び無線ノード間の通信経路の一例を示す図
図19】代理リンク品質収集処理の一例を示すシーケンス図
図20】無線ノードの状態遷移の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は一例であり、本開示は以下の実施の形態により限定されるものではない。
【0012】
例えば、特許文献1では、無線メッシュネットワークにおいて、信号(例えば、メッセージ又はパケット)の転送(換言すると、中継)を行う無線ノードは、空間的配置が示されたレイアウト図に基づいて決定される。例えば、レイアウト図に含まれるレイアウト要素(例えば、道路)と、無線ノードとが予め関連付けられ、地理的距離及び進行距離といったレイアウト情報に基づいて信号の転送が制御される。
【0013】
しかしながら、無線ノードの地理的な位置関係及び距離と、実際の無線環境におけるリンク品質又は伝搬環境とは一致しない場合もあり得る。例えば、工場といった遮蔽及び反射が生じやすい金属類がより多く存在する環境、又は、人及び搬送ロボットといった移動体がより多く存在する環境では、各無線ノードにおけるリンク品質及び伝搬環境は変化しやすい。そのため、信号を中継する無線ノード(以下、「中継ノード」とも呼ぶ)とレイアウト要素とが関連付けられる場合には、例えば、中継ノードにおけるリンク品質が低下し、伝送効率が低下し得る。
【0014】
本開示の一実施例では、複数の無線ノード間のリンク品質に基づいて信号伝送に関わるノード(換言すると、通信経路)を動的に決定する方法について説明する。例えば、無線ノードが密集する無線ネットワークのマルチホップ通信において、無線ノード間のリンク品質に基づく通信経路の動的な決定により、通信経路の効率的な決定(あるいは、通信経路の適正化)を可能とする。通信経路を効率的に決定できることで、無線ネットワークにおける伝送効率を向上できる。
【0015】
[無線ネットワークの構成例]
図1Aは、本開示の一実施例に係る無線ネットワーク(換言すると、無線通信システム)100の構成の一例を示す図である。
【0016】
図1Aは、無線ネットワーク100を構成する無線ノード0~6の配置を模式的に示す図である。図1Aにおいて、例えば、通信エリア101は、無線ノード0の通信可能範囲を示し、通信エリア102は、無線ノード2の通信可能範囲を示す。なお、図1Aにおいて、他の無線ノード1及び3~6についても同様に、それぞれの通信可能範囲である通信エリアを有する(図示せず)。なお、「通信エリア」は、「カバレッジ」あるいは「サービスエリア」といった他の用語に読み替えられてもよい。
【0017】
例えば、図1Aでは、無線ノード0の通信エリア101には、無線ノード1,2及び3が含まれる。そのため、無線ノード0と、無線ノード1,2及び3とはそれぞれ相互に直接通信する。一方、図1Aにおいて、無線ノード0の通信エリア101には、無線ノード4,5及び6が含まれない。そのため、無線ノード0と、無線ノード4,5及び6とは相互に直接通信しない。
【0018】
同様に、図1Aでは、無線ノード2の通信エリア102には、無線ノード0,1及び3~6が含まれる。そのため、無線ノード2と無線ノード0,1及び3~6とはそれぞれ直接通信する。
【0019】
図1Bは、本開示の一実施例に係る無線ネットワーク100を構成する無線ノード0~6の通信経路103の一例を示す図である。図1Bに示す通信経路103は、無線ノード0~6において相互に直接通信する無線ノード間を点線で結んだ無線ネットワーク100の通信経路の一例を示す。
【0020】
一例として、通信経路103において、無線ノード0は、無線ノード1,2及び3とそれぞれ無線リンクによって接続されており、直接通信可能な通信経路を有する。一方、無線ノード0は、他の無線ノード4,5及び6と無線リンクによって接続されておらず、直接通信可能な通信経路を有さない。また、他の例として、通信経路103において、無線ノード6は、無線ノード2,3及び5とそれぞれ無線リンクによって接続されており、直接通信可能な通信経路を有する。一方、無線ノード6は、他の無線ノード0,1及び4と無線リンクによって接続されておらず、直接通信可能な通信経路を有さない。
【0021】
本開示の一実施例では、無線ノードは、無線ネットワーク100において無線ノード間の無線リンクの品質(以下「リンク品質」と略称することがある)を収集する。また、無線ノードは、収集したリンク品質を含む情報又は信号を中継する無線ノード(以下「中継ノード」とも称する)を選択する。情報又は信号の「中継」は、情報又は信号の「転送」又は「マルチホップ通信」に読み替えられてもよい。また、無線ノード(例えば、中継ノード)を選択することは、通信経路を選択すること、と捉えてもよい。
【0022】
図2は、本開示の一実施例に係る無線ノード10の構成例を示すブロック図である。図1Aに示す無線ノード0~6それぞれは、例えば、図2に示す無線ノード10の構成を有してよい。
【0023】
図2において、無線ノード10は、例えば、制御部11、記憶部12、有線通信部13、無線通信部14、リンク品質測定部15、センサ16、及び、アクチュエータ17を備えてよい。
【0024】
無線ノード10は、例えば、センサ16でセンシングしたデータを無線によって収集する無線センサネットワーク(例えば、無線ネットワーク100)において、センサデータ(例えば、メッセージ)を転送又は収集する。また、無線ノード10は、収集したデータに基づいて、アクチュエータ17を制御してもよい。
【0025】
制御部11は、例えば、無線ノード10の全体の動作又は処理を制御する。例えば、記憶部12に保存されたプログラムコード又はデータに基づいて、無線ノード10における処理を制御してよい。制御部11は、例えばマイクロプロセッサによって構成されてよい。
【0026】
記憶部12は、例えば、制御部11が実行するプログラムコード又はデータを記憶する。記憶部12は、例えば、Random Access Memory(RAM)又はRead Only Memory(ROM)によって構成されてよい。
【0027】
有線通信部13は、無線ノード10と外部装置(図示せず)との有線通信を行うインタフェースである。例えば、有線通信部13は、センサ16、アクチュエータ17又は外部装置(図示せず)といった他の装置との通信を行うインタフェースである。有線通信部13は、例えば、シリアル通信、Inter-Integrated Circuit(I2C)、Serial Peripheral Interface(SPI)、General Purpose Input/Output(GPIO)、Universal Serial Bus(USB)、及び、Ethernet(登録商標)といった有線通信を行ってよい。なお、有線通信部13における有線通信方式は、これらに限定されない。
【0028】
無線通信部14は、無線ノード10間の無線通信を行うインタフェースである。無線通信部14は、例えば、920MHz帯の小電力通信、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、及び、WiFi(登録商標)といった無線通信を行ってよい。なお、無線通信部14における無線通信方式は、これらに限定されない。
【0029】
なお、有線通信部13及び無線通信部14の少なくとも一つは、対応する通信プロトコロルに応じて複数搭載されてよい。また、無線ノード10と外部装置との通信は、有線通信に限らず、無線通信でもよいため、無線ノード10は、有線通信部13を省略した構成であってもよい。
【0030】
リンク品質測定部15は、無線通信部14において受信した無線信号に基づいて、無線ノード10と他の無線ノードとの間のリンク品質を測定し、測定結果を示す情報(例えば、後述するリンク品質履歴情報)を生成する。リンク品質は、例えば、Receive Signal Strength Indicator(RSSI:受信信号強度インジケータ)、Signal to Noise Ratio(SNR:信号対雑音比)、ビットエラー率といった受信信号の品質に関する指標でよい。なお、リンク品質測定部15の処理は、無線通信部14において行われてもよい。
【0031】
センサ16は、例えば、外部環境のセンシングを行う。外部環境のセンシングには、例えば、温度、湿度及び照度といったセンシングが含まれてよい。
【0032】
アクチュエータ17は、例えば、外部環境へのアクチュエーションを行う。アクチュエータ17は、例えば、Light Emitting Diode(LED)の点灯、表示器への画像表示、サーボモータの動作といったアクチュエーションを行ってよい。
【0033】
なお、無線ノード10は、センサ16及びアクチュエータ17の少なくとも一つを複数個搭載してもよい。または、センサ16及びアクチュエータ17の少なくとも一つは、無線ノード10に搭載されなくてもよい。例えば、無線ノード10は、有線通信部13(又は無線通信部14でもよい)を介して、外部のセンサ又はアクチュエータに接続してもよい。
【0034】
[無線ネットワークの動作例]
図3は、本開示の一実施例に係る無線ネットワーク100の動作例を示すフローチャートである。
【0035】
無線ネットワーク100では、複数の無線ノード10のうち、1台の無線ノード10が「親ノード」に設定され、図3に示す動作を開始する。複数の無線ノード10の中から親ノードを決定する方法は、例えば、複数の無線ノード10に対して役割(例えば、親ノードの役割を含む)が予め設定される方法でもよく、複数の無線ノード10のうち、起動順序に基づいて親ノード(例えば、最初に起動される無線ノード10)が設定される方法でもよく、他の方法でもよい。
【0036】
以下では、一例として、図1Aに示す無線ネットワーク100において、無線ノード0が親ノードに設定される場合について説明する。
【0037】
図3において、無線ノード10は、ビーコンの送受信処理を行う(S101)。なお、「ビーコン」は、無線ノード10が周期的に発信する信号(発信信号)の一例である。
【0038】
例えば、親ノードは、ビーコンと呼ばれる、制御情報を含む信号(例えば、パケット)を周期的に送信する。ビーコンには、例えば、無線ノード0が親ノードであることを示す情報が含まれてよい。また、ビーコンには、例えば、親ノードのアドレスを示す情報が含まれてよい。また、ビーコンには、例えば、ビーコンの送信周期といった無線ネットワーク100の設定に関する情報が含まれてよい。親ノード(無線ノード0)と異なる他の無線ノード10は、ビーコンを受信し、例えば、当該他の無線ノード10の近傍に位置する親ノードを検出し、無線ネットワーク100が動作していることを検出する。
【0039】
また、ビーコンの送信周期は、例えば、親ノード(無線ノード0)と通信可能な無線ノード10の数に応じて設定されてよい。例えば、親ノードと通信可能な無線ノード10の数が多いほど、ビーコンの送信周期は長くてもよい。
【0040】
図3において、親ノード(無線ノード0)及びビーコンを受信した無線ノード10は、親ノード(無線ノード0)と無線ノード10との間の接続処理を行う(S102)。
【0041】
例えば、ビーコンを受信した無線ノード10は、親ノードに対して接続要求情報(例えば、「REG」と表す)を含むパケットを送信する。そして、無線ノード10は、例えば、親ノードから接続許可情報(例えば、「RCK」と表す)を含むパケットを受信するまで、規定の時間待機する。一方、親ノードは、接続要求情報を受信後、REGを送信した無線ノード10に対して接続許可が可能である場合、接続許可情報(例えば、RCK)を含むパケットを送信する。親ノードは、例えば、接続許可情報を含むパケットを送信してもよく、ビーコンのような他の送信パケットに接続許可情報を含めて送信してもよい。無線ノード10は、接続許可情報を受信した場合、親ノード(無線ノード0)に対する「子ノード」に設定され、親ノードと接続状態(例えば、無線リンクが確立した状態)になる。
【0042】
なお、親ノード(無線ノード0)は、REGを送信した無線ノード10に対して接続を許可しない場合、例えば、接続許可情報を、REGを送信した無線ノード10へ送信しなくてもよく、接続の不許可を示す情報を、REGを送信した無線ノード10へ送信してもよい。また、親ノードは、例えば、予め設定した接続許可ノードテーブルあるいは接続可能な子ノード数の上限に基づいて、無線ノード10に対して接続許可が可能であるか否かを判定してよい。
【0043】
例えば、図1Aでは、親ノード(無線ノード0)が送信するビーコンは、無線ノード0の通信エリア101内に位置する無線ノード1、2及び3に受信され得る。よって、図1Aの例では、無線ノード1,2及び3は、無線ノード0に対する子ノードに設定され得る。
【0044】
図3において、親ノード及び子ノードは、リンク品質に関する情報(例えば、リンク品質履歴情報とも呼ぶ)を送受信するリンク品質収集処理を行う(S103)。
【0045】
例えば、親ノードは、リンク品質要求情報(例えば、「REQ」と表す)を含むパケットを子ノードに送信する。子ノードは、リンク品質要求情報を受信後、リンク品質要求情報の受信時に保持しているリンク品質履歴情報(換言すると、リンク品質要求情報「REQ」に対するACK)を含むパケットを親ノードに送信する。
【0046】
例えば、各無線ノード10(例えば、子ノード)は、親ノード(無線ノード0)と異なる他の無線ノード10(他の子ノードを含む)が送信した信号を受信した場合、受信信号に基づいて、無線ノード10(親ノード)と他の無線ノード10(子ノード)との間のリンク品質を測定し、リンク品質の測定値を含むリンク品質履歴情報を保存してよい。
【0047】
親ノードは、各子ノードから送信されるリンク品質履歴情報の受信後、例えば、これらのリンク品質履歴情報を結合し、「リンク品質行列」を生成してよい。例えば、リンク品質行列において、行が送信ノードを表し、列が受信ノードを表し、行列の各要素を送受ノード間のリンク品質(例えば、RSSI)を表してもよい。なお、リンク品質行列における行列の構成はこの例に限定されない。親ノードは、例えば、リンク品質行列に基づいて、無線ネットワーク100内の子ノードを含む複数の無線ノード10間のリンク品質を特定できる。
【0048】
図3において、子ノード、及び、親ノード及び子ノードの双方と異なる他の無線ノード10は、代理接続処理を行う(S104)。
【0049】
例えば、無線ノード10の中には、親ノード(例えば、図1Aの無線ノード0)と直接通信しないが、子ノード(例えば、図1Aの無線ノード1~3の何れか)と直接通信する他の無線ノード10(例えば、図1Aの無線ノード4~6)が含まれ得る。当該他の無線ノード10は、例えば、親ノードが送信するビーコンを受信しないが、子ノードが送信するリンク品質履歴情報を含むパケットを受信する。例えば、図1Aに示す例では、無線ノード4,5及び6は、少なくとも、通信エリア102の範囲内に位置するので、無線ノード2(子ノード)が送信するパケット(例えば、リンク品質履歴情報を含む)を受信(換言すると、傍受)する。
【0050】
このような無線ノード10は、例えば、子ノードが送信するリンク品質履歴情報に基づいて、無線ネットワーク100の存在を検出できる。無線ノード10(例えば、図1Aの無線ノード4~6)は、無線ネットワーク100を検出した場合、例えば、子ノード(例えば、図1Aの無線ノード1~3)に対して、代理接続要求情報(例えば、「pREG:proxy_REG」と表す)を含むパケットを送信する。例えば、無線ノード10は、無線ノード10と直接通信可能な複数の子ノードそれぞれとの間のリンク品質に基づいて、複数の子ノードの中から、代理接続処理を行う無線ノード10(換言すると、後述する中継ノード)を決定してよい。
【0051】
そして、無線ノード10(例えば、図1Aの無線ノード4~6)は、例えば、子ノードから、代理接続許可情報(例えば、「pRCK:proxy_RCK」と表す)を含むパケットを受信するまで、規定された時間待機する。一方、子ノードは、代理接続要求情報を受信後、pREGを送信した無線ノード10に対して接続許可が可能である場合、代理接続許可情報を含むパケットを送信する。
【0052】
無線ノード10(例えば、図1Aの無線ノード4~6)は、代理接続許可情報を受信した場合、例えば、親ノードに対する「孫ノード」に設定される。また、子ノードは、代理接続許可情報の送信により、孫ノードに対する「中継ノード」に設定される。S104の代理接続処理により、子ノード(換言すると、中継ノード)と孫ノードとは接続状態になる。換言すると、子ノードから孫ノードへ送信される代理接続許可情報は、子ノードが親ノードと孫ノードとの中継ノードとして機能することを示す。
【0053】
なお、子ノードは、pREGを送信した無線ノード10に対して接続を許可しない場合、例えば、接続許可情報を、pREGを送信した無線ノード10へ送信しなくてもよく、代理接続の不許可を示す情報を、pREGを送信した無線ノード10へ送信してもよい。また、子ノードは、例えば、親ノードから受信した、予め設定した接続許可ノードテーブルあるいは中継接続可能な子ノードテーブルあるいは接続可能な孫ノード数の上限に基づいて、pREGを送信した無線ノード10に対して代理接続許可が可能であるか否かを判定してよい。
【0054】
また、親ノードは、中継ノード(換言すると、子ノード)が送信する代理接続許可情報を含むパケットを受信(換言すると、傍受)する。親ノードは、代理接続許可情報の受信により、孫ノードの存在、及び、中継ノードと孫ノードとの接続状態を検出してよい。
【0055】
図3において、親ノード、中継ノード(例えば、子ノード)及び孫ノードは、代理リンク品質収集処理を行う(S105)。代理リンク品質収集処理は、例えば、孫ノードが保持しているリンク品質履歴情報を、中継ノード(換言すると、親ノードの代理)が収集する処理である。
【0056】
例えば、中継ノードは、代理リンク品質要求情報(例えば、「pREQ:proxy_REQ」と表す)を含むパケットを孫ノードに送信する。孫ノードは、代理リンク品質要求情報を受信後、代理リンク品質要求情報の受信時に保持しているリンク品質を示す代理リンク品質履歴情報(換言すると、代理リンク品質要求情報に対するACK)を含むパケットを中継ノードに送信する。
【0057】
中継ノードは、例えば、孫ノードが送信した代理リンク品質履歴情報の受信後、例えば、これらの代理リンク品質履歴情報を結合し、代理リンク品質行列を生成してよい。中継ノードは、例えば、代理リンク品質行列に基づいて、無線ネットワーク100内の無線ノード10間のリンク品質を部分的に特定できる。
【0058】
なお、代理リンク品質収集処理において、親ノードは、例えば、中継ノードに対して、リンク品質要求情報(REQ)を含むパケットを送信する場合、中継ノードが孫ノードに対して代理リンク品質収集を行うスロットの予約割当情報を送信してよい。中継ノードは、受信した予約割当情報に示されるスロット(換言すると、予約されたスロット)において、代理リンク品質要求情報を含むパケットを孫ノードに送信してよい。
【0059】
図3において、親ノード及び中継ノードは、代理リンク品質応答処理を行う(S106)。
【0060】
例えば、中継ノードは、中継ノードにおける他の無線ノード10とのリンク品質を示すリンク品質履歴情報を親ノードに送信する場合、中継ノードが保持している孫ノードとの間のリンク品質行列を含む代理リンク品質履歴情報を親ノードに送信してよい。親ノードは、例えば、受信した代理リンク品質履歴情報を、保持しているリンク品質行列と結合し、保存してよい。リンク品質行列の結合により、親ノードは、無線ネットワーク100内の子ノード及び孫ノードを含む複数の無線ノード10間のリンク品質を特定できる。
【0061】
親ノードは、例えば、リンク品質行列に示される複数の無線ノード10間のリンク品質に基づいて、中継ノードの再割当て、又は、無線ノード10間の通信経路の選択といったスケジューリング処理を行ってよい。
【0062】
なお、無線ノード10間のデータパケット(例えば、センシングデータ及びアクチュエータ17の制御データ)は、親ノード、子ノード(又は、中継ノード)、及び、孫ノードがそれぞれ送信するパケットに含まれてよい。
【0063】
図3において、無線ノード10は、通信処理が終了していない場合(S107:Noの場合)、S101の処理に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、無線ノード10は、通信処理が終了した場合(S107:Yesの場合)、処理を終了させる。
【0064】
次に、図3に示す各処理(例えば、S102~S106の各処理)の一例についてそれぞれ説明する。
【0065】
以下では、一例として、図1Aに示す無線ネットワーク100に含まれる無線ノード0~6における動作について説明する。また、無線ノード0~6のうち、無線ノード0が親ノードに設定される場合について説明する。
【0066】
なお、以下では、無線ノード10間の通信方法は、例えば、ブロードキャスト通信及びユニキャスト通信の何れかである。しかし、無線ノード10間の通信方法は、これらに限定されない。
【0067】
[接続処理(図3に示すS101及びS102の処理)]
図4は、接続処理の一例を示すシーケンス図である。
【0068】
親ノードである無線ノード0は、ビーコン(beacon)を周期的に送信する(S1011)。
【0069】
図1Aに示す例では、親ノードである無線ノード0の通信エリア101には、無線ノード1,2及び3が含まれるため、無線ノード1,2及び3は、無線ノード0が送信するビーコンを受信する。換言すると、図1Aに示す例では、通信エリア101の範囲外に位置する無線ノード4,5及び6は、無線ノード0が送信するビーコンを受信しない。
【0070】
図4において、ビーコンを受信した無線ノード1,2及び3は、例えば、接続要求情報(REG)を含むパケットを親ノード(無線ノード0)にそれぞれ送信する(S1021、S1022及びS1023)。無線ノード1,2及び3は、例えば、キャリアセンス後の送信、又は、ランダムバックオフ送信といった送信方法に基づいて送信タイミングを決定してよい。このような送信タイミングの決定により、無線ノード1,2及び3それぞれが送信するパケット間の衝突確率を低減できる。
【0071】
図4では、一例として、無線ノード1,2及び3のうち、無線ノード1が最初に接続要求情報(REG)を含むパケットを送信し(S1021)、続いて、無線ノード3が接続要求パケット(REG)を送信し(S1022)、最後に、無線ノード2が接続要求パケット(REG)を送信する(S1023)。なお、無線ノード1,2及び3それぞれは、他の無線ノード10が送信するパケットを受信(換言すると、傍受)するので、例えば、無線ノード0、1及び2それぞれと他の無線ノード10との間のリンク品質を測定してよい(図示せず)。
【0072】
無線ノード0は、無線ノード1,2及び3の接続要求を許可する場合、接続許可情報(RCK)を無線ノード1,2及び3に送信する(S1024)。例えば、無線ノード0は、次に送信するビーコン(換言すると、ブロードキャスト信号)に複数の無線ノード10に対する接続許可情報を含めてもよい。また、接続許可情報には、例えば、接続許可した無線ノード番号(例えば、アドレス)が含まれてよい。図4に示す例では、接続許可情報(RCK)には、接続許可された無線ノード10の順序(例えば、1、3、2の順)を示す情報(例えば、rck[1, 3, 2])が含まれる。なお、無線ノード0は、複数の無線ノード10それぞれに対する接続許可情報を個別のパケット(換言すると、ユニキャスト信号)に含めてもよい。
【0073】
無線ノード1,2及び3は、接続許可情報を含むビーコンを受信した場合、親ノードとの接続が許可され、親ノードである無線ノード0(以後、親ノード0と記載する)に対する子ノードである無線ノード1,2及び3(以後、子ノード1,2及び3と記載する)にそれぞれ設定されたと判断する。図5は、図4に示すS1024の処理後における無線ノード10(親ノード0及び子ノード1~3)の接続関係の一例を示す。図5では、実線の無線ノード10が親ノードであり、点線の無線ノード10が子ノードである。また、実線矢印は、アップロードの通信を示している。つまり、図5は、実線の無線ノード0が親ノード0であり、点線の無線ノード1,2及び3が子ノード1,2及び3であり、親ノード0として、子ノード1、2及び3のぞれぞれと接続されている。
【0074】
[リンク品質収集処理(図3に示すS103の処理)]
図6は、リンク品質収集処理の一例を示すシーケンス図である。図6に示す処理は、例えば、図4に示すビーコンの送受信(例えば、図4に示すS1024の処理)の後の処理を示す。
【0075】
親ノード0は、子ノード1,2及び3に対して接続許可情報を送信後(図4に示すS1024の処理後)、子ノード1,2及び3それぞれに対して、リンク品質要求情報(REQ)を含むパケットを送信する。図6に示す例では、一例として、親ノード0は、図4のbeacomで送信した無線ノード10の順序に従って、子ノード1、3、2の順に、リンク品質要求情報を送信する。なお、無線ノード10の順序は、ランダムに設定することができるので、例えば、リンク品質が未収集の無線ノード10の順番を上位にしてもよい。
【0076】
例えば、親ノード0は、リンク品質要求情報(REQ)を子ノード1に送信する(S1031)。子ノード1は、例えば、リンク品質要求情報の受信時に保持しているリンク品質履歴情報(例えば、rlog)を含むリンク品質応答情報(ACK)を親ノード0に送信する(S1032)。親ノード0は、子ノード1から送信されるリンク品質履歴情報を受信し、リンク品質行列に保存する。
【0077】
例えば、子ノード1は、親ノード0からのパケット(例えば、図4に示すS1011及びS1024で受信したビーコン)、及び、他の子ノード2及び3が送信したパケット(例えば、図4に示すS1022及びS1023で送信されたパケット)を受信(又は傍受)し、受信信号に基づいて、他の無線ノード10と子ノード1との間のリンク品質(例えば、RSSI)を測定してよい。
【0078】
また、リンク品質履歴情報は、例えば、送信元アドレス(例えば、無線ノード番号)「sa」と、RSSI「rssi」との組[sa, rssi]を含むリストで表されてよい。図6では、子ノード1が送信するリンク品質履歴情報は、例えば、[[3,-90],[2,-87],[0,-87]]である。リンク品質履歴情報[3,-90]は子ノード3(sa=3)と子ノード1との間のRSSI(rssi)=-90を示し、リンク品質履歴情報[2,-87]は子ノード2(sa=2)と子ノード1との間のRSSI(rssi)=-87を示し、リンク品質履歴情報[0,-87]は親ノード0(sa=0)と子ノード1との間のRSSI(rssi)=-87を示す。
【0079】
なお、子ノード2及び3は、子ノード1から送信されるリンク品質履歴情報を含むパケットを受信(換言すると、傍受)する。そのため、例えば、子ノード2及び3は、子ノード1から送信されるパケットのリンク品質(例えば、RSSI)を測定し、保持しているリンク品質履歴情報に、送信元が子ノード1(sa=1)であるリンク品質履歴情報を追加してよい。図6に示す例では、子ノード2のリンク品質履歴情報に[1,-87]が追加され、子ノード3のリンク品質履歴情報に[1,-90]が追加されている。なお、図6では、リンク品質履歴情報において、古い情報を削除せずに記載しているため、同じノードを示す情報は、先頭に近い値ほど、最新の情報となる。
【0080】
また、例えば、図1Aに示す無線ネットワーク100において、子ノード1と接続可能な他の無線ノード4及び5は、子ノード1から送信されるリンク品質履歴情報を含むパケットを受信(換言すると、傍受)する。そのため、例えば、無線ノード4及び5は、子ノード1から送信されるリンク品質履歴情報を含むパケットのリンク品質(例えば、RSSI)を測定し、保持しているリンク品質履歴情報に、送信元が子ノード1(sa=1)であるリンク品質履歴情報を追加(換言すると、更新)してよい。
【0081】
なお、以下で説明する処理においても、図1Aに示す無線ネットワーク100内の各無線ノード10の通信エリア内に位置する他の無線ノード10は、各無線ノード10が送信するパケットを受信(換言すると、傍受)して、リンク品質履歴情報を更新してよい。
【0082】
図6において、同様にして、親ノード0は、子ノード3に対して、リンク品質要求情報(REQ)を送信する(S1033)。子ノード3は、リンク品質要求情報を受信後、リンク品質履歴情報を含むリンク品質応答情報(ACK)を親ノード0に送信する(S1034)。
【0083】
また、親ノード0は、子ノード2に対して、リンク品質要求情報(REQ)を送信する(S1035)。子ノード2は、リンク品質要求情報を受信後、リンク品質履歴情報を含むリンク品質応答情報(ACK)を親ノード0に送信する(S1036)。
【0084】
また、親ノード0は、例えば、ビーコン周期に従って、ビーコンを送信する(S1012)。
【0085】
例えば、図6に示す処理の終了時点において、親ノード0は、図7に示す通信経路103aにおけるリンク品質(例えば、RSSI)を含むリンク品質行列を保持している。なお、親ノード0は、例えば、子ノード1,2及び3それぞれから送信されるパケットに基づいて、リンク品質(例えば、RSSI)を測定し、保持しているリンク品質履歴情報に、送信元が子ノード1、2及び3(sa=1,2,3)であるリンク品質履歴情報を追加してよい。図7では、一例として、子ノード1,2,3それぞれから親ノード0へ送信されたパケットに基づいて生成されたリンク品質履歴情報は、[[1,-87],[2,-88],[3,-88]]である。
【0086】
図8は、一例として、図6に示すビーコン送信後(S1012の処理後)の子ノード1~3に対するリンク品質収集処理(S1031a~S1036aの処理)を示す。無線ネットワーク100では、このようなリンク品質収集処理の繰り返し(例えば、図8図12及び図14を参照)により、親ノード0は、無線ネットワーク内の無線ノード間のリンク品質を特定(又は、更新)する。
【0087】
[代理接続処理(図3に示すS104の処理)]
図9は、代理接続処理の一例を示すシーケンス図である。図9に示す処理は、例えば、図8に示すリンク品質収集処理(例えば、図8に示すS1036aの処理)の後の処理を示す。
【0088】
無線ノード4,5及び6は、親ノード0の通信エリア101の範囲外であるので、親ノード0から送信されるビーコンを受信しない。一方、無線ノード4,5及び6は、例えば、図6に示すS1032、S1034、S1036、図8に示すS1032a、S1034a、又は、S1036aといった、子ノード1,2及び3それぞれから親ノード0へ送信される信号を受信(換言すると傍受)する。そこで、無線ノード4,5及び6は、例えば、受信した信号に基づいて、送信元の子ノードと無線ノード4,5及び6それぞれとの間のリンク品質を測定し、リンク品質の測定値に基づいて、中継ノードに設定される子ノードを決定してよい。
【0089】
無線ノード4,5及び6は、例えば、中継ノードに設定する子ノードに対して、代理接続要求情報(pREG)を含むパケットを送信する。例えば、無線ノード4,5及び6は、受信したパケットのうち受信電力がより大きいパケット(例えば、受信電力が最大のパケット)の送信元である子ノードに対して代理接続要求情報を送信してよい。
【0090】
図9において、例えば、無線ノード5は、傍受したパケットのうち、受信電力が最大となるパケットの送信元である子ノード2に対して代理接続要求情報(pREG5)を送信する(S1041)。子ノード2は、無線ノード5からの代理接続要求情報を受信後、代理接続を許可できると判定した場合、代理接続許可情報(pRCK5)を無線ノード5に送信する(S1042)。無線ノード5は、代理接続許可情報の受信により、子ノード2との接続が許可され、親ノード0に対する孫ノード5に設定されたと判断する。
【0091】
なお、無線ノード5は、代理接続要求情報の送信時(S1041の処理時)に、保持しているリンク品質履歴情報(例えば、rlog[[1,-90],[3,-85],[2,-81], [1, -90], [3, -85], [2, -81]])を子ノード2へ送信してよい。子ノード2は、無線ノード5から送信されるリンク品質履歴情報を、子ノード2が保持しているリンク品質履歴情報に追加してよい。
【0092】
また、無線ノード5と直接通信可能な無線ノード10(例えば、子ノード1及び3、及び、無線ノード4及び6)は、無線ノード5が送信した代理接続要求情報(S1041において送信されるパケット)を受信(換言すると、傍受)する。よって、例えば、子ノード1及び3は、無線ノード5が送信したパケットに基づいて、子ノード1及び3と無線ノード5との間のリンク品質を測定し、リンク品質履歴情報を生成してよい。無線ノード4及び6も同様にしてリンク品質履歴情報を生成してよい。
【0093】
また、子ノード2が送信した代理接続許可情報(S1042において送信されるパケット)は、例えば、親ノード0、子ノード1及び3も受信(換言すると、傍受)する。よって、例えば、親ノード0は、子ノード2と孫ノード5との接続(換言すると、孫ノード5の中継ノードに子ノード2が設定されたこと)を検出できる。なお、親ノード0は、例えば、孫ノード5の検出を、接続許可情報(RCK)を含むビーコンによって子ノード1,2及び3に通知してよい(後述するS1047の処理)。
【0094】
同様にして、無線ノード4は、傍受したパケットのうち、受信電力が最大となるパケットの送信元である子ノード2に対して代理接続要求情報(pREG4)を送信し(S1043)、子ノード2は、無線ノード4に代理接続許可情報(pRCK4)を送信する(S1044)。この代理接続処理により、無線ノード4は、子ノード2(例えば、中継ノード)との接続が許可され、親ノード0に対する孫ノード4に設定されたと判断する。
【0095】
同様にして、無線ノード6は、傍受したパケットのうち、受信電力が最大となるパケットの送信元である子ノード3に対して代理接続要求情報(pREG6)を送信し(S1045)、子ノード3は、無線ノード6に代理接続許可情報(pRCK6)を送信する(S1046)。この代理接続処理により、無線ノード6は、子ノード3(例えば、中継ノード)との接続が許可され、親ノード0に対する孫ノード6に設定されたと判断する。
【0096】
図9に示す代理接続処理により、例えば、図10に示すように、子ノード2と、孫ノード4及び6とが接続され、子ノード3と孫ノード6とが接続される。なお、図10では、一点鎖線の無線ノード10が、孫ノード4,5及び6である。孫ノード4及び5は子ノード2に接続され、孫ノード6は子ノード3に接続される。
【0097】
図9において、親ノード0は、例えば、ビーコン周期に従って、孫ノード5,4及び6の接続許可情報(RCK)を含むビーコンを送信する(S1047)。この接続許可情報の送信により、無線ネットワーク100内に、孫ノードとの接続関係が通知される。図11は、図9に示すS1047の処理後における無線ノード10(親ノード0、子ノード1~3及び孫ノード4~6)の接続関係の一例を示す。
【0098】
[代理リンク品質収集処理(図3に示すS105の処理)]
図12は、一例として、図9に示すビーコン送信後(S1047の処理後)の子ノード1~3に対するリンク品質収集処理(S1031b~S1036bの処理)を示す。図12に示すリンク品質収集処理は、例えば、図6又は図8に示すリンク品質収集処理(例えば、S1031~S1036又はS1031a~S1036aの処理)と同様である。
【0099】
なお、図12において、例えば、親ノード0が孫ノード4及び5の中継ノードである子ノード2に対して送信するリンク品質要求情報(S1035bにおいて送信されるREQ2)には、子ノード2が代理リンク品質収集を行う時間(例えば、予約時間)を示す情報(例えば、rsv14)が含まれてよい。
【0100】
同様に、例えば、親ノード0が孫ノード6の中継ノードである子ノード3に対して送信するリンク品質要求情報(S1033bにおいて送信されるREQ3)には、子ノード3が代理リンク品質収集を行う時間(例えば、予約時間)を示す情報(例えば、rsv19)が含まれてよい。
【0101】
親ノード0は、図12において子ノード1~3それぞれからのパケットを受信した時点で、子ノードが受信したパケットに基づいて測定した孫ノード4~6に関するリンク品質履歴情報(例えば、rlog)を把握できる。例えば、図12に示す処理の終了時点では、親ノード0は、図13に示す通信経路103bにおけるリンク品質(例えば、RSSI)を含むリンク品質行列を保持している。例えば、図12に示すリンク品質収集処理により、親ノード0は、図13に示すように、孫ノード4~6が送信し、子ノード1,2及び3が受信したリンク品質(例えば、点線で囲まれた部分)を特定できる。
【0102】
図14は、代理リンク品質収集処理の一例を示すシーケンス図である。図14に示す処理は、例えば、図12に示すS1036bの処理後の処理を示す。
【0103】
ここでは、一例として、子ノード2に対する代理リンク品質収集の予約時間に、S1036bの処理が行われる時間より後の時間が割り当てられ、子ノード3に対する代理リンク品質収集の予約時間に、S1054の処理が行われる時間より後の時間が割り当てられている。なお、図14では、子ノード2は孫ノード4,5を接続するため、子ノード3より優先して接続している。
【0104】
子ノード2(換言すると、中継ノード2)は、親ノード0に割当てられた予約時間になった場合、孫ノード5及び4に対して代理リンク品質要求情報(pREQ5及びpREQ4)を含むパケットを送信する。例えば、図14では、子ノード2は、ランダムに設定した送信順番として、孫ノード5、4の順に代理リンク品質要求情報(pREQ)をそれぞれ送信する(S1051及びS1053)。
【0105】
例えば、孫ノード5は、代理リンク品質要求情報(pREQ5)を受信後、孫ノード5が保持しているリンク品質履歴情報を含むリンク品質応答情報(ACK5)を子ノード2へ送信する(S1052)。同様に、例えば、孫ノード4は、代理リンク品質要求情報(pREQ4)を受信後、孫ノード4が保持しているリンク品質履歴情報を含むリンク品質応答情報(ACK4)を子ノード2へ送信する(S1054)。
【0106】
例えば、図14に示すS1054の処理の終了時点では、子ノード2は、図15に示す通信経路103cにおける孫ノード4及び5に関するリンク品質(例えば、RSSI)を含むリンク品質行列を保持している。
【0107】
同様に、子ノード3(換言すると、中継ノード3)は、親ノード0に割当てられた予約時間になった場合、孫ノード6に対して代理リンク品質要求情報(pREQ6)を送信する(S1055)。孫ノード6は、代理リンク品質要求情報を受信後、孫ノード6が保持しているリンク品質履歴情報を含むリンク品質応答情報(ACK6)を子ノード3へ送信する(S1056)。
【0108】
例えば、図14に示すS1056の処理の終了時点では、子ノード3は、図16に示す通信経路103dにおける孫ノード6に関するリンク品質(例えば、RSSI)を含むリンク品質行列を保持している。
【0109】
図14において、親ノード0は、ビーコン周期に従ってビーコンを送信する(S1057)。
【0110】
[代理リンク品質応答処理(図3に示すS106の処理)]
図17は、代理リンク品質応答処理の一例を示すシーケンス図である。図17に示す処理は、例えば、図14に示すS1057の処理後の処理を示す。
【0111】
図17に示すS1031c~S1036cの処理は、例えば、図3に示すリンク品質収集処理(例えば、図6図8及び図12を参照)と同様の処理である。
【0112】
例えば、図17において、子ノード3は、孫ノード6に対する中継ノードである。そのため、図17では、子ノード3は、例えば、親ノード0のリンク品質要求(REQ3。S1033cの処理)に対して、子ノード3が保持している孫ノード6に関するリンク品質履歴情報(例えば、図16を参照)を示す代理リンク品質履歴情報(例えば、plog:ploxy_log)を含む応答情報(ACK3)を親ノード0へ送信する(S1034c)。
【0113】
代理リンク品質履歴情報plogは、例えば、子ノードが受信したリンク品質履歴情報rlogに、送信先(又は宛先)アドレス「da」を追加した情報であり、送信先(又は宛先)アドレス「da」、送信元アドレス「sa」、及びRSSI「rssi」の組[da, sa, rssi]を含むリストで表されてよい。
【0114】
同様に、例えば、図17において、子ノード2は、孫ノード4及び5に対する中継ノードである。そのため、図17では、子ノード2は、例えば、親ノード0のリンク品質要求(REQ。S1035cの処理)に対して、子ノード2が保持している孫ノード4及び5に関するリンク品質履歴情報(例えば、図15を参照)を示す代理リンク品質履歴情報(例えば、plog)を含む応答情報(ACK)を親ノード0へ送信する(S1034c)。
【0115】
親ノード0は、代理リンク品質履歴情報を受信した場合、例えば、代理リンク品質履歴情報を、保持しているリンク品質行列と結合し、保存する。
【0116】
また、子ノード3は、例えば、図17に示すように、代理リンク品質履歴情報(plog)の他に、子ノード3に関するリンク品質履歴情報(rlog)を親ノード0に送信してよい。同様に、子ノード2は、例えば、図17に示すように、代理リンク品質履歴情報(plog)の他に、子ノード2に関するリンク品質履歴情報(rlog)を親ノード0に送信してよい。また、図17に示すように、子ノード1は、何れの無線ノード10の中継ノードにも設定されていないので、例えば、子ノード1に関するリンク品質履歴情報(rlog)を親ノード0に送信してよい(S1032c)。
【0117】
例えば、図17に示すS1036cの処理の終了時点では、親ノード0は、図18に示す通信経路103eにおけるリンク品質(例えば、RSSI)を含むリンク品質行列を保持している。例えば、図17に示す代理リンク品質応答処理により、親ノード0は、図18に示すように、孫ノード4,5及び6間のリンク品質(例えば、点線で囲まれた部分)を特定できる。
【0118】
図19は、代理リンク品質収集処理の一例を示すシーケンス図である。図19に示す処理は、例えば、図17に示すS1036cの処理後の処理を示す。図19に示すS1051a~S1057aの処理は、例えば、図14に示す代理リンク品質収集処理(例えば、S1051~S1057の処理)と同様の処理である。無線ネットワーク100では、このような代理リンク品質収集処理及び代理リンク品質応答処理の繰り返し(例えば、図14図17及び図19を参照)により、親ノード0は、無線ネットワーク内の無線ノード10間のリンク品質を特定(又は、更新)する。
【0119】
以上、図3に示す各処理(例えば、S102~S106の各処理)の一例について説明した。無線ノード10は、上述した動作を繰り返すことにより、無線ネットワーク100内の無線ノード10間のリンク品質履歴情報を更新してよい。また、無線ノード10は、リンク品質履歴情報に基づいて、中継ノードの再割り当て、又は、無線ノード10間の経路選択を行ってよい。
【0120】
[無線ノード10の状態遷移]
図20は、無線ノード10の状態遷移の一例を示す。図20に示す状態遷移は、例えば、無線ノード10の記憶部12(例えば、図2を参照)に記憶され、制御部11において実行されるプログラムによって実現されてよい。
【0121】
図20において、「S」は状態(state)を表し、「T」は遷移(transition)を表す。
【0122】
例えば、図20において、S1~S5に関する状態遷移は親ノードの状態遷移を表し、S6~S14に関する状態遷移は子ノードの状態遷移を表し、S15~S19に関する状態遷移は孫ノードの状態遷移を表す。
【0123】
また、図20の各状態において、無線ノード10が異常又はタイムアウトを検出した場合、リセット状態S1に戻る遷移(図示せず)を有してよい。
【0124】
<親ノードの状態遷移>
リセット状態S1では、無線ノード10は、無線ノード10が親ノードに設定されるか否かを決定する。無線ノード10は、親ノードに設定される場合にはビーコン送信状態S2に遷移し(T1a)、親ノードに設定されない場合には受信待ち受け状態S6に遷移する(T1b)。
【0125】
ビーコン送信状態S2では、無線ノード10は、ビーコンパケットを送信する。ビーコンパケットには、例えば、ビーコンを表す種別(換言すると、パケット種別)、無線ノード10のアドレス、宛先アドレス(例えば、ブロードキャストアドレス)、ビーコン周期、予約割当てスロット情報、接続許可ノードのアドレス情報、及び、ノード間経路情報の少なくとも一つが含まれてよい。
【0126】
無線ノード10は、接続済みの子ノードが存在しない場合にはREG待ち受け状態S3に遷移し(T2a)、接続済みの子ノードが存在する場合にはREQ送信状態S4に遷移する(T2b)。
【0127】
REG待ち受け状態S3では、無線ノード10は、他の無線ノード10からの接続要求情報(REG)の受信を待ち受ける。無線ノード10は、無線ノード10宛ての接続要求情報(REG)を受信し、接続可能である場合、例えば、接続要求パケットの送信元アドレスを接続許可ノードのアドレス情報に追加する。また、無線ノード10は、無線ノード10の子ノードが送信した代理接続許可情報(pRCK)を受信(換言すると、傍受)し、接続可能である場合、例えば、代理接続許可情報の送信先アドレスを接続許可ノードのアドレス情報に追加する。
【0128】
無線ノード10は、無線ノード10が親ノードである場合、ビーコン周期に従って、ビーコン送信タイミングにおいてビーコン送信状態S2に遷移し(T3a)、ビーコン送信タイミング以外ではREG待ち受け状態S3に留まる(T3b)。
【0129】
REQ送信状態S4では、無線ノード10は、無線ノード10に接続した子ノードにリンク品質要求情報(REQ)を送信する。無線ノード10は、リンク品質要求情報(REQ)を子ノードに順に送信してよい。また、無線ノード10は、子ノードが孫ノードの中継ノードである場合、子ノードに対して、代理リンク品質要求情報(pREQ)を送信するタイミングを示す情報(例えば、予約割当スロット情報)を通知してよい。そして、無線ノード10は、ACK待ち受け状態S5に遷移する(T4)。
【0130】
ACK待ち受け状態S5では、無線ノード10は、REQ送信状態S4において送信したリンク品質要求情報(REQ)に対する、子ノードからのリンク品質応答情報(ACK)の受信を待ち受ける。例えば、無線ノード10は、子ノードからのリンク品質応答情報(ACK)を受信すると、他の子ノードが存在する場合にはREQ送信状態S4に遷移し(T5b)、全ての子ノードにリンク品質要求情報(REQ)を送信している場合にはREG待ち受け状態S3に遷移する(T5a)。また、例えば、無線ノード10は、リンク品質応答情報の待ち受けに関する設定時間(換言すると、許容時間)の間、ACK待ち受け状態S5に留まる(T5c)。
【0131】
無線ノード10は、子ノードからのリンク品質応答情報に含まれる、リンク品質履歴情報(換言すると、子ノードに関するリンク品質)、及び、代理リンク品質履歴情報(換言すると、孫ノードに関するリンク品質)を結合し、リンク品質行列を更新する。
【0132】
<子ノードの状態遷移>
受信待ち受け状態S6では、無線ノード10は、他の無線ノード10から送信される信号(換言すると、パケット)の受信を待ち受けする。受信待ち受け状態S6では、無線ノード10は、親ノードと接続状態ではない。例えば、無線ノード10は、ビーコンを受信し、ビーコンの送信元の無線ノード10(換言すると、親ノード)に接続すると判定した場合、REG送信待ち状態S7に遷移する(T6a)。また、無線ノード10は、リンク品質応答情報(ACK)を受信(換言すると、傍受)し、リンク品質応答情報の送信元の無線ノード10(換言すると、子ノード)に接続すると判定した場合、pREG送信待ち状態S15に遷移する(T6b)。また、無線ノード10は、親ノード又は子ノードに対応する無線ノード10に接続すると判定しない場合には、例えば、受信待ち受け状態S6に留まる(T6c)。
【0133】
REG送信待ち状態S7では、無線ノード10は、接続要求情報(REG)を送信可能になるまで待機する。換言すると、無線ノード10は、接続要求情報(REG)を送信可能になるまでREG送信待ち状態S7に留まる(T7b)。例えば、無線ノード10は、キャリアセンスによって他の無線ノード10の送信が完了するまで、又は、ランダムに設定したバックオフ時間が経過するまで送信を待機してよい。この送信待機により、無線ノード10間のパケットの衝突を抑制できる。無線ノード10は、例えば、接続要求情報(REG)を送信可能なタイミングにおいて、REG送信状態S8に遷移する(T7a)。
【0134】
REG送信状態S8では、無線ノード10は、接続要求情報(REG)を、ビーコンを送信した親ノード宛に送信し、RCK待ち受け状態S9に遷移する(T8)。
【0135】
RCK待ち受け状態S9では、無線ノード10は、親ノードからの接続許可情報(RCK)の受信を待ち受ける。例えば、無線ノード10は、接続許可情報(RCK)が含まれるビーコンを親ノードから受信するまで、RCK待ち受け状態S9に留まる(T9b)。無線ノード10は、親ノードから受信したビーコンに含まれる接続許可情報(RCK)に、無線ノード10のアドレスが含まれている場合、親ノードとの接続が完了したと判定し、Parent待ち受け状態S10に遷移する(T9a)。換言すると、無線ノード10は、親ノードに対する子ノードに設定されたと判断する。
【0136】
Parent待ち受け状態S10では、無線ノード10(換言すると、子ノード)は、例えば、親ノードからの信号(例えば、パケット)の受信を待ち受ける。
【0137】
例えば、無線ノード10は、親ノードからのビーコンを受信する場合、親ノードとの接続状態を継続する。無線ノード10は、子ノードに設定されている間はParent待ち受け状態S10に留まる(T10c)。
【0138】
また、無線ノード10は、例えば、ビーコン周期及び無線ノード10間の経路情報といった無線ネットワーク100に関する制御情報を更新してよい。また、無線ノード10は、親ノードからのリンク品質要求情報(REQ)を受信する場合、ACK送信状態S11に遷移する(T10a)。
【0139】
また、無線ノード10は、他の無線ノード10からの代理接続要求情報(pREG)を受信し、他の無線ノード10と接続可能である場合、pRCK待ち受け状態S14に遷移する(T10b)。また、無線ノード10は、他の子ノードからの信号(例えば、リンク品質応答情報(ACK))を受信(換言すると、傍受)する場合、当該信号に基づいてリンク品質(例えば、RSSI)を測定し、保持しているリンク品質履歴を更新してよい。
【0140】
ACK送信状態S11では、無線ノード10は、親ノードに対してリンク品質応答情報(ACK)を送信する。また、無線ノード10は、例えば、無線ノード10に接続された孫ノードに関する代理リンク品質履歴情報を保持している場合、親ノードに対して代理リンク品質履歴情報を送信してもよい。また、無線ノード10は、親ノードから送信されたリンク品質要求情報(REQ)に、無線ノード10に割り当てられた予約スロットがある場合、予約スロットのタイミングになるとpREQ送信状態S12に遷移し(T11a)、予約スロットのタイミングではない場合にはParent待ち受け状態S10に遷移する(T11b)。
【0141】
pREQ送信状態S12では、無線ノード10は、無線ノード10に接続した孫ノードに対して、代理リンク品質要求情報(pREQ)を送信し、ACK待ち受け状態S13に遷移する(T12)。
【0142】
ACK待ち受け状態S13では、無線ノード10は、pREQ送信状態S12において送信した代理リンク品質要求情報(pREQ)に対する、孫ノードからのリンク品質応答情報(ACK)の受信を待ち受ける。例えば、無線ノード10は、リンク品質応答情報の待ち受けに関する設定時間(換言すると、許容時間)の間、ACK待ち受け状態S13に留まる(T13c)。また、ACK待ち受け状態S13では、無線ノード10は、孫ノードからのリンク品質応答情報(ACK)を受信し、他の孫ノードが存在する場合、pREQ送信状態S12に遷移し(T13b)、孫ノードからのリンク品質応答情報(ACK)を受信し、全ての孫ノードに代理リンク品質要求情報(pREQ)を送信している場合、Parent待ち受け状態S10に遷移する(T13a)。
【0143】
例えば、無線ノード10は、孫ノードからのリンク品質応答情報に含まれる、代理リンク品質履歴情報(換言すると、子ノードに関するリンク品質)を結合し、代理リンク品質行列を更新する。
【0144】
pRCK送信状態S14では、無線ノード10は、代理接続要求を送信した無線ノード10宛に、代理接続許可情報(pRCK)を送信し、Parent待ち受け状態S10に遷移する(T14)。
【0145】
<孫ノードの状態遷移>
pREG送信待ち状態S15では、無線ノード10は、代理接続要求情報(pREG)を送信可能になるまで待機する。換言すると、無線ノード10は、代理接続要求情報(pREG)を送信可能になるまでpREG送信待ち状態S15に留まる(T15b)。例えば、無線ノード10は、キャリアセンスによって他の無線ノード10の送信が完了するまで、又は、ランダムに設定したバックオフ時間が経過するまで送信を待機してよい。この送信待機により、無線ノード10間のパケットの衝突を抑制できる。無線ノード10は、例えば、代理接続要求情報(pREG)を送信可能なタイミングにおいて、pREG送信状態S16に遷移する(T15a)。
【0146】
pREG送信状態S16では、無線ノード10は、代理接続要求情報(pREG)を子ノード宛に送信し、pRCK待ち受け状態S17に遷移する(T16)。
【0147】
pRCK待ち受け状態S17では、無線ノード10は、子ノードからの代理接続許可情報(pRCK)の受信を待ち受ける。例えば、無線ノード10は、代理接続許可情報(pRCK)が含まれるパケットを子ノードから受信するまで、pRCK待ち受け状態S17に留まる(T17b)。無線ノード10は、子ノードから受信したパケットに含まれる代理接続許可情報(pRCK)に、無線ノード10のアドレスが含まれている場合、子ノードとの接続が完了したと判定し、Proxy待ち受け状態S18に遷移する(T17a)。換言すると、無線ノード10は、親ノードに対する孫ノードに設定されたと判断する。
【0148】
Proxy待ち受け状態S18では、無線ノード10(換言すると、孫ノード)は、例えば、子ノードからの信号の受信を待ち受ける。
【0149】
例えば、無線ノード10は、子ノードからの信号を受信した場合、子ノードとの接続状態を継続する。無線ノード10は、孫ノードに設定されている間はProxy待ち受け状態S18に留まる(T18b)。
【0150】
また、無線ノード10は、例えば、ビーコン周期及び無線ノード10間の経路情報といった無線ネットワーク100に関する制御情報を更新してよい。また、無線ノード10は、子ノードからの代理リンク品質要求情報(pREQ)を受信した場合、ACK送信状態S19に遷移する(T18a)。
【0151】
なお、無線ノード10は、他の無線ノード10からの代理接続要求情報(pREG)を受信した場合、他の無線ノード10と接続可能である場合には、中継ノードとして、他の無線ノード10に対する代理接続に関する動作を行ってもよい。
【0152】
ACK送信状態S19では、無線ノード10は、子ノードに対してリンク品質応答情報(ACK)を送信し、Proxy待ち受け状態S18に遷移する(T19)。
【0153】
以上、無線ノード10の状態遷移の一例について説明した。
【0154】
本実施の形態では、例えば、無線ノード10は、親ノードからの要求(例えば、リンク品質要求情報を含む)に応じて子ノードから親ノード宛に送信された信号(例えば、リンク品質応答情報を含む)の受信に応じて子ノード宛に代理接続要求を送信し、子ノードから接続許可を受信することにより、子ノードを介して親ノードと通信可能となる。また、親ノードである無線ノード10は、子ノードから孫ノード宛に送信された代理接続要求に対する接続許可を受信することにより孫ノードを検出する。
【0155】
このような代理接続処理により、孫ノードは、例えば、複数の子ノードそれぞれから親ノードへ送信される信号の受信に応じて中継ノードに設定される子ノードを動的に決定できる。よって、本実施の形態によれば、複数の無線ノード10間のマルチホップ伝送に関わる無線ノード10(換言すると、通信経路)を効率的に決定できる。
【0156】
また、本実施の形態では、例えば、孫ノードは、他の無線ノード宛(例えば、親ノード宛)の信号の傍受によって代理接続要求処理を開始し、子ノードと接続する。また、親ノードは、他の無線ノード宛(例えば、孫ノード宛)の信号の傍受により、孫ノード(換言すると、子ノードと孫ノードとの接続)を検出する。よって、本実施の形態によれば、代理接続要求処理に関する制御信号の増加を抑制できる。
【0157】
また、本実施の形態では、孫ノードは、例えば、子ノードから親ノード宛に送信された信号の受信レベル(例えば、RSSI)に基づいて子ノードと孫ノードとの間のリンク品質を測定し、リンク品質の測定値に基づいて代理接続要求を送信する無線ノード(例えば、中継ノード)を決定する。例えば、孫ノードは、複数の子ノードのそれぞれが親ノード宛に送信した信号を孫ノードが受信したレベルに基づいて、代理接続要求を送信する1つの子ノードを複数の子ノードから決定してよい。換言すると、直接通信しない無線ノード10間の通信経路(換言すると、中継ノード)は、無線ノード10間のリンク品質に基づいて決定される。
【0158】
この通信経路の決定により、無線ネットワーク100では、複数の無線ノード10は、実際の無線環境におけるリンク品質又は伝搬環境の変化に応じて、通信経路(例えば、中継ノード)を効率的に決定できる。通信経路を効率的に決定できることで、無線ネットワーク100における伝送効率を向上できる。
【0159】
以上、本開示の一実施例について説明した。
【0160】
なお、本開示の一実施例では、親ノード、子ノード及び孫ノードといった3台の無線ノード10におけるメッセージの中継(又は転送)について説明したが、これに限定されない。例えば、4台以上の無線ノード10間におけるメッセージの中継(又は転送)について、本開示の一実施例を適用してもよい。この場合、例えば、上述した子ノードの動作のように、孫ノードが、更に、他の無線ノードのリンク品質を代理で収集する中継ノードに設定されてもよい。
【0161】
また、本開示の一実施例では、例えば、図1Aに示すように、或る無線ノード10(一例として図1Aの無線ノード0)と、無線ノード0の通信エリア101外に位置する他の無線ノード4~6とが直接通信しないケースについて説明した。しかし、直接通信しない環境は、このケースに限定されない。例えば、図1Aにおいて、無線ノード0の通信エリア101内に位置する無線ノード1~3のうち何れかが無線ノード0と直接通信しないケースもあり得る。例えば、無線ノード0と無線ノード1~3のうち何れかの無線ノードとの間に遮蔽物が存在して、相互に通信しないケースがあり得る。
【0162】
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0163】
上記各実施形態では、本開示はハードウェアを用いて構成する例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。
【0164】
また、上記各実施形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。集積回路は、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックを制御し、入力と出力を備えてもよい。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0165】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサを用いて実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、LSI内部の回路セルの接続又は設定を再構成可能なリコンフィギュラブル プロセッサ(Reconfigurable Processor)を利用してもよい。
【0166】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術により,LSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックを集積化してもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0167】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0168】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0169】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサ等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサが含まれる。
【0170】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【0171】
以上の説明において、各構成要素に用いる「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
【0172】
(実施の形態のまとめ)
本開示の一実施例に係る無線通信システムは第1の無線ノードと、前記第1の無線ノードに接続された、信号を前記第1の無線ノード宛に送信する1つ以上の第2の無線ノードと、前記第1の無線ノード宛の前記信号を受信した場合、前記1つ以上の第2の無線ノード宛に接続要求を送信する第3の無線ノードと、を備え、前記1つ以上の第2の無線ノードは、前記接続要求を受信した場合、前記第1の無線ノードと前記第3の無線ノードとの中継ノードとして機能することを示す接続許可を前記第3の無線ノードに送信する。
【0173】
本開示の一実施例において、前記1つ以上の第2の無線ノードから前記第1の無線ノード宛に送信される前記信号は、前記1つ以上の第2の無線ノードが測定した受信品質に関する情報を含む。
【0174】
本開示の一実施例において、前記1つ以上の第2の無線ノードは、前記第3の無線ノードが測定した受信品質に関する情報の要求を、前記第3の無線ノード宛に送信し、前記第3の無線ノードは、前記情報の要求に応じて、前記第3の無線ノードが測定した受信品質に関する情報を前記第2の無線ノード宛に送信し、前記1つ以上の第2の無線ノードは、前記第3の無線ノードが測定した受信品質に関する情報を含む信号を、前記第1の無線ノード宛に送信する。
【0175】
本開示の一実施例において、前記1つ以上の第2の無線ノードが複数個あり、前記第3の無線ノードは、前記複数の第2の無線ノードのそれぞれが前記第1の無線ノード宛に送信した前記信号を前記第3の無線ノードが受信したレベルに基づいて、前記接続要求を送信する1つの第2無線ノードを前記複数の第2の無線ノードから決定する。
【0176】
本開示の一実施例において、前記第3の無線ノードは、前記第1の無線ノードの通信可能範囲外に位置し、前記第2の無線ノードの通信可能範囲内に位置する。
【0177】
本開示の一実施例に係る無線通信装置は、第1の無線ノード宛に第2の無線ノードが送信した信号を受信する受信回路と、前記受信回路が前記第1の無線ノード宛の前記信号を受信した場合、前記第2の無線ノード宛に接続要求を送信する送信回路と、を備え、前記受信回路は、前記接続要求に対して前記第2の無線ノードが前記第1の無線ノードとの中継ノードとして機能することを示す接続許可を前記第2の無線ノードから受信する。
【0178】
本開示の一実施例に係る無線通信制御方法は、第1の無線ノードと、第2の無線ノードと、第3の無線ノードと、を備える無線通信システムにおける無線通信制御方法であって、前記第2の無線ノードは、接続された前記第1の無線ノードからの要求に応じて、信号を前記第1の無線ノード宛に送信し、前記第3の無線ノードは、前記第1の無線ノード宛の前記信号を受信した場合、前記第2の無線ノード宛に接続要求を送信し、前記第2の無線ノードは、前記接続要求を受信した場合、前記第1の無線ノードと前記第3の無線ノードとの中継ノードとして機能することを示す接続許可を前記第3の無線ノードに送信する。
【産業上の利用可能性】
【0179】
本開示は、無線通信システムに適用できる。
【符号の説明】
【0180】
10 無線ノード
11 制御部
12 記憶部
13 有線通信部
14 無線通信部
15 リンク品質測定部
16 センサ
17 アクチュエータ
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20