(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】天井パネル及びこれを用いた天井構造
(51)【国際特許分類】
E04B 9/24 20060101AFI20230421BHJP
E04B 9/26 20060101ALI20230421BHJP
E04B 9/04 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
E04B9/24 H
E04B9/26 A
E04B9/04 B
(21)【出願番号】P 2019119724
(22)【出願日】2019-06-27
【審査請求日】2022-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】大野 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】岩本 博之
(72)【発明者】
【氏名】大野 達司
(72)【発明者】
【氏名】岡田 芳弘
(72)【発明者】
【氏名】田中 恒也
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-090636(JP,A)
【文献】特開2019-027092(JP,A)
【文献】特開2005-256397(JP,A)
【文献】実開昭56-014134(JP,U)
【文献】実開昭62-047618(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 9/24
E04B 9/26
E04B 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びる長尺状で第1方向に直交する第2方向に間隔を空けて平行状に配設される野縁に固定される天井パネルであって、
方形平板状のパネル本体と、該パネル本体の第1方向第1端部に、第2方向に延びるように設けられ、第2方向両端側部位が前記野縁に固着具によって固定される補強部と、前記パネル本体の第1方向第2端部に設けられ、第1方向に隣接される天井パネルの前記補強部に引っ掛けられる引掛部と、を備えていることを特徴とする天井パネル。
【請求項2】
請求項1において、
前記補強部には、前記パネル本体の第1方向第1端部の裏面側から第1方向外側に向けて突出し、前記野縁に固定され、下方側に第1方向に隣接される天井パネルが配される固定片部が設けられていることを特徴とする天井パネル。
【請求項3】
請求項2において、
前記固定片部は、当該固定片部の下方側に配される天井パネルの裏面との間に当該固定片部を前記野縁に固定する固着具の頭部の軸方向に沿う寸法以上の隙間が形成されるように設けられていることを特徴とする天井パネル。
【請求項4】
第1方向に延びる長尺状で第1方向に直交する第2方向に間隔を空けて平行状に配設された鋼製の野縁が第2方向に延びる長尺状で第1方向に間隔を空けて平行状に配設された鋼製の野縁受によって支持され、第2方向に間隔を空けて配設された前記野縁に、請求項1乃至3のいずれか1項に記載された複数枚の天井パネルが第1方向に隣接されて固定され、かつ、前記天井パネル、前記野縁及び前記野縁受を含む天井構造体の1m
2当たりの質量が2kg以下であることを特徴とする天井構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の天井を構成する天井パネル及びこれを用いた天井構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、天井パネルとしては、両側端部が野縁等の天井下地の長手方向に沿って間隔を空けて止着されたビス等によって固定されて施工されるものが知られている。このようなものでは、天井パネルを下方側から保持しながら多数のビス止めを行う必要があった。
例えば、下記特許文献1には、第1方向に長く平行に配置された複数の第1支持枠に交差するように配置され、この第1支持枠に長手方向に沿って移動可能に支持された第2支持枠に天井ボードを取り付ける取付構造が開示されている。この取付構造は、天井ボードを天井面に沿わせて水平状に横送り操作して第1係合部を送り先側の第2支持枠に係合させ、送り後方側の第2支持枠を同横送り操作して天井ボードの第2係合部に係合させて天井ボードを取り付ける構造とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された取付構造では、天井ボードを下方側から保持した状態で水平に移動させ、この天井ボードを保持しながら更に送り後方側の第2支持枠をスライド移動させる必要があり、更なる改善が望まれる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、施工性を向上し得る天井パネル及びこれを用いた天井構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る天井パネルは、第1方向に延びる長尺状で第1方向に直交する第2方向に間隔を空けて平行状に配設される野縁に固定される天井パネルであって、方形平板状のパネル本体と、該パネル本体の第1方向第1端部に、第2方向に延びるように設けられ、第2方向両端側部位が前記野縁に固着具によって固定される補強部と、前記パネル本体の第1方向第2端部に設けられ、第1方向に隣接される天井パネルの前記補強部に引っ掛けられる引掛部と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る天井構造は、第1方向に延びる長尺状で第1方向に直交する第2方向に間隔を空けて平行状に配設された鋼製の野縁が第2方向に延びる長尺状で第1方向に間隔を空けて平行状に配設された鋼製の野縁受によって支持され、第2方向に間隔を空けて配設された前記野縁に、複数枚の本発明に係る天井パネルが第1方向に隣接されて固定され、かつ、前記天井パネル、前記野縁及び前記野縁受を含む天井構造体の1m2当たりの質量が2kg以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る天井パネル及びこれを用いた天井構造は、上述のような構成としたことで、施工性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】(a)、(b)は、本発明の一実施形態に係る天井パネルの一例を模式的に示し、(a)は、概略平面図、(b)は、概略側面図である。
【
図2】(a)は、同天井パネルを施工した状態を模式的に示す一部破断概略平面図、(b)は、(a)におけるX-X線矢視に対応させた一部破断概略縦断面図である。
【
図3】(a)は、
図2(a)におけるZ1部に対応させた一部破断概略斜視図、(b)は、
図1(a)におけるZ2部に対応させた一部破断概略斜視図、(c)は、
図1(a)におけるZ3部に対応させた一部破断概略斜視図である。
【
図4】(a)は、
図1(a)におけるZ4部に対応させた一部破断概略分解平面図、(b)は、
図1(a)におけるY-Y線矢視に対応させた一部破断概略縦断面図、(c)は、同天井パネルが備える連結部材の一変形例を模式的に示し、(b)に対応させた一部破断概略縦断面図である。
【
図5】(a)は、同天井パネルの施工手順の一例を模式的に示す概略斜視図、(b)は、同施工手順の一例を模式的に示し、
図2(b)に対応させた一部破断概略縦断面図である。
【
図6】(a)は、同天井パネルの施工手順の一例を模式的に示す概略斜視図、(b)は、同施工手順の一例を模式的に示し、
図2(b)に対応させた一部破断概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、以下の実施形態では、本実施形態に係る天井パネルを施工した状態または施工する状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
図1~
図6は、本実施形態に係る天井パネルの一例及び同天井パネルの施工手順の一例並びに同天井パネルを用いた本実施形態に係る天井構造の一例を模式的に示す図である。
【0011】
本実施形態に係る天井パネル1は、
図1(a)、(b)に示すように、方形平板状のパネル本体10を備えている。この天井パネル1は、
図2(a)、(b)に示すように、第1方向に延びる長尺状で第1方向に直交する第2方向に間隔を空けて平行状に配設される野縁2,2に固定される。
この天井パネル1が固定される野縁2は、木造の野縁でもよいが、本実施形態では、強磁性体からなる鋼製とされている。このような野縁2としては、軽鉄材からなり、いわゆる軽天下地(鋼製天井下地)を構成するものでもよい。また、この野縁2は、上向きに開口する溝形鋼状(チャンネル状)とされたものでもよく、また、両側壁上端に折り返されるように形成されたリップ部を設けた構成とされたものでもよい。
また、野縁2は、複数本が上下方向及び第1方向に直交する第2方向に略等間隔を空けて(略等ピッチで)平行状に配設されて天井下地構造を構成する。
【0012】
また、鋼製天井下地としては、第2方向に延びる長尺状で第1方向に略等間隔を空けて(略等ピッチで)平行状に配設される鋼製の野縁受2Aによって野縁2を支持する構成とされたものでもよい。この野縁受2Aは、横向きに開口する溝形鋼状(チャンネル状)とされたものでもよく、適宜、公知のクリップを介して野縁2を支持する構成とされたものでもよい。また、鋼製天井下地としては、長手方向に隣接される野縁2,2同士を接合する野縁ジョイントや、長手方向に隣接される野縁受2A,2A同士を接合する野縁受ジョイントを備えたものでもよい。また、鋼製天井下地としては、野縁受2Aを吊り下げ支持するハンガーや、このハンガーの挿通孔に挿通されてナットで固定される吊ボルト等を備えたものでもよい。
【0013】
天井パネル1は、住居やオフィス等の比較的に小型の建物の天井として施工されるものでもよく、体育館やホール、ショッピングモール、工場、学校等の比較的に大型の各種の建物の天井として施工されるものでもよい。
また、この天井パネル1は、単位面積(1m2)当たりの質量が2.0kg以下とされたものでもよく、好ましくは、1.0kg以下とされたものでもよく、より好ましくは、0.78kg以下とされたものでもよい。
【0014】
パネル本体10は、平面視して(厚さ方向に見て)、略方形状とされている。本実施形態では、パネル本体10を、平面視して略正方形状としているが、略長方形状としてもよい。また、パネル本体10の平面視した状態における大きさは、取扱性や施工性等の観点から適宜の大きさとしてもよく、例えば、1辺の長さが0.3m以上とされたものでもよく、2.0m以下とされたものでもよい。また、略正方形状とされたパネル本体10においては、1辺の長さが0.4m以上、1.5m以下とされたものでもよく、0.9m~1.2m程度とされたものでもよい。また、略長方形状とされたパネル本体10においては、短辺の長さが0.3m以上で、長辺の長さが2.0m以下とされたものでもよい。
また、パネル本体10の厚さは、層構成等にもよるが、例えば、3.0mm~15.0mm程度としてもよい。
【0015】
また、パネル本体10は、石膏ボードやけい酸カルシウム板等でもよいが、本実施形態では、
図2(b)に示すように、発泡樹脂系または繊維系の基材11を含んだ構成とされている。発泡樹脂系の基材11としては、ポリウレタン樹脂やポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂組成物から形成されたものが例示される。繊維系の基材11としては、グラスウールやロックウール等の鉱物繊維から形成されたものが例示される。図例では、基材11を発泡樹脂層としている。この基材11は、パネル本体10の大部分を占め、例えば、厚さがパネル本体10の厚さの80%~99%程度であってもよい。
また、パネル本体10は、基材11の室内側となる厚さ方向一方側に、表面層12を設けた構成とされている。この表面層12としては、難燃層を含むものでもよい。
【0016】
上記のような難燃層としては、当該天井パネル1が建築基準法において定められた不燃材料等に必要な性能に関する技術的基準を満たすように適宜の構成とされたものでもよい。例えば、当該天井パネル1が技術的基準における「難燃材料」の基準を満たすように構成されたものでもよく、好ましくは、「準不燃材料」の基準を満たすように構成されたものでもよく、より好ましくは、「不燃材料」の基準を満たすように構成されたものでもよい。また、例えば、難燃層としては、薄シート状とされた箔状のアルミシートでもよい。
また、表面層12に、ガラス繊維等の強化繊維を含む補強層を設けた構成としてもよい。この補強層としては、ガラスクロス等の強化繊維シートでもよく、また、強化繊維シートに樹脂が含浸されたガラス繊維強化樹脂層等の繊維強化樹脂層であってもよい。また、表面層12の下方側(室内側)に向く表面(室内側面)は、化粧シートの貼着や、印刷、塗装等の適宜の表面化粧処理が施された化粧面であってもよく、または、適宜の化粧シートが貼着される下地面であってもよい。
【0017】
また、パネル本体10は、基材11の裏面側(天井下地側)に補強層13を積層した構成とされている。このような構成とすれば、上記のような基材11によって軽量化を図りながらも裏面側の補強層13によって垂れを抑制することができる。この補強層13としては、上記同様、ガラスクロス等の強化繊維シートでもよく、また、強化繊維シートに樹脂が含浸されたガラス繊維強化樹脂層等の繊維強化樹脂層であってもよい。
また、パネル本体10は、基材11の四周の側端面に端面層を設けた構成とされている。この端面層は、表面層12と同様の構成とされたものでもよい。また、この端面層は、表面層12から一連状に設けられたものでもよく、エッジシート状に別途に設けられたものでもよい。
【0018】
また、天井パネル1は、
図2(a)、(b)に示すように、このパネル本体10の第1方向第1端部6に、第2方向に延びるように設けられ、第2方向両端側部位が野縁2,2に固着具3,3によって固定される補強部を構成する補強部材20を備えている。このような構成とすれば、天井パネル1の第1方向第1端部6の第2方向両端側部位を、補強部材20を介して固着具3,3によって両側の野縁2,2に固定することができ、固定強度を向上させることができる。また、この補強部材20が第2方向に延びるように設けられているので、天井パネル1の第1方向第1端部6側部位を補強することができ、野縁2,2間に架け渡される天井パネル1の第1方向第1端部6側部位の垂れを抑制することができる。
また、天井パネル1は、パネル本体10の第1方向第2端部7に設けられ、第1方向に隣接される天井パネル1の補強部材20に引っ掛けられる連結部を構成する引掛部16を備えている。このような構成とすれば、第1方向第1端部6が補強部材20を介して固着具3,3によって両側の野縁2,2に固定された天井パネル1の補強部材20に引掛部16を引っ掛けることで、この天井パネル1の第1方向第2端部7側を安定的に保持させることができる。また、このように第1方向第2端部7側を引っ掛けて保持させた状態で、第1方向第1端部6側を、補強部材20を介して固着具3,3によって両側の野縁2,2に固定することができ、施工性を向上させることができる。
【0019】
また、本実施形態では、天井パネル1は、第2方向両側端部としての被保持端部8,8が野縁2,2に保持される構成とされている。本実施形態では、このパネル本体10の第2方向両側の被保持端部8,8の裏面10a側に、
図1(a)に示すように、野縁2,2の被吸着部に吸着される磁石9,9を設けた構成としている。このような構成とすれば、第2端部7の引掛部16を、第1方向に隣接される天井パネル1の補強部材20に引っ掛け、第2方向両側の被保持端部8,8の磁石9,9を、各野縁2,2の被吸着部に吸着させて天井パネル1を取り付ける、または仮固定することができる。これにより、天井パネル1を容易に施工することができ、施工人数の少数化を図ることができ、一人での施工も容易に可能となる。
【0020】
磁石9は、
図1(a)に示すように、被保持端部8に沿って第1方向に延びるように設けられている。この磁石9は、第2方向両側の野縁2,2に対する吸着によって当該天井パネル1の保持(仮保持)が可能なように設けられていてもよい。
また、本実施形態では、被保持端部8に、第1方向に間隔を空けて複数(図例では、5つ)の磁石9を設けた構成としている。図例では、複数の磁石9を、第1方向に互いに略等間隔を空けて設けた例を示している。また、第1端部6近傍部位及び第2端部7近傍部位のそれぞれにも磁石9,9を設けた例を示している。なお、このような構成に代えて、被保持端部8の第1方向の概ね全体に亘って磁石9を設けた構成としてもよく、または、第1方向略中央部側部位のみに磁石9を設けたような構成等としてもよい。この磁石9の第1方向に沿う長さ寸法及び第2方向に沿う幅寸法は、天井パネル1の保持性(仮保持性)の観点や、天井パネル1の第1方向途中部位の垂れを抑制する観点、軽量化を図る観点等から適宜の寸法としてもよい。
【0021】
また、磁石9は、パネル本体10の厚さ方向に厚さ方向を沿わせた板状とされている(
図1(b)も参照)。この磁石9の厚さ寸法は、1mm~5mm程度であってもよい。また、本実施形態では、この磁石9を、パネル本体10の裏面10aに積層状に設けた構成としている。この磁石9は、適宜の粘着材や接着剤等によってパネル本体10に固定されたものでもよい。また、この磁石9の磁力によって吸着する野縁2の被吸着部は、上記のように野縁2を強磁性体からなるものとした場合には、野縁2の下面(室内側面)全体となる。なお、このような態様に代えて、非磁性体からなる野縁2の下面側に付設状または埋込状に適宜のシート状磁石やシート状強磁性体等を被吸着部として設けた構成等としてもよい。また、天井パネル1の第2方向両側の被保持端部8,8を野縁2,2に保持させる被保持部としては、このような磁石9に代えて、または加えて、面ファスナーや粘着材等であってもよく、更には、このような被保持部を設けていない構成としてもよい。
【0022】
引掛部16は、
図1(a)、(b)に示すように、パネル本体10の第2端部7から第1方向外側に向けて延出する延出部17の延出方向先端部から室内側に向けて屈曲し更に第1方向内側に折り返されるように形成された折返片17aを備えている。補強部材20は、パネル本体10の第1方向の第1端部6の裏面10a側に設けられ、被連結部を構成する被引掛部25を備えている。この被引掛部25は、
図5及び
図6に示すように、第1方向に隣接される天井パネル1の第2端部7を第1端部6よりも上方側に位置させた状態で、この天井パネル1の折返片17aの引っ掛け保持が可能な構成とされている。このような構成とすれば、既施工の天井パネル1の被引掛部25に対して、第2端部7側を上方側にして下方側から未施工の天井パネル1の折返片17aを引っ掛け、この天井パネル1を保持させることができる。これにより、高所で水平状に保持した状態で水平移動させる必要があるようなものと比べて、施工性を向上させることができる。また、このように第2端部7側が保持された状態から第2端部7側を支点として回転させるようにして第1端部6側を上昇させて野縁2に固定することができる。特に、本実施形態では、上述のように被保持端部8,8に磁石9,9を設けた構成としているので、第2端部7側を保持させた状態から第1端部6側を上昇させれば、被保持端部8,8の磁石9,9によって天井パネル1を野縁2,2に対して容易に保持(仮保持)させることができる。
【0023】
引掛部16の基端側には、第1方向に隣接される天井パネル1の被引掛部25に設けられた被当接面26aに当接されて隣接される天井パネル1,1同士の第1方向近接側への移動を規制する当接面16aが折返片17aに対向するように設けられている。このような構成とすれば、未施工の天井パネル1を、上記のように既施工の天井パネル1に保持させた状態で既施工の天井パネル1に対して移動させて当接面16aを被当接面26aに当接させることで天井パネル1,1同士の位置合わせを容易に行うことができる。これにより、
図2(b)に示すように、第1方向に隣接される天井パネル1,1の第1方向に対向される端面間に目透かし状の隙間を設ける場合には、各天井パネル1,1間の隙間を容易に均等にすることができる。この第1方向に隣接される天井パネル1,1同士の隙間は、1mm~15mm程度であってもよい。
【0024】
また、引掛部16は、第2端部7の裏面10aに沿うように配される基端側片部18を有した連結部材15に設けられている。このような構成とすれば、連結部材15を表面側から目立ち難くすることができる。この連結部材15は、
図4(a)、(b)に示すように、第2端部7の裏面10aにおいて開口し、かつ第1方向に延びるように設けられた切込部14からパネル本体10の層内に差し込まれた差込片部19に基端側片部18を貫通させるように止着された固着具4によって第2端部7に固定されている。このような構成とすれば、差込片部19と基端側片部18との間にパネル本体10の裏面側層(被挟持層)13aを挟み込んだ状態で、差込片部19に止着した固着具4によって連結部材15を第2端部7に言わば機械的に固定することができる。これにより、連結部材15を裏面側に設けた構成でありながらも、基端側片部18を接着剤やパネル本体10のみに対して止着した固着具4等によって第2端部7に固定したようなものと比べて、第2端部7に対する連結部材15の固定強度を向上させることができる。また、第2方向に延びる切込部に差込片部19を差し込んだようなものと比べて、天井パネル1の自重や隣接される天井パネル1等による荷重等によって引掛部16にパネル厚さ方向に沿う負荷が掛けられた際における切込部14周囲の裏面側層に掛かる負荷を軽減することができる。
【0025】
本実施形態では、切込部14を、パネル本体10の裏面10a側の補強層13を貫通させて設けた構成としている。このような構成とすれば、差込片部19が補強層13よりも内層側に潜り込むように配置されることとなる。つまり、差込片部19と基端側片部18との間に少なくとも補強層13を含む被挟持層13aが挟み込まれることとなり、第2端部7に対する連結部材15の固定強度をより効果的に向上させることができる。つまりは、このような補強層13を設けずに、発泡樹脂層や鉱物繊維層のみが被挟持層となるようなものと比べて、連結部材15の固定強度を向上させることができる。
また、本実施形態では、第2方向に間隔を空けて平行状に2箇所に切込部14,14を設けた構成としている。また、差込片部19は、これら切込部14,14のうちの一方から差し込まれその差込方向先端部19bが他方の切込部14を介してパネル本体10の裏面10a側において露出された構成とされている。このような構成とすれば、1本の切込部14に差し込まれたものと比べて、上記のような負荷が引掛部16に掛けられた際における荷重を2本の切込部14,14周囲の裏面側層に分散させて負担させることができる。これにより、第2端部7に対する連結部材15の固定強度をより効果的に向上させることができる。
【0026】
また、本実施形態では、基端側片部18に、差込片部19よりも第1方向内側(第1端部6側)に向けて延出する延出部18bを設けた構成としている。このような構成とすれば、上記のような負荷が掛けられて引掛部16をパネル本体10に対して野縁2側に回転させようとする荷重を、パネル本体10の裏面10aに沿わせられる延出部18bによって受けることができる。これにより、第2端部7に対する連結部材15の固定強度をより効果的に向上させることができる。
また、本実施形態では、差込片部19を、基端側片部18とは別体的に設けた構成としている。このような構成とすれば、差込片部19を基端側片部18に一体的に設けたものと比べて、差込片部19を差し込む際に、被挟持層13aが引っ掛かったり、捩れたりするようなことを抑制することができる。
【0027】
基端側片部18は、パネル本体10の厚さ方向に厚さ方向を沿わせた板状とされている。図例では、この基端側片部18を、厚さ方向に見て概ね方形状とした例を示している。また、この基端側片部18(本実施形態では、延出部18b)の第1方向内側の端部の両隅部を、厚さ方向に見て、突湾曲状とした例を示している。
この基端側片部18には、固着具4の軸部が挿通される挿通孔18aが設けられている。
また、この基端側片部18の第1方向に沿う寸法は、第1方向内側に延出部18bが形成されるように、差込片部19の第1方向に沿う寸法よりも大とされている。延出部18bは、基端側片部18の第1方向内側部位から一連状に設けられている。この基端側片部18の厚さ寸法は、強度上の観点や軽量化を図る観点等から適宜の寸法としてもよく、例えば、0.3mm~3mm程度としてもよい。
【0028】
引掛部16は、基端側片部18の第1方向外側端部に一連状に設けられている。引掛部16の基端部には、
図1(b)及び
図2(b)に示すように、基端側片部18の第1方向外側端部から上方側(野縁2側)に向けて立ち上がるように設けられた立上片部が設けられ、この立上片部の第1方向外側に向く面が当接面16aを構成する。図例では、基端側片部18の第1方向外側端部から斜め上方側に延びる傾斜片部を介して立上片部を設けた構成としている。
延出部17は、立上片部の上端部から第1方向外側に向けて延びるように設けられている。この延出部17のパネル本体10の第2端部7の端面からの第1方向に沿う突出寸法は、既施工の天井パネル1の被引掛部25に対して下方側から引っ掛け易いように、また、軽量化を図る観点等から適宜の寸法としてもよい。
【0029】
また、この延出部17は、その先端部に折返片17aを設けたフック状とされている。この折返片17aは、その先端が第1方向内側に向くように設けられている。図例では、この折返片17aの先端を、当接面16aを構成する立上片部と同高さに位置するように設けた例を示している。また、図例では、この折返片17aを、第2方向に見て、略半円弧状(略C字状)とした例を示しているが、単一の屈折部を有した略V字状とされたものや、複数の屈折部を有したような形状等としてもよい。また、この折返片17aの折返部位の第1方向に沿う寸法は、既施工の天井パネル1の被引掛部25に対して下方側から引っ掛け易いように、また、軽量化を図る観点等から適宜の寸法としてもよい。
これら引掛部16の傾斜片部、立上片部、延出部17及び折返片17aは、基端側片部18の厚さと同厚さとされ、適宜、プレスや折曲加工等によって一連状に形成されたものでもよい。また、引掛部16の第2方向に沿う幅寸法は、基端側片部18の第2方向に沿う幅寸法と同寸法とされている。
【0030】
差込片部19は、
図4(a)、(b)に示すように、パネル本体10の厚さ方向に厚さ方向を沿わせた概ね板状とされている。図例では、この差込片部19を、厚さ方向に見て概ね方形状とした例を示している。また、この差込片部19の差込方向先端部19bを、厚さ方向に見て、先端側に向かうに従い先細状としている。このような構成とすれば、差込片部19をパネル本体10の層内に切込部14を介して容易に差し込むことができる。また、差込方向先端部19bの両隅部を、厚さ方向に見て、突湾曲状とした例を示している。
また、この差込片部19には、固着具4の軸部が止着される止着孔19aが設けられている。この止着孔19aは、固着具4の軸部がねじ合わされる雌ねじ孔でもよく、固着具4の軸部がねじ込まれる下孔でもよい。この差込片部19の厚さ寸法は、強度上の観点や軽量化を図る観点等から適宜の寸法としてもよく、例えば、0.5mm~3mm程度としてもよい。
【0031】
また、本実施形態では、差込片部19の差込方向基端部に、上方側(野縁2側)に向けて立ち上がる立上片部19c,19dを設けた構成としている。図例では、基端側片部18の一側部に当接される立上片部19c,19cを第1方向両側に離間させて設け、これらの間に、反差込方向に延びる延出部から立ち上がる立上片部19dを設けた例を示している。このような構成とすれば、この立上片部19dを把持して差込片部19をパネル本体10の層内に切込部14を介して容易に差し込むことができる。
また、両側の立上片部19c,19cは、この立上片部19c,19cから止着孔19aの孔心までの差込方向に沿う寸法が基端側片部18の同方向一側部から挿通孔18aの孔心までの同方向に沿う寸法と略同寸法とされている。このような構成とすれば、この立上片部19c,19cに基端側片部18の一側部を当接させて差込片部19上に基端側片部18を重ね合わせれば、止着孔19aと挿通孔18aとを第2方向において孔心同士を一致させることができ、位置合わせを容易に行うことができる。
【0032】
これら立上片部19c,19c,19dは、差込片部19の差込方向基端部に一連状に設けられている。また、これら立上片部19c,19c,19dのパネル厚さ方向に沿う立上寸法は、天井パネル1の第2方向途中部位に設備機器等の取付や補強のため等に設けられる場合がある下地に干渉しないように適宜の寸法としてもよい。図例では、これら立上片部19c,19c,19dの立上方向先端部を、磁石9における野縁2に当接される当接面9aと略同高さとした例を示している。
また、この差込片部19の立上片部19cからの差込方向(第2方向)に沿う寸法は、差込方向先端部19bがパネル本体10の裏面10a側において露出するように、基端側片部18の第2方向に沿う寸法よりも大とされている。また、パネル本体10に形成される2本の切込部14,14間の第2方向に沿う寸法は、差込片部19の第2方向に沿う寸法よりも小とされている。また、これら2本の切込部14,14の第1方向に沿う寸法は、差込片部19の第1方向に沿う寸法よりも大とされている。これら2本の切込部14,14の第1方向に沿う寸法は、差込片部19の第1方向に沿う寸法よりも僅かに大とされたものでもよい。
なお、この差込片部19は、適宜、プレスや折曲加工等によって一連状に形成されたものでもよい。また、この差込片部19及び基端側片部18を含む引掛部16は、適宜の金属系材料から形成されたものでもよい。
【0033】
上記構成とされた連結部材15は、以下のようにしてパネル本体10の第2端部7に固定するようにしてもよい。
まず、パネル本体10の第2端部7に形成された2本の切込部14,14のうちの一方の切込部14を介して差込片部19をパネル本体10の層内に差し込む。これら2本の切込部14,14は、少なくとも補強層13を貫通させるように適宜のカッター等によって形成されたものでもよい。また、差込片部19の差込方向先端部19bを他方の切込部14を介してパネル本体10の裏面10a側に露出させ、差込片部19をパネル本体10の第2端部7に取り付ける。この際、パネル本体10の基材11を圧縮変形させるようにして差込片部19を取り付けるようにしてもよい(
図4(b)参照)。この状態では、差込片部19の上方側に2本の切込部14,14間の補強層13を含む被挟持層13aが配された状態となる。なお、この被挟持層13aには基材11の一部が含まれていてもよい。
【0034】
そして、差込片部19の止着孔19aに挿通孔18aを一致させるようにして基端側片部18を被挟持層13a上に重ね合わせ、また、引掛部16の第1方向外側への突出寸法が所定の寸法となるように、差込片部19及び基端側片部18の位置を調整する。次いで、基端側片部18の挿通孔18aを介して固着具4を差込片部19の止着孔19aに止着する。これにより、固着具4の軸部が基端側片部18と差込片部19との間に挟まれた被挟持層13aを貫通し、差込片部19及び基端側片部18が第2端部7に固定される。なお、図例では、固着具4の軸部を基材11の厚さ方向中央部を超えるように設けた例を示しているが、このような態様に限られない。また、差込片部19としては、上記のような態様に限られず、上記のような立上片部19c,19c,19d及び裏面10aにおいて露出される差込方向先端部19bのうちの一方または両方を設けていない構成としてもよい。また、基端側片部18としては、上記のような態様に限られず、上記のような延出部18bを設けていない構成としてもよい。
【0035】
また、
図1(a)に示すように、本実施形態では、第2端部7に第2方向に間隔を空けて複数(図例では、3つ)の連結部材15,15,15を設けた構成としている。これら連結部材15,15,15は、互いに同様の構成とされている。また、これら複数の連結部材15,15,15を、互いに略等間隔を空けて設けた構成としている。このような構成とすれば、第2端部7の第2方向途中部位の垂れを効果的に抑制することができる。なお、これら複数の連結部材15,15,15を互いに略等間隔を空けて設けていない構成としてもよい。
また、第2方向両側の各被保持端部8,8の端面から第2方向最外側の連結部材15,15までの第2方向に沿う寸法を、互いに隣接する連結部材15,15間の寸法と概ね同寸法とした例を示している。なお、これら連結部材15,15,15は、壁際に配される天井パネル1の壁際の第2端部7には設けていない構成としてもよい。
【0036】
また、連結部材15としては、上記したような態様に代えて、
図4(c)に示すような変形例に係る天井パネル1Aが備える連結部材15Aとしてもよい。なお、以下の変形例では、上記した例との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。また、上記した例と同様に奏する作用効果や取付手順についても説明を省略または簡略に説明する。
本変形例に係る連結部材15Aは、差込片部19Aを、基端側片部18Aの第2方向一側部から屈曲させて当該連結部材15Aに一体的に設けた構成とされている。このような構成とすれば、上記した例のように、差込片部19を連結部材15(基端側片部18)と別体的に設けたものと比べて、取扱性を向上させることができる。また、差込片部19A及び基端側片部18Aに、上記のような止着孔19aや挿通孔18aを設けた場合には、これらの位置合わせが不要となり、取付性を向上させることができる。
【0037】
つまり、基端側片部18Aの第2方向一側部に、差込片部19Aが一連状に設けられている。これら基端側片部18Aと差込片部19Aとの厚さ方向に沿う隙間は、被挟持層13aの受け入れが可能なように適宜の寸法とされている。なお、基端側片部18Aの第2方向他側部に、被挟持層13aの受入を容易とする適宜の傾斜ガイド面等を設けた構成としてもよい。
また、以下では、上記した連結部材15を備えた天井パネル1の第1端部6側及び施工手順について説明するが、変形例に係る連結部材15Aを備えた天井パネル1Aの第1端部6側及び施工手順についても同様である。
また、連結部材15,15Aとしては、上記のような差込片部19,19Aを介して第2端部7に固定されるものに限られない。また、後記する補強部材20のように、連結部材15,15Aを、第2端部7の第1方向の概ね全体に亘って設けたような構成としてもよい。つまりは、引掛部16を、第2端部7の第1方向の概ね全体に亘って設けられた補強部材に設けた構成としてもよい。パネル本体10の第2端部7に設けられる連結部材15,15Aや引掛部16としては、その他、種々の変形が可能である。
【0038】
本実施形態では、補強部材20に、
図2(b)に示すように、パネル本体10の第1端部6の裏面10a側から第1方向外側に向けて突出し、野縁2に固定され、下方側に第1方向に隣接される天井パネル1が配される固定片部23を設けた構成としている。このような構成とすれば、第1端部6から第1方向外側に向けて突出した固定片部23を介して室内側(下方側)から野縁2に向けて固着具3を止着して天井パネル1を野縁2に固定することができる(
図5(b)参照)。また、このように固定片部23を介して野縁2に固定された天井パネル1の第1端部6の被引掛部25に対して第1方向に隣接される天井パネル1の第2端部7の引掛部16を引っ掛けることができる。また、固定片部23を、パネル本体10の裏面10側から第1方向外側に突出させた構成としているので、第1方向に隣接される天井パネル1が連結された状態では、この天井パネル1によって固着具3を表面側から目立ち難くすることができる。
【0039】
また、本実施形態では、この固定片部23における野縁2に当接される当接面23aと磁石9における野縁2に当接される当接面9aとを同一平面状としている。このような構成とすれば、磁石9を埋込状に設けたりする必要性を低減しながらも、これらの当接面9a,23aを野縁2に安定的に当接させることができる。なお、固定片部23の当接面23aと磁石9の当接面9aとが同一平面状とは、完全に同一平面状とされたものに限られず、パネル厚さ方向で例えば2mm程度のずれがあるようなものも含む。
また、本実施形態では、固定片部23は、当該固定片部23の下方側に配される第1方向に隣接される天井パネル1の裏面10aとの間に当該固定片部23を野縁2に固定する固着具3の頭部3aの軸方向に沿う寸法以上の隙間が形成されるように設けられている。このような構成とすれば、第1方向に隣接される天井パネル1の裏面10aと固定片部23を野縁2に固定する固着具3の頭部3aとの干渉を抑制することができ、第1方向に隣り合う天井パネル1,1同士の表面における段差を生じ難くすることができる。
【0040】
また、本実施形態では、この固定片部23及び被引掛部25を、
図1に示すように、パネル本体10の第1端部6の裏面10aに沿うように第2方向の概ね全体に亘って固定された補強部材20に設けた構成としている。このような構成とすれば、表面側に設けたものと比べて、この補強部材20を表面側から目立ち難くすることができる。また、このような構成により、従来のように、第2方向に比較的に小さいピッチで野縁を設ける必要性を低減することが可能で、かつ表面側においてジョイナー等が露出しない構成でありながらも、当該天井パネル1の第2方向中央部位の垂れを抑制することができる。つまり、野縁2を含む天井構造全体の軽量化を図りながらも、天井パネル1の保持強度を向上させることができ、また垂れを抑制することができ表面側の見栄えを向上させることができる。
【0041】
補強部材20は、パネル本体10の第2方向に長尺状とされ、第1端部6の裏面10aに沿わせられるベース部21と、このベース部21に設けられ、当該補強部材20をパネル本体10に取り付ける取付部22と、を備えている。
ベース部21は、パネル本体10の第2方向の概ね全体に亘って設けられ、パネル本体10の厚さ方向に厚さ方向を沿わせた板状とされている。本実施形態では、このベース部21をパネル本体10の第2方向の全体に亘って設けた構成としている。なお、パネル本体10の第2方向の概ね全体に亘って設けられる補強部材20としては、パネル本体10の第2方向に沿う寸法の7/10以上の長さとされたものでもよい。
また、このベース部21の第1方向に沿う幅寸法や厚さ寸法は、強度上の観点や軽量化を図る観点等から適宜の寸法としてもよい。図例では、このベース部21に、第2方向に間隔を空けて第2方向に長径状の複数の長孔を設けた例を示している。また、ベース部21における長孔が設けられた部位よりも第1方向外側において第1端部6の端面から突出する部位は、第1方向に隣接する天井パネル1,1間に形成される隙間の底側を区画するように配される構成とされている。
【0042】
また、本実施形態では、このベース部21に、
図3(b)に示すように、パネル本体10の一方の被保持端部8の端面に当接される第1当接片部21aと、第1端部6の端面に当接される第2当接片部21bと、を設けた構成としている。このような構成とすれば、パネル本体10に対する補強部材20の取付位置の位置合わせを容易に行うことができる。
これら第1当接片部21a及び第2当接片部21bは、ベース部21の長手方向第1端部から下方側に向けて突出するように設けられている。また、図例では、これら第1当接片部21aと第2当接片部21bとを、一方の被保持端部8の端面と第1端部6の端面との出隅部に沿わせるように一連状にかつ互いに直交状に設けた例を示している。なお、このような第1当接片部21a及び第2当接片部21bのうちの一方または両方を、ベース部21の長手方向第2端部にも設けた構成としてもよい。
【0043】
また、本実施形態では、このベース部21の長手方向第1端部に、第2方向に隣接される天井パネル1のパネル本体10の被保持端部8の端面に当接される第3当接片部21cを設けた構成としている。この第3当接片部21cは、第2方向に隣接される天井パネル1,1の第2方向に対向される端面間に上記同様な目透かし状の隙間が形成されるようにパネル本体10の被保持端部8の端面から突出するように設けられている。このような構成とすれば、各天井パネル1,1間の隙間を容易に均等にすることができる。図例では、この第3当接片部21cを、第1当接片部21aから第2方向外側に向けて突出する突出片部を介して第1当接片部21aに一連状に設けた例を示している。第2方向に隣接する天井パネル1,1間に形成される隙間の底側には、野縁2の下面が配され、該隙間の底側を区画する構成とされている。
【0044】
取付部22は、ベース部21の第1方向内側側部から第1方向内側に向けて延出するように一連状に設けられ、ベース部21と同厚さの片部状とされている。本実施形態では、ベース部21の長手方向に間隔を空けて複数(図例では、3つ)の取付部22,22,22を設けた構成としている。また、パネル本体10の第2方向両側の被保持端部8,8のそれぞれの近傍に位置するように取付部22,22を設けた構成としている。また、これら第2方向両側の取付部22,22間に、互いに略等間隔を空けて他の取付部22を設けた構成としている。
また、
図3(b)、(c)に示すように、これら取付部22,22,22に、これらをパネル本体10に固定する固着具5(
図3(a)参照)の軸部が挿通される挿通孔22aを設けた構成としている。また、
図3(a)に示すように、これら取付部22,22,22のパネル本体10内層側に上記同様な差込片部30を設けた構成としている。この差込片部30には、図示は省略しているが上記同様な止着孔が設けられている。また、この差込片部30には、上記同様、差込方向先端部30a及び立上片部30b,30b,30cが設けられている。なお、当該補強部材20をパネル本体10に対して固定する態様としては、このような構成に限られず、その他、種々の変形が可能である。
【0045】
固定片部23は、
図1に示すように、パネル本体10の第2方向の概ね全体に亘って設けられ、パネル本体10の厚さ方向に厚さ方向を沿わせた板状とされている。この固定片部23は、ベース部21の第1方向外側端部から上方側に向けて立ち上がるように設けられた立上片部を介してベース部21に一連状に設けられている。この立上片部の立上寸法は、固定片部23の上方側に向く当接面23aが上記のように磁石9の当接面9aと同一平面状となるように適宜の寸法とされている。また、この立上片部の立上寸法は、固定片部23の下方側に向く面からパネル本体10の裏面10aまでのパネル厚さ方向に沿う寸法が固着具3の頭部3aの軸方向に沿う寸法以上となるように適宜の寸法とされている。
【0046】
この固定片部23の第1方向に沿う幅寸法や厚さ寸法は、強度上の観点や軽量化を図る観点等から適宜の寸法としてもよい。図例では、この固定片部23に、ベース部21と概ね同様、第2方向に間隔を空けて第2方向に長径状の複数の長孔を設けた例を示している。
また、
図3(b)、(c)に示すように、この固定片部23の長手方向両端部に、野縁2,2に止着される固着具3の軸部が挿通される挿通孔23b,23bを設けた構成としている。また、これら挿通孔23b,23bを、第2方向に長径状の長孔としている。天井パネル1は、補強部材20(固定片部23)の長手方向の各端部が固着具3,3によって野縁2,2にそれぞれ固定されて第1端部6が野縁2,2に対して固定保持される。
また、本実施形態では、この固定片部23の長手方向第2端部に、
図3(c)に示すように、この固定片部23の長手方向第2端部の第2方向に対向される天井パネル1の被保持端部8の端面に当接される当接片部23cを設けた構成としている。このような構成とすれば、各天井パネル1,1間の隙間を容易に均等にすることができる。図例では、固定片部23の長手方向第2端部を第2方向外側に向けて突出させ、この突出部の第1方向両側部から下方側に向けて垂れ下がるように対状に当接片部23c,23cを設けた構成としている。
【0047】
被引掛部25は、
図1(b)及び
図6(b)に示すように、固定片部23の第1方向外側に設けられている。
本実施形態では、被引掛部25は、第1方向に厚さ方向を沿わせた板状とされ、上記した引掛部16の折返片17aが引っ掛けられる被引掛片26を備えている。また、被引掛部25は、この被引掛片26よりも第1方向外側に位置するように、かつ被引掛片26と平行状に設けられ、折返片17aが挿通される挿通孔29が設けられた抜止片部28を備えている。このような構成とすれば、折返片17aは、被引掛片26に引っ掛け保持された状態で、抜止片部28の挿通孔29に挿通された状態とされる。これにより、上記のように既施工の天井パネル1の被引掛部25に折返片17aを保持させた未施工の天井パネル1に対して、下方側から衝撃が加えられたような場合にも、引掛保持状態が解除され難くなり、未施工の天井パネル1の意図しない脱落を抑制することができる。
【0048】
被引掛片26は、固定片部23の第1方向外側端部から上方側に向けて突出するように設けられている。この被引掛片26の第1方向外側に向く面が引掛部16の当接面16aに当接される被当接面26aを構成する。
この被引掛片26の第2方向に沿う寸法は、引掛部16の第2方向に沿う寸法よりも大とされている。また、この被引掛片26の突出寸法は、引掛部16の折返片17aの引っ掛け保持が可能なように適宜の寸法とされている。また、本実施形態では、この被引掛片26は、
図3(a)に示すように、固定片部23から切起状に設けられている。また、この被引掛片26は、引掛部16に応じた位置となるように、パネル本体10の第1端部6に沿って第2方向に間隔を空けて複数箇所(図例では、3箇所)に設けられている。
【0049】
また、本実施形態では、
図6(b)に示すように、固定片部23に、折返片17aのガイドとなるガイド傾斜片部24を設けた構成としている。このガイド傾斜片部24は、これが設けられた天井パネル1に対して被引掛片26に保持された天井パネル1が第1方向近接側に移動される際に、同方向に移動する折返片17aのガイドとして機能する。このガイド傾斜片部24は、固定片部23の第1方向途中部位から被引掛片26とは逆側となる下方側に向けて切起状に設けられている。また、このガイド傾斜片部24は、第1方向外側に向かうに従い下り勾配状に傾斜状とされている。このような構成とすれば、被引掛片26を切起状に設けた構成としながらも、これにより形成される固定片部23の孔縁に折返片17aが引っ掛かり難くなり、折返片17aをガイド傾斜片部24に沿って円滑に第1方向内側に向けてガイドすることができる。このガイド傾斜片部24は、被引掛片26に対応した位置となるように設けられている。つまり、ガイド傾斜片部24は、パネル本体10の第1端部6に沿って第2方向に間隔を空けて複数箇所(図例では、3箇所)に設けられている。
【0050】
抜止片部28は、固定片部23の第1方向外側端部から下方側に向けて垂れ下がるように設けられた垂下片部の下端部から第1方向外側に向けて延出する延出片部27の先端部から上方側に向けて立ち上がるように設けられている。これら垂下片部、延出片部27及び抜止片部28は、パネル本体10の第2方向の概ね全体に亘って設けられている。このような構成とすれば、補強部材20の薄型化及び軽量化を図りながらも剛性を向上させることができる。図例では、これら垂下片部、延出片部27及び抜止片部28を、パネル本体10の第2方向の全体に亘って設けられた固定片部23の長手方向両端部には設けていない構成とした例を示している(
図1(a)参照)。
延出片部27は、パネル本体10の厚さ方向に厚さ方向を沿わせた板状とされている。この延出片部27の第1方向に沿う幅寸法は、後記する挿通孔29を介して折返片17aが挿通し易いように、また、軽量化を図る観点等から適宜の寸法としてもよい。また、この延出片部27は、第1方向に隣接される天井パネル1のパネル本体10に略干渉しないように設けられている。図例では、この延出片部27の下方側に向く面がパネル本体10の裏面10aと略同一平面状となるように設けた例を示している。つまり、この延出片部27の下方側に向く面は、ベース部21のパネル本体10側に向く面と略同一平面状とされている。
【0051】
抜止片部28は、上端が被引掛片26の上端よりも上方側に位置するように、固定片部23からの上下方向に沿う寸法が被引掛片26の突出寸法よりも大とされている。また、図例では、この抜止片部28に、ベース部21や固定片部23と概ね同様、第2方向に間隔を空けて第2方向に長径状の複数の長孔を設けた例を示している(
図3(a)参照)。このような構成とすれば、上記のような天井パネル1の第2方向途中部位に設備機器等の取付や補強のため等に下地が設けられる場合には、この下地と干渉する抜止片部28の部位を容易に切除することができる。
挿通孔29は、
図3(a)及び
図5(b)に示すように、抜止片部28と延出片部27とに亘って設けられている。つまり、延出片部27の第1方向外側部位と抜止片部28の下方側部位とを貫通させるように一連状に挿通孔29を設けた構成としている。この挿通孔29は、被引掛片26に対応した位置となるように、パネル本体10の第1端部6に沿って第2方向に間隔を空けて複数箇所(図例では、3箇所)に設けられている。
【0052】
この挿通孔29の第2方向に沿う寸法は、引掛部16の延出部17及び折返片17aの第2方向に沿う寸法よりも大とされている。
また、この挿通孔29の上下方向に沿う寸法は、第1方向に隣接される天井パネル1の引掛部16に干渉し難いように適宜の寸法としてもよい。図例では、挿通孔29の下方側に向く上端開口縁部が引掛部16の上面よりも上方側に位置するように挿通孔29を設けた例を示している。
また、この挿通孔29の第1方向に沿う寸法は、折返片17aの挿通性の観点等から適宜の寸法としてもよい。図例では、延出片部27の第1方向の大半に亘って挿通孔29を設けた例を示している。なお、このような抜止片部28や挿通孔29を設けていない構成としてもよい。
上記構成とされた補強部材20は、適宜の金属系材料からプレスや折曲加工等によって一連状に形成されたものでもよい。また、補強部材20は、壁際に配される天井パネル1の壁際の第1端部6には設けていない構成としてもよい。
【0053】
次に、上記構成とされた天井パネル1の施工手順の一例について説明する。
図5(a)、(b)に示すように、既施工の天井パネル1は、第2方向両側の被保持端部8,8が第2方向に間隔を空けて設けられた野縁2,2に保持され、第1端部6が固定片部23を介して固着具3によって野縁2,2に固定されている。なお、この既施工の天井パネル1の第2端部7は、適宜の壁際下地に固定するようにしてもよく、種々の固定態様で固定対象に対して固定するようにしてもよい。
【0054】
上記のように施工された天井パネル1の第1端部6に対して、第2端部7を上方側として略垂直状または斜め状に保持した未施工の天井パネル1を下方側から移動させる。そして、
図6(a)、(b)に示すように、既施工の天井パネル1の挿通孔29に未施工の天井パネル1の引掛部16を挿通し、その折返片17aを既施工の天井パネル1の被引掛片26に引っ掛ける。このような構成とすれば、天井高にもよるが、脚立等を用いて高所での作業を要することなく床上に起立した状態で未施工の天井パネル1の第2端部7を既施工の天井パネル1の第1端部6に保持させることも可能となる。
そして、
図6(b)の二点鎖線にて示すように、未施工の天井パネル1を、その第1端部6側を上昇させるように折返片17aを支点として概ね水平状となるまで回転させる。次いで、この未施工の天井パネル1を、既施工の天井パネル1に対して第1方向近接側に押すように移動させ、未施工の天井パネル1の当接面16aを既施工の天井パネル1の被当接面26aに当接させる(
図2(b)参照)。
【0055】
また、第2方向に既施工の天井パネル1が配されている場合には、未施工の天井パネル1の第2端部7側の被保持端部8の端面を、これに対向される既施工の天井パネル1の当接片部23cに当接させる。また、未施工の天井パネル1の第1端部6の第3当接片部21cを、これに対向される既施工の天井パネル1の被保持端部8の端面に当接させる。
また、未施工の天井パネル1の第2方向両側の被保持端部8,8の磁石9,9を、野縁2,2に吸着させる。なお、被保持端部8,8の磁石9,9を野縁2,2に吸着させた状態で、この未施工の天井パネル1の第1方向及び第2方向への位置合わせを行うようにしてもよい。
そして、この未施工の天井パネル1の第1端部6の固定片部23を、固着具3によって野縁2,2に固定する。以下、同様にして、複数枚の天井パネル1を縦横に隣接させるようにして順次、施工するようにしてもよい。なお、上記した施工手順は一例に過ぎず、種々の変形が可能である。
【0056】
また、上記のように施工された本実施形態に係る天井構造は、第1方向に延びる長尺状で第2方向に間隔を空けて配設された野縁2,2が第2方向に延びる長尺状で第1方向に間隔を空けて配設された野縁受2A,2Aによって支持された構造とされている。また、同天井構造は、第2方向に間隔を空けて配設された野縁2,2に、複数枚の天井パネル1,1が第1方向に隣接されて固定された構造とされている。また、同天井構造は、天井パネル1、野縁2及び野縁受2Aを含む天井構造体の1m2当たりの質量が2kg以下とされている。このような構成とすれば、天井システム全体の軽量化を図ることができ、落下時に生じる被害を軽減することができる。なお、1m2当たりの質量が2kg以下とされる天井構造体には、上記したクリップや野縁ジョイント、野縁受ジョイントを含み、ハンガーや吊ボルト、ナットを含まない。これらクリップ、野縁ジョイント、野縁受ジョイント、野縁2及び野縁受2Aを含む下地の1m2当たりの質量は、軽量化を図る観点や強度上の観点等から適宜の質量としてもよく、1.5kg以下でもよく、好ましくは、0.9kg以上、1.27kg以下でもよい。
【0057】
同天井構造体の1m2当たりの質量は、天井パネル1(パネル本体10)のサイズ(1辺の長さ)や、野縁2の種類やタイプ、ピッチ等によって増減する。
以下、表1を参照して天井構造体の一例について説明する。
なお、以下の各例では、天井パネル1は、パネル本体10のサイズ(1辺の長さ)以外については、互いに上記した例と同様の構成とした。つまり、パネル本体10は、発泡樹脂層からなる基材11に表面層12、補強層13及び端面層を設けた構成とされている。また、このパネル本体10は、厚さが4mmで、1m2当たりの質量が0.55kgであった。また、このパネル本体10の第1端部6に補強部材20を設け、第2端部7に連結部材15を設け、被保持端部8,8に磁石9を設けた。
【0058】
第1例~第4例、第9例~第12例、第21例~第24例では、パネル本体10の第1方向及び第2方向に沿う寸法が906mmとされ、天井パネル1の1m2当たりの質量が0.70kgであった。
第5例~第8例では、パネル本体10の第1方向及び第2方向に沿う寸法が451mmとされ、天井パネル1の1m2当たりの質量が0.85kgであった。
第13例~第16例では、パネル本体10の第1方向及び第2方向に沿う寸法が602mmとされ、天井パネル1の1m2当たりの質量が0.78kgであった。
第17例~第20例、第25例~第28例では、パネル本体10の第1方向及び第2方向に沿う寸法が1208mmとされ、天井パネル1の1m2当たりの質量が0.66kgであった。
【0059】
また、各例では、4種の相異なる野縁2を用い、天井パネル1のサイズ及び野縁2の配設ピッチに応じて天井パネル1の被保持端部8,8に相当する部位には、ダブルの野縁2を配設し、これらの間に配設する場合には、シングルの野縁2を配設する例とした。また、いずれも、ダブルの野縁2は、幅が50mmで、シングルの野縁2は、幅が25mmである。また、JIS19形の野縁2及び一般19形の野縁2は、いずれも高さが19mmであり、JIS25形の野縁2及び一般25形の野縁2は、いずれも高さが25mmである。
第1例、第5例、第9例、第13例、第17例、第21例、第25例では、野縁2を、厚さが0.5mmのJIS19形とした。
第2例、第6例、第10例、第14例、第18例、第22例、第26例では、野縁2を、厚さが0.4mmの一般19形とした。
第3例、第7例、第11例、第15例、第19例、第23例、第27例では、野縁2を、厚さが0.5mmのJIS25形とした。
第4例、第8例、第12例、第16例、第20例、第24例、第28例では、野縁2を、厚さが0.4mmの一般25形とした。
【0060】
第1例~第4例では、第2方向両側のダブルの野縁2,2とこれらの間の2本のシングルの野縁2,2とを303mmピッチで配設する構成とした。
第5例~第8例では、第2方向両側のダブルの野縁2,2を455mmピッチで配設する構成とした。
第9例~第12例では、第2方向両側のダブルの野縁2,2とこれらの間の1本のシングルの野縁2とを455mmピッチで配設する構成とした。
第13例~第16例では、第2方向両側のダブルの野縁2,2を606mmピッチで配設する構成とした。
第17例~第20例では、第2方向両側のダブルの野縁2,2とこれらの間の1本のシングルの野縁2とを606mmピッチで配設する構成とした。
第21例~第24例では、第2方向両側のダブルの野縁2,2を909mmピッチで配設する構成とした。
第25例~第28例では、第2方向両側のダブルの野縁2,2を1212mmピッチで配設する構成とした。
【0061】
また、各例では、いずれも野縁受2Aは、第1方向に909mmピッチで配設する構成とした。また、いずれも野縁受2Aは、高さが38mmで、幅が12mmであるが、厚さについては野縁2の種類に応じた厚さである。野縁2がJIS19形である野縁受2Aは、厚さが1.2mm、野縁2がJIS25形である野縁受2Aは、厚さが1.6mm、野縁2が一般19形及び一般25形である野縁受2Aは、厚さが1.0mmである。
各例の下地質量及び天井構造体の質量(天井質量)は、以下の表1のようになった。なお、下地質量は、野縁2及び野縁受2Aに加え、クリップ、野縁ジョイント及び野縁受ジョイントを含む1m
2当たりの質量である。
【表1】
表1に示すように、第10例、第14例、第17例、第18例、第21例、第22例、第24例~第28例については、天井質量が2kg/m
2以下となり、良好な結果となった。また、天井パネル1については、パネルサイズが大きくなるに従い、パネル本体10に対する付属部品(補強部材20、連結部材15、磁石9)の質量割合が小さくなるため軽量化が図れることが示された。また、野縁2については、ピッチが大きくなるに従い、軽量化が図れ、また、高さ及び厚さが小さいほど軽量化が図れることが示された。
【0062】
なお、上記した実施形態では、第1方向に隣接される天井パネル1,1間及び第2方向に隣接される天井パネル1,1間の両方に目透かし状の隙間が形成される構成とした例を示しているが、これらのうちの一方または両方に隙間が形成されない構成としてもよい。つまり、隣接される天井パネル1,1の端面同士が当接される構成としてもよい。この場合は、上記した当接面16aや被当接面26a、当接片部23c、第3当接片部21c等の位置等を適宜、変形するようにしてもよく、さらにはこのような位置決め部を設けていない構成としてもよい。
また、上記実施形態では、補強部材20に、第1方向外側に向けて突出する固定片部23を設けた例を示しているが、このような態様に限られず、例えば、パネル本体10を貫通して固着具3が止着される態様としてもよく、その他、種々の変形が可能である。
また、上記実施形態では、補強部材20を、パネル本体10の裏面10aに沿わせて設けた例を示しているが、パネル本体10に埋込状に設けたり、表面に沿わせて設けたりした態様等としてもよく、その他、種々の変形が可能である。
【0063】
また、上記実施形態では、被引掛部25を、パネル本体10の厚さ方向に突出する被引掛片26を有した構成とした例を示しているが、このような構成に限られず、引掛部16が差し込まれる係止穴状のものとしてもよい。引掛部16が引っ掛けられる被引掛部25としては、その他、種々の変形が可能である。
また、上記実施形態では、引掛部16に、折返片17aを設けた例を示しているが、このような折返片17aを設けていないL字状や差込片状の引掛部16としてもよく、引掛部16としては、その他、種々の変形が可能である。この場合は、被引掛部25を適宜必要に応じて変形するようにしてもよい。上記実施形態に係る天井パネル1,1Aの各部の構成は、上記したような態様に限られず、その他、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0064】
1,1A 天井パネル
6 第1端部(第1方向第1端部)
7 第2端部(第1方向第2端部)
10 パネル本体
10a 裏面
16 引掛部
20 補強部材(補強部)
23 固定片部
2 野縁
2A 野縁受
3 固着具
3a 頭部