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  • 特許-水ボトルリース契約管理システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】水ボトルリース契約管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0645 20230101AFI20230421BHJP
【FI】
G06Q30/0645
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018221223
(22)【出願日】2018-11-27
(65)【公開番号】P2020086997
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】316003276
【氏名又は名称】株式会社コスモライフ
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(72)【発明者】
【氏名】荒川 眞吾
【審査官】西村 直史
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-101796(JP,A)
【文献】特開2016-085521(JP,A)
【文献】特許第5789334(JP,B1)
【文献】特開2014-191539(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水ボトルを継続的に供給するウォーターサーバーのリース契約を管理するための装置であって、
ユーザIDごとにリース契約レコードを1つ又は複数設定されるユーザ管理データベースを有し、
前記リース契約レコードは、年単位で水ボトルの提供本数を規定し、月単位での支払額に関する情報を設定してあり、当該契約開始の時期情報と、当該契約で提供可能となっている水ボトルの残数を求めることができるカウント数と、を有し、
前記ユーザIDごとのユーザに前記水ボトルを配送するたびに、配送した本数に応じて前記残数が減少することを反映した残数処理手段を実行し、
前記時期情報から契約満了までの残り期間が閾値に到達した場合、又は、前記残数が所定の閾値に到達した場合、当該ユーザへの通知を促す期限通知補助手段を実行する、
水ボトルリース契約管理装置。
【請求項2】
前記カウント数は、契約毎の提供可能本数を初期値とし、
前記残数処理手段は前記カウント数を、配送した前記水ボトルの本数に応じて減算し、
前記カウント数を前記残数とする、請求項1に記載の水ボトルリース契約管理装置。
【請求項3】
前記カウント数は、契約毎にゼロを初期値とし、
前記残数処理手段は前記カウント数を、配送した前記水ボトルの本数に応じて加算し、
前記カウント数を契約ごとの提供可能本数から減算した数を前記残数とする、請求項1に記載の水ボトルリース契約管理装置。
【請求項4】
前記リース契約レコードの期間満了前に前記残数がゼロになり、当該ユーザIDのユーザが前記水ボトルの提供の追加を希望する旨の情報を受け付けた場合、
前記ユーザIDに新たな前記リース契約レコードを設定する、契約レコード追加手段を実行する、
請求項1乃至3のいずれかに記載の水ボトルリース契約管理装置。
【請求項5】
前記リース契約レコードは、月単位での支払額を設定してあり、
前記契約レコード追加手段を実行して新たな前記リース契約レコードを設定した際に、前の前記リース契約レコードで残存する期間分の支払額について、
一括して前記ユーザへの請求を発生させる残存支払額一括清算手段と、
前の前記リース契約レコードの期間満了まで、新たな前記リース契約レコードにより設定される支払額と、前の前記リース契約レコードにより設定される支払額とを、月毎に纏めて請求を発生させる残存支払額並行清算手段と、
を選択して実行する、
請求項4に記載の水ボトルリース契約管理装置。
【請求項6】
コンピュータを請求項1乃至5のいずれかに記載の水ボトルリース契約管理装置として動作させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ミネラルウォーター等の飲料水を供給するウォーターサーバーに用いる交換式の水ボトルを継続的に顧客に配送するサービスを管理するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、水の安全や健康への意識の高まりから、一般家庭においてウォーターサーバーが普及している。ウォーターサーバーには交換式の水ボトルをセットし、水ボトルに充填された飲料水がユーザの操作に応じて供給される。
【0003】
ただし、ウォーターサーバーそれ自体は高価なものであり、購入するとユーザにとっての負担が大きい。これに対して、ウォーターサーバーをリースする年単位の契約を結び、顧客からの注文に応じて水ボトルの代金を支払ってもらう制度が一般に用いられている。ユーザは月当たりに分割された低廉な費用でウォーターサーバーの利用ができ、事業者は安定的収入が得られて供給インフラの維持がしやすくなるので、どちらにとってもメリットがある。
【0004】
ところで、水ボトルの内容量を使い切ると当然に飲料水は供給できなくなる。これに対して特許文献1のように、水ボトルの交換作業をユーザが簡便にできるウォーターサーバーが開発されている。このようなウォーターサーバーを用いると、水ボトルを使い切ったタイミングでユーザが自分で水ボトルを交換すればよい。これにより、交換のたびにメンテナンス業者の作業員を呼ぶことなく、継続的な飲料水の利用が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5789334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ユーザが自分で水ボトルの交換が可能になると、夏場のように水分を大量に必要とする時期には、契約で定められた月毎の固定の数の水ボトルに加えて、追加で水ボトルを注文するほどに需要が増加する。事業者としてもこれに応える必要があり、追加注文を受け付けて水ボトルを追加で配送することで対応する。ところがリース契約の費用支払では銀行口座からの自動引き落としが利用されるケースが多い。追加注文の費用の支払は注文した月よりも後に反映されるため、余剰をほとんど出さずに銀行口座へ毎月定額の入金しかしていないと、追加注文分の費用引き落としに対応できなくなってしまい、契約不履行でサービスを停止せざるを得ない状況になってしまうことがあった。
【0007】
一方で、冬場のように水ボトルの消費が少ないときには、水ボトルが余ってしまい配送が行われなくなる月が生じる。こうなると事業者は水ボトルの費用を受け取ることができずに事実上その月は無料でリース及びメンテナンスを行うことになってしまい、経営上の問題となってしまった。
【0008】
なお、ユーザによっては毎日の利用量がほぼ固定される場合もあるが、そうなると31日まである大の月と、28日までしかない2月とでは最大で3日分の差が生じるため、月単位で固定の数を配送するだけだと不足する場合がある。これに対しては、月単位ではなく週単位で配送する数を固定することで解決できるが、2月を除き一ヶ月は4週分に加えてさらに数日分あるため、約三ヶ月に一度、五週分の費用請求が発生することになる。こうなると上記と同様に、不意の支払額増加で引き落としで費用が足りなくなる事態が生じてしまう。
【0009】
そこでこの発明は、ユーザにとっては水ボトルの需要の変動に応じて対処しやすく、事業者にとっては安定的な事業運用ができる水ボトルの注文管理システムを構築して提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、
ユーザIDごとにリース契約レコードを1つ又は複数設定されるユーザ管理データベースを有し、
前記リース契約レコードは、年単位で水ボトルの提供本数を規定し、月単位での支払額に関する情報を設定してあり、当該契約開始の時期情報と、当該契約で提供可能となっている水ボトルの残数を求めることができるカウント数と、を有し、
前記ユーザIDごとのユーザに前記水ボトルを配送するたびに、配送した本数に応じて前記残数が減少することを反映した残数処理手段を実行し、
前記時期情報から契約までの残り期間が閾値に到達した場合、又は、前記残数が所定の閾値に到達した場合、当該ユーザへの通知を促す期限通知補助手段を実行する、
水ボトルリース契約管理装置により上記の課題を解決したのである。
【0011】
この発明にかかる水ボトルリース契約管理装置としては、前記カウント数は、契約毎の提供可能本数を初期値とし、前記残数処理手段は前記カウント数を、配送した前記水ボトルの本数に応じて減算し、前記カウント数を残数とする形態を採用可能である。
【0012】
また、この発明にかかる水ボトルリース契約管理装置の他の形態としては、前記カウント数は、契約毎に0を初期値とし、前記残数処理手段は前記カウント数を、配送した前記水ボトルの本数に応じて加算し、前記カウント数を契約ごとの提供可能本数から減算した数を残数とする形態を採用可能である。
【0013】
上記のどちらの形態を採用しても、ユーザは、前記の年単位で規定される提供本数が全て配送されるまで、月あたりの数に縛られることなく、適宜必要に応じて水ボトルを注文することができる。ただし、自由なタイミングで注文できるようになると、知らぬ間に残数を全て注文しきってしまう可能性がある。そのような事態に対応するため、前記期限通知補助手段が実行され、水ボトルの提供可能な残数分を全て注文しきってしまう前に前記ユーザへの警告となる通知を事業者が行えるようになる。これにより、使い切る前に警告となる通知が来るとわかったユーザは安心して注文を発することができる。一方、年単位で最初から提供本数が規定できるため、前記水ボトルリース契約管理装置を使用する事業者は、ユーザの直近の本数の増減に影響されることなく提供本数分の費用を月割りした定額を請求すればよくなる。これにより事業者の運営も安定する。
【0014】
また、この発明にかかる水ボトルリース契約管理装置としては、前記リース契約レコードの期間満了前に前記残数が0になり、前記ユーザIDのユーザがさらに追加する前記水ボトルの提供を希望する旨の情報を受け付けた場合、前記ユーザIDに新たな前記リース契約レコードを設定する契約レコード追加手段を実行する形態を採用可能である。これにより、ユーザが予定より早く提供本数分の水ボトルを注文しきった場合でも、事業者は問題なく追加の注文を受け付けてサービスを継続させることができる。
【0015】
さらにこの形態ではユーザに求める費用を請求する処理にあたって、前記リース契約レコードが、月単位での支払額に関する情報を設定してあり、前記契約レコード追加手段を実行して新たな前記リース契約レコードを設定した際に、前の前記リース契約レコードで残存する期間分の支払額について、一括して前記ユーザへの請求を発生させる残存支払額一括清算手段と、前の前記リース契約レコードの期間満了まで、新たな前記リース契約レコードにより設定される支払額と、前の前記リース契約レコードにより設定される支払額とを、月毎に纏めて請求を発生させる残存支払額並行清算手段と、を選択して実行する形態を採用可能である。契約満了前に当該契約の提供本数が注文されきって新たな契約を設定した場合でも、月あたりの費用の二倍が請求される支払形態と、一括しての支払が請求される支払形態とを、ユーザが好みに応じて選択することができるようになる。
【0016】
これらの水ボトルリース契約管理装置を用いて、ウォーターサーバーのリース契約をしたユーザに、年単位での前記水ボトルの提供本数を設定し、月単位での支払額を請求しつつ、前記ユーザからの要望に応じて前記提供本数の範囲で前記水ボトルを提供し、前記時期情報から契約までの残り期間が閾値に到達した場合、又は、前記残数が所定の閾値に到達した場合、当該ユーザへの通知を行う、水ボトルリース契約管理方法を実現できる。
【0017】
ウォーターサーバーのリース契約をしたユーザに、年単位での前記水ボトルの提供本数を設定し、月単位での支払を請求しつつ、前記ユーザからの要望に応じて前記提供本数の範囲で前記水ボトルを提供し、前記リース契約レコードの期間満了前に前記残数が0になり、前記ユーザがさらに追加する前記水ボトルの提供を希望した場合、前記残存支払額一括清算手段による一括した請求と、前記残存支払額並行生産手段による月毎の請求とを、いずれか選択して行う水ボトルリース契約管理方法も実現できる。
【発明の効果】
【0018】
この発明により、ユーザは水ボトルの注文を必要に応じて適宜行うことができるとともに、不意に請求額が増加する懸念を払拭することができる。一方で水ボトルを提供する事業者は、安定して事業収入を確保することができ、ユーザニーズに柔軟に対応したサービスが提供できるようになり、ユーザを拡大させやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】この発明にかかる水ボトルリース契約管理装置の実施形態例の機能ブロック図
図2】水ボトルリース契約管理装置が有するユーザ管理データベースの例図
図3】水ボトルリース契約管理装置が有するユーザ管理データベースの別の例図
図4】リース契約レコードの期間が重複する際の概念図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明について具体的な実施形態とともに詳細に説明する。この発明は、水ボトルを継続的に供給するウォーターサーバーのリース契約を管理するための水ボトルリース契約管理装置10である。この水ボトルリース契約管理装置10の実施形態例における機能ブロック図を図1に示す。
【0021】
水ボトルリース契約管理装置10は、ユーザ管理データベース20を備えたコンピュータである。図1の実施形態では、処理部31と、記憶部32と、ネットワークインターフェース33とを備えている。処理部31は、CPUのような演算装置を有し、後述するそれぞれの手段をプログラムとして実行する。記憶部32は、揮発性又は不揮発性の記憶装置を有する。揮発性の記憶装置としては一般的な半導体メモリが挙げられ、不揮発性の記憶装置としては磁気ディスクや不揮発性メモリなどを用いることができる。ユーザ管理データベース20は不揮発性の記憶装置に記録して随時書き込み可能であるとよい。ネットワークインターフェース33は、他の端末11a,11bと通信するためのインターフェースであり、有線LAN端子や無線LANアンテナを含む。
【0022】
ユーザ管理データベース20が有する概念的な構造の実施形態例を図2及び図3に示す。ユーザIDごとに、1つ又は複数のリース契約レコードを紐付ける設定が可能となっている。ユーザIDは固有の識別番号であり、ユーザの情報と結びついている。ユーザの情報としては、ユーザの氏名又は名称、住所又はウォーターサーバーの設置場所、連絡先となる固定電話番号、携帯電話番号やメールアドレス、SNS(Social Network Service)のID、ユーザ登録年月日や、水ボトルの配達を担当する事業所の識別符号、などが挙げられる。また、後述する月単位の定期的な支払を円滑に行うため、銀行口座番号やクレジットカード番号などを保有していると望ましいが、これらは特に個人情報としての管理が厳密であることが求められるため、ユーザIDと紐付け可能な別のデータベースで厳重に管理しておくことが望ましい。ユーザは個人であってもよいし法人であってもよいし、法人でない団体であってもよい。
【0023】
前記リース契約レコードは、水ボトルを前記ユーザに提供する契約に関するデータ群である。この契約は、年単位で水ボトルの提供本数を規定している。年単位であるとは、1年単位、又は2年以上の複数年単位である。元旦から数える必要はなく、契約開始の日、週、月のいずれかを開始の基準点として、その基準点から年単位で規定していてよい。月単位で提供本数を規定するわけではなく、主に夏に増え冬に減る使用量の増減を年を通じて均した数として提供本数が規定される。個々のリース契約レコードにおいて、何年分かの契約を有する情報を含んでいてもよいし、水ボトルリース契約管理装置10ごとにデフォルトで1年単位や2年単位といった数値が規定されていてもよい。
【0024】
また、前記リース契約レコードは、月単位での支払額に関する情報を設定している。この支払額に関する情報とは、支払額をそのまま指定するものでもよいし、支払額を規定した契約形態の種類を指定するコードによって間接的に指定するものでもよい。図2では月額料金を取り決めた契約形態を指定するコードによる例を示す。図3では支払額をそのまま指定する例を示す。
【0025】
また、前記リース契約レコードは、当該契約開始の時期情報を有する。この時期情報は、前記の年単位での提供本数を配送し始める期間の基準となるものであり、何月開始という情報でもよいし、何月何日開始という情報でもよい。また、期限が迫ってきた際には更新の通知をするための基準となる。
【0026】
また、前記リース契約レコードは、当該契約で提供可能となっている水ボトルの残数を求めることができるカウント数を有する。このカウント数は、残数そのものでもよいし、提供可能本数から減算することで残数を求めることができる配送済みの本数でもよい。図2は前者のケースを例に示し、図3は後者のケースを例に示す。図2のケースの場合、前記カウント数は契約毎の提供可能本数を初期値とし、後述する残数処理手段は前記カウント数を、配送した前記水ボトルの本数に応じて減算し、前記カウント数を残数とする。図3のケースの場合、前記カウント数は前記リース契約レコード毎にゼロを初期値とし、後述する残数処理手段は前記カウント数を、配送した前記水ボトルの本数に応じて加算し、前記カウント数を契約ごとの提供可能本数から減算した数を残数とする。
【0027】
さらに、前記リース契約レコードは、水ボトルの提供サービスにあたって有益となるその他の情報を有していてもよい。例えば、当該リース契約において水ボトルを装着させるウォーターサーバーの型番やバージョン、識別番号、またはそれらに類する符号などが挙げられる。
【0028】
この発明にかかる水ボトルリース契約管理装置10は、前記ユーザIDごとのユーザに前記水ボトルを提供するたびに、提供本数に応じて前記残数が減少することを反映した残数処理手段21を実行する。具体的には、事業者が当該ユーザへ水ボトルを提供する処理を行うたびに、端末11aから水ボトルを提供したことを示す情報が入力される。このような端末11aはパソコンやスマートフォンのように従業員が作業に応じて情報を入力するものであってもよい。処理部31が端末11aに対してwebブラウザを介して情報の入力環境を提供するwebサーバ機能を有していてもよいし、端末11aに専用のアプリケーションがインストールされていてもよい。また、端末11aが別途構築された水ボトルの配送手続きを処理するためのシステムが、配達処理が行われた旨の情報の入力がされたときに、自動的にユーザ管理データベース20への入力情報を生成して水ボトルリース契約管理装置10に対して送信するものでもよい。
【0029】
この発明にかかる水ボトルリース契約管理装置10は、前記時期情報から契約までの残り期間が閾値に到達した場合、又は、前記残数が所定の閾値に到達した場合、当該ユーザへの通知を促す期限通知補助手段22を実行する。前記時期情報から契約までの残り期間が閾値に達した場合とは、例えば、閾値を2ヶ月とした場合、年単位で契約する契約期間の残り期間が2ヶ月となった際に当該ユーザに通知するような運用となる。2ヶ月前に通知を受けた当該ユーザは、残り期間の間に契約を続けるか否かを判断することができる。なお、特に2ヶ月に限定されない。4ヶ月以上長いと通知として早すぎるが、1ヶ月から3ヶ月程度の間で適宜設定して良い。一方、前記残数が所定の閾値に到達した場合とは、残数が0になった時点で通知する場合も含むが、0になってから通知したのでは当該ユーザにとってはその後の水使用量を控えめにするといった調整をするべき期間もなく、契約の更新をするか否かの判断を迫られることになる。このため、通知を受けた後は契約期間の残り月数と残数とを比較してその後の利用量を調整するといった判断ができるように、残数が2以上6以下程度の範囲で閾値を設定しておき、その閾値に残数が到達した時点で通知がされるように運用するとユーザにとって好ましい。また当該ユーザへの通知を促すとは、例えば端末11bのような操作端末のディスプレイに、自動的に表示する通知として「ユーザIDaaaaa1さんの残数が4になりました。通知を行ってください」のような文章や画像を表示して、端末11bのオペレータに直に指示するものでもよい。通知を見たオペレータにより電話、郵便、個別でのメールなど任意の手段により通知がされる。また、条件に該当するユーザIDのユーザに対して、登録されたメールアドレスやショートメールアドレス、SNSのIDに対して一斉にメールやメッセージを送信するように、別途用意した通知用プログラムやサーバに対してコマンドを送信するものでもよい。
【0030】
この発明にかかる水ボトルリース契約管理装置10は、前記リース契約レコードの期間満了前に前記残数が0になり、当該ユーザIDのユーザがさらに追加する前記水ボトルの提供を希望する旨の情報を受け付けた場合、前記ユーザIDに新たな前記リース契約レコードを設定する、契約レコード追加手段23を実行する。この内容を図4の概念図とともに説明する。右向きの矢印直線は月ごとに区切られた時間経過を示す。ユーザIDがaaaaa3のデータに紐付けられて登録されたリース契約レコードXxyz1は、提供本数38本で時期MX0に契約開始である。年単位の2年契約で契約満了は時期MX5である。それぞれの四角囲いの数は前記水ボトルの残数を示しており、残数が2となった段階で期限通知補助手段22により通知が促されるように設定されており、当該ユーザへの通知は時期MX1の時点でされているものとする。結果的に契約満了のMX5よりも三ヶ月早い時期MX2の時点で残数が0となった。このリース契約レコードXxyz1のままでは、事業者は当該ユーザに対してこれ以上の水ボトルの提供ができない。そこで、契約レコード追加手段23を実行して、ユーザIDaaaaa3に紐付けられた新たなリース契約レコードXxyz2を登録し、提供本数を初期値38として、そこから提供に応じた残数の減算を行って管理を続ける。
【0031】
この発明にかかる水ボトルリース契約管理装置では個々のリース契約レコードの取り扱いは年単位であるが、前記ユーザから前記事業者への支払は月単位で設定される。従って図示しないが、ユーザ管理データベース20に登録されているユーザの住所又はメールアドレス向けに請求書を発行し、登録されている銀行口座からの引き落としやクレジットカード番号への請求処理を行う費用請求手段を実行する。これらの処理は日単位ではなく、月ごとの締めとなるタイミングで一括して行うとよい。請求額は前記リース契約レコードごとに上記した通り月単位での支払額に関する情報として設定されており、その金額を前記リース契約レコードごとに請求する。
【0032】
ただし、図4に示すように、一のリース契約レコードごとが期間の満了を待たずに残数ゼロとなり、新たなリース契約レコードを登録した場合には、請求額の扱いを変更できるようにしておく。これは、図4の時期MX2の時点で残数がゼロとなったリース契約レコードXxyz1には、時期MX3,MX4,MX5における月単位での支払額が残っており、その請求は当然に発生する一方で、リース契約レコードXxyz2による月単位での支払も発生するため、この期間MX3,MX4,MX5での支払はリース契約レコード2つ分になるという事態に対処するためである。
【0033】
月毎の請求額を固定にしたいユーザの要望に対しては、既に残数ゼロになった前のリース契約レコードであるリース契約レコードXxyz1の残存する期間分の支払額を、残数ゼロになったMX2の時点又はその翌月となるMX3の時点で、一括して前記ユーザへの請求を発生させる残存支払額一括清算手段27を実行させて、リース契約レコードXxyz1についての請求額を一括清算させてしまうとよい。この場合、MX2又はMX3の時点で一時的に請求額が跳ね上がるが、一括処理するとユーザが判断できたタイミングで請求できるため、ユーザにとっては不意の請求になることはなく、かつ、以後はリース契約レコードXxyz2の月毎の支払額のみの支払に戻るため、引き続き安定的な利用が可能になる。
【0034】
一方で、一括した高額の請求を希望しないユーザもある。そのようなユーザに対しては、前の前記リース契約レコードXxyz1の期間満了(MX5)まで、新たな前記リース契約レコードXxyz2により設定される支払額と、前の前記リース契約レコードXxyz1により設定される支払額とを、月毎に纏めて請求を発生させる残存支払額並行清算手段28を実行させて、MX3~MX5はリース契約レコード2つ分の請求を月毎に行うようにするとよい。限定的な期間のみ契約2つ分の請求が定額となり、状況を把握しているユーザにとっては請求額が上がるものの負担は分散される。
【0035】
前記リース契約レコードの期間満了の際に残数が0になっていれば、当該ユーザの希望を確認した上で、期間満了の時から新たなリース契約レコードを設定することで契約を更新し、引き続き水ボトルの供給を続ける。この契約の更新にあたっては、月額料金を同一とする同じコースのままでもよいし、使用頻度に合わせてユーザが別のコースを選択できるようにしてもよい。また、更新になったユーザに対しては、同一コースのままで水ボトルの提供本数に追加ボーナスとなる本数増加措置がされていてもよい。
【0036】
一方、図4のケースとは逆に、リース契約レコードごとの契約の期間満了の際に、残数が残っている場合も起こり得る。この場合には、一旦前のリース契約レコードを満了させるとともに、新たなリース契約レコードにおける提供本数にその残数を加算する、残存本数加算手段を実行してもよい。
【0037】
なお、前記リース契約レコードは年単位の契約であるため、基本的には年の途中での中止は扱われないが、引っ越しなどのやむにやまれぬ理由で提供を契約途中で終了させねばならない場合がある。必要経費等が月単位に分散させた支払額に含まれているので、水ボトルの提供こそ停止するものの、残存期間中に支払うはずであった費用の一部を、配達しない水ボトルの直接の費用を除外した上で一括して請求するとよい。
【符号の説明】
【0038】
10 水ボトルリース契約管理装置
11a,11b 端末
20 ユーザ管理データベース
21 残数処理手段
22 期限通知補助手段
23 契約レコード追加手段
27 残存支払額一括清算手段
28 残存支払額並行清算手段
31 処理部
32 記憶部
33 ネットワークインターフェース
図1
図2
図3
図4