(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】プリドピジンの調節放出製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/451 20060101AFI20230421BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20230421BHJP
A61K 9/22 20060101ALI20230421BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20230421BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20230421BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20230421BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20230421BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20230421BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20230421BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20230421BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20230421BHJP
A61P 25/14 20060101ALI20230421BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20230421BHJP
A61P 25/18 20060101ALI20230421BHJP
A61P 25/20 20060101ALI20230421BHJP
A61P 25/22 20060101ALI20230421BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20230421BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20230421BHJP
A61P 25/32 20060101ALI20230421BHJP
A61P 25/36 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
A61K31/451
A61K9/14
A61K9/22
A61K47/04
A61K47/10
A61K47/12
A61K47/14
A61K47/26
A61K47/32
A61K47/38
A61K47/44
A61P25/14
A61P25/16
A61P25/18
A61P25/20
A61P25/22
A61P25/24
A61P25/28
A61P25/32
A61P25/36
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019179329
(22)【出願日】2019-09-30
(62)【分割の表示】P 2016547847の分割
【原出願日】2015-01-21
【審査請求日】2019-10-28
【審判番号】
【審判請求日】2021-05-18
(32)【優先日】2014-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513051520
【氏名又は名称】プリレニア・ニューロセラピューティクス・エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】Prilenia Neurotherapeutics Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ダニエラ・リヒト
(72)【発明者】
【氏名】イオアナ・ロビンガー
(72)【発明者】
【氏名】ローラ・イェフディト・ギュイラット
(72)【発明者】
【氏名】メラブ・バッサン
【合議体】
【審判長】前田 佳与子
【審判官】鳥居 敬司
【審判官】渕野 留香
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/152105(WO,A1)
【文献】特開平9-20686(JP,A)
【文献】国際公開第01/070221(WO,A1)
【文献】特表2005-509630(JP,A)
【文献】Eur J Metab Pharmacokinet,2013,Vol.38,pp.43-51
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-31/80, A61K 9/00-9/72, A61K 47/00-47/69
CAPlus/BIOSIS/MEDLINE/EMBASE(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療上有効量のプリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩、および少なくとも1種の薬学的に許容し得る速度制御賦形剤を含む調節放出固形経口剤形であって、前記速度制御賦形剤は、硬化ヒマシ油、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)およびその混合物からなる群より選択さ
れ、前記速度制御賦形剤の総量は前記剤形の約30~約50重量%である、調節放出固形経口剤形。
【請求項2】
前記剤形が、治療上有効量のプリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩、硬化ヒマシ油またはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)および/またはエチルセルロースを含む、請求項1に記載の調節放出固形経口剤形。
【請求項3】
前記剤形が、治療上有効量のプリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩、硬化ヒマシ油、ケイ酸化微結晶セルロースとラクトースの混合物、コロイド状二酸化ケイ素およびステアリン酸マグネシウムを含む、請求項1に記載の調節放出固形経口剤形。
【請求項4】
前記剤形が、治療上有効量のプリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび/またはエチルセルロース、ケイ酸化微結晶セルロースとラクトースの混合物、コロイド状二酸化ケイ素およびステアリン酸マグネシウムを含む、請求項1に記載の調節放出固形経口剤形。
【請求項5】
前記プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩は、前記剤形の約15~約60重量%含まれる、請求項1~4のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
【請求項6】
前記プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩対前記放出速度制御賦形剤の重量比が、約0.2:1~約1:1、好ましくは約0.3:1~約0.8:1、好ましくは約0.5:1~約0.7:1である、請求項1~5のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
【請求項7】
前記プリドピジンの薬学的に許容し得る塩が塩酸塩である、請求項1~
6のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
【請求項8】
ハンチントン病、パーキンソン病、医原性および非医原性パーキンソニズム、ジスキネジア、ジストニア、トゥレット症、医原性および非医原性精神病ならびに幻覚症、統合失調症障害もしくは統合失調症様障害、気分および不安障害、躁うつ病、うつ病、強迫性疾患、睡眠障害、自閉症スペクトラム障害、ADHD、年齢に関連する認知障害、アルコールおよび麻薬として用いられる物質の中毒、アルツハイマー病またはレット症候群を患っている対象を処置するための
、請求項1~7のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
【請求項9】
前記放出速度制御賦形剤が少なくともヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)と硬化ヒマシ油の組合せである、請求項
8に記載の
調節放出固形経口剤形。
【請求項10】
前記剤形が22.5~350mgのプリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩を含む、請求項
8または9に記載の
調節放出固形経口剤形。
【請求項11】
前記固形経口剤形は、
a)前記プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量の半分、または
b)前記プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量の10%~49%
を含有する即時放出固形経口剤形を、1日2回投与した場合の平均C
maxより低い平均C
maxであるインビボ血漿プリドピジン濃度特性を示し、かつ、
前記固形経口剤形は、前記プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量の半分を含有する即時放出固形経口剤形を、1日2回投与した場合の平均AUC
tauの50~95%の平均AUC
tauであるインビボ血漿プリドピジン濃度特性を示す、請求項
8~10のいずれか1項に記載の
調節放出固形経口剤形。
【請求項12】
前記即時放出固形経口剤形の1日2回の投与が、5~10時間、6~8時間、6.5時間または7時間の投薬間隔である、請求項
11に記載の
調節放出固形経口剤形。
【請求項13】
前記固形経口剤形の投与後に前記
プリドピジンの最大血漿、血清または血液濃度を達成するのに必要とされる平均時間が2時間超である、請求項
8~12のいずれか1項に記載の
調節放出固形経口剤形。
【請求項14】
前記プリドピジンの薬学的に許容し得る塩が塩酸塩である、請求項
8~13のいずれか1項に記載の
調節放出固形経口剤形。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の参照】
【0001】
本出願は、2014年9月15日付けで出願された、米国仮出願第62/050,626号、および2014年1月22日付けで出願された、米国仮出願第61/930,358号の優先権を主張し、その全内容は、ここで参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願全体を通して、種々の刊行物は、刊行物の第一著者および刊行年により言及される。これらの刊行物についての完全な引用は、請求項の直前の参考文献と表題を付けられた節において提示される。これらの刊行物の開示は、本発明が関連する技術水準をより完全に記載するために、全体として、参照により本出願に組み込まれる。
【発明の背景】
【0003】
プリドピジン(Huntexil)は、ハンチントン病に関連する運動症状を有する患者の処置のために開発されたユニークな化合物である。その化学名は、4-(3-(メチルスルホニル)フェニル)-1-プロピルピペリジンであり、その化学登録番号は、882737-42-0(米国特許出願公開第2013-0267552(A1)号)である。プリドピジンおよびその薬学的に許容し得る塩の合成方法は、米国特許第7,923,459号において開示される。米国特許第6,903,120号は、パーキンソン病、ジスキネジア、ジストニア、トゥレット症、医原性および非医原性精神病ならびに幻覚症、気分および不安障害、睡眠障害、自閉症スペクトラム障害、ADHD、ハンチントン病、年齢に関連する認知障害、ならびにアルコール中毒および麻薬物質中毒に関連する障害の処置のためのプリドピジンを請求する。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、治療上有効量のプリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩、および少なくとも1種の薬学的に許容し得る速度制御賦形剤を含む、調節放出固形経口剤形を提供し、ここで、固形経口剤形は、約1,400ng/ml以下の平均Cmaxを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす。
【0005】
本発明はまた、治療上有効量のプリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩、および少なくとも1種の薬学的に許容し得る速度制御賦形剤を含む、調節放出固形経口剤形も提供し、ここで、固形経口剤形は、単回用量として与えられたとき、約244ng/ml~約1002ng/ml、および定常状態において与えられたとき、約244ng/ml~約1568ng/mlのCmaxを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす。
【0006】
本発明はまた、治療上有効量のプリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩、および少なくとも1種の薬学的に許容し得る速度制御賦形剤を含む、調節放出固形経口剤形も提供し、ここで、固形経口剤形は、
a)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量の半分、または
b)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量の10%~49%
を含有する、即時放出固形経口剤形の1日2回の投与からもたらされるCmaxより低い、Cmaxを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす。
【0007】
主題発明はまた、調節放出固形経口剤形、および1種以上の薬学的に許容し得る担体または賦形剤を含む、医薬製剤も提供する。
【0008】
主題発明はまた、ハンチントン病、パーキンソン病、医原性および非医原性パーキンソニズム、ジスキネジア、ジストニア、トゥレット症、医原性および非医原性精神病ならびに幻覚症、統合失調症障害もしくは統合失調症様障害、気分および不安障害、躁うつ病、うつ病、強迫性疾患、睡眠障害、自閉症スペクトラム障害、ADHD、年齢に関連する認知障害、アルコールおよび麻薬として用いられる物質の中毒、アルツハイマー病、またはレット症候群の処置において使用するための調節放出固形経口剤形あるいは医薬製剤も提供する。
【0009】
主題発明はまた、ハンチントン病、パーキンソン病、医原性および非医原性パーキンソニズム、ジスキネジア、ジストニア、トゥレット症、医原性および非医原性精神病ならびに幻覚症、統合失調症障害または統合失調症様障害、気分および不安障害、躁うつ病、うつ病、強迫性疾患、睡眠障害、自閉症スペクトラム障害、ADHD、年齢に関連する認知障害、アルコールおよび麻薬として用いられる物質の中毒、アルツハイマー病、およびレット症候群から選択される状態を患っている対象を処置する方法も提供し、ここで、方法は、調節放出固形経口剤形または医薬製剤を、それを必要とする対象に投与することを含む。
【0010】
本発明はまた、調節放出固形経口剤形または医薬製剤の1日1回の投与を含む、神経変性疾患またはドーパミンに関連する疾患を患っている個体を処置する方法も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】例1からのプリドピジン幾何的平均血漿濃度対時間。
【
図2】プリドピジン血漿レベルとΔΔQTcFの間の観察および推定関連性;直線は、集団平均予測を表す。
【
図3】剤形MR-1、MR-2、およびMR-3のインビトロ溶解率。
【
図4a】単回用量1日2回の投与後のプリドピジンの血漿濃度-時間特性、GastroPlus Method validation:シミュレーション単回用量IRプリドピジン22mg、および研究からのデータとの比較。
図4aは、シミュレーションしたデータであり、
図4bは、研究からのデータである。
【
図4b】単回用量1日2回の投与後のプリドピジンの血漿濃度-時間特性、GastroPlus Method validation:シミュレーション単回用量IRプリドピジン22mg、および研究からのデータとの比較。
図4aは、シミュレーションしたデータであり、
図4bは、研究からのデータである。
【
図5a】複数回用量の1日2回の投与後のプリドピジンの血漿濃度-時間特性:GastroPlus Method validation:1日2回、IRプリドピジン45mg後の(定常状態)薬物動態(PK)特性のシミュレーション、および研究からのデータとの比較。
図5aは、シミュレーションしたデータであり、
図5bは、研究からのデータである。
【
図5b】複数回用量の1日2回の投与後のプリドピジンの血漿濃度-時間特性:GastroPlus Method validation:1日2回、IRプリドピジン45mg後の(定常状態)薬物動態(PK)特性のシミュレーション、および研究からのデータとの比較。
図5aは、シミュレーションしたデータであり、
図5bは、研究からのデータである。
【
図6(a-b)】種々のMRおよび参照IR製剤としてのプリドピジンの経口投与後のプリドピジンの平均血漿レベル曲線、0~12時間の期間(a)、および片対数提示(b)。
【発明の詳細な説明】
【0012】
本発明は、治療上有効量のプリドピジンまたは薬学的に許容し得る塩、および少なくとも1種の薬学的に許容し得る速度制御賦形剤を含む、調節放出固形経口剤形を提供し、ここで、固形経口剤形は、約1,400ng/ml以下の平均Cmaxを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす。
【0013】
ある態様において、固形経口剤形は、約1,157ng/ml以下の平均Cmaxを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす。
【0014】
ある態様において、固形経口剤形は、約906ng/ml以下の平均Cmaxを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす。
【0015】
ある態様において、固形経口剤形は、約499ng/ml以下の平均Cmaxを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす。
【0016】
ある態様において、固形経口剤形は、単回用量投与後に測定された、約718ng/ml以下の平均Cmaxを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす。
【0017】
ある態様において、固形経口剤形は、単回用量投与後に測定された、約486ng/ml以下の平均Cmaxを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす。
【0018】
ある態様において、固形経口剤形は、単回用量投与後に測定された、約327ng/ml以下の平均Cmaxを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす。
【0019】
ある態様において、固形経口剤形は、Cmax約382ng/ml~約1,568ng/mlを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす。
【0020】
ある態様において、固形経口剤形は、Cmax約244ng/ml~約1,002ng/mlを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす。別の態様において、固形経口剤形は、Cmax244ng/ml~813ng/mlを有するインビボ血漿特性をもたらす。別の態様において、固形経口剤形は、Cmax493ng/ml~1,002ng/mlを有するインビボ血漿特性をもたらす。ある態様において、固形経口剤形は、Cmax324ng/ml~813ng/mlを有するインビボ血漿特性をもたらす。ある態様において、固形経口剤形は、Cmax871ng/ml~1,568ng/mlを有するインビボ血漿特性をもたらす。
【0021】
ある態様において、固形経口剤形は、Cmax382ng/ml~1,287ng/mlを有するインビボ血漿特性をもたらす。
【0022】
ある態様において、固形経口剤形は、Cmax639ng/ml~1,287ng/mlを有するインビボ血漿特性をもたらす。
【0023】
ある態様において、平均AUCtauは、約5,253ng・h/ml以上である。別の態様において、平均AUCtauは、約7,178ng・h/ml以上である。別の態様において、平均AUCtauは、約14,185ng・h/ml以上である。別の態様において、平均AUCtauは、約18,065ng・h/ml以上である。
【0024】
ある態様において、AUC0-infは、約2,249ng・h/ml以上である。別の態様において、平均AUC0-infは、約5,043ng・h/ml以上である。別の態様において、平均AUC0-infは、約7,897ng・h/ml以上である。別の態様において、平均AUC0-infは、約13,594ng・h/ml以上である。
【0025】
ある態様において、剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩約22.5mg~約350mgを含む。別の態様において、剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩約45mg~約300mgを含む。
【0026】
別の態様において、剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩約90~約250mgを含む。別の態様において、剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩少なくとも約90mgを含む。別の態様において、剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩少なくとも約100mgを含む。別の態様において、剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩少なくとも約125mgを含む。別の態様において、剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩少なくとも約135mgを含む。別の態様において、剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩少なくとも約150mgを含む。別の態様において、剤形は、少なくとも約180mgプリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩、またはそれ以上を含む。別の態様において、剤形は、少なくとも約200mgプリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩、またはそれ以上を含む。別の態様において、剤形は、少なくとも約225mgプリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩、またはそれ以上を含む。ある態様において、剤形は、少なくとも約250mgプリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩、またはそれ以上を含む。別の態様において、剤形は、少なくとも約315mgプリドピジンもしくは薬学的に許容し得る塩、またはそれ以上を含む。別の態様において、剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩約90mgを含む。別の態様において、剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩約100mgを含む。別の態様において、剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩約125mgを含む。別の態様において、剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩約135mgを含む。別の態様において、剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩約150mgを含む。
【0027】
別の態様において、剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩約180mgを含む。別の態様において、剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩約200mgを含む。別の態様において、剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩約225mgを含む。別の態様において、剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩約250mgを含む。別の態様において、剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩約315mgを含む。
【0028】
ある態様において、インビボ血漿特性は、定常状態において測定される。
【0029】
ある態様において、インビボ血漿特性は、単回用量投与後に測定される。
【0030】
本発明はまた、治療上有効量のプリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩、および少なくとも1種の薬学的に許容し得る速度制御賦形剤を含む、調節放出固形経口剤形も提供し、ここで、固形経口剤形は、
a)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量の半分、または
b)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量の10%~49%
を含有する、即時放出固形経口剤形の1日2回の投与からもたらされるCmaxより低い、平均Cmaxを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす。
【0031】
ある態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン45mgより多い。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約90mgであり、即時放出剤形は、プリドピジン約45mgを含有する。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約100mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約45mgを含有する。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約125mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約45mgを含有する。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約135mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約45mgを含有する。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約135mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約67.5mgを含有する。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約150mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約45mgを含有する。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約150mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約67.5mgを含有する。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約180mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約45mgを含有する。
【0032】
別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約180mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約67.5mgを含有する。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約180mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約90mgを含有する。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約200mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約45mgを含有する。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約200mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約67.5mgを含有する。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約200mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約90mgを含有する。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約225mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約45mgを含有する。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約225mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約67.5mgを含有する。
【0033】
別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約225mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約90mgを含有する。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約225mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約112.5mgを含有する。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約250mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約45mgを含有する。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約250mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約67.5mgを含有する。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約250mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約90mgを含有する。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約250mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約112.5mgを含有する。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約315mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約45mgを含有する。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約315mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約67.5mgを含有する。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約315mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約90mgを含有する。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約315mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約112.5mgを含有する。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、プリドピジン少なくとも約315mgであり、即時放出固形経口剤形は、プリドピジン約157.5mgを含有する。
【0034】
別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、約90mgである。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、約100mgである。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、約125mgである。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、約135mgである。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、約150mgである。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、約180mgである。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、約200mgである。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、約225mgである。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、約250mgである。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量は、約315mgである。
【0035】
ある態様において、固形経口剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量の半分を含有する即時放出固形経口剤形の1日2回の投与によりもたらされる平均AUCtauの少なくとも約50%である、平均AUCtauを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす。別の態様において、固形経口剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量の半分を含有する即時放出固形経口剤形の1日2回の投与によりもたらされる平均AUCtauの少なくとも約60%である、平均AUCtauを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす。別の態様において、固形経口剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量の半分を含有する即時放出固形経口剤形の1日2回の投与によりもたらされる平均AUCtauの少なくとも約70%である、平均AUCtauを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす。別の態様において、固形経口剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量の半分を含有する即時放出固形経口剤形の1日2回の投与によりもたらされる平均AUCtauの少なくとも約80%である、平均AUCtauを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす。別の態様において、固形経口剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量の半分を含有する即時放出固形経口剤形の1日2回の投与によりもたらされる平均AUCtauの少なくとも約90%である、平均AUCtauを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす。別の態様において、固形経口剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量の半分を含有する即時放出固形経口剤形の1日2回の投与によりもたらされる平均AUCtauの少なくとも約95%である、平均AUCtauを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす。
【0036】
ある態様において、即時放出固形経口剤形の1日2回の投与は、5~10時間の投薬間の時間間隔を有する。別の態様において、即時放出固形経口剤形の1日2回の投与は、6~8時間の投薬間の時間間隔を有する。別の態様において、即時放出固形経口剤形の1日2回の投与は、6.5時間の投薬間の時間間隔を有する。別の態様において、即時放出固形経口剤形の1日2回の投与は、7時間の投薬間の時間間隔を有する。
【0037】
ある態様において、固形経口剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量の半分を含有する即時放出剤形の1日2回の投与から生じる平均Cmaxと比較して百分率で低減される、平均Cmaxを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらし、ここで、百分率は少なくとも5%である。別の態様において、百分率は少なくとも10%である。別の態様において、百分率は少なくとも20%である。別の態様において、百分率は少なくとも30%である。別の態様において、百分率は少なくとも40%である。別の態様において、百分率は少なくとも50%である。別の態様において、百分率は少なくとも60%である。別の態様において、百分率は少なくとも70%である。別の態様において、百分率は、10%~60%である。別の態様において、百分率は、20%~50%である。別の態様において、百分率は約25%である。別の態様において、百分率は約35%である。別の態様において、百分率は約50%である。
【0038】
ある態様において、薬物の投与後、薬物の最大血漿、血清、または血液濃度に至るのに必要とされる平均時間は、2時間より長い。別の態様において、薬物の投与後、薬物の最大血漿、血清、または血液濃度に至るのに必要とされる平均時間は、4時間より長い。
【0039】
ある態様において、プリドピジンの薬学的に許容し得る塩は、塩酸塩である。
【0040】
別の態様において、インビボ血漿特性は、定常状態において測定される。
【0041】
ある態様において、インビボ血漿特性は、単回用量投与後に測定される。
【0042】
ある態様において、固形経口剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量の半分を含有する即時放出固形経口剤形の1日2回の投与によりもたらされる平均AUC0-infの少なくとも約50%である、平均AUC0-infを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす。
【0043】
ある態様において、固形経口剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量の半分を含有する即時放出固形経口剤形の1日2回の投与によりもたらされる平均AUC0-infの少なくとも約55%である、平均AUC0-infを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす。
【0044】
ある態様において、固形経口剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量の半分を含有する即時放出固形経口剤形の1日2回の投与によりもたらされる平均AUC0-infの少なくとも約75%である、平均AUC0-infを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす。
【0045】
ある態様において、固形経口剤形は、1分間当たり100回転で回転させながら37℃の温度において、0.1N HCl 500mL中、バスケット型装置に置かれたとき、1時間後にプリドピジンの50%以下を放出する。ある態様において、固形経口剤形は、1分間当たり100回転で回転させながら37℃の温度において、0.1N HCl 500mL中、120分間、次に、pH6.8を有するリン酸緩衝液中、12時間、バスケット型装置に置かれたとき、3時間後にプリドピジンの75%以下を放出する。別の態様において、固形経口剤形は、1分間当たり100回転で回転させながら37℃の温度において、0.1N HCl 500mL中、120分間、次に、pH6.8を有するリン酸緩衝液中、12時間、バスケット型装置に置かれたとき、10時間後にプリドピジンの80%以上を放出する。別の態様において、固形経口剤形は、1分間当たり100回転で回転させながら37℃の温度において、0.1N HCl 500mL中、120分間、次に、pH6.8を有するリン酸緩衝液中、12時間、バスケット型装置に置かれたとき、2時間後にプリドピジンの30%以下を放出する。別の態様において、固形経口剤形は、1分間当たり100回転で回転させながら37℃の温度において、0.1N HCl 500mL中、120分間、次に、pH6.8を有するリン酸緩衝液中、12時間、バスケット型装置に置かれたとき、4時間後にプリドピジンの50%以下を放出する。別の態様において、固形経口剤形は、1分間当たり100回転で回転させながら37℃の温度において、0.1N HCl 500mL中、120分間、次に、pH6.8を有するリン酸緩衝液中、12時間、バスケット型装置に置かれたとき、6時間後にプリドピジンの65%以下を放出する。別の態様において、固形経口剤形は、1分間当たり100回転で回転させながら37℃の温度において、0.1N HCl 500mL中、120分間、次に、pH6.8を有するリン酸緩衝液中、12時間、バスケット型装置に置かれたとき、12時間後にプリドピジンの75%以上を放出する。
【0046】
ある態様において、剤形は、カプセル剤の形態である。別の態様において、剤形は、錠剤の形態である。
【0047】
ある態様において、速度制御賦形剤は重合材料(polymeric material)である。
【0048】
ある態様において、重合体(polymer)は、疎水性または親水性であり得る。ある態様において、重合材料は、硬化ヒマシ油、ポリエチレンオキシド、エチルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール重合体、ポリクリレート、ポリメタクリレート、エチルアクリレート-メチルメタクリレート共重合体、モノステアリン酸グリセリン、およびその混合物からなる群より選択される。
【0049】
ある態様において、速度制御賦形剤は、2種以上の重合材料の組み合わせであり、好ましくは、ここで、速度制御賦形剤は、少なくともヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)と硬化ヒマシ油の混合物である。
【0050】
ある態様において、重合材料はヒドロキシプロピルメチルセルロースである。別の態様において、重合材料は硬化ヒマシ油である。
【0051】
ある態様において、速度制御賦形剤の総量は、剤形の総重量の約8%~約70%、剤形の総重量の約10%~約50%、または剤形の総重量の約20%~約50%、剤形の総重量の約30%~約50%もしくは約30%~約40%である。
【0052】
ある態様において、重合材料は、固形経口投薬形態の10~50重量%である。
【0053】
ある態様において、重合材料は、固形経口投薬形態の20~50重量%である。別の態様において、重合材料は、固形経口投薬形態の30~50重量%である。別の態様において、重合材料は、固形経口投薬形態の30~40重量%である。別の態様において、重合材料は、固形経口投薬形態の35~40重量%である。別の態様において、重合材料は、固形経口投薬形態の少なくとも10重量%である。別の態様において、重合材料は、固形経口投薬形態の少なくとも20重量%である。別の態様において、重合材料は、固形経口投薬形態の少なくとも25重量%である。別の態様において、重合材料は、固形経口投薬形態の少なくとも30重量%である。別の態様において、重合材料は、固形経口投薬形態の少なくとも35重量%である。別の態様において、重合材料は、固形経口投薬形態の少なくとも40重量%である。別の態様において、重合材料は、固形経口投薬形態の約37重量%である。別の態様において、重合材料は、固形経口投薬形態の約38重量%である。別の態様において、重合材料は、固形経口投薬形態の約40重量%である。
【0054】
ある態様において、調節放出固形経口剤形は、エチルセルロースをさらに含む。
【0055】
ある態様において、エチルセルロースの総量は、剤形の総重量の約0.5%~約10%、剤形の総重量の約0.5%~約7.2%、剤形の総重量の約1.0%~約5%、剤形の総重量の約1.0%~約3.0%、剤形の総重量の約1.5%~約3.0%、または剤形の総重量の約1.5%~約2.4%である。
【0056】
別の態様において、エチルセルロースは、固形経口投薬形態の約1.5重量%である。ある態様において、エチルセルロースは、固形経口投薬形態の約3.0重量%または約2.4重量%である。
【0057】
別の態様において、重合材料はヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、ここで、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、固形経口投薬形態の約38重量%である。
【0058】
ある態様において、重合材料は硬化ヒマシ油であり、ここで、硬化ヒマシ油は、固形経口投薬形態の約38重量%である。
【0059】
ある態様において、重合材料はヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、ここで、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、固形経口投薬形態の約37重量%であり、ここで、エチルセルロースは、固形経口投薬形態の約1.5%~約3.0重量%である。
【0060】
ある態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩対速度制御賦形剤の比は、約0.2:1~約1:1であり、好ましくは、約0.3:1~約0.8:1であり、より好ましくは、約0.5:1~約0.7:1である。
【0061】
ある態様において、調節放出固形経口剤形は、粘膜付着剤をさらに含む。
【0062】
ある態様において、粘膜付着剤は、水溶性または水不溶性親水性重合体、膨潤性ネットワークを有する重合体、ヒドロゲル、および他の重合体または粘膜と架橋結合することができる基を有する重合体からなる群より選択され、好ましくは、粘膜付着剤はポリエチレンオキシドである。
【0063】
ある態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩は、剤形の約15~約60重量%含まれる。別の態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩は、剤形の約25%~約50重量%含まれる。
【0064】
ある態様において、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩は、剤形の約25重量%含まれる。
【0065】
主題発明はまた、調節放出固形経口剤形、および1種以上の薬学的に許容し得る担体または賦形剤を含む医薬製剤も提供する。
【0066】
ある態様において、薬学的に許容し得る担体または賦形剤は、結合剤、充填剤、可塑剤、滑剤、および滑沢剤、ならびにその混合物からなる群より選択される。
【0067】
ある態様において、結合剤は、デンプン、アルファ化デンプン、ポリエチレンオキシド、セルロース重合体、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、およびその混合物からなる群より選択される。
【0068】
ある態様において、充填剤は、微結晶セルロース、糖球(sugar sphere)、ラクトース、ソルビトール、デキストロース、スクロース、マンニトール、第2または第3リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、デンプン、retalac(登録商標)、およびその混合物からなる群より選択される。
【0069】
ある態様において、充填剤は、微結晶セルロースであり、ケイ酸化微結晶セルロースである。
【0070】
ある態様において、充填剤はラクトースである。別の態様において、充填剤は、微結晶セルロースとラクトースの混合物であり、ここで、微結晶セルロースはケイ酸化微結晶セルロースである。
【0071】
ある態様において、充填剤は、固形経口投薬形態の5~約64重量%、固形経口投薬形態の10~約50重量%、固形経口投薬形態の15~約45重量%、固形経口投薬形態の20~40重量%、固形経口投薬形態の約34重量%、固形経口投薬形態の約16重量%、固形経口投薬形態の約17重量%、または固形経口投薬形態の約18重量%である。
【0072】
ある態様において、充填剤は、ケイ酸化微結晶セルロースとラクトースの混合物であり、ここで、ケイ酸化微結晶セルロースは、固形経口投薬形態の約16重量%であり、ラクトースは、固形経口投薬形態の約17重量%または約18重量%である。ある態様において、可塑剤は、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、グリセリン、セバシン酸ジブチル、トリアセチン、フタル酸ジエチル、およびその混合物からなる群より選択される。
【0073】
ある態様において、滑剤は、デンプン、アルファ化デンプン、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、およびその混合物からなる群より選択される。
【0074】
ある態様において、滑剤はコロイド状二酸化ケイ素である。
【0075】
ある態様において、滑剤は、固形経口投薬形態の0.2~約4重量%、固形経口投薬形態の0.4~約3重量%、または固形経口投薬形態の0.43~約2.0重量%である。
【0076】
ある態様において、滑剤は、固形経口投薬形態の1.7~約4重量%、固形経口投薬形態の1.7~約3重量%、固形経口投薬形態の1.7~約2.0重量%、固形経口投薬形態の1.7~1.8重量%、固形経口投薬形態の約1.7重量%、または固形経口投薬形態の約1.8重量%である。
【0077】
ある態様において、滑沢剤は、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、タルク、ベヘン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリン、およびその混合物からなる群より選択される。
【0078】
ある態様において、滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。
【0079】
ある態様において、滑沢剤は、固形経口投薬形態の0.3~約4重量%、固形経口投薬形態の0.5~約3重量%、または固形経口投薬形態の1.1~約2.0重量%である。
【0080】
ある態様において、滑沢剤は、固形経口投薬形態の1.7~約4重量%、固形経口投薬形態の1.7~約3重量%、固形経口投薬形態の1.7~約2.3重量%、固形経口投薬形態の1.8~約2.2重量%、または固形経口投薬形態の約2重量%である。
【0081】
主題発明はまた、ハンチントン病、パーキンソン病、医原性および非医原性パーキンソニズム、ジスキネジア、ジストニア、トゥレット症、医原性および非医原性精神病ならびに幻覚症、統合失調症障害もしくは統合失調症様障害、気分および不安障害、躁うつ病、うつ病、強迫性疾患、睡眠障害、自閉症スペクトラム障害、ADHD、年齢に関連する認知障害、アルコールおよび麻薬として用いられる物質の中毒、アルツハイマー病、またはレット症候群の処置において用いるための、調節放出固形経口剤形または医薬製剤も提供する。
【0082】
主題発明はまた、ハンチントン病、パーキンソン病、医原性および非医原性パーキンソニズム、ジスキネジア、ジストニア、トゥレット症、医原性および非医原性精神病ならびに幻覚症、統合失調症障害または統合失調症様障害、気分および不安障害、躁うつ病、うつ病、強迫性疾患、睡眠障害、自閉症スペクトラム障害、ADHD、年齢に関連する認知障害、アルコールおよび麻薬として用いられる物質の中毒、アルツハイマー病、ならびにレット症候群から選択される状態を患っている対象を処置する方法を提供し、ここで、方法は、調節放出固形経口剤形または医薬製剤を、それを必要とする対象に投与することを含む。
【0083】
ある態様において、2回用量の調節放出固形経口剤形または医薬製剤が個体に投与され、2回用量間の間隔は、約24時間である。
【0084】
ある態様において、対象はヒト患者である。
【0085】
ある態様において、剤形は、次の、定常状態におけるインビボ血漿プリドピジン濃度特性、Cmax約499ng/ml~約1400ng/ml、平均Cmax約499ng/ml~約1157ng/ml、または平均Cmax約906ng/ml~約1157ng/mlを有する。本発明はまた、調節放出固形経口剤形または医薬製剤の1日1回の投与を含む、神経変性疾患またはドーパミンに関連する疾患を患っている個体を処置する方法も提供する。
【0086】
ある態様において、調節放出固形経口剤形または医薬製剤は、1日1回の投与に適合される。
【0087】
前述の態様について、ここで開示されるそれぞれの態様は、他の開示される態様のそれぞれに適用可能であると考えられる。加えて、医薬組成物態様において列挙される構成要件は、ここで記載される方法および使用態様において用いられ得る。
用語
ここで用いられる、用語「C」は、生物学的試料、たとえば患者血清(たとえば、血液、血漿、血清、および脳脊髄液)における、薬物、たとえばプリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の投与後の活性な医薬成分または薬物の血漿/血清/血液濃度を指す。生物学的試料における薬物の濃度は、当該技術分野において公知の任意の標準的アッセイ方法により決定されてもよい。用語Cは、Cmin、Cmax、およびCss(平均値定常状態濃度)のような濃度測定値を含み、PKパラメーター、たとえばAUCの計算を可能にする。典型的には、用語Cは、血漿、血清、または血液濃度を指す。
【0088】
ここで用いられる、定常状態は、それぞれの投薬間隔において排泄される薬物の量が、その間隔についての用量に等しい、状況を指す。ある態様において、ここで用いられる定常状態投与は、7日後に達成される。ある態様において、ここで用いられる定常状態投与は、9日後に達成される。ある態様において、ここで用いられる定常状態投与は、14日後に達成される。
【0089】
ここで用いられる、用語「Cmax」は、薬物、たとえばプリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の投与後の、薬物の最大血漿、血清、または血液濃度を指す。定常状態において測定されるCmaxは、Cmax、ssとしてときに言及される。「平均Cmax」、「Cmax、ss」、および「平均Cmax0-t」は、患者の試料において測定されるそれぞれのCmaxの平均である。ある態様において、患者の試料は、4人の患者、またはそれ以上の患者のものを含む。好ましくは、試料は、10人の患者、またはそれ以上の患者のものを含むべきである。
【0090】
ここで用いられる、用語「Cmin」は、薬物、たとえばプリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の投与後の、薬物の最小血漿、血清、または血液濃度を指す。定常状態において測定されるCminは、Cmin、ssとしてときに言及される。
【0091】
ここで用いられる、用語「Tmax」は、薬物、たとえばプリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の投与後の、薬物の最大血漿、血清、または血液濃度(「Cmax」)に至るのに必要とされる時間を指す。定常状態において測定されるTmaxは、Tmax、ssとしてときに言及される。
【0092】
ここで用いられる、用語「AUC」は、血漿、血清、または血液濃度対時間曲線下面積を指す。
【0093】
ここで用いられる、用語「AUCt」、および「AUC0-t」は、血漿、血清、または血液濃度対時間曲線下面積を指し、ここで、tは、最後の測定される時点を指す。
【0094】
ここで用いられる、用語「AUCinf」、「AUC0-inf」、「AUC∞」、「AUC0-∞」、およびAUCinfinityは、無限外挿された血漿、血清、または血液濃度対時間曲線下面積を指す。
【0095】
ここで用いられる、用語「AUCtau」、および「AUC0-tau」は、薬物、たとえばプリドピジンまたは薬学的に許容し得る塩の投与後、1回の投薬間隔に渡る薬物の、血漿、血清、または血液濃度対時間曲線についての曲線下面積を指す。曲線下面積は、時間tauについて計算され、ここで、tauは、投薬間隔の長さである。用語AUCtau、ssは、定常状態における投薬間隔に渡る曝露を測定する。ここで用いられる、tauは24時間間隔であり、これは、薬物が1日2回投与される場合を含む。「平均AUC」、「平均AUCt」、「平均AUC0-t」、「平均AUCinf」、「平均AUCtau」、および「平均AUC0-tau」は、患者の試料において測定されるそれぞれのAUCの平均である。ある態様において、患者の試料は、4人の患者、またはそれ以上の患者のものを含む。好ましくは、試料は、10人の患者、またはそれ以上のを含むべきである。
【0096】
ここで用いられる、「単回用量」投与は、薬物が、1日1回(qd)または1日に2回(bid)のいずれか、24時間間隔に渡り投与されることを意味する。
【0097】
ここで用いられる、用語「即時放出」、または「IR」は、剤形(錠剤、カプセル剤、ペレット剤など)からの、薬物、たとえばプリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の身体における逸出または放出が、投与後直ちにまたはまもなく、通常、数分~数時間で生じることを意味する。たとえば薬物の80%は、最初の1時間に渡り溶解されてもよい。薬物は、1回の作用で放出され、薬物の作用の時間は、しばしば制限される。
【0098】
ここで用いられる、用語「調節放出」、または「MR」は、剤形(錠剤、カプセル剤、ペレット剤など)からの、薬物、たとえばプリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の逸出または放出が、放出速度が非調節または即時放出剤形におけるものより遅いように、調節されていることを意味する。薬物放出は、投与後の時間におけるポイントで、または投与後延長された期間、または身体における特異的な標的に対して生じる。薬物放出は、薬物の治療上有効な血漿濃度を維持するために、数時間に渡りまたは数日に渡り生じてもよい。調節放出は、遅延放出(投与後直ち以外の時間における放出)、延長放出(延長された期間に渡る放出)、持続放出(薬物放出の速度がある期間に渡り持続される)、および制御放出(薬物放出の速度が、身体における特定の薬物濃度特性を得るように制御される)を包含する。
【0099】
ここで用いられる、より遅い溶解特性は、剤形からの薬物の逸出または放出がより遅い、すなわち、より速い溶解特性よりも遅い溶解特性においては薬物が放出されるのにより時間がかかる。
【0100】
ここで用いられる、用語「速度制御賦形剤」は、剤形、たとえばプリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩からの薬物放出の速度を低減するのに十分な量で存在する、賦形剤または賦形剤の組み合わせを指す。速度制御賦形剤またはその組み合わせは、剤形からの薬物放出の速度を制御する。
【0101】
ここで用いられる、用語「少なくとも1種の薬学的に許容し得る速度制御賦形剤」または「1種以上の薬学的に許容し得る速度制御賦形剤」は、剤形における1、2、3、4種以上の速度制御賦形剤の存在を指す。
【0102】
ここで用いられる、用語「プリドピジン」は、プリドピジン遊離塩基を指す。ある特定の態様において、プリドピジンはまた、任意の薬学的に許容し得る塩、たとえばHCl塩も含む。好ましくは、ここで記載される本発明の任意の態様において、プリドピジンは、その塩酸塩の形態にある。
【0103】
ここで用いられる、ミリグラムで測定されるプリドピジンの「量」または「用量」は、調製物の形態に関わらず、調製物に存在するプリドピジン塩基のミリグラムを指す。「プリドピジン90mg」の投薬は、調製物中のプリドピジン塩基の量が、調製物の形態に関わらず、90mgであることを意味する。従って、塩の形態にあるとき、たとえばプリドピジン塩酸塩であるとき、プリドピジン90mgの用量をもたらすのに必須の塩形態の重量は、付加塩イオンの存在に起因して、プリドピジンmgより多いだろう。
【0104】
ここで用いられる、「単位用量」、「単位用量(複数)」、および「単位剤形(複数を含む)」は、1回の薬物投与実体/実体(複数)を意味する。
【0105】
ここで用いられる、数値または範囲の文脈における「約」は、列挙される、または主張される数値または範囲の±10%を意味する。
【0106】
ここで用いられる、用語「1日1回」は、24時間毎に1回用量を投与することを意味する。ここで用いられる、用語「QD」は、1日1回の投与を指す。
【0107】
ここで用いられる、剤形の総重量への言及は、錠剤の総重量(任意の仕上げコートを含む)を指し、カプセル剤の場合においては、カプセル自体の重量を除く、カプセル剤内容物の総重量を指す。
【0108】
ここで用いられる、用語「バイオアベイラビリティ」は、有効な医薬成分が、剤形から吸収され、作用の部位において利用可能となる、速度および程度を指す。
【0109】
薬物動態パラメーター、またはかかるパラメーターの組み合わせは、有効な医薬成分、たとえば、プリドピジンまたは薬学的に許容し得る塩の投与後のプリドピジンのバイオアベイラビリティを示す。かかる薬物動態パラメーターは、当業者に公知である。かかるパラメーターの例は、Cmax、AUC、AUCtau、およびTmaxを含む。
【0110】
本発明の剤形は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩が、即時放出(IR)製剤についてのものより遅い、インビトロ溶解特性を有するように、製剤化される。本発明の剤形は、即時放出、持続もしくは延長放出、または遅延放出成分、あるいはその組み合わせを含有していてもよい。
【0111】
本発明の固形経口剤形におけるプリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩は、即時放出(IR)成分を含む、または含まない、調節放出形態、たとえば調節、制御、または延長放出(ER)形態においてもたらされ得る。
【0112】
調節放出剤形は、それに限定されるものではないが、、コーティングまたはマトリックスを通じた拡散により、あるいはたとえば、特定の状態、たとえば酵素の存在、または特定のpHに依存した方法によるマトリックスまたはコーティングの浸食により、薬物の放出を制御する、(拡散もしくは溶媒和により)薬物を外に出すための小さい穴を有する錠剤またはカプセル剤周囲の非溶解コーティングを含む、遅い溶解マトリックスまたはコーティングを含む、最も薄いものが、薬物をまず放出し、最も厚いものが最後に放出するような、異なる厚さのペレット剤を作ることにより作られ得る。調節放出剤形は、非調節または即時放出剤形に存在する量より多い量の薬物を有する。
【0113】
本発明の固形経口剤形は、プリドピジンの全ての薬学的に許容し得る塩を含む。好ましくは、プリドピジンは、その塩酸塩形態にある。
【0114】
本発明の調節放出固形経口剤形は、1つの単位剤形における投与に適している。本発明の目的のための経口剤形は、コーティングされたまたはコーティングされていない、カプセル剤、錠剤、ペレット剤、顆粒剤、粉剤、およびその組み合わせを含む。任意に、剤形がカプセル剤であるなら、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩は、コーティングされたまたはコーティングされていない、ペレット剤、顆粒剤、粉剤、ミニ錠剤、錠剤、またはカプセル剤の形態でもたらされる。
【0115】
ここで用いられる、「重合材料」は、任意の重合体を含む。任意の適切な重合材料は、ここで提示される教示に従い用いられてもよい。重合材料は、任意の適切な形であってもよく、任意の適切な形態をとってもよい。
【0116】
本発明の剤形は、剤形が、身体において放出されるべき全てのプリドピジンにとって十分に長く、身体において残存するように、身体を通じた剤形の通過を遅延させるための粘膜付着剤を含んでいてもよい。
【0117】
本発明の固形経口剤形は、1種以上の粘膜付着剤をさらに含み得る。粘膜付着剤は、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩が身体において放出されるように、剤形が、投与間の間隔中、身体内部にあるように、身体を通じた剤形の通過を遅延させる。粘膜付着剤は、界面張力により、延長期間、生物学的組織に付着する物質である。生物学的組織は粘膜である。粘膜付着剤が、粘膜付着剤表面の湿潤により、または粘膜付着剤の膨潤から膜に接触し、付着するとき、粘膜付着は生じる。粘膜付着剤が、膜表面の隙間に浸透するとき、または粘膜付着剤の鎖が、膜上の粘膜のものと相互作用するとき、付着がさらに生じる。適切な粘膜付着剤は、水溶性または水不溶性親水性重合体、膨潤性ネットワークを有する重合体、ヒドロゲル、および他の重合体とまたは粘膜と架橋結合することができる基を有する重合体である、重合体である。
【0118】
本発明の調節放出固形経口剤形は、少なくとも1種の粘膜付着剤を、即時放出成分と共にまたは即時放出成分なしで含み得る。たとえば、本発明の剤形は、少なくとも1種の粘膜付着剤を、延長放出成分のみと共に含み得る。
【0119】
ケイ酸化微結晶セルロースは、この賦形剤の任意の市販の形態、たとえばProsolv(登録商標)SMCC 90であってもよい。
【0120】
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)は、この親水性担体の任意の市販の形態、たとえばMethocel(商標)K100 Premium CR、Methocel DC2、Benecel ME 233Pであってもよい。
【0121】
スプレードライ(SD)ラクトース、ラクトース無水物、およびラクトース一水和物は、本発明を通して、互いに交換可能に用いられてもよい。
【0122】
コロイド状二酸化ケイ素(CSD)は、ケイ素化合物、たとえば四塩化ケイ素の気相加水分解により一般的に調製された、フュームドシリカである。製品自体は、通常、粉末であり、Degussa、Inc.(商標名Aerosil(登録商標)の下)、Cabot Corporation(商標名Cab-O-Silの下)、Huber Engineered Materials(Huber GL100およびGL200)、Wacker(Wacker HDK(登録商標))、ならびにE.I. DuPont & Co.を含む、多数の供給元から市販される。コロイド状二酸化ケイ素は、コロイド状シリカ、フュームドシリカ、軽質無水ケイ酸、無水ケイ酸、およびフュームド二酸化ケイ素などとしても公知である。様々な市販の等級のCSDが、製造方法を変えることにより作られる。
【0123】
エチルセルロースは、分散液の形態の製剤、たとえばSurelease(登録商標)に加えられてもよい。
【0124】
アルファ化デンプンは、この物質の任意の市販の形態、たとえばStarch 1500(登録商標)であってもよい。
【0125】
LubriTose(商標)は、ラクトース、加えて2%~10%モノステアリン酸グリセリン(GMS)であり、LubriTose(商標)Yellowは、10%GMSを含有し、LubriTose(商標)blueは、2%GMSを含有する。
【0126】
錠剤は、適切な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、香味剤、流動誘導剤、融解剤、および可塑剤を含有してもよい。たとえば、錠剤またはカプセル剤の投薬単位形態の経口投与のため、有効な薬物成分は、経口の、非毒性、薬学的に許容し得る、不活性な担体、たとえばキシロース、ゼラチン、寒天、デンプン、メチルセルロース、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトール、微結晶セルロースなどと組み合わされ得る。適切な結合剤は、デンプン、ゼラチン、天然の糖、たとえばコーンスターチ、天然および合成ガム、たとえばアカシア、トラガカント、またはアルギン酸ナトリウム、ポビドン、ポリビドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどを含む。これらの剤形において用いられる滑剤は、二酸化ケイ素などを含む。これらの剤形において用いられる滑沢剤は、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、タルクなどを含む。崩壊剤は、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウムなどを含むが、これらに限定されず、適切な可塑剤は、トリアセチン、クエン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、ポリエチレングリコールなどを含む。
【0127】
本発明の調節放出固形経口剤形は、1種以上の薬学的に許容し得る担体または賦形剤をさらに含んでもよい。
【0128】
薬学的な許容し得る賦形剤の例は、充填剤、結合剤、滑剤、可塑剤、および滑沢剤である。
【0129】
本発明による錠剤は、薬製剤の産業において周知である、従来の混合、粉砕、および成形技術により調製され得る。調節放出錠剤は、たとえば、回転式成形圧縮、射出または圧縮造型に合わせたパンチおよび鋳型による直接圧縮、湿潤造粒の乾燥、続いて、圧縮、またはペーストの形成、およびペーストの型への押し出し、もしくは押し出されたものの短い長さへの切断により、得られてもよい。好ましくは、錠剤を調製するために用いられる方法は、ブレンドの直接圧縮である。
【0130】
圧縮は、通常の装置を用いて成され得る。典型的には、賦形剤との、またはそれを含まない有効成分のブレンドは、圧縮のための回転装置を通される。しかしながら、API混合物を圧縮する他の手段、たとえばスラッグへの圧縮(または「スラッギング」)が用いられてもよい。
【0131】
所望の調節放出速度を達成するために、調節放出剤形は、重合体コーティングまたはマトリックスとして製剤化されてもよい。
【0132】
USP #1装置(バスケット)は、United States Pharmacopeia、29編、711章に記載される、装置1である。装置は、次の通り構築されてもよい。
【0133】
アッセンブリーは以下で構成される。ガラスもしくは他の不活性な、透明な素材でできた被覆管、モーター、金属製ドライブシャフト、円柱状のカゴ。管は任意の使い勝手の良いサイズの適切なウォーターバスに部分的に浸されるか、またはヒーティングジャケット内に設置される。ウォーターバスまたはヒーティングジャケットは試験中、管の内側の温度を37±0.5に維持し、バス液体は一定に、滑らかな動きに保たれる。滑らかに回転している攪拌エレメントのおかげで、アッセンブリーが設置された環境を含めてアッセンブリーのどこをとっても、重要な動作、攪拌、または振動はそれを超えない。試験中、検体および攪拌エレメントの観察ができる装置が好ましい。管は円柱状であり、半円球状の底と以下の寸法と容積の1つを満たしている:公称容量は1L、高さは、160mm~210mmであり、その内径は、98mm~106mm;公称容量は2L、高さは、280mm~300mmであり、その内径は、98mm~106mm;公称容量は4Lであり、高さは、280mm~300mmであり、その内径は、145mm~155mm。その側部は先端はフランジ状である。蒸発を遅らせるためにサイズの合ったカバーが用いられてもよい。シャフトは、その軸がどの部位においても管の垂直軸から2mmを超えず、有意にぐらつきを起こさず滑らかに回転するよう設置される。個々のモノグラフで明記した速度の±4%以内にシャフトの回転速度が選択され、維持できるように速度制御装置が用いられる。攪拌エレメントのシャフトとカゴの素性は加工されたステンレススチール316、または均等物である。
【0134】
個々のモノグラフで明記しない限り、40メッシュの布を用いる。0.0001インチ(2.5μm)厚の金でコートされたカゴを用いる。投薬単位は、試験開始毎に乾燥したカゴに置かれる。管の内底とカゴの距離は、試験中、25±2mmに保たれる。
プリドピジン
プリドピジンは経口投与後tmax0.5~4時間で比較的急速に吸収される(Lindskov 2012)。吸収後、プリドピジンは反復投与後、10~14時間の半減期で部分的には排尿、部分的には肝代謝、主にはCYP2D6経路を介して1つの主不活性型代謝産物4-(3-(メチルスルホニル)フェニル)ピペリジンとなる、N-デプロピル化により排泄される。CYP2D6多型は低代謝型(PM)、中間代謝型(IM)、強代謝型(EM)、超高速代謝型(UM)の活性の4段階のうちの1つに分けられ得る。EM表現型は人口の多数(約90%)で発現する。ヨーロッパと北米における白色人種のおおよそ5~10%、中国人、日本人と韓国人の1%がPMである。PMは2つの欠損したCYP2D6対立遺伝子を受け継いでおり、結果として、顕著に遅い速度で薬を代謝する。超高速代謝型(UM)の表現型は、主にはCYP2D6*2対立遺伝子を含み、しかしまたCYP2D6*1やその他も関わる活性CYP2D6遺伝子の重複、マルチ重複、または増幅によって引き起こされる。UM表現型の個体は超高速に薬を代謝する。最後に、劣性CYP2D6対立遺伝子についてヘテロ接合性である個体は、PM表現型よりよい境界領域からEM表現型cのものに近い活性まで幅広いスペクトルの代謝活性をもつIM表現型を示すことが多い(Bernard 2006)。
【0135】
ハンチントン病患者の症状を治療するための、用量設定、無作為、並行群、二重盲検、プラセボ対照研究である、プリドピジン45mg、67.5mg、90mg、および112.5mgの1日2回投与をプラセボとの比較での安全性と有効性を評価するフェーズ2試験が計画された(Clinicaltrials.gov Clinical Trial Identifier NCT02006472)。故に、これらの投与量において良好な安全性特性のプリドピジンを含む剤形が所望される。加えて、1日2回より少ない頻度で投与される剤形がコンプライアンスを増大させ、患者および介護者に好ましいであろう。
【0136】
本発明は、以下の例により説明され、これは、本発明の範囲を制限することを意図されない。種々の修飾は、本発明の精神および範囲内であることは、理解されるだろう。
【0137】
[実施例]
例1:即時放出剤形の投与後のプリドピジン投与の安全性
複数回漸増用量(MAD)研究
複数回漸増用量(MAD)研究において、CYP2D6 EM遺伝子型由来の両方の性別(年齢18~55歳)の健常ボランティア36人(36)を、3つのコホートに無作為化した。それぞれのコホート内で、9人の対象を、固定した並び(45~67.5mg、67.5~90mg、および90~112.5mg)の1日2回のプリドピジンの2種の漸増用量に、3人の対象を、両方の処置期間において一致するプラセボ1日2回の処置に無作為化した。それぞれの期間は、(午前と午後の投薬の間の間隔6.5時間で)定常状態に1日2回投薬する9日間の連続する日からなっていた(Osterberg 2012)。プリドピジン薬物濃度を、最初の投薬後最大24時間モニターし、単回用量パラメーター(最初の24時間間隔に関連する)を決定した。研究中の幾何的平均血漿濃度対時間を、
図1において提示する。
【0138】
有害事象(AE)のモニター、バイタルサイン、心電図(ECG)、および臨床検査値の測定により、安全性および忍容性を評価した。プリドピジンのPKパラメーターを、非区画化方法を用いて計算し、処置/用量レベルによる記述統計により要約した(それぞれ、9日目および1日目について、表1Aおよび1B)。この治験における投薬間隔(tau)を24時間と定義した。
【0139】
表1A:定常状態における薬物動態パラメーターの要約(平均±SD)
【0140】
【0141】
表1B:単回用量投与後の薬物動態パラメーターの要約(平均±SD)
【0142】
【0143】
表2において示される通り、有害事象、たとえば胃腸障害は、用量が増大するに伴い、頻度が増大した。用量90mg、1日2回において、精神障害を主に観察し、これは、用量45mg、1日2回における精神障害の1例の観察を伴った。
【0144】
延長QT間隔は、多形性心室頻拍のリスクの増大と関連していた。心電図(ECG)測定値をベースライン(1日目における投薬前)において集め、(PK試料と共に)9日目において続いて集めた。高精度QT測定技術を行った。QTc分析についての主なエンドポイントは、プラセボ補正したベースラインからの変化QTcF(フレデリシア(Fredericia)相関を通して正したQT;ΔΔQTcF)であった。プリドピジン血漿濃度とΔΔQTcFの関連を、直線性混合作用モデル化アプローチを用いて定量化した。
【0145】
結果は、プリドピジンのΔΔQTcFに対する濃度依存性効果を示し、これは、濃度が高いほど、より長いQT延長をもたらすことを示唆していた。推定集団切片および勾配は、それぞれ、1ng/mL当たり、3.82ms、および0.0185ms(CI:0.0139~0.0231)であった(
図2)。
【0146】
表2:特定の目的の選択した器官別大分類における最も一般的な有害事象(>10%)の要約
【0147】
【0148】
N:対象の数、%:安全性分析セットにおける対象の百分率、E:事象の数
例1の結果の要約
表1Aにおいて提示した結果は、約1157ng/mlと同等に高い平均Cmax、ss(最大測定値1568ng/mlを伴う)をヒトに安全に投与し得ることを示した。表1Aにおいて提示した結果はまた、45mg IR 1日2回の投与が、平均Cmax、ss値499ng/ml、および平均AUCtau、ss値(2回の投薬に渡る24時間間隔として定義したtau)7178hr*ng/mLをもたらしたことも示し、これらの値は、治療上の利点を示すことは公知である。45~90mgの1日2回の投与から生じるAUCtau、ssの範囲は、5253~24151hr*ng/mLであった。同様に、表1Bにおいて提示した結果は、1日目において約718ng/mlと同等に高い平均Cmax(最大の測定した値1002ng/mlを伴う)をヒトに安全に投与し得ることを示した。表1Bにおいて提示した結果はまた、45mg IR 1日2回の投与が、平均Cmax値327ng/ml、および平均AUC0-inf値5043hr*ng/mLをもたらしたことも示す。45~90mgの1日2回の投与から生じるAUC0-infの範囲は、2249~22138hr*ng/mLであった。
【0149】
加えて、
図2において提示される結果は、1400ng/mlと同等に高い濃度は、QT間隔の潜在的な延長に関連して、安全であると考えられ得ることを示す。
【0150】
表1A、1B、および2における結果は、プリドピジンのある特定の投薬量を投与したとき、プリドピジンの既に試験した安全投薬量における有害事象の頻度との比較において、有害事象の頻度を増大させるリスクが存在することを示す。有害事象は、QT間隔の延長、胃腸障害、および精神障害を含むが、これらに限定されない。本出願により解決されるべき課題は、有害事象の頻度を低減する、高用量プリドピジンの新規製剤を提供することである。Cmaxが非常に高い値に至ることを防ぐことにより、本出願人は、有害事象、たとえば例1において示すものを制限し得る。プリドピジン投薬と関連するいくつかのまたは全ての有害事象を最小にするために、プリドピジンのCmaxがピークになることを防ぐべきであることは知られていなかった。課題の理解に伴い、本出願人は、本発明、Cmaxが既に試験した安全な用量より上昇することを防ぐ、プリドピジンの調節放出剤形を発明した。
【0151】
例2:プリドピジン剤形
プリドピジン90mgを含む剤形を製剤化し、インビトロ溶解速度を試験した。
【0152】
プリドピジンHCl 101.6mg(プリドピジンベース90mgと均等)を含む剤形を、いくかの親水性(水溶性)および/または疎水性(水不溶性)担体と組み合わせた賦形剤を用いたマトリックスメカニズムにより、製剤化した。
【0153】
親水性マトリックス、調節放出システムは、重合体湿潤化、重合体水和、ゲル形成、膨潤、および重合体溶解を含む、動的なものである。薬物放出の速度を、ゲルを通じた拡散(溶解性であれば)、および錠剤浸食の速度により決定する。同時に、他の溶解性賦形剤または薬物もまた湿らせ、溶解させ、マトリックスから分散させ、一方、不溶性材料を、周囲の重合体/賦形剤/薬物複合体が、浸食されるか、または溶解するまで、その場に置く。
【0154】
調節放出(MR)プリドピジン剤形の製造
マトリックス錠剤を、湿潤造粒方法により調製した。粒を調製し、調節放出製剤を得るため、担体または複数の担体、および選択した賦形剤と組み合わせて用いた。
【0155】
プリドピジン粒の製造
高剪断造粒:全ての造粒成分を造粒ボールに加え、混合物が均一であることを確かにするのに十分な時間、予めブレンドし(中/高速でのチョッパー;中/低速でのインペラ)、凝集物を崩した。造粒液を加え、ブレンドした(高速でのチョッパー;中速でのインペラ)。必要な造粒液の量は、高度に製剤依存性である。粒を、流動層乾燥機を用いて乾燥させ、Quadro Comillにより粉砕した。
【0156】
粒90mg、および高用量プリドピジンを、それぞれ、表3.1、表3.2、および表3.3において提示する。
【0157】
表3.1:粒R1-R3の組成
【0158】
【0159】
表3.2:HD IRカプセル製剤に基づく粒R4の組成
【0160】
【0161】
表3.3:粒R5の組成
【0162】
【0163】
剤形の溶解試験
プリドピジン錠剤についての典型的な溶解は、100RPMおよび37℃において回転させながら、0.1N HCl 500mL中、2時間、次に、リン酸緩衝液 pH6.8中、12時間、USP #1装置(バスケット)を用いる。二塩基性KH2PO4リン酸塩6.805g、および5M NaOH4.48mLを溶解し、脱イオン水で1000、mLまで希釈することにより、リン酸緩衝液を調製し、完全に混合する。268nmに設定したUV検出器により、試料を試験し、次に、溶解容器に戻した。75RPMにおいてUSP #2装置(パドル)を用いて、同じ溶解結果を得た。
【0164】
例3:本発明の調節放出(MR)プリドピジン剤形
剤形を粒R5で形成し、本発明の範囲に含める。本発明に含まれる剤形を、表4において提示する。
【0165】
表4:本発明において含まれる剤形
【0166】
【0167】
インビトロ溶解結果を表5および
図3において提示する。
【0168】
表5:剤形MR-1、MR-2、およびMR-3のインビトロ溶解特性
【0169】
【0170】
形成後直ぐ(T0)に決定した製剤の溶解特性に加えて、表5Aにおいて提示する通り、3ヶ月(3M)および4ヶ月(4M)後の製剤MR-1、MR-2、およびMR-3の溶解特性も決定した。加えて、異なるバッチの溶解特性を決定し、これも表5Aにおいて提示する。それぞれの製剤について、バッチ1は、表5において提示するのと同一のバッチである。
【0171】
表5A:製剤MR-1、MR-2、およびMR-3の異なるバッチの溶解特性
【0172】
【0173】
i.1つの錠剤当たりエチルセルロース8mg
ii.1つの錠剤当たりエチルセルロース10mg
iii.1つの錠剤当たりエチルセルロース7mg
例4:即時放出(IR)プリドピジン剤形
MRプリドピジン剤形との比較において、プリドピジンのIR剤形は、約20~30分後にほぼ完全に溶解した。プリドピジンのIR剤形の例示的な溶解特性を表5.1において提示する。表5.1におけるIR剤形の組成を、表5.2において提示する。
【0174】
表5.1:プリドピジンカプセル剤-IR剤形についての溶解進展
【0175】
【0176】
表5.2:IR剤形の組成
【0177】
【0178】
本発明の製剤の開発中に開発したさらなる製剤を、表5.3において提示する。見られる通り、製剤Aを担体なしで製剤化した。いくつかの製剤、たとえば製剤B、C、およびDは、速度制御賦形剤を含んでいた(表5.3)。
【0179】
製剤A、B、C、およびDの溶解特性を表5.4において提示する。表5.4において示す通り、製剤Aは、薬物物質の即時放出(1時間)をもたらす。
【0180】
溶解性充填剤(ラクトース)を含む(製剤B)、または溶解性充填剤(ラクトース)を含まない(製剤C)マトリックス錠剤における、疎水性担体硬化ヒマシ油(HCO)の最大16%の存在は、プリドピジンの遅延放出をもたらさず、両方の場合においておよそ1時間後に放出された。
【0181】
製剤Dの溶解結果は、製剤D中の10%疎水性担体(HCO)がまた、プリドピジンの1時間放出をもたらしたことを示した。
【0182】
表5.3 異なる担体および担体量を有する製剤
【0183】
【0184】
1粒R2、R3、およびR4を、表3.1、または3.2において挙げる。
2100rpmにおいて、精製水900mL中、37℃において、USP装置Iを用いて、溶解試験を行った。
【0185】
表5.4 表5.3における製剤の溶解特性
【0186】
【0187】
例2~4の要約
例3(表5)において提示する、例示的な剤形は、インビトロ溶解特性を示し、ここで、約41%(MR-1)、約36%(MR-2)、および約9%(MR-3)と同等に低いものを最初の1時間において溶解させた。4時間後、プリドピジンの約75%(MR-1)、約76%(MR-2)、および約48%(MR-3)を溶解した。10時間後でさえ、剤形MR-1中の全てのプリドピジンを溶解するとは限らず、20%以上のプリドピジンが5分後に既に溶解され、約20~60分後にほぼ完全に溶解される、例4において示すプリドピジンのIR剤形との比較において、剤形MR-3中のプリドピジンの86%のみを溶解した。例4において示す通り、速度制御賦形剤を含有するいくつかの製剤は、調節放出製剤として作用しないことを見出した。
【0188】
例5:プリドピジン投与後のPK特性のシミュレーションに有用な薬物動態モデルの開発
剤形の投与から生じるPK血漿特性を、シミュレータープログラムを用いて計算した。Simulations Plus、Incorporatedから入手可能な、Gastroplus(商標)シミュレーションソフトウエアのPKPlus(商標)モジュール部分をまず用いて、即時放出プリドピジン投与のための、最善のタイプのACAT(Advanced Compartmental Absorption and Transit)モデルを決定した。
【0189】
プリドピジンの即時放出(IR)の投与後に得られる濃度データを、IVについての近似として用いた。Helldenら(2012)により公開される研究から、IRデータを得た。IRカプセル剤のプリドピジンHClを25.4mg(プリドピジンベース22.5mg)またはプリドピジンを50.8mg(プリドピジンベース45mg)のいずれかとして、それぞれ、低代謝者(PM)、および強代謝者(EM)にプリドピジンを投与した。投薬後50時間に渡り、PK試料を採取した。Silk Scientific Inc.から入手可能なUN-SCAN-ITTMグラフデジタイジングソフトウエアからの要約グラフを用いて、単回用量後のPM群についての平均血漿濃度対時間データを抽出した。次の時点:時間:0.0、0.9、2、3、4、6、9、10.6、19.7、25、33、および50時間についての血漿濃度を、PKプラスモジュールにインプットした。PKプラスモジュール部分は、平均薬物動態パラメーターを推定し、非区画、1区画、2区画、および3区画モデルについての適合性およびAkaike Information Criterionについての計算を行った。最低のAkaike information criterion値に基づき、2区画モデルを、最善な適合性を有するとして選択した。
図4および5において提示する通り、別のプリドピジン研究(Linskov 2013、Hellden 2012)からのデータとの比較により、モデルを検証した。
【0190】
モデルは、単回用量、ならびに複数回用量(定常状態)でプリドピジン投与の低代謝者(PM)の血漿濃度をシミュレーションし得る。重要なことに、複数回用量投与中、プリドピジンは、EM対象におけるそれ自体のCYP2D6によりもたらされる代謝を阻害し得ることが示され、これは、繰り返される投薬の際、PMおよびEMが、時間に渡りEMにおいてCYP2D6関連のプリドピジン代謝の低減に起因する、比較可能な曝露を発揮することを意味する(Lindskov 2012)。提示したモデルとの関連において、これは、単回用量投与後の血漿濃度のシミュレーションが、PMのみに関連する一方、定常状態PMの結果を、EMにおける定常状態、それ故、EMとPMの両方を含む一般的な集団に適用し得ることを意味する。同一の理由のため、モデルは、UMおよびIM表現型にも適合すると予測される。
【0191】
例6:経口剤形の投与後の予測PKパラメーター
例2~4において記載した剤形の溶解特性、および例5において記載した薬物動態モデルを用いて、プリドピジンのMR剤形の複数投与から生じる推定血漿濃度を計算した。単回用量投与後と定常状態においての両方、異なる用量のプリドピジンを含有するIR製剤の1日2回(b.i.d.)(投薬の間、6.5時間の間隔および7時間の間隔を伴い)の投与、および異なる用量のプリドピジンを含有する調節放出剤形MR-1、MR-2、およびMR-3の1日1回の投与について、薬物動態パラメーターを計算した。1日2回投与したIR45~157.5mg、または1日1回投与したMR剤形(90~315mg)からのデータを、表6(1日目)、および表7(定常状態)において提示する。シミュレーションは、平均Cmaxに均等なPK値を計算した。
【0192】
表6:IR剤形1日2回、またはMR剤形QDの単回用量後1日目に観察し、シミュレーションしたプリドピジンPKパラメーター
【0193】
【0194】
【0195】
*AUC0-38およびAUC0-50をAUCinfの良好な推定とみなすことができる
表7:定常状態における、プリドピジンの複数回1日投薬(IR剤形 1日2回、またはMR剤形QD)後のプリドピジン薬物動態(PK)パラメーター
【0196】
【0197】
【0198】
*投薬間隔(tau)=24時間
剤形90mgについて提示した溶解データを、例2~4において記載した通り、実験的に試験した。90mgより高い剤形について提示した溶解データを、試料90mgの特性を用いたシミュレーションに基づき、提示する。
【0199】
例5~6の結果および考察
安全性の問題、たとえば胃腸障害、精神障害、および心臓の有害事象は用量依存性である。特にQTについては、これらの安全性の懸念は、AUCよりむしろ、最大薬物濃度(Cmax)と結び付けられる。しかしながら、CmaxまたはAUCが、他の有害事象、たとえばCNS関連およびGI関連有害事象に関与する場合、それは公知でない。
【0200】
本発明の剤形は、従前の研究(Huntington Study Group HART Investigators 2013、Yebenes 2011)におけるものと類似するAUCを維持しながら、1日当たりの薬物の同一用量の1日2回の投与と比較して、最大血液濃度(Cmax)の低減をもたらすことを示した。
【0201】
本発明のMR剤形中のプリドピジン90mgの投与から生じる、計算したCmaxは、1日2回投与したIR45mgから生じるCmaxと比較して、低いことが見出され(表7)、これは、良好な安全性特性を提示する。加えて、MR90mg投与についての計算したAUCtau、ssは、MAD研究におけるIR45mg 1日2回投与した対象において見られるAUCtau、ssに匹敵した。同様に、MR剤形中のプリドピジン135mgの投与から生じる、計算したCmaxは、1日2回投与したIR67.5mgから生じるCmaxと比較して低く、MR剤形中のプリドピジン180mgの投与から生じる、計算したCmaxは、1日2回投与したIR90mgから生じるCmaxと比較して低く、MR剤形中のプリドピジン225mgの投与から生じる、計算したCmaxは、1日2回投与したIR112.5mgから生じるCmaxと比較して低く、MR剤形中のプリドピジン315mgの投与から生じる、計算したCmaxは、1日2回投与したIR157.5mgから生じるCmaxと比較して低かった(表7)。これらの用量のAUCtau、ssは、IR45mg 1日2回と関連するAUCtau、ssより高い。これらの用量のAUCtau、ssは、治療上有効量の製剤と関連する技術分野の当業者により理解されるだろう。
【0202】
加えて、プリドピジン100mgおよび125mgを含む、MR剤形の投与から生じる、計算したCmax、ssは、1日2回投与したIR45mg(1日当たり総用量90mg)から生じるCmaxより低かった(表7を参照)。MR剤形100mgについて、計算したAUCtau、ssは、IR45mg 1日2回の約80%であり、MR剤形125mgについて計算したAUCtau、ssは、IR45mg 1日2回と同様であった。重要なことに、両方が、MAD研究におけるIR45mg 1日2回の投与から生じる平均AUCtau、ssより高かった。これらの知見は、1日2回投与した1日当たり同一用量超を含むMR剤形についてでさえ、臨床活性を維持しながら、安全性特性を改良したことを示す。
【0203】
例7
例2および3に従い、プリドピジンの3種の剤形、MR-1、MR-2、およびMR-3を調製する。MR-1、MR-2、またはMR-3のハンチントン病を患っているヒト患者への周期的経口投与は、有害事象頻度が、例1における有害事象の頻度と比較して低減したことを示す。
【0204】
例8
例2~3に従い、しかしながら、プリドピジンの量は100mg(プリドピジンHCl113mg)、およびMR-1、MR-2、およびMR-3の他の成分のそれぞれを比例して増大させて、プリドピジンの3種の剤形、MR-1、MR-2、およびMR-3を調製する。MR-1、MR-2、またはMR-3のハンチントン病を患っているヒト患者への周期的経口投与は、Cmaxが既に試験した安全用量と同等以下であることを示す。
【0205】
例9
例2~3に従い、しかしながら、プリドピジンの量は125mg(プリドピジンHCl141mg)、およびMR-1、MR-2、およびMR-3の他の成分のそれぞれを比例して増大させて、プリドピジンの3種の剤形、MR-1、MR-2、およびMR-3を調製する。MR-1、MR-2、またはMR-3のハンチントン病を患っているヒト患者への用量形態の周期的経口投与は、Cmaxが既に試験した安全用量と同等以下であることを示す。
【0206】
例10
例2~3に従い、しかしながら、プリドピジンの量は135mg(プリドピジンHCl153mg)、およびMR-1、MR-2、およびMR-3の他の成分のそれぞれを比例して増大させて、プリドピジンの3種の剤形、MR-1、MR-2、およびMR-3を調製する。MR-1、MR-2、またはMR-3のハンチントン病を患っているヒト患者への用量形態の周期的経口投与は、Cmaxが既に試験した安全用量と同等以下であることを示す。
【0207】
例11
例2~3に従い、しかしながら、プリドピジンの量は150mg(プリドピジンHCl170mg)、およびMR-1、MR-2、およびMR-3の他の成分のそれぞれを比例して増大させて、プリドピジンの3種の剤形、MR-1、MR-2、およびMR-3を調製する。MR-1、MR-2、またはMR-3のハンチントン病を患っているヒト患者への用量形態の周期的経口投与は、Cmaxが既に試験した安全用量と同等以下であることを示す。
【0208】
例12
例2~3に従い、しかしながら、プリドピジンの量は180mg(プリドピジンHCl203mg)、およびMR-1、MR-2、およびMR-3の他の成分のそれぞれを比例して増大させて、プリドピジンの3種の剤形、MR-1、MR-2、およびMR-3を調製する。MR-1、MR-2、またはMR-3のハンチントン病を患っているヒト患者への用量形態の周期的経口投与は、Cmaxが既に試験した安全用量と同等以下であることを示す。
【0209】
例13
例2~3に従い、しかしながら、プリドピジンの量は225mg(プリドピジンHCl254mg)、およびMR-1、MR-2、およびMR-3の他の成分のそれぞれを比例して増大させて、プリドピジンの3種の剤形、MR-1、MR-2、およびMR-3を調製する。MR-1、MR-2、またはMR-3のハンチントン病を患っているヒト患者への用量形態の周期的経口投与は、Cmaxが既に試験した安全用量と同等以下であることを示す。
【0210】
要約すると、本発明の発明者らは、1日当たり同一用量以下の1日2回の投与と比較した安全性特性の増大した治療上有効な剤形製剤化を成し遂げた。
【0211】
加えて、急性および慢性神経性疾患ならびに精神神経疾患、たとえばハンチントン病の処置は、患者または世話人が、医薬の投与を忘れる可能性があるので、処置のコンプライアンスの課題を有する。従って、本発明の経口剤形は、以前に公知の(1日2回)経口投薬量を越える利点をもたらす。本発明の経口剤形を1日1回の投与に適合させて、処置に耐える患者にピル剤の負荷の低減をもたらし、患者および介護者にとっての利便性を増大し、コンプライアンスを増大し、家族の成員に対する負荷を減らす。
【0212】
例14:MR-1、MR-2、およびMR-3製剤の単回用量投与後のビーグル犬におけるPK研究
オスのビーグル犬におけるプリドピジンの薬物動態を、即時放出(IR)製剤および3種の調節放出(MR)製剤の経口投与後に試験した。イヌを4つの群に分けた、群1は、製剤MR-1の1回の投与を受け、群2は、製剤MR-2の1回の投与を受け、群3は、製剤MR-3の1回の投与を受けた。それぞれの製剤は、プリドピジン90mgを含んでいた。プリドピジン血漿濃度を、投与後0.5~36時間におけるいくつかの時点において測定した。
【0213】
群4は、3時間の間隔でIR製剤中のプリドピジン45mgを2回受けた。プリドピジン血漿濃度を、最初の投与後0.5~36時間におけるいくつかの時点において測定した。
【0214】
投与前12時間から開始し、最初の投与後さらに7時間続く絶食条件下で、研究を行った。
【0215】
結果を表8において提示する。
【0216】
表8
【0217】
【0218】
例15:PKパラメーターのさらなる分析
液体クロマトグラフィータンデム質量分析LC-MS/MSを用いて、例14における血漿試料中のプリドピジンの濃度を決定した。さらなる分析において、定量化の上限より高い濃度の分析物を含有する試料(ULOQ:2000ng/ml プリドピジン)を、10倍希釈後に再分析した。
【0219】
簡単に言うと、血液試料を、(採取後最大60分以内に)2500g、5℃において、15分間遠心分離した。凍結した血漿試料を、超低温冷凍庫(-70±10℃)において保存した。血漿試料において、液体クロマトグラフィータンデム質量分析LC-MS/MSを用いて、プリドピジンの濃度を決定した。記載した通り、定量化の上限より高い濃度の分析物を含有する試料(ULOQ:2000ng/mlプリドピジン)を、10倍希釈後に再分析した。
【0220】
個々のデータからのそれぞれの製剤について、平均血漿濃度対時間曲線を生じるそれぞれの時点について平均およびS.D.値を計算した。
【0221】
検証されたPhoenix WinNonlin Version 6.3ソフトウエア(Pharsight Corporation、USA)を用いて、薬物動態分析を行った。非区画化方法を用いて、個々および平均薬物動態パラメーターを計算した。
【0222】
結果
図6は、製剤MR-1、MR-2、およびMR-3についてのプリドピジン(6a~b)の平均血漿レベル曲線(S.D.を含む)を示す。3時間離して投与した即時放出(IR)製剤の2回の投与は、最初のピーク濃度、続いて、最初の低減、次に、第2のピーク、続いて、最終的な排泄時期をもたらした。比較において、MR製剤は、最大濃度、続いて、最終的な排泄時期をもたらした、MR製剤からの吸収の延長を有した。
【0223】
全ての製剤について、AUC(0-inf)およびCmax値を、公称12mg/kg プリドピジン用量に標準化した。Tmax、用量標準化Cmax、および用量標準化総曝露(AUC(0-inf)、norm値)を、表9において要約する。
【0224】
表9
【0225】
【0226】
見られる通り、製剤MR-1およびMR-2は、類似の動態特性を示し、一方、製剤MR-3について、最も遅延した吸収を観察した。IR製剤は、投薬後最短期間内、およそ1時間において、最初のプリドピジンピークをもたらした。MR製剤について、プリドピジンピークは、製剤MR-1についておよそ2時間、製剤MR-2について2.5時間、および製剤MR-3について3.5時間後に生じた。
【0227】
参照IR製剤(Frel_Cmax)のより高い第2のピークレベルと比較した、MR製剤の相対的ピークレベル、および相対的総曝露(FrelAUCinf)を、合計群平均から計算した(表10)。
【0228】
表10
【0229】
【0230】
結果は、製剤MR-1、MR-2、およびMR-3中のプリドピジン90mgの1日1回の投与から生じるCmaxが、1日2回与えられたIR製剤中のプリドピジン45mgから生じるCmaxの、それぞれ、55%、58%、および40%であったことを示す。製剤MR-1、MR-2、およびMR-3中のプリドピジン90mgの1日1回の投与から生じるAUCinfは、IR製剤中のプリドピジン45mgの1日2回の投与から生じるAUCinfの、それぞれ、72%、75%、および63%であった。
【0231】
例16
錠剤剤形のプリドピジンを、粒R1~R4(表3.1または3.2)を用いて調製し、表11において提示する。これらの剤形の溶解特性も、表11において挙げられる。100rpmにおいて、精製水900mL中、37℃において、USP装置Iを用いて、溶解試験を行った。表11において挙げた剤形の詳細な溶解特性を、表12において示す。
【0232】
表11において提示する剤形が、調節放出剤形溶解特性を有することは、当業者により理解されるだろう。
【0233】
表11
【0234】
【0235】
1粒R1、R2、R3、およびR4を、表3.1、または3.2において挙げる。
2ラクトース+(2%~10%モノステアリン酸グリセリン):yellowは10%GMSを含有し、blueは2%GMSを含有する。
3100rpmにおいて、精製水900mL中、37℃において、USP装置Iを用いて、溶解試験を行った。
【0236】
表12:表11における製剤の溶解特性
【0237】
【0238】
参考文献
Clinicaltrials.gov Clinical Trial Identifier NCT02006472, “A Phase 2, to Evaluating the Safety and Efficacy of Pridopidine Versus Placebo for Symptomatic Treatment in Patients With Huntington's Disease."
de Yebenes JG, Landwehrmeyer B, Squitieri F, Reilmann R, Rosser A, Barker RA, Saft C, Magnet MK, Sword A, Rembratt A, Tedroff J; MermaiHD study investigators, "Pridopidine for the treatment of motor function in patients with Huntington's disease (MermaiHD): a phase 3, randomised, double-blind, placebo-controlled trial," Lancet Neurol. 2011 Dec;10(12):1049-57. doi: 10.1016/S1474-4422(11)70233-2. Epub 2011 Nov 7.
Huntington Study Group HART Investigators, "A randomized, double-blind, placebo-controlled trial of pridopidine in Huntington's disease," Mov Disord. 2013 Sep;28(10):1407-15. doi: 10.1002/mds.25362. Epub 2013 Feb 28.
Hellden A, Panagiotidis G, Johansson P, Waters N, Waters S, Tedroff J, Bertilsson L. "The dopaminergic stabilizer pridopidine is to a major extent N-depropylated by CYP2D6 in humans" Eur J Clin Pharmacol. 2012 Sep; 68(9):1281-6. Epub 2012 Mar 8.
Lindskov Krog P, Osterberg O, Gundorf Drewes P, Rembratt A, Schultz A, Timmer W. "Pharmacokinetic and tolerability profile of pridopidine in healthy-volunteer poor and extensive CYP2D6 metabolizers, following single and multiple dosing" Eur J Drug Metab Pharmacokinet. 2013 Mar;38(1):43-51. Epub 2012 Sep 5.
Osterberg, et al. "A single center, randomized, placebo-controlled, double-blind study to evaluate the safety, tolerability, and pharmacokinetics of multiple-ascending doses of pridopidine in healthy volunteers" Poster presented at Sixth Annual Huntington Disease Clinical Research Symposium, Nov 2012, Seattle, Washington, USA. Neurotherapeutics
以下に、本願の出願当初の請求項を実施の態様として付記する。
[1] 治療上有効量のプリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩、および少なくとも1種の薬学的に許容し得る速度制御賦形剤を含み、約1,400ng/ml以下の平均C
max
を有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす、調節放出固形経口剤形。
[2] 前記固形経口剤形が、a)約1,157ng/ml以下、b)約906ng/ml以下、またはc)約499ng/ml以下の平均C
max
を有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす、[1]に記載の調節放出固形経口剤形。
[3] 前記固形経口剤形が、a)単回用量投与後に測定される約718ng/ml以下、b)単回用量投与後に測定される約486ng/ml以下、またはc)単回用量投与後に測定される約327ng/ml以下の平均C
max
を有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす、[1]に記載の調節放出固形経口剤形。
[4] 前記固形経口剤形が、C
max
a)約382ng/ml~約1,568ng/ml、b)871ng/ml~1,568ng/ml、c)382ng/ml~1,287ng/ml、またはd)639ng/ml~1,287ng/mlを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす、[1]に記載の調節放出固形経口剤形。
[5] 前記固形経口剤形が、C
max
a)約244ng/ml~約1,002ng/ml、b)244ng/ml~813ng/ml、c)493ng/ml~1,002ng/ml、またはd)324ng/ml~813ng/mlを有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす、[1]に記載の調節放出固形経口剤形。
[6] AUC
tau
が約5,253ng・h/ml以上である、[1]、[2]および[4]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[7] AUC
0-inf
が約2,249ng・h/ml以上である、[1]、[3]および[5]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[8] 平均AUC
tau
が、a)約7,178ng・h/ml以上、b)約14,185ng・h/ml以上、またはc)約18,065ng・h/ml以上である、[1]、[2]、[4]および[6]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[9] 平均AUC
0-inf
が、a)約5,043ng・h/ml以上、b)約7,897ng・h/ml以上、またはc)約13,594ng・h/ml以上である、[1]、[3]、[5]および[7]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[10] 前記剤形が、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩約22.5mg~約350mg、約45mg~約300mg、または約90mg~約250mgを含む、[1]~[9]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[11] 前記剤形が、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩少なくとも約90mg、少なくとも約100mg、少なくとも約125mg、少なくとも約135mg、少なくとも約150mg、少なくとも約180mg、少なくとも約200mg、少なくとも約225mg、少なくとも約250mg、または少なくとも約315mgを含む、[1]~[9]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[12] 前記剤形が、プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩約90mg、約100mg、約125mg、約135mg、約150mg、約180mg、約200mg、約225mg、約250mg、または約315mgを含む、[1]~[9]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[13] 前記インビボ血漿特性が定常状態において測定される、[1]、[2]、[4]、[6]、[8]および[10]~[12]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[14] 前記インビボ血漿特性が単回用量投与後に測定される、[1]、[3]、[5]、[7]、[9]および[10]~[12]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[15] AUC
inf
がAUC
0-24
から推定される、[14]に記載の調節放出固形経口剤形。
[16] 治療上有効量のプリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩、および少なくとも1種の薬学的に許容し得る速度制御賦形剤を含む、調節放出固形経口剤形であって、a)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量の半分、またはb)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量の10%~49%を含有する、即時放出固形経口剤形の1日2回の投与から生じる平均C
max
より低い、平均C
max
を有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす、調節放出固形経口剤形。
[17] a)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン45mgより多く、b)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約90mgであり、即時放出剤形が、プリドピジン約45mgを含有し、c)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約100mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約45mgを含有し、d)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約125mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約45mgを含有し、e)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約135mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約45mgを含有し、f)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約135mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約67.5mgを含有し、g)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約150mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約45mgを含有し、h)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約150mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約67.5mgを含有し、i)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約180mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約45mgを含有し、j)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約180mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約67.5mgを含有し、k)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約180mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約90mgを含有し、l)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約200mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約45mgを含有し、m)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約200mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約67.5mgを含有し、n)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約200mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約90mgを含有し、o)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約225mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約45mgを含有し、p)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約225mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約67.5mgを含有し、q)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約225mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約90mgを含有し、r)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約225mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約112.5mgを含有し、s)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約250mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約45mgを含有し、t)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約250mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約67.5mgを含有し、u)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約250mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約90mgを含有し、v)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約250mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約112.5mgを含有し、w)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約315mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約45mgを含有し、x)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約315mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約67.5mgを含有し、y)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約315mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約90mgを含有し、z)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約315mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約112.5mgを含有し;またはaa)プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量が、プリドピジン少なくとも約315mgであり、即時放出固形経口剤形が、プリドピジン約157.5mgを含有する、[16]に記載の調節放出固形経口剤形。
[18] 前記プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩の量が、約90mg、約100mg、約125mg、約135mg、約150mg、約180mg、約200mg、約225mg、約250mg、もしくは約315mgである、[16]に記載の調節放出固形経口剤形。
[19] a)前記固形経口剤形が、プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量の半分を含有する即時放出固形経口剤形の1日2回の投与によりもたらされる平均AUC
tau
の少なくとも約50%である、平均AUC
tau
を有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらし、b)前記固形経口剤形が、プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量の半分を含有する即時放出固形経口剤形の1日2回の投与によりもたらされる平均AUC
tau
の少なくとも約60%である、平均AUC
tau
を有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらし、c)前記固形経口剤形が、プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量の半分を含有する即時放出固形経口剤形の1日2回の投与によりもたらされる平均AUC
tau
の少なくとも約70%である、平均AUC
tau
を有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらし、d)前記固形経口剤形が、プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量の半分を含有する即時放出固形経口剤形の1日2回の投与によりもたらされる平均AUC
tau
の少なくとも約80%である、平均AUC
tau
を有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらし、e)前記固形経口剤形が、プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量の半分を含有する即時放出固形経口剤形の1日2回の投与によりもたらされる平均AUC
tau
の少なくとも約90%である、平均AUC
tau
を有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらし、またはf)前記固形経口剤形が、プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量の半分を含有する即時放出固形経口剤形の1日2回の投与によりもたらされる平均AUC
tau
の少なくとも約95%である、平均AUC
tau
を有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす、[16]~[18]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[20] 即時放出固形経口剤形の前記1日2回の投与が、5~10時間、6~8時間、6.5時間、または7時間の投薬間の時間間隔を有する、[16]~[19]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[21] 前記固形経口剤形が、プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量の半分を含有する即時放出剤形の1日2回の投与から生じる平均C
max
と比較して百分率で低減される、平均C
max
を有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらし、前記百分率が少なくとも5%である、[1]~[20]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[22] 前記百分率が、a)少なくとも10%、b)少なくとも20%、c)少なくとも30%、d)少なくとも40%、e)少なくとも50%、f)少なくとも60%、g)少なくとも70%、h)10%~60%、i)20%~50%、j)約25%、k)約35%、またはl)約50%である、[21]に記載の調節放出固形経口剤形。
[23] 薬物の投与後、前記薬物の最大血漿、血清、または血液濃度を達成するのに必要とされる平均時間が、2時間超、もしくは4時間超である、[1]~[22]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[24] プリドピジンの前記薬学的に許容し得る塩が塩酸塩である、[1]~[23]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[25] 前記インビボ血漿特性が、定常状態において測定される、[16]~[24]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[26] 前記インビボ血漿特性が、単回用量投与後に測定される、[16]~[18]および[20]~[24]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[27] a)前記固形経口剤形が、前記プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量の半分を含有する即時放出固形経口剤形の前記1日2回の投与によりもたらされる前記平均AUC
0-inf
の少なくとも約50%である、平均AUC
0-inf
を有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらし、b)前記固形経口剤形が、前記プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量の半分を含有する即時放出固形経口剤形の前記1日2回の投与によりもたらされる前記平均AUC
0-inf
の少なくとも約55%である、平均AUC
0-inf
を有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらし、またはc)前記固形経口剤形が、前記プリドピジンもしくはその薬学的に許容し得る塩の量の半分を含有する即時放出固形経口剤形の前記1日2回の投与によりもたらされる前記平均AUC
0-inf
の少なくとも約75%である、平均AUC
0-inf
を有するインビボ血漿プリドピジン濃度特性をもたらす、[26]に記載の調節放出固形経口剤形。
[28] a)前記固形経口剤形が、1分間当たり100回転で回転させながら37℃の温度において、0.1N HCl 500mL中、バスケット型装置に置かれたとき、1時間後にプリドピジンの50%以下を放出し、b)前記固形経口剤形が、1分間当たり100回転で回転させながら37℃の温度において、0.1N HCl 500mL中、120分間、次に、pH6.8を有するリン酸緩衝液中、12時間、バスケット型装置に置かれたとき、3時間後にプリドピジンの75%以下を放出し、またはc)前記固形経口剤形が、1分間当たり100回転で回転させながら37℃の温度において、0.1N HCl 500mL中、120分間、次に、pH6.8を有するリン酸緩衝液中、12時間、バスケット型装置に置かれたとき、10時間後にプリドピジンの80%以上を放出する、[1]~[27]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[29] a)前記固形経口剤形が、1分間当たり100回転で回転させながら37℃の温度において、0.1N HCl 500mL中、120分間、次に、pH6.8を有するリン酸緩衝液中、12時間、バスケット型装置に置かれたとき、2時間後にプリドピジンの30%以下を放出し、b)前記固形経口剤形が、1分間当たり100回転で回転させながら37℃の温度において、0.1N HCl 500mL中、120分間、次に、pH6.8を有するリン酸緩衝液中、12時間、バスケット型装置に置かれたとき、4時間後にプリドピジンの50%以下を放出し、c)前記固形経口剤形が、1分間当たり100回転で回転させながら37℃の温度において、0.1N HCl 500mL中、120分間、次に、pH6.8を有するリン酸緩衝液中、12時間、バスケット型装置に置かれたとき、6時間後にプリドピジンの65%以下を放出し、またはd)前記固形経口剤形が、1分間当たり100回転で回転させながら37℃の温度において、0.1N HCl 500mL中、120分間、次に、pH6.8を有するリン酸緩衝液中、12時間、バスケット型装置に置かれたとき、12時間後にプリドピジンの75%以上を放出する、[1]~[27]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[30] 前記剤形が錠剤の形態にある、[1]~[29]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[31] 前記速度制御賦形剤が重合材料である、[1]~[30]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[32] 前記重合材料が、硬化ヒマシ油、ポリエチレンオキシド、エチルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール重合体、ポリクリレート、ポリメタクリレート、エチルアクリレート-メチルメタクリレート共重合体、モノステアリン酸グリセリン、およびその混合物からなる群より選択される、[31]に記載の調節放出固形経口剤形。
[33] 前記速度制御賦形剤が、2種以上の重合材料の組み合わせであり、好ましくは、速度制御賦形剤が、少なくともヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)と硬化ヒマシ油の組み合わせである、[31]に記載の調節放出固形経口剤形。
[34] 前記重合材料がヒドロキシプロピルメチルセルロースである、[31]~[32]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[35] 前記重合材料が硬化ヒマシ油である、[31]~[32]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[36] 前記速度制御賦形剤の総量が、前記剤形の総重量の約8%~約70%、前記剤形の総重量の約10%~約50%、または前記剤形の総重量の約20%~約50%、前記剤形の総重量の約30%~約50%もしくは約30%~約40%である、[1]~[35]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[37] 前記重合材料が、前記固形経口投薬形態の10~50重量%、20~50重量%、30~50重量%、30~40重量%、35~40重量%、少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、約37重量%、約38重量%、または約40重量%である、[31]~[36]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[38] エチルセルロースをさらに含む、[1]~[37]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[39] 前記エチルセルロースの総量が、前記剤形の総重量の約0.5%~約10%、前記剤形の総重量の約0.5%~約7.2%、前記剤形の総重量の約1.0%~約5%、前記剤形の総重量の約1.0%~約3.0%、前記剤形の総重量の約1.5%~約3.0%、または前記剤形の総重量の約1.5%~約2.4%である、[38]に記載の調節放出固形経口剤形。
[40] 前記エチルセルロースが、前記固形経口投薬形態の約1.5重量%である、[38]に記載の調節放出固形経口剤形。
[41] 前記エチルセルロースが、前記固形経口投薬形態の約2.4重量%または2.9重量%である、[38]に記載の調節放出固形経口剤形。
[42] 前記重合材料がヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、前記固形経口投薬形態の約38重量%である、[31]~[41]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[43] 前記重合材料が硬化ヒマシ油であり、前記硬化ヒマシ油が、前記固形経口投薬形態の約38重量%である、[31]~[41]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[44] 前記重合材料がヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、前記固形経口投薬形態の約37重量%であり、前記エチルセルロースが、前記固形経口投薬形態の約1.5~約3.0重量%である、[31]~[41]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[45] 前記プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩対前記速度制御賦形剤の重量比が、約0.2:1~約1:1であり、好ましくは、約0.3:1~約0.8:1であり、好ましくは、約0.5:1~約0.7:1である、[1]~[44]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[46] 粘膜付着剤をさらに含む、[1]~[45]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[47] 前記粘膜付着剤が、水溶性または水不溶性親水性重合体、膨潤性ネットワークを有する重合体、ヒドロゲル、および他の重合体とまたは粘膜と架橋結合することができる基を有する重合体からなる群より選択され、好ましくは、前記粘膜付着剤がポリエチレンオキシドである、[46]に記載の調節放出固形経口剤形。
[48] 前記プリドピジンまたはその薬学的に許容し得る塩が、前記剤形の約15~約60重量%、約25~約50重量%、または約25重量%含まれる、[1]~[47]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形。
[49] [1]~[48]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形、および1種以上の薬学的に許容し得る担体または賦形剤を含む、医薬製剤。
[50] 前記薬学的に許容し得る担体または賦形剤が、結合剤、充填剤、可塑剤、滑剤および滑沢剤、ならびにその混合物からなる群より選択される、[49]に記載の医薬製剤。
[51] 前記結合剤が、デンプン、アルファ化デンプン、ポリエチレンオキシド、セルロース重合体、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、およびその混合物からなる群より選択される、[50]に記載の医薬製剤。
[52] 前記充填剤が、微結晶セルロース、糖球、ラクトース、ソルビトール、デキストロース、スクロース、マンニトール、第2または第3リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、デンプン、retalac(登録商標)、およびその混合物からなる群より選択される、[50]~[51]のいずれか1項に記載の医薬製剤。
[53] 前記充填剤が、微結晶セルロースであり、ケイ酸化微結晶セルロースである、[52]に記載の医薬製剤。
[54] 前記充填剤がラクトースである、[52]に記載の医薬製剤。
[55] 前記充填剤が、微結晶セルロースとラクトースの混合物であり、前記微結晶セルロースがケイ酸化微結晶セルロースである、[52]に記載の医薬製剤。
[56] 前記充填剤が、前記固形経口投薬形態の5~約64重量%、前記固形経口投薬形態の10~約50重量%、前記固形経口投薬形態の15~約45重量%、前記固形経口投薬形態の20~40重量%、前記固形経口投薬形態の約34重量%、前記固形経口投薬形態の約16重量%、前記固形経口投薬形態の約17重量%、または前記固形経口投薬形態の約18重量%である、[50]~[56]のいずれか1項に記載の医薬製剤。
[57] 前記充填剤が、ケイ酸化微結晶セルロースとラクトースの混合物であり、ケイ酸化微結晶セルロースが、前記固形経口投薬形態の約16重量%であり、ラクトースが、前記固形経口投薬形態の約17重量%または約18重量%である、[56]に記載の医薬製剤。
[58] 前記可塑剤が、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、グリセリン、セバシン酸ジブチル、トリアセチン、フタル酸ジエチル、およびその混合物からなる群より選択される、[50]~[57]のいずれか1項に記載の医薬製剤。
[59] 前記滑剤が、デンプン、アルファ化デンプン、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、およびその混合物からなる群より選択される、[50]~[58]のいずれか1項に記載の医薬製剤。
[60] 前記滑剤がコロイド状二酸化ケイ素である、[59]に記載の医薬製剤。
[61] 前記滑剤が、前記固形経口投薬形態の0.2~約4重量%、前記固形経口投薬形態の0.4~約3重量%、または前記固形経口投薬形態の0.43~約2.0重量%である、[50]~[60]のいずれか1項に記載の医薬製剤。
[62] 前記滑剤が、前記固形経口投薬形態の1.7~約4重量%、前記固形経口投薬形態の1.7~約3重量%、前記固形経口投薬形態の1.7~約2.0重量%、前記固形経口投薬形態の1.7~1.8重量%、前記固形経口投薬形態の約1.7重量%、または前記固形経口投薬形態の約1.8重量%である、[50]~[61]のいずれか1項に記載の医薬製剤。
[63] 前記滑沢剤が、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、タルク、ベヘン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリン、およびその混合物からなる群より選択される、[50]~[62]のいずれか1項に記載の医薬製剤。
[64] 前記滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである、[63]に記載の医薬製剤。
[65] 前記滑沢剤が、前記固形経口投薬形態の0.3~約4重量%、前記固形経口投薬形態の0.5~約3重量%、または前記固形経口投薬形態の1.1~約2.0重量%である、[50]~[64]のいずれか1項に記載の医薬製剤。
[66] 前記滑沢剤が、前記固形経口投薬形態の1.7~約4重量%、前記固形経口投薬形態の1.7~約3重量%、前記固形経口投薬形態の1.7~約2.3重量%、前記固形経口投薬形態の1.8~約2.2重量%、または前記固形経口投薬形態の約2重量%である、[50]~[64]のいずれか1項に記載の医薬製剤。
[67] ハンチントン病、パーキンソン病、医原性および非医原性パーキンソニズム、ジスキネジア、ジストニア、トゥレット症、医原性および非医原性精神病ならびに幻覚症、統合失調症障害もしくは統合失調症様障害、気分および不安障害、躁うつ病、うつ病、強迫性疾患、睡眠障害、自閉症スペクトラム障害、ADHD、年齢に関連する認知障害、アルコールおよび麻薬として用いられる物質の中毒、アルツハイマー病、またはレット症候群の処置において用いるための、[1]~[66]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形または医薬製剤。
[68] ハンチントン病、パーキンソン病、医原性および非医原性パーキンソニズム、ジスキネジア、ジストニア、トゥレット症、医原性および非医原性精神病ならびに幻覚症、統合失調症障害もしくは統合失調症様障害、気分および不安障害、躁うつ病、うつ病、強迫性疾患、睡眠障害、自閉症スペクトラム障害、ADHD、年齢に関連する認知障害、アルコールおよび麻薬として用いられる物質の中毒、アルツハイマー病、ならびにレット症候群から選択される状態を患っている対象を処置する方法であって、[1]~[66]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形または医薬製剤を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
[69] [1]~[66]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形または医薬製剤の1日1回の投与を含む、神経変性疾患またはドーパミンに関連する疾患を患っている個体を処置する方法。
[70] ハンチントン病、パーキンソン病、医原性および非医原性パーキンソニズム、ジスキネジア、ジストニア、トゥレット症、医原性および非医原性精神病ならびに幻覚症、統合失調症障害もしくは統合失調症様障害、気分および不安障害、躁うつ病、うつ病、強迫性疾患、睡眠障害、自閉症スペクトラム障害、ADHD、年齢に関連する認知障害、アルコールおよび麻薬として用いられる物質の中毒、アルツハイマー病、またはレット症候群を患っている対象を処置するための医薬の製造のための、[1]~[66]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形または医薬製剤の使用。
[71] 1日1回の投与に適合された、[1]~[66]のいずれか1項に記載の調節放出固形経口剤形または医薬製剤。