(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】鶏用飼料、鶏用飼料の製造方法及び鶏の飼育方法
(51)【国際特許分類】
A23K 50/75 20160101AFI20230421BHJP
A23K 10/12 20160101ALI20230421BHJP
A23K 10/30 20160101ALI20230421BHJP
【FI】
A23K50/75
A23K10/12
A23K10/30
(21)【出願番号】P 2020032850
(22)【出願日】2020-02-28
【審査請求日】2022-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】511235467
【氏名又は名称】二洋商事有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149032
【氏名又は名称】森本 敏明
(72)【発明者】
【氏名】楊東 代梓
(72)【発明者】
【氏名】楊 淑芬
【審査官】吉原 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-121942(JP,A)
【文献】特開平11-289994(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107319175(CN,A)
【文献】特開2008-220197(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0125527(KR,A)
【文献】特開平11-299431(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0119020(US,A1)
【文献】社団法人 日本獣医師会,学校飼育動物の診療ハンドブック,日本,社団法人 日本獣医師会,2000年10月,p.65-70
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23K 50/75
A23K 10/12
A23K 10/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
醗酵茶及びネギ属野菜を含む
、鶏卵及び鶏肉の食味改善用鶏用飼料であって、
前記醗酵茶が、茶葉及び茶茎を混合醗酵した黒茶の粉砕物及び/又は抽出物からなる、前記鶏用飼料。
【請求項2】
前記ネギ属野菜が、長葱であり、当該長葱が、葉部位、茎部位及び/又は根部位を含むものである、請求項
1に記載の鶏用飼料。
【請求項3】
前記ネギ属野菜が、大蒜であり、当該大蒜が皮部位を含むものである、請求項
1に記載の鶏用飼料。
【請求項4】
前記鶏用飼料が、さらに水を含む液体飼料からなる、請求項1~
3のいずれか一項に記載の鶏用飼料。
【請求項5】
前記液体飼料において、前記醗酵茶と、前記ネギ属野菜と、前記水との配合比(醗酵茶:ネギ属野菜:水)が質量比で、1~3:1~3:100である、請求項
4に記載の鶏用飼料。
【請求項6】
茶葉及び茶茎を混合醗酵した黒茶からなる醗酵茶
と、ネギ属野菜
と、水
とを含む液体飼料からなる
、鶏卵及び鶏肉の食味改善用鶏用飼料の製造方法であって、
前記醗酵茶を粉砕して得られた粉体醗酵茶を水に浸漬することにより、膨潤醗酵茶を得る工程と、
前記ネギ属野菜を粉砕して得られた粉体葱と、前記膨潤醗酵茶とを混合することにより、葱茶混合物を得る工程と、
前記葱茶混合物と水とを混合して加熱した後冷却し、その後濾過することにより、液体飼料を得る工程と
を含む、
前記鶏用飼料の製造方法。
【請求項7】
茶葉及び茶茎を混合醗酵した黒茶からなる醗酵茶
と、ネギ属野菜
と、水
とを含む液体飼料からなる
、鶏卵及び鶏肉の食味改善用鶏用飼料の製造方法であって、
前記醗酵茶を粉砕して得られた粉体醗酵茶と、前記ネギ属野菜を粉砕して得られた粉体葱とを混合することにより、粉体葱茶混合物を得る工程と、
前記粉体葱茶混合物を熱水に入れ、その後冷却して濾過することにより、液体飼料を得る工程と
を含む、
前記鶏用飼料の製造方法。
【請求項8】
前記醗酵茶と、前記ネギ属野菜と、前記水とを、質量比(醗酵茶:ネギ属野菜:水)が、1~3:1~3:100となるように配合する、請求項
6又は
7に記載の鶏用飼料の製造方法。
【請求項9】
前記ネギ属野菜として、長葱を用い、当該長葱が、葉部位、茎部位及び/又は根部位を含むものである、請求項
6~
8のいずれか一項に記載の鶏用飼料の製造方法。
【請求項10】
前記鶏用飼料が、さらに穀物を含む混合粉体飼料からなる、請求項1~
3のいずれか一項に記載の鶏用飼料。
【請求項11】
前記混合粉体飼料において、前記醗酵茶と、前記ネギ属野菜と、前記穀物との配合比(醗酵茶:ネギ属野菜:穀物)が質量比で、3~8:1~3:100である、請求項
10に記載の鶏用飼料。
【請求項12】
前記穀物が、ふすま、豆粕及びとうもろこしからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項
10又は
11に記載の鶏用飼料。
【請求項13】
茶葉及び茶茎を混合醗酵した黒茶からなる醗酵茶
と、ネギ属野菜
と、穀物
とを含む混合粉体飼料からなる
、鶏卵及び鶏肉の食味改善用鶏用飼料の製造方法であって、
前記醗酵茶を粉砕して得られた粉体醗酵茶と、前記ネギ属野菜を粉砕して得られた粉体葱と、前記穀物とを混合することにより、粉体飼料混合物を得る工程と、
前記粉体飼料混合物を粉砕することにより、混合粉体飼料を得る工程と
を含む、
前記鶏用飼料の製造方法。
【請求項14】
前記醗酵茶と、前記ネギ属野菜と、前記穀物とを、質量比(醗酵茶:ネギ属野菜:穀物)が、3~8:1~3:100となるように配合する、請求項
13に記載の鶏用飼料の製造方法。
【請求項15】
前記ネギ属野菜として、大蒜を用い、当該大蒜が皮部位を含むものである、請求項
13又は
14に記載の鶏用飼料の製造方法。
【請求項16】
請求項
4又は
5に記載の鶏用飼料を飲用として鶏に給餌すると共に、
請求項
10~
12のいずれか一項に記載の鶏用飼料を食用として鶏に給餌する、鶏の飼育方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、醗酵茶及びネギ属野菜を含む鶏用飼料及びその製造方法、並びに当該飼料を用いた鶏の飼育方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鶏を健康に発育させる目的や鶏卵及び鶏肉の食味等を改善する目的で、各種の養鶏飼料が用いられている。
養鶏飼料としては、一般に、穀類(とうもろこし、マイロ、玄米等)、植物性油かす類(大豆油かす、コーングルテンミール、コーン、ジャームミール、なたね油かす等)、動物性飼料(魚粉、肉骨粉、フェザーミール等)、そうこう類(コーングルテンフィード、米ぬか油かす、米ぬか等)、その他(炭酸カルシウム、動物性油脂、食塩等)が配合されている。
【0003】
また、鶏肉の肉質改善や鶏卵の品質改良、増卵等を目的として、養鶏飼料に種々のものが添加物として配合されている。例えば特許文献1及び2には、鶏卵の食味や品質の改善を図るため、植物性ガム物質や生薬を配合した養鶏飼料が開示されている。
【0004】
さらに、飼料要求率を高める目的で、高たんぱく高カロリーに設計された養鶏飼料を鶏に給餌することが行われている。しかしながら、このような高たんぱく高カロリーの養鶏飼料は、鶏の皮下脂肪や体脂肪が増加することとなり、その結果、免疫力の低下に伴い、胃腸系の疾病の発生や育成率(生存率)の低下などを引き起こす原因となり得る。さらに、このような養鶏飼料を給餌された鶏においては、得られる鶏卵や鶏肉が、低い品質のものとなる可能性がある。
従って、養鶏飼料には、鶏の免疫力低下に伴う疾病の発生を未然に防ぐと共に、鶏の健全な発育を促進することができ、ひいては、高い品質の鶏卵及び鶏肉が得られる鶏を育成することができるものが求められている。
【0005】
一方、茶には、カテキン、アミノ酸、ビタミン類及びカルシウム等の成分が含有されていることが知られている。また、茶には、血中コレステロールの低減、癌の発症予防、脂肪吸収の抑制、心臓病や糖尿病の予防及び抑制、免疫力の向上等の薬理効果があることが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。また、製茶の過程では、特に醗酵によって茶の成分が変化することが知られている。
【0006】
近年、九州大学らによって、茶を醗酵させた醗酵茶にはポリフェノールが含有されることが発表された(特許文献3を参照)。特許文献3によれば、醗酵茶は各種機能を有する薬効性化合物が含有されており、赤血球変形能低下防止や抗酸化活性等に効果的な作用が得られることが開示されている。
【0007】
他方、長ネギ、玉ネギ及びニンニク等のネギ属野菜には、共通して硫化アリル等の成分が含有されている。この硫化アリルには、血流改善による免疫力の向上等の効能を有することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2019-115335号公報
【文献】特開2001-333701号公報
【文献】特許第5786169号
【非特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、免疫力低下に伴う疾病の発生を未然に防ぐと共に、健全な発育を促進することができ、ひいては、従来よりも食味及び栄養価の高い鶏卵及び鶏肉が得られる鶏を育成することができる鶏用飼料及びその製造方法、並びに当該飼料を用いた鶏の飼育方法を提供することを、発明が解決しようとする課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決するために種々検討した結果、鶏用飼料として、薬理効果を有する醗酵茶とネギ属野菜とを組み合わせることにより、鶏の健全な発育促進を図ることができるのではないかと考えた。
【0012】
このような考えのもと、本発明者らは、遂に、醗酵茶とネギ属野菜とを組み合わせて鶏用飼料として用いることにより、鶏の免疫力低下に伴う疾病の発生を未然に防ぐと共に、鶏の健全な発育促進を図ることに成功した。そして、驚くべきことに、この鶏用飼料を給餌された鶏においては、得られる鶏卵及び鶏肉が食味及び栄養価の高いものであった。本発明は、係る発明者らの考えや成功例に基づき、完成された発明である。
【0013】
本発明の一態様によれば、以下の鶏用飼料及びその製造方法、並びに当該飼料を用いた鶏の飼育方法が提供される。
〔1〕醗酵茶及びネギ属野菜を含む、鶏用飼料。
〔2〕前記醗酵茶が、茶葉及び茶茎を混合醗酵した黒茶からなる、〔1〕に記載の鶏用飼料。
〔3〕前記ネギ属野菜が、長葱であり、当該長葱が、葉部位、茎部位及び/又は根部位を含むものである、〔1〕又は〔2〕に記載の鶏用飼料。
〔4〕前記ネギ属野菜が、大蒜であり、当該大蒜が皮部位を含むものである、〔1〕又は〔2〕に記載の鶏用飼料。
〔5〕前記鶏用飼料が、さらに水を含む液体飼料からなる、〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の鶏用飼料。
〔6〕前記液体飼料において、前記醗酵茶と、前記ネギ属野菜と、前記水との原材料としての質量比(醗酵茶:ネギ属野菜:水)が、1~3:1~3:100である、〔5〕に記載の鶏用飼料。
〔7〕醗酵茶、ネギ属野菜及び水を含む液体飼料からなる鶏用飼料の製造方法であって、
前記醗酵茶を粉砕して得られた粉体醗酵茶を水に浸漬することにより、膨潤醗酵茶を得る工程と、前記ネギ属野菜を粉砕して得られた粉体葱と、前記膨潤醗酵茶とを混合することにより、葱茶混合物を得る工程と、前記葱茶混合物と水とを混合して加熱した後冷却し、その後濾過することにより、液体飼料を得る工程とを含む、鶏用飼料の製造方法。
〔8〕醗酵茶、ネギ属野菜及び水を含む液体飼料からなる鶏用飼料の製造方法であって、
前記醗酵茶を粉砕して得られた粉体醗酵茶と、前記ネギ属野菜を粉砕して得られた粉体葱とを混合することにより、粉体葱茶混合物を得る工程と、前記粉体葱茶混合物を熱水に入れ、その後冷却して濾過することにより、液体飼料を得る工程とを含む、鶏用飼料の製造方法。
〔9〕前記醗酵茶と、前記ネギ属野菜と、前記水とを、質量比(醗酵茶:ネギ属野菜:水)が、1~3:1~3:100となるように配合する、〔7〕又は〔8〕に記載の鶏用飼料の製造方法。
〔10〕前記ネギ属野菜として、長葱を用い、当該長葱が、葉部位、茎部位及び/又は根部位を含むものである、〔7〕~〔9〕のいずれか一項に記載の鶏用飼料の製造方法。
〔11〕前記鶏用飼料が、さらに穀物を含む混合粉体飼料からなる、〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の鶏用飼料。
〔12〕前記混合粉体飼料において、前記醗酵茶と、前記ネギ属野菜と、前記穀物との質量比(醗酵茶:ネギ属野菜:穀物)が、3~8:1~3:100である、〔11〕に記載の鶏用飼料。
〔13〕前記穀物が、ふすま、豆粕及びとうもろこしからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、〔11〕又は〔12〕に記載の鶏用飼料。
〔14〕醗酵茶、ネギ属野菜及び穀物を含む混合粉体飼料からなる鶏用飼料の製造方法であって、前記醗酵茶を粉砕して得られた粉体醗酵茶と、前記ネギ属野菜を粉砕して得られた粉体葱と、前記穀物とを混合することにより、粉体飼料混合物を得る工程と、前記粉体飼料混合物を粉砕することにより、混合粉体飼料を得る工程とを含む、鶏用飼料の製造方法。
〔15〕前記醗酵茶と、前記ネギ属野菜と、前記穀物とを、質量比(醗酵茶:ネギ属野菜:穀物)が、3~8:1~3:100となるように配合する、〔14〕に記載の鶏用飼料の製造方法。
〔16〕前記ネギ属野菜として、大蒜を用い、当該大蒜が皮部位を含むものである、〔14〕又は〔15〕に記載の鶏用飼料の製造方法。
〔17〕〔5〕又は〔6〕に記載の鶏用飼料を飲用として鶏に給餌すると共に、〔11〕~〔13〕のいずれか一項に記載の鶏用飼料を食用として鶏に給餌する、鶏の飼育方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様の鶏用飼料によれば、当該鶏用飼料が、醗酵茶及びネギ属野菜を含むことにより、疾病の発生が抑制されると共に、健全な発育が促進され、その結果、従来よりも食味及び栄養価の高い鶏卵及び鶏肉が得られる鶏を育成することができる。
【0015】
また、本発明の一態様の鶏用飼料の製造方法によれば、疾病の発生が抑制されると共に、健全な発育が促進され、その結果、従来よりも食味及び栄養価の高い鶏卵及び鶏肉が得られる鶏を育成することができる鶏用飼料を容易に製造することができる。
【0016】
本発明の一態様の鶏の飼育方法によれば、飲用及び食用として給餌される飼料の両者に、醗酵茶及びネギ属野菜を含むことにより、疾病の発生が抑制されると共に、健全な発育が促進され、その結果、従来よりも食味及び栄養価の高い鶏卵及び鶏肉が得られる鶏を育成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、例1により飼育された鶏(15日令)の写真画像である。
【
図2】
図2は、例1により飼育された鶏(150日令)の写真画像である。
【
図3】
図3は、例1により飼育された鶏(15日令)から排泄された排泄物の写真画像である。
【
図4】
図4は、例1により飼育された鶏から得られた鶏肉(一羽)の写真画像である。
【
図5】
図5は、例1により飼育された鶏から得られた鶏肉を拡大した写真画像である。
【
図7】
図7は、例1により飼育された鶏から得られた鶏肉を土鍋で煮込んだ状態の写真画像である。
【
図8】
図8は、
図7に示す土鍋で煮込んで得られた鶏肉の骨の状態の写真画像である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一態様の鶏用飼料の詳細について説明するが、本発明の技術的範囲は本項目の事項によってのみに限定されるものではなく、本発明はその目的を達成する限りにおいて種々の態様をとり得る。
【0019】
本明細書における各用語は、別段の定めがない限り、当業者により通常用いられている意味で使用され、不当に限定的な意味を有するものとして解釈されるべきではない。また、本明細書においてなされている理論や推測は、本発明者らのこれまでの知見や経験によってなされたものであることから、本発明の技術的範囲はこのような理論や推測のみによって拘泥されるものではない。
【0020】
「及び/又は」との用語は、列記した複数の関連項目のいずれか1つ、又は2つ以上の任意の組み合わせ若しくは全ての組み合わせを意味する。
「含有量」は、濃度と同義であり、組成物の全体量に対する成分の量の割合を意味する。ただし、成分の含有量の総量は、100%を超えることはない。本明細書では、別段の定めがない限り、含有量の単位は「質量%(wt%)」を意味する。
数値範囲の「~」は、本明細書において、その前後の数値を含む範囲であり、例えば、「0質量%~100質量%」は、0質量%以上であり、かつ、100質量%以下である範囲を意味する。
【0021】
〔鶏用飼料〕
本発明の一態様の鶏用飼料は、少なくとも醗酵茶及びネギ属野菜を原材料として含む。
【0022】
〔醗酵茶〕
本発明の一態様の鶏用飼料に含有される醗酵茶は、茶葉等を醗酵させて得られるものであれば特に限定されない。また、醗酵茶の原材料は、特に限定されないが、例えば、何の処理もしない自然状態のままの茶葉及び茶茎を混合して得られる混合茶であることが好ましい。ただし、茶葉及び茶茎はいずれか一方のみであってもよく、これらを乾燥処理等の加工処理に供したものであってもよい。
以下では、茶葉及び茶茎を混合して得られる混合茶を例にとって説明する。混合茶は、例えば、摘採した茶葉や茶茎を、茶葉と茶茎とに分類し、次いで茶葉は自然萎凋し、茶茎は選別して、これらを混合することによって得られる。ただし、混合茶はこのようにして得られるものに限定されない。
【0023】
混合茶は、茶を収穫する季節に摘採した茶葉及び茶茎であることが好ましい。また、混合茶は、茶葉と茶茎との質量比(茶葉:茶茎)が5:1~10:1になるように混合したものであることが好ましく、当該質量比が8:1であることがより好ましい。
【0024】
次いで、混合された茶葉及び茶茎が共に醗酵及び熟成する過程を経る。
また、長期熟成された醗酵茶は味がさらに深く、色も深褐色に変色され、薬理的な効果も発出しやすい。そこで、醗酵茶は、黒茶、すなわち、黒麹菌などによる後醗酵法により、長期熟成した黒茶であることが好ましい。
本発明の一態様の鶏用飼料において、醗酵茶は、1種単独で又は2種以上が含有されていてもよい。
【0025】
本発明の一態様の鶏用飼料に含有される醗酵茶は、粉砕物又は抽出物の状態であることが好ましい。
本発明において、醗酵茶の粉砕物とは、係る醗酵茶に対して粉砕処理をしたものをいう。なお、醗酵茶を粉砕処理する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を適宜選択することができる。
また、本発明において、醗酵茶の抽出物とは、未粉砕物又は上述で得られた粉砕物を熱水等の溶媒で抽出した抽出液、当該抽出液を濃縮したもの、又は当該抽出液又はその濃縮液を粉体化したものをいう。
醗酵茶の抽出物を得るための抽出方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を適宜選択することができる。また、得られた抽出液を濃縮するための濃縮方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を適宜選択することができる。さらに、得られた抽出液又はその濃縮液を粉体化する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を適宜選択することができる。
【0026】
〔ネギ属野菜〕
本発明の一態様の鶏用飼料に含有されるネギ属野菜は、ネギ属に属する野菜であれば特に限定さないが、例えば、長葱、玉葱、大蒜、ニラ等が挙げられる。
本発明の一態様の鶏用飼料において、ネギ属野菜は、1種単独で又は2種以上が含有されていてもよい。
【0027】
本発明の一態様の鶏用飼料に含有されるネギ属野菜は、葉部位、茎部位、根部位及び皮部位の少なくともいずれかの部位を含むものであることが好ましい。具体的には、長葱を用いる場合においては、葉部位、茎部位及び/又は根部位を含むものであることが、薬効性及び栄養バランスの観点から好ましい。また、大蒜を用いる場合においては、皮部位を含むものであることが、皮部位に薬効性能を有する化合物、例えばポリフェノール等が実部位よりも多く含まれている点で好ましい。
【0028】
本発明の一態様の鶏用飼料に含有されるネギ属野菜は、粉砕物又は抽出物の状態であることが好ましい。
本発明において、ネギ属野菜の粉砕物とは、係るネギ属野菜に対して粉砕処理、細断処理又は圧砕処理をしたものをいう。なお、ネギ属野菜を粉砕処理、細断処理又は圧砕処理する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を適宜選択することができる。
また、本発明において、ネギ属野菜の抽出物とは、未粉砕物又は上述で得られた粉砕物を熱水等の溶媒で抽出した抽出液、当該抽出液を濃縮したもの、又は当該抽出液又はその濃縮液を粉体化したものをいう。
ネギ属野菜の抽出物を得るための抽出方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を適宜選択することができる。また、得られた抽出液を濃縮するための濃縮方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を適宜選択することができる。さらに、得られた抽出液又はその濃縮液を粉体化する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を適宜選択することができる。
【0029】
〔液体飼料〕
本発明の一態様の鶏用飼料においては、少なくとも醗酵茶及びネギ属野菜を含むが、さらに水を含む液体飼料からなることが好ましい。当該液体飼料においては、醗酵茶及びネギ属野菜は、それぞれ抽出物の状態であることが好ましい。
【0030】
本発明の一態様の鶏用飼料において、液体飼料に含有される水としては、特に限定されないが、例えば、水道水、井戸水等が挙げられる。
【0031】
本発明の一態様の鶏用飼料に係る液体飼料においては、醗酵茶と、ネギ属野菜と、水との配合比(醗酵茶:ネギ属野菜:水)が質量比で、1~3:1~3:100であることが好ましく、醗酵茶及びネギ属野菜の薬効能を確実に得る観点から1:2:100であることがより好ましい。
ここで、醗酵茶と、ネギ属野菜と、水との配合比とは、液体飼料を製造する際に配合される原材料としての質量比のことをいう。具体的には、後述する液体飼料の製造方法において、粉体発酵茶と、粉体葱と、水との配合比(質量比)のことをいう。
【0032】
本発明の一態様の鶏用飼料において、液体飼料に含有されるネギ属野菜としては、長葱であることが好ましい。また、ネギ属野菜として長葱を用いる場合においては、葉部位、茎部位及び根部位を含むものであることが好ましい。
【0033】
本発明の一態様の鶏用飼料において、液体飼料には、必要により各種添加物を配合することができる。例えば、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類、香料、酸味料、乳化剤、安定剤等が挙げられる。ただし、液体飼料中に配合される添加物の量は、1~3質量%であることが好ましく、醗酵茶及びネギ属野菜の質量を超えないことが好ましい。
【0034】
〔液体飼料の製造方法〕
本発明の一態様の鶏用飼料の製造方法は、醗酵茶、ネギ属野菜及び水を含む液体飼料からなる鶏用飼料を製造する方法であって、以下工程を含む方法である。
(1)醗酵茶を粉砕して得られた粉体醗酵茶を水に浸漬することにより、膨潤醗酵茶を得る浸漬工程。
(2)ネギ属野菜を粉砕して得られた粉体葱と、膨潤醗酵茶とを混合することにより、葱茶混合物を得る混合工程。
(3)葱茶混合物と水とを混合して加熱した後冷却し、その後濾過することにより、液体飼料を得る加熱冷却工程。
【0035】
上記(1)の浸漬工程において、醗酵茶を粉砕する方法は、特に限定されず、公知の方法を適宜選択することができる。例えば、ミル、粉砕機等を用いて粉砕処理することができる。
また、上記(1)の浸漬工程においては、粉体醗酵茶を水に浸漬する方法としては、特に限定されず、公知の方法を適宜選択することができる。また、浸漬時間は、例えば一晩、具体的には8~12時間であることが好ましい。
【0036】
上記(2)の混合工程において、ネギ属野菜を粉砕する方法は、特に限定されず、公知の方法を適宜選択することができる。例えば、乳鉢、カッターナイフ、はさみ、包丁等を用いて手作業で粉砕処理することができ、また例えば、ミル、粉砕機等の機械を用いて粉砕処理することもできる。
また、上記(2)の混合工程において、粉体葱と膨潤醗酵茶とを混合する方法としては、特に限定されず、公知の方法を適宜選択することができる。例えば、ミキサー、ブレンダー等を用いて混合処理することができる。
【0037】
上記(3)の加熱冷却工程において、葱茶混合物と水とを加熱する方法としては、特に限定されず、公知の方法を適宜選択することができる。例えば、水が入った鍋などの容器に葱茶混合物を添加した後、加熱し、沸騰したら、弱火にして、例えば5~15分間煮出すことが好ましい。冷却する方法としては、自然冷却が好ましい。
また、上記(3)の加熱冷却工程において、加熱冷却された葱茶混合物を濾過する方法としては、特に限定されず、公知の方法を適宜選択することができる。
【0038】
本発明の別の一態様の鶏用飼料の製造方法は、醗酵茶、ネギ属野菜及び水を含む液体飼料からなる鶏用飼料を製造する方法であって、以下工程を含む方法である。
(I)醗酵茶を粉砕して得られた粉体醗酵茶と、ネギ属野菜を粉砕して得られた粉体葱とを混合することにより、粉体葱茶混合物を得る混合工程。
(II)粉体葱茶混合物を熱水に入れ、その後冷却して濾過することにより、液体飼料を得る加熱冷却工程。
【0039】
上記(I)の混合工程において、醗酵茶を粉砕する方法は、特に限定されず、公知の方法を適宜選択することができる。例えば、ミル、粉砕機等を用いて粉砕処理することができる。また、ネギ属野菜を粉砕する方法は、特に限定されず、公知の方法を適宜選択することができる。例えば、乳鉢、カッターナイフ、はさみ、包丁等を用いて手作業で粉砕処理することができ、また例えば、ミル、粉砕機等の機械を用いて粉砕処理することもできる。
また、上記(I)の混合工程において、粉体醗酵茶と粉体葱とを混合する方法としては、特に限定されず、公知の方法を適宜選択することができる。例えば、ミキサー、ブレンダー等を用いて混合処理することができる。
【0040】
上記(II)の加熱冷却工程において、粉体葱茶混合物を加熱冷却する方法としては、特に限定されず、公知の方法を適宜選択することができる。例えば、粉体葱茶混合物を熱水(沸騰水)が入った鍋などの容器に添加した後、自然冷却し、そのまま一晩、具体的には8~12時間静置する。
また、上記(II)の加熱冷却工程において、加熱冷却された葱茶混合物を濾過する方法としては、特に限定されず、公知の方法を適宜選択することができる。
【0041】
本発明の一態様の鶏用飼料に係る液体飼料においては、醗酵茶(粉体醗酵茶)と、ネギ属野菜(粉体葱)と、水とを、質量比(醗酵茶:ネギ属野菜:水)が、1~3:1~3:100となるように配合することが好ましく、醗酵茶及びネギ属野菜の薬効能を確実に得る観点から1:2:100であることがより好ましい。
また、液体飼料においては、ネギ属野菜として、長葱を用い、当該長葱が、葉部位、茎部位及び/又は根部位を含むものであることが好ましい。
【0042】
〔混合粉体飼料〕
本発明のさらに別の一態様の鶏用飼料においては、少なくとも醗酵茶及びネギ属野菜を含むが、さらに穀物を含む混合粉体飼料からなることが好ましい。当該混合粉体飼料においては、醗酵茶及びネギ属野菜は、それぞれ粉体物(個体)の状態であることが好ましい。
【0043】
本発明の一態様の鶏用飼料において、混合粉体飼料に含有される穀物としては、植物から得られる穀類であれば特に限定されないが、例えば、ふすま、豆粕、とうもろこし等が挙げられる。
混合粉体飼料において、穀物は1種単独で又は2種以上が含有されていてもよい。
【0044】
本発明の一態様の鶏用飼料に係る混合粉体飼料においては、醗酵茶と、ネギ属野菜と、穀物との配合比(醗酵茶:ネギ属野菜:穀物)が質量比で、3~8:1~3:100であることが好ましく、醗酵茶及びネギ属野菜の薬効能を確実に得る観点から3:2:100であることがより好ましい。
【0045】
本発明の一態様の鶏用飼料において、混合粉体飼料に含有されるネギ属野菜としては、大蒜であることが好ましい。また、ネギ属野菜として大蒜を用いる場合においては、皮部位を含むものであることが皮部位に薬効性能を有する化合物、例えばポリフェノール等が実部位よりも多く含まれている点で好ましい。
【0046】
本発明の一態様の鶏用飼料において、混合粉体飼料には、必要により各種添加物を配合することができる。例えば、動物性飼料(例えば、魚粉、魚骨紛、肉骨紛等)、植物性油(例えば大豆油等)、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類、香料、酸味料、乳化剤、安定剤等が挙げられる。ただし、混合粉体飼料中に配合される添加物の量は、醗酵茶及びネギ属野菜の質量を超えないことが好ましい。
【0047】
〔混合粉体飼料の製造方法〕
本発明のさらに別の一態様の鶏用飼料の製造方法は、醗酵茶、ネギ属野菜及び穀物を含む混合粉体飼料からなる鶏用飼料を製造する方法であって、以下工程を含む方法である。
(i)醗酵茶を粉砕して得られた粉体醗酵茶と、ネギ属野菜を粉砕して得られた粉体葱と、穀物とを混合することにより、粉体飼料混合物を得る混合工程。
(ii)粉体飼料混合物を粉砕することにより、混合粉体飼料を得る粉砕工程。
【0048】
上記(i)の混合工程において、醗酵茶を粉砕する方法は、特に限定されず、公知の方法を適宜選択することができる。例えば、ミル、粉砕機等を用いて粉砕処理することができる。また、ネギ属野菜を粉砕する方法は、特に限定されず、公知の方法を適宜選択することができる。例えば、乳鉢、カッターナイフ、はさみ、包丁等を用いて手作業で粉砕処理することができ、また例えば、ミル、ハンマー式粉砕機、石臼式粉砕機等の機械を用いて粉砕処理することもできる。なお、混合粉体飼料においては、ネギ属野菜として、大蒜を用い、当該大蒜が、皮部位を含むものであることが、皮部位に薬効性能を有する化合物、例えばポリフェノール等が実部位よりも多く含まれている点で好ましい。そして、この(i)混合工程において、皮部位を含む大蒜からなるネギ属野菜を粉砕した後、そのままの状態で10~15分間程度静置し、酸化させることが好ましい。
上記(i)の混合工程において、穀物は、粉砕処理してもしなくてもよい。
また、(i)の混合工程において、粉体醗酵茶と粉体葱と穀物とを混合する方法としては、特に限定されず、公知の方法を適宜選択することができる。例えば、ミキサー、ブレンダーを用いて混合処理することができる。
【0049】
上記(ii)の粉砕工程において、粉体飼料混合物を粉砕する方法は、特に限定されず、公知の方法を適宜選択することができる。例えば、ミル、粉砕機等を用いて粉砕処理することができる。
【0050】
本発明の一態様の鶏用飼料に係る混合粉体飼料においては、醗酵茶と、ネギ属野菜と、穀物とを、質量比(醗酵茶:ネギ属野菜:穀物)が、3~8:1~3:100となるように配合することが好ましく、醗酵茶及びネギ属野菜の薬効能を確実に得る観点から3:2:100であることがより好ましい。
【0051】
〔鶏の飼育方法〕
本発明の一態様の鶏の飼育方法は、醗酵茶、ネギ属野菜及び水を含む液体飼料からなる鶏用飼料を飲用として鶏に給餌すると共に、醗酵茶、ネギ属野菜及び穀物を含む混合粉体飼料からなる鶏用飼料を食用として鶏に給餌する方法である。
【0052】
本発明の一態様の鶏の飼育方法において、液体飼料を給水する量としては、例えば少なくとも全給水量の2/3以上であり、混合粉体飼料を給与する量としては、例えば少なくとも全給与量の2/3以上である。
【0053】
本発明の一態様の鶏の飼育方法において、液体飼料及び混合粉体飼料を給餌する期間としては、少なくとも150日間であることが好ましい。
【0054】
本発明の一態様の鶏の飼育方法においては、液体飼料の給水方法、混合粉体飼料の給与方法、その他の飼育条件は、特に限定されず、鶏舎における通常の給餌方法、設備を採用することができる。
【0055】
本発明の一態様の鶏の飼育方法においては、肉用鶏及び産卵鶏のいずれの鶏に対しても適用することができる。また、鶏の品種についても限定されない。
【0056】
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の課題を解決し得る限り、本発明は種々の態様をとることができる。
【実施例】
【0057】
〔例1〕
(1)液体飼料の製造
茶の収穫季節に摘んだ茶葉及び茶茎を、茶葉と茶茎との配合質量比(茶葉:茶茎)8:1になるように混合して、混合茶を得た。この混合茶を常法により、醗酵及び熟成させて醗酵茶(黒茶)を得た。この醗酵茶を粉砕機により粉砕処理して粉体醗酵茶を得た。この粉体醗酵茶1kgを水道水に浸漬させて一晩静置し、膨潤醗酵茶を得た。
次に、市販の長葱を葉部位、茎部位及び根部位を全て含んだ状態で、包丁により細切れにすることにより粉砕処理して粉体葱を得た。
得られた膨潤醗酵茶と粉体葱2kgとを混合して葱茶混合物を得、この葱茶混合物と水道水100Lとを混合して加熱し、沸騰後、弱火で10分間加熱し、その後、自然冷却して、撹拌してから網ざるにより濾過して、液体飼料〔1〕を製造した。
【0058】
(2)混合粉体飼料の製造
市販の大蒜を皮が付いた状態で、包丁の側面で潰し、さらにみじん切りにすることにより圧砕処理し、10分間程度静置して粉体大蒜を得た。
上記(1)と同様にして得られた粉体醗酵茶3kgと、粉体大蒜2kgと、穀物(ふすま15質量%、豆粕20質量%、とうもろこし61質量%、魚骨粉3質量%、大豆油1質量%)100kgとを混合し、粉砕機により粉砕処理して混合粉体飼料〔1〕を製造した。
【0059】
(3)鶏への給餌
200羽の芦花種の鶏に対し、液体飼料〔1〕を飲用として給餌すると共に、混合粉体飼料〔1〕を食用として給餌して、150日間飼育した。育成率(生存率)及び体重を測定した。なお、飼料の給水方法及び給与方法は、鶏舎の常法、設備により行い、液体飼料及び混合粉体飼料は共に自由摂取とした。
結果を表1に示す。また、例1により飼育された鶏の写真画像を
図1~3に示す。
【0060】
【0061】
表1の結果より、例1は、十分な育成率が得られたことが示された。
図1によれば、お尻の部分に排泄物が付着していないことから、胃腸系が健康であることを示している。また、
図3によれば、排泄物が固形であることから、胃腸系が健康であることを示している。
【0062】
また、例1で飼育した鶏から得られた鶏肉と、市販の鶏肉とについて、外観を比較した。
図4~6によれば、例1で飼育された鶏から得られた鶏肉(
図4及び5)は、市販の鶏肉(
図6)よりも脂肪分が少ないものであることがわかる。
【0063】
さらに、例1で飼育した鶏から得られた鶏肉及び市販の鶏肉について、食味評価として官能試験を行った。具体的には、飼育終了後の鶏から無作為に1羽抽出し、屠殺処理後、一羽全てを土鍋で煮込んだものを試料とした。一般消費者15人(男性7人、女性8人)による試食後、香り、軟らかさ、多汁性及び脂っぽさについて、それぞれ4段階(非常に悪い:1点、悪い:2点、良い:3点、非常に良い:4点)で評価した。結果を表2に示す。なお、結果は、平均値で示した。また、例1により飼育された鶏から得られた鶏肉を土鍋で煮込んだ状態の写真画像を
図7に示し、土鍋で煮込んで得られた鶏肉の骨の状態の写真画像を
図8に示す。
【0064】
【0065】
表2の結果より、例1で飼育した鶏から得られた鶏肉は、市販の鶏肉に比べ特に脂っぽさが少ないことがわかる。また、
図7によれば、煮汁に目立った油分が殆ど確認できないことがわかる。さらに、
図8によれば、骨が白く透明感があることから、体脂肪が少ないことがわかる。なお、一般的な鶏の骨は、灰色であり、健康状態が芳しいとはいえない。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の一態様の鶏用飼料は、工業上容易に製造することができ、当該鶏用飼料は養鶏業において好適に利用することができる。