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特許7266323腸管バインドのためのバンド締め付け装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】腸管バインドのためのバンド締め付け装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/12 20060101AFI20230421BHJP
   A61F 2/04 20130101ALI20230421BHJP
【FI】
A61B17/12
A61F2/04
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021506256
(86)(22)【出願日】2019-01-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 KR2019001318
(87)【国際公開番号】W WO2020032334
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2021-02-09
(31)【優先権主張番号】10-2018-0091229
(32)【優先日】2018-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521047122
【氏名又は名称】ジェイエスアールメディカル カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【弁理士】
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】キム ジェファン
(72)【発明者】
【氏名】チェ チャンヨン
【審査官】白川 敬寛
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-519709(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1649351(KR,B1)
【文献】特開2007-216014(JP,A)
【文献】米国特許第05707378(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0149876(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/12
A61B 17/11
A61F 2/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向に形成されたバンドと、
前記バンドの一側端部および他側端部が通過するように貫通部が形成された固定ピンと、
前記固定ピンが結合および離脱可能であり、前記バンドの一側端部および他側端部が固定可能なホルダーと、
前記ホルダーを移動させる引張部材とを含み、
前記バンドは、前記一側端部が前記貫通部を通過して前記ホルダーに固定されるとともに前記固定ピンが前記ホルダーに結合された状態で、前記他側端部が腸管の外側面を包んだ後、前記貫通部を通過し前記ホルダーに固定されるものであることを特徴とする、腸管バインドのためのバンド締め付け装置。
【請求項2】
前記引張部材は、掛け金が移動するようにガイド路が形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の腸管バインドのためのバンド締め付け装置。
【請求項3】
前記ガイド路は、その一面が前記掛け金が貫通できるように開放され、
前記ガイド路は、前記一面から遠い側の端である遠端を有し、
前記引張部材は、
記ホルダーを前記ガイド路の長さ方向に沿って前記遠端へ近づく方向に引っ張ることを特徴とする、請求項2に記載の腸管バインドのためのバンド締め付け装置。
【請求項4】
前記ガイド路は、その内側面に形成された高低差によって生成された係止段を有し、
前記ホルダーは、
両側面に固定ピン固定部が形成され、
前記固定ピン固定部は、
前記引張部材が前記ホルダーを引っ張って前記固定ピン及び前記ホルダーを移動させて前記固定ピンを前記ガイド路の前記係止段に係止させた後に、引き続き前記引張部材が前記ホルダーを引っ張った場合、前記固定ピンから離脱するように形成されたことを特徴とする、請求項に記載の腸管バインドのためのバンド締め付け装置。
【請求項5】
前記ホルダーは、
前記バンドの両側端部を固定するバンド固定部を含む、請求項1に記載の腸管バインドのためのバンド締め付け装置。
【請求項6】
前記ガイド路は、その一面が前記掛け金が貫通できるように開放され、
前記ガイド路は、前記一面から遠い側の端である遠端を有し、
前記固定ピンは、
前記バンドが前記ガイド路の長さ方向に沿って前記遠端へ近づく方向にのみ移動するようにバンドの移動方向を固定する固定突起を含む、請求項2に記載の腸管バインドのためのバンド締め付け装置。
【請求項7】
前記ガイド路の前記一面の表面は曲面であることを特徴とする、請求項2に記載の腸管バインドのためのバンド締め付け装置。
【請求項8】
前記ガイド路は、前記掛け金が移動するように長さ方向に形成されたことを特徴とする、請求項2に記載の腸管バインドのためのバンド締め付け装置。
【請求項9】
前記引張部材は、
内部に前記掛け金が前記ホルダーを引っ張る張力を測定する圧力センサーが設置されたことを特徴とする、請求項2に記載の腸管バインドのためのバンド締め付け装置。
【請求項10】
前記ガイド路は、内側面に高低差が形成されたことを特徴とする、請求項2に記載の腸管バインドのためのバンド締め付け装置。
【請求項11】
前記固定ピン固定部は、
前記固定ピンの両側面を加圧しながら前記固定ピンを固定するが、前記係止段への前記固定ピンの係止後に前記ホルダーが前記ガイド路の長さ方向に沿って前記遠端へ近づく方向に引っ張られる場合、前記固定ピンの両側面から離脱することを特徴とする、請求項4に記載の腸管バインドのためのバンド締め付け装置。
【請求項12】
前記バンドは、
両側端部に溝が形成され、
前記バンド固定部は、
前記溝に対応する突出部が形成され、
該突出部と前記溝とが嵌合されることにより前記バンドが固定されることを特徴とする、請求項5に記載の腸管バインドのためのバンド締め付け装置。
【請求項13】
前記固定突起は、
前記固定ピンの内側に突出して傾くように形成され、前記バンドが前記ガイド路の長さ方向に沿って前記遠端へ近づく方向に動き且つ前記遠端へ近づく方向の反対方向には動かないように前記バンドを固定することを特徴とする、請求項6に記載の腸管バインドのためのバンド締め付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンド締め付け装置に係り、より詳細には、バンドに作用する張力によって理想的に腸管にバンドをバインドすることができる腸管バインドのためのバンド締め付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大腸がんは、結腸と直腸に生じる悪性腫瘍であり、ほとんど大腸の粘膜に発生する腺がんである。腺がん以外にも、まれに扁平上皮がん、悪性リンパ腫、悪性肉腫、悪性カルチノイド腫瘍などが発見され、たまに周囲の臓器のがんが大腸を侵襲したり、他の部位に生じたがんが大腸に転移してきたりもする。腺がんの多くは、腺腫の良性腫瘍(ポリープ)が進行し癌化したものである。
【0003】
このような大腸がんは、病変の位置を基準に上行結腸がん、下行結腸がんおよび直腸がんに区分することができ、上行結腸がんに比べては下行結腸がん、下行結腸がんに比べては直腸がんの発病率が高い。これは、膵臓酵素により下方に行くほど少なく影響されるためであるといえる。
【0004】
一般に、大腸手術は、発病部位の上下端部を切開し、正常部位を接続し縫合する過程を経る。しかし、手術後、吻合部位から発生する漏出(leakage)は、手術後の深刻な合併症を引き起こし、患者の生命を脅かすおそれがある。また、長期的に吻合部の狭窄を引き起こし、患者の生活の質を著しく低下させる。
【0005】
大腸手術後の漏出の発生頻度は、約8%~25%と非常に高い数値が報告されている。また、手術後に回復期を経て正常な排便活動ができる結腸がん患者とは異なり、最も発病率の高い直腸がん患者の場合は、肛門を生かしても、肛門に隣接する部位まで除去するため、手術後に回復をしても正常な排便活動に深刻な障害が発生する。
【0006】
このような吻合部の漏出による被害を軽減するために通常行われる一時的オストミー(腹部人工肛門)は、大腸の蠕動運動により常に便が漏れてしまうので、排便用便収集袋を常に着用しなければならない。これにより、活動性の制限、漏れた便による悪臭が問題になる。
【0007】
このような人工肛門の管理は、非常に面倒で不便な方法であり、何よりも漏れた便による悪臭、周囲の人の偏見、活動性の制限、一般衣服着用時の不便さなどの原因で多くの患者が深刻な精神的苦痛を受けており、生活の質を低下させている。
【0008】
かかる問題点を解決するために、最近では、排便迂回のための人工腸管器が提供されている。
【0009】
従来の人工腸管器は、腸管部チューブと一対の固定部チューブで形成され、腸管の内部に人工腸管器を挿入し、腸管の外から固定部チューブ同士の間を腸管と共に腸管バンドで固定している。
【0010】
このような人工腸管器の使用において最も重要なのは、人工腸管器を腸管に安定的に固定することであり、固定によって腸管の壊死が生じてはならず、一定の時期が経過すると除去が容易でなければならない。
【0011】
このため、生分解性バンドについての研究が盛んに行われている。
【0012】
このような生分解性バンドは、前記固定部チューブ同士の間に結合されるものであって、人工腸管器を安定的に固定していなければならず、蠕動運動でも変形や緩みが最小限に抑えられなければならず、かつ、固定によって腸管の壊死が生じないようにしなければならないので、所定の長さで適正なテンションを持つように供給することが非常に重要である。
【0013】
従来の生分解性バンドの設置は、適正の長さに推定された生分解性バンドを手動で固定部チューブ同士の間で腸管の周りを取り囲んで縫合して行われるか、或いは、一定の長さで縫合が可能であり且つ切断が行われるようにするバンド設置器によって行われる。
【0014】
しかし、上記の方法は、患者に適した長さ、すなわち適切なテンションのバンドを供給することが容易でなく、手術時に速やかに患者に適したバンドを供給することが容易でないという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
そこで、本発明は、かかる問題点を解決するためのもので、その第一の目的は、適切なテンションに維持されるバンドを患者に供給することができる腸管バインドのためのバンド締め付け装置を提供することにある。
【0016】
また、本発明の第二の目的は、バンドとバンドを固定する固定ピンとの間に離隔距離が維持されるようにすることにより、腸管の障壁の血行(血液の流れ)が何時でも維持されるバンド締め付けを提供することができる腸管バインドのためのバンド締め付け装置を提供することにある。
【0017】
また、本発明の第三の目的は、所定の張力によって固定ピンがホルダーから離脱して、最適のテンションをバンドに加える位置に固定された後、医師が困難なく余分の無駄なバンド部分をカットして除去できるようにするバンド締め付け装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記の第一乃至第三の目的を達成するために、本発明は、長さ方向に形成されたバンドと、前記バンドの一側端部が通過するように貫通部が形成された固定ピンと、前記固定ピ
ンが結合および離脱可能であり、前記バンドの一側端部が固定可能なホルダーと、前記ホルダーを移動させる引張部材とを含み、前記バンドは、他側端部が腸管の外側面を包んだ後、前記貫通部を通過して前記ホルダーに固定されたことを特徴とする、腸管バインドのためのバンド締め付け装置を提供する。
【0019】
前記引張部材は、前記固定ピンと前記バンドとの離隔距離が所定の基準距離となるように、前記ホルダーを前記引張部材の内側に引っ張ることができる。
【0020】
前記引張部材は、掛け金が移動するようにガイド路が形成できる。
【0021】
前記ホルダーは、両側面に固定ピン固定部が形成され、前記固定ピン固定部は、前記引張部材による張力が前記固定ピンに加わる場合、前記固定ピンから離脱するように形成できる。
【0022】
前記ホルダーは、前記バンドの両側端部を固定するバンド固定部を含むことができる。
【0023】
前記固定ピンは、前記バンドが前記引張部材の内側にのみ移動するようにバンドの移動方向を固定する固定突起を含むことができる。
【0024】
前記基準距離は、3mm乃至7mmであることができる。
【0025】
前記ガイド路は、一面が開放され、該一面の表面は曲面であり得る。
【0026】
前記ガイド路は、前記掛け金が移動するように長さ方向に形成できる。
【0027】
前記引張部材は、内部に前記掛け金が前記ホルダーを引っ張る張力を測定する圧力センサーが設置できる。
【0028】
前記ガイド路は、内側面に高低差が形成できる。
【0029】
前記固定ピン固定部は、前記固定ピンの両側面を加圧しながら前記固定ピンを固定するが、前記ホルダーが前記引張部材の内側に引っ張られながら張力が前記固定ピンに加わる場合、前記固定ピンの両側面から離脱することができる。
【0030】
前記バンドは、両側端部に溝が形成され、前記バンド固定部は、前記溝に対応する突出部が形成され、前記突出部と前記溝とが嵌合されることにより前記バンドが固定できる。
【0031】
前記固定突起は、前記固定ピンの内側に突出して傾くように形成され、前記バンドが前記引張部材の内側に動き且つ前記引張部材の外側には動かないように前記バンドを固定することができる。
【発明の効果】
【0032】
上述した本発明の腸管バインドのためのバンド締め付け装置によれば、適切なテンションに維持されるバンドを患者に供給することができ、バンドとバンドを固定する固定ピンとの間に離隔距離が維持されるようにすることにより、腸管の弛緩及び収縮、並びに完全な血行を可能にするバンド締め付けを提供することができ、所定の張力によって固定ピンがホルダーから離脱して、医師が困難なく固定ピンの外の無駄な余分のバンドを切ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明のバンドを示す斜視図である。
図2】本発明のバンド、固定ピンおよびホルダーを示す分解斜視図である。
図3】本発明の固定ピンを示す分解斜視図である。
図4】本発明の固定ピンを示す側断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る作動例示図である。
図6】本発明の一実施形態に係る作動例示図である。
図7】本発明の引張部材を示す斜視図である。
図8】本発明の引張部材を示す側断面図である。
図9】本発明の引張部材を示す側面図である。
図10】本発明の引張部材の他の実施形態を示す側面図である。
図11】本発明の掛け金、圧力センサー、らせん形成部、ギア、離脱防止部および動力発生部を示す斜視図である。
図12】本発明の一実施形態に係る作動例示図である。
図13】本発明の一実施形態に係る作動例示図である。
図14】本発明の一実施形態に係る作動例示を示す平面図である。
図15a】本発明のガイド路の内側面に形成された高低差、固定ピンの高さおよびホルダーの高さを比較して示す図である。
図15b】同上。
図15c】同上。
図16】本発明のガイド路の内側面に形成された高低差、固定ピンの高さおよびホルダーの高さを比較して示す平面図である。
図17】本発明の固定ピンが固定ピン固定部から離脱することを示す図である。
図18】本発明の一実施形態に係る作動例示図である。
図19】本発明の一実施形態に係る作動例示および基準距離を示す図である。
図20】本発明の一実施形態に係る作動例示図である。
図21】本発明の一実施形態に係る作動例示図である。
図22a】本発明の一実施形態として、腸管の収縮および弛緩によるバンドの変化を示す図である。
図22b】同上。
図23a】本発明の他の実施形態として、ガイド路に摩擦防止部が設置されたことを示す図である。
図23b】同上。
図23c】同上。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本明細書及び請求の範囲で使用された用語や単語は、通常的かつ辞典的な意味で限定解釈されず、発明者は、そのユーザーの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に即して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されるべきである。
【0035】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…器」、「…段」、「モジュール」、「装置」などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの組み合わせで実現できる。
【0036】
本発明の実施形態で使用される用語について簡略に説明し、本実施形態について具体的に説明する。
【0037】
本発明の実施形態で使用される用語は、本発明における機能を考慮しながら、できる限り現在広く使用される一般な用語を選択したが、これは、当該分野に従事する技術者の意図または判例、新しい技術の出現などによって異なり得る。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、該当する実施形態の説明部分で詳細にその意味を記載する。よって、本実施形態で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が持つ意味、および本実施形態の全般にわたった内容に基づいて定義されるべきである。
【0038】
本発明の実施形態において、「第1」、「第2」などのように序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するために使用できるが、それらの構成要素は、前記用語によって限定されない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するためにのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく、第1の構成要素は第2の構成要素と命名でき、これと同様に、第2の構成要素も第1の構成要素と命名できる。「および/または」という用語は、複数の関連する記載項目の組み合わせまたは複数の関連する記載項目のうちのいずれかを含む。
【0039】
また、本発明の実施形態において、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を有しない限り、複数の表現を含む。
【0040】
また、本発明の実施形態において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0041】
また、本発明の実施形態において、「モジュール」あるいは「部」は、少なくとも一つの機能や動作を行い、ハードウェアまたはソフトウェアで実現されるか、或いはハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実現され得る。また、複数の「モジュール」あるいは複数の「部」は、特定のハードウェアで実現される必要のある「モジュール」あるいは「部」以外は、少なくとも一つのモジュールとして一体化されて少なくとも一つのプロセッサで実現できる。
【0042】
また、本発明の実施形態において、ある部分が他の部分に「接続」されているとするとき、これは「直接的に接続」されている場合だけでなく、それらの間に別の部分を挟んで「電気的に接続」されている場合も含む。
【0043】
そして、明細書全体において、バンド10は、腸バンド、補助バンド、生分解帯、生分解性バンドなどを含むことができる。
【0044】
つまり、明細書全体において、バンド10は、腸バンド、補助バンド、生分解帯、生分解性バンドなどで実現されてもよく、腸バンドおよび補助バンドの組み合わせで実現されてもよい。腸バンドおよび補助バンドの組み合わせの場合は、別々に動かないように掛け止め具で部分的に相互固定できる。また、腸バンドおよび補助バンドの組み合わせの場合は、腸管の外側面と接する部分に補助バンドを位置させることができる。
【0045】
また、腸バンドは、原糸を用いて製織された形態であって、腸管を固定しているときに解けてはならず、最小限の引張強度を有しながら大腸の蠕動運動でも変形があってはならず、大腸の外壁を損なうことなく、一定の期間後に生分解される材質で形成される。通常、メッシュ状の生分解性縫合糸などを用いて製織されて提供されている。
【0046】
また、補助バンドは、滑らかで透明な材質、すなわちポリウレタンなどのポリマー材質で形成され、このような腸バンドおよび補助バンドは、テンションを加えて引っ張るときに伸びながらある程度のテンション以上になると自動的に切断される材質で形成されるか、或いはある程度のテンション以上になると自動的に切断される形態で形成される。
【0047】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0048】
図1は本発明のバンドを示す斜視図、図2は本発明のバンド、固定ピンおよびホルダーの分解斜視図である。
【0049】
図1及び図2を参照すると、バンド10は、長さ方向に長く形成できる。また、バンド10は、両側端部に溝11が形成できる。ここで、バンド10の両側端部に形成される溝11は、様々な形態で形成できる。バンド10は、一側端部が固定された状態で、他側端部が腸管の外側面を包むことができるように形成できる。
【0050】
また、固定ピン100は、バンド10の一側端部が通過できるように貫通部120が形成でき、このような貫通部120は、バンド10の他側端部が通過することができる。つまり、バンド10の他側端部は、腸管の外側面を包んだ後、貫通部120を通過することができる。
【0051】
また、ホルダー200は、固定ピン100と結合することができ、固定ピン100から離脱することができる。
【0052】
より具体的には、ホルダー200は、両側面に固定ピン固定部250が形成できる。このような固定ピン固定部250は弾性材質で実現できる。そして、固定ピン固定部250は、固定ピン100の両側面を加圧することにより、固定ピン100を固定することができる。
【0053】
ホルダー200が引っ張られながら張力が固定ピン100に加わる場合、固定ピン固定部250は、垂直に固定ピン100を加圧することにより、固定ピン100を固定することができる。
【0054】
また、固定ピン固定部250が固定ピン100を加圧する力よりも強い張力がホルダー200に加わる場合、固定ピン固定部250が固定ピン100の両側面から離脱することにより、ホルダー200が固定ピン100から離脱することができる。
【0055】
また、固定ピン固定部250が加圧する固定ピン100の両側面は、固定ピン固定部250と対応するように凹設された凹部111が実現でき、これにより、固定ピン固定部250がスムーズに離脱することができるという効果がある。
【0056】
また、ホルダー200は、バンド10の一側端部を固定することができ、ホルダー200は、バンド10の他側端部を固定することができる。つまり、ホルダー200は、腸管の外側面を包んだ後、貫通部120を通過したバンド10の他側端部を固定することができる。
【0057】
また、ホルダー200は、バンド10の両側端部を固定するバンド固定部240を含むことができる。より具体的には、ホルダー200は、第1ホルダーケース210と第2ホルダーケース220で実現でき、ホルダー200の内部にバンド固定部240が設置できる。
【0058】
このようなバンド固定部240は、バンド10の両側端部に形成された溝11に対応するように突出部が形成できる。この突出部と溝11とを嵌合することにより、バンド固定部240は、バンド10を固定することができる。
【0059】
また、バンド固定部240は、第1バンド固定部241及び第2バンド固定部242で実現でき、第1バンド固定部241及び第2バンド固定部242は、バンド10の溝11に対応するように突出部がそれぞれ形成できる。このようにバンド固定部240が第1バンド固定部241及び第2バンド固定部242で実現されることにより、より強くバンド10を固定することができるという効果が発生する。
【0060】
また、ホルダー200は、後述する掛け金330が係止できる掛け金係止部230が形成できる。このような掛け金係止部230は、掛け金330の形態に対応するように形成でき、バンド10が挿入されるホルダー200の一面ではなく、ホルダー200の他面に形成できる。
【0061】
図3は本発明の固定ピンを示す分解斜視図であり、図4は本発明の固定ピンを示す側断面図である。
【0062】
図3及び図4を参照すると、固定ピン100は、固定ピンケース110および貫通部120を含むことができる。固定ピンケース110の両側面には、固定ピン固定部250と対応するように凹設された凹部111が備えられる。
【0063】
また、貫通部120は、固定ピンケース110の内部に挿入される構造で形成でき、貫通部120は、バンド10が移動することができるように内部が貫いて形成できる。
【0064】
また、貫通部120の内側面には、バンド10が特定の方向にのみ移動するようにバンド10の移動方向を固定する固定突起121が形成できる。
【0065】
このような固定突起121は、貫通部120の内側に突設でき、傾斜が形成できる。つまり、固定突起121は、バンド10が一側に移動する過程で固定突起121の傾斜面を越えることができるように形成できる。
【0066】
しかし、バンド10が固定突起121の傾斜面を越えた後、その反対方向である他側に移動しようとする場合、傾斜面によって形成された突起にバンド10が係止されることにより移動することができないように固定突起121が形成できる。
【0067】
これにより、固定突起121は、バンド10が後述の引張部材300の内側にのみ移動し且つ引張部材300の外側には移動しないように、バンド10の移動方向を固定することができる。
【0068】
図5は本発明の一実施形態に係る作動例示図であり、図6は本発明の一実施形態に係る作動例示図である。
【0069】
図5及び図6を参照すると、バンド10の一側端部が固定ピン100を通過してホルダー200に固定でき、バンド10の他側端部は腸管1の外側面を包んだ後、固定ピン100を通過してホルダー200に固定できることが分かる。
【0070】
図7は本発明の引張部材を示す斜視図であり、図8は本発明の引張部材を示す側断面図であり、図9は本発明の引張部材を示す側面図であり、図10は本発明の引張部材の他の実施形態を示す側面図であり、図11は本発明の掛け金、圧力センサー、らせん形成部、
ギア、離脱防止部および動力発生部を示す斜視図である。
【0071】
図7乃至図11を参照すると、引張部材300は、ホルダー200に張力を加えることにより、ホルダー200を引張部材300の内側に移動させることができ、固定ピン100がホルダー200に結合されている場合、引張部材300は、固定ピン100にも張力を加えることができる。
【0072】
このような引張部材300は、本体310およびガイド路320で実現できる。
【0073】
また、引張部材300は、固定ピン100とバンド10との離隔距離が所定の基準距離となるようにホルダー200を引張部材300の内側に引っ張ることができる。
【0074】
ここで、基準距離は、3mm乃至7mm、好ましくは5mmであり得る。つまり、基準距離は、5mmから±2mmの誤差を持つようにすることができる。
【0075】
より具体的には、このような基準距離は、腸管内に存在する排便迂回用腸管管理器の外径に対応するように設定できる。
【0076】
つまり、腸管内に存在する排便迂回用腸管管理器の外径に対応して、腸管の外径が異なるので、排便迂回用腸管管理器の外径に対応するように基準距離が設定されなければならない
【0077】
のような基準距離は、腸管管理器の外径に対応して加減があり得る。
【0078】
これは、腸管の弛緩及び収縮と血行を考慮して、バンド10を巻くために設定されたものである。
【0079】
また、引張部材300は、所定の張力をホルダー200に加える場合、さらに張力をホルダー200に加えず、後述する掛け金330を元の位置に戻すことができる。これについては後述することにする。
【0080】
引張部材300の本体310およびガイド路320は、ハウジングであって、本体310およびガイド路320が分離されてハウジングで実現でき、本体310およびガイド路320が一体になってハウジングで実現できる。
【0081】
ガイド路320は、掛け金330が移動することができるように形成されたもので、長さ方向に実現できる。
【0082】
また、ガイド路320は、一面が開放でき、開放された一面の外側表面は曲面からなり得る。これは、引張部材300が引張部材300の内側にホルダー200を引っ張ることにより、バンド10と曲面からなる一面とが接する場合に、腸管の形態を考慮したものである。
【0083】
つまり、腸管の外側面は曲面であって、バンド10の外側面も曲面である。腸管の外側面に損傷が生じたりバンド10の外側面に損傷が生じたりすることを防止するために、バンド10の外側面と接触するガイド路320の一面も曲面でなければならない。
【0084】
また、掛け金330は、端部が曲線で形成でき、このような掛け金330の端部は、上述した掛け金係止部230に係止されるように形成できる。また、掛け金330の端部が曲線であって、フック形状である場合には、ガイド路320は、長さ方向に他面が開放されて掛け金移動ガイドラインを形成することができる。
【0085】
また、本体310の外側面には、引張部材300を操作することができるように操作部340が形成され、ユーザーの意図に応じた電気信号を発生させることができ、加圧部350によって電源部370のスイッチをオン/オフにすることができる。また、加圧部350を押すことにより、引張部材300がホルダー200を引張部材300の内側に引っ張ることができる。
【0086】
また、本体310の外側面にはウィンドウ部380が形成でき、ウィンドウ部380は透明に形成できる。ウィンドウ部380を介して、ユーザーは離脱防止突起334の動きを確認することができ、これにより引張部材300がどれほどにホルダー200を引っ張ったか、すなわち、引張部材300がどれほどにバンド10を引っ張ったかを確認することができるという効果がある。
【0087】
また、本体310の外側面には表示部381が形成でき、このような表示部381は、現在引張部材300が加えている張力を表示することができる。つまり、後述する圧力センサー331が測定したホルダー200を引っ張る張力を表示することにより、ユーザーは、便利にどれほどの張力が加わっているかを確認することができるという効果がある。
【0088】
また、表示部381は、ユーザーの意図に応じて操作部340が発生させた電気信号の内容を表示することができる。
【0089】
つまり、例えば、操作部340によってホルダー200に加わる張力が増加または減少する場合、当該増加または減少する張力に対して表示部381が表示することができ、現在電源部370のバッテリー残量を表示することができる。
【0090】
また、操作部340は、ホルダー200に加えられる特定の張力および時間のうちの少なくとも一つを設定して、当該特定の張力および時間のうちの少なくとも一つに対応させるためにホルダー200に張力が加わるように設定することができる。
【0091】
つまり、設定された張力によってホルダー200および固定ピン100が分離でき、設定された時間および張力でバンド10を腸管の外側面に巻くことができるだろう。
【0092】
また、ガイド路320の内部には掛け金330が配置でき、本体310の内部には、圧力センサー331、らせん形成部332、離脱防止部333、離脱防止突起334、ギア335、動力発生部360および電源部370が配置できる。
【0093】
ここで、掛け金330は、ホルダー200の掛け金係止部230に係止されるように実現でき、圧力センサー331は、掛け金330がホルダー200を引っ張る張力を測定することができる。ここで、圧力センサー331は、掛け金330がホルダー200を引っ張る張力を測定することができるところに配置されるもので、本体310の内部のどこにも配置できる。
【0094】
すなわち、本明細書では、説明の便宜のために、圧力センサー331が掛け金330とらせん形成部332との間に配置されるものと説明したが、圧力センサー331の配置が掛け金330とらせん形成部332との間に配置されるものと限定されない。
【0095】
圧力センサー331の一面には、掛け金330が配置できる。
【0096】
また、圧力センサー331の他面にはらせん形成部332が配置できる。らせん形成部332の外側面にはギア335が配置でき、らせん形成部332の一側に離脱防止部333が配置できる。
【0097】
ここで、ギア335の内側面は、らせん形成部332の螺旋と対応するように螺旋が形成できる。また、ギア335の外側面は、動力発生部360の動力伝達部と対応するように鋸歯状部が形成できる。
【0098】
つまり、動力発生部360は、電源部370から電力の伝達を受けて動力を発生させることができ、発生させた動力を動力伝達部を介してギア335に伝達することができる。ギア335は、伝達された動力によって回転しながら、らせん形成部332に動力を伝達することができ、らせん形成部332は、伝達された動力によって掛け金330を引っ張ることにより、張力をホルダー200に加えることができる。このような構造によって動力発生部360が発生させた動力として、ホルダー200に張力を加えることができる。
【0099】
離脱防止部333の表面には離脱防止突起334が形成されることにより、ギア335の離脱を防止することができる。つまり、ギア335の過度な動きを防止することにより、掛け金330がホルダー200に過度な張力を加えることを防止することができるという効果がある。
【0100】
掛け金330が張力をホルダー200に加えるとき、圧力センサー331は、所定の張力と対応する圧力を検知することができる。この場合、動力発生部360は、掛け金330を元の位置に移動させるための動力を発生させることができる。
【0101】
掛け金330を元の位置に移動させるための動力の伝達をギア335およびらせん形成部332が受け、掛け金330は、当該動力を用いて元の位置に移動することができる。
【0102】
つまり、掛け金330が所定の張力をホルダー200に加える場合まで、掛け金330は、ホルダー200に張力を加えることができる。掛け金330が所定の張力をホルダー200に加える場合、掛け金330は、ホルダー200にもはや張力を加えず、掛け金330は、ホルダー200に張力を加える前の位置に移動することができる。
【0103】
これにより、医師がバンド10をより楽に切ることができるという効果がある。
【0104】
図12は本発明の一実施形態に係る作動例示図であり、図13は本発明の一実施形態に係る作動例示図であり、図14は本発明の一実施形態に係る作動例示を示す平面図である。
【0105】
より具体的には、図12は、バンド10が腸管1の外側面を包んだ後、固定ピン100を通過してホルダー200に固定された状態であって、ホルダー200に形成された掛け金係止部230に掛け金330が係止されたものを示す斜視図であり、図13は、掛け金係止部230に係止された掛け金330が張力をホルダー200に加えることにより、バンド10、固定ピン100およびホルダー200を引っ張る状態を示す斜視図であり、図14は、掛け金係止部230に係止された掛け金330が張力をホルダー200に加えることにより、バンド10、固定ピン100およびホルダー200を引っ張る状態を示す平面図である。
【0106】
図15a、図15bおよび図15cは、本発明のガイド路の内側面に形成された高低差、固定ピンの高さおよびホルダーの高さを比較して示す図であり、図16は、本発明のガイド路の内側面に形成された高低差、固定ピンの高さおよびホルダーの高さを比較して示す平面図であり、図17は、本発明の固定ピンが固定ピン固定部から離脱することを示す図である。
【0107】
図15a乃至図17を参照すると、図15a及び図16は、ガイド路320の内側面に高低差が形成されたことを示すものであり、l1は、ガイド路320の内部に形成された収納空間の高さを意味する。そして、図15b及び図16のl2はホルダーの高さを意味し、図15c及び図16のl3は固定ピン100の高さを意味する。
【0108】
つまり、ガイド路320の内側面に形成された高低差が反映されたガイド路320内の収納空間の高さに比べて、ホルダー200の高さが低いため、ホルダー200は、ガイド路320の内部に形成された収納空間に収納できるが、固定ピン100の高さは収納空間の高さよりも高いため、固定ピンは、収納空間に収納できず、ガイド路320の内側面に形成された高低差によって生成された係止段に係止されるしかない。
【0109】
図17は、固定ピン固定部250が固定ピンの凹部111から離脱することを拡大して示すものであって、掛け金330が掛け金係止部230に係止されてホルダー200を引張部材300の内側に引っ張るとき、バンド10、固定ピン100およびホルダー200には張力が加えられる。
【0110】
この場合、ガイド路320の内側へバンド10、固定ピン100およびホルダー200は移動し、ホルダー200はガイド路320の収納空間に収納される。ところが、固定ピン100は、収納空間に収納できないので、係止段に係止される。引張部材300の内側に固定ピン100に引き続き張力が加わると、固定ピン100の両側面を固定ピン固定部250が垂直に加圧する力よりも張力が強まる時点が発生する。その際、固定ピン固定部250は、凹部111から離脱することにより、固定ピン100とホルダー200とは互いに分離される。
【0111】
図18は本発明の一実施形態に係る作動例示図であり、図19は本発明の一実施形態による作動例示および基準距離を示す図である。
【0112】
より具体的には、図18は、固定ピン100の両側面を固定ピン固定部250が垂直に加圧する力よりも引張部材300の内側に固定ピン100に加わる張力が強い場合、固定ピン固定部250が凹部111から離脱して、ホルダー200がガイド路320内の収納空間に収納され、固定ピン100が係止段に係止されている状態を示す図である。
【0113】
また、図18を参照すると、ホルダー200がガイド路320内の収納空間に収納される過程で、バンド10も引張部材300の内側、すなわちガイド路320の内側に引っ張られるので、腸管1の外側面を包んだバンド10の部分には、一定のテンションが掛けられ、これにより、バンド10が腸管1の外側面に対応するように締められることを確認することができる。
【0114】
図19は、固定ピン100とバンド10との離隔距離が所定の基準距離Aとなるように引張部材300の内側にホルダー200を引っ張ったことを示す図である。ここで、基準距離Aは、バンド10の外側面と固定ピン100との距離を意味することができる。このような基準距離Aは、上述したように3mm乃至7mmであり得る。これは、腸管1の弛緩および収縮を考慮してバンド10を巻くために設定されたものである。
【0115】
また、上述したようにガイド路320の開放された一面の外側表面が曲面であるので、引張部材300の内側にホルダー200を引っ張ることにより、ガイド路320の開放された一面と腸管1の外側面に巻かれたバンド10の外側面とが接しても、バンド10の外側面に損傷が発生しない。
【0116】
図20は本発明の一実施形態に係る作動例示図であり、図21は本発明の一実施形態に係る作動例示図である。
【0117】
図20は、腸管1にバンド10が理想的なテンションで巻かれて、固定ピン100およびホルダー200が離脱し、掛け金係止部230から掛け金330が離脱した場合を示す図であり、固定ピン100とホルダー200との間に残されたバンド10をカットして腸管1の外側面にバンド10が理想的なテンションで巻かれるようにすることができる。
【0118】
図21は固定ピン100とホルダー200との間に残されたバンド10をカットした後を示す図である。
【0119】
すなわち、図20及び図21を参照すると、固定ピン100によってバンド10が腸管1の外側面に固定された後、バンド10の特定の部位(固定ピン100とホルダー200との間)をハサミまたはハーモニックスカルペル(Hamonic Scalpel)などで切断することができる。
【0120】
図22aおよび図22bは本発明の一実施形態として、腸の収縮および弛緩によるバンドの変化を示す図である。
【0121】
図22aおよび図22bを参照すると、腸管1は、収縮および弛緩するので、もし基準距離なしにバンド10を腸管1の外側面に巻いた場合、腸管1が収縮よび弛緩する過程でバンド10の理想的なテンションを維持することができないという問題点がある。
【0122】
したがって、上述したように、固定ピン100とバンド10との離隔距離が3mm乃至7mmの基準距離Aとなるように引張部材300の内側にホルダー200を引っ張ることにより、腸管1の外側面に理想的なテンションでバンド10が巻かれるようにすることができ、腸管1が弛緩する場合でも、固定ピン100とバンド10との間に形成された基準距離によって、バンド10の理想的なテンションが維持されるようにすることができる。
【0123】
図22aは、腸管1が収縮した場合にバンド10が腸管1の外側面に巻かれている状態を示す図であり、図22bは、腸管1が弛緩した場合にバンド10が腸管1の外側面に巻かれている状態を示す図である。
【0124】
図23a、図23bおよび図23cは、本発明の他の実施形態として、ガイド路に摩擦防止部が設置されたことを示す図である。
【0125】
図23a、図23bおよび図23cを参照すると、図23aはガイド路320に摩擦防止部321が設置されたことを示す側面図であり、図23bはガイド路320に摩擦防止部321が設置されたことを示す斜視図であり、図23cはガイド路320に摩擦防止部321が設置され、バンド10とガイド路320との摩擦を防止することができることを示す作動例示図である。
【0126】
より具体的には、ガイド路320は、一面が開放でき、開放された一面の外側表面は曲面であり、開放された一面の外側表面に摩擦防止部321が設置できる。
【0127】
このような摩擦防止部321は、ホイールまたは凹凸で実現でき、一つ以上が設置でき、これにより、バンド10の外側面とガイド路320の一面に発生しうる摩擦を最小限に抑えることができる。
【0128】
ここで、摩擦防止部321は、一つ以上が設置されれば良いもので、図23a乃至図23cに示されるように4つに限定されない。
【0129】
バンド10の外側面とガイド路320の一面に発生する摩擦を最小限に抑えることにより、バンド10にテンションがさらに増加して腸管の外側面の締め付けがしっかりと行われない状態で停止する事態を防止することができるという効果がある。
【0130】
上述したように、本発明の実施形態に係る腸管バインドのためのバンド締め付け装置の構成および動作が行われ得る。一方、本発明の説明では、具体的な実施形態について説明したが、様々な変形が本発明の範囲を逸脱することなく実施できる。
【0131】
以上、本発明は、たとえ限定された実施形態および図面によって説明されたが、本発明は、これによって限定されず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって多様な修正及び変形が可能である。
【0132】
本実施形態に関連する技術分野における通常の知識を有する者は、上述した記載の本質的な特性から逸脱することなく、変形した形態で実現できることが理解できるだろう。したがって、開示方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されるべきである。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にあるすべての相違点は本発明に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15a
図15b
図15c
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22a
図22b
図23a
図23b
図23c