(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】有機金属化合物、及びそれを含んだ有機発光素子
(51)【国際特許分類】
C07F 15/00 20060101AFI20230421BHJP
C09K 11/06 20060101ALI20230421BHJP
H10K 50/00 20230101ALI20230421BHJP
H10K 50/16 20230101ALI20230421BHJP
H10K 50/15 20230101ALI20230421BHJP
【FI】
C07F15/00 F CSP
C09K11/06 660
C09K11/06 690
H05B33/14 B
H05B33/22 A
H05B33/22 C
(21)【出願番号】P 2018217510
(22)【出願日】2018-11-20
【審査請求日】2021-09-28
(31)【優先権主張番号】10-2017-0155814
(32)【優先日】2017-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】全 美 那
(72)【発明者】
【氏名】高 秀 秉
(72)【発明者】
【氏名】金 性 範
(72)【発明者】
【氏名】安 熙 春
(72)【発明者】
【氏名】田 美 恩
(72)【発明者】
【氏名】韓 定 勳
(72)【発明者】
【氏名】金 榮 國
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ ▲暫▼ 煥
【審査官】▲高▼岡 裕美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0168656(US,A1)
【文献】特開2014-239225(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0090963(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107325105(CN,A)
【文献】特表2015-527972(JP,A)
【文献】特表2017-515823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F
C09K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式(1)で表され
、有機発光素子の発光層におけるドーパントとして使用される、有機金属化合物。
【化1】
… (1)
(前記化学式(1)で、
M
11は、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ユウロピウム(Eu)、テルビウム(Tb)及びツリウム(Tm)のうちから選択され、
A
11~A
16は、互いに独立して、C
5-C
60炭素環式基及びC
1-C
60ヘテロ環式基のうちから選択され、
Y
11~Y
14は、互いに独立して、NまたはCであり、
T
11~T
14は、互いに独立して、単結合、*-O-*’及び*-S-*’のうちから選択され、
L
11~L
13は、互いに独立して、単結合、*-O-*’、*-S-*’、*-C(R
17)(R
18)-*’、*-C(R
17)=*’、*=C(R
17)-*’、*-C(R
17)=C(R
18)-*’、*-C(=O)-*’、*-C(=S)-*’、*-C=C-*’、*-B(R
17)-*’、*-N(R
17)-*’、*-P(R
17)-*’、*-Si(R
17)(R
18)-*’、*-P(R
17)(R
18)-*’及び*-Ge(R
17)(R
18)-*’のうちから選択され、
a11~a13は、互いに独立して、0、1、2及び3のうちから選択され、
a11が0であるならば、A
11及びA
12は、互いに連結されておらず、
a12が0であるならば、A
12及びA
13は、互いに連結されておらず、
a13が0であるならば、A
13及びA
14は、互いに連結されておらず、
R
11~R
18は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは無置換のC
1-C
60アルキル基、置換もしくは無置換のC
2-C
60アルケニル基、置換もしくは無置換のC
2-C
60アルキニル基、置換もしくは無置換のC
1-C
60アルコキシ基、置換もしくは無置換のC
3-C
10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC
3-C
10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC
6-C
60アリール基、置換もしくは無置換のC
6-C
60アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC
6-C
60アリールチオ基、置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-B(Q
1)(Q
2)、-N(Q
1)(Q
2)、-P(Q
1)(Q
2)、-C(=O)(Q
1)、-S(=O)(Q
1)、-S(=O)
2(Q
1)、-P(=O)(Q
1)(Q
2)、及び-P(=S)(Q
1)(Q
2)のうちから選択され、
R
16及びR
11、またはR
17及びR
14は、選択的に、互いに結合し、置換もしくは無置換のC
5-C
60炭素環式基、または置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環式基を形成することができ、
R
14及びR
15、またはR
15及びR
16は、選択的に、互いに結合し、置換もしくは無置換のC
5-C
60炭素環式基、または置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環式基を形成することができ、
R
17及びR
11、R
17及びR
12、またはR
17及びR
13は、選択的に、互いに結合し、置換もしくは無置換のC
5-C
60炭素環式基、または置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環式基を形成することができ、
b11~b16は、互いに独立して、1、2、3、4、5、6、7及び8のうちから選択され、
Q
1~Q
3は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、C
1-C
60ヘテロアリールオキシ基、C
1-C
60ヘテロアリールチオ基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、ビフェニル基及びターフェニル基のうちから選択され、
*及び*’は、隣接する原子との結合サイトであり、
前記置換されたC
5-C
60炭素環式基、置換されたC
1-C
60ヘテロ環式基、置換されたC
1-C
60アルキル基、置換されたC
2-C
60アルケニル基、置換されたC
2-C
60アルキニル基、置換されたC
1-C
60アルコキシ基、置換されたC
3-C
10シクロアルキル基、置換されたC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換されたC
3-C
10シクロアルケニル基、置換されたC
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換されたC
6-C
60アリール基、置換されたC
6-C
60アリールオキシ基、置換されたC
6-C
60アリールチオ基、置換されたC
1-C
60ヘテロアリール基、置換された一価非芳香族縮合多環式基、及び置換された一価非芳香族ヘテロ縮合多環式基の置換基のうちから選択された少なくとも1つの置換基は、
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基及びC
1-C
60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
11)(Q
12)(Q
13)、-N(Q
11)(Q
12)、-B(Q
11)(Q
12)、-C(=O)(Q
11)、-S(=O)
2(Q
11)及び-P(=O)(Q
11)(Q
12)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基及びC
1-C
60アルコキシ基;
C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環式基及び一価非芳香族ヘテロ縮合多環式基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
21)(Q
22)(Q
23)、-N(Q
21)(Q
22)、-B(Q
21)(Q
22)、-C(=O)(Q
21)、-S(=O)
2(Q
21)及び-P(=O)(Q
21)(Q
22)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環式基及び一価非芳香族ヘテロ縮合多環式基;並びに
-Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)、-N(Q
31)(Q
32)、-B(Q
31)(Q
32)、-C(=O)(Q
31)、-S(=O)
2(Q
31)及び-P(=O)(Q
31)(Q
32);のうちから選択され、
前記Q
1~Q
3、Q
11~Q
13、Q
21~Q
23、及びQ
31~Q
33は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、重水素・-F及びシアノ基のうちから選択された少なくとも一つで置換されたC
1-C
60アルキル基、重水素・-F及びシアノ基のうちから選択された少なくとも一つで置換されたC
6-C
60アリール基、ビフェニル基、及びターフェニル基のうちから選択される。)
【請求項2】
M
11は、Pt、Pd、Cu、Ag及びAuのうちから選択されることを特徴とする請求項1に記載の有機金属化合物。
【請求項3】
A
11~A
16は、互いに独立して、ベンゼン基、ナフタレン基、アントラセン基、フェナントレン基、トリフェニレン基、ピレン基、クリセン基、シクロペンタジエン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン基、フラン基、チオフェン基、シロール基、インデン基、フルオレン基、インドール基、カルバゾール基、ベンゾフラン基、ジベンゾフラン基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾシロール基、ジベンゾシロール基、インデノピリジン基、インドロピリジン基、ベンゾフロピリジン基、ベンゾチエノピリジン基、ベンゾシロロピリジン基、インデノピリミジン基、インドロピリミジン基、ベンゾフロピリミジン基、ベンゾチエノピリミジン基、ベンゾシロロピリミジン基、ジヒドロピリジン基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、ピリダジン基、トリアジン基、キノリン基、イソキノリン基、キノキサリン基、キナゾリン基、フェナントロリン基、ピロール基、ピラゾール基、イミダゾール基、2,3-ジヒドロイミダゾール基、トリアゾール基、2,3-ジヒドロトリアゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、オキサジアゾール基、チアジアゾール基、ベンゾピラゾール基、ベンゾイミダゾール基、2,3-ジヒドロベンゾイミダゾール基、イミダゾピリジン基、2,3-ジヒドロイミダゾピリジン基、イミダゾピリミジン基、2,3-ジヒドロイミダゾピリミジン基、イミダゾピラジン基、2,3-ジヒドロイミダゾピラジン基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサジアゾール基、ベンゾチアジアゾール基、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリン基及び5,6,7,8-テトラヒドロキノリンのうちから選択されることを特徴とする請求項1に記載の有機金属化合物。
【請求項4】
A
11~A
13は、互いに独立して、下記化学式2-1~2-43のうちいずれか一つで表されることを特徴とする請求項1に記載の有機金属化合物。
【化2】
前記化学式2-1~2-43で、
X
21~X
23は、互いに独立して、C(R
24)及びC-*のうちから選択されるが、X
21~X
23のうち少なくとも2以上は、C-*であり、
X
24は、N-*であり、X
25及びX
26は、互いに独立して、C(R
24)及びC-*のうちから選択されるが、X
25及びX
26のうち少なくとも1以上は、C-*であり、
X
27及びX
28は、互いに独立して、N,N(R
24
)及びN-*のうちから選択され、X
29は、C(R
24)及びC-*のうちから選択されるが、i)X
27及びX
28のうち1以上は、N-*であり、X
29は、C-*であるか、あるいはii)X
27及びX
28は、N-*であり、X
29は、C(R
24)であり、
R
21
~R
24
は互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは無置換のC
1
-C
60
アルキル基、置換もしくは無置換のC
2
-C
60
アルケニル基、置換もしくは無置換のC
2
-C
60
アルキニル基、置換もしくは無置換のC
1
-C
60
アルコキシ基、置換もしくは無置換のC
3
-C
10
シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC
1
-C
10
ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC
3
-C
10
シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC
1
-C
10
ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC
6
-C
60
アリール基、置換もしくは無置換のC
6
-C
60
アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC
6
-C
60
アリールチオ基、置換もしくは無置換のC
1
-C
60
ヘテロアリール基、置換もしくは無置換のC
1
-C
60
ヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換のC
1
-C
60
ヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
1
)(Q
2
)(Q
3
)、-B(Q
1
)(Q
2
)、-N(Q
1
)(Q
2
)、-P(Q
1
)(Q
2
)、-C(=O)(Q
1
)、-S(=O)(Q
1
)、-S(=O)
2
(Q
1
)、-P(=O)(Q
1
)(Q
2
)、及び-P(=S)(Q
1
)(Q
2
)のうちから選択され、
b21は、1、2及び3のうちから選択され、
b22は、1、2、3、4及び5のうちから選択され、
b23は、1、2、3及び4のうちから選択され、
b24は、1及び2のうちから選択され、
*は、隣接する原子との結合サイトである。
【請求項5】
A
14~A
16は、互いに独立して、下記化学式2-1~2-4のうちいずれか一つで表されることを特徴とする請求項1に記載の有機金属化合物。
【化3】
前記化学式2-1~2-4で、
X
21~X
23は、互いに独立して、C(R
24)及びC-*のうちから選択されるが、X
21~X
23のうち少なくとも2以上は、C-*であり、
X
24は、N-*であり、X
25及びX
26は、互いに独立して、C(R
24)及びC-*のうちから選択されるが、X
25及びX
26のうち少なくとも1以上は、C-*であり、
X
27及びX
28は、互いに独立して、N,N(R
24
)及びN-*のうちから選択され、X
29は、C(R
24)及びC-*のうちから選択されるが、i)X
27及びX
28のうち1以上は、N-*であり、X
29は、C-*であるか、あるいはii)X
27及びX
28は、N-*であり、X
29は、C(R
24)であり、
R
21
~R
24
は互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは無置換のC
1
-C
60
アルキル基、置換もしくは無置換のC
2
-C
60
アルケニル基、置換もしくは無置換のC
2
-C
60
アルキニル基、置換もしくは無置換のC
1
-C
60
アルコキシ基、置換もしくは無置換のC
3
-C
10
シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC
1
-C
10
ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC
3
-C
10
シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC
1
-C
10
ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC
6
-C
60
アリール基、置換もしくは無置換のC
6
-C
60
アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC
6
-C
60
アリールチオ基、置換もしくは無置換のC
1
-C
60
ヘテロアリール基、置換もしくは無置換のC
1
-C
60
ヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換のC
1
-C
60
ヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
1
)(Q
2
)(Q
3
)、-B(Q
1
)(Q
2
)、-N(Q
1
)(Q
2
)、-P(Q
1
)(Q
2
)、-C(=O)(Q
1
)、-S(=O)(Q
1
)、-S(=O)
2
(Q
1
)、-P(=O)(Q
1
)(Q
2
)、及び-P(=S)(Q
1
)(Q
2
)のうちから選択され、
b21は、1、2及び3のうちから選択され、
b22は、1、2、3、4及び5のうちから選択され、
b23は、1、2、3及び4のうちから選択され、
b24は、1及び2のうちから選択され、
*は、隣接する原子との結合サイトである。
【請求項6】
前記化学式(1)で、
モイエティは、下記化学式1-1~1-64のうちいずれか一つで表されたモイエティであることを特徴とする請求項1に記載の有機金属化合物。
【化4】
(前記化学式1-1~1-64で、*、*’及び*”は、それぞれ隣接する原子との結合サイトである。)
【請求項7】
Y
11、Y
12及びY
13は、Cであり、Y
14は、Nであるか、
Y
11、Y
12及びY
14は、Cであり、Y
13は、Nであるか、
Y
11、Y
13及びY
14は、Cであり、Y
12は、Nであるか、
Y
12、Y
13及びY
14は、Cであり、Y
11は、Nであるか、
Y
11及びY
14は、Cであり、Y
12及びY
13は、Nであるか、
Y
11及びY
14は、Nであり、Y
12及びY
13は、Cであるか、
Y
11及びY
12は、Cであり、Y
13及びY
14は、Nであるか、
Y
11及びY
12は、Nであり、Y
13及びY
14は、Cであるか、
Y
11及びY
13は、Cであり、Y
12及びY
14は、Nであるか、あるいは
Y
11及びY
13は、Nであり、Y
12及びY
14は、Cであることを特徴とする請求項1に記載の有機金属化合物。
【請求項8】
T
11~T
14は、いずれも単結合であるか、
T
11は、*-O-*’及び*-S-*’のうちから選択され、T
12~T
14は、単結合であるか、
T
12は、*-O-*’及び*-S-*’のうちから選択され、T
11、T
13及びT
14は、単結合であるか、
T
13は、*-O-*’及び*-S-*’のうちから選択され、T
11、T
12及びT
14は、単結合であるか、あるいは
T
14は、*-O-*’及び*-S-*’のうちから選択され、T
11、T
12及びT
13は、単結合であることを特徴とする請求項1に記載の有機金属化合物。
【請求項9】
L
11~L
13は、互いに独立して、単結合、*-O-*’、*-S-*’、*-C(R
17)(R
18)-*’、*-C(R
17)=*’、*=C(R
17)-*’、*-B(R
17)-*’、*-N(R
17)-*’、*-Si(R
17)(R
18)-*’及び*-P(R
17)(R
18)-*’のうちから選択されることを特徴とする請求項1に記載の有機金属化合物。
【請求項10】
L
11が、*-N(R
17)-*’、*-C(R
17)(R
18)-*’または*-Si(R
17)(R
18)-*’であり、R
17が、R
12と互いに結合し、置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環式基を形成するか、あるいは
L
12が、*-N(R
17)-*’、*-C(R
17)(R
18)-*’または*-Si(R
17)(R
18)-*’であり、R
17が、R
13と互いに結合し、置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環式基を形成することを特徴とする請求項1に記載の有機金属化合物。
【請求項11】
a11は、0であり、a12及びa13は、互いに独立して、1、2及び3のうちから選択されるか、
a12は、0であり、a11及びa13は、互いに独立して、1、2及び3のうちから選択されるか、あるいは
a13は、0であり、a11及びa12は、互いに独立して、1、2及び3のうちから選択されることを特徴とする請求項1に記載の有機金属化合物。
【請求項12】
a11は、0であることを特徴とする請求項1に記載の有機金属化合物。
【請求項13】
R
11~R
18は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、シアノ基、C
1-C
20アルキル基及びC
1-C
20アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、シアノ基、フェニル基及びビフェニル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C
1-C
20アルキル基及びC
1-C
20アルコキシ基;
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、シロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、イソキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、ベンゾキノキサリニル基、キナゾリニル基、ベンゾキナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾシロリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾシロリル基、ベンゾカルバゾリル基、ナフトベンゾフラニル基、ナフトベンゾチオフェニル基、ナフトベンゾシロリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジナフトフラニル基、ジナフトチオフェニル基、ジナフトシロリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、オキサゾロピリジニル基、チアゾロピリジニル基、ベンゾナフチリジニル基、アザフルオレニル基、アザスピロ-ビフルオレニル基、アザカルバゾリル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基、アザジベンゾシロリル基、インデノピロリル基、インドロピロリル基、インデノカルバゾリル基及びインドロカルバゾリル基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、シアノ基、C
1-C
20アルキル基、C
1-C
20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、シロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、イソキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、ベンゾキノキサリニル基、キナゾリニル基、ベンゾキナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾシロリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾシロリル基、ベンゾカルバゾリル基、ナフトベンゾフラニル基、ナフトベンゾチオフェニル基、ナフトベンゾシロリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジナフトフラニル基、ジナフトチオフェニル基、ジナフトシロリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、オキサゾロピリジニル基、チアゾロピリジニル基、ベンゾナフチリジニル基、アザフルオレニル基、アザスピロ-ビフルオレニル基、アザカルバゾリル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基、アザジベンゾシロリル基、インデノピロリル基、インドロピロリル基、インデノカルバゾリル基、インドロカルバゾリル基、-Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)、-N(Q
31)(Q
32)、-B(Q
31)(Q
32)、-C(=O)(Q
31)、-S(=O)(Q
31)、-S(=O)
2(Q
31)、-P(=O)(Q
31)(Q
32)及び-P(=S)(Q
31)(Q
32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、シロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、イソキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、ベンゾキノキサリニル基、キナゾリニル基、ベンゾキナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾシロリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾシロリル基、ベンゾカルバゾリル基、ナフトベンゾフラニル基、ナフトベンゾチオフェニル基、ナフトベンゾシロリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジナフトフラニル基、ジナフトチオフェニル基、ジナフトシロリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、オキサゾロピリジニル基、チアゾロピリジニル基、ベンゾナフチリジニル基、アザフルオレニル基、アザスピロ-ビフルオレニル基、アザカルバゾリル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基、アザジベンゾシロリル基、インデノピロリル基、インドロピロリル基、インデノカルバゾリル基及びインドロカルバゾリル基;並びに
-Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-B(Q
1)(Q
2)、-N(Q
1)(Q
2)、-P(Q
1)(Q
2)、-C(=O)(Q
1)、-S(=O)(Q
1)、-S(=O)
2(Q
1)、-P(=O)(Q
1)(Q
2)及び-P(=S)(Q
1)(Q
2)のうちから選択され、
Q
1~Q
3、及びQ
31~Q
33は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、C
1-C
60ヘテロアリールオキシ基、C
1-C
60ヘテロアリールチオ基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、重水素・-F及びシアノ基のうちから選択された少なくとも一つで置換されたC
1-C
60アルキル基、重水素・-F及びシアノ基のうちから選択された少なくとも一つで置換されたC
6-C
60アリール基、ビフェニル基、及びターフェニル基のうちから選択されることを特徴とする請求項1に記載の有機金属化合物。
【請求項14】
前記有機金属化合物は、下記化学式3-1または化学式3-2で表されることを特徴とする請求項1に記載の有機金属化合物。
【化6】
… 3-1
【化7】
… 3-2
前記化学式3-1及び3-2で、
Y
31~Y
37は、互いに独立して、NまたはCであり、
Y
41~Y
47は、互いに独立して、NまたはCであり、
b31、b32、b41、b42は、それぞれ1または2であり、
b33及びb43は、それぞれ1、2または3であ
り、
R
31
~R
33
,R
41
~R
43
は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは無置換のC
1
-C
60
アルキル基、置換もしくは無置換のC
2
-C
60
アルケニル基、置換もしくは無置換のC
2
-C
60
アルキニル基、置換もしくは無置換のC
1
-C
60
アルコキシ基、置換もしくは無置換のC
3
-C
10
シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC
1
-C
10
ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC
3
-C
10
シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC
1
-C
10
ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC
6
-C
60
アリール基、置換もしくは無置換のC
6
-C
60
アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC
6
-C
60
アリールチオ基、置換もしくは無置換のC
1
-C
60
ヘテロアリール基、置換もしくは無置換のC
1
-C
60
ヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換のC
1
-C
60
ヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
1
)(Q
2
)(Q
3
)、-B(Q
1
)(Q
2
)、-N(Q
1
)(Q
2
)、-P(Q
1
)(Q
2
)、-C(=O)(Q
1
)、-S(=O)(Q
1
)、-S(=O)
2
(Q
1
)、-P(=O)(Q
1
)(Q
2
)、及び-P(=S)(Q
1
)(Q
2
)のうちから選択される。
【請求項15】
前記化学式(1)で表される有機金属化合物は、下記化合物1~45のうちから選択されることを特徴とする請求項1に記載の有機金属化合物。
【化8】
【請求項16】
第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在する発光層を含んだ有機層と、を含み、
前記有機層は、請求項1~15のうちいずれか1項に記載の有機金属化合物を含む有機発光素子。
【請求項17】
前記第1電極がアノードであり、
前記第2電極がカソードであり、
前記有機層は、前記第1電極と前記発光層との間に介在する正孔輸送領域、及び前記発光層と前記第2電極との間に介在する電子輸送領域をさらに含み、
前記正孔輸送領域は、正孔注入層、正孔輸送層、バッファ層、発光補助層及び電子阻止層のうちから選択された少なくとも1層を含み、
前記電子輸送領域は、正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層のうちから選択された少なくとも1層を含むことを特徴とする請求項16に記載の有機発光素子。
【請求項18】
前記発光層が、前記有機金属化合物を含むことを特徴とする請求項17に記載の有機発光素子。
【請求項19】
前記発光層がホスト材料をさらに含み、
前記ホスト材料は、カルバゾール含有化合物を含むことを特徴とする請求項18に記載の有機発光素子。
【請求項20】
前記電子輸送領域が正孔阻止層を含み、
前記正孔阻止層に、ホスフィンオキシド含有化合物またはシリル含有化合物を含むことを特徴とする請求項17に記載の有機発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機金属化合物、及びそれを含んだ有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子(organic light emitting device)は、自発光型素子であり、従来の素
子に比べ、視野角が広くてコントラストにすぐれるだけではなく、応答時間が短く、輝度、駆動電圧及び応答速度の特性にすぐれ、多色化が可能である。
【0003】
有機発光素子は、基板上部に第1電極が配置されており、第1電極上部に、正孔輸送領域、発光層、電子輸送領域及び第2電極が順次に形成されている構造を有することができる。第1電極から注入された正孔は、正孔輸送領域を経由して発光層に移動し、第2電極から注入された電子は、電子輸送領域を経由して発光層に移動する。正孔及び電子のようなキャリアは、発光層領域で再結合して励起子を生成する。励起子が励起状態から基底状態に変わりながら光が生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0039443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、新規有機金属化合物、及びそれを含んだ有機発光素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によれば、下記化学式(1)で表される有機金属化合物が提供される。
【化1】
… (1)
化学式(1)で、
M
11は、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、
チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ユウロピウム(Eu)、テルビウム(Tb)及びツリウム(Tm)のうちから選択され、
A
11~A
16は、互いに独立して、C
5-C
60炭素環式構造及びC
1-C
60ヘテロ環式構造のうちから選択され、
Y
11~Y
14は、互いに独立して、NまたはCであり、
T
11~T
14は、互いに独立して、単結合、*-O-*’及び*-S-*’のうちから選択され、
L
11~L
13は、互いに独立して、単結合、*-O-*’、*-S-*’、*-C(R
17)(R
18)-*’、*-C(R
17)=*’、*=C(R
17)-*’、*-C(R
17)=C(R
18)-*’、*-C(=O)-*’、*-C(=S)-*’、*-C=C-*’、*-B(R
17)-*’、*-N(R
17)-*’、*-P(R
17)-*’、*-Si(R
17)(R
18)-*’、*-P(R
17)(R
18)-*’及び*-Ge(R
17)(R
18)-*’のうちから選択され、
a11~a13は、互いに独立して、0、1、2及び3のうちから選択され、
a11が0であるならば、A
11及びA
12は、互いに連結されておらず、
a12が0であるならば、A
12及びA
13は、互いに連結されておらず、
a13が0であるならば、A
13及び
A14は、互いに連結されておらず、
R
11~R
18は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは無置換のC
1-C
60アルキル基、置換もしくは無置換のC
2-C
60アルケニル基、置換もしくは無置換のC
2-C
60アルキニル基、置換もしくは無置換のC
1-C
60アルコキシ基、置換もしくは無置換のC
3-C
10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC
3-C
10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC
6-C
60アリール基、置換もしくは無置換のC
6-C
60アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC
6-C
60アリールチオ基、置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
1)(Q
2)(Q
3)、-B(Q
1)(Q
2)、-N(Q
1)(Q
2)、-P(Q
1)(Q
2)、-C(=O)(Q
1)、-S(=O)(Q
1)、-S(=O)
2(Q
1)、-P(=O)(Q
1)(Q
2)、及び-P(=S)(Q
1)(Q
2)のうちから選択され、
R
16及びR
11、またはR
17及びR
14は、選択的に互いに結合し、置換もしくは無置換のC
5-C
60炭素環式基、または置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環式基を形成することができ、
R
14及びR
15、またはR
15及びR
16は、選択的に互いに結合し、置換もしくは無置換のC
5-C
60炭素環式基、または置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環式基を形成することができ、
R
17及びR
11、R
17及びR
12、またはR
17及びR
13は、選択的に互いに結合し、置換もしくは無置換のC
5-C
60炭素環式基、または置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロ環式基を形成することができ、
b11~b16は、互いに独立して、1、2、3、4、5、6、7及び8のうちから選択され、
*及び*’は、隣接する原子との結合サイトであり、
置換されたC
5-C
60炭素環式基、置換されたC
1-C
60ヘテロ環式基、置換されたC
1-C
60アルキル基、置換されたC
2-C
60アルケニル基、置換されたC
2-C
60アルキニル基、置換されたC
1-C
60アルコキシ基、置換されたC
3-C
10シクロアルキル基、置換されたC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換されたC
3-C
10シクロアルケニル基、置換されたC
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換されたC
6-C
60アリール基、置換されたC
6-C
60アリールオキシ基、置換されたC
6-
C
60アリールチオ基、置換されたC
1-C
60ヘテロアリール基、置換された一価非芳香族縮合多環式基、及び置換された一価非芳香族ヘテロ縮合多環式基の置換基のうちから選択された少なくとも1つの置換基は、
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基及びC1-C60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
11)(Q
12)(Q
13)、-N(Q
11)(Q
12)、-B(Q
11)(Q
12)、-C(=O)(Q
11)、-S(=O)
2(Q
11)及び-P(=O)(Q
11)(Q
12)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基及びC
1-C
60アルコキシ基;
C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環式基及び一価非芳香族ヘテロ縮合多環式基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q
21)(Q
22)(Q
23)、-N(Q
21)(Q
22)、-B(Q
21)(Q
22)、-C(=O)(Q
21)、-S(=O)
2(Q
21)及び-P(=O)(Q
21)(Q
22)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環式基及び一価非芳香族ヘテロ縮合多環式基;並びに
-Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)、-N(Q
31)(Q
32)、-B(Q
31)(Q
32)、-C(=O)(Q
31)、-S(=O)
2(Q
31)及び-P(=O)(Q
31)(Q
32);のうちから選択され、
Q
1~Q
3、Q
11~Q
13、Q
21~Q
23、及びQ31~Q
33は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、重水素・-F及びシアノ基のうちから選択された少なくとも一つで置換されたC
1-C
60アルキル基、重水素・-F及びシアノ基のうちから選択された少なくとも一つで置換されたC
6-C
60アリール基、ビフェニル基、及びターフェニル基のうちから選択される。
【0007】
他の実施形態によれば、第1電極と、第1電極に対向した第2電極と、第1電極と第2電極との間に介在する発光層を含んだ有機層と、を含み、有機層が有機金属化合物を1種
以上含む有機発光素子が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の有機金属化合物を含んだ有機発光素子は、低駆動電圧、高効率、高輝度及び長寿命を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態による有機発光素子の構造を概略的に示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[置換基の一般的な定義]
本明細書において、C1-C60アルキル基は、炭素数1~60の線状または分枝状の脂肪族炭化水素一価基を意味し、具体的な例には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ter-ブチル基、ペンチル基、iso-アミル基、ヘキシル基などが含まれる。本明細書において、C1-C60アルキレン基は、C1-C60アルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0011】
本明細書において、C2-C60アルケニル基は、C2-C60アルキル基の中間または末端に、1以上の炭素二重結合を含んだ炭化水素基を意味し、その具体的な例には、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基などが含まれる。本明細書において、C2-C60アルケニレン基は、C2-C60アルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0012】
本明細書において、C2-C60アルキニル基は、C2-C60アルキル基の中間または末端に、1以上の炭素三重結合を含んだ炭化水素基を意味し、その具体的な例には、エチニル基、プロピニル基などが含まれる。本明細書において、C2-C60アルキニレン基は、C2-C60アルキニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0013】
本明細書において、C1-C60アルコキシ基は、-OA101(ここで、A101は、C1-C60アルキル基である)の化学式を有する一価基を意味し、その具体的な例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基などが含まれる。
【0014】
本明細書において、C3-C10シクロアルキル基は、炭素数3~10の一価飽和炭化水素単環式基を意味し、その具体例には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などが含まれる。本明細書において、C3-C10シクロアルキレン基は、C3-C10シクロアルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0015】
本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルキル基は、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含んだ炭素数1~10の一価単環式基を意味し、その具体例には、1,2,3,4-オキサトリアゾリジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフェニル基などが含まれる。本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルキレン基は、C1-C10ヘテロシクロアルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0016】
本明細書において、C3-C10シクロアルケニル基は、炭素数3~10の一価単環式基であり、環内に少なくとも1つの二重結合を有するが、芳香族性(aromaticity)を有
さない基を意味し、その具体例には、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基などが含まれる。本明細書において、C3-C10シクロアルケニレン基は、C3-C10シクロアルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0017】
本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基は、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含んだ炭素数1~10の一価単環式基であり、環内に少なくとも1つの二重結合を有する。C1-C10ヘテロシクロアルケニル基の具体例には、4,5-ジヒドロ-1,2,3,4-オキサトリアゾリル基、2,3-ジヒドロフラニル基、2,3-ジヒドロチオフェニル基などが含まれる。本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルケニレン基は、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0018】
本明細書において、C6-C60アリール基は、炭素数6~60の炭素環式芳香族系を有する一価基を意味し、C6-C60アリーレン基は、炭素数6~60の炭素環式芳香族系を有する二価基を意味する。C6-C60アリール基の具体例には、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピレニル基、クリセニル基などを含まれる。C6-C60アリール基及びC6-C60アリーレン基が2以上の環を含む場合、2以上の環は、互いに縮合してもよい。
【0019】
本明細書において、C1-C60ヘテロアリール基はN、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含み、炭素数1~60のヘテロ環式芳香族系を有する一価基を意味し、C1-C60ヘテロアリーレン基は、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含み、炭素数1~60のヘテロ環式芳香族系を有する二価基を意味する。C1-C60ヘテロアリール基の具体例には、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基などが含まれる。C1-C60ヘテロアリール基及びC1-C60ヘテロアリーレン基が2以上の環を含む場合、2以上の環は、互いに縮合してもよい。
【0020】
本明細書において、C6-C60アリールオキシ基は、-OA102(ここで、A102は、C6-C60アリール基である)を示し、C6-C60アリールチオ基は、-SA103(ここで、A103は、C6-C60アリール基である)を示す。本明細書において、C1-C60ヘテロアリールオキシ基は、-OA104(ここで、A104は、C1-C60ヘテロアリール基である)を示し、C1-C60ヘテロアリールチオ基は、-SA105(ここで、A105は、C1-C60ヘテロアリール基である)を示す。
【0021】
本明細書において、一価非芳香族縮合多環式基は、2以上の環が互いに縮合されており、環形成原子として炭素のみを含み、分子全体が非芳香族性(non-aromaticity)を有す
る一価基(例えば、炭素数8~60を有する)を意味する。一価非芳香族縮合多環式基の具体例には、フルオレニル基などが含まれる。本明細書において、二価非芳香族縮合多環式基は、一価非芳香族縮合多環式基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0022】
本明細書において、一価非芳香族ヘテロ縮合多環式基は、2以上の環が互いに縮合されており、環形成原子として炭素外にN、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含み、分子全体が非芳香族性を有する一価基(例えば、炭素数1~60を持ち)を意味する。一価非芳香族ヘテロ縮合多環式基の具体例には、カルバゾリル基などが含まれる。本明細書において、二価非芳香族ヘテロ縮合多環式基は、一価非芳香族ヘテロ縮合多環式基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0023】
本明細書において、C5-C60炭素環式基とは、環形成原子として炭素のみを含んだ炭素数5~60の単環式基または多環式基を意味する。C5-C60炭素環式基は、芳香族炭素環式基または非芳香族炭素環式基でもある。C5-C60炭素環式基は、ベンゼンのような環、フェニル基のような一価基、またはフェニレン基のような二価基である。または、C5-C60炭素環式基に連結された置換基の個数により、C5-C60炭素環式
基は、三価基または四価基であってもよく、多様な変形が可能である。
【0024】
本明細書において、C1-C60ヘテロ環式基とは、C5-C60炭素環式基と同一構造を有するが、環形成原子として、炭素(炭素数は、2~60でもある)以外に、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含んだ基を意味する。
【0025】
本明細書において、置換されたC5-C60炭素環式基、置換されたC1-C60ヘテロ環式基、置換されたC3-C10シクロアルキレン基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換されたC3-C10シクロアルケニレン基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換されたC6-C60アリーレン基、置換されたC1-C60ヘテロアリーレン基、置換された二価非芳香族縮合多環基、置換された二価非芳香族ヘテロ縮合多環基、置換されたC1-C60アルキル基、置換されたC2-C60アルケニル基、置換されたC2-C60アルキニル基、置換されたC1-C60アルコキシ基、置換されたC3-C10シクロアルキル基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換されたC3-C10シクロアルケニル基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換されたC6-C60アリール基、置換されたC6-C60アリールオキシ基、置換されたC6-C60アリールチオ基、置換されたC1-C60ヘテロアリール基、置換された一価非芳香族縮合多環式基、及び置換された一価非芳香族ヘテロ縮合多環式基の置換基のうち少なくとも一つは、
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基及びC1-C60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q11)(Q12)(Q13)、-N(Q11)(Q12)、-B(Q11)(Q12)、-C(=O)(Q11)、-S(=O)2(Q11)及び-P(=O)(Q11)(Q12)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基及びC1-C60アルコキシ基;
C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環式基及び一価非芳香族ヘテロ縮合多環式基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q21)(Q22)(Q23)、-N(Q21)(Q22)、-B(Q21)(Q22)、-C(=O)(Q21)、-S(=O)2(Q21)及び-P(=O)(Q21)(Q22)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環式基及び一価非芳香族ヘテロ縮合多
環式基;並びに
-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32);のうちから選択され、
Q11~Q13、Q21~Q23、及びQ31~Q33は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C1-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、重水素・-F及びシアノ基のうちから選択された少なくとも一つで置換されたC1-C60アルキル基、重水素・-F及びシアノ基のうちから選択された少なくとも一つで置換されたC6-C60アリール基、ビフェニル基、及びターフェニル基のうちからも選択される。
【0026】
本明細書において、「Ph」は、フェニル基を意味し、「Me」は、メチル基を意味し、「Et」は、エチル基を意味し、「ter-Bu」または「But」は、tert-ブチル基を意味し、「OMe」は、メトキシ基を意味する。
【0027】
本明細書において、「ビフェニル基」は、「フェニル基で置換されたフェニル基」を意味する。「ビフェニル基」は、置換基が「C6-C60アリール基」である「置換されたフェニル基」に属する。
【0028】
本明細書において、「ターフェニル基」は、「ビフェニル基で置換されたフェニル基」を意味する。「ターフェニル基」は、置換基が「C6-C60アリール基で置換されたC6-C60アリール基」である「置換されたフェニル基」に属する。
【0029】
本明細書において、*及び*’は、他の定義がない限り、当該化学式のうち隣接する原子との結合サイトを意味する。
【0030】
有機金属化合物は、下記化学式(1)で表される。
【化2】
… (1)
化学式(1)で、M
11は、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ユウロピウム(Eu)、テルビウム(Tb)及びツリウム(Tm)のうちから選択される。
【0031】
一実施形態によれば、M11は、Pt、Pd、Cu、Ag及びAuのうちからも選択される。
【0032】
例えば、M11は、Ptでもあるが、ただし、それに限定されるものではない。
【0033】
化学式(1)で、A11~A16は、互いに独立して、C5-C60炭素環式基及びC1-C60ヘテロ環式基のうちから選択される。
【0034】
一実施形態によれば、A11~A16は、互いに独立して、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、シクロペンタジエン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、フラン、チオフェン、シロール、インデン、フルオレン、インドール、カルバゾール、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ベンゾシロール、ジベンゾシロール、インデノピリジン、インドロピリジン、ベンゾフロピリジン、ベンゾチエノピリジン、ベンゾシロロピリジン、インデノピリミジン、インドロピリミジン、ベンゾフロピリミジン、ベンゾチエノピリミジン、ベンゾシロロピリミジン、ジヒドロピリジン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、フェナントロリン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、2,3-ジヒドロイミダゾール、トリアゾール、2,3-ジヒドロトリアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾイミダゾール、2,3-ジヒドロベンゾイミダゾール、イミダゾピリジン、2,3-ジヒドロイミダゾピリジン、イミダゾピリミジン、2,3-ジヒドロイミダゾピリミジン、イミダゾピラジン、2,3-ジヒドロイミダゾピラジン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾチアジアゾール、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリン及び5,6,7,8-テトラヒドロキノリンから選択される置換可能な環構造のうちからも選択される。
【0035】
一実施形態によれば、A
11~A
13は、互いに独立して、下記化学式2-1~2-43のうちいずれか一つで表される。
【化3】
化学式2-1~2-43で、
X
21~X
23は、互いに独立して、C(R
24)及びC-*のうちから選択されるが、X
21~X
23において、少なくとも2以上は、C-*であり、
X
24は、N-*であり、X
25及びX
26は、互いに独立して、C(R
24)及びC-*のうちから選択されるが、X
25及びX
26のうち少なくとも1以上は、C-*であり、
X
27及びX
28は、互いに独立して、N,N(R
25)及びN-*のうちから選択され、X
29は、C(R
24)及びC-*のうちから選択されるが、i)X
27及びX
28のうち1以上は、N-*であり、X
29は、C-*であるか、あるいはii)X
27及びX
28は、N-*であり、X
29は、C(R
24)であり、
R
21~R
24は、互いに独立して、化学式(1)で定義したR
11と同様の置換基であり、
b21は、1、2及び3のうちから選択され、
b22は、1、2、3、4及び5のうちから選択され、
b23は、1、2、3及び4のうちから選択され、
b24は、1及び2のうちから選択され、
*は、隣接する原子との結合サイトである。
【0036】
他の実施形態によれば、A
14~A
16は、互いに独立して、下記化学式2-1~2-4のうちいずれか一つでも表される。
【化4】
化学式2-1~2-4で、
X
21~X
23は、互いに独立して、C(R
24)及びC-*のうちから選択されるが、X
21~X
23のうち少なくとも2以上は、C-*であり、
X
24は、N-*であり、X
25及びX
26は、互いに独立して、C(R
24)及びC-*のうちから選択されるが、X
25及びX
26のうち少なくとも1以上は、C-*であり、
X
27及びX
28は、互いに独立して、N,N(R
25)及びN-*のうちから選択され、X
29は、C(R
24)及びC-*のうちから選択されるが、i)X
27及びX
28のうち1以上は、N-*であり、X
29は、C-*であるか、あるいはii)X
27及びX
28は、N-*であり、X
29は、C(R
24)であり、
R
21~R
24は、互いに独立して、化学式(1)で定義したR
11と同様の置換基であり、
b21は、1、2及び3のうちから選択され、
b22は、1、2、3、4及び5のうちから選択され、
b23は、1、2、3及び4のうちから選択され、
b24は、1及び2のうちから選択され、
*は、隣接する原子との結合サイトである。
【0037】
一実施形態によれば、化学式(1)で、
【化5】
モイエティ(部分)は、下記化学式1-1~1-64のうちいずれか一つで表されたモイエティでもある。
【化6】
化学式1-1~1-64で、
Y
14は、上述した構成であり、
*、*’及び*”は、それぞれ隣接する原子との結合サイトである。
【0038】
他の実施形態によれば、化学式(1)で、
【化7】
モイエティは、下記化学式1-1,1-3及び1-10のうちいずれか一つで表されたモイエティでもある。
【化8】
化学式1-1、1-3及び1-10で、
Y
14は、上述した構成であり、
*、*’及び*”は、それぞれ隣接する原子との結合サイトである。
【0039】
化学式(1)で、Y11~Y14は、互いに独立して、NまたはCである。
【0040】
一実施形態によれば、Y11、Y12及びY13は、Cであり、Y14は、Nであるか、
Y11、Y12及びY14は、Cであり、Y13は、Nであるか、
Y11、Y13及びY14は、Cであり、Y12は、Nであるか、
Y12、Y13及びY14は、Cであり、Y11は、Nであるか、
Y11及びY14は、Cであり、Y12及びY13は、Nであるか、
Y11及びY14は、Nであり、Y12及びY13は、Cであるか、
Y11及びY12は、Cであり、Y13及びY14は、Nであるか、
Y11及びY12は、Nであり、Y13及びY14は、Cであるか、
Y11及びY13は、Cであり、Y12及びY14は、Nであるか、あるいは
Y11及びY13は、Nであり、Y12及びY14は、Cである。
【0041】
化学式(1)で、T11~T14は、互いに独立して、単結合、*-O-*’及び*-S-*’のうちから選択される。
【0042】
一実施形態によれば、T11~T14は、いずれも単結合であるか、
T11は、*-O-*’及び*-S-*’のうちから選択され、T12~T14は、単結合であるか、
T12は、*-O-*’及び*-S-*’のうちから選択され、T11、T13及びT14は、単結合であるか、
T13は、*-O-*’及び*-S-*’のうちから選択され、T11、T12及びT14は、単結合であるか、あるいは
T14は、*-O-*’及び*-S-*’のうちから選択され、T11、T12及びT13は、単結合である。
【0043】
化学式(1)で、L11~L13は、互いに独立して、単結合、*-O-*’、*-S-*’、*-C(R17)(R18)-*’、*-C(R17)=*’、*=C(R17)-*’、*-C(R17)=C(R18)-*’、*-C(=O)-*’、*-C(=S)-*’、*-C=C-*’、*-B(R17)-*’、*-N(R17)-*’、*-P(R17)-*’、*-Si(R17)(R18)-*’、*-P(R17)(R18)-*’及び*-Ge(R17)(R18)-*’のうちから選択される。
【0044】
一実施形態によれば、L11~L13は、互いに独立して、単結合、*-O-*’、*
-S-*’、*-C(R17)(R18)-*’、*-C(R17)=*’、*=C(R17)-*’、*-B(R17)-*’、*-N(R17)-*’、*-Si(R17)(R18)-*’及び*-P(R17)(R18)-*’のうちから選択される。
他の実施形態によれば、L11が*-N(R17)-*’、*-C(R17)(R18)-*’または*-Si(R17)(R18)-*’であり、R17がR12と互いに結合し、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロ環式基を形成するか、あるいは
L12が*-N(R17)-*’、*-C(R17)(R18)-*’または*-Si(R17)(R18)-*’であり、R17がR13と互いに結合し、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロ環式基を形成することができる。
【0045】
化学式(1)で、a11~a13は、互いに独立して、0、1、2及び3のうちから選択され、
a11が0であるならば、A11及びA12は、互いに連結されておらず、a12が0であるならば、A12及びA13は、互いに連結されておらず、a13が0であるならば、A13及びA14は、互いに連結されていない。
【0046】
一実施形態によれば、a11、a12及びa13は、互いに独立して、1、2及び3のうちから選択されるか、
a11は、0であり、a12及びa13は、互いに独立して、0、1、2及び3のうちから選択されるか、
a12は、0であり、a11及びa13は、互いに独立して、0、1、2及び3のうちから選択されるか、あるいは
a13は、0であり、a11及びa12は、互いに独立して、0、1、2及び3のうちからも選択される。
【0047】
他の実施形態によれば、a11は、0であり、a12及びa13は、互いに独立して、1、2及び3のうちから選択されるか、
a12は、0であり、a11及びa13は、互いに独立して、1、2及び3のうちから選択されるか、あるいは
a13は、0であり、a11及びa12は、互いに独立して、1、2及び3のうちから選択される。
【0048】
一実施形態によれば、a11は、0でもあるが、ただし、それに限定されるものではない。
【0049】
化学式(1)で、R11~R18は、互いに独立して、水素、重水素(-D)、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは無置換のC1-C60アルキル基、置換もしくは無置換のC2-C60アルケニル基、置換もしくは無置換のC2-C60アルキニル基、置換もしくは無置換のC1-C60アルコキシ基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC6-C60アリール基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールチオ基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q1)(Q2)(Q3)、-B(Q1)(Q2)、-N(Q1)(Q2)、-P(Q1)(Q2)、-C(=O)(Q1)、-S(=O)(Q1)、-S(=O)2(Q1)、-P(=O)(Q1)(Q2)、及び-P(=S)(Q1)(Q2)
のうちから選択され、
R16及びR11、またはR17及びR14は、選択的に互いに結合し、置換もしくは無置換のC5-C60炭素環式基、または置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロ環式基を形成することができ、
R14及びR15、またはR15及びR16は、選択的に互いに結合し、置換もしくは無置換のC5-C60炭素環式基、または置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロ環式基を形成することができ、
R17及びR11、R17及びR12、またはR17及びR13は、選択的に互いに結合し、置換もしくは無置換のC5-C60炭素環式基、または置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロ環式基を形成することができる。
【0050】
化学式(1)で、b11~b16は、互いに独立して、1、2、3、4、5、6、7及び8のうちから選択される。
【0051】
一実施形態によれば、R11~R18は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、シアノ基、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、シアノ基、フェニル基及びビフェニル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C1-C20アルキル基及びC1-C20アルコキシ基;
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、シロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、イソキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、ベンゾキノキサリニル基、キナゾリニル基、ベンゾキナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾシロリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾシロリル基、ベンゾカルバゾリル基、ナフトベンゾフラニル基、ナフトベンゾチオフェニル基、ナフトベンゾシロリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジナフトフラニル基、ジナフトチオフェニル基、ジナフトシロリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、オキサゾロピリジニル基、チアゾロピリジニル基、ベンゾナフチリジニル基、アザフルオレニル基、アザスピロ-ビフルオレニル基、アザカルバゾリル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基、アザジベンゾシロリル基、インデノピロリル基、インドロピロリル基、インデノカルバゾリル基及びインドロカルバゾリル基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、シアノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタセニル基、ピ
ロリル基、チオフェニル基、フラニル基、シロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、イソキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、ベンゾキノキサリニル基、キナゾリニル基、ベンゾキナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾシロリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾシロリル基、ベンゾカルバゾリル基、ナフトベンゾフラニル基、ナフトベンゾチオフェニル基、ナフトベンゾシロリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジナフトフラニル基、ジナフトチオフェニル基、ジナフトシロリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、オキサゾロピリジニル基、チアゾロピリジニル基、ベンゾナフチリジニル基、アザフルオレニル基、アザスピロ-ビフルオレニル基、アザカルバゾリル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基、アザジベンゾシロリル基、インデノピロリル基、インドロピロリル基、インデノカルバゾリル基、インドロカルバゾリル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)、-P(=O)(Q31)(Q32)及び-P(=S)(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、シロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、イソキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、ベンゾキノキサリニル基、キナゾリニル基、ベンゾキナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾシロリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾシロリル基、ベンゾカルバゾリル基、ナフトベンゾフラニル基、ナフトベンゾチオフェニル基、ナフトベンゾシロリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジナフトフラニル基、ジナフトチオフェニル基、ジナフトシロリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、オキサゾロピリジニル基、チアゾロピリジニル基、ベンゾナフチリジニル基、アザフルオレニル基、アザスピロ-ビフルオレニル基、アザカルバゾリル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基、アザジベンゾシロリル基、インデノピロリル基、インドロピロリル基、インデノカルバゾリル基及びインドロカルバゾリル基;並びに
-Si(Q1)(Q2)(Q3)、-B(Q1)(Q2)、-N(Q1)(Q2)、-P(Q1)(Q2)、-C(=O)(Q1)、-S(=O)(Q1)、-S(=O)2(Q1)、-P(=O)(Q1)(Q2)及び-P(=S)(Q1)(Q2)のうちから選択され、
Q1~Q3、及びQ31~Q33は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、
-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、C1-C60ヘテロアリールオキシ基、C1-C60ヘテロアリールチオ基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、重水素・-F及びシアノ基のうちから選択された少なくとも一つで置換されたC1-C60アルキル基、重水素・-F及びシアノ基のうちから選択された少なくとも一つで置換されたC6-C60アリール基、ビフェニル基、及びターフェニル基のうちから選択される。
【0052】
例えば、R11~R18は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、シアノ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基及びtert-ブチル基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I及びシアノ基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基及びtert-ブチル基;並びに
フェニル基、ナフチル基及びピリジニル基;のうちから選択されるが、ただし、それらに限定されるものではない。
【0053】
化学式(1)で、*及び*’は、隣接する原子との結合サイトである。
【0054】
置換されたC5-C60炭素環式基、置換されたC1-C60ヘテロ環式基、置換されたC1-C60アルキル基、置換されたC2-C60アルケニル基、置換されたC2-C60アルキニル基、置換されたC1-C60アルコキシ基、置換されたC3-C10シクロアルキル基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換されたC3-C10シクロアルケニル基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換されたC6-C60アリール基、置換されたC6-C60アリールオキシ基、置換されたC6-C60アリールチオ基、置換されたC1-C60ヘテロアリール基、置換された一価非芳香族縮合多環式基、及び置換された一価非芳香族ヘテロ縮合多環式基の置換基のうちから選択された少なくとも1つの置換基は、
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基及びC1-C60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q11)(Q12)(Q13)、-N(Q11)(Q12)、-B(Q11)(Q12)、-C(=O)(Q11)、-S(=O)2(Q11)及び-P(=O)(Q11)(Q12)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基及びC1-C60アルコキシ基;
C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環式基及び一価非芳香族ヘテロ縮合多環式基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジ
ノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q21)(Q22)(Q23)、-N(Q21)(Q22)、-B(Q21)(Q22)、-C(=O)(Q21)、-S(=O)2(Q21)及び-P(=O)(Q21)(Q22)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環式基及び一価非芳香族ヘテロ縮合多環式基;並びに
-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32);のうちから選択され、
Q1~Q3、Q11~Q13、Q21~Q23、及びQ31~Q33は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C1-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、重水素・-F及びシアノ基のうちから選択された少なくとも一つで置換されたC1-C60アルキル基、重水素・-F及びシアノ基のうちから選択された少なくとも一つで置換されたC6-C60アリール基、ビフェニル基、及びターフェニル基のうちから選択される。
【0055】
一実施形態によれば、有機金属化合物は、下記化学式3-1または化学式3-2で表される。
【化9】
… (3-1)
【化10】
… (3-2)
化学式3-1及び3-2で、
M
11、A
11~A
13、Y
11~Y
14、T
11~T
14、L
11~L
13、a11~a13、R
11~R
13、及びb11~b13は、それぞれ上述した置換基と同様であり、
Y
31~Y
37は、互いに独立して、NまたはCであり、
Y
41~Y
47は、互いに独立して、NまたはCであり、
R
31~R
33は、互いに独立して、上述したR
14と同様の置換基であり、
R
41~R
43は、互いに独立して、上述したR
13と同様の置換基であり、
b31、b32、b41、b42は、それぞれ1または2であり、
b33及びb43は、それぞれ1、2または3である。
【0056】
他の実施形態によれば、有機金属化合物が化学式3-1で表される場合、有機金属化合物は、下記化学式3-1-1または3-1-2でも表される。
【化11】
… (3-1-1)
【化12】
… (3-1-2)
化学式3-1-1及び3-1-2で、
M
11、A
11及びA
12、Y
11~Y
14、Y
31~Y
37、T
11~T
14、L
11~L
13、a11~a13、R
11~R
13、R
31~R
33、b11~b13、並びにb31~b33は、それぞれ上述した置換基と同様であり、
Y
51~Y
55は、互いに独立して、NまたはCであり、
Y
61~Y
67は、互いに独立して、NまたはCであり、
R
51、R
61及びR
62は、互いに独立して、上述したR
13と同様の置換基であり、b51は、1、2、3または4であり、
b61は、1、2または3であり、
b62は、1、2、3または4である。
【0057】
さらに他の実施形態によれば、有機金属化合物が化学式3-1-1で表される化合物である場合、A
12は、
または
で表される基であり、R
12及びb12は、それぞれ上述した置換基と同様であり、*及び*’は、隣接する原子との結合サイトである。
【0058】
さらに他の実施形態によれば、有機金属化合物が化学式3-1-1、化学式3-1-2または化学式3-2で表される基である場合、a11は、0である。
【0059】
一実施形態によれば、有機金属化合物は、下記化合物1~45のうちからも選択される
が、それらに限定されるものではない。
【化13】
【0060】
化学式(1)で表される有機金属化合物は、
モイエティを必ず含み、モイエティを構成する芳香族環(A
14、A
15及びA
16)が互いに縮合されている構造的特徴により、有機発光素子に適用されるとき、エネルギー伝達に有利であり、発光効率が高いだけではなく、高色純度を実現することができる。
【0061】
化学式(1)で表される有機金属化合物は、モイエティを含むことにより、硬直した構造を有するので、有機金属化合物が適用された有機発光素子は、耐久性が高く、素子の寿命が長い。
【0062】
有機金属化合物は、緑色光または赤色光を放出することができる。例えば、有機金属化合物は、500nm以上及び800nm未満の最大発光波長、例えば、530nm以上及び750nm以下の最大発光波長を有する緑色光または赤色光(背面発光CIEx,y色座標0.14、0.06~0.08)を放出することができるが、それに限定されるものではない。それにより、化学式(1)で表される有機金属化合物は、濃緑色光または濃赤色光を放出する有機発光素子作製に有用に使用される。
【0063】
化学式(1)で表される有機金属化合物の合成方法は、後述する実施例を参照して当業者が認識することができるであろう。
【0064】
化学式(1)で表される有機金属化合物のうち少なくとも一つは、有機発光素子の1対の電極間に使用される。例えば、有機金属化合物は、発光層にも含まれる。発光層に含まれた有機金属化合物は、ドーパントとしての役割を行うことができる。
【0065】
従って、第1電極と、第1電極に対向した第2電極と、第1電極と第2電極との間に介在する発光層を含んだ有機層と、を含み、有機層は、化学式(1)で表される有機金属化合物を1種以上含む有機発光素子が提供される。
【0066】
本明細書において、「(有機層が)有機金属化合物を1種以上含む」とは、「(有機層が)化学式(1)の範疇に属する1種の有機金属化合物、または化学式(1)の範疇に属する互いに異なる2種以上の有機金属化合物を含んでもよい」と解釈されてもよい。
【0067】
例えば、有機層は、有機金属化合物として、化合物1のみを含んでもよい。このとき、化合物1は、有機発光素子の発光層に存在することができる。または、有機層は、有機金属化合物として、化合物1と化合物2とを含んでもよい。このとき、化合物1と化合物2は、同一層に存在(例えば、化合物1と化合物2は、いずれも発光層に存在する)するか、あるいは互いに異なる層に存在する(例えば、化合物1は、発光層に存在し、化合物2は、電子輸送領域に存在する)。
【0068】
一実施形態によれば、
有機発光素子の第1電極は、アノードであり、
有機発光素子の第2電極は、カソードであり、
有機層は、第1電極と発光層との間に介在する正孔輸送領域、及び発光層と第2電極との間に介在する電子輸送領域をさらに含み、
正孔輸送領域は、正孔注入層、正孔輸送層、発光補助層、電子阻止層、またはその任意の組み合わせを含み、
電子輸送領域は、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層、またはその任意の組み合わせを含んでもよい。
【0069】
本明細書において、「有機層」は、有機発光素子において、第1電極と第2電極との間に介在する単一及び/または複数の層を示す用語である。「有機層」の層に含まれた物質は、有機物に限定されるものではない。
【0070】
他の実施形態によれば、発光層に、化学式(1)で表される有機金属化合物が含まれており、発光層は、ホスト材料をさらに含み、発光層において、ホスト材料の含量は、発光層において、有機金属化合物の含量よりも多い。
【0071】
例えば、ホスト材料は、カルバゾール含有化合物を含んでもよい。
【0072】
一実施形態によれば、正孔輸送領域が電子阻止層を含み、電子阻止層に、有機金属化合物が含まれているか、
あるいは、電子輸送領域が正孔阻止層を含み、正孔阻止層に、有機金属化合物が含まれてもよい。
【0073】
一実施形態によれば、正孔輸送領域は、LUMO(lowest unoccupied molecular orbital)エネルギー準位が-3.5eVより低いp-ドーパントを含んでもよい。
【0074】
他の実施形態によれば、電子輸送領域は、正孔阻止層を含み、正孔阻止層は、ホスフィンオキシド含有化合物またはシリル含有化合物を含んでもよい。
【0075】
[
図1の説明]
図1は、本発明の一実施形態による有機発光素子10の断面図を概略的に図示したものである。有機発光素子10は、第1電極110、有機層150及び第2電極190を含む。
【0076】
以下、
図1を参照し、本発明の一実施形態による有機発光素子10の構造及び製造方法は、次の通りである。
【0077】
[第1電極110]
図1の第1電極110の下部、または第2電極190の上部には、基板が追加して配置される。基板としては、機械的強度、熱安定性、透明性、表面平滑性、取り扱い容易性及び防水性に優れるガラス基板またはプラスチック基板を使用することができる。
【0078】
第1電極110は、例えば、基板上部に、第1電極用物質を、蒸着法またはスパッタリング法などを利用して形成される。第1電極110がアノードである場合、正孔注入が容易であるように、第1電極用物質は、高い仕事関数を有する物質のうちから選択される。
【0079】
第1電極110は、反射型電極、半透過型電極または透過型電極である。透過型電極である第1電極110を形成するために、第1電極用物質は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、及びその任意の組み合わせのうちから選択されるが、それらに限定されるものではない。または、半透過型電極または反射型電極である第1電極110を形成するために、第1電極用物質は、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、アルミニウム-リチウム(Al-Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム-インジウム(Mg-In)、マグネシウム-銀(Mg-Ag)、及びその任意の組み合わせのうちから選択されるが、それらに限定されるものではない。
【0080】
第1電極110は、単一層である単層構造、または複層を有する多層構造を有することができる。例えば、第1電極110は、ITO/Ag/ITOの3層構造を有することができるが、それに限定されるものではない。
【0081】
[有機層150]
第1電極110上部には、有機層150が配置されている。有機層150は、発光層を含む。
【0082】
有機層150は、第1電極110と発光層との間に介在する正孔輸送領域、及び発光層と第2電極190との間に介在する電子輸送領域をさらに含んでもよい。
【0083】
[有機層150における正孔輸送領域]
正孔輸送領域は、i)単一物質からなる単一層からなる単層構造、ii)複数の互いに異なる物質からなる単一層からなる単層構造、あるいはiii)複数の互いに異なる物質からなる複層を有する多層構造を有することができる。
【0084】
正孔輸送領域は、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、発光補助層及び電子阻止層(EBL)のうちから選択された少なくとも1層を含んでもよい。
【0085】
例えば、正孔輸送領域は、複数の互いに異なる物質からなる単一層からなる単層構造を有するか、あるいは第1電極110から順に積層された正孔注入層/正孔輸送層、正孔注
入層/正孔輸送層/発光補助層、正孔注入層/発光補助層、正孔輸送層/発光補助層または正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層の多層構造を有することができるが、それらに限定されるものではない。
【0086】
正孔輸送領域は、m-MTDATA、TDATA、2-TNATA、NPB(NPD)、β-NPB、TPD、Spiro-TPD、Spiro-NPB、メチル化された-NPB、TAPC、HMTPD、4,4’,4”-トリス(N-カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Pani/DBSA)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Pani/CSA)、ポリアニリン/ポリ(4-スチレンスルホネート)(PANI/PSS)、下記化学式201で表される化合物、及び下記化学式202で表される化合物のうちから選択された少なくとも一つを含んでもよい。
【化14】
【化15】
… 201
【化16】
… 202
【0087】
化学式201及び202で、
L201~L204は、互いに独立して、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC6-C60アリーレン基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換の二価非芳香族縮合多環式基、及び置換もしくは無置換の二価非芳香族ヘテロ縮合多環式基のうちから選択され、
L205は、*-O-*’、*-S-*’、*-N(Q201)-*’、置換もしくは無置換のC1-C20アルキレン基、置換もしくは無置換のC2-C20アルケニレン基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC6-C60アリーレン基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換の二価非芳香族縮合多環式基、及び置換もしくは無置換の二価非芳香族ヘテロ縮合多環式基のうちから選択され、
xa1~xa4は、互いに独立して、0~3の整数のうちから選択され、
xa5は、1~10の整数のうちから選択され、
R201~R204、及びQ201は、互いに独立して、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC6-C60アリール基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールチオ基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環式基、及び置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環式基のうちから選択される。
例えば、化学式202で、R201とR202は、選択的に、単結合、ジメチル-メチレン基またはジフェニル-メチレン基を介して互いに連結され、R203とR204は、選択的に、単結合、ジメチル-メチレン基またはジフェニル-メチレン基を介して互いに連結される。
【0088】
一実施形態によれば、化学式201及び202で、
L201~L205は、互いに独立して、
フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、ナフチレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、インダセニレン基、アセナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-
ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、ルビセニレン基、コロネニレン基、オバレニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基及びピリジニレン基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、C1-C10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、及び-N(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ペンタレニレン基、インデニレン基、ナフチレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、インダセニレン基、アセナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、ルビセニレン基、コロネニレン基、オバレニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基及びピリジニレン基;のうちから選択され、
Q31~Q33は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基及びナフチル基のうちから選択される。
【0089】
他の実施形態によれば、xa1~xa4は、互いに独立して、0、1または2である。
【0090】
さらに他の実施形態によれば、xa5は、1、2、3または4である。
【0091】
さらに他の実施形態によれば、R201ないしR204、及びQ201は、互いに独立して、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチ
オフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基及びピリジニル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、C1-C10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、及び-N(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基及びピリジニル基;のうちから選択され、
Q31~Q33は、上述した置換基と同様である。
【0092】
さらに他の実施形態によれば、化学式201で、R201~R203のうち少なくとも一つは、互いに独立して、
フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、C1-C10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、及びジベンゾチオフェニル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基及びジベンゾチオフェニル基;のうちから選択されるが、それらに限定されるものではない。
【0093】
さらに他の実施形態によれば、化学式202で、i)R201とR202は、単結合を介して互いに連結され、かつ/またはii)R203とR204は、単結合を介して互いに連結される。
【0094】
さらに他の実施形態によれば、化学式202で、R201~R204のうち少なくとも一つは、
カルバゾリル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、C1-C10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、及びジベンゾチオフェニル基のうちから選択された少なくとも一つで置換されたカルバゾリル基;のうちから選択されるが、それらに限定されるものではない。
【0095】
化学式201で表される化合物は、下記化学式201Aで表される。
【化17】
… 201A
【0096】
例えば、化学式201で表される化合物は、下記化学式201A(1)で表されるが、それに限定されるものではない。
【化18】
… 201A(1)
他の例として、化学式201で表される化合物は、下記化学式201A-1で表されるが、それに限定されるものではない。
【化19】
… 201A-1
一方、化学式202で表される化合物は、下記化学式202Aで表される。
【化20】
… 202A
他の実施形態によれば、化学式202で表される化合物は、下記化学式202A-1で表される。
【化21】
… 202A-1
化学式201A、201A(1)、201A-1、202A及び202A-1で、
L
201~L
203、xa1~xa3、xa5、及びR
202~R
204は、上述した置換基と同様であり、
R
211及びR
212は、上述したR
203と同様の置換基であり、
R
213~R
217は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
20アルキル基、C
1-C
20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、C
1-C
10アルキル基で置換されたフェニル基、-Fで置換されたフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、及びピリジニル基のうちから選択される。
【0097】
正孔輸送領域は、下記化合物HT1~HT39のうちから選択された少なくとも1つの化合物を含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【化22】
【0098】
正孔輸送領域の厚みは、約10nm~約1000nm、例えば、約10nm~約100nmである。正孔輸送領域が、正孔注入層及び正孔輸送層のうち少なくとも1層を含むものであるならば、正孔注入層の厚みは、約10nm~約900nm、例えば、約10nm~約100nmであり、正孔輸送層の厚みは、約5nm~約200nm、例えば、約10nm~約150nmである。正孔輸送領域、正孔注入層及び正孔輸送層の厚みが前述のよ
うな範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満足すべき正孔輸送特性を得ることができる。
【0099】
発光補助層は、発光層で放出される光の波長による光学的共振距離を補償し、光放出効率を上昇させる役割を担う層であり、電子阻止層は、電子輸送領域からの電子注入を防止する役割を担う層である。発光補助層及び電子阻止層には、前述のような物質が含まれてもよい。
【0100】
[p-ドーパント]
正孔輸送領域は、前述のような物質以外に、導電性向上のために、電荷生成物質をさらに含んでもよい。電荷生成物質は、正孔輸送領域内に、均一に分散されてもよく、不均一にも分散されてもよい。
【0101】
電荷生成物質は、例えば、p-ドーパントである。
【0102】
一実施形態によれば、p-ドーパントのLUMOは、-3.5eVより低くてもよい。
【0103】
p-ドーパントは、キノン誘導体、金属酸化物及びシアノ基含有化合物のうちから選択された少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【0104】
例えば、p-ドーパントは、
テトラシアノキノジメタン(TCNQ)及び2,3,5,6-テトラフルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン(F4-TCNQ)のようなキノン誘導体;
タングステン酸化物及びモリブデン酸化物のような金属酸化物;
1,4,5,8,9,12-ヘキサアザトリフェニレン-ヘキサカルボニトリル(HAT-CN);及び
下記化学式221で表される化合物;のうちから選択された少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【化23】
<HAT-CN>
【化24】
<F4-TCNQ>
【化25】
… 221
化学式221で、
R
221~R
223は、互いに独立して、置換もしくは無置換のC
3-C
10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC
3-C
10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC
6-C
60アリール基、置換もしくは無置換のC
1-C
60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環式基、及び置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環式基のうちから選択されるが、R
221~R
223のうち少なくとも一つは、シアノ基、-F、-Cl、-Br、-I、-Fで置換されたC
1-C
20アルキル基、-Clで置換されたC
1-C
20アルキル基、-Brで置換されたC
1-C
20アルキル基、及び-Iで置換されたC
1-C
20アルキル基のうちから選択された少なくとも1つの置換基を有する。
【0105】
[有機層150における発光層]
有機発光素子10がフルカラー有機発光素子である場合、発光層は、個別の副画素毎に、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層としてパターニングされる。または、発光層は、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層のうちから選択された2以上の層が接触または離隔されて積層された構造を有するか、あるいは赤色光放出物質、緑色光放出物質及び青色光放出物質のうちから選択された2以上の物質が層区分なしに混合された構造を有し、白色光を放出することができる。
【0106】
発光層は、ホスト材料及びドーパントを含んでもよい。ドーパントは、リン光ドーパント及び蛍光ドーパントのうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0107】
発光層において、ドーパントの含量は、一般的にホスト材料約100重量部に対して、約0.01重量部~約15重量部の範囲で選択されるが、それに限定されるものではない。
【0108】
発光層の厚みは、約10nm~約100nm、例えば、約20nm~約60nmである。発光層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、優秀な発光特性を示すことができる。
【0109】
[発光層におけるホスト材料]
ホスト材料は、下記化学式301で表される化合物を含んでもよい。
[Ar301]xb11-[(L301)xb1-R301]xb21… 301
化学式301で、
Ar301は、置換もしくは無置換のC5-C60炭素環式基、または置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロ環式基であり、
xb11は、1、2または3であり、
L301は、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC6-C60アリーレン基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテ
ロアリーレン基、置換もしくは無置換の二価非芳香族縮合多環式基、及び置換もしくは無置換の二価非芳香族ヘテロ縮合多環式基のうちから選択され、
xb1は、0~5の整数のうちから選択され、
R301は、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは無置換のC1-C60アルキル基、置換もしくは無置換のC2-C60アルケニル基、置換もしくは無置換のC2-C60アルキニル基、置換もしくは無置換のC1-C60アルコキシ基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC6-C60アリール基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールチオ基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q301)(Q302)(Q303)、-N(Q301)(Q302)、-B(Q301)(Q302)、-C(=O)(Q301)、-S(=O)2(Q301)、及び-P(=O)(Q301)(Q302)のうちから選択され、
xb21は、1~5の整数のうちから選択され、
Q301~Q303は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基及びナフチル基のうちから選択されるが、それらに限定されるものではない。
【0110】
一実施形態によれば、化学式301で、Ar301は、
ナフタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、インデノアントラセン、ジベンゾフラン及びジベンゾチオフェンから選択される置換可能な環構造;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、ナフタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン基、ペリレン、ペンタフェン、インデノアントラセン、ジベンゾフラン及びジベンゾチオフェンから選択される置換可能な環構造;のうちから選択され、
Q31~Q33は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基及びナフチル基のうちから選択されるが、それらに限定されるものではない。
【0111】
化学式301で、xb11が2以上である場合、2以上のAr301は、単結合を介して、互いに連結される。
【0112】
他の実施形態によれば、化学式301で表される化合物は、下記化学式301-1または301-2で表される。
【化26】
… 301-1
【化27】
… 301-2
化学式301-1~301-2で、
A
301~A
304は、互いに独立して、ベンゼン基、ナフタレン基、フェナントレン基、フルオランテン基、トリフェニレン基、ピレン基、クリセン基、ピリジン基、ピリミジン基、インデン基、フルオレン基、スピロ-ビフルオレン基、ベンゾフルオレン基、ジベンゾフルオレン基、インドール基、カルバゾール基、ベンゾカルバゾール基、ジベンゾカルバゾール基、フラン基、ベンゾフラン基、ジベンゾフラン基、ナフトフラン基、ベンゾナフトフラン基、ジナフトフラン基、チオフェン基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ナフトチオフェン基、ベンゾナフトチオフェン基及びジナフトチオフェン基のうちから選択され、
X
301は、O、SまたはN-[(L
304)
xb4-R
304]であり、
R
311~R
314は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
20アルキル基、C
1-C
20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基-、Si(Q
31)(Q
32)(Q
33)、-N(Q
31)(Q
32)、-B(Q
31)(Q
32)、-C(=O)(Q
31)、-S(=O)
2(Q
31)及び-P(=O)(Q
31)(Q
32)のうちから選択され、
xb22及びxb23は、互いに独立して、0、1または2であり、
L
301、xb1、R
301、及びQ
31~Q
33は、上述した置換基と同様であり、
L
302~L
304に係わる説明は、互いに独立して、上述したL
301と同様の置換基であり、
xb2~xb4に係わる説明は、互いに独立して、上述したxb1と同様の置換基であり、
R
302~R
304に係わる説明は、互いに独立して、上述したR
301と同様の置換基である。
【0113】
例えば、化学式301、301-1及び301-2で、L301~L304は、互いに独立して、
フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフ
ェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソキサゾリレン基、チアジアゾリレン基、オキサジアゾリレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンズオキサゾリレン基、イソベンズオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基及びアザカルバゾリレン基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンズオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、アザカルバゾリル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソキサゾリレン基、チアジアゾリレン基、オキサジアゾリレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンズオキサゾリレン基、イソベンズオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基及びアザカルバゾリレン基;のうちから選択され、
Q31~Q33は、上述した置換基と同様である。
【0114】
他の例として、化学式301、301-1及び301-2で、R301~R304は、互いに独立して、
フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンズオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンズオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、アザカルバゾリル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンズオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基
、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基;のうちから選択され、
Q31~Q33は、上述した置換基と同様である。
【0115】
さらに他の例として、ホスト材料、はアルカリ土類金属錯体を含んでもよい。例えば、ホスト材料は、Be錯体(例えば、下記化合物H55)、Mg錯体及びZn錯体のうちから選択される。
【0116】
ホスト材料は、9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(ADN)、2-メチル-9,10-ビス(ナフタレン-2-イル)アントラセン(MADN)、9,10-ジ-(2-ナフチル)-2-t-ブチル-アントラセン(TBADN)、4,4’-ビス(N-カルバゾリル)-1,1’-ビフェニル(CBP)、1,3-ジ-9-カルバゾリルベンゼン(mCP)、1,3,5-トリ(カルバゾール-9-イル)ベンゼン(TCP)、及び下記化合物H1~H55のうちから選択された少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【化28】
【0117】
または、ホスト材料は、シリコン含有化合物(例えば、下記実施例で使用されたBCPDSなど)及びホスフィンオキシド含有化合物(例えば、下記実施例で使用されたPOPCPAなど)のうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0118】
ホスト材料は、1種の化合物のみを含むか、あるいは互いに異なる2種以上の化合物を含んでもよいというように(例えば、下記実施例のホスト材料は、BCPDS及びPOPCPAからなる)、多様な変形が可能である。
【0119】
[有機層150における発光層に含まれたリン光ドーパント]
リン光ドーパントは、本明細書において、化学式(1)で表される有機金属化合物を含んでもよい。
【0120】
[有機層150における電子輸送領域]
電子輸送領域は、i)単一物質からなる単一層からなる単層構造、ii)複数の互いに異なる物質からなる単一層からなる単層構造、あるいはiii)複数の互いに異なる物質からなる複層を有する多層構造を有することができる。
【0121】
電子輸送領域は、バッファ層、正孔阻止層、電子調節層、電子輸送層(ETL)及び電子注入層のうちから選択された少なくとも1層を含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【0122】
例えば、電子輸送領域は、発光層から順に積層された電子輸送層/電子注入層、正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層、電子調節層/電子輸送層/電子注入層またはバッファ層/電子輸送層/電子注入層などの構造を有することができるが、それらに限定されるものではない。
【0123】
電子輸送領域(例えば、電子輸送領域において、バッファ層、正孔阻止層、電子調節層または電子輸送層)は、π電子欠乏性含窒素環を少なくとも一つ含んだ金属無含有化合物を含んでもよい。
【0124】
「π電子欠乏性含窒素環」は、環形成モイエティであり、少なくとも1つの*-N=*’モイエティを有するC1-C60ヘテロ環式基を意味する。
【0125】
例えば、「π電子欠乏性含窒素環」は、i)少なくとも1つの*-N=*’モイエティを有する5~7員環のヘテロ単環式基であるか、ii)少なくとも1つの*-N=*’モイエティを有する5~7員環のヘテロ単環式基のうち2以上が互いに縮合されているヘテロ多環式基であるか、あるいはiii)少なくとも1つの*-N=*’モイエティを有する5~7員環のヘテロ単環式基のうち少なくとも一つと、少なくとも1つのC5-C60炭素環式基とが互いに縮合されているヘテロ多環式基である。
【0126】
π電子欠乏性含窒素環の具体例としては、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、ベンゾキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、ベンゾイミダゾール、イソベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、イソベンズオキサゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、トリアジン、チアジアゾール、イミダゾピリジン、イミダゾピリミジン、アザカルバゾールなどをあげることができるが、それらに限定されるものではない。
【0127】
例えば、電子輸送領域は、下記化学式601で表される化合物を含んでもよい。
[Ar601]xe11-[(L601)xe1-R601]xe21… 601
化学式601で、
Ar601は、置換もしくは無置換のC5-C60炭素環式基、または置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロ環式基であり、
xe11は、1、2または3であり、
L601は、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニレン基、置換もしくは無置換のC6-C60アリーレン基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換の二価非芳香族縮合多環式基、及び置換もしくは無置換の二価非芳香族ヘテロ縮合多環式基のうちから選択され、
xe1は、0~5の整数のうちから選択され、
R601は、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルキル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のC6-C60アリール基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールオキシ基、置換もしくは無置換のC6-C60アリールチオ基、置換もしくは無置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(Q601)(Q602)(Q603)、-C(=O)(Q601)、-S(=O)2(Q601)及び-P(=O)(Q601)
(Q602)のうちから選択され、
Q601~Q603は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基またはナフチル基であり、
xe21は、1~5の整数のうちから選択される。
【0128】
一実施形態によれば、xe11個のAr601、及びxe21個のR601のうち少なくとも一つは、前述のようなπ電子欠乏性含窒素環を含んでもよい。
【0129】
一実施形態によれば、化学式601で、環Ar601は、
ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、インデノアントラセン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、ベンゾキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、ベンゾイミダゾール、イソベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、イソベンズオキサゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、トリアジン、チアジアゾール、イミダゾピリジン、イミダゾピリミジン及びアザカルバゾールから選択される置換可能な環構造;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-S(=O)2(Q31)及び-P(=O)(Q31)(Q32)のうちから選択された少なくとも一つで置換された、ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、スピロ-ビフルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、インデノアントラセン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、ベンゾキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、ベンゾイミダゾール、イソベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、イソベンズオキサゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、トリアジン、チアジアゾール、イミダゾピリジン、イミダゾピリミジン及びアザカルバゾールから選択される置換可能な環構造;のうちから選択され、
Q31~Q33は、互いに独立して、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基及びナフチル基のうちから選択される。
【0130】
化学式601で、xe11が2以上である場合、2以上のAr601は、単結合を介しても互いに連結される。
【0131】
他の実施形態によれば、化学式601で、Ar601は、アントラセンである。
【0132】
さらに他の実施形態によれば、化学式601で表される化合物は、下記化学式601-1で表される。
【化29】
… 601-1
化学式601-1で、
X
614は、NまたはC(R
614)であり、X
615は、NまたはC(R
615)であり、X
616は、NまたはC(R
616)であり、X
614~X
616のうち少なくとも一つは、Nであり、
L
611~L
613は、互いに独立して、上述したL
601と同様の連結基であり、
xe611~xe613は、互いに独立して、上述したxe1と同様の構成であり、
R
611~R
613は、互いに独立して、上述したR
601と同様の置換基であり、
R
614~R
616は、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C
1-C
20アルキル基、C
1-C
20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基及びナフチル基のうちから選択される。
【0133】
一実施形態によれば、化学式601及び601-1で、L601、及びL611~L613は、互いに独立して、
フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソキサゾリレン基、チアジアゾリレン基、オキサジアゾリレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンズオキサゾリレン基、イソベンズオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基及びアザカルバゾリレン基;並びに
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基
、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンズオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、スピロ-ビフルオレニレン基、ベンゾフルオレニレン基、ジベンゾフルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ペンタフェニレン基、ヘキサセニレン基、ペンタセニレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、カルバゾリレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾシロリレン基、ピリジニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソキサゾリレン基、チアジアゾリレン基、オキサジアゾリレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、トリアジニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、フタラジニレン基、ナフチリジニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、フェナントリジニレン基、アクリジニレン基、フェナントロリニレン基、フェナジニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンズオキサゾリレン基、イソベンズオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、イミダゾピリジニレン基、イミダゾピリミジニレン基及びアザカルバゾリレン基;のうちから選択されるが、それらに限定されるものではない。
【0134】
他の実施形態によれば、化学式601及び601-1で、xe1及びxe611~xe613は、互いに独立して、0、1または2でもある。
【0135】
さらに他の実施形態によれば、化学式601及び601-1で、R601、及びR611~R613は、互いに独立して、
フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンズオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラ
ニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンズオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基のうちから選択された少なくとも一つで置換された、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、スピロ-ビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、チオフェニル基、フラニル基、カルバゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ピリジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンズオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基及びアザカルバゾリル基;並びに
-S(=O)2(Q601)及び-P(=O)(Q601)(Q602);のうちから選択され、
Q601及びQ602は、上述した置換基と同様である。
【0136】
電子輸送領域は、下記化合物ET1~ET36のうちから選択された少なくとも1つの化合物を含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【化30】
【0137】
または、電子輸送領域は、2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(BCP)、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(Bphen)、Alq3、BAlq、3-(ビフェニル-4-イル)-5-(4-tert-ブチルフェニル)-4-フェニル-4H-1,2,4-トリアゾール(TAZ)及びNTAZのうちから選択された少なくとも1つの化合物を含んでもよい。
【化31】
【0138】
さらに他の例として、電子輸送領域は、ホスフィンオキシド含有化合物(例えば、下記実施例で使用されたTSPO1など)などを使用することができるが、それに限定されるものではない。一実施形態によれば、ホスフィンオキシド含有化合物は、電子輸送領域において正孔阻止層に使用されるが、それに限定されるものではない。
【0139】
バッファ層、正孔阻止層または電子調節層の厚みは、互いに独立して、約2nm~約100nm、例えば、約3nm~約30nmである。バッファ層、正孔阻止層または電子調節層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、優秀な正孔阻止特性または電子調節特性を得ることができる。
【0140】
電子輸送層の厚みは、約10nm~約100nm、例えば、約15nm~約50nmである。電子輸送層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満足すべき電子輸送特性を得ることができる。
【0141】
電子輸送領域(例えば、電子輸送領域における電子輸送層)は、前述のような物質以外に、金属含有物質をさらに含んでもよい。
【0142】
金属含有物質は、アルカリ金属錯体及びアルカリ土類金属錯体のうちから選択された少なくとも一つを含んでもよい。アルカリ金属錯体の金属イオンは、Liイオン、Naイオン、Kイオン、Rbイオン及びCsイオンのうちから選択され、アルカリ土類金属錯体の金属イオンは、Beイオン、Mgイオン、Caイオン、Srイオン及びBaイオンのうちから選択される。アルカリ金属錯体及びアルカリ土類金属錯体の金属イオンに配位されたリガンドは、互いに独立して、ヒドロキシキノリン、ヒドロキシイソキノリン、ヒドロキシベンゾキノリン、ヒドロキシアクリジン、ヒドロキシフェナントリジン、ヒドロキシフェニルオキサゾール、ヒドロキシフェニルチアゾール、ヒドロキシジフェニルオキサジアゾール、ヒドロキシジフェニルチアジアゾール、ヒドロキシフェニルピリジン、ヒドロキシフェニルベンゾイミダゾール、ヒドロキシフェニルベンゾチアゾール、ビピリジン、フェナントロリン及びシクロペンタジエンのうちからも選択されるが、それらに限定されるものではない。
【0143】
例えば、金属含有物質は、Li錯体を含んでもよい。Li錯体は、例えば、下記化合物ET-D1(リチウムキノレート(LiQ))またはET-D2を含んでもよい。
【化32】
【0144】
電子輸送領域は、第2電極190からの電子注入を容易にする電子注入層を含んでもよい。電子注入層は、第2電極190と直接接触することができる。
【0145】
電子注入層は、i)単一物質からなる単一層からなる単層構造、ii)複数の互いに異なる物質からなる単一層からなる単層構造、あるいはiii)複数の互いに異なる物質からなる複層を有する多層構造を有することができる。
【0146】
電子注入層は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、希土類金属化合物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体、またはそれらのうち任意の組み合わせを含んでもよい。
【0147】
アルカリ金属は、Li、Na、K、Rb及びCsのうちから選択される。一実施形態によれば、アルカリ金属は、Li、NaまたはCsである。他の実施形態によれば、アルカリ金属は、LiまたはCsであるが、それらに限定されるものではない。
【0148】
アルカリ土類金属は、Mg、Ca、Sr、及びBaのうちから選択される。
【0149】
希土類金属はSc、Y、Ce、Tb、Yb及びGdのうちから選択される。
【0150】
アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物及び希土類金属化合物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属の酸化物及びハロゲン化物(例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物など)のうちから選択される。
【0151】
アルカリ金属化合物は、Li2O、Cs2O、K2Oのようなアルカリ金属酸化物、及びLiF、NaF、CsF、KF、LiI、NaI、CsI、KIのようなアルカリ金属ハロゲン化物のうちから選択される。一実施形態によれば、アルカリ金属化合物は、LiF、Li2O、NaF、LiI、NaI、CsI、KIのうちから選択されるが、それらに限定されるものではない。
【0152】
アルカリ土類金属化合物は、BaO、SrO、CaO、BaxSr1-xO(0<x<1)、BaxCa1-xO(0<x<1)のようなアルカリ土類金属化合物のうちから選択される。一実施形態によれば、アルカリ土類金属化合物は、BaO、SrO及びCaOのうちから選択されるが、それらに限定されるものではない。
【0153】
希土類金属化合物は、YbF3、ScF3、ScO3、Y2O3、Ce2O3、GdF3及びTbF3のうちから選択される。一実施形態によれば、希土類金属化合物は、YbF3、ScF3、TbF3、YbI3、ScI3、TbI3のうちから選択されるが、それらに限定されるものではない。
【0154】
アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体及び希土類金属錯体は、前述のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属のイオンを含み、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体及び希土類金属錯体の金属イオンに配位されたリガンドは、互いに独立して、ヒドロキシキノリン、ヒドロキシイソキノリン、ヒドロキシベンゾキノリン、ヒドロキシアクリジン、ヒドロキシフェナントリジン、ヒドロキシフェニルオキサゾール、ヒドロキシフェニルチアゾール、ヒドロキシジフェニルオキサジアゾール、ヒドロキシジフェニルチアジアゾール、ヒドロキシフェニルピリジン、ヒドロキシフェニルベンゾイミダゾール、ヒドロキシフェニルベンゾチアゾール、ビピリジン、フェナントロリン及びシクロペンタジエンのうちから選択されるが、それらに限定されるものではない。
【0155】
電子注入層は、前述のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、希土類金属化合物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体、またはそれらのうち任意の組み合わせだけからなるか、あるいは有機物をさらに含んでもよい。電子注入層が有機物をさらに含む場合、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、希土類金属化合物、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体、またはそれらのうち任意の組み合わせは、有機物からなるマトリックスに、均一に分散してもよ
く、不均一に分散してもよい。
【0156】
電子注入層の厚みは、約0.1nm~約10nm、約0.3nm~約9nmである。電子注入層の厚みが前述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、満足すべき電子注入特性を得ることができる。
【0157】
[第2電極190]
前述のような有機層150上部には、第2電極190が配置されている。第2電極190は、電子注入電極であるカソードであるが、このとき、第2電極190用物質としては、低い仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物、及びそれらの組み合わせを使用することができる。
【0158】
第2電極190は、リチウム(Li)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム-リチウム(Al-Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム-インジウム(Mg-In)、マグネシウム-銀(Mg-Ag)、ITO及びIZOのうちから選択された少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。第2電極190は、透過型電極、半透過型電極または反射型電極である。
【0159】
第2電極190は、単一層である単層構造、または複層を有する多層構造を有することができる。
【0160】
正孔輸送領域に含まれた各層、発光層、及び電子輸送領域に含まれた各層は、それぞれ、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB(Langmuir-Blodgett)法、イ
ンクジェットプリンティング法、レーザプリンティング法、レーザ熱転写法(LITI:laser induced thermal imaging)のような多様な方法を利用し、所定領域に形成される
。
【0161】
真空蒸着法により、正孔輸送領域に含まれた各層、発光層、及び電子輸送領域に含まれた各層をそれぞれ形成する場合、蒸着条件は、例えば、約100~約500℃の蒸着温度、約10-8~約10-3torrの真空度、及び約0.001nm/sec~約10nm/secの蒸着速度の範囲内で、形成しようとする層に含まれる材料、及び形成しようとする層の構造を考慮して選択される。
【0162】
スピンコーティング法により、正孔輸送領域に含まれた各層、発光層、及び電子輸送領域に含まれた各層をそれぞれ形成する場合、コーティング条件は、例えば、約2,000rpm~約5,000rpmのコーティング速度、及び約80℃~200℃の熱処理温度範囲内で、形成しようとする層に含まれる材料、及び形成しようとする層の構造を考慮して選択される。
【実施例】
【0163】
以下において、合成例及び実施例を挙げ、本発明の一実施形態による化合物及び有機発光素子についてさらに具体的に説明する。下記合成例において、「Aの代わりにBを使用した」という表現において、Aのモル当量とBのモル当量は、互いに同一である。
【0164】
【0165】
1)中間体化合物[1-A]の合成
2-メトキシ-9H-カルバゾール(1.0 eq)、2-ヨードピリジン(1.2 eq)、Pd2(dba)3(0.05 eq)、SPhos(0.10 eq)そしてK2CO3(1.0 eq)をトルエン(0.1M)に溶解させた後、120℃で18時間撹
拌した。反応混合物を常温に冷やした後、ジクロロメタンと水とを利用して3回抽出し、有機層を得た。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濃縮してカラムクロマトグラフィを利用し、化合物[1-A](収率91%)を得た。
【0166】
2)中間体化合物[1-B]の合成
化合物[1-A](1.0 eq)をジクロロメタン(0.1M)に溶解させた後、-
78℃で撹拌しながら、そこに三臭化ホウ素溶液(ヘキサン中において1.0M、2.0
eq)を徐々に添加した後、2時間撹拌した。炭酸ナトリウム水溶液を利用して反応混
合物を中和した後、酢酸エチルと水とを利用して3回抽出し、有機層を得た。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濃縮し、化合物[1-B](収率64%)を得た。
【0167】
3)中間体化合物[1-C]の合成
2-ブロモ-4H-ベンゾ[def]カルバゾール(1.0 eq)、2-ヨードピリ
ジン(1.2 eq)、Pd2(dba)3(0.05 eq)、SPhos(0.10
eq)そしてK2CO3(1.0 eq)をトルエン(0.1M)に溶解させた後、12
0℃で18時間撹拌した。反応混合物を常温に冷やした後、ジクロロメタンと水とを利用して3回抽出し、有機層を得た。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濃縮してカラムクロマトグラフィを利用し、化合物[1-C](収率93%)を得た。
【0168】
4)中間体化合物[1-D]の合成
化合物[1-B](1.0 eq)、化合物[1-C](1.2 eq)、CuI(0.02 eq)、K2CO3(2.0 eq)そしてL-プロリン(0.04 eq)をdimethyl sulfoxide(0.1M)に溶解させた後、160℃で48時間撹拌した。反応混合物
を常温に冷やした後、ジクロロメタンと水とを利用して3回抽出し、有機層を得た。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濃縮してカラムクロマトグラフィを利用し、化合物[1-D](収率44%)を得た。
【0169】
5)化合物1の合成
化合物[1-D](1.0 eq)、potassium tetrachloroplatinate(K2PtCl
4)(1.1 eq)及びテトラブチルアンモニウムブロミド(0.1 eq)を酢酸(0.1M)に溶解させた後、120℃で72時間撹拌した。反応混合物を常温に冷やした後、ジクロロメタンと水とを利用して3回抽出し、有機層を得た。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濃縮してカラムクロマトグラフィを利用し、化合物1(収率31%)を得た。
【0170】
【0171】
1)中間体化合物[11-A]の合成
3-ブロモヨードベンゼン(1.0 eq)、1H-イミダゾール(1.2 eq)、CuI(0.02 eq)、K2CO3(2.0 eq)そしてL-プロリン(0.04 e
q)をdimethylsulfonate(0.1M)に溶解させた後、130℃で12時間撹拌した。
反応混合物を常温に冷やした後、ジクロロメタンと水とを利用して3回抽出し、有機層を得た。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濃縮してカラムクロマトグラフィを利用し、化合物[1-D](収率65%)を得た。
【0172】
2)中間体化合物[11-B]の合成
化合物[1-C]の代わりに、[11-A]を使用し、化合物[1-B]の代わりに、合成例5の化合物[41-B]を使用したことを除いては、化合物[1-D]と同一方法で合成した(収率32%)。
【0173】
3)中間体化合物[11-C]の合成
化合物[11-B](1.0 eq)、ヨードメタン(1.5 eq)をテトラヒドロフラン(0.1M)に溶解させた後、70℃で12時間撹拌した。反応混合物を常温に冷やした後、溶媒を除去し、ジエチルエーテルで濾過して洗浄し、化合物[11-C](収率85%)を得た。
【0174】
4)化合物11の合成
化合物[11-C](1.0 eq)、dichloro(1,5-cyclooctadienyl)platinum(II)(1.05 eq)、酢酸ナトリウム(3.0 eq)をテトラヒドロフラン(0.1M)に溶解させた後、120℃、窒素雰囲気下で72時間撹拌した。反応物を常温に冷やした後、減圧して溶媒を除去した。濃縮された反応物をジクロロメタンに溶解させ、残っている沈殿物は、濾過した。濾液はカラムクロマトグラフィを利用して精製し、化合物11(収率35%)を得た。
【0175】
【0176】
1)中間体化合物[21-A]の合成
1H-イミダゾールの代わりに、ベンゾイミダゾールを使用したことを除いては、化合物[11-A]と同一方法で合成した(収率57%)。
【0177】
2)中間体化合物[21-B]の合成
化合物[1-C]の代わりに、[21-A]を使用し、化合物[1-B]の代わりに、合成例5の化合物[41-B]を使用したことを除いては、化合物[1-D]と同一方法で合成した(収率31%)。
【0178】
3)中間体化合物[21-C]の合成
化合物[11-B]の代わりに、[21-B]を使用したことを除いては、化合物[11-C]と同一方法で合成した(収率84%)。
【0179】
4)化合物21の合成
化合物[11-C]の代わりに、[21-C]を使用したことを除いては、化合物[11-C]と同一方法で合成した(収率28%)。
【0180】
【0181】
1)中間体化合物[31-A]の合成
2-メトキシ-9H-カルバゾールの代わりに、3-メトキシ-5H-ピロロ[3,2-b:4,5-b’]ジピリジンを使用したことを除いては、化合物[1-A]と同一方法で合成した(収率86%)。
【0182】
2)中間体化合物[31-B]の合成
化合物[1-A]の代わりに、[31-A]を使用したことを除いては、化合物[1-B]と同一方法で合成した(収率68%)。
【0183】
3)中間体化合物[31-C]の合成
化合物[1-B]の代わりに、[31-B]を使用したことを除いては、化合物[1-D]と同一方法で合成した(収率24%)。
【0184】
4)化合物31の合成
化合物[1-D]の代わりに、[31-C]を使用したことを除いては、化合物1と同一方法で合成した(収率37%)。
【0185】
【0186】
1)中間体化合物[41-A]の合成
2-メトキシ-9H-カルバゾールの代わりに、2-メトキシ-4H-ベンゾ[def]カルバゾールを使用したことを除いては、化合物[1-A]と同一方法で合成した(収率88%)。
【0187】
2)中間体化合物[41-B]の合成
化合物[1-A]の代わりに、[41-A]を使用したことを除いては、化合物[1-B]と同一方法で合成した(収率66%)。
【0188】
3)中間体化合物[31-C]の合成
化合物[1-B]の代わりに、[41-B]を使用したことを除いては、化合物[1-D]と同一方法で合成した(収率31%)。
【0189】
4)化合物31の合成
化合物[1-D]の代わりに、[41-C]を使用したことを除いては、化合物1と同一方法で合成した(収率33%)。
【0190】
実施例1
正極は、コーニング(Corning)15Ω/cm
2(120nm)ITOガラス基板を、5
0mm×50mm×0.7mmサイズに切り、イソプロピルアルコールと純水とを利用し、それぞれ5分間超音波洗浄した後、30分間紫外線を照射し、オゾンに露出させて洗浄し、真空蒸着装置にこのガラス基板を設けた。基板上部に、まず正孔注入層として、公知の化合物2-TNATAを真空蒸着し、60nm厚に形成した後、次に、正孔輸送性化合物として、4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノビフェニル(NPB)を30nm厚に真空蒸着し、正孔輸送層を形成した。正孔輸送層上部に、ホスト材料として、3,3-ジ(9H-カルバゾール-9-イル)ビフェニル(mCBP)、及びドーパントとして化合物1を、ドーパント10%の比率で同時蒸着し、30nm厚の緑色リン光発光層を形成した。次に、発光層上部に、(ジフェニル(4-(トリフェニルシリル)フェニル)-ホスフィンオキシド)(TSPO1)を5nm厚に真空蒸着し、正孔阻止層を形成した。次に、正孔阻止層上部に、電子輸送層として、Alq3を30nm厚に蒸着した後、該電子輸送層上部に、ハロゲン化アルカリ金属であるLiFを、電子注入層として1nm厚に蒸着し、Al(負極電極)を300nm厚に真空蒸着し、LiF/Al電極を形成することにより、有機発光素子を製造した。
【化38】
【0191】
実施例2~5、及び比較例1~4
発光層の形成時、ドーパントとして、化合物1の代わりに、表1に記載された化合物をそれぞれ使用したという点を除いては、実施例1と同一方法を利用して有機発光素子を作製した。
【0192】
評価例1
実施例1~5、及び比較例1~4で作製された有機発光素子の駆動電圧、電流密度、輝度、発光効率及び最大発光波長を、Keithley SMU 236及び輝度計PR650を利用して測定し、その結果を表1に示した。
【表1】
【化39】
【0193】
表1から、実施例1~5の有機発光素子は、比較例1~4の有機発光素子に比べ、低駆動電圧、高輝度、高発光効率及び長寿命を示すということを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0194】
本発明の、有機金属化合物、及びそれを含んだ有機発光素子は、例えば、発光関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0195】
10 有機発光素子
110 第1電極
150 有機層
190 第2電極