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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】コネクタ接続構造
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/11 20060101AFI20230421BHJP
   H01R 12/73 20110101ALI20230421BHJP
   H01R 12/79 20110101ALI20230421BHJP
【FI】
H05K1/11 D
H01R12/73
H01R12/79
H05K1/11 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019008006
(22)【出願日】2019-01-21
(65)【公開番号】P2020119943
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099999
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 隆
(72)【発明者】
【氏名】門脇 崇弘
(72)【発明者】
【氏名】石橋 広生
【審査官】柴垣 宙央
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-181067(JP,U)
【文献】実開平01-161370(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/11
H01R 12/73
H01R 12/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント配線板の端部をコネクタに挿入することにより上記プリント配線板を上記コネクタと電気的に接続するように構成されたコネクタ接続構造において、
上記プリント配線板の表面に、該プリント配線板の先端面まで該プリント配線板の挿入方向に延びる複数の導電線が形成されており、
上記複数の導電線のうち信号線または電源線を構成する少なくとも1つの導電線は、上記挿入方向に延びる第1領域とこの第1領域の端部から屈曲して上記先端面まで延びる第2領域とを備えており、
上記複数の導電線として、並列に配置された複数対の信号線とこれら複数対の信号線の各々の両側に配置された複数のグラウンド線とを備えており、
上記複数対の信号線のうち上記挿入方向と直交する方向の端部に位置する1対の信号線における上記端部側の信号線が、上記少なくとも1つの導電線として設定されており、
上記少なくとも1つの導電線を構成する信号線に対して上記端部側に隣接するグラウンド線は、該信号線の第2領域から離れる方向へ屈曲して上記プリント配線板の先端面まで延びている、ことを特徴とするコネクタ接続構造。
【請求項2】
上記複数の導電線のうち上記挿入方向と直交する方向の端部に位置する信号線または電源線が、上記少なくとも1つの導電線として設定されている、ことを特徴とする請求項1記載のコネクタ接続構造。
【請求項3】
上記複数の導電線のうち上記挿入方向と直交する方向の両端部に位置する信号線または電源線が、上記少なくとも1つの導電線として設定されている、ことを特徴とする請求項1記載のコネクタ接続構造。
【請求項4】
上記少なくとも1つの導電線は、上記第2領域が上記第1領域よりも細幅で形成されている、ことを特徴とする請求項1~3いずれか記載のコネクタ接続構造。
【請求項5】
上記少なくとも1つの導電線は、上記第2領域がクランク状に形成されている、ことを特徴とする請求項1~4いずれか記載のコネクタ接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、プリント配線板をコネクタと電気的に接続するように構成されたコネクタ接続構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、プリント配線板をコネクタと電気的に接続するためのコネクタ接続構造として、プリント配線板の端部をコネクタに挿入するように構成されたものが知られている。
【0003】
例えば「特許文献1」には、フレキシブルプリント配線板の端部をコネクタに挿入するように構成されたコネクタ接続構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-267468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなコネクタ接続構造において、プリント配線板の表面に、該プリント配線板の先端面までその挿入方向に延びる複数の導電線が形成された構成とすれば、複数の導電線をメッキ処理等によって容易に形成することが可能となる。
【0006】
しかしながら、このようなコネクタ接続構造を採用した場合には、プリント配線板の端部がコネクタに対して正規の嵌合位置まで挿入されていない半嵌合状態でも、プリント配線板側の信号線または電源線がコネクタ側の接点と導通してしまう場合がある。そして、このような場合には、製品として適正な組付けが行われていないにもかかわらず、出荷前の導通テストで異常なしとの誤った判定がなされてしまうこととなる。
【0007】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、プリント配線板をコネクタと電気的に接続するように構成されたコネクタ接続構造において、プリント配線板の端部がコネクタに対して正規の嵌合位置まで挿入されていない場合には導通テストで異常を検出することができるコネクタ接続構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は、プリント配線板の表面に形成される導電線の形状に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0009】
すなわち、本願発明に係るコネクタ接続構造は、
プリント配線板の端部をコネクタに挿入することにより上記プリント配線板を上記コネクタと電気的に接続するように構成されたコネクタ接続構造において、
上記プリント配線板の表面に、該プリント配線板の先端面まで該プリント配線板の挿入方向に延びる複数の導電線が形成されており、
上記複数の導電線のうち信号線または電源線を構成する少なくとも1つの導電線は、上記挿入方向に延びる第1領域とこの第1領域の端部から屈曲して上記先端面まで延びる第2領域とを備えており、
上記複数の導電線として、並列に配置された複数対の信号線とこれら複数対の信号線の各々の両側に配置された複数のグラウンド線とを備えており、
上記複数対の信号線のうち上記挿入方向と直交する方向の端部に位置する1対の信号線における上記端部側の信号線が、上記少なくとも1つの導電線として設定されており、
上記少なくとも1つの導電線を構成する信号線に対して上記端部側に隣接するグラウンド線は、該信号線の第2領域から離れる方向へ屈曲して上記プリント配線板の先端面まで延びている、ことを特徴とするものである。
【0010】
上記「プリント配線板」は、硬質配線板として構成されていてもよいし、フレキシブル配線板として構成されていてもよい。
【0011】
上記「第2領域」は、第1領域の端部から屈曲してプリント配線板の先端面まで延びていれば、その具体的な屈曲形状は特に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0012】
本願発明に係るコネクタ接続構造は、プリント配線板の端部をコネクタに挿入することによりプリント配線板をコネクタと電気的に接続する構成となっているが、プリント配線板の表面には該プリント配線板の先端面までその挿入方向に延びる複数の導電線が形成されているので、複数の導電線をメッキ処理等によって容易に形成することが可能となる。
【0013】
その上で、これら複数の導電線のうち信号線または電源線を構成する少なくとも1つの導電線は、プリント配線板の挿入方向に延びる第1領域とこの第1領域の端部から屈曲してプリント配線板の先端面まで延びる第2領域とを備えているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0014】
すなわち、プリント配線板の端部がコネクタに対して正規の嵌合位置まで挿入された嵌合状態では、上記少なくとも1つの導電線をその第1領域においてコネクタ側の接点と導通させる一方、正規の嵌合位置まで挿入されていない半嵌合状態では、上記少なくとも1つの導電線をコネクタ側の接点と導通させないようにすることができる。これにより半嵌合状態では、適正な組付けが行われていないものとして、製品出荷前の導通テストで異常ありとの正しい判定がなされるようにすることができる。
【0015】
このように本願発明によれば、プリント配線板をコネクタと電気的に接続するように構成されたコネクタ接続構造において、プリント配線板の端部がコネクタに対して正規の嵌合位置まで挿入されていない場合には導通テストで異常を検出することができる。
【0016】
上記構成において、さらに、複数の導電線のうち挿入方向と直交する方向の端部に位置する信号線または電源線が、上記少なくとも1つの導電線として設定された構成とすれば、その第2領域を第1領域の端部から屈曲してプリント配線板の先端面まで延びるように形成するためのスペースを確保することが容易に可能となる。
【0017】
また、プリント配線板の端部がコネクタに対して斜めに挿入された場合には、その傾斜方向後方側に位置する端部はコネクタ側の接点からの変位量が大きくなるので、上記少なくとも1つの導電線として設定された信号線または電源線がこの端部側に位置している場合には、コネクタ側の接点と導通させないようにすることが容易に可能となる。
【0018】
上記構成において、さらに、複数の導電線のうち挿入方向と直交する方向の両端部に位置する信号線または電源線が、上記少なくとも1つの導電線として設定された構成とすれば、プリント配線板の端部がコネクタに対していずれの方向に傾斜して挿入された場合においても、上記少なくとも1つの導電線として設定された信号線または電源線をコネクタ側の接点と導通させないようにすることが容易に可能となる。
【0019】
上記構成において、さらに、上記少なくとも1つの導電線として、その第2領域が第1領域よりも細幅で形成された構成とすれば、半嵌合状態でこれをコネクタ側の接点と導通させないようにするための第2領域の引き回しを容易に行うことができる。
【0020】
上記構成において、さらに、上記少なくとも1つの導電線として、その第1領域がクランク状に形成されたものとすれば、半嵌合状態でこれをコネクタ側の接点と導通させないようにするための第2領域の引き回しを容易に行うことができる。
【0021】
上記構成において、複数の導電線として、並列に配置された複数対の信号線とこれら複数対の信号線の各々の両側に位置するように配置された複数のグラウンド線とを備えた構成とすれば、信号線を介して入出力される信号の劣化を抑制することができ、また、信号線からの発生ノイズおよび信号線への侵入ノイズを低減することができる。
【0022】
その上で、複数対の信号線のうち挿入方向と直交する方向の端部に位置する1対の信号線における上記端部側の信号線が、上記少なくとも1つの導電線として設定された構成とすれば、その第2領域を第1領域の端部から屈曲してプリント配線板の先端面まで延びるように形成するためのスペースを確保することが容易に可能となる。
【0023】
その際、上記少なくとも1つの導電線を構成する信号線に対して上記端部側に隣接するグラウンド線として、該信号線の第2領域から離れる方向へ屈曲してプリント配線板の先端面まで延びる構成とすれば、少なくとも1つの導電線を構成する信号線との間隔を確保することが容易に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本願発明の一実施形態に係るコネクタ接続構造を有する灯具ユニットを備えた車両用灯具を示す側断面図
図2】上記車両用灯具からコネクタ接続構造およびその周辺構造を取り出して示す斜視図
図3図2のIII 方向矢視図
図4図3のIV部詳細図
図5図3に示すコネクタ接続構造の作用を示す、図3と同様の図
図6図3に示すコネクタ接続構造の作用を示す、図3と同様の図
図7】(a)は図5のVIIa部詳細図、(b)は図5のVIIb部詳細図
図8図2のVIII方向矢視図
図9図8に示すコネクタ接続構造の作用を示す、図7と同様の図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0026】
図1は、本願発明の一実施形態に係るコネクタ接続構造を有する灯具ユニット10を備えた車両用灯具100を示す側断面図である。また、図2は、この車両用灯具100からコネクタ接続構造およびその周辺構造を取り出して示す斜視図である。
【0027】
これらの図において、Xで示す方向が「ユニット前方」であり、Yで示す方向が「ユニット前方」と直交する「左方向」(ユニット正面視では「右方向」)であり、Zで示す方向が「上方向」である。これら以外の図においても同様である。
【0028】
車両用灯具100は、車両の前端部に設けられるヘッドランプであって、ランプボディ102と透光カバー104とで形成される灯室内に、灯具ユニット10がその前後方向(すなわちユニット前後方向)を車両前後方向と一致させるように光軸調整が行われた状態で収容された構成となっている。
【0029】
灯具ユニット10は、空間光変調ユニット20と、光源側サブアッシー50と、レンズ側サブアッシー70とを備えている。そして、この灯具ユニット10は、その空間光変調ユニット20の一部を構成するブラケット40において図示しない取付構造を介してランプボディ102に支持されている。
【0030】
空間光変調ユニット20は、空間光変調器30と、この空間光変調器30よりもユニット後方側に配置された支持基板22と、この支持基板22よりもユニット後方側に配置されたヒートシンク24と、空間光変調器30よりもユニット前方側に配置されたブラケット40とを備えている。
【0031】
ブラケット40は、金属製の部材であって、ユニット前後方向と直交する鉛直面に沿って延びる鉛直面部40Aと、この鉛直面部40Aの下端縁からユニット前方へ向けて略水平面に沿って延びる水平面部40Bとを備えている。
【0032】
光源側サブアッシー50は、左右1対の光源(具体的には発光ダイオード)52と、これら光源52からの出射光を空間光変調ユニット20へ向けて反射させるリフレクタ54と、これらを支持するベース部材60とを備えており、そのベース部材60においてブラケット40の水平面部40Bに支持されている。
【0033】
レンズ側サブアッシー70は、ユニット前後方向に延びる光軸Axを有する投影レンズ72と、この投影レンズ72を支持するレンズホルダ74とを備えており、そのレンズホルダ74においてブラケット40の水平面部40Bに支持されている。
【0034】
光源側サブアッシー50よりもユニット前方側でかつレンズ側サブアッシー70よりも下方側には、各光源52の点灯によって発生する熱を放散させるためのヒートシンク80と放熱ファン82とが配置されている。ヒートシンク80は、伝熱板84および左右1対のヒートパイプ86を介して光源側サブアッシー50の伝熱板62と連結されている。
【0035】
そして、灯具ユニット10は、リフレクタ54で反射した各光源52からの光を空間光変調器30および投影レンズ72を介してユニット前方へ向けて照射することにより、種々の配光パターン(例えば、ロービーム用配光パターンやハイビーム用配光パターンあるいは車両走行状況に応じて変化する配光パターンさらには車両前方路面に文字や記号等を描画する配光パターン等)を精度良く形成し得る構成となっている。
【0036】
これを実現するため、灯具ユニット10は、図示しない車載カメラからの映像信号に基づいて空間光変調器30を制御する制御回路(図示せず)が搭載された制御基板120を備えた構成となっている。この制御基板120は、光源側サブアッシー50およびヒートシンク80の下方において水平面に沿って延びるように配置されており、図示しない支持部材を介してブラケット40の水平面部40Bに支持されている。
【0037】
空間光変調器30は、デジタルマイクロミラーディバイス(DMD)であって、複数の反射素子(具体的には数十万個の微小ミラー)がマトリクス状に配置された反射制御部30Aを備えている。そして、この空間光変調器30は、その反射制御部30Aを構成する複数の反射素子の各々の反射面の角度を制御することによって、リフレクタ54で反射して各反射素子に到達した左右1対の光源52からの光を、投影レンズ72へ向かう方向(図1において実線で示す方向)と投影レンズ72から外れた方向(図1において2点鎖線で示す方向)とのいずれかの方向を選択して反射させるようになっている。
【0038】
支持基板22は、光軸Axと直交する鉛直面に沿って延びるように配置されており、その前面には導電パターン(図示せず)が形成されている。そして、空間光変調器30は、ソケット26を介してこの支持基板22と電気的に接続されている。
【0039】
空間光変調ユニット20は、その空間光変調器30がブラケット40の鉛直面部40Aとヒートシンク24とによってユニット前後方向両側から支持された構成となっている。ブラケット40の鉛直面部40Aと空間光変調器30との間には、板状部材32とガスケット34とが配置されており、ブラケット40の鉛直面部40Aには透光カバー36が支持されている。
【0040】
空間光変調ユニット20とレンズ側サブアッシー70との間には、反射制御部30Aから2点鎖線で示す方向へ向かう反射光を遮光する遮光カバー90が配置されている。また、支持基板22の周囲には、支持基板22の上部領域を囲む上部カバー92と支持基板22の下部領域を囲む下部カバー94とが配置されている。遮光カバー90ならびに上部カバー92および下部カバー94は、電気的に接地された導電性部材として構成されており、これにより光源52の点消灯の繰り返しによって発生するノイズから空間光変調器30を保護する電磁シールドとして機能するようになっている。
【0041】
図2に示すように、制御基板120は、左右1対のプリント配線板130、140を介して支持基板22と電気的に接続されている。各プリント配線板130、140は、フレキシブルプリント配線板として構成されている。
【0042】
右側(ユニット正面視では左側)に位置するプリント配線板130は、その第1端部130aを制御基板120の上面120aの後端部に搭載されたコネクタ150Aに挿入することにより該コネクタ150Aと電気的に接続されるとともに、その第2端部130bを支持基板22の前面22aの下端部に搭載されたコネクタ150Bに挿入することにより該コネクタ150Bと電気的に接続されるようになっている。
【0043】
このプリント配線板130は、ユニット側面視において第1端部130aから第2端部130bへ向けて円弧状に延びるように形成されている。また、22つのコネクタ150A、150Bは、いずれも同様の構成を有している。
【0044】
左側に位置するプリント配線板140は、プリント配線板130よりも広幅で形成されており、その第1端部140aを制御基板120の上面120aの後端部に搭載されたコネクタ160Aに挿入することにより該コネクタ160Aと電気的に接続されるとともに、その第2端部140bを支持基板22の前面22aの下端部に搭載されたコネクタ160Bに挿入することにより該コネクタ160Bと電気的に接続されるようになっている。
【0045】
このプリント配線板140も、ユニット側面視において第1端部140aから第2端部140bへ向けて円弧状に延びるように形成されている。また、2つのコネクタ160A、160Bは、いずれも同様の構成を有している。
【0046】
図3は、図2のIII 方向矢視図であって、右側に位置するプリント配線板130の第1端部130aをコネクタ150Aに接続するためのコネクタ接続構造を示す図である。また、図4は、図3のIV部詳細図である。
【0047】
図3に示すように、プリント配線板130の第1端部130aには、その左右両側の側面に矩形状の切欠き部130eがそれぞれ形成されている。一方、コネクタ150Aの挿入孔150Aaには、その左右両端部に係合片150Abがそれぞれ形成されている。そして、プリント配線板130の第1端部130aがコネクタ150Aの挿入孔150Aaに対して正規の嵌合位置まで挿入されたとき、左右1対の切欠き部130eに左右1対の係合片150Abが係合し、これによりプリント配線板130とコネクタ150Aとが嵌合状態となるように構成されている。
【0048】
プリント配線板130の表面130cには、該プリント配線板130の先端面130dまで該プリント配線板130の挿入方向(第1端部130aにおいてはユニット前方)に延びる複数の導電線として、並列に配置された複数対の信号線132A、132Bと、これら複数対の信号線132A、132Bの各々の両側に配置された複数のグラウンド線134、136とが形成されている。これら複数対の信号線132A、132Bおよび複数のグラウンド線134、136は、電気メッキ処理による金メッキ層の導電パターンとして形成されている。
【0049】
なお、プリント配線板130の表面130cには、その第1および第2端部130a、130bを除く一般部に、電磁シールド用のシールドフィルム(図示せず)が貼付されている。
【0050】
各信号線132A、132Bは、プリント配線板130の一般部に位置する一般領域132Ac、132Bcにおいては極細の一定幅で形成されている。一方、各信号線132A、132Bは、プリント配線板130の第1端部130aにおいては、一般領域132Ac、132Bcに繋がる第1領域132Aa、132Baが一般領域132Ac、132Bcの5~10倍程度の広さの一定幅で形成されており、また、その第1端部130aにおいて第1領域132Aa、132Baに繋がるようにして先端面130dまで延びる第2領域132Ab、132Bbが第1領域132Aa、132Baの1/3~2/3倍程度の広さの一定幅で形成されている。
【0051】
各対の信号線132A、132Bは、左右対称の形状を有している。その際、各対の信号線132A、132Bは、両者間に一般領域132Ac、132Bcの幅よりは広いが第2領域132Ab、132Bbの幅よりは狭い一定の間隔をおいて形成されている。そして、各信号線132A、132Bは、一般領域132Ac、132Bcと第1領域132Aa、132Baとの接続部分においてはその幅が徐変するように形成されており、第1領域132Aa、132Baと第2領域132Ab、132Bbとの接続部分においてはその幅が急変するように形成されている。
【0052】
複数のグラウンド線134、136のうち、各対の信号線132A、132Bの間に位置するグラウンド線134は、これに隣接する信号線132A、132Bと一定の間隔をおいて形成されている。その際の間隔は、各対の信号線132A、132B相互の間隔と同じ値に設定されている。
【0053】
すなわち、各グラウンド線134は、プリント配線板130の一般部に位置する一般領域134cにおいては広幅で形成されており、プリント配線板130の第1端部130aにおいては、一般領域134cに繋がる第1領域134aが各信号線132A、132Bの第1領域132Aa、132Baと同じ幅で形成されており、また、第1領域134aに繋がるようにして先端面130dまで延びる第2領域134bが各信号線132A、132Bの第2領域132Ab、132Bbと同じ幅で形成されている。
【0054】
そしてこれにより、各信号線132A、132Bおよび各グラウンド線134は、その第1領域132Aa、132Ba、134aが互いに同一幅でかつ一定のピッチ(例えば0.5mm程度のピッチ)で形成されており、また、その第2領域132Ab、132Bb、134bも互いに同一幅でかつ一定のピッチで形成されている。
【0055】
ただし、複数対の信号線132A、132Bのうち最も外側に位置する(すなわち上記挿入方向と直交する方向の端部に位置する)各1対の信号線132A、132Bにおいて外側に位置する信号線132A1、132B1は、その配線形状が他の信号線132A、132Bとは部分的に異なる形状に設定されている。
【0056】
すなわち、図4に示すように、最も外側(すなわち右側)に位置する1対の信号線132A1、132Bのうち外側に位置する信号線132A1は、その第2領域132A1bが第1領域132A1aの端部からクランク状に屈曲して先端面130dまで延びるように形成されている。
【0057】
具体的には、この信号線132A1の第2領域132A1bは、その第1領域132A1a側の端部近傍において外側へ直角に折れ曲がってから先端面130dまで上記挿入方向に延びている。その際、このクランク状に形成された第2領域132A1bは、直線状に形成された他の信号線132A、132Bの第2領域132Ab、132Bbと同一幅で形成されている。
【0058】
一方、図3に示すように、プリント配線板130の左右反対側の最も外側に位置する1対の信号線132A、132B1において外側に位置する信号線132B1も、その第2領域132B1bが第1領域132B1aの端部から信号線132A1と左右対称の形状でクランク状に屈曲して先端面130dまで延びるように形成されている。
【0059】
また、複数のグラウンド線134、136のうち、最も外側に位置する各1対の信号線132A、132Bの外側に位置するグラウンド線136は、その第1領域136aの形状については各グラウンド線134の第1領域134aと同様であるが、その一般領域136cの形状が他のグラウンド線134の一般領域134cよりも広幅で形成されている。
【0060】
すなわち、グラウンド線136は、他のグラウンド線134と同様、該グラウンド線136に隣接する信号線132Aまたは132Bと一定の間隔をおいて形成されているが、その一般領域136cはプリント配線板130の側端面の近傍位置まで拡がるように形成されている。
【0061】
図4に示すように、信号線132A1の第2領域132A1bは、該信号線132A1に隣接するグラウンド線136の第1領域136aに対して上記挿入方向の延長線上に位置するようにして先端面130dまで延びている。
【0062】
また、この信号線132A1に隣接するグラウンド線136も、その第2領域136bが外側へ屈曲してプリント配線板130の先端面130dまで延びている。
【0063】
具体的には、このグラウンド線136の第2領域136bは、その第1領域136aにおける先端面130d側の端部近傍部位から外側へ直角に突出してから先端面130dまで上記挿入方向に延びている。その際、このL字状に形成された第2領域136bは、直線状に形成された他のグラウンド線134の第2領域134bと同一幅で形成されている。また、この第2領域136bと信号線132A1の第2領域132A1bとの間隔は、他の第2領域132Ab、132Bb、134b相互の間隔と同一の値に設定されている。
【0064】
以上の点に関しては、プリント配線板130の左右反対側に位置する信号線132B1の第2領域132B1bおよびグラウンド線136の第2領域136bについても同様である。
【0065】
図3に示すように、コネクタ150Aの挿入孔150Aaには、複数の接点152A、152B、154、156がプリント配線板130の挿入方向と直交する方向に等間隔で並列に配置されている。そして、プリント配線板130の第1端部130aがコネクタ150Aに対して正規の嵌合位置まで挿入されたとき、接点152Aが信号線132A、132A1の第1領域132Aa、132A1aと電気的に接続され、接点152Bが信号線132B、132B1の第1領域132Ba、132B1aと電気的に接続され、接点154がグラウンド線134の第1領域134aと電気的に接続され、各接点156がグラウンド線136の第1領域136aと電気的に接続されるようになっている。
【0066】
なお、各対の信号線132A、132A1および132B、132B1ならびに各グラウンド線134、136は、プリント配線板130の第2端部130b(図2参照)においても第1端部130aの構成と同様の構成を有している。
【0067】
図5および6は、プリント配線板130の第1端部130aがコネクタ150Aに対して正規の嵌合位置まで挿入されていない半嵌合状態を示す図である。
【0068】
図5は、プリント配線板130の挿入量が不足している場合の半嵌合状態を示している。図7(a)は、図5のVIIa部詳細図である。
【0069】
これらの図に示すように、プリント配線板130が半嵌合状態にある場合でも、左右両端部に位置する信号線132A1、132B1以外の信号線132A、132Bは、その第2領域132Ab、132Bbがコネクタ側の信号線用の接点152A、152Bと導通してしまうが、左右両端部に位置する信号線132A1、132B1は、その第2領域132A1b、132B1bがコネクタ側の信号線用の接点152A、152Bとは導通せずにグラウンド線用の接点156と導通した状態となる。
【0070】
図6は、プリント配線板130がその右端部(図6においては左端部)を後退させるようにして斜めに挿入された場合の半嵌合状態を示している。図7(b)は、図5のVIIb部詳細図である。
【0071】
これらの図に示すように、プリント配線板130の第1端部130aがコネクタ150Aに対して斜めに挿入された状態でも、右端部に位置する信号線132A1以外の信号線132A、132Bは、その第1領域132Aa、132Baあるいは第2領域132Ab、132Bbにおいてコネクタ側の信号線用の接点152A、152Bと導通してしまうが、右端部に位置する信号線132A1は、信号線用の接点152Aとは導通せず、代わりにその第2領域132A1bにおいてグラウンド線用の接点156と導通した状態となる。
【0072】
図8は、図2のVIII方向矢視図であって、左側に位置するプリント配線板140の第1端部140aをコネクタ160Aに接続するためのコネクタ接続構造を示す図である。
【0073】
図8に示すように、このプリント配線板140も、その基本的な構成はプリント配線板130と同様である。
【0074】
すなわち、このプリント配線板140の第1端部140aには、その左右両側の側面に1対の矩形状の切欠き部140eが形成されている。一方、コネクタ160Aの挿入孔160Aaには、その左右両端部に1対の係合片160Abが形成されている。そして、プリント配線板140の第1端部140aがコネクタ160Aの挿入孔160Aaに対して正規の嵌合位置まで挿入されたとき、左右1対の切欠き部140eに左右1対の係合片160Abが係合し、これによりプリント配線板140とコネクタ160Aとが嵌合状態となるように構成されている。
【0075】
プリント配線板140の表面140cには、該プリント配線板140の先端面140dまで該プリント配線板140の挿入方向に延びる複数の導電線として、並列に配置された複数対の信号線142A、142Bと、これらの両側に配置された2対の電源線172A、172Bと、その各々の両側に配置された複数のグラウンド線144、146、148A、148Bとが形成されている。
【0076】
各信号線142A、142Bは、プリント配線板130の場合と同様、一般部に位置する一般領域142Ac、142Bcと、これらに繋がる第1領域142Aa、142Baと、これらに繋がるようにして先端面140dまで延びる第2領域142Ab、142Bbとで構成されている。
【0077】
各電源線172A、172Bは、一般部に位置する一般領域172Ac、172Bcと、これらに繋がる第1領域172Aa、172Baと、これらに繋がるようにして先端面140dまで延びる第2領域172Ab、172Bbとで構成されている。その際、各電源線172A、172Bは、各信号線142A、142Bと同様の幅で形成されている。
【0078】
そして、各対の電源線172A、172Bにおいて外側に位置する電源線172A1、172B1は、その一般領域172A1c、172B1cに関しては他の電源線172A、172Bの一般領域172Ac、172Bcと同様であるが、その第2領域172A1b、172B1bが、プリント配線板130の信号線132A1、132B1の第2領域132A1b、132B1bと同様、第1領域172A1a、172B1aの端部からクランク状に屈曲して先端面130dまで延びるように形成されている。
【0079】
また、複数のグラウンド線144、146、148A、148Bのうち、最も外側に位置するグラウンド線146は、その一般領域146cの内側形状がプリント配線板130のグラウンド線136の一般領域136cと異なっているが、その第1および第2領域146a、146bの形状についてはプリント配線板130のグラウンド線136の第1および第2領域136a、136bと同様である。
【0080】
また、グラウンド線146の内側に隣接するグラウンド線148Aは一般領域148Acのみで構成されているが、その内側に隣接するグラウンド線148Bは、その一般領域148Bcの形状がグラウンド線144の一般領域144cと異なっており、その第1および第2領域148Ba、148Bbの形状については各グラウンド線144の第1および第2領域144a、144bと同様である。
【0081】
なお、グラウンド線144の構成は、プリント配線板130のグラウンド線134の構成と同様である。
【0082】
コネクタ160Aの挿入孔160Aaには、複数の接点162A、162B、164、166、182A、182Bがプリント配線板140の挿入方向と直交する方向に等間隔で並列に配置されている。そして、プリント配線板140の第1端部140aがコネクタ140Aに対して正規の嵌合位置まで挿入されたとき、接点162A、162Bが信号線142A、142Bの第1領域142Aa、142Baとそれぞれ電気的に接続され、接点164、166がグラウンド線144、146の第1領域144a、146aとそれぞれ電気的に接続され、接点182Aが電源線172A、172A1の第1領域172Aa、172A1aとそれぞれ電気的に接続され、接点182Bが電源線172B、172B1の第1領域172Ba、172B1aとそれぞれ電気的に接続されるようになっている。
【0083】
図9(a)および(b)は、プリント配線板140の第1端部140aがコネクタ160Aに対して正規の嵌合位置まで挿入されていない半嵌合状態を示す図である。
【0084】
図9(a)は、プリント配線板140の挿入量が不足している場合の半嵌合状態を示す、図7(a)と同様の図である。
【0085】
図9(a)に示すように、プリント配線板140が半嵌合状態にある場合でも、右端部に位置する電源線172A1(および左端部に位置する電源線172B1)以外の信号線142A、142Bおよび電源線172A、172Bは、その第2領域142Ab、142Bbおよび172Ab、172Bbにおいてコネクタ160A側の信号線用の接点162A、162Bあるいは電源線用の接点182A、182Bと導通してしまうが、右端部に位置する電源線172A1(および左端部に位置する電源線172B1)は、電源線用の接点182Aとは導通せず、その第2領域182A1b(および182B1b)においてグラウンド線用の接点166と導通した状態となる。
【0086】
図9(b)は、プリント配線板140がその右端部を後退させるようにして斜めに挿入された場合の半嵌合状態を示す、図7(b)と同様の図である。
【0087】
図9(b)に示すように、プリント配線板140が半嵌合状態にある場合でも、右端部に位置する電源線172A1以外の信号線142A、142Bおよび電源線172A、172Bは、その第1領域142Aa、142Baおよび172Aa、172Baあるいは第2領域142Ab、142Bbおよび172Ab、172Bbにおいてコネクタ側160Aの信号線用の接点162A、162Bあるいは電源線用の接点182A、182Bと導通してしまうが、右端部に位置する電源線172A1は、電源線用の接点162Aとは導通せず、代わりにその第2領域172A1bにおいてグラウンド線用の接点166と導通した状態となる。
【0088】
次に本実施形態の作用について説明する。
【0089】
本実施形態に係るに係るコネクタ接続構造は、プリント配線板130の第1端部130aをコネクタ150Aに挿入することによりプリント配線板130をコネクタ150Aと電気的に接続する構成となっているが、プリント配線板130の表面130cには該プリント配線板130の先端面130dまでその挿入方向に延びる複数の信号線132A、132Bおよびグラウンド線134、136(導電線)が形成されているので、これらをメッキ処理等によって容易に形成することが可能となる。
【0090】
その上で、複数対の信号線132A、132Bのうち左右両端部(挿入方向と直交する方向の端部)に位置する1対の信号線132A、132Bにおける外側の信号線132A1、132B1は、プリント配線板130の挿入方向に延びる第1領域132A1a、132B1aとその第2領域132A1b、132B1b側の端部から外側に屈曲してプリント配線板130の先端面130dまで延びる第2領域132A1b、132B1bとを備えているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0091】
すなわち、プリント配線板130の第1端部130aがコネクタ150Aに対して正規の嵌合位置まで挿入された嵌合状態では、信号線132A1、132B1をその第1領域132A1a、132B1aにおいてコネクタ側の接点152A、153Bと導通させる一方、正規の嵌合位置まで挿入されていない半嵌合状態では、信号線132A1、132B1をコネクタ側の接点152A、153Bと導通させないようにすることができる。これにより半嵌合状態では、適正な組付けが行われていないものとして、製品出荷前の導通テストで異常ありとの正しい判定がなされるようにすることができる。
【0092】
このように本実施形態によれば、プリント配線板130をコネクタ150Aと電気的に接続するように構成されたコネクタ接続構造において、プリント配線板130の第1端部130aがコネクタ150Aに対して正規の嵌合位置まで挿入されていない場合には導通テストで異常を検出することができる。
【0093】
特に本実施形態においては、複数対の信号線132A、132Bのうち左右両端部(挿入方向と直交する方向の両端部)に位置する1対の信号線132A、132Bにおける外側の信号線132A1、132B1が屈曲するように形成されているので、その第2領域132A1b、132B1bを第1領域132A1a、132B1aの端部から屈曲してプリント配線板130の先端面130dまで延びるように形成するためのスペースを確保することが容易に可能となる。
【0094】
また、プリント配線板130の第1端部130aがコネクタ150Aに対して図6に示すように斜めに挿入された半嵌合状態では、その傾斜方向後方側に位置する右端部はコネクタ側の接点162Aからの変位量が大きくなるので、この右端部に位置している信号線132A1をコネクタ側の接点152Aと導通させないようにすることが容易に可能となる。
【0095】
さらに本実施形態においては、複数対の信号線132A、132Bのうち左端部に位置する1対の信号線132A、132B1における左側の信号線132B1も屈曲するように形成されているので、プリント配線板130の第1端部130aがコネクタ150Aに対していずれの方向に傾斜して挿入された場合においても信号線132A1または132B1をコネクタ側の接点152Aまたは152Bと導通させないようにすることが容易に可能となる。
【0096】
本実施形態においては、各信号線132A1、132B1の第2領域132A1b、132B1bがその第1領域132A1a、132B1aよりも細幅で形成されているので、半嵌合状態でこれをコネクタ側の接点152A、152Bと導通させないようにするための第2領域132A1b、132B1bの引き回しを容易に行うことができる。
【0097】
また本実施形態においては、各信号線132A1、132B1の第2領域132A1b、132B1bがクランク状に形成されているので、半嵌合状態でこれをコネクタ側の接点152A、152Bと導通させないようにするための第2領域132A1b、132B1bの引き回しを容易に行うことができる。
【0098】
さらに本実施形態においては、これら各信号線132A1、132B1に対してプリント配線板130の側端面側(上記挿入方向と直交する方向の端部側)に隣接するグラウンド線136の第2領域136bが、各信号線132A1、132B1の第2領域132A1bから離れる方向へL字状に屈曲してプリント配線板130の先端面130dまで延びているので、各信号線132A1、132B1との間隔を確保することが容易に可能となる。
【0099】
しかも本実施形態においては、各信号線132A1、132B1の第2領域132A1b、132B1bが、これに隣接するグラウンド線136の第1領域136aに対してプリント配線板130の挿入方向の延長線上に位置するようにして先端面130dまで延びているので、半嵌合状態では各信号線132A1、132B1をコネクタ側のグラウンド用の接点156とを導通させて電気的に短絡させることができる。そしてこれにより適正な組付けが行われていないものとして製品出荷前の導通テストで異常ありとの正しい判定がより確実になされるようにすることができる。
【0100】
本実施形態においては、プリント配線板130の第2端部130bをコネクタ150Bに挿入する際のコネクタ接続構造においても同様の作用効果を得ることができる。
【0101】
また本実施形態においては、プリント配線板140の第1端部140aをコネクタ160Aに挿入する際のコネクタ接続構造およびその第2端部140bをコネクタ160Bに挿入する際のコネクタ接続構造においても同様の作用効果を得ることができる。
【0102】
上記実施形態においては、各信号線132A1、132B1の第2領域132A1b、132B1bが第1領域132A1a、132B1aの端部からクランク状に屈曲してプリント配線板130の先端面130dまで延びるように形成されているものとして説明したが、それ以外の屈曲形状(例えばS字状や斜め直線状等)を採用することも可能である。
【0103】
上記実施形態においては、プリント配線板130が、ユニット側面視において円弧状に延びるように形成されており、その内周側の表面130cに信号線132A、132Bおよびグラウンド線134、136が形成された構成とした上で、その表面130cにおける第1および第2端部130a、130bを除く一般部にシールドフィルムが貼付されているものとして説明したが、プリント配線板130の外周側の表面に信号線132A、132Bおよびグラウンド線134、136が形成された構成とした上で、その表面の一般部にシールドフィルムが貼付された構成とすることも可能である。プリント配線板140に関しても同様である。
【0104】
上記実施形態においては、車両用灯具100に組み込まれた車載用のコネクタ接続構造について説明したが、このコネクタ接続構造を車載用以外の用途に用いることも可能である。
【0105】
なお、上記実施形態において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
【0106】
また本願発明は、上記実施形態に記載された構成に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成が採用可能である。
【符号の説明】
【0107】
10 灯具ユニット
20 空間光変調ユニット
22 支持基板
22a 前面
24 ヒートシンク
26 ソケット
30 空間光変調器
30A 反射制御部
32 板状部材
34 ガスケット
36 透光カバー
40 ブラケット
40A 鉛直面部
40B 水平面部
50 光源側サブアッシー
52 光源
54 リフレクタ
60 ベース部材
62 伝熱板
70 レンズ側サブアッシー
72 投影レンズ
74 レンズホルダ
80 ヒートシンク
82 放熱ファン
84 伝熱板
86 ヒートパイプ
90 遮光カバー
92 上部カバー
94 下部カバー
100 車両用灯具
102 ランプボディ
104 透光カバー
120 制御基板
120a 上面
130、140 プリント配線板
130a、140a 第1端部
130b、140b 第2端部
130c、140c 表面
130d、140d 先端面
130e、140e 切欠き部
132A、132A1、132B、132B1、142A、142B 信号線(導電線)
132Aa、132A1a、132Ba、132B1a、134a、136a、142Aa、142A1a、142Ba、142B1a、146a、148Ba、172Aa、172A1a、172Ba、172B1a 第1領域
132Ab、132A1b、132Bb、132B1b、134b、136b、142Ab、142A1b、142Bb、142B1b、146b、148Bb、172Ab、172A1b、172Bb、172B1b 第2領域
132Ac、132Bc、134c、136c、142Ac、142Bc、146c、148Ac、148Bc、172Ac、172Bc 一般領域
134、136、144、146、148A、148B グラウンド線(導電線)
150A、150B、160A、160B コネクタ
150Aa、160Aa 挿入孔
150Ab、160Ab 係合片
152A、152B、162A、162B 信号線用の接点
154、156、164、166 グラウンド線用の接点
172A、172A1、172B、172B1 電源線(導電線)
182A、182B 電源線用の接点
Ax 光軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9