IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大王製紙株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-パッドタイプ吸収性物品 図1
  • 特許-パッドタイプ吸収性物品 図2
  • 特許-パッドタイプ吸収性物品 図3
  • 特許-パッドタイプ吸収性物品 図4
  • 特許-パッドタイプ吸収性物品 図5
  • 特許-パッドタイプ吸収性物品 図6
  • 特許-パッドタイプ吸収性物品 図7
  • 特許-パッドタイプ吸収性物品 図8
  • 特許-パッドタイプ吸収性物品 図9
  • 特許-パッドタイプ吸収性物品 図10
  • 特許-パッドタイプ吸収性物品 図11
  • 特許-パッドタイプ吸収性物品 図12
  • 特許-パッドタイプ吸収性物品 図13
  • 特許-パッドタイプ吸収性物品 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】パッドタイプ吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/47 20060101AFI20230421BHJP
   A61F 13/474 20060101ALI20230421BHJP
   A61F 13/475 20060101ALI20230421BHJP
   A61F 13/471 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
A61F13/47 300
A61F13/47 100
A61F13/474
A61F13/475 130
A61F13/471
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019028656
(22)【出願日】2019-02-20
(65)【公開番号】P2020130647
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2022-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永橋 歩美
【審査官】津田 健嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-082575(JP,A)
【文献】特開2004-057578(JP,A)
【文献】特表2015-532137(JP,A)
【文献】特開2018-143734(JP,A)
【文献】登録実用新案第3146049(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15-13/84
A61F 5/00-6/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収体と、吸収体の表側を覆う液透過性のトップシートと、吸収体の裏側を覆うバックシートとを備え、展開状態で、縦方向に沿う長辺と、横方向に沿う短辺を有する長方形状のパッドタイプ吸収性物品において、
前記トップシート及びバックシートの間に設けられた細長状の引張部材を有し、
前記引張部材は、変形保持領域の周縁部に位置する第1部分と、この第1部分から前記変形保持領域を横断して延びる第2部分とを有し、
前記第1部分は、その表裏いずれか一方側又は両側に隣接する部材に固定されており、
前記第2部分は、前記第1部分と反対側の端部を含む摘み部と、前記第1部分と前記摘み部との間に位置する自由部分とを有し、
前記自由部分は、その表裏両側に隣接する部材に固定されていない部分であり、
前記摘み部は、パッドタイプ吸収性物品の外部に突出する部分であるか、又は周囲から分離可能な部分に固定された部分であ
前記引張部材として、前記吸収体と前記トップシートとの間を通り、前記吸収体の縦方向の一端部から、縦方向に沿って前記吸収体を横断して、少なくともパッドタイプ吸収性物品の他端部まで延びる、引張部材を含む、
ことを特徴とするパッドタイプ吸収性物品。
【請求項2】
吸収体と、吸収体の表側を覆う液透過性のトップシートと、吸収体の裏側を覆うバックシートとを備え、展開状態で、縦方向に沿う長辺と、横方向に沿う短辺を有する長方形状をなしており、前記吸収体の横方向の両側に延び出たサイドフラップを有するパッドタイプ吸収性物品において
前記トップシート及びバックシートの間に設けられた細長状の引張部材を有し、
前記引張部材は、変形保持領域の周縁部に位置する第1部分と、この第1部分から前記変形保持領域を横断して延びる第2部分とを有し、
前記第1部分は、その表裏いずれか一方側又は両側に隣接する部材に固定されており、
前記第2部分は、前記第1部分と反対側の端部を含む摘み部と、前記第1部分と前記摘み部との間に位置する自由部分とを有し、
前記自由部分は、その表裏両側に隣接する部材に固定されていない部分であり、
前記摘み部は、パッドタイプ吸収性物品の外部に突出する部分であるか、又は周囲から分離可能な部分に固定された部分であり、
前記引張部材として、前記サイドフラップにおける縦方向の一端部から、縦方向に沿って、少なくとも前記サイドフラップにおける縦方向の他端部まで延びる、引張部材を含む、
ことを特徴とするパッドタイプ吸収性物品。
【請求項3】
吸収体と、吸収体の表側を覆う液透過性のトップシートと、吸収体の裏側を覆うバックシートとを備えたパッドタイプ吸収性物品において、
前記トップシート及びバックシートの間に設けられた細長状の引張部材を有し、
前記引張部材は、変形保持領域の周縁部に位置する第1部分と、この第1部分から前記変形保持領域を横断して延びる第2部分とを有し、
前記第1部分は、その表裏いずれか一方側又は両側に隣接する部材に固定されており、
前記第2部分は、前記第1部分と反対側の端部を含む摘み部と、前記第1部分と前記摘み部との間に位置する自由部分とを有し、
前記自由部分は、その表裏両側に隣接する部材に固定されていない部分であり、
前記摘み部は、パッドタイプ吸収性物品の外部に突出する部分であるか、又は周囲から分離可能な部分に固定された部分であり、
前記吸収体は、高吸収性ポリマーを含み、
前記第1部分は、水溶性接着剤を介して、その表裏いずれか一方側又は両側に隣接する部材に固定されているとともに、排泄物の液分と接触可能な位置に設けられている、
ことを特徴とするパッドタイプ吸収性物品。
【請求項4】
第1部分は、吸収体と重なる位置又は吸収体の周縁に近接した位置にのみ設けられている、
請求項記載のパッドタイプ吸収性物品。
【請求項5】
前記引張部材は長手方向に弾性伸縮する弾性部材である、
請求項1~のいずれか1項に記載のパッドタイプ吸収性物品。
【請求項6】
吸収体と、吸収体の表側を覆う液透過性のトップシートと、吸収体の裏側を覆うバックシートとを備え、前記吸収体の周縁よりも外側に延び出たフラップを有するパッドタイプ吸収性物品において
前記トップシート及びバックシートの間に設けられた細長状の引張部材を有し、
前記引張部材は、変形保持領域の周縁部に位置する第1部分と、この第1部分から前記変形保持領域を横断して延びる第2部分とを有し、
前記第1部分は、その表裏いずれか一方側又は両側に隣接する部材に固定されており、
前記第2部分は、前記第1部分と反対側の端部を含む摘み部と、前記第1部分と前記摘み部との間に位置する自由部分とを有し、
前記自由部分は、その表裏両側に隣接する部材に固定されていない部分であり、
前記摘み部は、パッドタイプ吸収性物品の外部に突出する部分であるか、又は周囲から分離可能な部分に固定された部分であり、
前記フラップは、ミシン目を介して切離し可能に連結された分離部を有しており、
前記第2部分の前記摘み部は、前記分離部に固定されている、
ことを特徴とするパッドタイプ吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状等に変形して使用されるパッドタイプ吸収性物品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品(おむつ)としては、パッドタイプ、テープタイプ、パンツタイプ等の基本吸収性物品(アウターとも呼ばれる)の他に、これらと併用することを想定した、より小型のパッドタイプ吸収性物品(インナーとも呼ばれる)が提供されており、これらの組合せは特にケア施設等の介護現場において汎用されている。
【0003】
特に装着者が男性の場合、排尿位置が陰茎の位置により変化するため、脚周りからの漏れが発生しやすいという問題があり、介護現場ではこの問題を解決するために、パッドタイプ吸収性物品を用い、蛇腹状に折り曲げて、谷部に陰茎を配置することにより、鼠径部から股間までの両脚の付根の溝に発生する隙間を埋めるようにしたり、円錐状に丸めて陰茎に巻き付けたりする(以下、男性巻きともいう)、といった対応が取られている(例えば、特許文献1,2参照)。女性の場合にも、パッドタイプ吸収性物品を蛇腹状に折り曲げて、鼠径部から股間までの両脚の付根の溝に発生する隙間等、適宜の位置の隙間を埋めるといった対応が取られることがある。
【0004】
このような装着形態では、パッドタイプ吸収性物品を折ったり、丸めたりする必要があるが、パッドタイプ吸収性物品は吸収体を内蔵していることもあって、ある程度の剛性を有しており、所望の形状に変形し、その形状を維持させることは容易とはいえないものである。
【0005】
この問題を解決するものとして、特許文献3,4記載のように、線状の易折り曲げ部を、エンボス加工等により縦方向に間隔を空けて形成することも提案されている。
【0006】
しかし、特許文献3,4記載のものは、変形後の形状で固定されるわけではないため、変形保持性に改良の余地がある。また、吸収体に易折り曲げ部を設けると、排泄物の液分が易折り曲げ部に沿って拡散しやすくなる等、吸収特性に影響を及ぼす点も問題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2006-212452号公報
【文献】特開2001-129012号公報
【文献】特開2009-178235号公報
【文献】特開2012-205792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の主たる課題は、変形保持性に優れる等の利点を有するパッドタイプ吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決したパッドタイプ吸収性物品は以下のとおりである。
<第1の態様>
吸収体と、吸収体の表側を覆う液透過性のトップシートと、吸収体の裏側を覆うバックシートとを備えたパッドタイプ吸収性物品において、
前記トップシート及びバックシートの間に設けられた細長状の引張部材を有し、
前記引張部材は、変形保持領域の周縁部に位置する第1部分と、この第1部分から前記変形保持領域を横断して延びる第2部分とを有し、
前記第1部分は、その表裏いずれか一方側又は両側に隣接する部材に固定されており、
前記第2部分は、前記第1部分と反対側の端部を含む摘み部と、前記第1部分と前記摘み部との間に位置する自由部分とを有し、
前記自由部分は、その表裏両側に隣接する部材に固定されていない部分であり、
前記摘み部は、パッドタイプ吸収性物品の外部に突出する部分であるか、又は周囲から分離可能な部分に固定された部分である、
ことを特徴とするパッドタイプ吸収性物品。
【0010】
(作用効果)
本パッドタイプ吸収性物品は、引張部材の摘み部を摘まんで引張部材を引き出し、引張部材の通過部分を引張部材の通過方向に収縮しつつ、その収縮状態でバランスする(又はバランスしやすい)形状に変形保持領域を変形させると、引張部材を有しないものと比べて、変形が保持される。これは、引き出した引張部材が、その表裏両側に圧接する部材との摩擦力により、あるいは引張部材を巻き付けて、巻き付けた部分とパッドタイプ吸収性物品との間に挟む等により引き込まれなくなり(元に戻らなくなり)、引張部材の通過部分に作用する収縮力が維持される結果、変形形状が保持されることによるものである。
【0011】
<第2の態様>
展開状態で、縦方向に沿う長辺と、横方向に沿う短辺を有する長方形状をなしており、
前記引張部材として、前記吸収体と前記トップシートとの間を通り、前記吸収体の縦方向の一端部から、縦方向に沿って前記吸収体を横断して、少なくともパッドタイプ吸収性物品の他端部まで延びる、引張部材を含む、
第1の態様のパッドタイプ吸収性物品。
【0012】
(作用効果)
本パッドタイプ吸収性物品で引張部材を引き出すと、トップシート側が縦方向に収縮するため、変形保持領域はトップシートが曲率中心側となるような曲がった形状に変形しやすい(バランス形状)。よって、本パッドタイプ吸収性物品は筒状や円錐状、又は円錐台状に変形するのに適しており、そのため男性巻きに適している。また、同様の理由により、本パッドタイプ吸収性物品は、トップシートが曲率中心側となるような曲がった形状の部分を縦方向に複数有する蛇腹状に変形するのにも適している。
【0013】
<第3の態様>
展開状態で、縦方向に沿う長辺と、横方向に沿う短辺を有する長方形状をなしており、
前記吸収体の横方向の両側に延び出たサイドフラップを有し、
前記引張部材として、前記サイドフラップにおける縦方向の一端部から、縦方向に沿って、少なくとも前記サイドフラップにおける縦方向の他端部まで延びる、引張部材を含む、
第1又は2の態様のパッドタイプ吸収性物品。
【0014】
(作用効果)
本パッドタイプ吸収性物品で引張部材を引き出すと、吸収体を有しないサイドフラップが縦方向に収縮するため、変形保持領域はトップシートが曲率中心側となるような曲がった形状、及びバックシートが曲率中心側となるような曲がった形状の、いずれにも変形しやすい(バランス形状)。よって、本パッドタイプ吸収性物品は筒状や円錐状、又は円錐台状に変形するのに適しており、そのため男性巻きに適している。特に、引張部材を引き出すことにより、サイドフラップを渦巻き状にきつく絞ることができるため、先端部が閉じた男性巻きを実現できるという利点もある。
【0015】
<第4の態様>
前記吸収体は、高吸収性ポリマーを含み、
前記第1部分は、水溶性接着剤を介して、その表裏いずれか一方側又は両側に隣接する部材に固定されているとともに、排泄物の液分と接触可能な位置に設けられている、
第1~3のいずれか1つの態様のパッドタイプ吸収性物品。
【0016】
(作用効果)
高吸収性ポリマーは、排泄物の液分を吸収する際に膨張を伴う。そのため、高吸収性ポリマーの膨張が阻害されることは吸収が阻害されることを意味する。しかし、パッドタイプ吸収性物品を筒状等に変形すると、吸収体は部分的に圧縮されるため、そのまま排泄物の液分を吸収しようとすると、高吸収性ポリマーの膨張(吸収)が阻害される。これに対して、本態様のように、引張部材の第1部分が水溶性接着剤により固定されていると、引張部材の第1部分と排泄物の液分との接触により、引張部材の固定が外れる。つまり、パッドタイプ吸収性物品における引張部材の通過部分が引張部材に対して移動可能となり、引張部材による変形保持作用が弱くなる。この結果、吸収体(高吸収性ポリマー)の膨張力により、その膨張を許容するように、パッドタイプ吸収性物品の筒状等の形状が広がることができる(緩くなる)。よって、排泄物の液分を吸収する際の吸収阻害を低減することができる。
【0017】
<第5の態様>
第1部分は、吸収体と重なる位置又は吸収体の周縁に近接した位置にのみ設けられている、
第4の態様のパッドタイプ吸収性物品。
【0018】
(作用効果)
引張部材の第1部分の固定を水溶性接着剤により行う場合、第1部分の位置はこの範囲内であると好ましい。
【0019】
<第6の態様>
前記引張部材は長手方向に弾性伸縮する弾性部材である、
第1~5のいずれか1つの態様のパッドタイプ吸収性物品。
【0020】
(作用効果)
引張部材がこのような弾性部材であると、引張部材を引き出して変形保持領域を変形するのに伴い弾性部材が伸長し、その収縮力が変形保持領域における引張部材の通過部分に作用するため、変形状態が弾力的に保持され、装着者の身体表面に対するフィット性が良好となる。また、引張部材が弾性伸長可能であるため、前述の吸収阻害の低減を図ることもできる。特に、引張部材がゴム等の弾性材そのものであると、表面の摩擦力が強くなり、一度引き出した引張部材が引き込まれにくくなるため好ましい。
【0021】
<第7の態様>
前記吸収体の周縁よりも外側に延び出たフラップを有し、
前記フラップは、ミシン目を介して切離し可能に連結された分離部を有しており、
前記第2部分の前記摘み部は、前記分離部に固定されている、
第1~6のいずれか1つの態様のパッドタイプ吸収性物品。
【0022】
(作用効果)
パッドタイプ吸収性物品を製造する場合、個々のパッドタイプ吸収性物品となる部分がMD方向に繰り返す連続帯を形成した後に、MD方向に隣接する個々のパッドタイプ吸収性物品となる部分の境界で切断する方法が一般的である。このような製造方法では、引張部材を製品の周縁から突出させることは不可能ではないが、容易ではない。これに対して、本態様のようにフラップに分離部を設け、この分離部に引張部材の摘み部を固定すると、引張部材を製品の周縁から突出させなくとも済むため、製造が容易となるだけでなく、引張部材の摘み部を摘まみやすくなるという利点ももたらされる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、変形保持性に優れるようになる、等の利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】展開状態のパッドタイプ吸収性物品の表側を示す平面図である。
図2】展開状態のパッドタイプ吸収性物品の裏側を示す平面図である。
図3図1のA-A断面図である。
図4】(a)図1のB-B断面図、(b)図1のC-C断面図である。
図5】筒状に変形したパッドタイプ吸収性物品の斜視図である。
図6】蛇腹状に変形したパッドタイプ吸収性物品の斜視図である。
図7】展開状態のパッドタイプ吸収性物品の表側を示す平面図である。
図8】展開状態のパッドタイプ吸収性物品の裏側を示す平面図である。
図9図7のA-A断面図である。
図10】(a)図1のB-B断面図、(b)図1のC-C断面図、(c)図1のD-D断面図である。
図11】円錐台状に変形したパッドタイプ吸収性物品の斜視図である。
図12】展開状態のパッドタイプ吸収性物品の表側を示す平面図である。
図13図1のA-A断面に相当する断面図である。
図14】展開状態のパッドタイプ吸収性物品の表側を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、パッドタイプ吸収性物品の例について添付図面を参照しつつ説明する。なお、図中の点模様部分はその表側及び裏側に位置する各構成部材を接合する接合手段としての接着剤HM,HM1を示しており、ホットメルト接着剤のベタ、ビード、カーテン、サミット若しくはスパイラル塗布、又はパターンコート(凸版方式でのホットメルト接着剤の転写)などにより、あるいは弾性部材の固定部分はこれに代えて又はこれとともにコームガンやシュアラップ塗布などの弾性部材の外周面への塗布により付与されるものである。ホットメルト接着剤としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在するが、特に限定無く使用できる。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段を用いることもできる。
【0026】
また、以下の説明における不織布としては、部位や目的に応じて公知の不織布を適宜使用することができる。不織布の構成繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維(単成分繊維の他、芯鞘等の複合繊維も含む)の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等、特に限定なく選択することができ、これらを混合して用いることもできる。不織布の柔軟性を高めるために、構成繊維を捲縮繊維とするのは好ましい。また、不織布の構成繊維は、親水性繊維(親水化剤により親水性となったものを含む)であっても、疎水性繊維若しくは撥水性繊維(撥水剤により撥水性となった撥水性繊維を含む)であってもよい。また、不織布は一般に繊維の長さや、シート形成方法、繊維結合方法、積層構造により、短繊維不織布、長繊維不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド(エアスルー)不織布、ニードルパンチ不織布、ポイントボンド不織布、積層不織布(同一又は類似の不織布層が積層されたSSS不織布等の他、異なる不織布層が積層された、スパンボンド層間にメルトブローン層を挟んだSMS不織布、SMMS不織布等)等に分類されるが、これらのどの不織布も用いることができる。積層不織布は、すべての層を含む一体の不織布として製造され、すべての層にわたる繊維結合加工がなされたものを意味し、別々に製造された複数の不織布をホットメルト接着剤等の接合手段により貼り合わせたものは含まない。
【0027】
図1図4は、テープタイプ使い捨ておむつや、パンツタイプ使い捨ておむつ等の基本吸収性物品とともに補助的に使用されるパッドタイプ吸収性物品10を示している。このパッドタイプ吸収性物品10は、一体的な吸収体3と、吸収体3の表面を被覆する液透過性のトップシート2と、吸収体3の裏面を被覆する液透過性のバックシート1とを備えたものであり、展開状態ではほぼ平坦であり、吸収性物品の表裏いずれの面からも吸収がなされるものである。パッドタイプ吸収性物品10の形状は特に限定されず、図示例のような長方形状や、正方形状とするほか、多角形状や、円形状や楕円形状等、任意の形状とすることができる。また、パッドタイプ吸収性物品10の各部の寸法は適宜定めることができ、例えば、長辺に沿う縦方向LDの寸法(長さ)Lは200~480mm程度、短辺に沿う横方向WDの寸法(幅)Wは120~200mm程度とすることができる。以下、各部の素材及び特徴部分について順に説明する。
【0028】
吸収体3としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。必要に応じて、吸収体3はクレープ紙や不織布(図示せず)により包むことができる。また、吸収体3の形状は、長方形状等、適宜の形状とすることができる。吸収体3における繊維目付け及び高吸収性ポリマーの目付けは適宜定めることができるが、繊維目付けは100~600g/m2程度とするのが好ましく、また高吸収性ポリマーの目付けは50~400g/m2程度とするのが好ましい。
【0029】
吸収体3の表側は、トップシート2により覆われている。吸収体3の裏側には、バックシート1が設けられている。トップシート2及びバックシート1としては、有孔又は無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどを用いることができる。
【0030】
バックシート1として、液不透過性シートを用いることも可能であり、その場合には吸収体3の表面からのみ吸収がなされ、裏側からの吸収及び裏側への液の透過は発生しない。液不透過性シート1iは特に限定されるものではないが、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることが望ましい。この遮水・透湿性シートの代表例は、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸又は二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートである。また、図13(b)に示すように、吸収体3の裏側に液不透過性シート1iを配置するとともに、液不透過性シート1i裏面を外装不織布1nで覆うこともできる。この場合、外装不織布1nがバックシート1となる。
【0031】
図1図12及び図14における点模様部分は、トップシート2と、その裏側に位置する部材との接合領域を示しており、図2及び図8における点模様部分は、バックシート1と、その表側に位置する部材との接合領域を示している。トップシート2及びバックシート1は、図示例では吸収体3の周囲からはみ出した部分が接合されており、その結果として、吸収体3の縦方向両側には、吸収体3の存在しないエンドフラップEFが形成され、吸収体3の横方向両側には、吸収体3の存在しないサイドフラップSFが形成されている。トップシート2及びバックシート1の少なくとも一方を吸収体3の周縁部を巻き込むように延在させることで周囲の一部(例えば側部)又は全部にフラップEF,SFを有しない構造とすることもできる。
【0032】
本パッドタイプ吸収性物品10は、筒状や円錐状、円錐台状、又は蛇腹状に変形させて使用することができる。この変形を保持することは装着感の向上や漏れ防止性の向上につながるため重要であるため、以下のような変形保持性を向上するための手段を設けるのは好ましい。すなわち、図示例では、変形保持領域Tの周縁部に位置する第1部分4aと、この第1部分4aから変形保持領域Tを横断して延びる第2部分4bとを有する、細長状の引張部材4が、トップシート2及びバックシート1の間に設けられている。変形保持領域Tは、変形保持性を向上させる領域であり、適宜定めることができる。例えば、変形保持領域Tは、吸収体3の全体を含む、パッドタイプ吸収性物品10のほぼ全体とすることができる他、任意の一部分のみとすることもできる。換言すると、変形保持領域Tは引張部材4の配置により定まり、引張部材4の長手方向では第1部分4aから、第2部分4bのうちのパッドタイプ吸収性物品10内に位置する部分までの範囲を有し、引張部材4の長手方向と直交する方向ではパッドタイプ吸収性物品10の両端にわたる範囲を有する。
【0033】
引張部材4の第1部分4aは、その表裏両側(いずれか一方側のみでもよい)に隣接する部材に固定されている。第1部分4aの固定対象の部材は、第1部分4aの位置で引張部材4が厚み方向のどの部材間に位置するかにより決まるものである。図3及び図4に示す例では、引張部材4の第1部分4aは吸収体3の上面とトップシート2の下面との間に挟まれ、それらに対して接着剤HMにより固定されている。一方、図9に示す例では、引張部材4の第1部分4aはバックシート1の上面とトップシート2の下面との間に挟まれ、それらに対して固定されている。図13(a)に示す例の第1部分4aは、バックシート1の上面と液不透過性シート1iの下面との間に挟まれ、それらに対して固定され、図13(b)に示す例の第1部分4aは、バックシート1の上面と液不透過性シート1iの下面との間に挟まれ、それらに対して固定されている。
【0034】
一方、引張部材4の第2部分4bは、第1部分4aと反対側の端部を含む摘み部4dと、第1部分4aと摘み部4dとの間に位置する自由部分4cとを有する。摘み部4dは、図1等に示す例では、パッドタイプ吸収性物品10の外部に突出する部分である。自由部分4cは、その表裏両側に隣接する部材に固定されていない部分である。換言すると、自由部分4cの通過部分では、その表裏両側に隣接する部材同士が接合されておらず、自由部分4cの移動通路5が形成され、自由部分4cはこの移動通路5内に収容されている。第2部分4bの表裏両側に隣接する部材は、第2部分4bの位置で引張部材4が厚み方向のどの部材間に位置するかにより決まるものである。すなわち、第2部分4bの表裏両側に隣接する部材は、図3及び図4に示す例では、引張部材4の第2部分4bと吸収体3とが重なる領域では吸収体3及びトップシート2となり、エンドフラップEFではトップシート2及びバックシート1となる。一方、図9に示す例では、第2部分4bの表裏両側に隣接する部材は、トップシート2及びバックシート1であり、図13(b)に示す例ではバックシート1及び液不透過性シート1iである。
【0035】
本パッドタイプ吸収性物品10は、引張部材4の摘み部4dを摘まんで引張部材4を引き出し、引張部材4の通過部分を引張部材4の通過方向に収縮しつつ、その収縮状態でバランスする(又はバランスしやすい)形状に変形保持領域Tを変形させると、引張部材4を有しないものと比べて、変形が保持される。これは、引き出した引張部材4が、その表裏両側に圧接する部材との摩擦力により、あるいは引張部材4を巻き付けて、巻き付けた部分とパッドタイプ吸収性物品との間に挟む等により引き込まれなくなり(元に戻らなくなり)、引張部材4の通過部分に作用する収縮力が維持される結果、変形形状が保持されることによるものである。
【0036】
例えば、図3及び図4に示す例のように、吸収体3とトップシート2との間を通り、吸収体3の縦方向LDの一端部から、縦方向LDに沿って吸収体3を横断して、少なくともパッドタイプ吸収性物品10の他端部まで延びる、引張部材4を含む場合、この引張部材4を引き出すと、トップシート2側が縦方向LDに収縮するため、変形保持領域Tはトップシート2が曲率中心側となるような曲がった形状に変形しやすい(バランス形状)。よって、図5に示すように、本パッドタイプ吸収性物品10は筒状に変形するのに適しており、そのため男性巻きに適している。図示しないが、円錐状や円錐台状の変形にも適することはいうまでもない。また、同様の理由により、本パッドタイプ吸収性物品10は、図6に示すようにトップシート2が曲率中心側となるような曲がった形状の部分を縦方向LDに複数有する蛇腹状に変形するのにも適している。また、図13(a)(b)に示すように、吸収体3と液不透過性シート1iとの間又は液不透過性シート1iとバックシート1との間を通り、吸収体3の縦方向LDの一端部から、縦方向LDに沿って吸収体3を横断して、少なくともパッドタイプ吸収性物品10の他端部まで延びる、引張部材4を含むのも好ましい形態であり、この場合、図示しないが筒状に変形した場合には外周面がトップシート2となる。
【0037】
縦方向LDに沿って吸収体3を横断する引張部材4を設ける場合、図12に示すように、引張部材4は横方向WDに間隔を空けて複数本設けることができる。この場合、引張部材4は横方向WDの中央を通る中心線に関して線対称に設けると好ましい。
【0038】
また、図7図10に示すように、サイドフラップSFにおける縦方向LDの一端部から、縦方向LDに沿って、少なくともサイドフラップSFにおける縦方向LDの他端部まで延びる、引張部材4を含む場合、この引張部材4を引き出すと、吸収体3を有しないサイドフラップSFが縦方向LDに収縮するため、変形保持領域Tはトップシート2が曲率中心側となるような曲がった形状、及びバックシート1が曲率中心側となるような曲がった形状の、いずれにも変形しやすい(バランス形状)。よって、図11に示すように、本パッドタイプ吸収性物品10は円錐台状に変形するのに適しており、そのため男性巻きに適している。図示しないが、筒状や円錐状の変形にも適することはいうまでもない。特に、引張部材4を引き出すことにより、サイドフラップSFを渦巻き状にきつく絞ることができるため、先端部が閉じた男性巻きを実現できるという利点もある。
【0039】
移動通路5の幅(引張部材4の長手方向と直交する方向。この場合、横方向WDの寸法。)は、図1に示す例のように変化していても、図7及び図8に示す例のように長手方向に一定であってもよい。パッドタイプ吸収性物品10からの引張部材4の出口部分の幅W1は狭いことが望ましく、7~30mm程度とすると好ましい。蛇腹状の変形に適したものとする場合、出口部分を除く大部分(例えば自由部分4cの90%以上の部分)において、移動通路5の幅W2は20mm以上であることが好ましい。
【0040】
パッドタイプ吸収性物品10は、図1図4に示す例の縦方向LDに沿って吸収体3を横断する引張部材4と、図7図10に示すサイドフラップSFを通る引張部材4の両方を備えることもできる。この場合、ユーザーが任意に引張部材4を選択して引き出すことにより、所望の形状に変形することができる。
【0041】
高吸収性ポリマーは、排泄物の液分を吸収する際に膨張を伴う。そのため、高吸収性ポリマーの膨張が阻害されることは吸収が阻害されることを意味する。しかし、パッドタイプ吸収性物品10を筒状等に変形すると、吸収体3は部分的に圧縮されるため、そのまま排泄物の液分を吸収しようとすると、高吸収性ポリマーの膨張(吸収)が阻害される。これに対して、引張部材4の第1部分4aが排泄物の液分と接触可能な位置に設けられているとともに、水溶性接着剤HM1により表裏いずれか一方側又は両側に隣接する部材に固定されているのは好ましい。これにより、引張部材4の第1部分4aと排泄物の液分との接触により、引張部材4の固定が外れる。つまり、パッドタイプ吸収性物品10における引張部材4の通過部分が引張部材4に対して移動可能となり、引張部材4による変形保持作用が弱くなる。この結果、吸収体3(高吸収性ポリマー)の膨張力により、その膨張を許容するように、パッドタイプ吸収性物品10の筒状等の形状が広がることができる(緩くなる)。よって、排泄物の液分を吸収する際の吸収阻害を低減することができる。この場合、第1部分4aの位置は適宜定めることができるが、変形保持領域Tを広く確保する場合には、第1部分4aは、吸収体3と重なる位置又は吸収体3の周縁に近接した位置にのみ設けられていると好ましい。
【0042】
引張部材4は、天然繊維や化学繊維を編むことにより形成したものや、不織布等の繊維製シートを帯状にしたもの等、細長状の部材であれば特に限定なく用いることができ、長手方向に弾性伸縮しないものも用いることができるが、長手方向に弾性伸縮する弾性部材であると好ましい。引張部材4がこのような弾性部材であると、引張部材4を引き出して変形保持領域Tを変形するのに伴い弾性部材が伸長し、その収縮力が変形保持領域Tにおける引張部材4の通過部分に作用するため、変形状態が弾力的に保持され、装着者の身体表面に対するフィット性が良好となる。また、引張部材4が弾性伸長可能であるため、前述の吸収阻害の低減を図ることもできる。弾性部材としては、1本又は複数本の細長状のゴムを1対の不織布間に挟んだ組立部材であっても、糸状、紐状、帯状のゴムのように、それ自体で弾性伸縮する材料であってもよい。このようなゴム材料としては、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコーン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。特に、引張部材4がゴム等の弾性材そのものであると、表面の摩擦力が強くなり、一度引き出した引張部材4が引き込まれにくくなるため好ましい。
【0043】
パッドタイプ吸収性物品10を製造する場合、個々のパッドタイプ吸収性物品10となる部分がMD方向に繰り返す連続帯を形成した後に、MD方向に隣接する個々のパッドタイプ吸収性物品10となる部分の境界で切断する方法が一般的である。このような製造方法では、引張部材4を製品の周縁から突出させることは不可能ではないが、容易ではない。これに対して、図14に示す例のように、エンドフラップEFにミシン目11mを介して切離し可能に連結された分離部11を設け、この分離部に引張部材4の摘み部4dを固定すると、引張部材4を製品の周縁から突出させなくとも済むため、製造が容易となるだけでなく、引張部材4の摘み部4dを摘まみやすくなるという利点ももたらされる。なお、図示例はエンドフラップEFに分離部を設けた例であるが、引張部材4が横方向WDに延びる場合にはサイドフラップSFに分離部を設けることができる。また、図示例では、引張部材4の摘み部4dは、分離部のトップシート2及びバックシート1の間に挟まれ、それらに対して接着剤HMにより固定されているが、他の固定手段を用いることも可能である。
【0044】
同様の製造上の理由により、第1部分4aは、図示例のように引張部材4の端を含まなくても(離れていても)よい。
【0045】
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
【0046】
・「前後方向」とは図中に符号LDで示す方向(縦方向)を意味し、「幅方向」とは図中にWDで示す方向(左右方向)を意味し、前後方向と幅方向とは直交するものである。
【0047】
・「表側」とは着用した際に着用者の肌に近い方を意味し、「裏側」とは着用した際に着用者の肌から遠い方を意味する。
【0048】
・「表面」とは部材の、着用した際に着用者の肌に近い方の面を意味し、「裏面」とは着用した際に着用者の肌から遠い方の面を意味する。
【0049】
・「面積率」とは単位面積に占める対象部分の割合を意味し、対象領域(例えばカバー不織布)における対象部分(例えば孔)の総和面積を当該対象領域の面積で除して百分率で表すものである。対象部分が間隔を空けて多数設けられる形態では、対象部分が10個以上含まれるような大きさに対象領域を設定して、面積率を求めることが望ましい。例えば、孔の面積率は、例えばKEYENCE社の商品名VHX-1000を使用し、測定条件を20倍として、以下の手順で測定することができる。
(1)20倍のレンズにセットし、ピントを調節する。穴が4×6入るように不織布の位置を調整する。
(2)孔の領域の明るさを指定し、孔の面積を計測する。
(3)「計測・コメント」の「面積計測」の色抽出をクリックする。孔の部分をクリックする。
(4)「一括計測」をクリックし、「計測結果ウィンドを表示」にチェックを入れ、CSVデータで保存をする。
【0050】
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。例えば、伸長率が200%とは、伸長倍率が2倍であることと同義である。
【0051】
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿(尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%を混合したもの)49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置したあと常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter-MAX ME-500)でゲル強度を測定する。
【0052】
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、100倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
【0053】
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES-G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
【0054】
・吸水量は、JIS K7223-1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
【0055】
・吸水速度は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
【0056】
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
【0057】
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
【0058】
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内で行うものとする。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、筒状等に変形して使用されるパッドタイプ吸収性物品に利用可能である。
【符号の説明】
【0060】
EF…エンドフラップ、HM…接着剤、LD…縦方向、SF…サイドフラップ、T…変形保持領域、WD…横方向、1…バックシート、1i…液不透過性シート、1n…外装不織布、2…トップシート、3…吸収体、4…引張部材、4a…第1部分、4b…第2部分、4c…自由部分、4d…摘み部、5…移動通路、10…パッドタイプ吸収性物品、11…分離部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14