(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】印刷用紙ブレーキ
(51)【国際特許分類】
B65H 29/68 20060101AFI20230421BHJP
B65H 9/00 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
B65H29/68
B65H9/00 B
(21)【出願番号】P 2019029935
(22)【出願日】2019-02-22
【審査請求日】2021-11-25
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】502200092
【氏名又は名称】ミュラー・マルティニ・ホルディング・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・トロクスラー
(72)【発明者】
【氏名】ローガー・リュシャー
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-069192(JP,A)
【文献】特開2016-069193(JP,A)
【文献】特開2000-006371(JP,A)
【文献】特開2012-201458(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 29/54- 29/70
B65H 9/00- 9/20
B65H 13/00- 15/02
B65H 5/02
B65H 5/06
B65H 5/22
B65H 29/12- 29/24
B65H 29/32
B65H 37/00- 37/06
B65H 41/00
B65H 45/00- 45/07
F16D 49/00- 71/04
B60T 10/00- 11/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される平坦に形成された製品を減速するための装置であって、装置が、空気ジェットによって運転可能なブレーキとして形成され、このブレーキが、空気ジェットノズルから供給される空気ジェットによって運転可能であり、空気ジェットが、空気ジェットの作用によって製品に加える制動力を適用する本体に衝突するものにおいて、
制動力適用本体(120)が、少なくとも1つの第1の要素(122)によって構成され、この第1の要素が、空気ジェットノズル(110)から供給される空気ジェット(400)を還流(410,420)させるための立体的構造を備えること、及び、本体(120)が、少なくとも1つの第2の要素(121)を備えており、この第2の要素が、制動力適用時に第1の要素(122)と作用結合しており、この第2の要素(121)が、空気ジェットノズル(110)からの空気ジェット(400)によって生じさせられたパルス力を、生じる制動力として製品(A,A
n)に適用すること、を特徴とする装置。
【請求項2】
製品(A,A
n)が
、印刷製品
又は印刷用紙であること、を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ブレーキ(100)が
、印刷用紙ブレーキであること、を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
印刷用紙(A,A
n)に作用する制動力が
、2つの本体(120)によって発生され、これら本体が
、互いに離間してかつ印刷用紙(A,A
n)の送り方向(300)に対して横に配置されていること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
各制動位置に、実効的に運転可能な少なくとも2つの本体(120)が配置され、これら本体が、その制動力を、少なくとも1つのサイクル内で交互に加えること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
各本体(120)が、それぞれ少なくとも1つの空気ジェットノズル(110)によって作用可能であること、を特徴とする請求項4又は5に記載の装置。
【請求項7】
ブレーキ(100)及びその制動力が、印刷用紙ストッパ(260)と作用結合していること、及び、印刷用紙ストッパ(260)が、ストッパ面(261)を備え、このストッパ面が、送り方向(300)に減速された印刷用紙(A,A
n)の基準エッジとして使用されること、を特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
空気ジェットノズル(110)が、少なくとも1つの中央開口を備えること、を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
空気ジェットノズル(110)が、超音速で運転可能であること、を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
空気ジェットノズル(110)が、ラバルノズルとして形成されていること、を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
空気ジェットノズル(110)が、第1の中央開口以外に、この第1の中央開口に対して相補的に設計された少なくとも1つの第2の開口を備えること、を特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項12】
本体(120)の第1の要素(122)が、回転対称のシャーレから成り、このシャーレの内部空間(126)は、空気ジェット(400)がパルス力をシャーレ(122)に加えるように、空気ジェットノズル(110)から放出された空気ジェット(400)に対して凹に形成されていること、を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
シャーレ(122)が、中央に配置された円錐形又はほぼ円錐形の柱体(124)を備え、この柱体を介して、空気ジェットノズル(110)から放出された空気ジェット(400)が、均一な流れで凹に形成された内部空間(126)に流入し、この凹の内部空間内で、パルス力の適用後に空気ジェットの偏向によって還流(410,420)が生じること、を特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
空気ジェットノズル(110)から放出された空気ジェット(400)の還流(410,420)が、空気ジェットノズル(110)からの空気ジェット(400)に対して90°から180°
までで行なわれること、を特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
中央に配置された円錐形又はほぼ円錐形の柱体(124)が、シャーレ(122)の最上縁から突出すること、を特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項16】
中央に配置された円錐形又はほぼ円錐形の柱体(124)が、上から下に向かってくびれ部(125)を備え、このくびれ部は、継ぎ目なくシャーレ(122)の凹に形成された内部空間(126)へ移行するように延在すること、を特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項17】
第1の要素が、流動本体(150)によって構成され、この流動本体が、上側に中央の突出エッジ
(151)を備え、このエッジから第2の要素(121)まで、エッジの両側に延在する空気ジェット偏向構造
又は翼状の空気ジェット偏向構造(152)が延在すること、を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項18】
流動本体(150)の中央の突出エッジ(151)が、製品(A,A
n)
の所定の送り方向(300)に対して、任意の整向を備えること、を特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
第2の要素(121)が、一方の側で第1の要素(122,150)を支持し、他方の側で製品の上で柔軟に挟持され、空気ジェット(400)に由来する第1の要素(122,150)へのパルスによって、第2の要素(121)の曲げが行なわれ、この曲げにより、第2の要素(121)の下面が製品(A,A
n)に押圧力を加えること、を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項20】
第2の要素(121)が、柔軟で平坦に形成された板材として形成されていること、を特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
板材(121)が、加えるべき制動力に適合させたバネ定数を備える材料から成ること、を特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
バネ定数が、板材(121)の多層
板構造によって変更可能であること、を特徴とする請求項
21に記載の装置。
【請求項23】
少なくとも第2の要素(121)が、少なくとも1つの上に支承された減衰装置(130)と作用結合しており、この減衰装置が、制動運動完了後の第2の要素(121)の振動運動に抗するように整向されていること、を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項24】
減衰装置(130)が、終端側(132)を固定されたバー材(133)と減衰要素(131)から成り、これら減衰要素が
、第1の要素(122,150)の領域に配置されていること、を特徴とする請求項
23に記載の装置。
【請求項25】
第1の要素(122,150)及び/又は第2の要素(121)が、減衰のために、制動を行なった後の旋回運動に抗する空気圧力を作用可能であること、を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項26】
空気ジェットが、減衰のために、空気ジェットノズル(110)の主開口から直接的に供給されていること、を特徴とする請求項
25に記載の装置。
【請求項27】
空気ジェットが、減衰のために、空気ジェットノズル(110)の副開口から供給されていること、を特徴とする請求項
25に記載の装置。
【請求項28】
空気ジェットが、減衰のために、空気ジェットノズル(110)の主開口の周りに環状に配置された小孔の配列から供給されていること、を特徴とする請求項
25に記載の装置。
【請求項29】
搬送される平坦に形成された製品
を減速するための装置を運転するための方法であって、装置が、空気ジェットによって運転可能なブレーキ(100)として形成され、このブレーキ(100)が
、空気ジェットノズル(110)から供給される空気ジェット(400)によって運転され、ブレーキ(100)が、空気ジェット(400)の作用によって
製品(A,A
n
)に加える制動力を適用する本体(120)を備えているものにおいて、
制動力適用本体(120)が、少なくとも1つの第1の要素(122)によって構成され、この第1の要素が、立体的構造を備え、この立体的構造が、空気ジェットノズル(110)から供給される空気ジェット(400)の還流(410,420)を生じさせること、及び、本体(120)が、少なくとも1つの第2の要素(121)を備えており、この第2の要素が、制動力適用時に第1の要素(122)と作用結合しており、この第2の要素(121)が、空気ジェットノズル(110)からの空気ジェット(400)によって生じさせられたパルス力を、生じる制動力として製品(A,A
n
)に適用すること、を特徴とする方法。
【請求項30】
空気ジェットノズル(110)からの空気ジェット(400)によって生じさせられた、製品(A,A
n
)への制動力として生じるパルス力が、製品の質量に依存し、この質量は、紙幅、折りパターン、紙の層の数、紙の面積当たりの重量、区間長さによって設定されること、を特徴とする請求項29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置の請求項1及び方法の請求項30,31の上位概念による印刷用紙ブレーキに関する。
【背景技術】
【0002】
種々の折りプロセスによって導入される印刷用紙部分の方向変化は、一般に、折るべき印刷用紙部分に対して高い減速及び加速値を惹起する。減速及び加速値並びに偏向される印刷用紙部分から生じる減速及び加速力は、製品品質並びに折りプロセスの安定性にマイナスに作用する。付加的に、単位時間又は製品当たりのコストを相応に低減するために、高い生産効率への市場の要求がある。
【0003】
欧州特許出願公開第3002240号明細書及び欧州特許出願公開第3002241号明細書には、時に空気圧媒体(空気)によって運転されるブレーキ装置が記載されている。このようなブレーキ装置は、特にまたブレーキシステムの質量慣性が非常に小さいことに基づく非常に迅速な反応時間によって、公知の機械的又は電磁的システムに比して際立ち得る。更に、空気圧媒体で運転されるこのようなブレーキ装置は、相補的なブレーキパッドは別として、十分に整備不要で摩耗なしである。
【0004】
それに応じて、欧州特許出願公開第3002240号明細書には、処理機械内で印刷用紙の減速及び位置決めをするための装置及び方法が記載されている。印刷用紙の送り方向に沿って、制動力作用を印刷用紙に加える少なくとも1つの手段が存在し、後続の処理ステーションの過程と関連して印刷用紙の位置決めを達成する。
【0005】
この従来技術の方向性は、全減速過程が、印刷用紙の減速及び位置決めによって特徴付けられていることに見ることができる。従って、印刷用紙の最終的な位置決定は、2倍の制動作用によって達成され、この制動作用の制動予防措置は、異なる原理によって互いに運転することができ、両制動予防措置は、部分的に“及び/又は”結合によって動作することもできる。
【0006】
実質的に、欧州特許出願公開第3002240号明細書は、どのように印刷用紙の減速及び位置決めが行なわれ得るかに関する種々の可能性を示す:
【0007】
直接的な適用の場合、制動力を誘起する空気パルスが、直接的に印刷用紙に向けられており、そこでその作用を発揮あるいは適用するようになっており、この空気パルスの数、強さ及び作用位置は、所定の条件に適合され得る。
【0008】
間接的な適用の場合、制動力を誘起する空気パルスが、印刷用紙と空気パルスのノズルとの間の中間に配置された少なくとも1つの機械要素に作用し、印刷用紙への効果的な制動作用がこの機械要素によって行なわれるようになっており、このような要素が種々の動的構成を備え得るようになっている。
【0009】
更に、送り方向の印刷用紙の位置の正確な減速は、印刷用紙に作用する他の減速によっても、例えば負圧に作用する制動力-これは大抵は搬送ベルトの下に印刷用紙へ作用をしつつ配置されている-によっても、少なくとも部分的に達成することができる。そのような予防措置により、テーブル状の基礎の表面と印刷用紙の下面の間の摩擦は、このような摩擦力が好ましくは印刷用紙の正確な最終位置決めのための微調整として考慮され得るように高まる。空気パルスに関連して前で既に述べたように、印刷用紙への負圧の適用のために、数、強さおよび作用位置は、所定の条件に適合させることもできる。
【0010】
有効な両制動力、即ち印刷用紙への制動力を誘起するパルスにより、印刷用紙は直接的又は間接的に運転され、別の制動力による摩擦増加が、互いに相互依存してまたは互いに依存せずに制御され、両ケースの制動力成分は、ケースバイケースで変更あるいは適合させることができる。
【0011】
当然、付加的な制動力は、少なくとも1つの機械的に作動可能な要素によって達成することもでき、この要素は、例えば印刷用紙に作用する空気圧式の制動力を誘起するパルス以外に、微調整のために考慮することができ、このような機械要素は、自律制御によって又は上記の意味で純粋に空気パルスよって運転することができる。
【0012】
欧州特許出願公開第3002241号明細書には、更に、印刷用紙用の横出しブレーキとして設計されたブレーキ装置が記載されている。この場合、ここでも、送り方向の印刷用紙の減速及び位置決めをするため並びに折りに従った引込み中及び/又は印刷用紙が引き込まれる時に生じるばたつき運動に対抗して印刷用紙を減速するための方法が問題になっており、これは、以下の処理ステップによって得られる:i)折りパターン、紙重量、紙幅、区間長さのような所定の生産データに基づいて、折りパターンに応じて印刷用紙が左側と右側で異なる値を備え得ることを考慮して、制動作用のために必要な空気圧が計算され、情報が自動の圧力コントローラに送達されるステップ;ii)圧力コントローラを有する圧力蓄積器が、必用な圧縮空気の物理値を保証するステップ;iii)折り領域に進入する/供給された印刷用紙が、後縁を光バリアによって検出され、この光バリアが、同時に、折りナイフのサイクルの正確な同期をするために使用され、光バリアが印刷用紙の搬送内の不規則性を補償するステップ;iv)誘起されたトリガ信号に基づいて、無駄時間及び速度補償を考慮して空気圧式の開閉弁を作動させるための信号が誘起されるステップ;v)それに基づいて、圧力蓄積器内に蓄積された空気が、急激に解放され、それに基づいて、空気ノズルが、パルス状の空気ブラストを解放するステップ;vi)解放された空気ブラストが、印刷用紙に直接的に作用するか、空気ブラスト及び相応の法線力を印刷用紙に伝達するレバーに間接的に作用するステップ;vii)この場合、印刷用紙が、送り工程中及び/又は折りプロセス中にテーブル状の基礎上に押し付けられ、摩擦によって印刷用紙への制動力が発生されるステップ;viii)付加的な制動力が、必要時に、同時に又は位相をずらして印刷用紙の後縁に加えられ、制動作用によって誘起された材料ストレッチによって、印刷用紙の補強が生じるステップ;ix)印刷用紙が確実に0に減速されるように、制動時点が選択されるステップ(印刷用紙がストッパにちょうど当接した時でも又は折りナイフが印刷用紙を受け取った時でも又は折りプロセス中でも0に減速する);x)空気パルスの放出後、空気圧式の開閉弁が即座に閉鎖され、次のサイクルのために使用可能であるステップ。
【0013】
要約すると、従来技術に属するブレーキ装置が、好ましくは相互依存するブレーキシステムのために設計されているということができ、その制動作用は、異なる制動技術及び異なる制御式の制動力あるいはパルス力で設計された異なる補助ユニットによってもたらされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】欧州特許出願公開第3002240号明細書
【文献】欧州特許出願公開第3002241号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ここで本発明は、援助を提供する。請求項で特徴付けられているような本発明の根底にある課題は、噴射された空気圧媒体によって提供されるパルスによって提供される制動力によって運転され、パルス力の伝達により効率的な制動力を本体に加え、この本体が、次に制動力を直接的に製品に加え、それに基づいて即座の制動作用が生じる状態にある、好ましくは一般的な形式の製品用の、好ましくは印刷製品用の、特に印刷用紙用の高効率のブレーキを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本体が直接的に製品に作用するのではなく、相補的な補助ユニットの挿入によって間接的に作用する構成を設けることも可能である。両ケースで、この制動力が直接的な適用と間接的な適用の両方において、高い動作速度及び高いサイクル数で個々に送られる製品を把持することができるようになっている。
【0017】
ここで個々の製品が問題であれば、これは、個別化が最終的あるいは強制的であると理解すべきであることを意味するものではない:本発明によるブレーキが、例えば1回又は数回折られた印刷製品を通過させる際でも良好に使用することができる。魚鱗状の構成の印刷製品の場合でもこのブレーキを使用することも可能である。
【0018】
以下では、排他性に基づくものではないが、意図的に印刷用紙についてのみ、必用であれば印刷製品について説明する。
【0019】
従って、本発明によるブレーキは、好ましくは印刷製品にために使用されるが、本発明によるブレーキが異なる厚さ及び材料組成の他の平坦に形成された搬送可能な製品のためにも容易に使用され得ることだけを望むものではない。
【0020】
従って、現実的かつ当然の考察から、本発明によるブレーキは、以下では印刷用紙への制動作用に焦点を当てる。
【0021】
この場合、この本発明によるブレーキは、以下では一貫して印刷用紙ブレーキだけが取り上げられ、そのようなものとして説明され、ミリ秒(ms)の範囲内の時間内で、高速で搬送及び送られる個々の印刷用紙が急激にゼロへ減速されると共に、印刷用紙が同時に次の加工のために位置を正確に位置決めされるように設計されている。
【0022】
減速される印刷用紙の位置の正確な位置決めは、特に次の作業に対する品質保証のために重要である。この品質保証は、システムを、減速の最後の段階で活動し、搬送又は必要であれば制動力の適用によって惹起される生じ得る傾斜が100%確実に補償され得るように働く印刷用紙ストッパによって補足することによって、最大化することができる。
【0023】
この場合、解放された運動エネルギーは、印刷用紙ストッパへの印刷用紙の局所的な衝突時には最小にしか存在しない。何故なら、本発明による減速により、送りに起因するこの運動エネルギーは、既にほぼ完全に減殺されたからである。
【0024】
従って、ゼロに向かう送り速度しか残っておらず、この送り速度は、印刷用紙が印刷用紙ストッパのストッパ面にソフトに整列し得るように働く。印刷用紙ストッパは、十分に印刷用紙の全送り幅を把握する唯一の物体から成るか、互いに離間した多数の物体部分から成り得る。印刷用紙の残存速度と制動力のその適用時の不完全な利用との間に相互依存性があることは明らかである。
【0025】
即ち、印刷用紙の最終的な位置決めは、確かに印刷用紙ストッパを利用して決定されるが、それにもかかわらず、全てのケースで、印刷用紙がその残存速度で非常にソフトにしかこの印刷用紙ストッパのストッパ面に衝突しないことが保証されなければならない。この残存速度は、説明したように、微視的に小さくなるので、送り方向前縁がストッパ面への衝突時に傷つくか、このストッパ面から跳ね返り得る危険もない。
【0026】
更に、印刷用紙の最終位置に関するこのソフトに実行される経過は、印刷用紙が完全にストッパ面の経過に適応し得るとの利点を有し、これにより、これから、印刷用紙の最大限の最終的な正確な整列が生じ、その結果、印刷用紙のこの正確な整列は、次の運転作業時の品質保証のために重要である。
【0027】
これに関連して、以下のスペックが重要である:空気圧弁の作用は、通常は8-10msの時間内に行なわれる。そのうち、この時間の約50%、即ち4-5msが、第1の柔軟な制動力適用要素の降下のために消費され、この時間の残りの約50%、即ち4-5msが、本来の制動過程のために使用される。これは、印刷用紙の作動時間のゼロへの減速が最大5msの時間内で行なわれることを意味する。
【0028】
それ自身、作用時間は、印刷用紙に対する本来のブレーキ本体の配置及び間隔に依存して変更することができる。最初に挙げた値は、約10mmのブレーキ本体と印刷用紙の間の最大間隔のために適用され、これは、通常は、印刷用紙の異なった進入高さ及び折り高さを有する運転モードに相応し、ブレーキ及び印刷用紙の送りケーデンスは、 “魚鱗状の”折りを使用することもできるように、即ち、折るべき印刷用紙は未だ折りテーブル上にあるが、後続の印刷用紙はその上に位置するように供給されるように、設計することができる。
【0029】
供給高さが折り平面に一致する所定の折り機に関する構成では、操作の開始時には、先行する印刷用紙がもはやその位置に留まらないことが保証されなければならない。 このケースでは、ブレーキと印刷製品の間の距離は、0~約3mmの間で変化する。 これは、このケースでは、ブレーキ、即ちブレーキ本体の降下の成分が約30%であり、本来の制動時間は、使用可能な総制動時間の約70%であることを意味する。
【0030】
両ケースで、制動時間が実質的に5msよりも短くならないことが保証されなければならないので、可能な限り、降下運動が3msより大きくならないように努めるべきである。
【0031】
従って、それぞれ唯一のモデル化された制動力によって、個々の印刷用紙の慎重で確実で正確な局所的な位置決めを達成することができ、これはこの印刷用紙の後続の加工にとって非常に重要である。
【0032】
このため、本発明によれば、空気ジェットノズルによって発生される力決定パルスの適用手段として、基本的に、最大限の効率の空気ジェットの偏向を可能にする別の相補的な要素を備える本体が設けられる。
【0033】
空気ジェットノズルからの空気流の速度は、乱流であると仮定した場合、ほぼ超音速、即ち約316m/sのオーダーである。層流の場合、この速度は、約500m/sまで高めることができる。これは、例えば、空気ジェットノズルの流れ構造がラバルノズルとして形成されている場合がそうである。
【0034】
この空気ジェット偏向本体は、好ましくは、搬送される印刷用紙の上に配置され、直接的に片側を挟持された柔軟な要素と作用結合しており、この要素の可撓性あるいはバネ定数は、印刷用紙への押圧力の伝達能力を示す。従って、この柔軟な要素の下面は、空気ジェットにより空気ジェット偏向本体を介して発生された力パルスによって押圧力を印刷用紙に加え、その場合、この押圧力は、直接的な制動力として使用され、把持された印刷用紙を即座及び完全にゼロに減速することができる。
【0035】
制動パルスが発生した後の第1の要素の柔軟な構成要素の振動を軽減するあるいはゼロに向かわせる可能性は、種々の措置によって得ることができる:
a)一方では、適切な材料選定によって、又は、好ましくは板材の形態を有するこの柔軟な構成要素の多層板構造によって、第1の要素の柔軟な構成要素の材料に起因したバネ定に影響を及ぼすことができる。
b)他方では、第1の要素の柔軟な構成要素の振動運動に反作用する機械的減衰要素を設けることができ、これは、例えば減衰体が振動減衰材料から成ることによる。これら減衰体は、基本的に、これらがシステム内に最小限の付加的質量を導入する性質であるべきである。
c)更に、制動作用のために導入される空気ジェットブラストが、実行された制動作用の余波として急激に中断されるのではなく、第1の要素の柔軟な構成要素の振動運動に抗する反力が生じる程度に弱められることが可能である。
d)更に、空気ジェットノズルは、ブレーキの主作用のために設定された中央開口以外に、第1の要素の柔軟な構成要素の振動運動に減衰的に補助的に作用する別の相補的な開孔が設けられるように構成することができる。 その場合、この第2の開口は、主開口からの主空気ブラストの後に初めて、相応の空気ブラストによって機能し、減衰作用のために力に関して相応にモデル化されるべきである。
e)最後に、空気ジェットノズルの中心に配置された主開口は、環状に配置された多数の小孔によって補足することができ、これら環状に配置された孔から、好ましくは空気マスが導入され、この空気マスは、第1の要素の柔軟な構成要素の振動運動に対して減衰作用を導入することができる。
【0036】
これら減衰予防措置と減衰手段の互いの組み合わせも可能である。
【0037】
好ましくはシャーレの形態のパルス受容体は、内本体側のジェット偏向構造を備え、このジェット偏向構造は、空気ジェットがまず本体に中央で又は重心平面に沿って作用し、次いで秩序化されて、即ち乱れなく、流出することができるように設計されている。
【0038】
この場合、この本体の空気ジェット偏向構造の形成は、好ましくは、回転凹形状によって形成されているか、本体が、空気ジェットノズル側に、中央の突出エッジを備え、この中央の突出エッジから、空気ジェット偏向構造が翼状に下に向かって広がるか、のいずれかである。
【0039】
2つの翼状の空気ジェット偏向構造を介してパルスセットを均一に案内するために、この中央の突出エッジは、本体の重心平面に沿って隣接する2つの空気ジェット偏向翼に対して経過し、これら空気ジェット偏向翼は、終端側が同様に凹の形状へ移行し、これにより、ここでも、導入された空気ジェットマスの秩序化された流出が保証され、これは、その下を搬送される印刷用紙への空気による干渉なしに一貫して保証される。
【0040】
焦点を当てた両ジェット偏向本体-これらは、しかしながら形状に応じて最終的な形成であると理解すべきでない-内で、空気ジェットは、本体の空気ジェット偏向構造を介して、凹又は準凹の湾曲にまで流れ、そこから、空気ジェットノズルからの流れは、最終的に元の空気ジェットの流れと反対方向へ偏向される。
【0041】
この最終的な偏向の際に、最大限に渦のない上方に向けられた還流が生じ、この還流は、約90°から180°以上までで空気ジェットノズルの横へ流出する。空気ジェットノズルを介して供給される空気マスフローのこのパルスセット発生式の偏向によって初めて、制動を誘起する押圧のために必要な制動力が、まず本体自身に適用され、同時に本体と作用結合している好ましくは片側を挟持された柔軟な要素にも適用され、この要素の印刷用紙側の下面は、最終的な押圧を印刷用紙に適用する。
【0042】
制動過程毎の空気マスフローに関する限り、これは、制動力に依存している、従って圧力に依存していると言える。時に、この空気ジェット量は、減速すべき印刷用紙の質量に依存し、印刷用紙自身の場合は、紙幅、折りパターン、紙の層の数、紙の面積当たりの重量、区間長さが、制御技術的な役割を演じる。
【0043】
所定の生産データ-これらが最終的であると理解すべきでない-のリストに基づいて、制動作用のために必要な空気圧が計算され、情報が自動圧力調整器に送られる。この場合、印刷用紙は、折りパターンに応じて、左側と右側で異なった値を備えることができる。そのような状況の場合、ブレーキあるいはその制動作用は、相応に調整されなければならない。
【0044】
空気圧式の弁のスイッチングに関する限り、これは、無駄時間と速度補償を考慮して1つの信号によって誘起される。それに基づいて、圧力蓄積器内に蓄積された空気が急激に解放され、それに基づいて、空気ジェットノズルが、パルス状の空気ジェットブラストを放出する。
【0045】
空気パルスの放出後、空気圧式の切換弁は即座に閉鎖され、圧力調整器は、予調整された圧力で新たに空気蓄積器を充填し、次のサイクルのために使用可能である。
【0046】
しかしながら、空気蓄積器による運転は、不可欠ではない:所定の圧力下で所定の空気量をサイクルに起因してパルス状に放出することは、連続的な圧縮空気提供のために直接的に働く動的に設計された制御装置によっても達成することができる。
【0047】
更に、空気ジェットノズルによって提供される空気マスフローの噴射は、好ましくは、完全に間欠的に行なわれる、即ち、噴射はゼロから最大圧力になり、次に再びゼロになる。しかしながら、必要に応じて、次のサイクルでの作用時間を更に短縮し得るように、ブレーキ過程が行なわれた後の中間に、残留圧力で運転することが可能である。
【0048】
本体は、上述したように、好ましいバリエーションによれば、回転対称又は準回転対称に形成され、突出する中央に配置された円錐形又はほぼ円錐形の柱体で補足され、この柱体が、本体のシャーレから突出し、先端から本体の凹の出口まで流線状にくびれさせて形成されているので、柱体は、上から下に向かって流れに合致して回転対称の本体の所定の凹の形状に移行する。
【0049】
即ち、空気ジェットノズルから中央に導入される空気マスは、流れに関して均一に中央に配置された円錐形又はほぼ円錐形の柱体の周方向に分散し、この空気マスは、次に最大限の層流を維持しつつ本体の凹の切欠き部へ流入し、そこで、強制的な偏向により達成すべきパルス力を加えることができる。従って、これら流れ特性によって、十分に損失のないエネルギー伝達を生じさせる前提条件が満足される。
【0050】
更に、この形成により、空気ジェットが、仕事を行なった後に、本体の底側の凹の湾曲によって十分に再び空気ジェットノズルの方向に還流することができ、空気側であることに起因する干渉を印刷用紙に加えることができないことが保証される。
【0051】
更に、ここで本発明により根底に置かれる印刷用紙ブレーキは、印刷用紙に対する位置の正確な即座の制動作用を超える別の有利な作用を共に含んでおり、それは、そのような印刷用紙ブレーキによって同時に、印刷用紙後縁が折りテーブル上に存在する時に、次の印刷用紙との衝突箇所が生じ得ないことも保証されることによる。この構成において重要であるのは、これと共に根底にある操作上の基本であり、それによれば、次の印刷用紙は、折りテーブルの表面よりも高く供給される。
【0052】
即ち、説明した空気ジェット偏向におけるのと同じ利点を、完全には回転対称でない本体の場合でも達成することができるが、その場合、空気ジェットノズルからの空気ジェットは、中央に配置された円錐形又はほぼ円錐形の柱体に的中するのではなく、空気ジェット側で中心に配置された、空気ジェットマスを均一に分割する少なくとも1つの分離エッジを備える偏向要素に作用し、各部分量は、流れに合致した、好ましくはくびれさせた及び/又は翼状の壁に沿って流れ偏向部まで流出する。この偏向部により、ここでも、空気ジェットが90°超の還流角度で上方及び/又は横に流出し得る前に、パルス力が解放される。
【0053】
このような分離エッジが、必ず搬送される印刷用紙の送り方向に対して平行に延在しなければならないのではなく、必要に応じて送り方向に対して横に延在することもできることが強調される。
【0054】
更に、シャーレ状のビーム偏向本体は、中央に配置された流れに合致した柱体を有することなく形成することもでき、その場合、シャーレの側壁は、完全には回転対称でない本体を容易に構成することができる。
【0055】
本発明による印刷用紙ブレーキは、高性能折り装置と実効的に接続して有利に使用することもできる。
【0056】
このような折りプロセスの場合、減速される印刷用紙と、折りユニットと、次の印刷用紙の間の機械的な衝突が決して行なわれ得ないことが保証されなければならない。
【0057】
即ち、印刷用紙は、本発明による印刷用紙ブレーキによって位置を正確に減速され、同時に送り方向に正確な位置を備えるが、これは、必要時にそこで作用するストッパを導入して行なっても良い。従って、本発明による印刷用紙ブレーキ運転により、印刷用紙後縁が折りテーブル上に存在し、これにより次の印刷用紙との衝突箇所が生じ得ないことが保証される。
【0058】
高性能折り装置の実質的に短縮された折りパルス時間と、本発明による印刷用紙ブレーキ-この印刷用紙ブレーキ自身は、機械的に移動される部分を含まず、従って質量慣性を全く又は僅かにしか備えない-の使用により、次の印刷用紙は、折りプロセスの開始直後に、搬送ベルトにより容易に高くされた供給位置を介して供給することができる。
【0059】
本発明による印刷用紙ブレーキにより、印刷用紙を魚鱗状では加工しないことが可能であるが、それは、特に用紙ブレーキの時間要量を最小に、即ち10ms未満に低減することができるからである。これは、製品間のギャップが、印刷機の生産速度、得られるサイクル数および印刷用紙に関する区間長さに依存する時定数に基づくものであり、これら条件は、本発明によるブレーキによって実効的に完全に受け止めることができる。
【0060】
送り方向に供給される個々の印刷用紙の間のギャップの低減は、潜在的に可能であるが、但し、そのような潜在的可能性の実現は、同時に必要な制動時間の低減を達成できる場合にだけ可能である。
【0061】
この場合、既に前で本発明による印刷用紙ブレーキの使用によって説明したように、次の印刷用紙は、先行する印刷用紙の後縁の上に既に位置し(重なり)、この先行する印刷用紙は、折りパルスの開始によって既に折りロール対の方向に移動する。
【0062】
この場合、依然として供給ベルトにクランプ固定されている上に位置する印刷用紙は、折るべき印刷用紙に対するガイド機能を担うが、それは、下に位置する印刷用紙が加速のために上に向かって上昇し得ることを、上に位置する印刷用紙が防止することによるものであり、これにより、公知の品質低下作用(はためき効果、ロバの耳)を防止することができる。
【0063】
従って、本発明において重要であるのは、搬送される平坦に形成された製品を減速するための装置の形成及びその運転である。ここで、本発明の重要な実施形態は、印刷製品、好ましくは印刷用紙を減速するための装置及び方法に関するが、このケースで、ブレーキは、一貫して印刷用紙ブレーキである。
【0064】
従って、この装置は、空気ジェットによって運転可能なブレーキとして形成され、このブレーキが、空気ジェットノズルから供給される空気ジェットによって運転され、このブレーキは、少なくとも1つの本体を備え、この本体が、空気ジェットの作用によって、即ちそのパルス力によって、制動作用を印刷製品に適用し、これにより、この本体が、アクティブな直接的なブレーキを構成する。本体自身は、少なくとも1つの第1の要素から成り、この第1の要素は、好ましくはシャーレ状に形成され、このシャーレ形状は、その立体的形成によって、供給される空気ジェットの継続的なジェット偏向流を保証する。
【0065】
更に、ブレーキとして作用するこの本体が、少なくとも1つの第2の要素によって補足され、この第2の要素が、パルス力の次の適用を担当するようにされているが、それは、この第2の要素が、好ましくは柔軟な板材として形成され、この板材が、好ましくは第1の要素の配置に対して正反対で片側を挟持され、この第2の要素が、第1の要素への空気ジェットによって誘起されたパルスセットによって、それぞれのバネ定数によって適用される印刷製品に向かう曲げを受け、それに基づいて、第1の要素の全制動作用を印刷製品に適用することができる。
【0066】
更に、本発明に重要であるのは、印刷製品への制動力作用の適用であり、この制動力作用は、好ましくは、互いに離間して、印刷用紙の搬送方向-送り方向ともいう-に対して横に配置された2つの本体によって行なうこともでき、これら制動力誘起本体は、同時に少なくともそれぞれ1つの空気ジェットノズルによって運転される。
【0067】
本発明によれば、各制動位置に、少なくとも2つの実効的に相並んで運転可能な本体を設けることもでき、これら本体は、その制動力を交互に少なくとも印刷用紙毎に加える。例えば印刷用紙毎に、2つの配置された制動位置が設けられている場合、個々にアクティブな本体の数は、4つに増加する。ここでも、本体毎に好ましくはそれぞれ少なくとも1つの空気ジェットノズルが設けられる。このような編成及び本体の交互の運転の重要な利点は、運転に固有の冗長性を提供することによってサイクル数を実質的に増加させ得ること、及び、弁の摩耗を実質的に最小化し得ること、にある。
【0068】
好ましくは、空気ジェットノズルが唯一の中央に配置された開口によって特徴付けられ、この開口を経て空気ジェットが超音速で流出するようにされている。ここで空気ジェットの流速の増加を達成すべきであれば、これは、ラバルノズルとして開口を構成することによって簡単に達成することができる。
【0069】
しかしながら、空気ジェットノズルは、中央の開口以外に、好ましくは減衰補助の機能を満足する相補的な空気マスフロー放出開口として使用される少なくとも1つの別の開口を備えることができる。
【0070】
空気マスフローによって作用を受けるシャーレ状の本体に関する限り、ここで根底にあるシャーレは、回転対称に形成されており、その内部空間は、空気ジェットノズルから放出される空気ジェットに対して凹の形状を備えるので、空気ジェットは、最適なパルス力をシャーレに加え、妨げられることなく流出し得る。
【0071】
シャーレ内の流れを最大にするために、シャーレは、中央に配置された円錐形又はほぼ円錐形の柱体を備え、この柱体を介して、空気ジェットノズルから放出された空気ジェットは、均一な流れで凹に形成された内部空間に流入し、この凹の内部空間内で、パルス力の適用後に空気ジェット偏向が生じ、それに基づいて還流が生じる。
【0072】
根底に置かれる流れの均一性は、シャーレが中央に配置された円錐形又はほぼ円錐形の柱体によって補足される場合に高め得るが、柱体は、時にこのシャーレの最上縁から突出し得る。流れの均一性を更に高めるために、中央に配置された円錐形又はほぼ円錐形の柱体は、上から下に向かって好ましくはくびれ部を経るように形成すべきであり、このくびれ部は、継ぎ目なくシャーレの凹に形成された内部空間へ移行するようにモデル化される。
【0073】
この空気ジェット偏向は、次にシャーレの前記凹の形状を経て最大限の効率の還流に変わり、この還流は、空気ジェットノズルからの空気マスフローに対して90°から180°以上までで最適に行なわれる。
【0074】
しかしながら、本発明によれば、第1の要素は、シャーレとして形成され得るだけでなく、この要素は、開放構造を備え得るが、この構造は、上側に中央の突出エッジを備え、このエッジから第2の要素まで、このエッジの両側に延在する翼状の空気ジェット偏向構造が延在し、このエッジは、製品の所定の搬送方向に対して任意の整向を取ることができる。
【0075】
少なくとも必要に応じたバネ定数を備える板材として形成されたブレーキの第2の要素は、少なくとも1つの空気圧式の減衰予防措置及び/又は共に制動運動の実施後の第2の要素の振動運動を効率的に減衰するように形成された複数の機械的に運転可能な減衰要素と作用結合している。
【0076】
本発明によれば、搬送される平坦に形成された製品、好ましくは印刷製品、特に印刷用紙を減速するための前記装置を運転するための方法であって、装置が、空気ジェットによって運転可能なブレーキとして形成され、このブレーキが、少なくとも1つの空気ジェットノズルから供給される空気ジェットによって運転され、ブレーキが、空気ジェットの作用によって制動力を製品に加える少なくとも1つの本体によって構成されており、ブレーキが、下流に接続された折り装置と作用結合された状態で運転され、製品の固定と同時に、制動力が製品後端に作用され、これにより、スペースが提供され、これにより、後続の製品との衝突が回避されるように、ブレーキが運転されること、を特徴とするものも問題である。
【0077】
本発明の重要な利点は、以下の点に見ることができる:
・空気ジェット偏向によって生じる制動力の最大化が、エネルギーの使用が一定の場合でも達成される;
・印刷用紙から離間する空気ジェットの偏向が保証でき、これにより、印刷用紙への空気関連の干渉が行なわれない;
・安価で摩耗のない制動力増幅が提供され得る;
・印刷用紙ブレーキによって、折りプロセスが障害なく効率的に進行できるとの前提条件が提供される。
【0078】
別の有利な実施形式が明細書からわかる。
【0079】
以下で、本発明を、本発明に重要な明細書に詳細には示されてない全ての細部に関して明確に関連付けられた図面に関連させて説明する。本発明を直接的に理解するために重要でない全ての要素は、省略されており、同じ要素は、種々の図で同じ符号を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【
図1】シャーレを備えている印刷用紙ブレーキの全体図
【発明を実施するための形態】
【0081】
図1は、印刷用紙ブレーキ100の全体図を示すが、この図自身は、唯一の制動力発生ユニットの図に合わせてある。必要に応じて、複数のユニットを設けることが容易に可能であり、これらユニットは、互いに異なるように配置することができ、その場合には、所定のサイクルで制動力を折りテーブル200上に存在する印刷用紙Aに加える。
【0082】
従って、印刷用紙に作用する制動力を、好ましくは2つの本体120によって発生させることを採用することができるが、これら本体は、好ましくは印刷用紙の幅内で、その送り方向に対して横に互いに離間している。本体毎に、好ましくは少なくとも1つの空気ジェットノズル110を設けるべきである。その場合、このような構成では、印刷用紙の位置にゆがみが生じ得ないように、制動力は、両制動力作用本体を介して均一かつ同時に発生されなければならない。このような構成は、図面ではわからないが、当業者にとっては容易に理解可能である。
【0083】
各制動位置に少なくとも2つの実効的に相並んで運転可能で制動力を交互に少なくとも印刷用紙A毎に加える制動力作用本体120を設けることも可能である。例えば印刷用紙毎に2つの配置された制動位置が設けられている場合、個々にアクティブな本体120の数が4つに増加する。
【0084】
ここでも、本体120毎に好ましくは少なくとも1つの空気ジェットノズル110が設けられる。このような編成の重要な利点は、確実に、2つ以上の並列配置された本体120の運転が交互に行なわれ得るので、サイクル数がそれにより実質的に増加され得ること、及び、従って運転に固有の冗長性が提供され、これにより、制動力作用本体120の運転を担当する弁の摩耗率が実質的に最小化され得ること、にある。
【0085】
図示した印刷用紙ブレーキ100は、サポート101によって支持され、このサポートは、そこに固定された印刷用紙ブレーキ100の別の要素が機械の高いサイクル数を通じて最小限の振動感度を備えるように、最大限の安定性を備えなければならない。サポート101は、中間に、空気ジェットノズル110を取り付けるための固定部102を備え、その空気ジェットは、印刷用紙ブレーキ100の別の構成要素に向けられており、これら構成要素は、印刷用紙Aの搬送平面の上に配置されており、これは、
図2及び4からもはっきりわかる。
【0086】
これら印刷用紙ブレーキ100に属する構成要素は、基本的に2つの主要素に分けられる:一方は、第1の設計された要素120であり、この要素は、実質的に独立したユニットとして機能する:この要素は、実質的に一方では柔軟な構成要素から成り、この構成要素は、平坦に形成された板材121として形成され、その材料又は材料組成又は材料の組合せは、加えるべき制動力に依存して調整されたバネ定数を備え、更に第1の要素120は、シャーレ状の構成要素122から成り、この構成要素は、板材121と作用結合しており、シャーレ122は、空気ジェットノズル110からの空気ジェット400によって直接的に作用を受ける。
【0087】
空気ジェットノズル110によって導入される空気ジェット400(
図3も参照)は、そのパルス力によって印刷用紙ブレーキ100の制動力作用を発生させ、シャーレ122は、空気ジェット400の作用によって、柔軟に平坦に形成された板材121が下に向かって曲がり、押圧力を、送りによってその下に配置される印刷用紙Aに加える状態にある(
図2も参照)。
【0088】
従って、柔軟に設計された第1の要素120は、示した柔軟な板材121の形態の構成要素と、その上に配置されたシャーレ122から成り、シャーレ122の凹に形成された内側形状は、供給される空気ジェット400の連続したジェット偏向流を保証する。
【0089】
この空気ジェット偏向シャーレ122は、搬送される印刷用紙Aの上に配置され、既に説明したように、直接的に挟持された柔軟な板材121と作用結合しており、この板材は、その可撓性を完全に適用できるように、好ましくは片側123を固定されており、バネ定数に依存するこの可撓性は、印刷用紙に押圧力を伝達するために働く。従って、この柔軟な板材121の下面は、空気ジェットによって空気ジェット偏向シャーレ122を介して加えられる押圧力の形態の力パルスを印刷用紙Aに加え、この押圧力は、直接的な制動力として使用され、把持された印刷用紙Aが瞬時に数ms内でゼロに減速される。この板材121は、下側、即ち印刷用紙側に、印刷用紙の減速を有効に支援するコーティングで被覆することができる。
【0090】
図1からわかるように、シャーレ122は、板材121の終端側で、この板材121の片側の挟持部123の反対側に配置され、これにより、この板材の可能な柔軟性を最大化することができる。
【0091】
更に、柔軟に形成された第1の要素120は、機械的な減衰要素131として形成された第2の要素130と実効的に作用結合している。この第2の要素130は、剛性を有するバー材133の形態を備え、このバー材も片側132で固定され:示した例では、このバー材133は、スペースの理由から柔軟な板材121を固定する位置にも接続されている。バー材133の終端側に配置された減衰要素131は、基本的に減衰有効機能を満足し、この機能は、制動を行なった後の柔軟に形成された板材121の生じ得る振動運動に反作用する。これに関連して、減衰要素131は、特に振動を減衰する材料から成るべきであるので、柔軟な板材121の振動運動は、急激に減衰され得る。この減衰要素131は、その減衰作用を最大化するために、有利にはシャーレ122の直近に配置されている。
【0092】
図2は、
図1によるブレーキを運転するための全体の回路を示す。この図で、凹に形成されたシャーレ122(
図3も参照)及び柔軟な板材122と関連した相補的な要素がわかる。凹に形成されたシャーレ122の下に、その上に印刷用紙Aを象徴的に図示した本来の折りテーブル200が存在し、印刷用紙に導入される制動力は、作業の上で送り方向300に供給される印刷用紙Aと作用結合している。
【0093】
更に、減速される印刷用紙Aの位置の正確な位置決めは、特に次の作業に対する品質保証のために重要である。この品質保証は、システムを、減速の最後の段階で活動し、搬送又は必要であれば制動力の適用によって惹起される生じ得る傾斜が100%確実に補償され得るように働く印刷用紙ストッパ260で補足することによって最大化することができる。
【0094】
この場合、解放された運動エネルギーは、印刷用紙ストッパ260への印刷用紙Aの局所的な衝突時には既にほぼ完全に減速作用に注入されている。ゼロに向かう送り速度300が未だ残っており、この送り速度は、印刷用紙Aがストッパ面261にソフトに整列し得るように働く。印刷用紙ストパ260は、十分に印刷用紙の全送り幅を把持する物体から成るか、互いに離間した多数の物体部分によって構成することができる。残存速度と制動作用の不完全な利用との間に相互依存性があることは明らかである。
【0095】
即ち、印刷用紙Aの最終的な位置決めは、確かに印刷用紙ストッパ260を利用して決定されるが、それにもかかわらず、全てのケースで、印刷用紙Aがその残存速度で非常にソフトにしか印刷用紙ストッパ260の(完全な)ストッパ面261に衝突しないことが保証されなければならない。この残存速度は、説明したように、微視的に小さくなるので、印刷用紙Aの送り方向300前縁がストッパ面261への衝突時に傷つくか、このストッパ面261から跳ね返り得る危険もない。
【0096】
更に、印刷用紙Aの最終位置に関するこのソフトに実行される適用は、印刷用紙が完全にストッパ面261の経過に適応し得るとの利点を有し、これにより、これから、印刷用紙Aの最大限の最終的な正確な整列が生じ、加えて、次の運転作業のための品質保証が得られる。
【0097】
この
図2は、更に、ブレーキの空気圧式の制御/調整の根底にある要素を示す。まず、ここでは上位の制御ユニット210が実効的に動作し、この制御ユニットに、情報が流入し、それに基づいて命令が発せられる。重要な情報は、光バリア250を介する送られる印刷用紙Aの検出251に関する。この情報252は、制御ユニット210に転送され、この制御ユニットは、記憶された又は連続的に適合された制御プロフィルによって、該当する印刷用紙が印刷用紙ストッパ260の前の実効的な位置に達した時にブレーキ作用が機能するように働く。これには、制御ユニット210を介して命令が圧力調整器220に発せられ、この圧力調整器が、下流に配置された圧力蓄積器230と作用結合しており、この圧力蓄積器が、更にまた切換え弁240と作用結合231していることが含まれる。
【0098】
この弁240は、所定の時間に、制御ユニット210から別の制御ライン211を介して活動し、制動作用を適用するための空気量を空気ジェットノズル110に提供する命令を受け取る。印刷用紙ストッパ260と関連した前記動力学を考慮して、空気量が、圧縮空気ライン241を経て流れ、次に、高い圧力及び速度を有するジェット400として空気ジェットノズル110から流出し、凹に形成されたシャーレ122に作用し、このシャーレを介して、制動力が、板材121と作用結合して印刷用紙に伝達される。
【0099】
空気圧式の切換弁240のスイッチングに関する限り、切換弁は、無駄時間及び速度補償を考慮して、上述の信号によって誘起される。それに基づいて、圧力蓄積器230に蓄積された空気が急激に解放され、それに基づいて、空気ジェットノズル110がパルス状の空気ジェットを放出する。パルス状の空気ジェットの放出後、空気圧式の切換弁240は即座に閉鎖され、圧力調整器220が、新たに圧力蓄積器230を予調整された圧力で充填し、次のサイクルに使用可能である。
【0100】
しかしながら、圧力蓄積器による運転は、不可欠ではない:所定の圧力下で所定の空気量をサイクルに起因してパルス状に放出することは、連続的な圧縮空気提供のために直接的に働く動的に設計された制御によっても達成することができる。
【0101】
図3は、凹に形成されたシャーレ122の三次元イメージを示すが、このシャーレは、空気ジェットノズル110から高いパルス力で流出する空気ジェット量400の適用を保証する。
【0102】
空気ジェット量400によって作用を受けるシャーレ状のシャーレ122に関する限り、ここで根底に置かれる本体は、回転対称に形成されており、その内部空間は、エアジェットノズル110から放出された空気ジェット400に対して凹に形成されているので、空気ジェット400は、最適なパルス力をシャーレ122に加え、次に妨げられることなくシャーレから再び流出410することができる。
【0103】
シャーレ122内の制動力誘起流を最良に実現するために、シャーレは、中央に配置された円錐形又はほぼ円錐形の柱体124を備え、この柱体を介して、空気ジェットノズル110から放出された空気ジェット400は、凹に形成された内部空間に均一に流入し、この凹の内部空間内でパルス力の適用後に空気ジェット偏向410になる。
【0104】
根底に置かれる流れの均一性は、シャーレ122が、このシャーレ122の最上縁から突出する中央に配置された円錐形又はほぼ円錐形の柱体124によって補足される場合に増大する。流れの均一性を更に高めるために、中央に配置された円錐形又はほぼ円錐形の柱体124は、上から下に向かって好ましくはくびれ部125を経るように形成され、このくびれ部は、継ぎ目なくシャーレの次の凹に形成された内部空間126に移行するようにモデル化される。
【0105】
次に、この空気ジェット偏向は、説明したシャーレの凹の形状によって、最大限の効率の還流410を受け、この還流は、空気ジェットノズル110からの空気ジェット400に対して90°から180°以上までで最適に行なわれる。
【0106】
図4から、別の空気ジェット偏向本体150がわかるが、この本体は、既に何度も説明したシャーレ122と実質的に同じ機能を満足する。この本体150-
図5にさらに三次元で図示されている-は、上側に中央の突出エッジ151を備える。両側のフランク部は、翼状の空気ジェット偏向構造(
図5の位置152参照)に応じて下に向かって延在し、その下で実効的に作用する柔軟な板材121の領域内にまで延在し、このエッジは、一般に製品Aの所定の送り方向300に対して任意の整向を取ることができる。
【0107】
この
図4では、ブレーキが個々の印刷用紙の減速だけに限定されているのではなく、折りテーブル200上に多層の印刷要素A
nを直接的な減速及び別の加工のために設けることが容易に可能であることが図示されている。更に、この本体150での還流420がシャーレ(122)に対して浅くなる傾向があることに注意されたい。この図は、更に、既に
図2で説明した印刷用紙ストッパ260と、印刷製品A
nの相応の送り方向300を示す。
【0108】
従って、
図5は、本体150を三次元図で示す。ここで良好にわかるように、本体は、上側に、鋭いエッジ151を備え、このエッジは、空気ジェットノズルからの空気ジェット400を鋭く分割し、それに基づいて、これら部分空気ジェット420は、本体150の両側に流出する。本体150が下に向かって翼状に経過する空気ジェット偏向構造152を備え、この構造は、結局は凹状の形状に移行するので、ここでも、加えられたパルス力に基づいて還流が生じる。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1.搬送される平坦に形成された製品を減速するための装置であって、装置が、空気ジェットによって運転可能なブレーキとして形成され、このブレーキが、空気ジェットノズルから供給される空気ジェットによって運転可能であり、空気ジェットが、空気ジェットの作用によって製品に加える制動力を適用する本体に衝突するものにおいて、
制動力適用本体(120)が、少なくとも1つの第1の要素(122)によって構成され、この第1の要素が、空気ジェットノズル(110)から供給される空気ジェット(400)を還流(410,420)させるための立体的構造を備えること、及び、本体(120)が、少なくとも1つの第2の要素(121)を備えており、この第2の要素が、制動力適用時に第1の要素(122)と作用結合しており、この第2の要素(121)が、空気ジェットノズル(110)からの空気ジェット(400)によって生じさせられたパルス力を、生じる制動力として製品(A,A
n
)に適用すること、を特徴とする装置。
2.製品(A,A
n
)が、好ましくは印刷製品、特に印刷用紙であること、を特徴とする上記1に記載の装置。
3.ブレーキ(100)が、好ましくは印刷用紙ブレーキであること、を特徴とする上記1に記載の装置。
4.印刷用紙(A,A
n
)に作用する制動力が、好ましくは2つの本体(120)によって発生され、これら本体が、好ましくは互いに離間してかつ印刷用紙(A,A
n
)の送り方向(300)に対して横に配置されていること、を特徴とする上記1~3のいずれか1つに記載の装置。
5.各制動位置に、実効的に運転可能な少なくとも2つの本体(120)が配置され、これら本体が、その制動力を、少なくとも1つのサイクル内で交互に加えること、を特徴とする上記1~3のいずれか1つに記載の装置。
6.各本体(120)が、それぞれ少なくとも1つの空気ジェットノズル(110)によって作用可能であること、を特徴とする上記4又は5に記載の装置。
7.ブレーキ(100)及びその制動力が、印刷用紙ストッパ(260)と作用結合していること、及び、印刷用紙ストッパ(260)が、ストッパ面(261)を備え、このストッパ面が、送り方向(300)に減速された印刷用紙(A,A
n
)の基準エッジとして使用されること、を特徴とする上記1~6のいずれか1つに記載の装置。
8.空気ジェットノズル(110)が、少なくとも1つの中央開口を備えること、を特徴とする上記1に記載の装置。
9.空気ジェットノズル(110)が、超音速で運転可能であること、を特徴とする上記1に記載の装置。
10.空気ジェットノズル(110)が、ラバルノズルとして形成されていること、を特徴とする上記1に記載の装置。
11.空気ジェットノズル(110)が、第1の中央開口以外に、この第1の中央開口に対して相補的に設計された少なくとも1つの第2の開口を備えること、を特徴とする上記8に記載の装置。
12.本体(120)の第1の要素(122)が、回転対称のシャーレから成り、このシャーレの内部空間(126)は、空気ジェット(400)がパルス力をシャーレ(122)に加えるように、空気ジェットノズル(110)から放出された空気ジェット(400)に対して凹に形成されていること、を特徴とする上記1に記載の装置。
13.シャーレ(122)が、中央に配置された円錐形又はほぼ円錐形の柱体(124)を備え、この柱体を介して、空気ジェットノズル(110)から放出された空気ジェット(400)が、均一な流れで凹に形成された内部空間(126)に流入し、この凹の内部空間内で、パルス力の適用後に空気ジェットの偏向によって還流(410,420)が生じること、を特徴とする上記12に記載の装置。
14.空気ジェットノズル(110)から放出された空気ジェット(400)の還流(410,420)が、空気ジェットノズル(110)からの空気ジェット(400)に対して90°から180°以上までで行なわれること、を特徴とする上記13に記載の装置。
15.中央に配置された円錐形又はほぼ円錐形の柱体(124)が、シャーレ(122)の最上縁から突出すること、を特徴とする上記13に記載の装置。
16.中央に配置された円錐形又はほぼ円錐形の柱体(124)が、上から下に向かってくびれ部(125)を備え、このくびれ部は、継ぎ目なくシャーレ(122)の凹に形成された内部空間(126)へ移行するように延在すること、を特徴とする上記13に記載の装置。
17.第1の要素が、流動本体(150)によって構成され、この流動本体が、上側に中央の突出エッジを備え、このエッジから第2の要素(121)まで、エッジの両側に延在する空気ジェット偏向構造、好ましくは翼状の空気ジェット偏向構造(152)が延在すること、を特徴とする上記1に記載の装置。
18.流動本体(150)の中央の突出エッジ(151)が、製品(A,A
n
)、好ましくは印刷製品、特に印刷用紙の所定の送り方向(300)に対して、任意の整向を備えること、を特徴とする上記17に記載の装置。
19.第2の要素(121)が、一方の側で第1の要素(122,150)を支持し、他方の側で製品の上で柔軟に挟持され、空気ジェット(400)に由来する第1の要素(122,150)へのパルスによって、第2の要素(121)の曲げが行なわれ、この曲げにより、第2の要素(121)の下面が製品(A,A
n
)に押圧力を加えること、を特徴とする上記1に記載の装置。
20.第2の要素(121)が、柔軟で平坦に形成された板材として形成されていること、を特徴とする上記19に記載の装置。
21.板材(121)が、空所を備えること、を特徴とする上記20に記載の装置。
22.板材(121)が、加えるべき制動力に適合させたバネ定数を備える材料から成ること、を特徴とする上記20に記載の装置。
23.バネ定数が、板材(121)の多層のシート構造によって変更可能であること、を特徴とする上記22に記載の装置。
24.少なくとも第2の要素(121)が、少なくとも1つの上に支承された減衰装置(130)と作用結合しており、この減衰装置が、制動運動完了後の第2の要素(121)の振動運動に抗するように整向されていること、を特徴とする上記1に記載の装置。
25.減衰装置(130)が、終端側(132)を固定されたバー材(133)と減衰要素(131)から成り、これら減衰要素が、好ましくは第1の要素(122,150)の領域に配置されていること、を特徴とする上記24に記載の装置。
26.第1の要素(122,150)及び/又は第2の要素(121)が、減衰のために、制動を行なった後の旋回運動に抗する空気圧力を作用可能であること、を特徴とする上記1に記載の装置。
27.空気ジェットが、減衰のために、空気ジェットノズル(110)の主開口から直接的に供給されていること、を特徴とする上記26に記載の装置。
28.空気ジェットが、減衰のために、空気ジェットノズル(110)の副開口から供給されていること、を特徴とする上記26に記載の装置。
29.空気ジェットが、減衰のために、空気ジェットノズル(110)の主開口の周りに環状に配置された小孔の配列から供給されていること、を特徴とする上記26に記載の装置。
30.搬送される平坦に形成された製品、好ましくは印刷製品、特に印刷用紙を減速するための装置を運転するための方法であって、装置が、空気ジェットによって運転可能なブレーキ(100)として形成され、このブレーキ(100)が、少なくとも1つの空気ジェットノズル(110)から供給される空気ジェット(400)によって運転され、ブレーキ(100)が、空気ジェット(400)の作用によって制動力を製品(A,A
n
)に加える少なくとも1つの本体(120)を備えているものにおいて、
制動力による製品(A,A
n
)の固定と同時に、次の製品との衝突を回避するためのスペースが提供されるような作用を製品後縁が受けるように、ブレーキ(100)が運転されること、を特徴とする方法。
31.搬送される平坦に形成された製品、好ましくは印刷製品、特に印刷用紙を減速するための装置を運転するための方法であって、装置が、空気ジェットによって運転可能なブレーキ(100)として形成され、このブレーキ(100)が、少なくとも1つの空気ジェットノズル(110)から供給される空気ジェット(400)によって運転され、ブレーキ(100)が、空気ジェット(400)の作用によって制動作用のための適用力を製品(A,A
n
)に加える少なくとも1つの本体(120)を備えているものにおいて、
ブレーキが、下流に接続された折り装置と作用結合された状態で運転されること、を特徴とする方法。