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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】車両用配管
(51)【国際特許分類】
   F01N 13/10 20100101AFI20230421BHJP
   F01N 13/18 20100101ALI20230421BHJP
【FI】
F01N13/10
F01N13/18
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019141183
(22)【出願日】2019-07-31
(65)【公開番号】P2021025421
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000100805
【氏名又は名称】アイシン高丘株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(72)【発明者】
【氏名】白濱 淳一
(72)【発明者】
【氏名】吉兼 英樹
(72)【発明者】
【氏名】山村 直貴
(72)【発明者】
【氏名】松廣 優伸
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0135499(US,A1)
【文献】特開2010-270764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 13/10
F01N 13/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向に組み合わされて両端が開口する筒状に形成される複数のシェルと、
前記シェルに設けられ、筒が延びる方向に沿って延びる一対の側端部と、
隣り合う前記シェルの前記側端部同士が突き合わされ、溶接接合されるシェル結合部と、
を有し、
前記シェル結合部は、隣り合う一対のシェルのうち第2シェルの側端部が段差を有するジョグル形状に形成され、第1シェルの側端部が前記段差に嵌ることによって形成され、
前記第2シェルの前記段差を形成する傾斜部と前記第1シェルの前記側端部とが空間を介して突き合わされている車両用配管であって、
前記第2シェルの前記傾斜部及び前記第1シェルの前記側端部のうち少なくとも一方に、他方に向かって突出するように形成されて一方が他方へ向かって相対移動することを規制する規制部を有することを特徴とする車両用配管。
【請求項2】
前記第1シェルの前記側端部は、前記第2シェルの前記傾斜部と対向する側端面を有しており、
前記規制部は、前記第1シェルにおいて前記側端面から前記傾斜部に向けて突出する突出片であることを特徴とする請求項1に記載の車両用配管。
【請求項3】
前記突出片は、前記第1シェルにおいて筒が延びる方向の端部に設けられるとともに、
前記第1シェルの側端部における端面は面取りされ、
前記突出片の突出端は、前記端部から奥まった位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の車両用配管。
【請求項4】
前記第1シェルの前記側端部は、前記第2シェルの前記傾斜部と対向する側端面を有しており、
前記規制部は、前記第2シェルにおいて前記傾斜部から前記第1シェルの前記側端面に向かって盛り上がるように成形された成形突出部であることを特徴とする請求項1に記載の車両用配管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用配管に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のシェルが周方向に組み合わされることにより、筒状に形成された車両用配管が知られている。この車両用配管では、隣り合う一対のシェルのうち一方のシェルの側端部と他方のシェルの側端部とが突き合わされてシェル結合部を形成し、当該シェル結合部において隣り合うシェル同士が溶接接合されている。
【0003】
シェルの結合構造としては、図5に簡単な例を示すように、ジョグル結合構造が知られている(例えば特許文献1参照)。この結合構造では、半筒状をなす一対のシェル51,53のうち第2シェル53の側端部54がジョグル形状をなすように形成され、板厚分の段差が設けられている。段差には、第1シェル51の側端部52が嵌められる。その上で、シェル結合部55にて溶接接合が施されることにより、シェル同士が一体化されて車両用配管となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実公平8-7055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ジョグル結合構造を採用してシェル同士が組み合わされた車両用配管では、溶接接合の前段階で、図5に示すように、第2シェル53の段差を形成する傾斜部56と、第1シェル51の側端部52との間に、空間57が形成される。
【0006】
第1シェル51と第2シェル53とを、シェル結合部55にて溶接接合する場合、溶接時の熱の影響により、シェル結合部55には、図5(a)に矢印で示すように、外側へ引っ張る力が作用し、熱歪が生じる。この時、図5(b)に示すように、一方のシェル51の側端部52が前記空間57に落ち込む。これにより、両シェル51,53の形状が変形し、想定していた形状とは異なる形状の車両用配管50が形成されてしまうという問題がある。
【0007】
例えば、断面円形状をなす図示の車両用配管50を例とすれば、図5(a)に示すように、溶接によって、二点鎖線で示すように楕円形に変形してしまい、真円を保持することができなくなる。車両用配管50には、開口形状に合わせて別の配管や触媒ケースを形成し、開口部に別の配管を連結したり、触媒ケースを挿入したりする。ところが、車両用配管が変形してしまうと、別の配管の連結や触媒ケースの挿入が困難となるおそれがある。なお、図5(a)における変形は、わかりやすくするために強調されている。
【0008】
本発明は、このような課題を解決すべく、シェル結合部にて溶接接合される場合に、熱歪によりシェルが変形しようとしても、想定した形状を維持することができる車両用配管を得ることを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、第1の発明は、
周方向に組み合わされて両端が開口する筒状に形成される複数のシェルと、
前記シェルに設けられ、筒が延びる方向に沿って延びる一対の側端部と、
隣り合う前記シェルの前記側端部同士が突き合わされ、溶接接合されるシェル結合部と、
を有し、
前記シェル結合部は、隣り合う一対のシェルのうち第2シェルの側端部が段差を有するジョグル形状に形成され、第1シェルの側端部が前記段差に嵌ることによって形成され、
前記第2シェルの前記段差を形成する傾斜部と前記第1シェルの前記側端部とが空間を介して突き合わされている車両用配管であって、
前記第2シェルの前記傾斜部及び前記第1シェルの前記側端部のうち少なくとも一方に、一方が他方へ向かって相対移動することを規制する規制部を有することを特徴とする。
【0010】
第1の発明によれば、シェル結合部を溶接接合する際に、結合部を外側へ引っ張る力が作用しても、規制部によって、第1シェルの側端部と第2シェルの側端部とのうち、互いに近づく側への相対移動が規制される。これにより、熱歪によってシェルが変形しようとしても、車両用配管として想定した筒形状を維持することができる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明の車両用配管において、
前記第1シェルの前記側端部は、前記第2シェルの前記傾斜部と対向する側端面を有しており、
前記規制部は、前記第1シェルにおいて前記側端面から前記傾斜部に向けて突出する突出片であることを特徴とする。
【0012】
第2の発明によれば、突出片によって、簡易な構成で、シェルの側端部の相対移動を好適に規制することができる。また、例えば、金属製板材を打ち抜いて第1シェルを製造する場合、突出片も第1シェルと併せて形成されるように金属製板材を打ち抜くようにすれば、規制部としての突出片を容易に設けることができる。
【0013】
第3の発明は、第2の発明の車両用配管において、
前記突出片は、前記第1シェルにおいて筒が延びる方向の端部に設けられるとともに、
前記第1シェルの側端部における端面は面取りされ、
前記突出片の突出端は、前記端部から奥まった位置に設けられていることを特徴とする。
【0014】
車両用配管を製造する上では、製品寸法や形状の精度を高めるために、筒が延びる方向の端部を筒の開口端面に沿って切断するトリミング加工を施す場合がある。その場合に、第3の発明によれば、開口端面に沿った切断によって、第1シェルにおいて筒が延びる方向の端面にできたバリが、突出片の突出端よりもさらに突出するおそれが低減される。バリが突出片の突出端よりもさらに突出する場合、当該バリが第2シェルの側端部における傾斜部に当接して、ガタ付きなどが生じる原因となって溶接接合時の不具合や形状変更をもたらすおそれがある。第3の発明によれば、そのおそれを低減できる。
【0015】
第4の発明は、第1の発明の車両用配管において、
前記第1シェルの前記側端部は、前記第2シェルの前記傾斜部と対向する側端面を有しており、
前記規制部は、前記第2シェルにおいて前記傾斜部から前記第1シェルの前記側端面に向かって盛り上がるように成形された成形突出部であることを特徴とする。
【0016】
第4の発明によれば、成形突出部によって、簡易な構成で、シェルの側端部の相対移動を好適に規制することができる。また、例えば、第2シェルの側端部をジョグル形状に曲げ成形する際に、成形突出部も併せて成形するようにすれば、規制部としての成形突出部を容易に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施の形態の排気管を示す斜視図。
図2図1におけるA部を拡大して示す一部斜視図。
図3】第1シェルのトリミングによりできたバリを説明する斜視図。
図4】別の実施形態における排気管の成形突出部を示す一部斜視図。
図5】(a)は従来の車両用配管の開口側から見た正面図であり、(b)は(a)におけるB部を拡大して示す拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した一実施の形態である排気管について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1に示すように、排気管10は、円筒状をなすように形成されている。排気管10の両端部は、円形状をなす一対の開口部11が形成されている。排気管10には、開口部11を通じて、触媒ケース(図示略)が収容されたり、排気経路の上流側又は下流側に接続される他の排気管(図示略)の端部が挿入されたりする。
【0020】
排気管10は、一対のシェル21,31が結合されることによって円筒状をなすように形成されている。各シェル21,31は、同一径を有する半円筒形状をなしている。各シェル21,31は、金属製板材を打ち抜き加工及び曲げ加工することによって成形されている。第1シェル21と第2シェル31とは、同じ板厚を有している。金属製板材の材料としては、例えば、高耐熱性を有するステンレス鋼等が用いられている。図示において上側に配置された第1シェル21は、上側に凸となるように設けられている。図示において下側に配置された第2シェル31は、下側に凸となるように設けられている。
【0021】
各シェル21,31において、半円状に湾曲する方向の両端部は、それぞれ側端部22,32となっている。側端部22,32は、筒が延びる方向に沿って直線状に延びている。互いに突き合わされる第1シェル21の側端部22と第2シェル31の側端部32とが合わさることでシェル結合部12が形成されている。第1シェル21の側端部22及び第2シェル31の側端部32はそれぞれ一対設けられているため、シェル結合部12も一対設けられている。各シェル結合部12は、排気管10の中心線Cを挟んで反対側に設けられている。各シェル結合部12は、筒が延びる方向に沿って延び、かつ当該方向の全域にわたって設けられている。
【0022】
図2にシェル結合部12を拡大して示すように、シェル結合部12では、ジョグル結合構造によって、第1シェル21の側端部22と第2シェル31の側端部32とが合わさっている。第2シェル31の側端部32は、板厚分の段差33が形成されている。段差33により、第2シェル31の側端部32には、傾斜部34と、重なり部35とが形成されている。傾斜部34は、第2シェル31の主部36から外側かつ第1シェル21の側へ向けて傾斜している。重なり部35は、第2シェル31が有する曲率を維持しながら第1シェル21の側に延びている。
【0023】
図2に示すように、シェル結合部12では、第2シェル31の側端部32が有する段差33に第1シェル21の側端部22が嵌り、重なり部35と第1シェル21の側端部22とが重なり合っている。第2シェル31の側端部32における傾斜部34と、第1シェル21の側端部22における側端面23とが対向し、両者が空間13を間に介した状態で突き合わされている。
【0024】
排気管10は、以上のような基本構成を有している。その上で、図1に示すように、シェル結合部12において、第1シェル21の側端部22に、突出片24が設けられている。突出片24は、図1に示すように、一対の開口部11が設けられたそれぞれの開口端部に設けられている。第1シェル21は一対の側端部22を有しているため、合計4つの突出片24が設けられている。突出片24は、金属製板材から第1シェル21を形成する際の打ち抜き加工及び曲げ加工によって、第1シェル21とともに形成される。
【0025】
図2に、突出片24を拡大して示すように、突出片24は、第1シェル21の側端面23から、第2シェル31の側端部32における傾斜部34に向けて突出している。第1シェル21の側端部22において、その開口端側は面取りされている。突出片24の開口端側には面取り部25が形成されている。面取り部25は傾斜面であっても、アール形状をなすように形成されていてもよい。面取り部25が形成されていることにより、突出片24は、第1シェル21の開口端面37から若干奥まった位置に設けられている。
【0026】
排気管10は、第1シェル21と第2シェル31とをシェル結合部12にて溶接接合する。この場合において、溶接時の熱の影響によって、従来技術の課題として前述したように、シェル結合部12に外側へ引っ張る力が作用し、熱歪が生じる(図5参照)。この熱歪により、第1シェル21の側端部22が第2シェル31の側端部32における傾斜部34の側へ移動しようとするが、突出片24が傾斜部34に当接することによってその移動が規制される。突出片24は、規制部に相当する。
【0027】
以上詳述したように、本実施形態の排気管10によれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0028】
(1)第1シェル21の側端部22には、突出片24が設けられている。第1シェル21と第2シェル31とのシェル結合部12を溶接接合する際に、シェル結合部12を外側へ引っ張る力が作用しても、突出片24によって、第1シェル21の側端部22と第2シェル31の傾斜部34との相対移動が規制される。これにより、排気管10が有する筒形状が変形してしまうことを抑制し、想定した排気管10の形状を維持できる。その結果、開口部11に別の配管や触媒ケースを挿入することが困難となるおそれを低減できる。
【0029】
(2)突出片24は、第1シェル21の側端面23から突出している。第1シェル21とともに突出片24も形成されるように金属製板材を打ち抜くことで、突出片24を容易に設けることができる。
【0030】
(3)第1シェル21の側端部22における開口端は面取りされるとともに、突出片24の突出端24aは、第1シェル21の開口端部において、開口端面37から奥まった位置に設けられている。排気管10を製造する上では、製品寸法や形状の精度を高めるために、第1シェル21や第2シェル31に対してトリミング加工を施す場合がある。その場合、第1シェル21については、図3に示すように、開口端面37に沿った切断加工が施される。かかる切断加工により、開口端面37の側端側(図示の下側)に向けて突出する、換言すれば、第2シェル31と結合させた場合にはその第2シェル31の側に向けて突出するバリB1ができる。
【0031】
仮に、図3に示すように、第1シェル21の側端部22における開口端が面取りされず、突出片24の突出端24aが開口端にも設けられた構成とすると、二点鎖線で示すように、切断加工によってできたバリB2が、突出片24の突出端24aよりもさらに傾斜部34の側の突出する。この場合、バリB2が第2シェル31の傾斜部34に当たるため、第1シェル21の側端部22と第2シェル31の重なり部35との十分な重なり量を確保できなかったり、ガタ付きが生じたりして、溶接接合時の不具合や形状変更をもたらすおそれがある。
【0032】
その点、本実施形態の排気管10では、できたバリB1が、突出片24の突出端24aよりもさらに傾斜部34の側に突出するおそれを低減できる。これにより、溶接接合時の不具合や形状変更をもたらすおそれを低減できる。
【0033】
(4)突出片24は、排気管10の開口端部に設けられている。排気管10のシェル結合部12における溶接接合は、一方の開口端から他方の開口端に向けて行われる。溶接当初から熱歪が生じるため、突出片24が開口端部に設けられていることにより、溶接当初から第1シェル21の側端部22と第2シェル31の傾斜部34との相対移動を規制し、排気管10の変形を抑制できる。
【0034】
(5)突出片24は、排気管10が有する一対の開口端部のいずれにも設けられている。そのため、いずれの開口端部も溶接接合の開始点とすることができ、溶接接合作業を行いやすい。
【0035】
なお、本発明は、上記実施形態の排気管10として、例えば次のような別の構成を採用することもできる。
【0036】
(a)上記実施の形態では、第1シェル21の側端部22に、規制部に相当する突出片24が形成されている。それとは逆に、第2シェル31の側端部32において、第1シェル21の側端面23に向けて突出する突出部を設けた構成を採用してもよい。例えば、図4に示すように、第2シェル31の側端部32における傾斜部34が、第1シェル21の側端面23に向けて盛り上がるように成形されることによって、当該傾斜部34に成形突出部41を形成するようにしてもよい。かかる構成によっても、第1シェル21の側端部22と第2シェル31の傾斜部34との相対移動を規制して、溶接時の変形を抑制できる。
【0037】
なお、上記実施形態の突出片24と、別形態の成形突出部41との両者を有する構成としてもよい。これにより、第1シェル21の側端部22と第2シェル31の傾斜部34との相対移動をより確実に規制できる。
【0038】
(b)上記実施の形態では、第1シェル21の側端部22に設けられた突出片24は、金属製板材の加工によって第1シェル21とともに形成されている。これに代えて、第1シェル21とは別に製造された部材を側端部22の側端面23に接合することによって突出部を形成してもよい。突出片24であっても、別途接合されて形成された突出部であっても、その形状は任意であり、例えば、側面視において三角形状や四角形状をなすように形成されていてもよい。
【0039】
(c)上記実施の形態では、突出片24は、排気管10が延びる方向に沿って延びるシェル結合部12において、一対の開口端部のいずれにも設けられている。突出片24が設けられる位置は任意であり、例えば、一方の開口端部にのみ設けられた構成としてもよいし、開口端部ではなく中間部に設けられた構成としてもよい。また、シェル結合部12において突出片24が設けられる数も任意であり、3つ以上の突出片24を設けた構成としてもよい。
【0040】
(d)上記実施の形態では、第2シェル31の側端部32に形成されたジョグル形状は、外側へ向けて傾斜する傾斜部34が形成され、段差33が側端部32の内側に設けられている。これに代えて、内側へ向けて傾斜する傾斜部とし、段差が側端部32の外側に設けられたジョグル形状を採用してもよい。この場合、第1シェル21の側端部22は、当該外側に設けられた段差に嵌ることとなる。
【0041】
(e)上記実施の形態では、排気管10のシェル結合部12は、管の延びる方向に沿った全域において第1シェル21の側端部22と第2シェル31の側端部32とがジョグル結合された構成を有している。これに代えて、例えば一対の開口端部のうちの一方など、管の延びる方向の一部について、突き合わせ構造等の他の結合構造を採用し、ジョグル結合と他の結合構造とを組み合わせてもよい。例えば突き合わせ結合を組み合わせる場合、その突き合わせ結合部分では、第2シェル31の側端部32はジョグル形状に形成されず、第1シェル21の側端面23と同様の側端面を有する。そして、両シェル21,31の側端面同士を突き合わせることによりシェル結合部12が形成される。突き合わせ部分が溶接されることにより、一体化される。突き合わせ結合が採用された開口端部では、開口部11に別の配管部材を被せたり、挿入したりすることで、両者を連結することができる。
【0042】
(f)上記実施の形態では、排気管10の断面は円形状をなしている。断面形状は任意であり、例えば、四角形状や楕円形状など他の形状であってもよい。
【0043】
(g)上記実施の形態では、排気管10の断面形状は、管の延びる方向に沿って同一形状で、かつ大きさも同一であり、さらに一直線状に延びている。排気管10全体をどのような形状とするかは任意であり、例えば、一対の開口部11のうち一方の大きさを他方よりも小さくしたり、管の延びる方向の途中で湾曲させたりした排気管10としてもよい。
【0044】
(h)上記実施の形態では、排気管10は、半円筒状をなす一対のシェル21,31が組み合わされて円筒状に形成されている。円筒状を形成するシェルは複数であればその数は任意であり、円弧状をなす3つ以上のシェルを周方向に組み合わせることにより、円筒状の排気管を形成してもよい。なお、シェルの数を任意とするのは、円筒状の排気管10だけでなく、他の断面形状を有する排気管であっても同じである。
【0045】
(i)上記実施の形態では、本発明の車両用配管を排気管10に具体化したものである。本発明の車両用配管は、例えば吸気管に具体化してもよい。
【符号の説明】
【0046】
10…排気管(車両用配管)、12…シェル結合部、13…空間、21…第1シェル、22,32…側端部、23…側端面、24…突出片(規制部)、24a…突出端、31…第2シェル、33…段差、34…傾斜部、41…成形突出部(規制部)。
図1
図2
図3
図4
図5