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  • 特許-フレキシブルディスプレイ及び表示装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】フレキシブルディスプレイ及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20230421BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20230421BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20230421BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20230421BHJP
   H10K 50/00 20230101ALI20230421BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
G06F3/041 600
G09F9/30 308Z
G09F9/30 365
G09F9/00 366A
G06F3/041 640
G06F3/044 120
G06F3/041 580
H05B33/14 A
H05B33/02
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019543847
(86)(22)【出願日】2018-09-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-14
(86)【国際出願番号】 CN2018106702
(87)【国際公開番号】W WO2019085671
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-09-15
(31)【優先権主張番号】201711052099.X
(32)【優先日】2017-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】514161567
【氏名又は名称】鄂尓多斯市源盛光▲電▼有限▲責▼任公司
【氏名又は名称原語表記】ORDOS YUANSHENG OPTOELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Ordos Equipment Manufacturing Base,Dongsheng District,Ordos,Inner Mongolia,017020,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲麗▼娜
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ ▲華▼玲
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0308212(US,A1)
【文献】特開2016-059030(JP,A)
【文献】国際公開第2017/026364(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041-3/047
G09F 9/30-9/46
H05B 33/00-33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板における、フレキシブルディスプレイの発光面とは反対の一側に積層されるバックフィルムと、
前記バックフィルムおける、前記基板とは反対の一側に積層され、フレキシブルディスプレイに加えられる力に関する信号を出力するように構成される圧力センサと、を含み、
前記圧力センサは、前記バックフィルムに対して前記基板から離れる方向に順に設けられた第1の電極、誘電体層、第2の電極を含み、
前記誘電体層と前記第2の電極との間に位置する放熱層をさらに含む、
フレキシブルディスプレイ。
【請求項2】
前記バックフィルムと前記圧力センサとの間に位置する遮光層をさらに含む、請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ。
【請求項3】
前記基板と前記バックフィルムとの間に位置する遮光層をさらに含む、請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ。
【請求項4】
前記遮光層の材料はインクを含む、請求項2または3に記載のフレキシブルディスプレイ。
【請求項5】
前記第2の電極は接地電極であり、前記フレキシブルディスプレイのミドルフレームと共有される、請求項に記載のフレキシブルディスプレイ。
【請求項6】
前記誘電体層の材料はフォームを含む、請求項に記載のフレキシブルディスプレイ。
【請求項7】
前記放熱層の材料は銅とグラファイトを含む、請求項に記載のフレキシブルディスプレイ。
【請求項8】
前記バックフィルムの材料はポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、およびセルローストリアセテートのうちの1つである、請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ。
【請求項9】
前記基板上に位置する複数の画素ユニットをさらに含み、各前記画素ユニットには有機エレクトロルミネッセンスダイオードが含まれる、請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ。
【請求項10】
前記画素ユニットにおける、前記基板とは反対の一側に位置するタッチユニットをさらに含み、前記タッチユニットは各方向でのタッチを検出し、3Dタッチ機能を実現するように構成される、請求項に記載のフレキシブルディスプレイ。
【請求項11】
前記タッチユニットは駆動電極と誘導電極を含む、請求項10に記載のフレキシブルディスプレイ。
【請求項12】
前記フォームはエチレンプロピレンジエンモノマーとポリウレタンのうちの1つである、請求項に記載のフレキシブルディスプレイ。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに記載のフレキシブルディスプレイを含む、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2017年10月30日に中国国家知識産権局に提出された中国特許出願No.201711052099.Xの優先権を主張し、当該出願のすべての内容を参照により援用する。
【0002】
本開示は表示技術分野に関わり、具体的にフレキシブルディスプレイ及び表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
近年、OLED表示技術の出現及び継続的な発展に伴い、フレキシブル表示、フレキシブル圧力タッチ技術が誕生した。現在、表示分野、特に携帯電話またはタブレットなどの分野において、表示パネルに加えられる圧力を感知する圧力センサは、通常、別途用意したガラス基板上に形成する必要があり、その後、圧力センサを有するガラス基板がフレキシブル表示パネルに組み込まれる。このような方法では、ガラス基板が追加されるため、フレキシブル表示パネルの厚さが増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、関連技術に存在する技術課題を少なくとも部分的に解決するために完成したものであり、薄くて軽いフレキシブルディスプレイ及び表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の1つの態様では、
基板と、
前記基板における、フレキシブルディスプレイの発光面とは反対の一側に積層されるバックフィルムと、
前記バックフィルムおける、前記基板とは反対の一側に積層され、フレキシブルディスプレイに加えられる力に関する信号を出力するように構成される圧力センサと、を含む
フレキシブルディスプレイを提供する。
【0006】
一部の実施例において、前記フレキシブルディスプレイは、前記バックフィルムと前記圧力センサとの間に位置する遮光層をさらに含む。
【0007】
一部の実施例において、前記フレキシブルディスプレイは、前記基板と前記バックフィルムとの間に位置する遮光層をさらに含む。
【0008】
一部の実施例において、前記遮光層の材料はインクを含む。
【0009】
一部の実施例において、前記圧力センサは、前記バックフィルムに対して前記基板から離れる方向に順に設けられた第1の電極、誘電体層、第2の電極を含む。
【0010】
一部の実施例において、前記第2の電極は接地電極であり、前記フレキシブルディスプレイのミドルフレームと共有される。
【0011】
一部の実施例において、前記誘電体層の材料はフォームを含む。
【0012】
一部の実施例において、前記誘電体層と前記第2の電極との間に位置する放熱層をさらに含む。
【0013】
一部の実施例において、前記放熱層の材料は銅とグラファイトを含む。
【0014】
一部の実施例において、前記バックフィルムの材料はポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、およびセルローストリアセテートのうちの1つである。
【0015】
一部の実施例において、前記フレキシブルディスプレイは、前記基板上に位置する複数の画素ユニットをさらに含み、各前記画素ユニットには有機エレクトロルミネッセンスダイオードが含まれる。
【0016】
一部の実施例において、前記フレキシブルディスプレイは、前記画素ユニットにおける、前記基板とは反対の一側に位置するタッチユニットをさらに含み、前記タッチユニットは各方向でのタッチを検出し、3Dタッチ機能を実現するように構成される。
【0017】
一部の実施例において、前記タッチユニットは駆動電極と誘導電極を含む。
【0018】
一部の実施例において、前記フォームはエチレンプロピレンジエンモノマーとポリウレタンのうちの1つである。
【0019】
本開示のもう1つの態様では、上記フレキシブルディスプレイを含む表示装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本開示の例示的な実施例によるフレキシブルディスプレイの構造概略図である。
図2】本開示の例示的な実施例による、放熱層を備えたフレキシブルディスプレイの構造概略図である。
図3】本開示の例示的な実施例による、遮光層を備えたフレキシブルディスプレイの構造概略図である。
図4】本開示の例示的な実施例による、遮光層を備えたフレキシブルディスプレイの他の構造概略図である。
図5】本開示の例示的な実施例による、画素ユニットとタッチユニットを備えたフレキシブルディスプレイの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
当業者が本開示の技術案をよりよく理解できるように、以下では図面及び具体的な実施形態を組み合わせて本開示についてさらに詳細に説明する。
【0022】
本開示の1つの態様では、フレキシブルディスプレイを提供する。図1に示すように、当該フレキシブルディスプレイは基板10、バックフィルム1、圧力センサ2を含む。バックフィルム1は、基板10における、フレキシブルディスプレイの発光面とは反対の側面に積層され、圧力センサ2は、バックフィルム1における、基板10とは反対の側面に積層され、フレキシブルディスプレイに加えられる力に関する信号を出力するように構成される。
【0023】
本例示的な実施例によるフレキシブルディスプレイにおける圧力センサ2はバックフィルム1に設けられるため、単独の基板(例えば、関連技術におけるガラス基板)を選択して圧力センサ2を形成する必要がなく、これにより、形成された、圧力センサ2を有するフレキシブルディスプレイは比較的薄くて軽く、工程コストも低減できる。
【0024】
本開示の例示的な実施例において、圧力センサ2は容量式圧力センサであり、図1に示すように、バックフィルム1に対して基板10から離れる方向に順に設けられた第1の電極21、誘電体層23、第2の電極22を含む。第2の電極22は、全層構造の接地電極であり、フレキシブルディスプレイのミドルフレーム7(図1では左側の一部のみを概略的に示す)と共有されるため、フレキシブルディスプレイの軽量化および薄型化を図ることができる。圧力センサ2の各層構造(即ち、第1の電極21、誘電体層23、第2の電極22)は、印刷工程により完成することができ、当該工程は簡単で歩留まりが高い。ここで一点説明すると、第1の電極21と誘電体層23との間、及び誘電体層23と第2の電極22との間は、いずれも両面テープで接着することができ、これにより容易かつ簡便に圧力センサ2を形成することができる。
【0025】
本開示の例示的な実施例において、圧力センサ2における誘電体層23の材料はフォームであり、フォームの材料はEPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)、PU(ポリウレタン)などの絶縁材料であってよい。フォームの弾性は良好であるため、圧力センサ2に圧力を加えたときにフォームが変形し、第1の電極21と第2の電極22との間の距離を変えることができ、静電容量式C=εS/dにより、圧力センサ2の静電容量変化を求めることができる。ここで一点説明すると、通常の場合、静電容量式はC=εS/4πkdであるが、平行な2つの極板の間隔dがそれらの幅と長さよりもはるかに小さい場合、静電容量式はC=εS/dに近似し、εは極板間の誘電体の誘電率、Sは極板の面積、dは極板間の距離である。
【0026】
本開示の例示的な実施例では、図2に示すように、フレキシブルディスプレイはさらに放熱層3を含み、当該放熱層3は誘電体層23と第2の電極22との間に位置し、フレキシブルディスプレイが発した熱を放出する。例えば、フレキシブルディスプレイが携帯電話である場合、放熱層3は主に携帯電話のバッテリーが発した熱を放出する。放熱層3の材料は銅とグラファイトを含んでよいが、当然、この2種類の材料には限定されず、放熱機能を有する他の材料を用いることもできる。
【0027】
本開示の例示的な実施例において、フレキシブルディスプレイが表示するときに圧力センサ2が見えないように、図3に示すようにバックフィルム1と圧力センサ2との間に、または図4に示すように基板10とバックフィルム1との間に遮光層4が設けられている。遮光層4の材料はインクであってよいが、当然、黒い樹脂材料のような他の不透明な材料を用いることもできる。
【0028】
本開示の例示的な実施例において、バックフィルムの材料はPI(ポリイミド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、TAC(セルローストリアセテート)のいずれかの高分子フィルム材料を含む。当然、上記の材料には限定されず、他の可撓性材料を用いることもできる。
【0029】
本開示の例示的な実施例において、フレキシブルディスプレイは有機エレクトロルミネッセンスダイオードディスプレイであってよいため、図5に示すように、当該フレキシブルディスプレイは、基板10上に位置する複数の画素ユニット5をさらに含み、各画素ユニット5には有機エレクトロルミネッセンスダイオード51が含まれる。
【0030】
本開示の例示的な実施例において、図5に示すように、画素ユニット5の発光面側にはタッチを実現するためのタッチユニット6がさらに設けられており、通常、タッチユニット6は駆動電極と誘導電極を含む。このとき、本例示的な実施例におけるフレキシブルディスプレイは、X、Y、Zの3方向でのタッチ検出を実現し、3Dタッチ機能を実現することができる。上記構成を有するモジュール全体は比較的薄くて軽いため、フレキシブルディスプレイの曲げに有利である。
【0031】
本開示のもう1つの態様では表示装置を提供する。当該表示装置は上記フレキシブルディスプレイを含むものであり、フレキシブルディスプレイの構造について、ここでは詳細な説明を省略する。
【0032】
本開示の例示的な実施例において、当該表示装置は、OLEDパネル、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲータなどの、表示機能を有する任意の製品または部材を含んでもよい。
【0033】
以上の実施形態は、本開示の原理を説明するために用いた例示的な実施形態であって、本開示はこれに限らない。当業者は、本開示の精神と実質を逸脱しなければ、各種の変形と改善を行うことができ、これらの変形と改善も本開示の請求範囲であると見なされる。
図1
図2
図3
図4
図5