(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】エラフィブラノールのようなPPARアゴニスト及びアセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)を含む組合せ
(51)【国際特許分類】
A61K 31/192 20060101AFI20230421BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20230421BHJP
A61K 31/20 20060101ALI20230421BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20230421BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230421BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230421BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20230421BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20230421BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20230421BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20230421BHJP
A61K 9/02 20060101ALI20230421BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20230421BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20230421BHJP
A61K 9/12 20060101ALI20230421BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20230421BHJP
A61K 9/70 20060101ALI20230421BHJP
A61K 9/00 20060101ALI20230421BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20230421BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20230421BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20230421BHJP
A61P 19/04 20060101ALI20230421BHJP
A61P 19/08 20060101ALI20230421BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20230421BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20230421BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20230421BHJP
A61P 5/00 20060101ALI20230421BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20230421BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20230421BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20230421BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20230421BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20230421BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20230421BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230421BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20230421BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20230421BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20230421BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
A61K31/192
A61K31/5377
A61K31/20
A61K31/519
A61P43/00 121
A61P29/00
A61P3/00
A61P1/16
A61K9/10
A61K9/20
A61K9/02
A61K9/14
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A61K9/06
A61K9/70 401
A61K9/00
A61P13/12
A61P17/00
A61P21/00
A61P19/04
A61P19/08
A61P9/00
A61P15/00
A61P25/00
A61P5/00
A61P1/00
A61P19/02
A61P3/10
A61P3/04
A61P9/12
A61P17/02
A61P35/00
A61P35/02
A61P11/00
A61P11/06
A61P27/02
(21)【出願番号】P 2019556611
(86)(22)【出願日】2018-04-18
(86)【国際出願番号】 EP2018059969
(87)【国際公開番号】W WO2018193007
(87)【国際公開日】2018-10-25
【審査請求日】2021-03-31
(32)【優先日】2017-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503067111
【氏名又は名称】ジェンフィ
【氏名又は名称原語表記】GENFIT
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウォークザック,ロベール
(72)【発明者】
【氏名】ベランジェ,カロル
(72)【発明者】
【氏名】ルグリー,バネッサ
(72)【発明者】
【氏名】ノエル,ブノワ
(72)【発明者】
【氏名】デカン,エメリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ビダル,ギヨーム
(72)【発明者】
【氏名】ウォークザック,マチルド
(72)【発明者】
【氏名】デレベール,イザベル
【審査官】福山 則明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/112305(WO,A1)
【文献】特表2013-540119(JP,A)
【文献】特表2020-517621(JP,A)
【文献】Expert Opin. Investig. Drugs,2014年,Vol. 23, No. 10,pp. 1441-1448
【文献】NATURE REVIEWS | DRUG DISCOVERY,2016年,Vol. 15,pp. 745-746
【文献】Gastroenterology,2016年,Vol. 150, No. 5,pp. 1073-1076
【文献】J. Med. Chem.,2014年,Vol. 57,pp. 10512-10526
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-31/80
A61K 45/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)エラフィブラノール、その薬学的に許容される塩又は溶媒和化合物、並びに
(ii)CP-640186、ゲムカベン、GS-0976及びその薬学的に許容される塩からなる群から選択されるACC阻害剤
を含む、炎症性、代謝性、線維性又は胆汁うっ滞性疾患を治療するための方法において使用するための、組合せ物。
【請求項2】
前記組合せ物が、成分(i)及び(ii)並びに薬学的に許容される担体を含む組成物である、請求項1に記載の使用のための組合せ物。
【請求項3】
前記組合せ物が、連続、分離又は同時使用のための、成分(i)及び(ii)を含むキットである、請求項1又は2に記載の使用のための組合せ物。
【請求項4】
成分(i)及び(ii)が、持効性及び/又は徐放性放出のために、注射可能な懸濁液、ジェル、オイル、ピル、錠剤、坐薬、粉末、カプセル、エアロゾル、軟膏、クリーム、パッチ、又はガレヌス形態で製剤化され
た、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用のための組合せ物。
【請求項5】
線維性疾患が、肝臓、腎臓、皮膚、表皮、内皮、筋肉、腱、軟骨、心臓、膵臓、肺、子宮、神経系、精巣、陰茎、卵巣、副腎、動脈、静脈、結腸、腸、胆道、軟部組織、骨髄、関節及び胃線維症、特に肝臓、腸、肺、心臓、腎臓、筋肉、皮膚、軟部組織、骨髄、腸、目及び関節線維症からなる群において選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用のための組合せ物。
【請求項6】
疾患が、代謝性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、薬剤誘発性肝疾患、アルコール誘発性肝疾患、感染病原体誘発性肝疾患、炎症性肝疾患、免疫系機能障害媒介肝疾患、脂質異常症、循環器疾患、再狭窄、シンドロームX、メタボリックシンドローム、糖尿病、肥満、高血圧、慢性胆管症、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、ケロイド、陳旧性心筋梗塞、強皮症/全身性硬化症、炎症性疾患、神経変性疾患、がん、肝臓がん、肝細胞癌、胃腸がん、胃がん、神経線維腫症に伴う髄膜腫、膵内分泌腫瘍、膵外分泌腫瘍、白血病、骨髄増殖性/骨髄異形成疾患、肥満細胞症、皮膚線維肉腫、乳がん、肺がん、甲状腺がん又は結腸直腸がんを含む固形腫瘍、前立腺がん、肝線維症又は硬変症、代謝性疾患誘発性肝線維症又は硬変症、NAFLD誘発性線維症又は硬変症、NASH誘発性線維症又は硬変症、アルコール誘発性肝線維症又は硬変症、薬剤誘発性肝線維症又は硬変症、感染病原体誘発性肝線維症又は硬変症、寄生虫感染による肝線維症又は硬変症、細菌感染による肝線維症又は硬変症、ウイルス感染による線維症又は硬変症、HBV感染による肝線維症又は硬変症、HCV感染による肝線維症又は硬変症、HIV感染による肝線維症又は硬変症、HCV及びHIVの重複感染による肝線維症又は硬変症、放射線又は化学療法誘発性線維症又は硬変症、胆道線維症、慢性胆汁うっ滞性疾患による肝線維症又は硬変症、腸線維症、クローン病誘発性線維症、潰瘍性大腸炎誘発性線維症、腸、線維症、結腸線維症、胃線維症、皮膚線維症、表皮線維症、内皮線維症、強皮症/全身性硬化症による皮膚線維症、肺線維症、慢性炎症性気道疾患につながる肺線維症、喘息、肺気腫、結核、肺性線維症、特発性肺性線維症(IPF)、心臓線維症、腎線維症、腎性全身性線維症、筋線維症、軟部組織、線維症、骨髄線維症、関節線維症(joint fibrosis)、腱線維症、軟骨線維症、膵臓線維症、子宮線維症、神経系線維症、精巣線維症、卵巣線維症、副腎線維症、動脈線維症、静脈線維症、眼線維症、心内膜心筋線維症、縦隔線維症、骨髄線維症、後腹膜線維症、進行性塊状線維症(炭鉱夫塵肺の合併症)、増殖性線維症、腫瘍性線維形成、着床前後線維症及び石綿症、関節線維症(arthrofibrosis)、癒着性関節包炎からなる群において選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用のための組合せ物。
【請求項7】
疾患が、代謝性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、薬剤誘発性肝疾患、アルコール誘発性肝疾患、感染病原体誘発性肝疾患、炎症性肝疾患、免疫系機能障害媒介肝疾患、脂質異常症、循環器疾患、再狭窄、シンドロームX、メタボリックシンドローム、糖尿病、肥満、高血圧、慢性胆管症、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、肝臓がん、肝細胞癌、胃腸がん、胃がん、結腸直腸がん、代謝性疾患誘発性肝線維症又は硬変症、NAFLD誘発性線維症又は硬変症、NASH誘発性線維症又は硬変症、アルコール誘発性肝線維症又は硬変症、薬剤誘発性肝線維症又は硬変症、感染病原体誘発性肝線維症又は硬変症、寄生虫感染による肝線維症又は硬変症、細菌感染による肝線維症又は硬変症、ウイルス感染による線維症又は硬変症、HBV感染による肝線維症又は硬変症、HCV感染による肝線維症又は硬変症、HIV感染による肝線維症又は硬変症、HCV及びHIVの重複感染による肝線維症又は硬変症、放射線又は化学療法誘発性線維症又は硬変症、胆道線維症、慢性胆汁うっ滞性疾患による肝線維症又は硬変症、腸線維症、クローン病誘発性線維症、潰瘍性大腸炎誘発性線維症、腸、線維症、結腸線維症、胃線維症、肺線維症、慢性炎症性気道疾患につながる肺線維症、喘息、肺気腫、結核、肺性線維症、特発性肺性線維症(IPF)からなる群において選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用のための組合せ物。
【請求項8】
疾患が、原発性硬化性胆管症(PSC)、原発性胆汁性胆管炎(PBC)、胆道閉鎖、進行性家族性胆内胆汁うっ滞症3型(PFIC3)及びCOPDからなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用のための組合せ物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炎症性、代謝性、線維性及び胆汁うっ滞性疾患を治療するための組合せ療法に関する。
【背景技術】
【0002】
1-[4-メチルチオフェニル]-3-[3,5-ジメチル-4-カルボキシジメチルメチルオキシフェニル]プロパ-2-エン-1-オン(エラフィブラノール、又はELA、以前はGFT505と名付けられていた)は、国際公開第2004005233号に開示されているが、多くの胃腸及び肝臓疾患、特にPBC(原発性胆汁性胆管炎)及びPSC(原発性硬化性胆管炎)のような胆汁うっ滞性疾患、又は肝臓疾患、特に非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)のような非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)の処置にとって有益であり得る特性を有する。
【0003】
エラフィブラノールは、NASHにおいてこれまで行われた最大の介入研究の1つである、1年肝生検ベースのフェーズ2b試験(GFT505-212-7)においてNASHでの臨床効果について試験された。エラフィブラノールは、現在まで800人を超える患者と健康なボランティアに投与され、特に:ALAT、ASAT、γGT、ALPを含む肝機能障害のマーカーの改善;インスリン感受性及びグルコース恒常性の改善;血漿トリグリセリド及びLDL-Cの減少並びにHDL-Cレベルの増加を含む、血漿脂質に対する有利な効果;抗炎症性特性;動物疾患モデルにおける組織学的NASHパラメータ(脂肪肝、炎症、線維症)に対する効果並びに抗線維化活性を含むNASHに対する有益な特性を示した。安全性への懸念がないことが完全毒性学パッケージの2年に及ぶ発癌性研究において確かめられている。エラフィブラノールは、NASHの処置についての臨床フェーズ3試験において現在評価中である。臨床フェーズ2試験でのPBCの処置についてのこの分子の評価も計画されている。
【0004】
その優れた治療及び薬理学的プロファイルに鑑みて、エラフィブラノールは、多数の炎症性、代謝性、線維性及び胆汁うっ滞性疾患に関与する並行な又は相補的キー経路を標的にする組合せ薬理学的アプローチにおいて潜在的に使用することができると考えられる非常に有望な分子である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
本発明は:
(i)PPARアゴニスト、特に化学式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩:
【0007】
【化1】
[式中、
Y1はハロゲン、Ra、又はGa-Ra基を表し;
AはCH=CH又はCH2-CH2基を表し;
Y2はGb-Rb基を表し;
Ga及びGbは、同一であるか、又は異なって、酸素又は硫黄原子を表し;
Raは水素原子、非置換(C1~C6)アルキル基、(C6~C14)アリール基又は1つ以上のハロゲン原子で置換されている(C1~C6)アルキル基、(C1~C6)アルコキシ若しくは(C1~C6)アルキルチオ基;(C3~C14)シクロアルキル基、(C3~C14)シクロアルキルチオ基又は複素環基を表し;
Rbは少なくとも-COORc基で置換された(C1~C6)アルキル基を表し、Rcは水素原子、又は1つ以上のハロゲン原子で置換されている、若しくはされていない(C1~C6)アルキル基、(C3~C14)シクロアルキル基、又は複素環基を表し;
Y4及びY5は、同一であるか、又は異なって、1つ以上のハロゲン原子で置換されている、若しくはされていない(C1~C6)アルキル基、(C3~C14)シクロアルキル基又は複素環基を表す。]、並びに
(ii)抗NASH、抗線維化又は胆汁うっ滞抑制剤
を含む組合せ物に関する。
【0008】
式(I)の化合物の特定の実施形態では、
Y1はハロゲン、Ra又はGa-Ra基を表し;
AはCH=CH基を表し;
Y2はGb-Rb基を表し;
Ga及びGbは、同一であるか、又は異なっているが、酸素又は硫黄の原子を表し;
Raは、(C1~C6)アルキル又は(C3~C14)シクロアルキル基、特に1つ以上のハロゲン原子により置換されている、若しくは置換されていない(C1~C6)アルキル又は(C3~C14)シクロアルキル基を表し;
Rbは、-COOR3基により置換されている(C1~C6)アルキル基を表し、Rcは水素原子又は1~4炭素原子を有するアルキル基を表し;並びに
Y4及びY5は、独立して(C1~C4)アルキル基を表す。
【0009】
式(I)の化合物の特定の実施形態では、
Y1はRa又はGa-Ra基を表し;
AはCH2-CH2基を表し;
Y2はGb-Rb基を表し;
Gaは酸素又は硫黄の原子を表し、Gbは酸素原子を表し;
Raは、(C1~C6)アルキル又は(C3~C14)シクロアルキル基を表し;
Rbは、少なくとも-COORc基により置換されている(C1~C6)アルキル基を表し、Rcは水素原子又は(C1~C4)アルキル基を表し;並びに
Y4及びY5は、独立して(C1~C4)アルキル基を表す。
【0010】
式(I)の化合物の特定の実施形態では、
Y1はハロゲン原子又はRa若しくはGa-Ra基を表し;
AはCH2-CH2基を表し;
Y2はGb-Rb基を表し;
Gaは酸素又は硫黄の原子を表し、Gbは酸素原子を表し;
Raは、1つ以上のハロゲン原子で置換されている(C1~C6)アルキル又は(C3~C14)シクロアルキル基を表し;
Rbは、1つ以上のハロゲン原子により置換されているか、又は置換されておらず、少なくとも-COORc基により置換されている(C1~C6)アルキル基を表し、Rcは水素原子又は(C1~C4)アルキル基を表し;並びに
Y4及びY5は(C1~C4)アルキル基を表す。
【0011】
式(I)の化合物の特定の実施形態では、Gbは酸素原子でありRbは-COORc基により置換されている(C1~C6)アルキル基であり、Rcは水素原子又は非置換の直鎖若しくは分岐(C1~C4)アルキル基を表す。
【0012】
式(I)の化合物の特定の実施形態では、Y1は、直鎖又は分岐である(C1~C6)アルキル基であって、1つ以上のハロゲン原子により置換されているか、又は置換されていない(C1~C6)アルキル基を含む(C1~C6)アルキルチオ基である。
【0013】
特定の実施形態では、式(I)の化合物は、1-[4-メチルチオフェニル]-3-[3,5-ジメチル-4-カルボキシジメチルメチルオキシフェニル]プロプ-2-エン-1-オン(エラフィブラノール又はGFT505)、1-[4-メチルチオフェニル]-3-[3,5-ジメチル-4-イソプロピルオキシカルボニルジメチルメチルオキシフェニル]プロプ-2-エン-1-オン、1-[4-メチルチオフェニル]-3-[3,5-ジメチル-4-t-ブチルオキシカルボニルジメチルメチルオキシフェニル]プロプ-2-エン-1-オン、1-[4-トリフルオロメチルフェニル]-3-[3,5-ジメチル-4-t-ブチルオキシカルボニルジメチルメチルオキシフェニル]プロプ-2-エン-1-オン、1-[4-トリフルオロメチルフェニル]-3-[3,5-ジメチル-4-カルボキシジメチルメチルオキシフェニル]プロプ-2-エン-1-オン、1-[4-トリフルオロメチルオキシフェニル]-3-[3,5-ジメチル-4-t-ブチルオキシカルボニルジメチルメチルオキシフェニル]プロプ-2-エン-1-オン、1-[4-トリフルオロメチルオキシフェニル]-3-[3,5-ジメチル-4-カルボキシジメチルメチルオキシフェニル]プロプ-2-エン-1-オン、2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-(メチルチオ)フェニル]-3-オキソ-プロピル]フェノキシ]-2-メチルプロパン酸及び2-[2,6-ジメチル-4-[3-[4-(メチルチオ)フェニル]-3-オキソ-プロピル]フェノキシ]-2-メチル-プロパン酸イソプロピルエステルからなる群において選択される。
【0014】
本発明の特定の実施形態において、成分(ii)は抗NASH剤である。本発明の実行に有用である例示的、非限定的抗NASH剤は:
・アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤;
・アデノシンA3受容体アゴニスト;
・アルドステロンアンタゴニスト及びミネラルコルチコイドアンタゴニスト
・AMP活性化タンパク質キナーゼ刺激物質
・アミリン受容体アゴニスト及びカルシトニン受容体アゴニスト;
・アンジオポエチン関連タンパク質-3阻害剤
・抗LPS抗体;
・頂端側ナトリウム共依存性胆汁酸輸送体阻害剤;
・無水ベタイン又はRM-003;
・生理活性脂質;
・カンナビノイドCB1受容体アンタゴニスト;
・デュアルカンナビノイドCB1受容体/iNOS阻害剤;
・カスパーゼ阻害剤;
・カテプシン阻害剤;
・CCRアンタゴニスト;
・CCR3ケモカインモジュレータ及びエオタキシン2リガンド阻害剤
・ジアシルグリセロール-O-アシルトランスフェラーゼ(DGAT)阻害剤;
・ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP4)阻害剤;
・インスリンリガンド及びインスリン受容体アゴニスト;
・インスリン感受性改善薬及びMCH受容体-1アンタゴニスト
・デュアルNOX1及び4阻害剤のような、NOX(NADPHオキシダーゼ)阻害剤;
・細胞外マトリックスタンパク質モジュレータ;
・ステアロイルCoA不飽和化酵素-1阻害剤/脂肪酸胆汁酸コンジュゲート(FABAC);
・脂肪酸シンターゼ(FAS)阻害剤;
・組換え線維芽細胞成長因子19(FGF-19)タンパク質、又はFGF-19タンパク質の機能的な操作変異体のような線維芽細胞成長因子19(FGF-19)受容体リガンド;
・線維芽細胞成長因子21(FGF-21)タンパク質、又はFGF-21タンパク質の機能的な操作変異体のような線維芽細胞成長因子21(FGF-21)受容体リガンド;
・ファルネソイドX受容体(FXR)アゴニスト;
・ガレクチン3阻害剤;
・グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)類似物及びGLP-1受容体アゴニスト;
・G-タンパク質共役型受容体(GPCR)モジュレータ;
・G-タンパク質共役型受容体84アンタゴニスト、結合組織成長因子リガンド阻害剤及び遊離脂肪酸受容体1アゴニスト、
・ヘッジホッグ細胞シグナル伝達経路阻害剤
・インテグリン阻害剤;
・ケトヘキソキナーゼ阻害剤;
・ロイコトリエン(LT)/ホスホジエステラーゼ(PDE)/リポキシゲナーゼ(LO)阻害剤;
・リジルオキシダーゼ相同体2阻害剤(LOXL2阻害剤);
・マクロライド;
・メチルCpG結合タンパク質2モジュレータ及びトランスグルタミナーゼ阻害剤;
・miRNAアンタゴニスト;
・ミトコンドリア輸送担体ファミリー阻害剤及びミトコンドリアリン酸輸送担体タンパク質阻害剤
・モノクローナル抗体
・ミエロペルオキシダーゼ阻害剤;
・mTORモジュレータ;
・NAD依存性デアセチラーゼサーチュイン刺激物質;PDE5阻害剤
・ニコチン酸受容体(GPR109)アゴニスト
・核内受容体リガンド;
・P2Y13タンパク質アゴニスト;
・フェニルアラニンヒドロキシラーゼ刺激物質;
・プロテアーゼ活性化受容体(PAR)-2アンタゴニスト;
・タンパク質キナーゼモジュレータ;
・PPARアルファアゴニスト;
・PPARガンマアゴニスト;
・PPARデルタアゴニスト;
・PPARアルファ/ガンマアゴニスト;
・PPARアルファ/デルタアゴニスト;
・PPARガンマ/デルタ;
・PPARアルファ/ガンマ/デルタアゴニスト又はPPAR汎アゴニスト;
・Rho関連タンパク質キナーゼ2(ROCK2)阻害剤;
・ナトリウム-グルコース輸送(SGLT)1阻害剤;
・ナトリウム-グルコース輸送(SGLT)2阻害剤;
・ステアロイルCoA不飽和化酵素-1阻害剤
・シグナル調節キナーゼ1(ASK1)阻害剤;
・甲状腺ホルモン受容体β(THR β)アゴニスト;
・Toll様受容体2(TLR-2)アンタゴニスト;
・Toll様受容体4(TLR-4)アンタゴニスト;
・I型ナチュラルキラーT細胞阻害剤;
・チロシンキナーゼ受容体(RTK)モジュレータ;
・尿酸陰イオン交換体1阻害剤及びキサンチンオキシダーゼ阻害剤
・血管接着タンパク質-1(VAP-1)阻害剤;並びに
・ビタミンD受容体(VDR)アゴニスト
を含む。
【0015】
本発明のさらなる特定の実施形態において、成分(ii)は抗NASH剤である。
【0016】
特定の実施形態において、抗NASH剤は:
・アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤;
・抗LPS抗体;
・頂端側ナトリウム共依存性胆汁酸輸送体阻害剤;
・生理活性脂質;
・カンナビノイドCB1受容体アンタゴニスト;
・デュアルカンナビノイドCB1受容体/iNOS阻害剤;
・カスパーゼ阻害剤;
・カテプシン阻害剤;
・CCRアンタゴニスト;
・ジアシルグリセロール-O-アシルトランスフェラーゼ(DGAT)阻害剤;
・ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP4)阻害剤;
・デュアルNOX1及び4阻害剤のような、NOX(NADPHオキシダーゼ)阻害剤;
・細胞外マトリックスタンパク質モジュレータ;
・ステアロイルCoA不飽和化酵素-1阻害剤/脂肪酸胆汁酸コンジュゲート(FABAC);
・組換え線維芽細胞成長因子19(FGF-19)タンパク質、又はFGF-19タンパク質の機能的な操作変異体のような線維芽細胞成長因子19(FGF-19)受容体リガンド;
・線維芽細胞成長因子21(FGF-21)タンパク質、又はFGF-21タンパク質の機能的な操作変異体のような線維芽細胞成長因子21(FGF-21)受容体リガンド;
・ファルネソイドX受容体(FXR)アゴニスト;
・ガレクチン3阻害剤;
・グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)類似物;
・G-タンパク質共役型受容体(GPCR)モジュレータ;
・インテグリン阻害剤;
・ロイコトリエン(LT)/ホスホジエステラーゼ(PDE)/リポキシゲナーゼ(LO)阻害剤;
・マクロライド;
・miRNAアンタゴニスト;
・モノクローナル抗体
・mTORモジュレータ;
・核内受容体リガンド;
・P2Y13タンパク質アゴニスト;
・プロテアーゼ活性化受容体(PAR)-2アンタゴニスト;
・タンパク質キナーゼモジュレータ;
・PPARアルファアゴニスト;
・PPARガンマアゴニスト;
・PPARデルタアゴニスト;
・PPARアルファ/ガンマアゴニスト;
・PPARアルファ/デルタアゴニスト;
・PPARガンマ/デルタ;
・PPARアルファ/ガンマ/デルタアゴニスト又はPPAR汎アゴニスト;
・Rho関連タンパク質キナーゼ2(ROCK2)阻害剤;
・ナトリウム-グルコース輸送(SGLT)2阻害剤;
・シグナル調節キナーゼ1(ASK1)阻害剤;
・甲状腺ホルモン受容体β(THR β)アゴニスト;
・Toll様受容体4(TLR-4)アンタゴニスト;
・チロシンキナーゼ受容体(RTK)モジュレータ;
・血管接着タンパク質-1(VAP-1)阻害剤;並びに
・ビタミンD受容体(VDR)アゴニスト
から選択される。
【0017】
他の抗NASH剤は、KB-GE-001及びNGM-386及びNGM-395、NC-10及びTCM-606Fを含む。さらに抗NASH剤は、イコサブテート、NC-101、NAIA-101コレセベラム及びPRC-4016を含む。
【0018】
本発明の特定の実施形態において、成分(ii)は抗線維化剤である。本発明の実行に有用である例示的、非限定的抗線維化剤は:
・アデノシンA3受容体アゴニスト;
・アンジオテンシンII受容体遮断剤;
・形質転換成長因子ベータ2(TGF-β2)を標的にするアンチセンスオリゴヌクレオチド;
・生理活性脂質;
・カスパーゼ阻害剤;
・カンナビノイドCB2受容体模倣薬;
・デュアルファルネソイドX受容体(FXR)/TGR5アゴニスト;
・デュアルNOX1及び4阻害剤のような、NOX(NADPHオキシダーゼ)阻害剤;
・ガレクチン3阻害剤;
・ヘッジホッグ細胞シグナル伝達経路阻害剤
・免疫調節剤;
・インテグリン阻害剤;
・マクロファージマンノース受容体モジュレータ;
・メタロプロテアーゼ-9(MMP-9)刺激物質;
・モノクローナル抗体;
・NF-カッパB阻害剤;
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAID);
・PDGFRモジュレータ;
・PPARアルファアゴニスト;
・PPARガンマアゴニスト;
・PPARデルタアゴニスト;
・PPARアルファ/ガンマアゴニスト;
・PPARアルファ/デルタアゴニスト;
・PPARガンマ/デルタ;並びに
・PPARアルファ/ガンマ/デルタアゴニスト又はPPAR汎アゴニスト
を含む。
【0019】
さらなる特定の実施形態において、抗線維化剤は:
・形質転換成長因子ベータ2(TGF-β2)を標的にするアンチセンスオリゴヌクレオチド;
・生理活性脂質;
・カスパーゼ阻害剤;
・カンナビノイドCB2受容体模倣薬;
・デュアルファルネソイドX受容体(FXR)/TGR5アゴニスト;
・デュアルNOX1及び4阻害剤のような、NOX(NADPHオキシダーゼ)阻害剤;
・ガレクチン3阻害剤;
・免疫調節剤;
・インテグリン阻害剤;
・マクロファージマンノース受容体モジュレータ;
・メタロプロテアーゼ-9(MMP-9)刺激物質;
・モノクローナル抗体;
・NF-カッパB阻害剤;
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAID);
・PDGFRモジュレータ;
・PPARアルファアゴニスト;
・PPARガンマアゴニスト;
・PPARデルタアゴニスト;
・PPARアルファ/ガンマアゴニスト;
・PPARアルファ/デルタアゴニスト;
・PPARガンマ/デルタ;並びに
・PPARアルファ/ガンマ/デルタアゴニスト又はPPAR汎アゴニスト
からなる群から選択される。
【0020】
他の抗線維化剤は、HEC-585、INV-240、RNAi療法(サイレンス療法)及びSAMiRNAプログラム(Bioneer Corp)を含む。
【0021】
他の例示的抗線維化剤は、ピルフェニドン若しくはニンテダニブ、ソラフェニブ及び他のRTKIのような受容体チロシンキナーゼ阻害剤(RTKI)、又はアンジオテンシンII(AT1)受容体遮断剤、又はCTGF阻害剤、又はMMP2、MMP9、THBS1若しくは細胞表面インテグリンのような潜伏性TGFβ複合体の活性化剤、TGFβ受容体I型(TGFBRI)若しくはII型(TGFBRII)及びTGFβ、アクチビン、インヒビン、Nodal、抗ミューラー管ホルモン、GDF若しくはBMPのようなそのリガンド、補助共受容体(III型受容体としても知られる。)を含むTGFβ及びBMP活性化経路を妨害しやすい任意の抗線維化化合物、又は調節性若しくは阻害性SMADタンパク質を含むSMAD依存性キャノニカル経路の成分、又はMAPKシグナル伝達の種々の分岐、TAK1、Rho様GTPアーゼシグナル伝達経路、ホスファチジルイノシトール-3キナーゼ/AKT経路、TGFβ誘導EMTプロセスを含むSMAD非依存性若しくは非キャノニカル経路のメンバー、又はHhリガンド若しくは標的遺伝子を含むキャノニカル及び非キャノニカルヘッジホッグシグナル伝達経路、又はTGFβに影響を及ぼしやすいWNT若しくはNotch経路の任意のメンバーを含む。
【0022】
本発明の特定の実施形態において、成分(ii)は胆汁うっ滞抑制剤である。本発明の実行において有用である例示的非限定的胆汁うっ滞抑制剤は:
・頂端側ナトリウム共依存性胆汁酸輸送体阻害剤(ASBTi);
・胆汁酸;
・カテプシン阻害剤;
・CCRアンタゴニスト;
・CD40阻害剤;
・CD80阻害剤;
・デュアルNOX1及び4阻害剤のような、NOX(NADPHオキシダーゼ)阻害剤;
・ファルネソイドX受容体(FXR)アゴニスト;
・線維芽細胞成長因子(FGF)19リコンビナント;
・フラクタルカインリガンド阻害剤;
・回腸ナトリウム胆汁酸共輸送体阻害剤;
・モノクローナル抗体;
・PPARアルファアゴニスト;
・PPARガンマアゴニスト;
・PPARデルタアゴニスト;
・PPARアルファ/ガンマアゴニスト;
・PPARアルファ/デルタアゴニスト;
・PPARガンマ/デルタ;並びに
・PPARアルファ/ガンマ/デルタアゴニスト又はPPAR汎アゴニスト
を含む。
【0023】
特定の実施形態において、胆汁うっ滞抑制剤は:
・頂端側ナトリウム共依存性胆汁酸輸送体阻害剤(ASBTi);
・胆汁酸;
・カテプシン阻害剤;
・CCRアンタゴニスト;
・CD40阻害剤;
・CD80阻害剤;
・NOX(NADPHオキシダーゼ)阻害剤;
・ファルネソイドX受容体(FXR)アゴニスト;
・線維芽細胞成長因子(FGF)19リコンビナント;
・フラクタルカインリガンド阻害剤;
・回腸ナトリウム胆汁酸共輸送体阻害剤;
・モノクローナル抗体;
・PPARアルファアゴニスト;
・PPARガンマアゴニスト;
・PPARデルタアゴニスト;
・PPARアルファ/ガンマアゴニスト;
・PPARアルファ/デルタアゴニスト;
・PPARガンマ/デルタ;
・PPARアルファ/ガンマ/デルタアゴニスト又はPPAR汎アゴニスト
からなる群において選択される。
【0024】
例示的アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤は、GS-0976、ND-654、AC-8632、PF05221304、CP640186、ゲムカベン、MK-4074及びPF05175157を含むがこれらに限定されない。
【0025】
例示的アデノシンA3受容体アゴニストは、2-(1-ヘキシニル)-N-メチルアデノシン、ピクリデノソンCF-101(IB-MECA)、ナモデノソンCF-102、2-CI-IB-MECA、CP-532,903、イノシン、LUF-6000及びMRS-3558を含むがこれらに限定されない。
【0026】
例示的アルドステロンアンタゴニスト及びミネラルコルチコイド受容体アンタゴニストは、アパラレノン(Apararenone)(MT3995)、アミロライド、スピノロラクトン、エプレレノン、カンレノン及びカンレノ酸カリウム、プロゲステロン、ドロシピレノン、ゲストデン並びにベニジピンを含むがこれらに限定されない。
【0027】
例示的AMP活性化タンパク質キナーゼ刺激物質は、PXL-770、MB-11055 Debio-0930Bメトホルミン、CNX-012、O-304、マンギフェリンカルシウム塩、エルトロンボバク、カロツキシマブ及びイメグリミンを含むがこれらに限定されない。
【0028】
例示的アミリン受容体アゴニスト及びカルシトニン受容体アゴニストは、KBP-042及びKBP-089を含むがこれらに限定されない。
【0029】
例示的アンジオポエチン関連タンパク質-3阻害剤は、ARO-ANG3、IONIS-ANGGPTL3-LRx又はAKCEA-ANGPTL3LRx、エビナクマブ及びALN-ANGを含むがこれらに限定されない。
【0030】
本発明に従えば、本明細書で使用される用語「アンジオテンシン1型受容体アンタゴニスト」はイルベサルタンを含むがこれに限定されない。
【0031】
本発明に従えば、本明細書で使用される用語「抗LPS抗体」はIMM-124-Eを含むがこれに限定されない。
【0032】
形質転換成長因子ベータ2を標的にする例示的アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ASPH-0047、IMC-TR1及びISTH-0047を含むがこれらに限定されない。
【0033】
例示的頂端側ナトリウム共依存性胆汁酸輸送体阻害剤は、A-4250、ボリキシバット、マラリキシバット(以前はSHP-625)、GSK-2330672、エロビキシバット及びCJ-14199を含むがこれらに限定されない。
【0034】
例示的胆汁酸は、オベチコール酸(OCA)及びUDCA、ノルウルソデオキシコール酸及びウルソジオールを含むがこれらに限定されない。
【0035】
例示的生理活性脂質は、5-ヒドロキシエイコサペンタエン酸(15-HEPE、DS-102)を含むがこれに限定されない。
【0036】
さらなる特定の実施形態において、生理活性脂質は、25アラキドン酸、イコサペントエチルエステル、エイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸のような不飽和脂肪酸から選択してもよい。
【0037】
例示的カンナビノイドCB1受容体アンタゴニストは、ナマシズマブ、GRC-10801、MRI-1569、MRI-1867、DBPR-211、AM-6527:AM-6545、NESS-11-SM、CXB-029、GCC-2680、TM-38837、Org-50189、PF-514273、BMS-812204、ZYO-1、AZD-2207、AZD-1175、オテナバント、イビピナバント、スリナバント、リモナバント、ドリナバント、SLV-326、V-24343及びO-2093を含むがこれらに限定されない。
【0038】
例示的カンナビノイドCB2受容体模倣薬は、アナバサム(anabasum)(レスナブ(Resunab)、JKT-101)を含むがこれに限定されない。
【0039】
例示的カスパーゼ阻害剤は、エムリカサン、ベルナカサン、ニボカサン、IDN-7314、F-573、VX-166、YJP-60107、MX-1122、IDN-6734、TLC-144、SB-234470、IDN-1965、VX-799、SDZ-220-976及びL-709049を含むがこれらに限定されない。
【0040】
例示的カテプシン阻害剤は、VBY-376、VBY-825、VBY-036、VBY-129、VBY-285、Org-219517、LY3000328、RG-7236及びBF/PC-18を含むがこれらに限定されない。
【0041】
例示的CCRアンタゴニストは、セニクリビロクのようなCCR2/5アンタゴニスト;PG-092、RAP-310、INCB-10820、RAP-103、PF-04634817及びCCX-872を含むがこれらに限定されない。
【0042】
例示的CD40阻害剤は、FFp-104、xl-050、DOM-0800、XmAb-5485、KGYY-15、FFP-106、TDI-0028及びABI-793を含むがこれらに限定されない。
【0043】
例示的CD80阻害剤は、RhuDex、FPT-155、トレリマブ、ガリキシマブ、SCH-212394、IGM-001、ASP-2408及びSCH-204698を含むがこれらに限定されない。
【0044】
例示的CCR3ケモカインモジュレータ及びエオタキシン2リガンド阻害剤は、ベルチリムマブ、CM-101(ヒト化)、CM-102及びRNS-60を含むがこれらに限定されない。
【0045】
例示的ジアシルグリセロール-O-アシルトランスフェラーゼ阻害剤は、IONIS-DGAT2Rx(以前はISIS-DGAT2Rx)、LY-3202328、BH-03004、KR-69530、OT-13540、AZD-7687、PF-06865571、PF-06424439及びABT-046を含むがこれらに限定されない。
【0046】
例示的ジペンチジルペプチダーゼIV阻害剤は、エボグリプチン、ビルダグリプチン、フォタグリプチン、アログリプチン、サクサグリプチン、チログリプチン、アナグリプチン、シタグリプチン、レタグリプチン、メログリプチン、ゴソグリプチン、トレラグリプチン、テネリグリプチン、デュトグリプチン、リナグリプチン、ゲミグリプチン、ヨグリプチン、ベタグリプチン、イミグリプチン、オマリグリプチン、ビダグリプチン及びデナグリプチンを含むがこれらに限定されない。
【0047】
例示的脂肪酸シンターゼ(FAS)阻害剤は、TVB-2640;TVB-3664;TVB-3166、TVB-3150、TVB-3199、TVB-3693BZL-101、2-オクタデシン酸、MDX-2、Fasnall、MT-061、G28UCM、MG-28、HS-160、GSK-2194069、KD-023、シロスタゾールを含むがこれらに限定されない。
【0048】
特定の実施形態において、FAS阻害剤は、化合物の以下の一覧において選択される化合物である:
【0049】
【0050】
別の特定の実施形態において、FAS阻害剤は:
【0051】
【0052】
特定の実施形態において、FAS阻害剤はTVB-2640である。
【0053】
例示的デュアルファルネソイドX受容体(FXR)/TGR5アゴニストはINT-767を含むがこれに限定されない。
【0054】
例示的NOX(NADPHオキシダーゼ)阻害剤は、デュアルNOX1及び4阻害剤;GKT-831(2-(2-クロロフェニル)-4-[3-(ジメチルアミノ)フェニル]-5-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3,6(2H,5H)-ジオン)、(以前はGKT137831)、及びGKT-901を含むがこれらに限定されない。
【0055】
例示的細胞外マトリックスタンパク質モジュレータは、CNX-024、CNX-025及びSB-030を含むがこれらに限定されない。
【0056】
例示的ファルネソイドX受容体(FXR)アゴニストは、オベチコール酸(OCA)、GS-9674、LJN-452又はLJN452、LMB763、EDP-305、AKN-083、INT-767、GNF-5120、LY2562175、INV-33、NTX-023-1、EP-024297、Px-103及びSR-45023を含むがこれらに限定されない。
【0057】
例示的フラクタルカインリガンド阻害剤は、E-6011及びKAN-0440567を含むがこれらに限定されない。
【0058】
例示的線維芽細胞成長因子19(FGF-19)受容体リガンド、リコンビナント線維芽細胞成長因子19(FGF-19)タンパク質又はFGF-19の機能的な操作された変異体は、NGM-282を含むがこれに限定されない。
【0059】
例示的線維芽細胞成長因子21(FGF-21)受容体リガンド、線維芽細胞成長因子21(FGF-21)タンパク質は、PEG-FGF21(以前はBMS-986036)、YH-25348、BMS-986171、YH-25723、LY-3025876及びNNC-0194-0499を含むがこれらに限定されない。
【0060】
例示的ガレクチン3阻害剤は、GR-MD-02、TD-139、ANG-4021、ガレクチン-3C、LJPC-201、TFD-100、GR-MD-03、GR-MD-04、GM-MD-01、GM-CT-01、GM-CT-02、Gal-100及びGal-200を含むがこれらに限定されない。
【0061】
例示的グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)類似物は、セマグルチド、リラグルチド、エキセナチド、アルビグルチド、デュラグルチド、リキシセナチド、ロキセナチド、エフペグレナチド、タスポグルチド、MKC-253、DLP-205及びORMD-0901を含むがこれらに限定されない。
【0062】
例示的グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体アゴニストは、LY-3305677及びオキシントモジュリン長時間作用型を含むがこれらに限定されない。
【0063】
例示的G-タンパク質共役型受容体(GPCR)モジュレータは、CNX-023を含むがこれに限定されない。
【0064】
例示的G-タンパク質共役型受容体84アンタゴニスト(GPR84アンタゴニスト)、結合組織成長因子リガンド阻害剤及び遊離脂肪酸受容体1アゴニスト(FFAR1アゴニスト)は、PBI-4050、PBI-4265、PBI-4283及びPBI-4299を含むがこれらに限定されない。
【0065】
例示的ヘッジホッグ細胞シグナル伝達経路阻害剤は、ビスモデギブ、TAK-441、IPI-926、サリデギブ、ソニデジブ/エリスモデジブ、BMS-833923/XL139、PF-04449913、タラデギブ/LY2940680、ETS-2400、SHR-1539及びCUR61414を含むがこれらに限定されない。
【0066】
例示的回腸ナトリウム胆汁酸共輸送体阻害剤は、A-4250、GSK-2330672、ボリキシバット、CJ-14199及びエロビキシバットを含むがこれらに限定されない。
【0067】
例示的免疫調節剤は、PBI-4050、PBI-4265、PBI-4283、PBI-4299及びAIC-649を含むがこれらに限定されない。
【0068】
例示的インスリン感受性改善薬及びMCH受容体-1アンタゴニストは、MSDC-0602k、MSDC-0602、CSTI-100及びAMRIを含むがこれらに限定されない。
【0069】
例示的インテグリン阻害剤は、プリアント治療(Pliant Therapeutic)のインテグリン阻害剤、インダロ治療(Indalo Therapeutics)のインテグリン阻害剤、セントルイス大学のインテグリン阻害剤、ProAgio及びGSK-3008348を含むがこれらに限定されない。
【0070】
例示的ケトヘキソキナーゼ阻害剤は、JNJ-28165722;JNJ-42065426;JNJ-42152981;JNJ-42740815;JNJ-42740828及びPF-06835919を含むがこれらに限定されない。
【0071】
例示的ロイコトリエン/ホスホジエステラーゼ/リポキシゲナーゼ阻害剤は、タイペルカスト(以前はMN-001)、トメルカスト、スルカスト、マシルカスト、ザフィルルカスト、プランルカスト、モンテルカスト、ゲミルカスト、ベルルカスト、アクルカスト、ポビリカスト、シナルカスト及びイラルカストを含むがこれらに限定されない。
【0072】
例示的リジルオキシダーゼ相同体2阻害剤は、ラパポート、インターミューン、ファーマクシス、AB-0023、シンツズマブ、PXS-5382A及びPXS-5338を含むがこれらに限定されない。
【0073】
例示的マクロライドは、ソリスロマイシン、アジスロマイシン及びエリスロマイシンを含むがこれらに限定されない。
【0074】
例示的マクロファージマンノース受容体モジュレータは、AB-0023、MT-1001、[18F]FB18mHSA、Xemys、テクニチウムTc99mティルマノセプト及びCDX-1307を含むがこれらに限定されない。
【0075】
例示的メチルCpG結合タンパク質2モジュレータ及びトランスグルタミナーゼ阻害剤は、システアミン、ECシステアミン、腸溶性システアミン酒石酸水素塩、システアミン酒石酸水素塩(腸溶性)、Bennu、システアミン酒石酸水素塩(腸溶性)、Raptor、システアミン酒石酸水素塩、DRシステアミン、遅延放出腸溶性システアミン酒石酸水素塩、メルカプトアミン、メルカプトアミン(腸溶性)、Bennu、メルカプトアミン(腸溶性)、Raptor、RP-103、RP-104、PROCYSBI及びメルカプトアミン(腸溶性)を含むがこれらに限定されない。
【0076】
例示的miRNAアンタゴニストは、RG-125(以前はAZD4076)、RGLS-5040、RG-101、MGN-5804及びMRG-201を含むがこれらに限定されない。
【0077】
例示的メタロプロテアーゼ-9(MMP-9)刺激物質は、エラストミックスAbのMMP-9刺激物質を含むがこれらに限定されない。
【0078】
例示的ミトコンドリア輸送担体ファミリー阻害剤及びミトコンドリアリン酸輸送担体タンパク質阻害剤は、TRO-19622、Trophos、オレソキシム、RG-6083、又はRO-7090919を含むがこれらに限定されない。
【0079】
例示的ミエロペルオキシダーゼ阻害剤は、PF-06667272を含むがこれに限定されない。
【0080】
例示的モノクローナル抗体(mAb)は、ベルチリムマブ、NGM-313、IL-20ターゲティングmAb、フレソリムマブ(抗TGFβ、以前はGC1008)、チモルマブ(timolumab、以前はBTT-1023)、ナマシズマブ、オマリズマブ、ラニビズマブ、ベバシズマブ、レブリキズマブ、エプラツズマブ、フェルビズマブ、マツズマブ、モナリズマブ、レスリズマブ、フォラルマブ(NI-0401、抗-CD3)、LOXL2に対するシンツズマブ(GS-6624)mAb、ウステキヌマブ、抗TNF抗体及びイネビリズマブを含むがこれらに限定されない。
【0081】
例示的モノクローナル抗体は、抗IL20mAb、抗TGFβ抗体、抗CD3抗体、抗LOXL2抗体及び抗TNF抗体からなる群において選択される。
【0082】
例示的mTORモジュレータは、MSDC-0602及びSVP-シロリムスと同時に施されるAAV遺伝子療法を含むがこれらに限定されない。
【0083】
例示的NAD依存性脱アセチル化酵素サーチュイン刺激物質;PDE5阻害剤はNS-0200を含むがこれに限定されない。
【0084】
例示的NF-カッパB阻害剤は、LC-280126を含むがこれに限定されない。
【0085】
例示的ニコチン酸受容体(GPR109)アゴニストは、ARI-3037MO、MMF、LUF 6283、アシフラン、IBC 293、MK-1903、GSK256073、MK-6892、MK-0354、SLx-4090、ロミタピド、レキシブリン、アパベタロン、アシフラン、ラロピプラント、ダポリナド、アナセトラピブ、INCB-19602、ST-07-02、ロメフロキサシン、ナイアシン及び徐放化/ラロピプラントを含むがこれらに限定されない。
【0086】
例示的非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は、F-351、サリチル酸塩(アスピリン)、アセトアミノフェン、プロピオン酸誘導体(イブプロフェン、ナプロキセン)、酢酸誘導体(インドメタシン、ジクロフェナク)、エノール酸誘導体(ピロキシカム、フェニルブタゾン)、アントラニル酸誘導体(メクロフェナム酸(meclofenalmic acid)、フルフェナム酸)、選択的COX-2阻害剤(セレコキシブ、パレコキシブ)及びスルホンアニリド(ニメスリド)を含むがこれらに限定されない。
【0087】
例示的核内受容体リガンドは、DUR-928(以前はDV928)を含むがこれに限定されない。
【0088】
例示的P2Y13タンパク質アゴニストは、CER-209を含むがこれに限定されない。
【0089】
例示的PDGFRモジュレータは、BOT-501及びBOT-191を含むがこれらに限定されない。
【0090】
例示的フェニルアラニンヒドロキシラーゼ刺激物質は、ペグバリアーゼ、サプロプテリン、AAV-PAH、CDX-6114、セピアプテリン、RMN-168、ALTU-236、ETX-101、HepaStem、ロリプラム及びアルプロスタジルを含むがこれらに限定されない。
【0091】
例示的PPARアルファアゴニストは、フェノフィブラート、シプロフィブラート、ペマフィブラート、ゲムフィブロジル、クロフィブラート、ビニフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブリン酸、ニコフィブラート、ピリフィブラート、プラフィブリド、ロニフィブラート、テオフィブラート、トコフィブラート及びSR10171を含むがこれらに限定されない。
【0092】
例示的PPARガンマアゴニストは、ピオグリタゾン、重水素化ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、エファツタゾン、ATx08-001、OMS-405、CHS-131、THR-0921、SER-150-DN、KDT-501、GED-0507-34-Levo、CLC-3001及びALL-4を含むがこれらに限定されない。
【0093】
例示的PPARデルタアゴニストは、GW501516(エンドゥーラブル又は({4-[({4-メチル-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-5-イル}メチル)スルファニル]-2-メチルフェノキシ}酢酸))、MBX8025(セラデルパル又は{2-メチル-4-[5-メチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルメチルスルファニル]-フェノキシ}-酢酸)、GW0742([4-[[[2-[3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-メチル-5-チアゾリル]メチル]チオ]-2-メチルフェノキシ]酢酸)、L165041、HPP-593及びNCP-1046を含むがこれらに限定されない。
【0094】
例示的PPARアルファ/ガンマアゴニスト(グリタザールとも名付けられる)は、サログリタザール、アレグリタザル、ムラグリタザル、テサグリタザル及びDSP-8658を含むがこれらに限定されない。
【0095】
エラフィブラノールに加えて、例示的PPARアルファ/デルタアゴニストはT913659を含むがこれに限定されない。
【0096】
例示的PPARガンマ/デルタアゴニストは、共役リノール酸(CLA)及びT3D-959を含むがこれらに限定されない。
【0097】
例示的PPARアルファ/ガンマ/デルタアゴニスト又は「PPAR汎アゴニスト」は、IVA337(ラニフィブラノール(Lanifibranor))、TTA(テトラデシルチオ酢酸)、ババキニン、GW4148、GW9135、ベザフィブラート、ロベグリタゾン及びCS038を含むがこれらに限定されない。
【0098】
例示的プロテアーゼ活性化受容体(PAR)-2アンタゴニストは、PZ-235及びNP-003を含むがこれらに限定されない。
【0099】
例示的タンパク質キナーゼモジュレータは、CNX-014、MB-11055、ALF-1、マンギフェリン、アンレキサノクス、GS-444217、REG-101及びバリンを含むがこれらに限定されない。
【0100】
例示的Rho関連タンパク質キナーゼ2(ROCK2)阻害剤は、KD-025、TRX-101、BA-1049、LYC-53976、INS-117548及びRKI-1447を含むがこれらに限定されない。
【0101】
例示的シグナル調節キナーゼ1(ASK1)阻害剤は、セロンセルティブ(以前はGS-4997)を含むがこれに限定されない。
【0102】
例示的ナトリウム-グルコース輸送(SGLT)1阻害剤は、LX-4212/LX-4211/ソタグリフロジン、SAR-439954、LIK-066(リコグリフォジン)、LX-2761、GSK-161235、LP-925219、KGA-2727、SAR-7226、SAR-474832、SY-008及びAVX-3030を含むがこれに限定されない。
【0103】
例示的ナトリウム-グルコース輸送(SGLT)2阻害剤は、レモグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、エルトグリフロジン、ソタグリフロジン、イプラグリフロジン、チアナグリフロジン、カナグリフロジン、トホグリフロジン、ジャナグリフロジン、ベキサグリフロジン、ルセオグリフロジン、セルグリフロジン、HEC-44616、AST-1935及びPLD-101を含むがこれらに限定されない。
【0104】
例示的ステアロイルCoA不飽和化酵素-1阻害剤/脂肪酸胆汁酸コンジュゲートは、アラムコール、GRC-9332、ステアムコール、TSN-2998、GSK-1940029及びXEN-801を含むがこれらに限定されない。
【0105】
例示的甲状腺ホルモン受容体β(THR β)アゴニストは、VK-2809、MGL-3196、MGL-3745、SKL-14763、ソベチロム、BCT-304、ZYT-1、MB-07811及びエプロチロームを含むがこれらに限定されない。
【0106】
例示的Toll様受容体2(TLR-2)アンタゴニストは、VB-201としても知られるCI-201を含むがこれに限定されない。
【0107】
例示的Toll様受容体4(TLR-4)アンタゴニストは、ナルトレキソン、ナルメフェンとしても知られるJKB-121、M-62812、レサトルビド、デンドロフィリン、CS-4771、AyuV-1、AyuV-25、NI-0101、EDA-HPVE7及びエリトランを含むがこれらに限定されない。
【0108】
例示的I型ナチュラルキラーT細胞阻害剤はGRI-0621を含むがこれに限定されない。
【0109】
例示的受容体チロシンキナーゼ(RTK)モジュレータは、CNX-025、KBP-7018、ニンテダニブ及びソラフェニブを含むがこれらに限定されない。
【0110】
例示的尿酸陰イオン交換体1阻害剤及びキサンチンオキシダーゼ阻害剤は、レシヌラド、RLBN-1001、ベニヌラド、KUX-1151及びレシヌラド+アロプリノールを含むがこれらに限定されない。
【0111】
例示的血管接着タンパク質-1(VAP-1)阻害剤は銅含有アミンオキシダーゼ2(AOC3)とも名付けられるが、BI-1467335以前はPXS-4728A、CP-664511、PRX-167700、ASP-8232、RTU-1096、RTU-007及びBTT-1023を含むがこれらに限定されない。
【0112】
例示的ビタミンD受容体(VDR)アゴニストは、カルシフェロール、アルファカルシドール、1,25-ジヒドロキビタミンD3、ビタミンD2、ビタミンD3、カルシトリオール、ビタミンD4、ビタミンD5、ジヒドロタキステロール、カルシポトリオール、タカルシトール1,24-ジヒドロキビタミンD3及びパリカルシトールを含むがこれらに限定されない。
【0113】
本発明に従えば、用語「PPARアゴニスト」とは、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体アゴニストのことであり、これは脂質及びグルコース恒常性に中心的な役割をはたしているクラスの薬物である。PPARαは主に脂肪酸代謝に影響を与え、その活性化は脂質レベルを低下させるが、PPARγは大部分が脂肪生成、エネルギー収支及び脂質生合成の調節に関与している。PPARδは、大部分が骨格筋及び心筋において脂肪酸酸化に関与しているが、血糖値及び血中コレステロール値も調節している。
【0114】
さらに詳細な実施形態において、式(I)の化合物はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩である。
【0115】
本発明の組合せ物の特定の実施形態において、
・成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、
・成分(ii)は、GKT-831、アラムコール、SHP-625、エムリカサン、サログリタザール、IMM-124-E、GS-9674、NGM-282、A-4250、GR-MD-02、GS-4997、F-351、ソリスロマイシン、レモグリフロジン、BTT-1023、IVA-337(ラニフィブラノール)、JKB-121(ナルメフェン)、KD-025、MSDC-0602又はMSDC-0602k、PBI-4050、PEG-FGF21、チペルカスト、VK-2809、MGL-3196、GS-0976、RG-125、ボリキシバット、ピオグリタゾン、セマグルチド、GSK2330672、MBX-8025、CP-640186、セロンセルチブ、GKT-831、PXS-4728A、ビスモデギブ、CF-102(ナモデノソン)、MT-3995(アパラレノン)、イコサペントエチルエステル、KD-025、DUR-928及びゲムカベン、特に、セロンセルチブ、GKT-831、PXS-4728A、アラムコール、PBI-4050、MSDC-0602k、VK-2809、MGL-3196、ビスモデギブ、CF-102(ナモデノソン)、MT-3995(アパラレノン)、JKB-121(ナルメフェン)、エムリカサン、KD-025及びDUR-928から選択される。
【0116】
本発明の組合せ物の特定の実施形態において、
・成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、
・成分(ii)は、GKT-831、アラムコール、SHP-625、エムリカサン、サログリタザール、IMM-124-E、GS-9674、NGM-282、A-4250、GR-MD-02、GS-4997、LJN-452、F-351、ソリスロマイシン、レモグリフロジン、BTT-1023、IVA-337(ラニフィブラノール)、JKB-121、KD-025、MSDC-0602、PBI-4050、PEG-FGF21、チペルカスト、VK-2809、MGL-3196、GS-0976、ペンタサ、RG-125、ボリキシバット、ピオグリタゾン、ウルソデオキシコール酸、セマグルチド、GSK2330672及びMBX-8025から、特に、アラムコール、SHP-625、エムリカサン、サログリタザール、IMM-124-E、GS-9674、NGM-282、A-4250、GR-MD-02、GS-4997、LJN-452、F-351、ソリスロマイシン、レモグリフロジン、BTT-1023、IVA-337(ラニフィブラノール)、JKB-121、KD-025、MSDC-0602、PBI-4050、PEG-FGF21、チペルカスト、VK-2809、MGL-3196、GS-0976、RG-125、ボリキシバット、ピオグリタゾン、ウルソデオキシコール酸、セマグルチド、GSK2330672及びMBX-8025から選択される。
【0117】
本発明の組合せ物の特定の実施形態において、
・成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、
・成分(ii)は、GKT-831、アラムコール、SHP-625、エムリカサン、サログリタザール、IMM-124-E、GS-9674、NGM-282、A-4250、GR-MD-02、GS-4997、F-351、ソリスロマイシン、レモグリフロジン、BTT-1023、IVA-337(ラニフィブラノール)、JKB-121、KD-025、MSDC-0602、PBI-4050、PEG-FGF21、チペルカスト、VK-2809、MGL-3196、GS-0976、ペンタサ、RG-125、ボリキシバット、ピオグリタゾン、セマグルチド、GSK2330672及びMBX-8025から選択される。
【0118】
特定の実施形態において、組合せ物は、ELAとGKT-831、ELAとセロンセルチブ、ELAとGS-0976又はELAとペンタサの組合せである。
【0119】
特定の実施形態において、組合せ物は、ELAとGS-0976、ELAとCP-640186、ELAとセロンセルチブ、ELAとGKT-831(以前はGKT137831)、ELAとBI-1467335/PXS-4728A、ELAとアラムコール、ELAとPBI-4050、ELAとMSDC-0602k、ELAとVK-2809、ELAとMGL-3196、ELAとビスモデギブ、ELAとCF-102(ナモデノソン)、ELAとMT-3995(アパラレノン)、ELAとJKB-121(ナルメフェン)、ELAとエムリカサン、ELAとKD-025、ELAとDUR-928又はELAとゲムカベンの組合せである。
【0120】
特定の実施形態において、組合せ物は、ELAとセロンセルチブ、ELAとGKT-831(以前はGKT137831)、ELAとBI-1467335/PXS-4728A、ELAとアラムコール、ELAとPBI-4050、ELAとMSDC-0602k、ELAとVK-2809、ELAとMGL-3196、ELAとビスモデギブ、ELAとCF-102(ナモデノソン)、ELAとMT-3995(アパラレノン)、ELAとJKB-121(ナルメフェン)、ELAとエムリカサン、ELAとKD-025及びELAとDUR-928の組合せである。
【0121】
本実施形態のさらなる特定の変種では、成分(ii)はOCAでもCVCでもない。
【0122】
特定の実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)は、ACC阻害剤、ASK1阻害剤、デュアルNOX1及びNOX4阻害剤、VAP-1阻害剤、ステアロイルCoA不飽和化酵素-1阻害剤/脂肪酸胆汁酸コンジュゲート、GPR84アンタゴニスト/FFAR1アゴニスト又は免疫モジュレータ、mTORモジュレータ又はインスリン感受性改善薬、THRβアゴニスト、ヘッジホッグ細胞シグナル伝達経路阻害剤、アデノシンA3受容体アゴニスト、アルドステロン受容体アンタゴニスト、TLR-4アンタゴニスト、カスパーゼ阻害剤、ROCK2阻害剤及び核内受容体リガンドから選択される。
【0123】
特定の実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)は、ACC阻害剤(特に、GS-0976又はCP-640186又はゲムカベン)、ASK1阻害剤(特に、セロンセルチブ)、デュアルNOX1及びNOX4阻害剤(特に、GKT-831、以前はGKT137831)、VAP-1阻害剤(特に、BI-1467335/PXS-4728A)、ステアロイルCoA不飽和化酵素-1阻害剤/脂肪酸胆汁酸コンジュゲート(特に、アラムコール)、GPR84アンタゴニスト/FFAR1アゴニスト又は免疫モジュレータ(特に、PBI-4050)、mTORモジュレータ又はインスリン感受性改善薬(特に、MSDC-0602k)、THRβアゴニスト(特に、VK-2809又はMGL-3196)、ヘッジホッグ細胞シグナル伝達経路阻害剤(特に、ビスモデギブ)、アデノシンA3受容体アゴニスト(特に、CF-102(ナモデノソン))、アルドステロン受容体アンタゴニスト(特に、MT-3995(アパラレノン))、TLR-4アンタゴニスト(特に、JKB-121(ナルメフェン))、カスパーゼ阻害剤(特に、エムリカサン)、ROCK2阻害剤(特に、KD-025)及び核内受容体リガンド(特に、DUR-928)である。
【0124】
特定の実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)は、ASK1阻害剤、デュアルNOX1及びNOX4阻害剤、VAP-1阻害剤、ステアロイルCoA不飽和化酵素-1阻害剤/脂肪酸胆汁酸コンジュゲート、GPR84アンタゴニスト/FFAR1アゴニスト又は免疫モジュレータ、mTORモジュレータ又はインスリン感受性改善薬、THRβアゴニスト、ヘッジホッグ細胞シグナル伝達経路阻害剤、アデノシンA3受容体アゴニスト、アルドステロン受容体アンタゴニスト、TLR-4アンタゴニスト、カスパーゼ阻害剤、ROCK2阻害剤及び核内受容体リガンドである。
【0125】
特定の実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)は、ASK1阻害剤(特に、セロンセルチブ)、デュアルNOX1及びNOX4阻害剤(特に、GKT-831、以前はGKT137831)、VAP-1阻害剤(特に、BI-1467335/PXS-4728A)、ステアロイルCoA不飽和化酵素-1阻害剤/脂肪酸胆汁酸コンジュゲート(特に、アラムコール)、GPR84アンタゴニスト/FFAR1アゴニスト又は免疫モジュレータ(特に、PBI-4050)、mTORモジュレータ又はインスリン感受性改善薬(特に、MSDC-0602k)、THRβアゴニスト(特に、VK-2809又はMGL-3196)、ヘッジホッグ細胞シグナル伝達経路阻害剤(特に、ビスモデギブ)、アデノシンA3受容体アゴニスト(特に、CF-102(ナモデノソン))、アルドステロン受容体アンタゴニスト(特に、MT-3995(アパラレノン))、TLR-4アンタゴニスト(特に、JKB-121(ナルメフェン))、カスパーゼ阻害剤(特に、エムリカサン)、ROCK2阻害剤(特に、KD-025)及び核内受容体リガンド(特に、DUR-928)である。
【0126】
特定の実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)はACC阻害剤である。
【0127】
さらに詳細な実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)は、GS-0976、CP-640186又はゲムカベンである。
【0128】
さらに詳細な実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)はGS-0976である。
【0129】
さらに詳細な実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)はCP-640186である。
【0130】
さらに詳細な実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)はゲムカベンである。
【0131】
特定の実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)はASK1阻害剤である。
【0132】
さらに詳細な実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)はセロンセルチブである。
【0133】
特定の実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)は、デュアルNOX1及びNOX4阻害剤である。
【0134】
さらに詳細な実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)はGKT-831である。
【0135】
特定の実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)はVAP-1阻害剤である。
【0136】
さらに詳細な実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)は、BI-1467335/PXS-4728Aである。
【0137】
特定の実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)は、ステアロイルCoA不飽和化酵素-1阻害剤/脂肪酸胆汁酸コンジュゲートである。
【0138】
さらに詳細な実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)はアラムコールである。
【0139】
特定の実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)は、GPR84アンタゴニスト/FFAR1アゴニストである。
【0140】
さらに詳細な実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)はPBI-4050である。
【0141】
特定の実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)は、mTORモジュレータ又はインスリン感受性改善薬である。
【0142】
さらに詳細な実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)は、特にMSDC-0602kである。
【0143】
特定の実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)はTHRβアゴニストである。
【0144】
さらに詳細な実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)は、VK-2809又はMGL-3196である。
【0145】
さらに詳細な実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)はVK-2809である。
【0146】
さらに詳細な実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)はMGL-3196である。
【0147】
特定の実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)は、ヘッジホッグ細胞シグナル伝達経路阻害剤である。
【0148】
さらに詳細な実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)はビスモデギブである。
【0149】
特定の実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)はアデノシンA3受容体アゴニストである。
【0150】
さらに詳細な実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)はCF-102(ナモデノソン)である。
【0151】
特定の実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)はアルドステロン受容体アンタゴニストである。
【0152】
さらに詳細な実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)はMT-3995(アパラレノン)である。
【0153】
特定の実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)はTLR-4アンタゴニストである。
【0154】
さらに詳細な実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)はJKB-121(ナルメフェン)である。
【0155】
特定の実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)は核内受容体リガンドである。
【0156】
さらに詳細な実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)はエムリカサンである。
【0157】
特定の実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)はROCK2阻害剤である。
【0158】
さらに詳細な実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)はKD-025である。
【0159】
特定の実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)は核内受容体リガンドである。
【0160】
特定の実施形態において、成分(i)はエラフィブラノール又はその薬学的に許容される塩であり、成分(ii)はDUR-928である。
【0161】
特定の実施形態において、本発明の組合せ物は、JAK/STAT阻害剤並びに他の抗炎症剤及び/又は免疫抑制剤から選択される少なくとも1つの他の治療活性剤をさらに含む。
【0162】
例示的抗炎症及び/又は免疫抑制剤は、グルココルチコイド、NSAIDS、シクロホスファミド、ニトロソ尿素、葉酸類似物、プリン類似物、ピリミジン類似物、メトトレキサート、アザチオプリン、メルカプトプリン、シクロスポリン、ミリオシン、タクロリムス、シロリムス、ミコフェノール酸誘導体、フィンゴリモド及び他のスフィンゴシン-1-リン酸受容体モジュレータ、炎症性サイトカイン及び炎症性サイトカイン受容体、T細胞受容体及びインテグリンのような標的に対するモノクローナル及び/又はポリクローナル抗体を含む。
【0163】
別の特定の実施形態において、本発明の組合せは、ピルフェニドン若しくはニンテダニブ、ソラフェニブ及び他のRTKIのような受容体チロシンキナーゼ阻害剤(RTKI)、又はアンジオテンシンII(AT1)受容体遮断剤、又はCTGF阻害剤、又はMMP2、MMP9、THBS1若しくは細胞表面インテグリンのような潜伏性TGFβ複合体の活性化剤、TGFβ受容体I型(TGFBRI)若しくはII型(TGFBRII)及びTGFβ、アクチビン、インヒビン、Nodal、抗ミューラー管ホルモン、GDF若しくはBMPのようなそのリガンド、補助共受容体(III型受容体としても知られる。)を含むTGFβ及びBMP活性化経路を妨害しやすい任意の抗線維化化合物、又は調節性若しくは阻害性SMADタンパク質を含むSMAD依存性キャノニカル経路の成分、又はMAPKシグナル伝達の種々の分岐、TAK1、Rho様GTPアーゼシグナル伝達経路、ホスファチジルイノシトール-3キナーゼ/AKT経路、TGFβ誘導EMTプロセスを含むSMAD非依存性若しくは非キャノニカル経路のメンバー、又はHhリガンド若しくは標的遺伝子を含むキャノニカル及び非キャノニカルヘッジホッグシグナル伝達経路、又はTGFβシグナル伝達に影響を及ぼしやすいWNT若しくはNotch経路の任意のメンバーのような、既知の抗線維化活性を有する少なくとも1つの治療活性剤をさらに含んでいてもよい。
【0164】
本発明の特定の実施形態において、他の治療活性剤はPPARアゴニストである。
【0165】
別の特定の実施形態において、PPARアゴニストは、PPARアルファアゴニスト、PPARガンマアゴニスト、PPARデルタアゴニスト、PPARアルファ/ガンマデュアルアゴニスト、PPARアルファ/デルタデュアルアゴニスト、PPARガンマ/デルタデュアルアゴニスト、又はPPARアルファ/ガンマ/デルタ汎アゴニストである。
【0166】
特定の実施形態において、他の治療活性剤は:
・少なくとも1つのPPAR-アルファアゴニスト;
・少なくとも1つのPPAR-ガンマアゴニスト;
・少なくとも1つのPPAR-デルタアゴニスト;
・少なくとも1つのPPAR-アルファ/デルタデュアルアゴニスト;
・少なくとも1つのPPAR-アルファアゴニスト及び少なくとも1つのPPAR-デルタアゴニスト;
・少なくとも1つのPPAR-アルファ/ガンマデュアルアゴニスト;
・少なくとも1つのPPAR-アルファアゴニスト及び少なくとも1つのPPAR-ガンマアゴニスト;
・少なくとも1つのPPAR-ガンマ/デルタデュアルアゴニスト;
・少なくとも1つのPPAR-ガンマアゴニスト及び少なくとも1つのPPAR-デルタアゴニスト;
・少なくとも1つのPPAR-アルファ/ガンマ/デルタ汎アゴニスト;並びに
・少なくとも1つのPPAR-アルファアゴニスト、少なくとも1つのPPAR-ガンマアゴニスト及び少なくとも1つのPPAR-デルタアゴニスト
である。
【0167】
特定の実施形態では、本発明の組合せ物は、上記の成分(i)及び(ii)並びに薬学的に許容される担体を含む組成物である。
【0168】
特定の実施形態では、組合せ物は、連続、分離又は同時使用のための上記の成分(i)及び(ii)を含むキットオブパーツである。
【0169】
さらなる実施形態では、成分(i)及び(ii)は、持効性及び/又は徐放性放出のために、注射可能な懸濁液、ジェル、オイル、ピル、錠剤、坐薬、粉末、カプセル、エアロゾル、軟膏、クリーム、パッチ、又はガレヌス形態の手段で製剤化される。
【0170】
本発明は、医薬として使用するための本発明にによる組合せ物にも関する。
【0171】
本発明は、疾患の治療のための方法において使用するための、本明細書に開示される組合せ物にも関する。別の実施形態において、本発明は、疾患の治療のための方法であって、これを必要とする対象に本明細書で開示される治療有効量の組合せ物を投与することを含む方法に関する。別の実施形態において、疾患の治療用の医薬の製造のための本発明に従った組合せ物の使用が提供される。
【0172】
特に、本発明の組合せ物は、免疫、炎症性、代謝性、線維性及び胆汁うっ滞性疾患のような疾患の治療に有用である。特定の実施形態において、疾患は、代謝性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、薬剤誘発性肝疾患、アルコール誘発性肝疾患、感染病原体誘発性肝疾患、炎症性肝疾患、免疫系機能障害媒介肝疾患、脂質異常症、循環器疾患、再狭窄、シンドロームX、メタボリックシンドローム、糖尿病、肥満、高血圧、原発性硬化性胆管症(PSC)、原発性胆汁性胆管炎(PBC)のような慢性胆管症、胆道閉鎖、進行性家族性胆内胆汁うっ滞症3型(PFIC3)、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、ケロイド、陳旧性心筋梗塞、強皮症/全身性硬化症、炎症性疾患、神経変性疾患、がん、肝臓がん、肝細胞癌、胃腸がん、胃がん、神経線維腫症に伴う髄膜腫、膵内分泌腫瘍、膵外分泌腫瘍、白血病、骨髄増殖性/骨髄異形成(myelodisplastic)疾患、肥満細胞症、皮膚線維肉腫、乳がん、肺がん、甲状腺がん又は結腸直腸がんを含む固形腫瘍、前立腺がん、任意の起源の肝線維症又は硬変症、代謝性疾患誘発性肝線維症又は硬変症、NAFLD誘発性線維症又は硬変症、NASH誘発性線維症又は硬変症、アルコール誘発性肝線維症又は硬変症、薬剤誘発性肝線維症又は硬変症、感染病原体誘発性肝線維症又は硬変症、寄生虫感染による肝線維症又は硬変症、細菌感染による肝線維症又は硬変症、ウイルス感染による線維症又は硬変症、HBV感染による肝線維症又は硬変症、HCV感染による肝線維症又は硬変症、HIV感染による肝線維症又は硬変症、HCV及びHIVの重複感染による肝線維症又は硬変症、放射線又は化学療法誘発性線維症又は硬変症、胆道線維症、任意の慢性胆汁うっ滞性疾患による肝線維症又は硬変症、任意の病因の腸線維症、クローン病誘発性線維症、潰瘍性大腸炎誘発性線維症、腸(例えば、小腸)線維症、結腸線維症、胃線維症、皮膚線維症、表皮線維症、内皮線維症、強皮症/全身性硬化症による皮膚線維症、肺線維症、COPD、喘息、肺気腫、喫煙者の肺、結核のような慢性炎症性気道疾患につながる肺線維症、肺性線維症、特発性肺性線維症(IPF)、心臓線維症、腎線維症、腎性全身性線維症、筋線維症、軟部組織(例えば、縦隔又は後腹膜)線維症、骨髄線維症、関節線維症(joint fibrosis)、腱線維症、軟骨線維症、膵臓線維症、子宮線維症、神経系線維症、精巣線維症、卵巣線維症、副腎線維症、動脈線維症、静脈線維症、眼線維症、心内膜心筋線維症、縦隔線維症、骨髄線維症、後腹膜線維症、進行性塊状線維症(炭鉱夫塵肺の合併症)、増殖性線維症、腫瘍性線維形成、着床前後線維症及び石綿症、関節線維化(arthrofibrosis)、癒着性関節包炎からなる群において選択される。
【0173】
極めて好ましい実施形態において、疾患は、代謝性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、薬剤誘発性肝疾患、アルコール誘発性肝疾患、感染病原体誘発性肝疾患、炎症性肝疾患、免疫系機能障害媒介肝疾患、脂質異常症、循環器疾患、再狭窄、シンドロームX、メタボリックシンドローム、糖尿病、肥満、高血圧、原発性硬化性胆管症(PSC)、原発性胆汁性胆管炎(PBC)のような慢性胆管症、胆道閉鎖、進行性家族性胆内胆汁うっ滞症3型(PFIC3)、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、肝臓がん、肝細胞癌、胃腸がん、胃がん、結腸直腸がん、代謝性疾患誘発性肝線維症又は硬変症、NAFLD誘発性線維症又は硬変症、NASH誘発性線維症又は硬変症、アルコール誘発性肝線維症又は硬変症、薬剤誘発性肝線維症又は硬変症、感染病原体誘発性肝線維症又は硬変症、寄生虫感染による肝線維症又は硬変症、細菌感染による肝線維症又は硬変症、ウイルス感染による線維症又は硬変症、HBV感染による肝線維症又は硬変症、HCV感染による肝線維症又は硬変症、HIV感染による肝線維症又は硬変症、HCV及びHIVの重複感染による肝線維症又は硬変症、放射線又は化学療法誘発性線維症又は硬変症、胆道線維症、任意の慢性胆汁うっ滞性疾患による肝線維症又は硬変症、任意の病因の腸線維症、クローン病誘発性線維症、潰瘍性大腸炎誘発性線維症、腸(例えば、小腸)線維症、結腸線維症、胃線維症、肺線維症、COPD、喘息、肺気腫、喫煙者の肺、結核のような慢性炎症性気道疾患につながる肺線維症、肺性線維症、特発性肺性線維症(IPF)からなる群において選択される。
【0174】
さらなる態様では、本発明はコラーゲン線維の産生の原因であるか、及び/又は細胞外マトリックスの産生の原因である線維芽細胞の増殖及び/又は活性化の阻害において使用するための本発明の組合せに関する。
【0175】
本発明に従えば、用語「自己免疫疾患」は、身体中に通常存在する物質及び組織に対する身体の異常な免疫応答から生じる状態を名付けるのに使用される。疾患はある特定の器官(例えば、I型糖尿病又は自己免疫性甲状腺炎において)に制限されるか、又は異なる場所での特定の組織(例えば、グッドパスチャー病、肺及び腎臓での基底膜の疾患において)に関連してもよい。
【0176】
用語「炎症」は、細胞/組織損傷の原因はもちろん最初の損傷から生じる壊死性細胞/組織も取り除いて、修復過程を開始するのに役立つ可能性がある宿主細胞、血管及びタンパク質並びに他のメディエーターが関わる防御応答から生じる状態を名付けるのに使用される。炎症反応は、疼痛、熱、発赤、膨潤、血管膨張、血流増加及び機能喪失により現れることがある。
【0177】
本発明によれば、用語「線維症」、「線維性疾患」、「線維性障害」及びその語形変化は、器官又は組織における線維性結合組織の過剰な沈着という病態を意味する。より具体的には、線維症は病理過程であり、これには組織損傷に対する応答としての、遷延性線維性傷跡形成及び結合組織による細胞外マトリックスの過剰産生が含まれる。生理的には、結合組織の沈着は、根底にある器官又は組織の構造及び機能を全滅させることが可能である。
【0178】
本発明に従えば、線維症又は線維性障害はいかなる器官又は組織線維症にも関連していてよい。特定の器官線維症の例示的、非限定的例は、肝臓、腸、腎臓、皮膚、表皮、内皮、筋肉、腱、軟骨、心臓、膵臓、肺、子宮、神経系、精巣、陰茎、卵巣、副腎、動脈、静脈、結腸、腸(例えば、小腸)、胆道、軟部組織(例えば、縦隔又は後腹膜)、骨髄、関節又は胃線維症、特に、肝臓、腎臓、皮膚、表皮、内皮、筋肉、腱、軟骨、心臓、膵臓、肺、子宮、神経系、精巣、卵巣、副腎、動脈、静脈、結腸、腸(例えば、小腸)、胆道、軟部組織(例えば、縦隔又は後腹膜)、骨髄、関節、目又は胃線維症を含む。
【0179】
本発明によれば、用語「胆汁うっ滞」、又は「胆汁うっ滞性疾患」、又は「胆汁うっ滞性障害」及びその語形変化は、肝細胞による分泌障害、又は肝内-若しくは肝外胆管を通る胆汁流の閉塞により胆汁流が減少することをもって定義される病態を意味する。したがって、胆汁うっ滞の臨床定義は、正常ならば胆汁に排泄される物質が保持される任意の状態である。
【0180】
特定の実施形態では、線維性障害は、肝臓、腸、肺、心臓、腎臓、筋肉、皮膚、軟部組織(例えば、縦隔又は後腹膜)、骨髄、腸、及び関節(例えば、膝、肩又は他の関節)線維症からなる群において選択される。
【0181】
好ましい実施形態では、線維性障害は、肝臓、肺、皮膚、腎臓及び腸線維症からなる群において選択される。
【0182】
本発明のさらに好ましい実施形態では、治療された線維性障害は、線維性障害の以下の包括的ではない一覧:非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肺性線維症、特発性肺性線維症、皮膚線維症、眼線維症(水晶体嚢線維症のような)、心内膜心筋線維症、縦隔線維症、骨髄線維症、後腹膜線維症、進行性塊状線維症(炭鉱夫塵肺の合併症)、増殖性線維症、腫瘍性線維形成、慢性炎症性気道疾患(COPD、喘息、肺気腫、喫煙者の肺、結核)につながる肺線維症、アルコール又は薬剤誘発性肝線維症、肝硬変症、感染による肝線維症、放射線又は化学療法誘発性線維症、腎性全身性線維症、クローン病、潰瘍性大腸炎、ケロイド、陳旧性心筋梗塞、強皮症/全身性硬化症、関節線維化、癒着性関節包炎のいくつかの形態、原発性硬化性胆管症(PSC)及び原発性胆汁性胆管炎(PBC)のような慢性線維化胆管症、胆道閉鎖、進行性家族性胆内胆汁うっ滞症3型(PFIC3)、着床前後線維症並びに石綿症からなる群において選択される。
【0183】
胆汁うっ滞は、肝細胞による分泌障害(肝細胞性胆汁うっ滞)又は肝内若しくは肝外胆管を通じた胆汁流の閉塞(閉塞性胆汁うっ滞)に起因する胆汁流の減少と定義される。診療では、胆汁うっ滞は、肝臓からの胆汁の流れが遅くなるか、又は遮断される任意の状態である。本発明の特定の実施形態に従えば、胆汁うっ滞性疾患は、原発性胆汁性胆管炎(PBC)、原発性硬化性胆管症(PSC)、妊娠性肝内胆汁うっ滞、進行性家族性胆内胆汁うっ滞、胆道閉鎖、胆石症、感染性胆管炎、ランゲルハンス細胞組織球症に伴う胆管症、アラジール症候群、非症候性管欠乏(Nonsyndromic ductal paucity)、薬剤誘発性胆汁うっ滞及び完全非経口栄養関連胆汁うっ滞(Total parental nutrition-associated cholestasis)からなる群において選択される。好ましい実施形態では、胆汁うっ滞性疾患は、PBC又はPSC、特にPBCである。
【0184】
炎症性疾患、線維性疾患、代謝性疾患及び胆汁うっ滞性疾患の例は、代謝性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、薬剤誘発性肝疾患、アルコール誘発性肝疾患、感染病原体誘発性肝疾患、炎症性肝疾患、免疫系機能障害媒介肝疾患、脂質異常症、循環器疾患、再狭窄、シンドロームX、メタボリックシンドローム、糖尿病、肥満、高血圧、原発性硬化性胆管症(PSC)、原発性胆汁性胆管炎(PBC)のような慢性胆管症、胆道閉鎖、進行性家族性胆内胆汁うっ滞症3型(PFIC3)、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、ケロイド、陳旧性心筋梗塞、強皮症/全身性硬化症、炎症性疾患、神経変性疾患、がん、肝臓がん、肝細胞癌、胃腸がん、胃がん、神経線維腫症に伴う髄膜腫、膵内分泌腫瘍、膵外分泌腫瘍、白血病、骨髄増殖性/骨髄異形成疾患、肥満細胞症、皮膚線維肉腫、乳がん、肺がん、甲状腺がん又は結腸直腸がんを含む固形腫瘍、前立腺がん、任意の起源の肝線維症又は硬変症、代謝性疾患誘発性肝線維症又は硬変症、NAFLD誘発性線維症又は硬変症、NASH誘発性線維症又は硬変症、アルコール誘発性肝線維症又は硬変症、薬剤誘発性肝線維症又は硬変症、感染病原体誘発性肝線維症又は硬変症、寄生虫感染による肝線維症又は硬変症、細菌感染による肝線維症又は硬変症、ウイルス感染による線維症又は硬変症、HBV感染による肝線維症又は硬変症、HCV感染による肝線維症又は硬変症、HIV感染による肝線維症又は硬変症、HCV及びHIVの重複感染による肝線維症又は硬変症、放射線又は化学療法誘発性線維症又は硬変症、胆道線維症、任意の慢性胆汁うっ滞性疾患による肝線維症又は硬変症、任意の病因の腸線維症、クローン病誘発性線維症、潰瘍性大腸炎誘発性線維症、腸(例えば、小腸)線維症、結腸線維症、胃線維症、皮膚線維症、表皮線維症、内皮線維症、強皮症/全身性硬化症による皮膚線維症、肺線維症、COPD、喘息、肺気腫、喫煙者の肺、結核のような慢性炎症性気道疾患につながる肺線維症、肺性線維症、特発性肺性線維症(IPF)、心臓線維症、腎線維症、腎性全身性線維症、筋線維症、軟部組織(例えば、縦隔又は後腹膜)線維症、骨髄線維症、関節線維症(joint fibrosis)、腱線維症、軟骨線維症、膵臓線維症、子宮線維症、神経系線維症、精巣線維症、卵巣線維症、副腎線維症、動脈線維症、静脈線維症、眼線維症、心内膜心筋線維症、縦隔線維症、骨髄線維症、後腹膜線維症、進行性塊状線維症(炭鉱夫塵肺の合併症)、増殖性線維症、腫瘍性線維形成、着床前後線維症及び石綿症、関節線維化、癒着性関節包炎を含む。
【0185】
好ましくは、疾患は、代謝性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、薬剤誘発性肝疾患、アルコール誘発性肝疾患、感染病原体誘発性肝疾患、炎症性肝疾患、免疫系機能障害媒介肝疾患、脂質異常症、循環器疾患、再狭窄、シンドロームX、メタボリックシンドローム、糖尿病、肥満、高血圧、原発性硬化性胆管症(PSC)、原発性胆汁性胆管炎(PBC)のような慢性胆管症、胆道閉鎖、進行性家族性胆内胆汁うっ滞症3型(PFIC3)、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、肝臓がん、肝細胞癌、胃腸がん、胃がん、結腸直腸がん、代謝性疾患誘発性肝線維症又は硬変症、NAFLD誘発性線維症又は硬変症、NASH誘発性線維症又は硬変症、アルコール誘発性肝線維症又は硬変症、薬剤誘発性肝線維症又は硬変症、感染病原体誘発性肝線維症又は硬変症、寄生虫感染による肝線維症又は硬変症、細菌感染による肝線維症又は硬変症、ウイルス感染による線維症又は硬変症、HBV感染による肝線維症又は硬変症、HCV感染による肝線維症又は硬変症、HIV感染による肝線維症又は硬変症、HCV及びHIVの重複感染による肝線維症又は硬変症、放射線又は化学療法誘発性線維症又は硬変症、胆道線維症、任意の慢性胆汁うっ滞性疾患による肝線維症又は硬変症、任意の病因の腸線維症、クローン病誘発性線維症、潰瘍性大腸炎誘発性線維症、腸(例えば、小腸)線維症、結腸線維症、胃線維症、肺線維症、COPD、喘息、肺気腫、喫煙者の肺、結核のような慢性炎症性気道疾患につながる肺線維症、肺性線維症、特発性肺性線維症(IPF)からなる群において選択される。
【0186】
用語「治療(treatment)」又は「治療する(treating)」とは、それを必要とする対象における障害の治療又は予防のことである。治療は、明言された障害を有する対象に、すなわち、患者に、特に医薬組成物に含まれる化合物を投与して、障害を治療する、遅延させる、好転させる、又はその進行速度を落として、それによって対象の状態を改善することを含む。治療は、健康であるか、又は胆汁うっ滞性若しくは線維性障害の発症のリスクがある対象に、障害を予防するため若しくは遅延するために施されてもよい。
【0187】
したがって、本発明に従えば、免疫、炎症性、代謝性、線維性及び胆汁うっ滞性疾患の治療は、障害を治療し、遅延させ、好転させ、若しくはこの進行の速度を遅くし、このようにして患者の状態を改善するために、表明された障害を有する対象に、又は健康な対象、特にそのような疾患を発症するリスクがある対象に、例えば、組合せの成分(i)及び(ii)を含有する医薬組成物の形態で本発明の組合せを投与することを含む。
【0188】
治療は、患者の状態を治療し、遅延させ、若しくはこの進行の速度を遅くし、このようにして患者の状態を改善するために、表明された障害を有する患者に、又は健康な対象、特に炎症性、代謝性、線維性及び胆汁うっ滞性疾患を発症するリスクがある対象に、本発明の組合せを投与することを含む。
【0189】
治療する対象は哺乳動物、好ましくはヒトである。本発明に従って治療する対象は、以前の薬物治療、関連病状、遺伝子型、危険因子への曝露、ウイルス感染のような線維性疾患に関連するいくつかの基準に基づいて、並びにイメージング法及び免疫学的、生化学的、酵素的、化学的又は核酸検出方法の手段により評価することが可能な任意の適切なバイオマーカーの検出に基づいて選択することが可能である。
【0190】
本発明に従って治療する対象は、以前の薬物治療、関連病状、遺伝子型、危険因子への曝露、ウイルス感染のような炎症性、代謝性、線維性及び胆汁うっ滞性疾患に関連するいくつかの基準、並びにイメージング法及び免疫学的、生化学的、酵素的、化学的又は核酸検出方法の手段により評価することが可能な任意の他の適切なバイオマーカーに基づいて選択することが可能である。
【0191】
特定の実施形態において、炎症性、代謝性、線維性及び胆汁うっ滞性疾患の治療は、式(I)の少なくとも2つの化合物を含む組成物の投与を含んでいてもよい。この実施形態において、投与された成分(ii)は式(I)の少なくとも2つの化合物と同じ組成物中で、又は異なる組成物中でのような分離した形態で提供される。
【0192】
別の実施形態において、本発明の組合せは、治療において同時、連続又は分離した投与用であり、したがって、おそらく異なる組成物中に含まれる。連続投与の場合、式(I)の化合物、特にELAは成分(ii)に先立って投与してもよく、又は成分(ii)は式(I)の化合物に先立って投与される。
【0193】
式(I)の化合物は、薬学的に許容される塩、特に医薬使用に適合する酸性又は塩基性塩として製剤化してもよい。式(I)の化合物の塩は、薬学的に許容される酸付加塩、薬学的に許容される塩基付加塩、薬学的に許容される金属塩、アンモニウム及びアルキル化アンモニウム塩を含む。これらの塩は、化合物の最終精製ステップ中に、又は塩をすでに精製された化合物中に組み込むことにより得ることが可能である。
【0194】
本発明の医薬組成物は、薬学的な文脈内で許容される、1つ又はいくつかの賦形剤又は溶媒(例えば、医薬用途に適合する及び当業者であれば周知である生理食塩水、生理溶液、等張液、等)も含むことが可能である。
【0195】
これらの組成物は、分散剤、可溶化剤、安定化剤、保存剤、等の間から選択される1つ若しくはいくつかの作用物質又は溶媒も含むことが可能である。これらの製剤に有用な作用物質又は溶媒(液体及び/又は注射液及び/又は固体)は特に、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリソルベート80、マンニトール、ゼラチン、ラクトース、植物油、アカシア、リポソーム、等である。
【0196】
これらの組成物は、最終的には持効性及び/又は徐放性放出を保証するガレヌス形態又はデバイスを用いて、注射可能な懸濁液、ゲル、オイル、軟膏、ピル、錠剤、坐薬、粉末、ゲルカップ、カプセル、エアロゾル、等の形態で製剤化することが可能である。この種の製剤では、セルロース、炭酸塩又はデンプンのような作用物質を有利に使用することが可能である。
【0197】
式(I)の化合物及び1つ以上の成分(ii)を含む本発明の医薬組成物は、異なる経路により及び異なる形態で投与してもよい。例えば、化合物は、全身的方法、経口的、非経口的、吸入により、点鼻薬により、経鼻滴下により、又は、例えば、静脈内に、筋肉内経路により、皮下経路により、経皮経路により、局所経路により、動脈内経路により、等のような注射を介して投与してもよい。
【0198】
当然のことながら、投与経路は、当業者には周知である手順に従って、投与される化合物の形態に適応させる。
【0199】
本発明の組合せ物の成分(i)及び(ii)は、治療有効量で投与される。本発明の文脈内では、用語「有効量」とは、所望の治療結果を生み出すのに十分な化合物の量のことである。
【0200】
投与に関する回数及び/又は用量は、患者、病状、投与形態、等に応じて当業者が適応させることが可能である。典型的には、本発明の組合せ(医薬組成物又はパーツキットの形態でのような)は、成分(i)又は成分(ii)について、50mg/日~2000mg/日、特に、100mg/日~1000mg/日のような0.01mg/日~4000mg/日に含まれる用量で線維性疾患の治療のために投与することが可能である。
【0201】
本発明の好ましい実施形態において、ELAは、エラフィブラノールについて80~120mg/日に含まれる用量で成分(ii)と組み合わせて使用される。
【0202】
別の好ましい実施形態において、活性構成成分は、経口摂取を目的とするピル又は錠剤の形態で1つ以上の医薬組成物として投与される。
【0203】
投与は、毎日又は必要ならば1日あたり数回でさえ実施することが可能である。
【0204】
本発明は、以下の非限定的実施例を参照してさらに説明される。
【0205】
図において、表において及び本文において使用される略語
α-SMA α平滑筋アクチン
AP-1 活性化タンパク質
ASBTi 頂端側ナトリウム共依存性胆汁酸輸送体阻害剤
ASK1 アポトーシスシグナル調節キナーゼ1
AT1 アンジオテンシンII受容体1型
CLA 共役リノール酸
COPD 慢性閉塞性肺疾患
CTGF 結合組織成長因子
CVC セニクリビロク
DGAT ジアシルグリセロール-O-アシルトランスフェラーゼ
DMSO ジメチルスルホキシド
DPP4 ジペプチジルペプチダーゼ4
ELISA 酵素結合免疫アッセイ
EOB エクセスオーバーブリス
EOBHSA エクセスオーバーブリス最高単剤
FABAC 脂肪酸胆汁酸コンジュゲート
FBS ウシ胎仔血清
FGF 線維芽細胞成長因子
FXR ファルネソイドX受容体
GDF 増殖分化因子
GLP-1 グルカゴン様ペプチド-1
GPCR Gタンパク質共役型受容体
HBV B型肝炎ウイルス
HCV C型肝炎ウイルス
15-HEPE 5-ヒドロキシエイコサペンタエン酸
HIV ヒト免疫不全ウイルス
HSC 肝星細胞
IC50 50%阻害濃度
iNOS 誘導型一酸化窒素合成酵素
IPF 特発性肺性線維症
LO リポキシゲナーゼ
LPS リポ多糖
LT ロイコトリエン
MAPK マイトジェン活性化プロテインキナーゼ
MMP-9 マトリックスメタロプロテアーゼ9
MMPase マトリックスメタロプロテアーゼ
NADPH ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸
NAFLD 非アルコール性脂肪性肝疾患
NASH 非アルコール性脂肪性肝炎
NF-κB 核内因子カッパB
NOX NADPHオキシダーゼ
NSAIDs 非ステロイド性抗炎症剤
PAR プロテアーゼ活性化受容体
PBC 原発性胆汁性胆管炎
PBS リン酸緩衝食塩水
PDE ホスホジエステラーゼ
PDGF 血小板由来成長因子
PFIC3 進行性家族性肝内胆汁うっ滞型3
PFOR ピルベート:フェレドキシン酸化還元酵素
PPAR ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体
PPRE PPAR応答エレメント
PSC 原発性硬化性胆管炎
ROCK Rho関連タンパク質キナーゼ
RTK 受容体チロシンキナーゼ
SGLT ナトリウム-グルコース輸送
STAT 転写のシグナルトランスデューサー及び活性化因子
TGFβ 形質転換成長因子β
TGFBRI TGFβ受容体I型
TGFBRII TGFβ受容体II型
THBS1 トロンボスポンジン1
THRβ 甲状腺ホルモン受容体β
TIMP メタロプロテアーゼ1の組織阻害剤
TLR-4 Toll様受容体4
VAP-1 血管接着タンパク質-1
VDR ビタミンD受容体
【図面の簡単な説明】
【0206】
【
図1】線維症面の寸法に対する1mg/kg/日のELAと10mg/kg/日のOCAの組合せの効果を示す図である。
【
図2】線維症面の寸法に対する3mg/kg/日のELAと10mg/kg/日のOCAの組合せの効果を示す図である。
【
図3】肝臓コラーゲンに対する1mg/kg/日のELAと10mg/kg/日のOCAの組合せの効果を示す図である。
【
図4】肝臓コラーゲンに対する3mg/kg/日のELAと10mg/kg/日のOCAの組合せの効果を示す図である。
【
図5-1】線維症マーカーに対する3mg/kg/日のELAと10mg/kg/日のOCAの組合せの効果を示す図である。
【
図5-2】線維症マーカーに対する3mg/kg/日のELAと10mg/kg/日のOCAの組合せの効果を示す図である。
【
図6】TGFβ誘導hHSCにおけるエラフィブラノール対セニクリビロク、及びベザフィブラートの差示的抗線維化効果を示す図である。 血清由来HSCは、線維形成促進性サイトカインTGFβ1(1ng/ml)での活性化前にエラフィブラノール(A)、セニクリビロク(B)、又はベザフィブラート(PPAR汎α/γ/δ)と一緒に1時間プレインキュベートした。 48時間のインキュベーション後、αSMAの発現をELISAによって測定した。 得られた値は、TGFβ1対照に対するパーセント阻害に変換された。データは平均(3通り)±標準偏差(SD)として提示される。統計解析は、Sigma Plot11.0ソフトウェアを使用して、一元配置分散分析、続いてボンフェローニ事後検定により実施した。[
*:p<0.05;
**p<0.01;
***p<0.001(比較対TGFβ1 1ng/mL群)]。カーブフィッティング及び50%阻害濃度(IC
50)の計算は、XLFitソフトウェア5.3.1.3.を用いて実施した。
【
図7】エラフィブラノールとセニクリビロクの組合せはTGFβ1-誘導hHSCにおいてαSMAを相乗的に阻害することを示す図である。 組合せは用量応答マトリックスフォーマットで試験し、エクセスオーバーブリス(EOB)アディティビズムモデルに従って分析した。 エラフィブラノール(横列)とセニクリビロク(縦列)の希釈系列を、そのそれぞれのDMSO対照を含めて調製した。 得られた混合物は、線維形成促進性サイトカインTGFβ1(1ng/ml)での活性化1時間前に、血清由来HSCに添加した。 (A)すべての組合せ対についてのTGFβ1対照に対するαSMA阻害のパーセント。データは4通りの平均として提示されている。 (B)EOBスコアは材料及び方法に記載される通りに計算した。EOB値>10のいかなる化合物対も相乗的だと見なした(薄い灰色から黒色まで着色されている)。すべての組合せを含む全EOBスコアも計算した。 (C)相乗的組合せ対由来のデータ値は棒グラフ表示にプロットした。データは平均(4通り)±標準偏差(SD)として提示される。統計解析は、Sigma Plot11.0ソフトウェアを使用して、一元配置分散分析、続いてボンフェローニ事後検定により実施した。[
*:p<0.05;
**p<0.01;
***p<0.001(比較対「製品組合せ」群)]。
【
図8】TGFβ1-誘導hHSCにおいてベザフィブラートはセニクリビロクと協同して線維症を低減することはないことを示す図である。 組合せは用量応答マトリックスフォーマットで試験し、エクセスオーバーブリスアディティビズムモデルに従って分析した。 ベザフィブラート(横列)とセニクリビロク(縦列)の希釈系列を、そのそれぞれのDMSO対照を含めて調製した。得られた混合物は、線維形成促進性サイトカインTGFβ1(1ng/ml)での活性化1時間前に、血清由来HSCに添加した。 (A)TGFβ1対照に対するαSMAのパーセント阻害。 (B)エクセスオーバーブリス(EOB)スコアは材料及び方法に記載される通りに計算した。EOB値>10のいかなる化合物対も相乗的だと見なした(薄い灰色から黒色まで着色されている)。すべての組合せを含む全EOBスコアも計算した。
【
図9-1】エラフィブラノールとMSDC-0602、PXS-4728A、アパラレノン、CF-102、ビスモデギブ、PBI-4050、KD-025、DUR-928、VK-2809、及びエムリカサンの組合せはTGFβ1-誘導hHSCにおいてαSMAを相乗的に阻害することを示す図である。 組合せは用量応答マトリックスフォーマットで試験し、エクセスオーバーブリス(EOB)アディティビズムモデルに従って分析した。TGFβ1対照に対するαSMA阻害のパーセントは、代表的な相乗的組合せについて棒グラフ表示にプロットした。データは平均(4通り)±標準偏差(SD)として提示される。一元配置分散分析及びフィシャーの最小有意差(LSD)事後検定を使用して
*:p<0.05;
**:p<0.01;
***:p<0.001。MSDC=MSDC-0602.
【
図9-2】エラフィブラノールとMSDC-0602、PXS-4728A、アパラレノン、CF-102、ビスモデギブ、PBI-4050、KD-025、DUR-928、VK-2809、及びエムリカサンの組合せはTGFβ1-誘導hHSCにおいてαSMAを相乗的に阻害することを示す図である。 組合せは用量応答マトリックスフォーマットで試験し、エクセスオーバーブリス(EOB)アディティビズムモデルに従って分析した。TGFβ1対照に対するαSMA阻害のパーセントは、代表的な相乗的組合せについて棒グラフ表示にプロットした。データは平均(4通り)±標準偏差(SD)として提示される。一元配置分散分析及びフィシャーの最小有意差(LSD)事後検定を使用して
*:p<0.05;
**:p<0.01;
***:p<0.001。MSDC=MSDC-0602.
【
図9-3】エラフィブラノールとMSDC-0602、PXS-4728A、アパラレノン、CF-102、ビスモデギブ、PBI-4050、KD-025、DUR-928、VK-2809、及びエムリカサンの組合せはTGFβ1-誘導hHSCにおいてαSMAを相乗的に阻害することを示す図である。 組合せは用量応答マトリックスフォーマットで試験し、エクセスオーバーブリス(EOB)アディティビズムモデルに従って分析した。TGFβ1対照に対するαSMA阻害のパーセントは、代表的な相乗的組合せについて棒グラフ表示にプロットした。データは平均(4通り)±標準偏差(SD)として提示される。一元配置分散分析及びフィシャーの最小有意差(LSD)事後検定を使用して
*:p<0.05;
**:p<0.01;
***:p<0.001。MSDC=MSDC-0602.
【
図10】エラフィブラノールとCP-640186、GS-0976又はJKB-121(ナルメフェン)の組合せは肝臓微細組織においてコラーゲン産生を相乗的に阻害することを示す図である。 微細組織は、エラフィブラノール単独(白色バー)、化合物(ii)単独(黒色バー)又は両方の組合せ(灰色バー)を用いて又は用いずにNASH刺激の代謝誘発で処理した。組合せは用量応答マトリックスフォーマットで試験し、エクセスオーバーブリス(EOB)アディティビズムモデルに従って分析した。NASH刺激対照に対する阻害のパーセントは、代表的な相乗的組合せについて棒グラフ表示にプロットした。データは平均(3通り)±標準偏差(SD)として提示される。一元配置分散分析及びフィシャーの最小有意差(LSD)事後検定を使用して
*:p<0.05;
**:p<0.01;
***:p<0.001。
【
図11】エラフィブラノールとゲムカベンの組合せはLPS-活性化マクロファージにおいてTNFα分泌を相乗的に阻害することを示す図である。 組合せは用量応答マトリックスフォーマットで試験し、エクセスオーバーブリス(EOB)アディティビズムモデルに従って分析した。LPS対照に対するTNFα分泌の阻害のパーセントは、代表的な相乗的組合せについて棒グラフ表示にプロットした。データは平均(4通り)±標準偏差(SD)として提示される。一元配置分散分析及びフィシャーの最小有意差(LSD)事後検定を使用して
*:p<0.05;
**:p<0.01;
***:p<0.001。
【
図12】エラフィブラノールとCP640186、VK-2809、アパラレノン(Apa)又はアラムコール(Aram)の組合せはHepG2における体脂肪蓄積を相乗的に阻害することを示す図である。 組合せは用量応答マトリックスフォーマットで試験し、エクセスオーバーブリス(EOB)アディティビズムモデルに従って分析した。FFA処理対照に対する体脂肪蓄積の阻害のパーセントは、代表的な相乗的組合せについて棒グラフ表示にプロットした。データは平均(4通り)±標準偏差(SD)として提示される。一元配置分散分析及びフィシャーの最小有意差(LSD)事後検定を使用して
*:p<0.05;
**:p<0.01;
***:p<0.001。
【
図13】エラフィブラノールとMGL-3196の組合せは3D Huh7 スフェロイド培養において体脂肪蓄積を相乗的に阻害することを示す図である。 スフェロイドは、エラフィブラノール単独(白色バー)、MGL3196単独(灰色バー)又は両方の組合せ(黒色バー)を用いて又は用いずに代謝的NASH刺激で処理した。体脂肪蓄積の測定は材料及び方法に記載される通りに実施した。標準偏差はエラーバーとして示される(n=3)。計算されたEOB値は上左に述べる。有意差(
*p<0.05;
**p<0.01;
***p<0.001)は一元配置分散分析(ANOVA)及びフィッシャーの最小有意差(LSD)検定に従う。
【
図14-1】エラフィブラノール(GFT505、3mg/kg/日)及びセロンセルチブ(SEL、30mg/kg/日)はNASHを有するマウス(CDFF食マウス)において協同して線維症、組織リモデリング及び炎症性マーカーを低減することを示す図である。 (A)線維症面のパーセントは肝臓部領域と比べたピクロシリウス陽性領域の形態計測定量化により評価した。 (B)肝臓コラーゲン含有量 (C)血漿PIIINP濃度、肝線維症の代替マーカー (D)血漿TIMP1濃度、肝線維症の代替マーカー 線維症及び組織リモデリングのマーカーとしてのCol1α1(E)、MMP2(F)、TGFβ1(G)並びに炎症マーカーとしてのTNFα(H)及びCCR2(I)の発現はリアルタイム定量的PCRにより評価した。 データは平均±SDとして表される。ウェルチ補正付きの片側スチューデントt検定を使用して
*p<0.05、
**p<0.01、
***p<0.001。HSA、最高単剤モデル。
【
図14-2】エラフィブラノール(GFT505、3mg/kg/日)及びセロンセルチブ(SEL、30mg/kg/日)はNASHを有するマウス(CDFF食マウス)において協同して線維症、組織リモデリング及び炎症性マーカーを低減することを示す図である。 (A)線維症面のパーセントは肝臓部領域と比べたピクロシリウス陽性領域の形態計測定量化により評価した。 (B)肝臓コラーゲン含有量 (C)血漿PIIINP濃度、肝線維症の代替マーカー (D)血漿TIMP1濃度、肝線維症の代替マーカー 線維症及び組織リモデリングのマーカーとしてのCol1α1(E)、MMP2(F)、TGFβ1(G)並びに炎症マーカーとしてのTNFα(H)及びCCR2(I)の発現はリアルタイム定量的PCRにより評価した。 データは平均±SDとして表される。ウェルチ補正付きの片側スチューデントt検定を使用して
*p<0.05、
**p<0.01、
***p<0.001。HSA、最高単剤モデル。
【
図14-3】エラフィブラノール(GFT505、3mg/kg/日)及びセロンセルチブ(SEL、30mg/kg/日)はNASHを有するマウス(CDFF食マウス)において協同して線維症、組織リモデリング及び炎症性マーカーを低減することを示す図である。 (A)線維症面のパーセントは肝臓部領域と比べたピクロシリウス陽性領域の形態計測定量化により評価した。 (B)肝臓コラーゲン含有量 (C)血漿PIIINP濃度、肝線維症の代替マーカー (D)血漿TIMP1濃度、肝線維症の代替マーカー 線維症及び組織リモデリングのマーカーとしてのCol1α1(E)、MMP2(F)、TGFβ1(G)並びに炎症マーカーとしてのTNFα(H)及びCCR2(I)の発現はリアルタイム定量的PCRにより評価した。 データは平均±SDとして表される。ウェルチ補正付きの片側スチューデントt検定を使用して
*p<0.05、
**p<0.01、
***p<0.001。HSA、最高単剤モデル。
【
図15】エラフィブラノール(GFT505、1又は3mg/kg/日)及びGKT-831(GKT、60mg/kg/日)はNASHを有するマウス(CDFF食マウス)において協同してNASH及び線維症を低減することを示す図である。 (A)線維症面のパーセントは肝臓部領域と比べたピクロシリウス陽性領域の形態計測定量化により評価した。 (B)10顕微鏡視野領域(20X)での炎症巣の組織学的評価 (C)NAFLD活性スコア、NASH臨床研究ネットワーク(Kleiner 2005年、Brunt 1999年)に従って脂肪肝、バルーニング及び小葉内炎症等級(最小0~最大8)の合計の計算により評価される。 データは平均±SDとして表される。ウェルチ補正付きの片側スチューデントt検定を使用して
*p<0.05、
**p<0.01、
***p<0.001。片側マン・ホイットニーのU(ノンパラメトリック)検定を使用して$p<0.05、$$p<0.01、$$$p<0.001。HSA、最高単剤モデル。
【
図16】エラフィブラノール(GFT505、1mg/kg/日)及びGS-0976(GS、30mg/kg/日)はNASHを有するマウス(CDFF食マウス)において協同して脂肪肝及び体重を低減することを示す図である。 (A)脂肪肝等級、NASH臨床研究ネットワーク指針に従った組織学的検査により評価される。 (B)肝臓トリグリセリド含有量 (C)対照と比べた8週間の処置後の体重減少 データは平均±SDとして表される。ウェルチ補正付きの片側スチューデントt検定を使用して
*p<0.05、
**p<0.01、
***p<0.001。HSA、最高単剤モデル。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0207】
[実施例1] 併用療法研究設計
材料及び方法
化合物はジメチルスリホキシド(DMSO、Fluka カタログ番号41640)に溶解した。
【0208】
1.TGFβ1-誘発hHSCのモデルでの説明
hHSC培養
ヒト始原肝星細胞(hHSC)(innoprot)を、2%ウシ胎仔血清(FBS、ScienCell カタログ番号0010)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(ScienCell カタログ番号0503)及び星細胞成長補助剤(SteCGS;ScienCell カタログ番号5352)を補充したSTeCM培地(ScienCell カタログ番号5301)で培養した。細胞培養フラスコは、接着をよくするためにポリ-L-リジン(Sigma カタログ番号P4707)で被覆した。
【0209】
成分の調製
2つの成分組合せマトリックス
これらの実験では、チェッカーボードマトリックスを作成した。ELA及び成分(ii)ストックは、96ウェルプレートの横列(ELA)での5ポイント系列及び縦列(成分(ii))での11ポイント系列でDMSOに連続希釈した。続いて、5×11組合せマトリックスは、すべての単剤濃度を1対1で混合することにより作成した。化合物ごとの試験濃度は、TGF-β1で刺激を受けたHSCモデルにおいてαSMA含有量を測定することにより得られる単剤としてのそれぞれの化合物のそれぞれのIC50に基づいて選択した。
【0210】
TGF-β1を用いたhHSCの活性化及び化合物処理
ヒト原発性肝星細胞(hHSC)(Innoprot)は、上記の通り、標準条件下で培養した。続いて、細胞は、ELISAによるαSMAの測定のために96ウェルプレートに2×104細胞/ウェルの密度で蒔いた。次の日、細胞培養培地を取り除き、細胞はPBS(Invitrogen カタログ番号14190)で洗浄した。hHSCは、無血清及び無SteCGS培地において24時間枯渇させた。ELA、成分(ii)及びそれぞれのELA/成分(ii)組合せを用いた処置では、血清枯渇hHSCは、化合物と一緒に1時間プレインキュベートし、続いて無血清及び無SteCGS培地にさらに48時間線維形成促進性刺激TGF-β1(PeproTech カタログ番号100-21、1ng/mL)を添加した。
【0211】
αSMA ELISA
αSMAのレベルはサンドイッチELISAを使用して測定した。手短に述べれば、ELISAプレートのウェルを先ず、4℃で一晩、捕捉抗体(マウスモノクローナル抗ACTA2、Abnova)で被覆した。PBS+0.2%のTween20での3回洗浄後、PBS+0.2%のBSAからなるブロッキング液を添加して1時間置き、続いて追加の洗浄サイクルにかけた。細胞可溶化物はウェルに移して、室温で2時間捕捉抗体に結合させた。洗浄手順の後、検出抗体(ビオチン化マウスモノクロール抗ACTA2、Abnova)を室温で添加して2時間置き、続いて3回洗浄した。検出では、HRPコンジュゲートストレプトアビジン(R&D System カタログ番号DY998)を先ず室温で30分間適用させた。洗浄後、HRP基質TMB(BD、番号555214)を添加し、室温暗所で7分間インキュベートした。酸化させると、TMBは水溶性の青色反応生成物を形成し、これは硫酸の添加で黄色になり(溶解停止)、分光光度計を使用する450nmでの強度の正確な測定が可能になる。発色は溶解物中に存在するα-SMAの量に正比例する。
【0212】
2.3Dヒト肝臓微細組織におけるHSC活性化のモデルでの説明
3Dヒト肝臓微細組織培養
凍結保存原発性ヒト肝細胞(IPHH_11)及び凍結保存原発性ヒト非実質細胞(NPC、IPHN_11)はBioreclamationIVTから入手した。凍結保存原発性肝星細胞(hHSC)はInnoprotから入手した。3D InSight(商標)ヒト肝臓微細組織(MT-02-302-95;InSphero AG)は、96ウェル懸滴培養プラットホーム(Gravity PLUSTM)においてIPHH_11、IPHN_11及びhHSCを用いて作製した。微細組織形成後、微細組織は微細組織特異的96ウェル培養及びアッセイプラットホーム(Gravity TRAPTM)に移した。さらなる維持及び化合物処理はGravity TRAPTMプレートで実施した。組織形成後、3D微細組織は、加湿5%CO2細胞培養インキュベーターにおいて37℃で4日間、3D InSight(商標)ヒト肝臓維持培地-INF(hLiMM CS-07-001b-01;InSphero AG)で維持した。培養培地の半分は2日ごとに補充した。
【0213】
組成物の調製:2つの成分組合せマトリックス
これらの実験では、チェッカーボードマトリックスを作成した。ELA及び成分(ii)ストックは、96ウェルプレートの横列(ELA)での2ポイント系列及び縦列(成分(ii))での3ポイント系列でDMSOに連続希釈した。続いて、2×3組合せマトリックスは、すべての単剤濃度を1対1で混合することにより作成した。
【0214】
3D InSight(商標)ヒト肝臓微細組織の代謝刺激及び化合物処理
3D InSight(商標)ヒト肝臓微細組織(InSphero AG)は、上記の通り、標準条件下で培養した。次に、微細組織は、無血清培地において24時間枯渇させた。ELA、成分(ii)及びそれぞれのELA/成分(ii)組合せを用いた処置では、血清枯渇微細組織は、NASH刺激の代謝誘発と化合物の両方で処置し(0日目)続いて3日目にNASH刺激の代謝誘発をさらに3日間更新した。Col1α1の測定用の上澄みは6日目に収穫した。
【0215】
Col1α1 ELISA
Col1α1のレベルはサンドイッチELISAを使用して測定した。手短に述べれば、ELISAプレートのウェルを先ず、室温で一晩、捕捉抗体(マウス抗ヒトプロコラーゲンlα1捕捉抗体、「Elisaプロコラーゲンlα1/COLIA1」、DuoSet ELISA、R&D、カタログ番号N°:DY6220-05)で被覆した。PBS+0.05%のTween20での3回洗浄後、PBS+1%のBSAからなるブロッキング液を添加して1時間置き、続いて追加の洗浄サイクルにかけた。培養上澄みはウェルに移して、室温で2時間捕捉抗体に結合させた。洗浄手順の後、検出抗体(ビオチン化ヒツジ抗ヒトプロコラーゲンlα1検出抗体)を室温で添加して2時間置き、続いて3回洗浄した。検出では、HRPコンジュゲートストレプトアビジンを先ず室温で20分間適用させた。洗浄後、HRP基質TMB(BD、番号555214)を添加し、暗所で室温、20分間インキュベートした。酸化されると、TMBは水溶性の青色反応産物を形成し、これは硫酸を添加すると黄色になり(溶解停止)、分光光度計を使用する450nmでの強度の正確な測定が可能になる。発色は上澄みに存在するcol1α1の量に正比例する。
【0216】
3.LPS活性化マクロファージでの説明
THP-1単球のマクロファージへの分化
THP-1単球(ECACC 番号88081201)を、10%のSVFを補充したRPMI1640(Gibco、21875)中の384ウェルプレートにおいてウェルあたり25550細胞の密度で播種し、PMA(ホルボール 12ミリステート 13アセテート、Sigma、P8139)を使用して、最終濃度100ng/mlで24時間マクロファージに分化させた。
【0217】
組成物の調製:2つの成分組合せマトリックス
これらの実験では、チェッカーボードマトリックスを作成した。ELA及び成分ストックは、他の化合物については96ウェルプレートの横列(ELA)での6ポイント系列及び縦列(成分)での10ポイント系列でDMSOに連続希釈した。続いて、6×10組合せマトリックスは、すべての単剤濃度を1対1で混合することにより作成した。
【0218】
化合物処理及びLPS刺激
PMAを用いた24時間後、培地は取り除き、無血清RPMIで置き換えた。ELA、成分及びそれぞれのELA/成分組合せを用いた処理では、血清枯渇THP-1マクロファージは化合物と一緒に24時間プレインキュベートし、続いてリポ多糖LPS(100ng/ml、大腸菌055B5、Sigma、L6529)をさらに添加して6時間置いた。
【0219】
ヒトTNFα定量化
ヒトTNFαは、FRET技術に基づいて、ホモジニアス時間分解蛍光(HTRF)技術(Cisbio 62HTNFAPEG)を使用して上澄みにおいて定量化する。FRET(蛍光共鳴エネルギー移動)は、近接している場合のドナーとアクセプターの2つのフルオロフォアの間でのエネルギー移動に基づいている。生体分子間の分子相互作用は、それぞれのパートナーを蛍光標識に結合させることにより及びエネルギー移動のレベルを検出する(665nm)ことにより評価することが可能である。細胞上澄み、試料又は標準は、HTRF(登録商標)試薬による検出のためにアッセイプレートに直接分注した。HTRFドナー及びアクセプターで標識した抗体は予備混合し、単回分注ステップで添加した。シグナル強度は形成された抗原-抗体複合体の数に、したがって、TNFα濃度に比例している。7ポイント検量線(供給されたヒトTNFαを用いて39pg/ml~2500pg/ml)は、データを4パラメータロジスティックモデルを用いて適合させることにより得られた。
【0220】
4.脂肪負荷肝細胞(HepG2)での説明
HepG2培養
ヒト肝細胞癌を、10%のウシ胎仔血清(FBS、Gibco カタログ番号10270)、1%のペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco カタログ番号15140)、1%のMEN NEAA(Gibco カタログ番号11140)、1%のL-グルタミン(Gibco カタログ番号25030)及び1%のピルビン酸ナトリウム(Gibco カタログ番号11360)を補充したDMEM 4.5g/Lグルコース(Gibco カタログ番号31053)で培養した。
【0221】
組成物の調製:2つの成分組合せマトリックス
これらの実験では、チェッカーボードマトリックスを作成した。ELA及び成分ストックは、384ウェルプレートの横列(ELA)での5ポイント系列及び縦列(成分)での11ポイント系列でDMSOに連続希釈した。続いて、5×11組合せマトリックスは、すべての単剤濃度を1対1で混合することにより作成した。
【0222】
遊離脂肪酸(FFA)調製
オレイン酸(番号O1383)及びパルミチン酸(P0500)はSigmaから購入した。FFAストック液(100mM)は80℃、0.1MのNaOHで調製した。4.5mMのパルミチン酸/10%のウシ胎仔血清(BSA)及び9mMのオレイン酸/10%のBSAの作業液は、55℃水浴において適切な容積のストック液と10%のBSA(無FFA低内毒素;Sigma-Aldrich、Bornem、Belgium)を組み合わせる(15分)ことにより調製した。
【0223】
脂肪負荷及び化合物処理
HepG2は、脂肪滴含有量を評価するために、384ウェルプレートに40000細胞/ウェルの密度で蒔いた。次の日、細胞培養培地は取り除き、細胞はPBS(Invitrogen カタログ番号14190)で洗浄した。HepG2は無血清培地において24時間枯渇させた。ELA、成分及びそれぞれのELA/成分組合せを用いた処理では、血清枯渇HepG2は化合物と一緒に24時間プレインキュベートし、続いてオレイン酸:パルミチン酸混合物(2対1)を最終濃度0.5mMでさらに添加して24時間置いた。
【0224】
細胞内脂肪の滴測定
細胞内脂肪滴含有量を測定するため、細胞を室温に至らせ40μlのPBSで洗浄した。細胞は、40μlの希釈Adipored試薬(200μLのPBSあたり2.5μLのAdipored試薬)(Lonza、Walkersville、MD)と一緒に室温で30分間インキュベートした。蛍光分光器(Spark Tecan カタログ番号30086376 SN番号1801002745)を使用して相対蛍光を測定した(k励起483nmで、k放出580nmで)。分析は4通り実施した。
【0225】
5.3D Huh7 スフェロイド培養での説明
3D Huh7 スフェロイド培養
凍結保存Huh7はECACCから購入した。細胞は、加湿5%CO2細胞培養インキュベーターにおいて37℃、ULAプレート(Costar)、10%のFBS(Gibco)を含有するウィリアムズ培地(Sigma)で生育した。細胞は5日以内に凝集しスフェロイドを形成した。
【0226】
組成物の調製:2つの成分組合せマトリックス
これらの実験では、チェッカーボードマトリックスを作成した。ELA及び成分(ii)ストックは、96ウェルプレートの横列(ELA)での2ポイント系列及び縦列(成分(ii))での3ポイント系列でDMSOに連続希釈した。続いて、2×3組合せマトリックスは、すべての単剤濃度を1対1で混合することにより作成した。
【0227】
3D Huh7 スフェロイド培養の代謝刺激及び化合物処理
3D Huh7 スフェロイドは、上記の通り、標準条件下で培養した。次に、3D Huh7 スフェロイドは、無血清培地において24時間枯渇させた。ELA、成分(ii)及びそれぞれのELA/成分(ii)組合せを用いた処置では、血清枯渇スフェロイドは、代謝NASH刺激と化合物の両方で処理し(0日目)続いて4日目に代謝NASH刺激及び化合物をさらに3日間更新した。スフェロイドは7日目に脂肪蓄積のために染色した。
【0228】
脂質染色&定量化
細胞内脂質蓄積はAdipoRed(商標)アッセイ試薬(Lonza)を使用して定量化した。スフェロイドは、蛍光プレートリーダー(TECAN)を使用して、λexc:485nm及びλem:572nmで蛍光アッセイ定量化に供した。
【0229】
結果及び考察
分化した筋線維芽細胞の異常な持続性は多くの線維性疾患の特徴である。肝損傷に続いて、静止状態HSCは(αSMA)陽性筋線維芽細胞への分化を特徴とする活性化の過程を経る。PPARアゴニストエラフィブラノールは、線維形成促進性サイトカインTGFβ1で活性化されたhHSCにおいて抗線維形成活性を有する(
図9)。驚くべきことに、MSDC-0602、PXS-4728、アパラレノン、CF-102(ナモデノソン)、ビスモデギブ、PBI-4050、エムリカサン、DUR-928、VK-2809又はKD-025とエラフィブラノールの組合せは、HSCによるαSMA産生を相乗的に阻害したことを本明細書では明らかにしている(
図9)。
【0230】
肝臓は異なる細胞型(肝細胞、免疫細胞、HSC…)で構成されているので、及びHS活性化は他の肝細胞が関与する異なる刺激から生じることが可能なので、線維症に対する組合せ処理を試験するために肝臓微細組織モデルも用いた。代謝NASH刺激を用いた処理により微細組織によるコラーゲン産生が増加した。このモデルでは、エラフィブラノールはCP-640186、GS-0976及びナルメフェンと協同してコラーゲンモデルを生成した(
図10)。
【0231】
まとめると、これらの結果は、エラフィブラノールとMSDC-0602、PXS-4728、アパラレノン、CF-102(ナモデノソン)、ビスモデギブ、PBI-4050、エムリカサン、DUR-928、VK-2809、KD-025、CP-640186、GS-0976又はナルメフェン(JKB-121)の組合せの相乗的抗線維化効果を示している。
【0232】
NAFLD/NASHのような代謝性疾患は軽度の炎症を伴う。免疫細胞が活性化されると、肝臓及び末梢器官(脂肪組織、膵臓…)の代謝機能を変えるサイトカインが産生される。腸浸透性は、代謝性疾患及び肝疾患に記載されているが、肝臓及び末梢器官(脂肪組織)においてマクロファージを活性化する循環細菌成分(リポ多糖又はLPS)を増加させる。PPARは抗炎症活性を有するので、エラフィブラノールと他の化合物がLPSによるマクロファージ活性化を阻害できるかどうかを本発明者らは調べた。マクロファージに分化するTHP1単球のモデルでは、TNFα分泌により測定した場合、LPS処理はマクロファージを活性化する。エラフィブラノール(1μM)単独だとTNFαを21%阻害した(
図11)。驚くべきことに、エラフィブラノールとゲムカベンの組合せはTNFα分泌を50%強力に阻害した(
図11)。したがって、この結果は、エラフィブラノールが他の化合物と協同してNASH及び代謝性疾患を含む、多くの疾患において観察される炎症性傾向を低減する能力を明らかにしている。
【0233】
NAFLD/NASHは肝細胞(脂肪肝)における原発性脂肪蓄積を特徴とし、この蓄積は脂肪毒性を誘発し、炎症、細胞死、組織リモデリング及び最終的に線維症をもたらす。PPARα及びPPARδは脂肪酸化を誘発し新規の脂肪合成を阻害することが分かっているので、他の化合物と組み合わせたエラフィブラノールが肝細胞での脂肪蓄積を妨げることができるかどうかを確かめることを本発明者らは望んだ。したがって、HepG2細胞を遊離脂肪酸(FFA)で処理して脂肪滴の蓄積を誘発した。このモデルでは、エラフィブラノール(10μM)単独で脂肪蓄積を20%低減した。思いがけないことに、エラフィブラノールをCP-640186、VK-2809、アパラレノン又はアラムコールに組み合わせると、低減は40%に到達した(
図12)。肝細胞の三次元(3D)ビトロモデルも用いてこの問題に取り組み、肝臓構造のもっと多くの生理的再生を可能にした。このモデルでは、脂肪蓄積は代謝的NASH刺激を用いた処理によって得られた。エラフィブラノール(3μM)は脂肪含有量を12%低減した(
図13)。エラフィブラノールをMGL-3196(1μM)と組み合わせると、肝細胞脂質含有量は28%強力に低減し(
図13)、両方の薬物が一緒に使用された場合には相乗効果を示した。
【0234】
まとめると、これらの結果は、エラフィブラノールがCP-640186、VK-2809、アパラレノン、アラムコール及びMGL-3196と協同して特に脂肪肝を低減することを明らかにしている。
【0235】
結論として、これらの結果は、エラフィブラノールがMSDC-0602、PXS-4728、アパラレノン、CF-102(ナモデノソン)、ビスモデギブ、PBI-4050、エムリカサン、DUR-928、KD-025、CP-640186、GS-0976、ナルメフェン(JKB-121)、VK-2809、MGL-3196及びアラムコールと協同して特にNAFLDを低減する能力を明らかにしている。
【0236】
[実施例2] ELAとOCAの組合せ
材料及び方法
慢性CDAA+1%のコレステロールモデルにおけるエラフィブラノール、OCA及び組合せエラフィブラノール+OCAの評価(12週間)
エラフィブラノール単独、OCA単独及び両方の組合せの予防効果を、CDAA+1%コレステロール食を与えられたラットの線維化NASHモデルにおいて評価した。150~175gのオスウィスターラットに、対照(CSAA)食、CDAA+1%コレステロール食又はエラフィブラノール1、3及び10mg/kg/日、OCA10及び30mg/kg/日若しくは組合せ薬(エラフィブラノール1、3及び10mg/kg/日をOCA10mg/kg/日に組み合わせた)を補充したCDAA+1%コレステロール食を12週間与えた。
【0237】
体重及び食物摂取量は週2回モニターした。処置の最終日、ラットは6時間の断食期間後屠殺した。生化学的及び組織学的研究のため肝臓を速やかに切除した。
【0238】
すべての動物手順は、標準プロトコルに従って及び実験動物の適切な管理と使用のための標準的な勧告の通りに実施した。
【0239】
組織学
組織包埋及び切片化:
肝臓切片は先ずホルマリン4%液中12時間固定した。次に、肝臓片はPBSで30分間洗浄し、エタノール液(70、80、95及び100%エタノールの連続浴槽)中で脱水した。肝臓片はキシレンの3つの異なる浴槽(Sigma-Aldrich、カタログ番号534056)、続いて液体パラフィン(56℃)の2つの浴槽でインキュベートした。次に、肝臓片はHistowax(登録商標)で穏やかに満たされたラック中に入れ組織を完全に覆った。
【0240】
組織片を含有するパラフィンブロックはラックから取り除き、室温で保存した。肝臓塊は3μm薄片に切断した。
【0241】
ヘマトキシリン/エオシン染色
肝臓切片は、マイヤーヘマトキシリン液(Microm、カタログ番号F/C0303)中で脱パラフィンし、再水和し、3分間インキュベートした。次に、肝臓切片は水ですすぎ、エオシンG(VWR、カタログ番号1.09844.1000)中1分間インキュベートした。切片は水ですすぎ、次に、脱水して、CV Mount培地(Leica、カタログ番号14046430011)を使用してマウントした。
【0242】
ピクロシリウスレッド染色
肝臓切片は、0.5%酢酸(Panreac、カタログ番号131008.1611)の浴ですすぐ前に、Fast Green FCF0.1%(Sigma-Aldrich、カタログ番号F7258)の溶液中で脱パラフィンし、再水和し、15分間インキュベートした。次に、肝臓切片は水ですすぎ、飽和水性ピクリン酸(Sigma-Aldrich、カタログ番号P6744)中0.1%シリウスレッド(Direct Red80、Fluka カタログ番号43665)の溶液中30分間インキュベートした。次に切片は脱水し、CV Mount培地(Leica、カタログ番号14046430011)を使用してマウントした。
【0243】
組織学的検査
それぞれの肝臓検体の供給源に盲検の専門家が組織学的検査を実施した。バーチャルスライドは、3D HistechからPannoramic 250スキャナーを使用して作成した。動物ごとに、NASHの主な組織病変を要約するスコアは、NASH臨床研究ネットワーク(Kleiner 2005年、Brunt 1999年)に従って帰属させた。手短に述べれば、脂肪肝、小葉性炎症及び肝細胞バルーニングをスコア化した。NAFLD活性スコア(NASスコア)は、脂肪肝(0~3)、小葉性炎症(0~3)及びバルーニング(0~2)損傷等級付けの非加重合計として個体ごとに確立した。
【0244】
Quant Centerソフトウェア(3D Histech、Pattern Quant及びHisto Quantモジュールを含む)を使用して、コラーゲン染色領域を定量化した。手短に述べれば、Pattern Quantを使用して組織を検出しその表面を測定した。次に、カラー閾値法に基づいて、Histo Quantを使用して染色コラーゲン含有量を検出しその表面を測定した。次に、線維症領域は、動物ごとのコラーゲン表面の全組織に対するパーセントとして表した。
【0245】
肝臓コラーゲン含有量の測定
肝臓コラーゲン含有量は、適切なQuickZymeキット(Total collagen assay、カタログ番号QZB-totcol2)を使用して測定した。アッセイはヒドロキシプロリンの検出に基づいており、これは主にコラーゲンの3重らせんに見出される非タンパク質原性アミノ酸である。したがって、組織加水分解物中のヒドロキシプロリンは組織中に存在するコラーゲンの量の直接的尺度として使用可能である(プロコラーゲン、成熟コラーゲン及びコラーゲン分解産物の区別なし)。
【0246】
ヒドロキシプロリンを投薬する前には、95℃、6MのHCl中での組織試料の完全加水分解が必要である。アッセイにより、570nmでの最大吸光度を有する色素原が生成する。結果は、肝臓1gあたりのmgコラーゲンとして表される。
【0247】
アルファ2マクログロブリン(α2M)
α2Mの血漿濃度は、Abcamキット(カタログ番号ab157730)を製造業者の説明書に従って使用して測定した。手短に述べれば、マイクロプレートにラットα2Mに特異的である抗体をプレコートする。次に、標準、対照及び試料をピペットでウェルに移し、血漿中に存在するα2Mはいずれも固定された抗体が結合する。洗浄後、西洋ワサビペルオキシダーゼ標識二次抗体をウェルに添加する。洗浄に続いて、基質溶液をウェルに添加する。酵素反応は停止液を添加することにより停止させる。450nmで測定した色の強度は最初のステップで結合したα2Mの量に比例している。次に、試料値は検量線から推定する。結果はng/mLで表される。
【0248】
プロコラーゲンIII N終端プロペプチド(PIIINP)
PIIINPの血漿濃度は、Cloud-Clone Corp社製のELISAアッセイ(カタログ番号SEA573Ra)を製造業者の説明書に従って使用して測定した。マイクロタイタープレートにPIIINPに特異的な抗体をプレコートする。標準又は試料を、PIIINPに特異的なビオチンコンジュゲート抗体と一緒に適切なマイクロタイタープレートウェルに添加する。次に、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)にコンジュゲートしたアビジンをそれぞれのマイクロプレートウェルに添加しインキュベートする。TMB基質溶液を添加した後、PIIINP、ビオチンコンジュゲート抗体及び酵素コンジュゲートアビジンを含有するウェルのみが色の変化を示す。酵素基質反応は硫酸溶液の添加により終了させ、色の変化は450nm±10nmの波長で分光光度的に測定する。次に試料中のPIIINPの濃度は、試料のODを標準曲線と比較することにより測定する。結果はpg/mLで表される。
【0249】
肝臓遺伝子発現の分析
全RNAは、RNeasy Miniキット(Qiagen)を製造業者の説明書に従って使用して、ラット肝臓から単離した。全RNAは、1×RTバッファー(Invitrogen)、0.5mMのDTT(Invitrogen)、0.18mMのdNTP(Promega)、200ngのpdN6(Amersham)及び30UのRNアーゼ阻害剤(Promega)中でM-MLV RT(モロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素)(Invitrogen、カタログ番号28025)を使用してcDNAに逆転写した。
【0250】
次に、CFX96 Touch(商標)リアルタイムPCR検出システム(Biorad)を使用して、定量的PCRを実行した。手短に述べれば、PCR反応は、以下のプライマー配列を使用して、1μLの逆転写反応、0.5μLのリバース及びフォワードプライマー(それぞれ10pmol)、並びに12.5μlの2× iQ SYBR Green Supermix(BioRad)を含有する25μlの全容積中、96-WPフォーマットにおいて実施した。
【0251】
【0252】
発現レベルは、試料中の参照のハウスキーピング遺伝子としてRPLP0遺伝子の発現を使用して正規化した。遺伝子ごとに、PCR反応効率を100%に近づけ相関係数を1に近づけるために最良点(少なくとも3点)を選択することにより検量線を描いた。発現レベルは、ハウスキーピング遺伝子と標的遺伝子の両方について検量線方程式を使用して測定した(それぞれの標的遺伝子の特定のPCR効率を考慮して)。
【0253】
結果及び考察
結果は以下の表に及び
図1~5に報告している。
【0254】
【0255】
西洋の生活様式は、多くの場合肝線維症及び肝硬変症にまで進行し、最終的には肝細胞癌をもたらす場合がある慢性肝疾患である非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の高い発生率と常に連動している。現在、NASHには承認された療法はない。複数の治療標的に同時に向けられる薬物組合せは、薬物応答を劇的に改善し最も広い患者集団のためになる潜在力がある。薬物組合せは以前、高血圧、脂質異常、又は2型糖尿病のような他の全身性疾患において試験され、基礎疾患のより優れた管理を示し、罹患率及び死亡率を減少した。最近のフェーズ2B研究では、エラフィブラノール(PPARα/δアゴニスト)とOCA(FXRアゴニスト)の両方がNASH及び線維症エンドポイントに有効性を示した。本発明者らは、関連するNASH病理結果に関してその作用を比較し、組合せの治療効果を探すことを望んだ。
【0256】
この目的を達成するため、コレステロールを補充したコリン欠乏アミノ酸置換食(CDAA/chol食)をウィスターラットに与えることにより、NASH組織像及び線維症を誘発した。介在群の動物は、全研究期間、エラフィブラノール若しくはOCAのいずれか又は両方の化合物を受けた。NASH及び線維症発症は組織像により評価した。追加の生化学的分析及び分子分析も異なる適切なバイオマーカーで実施した。
【0257】
CDAA/chol食で飼われたウィスターラットはNASH関連組織像及び重症の高浸透線維症を発症した。進行した脂肪肝、小葉性炎症及びバルーニングがすべての動物に存在しNASスコアは6~8で変動した。肝臓組織像(ピクロシリウス陽性領域)及び生化学(肝臓コラーゲン濃度)は、肝線維症含有量の平均で4倍の増加を示し、線維症スコアは薬物処置を受けなかったCDAA/c食の動物すべてで3又は4であった。炎症、酸化ストレス、組織リモデリング及び線維症に関連する遺伝子の発現は増加し、重症のNASH患者で以前報告された遺伝子シグネチャーと一致していた。
【0258】
エラフィブラノール及びOCA投与単独だと、線維症発症の極めて顕著な減衰を生じた。両方の化合物を受けた動物では線維症に対する類似する有効性が観察されたが、有意に低い用量であった。肝細胞の損傷は、バルーニングによって判断した場合、エラフィブラノールにより用量依存的様式で予防された又は減弱された。代わりに、OCAは、本研究で使用された用量では部分的なバルーニング減弱を示しただけであった。小葉性炎症は、エラフィブラノールにより用量依存的様式で減弱され、OCAでは減弱の程度はもっと少なかった。最後に、どちらかの薬物候補単独の投与は、組織リモデリング、炎症及び酸化ストレスマーカーの増加を部分的に減弱し、両方の化合物の組合せは、いずれの単剤と比べても効果は高かった。
【0259】
したがって、CDAA/c食誘発NASHモデルにおける肝線維症に対するエラフィブラノールとOCAの相乗作用により、いずれの単剤と比べても、両方の薬物候補の有意に低い用量で匹敵する治療効果が生じたことが本明細書で明らかにされている。本研究から、両方の薬物候補の用量は、個別に使用されるそれぞれの化合物の最初の用量に類似する結果を得るのに、少なくとも1.5、2、2.5の係数で又は少なくとも3の係数でさえ減らすことが可能であると確実に予測される。さらに、エラフィブラノールは、肝臓損傷に対して明白な保護効果を示した。バルーニング及び小葉性炎症に対するOCAの効果はこのモデルでは幾分控え目であった。この研究から、エラフィブラノール/OCA組合せはより広範な患者集団の役に立ち、関連する治療用量低下は薬物副作用の発生を減少すると結論付けることが可能である。
【0260】
[実施例3] ELAとCVCの組合せ
材料及び方法
化合物はジメチルスルホキシド(DMSO、Fluka、カタログ番号41640)に溶解した。CVCはCLINISCIENCES(Ref:A13643-10、バッチ番号:497223-25-3)から購入した。ベザフィブラートはGenfitで合成した。
【0261】
hHSC培養
ヒト原発性肝星細胞(hHSC)(Innoprot)を、2%のウシ胎仔血清(FBS、ScienCell カタログ番号0010)、1%のペニシリン/ストレプトマイシン(ScienCell カタログ番号0503)及び星状細胞成長栄養補助剤(SteCGS;ScienCell カタログ番号5352)を補充したSTeCM培地(ScienCell カタログ番号5301)で培養した。細胞培養フラスコは付着をよくするためにポリ-Lリジン(Sigma カタログ番号P4707)で被覆した。
【0262】
成分の調製
2つの成分組合せマトリックス(エラフィブラノール/CVC)
これらの実験では、チェッカーボードマトリックスを作成した。CVC及びエラフィブラノールストックは、96ウェルプレートの横列(エラフィブラノール)での5ポイント系列及び縦列(セニクリビロク)での6ポイント系列でDMSOに連続希釈した。続いて、6×7組合せマトリックスは、すべての単剤濃度を1対1で混合することにより作成した。化合物ごとの試験濃度は、TGF-β1で刺激したHSCモデルにおいてαSMA含有量を測定することにより得られる単剤としてのそれぞれの化合物のそれぞれのIC50に基づいて選択した。
【0263】
TGF-β1を用いたhHSCの活性化及び化合物処理
ヒト原発性肝星細胞(hHSC)(Innoprot)は、上記の通り、標準条件下で培養した。続いて、細胞は、ELISAによるαSMAの測定のために96ウェルプレートに2×104細胞/ウェルの密度で蒔いた。
【0264】
次の日、細胞培養培地を取り除き、細胞はPBS(Invitrogen カタログ番号14190)で洗浄した。hHSCは、無血清及び無SteCGS培地において24時間枯渇させた。CVC、エラフィブラノール、ベザフィブラート並びにCVC/エラフィブラノール及びCVC/ベザフィブラートの対での組合せを用いた処置では、血清枯渇hHSCは、化合物と一緒に1時間プレインキュベートし、続いて無血清及び無SteCGS培地にさらに48時間線維形成促進性刺激TGF-β1(PeproTech カタログ番号100-21、1ng/mL)を添加した。
【0265】
αSMA ELISA
αSMAのレベルはサンドイッチELISAを使用して測定した。手短に述べれば、ELISAプレートのウェルを先ず、4℃で一晩、捕捉抗体(マウスモノクローナル抗ACTA2、Abnova)で被覆した。PBS+0.2%のTween20での3回洗浄後、PBS+0.2%のBSAからなるブロッキング液を添加して1時間置き、続いて追加の洗浄サイクルにかけた。細胞可溶化物はウェルに移して、室温で2時間捕捉抗体に結合させた。洗浄手順の後、検出抗体(ビオチン化マウスモノクロール抗ACTA2、Abnova)を室温で添加して2時間置き、続いて3回洗浄した。検出では、HRPコンジュゲートストレプトアビジン(R&D System カタログ番号DY998)を先ず室温で30分間適用させた。洗浄後、HRP基質TMB(BD、番号555214)を添加し、暗所で室温、7分間インキュベートした。酸化されると、TMBは水溶性の青色反応産物を形成し、これは硫酸を添加すると黄色になり(溶解停止)、分光光度計を使用する450nmでの強度の正確な測定が可能になる。発色は可溶化液に存在するαSMAの量に正比例する。
【0266】
エクセスオーバーブリス(EOB)法による相乗作用の測定
αSMA ELISAアッセイで得られた値は、先ずTGF-β1対照に対するパーセント阻害に変換した。次に、これらのパーセント阻害を使用して、EOB(エクセスオーバーブリス)を測定して薬剤組合せの相乗効果を明確にした。予測されるブリスアディティビズムスコア(E)は第一に式:
E=(A+B)-(A×B)により測定し、A及びBは所与の用量でのエラフィブラノール(A)(又はベザフィブラート)及びセニクリビロク(B)のパーセント阻害である。同じ用量での組合せCVC/エラフィブラノール(又はベザフィブラート)のブリス予測と観測された阻害の差は「エクセスオーバーブリス」スコアである。
【0267】
・エクセスオーバーブリススコア=0は、組合せ処置が相加的であることを示している(独立した経路効果について予測される通り)
・エクセスオーバーブリススコア>0は、相加的よりも大きな活性を示している(相乗的);及び
・エクセスオーバーブリススコア<0は、組合せが相加的よりも低いことを示している(拮抗的)。
【0268】
組合せエラフィブラノール+CVC及びベザフィブラート+CVCでは、付加的な全ブリススコアはすべてのEOBの合計により計算した。
【0269】
相乗作用を確認するため、CVC/エラフィブラノール組合せについてのトップEOBスコアに応じた実験値は棒グラフにプロットした。
【0270】
最高単剤に対するCVC/エラフィブラノール又はCVC/ベザフィブラートの間の観察された差の有意性は、スチューデントt検定によって測定した。[*:p<0.05;**:p<0.01;***p<0.001]
【0271】
結果及び結論:
分化した筋線維芽細胞の異常な持続性は多くの線維性疾患の特徴である。
肝損傷に続いて、静止状態のHSCは、(α-SMA)陽性筋線維芽細胞への分化を特徴とする活性化の過程を経る。
【0272】
PPARアゴニストエラフィブラノールは、線維形成促進性サイトカインTGFβ1で活性化したhHSCにおける抗線維化活性を明らかにしている。αSMAマーカーは80%低減され、IC
50は3.17μMであった(
図6A)。しかし、ベザフィブラートのような他のPPARアゴニストは弱い抗線維化プロファイルを示し(
図6C)、その抗線維化特性に関してPPARアゴニストは同じではないことが示唆される。CVC単独だと、TGFβ活性化HSCにおいてすべての用量で有意な効果を示さなかった(
図6B)。エラフィブラノールとCVCの組合せが線維症を相乗的様式で低減することができるかどうかを評価するため、組合せマトリックス実験をTGFβ誘発HSCにおいて実施した。手短に述べれば、CVCとエラフィブラノール溶液を、エラフィブラノール/CVC比の大きなパネルをカバーする42の組合せマトリックスを作成するチェッカーボードフォーマットで連続希釈した。相乗作用は先ずエクセスオーバーブリススコアを計算することにより判定した。これらの実験により、エラフィブラノールがCVCと協同して、活性化されたHSCにおいてαSMA産生を低減することができることが明らかにされた(
図7A及び7B)。相乗作用の最良の例の1つは、それぞれの化合物を5μM用いた
図7Cに示されている。5μMのCVC単独だといかなる抗線維化活性も示さないが、5μMのエラフィブラノールにそれを添加するとエラフィブラノールの活性を相乗的様式で有意に増加することができ、60%の阻害まで到達した(5μMのエラフィブラノールでの40%と比べて)。これとは対照的に、CVCとベザフィブラートの組合せは、ずっと低いEOBスコアを明らかにし(
図8A及び8B)、組合せのどれも統計的に有意な結果が得られなかった。
結論として、出願者は、ELAとCVCの組合せに思いがけない抗線維化活性を発見した。これらの結果により、式(I)の化合物とCVCの組合せが相乗的であり、線維性疾患のような複数のタイプの疾患において治療効果を提供できることが示唆される。
【0273】
[実施例4] エラフィブラノールとセロンセルチブ(SEL)、GKT-831又はGS-0976(GS)の組合せ:マウス線維化NASHモデルでの評価(8週間)
エラフィブラノールとセロンセルチブ、GKT-831又はGS-0976の組合せの予防効果を、2%のコレステロール、30%の乳脂肪食を補充したコリン欠乏アミノ酸置換食(CDAA)、及び飲料水中高フルクトースコーンシロップ55(最終濃度42g/Lについて55%のフルクトース/45%のグルコース)(Mellsら、J Nutr Biochem 2015年)(CDFF食)を与えたマウスで評価した。生後5~6週間のオスC57BI/6Jマウスに、対照(CSAA)食(n=4)、CDFF(n=12)又はエラフィブラノール(1又は3mg/kg/日)、セロンセルチブ(30mg/kg/日)、GKT-831(60mg/kg/日)若しくはGS-0976(10mg/kg/日)単独で又は組み合わせて補充したCDFF(群あたりn=8)を8週間与えた。
【0274】
体重、食物及び水摂取量は週あたり2回モニターした。処置の最終日、血漿試料を後眼窩採血から得て、マウスは6時間の断食期間後屠殺した。生化学的及び組織学的研究のため肝臓を速やかに切除した。すべての動物手順は、標準プロトコルに従って及び実験動物の適切な管理と使用のための標準的な勧告の通りに実施した。
【0275】
組織学
組織包埋及び薄片作製
肝臓薄片はホルマリン4%液で固定した。次に、肝臓片はPBS中で30分間洗浄し、エタノール液で脱水した(70、80、95及び100%エタノールでの連続浴)。肝臓片はキシレン(Honeywell カタログ番号534056)の3つの異なる浴で、続いて液体パラフィン中2つの浴(59℃)でインキュベートした。次に、肝臓片は、組織を完全に覆うためにHistowax(登録商標)で穏やかに満たしたラックに入れた。
【0276】
組織片を含有するパラフィンブロックをラックから取り出し、室温で保存した。肝臓ブロックは3μmの薄片に切り分けた。
【0277】
ヘマトキシリン/エオシン/サフラニン染色
肝臓切片は、マイヤーヘマトキシリン液(Microm、カタログ番号F/C0303)中で脱パラフィンし、再水和し、3分間インキュベートした。次に、肝臓切片は水ですすぎ、エオシンY 0.5%アルコール入り(VWR、カタログ番号1.02439.0500)及びエリスロシン0.5%液(VWR、カタログ番号1.15936.0010)中1分間インキュベートし、エタノールですすいだ。次に、切片はサフラニン中2分間インキュベートし、最終的に、脱水して、CV Mount培地(Leica、カタログ番号046430011)を使用してマウントした。
【0278】
ピクロシリウスレッド染色
肝臓切片は、0.5%酢酸(Panreac、カタログ番号131008.1611)の浴ですすぐ前に、Fast Green FCF0.1%(Sigma-Aldrich、カタログ番号F7258)の溶液中で脱パラフィンし、再水和し15分間インキュベートした。次に、肝臓切片は水ですすぎ、飽和水性ピクリン酸(Sigma-Aldrich、カタログ番号P6744)中0.1%のシリウスレッド(Direct Red 80、Fluka カタログ番号43665)の溶液中で30分間インキュベートした。次に、切片は脱水して、CV Mount培地(Leica、カタログ番号14046430011)を使用してマウントした。
【0279】
組織学的検査
それぞれの肝臓標本の供給源に盲検の技術者が組織学的検査を実施した。バーチャルスライドは、3D Histech社製のPannoramic250スキャナーを使用して作製した。動物ごとに、NASHの主な組織病変を要約するスコアは、NASH臨床研究ネットワーク(Kleiner 2005年、Brunt 1999年)に従って帰属させた。手短に述べれば、脂肪肝、小葉性炎症及び肝細胞バルーニングをスコア化した。NAFLD活性スコア(NAS)は、脂肪肝(0~3)、小葉性炎症(0~3)及びバルーニング(0~2)損傷等級付けの非加重合計として個体ごとに確立した。
【0280】
Quant Centerソフトウェア(3D Histech、Pattern Quant及びHisto Quantモジュールを含む)を使用して、コラーゲン染色領域を定量化した。手短に述べれば、Pattern Quantを使用して組織を検出しその表面を測定した。次に、カラー閾値法に基づいて、Histo Quantを使用して染色コラーゲン含有量を検出しその表面を測定した。次に、線維症領域は、動物あたりのコラーゲン表面の全組織に対するパーセントとして表した。
【0281】
肝臓の生化学分析
肝臓コラーゲン含有量の測定
肝臓コラーゲン含有量は、適切なQuickZymeキット(Total collagen assay、カタログ番号QZB-totcol2)を使用して測定した。アッセイはヒドロキシプロリンの検出に基づいており、これは主にコラーゲンの3重らせんに見出される非タンパク質原性アミノ酸である。したがって、組織加水分解物中のヒドロキシプロリンは組織中に存在するコラーゲンの量の直接的尺度として使用可能である(プロコラーゲン、成熟コラーゲン及びコラーゲン分解産物の区別なし)。
【0282】
ヒドロキシプロリンを投薬する前には、95℃、6MのHCl中での組織試料の完全加水分解が必要である。アッセイにより、570nmでの最大吸光度を有する色素原が生成する。結果は、肝臓1gあたりのmgコラーゲンとして表される。
【0283】
肝臓トリグリセリド含有量の測定
おおよそ100mgの凍結肝臓組織を、15.4mMのNaN3を含有する150mMのNaClバッファー中で組織ホモジナイザー(Precellys(登録商標)24、Bertin Technologies、France)を用いてホモジナイズした。ホモジネート中の脂質画分はクロロホルム-メタノール(2対1、v/v)で抽出し、続いてトリグリセリドを測定した(Biolabo カタログ番号80019)。
【0284】
血漿プロコラーゲンIII N-終端プロペプチド(PIIINP)測定
PIIINPの血漿濃度は、Cloud-Clone Corp社製のELISAアッセイ(カタログ番号SEA573Mu)を製造業者の説明書に従って使用して測定した。マイクロタイタープレートは、PIIINPに特異的な抗体でプレコートする。標準又は試料は、PIIINPに特異的なビオチンコンジュゲート抗体付きの適切なマイクロタイタープレートウェルに添加する。次に、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)にコンジュゲートされたアビジンをそれぞれのマイクロプレートウェルに添加してインキュベートする。TMB基質溶液を添加後、PIIINP、ビオチンコンジュゲート抗体及び酵素コンジュゲートアビジンを含有するウェルのみが色の変化を示す。酵素-基質反応は硫酸溶液を添加することにより終了させ、色変化は450nm±10nmの波長で分光光度的に測定する。次に、試料中のPIIINPの濃度は、試料のODを検量線と比較することにより測定される。結果はpg/mLで表される。
【0285】
マトリックスメタロプロテイナーゼ1の血漿組織阻害因子(TIMP-1)測定
血漿TIMP-1レベルは、R&D Systems社製の定量的サンドイッチELISAアッセイ(カタログ番号MTM100)を、実験プロトコルPRO_LIDO_000020に従って使用して測定した。手短に述べれば、マウスTIMP-1に特異的なモノクローナル抗体をマイクロプレート上にプレコートした。標準、対照及び試料はピペットでウェルに移し、存在するマウスTIMP-1はいずれも固定化された抗体が結合する。非結合基質をいずれも洗い流した後、マウスTIMP-1に特異的な酵素連結ポリクローナル抗体がウェルに添加される。いずれの非結合抗体-酵素試薬を取り除くための洗浄後、基質液をウェルに添加する。酵素反応により青色産物が得られ、これは停止溶液を添加すると黄色に変わる。測定される色の強度は最初のステップで結合しているマウスTIMP-1の量に比例する。次に、試料値は検量線から計算する。結果はpg/mlで表される。
【0286】
肝臓遺伝子発現分析
全RNAは、RNeasy Miniキット(Qiagen)を製造業者の説明書に従って使用して、マウス肝臓から単離した。全RNAは、1×RTバッファー(Invitrogen)、0.5mMのDTT(Invitrogen)、0.18mMのdNTP(Promega)、200ngのpdN6(Amersham)及び30UのRNアーゼ阻害剤(Promega)中でM-MLV RT(モロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素)(Invitrogen、カタログ番号28025)を使用してcDNAに逆転写した。
【0287】
次に、CFX96 Touch(商標)リアルタイムPCR検出システム(Biorad)を使用して、定量的PCRを実行した。手短に述べれば、PCR反応は、以下のプライマー配列を使用して、1μLの逆転写反応、0.5μLのリバース及びフォワードプライマー(それぞれ10pmol)、並びに12.5μlの2×iQ SYBR Green Supermix(BioRad)を含有する25μlの全容積中、96-WPフォーマットにおいて実施した。
【0288】
【0289】
発現レベルは、試料中の参照のハウスキーピング遺伝子としてGAPDH遺伝子の発現を使用して正規化した。遺伝子ごとに、PCR反応効率を100%に近づけ相関係数を1に近づけるために最良点(少なくとも3点)を選択することにより検量線を描いた。発現レベルは、ハウスキーピング遺伝子と標的遺伝子の両方について検量線方程式を使用して測定した(それぞれの標的遺伝子の特定のPCR効率を考慮して)。
【0290】
結果及び結論
最近の臨床研究では、エラフィブラノール、セロンセルチブ、GKT-831及びGS-0976は、NASH及び線維症エンドポイントで有効性を示してきた。本発明者らは、関連するNASH病理結果に関してその作用を比較し、組合せの治療効果を探したいと望んだ。この目的を達成するため、コレステロール及び乳脂肪を補充したコリン欠乏Lアミノ酸限定食、並びに飲料水中高フルクトースコーンシロップ(CDFF食)をC57BI/6Jマウスに与えることにより、NASHを誘発した。介在群の動物は、全研究期間、エラフィブラノール、セロンセルチブ、GKT-831若しくはGS-0976単独を又はエラフィブラノールと組み合わせて受けた。NASH発症は組織学的及び生化学的測定値並びにNASH病理に関連する経路に関与している遺伝子の肝臓発現により評価した。
【0291】
CDFFで飼われたマウスは重症の高浸透NASHを発症した。進行した脂肪肝及び小葉性炎症がすべての動物に存在し、6又は7の高NASスコアを生じた(
図15C)。線維化、組織リモデリング及び炎症に関連する遺伝子の発現は増加し、重症のNASH患者で以前報告された遺伝子シグネチャーと一致していた(
図14E~I)。
【0292】
このモデルでは、エラフィブラノール(3mg/kg/日)は、脂肪肝及び肝臓小葉性炎症を低減することによりNASH組織像を改善し、NAFLD活性スコアを全体的に低減する(示されず)。エラフィブラノールは、炎症、組織リモデリング及び線維化に関連する遺伝子の発現も減少させ(
図14E~I)、組織像により評価される肝線維症、肝臓コラーゲン含有量並びにPIIINP及びTIMP-1の血液への放出を著しく低減する(
図14A~D)。
【0293】
セロンセルチブ(30mg/kg/日)単独は、このモデルで肝線維症を改善するが、エラフィブラノールよりも程度は低い(
図14)。エラフィブラノール(3mg/kg/日)とセロンセルチブ(30mg/kg/日)を組み合わせると、肝線維症に(組織像、肝臓コラーゲン含有量並びにPIIINP及びTIMP-1の放出により評価した場合)、並びに線維化、組織リモデリング及び炎症に関与する遺伝子の肝臓発現に相乗的治療効果をもたらした(
図14)。
【0294】
GKT-831(60mg/kg/日)単独は、このモデルではNASH及び線維症に対して治療効果はなかった。しかし、エラフィブラノールの最適以下の用量(1mg/kg/日)と組み合わせると、GKT-831は、肝臓炎症性浸透物、NAFLD活性スコア及び線維症を低減した(
図15)。
【0295】
GS-0976(30mg/kg/日)を用いた処置は、このモデルでは肝脂肪及び体重に対し軽い治療効果であった(
図16)。しかし、最適以下の用量(1mg/kg/日)でエラフィブラノールと組み合わせると、全体脂肪燃焼に対して相乗効果があり、20%の体重減少並びに脂肪肝及びトリグリセリド含有量の目覚ましい減少をもたらした(
図16)。
【0296】
結論として、本発明者らは、エラフィブラノールとMSDC-0602、PXS-4728、MT-3995(アパラレノン)、CF-102(ナモデノソン)、ビスモデギブ、PBI-4050、ゲムカベン、CP-640186、GS-0976、JKB-121(ナルメフェン)、VK-2809、MGL-3196、アラムコール、エムリカサン、DUR-928(25-ヒドロキシコレステロール-3-硫酸塩)、セロンセルチブ、KD-025、又はGKT-831の間に相乗効果を見出した。
【0297】