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特許7266552ファイアウォールを備えた路面仕上げ機又はフィーダ車両
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  • 特許-ファイアウォールを備えた路面仕上げ機又はフィーダ車両 図1
  • 特許-ファイアウォールを備えた路面仕上げ機又はフィーダ車両 図2
  • 特許-ファイアウォールを備えた路面仕上げ機又はフィーダ車両 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】ファイアウォールを備えた路面仕上げ機又はフィーダ車両
(51)【国際特許分類】
   E01C 19/48 20060101AFI20230421BHJP
   G05B 19/042 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
E01C19/48 A
G05B19/042
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020077948
(22)【出願日】2020-04-27
(65)【公開番号】P2020183697
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2020-07-02
(31)【優先権主張番号】19171727.1
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】596068349
【氏名又は名称】ヨゼフ フェゲーレ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(72)【発明者】
【氏名】アヒム オイル
(72)【発明者】
【氏名】ヘニング デリウス
(72)【発明者】
【氏名】マルクス エルトマン
【審査官】亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0205999(US,A1)
【文献】特開2003-253663(JP,A)
【文献】特開平09-270788(JP,A)
【文献】特開2002-325144(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0010621(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0030027(US,A1)
【文献】特表2013-525631(JP,A)
【文献】特開2016-191299(JP,A)
【文献】特表2011-507464(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0136023(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 19/00-19/52
G05B 19/04-19/05
G06F 13/00
H04L 12/00-12/28
H04L 12/50-12/66
H04W 12/088
E02F 9/00-9/22
E02F 3/42-3/43
E02F 3/84-3/85
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面仕上げ機又は該路面仕上げ機用のフィーダ車両である建設車両(1)であって、
駆動機能を与える駆動装置(10,18)と、
動作を制御する演算処理部(19)を有する、内部のネットワークエリア(21)と、
前記内部のネットワークエリア(21)とデータ通信接続している、外部のネットワークエリア(41)と、
を備え、
前記外部のネットワークエリア(41)から前記内部のネットワークエリア(21)へのデータ通信を監視するように構成され、内蔵のプロセッサ(55)及び内蔵のオペレーティングシステムを有するファイアウォール(53)を更に備え
前記内部のネットワークエリア(21)と前記外部のネットワークエリア(41)とは、建設車両本体に配置されており、
前記ファイアウォール(53)のソフトウェアは、前記演算処理部(19)から独立して更新されるように構成されていることを特徴とする、建設車両(1)。
【請求項2】
前記外部のネットワークエリア(41)は、前記ファイアウォール(53)の入力(59)に接続されている、請求項1に記載の建設車両(1)。
【請求項3】
前記ファイアウォール(53)の出力(61)は、前記演算処理部(19)のネットワークインタフェース(35,39)に接続されている、請求項1又は2に記載の建設車両(1)。
【請求項4】
前記ファイアウォール(53)の出力(61)は、前記内部のネットワークエリア(21)の一部であると共に前記演算処理部(19)のネットワークインタフェース(35,39)に接続されるスイッチ(33)に接続されている、請求項1又は2に記載の建設車両(1)。
【請求項5】
前記内部のネットワークエリア(21)の一部である、内部の建設車両ネットワーク(23)は、前記スイッチ(33)に更に接続されている、請求項4に記載の建設車両(1)。
【請求項6】
前記内部のネットワークエリア(21)は、機械コントローラを備える、請求項1~5の何れか1項に記載の建設車両(1)。
【請求項7】
前記外部のネットワークエリア(41)は、外部記憶媒体との間でデータ通信するためのインタフェース(43)と、外部装置との間でデータ通信するためのインタフェース(45)と、外部ネットワークとの間でデータ通信するためのインタフェース(47)と、及び/又は無線データ通信のためのインタフェース(49)とを備える、請求項1~6の何れか1項に記載の建設車両(1)。
【請求項8】
前記ファイアウォール(53)は、前記演算処理部(19)の回路基板上に形成されている、請求項1~7の何れか1項に記載の建設車両(1)。
【請求項9】
前記演算処理部(19)は、中央コンピュータとして設計されている、請求項1~の何れか1項に記載の建設車両(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路面仕上げ機、路面仕上げ機用のフィーダ車両の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、道路建設における自動化及びデジタル化に向かうトレンドは、路面仕上げ機や路面仕上げ機用のフィーダ車両に使用されるコンピュータシステムの複雑さを劇的に増大させた。現在使用中の複雑なコンピュータシステムは、路面仕上げ機又はフィーダ車両の内部制御におけるタスク、例えば機械制御及び監視のタスク、並びに主に外部システム又は作業者とのデータ通信の分野におけるタスクを実行する(例えば、特許文献1参照)。特許文献1は、シャシー又は材料ホッパーの側に設けられた操作部を有する路面仕上げ機を開示し、操作部は、路面仕上げ機との単方向又は双方向の電子データ交換のためのインタフェースを備える。
【0003】
路面仕上げ機又はフィーダ車両に設けることができる、コンピュータで動かされている様々な構成要素を、互いに調整できるようにし、かつ、中央コンピュータとも調整できるようにするために、ネットワーク、特にイーサネットネットワークが使用され得る。したがって、通信は、既知の規格に基づいて確実に実行され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】欧州特許出願公開第3214223号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、異なる機能及び構成要素のネットワーク化は、システムの安全性に悪影響を及ぼし得る。
【0006】
本発明の目的は、高度なコンピュータ化にもかかわらず良好な安全特性を有する路面仕上げ機又はこの路面仕上げ機用のフィーダ車両を提供することである。このことは、できる限り簡単な装置で実現することである。
【0007】
また、上記目的は、請求項1の主題事項により実現される。従属請求項は、本発明の有利な実施形態を示している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、路面仕上げ機又はこの路面仕上げ機用のフィーダ車両である建設車両が提供される。建設車両は、建設車両の駆動機能を与える駆動装置を備える。加えて、建設車両は、建設車両の動作を制御する演算処理部を備える、内部のネットワークエリアと、その内部のネットワークエリアにデータ通信接続している、外部のネットワークエリアとを備える。内部のネットワークエリアと外部のネットワークエリアとの両方は、建設車両上で実装されている点に留意すべきである。「内部のネットワークエリア」及び「外部のネットワークエリア」という用語は、読みやすくするために使用されるが、「第1のネットワークエリア」及び「第2のネットワークエリア」という用語によって容易に置き換えられる。
【0009】
建設車両は、建設車両の外部のネットワークエリアから建設車両の内部のネットワークエリアへのデータ通信を監視するように構成されたファイアウォールを更に備える。ファイアウォールは、内蔵のプロセッサ及び内蔵のオペレーティングシステムを有する。特に、ファイアウォールは、内蔵のソフトウェア及び/又は内蔵のファームウェアを有していてもよい。
【0010】
ファイアウォールを設けることによって、内部のネットワークエリアと外部のネットワークエリアとの間のネットワーク分離が、建設車両上で実現される。内部のネットワークエリア及び外部のネットワークエリアは、ファイアウォールによって明確かつ曖昧さを残さずに隔てられる。ファイアウォールは、外部のネットワークエリアからの不要なネットワークアクセスから建設車両の内部のネットワークエリアを保護してもよい。
【0011】
ネットワーク分離に基づいて、例えば、建設車両の特に安全に関する重要な機能と、外部アクセスが不必要とされる機能とは、内部のネットワークエリア内で実施されてもよい。一方、外部ネットワーク、装置、又は記憶媒体とのデータ通信用の装備及び安全上重要でない機能は、外部のネットワークエリア内に提供されてもよい。
【0012】
ファイアウォールは、内蔵のプロセッサ及び内蔵のオペレーティングシステムを有するので、外部のネットワークエリアと内部のネットワークエリアとの間に独立したセキュリティレベルが存在する。このことは、安全でないデータが内部のネットワークエリア、特に、演算処理部のネットワークインタフェースに到達する前にブロックされ得るので、建設車両を制御するための演算処理部上で実施される保護機構と比較して有利である。フィルタ処理されるために、演算処理部を危険にさらす可能性があるデータは、最初に演算処理部に入力されない。
【0013】
内部のネットワークエリア及び外部のネットワークエリアは、イーサネットネットワークとして少なくとも部分的に設計されることが好ましい。内部のネットワークエリアの少なくとも一部及び/又は外部のネットワークエリアの一部は、無線接続によって、例えばWLANによって実現されることも考えられる。
【0014】
外部のネットワークエリアは、ファイアウォールの入力に接続されることが好ましい。これにより、外部のネットワークエリアからのデータが内部のネットワークエリアに入る前に、先ず、ファイアウォールを通過しなければならないことを確実にする。
【0015】
ファイアウォールの出力は、演算処理部のネットワークインタフェースに接続されてもよい。次に、ファイアウォールによって検査された外部のネットワークエリアからのデータは、更なる処理のために演算処理部に直接転送されてもよい。
【0016】
ファイアウォールの出力は、内部のネットワークエリアの一部であるスイッチに接続されることも考えられる。次に、スイッチは、内部のネットワークエリアの対応する構成要素に適した方法で外部のネットワークエリアからのデータを転送することができる。特に、スイッチは、演算処理部のネットワークインタフェースに接続されていてもよい。したがって、外部のネットワークエリアからのデータを演算処理部へ転送することができる。
【0017】
内部のネットワークエリアの一部である、内部の建設車両ネットワークは、スイッチにも接続されていることが好ましい。内部のネットワークエリアの個々の一部は、演算処理部に接続される前に、スイッチを介して統合され得る。これにより、演算処理部においてネットワークインタフェースが節約される。例えば、演算処理部における単一のネットワークインタフェースは、特にスイッチに接続されたものであれば、十分であり得る。
【0018】
建設車両の内部のネットワークエリアは、建設車両の機械コントローラを備えることができる。したがって、建設車両の特に安全にとって重要な要素としての機械コントローラは、ファイアウォールによって保護される。特に、機械コントローラは、演算処理部上で少なくとも部分的に実施することができる。
【0019】
例えば、建設車両の外部のネットワークエリアは、外部記憶媒体との間でデータ通信するためのインタフェース、外部装置との間でデータ通信するためのインタフェース、外部ネットワークとの間でデータ通信するためのインタフェース、及び/又は無線データ通信のためのインタフェースを備えてもよい。これらのインタフェースは、外部から建設車両にデータが提供されるようにしてもよい。インタフェースが外部のネットワークエリアに設けられているので、内部のネットワークエリアは、これらのインタフェースを介して侵入され得るコンピュータウイルス等の有害なデータに対してファイアウォールによって保護される。
【0020】
効率的には、ファイアウォールは、演算処理部の回路基板上に形成されていてもよい。但し、ファイアウォールは、内蔵のプロセッサ及び内蔵のオペレーティングシステムを有し、設置空間のより良い使用とより効率的な製造のために、演算処理部の回路基板上にのみ配置されている点に留意する必要がある。代替として、物理的な外部の装置としてファイアウォールを接続することも考えられる。
【0021】
好ましくは、ファイアウォールのソフトウェアは、演算処理部から独立して更新されてもよい。そのような更新は、例えば、ファイアウォール上に又は外部のネットワークエリア内に直接設けられたインタフェースを介して行われてもよい。ファイアウォールのソフトウェアの独立した更新は、少量のデータにより迅速に実行することができる。更に、演算処理部に関する時間のかかる検証を行なう必要がない。
【0022】
演算処理部は、特に、建設車両の中央コンピュータであり得る。
【0023】
以下において、本発明は、図を参照して実施形態により、更に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】一実施形態による路面仕上げ機として設計された建設車両を示す図である。
図2】一実施形態による路面仕上げ機用のフィーダ車両として設計された建設車両を示す図である。
図3】一実施形態によるブロック図として表される建設車両のネットワーク図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明による建設車両1は、路面仕上げ機として又はフィーダ車両として設計され得る。図1は、路面仕上げ機として設計された建設車両1の概略図を示す。路面仕上げ機は、舗装材料を受け入れる材料ホッパー3を備え、この材料ホッパー3は、舗装する駆動方向Fに対して前方に位置する。舗装作業中、舗装材料は、舗装する駆動方向Fと反対の方向に、路面仕上げ機の後部領域の中に搬送され、そこで舗装材料は、圧縮のために、路面仕上げ機の背後で牽引棒5に対して牽引される舗装スクリード6に渡される。舗装スクリード6は、舗装材料を圧縮するための振動駆動装置及びタンパバー等の圧縮ユニットを装備する。路面仕上げ機の作業用プラットフォーム7上には、作業者が駆動装置10又は圧縮ユニット等の路面仕上げ機の機械の機能を制御することを可能にする操作装置9が配置されている。
【0026】
図2は、路面仕上げ機用のフィーダ車両としての本発明による建設車両1の別の方式を示す。フィーダ車両は、路面仕上げ機の材料ホッパー3に舗装材料を充填することによって道路舗装材料を供給するように設計されている。このことは、特に、路面仕上げ機の材料ホッパー3に舗装材料を充填している間に、路面仕上げ機の前方を移動するフィーダ車両によって舗装駆動中に行われ得る。フィーダ車両は、舗装材料、例えば、配送トラックからの舗装材料を受け入れるために、フィーダの駆動方向Bに対して前方に受け入れ用ホッパー11を備える。舗装材料は、フィーダの駆動方向Bと反対の方向に、フィーダ車両の後部領域の中に搬送され、そこからフィーダ車両のコンベア13を用いて、フィーダ車両の背後で駆動する路面仕上げ機の材料ホッパー3の中に運ばれる。操作装置17は、フィーダ車両の作業用プラットフォーム15上に設けられ、このことにより、作業者は、フィーダ車両の機械の機能、例えば、駆動装置18を制御することができる。
【0027】
建設車両1は、路面仕上げ機としての設計及びフィーダ車両の設計の両方において、建設車両1の動作を制御する演算処理部19を備える。図示した実施形態では、演算処理部19は、建設車両1の中央コンピュータとして設計されている。演算処理部19は、ユーザの命令を受け入れるために、建設車両1の作業用プラットフォーム7上の操作装置9や建設車両1の作業用プラットフォーム15上の操作装置17に接続されていてもよい。演算処理部19は、建設車両1における個々に作動する構成要素を制御及び/又は調節するための建設車両1の機械制御システムの一部であってもよい。路面仕上げ機の場合には、演算処理部19は、例えば、駆動装置10、路面仕上げ機の材料搬送装置、及び舗装スクリード6の圧縮ユニットを制御することができる。フィーダ車両の場合には、演算処理部19は、例えば、駆動装置18、及びコンベア13の動作を制御することができる。
【0028】
建設車両1の個々の構成要素と機能とを互いにより良く調整してネットワーク化するために、演算処理部19は、必要に応じて、外部で得られたデータの使用を許可し、建設車両1のネットワークシステムに統合される。
【0029】
図3は、建設車両1のネットワークアーキテクチャの構成の概略を示すブロック図である。建設車両1のネットワークは、内部のネットワークエリア21を備え、この内部のネットワークエリア21は、演算処理部19も備える。図示された実施形態では、内部のネットワークエリア21は、内部の建設車両ネットワーク23も備え、内部の建設車両ネットワーク23は、多数のネットワーク参加者を含めてもよい。例えば、建設車両1のセンサ装置25は、内部の建設車両ネットワーク23の一部であってもよい。分散型制御装置27は、相互調整及び/又は作業者へのデータの提供のため、又は動作データ取得のために、内部の建設車両ネットワーク23の一部であってもよい。建設車両1のデータ記憶装置29は、例えば、建設車両1によって収集されたデータを一元的に管理して記憶することができるようにするために、又は、建設車両1の動作のデータ若しくは作業者による検査のデータを提供するために、内部の建設車両ネットワーク23の一部であることも考えらえる。内部の建設車両ネットワーク23は、ネットワーク接続31によって図3に示されるように、スイッチ33を介して演算処理部19のネットワークインタフェース35に接続されていてもよい。代替として、内部の建設車両ネットワーク23は、図3に破線で示されたネットワーク接続37を介して演算処理部19のネットワークインタフェース39に直接接続されることも考えられる。
【0030】
建設車両1の内部のネットワークエリア21は、建設車両1の外部から提供されるデータを必ずしも直接提供される必要のないネットワーク参加者を含めることが好ましい。また、好ましくは、内部のネットワークエリア21は、自己完結型であり、したがって、それ自体で安全なネットワークエリア21を示す。演算処理部19等の安全にとって重要なシステムエリアが、内部のネットワークエリア21に設けられるときに、特に有利である。
【0031】
また、建設車両1は、内部のネットワークエリア21から分離している外部のネットワークエリア41を備える。外部のネットワークエリア41は、主に、外部システムとデータ通信することが意図されるネットワーク参加者、又はそのようなデータ通信を動作させるネットワーク参加者を含む。例えば、外部のネットワークエリア41は、外部記憶媒体、例えばUSBスティック、ハードディスク、ICカード等とデータ通信するためのインタフェース43、外部装置、例えば、タブレットやスマートフォン又は別の入力装置とデータ通信するためのインタフェース45、外部にあるネットワークエリア、特に外部の建設現場ネットワークやインターネットと接続するためのインタフェース47、及び/又は無線データ通信、例えば、WLANモジュールのためのインタフェース49を備えることができる。外部のネットワークエリア41の対応するネットワーク参加者(43,45,47,49)は、特に、各々が独自の制御を行なってもよい。外部のネットワークエリア41の個々のネットワーク参加者(43,45,47,49)は、任意選択で、外部のネットワークエリア41のスイッチ51を介して互いに接続することができる。
【0032】
図3に示すように、別々のネットワークエリアとして存在する内部のネットワークエリア21及び外部のネットワークエリア41は、ファイアウォール53を介して相互に接続されている。ファイアウォール53は、建設車両1の外部のネットワークエリア41から建設車両1の内部のネットワークエリア21へのデータ通信を監視するように構成されている。ファイアウォール53は、ハードウェアのファイアウォールとして設計されており、内蔵のプロセッサ55と、プログラム命令及び単独のファイアウォール53のオペレーティングシステムを記憶するための記憶装置57とを有する。特に、記憶装置57は、ファイアウォール53のソフトウェア及び/又はファームウェアを格納してもよい。設置空間を節約し、製造を容易にするために、ファイアウォール53は、演算処理部19の回路基板上に設計されていてもよい。しかしながら、ファイアウォール53は、それにもかかわらず、演算処理部19のシステムから独立して実行することに留意すべきである。ファイアウォール53は、外部のネットワークエリア41から内部のネットワークエリア21への通信中に不審なデータパケットをフィルタ処理し、したがって、不要なネットワークアクセスから内部のネットワークエリア21を保護するためのデータ監視ルールを備える記憶装置57上に記憶されたソフトウェアを備えてもよい。
【0033】
外部のネットワークエリア41は、図示された実施形態において、外部のネットワークエリア41のスイッチ51を介してファイアウォール53の入力59として設計されたファイアウォール53のインタフェースに接続されている。ファイアウォール53の出力61として設計されたファイアウォール53のインタフェースを介して、外部のネットワークエリア41から送信されるデータは、検査された後、必要に応じて、ファイアウォール53によってフィルタ処理された後に、内部のネットワークエリアへ転送される。
【0034】
ファイアウォール53の出力61は、内部のネットワークエリア21のスイッチ33に接続される場合が特に好ましい。このようにして、内部の建設車両ネットワーク23及び外部のネットワークエリア41(ファイアウォール53を通過した後で)は、統合され、そして、演算処理部19の単一のネットワークインタフェース35を介して演算処理部19に接続されていてもよい。これにより、演算処理部19上のネットワークインタフェース35,39を節約することができる。
【0035】
しかしながら、代替として、ファイアウォール53の出力61を演算処理部19のネットワークインタフェース35に直接接続することも考えられる(図3に破線で示されている)。
【0036】
ファイアウォール53のソフトウェアは、演算処理部19から独立して更新されるように構成されていることが好ましい。例えば、ファイアウォール53用に更新されたソフトウェアは、外部のネットワークエリア41のインタフェース43,45,47,49のうちの1つを介して提供され得る。
【符号の説明】
【0037】
1…建設車両
10,18…駆動装置
19…演算処理部
21…内部のネットワークエリア
23…内部の建設車両ネットワーク
25…センサ装置
27…分散型制御装置
29…データ記憶装置
31,37…ネットワーク接続
33,51…スイッチ
35,39…ネットワークインタフェース
41…外部のネットワークエリア
43,45,47,49…インタフェース
53…ファイアウォール
55…プロセッサ
57…記憶装置
59…入力
61…出力
図1
図2
図3