(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】待ち時間が低減された、無線通信システムにおけるデータ送信
(51)【国際特許分類】
H04L 27/26 20060101AFI20230421BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20230421BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20230421BHJP
【FI】
H04L27/26 113
H04W72/0446
H04W72/0453
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020187720
(22)【出願日】2020-11-11
(62)【分割の表示】P 2019500474の分割
【原出願日】2017-07-06
【審査請求日】2020-12-11
(32)【優先日】2016-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500341779
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン
(74)【代理人】
【識別番号】100134119
【氏名又は名称】奥町 哲行
(72)【発明者】
【氏名】フェレンバッハ・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ゲケペ・バリス
(72)【発明者】
【氏名】ヘルゲ・コーネリアス
(72)【発明者】
【氏名】シエル・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】サンチェスデラフエンテ・ヤゴ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィールッフ・デニス
(72)【発明者】
【氏名】ホルフェルド・ベルント
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルト・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ハウステイン・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ティエル・ラース
(72)【発明者】
【氏名】クルラス・マーティン
【審査官】吉江 一明
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-500789(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0143030(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0009952(US,A1)
【文献】特表2016-509784(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04W 72/0446
H04W 72/0453
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レシーバであって
前記レシーバは、データ信号を受信および処理するように構成され、前記データ信号は、少なくとも1つのデータ信号ブロックを含み、前記データ信号ブロックは、時間領域内でいくつかのシンボルおよび周波数領域内でいくつかのサブキャリアを有し、
前記データ信号ブロックは、制御データを前記レシーバへ提供するための制御領域、およびペイロード領域を含み、
前記レシーバへ提供されるペイロードデータは、前記データ信号ブロックの前記制御領域に割り当てられ、
前記制御データは、制御メッセージ内で提供され、
前記ペイロードデータは、前記制御メッセージの一部ではなくて、前記制御領域の異なった部分に位置し、
前記制御データは、前記ペイロードデータが割り当てられる前記制御領域の前記1または複数の部分を示し、
前記制御メッセージには、前記制御領域の前記異なった部分で前記ペイロードデータがどのように処理されるかを前記レシーバに通知する追加情報が含まれ
、
前記制御メッセージは、ダウンリンク制御情報(DCI)メッセージであり、前記DCIメッセージには、前記データ信号ブロックの前記ペイロード領域で送信されるデータに関連付けられた第1の制御情報と、前記ペイロードデータが割り当てられる前記制御領域の前記1または複数の部分を示す前記制御データ、および前記制御領域の前記異なった部分で前記ペイロードデータがどのように処理されるかを前記レシーバに通知する前記追加情報を含む第2の制御情報とが含まれる、
レシーバ。
【請求項2】
前記制御データは、前記ペイロードデータの空のリソースまたはリソースエレメントを示すビットマップによって、前記制御領域の前記1または複数の部分を示す、請求項1に記載のレシーバ。
【請求項3】
前記制御データは、制御情報の送信に使用されないようにリソースまたはリソースエレメントが解放された前記制御領域の前記1または複数の部分を示す、請求項1に記載のレシーバ。
【請求項4】
前記ペイロードデータは、異なった変調およびコーディング方式を使用して、および/またはビームフォーミングを使用して、前記制御データとは異なって処理される、
請求項1に記載のレシーバ。
【請求項5】
前記データ信号ブロックのリソースエレメントは、シンボルおよびサブキャリアによってそれぞれ規定され、
前記ペイロードデータは、前記データ信号ブロックの前記制御領域の1または複数の部分に割り当てられ、前記制御領域の1つの部分は、1または複数のリソースエレメントを含む、
請求項1に記載のレシーバ。
【請求項6】
前記制御領域は、前記データ信号ブロックの初めの1または複数の連続するシンボルによって規定される、請求項1に記載のレシーバ。
【請求項7】
前記データ信号ブロックの前記制御領域へ割り当てられた前記ペイロードデータは、遅延クリティカルなユーザデータを含む、請求項1に記載のレシーバ。
【請求項8】
前記データ信号ブロックの前記制御領域は、前記ペイロードデータが対象とするレシーバを示す情報を含む、請求項1に記載のレシーバ。
【請求項9】
前記ペイロードデータが対象とする前記レシーバを示す情報が、前記制御データから分離されているか、または前記制御データの一部である、請求項8に記載のレシーバ。
【請求項10】
前記制御データは、前記レシーバのための制御情報を含むデータを含む、請求項1に記載のレシーバ。
【請求項11】
前記ペイロードデータは、前記制御データが割り当てられる前記制御領域の前記部分の直後の前記制御領域の1または複数の連続する部分に割り当てられる、請求項1に記載のレシーバ。
【請求項12】
前記ペイロードデータは、前記制御データが割り当てられる前記制御領域の前記部分に続く前記制御領域の1または複数の別々の部分に割り当てられる、請求項1に記載のレシーバ。
【請求項13】
前記ペイロードデータは、異なったレシーバの前記制御データが割り当てられる前記制御領域の部分の間に位置する前記制御領域の1または複数の部分に割り当てられる、請求項1に記載のレシーバ。
【請求項14】
前記制御データは、前記レシーバで前記ペイロードデータを処理するための情報を含む、請求項1に記載のレシーバ。
【請求項15】
前記制御データは、前記レシーバのための制御情報を含み、
前記制御データの少なくとも一部および前記ペイロードデータは、スーパーポジションによって、前記データ信号ブロックの前記制御領域の1または複数の共通部分へ割り当てられる、
請求項1に記載のレシーバ。
【請求項16】
トランスミッタであって、
前記トランスミッタは、データ信号を送信するように構成され、前記データ信号は、少なくとも1つのデータ信号ブロックを含み、前記データ信号ブロックは、時間領域内でいくつかのシンボルおよび周波数領域内でいくつかのサブキャリアを有し、
前記データ信号ブロックは、制御データをレシーバへ提供するための制御領域、およびペイロード領域を含み、
前記レシーバへ提供されるペイロードデータは、前記データ信号ブロックの前記制御領域へ割り当てられ、
前記制御データは、制御メッセージ内で提供され、
前記ペイロードデータは、前記制御メッセージの一部ではなくて、前記制御領域の異なった部分に位置し、
前記制御データは、前記ペイロードデータが割り当てられる前記制御領域の前記1または複数の部分を示し、
前記制御メッセージには、前記制御領域の前記異なった部分で前記ペイロードデータがどのように処理されるかを前記レシーバに通知する追加情報が含まれ
、
前記制御メッセージは、ダウンリンク制御情報(DCI)メッセージであり、前記DCIメッセージには、前記データ信号ブロックの前記ペイロード領域で送信されるデータに関連付けられた第1の制御情報と、前記ペイロードデータが割り当てられる前記制御領域の前記1または複数の部分を示す前記制御データ、および前記制御領域の前記異なった部分で前記ペイロードデータがどのように処理されるかを前記レシーバに通知する前記追加情報を含む第2の制御情報とが含まれる、
トランスミッタ。
【請求項17】
請求項1に記載のレシーバ、および
請求項16に記載のトランスミッタ、
を備える、
無線通信システム。
【請求項18】
無線通信システムのレシーバのためにデータ信号を提供することであって、前記データ信号は、少なくとも1つのデータ信号ブロックを含み、前記データ信号ブロックは、時間領域内でいくつかのシンボルおよび周波数領域内でいくつかのサブキャリアを有する、提供すること、を含む、方法であって、
前記データ信号ブロックは、制御データを前記レシーバへ提供するための制御領域、およびペイロード領域を含み、
前記レシーバへ提供されるペイロードデータは、前記データ信号ブロックの前記制御領域へ割り当てられ、
前記制御データは、制御メッセージ内で提供され、
前記ペイロードデータは、前記制御メッセージの一部ではなくて、前記制御領域の異なった部分に位置し、
前記制御データは、前記ペイロードデータが割り当てられる前記制御領域の前記1または複数の部分を示し、
前記制御メッセージには、前記制御領域の前記異なった部分で前記ペイロードデータがどのように処理されるかを前記レシーバに通知する追加情報が含まれ
、
前記制御メッセージは、ダウンリンク制御情報(DCI)メッセージであり、前記DCIメッセージには、前記データ信号ブロックの前記ペイロード領域で送信されるデータに関連付けられた第1の制御情報と、前記ペイロードデータが割り当てられる前記制御領域の前記1または複数の部分を示す前記制御データ、および前記制御領域の前記異なった部分で前記ペイロードデータがどのように処理されるかを前記レシーバに通知する前記追加情報を含む第2の制御情報とが含まれる、
方法。
【請求項19】
前記レシーバによって、前記データ信号を受信することおよび処理すること、および/または
前記無線通信システムのトランスミッタによって、前記データ信号を生成することおよび送信すること、
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
コンピュータ上で実行されたとき、
請求項19に記載の前記方法、を実行する命令を記憶する、
コンピュータ読取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム、例えば、ユーザデータまたはペイロードデータとも称されるデータがトランスミッタから、移動端末などの1または複数のレシーバへ送信される、無線移動通信システム、の分野に関する。トランスミッタは、無線通信システムの基地局またはその他の移動端末であり得る。
【0002】
図1は、それぞれが、セル100
1から100
5それぞれによって図式表現された、基地局を取り囲む特定のエリアにサービスを提供する、複数の基地局eNB
1からeNB
5を含む無線通信システムの一例の図式表現を示している。基地局は、セル範囲内に存在する移動端末にサービスを提供するために備えられている。
図1は、5つのセルのみの例示的な図を示しているが、無線通信システムは、より多くのこうしたセルを含み得る。
図1は、セル100
2内に存在して基地局eNB
2によってサービスを提供されている、2つの移動端末UE
1およびUE
2を示している。矢印102
1、102
2は、移動端末UE
1、UE
2から基地局eNB
2へデータを送信するため、または基地局eNB
2から移動端末UE
1、UE
2へデータを送信するためのアップリンク/ダウンリンクチャネルをそれぞれ図式表現している。無線通信システムは、例えば、LTE標準、または周波数分割多重に基づいたその他のマルチキャリアシステム、によって規定されている、直交周波数分割多重(orthogonal frequency-division multiplexing:OFDM)システムまたは直交周波数分割多元接続(orthogonal frequency-division multiple access:OFDMA)システムであり得る。現在のLTE標準では、送信時間間隔(transmission time interval:TTI)は、1msの長さと規定されており、TTIは、送信を実行するためにデータがより上位のレイヤから物理レイヤ(physical layer:PHY)へマッピングされ得る粒度である。移動端末は、1msの粒度で自身が受信するデータを処理する。移動端末は、無線ネットワークと同期する必要がある。制御情報は、ミリ秒ごと送信され、何らかのデータが移動端末へ送信されたかどうかを確認するために移動端末によって処理され、送信されている場合には、移動端末はデータチャネルをデコードしなければならない。
【0003】
データ送信のためのOFDMAシステムは、さまざまな物理チャネルおよび物理信号がマッピングされる一式のリソースエレメントを含む、OFDMAベースの物理リソースグリッドを利用する。例えば、LTE標準によれば、物理チャネルは、ダウンリンク・ペイロード・データとも称されるユーザ固有データを搬送する物理ダウンリンク共有チャネル(physical downlink shared channel:PDSCH)、例えばマスタ情報ブロックを搬送する物理ブロードキャストチャネル(physical broadcast channel:PBCH)、例えばダウンリンク制御情報(downlink control information:DCI)を搬送する物理ダウンリンク制御チャネル(physical downlink control channel:PDCCH)などを含み得る。物理信号は、リファレンス信号(reference signal:RS)、同期信号などを含み得る。LTEリソースグリッドは、周波数領域内で所与の帯域を有する時間領域内の10msのフレームを含み得る。フレームは、1ms長の10個のサブフレームを有し、各サブフレームは、サイクリックプレフィクス(cyclic prefix:CP)長に応じて6または7OFDMシンボルの、2つのスロットを含んでいる。
【0004】
図2は、異なった選択されたTxアンテナポート用に2つのアンテナポートを有する、例示的なLTEのOFDMAベースのサブフレームを示している。サブフレームは、2つのリソースブロック(resource block:RB)を含み、それぞれは、サブフレームの1スロットと周波数領域における12個のサブキャリアとからなっている。周波数領域におけるサブキャリアは、サブキャリア0からサブキャリア11として示され、時間領域においては、各スロットは7つのOFDMシンボル、例えば、スロット0ではOFDMシンボル0から6、およびスロット1ではOFDMシンボル7から13、を含んでいる。リソースエレメントは、時間領域における1つのシンボル、および周波数領域における1つのサブキャリアからなる。白色のボックス106は、ペイロードまたはユーザデータを搬送するPDSCHに割り当てられた、ペイロード領域とも称されるリソースエレメントを表している。制御領域とも称される、(非ペイロードデータまたは非ユーザデータを搬送する)物理制御チャネル用のリソースエレメントは、ハッチングが施されたボックス108によって表されている。例によれば、リソースエレメント108は、PDCCHへ、物理制御フォーマットインジケータチャネル(physical control format indicator channel:PCFICH)へ、および物理ハイブリッドARQインジケータチャネル(physical hybrid ARQ indicator channel:PHICH)へ割り当てられ得る。クロスハッチングが施されたボックス110は、チャネル推定のために使用され得るRSへ割り当てられるリソースエレメントを表している。黒色のボックス112は、別のアンテナポートにおけるRSに対応し得る、現在のアンテナポートにおいて未使用のリソースを表している。
【0005】
物理制御チャネルへ、および物理参照信号へ割り当てられたリソースエレメント108、110、112は、時間にわたって均一に分布されない。より詳細には、サブフレームのスロット0では、シンボル0およびシンボル1と関連付けられたリソースエレメントが、物理制御チャネルへ、または物理参照信号へ割り当てられ、ペイロードデータへ割り当てられるシンボル0およびシンボル1内のリソースエレメントはない。サブフレームの、スロット0内のシンボル4と関連付けられたリソースエレメント、およびスロット1内のシンボル7および11と関連付けられたリソースエレメントは、一部、物理制御チャネルへまたは物理参照信号へ割り当てられる。
図2に示す白色のリソースエレメントは、ペイロードデータまたはユーザデータと関連付けられたシンボルを搬送し得、スロット0では、シンボル2、3、5および6については、すべてのリソースエレメント106がペイロードデータへ割り当てられ得、一方、スロット0のシンボル4では、より少ないリソースエレメント106が、ペイロードデータへ割り当てられ、シンボル0およびシンボル1では、ペイロードデータへ割り当てられるリソースエレメントはない。スロット1では、シンボル8、9、10、12および13と関連付けられたリソースエレメントは、すべてペイロードデータへ割り当てられ、一方、シンボル7および11については、より少ないリソースエレメントがペイロードデータへ割り当てられる。
【0006】
サブフレームの持続時間は1msであり、LTE標準によれば、TTIは1msである。
図2に示すリソースグリッド構造を使用してデータを送信するとき、レシーバ、例えば移動端末またはモバイルユーザは、
図2に示すリソースエレメントを1ms内に受信する。リソースエレメントに含まれるかまたはそれによって規定された情報が処理され得、各送信の間に、すなわち1ms長の各TTIの間に、一定数のペイロードデータが受信される。レシーバが持続時間1msの送信をまず受信し、次いで、その送信が完了した時点で、何らかのデータがレシーバへ送信されているかどうかを確認するために制御情報を処理し、送信されている場合には、レシーバが1ms長のデータチャネルをデコードするので、送信スキームは1msを超えるエンド・ツー・エンド待ち時間をもたらす。したがって、送信の持続時間および処理時間は、合計1msを超える期間になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
時間領域においてシンボルによって、および周波数領域において帯域幅の周波数によって規定された複数のリソースエレメントを有するデータ信号を使用して、無線通信システムにおいて待ち時間の低減されたペイロードデータ送信を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、独立請求項に規定する主題事項によって達成される。
【0009】
実施形態を、従属請求項に規定する。
【0010】
以下の添付図面を参照しつつ本発明の実施形態をさらに詳しくここで説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】複数の基地局を含む無線通信システムの一例の図式表現を示す。
【
図2】従来のLTEダウンリンク通信に使用され得る、2つのアンテナポートについての例示的なOFDMAサブフレームを示す。
【
図3】PDCCH CRC設計についての一例を示す。
【
図4】システムの帯域幅、および1、2または3OFDMシンボルのいずれかであるPDCCHの所望のディメンションに応じて、PDCCH用に利用可能なリソースエレメント数を示す表を示している。
図4(a)は、帯域幅10MHzのシステムにおけるPDCCHディメンショニングの表を示す。
図4(b)は、帯域幅5MHzのシステムにおけるPDCCHディメンショニングの表を示す。
【
図4(c)】帯域幅20MHzのシステムにおけるPDCCHディメンショニングの表を示す。
【
図5】制御領域範囲内でペイロードデータを送信することを可能にする、本発明の一実施形態に係るDCIメッセージフォーマットを示しており、DCIメッセージはペイロードデータを含んでいる。
【
図6】本発明のさらなる一実施形態に係るDCIメッセージを示しており、
図5と比較して、DCIメッセージは追加の制御情報を含んでいる。
【
図7】本発明のさらなる一実施形態に係るDCIメッセージを示しており、DCIメッセージは、制御領域範囲内のどこにペイロードデータが割り当てられているかを示している。
【
図8(a)】
図8は、制御領域内でユーザのペイロードデータを提供するために、PDCCH範囲内または制御領域範囲内であるが、DCIメッセージの外側での、CCEの割当てのための一実施形態を示す。
図8(a)は、CCEアグリゲーションレベルを示すDCIメッセージを示す。
【
図8(b)】アグリゲーションレベルに従ったCCEの使用を示す。
【
図8(c)】実際のリソース割当て長を示すDCIメッセージを示す。
【
図9】PDCCHスケジューリングの間の2つのUEについてのサーチスペース分布を示す。
【
図10】未使用のCCEでユーザのペイロードデータを挿入するための実施形態を示している。
図10(a)は、UEのPDCCHと関連付けられたCCEおよび未使用のCCEを含む、複数のCCEを示す。
図10(b)は、DCIメッセージを示しており、現在はユーザのためのペイロードデータが割り当てられている、元は未使用のCCEを示している。
【
図11】本発明のさらなる一実施形態に係るDCIメッセージを示しており、DCIメッセージは、RBG、およびペイロードデータのためのリソース割当てを示している。
【
図12】レガシPDCCH制御情報の上に加えて低電力PDSCHおよび/または追加のPDCCH制御情報を提供するための一実施形態を示す。
【
図13】MUST用に使用される変調およびコーディング方式についての情報を含んだ、修正されたMCSセクションを有する、
図11のものと類似したDCIメッセージを使用する実施形態を示す。
【
図14】トランスミッタからレシーバへ情報を送信するための無線通信システムの図式表現である。
【
図15】実施形態に係る、データまたは情報をレシーバへ送信するための無線通信システムにおけるトランスミッタの図式表現である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、同じかまたは類似した機能を有するエレメントが同じ参照符号で参照されている添付図面を参照しつつ、本発明の好ましい実施形態を詳細に記載する。
【0013】
図1に記載のようなOFDMAシステムなど、無線通信システムにおけるデータ送信は、
図2に示すようなリソースグリッド構造を使用し得る。送信間隔とも称されるTTIは、データ信号ブロックとも称される、サブフレームの持続時間である1msと選択されている。モバイルユーザなど、レシーバは、1msの粒度でデータを処理し、すなわち1ミリ秒ごとにレシーバは無線ネットワークと同期し、制御情報を処理する。制御情報を処理することによって、データがレシーバを対象としていることを示している場合、データチャネルがデコードされる。例えば、超低遅延(ultra-low delay:ULD)サービスなど、極度のリアルタイム通信使用の場合、エンド・ツー・エンド待ち時間が1ms以下に低減される必要がある状況があり得る。レシーバが1msの粒度でデータを処理するとき、エンド・ツー・エンド待ち時間の低減は達成不可能である。1ms以下への待ち時間の低減は、例えば、スロー・スタート・モードでのファイル転送プロトコル(file transfer protocol:FTP)/転送制御プロトコル(transmission control protocol:TCP)送信において、スループットの向上の点で大きな恩恵をもたらし得、アプリケーションレイヤでのより高速な処理にもつながり得る。
図2の例では、サブフレームは2OFDMシンボルのsTTI長を有している。
【0014】
図2では、OFDMシンボル0および1の複数のリソースエレメント106によって規定された領域は、データ信号ブロックの制御領域114と称され、残りのシンボル2から13はペイロード領域116と称される。制御領域114は、例えばPDCCH、PCFICHおよびPHICH内でUEへ制御データを送信するために使用される。制御領域内のいくつかのリソースエレメントはPCFICHに割り当てられ、いくつかのリソースエレメントはPHICHに割り当てられる。制御領域のさらなるリソースエレメントはPDCCHに割り当てられる。PDCCHは、ユーザ機器(user equipment:UE)と基地局との間のアップリンク/ダウンリンク通信のための、およびUEを操作するための制御データを搬送し得る。制御領域は、参照信号110も送信し得る。いくつかのリソースエレメント、例えばリソースエレメント112は未使用であり得る。制御領域114は、サブフレームの制御チャネルとも称される。
【0015】
PDCCHに含まれる制御データはPDCCHペイロードとも称される。PDCCHペイロードの完全性は、巡回冗長検査(cyclic redundancy check:CRC)によって確保されている。
図3は、PDCCHのCRC設計についての一例を示している。(i)に示すように、PDCCHペイロードは、Aビット、すなわちビットa
0からa
A-1を含んでいる。PDCCHペイロードについて、CRCパリティビットp
0からp
15が計算される。CRCパリティビットは、基地局で、PDCCHに含まれるメッセージまたは制御データが対象とするモバイルユーザまたはモバイルユーザのグループの無線ネットワーク一時識別子(radio network temporary identifier:RNTI)によってスクランブルされる。スクランブルは、
図3において(ii)で図式表現されている。受信されたCRCビットは、PDCCHを受信したUE用のRNTIによって再度スクランブルされ、PDCCHペイロードと照合されるので、UE側では、PDCCHはブラインドデコードされ得る。UEが、CRCとスクランブルするために使用するものと一致するRNTIを有しているとき、処理は成功し、UEによってメッセージがさらに処理される。そうでなければ、UEのRNTIが、基地局でCRCビットとスクランブルするために使用されたRNTIと一致しない場合、処理は失敗し、メッセージは無視される。したがって、UEは、このUEを対象としたPDCCHペイロードに含まれたデータを考慮するだけである。
【0016】
無線通信ネットワーク内のセル構成に依存して、制御領域114は、サブフレームの1番目、2番目および3番目のシンボルを含み得る。この時間の間、従来の方式によれば、ダウンリンク(downlink:DL)データとも称されるユーザのペイロードデータは送信されない。他の実施形態によれば、制御領域は、4シンボル以上を含み得、例えば、10物理リソースブロックよりも低いシステム帯域幅(1.4MHz)について4シンボルが可能である。
【0017】
PDCCHは、チャネル制御エレメント(channel control element:CCE)に分割される。各CCEは、9つのリソースエレメントグループ(resource element group:REG)を有しており、各REGは、連続する4つのリソースエレメント(resource element:RE)を含んでいる。PDCCHのCCE数は、CCEアグリゲーションレベルと称され、1、2、4または8であり得る。以下の表に、アグリゲーションレベルの観点から、あり得るPDCCHフォーマットの例をまとめており、対応するリソースエレメントグループ数およびPDCCHビット数を示している。
【0018】
【0019】
図4は、システムの帯域幅に応じてPDCCH用に使用可能なリソースエレメント数を示す表をしており、PDCCHの所望のディメンションは1、2または3OFDMシンボルいずれかである。
図4(a)は、帯域幅10MHzのシステムにおけるPDCCHディメンショニングの表を示している。表の1行目は、各サブフレームにおいて制御領域を搬送するためにいくつのOFDMシンボルが使用されるべきかを示す制御フォーマットインジケータ(control format indicator:CFI)を示している。CFIを1に設定することは、サブフレーム内の1つのシンボル、すなわち1番目のシンボルがPDCCH割当てのために使用されることを意味し、CFIを2または3に設定することは、2つのシンボル、すなわち1番目シンボルおよび2番目のシンボルが、または3つのシンボル、すなわち1番目のシンボル、2番目のシンボルおよび3番目のシンボルが、PDCCH割当てのために使用されることを意味する。表の2行目は、制御領域のリソースブロックまたは物理リソースブロック(physical resource block:PRB)を示しており、記載されている例では、使用可能なリソースエレメントの総数が、CFIが1については600、CFIが2については1200、そしてCFIが3については1800になる、50である。PDCCH内の制御情報に加えて、制御領域は、参照信号RSならびにPCFICHおよびPHICHも含む。RS、PCFICHおよびPHICHは、制御領域の1番目のシンボル内で送信され、
図4(a)の表の4、5および6行目は、参照信号、PCFICHおよびPHICHに割り当てられるリソースエレメント数を示している。
図4の例では、10MHz帯域幅システムにおいて、参照信号へ、PCFICHへ、およびPHICHへ割り当てられるリソースエレメント数は300であり、CFIが1のために、PDCCH用に使用され得るさらに300のリソースエレメントを残している。CFIが2または3のシステムを使用するとき、PDCCH用に使用可能なリソースエレメント数は900または1500に増える。このことは、表において「PDCCH RE」のラベルがついた行で示されている。さらに、PDCCH用に使用可能な対応するCCE数は、CFIが1については8であると示されており、CFIが2およびCFIが3については、それぞれ25および41に増加する。
【0020】
図4(b)および
図4(c)は、それぞれ帯域幅5MHzおよび20MHzのシステムでなければ、
図4(a)の表と同じ情報を含む表を示している。こうしたシステムでは、参照信号、PCFICHおよびPHICH用にリソースエレメントを割り当てた後、PDCCH用の使用可能なリソースエレメント数は、制御領域を規定するシンボル数とともに増加する。
【0021】
例えば、
図4(a)の表に示すように10MHzの帯域幅のシステムで、CFIが1を考慮したとき、PDCCHを規定するために8CCEが利用可能である。8CCEは、制御情報をユーザへ送信するために使用可能な72REGまたは288REに相当する。変調に応じて、リソースエレメントは多かれ少なかれ情報を搬送し得る。例えば、位相シフトキーイング変調に直角位相を使用(QPSK)するとき、各リソースエレメントは2ビットを搬送する。こうしたQPSK変調を使用することによって、228×2ビット=576ビットを含むPDCCHを可能にし、パリティチェックのため、およびブラインドデコードのために標準の16ビットCRCを確保するとき、PDCCH内で情報を送信するために560ビットが依然として利用可能なままである。他の例では、16-QAMまたは64-QAMなど、直交振幅変調(quadrature amplitude modulation:QAM)が使用され得、その結果、1つのリソースエレメントはそれぞれ4ビットまたは6ビットを搬送し、それによって、PDCCHに含まれ得るデータ量を増加させる。
【0022】
本発明のアプローチによれば、制御領域を制御情報の送信だけに限定するのではなく、制御情報がUEへ送信される時間中にユーザ用のペイロードデータも送信され得、すなわち、ペイロードデータもサブフレーム内の制御領域にマッピングされる。前述したように、ユーザデータをUEへ提供するための待ち時間が低減される必要のあるシナリオがある。例えば、遅延クリティカルなデータは、短い待ち時間で、また、好ましくは実質的に一定のビットレートでユーザへ送信される必要がある。ただし、制御領域内でのユーザデータの送信がないとき、ユーザデータの送信に遅延が存在し、サブフレームにわたってユーザへ提供されるデータレートが変動し、これはダウンリンク・スループット・ジッタとも称される。ユーザのペイロードデータを制御領域に割り当てることができるようにする本発明のアプローチは、ペイロードデータのバーストが今やサブフレームの間ずっと、すなわち制御領域範囲内でも送信されるので、UEへの遅延クリティカルなデータの送信のための遅延を低減し、および/またはダウンリンク・スループット・ジッタを低減する。
【0023】
本発明のアプローチによれば、制御領域内のリソース、例えばリソースエレメントは、例えば、参照信号(reference signal:RS)または制御情報(PCFICH、PHICH、PDCCH)によって使用されていない制御領域内のリソースエレメントへペイロードデータを割り当てることによって、こうしたペイロードデータをユーザへ送信するために使用され得る。他の例では、ユーザのペイロードデータは、PDCCHの一部であり得、ユーザのペイロードデータを送信するためのリソースは、PDCCH長を1シンボルから2または3シンボルに拡大することによって利用可能にされ得る。
【0024】
本発明の実施形態によれば、追加のペイロードデータは、制御情報の送信のために使用されない制御領域内、例えば、リソースエレメントが解放されてしまっている制御領域のエリアまたは部分のなかのリソースエレメントに割り当てられ得る。他の実施形態によれば、UE用のペイロードデータは、PDCCHに含まれ得る。制御データは、ダウンリンク制御情報(downlink control information:DCI)とも称される。
図5は、制御領域範囲内でペイロードデータを送信することを可能にする本発明の実施形態に係るDCIメッセージフォーマットを示している。DCIメッセージ117は、UE用の制御情報セクション118、例えばHARQプロセス情報を含んでいる。記載された実施形態では、セクション118は、「HARQプロセス」、「新規データインジケータ」および「冗長バージョン」に関する情報を含み得る。
図5の制御情報セクション118は、LTE標準に従ってUEへ送信され得る制御情報の一例を表している。なお、本発明のアプローチは、
図5の制御情報セクション118に示される制御情報に限定されず、むしろ、無線通信のための規格に応じて、異なった制御情報がUEへ提供され得る。
【0025】
本発明のアプローチによれば、
図5のDCIメッセージ117は、制御情報セクション118に加えて、UEへユーザのペイロードデータ、例えば遅延クリティカルなデータを送信するために使用されるデータセクション120を含んでいる。ペイロードデータを受信すべきユーザは、この情報が再送信されないように、UEの16ビットの無線ネットワーク一時識別子(radio network temporary identifier:RNTI)(C-RNTI)を使用してメッセージ範囲内で黙示的に示される。後方互換性は、本発明のアプローチを実施するように構成されていないレガシUEも、CRCチェックに失敗することによってメッセージを無視することになるように、ユーザ固有のRNTIでスクランブルされたDCIメッセージのブラインドデコードにより達成される。
【0026】
DCIメッセージ117は、ユーザのペイロードデータを規定するために使用される追加の65から570ビットを含む。例えば、10MHzの帯域幅のシステム(
図4(a)の表を参照)でCFIが1を考慮するとき、DCIを表す情報を搬送するためにPDCCH用に300リソースエレメントが使用可能である。8CCEを使用するとき、288リソースエレメントがPDCCH用に使用され、各REのQPSK変調(各REが2ビットを搬送する)を想定すると、DCIメッセージ用に使用可能なビットは576になる。パリティチェックのために16ビットCRCを確保するとき、これは追加のペイロードデータの送信のために利用可能な560ビットを生じさせる。必然的に、
図5の解説に示すように、CCEアグリゲーションレベルに応じて、追加のペイロードデータの送信のために使用可能なビット数は変動し得る。
【0027】
図6は、本発明のさらなる一実施形態に係るDCIメッセージ117’を示している。DCIメッセージ117’は、
図5を参照して、前述の制御情報セクション118およびデータセクション120を含んでいる。
図5と比較すると、
図6のDCIメッセージ117’は、追加で、UEから基地局へのアップリンクのための追加の制御情報を含むさらなる制御情報セクション122を含んでいる。
図6に記載の実施形態では、3GPP TS 36.213 specification(Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA);Physical layer procedure)を参照している。この情報をDCIメッセージ117’に含めることは、アップリンクについて待ち時間を低減するので有利であり得る。
【0028】
図5および
図6を参照しつつ記載される実施形態では、制御領域内で送信されるべきユーザのペイロードデータは、DCIメッセージ117または117’に含まれ、DCIメッセージを含んでいるPDCCHへ割り当てられたリソースエレメントは、QPSK変調され得る。
図5および
図6を参照しつつ記載される実施形態は、QPSKを使用した、リソースエレメント上の情報の堅牢な変調によって有利であるが、堅牢な変調は、スペクトル効率の低下およびコーディングレートの低下を伴い得る。以下、サブフレームの制御領域内で送信されるべきユーザのペイロードデータのための適応コーディングおよび変調を適用するさらなる実施形態を記載する。
【0029】
図7は、PDCCH内でUEへ向けて送信され得るようなDCIメッセージ123を使用する本発明の一実施形態を示している。DCIメッセージは、制御情報セクション118内に、
図5および
図6の例を参照しつつ説明するのと類似した制御情報を含んでいる。前述のとおり、他の制御情報も送信され得る。DCIメッセージ123は、ペイロードデータに関する情報を含んでいるが、ユーザへ提供されるべきデータをDCIメッセージ123自身のなかに含むのではなく、DCIメッセージ123は、PDCCHへ割り当てられる制御領域または制御領域の部分の範囲内のどのCCE、RPRBまたはREがユーザペイロードを含んでいるかをUEに示すリソース割当てセクション124を含んでいる。追加のユーザのペイロードデータが見つかり得る制御領域の部分に関する情報に加えて、DCIメッセージ123は、制御領域の示された部分で見つかったユーザのペイロードデータをUEが正しく処理することができるように、データ送信のためにペイロードデータがどのように変調およびエンコードされているかの情報を保持するセクション125を含んでいる。言い換えると、セクション125は、セクション124で規定されたリソースをデコードするために、物理レイヤ情報を保持し得る。
図7に記載の実施形態では、3GPP TS 36.212 specification(Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA);Multiplexing and channel coding)を参照している。
【0030】
したがって、
図7の実施形態によれば、実際のペイロードデータは、DCIメッセージの一部ではなく、制御領域の異なった部分またはPDCCHと関連付けられた領域に配置される。このことは、規格の要件に従って、例えばQPSK変調などを使用することによって提供されるDCIメッセージからのユーザのペイロードデータの分離によって、制御領域の他の部分の他のリソースエレメント内の追加の情報が異なって処理され得、例えば別の変調方式または別のコーディング方式、例えば16-QAMまたは64-QAMが適用され得るので、ユーザのペイロードデータのより効率的な送信を可能にする。MIMOまたはビームフォーミングなど、高度な送信モードも適用され得る。これによって、ユーザのペイロードデータを送信するためのより高いスペクトル効率を達成することを可能にする。
【0031】
図8は、ユーザのペイロードデータを制御領域内で提供するために、PDCCH範囲内または制御領域範囲内ではあるが、DCIメッセージの外でのCCEの割当てのための一実施形態を示している。
図8(a)は、2ビット長で、CCEアグリゲーションレベルが2、4または8であることを示すフィールド124’を含むDCIメッセージ123’を示している。これは、DCIメッセージおよび追加のユーザのペイロードデータを含んでいるPDCCHが、2、4または8つの連続するCCEから形成されていることを示す。
図8(b)から知り得るように、DCIメッセージ123’のセクション124’に示されたアグリゲーションレベル2は、データ信号ブロックの制御領域内のPDCCHが、
図8(b)の表でA行に示すように2つの連続するCCEから形成されていることを意味する。CCE0は、DCIメッセージを含んでおり、LTE標準など、所与の規格に従ったフォーマットで提供され得る。CCE0はQPSK変調され得、メッセージのブラインドデコードを可能にするための情報を含み得る。CCE0直後のCCE1は、短い待ち時間のUEのためのデータを含む。CCE0と比較して、CCE1のために異なった変調/コーディングが使用される場合、このことはDCIメッセージ123’のフィールド125’でさらにシグナリングされ得る。一般に、DCIメッセージ123’を含んでいるCCEの直後のCCE数を規定することに加えて、フィールド125’は、例えば、UEへペイロードデータを転送するために使用される送信方式、コーディング方式および変調方式に関する情報をフィールド125’に含めることによって、追加のCCEにあるデータがどのように処理されるべきかをUEに通知する追加の情報を含み得る。
【0032】
なお、
図8(a)のDCIメッセージ123’に関して、
図7のフィールド125を参照しても説明するように、追加の情報が制御情報セクション125’内で提供され得る。基地局とユーザとの間の通信に応じて、および適用される規格に応じて、制御情報セクション118に示すものとは異なった情報もUEへ送信され得る。なお、例えば、すべてのCCE、すなわちDCIメッセージ123’を含んでいるCCEおよび後続のCCEが、同じ変調/コーディングを使用する場合に、制御情報セクション118内の制御情報および追加の情報(リソース割当て)124’だけがUEへ送信されるように、追加の制御情報125’は省略され得る。
【0033】
図8(a)の実施形態によれば、1番目のCCEがDCIメッセージ用であると想定して、ペイロードデータのために使用される追加のCCE数が分かり、すなわち、DCIメッセージを含んでいる1番目のCCEの後に続くCCE数が分かるように、DCIメッセージ123’は、セクション124’内で、PDCCHのために使用されるCCEの総数を示すCCEアグリゲーションレベルに関してリソース割当てをシグナリングし得る。
【0034】
図8(c)は、CCEアグリゲーションレベルのシグナリングに頼らない、さらなる実施形態を示している。
図8(c)のDCIメッセージ123’’は、リソース割当てセクション124’’を含んでおり、そこではCCEアグリゲーションレベルを示すのではなく、実際の割当て長、すなわち、PDCCHの長さ、例えばCCEがシグナリングされる。ペイロードデータを含んでいて、DCIメッセージ123’’を含んでいる1番目のCCE直後の、CCEの数がセクション124’’から得られ得るように、PDCCHが2CCE、3CCEまたは7CCEを含むことがシグナリングされ得る。
【0035】
以下では、本発明のアプローチの別の実施形態を記載しており、それによれば、データ信号ブロックの制御領域範囲内の未使用のCCEが、データチャネルとして、例えばPDSCHとして、制御領域範囲内でユーザのペイロードデータを送信するために使用される。
図9は、PDCCHスケジューリングの間の2つのUEについてのサーチスペース分布を示している。それぞれのCCEインデックスは、縦軸に沿って示されたCCEアグリゲーションレベルに対して、横軸に沿って示されている。各CCEアグリゲーションレベルについて、UE A用のCCE126が示されている。
図9から分かり得るように、CCEアグリゲーションレベルに応じて、空きのCCE128、すなわちUE Aに割り当てられていないCCEの数が変動する。未割当てのCCE128は、
図9において空きのボックスによって示されている。さらなる実施形態によれば、未使用のCCE128は、データチャネルとして、例えばPDSCHとして使用され得る。こうした一実施形態によれば、DCIメッセージは、セクション124(
図7を参照)内で、制御領域内のPDSCH位置(リソース割当て)を示し、セクション125(
図7を参照)内で、コーディング、変調および/または指示された位置に提供されるユーザのペイロードデータを処理するための追加の情報に関する情報を示す。
【0036】
図10は、ユーザのペイロードデータを、未使用のCCE128に挿入する一実施形態を示している。
図10(a)は、UEのPDCCHと関連付けられたCCE126、および未使用または空のCCE128を含む、複数のCCEを示している。本実施形態によれば、
図10(b)に示すように、
図10(b)に示す1番目のCCE126は、DCIメッセージ、例えば、現在はユーザ用のペイロードデータが割り当てられている、元は未使用のCCEを124に示す、
図7に示すメッセージを含み得る。
図10(b)において、ペイロードデータを含んでいるCCEは、CCE130である。DCIメッセージは、セクション124に、位置、変調、およびデータを取り扱うためのその他のパラメータも含み得る。別の実施形態によれば、ペイロードデータを含んでいる追加のCCEの位置だけがシグナリングされ得、サブフレームのペイロード領域118(
図2を参照)内でデータを送信するために使用されるPDSCHと同じプロパティを有することが想定される。
【0037】
さらなる実施形態によれば、未使用のCCEは、UE Aに加えて、UE B、およびUE Bの、CCE132を含む関連付けられたサーチスペースも示している
図9にも示すように、複数のUEのPDCCHサーチスペース範囲内にあるCCEでもあり得る。サーチスペース内の未使用のCCEは、UE AおよびBのうちの、1つまたは両方によって追加データによって埋められ得る。
【0038】
別の実施形態によれば、リソース/リソースエレメントのフレキシブルな割当てを可能にするように、制御領域内においてダウンリンクユーザデータのために空のCCEを割り当てるためにビットマップが使用され得る。帯域幅20MHzでCFIが3(
図4(c)を参照)のシステムでは、最大84ビット使用し得る。LTE標準に係るタイプ0およびタイプ1のDLリソース割当てと同様に、ビットマップサイズを削減し得る。基本単位として、CCEが使用される。帯域幅10MHzでCFIが3のシステムを考慮するとき、リソース割当てタイプ0およびリソースブロックグループ(RBG)サイズ3は、上限(50/3)=17のビットマップ長となり、その結果、RBGグループ1はCCE0~16を割り当て、RBGグループ2はCCE17~33を割り当て、RBGグループ3はCCE34~59を割り当てる。一実施形態によれば、
図11に示すように、DCIメッセージ133は、RBGおよびリソース割当てを示すセクション124’’’を含み得る。
図11のDCIメッセージ133は、さもなければ、CCEの割当てについて追加で提供される情報を除いて、追加のペイロードデータを含んで、
図8(a)または
図8(c)のものと同様である。
【0039】
ここまで記載した実施形態では、データ信号ブロックの制御領域において短い待ち時間のUEへ送信されるべきユーザのペイロードデータは、DCIメッセージを割り当てるために使用されるそれぞれのリソースに加えて提供されるリソースエレメント、物理リソースブロックまたはCCEへ割り当てられるか、またはDCIメッセージの一部として送信される。他の例によれば、スーパーポジションを使用して、例えばLTE標準ではダウンリンクマルチユーザ重畳送信(multi-user superposition transmission:MUST)を適用することによって、例えば階層変調に基づいて、制御チャネルエレメントの上に加えてペイロードデータが提供され得る。例えば3GPP TDOC R1-163510に記載されているresource spread multiple access(RSMA)、例えば3GPP TDOC R1-162153に記載されている散在符号多元接続(sparse code multiple access:SCMA)、または、例えば3GPP TDOC R1-163111に記載されている非直交多元接続(non-orthogonal multiple access:NOMA)などの代替のスーパーポジション技術が使用され得る。PDCCH、PCFICH、PHICHなど、制御情報に割り当てられた、1または複数の、リソースエレメント、物理リソースブロックまたはCCEが上に加えて提供され得、その上で、ユーザのペイロードデータが制御領域範囲内でUEへ送信される。
図12は、レガシPDCCH制御情報の上に加えて低電力のPDSCH、および/または、追加のPDCCH制御情報を提供するための、すなわち、制御領域範囲内で追加のユーザのペイロードデータを、または、規格、例えばLTE標準に従って制御領域内で送信される制御情報の上に加えて追加の制御情報を、提供するための一実施形態を示している。
図12において、エレメント140は、QPSK変調を使用して規格に従って送信される高電力PDCCH情報を表しており、エレメント142は、スーパーポジションを使用してPDCCHデータの上に加えて提供される低電力データおよび/または制御情報を示している。PDCCHは、高電力で送信され、追加のデータおよび/または制御情報はその上に加えて送信される。
【0040】
制御情報の上に加えた追加情報は、UEへ提供された情報をデコードするとなると、UEによって追加のノイズと見なされ得る。実施形態によれば、セル端のUEは、ノイズと見なされる制御情報の上に加えた追加情報に起因して、レガシPDCCH情報をデコードすることができ得ない状況にあることがあり得、その結果、そうすることでPDCCHが成功裏にデコードされることを確実にするので、セル中央にいるユーザに対してだけ追加の短い待ち時間のデータのスーパーポジションを可能にすることが所望され得る。追加のデータは、QAM、例えば
図12に示すような16-QAMのなかのQPSK、を使用するPDCCH情報の上に重畳され得る。
【0041】
実施形態によれば、追加情報のスーパーポジションは、例えば、制御情報の上に加えて提供された追加データに関する情報をセクション124に含んでいる、
図7に示すDCIメッセージを使用して、ユーザへシグナリングされ得る。他の実施形態によれば、データのスーパーポジションは、追加のリソースが制御領域内でユーザのペイロードデータ用に割り当てられる上記で参照された実施形態と組み合わせて提供され得る。実施形態によれば、制御領域内でリソースが割り当てられるペイロードデータ上に、追加のデータも重畳され得る。こうした実施形態では、スーパーポジションが存在しているという情報は、追加のユーザペイロード情報の割当てに関する情報の一部であり得るか、またはDCIメッセージ内で、例えばLTE標準ではブロックを送信するために使用される変調エンコーディング方式に関する情報内でシグナリングされ得るかであり、そのとき、DCIメッセージのMCSセクションは、追加で「MUST」についての情報を含む。
【0042】
図13は、MUST用に使用される変調およびコーディング方式に関する情報を含んでいる修正されたMCSセクション125’’を除いては
図11のものと同様のDCIメッセージ143を使用する一実施形態を示している。
【0043】
さらなる実施形態によれば、制御情報の上へのペイロードデータのスーパーポジションに関する
図12および
図13を参照しつつ上記したアプローチも、追加の制御情報を送信するために使用され得、それによって、所望の制御情報をUEへ送信するために必要なアグリゲーションレベルを低減し得る。例えば、制御情報の一部を含んでいるDCIメッセージおよび有効なレガシCRCが使用され得、任意の追加情報が、MUSTによって1番目の情報の上に加えて提供され得、2番目のステップでデコードされ得る。したがって、
図12および
図13の例と比較すると、制御情報の上に加えて追加のペイロードデータを提供する代わりに、制御情報の上に加えて提供される追加データは、従来は追加のCCEを使用して送信される、追加の制御情報または制御情報の一部のいずれかである。実施形態によれば、UEまたはレシーバがこうしたスーパーポジションを認識している場合、例えばMUST対応レシーバである場合、重畳された制御情報についての特定のシグナリングは必要ない。この場合、不完全な情報を受信した場合レシーバは制御情報の上に加えた情報を探す。他の実施形態では、制御情報は、制御情報の上に加えた追加情報があることをレシーバへ示すフラグを含み得る。
【0044】
本発明の実施形態は、基地局などのトランスミッタ、および移動端末などのレシーバを備える、
図1に示すような無線通信システムにおいて実施され得る。
図14は、トランスミッタTXからレシーバRXへ情報を送信するための無線通信システム200の図式表現である。トランスミッタTXは、少なくとも1つのアンテナANT
TXを備え、レシーバRXは、少なくとも1つのアンテナANT
RXを備える。他の実施形態では、トランスミッタTXおよび/またはレシーバRXは、MIMO、SIMOまたはMISOを実施するために2つ以上のアンテナを備え得る。矢印204によって示すように、信号は、無線リンクなどの無線通信リンクを介してトランスミッタTXからレシーバRXへ送信される。送信は、OFDMA通信アプローチに従い得、上記で参照された送信時間間隔は、トランスミッタTXからレシーバRXへの無線送信の時間を示す。トランスミッタTXは、レシーバRXへ送信されるべきデータを受信するための入力206を備える。入力データ206は、レシーバRXへ送信されるべきデータ信号を生成するために、受信した信号206を処理するためのシグナルプロセッサ210を備えるOFDMA変調器208で受信される。トランスミッタTXとRXとの間のシグナリングは、上述の本発明の実施形態に従い、例えば、トランスミッタは、ペイロードデータのスループットを高めるために、サブフレームの、PDCCH内などの制御領域内にペイロードデータを割り当てるように動作するOFDMA変調器を備え得る。レシーバRXは、アンテナを介してトランスミッタTXからの信号を受信し、出力信号216を生成するために、受信した信号を処理するためのシグナルプロセッサ214を備えるOFDMA復調器212へ信号を振り向ける。
【0045】
図15は、上述の実施形態に係る、レシーバへ情報を送信するための無線通信システムにおける第1のトランスミッタ300のブロック図である。トランスミッタ300は、チャネルエンコーダ304によってエンコードされ、変調器306によって変調され、マッパ308によって複数のキャリアへマッピングされるデータ302を受信する。信号310は、312で、制御チャネルユニット316および制御マッパ318によって提供される制御信号314と、パイロットシンボル生成器322からのパイロットシンボル320と、およびPSS/SSS信号生成器か326からのPSS/SSS信号324と結合される。結合された信号328は、IFFT+CPブロック330へ供給され、DAC332によってアナログ領域へ変換される。アナログ信号336は、無線通信用に処理され、最終的にアンテナ338によって送信される。実施形態によれば、本発明の態様は、上述の実施形態に係る、制御データおよびペイロードデータを制御領域へマッピングするためのマッパ318を使用して実施され得る。
【0046】
上述の本発明のアプローチは、さまざま実施形態で実施され得る。例えば、ペイロードデータは、ペイロードデータを制御領域に配置することによって、無線通信システムにおいて短い待ち時間で送信され得る。実施形態によれば、ペイロードデータを、例えば、OFDMAサブフレームの物理ダウンリンク制御チャネル(physical downlink control channel:PDCCH)内に配置することによって、ほぼ一定の短い待ち時間のダウンリンクスループットが達成され得る。他の実施形態によれば、改善されたユーザペイロード容量によって、1スロットの間に単一のパケットがユーザへ送信され得る(
図2参照)。さらに他の実施形態によれば、本発明のアプローチは、レシーバへ短い情報を送信するため、例えば、アクチュエータを遠隔制御することを可能にする制御情報を提供するために使用され得る。例えば、カメラアームなど、アクチュエータの動作を制御するために、特定の方向への動作のため、または動作を停止させるための命令が、制御領域内で送信され得、それによって、発行されたコマンドに対するアクチュエータの応答性を改善し得る。
【0047】
記載の概念のいくつかの態様は、装置の文脈において記載されているが、これらの態様が、対応する方法の記載も表していることは明らかであり、その方法においては、ブロックまたはデバイスは、方法ステップまたは方法ステップの特徴に対応する。類似して、方法ステップの文脈において記載された態様は、対応する装置の対応するブロックもしくは項目または特徴の記載も表す。
【0048】
特定の実施要件に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェアまたはソフトウェアにおいて実施され得る。実施は、電子的に読取り可能な制御信号がその上に記憶されていて、それぞれの方法が実行されるようにプログラム可能なピュータシステムと協働する(または協働可能な)デジタル記憶媒体、例えばフロッピディスク、DVD、Blue-Ray、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROMまたはFLASH(登録商標)メモリを使用して行われ得る。したがって、デジタル記憶媒体は、コンピュータ読取り可能であり得る。
【0049】
本発明に係るいくつかの実施形態は、電子的に読取り可能な制御信号を有するデータキャリアを含んでおり、そのデータキャリアは、本明細書に記載の方法の1つがが実行されるように、プログラム可能なコンピュータシステムと協働可能である。
【0050】
一般に、本発明の実施形態は、プログラムコードを伴ったコンピュータプログラム製品として実施され得、そのプログラムコードは、コンピュータ上でそのコンピュータプログラム製品が実行されたときに、方法の1つを実行する機能を有する。プログラムコードは、例えば機械読取り可能なキャリア上に記憶され得る。
【0051】
他の実施形態は、機械読取り可能なキャリア上に記憶された、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを含んでいる。言い換えれば、したがって本発明の方法の実施形態は、そのコンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されたときに本明細書に記載の方法の1つを実行するための、プログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0052】
したがって、本発明の方法のさらなる実施形態は、その上に記憶された、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを含んだデータキャリア(またはデジタル記憶媒体、またはコンピュータ読取り可能な媒体)である。したがって、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは一連の信号である。データストリームまたは一連の信号は、例えば、データ通信接続を介して、例えばインターネットを介して送信されるように構成され得る。さらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するように構成または適合された処理手段、例えばコンピュータ、またはプログラマブル・ロジック・デバイスを備える。さらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムをその上にインストールしたコンピュータを備える。
【0053】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法の機能の一部またはすべてを実行するために、プログラマブル・ロジック・デバイス(例えばフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)が使用され得る。いくつかの実施形態では、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイは、本明細書に記載の方法の1つを実行するためにマイクロプロセッサと協働し得る。一般に、方法は、任意のハードウェア装置によって実行されることが好ましい。
【0054】
上述の実施形態は、本発明の原理に対する単なる例示である。本明細書に記載の配置おうよび詳細に対する修正および変形が、当業者には明白であることが理解される。したがって、差し迫った特許請求の範囲によってのみ制限され、本明細書の実施形態の記載および説明によって表される特定の詳細によって制限されないことを意図している。