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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】家禽屠体保持用キャリア
(51)【国際特許分類】
   A22C 21/00 20060101AFI20230421BHJP
【FI】
A22C21/00 Z
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020506783
(86)(22)【出願日】2018-08-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-03
(86)【国際出願番号】 NL2018050541
(87)【国際公開番号】W WO2019035712
(87)【国際公開日】2019-02-21
【審査請求日】2021-06-29
(31)【優先権主張番号】2019428
(32)【優先日】2017-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】511126198
【氏名又は名称】マレル ポウルトリー ベースローテン フェンノートシャップ
【住所又は居所原語表記】Handelstraat 3,NL-5831 AV Boxmeer,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン バッセル,ゲラルドゥス ヨハネス カタリナ
(72)【発明者】
【氏名】アネマ,ハインツェ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン エスブルーク,モリス エドゥアルドゥス テオドルス
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-527836(JP,A)
【文献】特表2003-501105(JP,A)
【文献】特開2004-201685(JP,A)
【文献】特表2010-530751(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A22C 5/00-29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家禽屠体保持用のキャリアであって
a.処理ラインに前記キャリアを取り付けるためのフレーム部と、
b.前記フレーム部に固定されたフック部と、
c.前記フレーム部および前記フック部の間に位置して設けられ、前記フレーム部に回転可能または並進可能に接続された支持部と、を備えており、
前記支持部は、
i.前記フック部と前記支持部との間の前記キャリア上に前記家禽屠体を積載可能な無積載位置と、
ii.前記フック部と前記支持部との間の前記キャリア上に前記家禽屠体が保持される積載位置との間を移動可能であり、
前記支持部が前記無積載位置および前記積載位置の間で移動すると、前記フック部および前記支持部の位置関係が変化するとともに前記支持部および前記フレーム部の位置関係も変化するように構成されていることを特徴とするキャリア。
【請求項2】
前記フック部は、前記キャリア内に家禽屠体を整列させるための整列手段を備える、請求項1に記載のキャリア。
【請求項3】
前記フック部は2つのピンを備え、前記2つのピンの間に、前記家禽屠体の一部を受容するように形成されたチャネルを備える、請求項1または2に記載のキャリア。
【請求項4】
前記2つのピンのそれぞれの外側端部が、前記家禽屠体の一部を前記チャネルにガイドするガイド縁部を備える、請求項3に記載のキャリア。
【請求項5】
前記支持部に面する前記フック部の側面は鈍角状、および/または丸みを帯びた縁部を備える、請求項1~4のいずれかに記載のキャリア。
【請求項6】
前記支持部の方向を向く前記フック部の側面は、前記支持部に前記家禽屠体を整列する、丸みを帯びた縁部などの整列縁部を備える、請求項1~5のいずれかに記載のキャリア。
【請求項7】
積載位置における前記フック部と前記支持部との間の距離は調整可能である、請求項1~6のいずれかに記載のキャリア。
【請求項8】
前記支持部は、前記フレーム部に対して0~25度の角度で回転可能に構成されている、請求項1~7のいずれかに記載のキャリア。
【請求項9】
前記支持部は、前記フレーム部に対して0~10度の角度で回転可能に構成されている、請求項8に記載のキャリア。
【請求項10】
前記支持部と前記フレーム部との間に、前記支持部を前記フック部の方へ付勢する、または前記キャリアを前記積載位置に支持する、ばねなどの付勢要素が配置されている、請求項1~9のいずれかに記載のキャリア。
【請求項11】
前記付勢要素によって印加される力が調整可能である、請求項10に記載のキャリア。
【請求項12】
前記支持部を処理位置内または前記積載位置内にロックするロック手段を備える、請求項1~11のいずれかに記載のキャリア。
【請求項13】
前記支持部は突起部を備える、請求項1~12のいずれかに記載のキャリア。
【請求項14】
前記突起部は、前記フック部に面して配置された隆起部である、請求項13に記載のキャリア。
【請求項15】
記支持部と前記隆起部との間の移行部で、前記隆起部の一部は、前記家禽屠体の積載に好都合なようにアーチ状である、請求項14に記載のキャリア。
【請求項16】
前記隆起部の一部は20~50mmの半径を有するアーチ状である、請求項15に記載のキャリア。
【請求項17】
前記隆起部の一部は30~40mmの半径を有するアーチ状である、請求項16に記載のキャリア。
【請求項18】
前記支持部は、前記家禽屠体を受容するための第1端部と、前記家禽屠体を保持するための第2端部とを備える、請求項1~17のいずれかに記載のキャリア。
【請求項19】
前記第1端部は前記家禽屠体の受容が容易なように丸みを帯びている、請求項18に記載のキャリア。
【請求項20】
前記支持部は突起部を備え、前記突起部は前記第2端部に配置されている、および/または、前記積載位置において前記家禽屠体は前記フック部と前記支持部の前記第2端部との間に保持される請求項18または19に記載のキャリア。
【請求項21】
請求項1~20のいずれかに記載のキャリアに家禽屠体を供給する方法であって、
d.家禽屠体が支持部を特に並進または回転させるように動かすことにより、前記家禽屠体を前記支持部に沿って摺動させるステップと、
e.フック部で前記家禽屠体の前記摺動を止めるステップと、
f.前記フック部と前記支持部との間で前記家禽屠体を保持するステップと、を有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家禽屠体の処理の際の家禽屠体保持用キャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
家禽屠体は、一般に家禽処理ライン内で胸ヒレ、脚、および翼などの屠体部分に分割処理される。この処理は、異なる処理ステップにおいて高レベルの正確さを維持し無駄を最小化するために専用の処理ステーションがある、大規模に自動化された処理ラインで、一般に高速で行われる。これらの処理ステップの一つは、屠体のブレストキャップからの胸ヒレの除去である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、家禽屠体の処理の精度、特に家禽屠体のブレストキャップからの胸ヒレおよび/または内側切り身の除去の精度を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はそのために家禽屠体保持用のキャリアを提供する。キャリアは、処理ラインにキャリアを取り付けるためのフレーム部と、フレーム部に固定されたフック部と、フレーム部に可動的に特に回転可能または並進可能に接続された支持部とを備える。支持部は、フック部と支持部との間のキャリア上に家禽屠体を積載可能な無積載位置と、フック部と支持部との間のキャリア上に家禽屠体が保持されている積載位置との間を移動可能である。家禽屠体は、例えば胸ヒレおよび胸骨を含むブレストキャップであってもよく、処理される家禽の任意の部分に関してもよい。本発明によるキャリアは、特にブレストキャップ用に適している。用語「回転可能」は、また用語「旋回可能」も含むと考える。
【0005】
フック部はフレーム部に固定されており、使用中においては、通常、フレーム部とフック部との間の相対移動はない。フック部をフレーム部に一体化することも可能である。支持部は、家禽屠体をフック部に供給するために使用されてもよく、任意の位置に向けられてもよい。支持部の動きが、無積載位置(状態)と積載位置(状態)の間で、一方で(固定)フック部とフレーム部との間、および他方で(固定)フック部と支持部との間での、相互の向きまたは距離を変化させる。
【0006】
無積載位置は例えば開放位置であり、積載位置は例えば閉鎖位置である。キャリアが空で屠体が(まだ)提供されていない場合でも、支持部は例えばデフォルトでは積載位置であってもよい。屠体の積載の際に、支持部は屠体部分を受容するために無積載位置に動かされてもよく、その後、キャリア内に屠体を保持するために(再び)積載位置に動かされてもよい。支持部は、当然に無積載位置(状態)であってもよく、屠体の積載の際には、その支持部は積載位置(状態)に動かされて、この積載位置(状態)を維持してもよい。積載位置または積載状態は、例えば家禽屠体がキャリアによって保持されるキャリアの状態であってもよく、ここで、無積載位置または無積載状態は空の状態であり、キャリアは家禽屠体を自由に受容することができる。
【0007】
キャリアにおいては、フック部は、支持部に対して実質的に垂直な第1脚部と、支持部に対して実質的に平行な第2脚部とを有してもよい。第1脚部は、第2脚部を支持部から距離を置いて配置するためのものであってもよく、ここで第2脚部と支持部との間に、少なくとも家禽屠体の一部、特に少なくとも家禽屠体のブレストキャップの一部を受容するために、受容スペースが配置される。
【0008】
キャリアで家禽屠体を保持するために使用される可能性のある家禽屠体の一部は、屠体の内側、すなわち屠体の胸ヒレの間(ただし内側)に配置される。この場所、すなわち屠体の首の位置への移行部に骨片が位置しており、これは、好ましくはキャリア上にブレストキャップを配置するために使用できる。この骨片は、解剖学的に、また上胸肉突起(Processus episternalis)とも呼ばれている。家禽屠体またはブレストキャップのこの部分を、キャリア上に屠体を整列するために用いてもよい。
【0009】
家禽屠体は、例えば、屠体が止まるフック部に到達するまで、支持部上で押されるか摺動してもよい。この動きの際に、家禽屠体が支持部を、その無積載位置から積載位置の間で移動させるように、特に並進または回転するように付勢してもよい。ここで積載位置とは最後には屠体がフック部に到達して、家禽屠体がフック部と支持部との間で保持される位置である。
【0010】
フック部は、キャリア内で家禽屠体を整列するための整列手段を含んでもよい。これらの整列手段はキャリア上の所定位置に家禽屠体を付勢する、例えば面取りされた縁部または整列面であってもよい。家禽屠体、および特にブレストキャップは、通常、同じ形状および形態でありうるが、個体差は常に残る。自動処理ラインにおいては全ての処理動作が屠体の望ましい方向または位置決めに対して最適化することができるので、キャリア上での屠体の位置決めの的確さが、典型的には歩留まりまたは屠体から収穫される肉の量を増加させる。キャリア上での屠体の異なる(および望ましくない)配置は、例えばブレストキャップのわずかに異なる形状のために、胸部ヒレの損失またはヒレ内の骨の包含につながる可能性があり、避けるべきである。
【0011】
フック部は2つのピンを備えてもよく、2つのピンの間にブレストキャップまたは家禽屠体の一部を受容するためのチャネルが形成されてもよい。好ましくは、チャネルはピンの外側端部から先細に構成される。ブレストキャップの一部がチャネルを構成する2つのピンの間に配置される場合には、屠体またはブレストキャップはキャリア上の所定の位置になり、生産ラインの全体的な的確さおよび歩留まりを増加させる。チャネルの先細りは、次の屠体(またはブレストキャップ)がチャネルに入るにつれて屠体の位置がますます固定されるので、さらに的確さを増加させうる。このことにより、キャリア内において屠体またはブレストキャップが所定の位置に自動的に配置されうる。チャネルは、特にブレストキャップの胸骨の、上胸肉突起を受容するように形成されてもよい。
【0012】
チャネル、および好ましくはその先細りは、また、通過する家禽屠体のブレストキャップの周囲の組織部分を収容するように使用してもよい。そのような組織部分は、典型的には屠体の胸骨と胸肉との間に存在し、胸骨の端部に固定されている。この組織がチャネル内で整列される場合、これは、ブレストキャップ、従ってキャリア内の屠体の正確な整列をもたらす。
【0013】
各ピンの外側端部には、家禽屠体のブレストキャップをチャネル内にガイドするためのガイド縁部が設けられてもよい。そのようなガイド縁部は、例えば丸みを帯びた縁部または面取りされた端部でもよく、外側のピンの間の距離をそれらの外側端部に向かって増加させる。このガイド縁部は、屠体の誘導、特にブレストキャップをピンの間のチャネル内へ誘導することを容易にし、屠体またはブレストキャップをチャネルの中央部に向かって付勢する。
【0014】
ピンの2つの外側端部は、2つの面取り表面が共に実質的にV字状部分を形成するように、それぞれ面取り表面を備えてもよい。家禽屠体をピンの間にガイドするために2つの表面によって囲まれる角度は、30~150度の間でもよく、特に60~120度の間、
より好ましくは特に75~100度の間であってもよい。
【0015】
支持部に面するフック部の側面は鈍角状、および/または丸みを帯びた縁部を備えてもよい。屠体と接触するフック部は従って鋭くはない。鋭い縁部は屠体の骨または肉の部分にささる可能性があり、キャリア上での家禽屠体の正確な配列または配置を妨げる可能性がある。
【0016】
支持部の方向を向くフック部の側面には、支持部に家禽屠体を整列するために整列縁部、例えば丸みを帯びた縁部が設けられてもよい。この丸みを帯びた縁部は家禽屠体をキャリア内に積み込む支持部の方向を向くフック部の一部でもよい。整列縁部は、例えば、支持部がその無積載位置から積載位置に移動または回転するように、支持部上の家禽屠体をガイドまたは付勢するように用いられてもよい。
【0017】
積載位置におけるフック部と支持部との間の距離は調整可能であってもよい。積載位置におけるこの距離が、キャリアが家禽屠体に与えるクランプ力または保持力を決定してもよい。より小さい鳥に対してはこの距離を減少してもよく、より大きな鳥に対してはこの距離を増大させてもよい。従って調整可能な距離が、生産ラインまたは処理ラインにおけるキャリアの柔軟性および汎用性を増加させる。
【0018】
支持部は、フレーム部に対して0~25度、特に0~10度の角度で回転可能に構成されてもよい。回転は支持部の限定された動きが許容されて材料応力を限定して材料の耐用期間を延ばすように、比較的小さい回転であることが好ましい。
【0019】
支持部とフレーム部との間に、支持部をフック部の方に付勢するための、またはキャリアを積載位置に保持するための、ばねなどの付勢要素が配置されてもよい。ここで、好ましくは付勢要素による付与力は調整可能である。特に付与力が調整可能である付勢要素を用いることにより、積載位置におけるキャリアの保持力またはクランプ力のいずれかがが選択可能である。積載位置においては、付勢要素は、支持部をその積載位置の方へ付勢する力、キャリア内で特にブレストキャップである家禽屠体を保持する力を生じる。このような付勢要素を使用することにより、異なるタイプや異なる大きさの家禽を同じキャリア上に積載できる。
【0020】
キャリアは、また、処理位置内に支持部をロックするためのロック手段を備えてもよい。支持部がその無積載位置からその積載位置の方へ移動する際に、キャリア内またはキャリア上で屠体を保持するためのクランプ力または保持力が屠体に及ぼされる。ロック手段は、支持部を積載位置を超えて同じ方向に動かして、その位置で支持部をロックするように構成してもよい。典型的には、この追加的な動きは、支持部が0.2~1.2mmの間、特に0.3~1mmの間で移動する限定された動きである。この追加的な動きは、保持力またはクランプ力の増加をもたらし、屠体のさらなる処理の際に家禽屠体をキャリア内またはキャリア上で確実に保持する。ロック手段は、処理位置に支持部を保持する。ロック手段はまた、積載位置内に支持部を保持するように使用してもよい。
【0021】
支持部は、好ましくはフック部に対向して配置された突起部、特に隆起部を備えてもよい。家禽屠体、およびブレストキャップは特に、(解剖学的に)それらの中に凹部を有する。特に、家禽の首の位置の方向にブレストキャップの内側上にそのような凹部が存在する。この凹部に少なくとも部分的に適合する勘合である、突起部、または隆起部を備えることにより、ブレストキャップは、キャリアの支持部上にさらに整列される。突起部または隆起部は、さらに、フック部と支持部(の突起部)との間で屠体を保持するように使用されてもよい。隆起部を使用することにより、キャリア内で屠体を保持する保持力またはクランプ力を家禽屠体に均一に分散することが可能になる。
【0022】
支持部と隆起部との間の移行部で、家禽屠体の積載を容易にするために、隆起部の一部はアーチ状、好ましくは、半径20~50mm、特に好ましくは30~40mm、のアーチ状であってもよい。家禽屠体が支持部の上を摺動する場合、隆起部に出会う位置では、家禽屠体が更に摺動するのを妨げる。隆起部のアーチ状の部分は、支持部と隆起部との間に相対的に滑らかな移行部を許容する。20~50mmの半径は、特に滑らかな移行部を許容して家禽屠体をキャリア上で容易に摺動させる。
【0023】
キャリア内に積載される家禽屠体の支持部は内表面、または内部側に少なくとも部分的に相補する外表面を有してもよい。屠体上に力が印加される場合に、これらの力を家禽屠体に分散させることができて、ピーク力や家禽屠体の損傷を防ぐことができる。
【0024】
支持部は、家禽屠体を受容するための第1端部、および家禽屠体を保持するための第2端部を有してもよい。ここで好ましくは、第1端部は屠体の受容を容易にするために丸められている。支持部は例えば細長くてもよい。支持部の突起部は第2端部および/または積載位置に配置されてもよく、家禽屠体はフック部と支持部の第2端部との間で保持されてもよい。
【0025】
支持部がフレーム部に回転可能に接続される場合には、支持部の回転軸は例えば、第1端部と第2端部との間に位置してもよく、特に第1端部に最も近い支持部の半分側に位置してもよい。第2端部と比較して第1端部に近い回転軸を有することにより、相対的に小さな回転が、第2端部上で(より長い腕のために)相対的に大きな動きをもたらす。
【0026】
支持部は、家禽屠体が支持部上をフック部の方へ摺動できるように実質的に滑らかでもよい。滑らかな表面を有して支持部上を屠体が摺動することにより、家禽屠体の処理、特にブレストキャップの処理は、自動化された発動機と摺動機を用いて自動化できる。滑らかな支持部、または少なくとも支持部の滑らかな外側部は、処理または積載の際に家禽屠体が支持部に付着することを防ぐ。
【0027】
フレーム部は金属製でもよく、支持部は食品グレードのプラスチック製でもよい。フック部は金属製でもよく、またはフレーム部と一体的に形成されてもよい。殆んどの場合、家禽屠体はキャリアとはキャリアの支持部で接触するが、殆んどの場合、フレーム部とフック部とによって形態の保全がなされる。
【0028】
本発明は、さらにキャリアに家禽屠体を提供する方法に関する。本方法は、家禽屠体が支持部を特に並進または回転させるように動かすことにより、家禽屠体を支持部に沿って摺動させるステップと、フック部で家禽屠体の摺動を止めるステップと、フック部と支持部との間で家禽屠体を保持するステップと、を有する。
【0029】
以下の図に示される例示的な実施形態に基づいて、本発明を以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明によるキャリアの、無積載位置における概略的な側面図である。
図2】本発明によるキャリアの、積載位置における概略的な側面図である。
図3】本発明によるフック部の斜視図である。
図4】本発明によるキャリアの、無積載位置における概略的な斜視図である。
図5図4によるキャリアの、ブレストキャップを積載した説明図である。
【0031】
図1は、本発明によるキャリア1の無積載位置における側面図を概略的に示す。キャリア1は、キャリア1を処理ラインに取り付けるためのフレーム部2、フレーム部2に固定
されたフック部3、およびフレーム部2に回転可能に接続された支持部4を備える。支持部は、図1に示す無積載位置と、図2に示す積載位置との間で回転軸5の周りを回転可能である。図1に示す無積載位置においては、(図示しない)家禽屠体が、フック部3と支持部4との間でキャリア1に積載可能である。
【0032】
フック部3は鈍角状であり、丸みを帯びた縁部6を有する。支持部4方向を向くフック部3のこの部分、または縁部6は支持部4上で(図示しない)家禽屠体を整列するために整列縁部6として機能する。例えば図示する方向では、湾曲したまたは丸みを帯びた縁部は、屠体が下方に動く場合に屠体を支持部4に向かわせる。
【0033】
支持部4は、フック部6と対面する位置に、支持部4に配置された隆起部7の形態の突起部7を備える。支持部4は、家禽屠体を受容するための第1端部8、および家禽屠体を保持するための第2端部9を有する。第1端部8は家禽屠体の受容を容易にするために丸みを帯びており、突起部7は第2端部9に配置されている。突起部7およびフック部3は、積載位置において、相互に家禽屠体を保持する。図示する無積載位置には、(図示しない)家禽屠体を挿入するための開口10が突起部7とフック部3との間に存在する。もし、支持部4に突起部7が存在しなければ、支持部4それ自体がこの機能を満たす。
【0034】
積載位置に向かって移動する場合に、支持部4は回転方向Rに回転して、これにより支持部4の第2端部9で相対並進運動Tをもたらし、従って突起部7をフック部3方向へ移動させる。もし、支持部4に突起部7が存在しなければ、支持部4それ自体がこの機能を満たす。
【0035】
図2は、本発明によるキャリア1の積載位置における側面図を概略的に示す。図1と比較して対応する特徴部には、同じ番号を付している。図2においては、この2つの間に存在する(図示しない)家禽屠体に保持力またはクランプ力が生じるように、フック部3と突起部7との間の開口が縮小されている。図2においては、また、フレーム部2が支持部4の回転軸5の方へどのように延びるかを点線11が示している。図1に示す位置と比較すると、支持部4は、回転方向R内を回転しており、支持部4の第2端部9で相対的に並進運動Tを発生させ、従って突起部7はフック部3の方へ動く。もし、支持部4に突起部7が存在しなければ、支持部4それ自体がこの機能を満たす。
【0036】
図3図1および2に使用したフック部3の詳細図を示す。フック部3は、2つのピン12を有し、これらのピンの間に(図示しない)家禽屠体のブレストキャップの一部を受容するチャネル13が形成されている。各ピン12の外側端部14は、家禽屠体のブレストキャップをチャネル13内にガイドするためのガイド縁部15を備えている。フック部3の別の端部16は、キャリア1のフレーム部2とフック部3を結合または接続するために用いられてもよい。
【0037】
図4は、本発明によるキャリアの積載位置における斜視図である。前述の図に対応する特徴部には同じ番号を示している。
【0038】
図5は、図4に示すキャリアにブレストキャップ17を積載して示す。前述の図に対応する特徴部には同じ番号を示している。
図1
図2
図3
図4
図5