(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】コンピュータ制御要素を含む認知プラットフォーム
(51)【国際特許分類】
A61B 10/00 20060101AFI20230421BHJP
【FI】
A61B10/00 H
(21)【出願番号】P 2020508583
(86)(22)【出願日】2018-08-15
(86)【国際出願番号】 US2018000179
(87)【国際公開番号】W WO2019035910
(87)【国際公開日】2019-02-21
【審査請求日】2021-08-13
(32)【優先日】2017-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516350134
【氏名又は名称】アキリ・インタラクティヴ・ラブズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】弁理士法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アライリマ,ティティイマエア
(72)【発明者】
【氏名】バウアー,ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】マテウス,アシュリー
(72)【発明者】
【氏名】エスピノーサ,エレナ,カニャーダス
(72)【発明者】
【氏名】パイパー,アダム
(72)【発明者】
【氏名】オマーニック,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】コリンズ,デビッド
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-179193(JP,A)
【文献】国際公開第2017/040417(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/145372(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/00
A61B 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる物理的行為を時間的又は空間的に測定し、また前記ユーザによる前記物理的行為に応答して入力を受信するように構成される1つ又は複数のセンサを備える入力デバイスと、
前記ユーザの前記物理的行為を示す入力信号を受信する、前記入力デバイスと通信可能に結合された1つ又は複数のプロセッサと、
前記1つ又は複数のプロセッサと通信可能に結合されて、また前記1つ又は複数のプロセッサに対して1又は複数の作業を実行させるプロセッサ実行可能命令をそこに記憶する、非一時的コンピュータ可読媒体とを備えるシステムであって、
前記1つ又は複数のプロセッサにより前記プロセッサ実行可能命令が実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサは、
認知プラットフォーム又はアプリケーションのインスタンスを含むグラフィカルユーザインタフェースを生成することと、
前記グラフィカルユーザインタフェースを介して、少なくとも1の課題に関連する、ユーザにより生成される入力を促すように構成された1又は複数のコンピュータ制御の刺激又はインタラクションを提示することであって、前記少なくとも1の課題が、応答期限を有する時間的に変化する課題を含み、また標的設定課題を含むものである、当該提示することと、
前記入力デバイスを介して、そして前記1又は複数のコンピュータ制御の刺激又はインタラクションに応答して、前記少なくとも1の課題に関連する1又は複数のユーザが生成した入力を受信することであって、
当該受信することは、前記入力デバイスの前記1つ又は複数のセンサの状態を選択的に制御することによって標的刺激に対するユーザの応答のウインドウと非標的刺激に対するユーザの応答のウインドウ間を選択的に識別することにより、前記ユーザの前記物理的行為を時間的及び空間的に測定することを含むものである、当該1又は複数のユーザが生成した入力を受信することと、
前記グラフィカルユーザインタフェースを介して、少なくとも1の課題と関連した成績の指標として構成されて少なくとも1の喚起要素を含むものである少なくとも1のコンピュータ制御調整可能要素を提示することであって、
前記少なくとも1の喚起要素は、該少なくとも1の喚起要素の誘発性のレベルを調整するようにリアルタイムで変更されるものである、当該提示することと、
前記グラフィカルユーザインタフェースを介して、前記少なくとも1の課題と関連する前記1又は複数のユーザが生成した入力に応答して、前記少なくとも1のコンピュータ制御調整可能要素の少なくとも1の図形要素を描画又は変更することと、
前記1又は複数のコンピュータ制御の刺激又はインタラクション及び前記少なくとも1のコンピュータ制御調整可能要素に応答して、前記少なくとも1の課題と関連する前記1又は複数のユーザが生成した入力の分析をすることにより、少なくとも1の成績指標を生成することであって、
前記少なくとも1の成績指標が、前記ユーザにおける前記認知プラットフォーム又はアプリケーションの前記インスタンスの認知的負荷又は情動的負荷の数量的指標を含むものであり、
前記1又は複数のユーザが生成した入力の前記分析をすることは、前記少なくとも1の課題における前記ユーザの成績レベルが前記少なくとも1のコンピュータ制御調整可能要素の存在下で影響を受ける度合いの分析をすることを含むものである、当該分析をすることにより、少なくとも1の成績指標を生成することと、
前記少なくとも1の成績指標に応答して、前記少なくとも1のコンピュータ制御調整可能要素の少なくとも1の図形要素を適応的に変更することにより、前記ユーザに関する自己消耗の度合いを増加又は減少させることと、を行うように構成される、システム。
【請求項2】
前記1つ又は複数のプロセッサが
、前記少なくとも1の成績指標に応答して
前記1又は複数のコンピュータ制御の刺激又はインタラクションに対する少なくとも1のインタラクションシーケンスを変更するようにさらに構成される、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ又は複数のプロセッサが、前記グラフィカルユーザインタフェースを介して、前記少なくとも1の成績指標に応答して前記1又は複数のコンピュータ制御の刺激又はインタラクションの軌跡、応答ウインドウ又は難易度を変更するようにさらに構成される、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ又は複数のプロセッサが、1もしくは複数の変更されたコンピュータ制御の刺激もしくはインタラクション又は前記少なくとも1のコンピュータ制御調整可能要素の少なくとも1の変更された図形要素に応答して1又は複数のユーザにより生成される入力を分析することにより、1又は複数の特定の指標における変化の尺度を決定するようにさらに構成される、請求項2記載のシステム。
【請求項5】
前記1又は複数の特定の指標における変化の尺度が、前記ユーザにおける前記認知プラットフォーム又はアプリケーションの前記インスタンスの前記認知的負荷又は前記情動的負荷の変化の尺度の数量的指標を含む、請求項4記載のシステム。
【請求項6】
前記1つ又は複数のプロセッサが、課題に対して予想される、刺激又は難易度に対するユーザの成績の心理測定曲線を計算するようにさらに構成される、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
1つ又は複数のプロセッサにより、表示デバイスを介して、認知プラットフォーム又はアプリケーションのインスタンスを含むグラフィカルユーザインタフェースを生成することと、
前記1つ又は複数のプロセッサにより、前記グラフィカルユーザインタフェースを介して、ユーザよりの少なくとも1の課題に関連する、1又は複数のユーザにより生成される入力を促すように構成された1又は複数のコンピュータ制御の刺激又はインタラクションを提示することであって、前記少なくとも1の課題が、応答期限を有する時間的に変化する課題を含み、また標的設定課題を含むものである、当該提示することと、
前記1つ又は複数のプロセッサにより、前記グラフィカルユーザインタフェースを介して、当該1又は複数のユーザが生成した入力に応答して少なくとも1のコンピュータ制御調整可能要素を提示することであって、前記少なくとも1のコンピュータ制御調整可能要素が、前記少なくとも1の課題に関するリアルタイムの成績の指標を含み、また少なくとも1の喚起要素を含むものである、当該提示することと、
前記1つ又は複数のプロセッサにより、ユーザの物理的行為を時間的及び空間的に測定するように構成された1つ又は複数のセンサを備える入力デバイスを介して、前記1又は複数のコンピュータ制御の刺激又はインタラクション及び前記少なくとも1のコンピュータ制御調整可能要素に応答して、前記1又は複数のユーザが生成した入力を受信することであって、
当該受信することは、前記入力デバイスの前記1つ又は複数のセンサの状態を選択的に制御することによって標的刺激に対するユーザの応答のウインドウと非標的刺激に対するユーザの応答のウインドウ間を選択的に識別することにより、前記ユーザの前記物理的行為を時間的及び空間的に測定することを含むものである、前記1又は複数のユーザが生成した入力を受信することと、
前記1つ又は複数のプロセッサにより、前記1又は複数のユーザが生成した入力の分析をすることにより、少なくとも1の成績指標を生成することであって、該少なくとも1の成績指標が、前記ユーザにおける前記認知プラットフォーム又はアプリケーションの前記インスタンスの認知的負荷又は情動的負荷の数量的指標を含むものである、当該分析をすることにより、少なくとも1の成績指標を生成することと、
前記1つ又は複数のプロセッサにより、前記少なくとも1の成績指標に応答して、当該1もしくは複数のコンピュータ制御の刺激もしくはインタラクショ
ンを変更するこ
とと、
前記1つ又は複数のプロセッサにより、前記少なくとも1の成績指標に応答して、前記少なくとも1のコンピュータ制御調整可能要素の少なくとも1の図形要素を適応的に変更することにより、前記ユーザに関する自己消耗の度合いを増加又は減少させることと、
前記1つ又は複数のプロセッサにより、前記1もしくは複数のコンピュータ制御の刺激もしくはインタラクション又は前記少なくとも1のコンピュータ制御調整可能要素
の前記少なくとも1の図形要素を変更することに応答して、1又は複数の後続のユーザが生成した入力の分析をすることにより、前記少なくとも1の成績指標における変化の尺度を決定することであって、
前記1又は複数の後続のユーザが生成した入力の前記分析をすることは、前記少なくとも1の課題における前記ユーザの成績レベルが前記少なくとも1のコンピュータ制御調整可能要素の存在下で影響を受ける度合いの分析をすることを含み、
前記1もしくは複数のコンピュータ制御の刺激もしくはインタラクション又は前記少なくとも1のコンピュータ制御調整可能要素を変更することが、前記少なくとも1の課題に関する少なくとも1のインタラクションシーケンスを変更することを含むものである、前記少なくとも1の成績指標における変化の尺度を決定することと、を含む、方法。
【請求項8】
前記1つ又は複数のプロセッサにより、前記少なくとも1の成績指標に従って、ユーザの成績の心理測定曲線を計算することをさらに含む、請求項
7記載の方法。
【請求項9】
前記1つ又は複数のプロセッサにより、前記1又は複数のコンピュータ制御の刺激又はインタラクションを適応的に変更することにより、前記ユーザにおける前記認知プラットフォーム又はアプリケーションの前記インスタンスの前記認知的負荷又は前記情動的負荷を増加又は減少させることをさらに含む、請求項
7記載の方法。
【請求項10】
前記1つ又は複数のプロセッサにより、前記少なくとも1のコンピュータ制御調整可能要素を適応的に変更することにより、前記ユーザにおける前記認知プラットフォーム又はアプリケーションの前記インスタンスの前記認知的負荷又は前記情動的負荷を増加又は減少させることをさらに含む、請求項
7記載の方法。
【請求項11】
前記1つ又は複数のプロセッサにより、前記少なくとも1の成績指標を分析することにより、前記ユーザにおける気分の状態又は認識の偏り又は情動的偏見に対応する数量的尺度を決定することをさらに含む、請求項
7記載の方法。
【請求項12】
前記1つ又は複数のプロセッサにより、前記少なくとも1の成績指標が目標値以上になるまで、前記少なくとも1のコンピュータ制御調整可能要素を適応的に変更することをさらに含む、請求項
7記載の方法。
【請求項13】
前記1つ又は複数のプロセッサにより、前記少なくとも1の成績指標に応答して前記1又は複数のコンピュータ制御の刺激又はインタラクションの軌跡、応答ウインドウ又は難易度を適応的に変更するようにさらに構成される、請求項
7記載の方法。
【請求項14】
実行されたときに、1つ又は複数のプロセッサに対して1又は複数の作業を実行させるプロセッサ実行可能命令をそこに記憶した、非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、当該作業には、
認知プラットフォーム又はアプリケーションのインスタンスを含むグラフィカルユーザインタフェースを生成することと、
前記グラフィカルユーザインタフェースを介して、ユーザよりの少なくとも1の課題に関連する、1又は複数のユーザにより生成される入力を促すように構成された1又は複数のコンピュータ制御の刺激又はインタラクションを提示することであって、前記少なくとも1の課題が、応答期限を有する時間的に変化する課題を含み、また標的設定課題を含むものである、当該提示することと、
前記1又は複数のコンピュータ制御の刺激又はインタラクションに応答して、前記ユーザの物理的行為を時間的及び空間的に測定するように構成された1つ又は複数のセンサを備える少なくとも1つの入力デバイスを介して、前記少なくとも1の課題に関連する当該1又は複数のユーザが生成した入力を受信することであって、
当該受信することは、前記少なくとも1つの入力デバイスの前記1つ又は複数のセンサの状態を選択的に制御することによって標的刺激に対するユーザの応答のウインドウと非標的刺激に対するユーザの応答のウインドウ間を選択的に識別することにより、前記ユーザの前記物理的行為を時間的及び空間的に測定することを含むものである、前記1又は複数のユーザが生成した入力を受信することと、
前記グラフィカルユーザインタフェースを介して、成績の指標として構成されて少なくとも1の喚起要素を含むものである少なくとも1のコンピュータ制御調整可能要素を提示することであって、
前記少なくとも1のコンピュータ制御調整可能要素は、前記1又は複数のユーザが生成した入力に応答してリアルタイムで描画又は変更され、
前記少なくとも1の喚起要素は、該少なくとも1の喚起要素の誘発性のレベルを調整するようにリアルタイムで変更されるものである、当該提示することと、
前記1又は複数のコンピュータ制御の刺激又はインタラクション及び前記少なくとも1のコンピュータ制御調整可能要素に応答して、前記1又は複数のユーザが生成した入力の分析をすることにより、少なくとも1の成績指標を生成することであって、
前記少なくとも1の成績指標が、前記ユーザにおける前記認知プラットフォーム又はアプリケーションの前記インスタンスに関する認知的負荷又は情動的負荷の数量的指標を含むものであり、
前記1又は複数のユーザが生成した入力の前記分析をすることは、前記少なくとも1の課題における前記ユーザの成績レベルが前記少なくとも1のコンピュータ制御調整可能要素の存在下で影響を受ける度合いの分析をすることを含むものである、当該分析をすることにより、少なくとも1の成績指標を生成することと、
前記少なくとも1の成績指標に応答して、前記少なくとも1のコンピュータ制御調整可能要素の少なくとも1の図形要素を適応的に変更することにより、前記ユーザに関する自己消耗の度合いを増加又は減少させることとが含まれる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2017年8月15日に出願された「コンピュータ制御要素を含む認知プラットフォーム」という名称の米国仮特許出願第62/545,968号に対する優先権及びその利益を主張し、図面を含むその全体が参照により本願に援用される。
【背景技術】
【0002】
老化の通常の過程において、人はある程度の認知機能の低下を経験しうる。このため、人は時間制限のある状態や注意を要する状態などの困難な状況において、さらなる難しさを経験することがありうる。高齢者及び若年者のいずれにおいても、ある種の認知状態、疾病、又は実行機能障害によって、注意、記憶、運動機能、反応、実行機能、意思決定スキル、問題解決スキル、言語処理、又は理解を要する課題の実行が損なわれる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のことを鑑み、装置、システム、及び方法が(認知能力を含む)認知の態様を数値化するために提供される。特定の構成においては、装置、システム、及び方法は、特定の認知能力を高めるために実現できる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様において、実施形態は個人の認知スキルの数量的指標を生成するシステムに関する。システムは1つ又は複数のプロセッサと、1つ又は複数のプロセッサと通信可能に結合されたプロセッサ実行可能命令を記憶するためのメモリとを備える。1つ又は複数のプロセッサによりプロセッサ実行可能命令が実行されると、1つ又は複数のプロセッサはユーザインタフェースを生成し、ユーザインタフェースを介して干渉を伴う課題の第1インスタンスをユーザインタフェース上に提示するように構成され、干渉の存在下で課題の第1インスタンスに対する個人からの第1応答を要求する。干渉がない場合の課題の第1インスタンスに対する個人からの第2応答を要求する課題の第1インスタンスが、ユーザインタフェースを介して提示される。課題の第1インスタンス及び干渉の少なくとも1つは、個人による課題又は干渉の少なくとも1つの実行の成功の度合いを示すものとして、リアルタイムで調整されるコンピュータ制御調整可能要素を含む。課題の第1インスタンスに対する個人からの第1応答及び干渉に対する個人からの応答が略同時に測定される。ガイドに1つ以上の第1種類のマイルストーンオブジェクトを回避させ、ガイドに1つ以上の第2種類のマイルストーンオブジェクトを回避させないようにする、個人による物理的行為を示すデータが測定される。第1応答及び第2応答を示すデータが受信される。第1応答及び第2応答を示すデータは分析されて、個人の認知能力の1つ以上の数量的指標を含む1つ以上の成績指標が生成される。
【0005】
別の態様において、実施形態は個人の認知スキルを高めるシステムに関する。システムは1つ又は複数のプロセッサと、1つ又は複数のプロセッサと通信可能に結合されたプロセッサ実行可能命令を記憶するためのメモリとを備える。1つ又は複数のプロセッサによりプロセッサ実行可能命令が実行されると、1つ又は複数のプロセッサはユーザインタフェースを生成し、ユーザインタフェースを介して干渉を伴う課題の第1インスタンスを第1難易度で提示するように構成され、干渉の存在下で課題の第1インスタンスに対する個人からの第1応答を要求する。干渉がない場合の課題の第1インスタンスに対する個人からの第2応答を要求する課題の第1インスタンスが、ユーザインタフェースを介して提示される。課題の第1インスタンス及び干渉の少なくとも1つは、個人による課題又は干渉の少なくとも1つの実行の成功の度合いを示すものとして、リアルタイムで調整されるコンピュータ制御調整可能要素を含む。課題の第1インスタンスに対する個人からの第1応答及び干渉に対する個人からの応答が略同時に測定される。ガイドに1つ以上の第1種類のマイルストーンオブジェクトを回避させ、ガイドに1つ以上の第2種類のマイルストーンオブジェクトを回避させないようにする、個人による物理的行為を示すデータが測定される。第1応答及び第2応答を示すデータが受信される。第1応答及び第2応答を示すデータは分析されて、個人の認知能力を表す1つ以上の第1成績指標が、第1応答及び第2応答を示すデータに少なくとも部分的に基づいて生成される。課題及び干渉のうちの1つ又は複数の難しさは、ユーザインタフェースが課題の第2インスタンス又は干渉の少なくとも1つを第2難易度で提示するように、1つ以上の第1成績指標に基づいて調整される。干渉を伴う課題及び干渉がない場合の課題の第2インスタンスが反復的に提示される。干渉を伴う課題の第2インスタンスに対する第1応答及び干渉がない場合の課題の第2インスタンスに対する第2応答が測定される。個人の認知能力を表す第2成績指標が、課題の第2インスタンスに対する第1応答及び第2応答を示すデータに少なくとも部分的に基づいて生成される。
【0006】
以下の特徴の1つ又は複数が、任意の実施形態の任意の態様に含まれうる。1つ又は複数のプロセッサは、(i)1つ以上の成績指標を表す出力を生成する、及び/又は(ii)1つ以上の成績指標を演算デバイスへ送信する、ように構成できる。
【0007】
1つ又は複数のプロセッサはさらに、ユーザインタフェースを介して課題の第2インスタンスを提示して課題の第2インスタンスに対する個人からの第2応答を要求し、第1応答及び第2応答を示すデータの間の差異を分析して、個人の認知能力の1つ以上の追加の指示の尺度として干渉コストを計算するように構成できる。課題の第1インスタンスは連続的な課題とすることができる。課題の第1インスタンスは第1時間間隔で提示される課題とすることができ、課題の第2インスタンスは第2時間間隔で提示される課題とすることができて、第1時間間隔は第2時間間隔と異なるものとすることができる。個人の認知能力の1つ以上の尺度は、異なる種類のコンピュータ制御調整可能要素を識別するための個人の能力の尺度と、異なる誘発性を持つコンピュータ制御調整可能要素を識別するための個人の能力の尺度のうちの少なくとも1つに基づいて計算できる。
【0008】
1つ又は複数のプロセッサは、1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素を課題の第1インスタンス又は干渉の少なくとも1つと時間的に重なる課題として構成できる。
【0009】
1つ又は複数のプロセッサは、1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素を音声、画像、又は単語のうちの少なくとも1つとして構成できる。
【0010】
システムはさらに1つ以上の作動部品を備えることができて、1つ又は複数のプロセッサは1つ以上の作動部品を制御して聴覚刺激、触刺激、又は振動刺激のうちの少なくとも1つを生じさせるように構成され、コンピュータ制御調整可能要素は聴覚刺激、触刺激、又は振動刺激のうちの少なくとも1つを含む。
【0011】
1つ以上の成績指標は、(i)認知力テスト又は行動テストの少なくとも1つにおいて予測される個人の成績、及び/又は(ii)個人の認知状態、疾病、又は実行機能障害の状況又は進行の診断、のうちの少なくとも1つを示すデータを含みうる。1つ以上の成績指標は、認知状態、疾病、及び/又は実行機能障害のうちの少なくとも1つの監視に使用できる。1つ以上の成績指標は、認知状態、疾病、又は実行機能障害のうちの少なくとも1つに対する個人の治療計画の監視に使用できる。
【0012】
認知状態、疾病、又は実行機能障害は、(社会不安を含む)不安、鬱病、双極性障害、心的外傷後ストレス障害、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥多動性障害、認知症、パーキンソン病、ハンチントン病、脳アミロイド血管症、家族性アミロイドニューロパチチー、アルツハイマー病、多発性硬化症、16p11.2重複の存在、注意欠陥多動性障害(ADHD)、感覚処理障害(SPD)、軽度認知障害(MCI)、及び/又は大鬱病性障害(MDD)でありうる。
【0013】
1つ又は複数のプロセッサはさらに1つ以上の成績指標を使って、(i)医薬品、薬物、又は生物製剤の量、濃度、又は投与量滴定のうちの少なくとも1つの変更を推奨する、(ii)個人が医薬品、薬物、又は生物製剤の投与に対して有害事象を経験する尤度を特定する、(iii)個人の認知反応能力の変化を特定する、(iv)治療計画を推奨する、及び/又は(v)行動療法、カウンセリング、又は体操のうちの少なくとも1つの有効性の度合いを推奨する又は判定する、のうちの少なくとも1つを行うように構成できる。
【0014】
1つ又は複数のプロセッサは、ユーザインタフェースを介して課題の第1インスタンスを連続的視覚的運動追跡課題として提示するように構成することができて、課題の第1インスタンスの持続時間は連続的視覚的運動課題の第1時間間隔である。
【0015】
1つ又は複数のプロセッサは、ユーザインタフェースを介して干渉を標的識別干渉として提示するように構成できる。
【0016】
1つ又は複数のプロセッサは、注意を逸らすもの及び/又は妨害するものである干渉により個人の注意を課題から逸らすように、ユーザインタフェースを介して干渉の存在下で課題の第1インスタンスを提示することによって、干渉を伴う課題の第1インスタンスを提示するように構成できる。
【0017】
1つ又は複数のプロセッサは、干渉に対する二次応答を課題の第1インスタンスに対する第1応答が受信されるのと実質的に同時に受信する、又は妨害するものである干渉に対する二次応答をユーザインタフェースが課題の第1インスタンスに対する第1応答を受信するのと実質的に同時に受信し、かつ注意を逸らすものである干渉に対する二次応答を1つ又は複数のプロセッサが課題の第1インスタンスに対する第1応答を受信するのと実質的に同時に受信しないように構成できる。
【0018】
1つ又は複数のプロセッサはさらに、生成された成績指標を使って個人の成績の心理測定曲線を計算するように構成できる。
【0019】
1つ又は複数のプロセッサは、時間制限のある課題又は干渉において1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素を提示するように構成できる。
【0020】
1つ又は複数のプロセッサは、時間制限のある課題又は干渉の制限時間を調節するように構成できる。
【0021】
課題又は干渉の少なくとも1つは、標的識別課題などの標的設定課題を含みうる。
【0022】
1つ又は複数のプロセッサはさらに、第1応答及び第2応答を示すデータに基づいて干渉コストを計算するように構成することができて、成績指標は計算された干渉コストを含む。
【0023】
1つ又は複数のプロセッサはさらに、生成された成績指標の値に基づいて予測モデルを提示して個人の認知の尺度、気分、認識偏りのレベル、又は情動的偏見を示す識別器出力を生成するように構成できる。予測モデルは、線形/ロジスティック回帰、主成分分析、一般化線形混合モデル、ランダムフォレスト、サポートベクターマシン、及び/又は人工ニューラルネットワークのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0024】
1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素は、顔の表情及び/又は音声表現の少なくとも1つを含むことができる。
【0025】
1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素は、特定の感情又は複数の感情の組み合わせの表現を表す、又は相関する、顔の画像を含むことができる。
【0026】
生成された成績指標は、認知治療に対して予測される個人の応答の指標を含むことができる。
【0027】
生成された成績指標は、個人の気分、認識偏り、又は情動的偏見のうちの少なくとも1つの数値指標を含むことができる。
【0028】
1つ又は複数のプロセッサはさらにこの成績指標を使って、(i)医薬品、薬物、又は生物製剤の量、濃度、又は投与量滴定のうちの少なくとも1つを推奨する、(ii)個人が医薬品、薬物、又は生物製剤の投与に対して有害事象を経験する尤度を特定する、(iii)個人の認知反応能力の変化を特定する、(iv)治療計画を推奨する、並びに/又は(v)行動療法、カウンセリング、又は体操のうちの少なくとも1つの有効性の度合いを推奨する、及び/若しくは判定する、のうちの少なくとも1つを行うように構成できる。
【0029】
1つ又は複数のプロセッサはさらに、課題の第1インスタンス及び干渉を提示して第1応答及び第2応答を反復的に得るように構成することができて、難易度は2つ以上の反復の間で調整される。1つ以上の喚起要素は、特定の感情又は複数の感情の組み合わせの表現を表す、又は相関する、顔の画像を含むことができる。難易度の調整は、課題の第1インスタンス又は干渉の少なくとも1つの時間的に変化する態様を変更することを含みうる。
【0030】
課題又は干渉の時間的に変化する態様を変更することには、ユーザインタフェースを介して2回以上の個人のインタラクションセッションの間に課題又は干渉を提示する時間的長さを調整することを含みうる。
【0031】
課題又は干渉は、応答期限を有する適応的応答期限手順を含むことができて、1つ又は複数のプロセッサは1つ以上の適応的応答期限手順の応答期限を変更して難易度を調整できる。
【0032】
1つ又は複数のプロセッサは、ユーザインタフェースを介して応答期限手順に関連する応答ウインドウの時間的長さを変更することができる。
【0033】
難易度の調整は、適応的アルゴリズムを適用して1つ以上の喚起要素の誘発性のレベルを徐々に調整することを含みうる。
【0034】
1つ又は複数のプロセッサはさらに、第2難易度での第1応答及び第2応答を示すデータを分析して、干渉処理についての個人の成績を表す1つ以上の第2成績指標を生成するように構成できる。
【0035】
課題の第1インスタンス及び干渉の少なくとも1つは、回避されるべき1つ以上の第1種類のマイルストーンオブジェクト及び回避されるべきではない1つ以上の第2種類のマイルストーンオブジェクトを含む、2つ以上の異なる種類のマイルストーンオブジェクトを含むことができる。1つ又は複数のプロセッサはさらに、ガイドに1つ以上の第1種類のマイルストーンオブジェクトを回避させ、ガイドに1つ以上の第2種類のマイルストーンオブジェクトを回避させないようにする、個人による物理的行為を示すデータを測定するように構成できる。
【0036】
課題は、課題又は干渉の少なくとも1つの実行の成功の度合いを示すものとして、リアルタイムで調整される調整可能要素を含みうる。調整可能要素は、時間的に変化するコンポーネントオブジェクトの集合を含むことができて、課題又は干渉の少なくとも1つの実行において、1つ又は複数のコンポーネントオブジェクトは成功を示すために調整可能要素へ加えられ、1つ又は複数のコンポーネントオブジェクトはエラーを示すために調整可能要素から取り除かれる。コンポーネントオブジェクトはアバターを含みうる。
【0037】
システムはさらに、センサを含むコントローラ、キーボード、コンピュータ用マウス、ジョイスティック、手持ち式コンソール、及び/又はセンサを含むウェアラブルデバイスなどの入力デバイスを含むことができて、入力デバイスは個人から1つ又は複数のプロセッサへの入力を送信するように構成される。
【0038】
1つ又は複数のプロセッサはさらに、課題及び/又は干渉の提示の少なくとも一部に伴う音声又は音楽の1つ又は複数のパラメータを調節するように構成できる。
【0039】
1つ又は複数のプロセッサはさらに、課題及び/又は干渉に対して応答する際の個人の成功の度合いに基づき、試行及び/又はセッションでの課題及び/又は干渉の実行の成功の追加の指示として音声又は音楽を調節するように構成できる。
【0040】
1つ又は複数のプロセッサはさらに、音声又は音楽の音量、周波数、ビート、テンポ、音の高さ、メロディ、ハーモニー、リズム、パターン、スペクトル、包絡線、エネルギー、又は倍音の1つ又は複数を徐々に、若しくは個別に変更する、又はそうでなければ制御することで、音声又は音楽の1つ又は複数のパラメータを調節するように構成できる。
【0041】
1つ又は複数のプロセッサはさらに、課題の第1インスタンスに対する個人からの第1応答、干渉に対する個人の二次応答、及び1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する応答を略同時に測定し、第1応答、二次応答、及び1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する応答に基づく成績指標を生成するように構成できる。
【0042】
システムは仮想現実システム、拡張現実システム、及び/又は複合現実システムとすることができる。システムはさらに1つ又は複数の生理学的コンポーネントを含むことができて、1つ又は複数のプロセッサによりプロセッサ実行可能命令が実行されると、1つ又は複数のプロセッサは生理学的コンポーネントの1つ又は複数の測定結果を示すデータを受信し、第1応答及び1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答を示すデータ、並びに生理学的コンポーネントの1つ又は複数の測定結果を示すデータを分析して、1つ以上の成績指標を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
当業者は、本明細書で説明される図は説明を目的としているに過ぎないことを理解するであろう。説明されている実装のいくつかのインスタンス及び様々な態様は、説明される実装の理解を容易にするために誇張又は拡大されていることを理解されたい。図面において、様々な図面を通して、類似の参照文字は概して類似の特徴、機能的に類似、及び/又は構造的に類似した要素を指している。図面は必ずしも縮尺通りではなく、その代わりに、教示の原理を示すことに重きが置かれている。図面で本教示の提示の範囲を制限することはまったく意図されていない。システム及び方法は、以下の例示の説明から以下の図面を参照することでより良く理解することができる。
【0044】
【
図1】本明細書の原理による例示的なシステムのブロック図である。
【
図2】本明細書の原理による例示的な演算デバイスのブロック図である。
【
図3A】本明細書の原理による、線形信念蓄積に対するドリフト拡散モデルの例示的なグラフ表現である。
【
図3B】本明細書の原理による、非線形信念蓄積に対するドリフト拡散モデルの例示的なグラフ表現である。
【
図4】本明細書の原理による、例示的な認知プラットフォームに基づいた信号及び雑音の例示的なグラフである。
【
図5】
図5Aは本明細書の原理による、例示的なユーザインタフェースを介して提示することができる、ユーザへの指示を伴う例示的なユーザインタフェースを示す。
図5Bは本明細書の原理による、例示的なユーザインタフェースを介して提示することができる、ユーザへの指示を伴う例示的なユーザインタフェースを示す。
図5Cは本明細書の原理による、例示的なユーザインタフェースを介して提示することができる、ユーザへの指示を伴う例示的なユーザインタフェースを示す。
図5Dは本明細書の原理による、例示的なユーザインタフェースを介して提示することができる、ユーザへの指示を伴う例示的なユーザインタフェースを示す。
【
図6】
図6A本明細書の原理による、例示的なユーザインタフェースを介して提示することができる、(例示的なオブジェクト(標的又は非標的)の時間的に変化する特徴の例を示す。
図6Bは本明細書の原理による、例示的なユーザインタフェースを介して提示することができる、(例示的なオブジェクト(標的又は非標的)の時間的に変化する特徴の例を示す。
図6Cは本明細書の原理による、例示的なユーザインタフェースを介して提示することができる、(例示的なオブジェクト(標的又は非標的)の時間的に変化する特徴の例を示す。
図6Dは本明細書の原理による、例示的なユーザインタフェースを介して提示することができる、(例示的なオブジェクト(標的又は非標的)の時間的に変化する特徴の例を示す。
【
図7-1】
図7Aは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図7Bは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図7-2】
図7Cは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図7Dは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図7-3】
図7Eは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図7Fは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図7-4】
図7Gは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図7Hは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図7-5】
図7Iは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図7Jは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図7-6】
図7Kは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図7Lは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図7-7】
図7Mは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図7Nは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図7-8】
図7Oは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図7Pは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図7-9】
図7Qは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図7Rは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図7-10】
図7Sは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図7Tは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図7-11】
図7Uは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図8-1】
図8Aは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図8-2】
図8Bは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図8Cは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図8-3】
図8Dは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図8Eは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図8-4】
図8Fは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図8Gは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図8-5】
図8Hは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図8Iは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図8-6】
図8Jは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図8Kは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図8-7】
図8Lは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図8Mは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図8-8】
図8Nは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図8Oは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図8-9】
図8Pは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図8Qは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図8-10】
図8Rは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図8Sは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図8-11】
図8Tは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図8Uは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図8-12】
図8Vは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図8Wは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図8-13】
図8Xは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図8Yは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図9-1】
図9Aは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図9Bは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図9-2】
図9Cは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図9Dは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図9-3】
図9Eは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図9Fは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図9-4】
図9Gは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図9Hは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図9-5】
図9Iは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図9Jは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図9-6】
図9Kは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図9Lは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図9-7】
図9Mは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図9Nは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図9-8】
図9Oは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図9Pは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図9-9】
図9Qは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図9Rは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図9-10】
図9Sは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図9Tは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図9-11】
図9Uは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図9Vは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図10-1】
図10Aは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図10Bは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図10-2】
図10Cは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図10Dは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図10-3】
図10Eは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図10Fは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図10-4】
図10Gは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図10Hは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図10-5】
図10Iは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図10Jは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図10-6】
図10Kは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図10Lは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図10-7】
図10Mは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図10Nは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図10-8】
図10Oは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図10Pは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図10-9】
図10Qは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図10Rは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図10-10】
図10Sは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図10Tは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図10-11】
図10Uは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図10Vは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図10-12】
図10Wは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図10Xは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図10-13】
図10Yは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図10Zは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図11-1】
図11Aは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図11Bは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図11-2】
図11Cは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図11Dは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図11-3】
図11Eは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図11Fは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図11-4】
図11Gは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
図11Hは本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して提示することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。
【
図12A】本明細書の原理による、例示的な方法のフローチャートである。
【
図12B】本明細書の原理による、例示的な方法のフローチャートである。
【
図12C】本明細書の原理による、例示的な方法のフローチャートである。
【
図13】本明細書の原理による例示的なコンピュータシステムのアーキテクチャを示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下でより詳細に説明される概念(そのような概念が互いに合致しないという条件で)のすべての組み合わせは、本明細書で開示される発明の主題の一部であると考えられていることを理解されたい。また、参照により援用される任意の開示においても出現しうる、本明細書で明示的に用いられている専門用語には、本明細書で開示される特定の概念に最も合致する意味を付与されるべきであることも理解されたい。
【0046】
以下は、1つ又は複数のインタラクティブユーザ要素を用いて認知評価を提供する、又は認知治療を実施するコンピュータ制御の課題(ユーザにはプラットフォームとのインタラクションとして見えるコンピュータ制御の課題を含む)においてコンピュータ制御調整可能要素(すなわち情緒的要素及び情動的要素)を使用するために構成された認知プラットフォームを備える本発明の方法、装置、及びシステムに関連する様々な概念及び本発明の方法、装置、及びシステムの実施形態のより詳細な説明である。例示的な認知プラットフォームは、(ソフトウェアプログラムを含む)プロセッサ実行可能命令を実行して個人の成績の指示、及び/又は認知評価の指示を提供する、並びに/又は認知治療を実施する、コンピュータ実装のデバイスプラットフォームと関連しうる。様々な例では、コンピュータ実装のデバイスはコンピュータ実装の医療機器、又は他の種類のコンピュータ実装のデバイスとして構成できる。
【0047】
開示される概念はいかなる特定の実装様式にも限定されないため、上記で紹介され、以下でより詳細に説明される様々な概念は、多くの方法のうちのいずれかで実装できることを理解されたい。特定の実装及び用途の例は、主に例示の目的のために提供されている。本開示は、図面にて示され以下で説明される例示的な実装及び手法に決して限定されない。
【0048】
本明細書で使用される場合、「例示的な(exemplary)」は、実例又は例示となっていることを意味し、必ずしも理想的、又は最良であることを示すわけではない。
【0049】
本明細書で使用される場合、「含む(includes)」という表現は、限定はされないが含むことを意味し、「含む(including)」という表現は、限定はされないが含んでいることを意味する。「に基づく(based on)」という表現は、少なくとも部分的に基づくことを意味する。
【0050】
本明細書で使用される場合、「標的(target)」という用語は、(例えば命令内で)個人に対して指定される、インタラクションの焦点となる種類の刺激を指す。標的は少なくとも1つの特性又は特徴の点で非標的とは異なる。2つの標的は少なくとも1つの特性又は特徴の点で互いに異なりうるが、それでも全体的には個人に対して標的として指示され、一例では個人は(例えば、幸せな顔とより幸せな顔からや、怒った顔とより怒った顔からなどの、顔の表情又は他の特性/特徴の2つの異なる度合いの差異の間で)選択するように指示される/要求される。
【0051】
本明細書で使用される場合、「非標的(non-target)」という用語は、個人に対して明示的又は非明示的に示されているかどうかに関わらず、インタラクションの焦点とはならない種類の刺激を指す。
【0052】
本明細書で使用される場合、「課題(task)」という用語は、個人により達成されるべき目標及び/又は目的を指す。本明細書で説明される例示的なシステム、方法、及び装置を使用して、コンピュータ制御の課題はプログラムされたコンピュータ制御コンポーネントを使って描画され、個人は、コンピュータ制御の課題を実行するという個人からの意図された目標又は目的に関して(例えば演算デバイスを使って)指示される。課題では、個人が演算デバイスの1つ以上の構成要素(例えば演算デバイスの1つ又は複数のセンサ部品)を使って、特定の刺激に対する応答を提供する、又は保留することが必要になることがある。「課題」は、測定されている基本的な認知機能として構成できる。
【0053】
本明細書で使用される場合、「干渉(interference)」という用語は、個人の一次課題の実行を妨げるように個人に対して提示される種類の刺激を指す。本明細書のいずれの例においても、干渉は、別の課題(一次課題を含む)を実行する際に個人の注意を逸らす、又は妨げるように提示/描画される種類の課題である。本明細書の一部の例において、干渉は、短い個別の期間、若しくは(一次課題が提示される期間より短い)延長された期間のいずれかにわたって、又は一次課題の期間全体にわたって、一次課題と同時に提示される二次課題として構成される。本明細書のいずれの例においても、干渉は連続的に、又は継続的に(すなわち、特定の頻度で、若しくは不規則に、又はいくぶんランダムに繰り返されて)提示/描画することができる。例えば、干渉は、一次課題の最後に、又は一次課題の提示中の個別の一時的な期間で提示することができる。干渉の度合いは、一次課題に対する干渉の種類、量、及び/又は提示の時間的長さに基づいて調節することができる。
【0054】
本明細書で使用される場合、「刺激(stimulus)」という用語は、指定された機能的応答を個人から喚起するように構成される感覚事象を指す。応答の度合い及び種類は、個人のインタラクションに基づいて、測定用部品を用いて(センサデバイス又は他の測定用部品を使うことを含む)定量化することができる。刺激の非限定的な例には、ナビゲーション経路(個人がアバター又は他のプロセッサ描画されるガイドを制御して経路を進むように指示されている)や、標的、非標的であるかに関わらず、ユーザインタフェースへ描画される個別オブジェクト(個人が演算コンポーネントを制御して個別オブジェクトに対する入力又は他の指示を提供するように指示されている)を含む。本明細書のいずれの例においても、課題及び/又は干渉は、本明細書で以下に説明されるようなコンピュータ制御調整可能要素とすることができる刺激を含む。
【0055】
本明細書で使用される場合、「試行(trial)」は、課題及び/又は干渉(一方又は両方がコンピュータ制御調整可能要素を含む)の提示の1回以上の反復と、課題及び/又は干渉(一方又は両方がコンピュータ制御調整可能要素を含む)に対する個人の応答を1回以上受信することを含む。非限定的な例として、試行にはシングルタスクの課題の少なくとも一部、及び/又はマルチタスクの課題の少なくとも一部を含むことができる。例えば、試行は、これに限定されないが、プラットフォームとのインタラクションにおける個人の行為によって、ガイド(コンピュータ制御のアバターを含む)を特定の経路の少なくとも一部に沿って、又はある環境である時間間隔(これに限定されないが、ほんの一瞬、1秒、数秒、又はそれ以上)にわたって進むことにつながるか、及び/若しくは経路に沿って又はある環境内でガイドに実行しきい値を交差(又は交差を回避)させるかどうか、又はその成功の度合いを評価することなどの、個人の成績が評価されるナビゲーション課題(視覚的運動ナビゲーション課題を含む)の間の時間とすることができる。別の例では、試行は、これに限定されないが、プラットフォームとのインタラクションにおける個人の行為によって非標的に対して標的(例えば、黄色のオブジェクトに対して赤色のオブジェクト)が特定/選択されることにつながるか、若しくは2つの異なる種類の標的(幸せな顔とより幸せな顔)が区別されるか、又はその成功の度合いを評価すること、などの個人の成績が評価される標的設定課題の間の期間とすることができる。これらの例では、ナビゲーション課題に対する試行として指定される個人の実行の部分は、標的設定課題に対する試行として指定される個人の実行の部分と同じ範囲に及ぶ、又は一致している必要はない。
【0056】
本明細書におけるいずれの例でも、オブジェクトは物理的オブジェクト(多角形のオブジェクト又は他のオブジェクトを含む)、(人間、又は人間以外の動物の)顔、戯画、又は別の種類のオブジェクトの描写として描画されることがある。
【0057】
本明細書におけるいずれの例でも、試行及び/又はセッションにおいて個人が課題及び/又は干渉(一方又は両方がコンピュータ制御調整可能要素を含む)をどのように実行することが期待されるかを指定するために、指示を個人へ提供することができる。非限定的な例では、指示によりナビゲーション課題(例えば、この経路を進み続ける、環境のこれらの部分へ行く、経路又は環境内の特定のマイルストーンオブジェクトを交差する若しくは回避する)又は標的設定課題(非標的オブジェクトに対して標的オブジェクトであるオブジェクトの種類を説明する若しくは示す、又は非標的オブジェクトに対して標的オブジェクトであるオブジェクトの種類、若しくは個人がそこから選択することが期待される2つの異なる種類の標的オブジェクト(例えば、幸せな顔とより幸せな顔)を説明する若しくは示す)の期待される実行を個人に知らせる、及び/又は個人の成績がどのように採点されるかを説明できる。複数の例において、指示は(例えば、描画されたユーザインタフェースに基づいて)視覚的に、又は音声を使って提供することができる。様々な例では、指示は2回以上の試行又はセッションの実行よりも前に一度提供する、又は試行若しくはセッション又はそれらの何らかの組み合わせの実行より前に毎回繰り返すことができる。
【0058】
本明細書で説明される一部の例示的なシステム、方法、及び装置は、標的と非標的を決定する/選択するように個人が指示/要求されていることに基づいているが、他の実施形態では、例示的なシステム、方法、及び装置は、個人が2つの異なる種類の標的から(これに限定されないが、顔の表情又は他の特性/特徴の2つの異なる度合いの差異からなど)決定する/選択するように指示/要求されるように構成できる。
【0059】
加えて、例示的なシステム、方法、及び装置は本明細書では個人に対して説明されることがあるが、他の実施形態では、システム、方法、及び装置は、2人以上の個人又は集団(臨床的個体群を含む)のメンバーが課題及び/又は干渉(一方又は両方がコンピュータ制御調整可能要素を含む)を個別に、又は同時に実行するように構成できる。
【0060】
本明細書で説明される原理によるプラットフォーム製品及び認知プラットフォームは、多くの異なる種類の認知状態、疾病、又は、これに限定されないが(社会不安を含む)不安、鬱病、双極性障害、心的外傷後ストレス障害、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥多動性障害、認知症、パーキンソン病、ハンチントン病、脳アミロイド血管症、家族性アミロイドニューロパチチー、アルツハイマー病、多発性硬化症、16p11.2重複の存在、注意欠陥多動性障害(ADHD)、感覚処理障害(SPD)、軽度認知障害(MCI)、大鬱病性障害(MDD)、及び/又は他の神経変性状態などの実行機能障害ヘ適用できる。
【0061】
本開示は、1つ又は複数の課題におけるユーザの成績を示すデータを測定してユーザ成績指標を提供するためのソフトウェア又は他のプロセッサ実行可能命令を実現するように構成される例示的なプラットフォーム製品として形成されるコンピュータ実装のデバイスを対象としている。成績指標は、ユーザの認知能力の評価を導き出す、及び/若しくは認知治療に対するユーザの応答を測定するため、並びに/又はユーザの気分、又は認識の偏り若しくは情動的偏見のデータ又は他の定量的な指示を提供するのに使用できる。本明細書で使用される場合、認識の偏り又は情動的偏見の指示は、肯定的な感情、見方、又は結果と比べた時の否定的な感情、見方、又は結果へのユーザの好みを示すデータを含む。
【0062】
非限定的な例示的な実装では、本明細書における例示的なプラットフォーム製品は、マサチューセッツ州ボストンのアキリ・インタラクティブ・ラブズ社によるAKILI(商標)プラットフォーム製品(本明細書では「アプリ」とも呼ばれる)として形成される、若しくは同プラットフォーム製品に基づく、又は同プラットフォーム製品と統合されることがある。
【0063】
以下でより詳細に説明されるように、演算デバイスはデータ分析などの機能を実行するためにアプリケーション(「アプリケーションプログラム」)を含むことができる。例えば、1つ以上のセンサ部品からのデータを、本明細書で説明されているように、(i)課題に対する個人からの応答、(ii)干渉に対する個人の二次応答、及び(iii)1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答、のうちの2つ以上を略同時に受信する(測定することを含む)ために、例示的な演算デバイス上でアプリケーションプログラムを実行するプロセッサにより分析できる。別の例として、1つ以上のセンサ部品からのデータを本明細書で説明されているように例示的な演算デバイス上でアプリケーションプログラムを実行するプロセッサにより分析して、第1応答及び1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答を示すデータを分析し、1つ以上の認知能力の数量的指標を含む1つ以上の成績指標を計算することができる。
【0064】
本明細書の原理によるシステムは、個人の認知スキルの数量詞の生成(機械学習識別器を使うことを含む)及び/又は個人の認知スキルの強化を提供する。一実施形態では、システムは携帯通信デバイス又は他の携帯型デバイス上で動作するアプリケーションプログラムを用いる。そのような携帯通信デバイス又は他の携帯型デバイスの非限定的な例として、これに限定されないがアイフォーン(登録商標)、ブラックベリー(登録商標)、又はアンドロイドベーススマートフォンなどのスマートフォン、タブレット、スレート、電子リーダー(電子書籍リーダー)、情報端末(digital assistant)、若しくは他の電子リーダー、若しくはウェアラブル演算デバイス、若しくは任意の他の同等のデバイス、Xbox(登録商標)、Wii(登録商標)、又はゲームのような要素の描画に使用することのできる他のコンピュータシステムが挙げられる。一部の実施形態では、システムは内蔵ディスプレイを有するスマート眼鏡、内蔵ディスプレイを有するスマートゴーグル、内蔵ディスプレイを有するスマートヘルメットなどの頭部装着型デバイスを含むことができ、ユーザはコントローラ又は1つ又は複数のセンサを有する入力デバイスを持つことができて、コントローラ又は入力デバイスは頭部装着型デバイスと無線通信を行う。一部の実施形態では、コンピュータシステムはメインコンピュータとデスクトップ型ディスプレイ(又はプロジェクタ型ディスプレイ)を含むデスクトップコンピュータシステムなどのように固定されていることがあり、ユーザはキーボード、コンピュータ用マウス、ジョイスティック、手持ち式コンソール、リストバンド、又は、有線通信又は無線通信を使いメインコンピュータと通信する、センサを有する他のウェアラブルデバイスなどを使ってアプリケーションプログラムへ入力を与える。本明細書の他の例では、例示的なシステムは仮想現実システム、拡張現実システム、又は複合現実システムとすることができる。本明細書の複数の例では、センサはユーザの手、足、及び/又は体の他の部分の動作を測定するように構成できる。一部の実施形態では、例示的なシステムは、仮想現実(VR)システム(没入型対話式3D体験を含むユーザ向けの模擬環境)、拡張現実(AR)システム(これに限定されないが音声、ビデオ、グラフィックス、及び/又はGPSデータなどのコンピュータにより生成された感覚入力によってその要素が拡張された、物理的な現実世界の環境の生の直接的又は間接的な光景を含む)、又は複合現実(MR)システム(現実世界と仮想世界を融合して物理的な物体とデジタルオブジェクトが共存して略リアルタイムで相互作用する新しい可視化環境が作られるハイブリッド式現実とも呼ばれる)として構成できる。
【0065】
本明細書で使用される場合、「cData」という用語は、プラットフォーム製品として形成されるコンピュータ実装のデバイスとユーザのインタラクションの尺度から収集されるデータを指す。
【0066】
本明細書で使用される場合、「コンピュータ制御の刺激又はインタラクション」という表現、又は「CSI」という単語は、刺激又は他のインタラクションとのユーザのユーザのインタラクションを容易にするために提示されるコンピュータ制御要素を指す。非限定的な例として、演算デバイスは、聴覚刺激を提示する(例えば、聴覚的なコンピュータ制御調整可能要素又はコンピュータ制御の聴覚課題の要素として提示される)、若しくはユーザと他の聴覚ベースのインタラクションを開始する、及び/若しくは振動刺激を提示する(例えば、振動式のコンピュータ制御調整可能要素又はコンピュータ制御の振動課題として提示される)、若しくはユーザと他の振動ベースのインタラクションを開始する、及び/若しくは、触刺激を提示する(例えば、触覚式のコンピュータ制御調整可能要素又はコンピュータ制御の触覚課題の要素として提示される)、若しくはユーザと他の触覚ベースのインタラクションを開始する、並びに/又は、触覚刺激を提示する、若しくはユーザと他の視覚ベースのインタラクションを開始するように構成できる。
【0067】
演算デバイスが視覚的CSIを提示するように構成された例では、CSIはユーザへ提示される1つ以上のユーザインタフェースとして描画できる。一部の例では、1つ以上のユーザインタフェースは、ユーザがこの1つ以上のユーザインタフェースに描画されるCSIコンピュータ制御要素とインタラクションを行う際に応答を測定するために構成される。非限定的な例では、ユーザインタフェースはCSIコンピュータ制御要素がアクティブであるように構成することができて、ユーザからの1つ以上の応答を要求することがあり、その結果、ユーザインタフェースがプラットフォーム製品とのユーザのインタラクションの種類又は度合いを示すデータを測定するように構成される。別の例では、ユーザインタフェースは、CSIコンピュータ制御要素がパッシブで1つ以上のユーザインタフェースを使ってユーザへ提示されるように構成できるが、ユーザからの応答を要求しないことがある。この例では、1つ以上のユーザインタフェースは、ユーザのインタラクションの記録された応答を除外して、(例えば、応答により小さい値又はより大きな値を重み付けするために)応答を示すデータへ重み付け係数を適用する、又は(例えば、ユーザに誤った応答の通知又は他のフィードバックを発行するために)プラットフォーム製品とのユーザの応答を示すデータをユーザの誤った応答の尺度として測定するように構成できる。
【0068】
一例では、プラットフォーム製品は、ディスプレイ部品、入力デバイス、及び1つ又は複数のプロセッサを備えるプロセッサ実装のシステム、方法、又は装置として構成できる。一例では、1つ又は複数のプロセッサは、ディスプレイ部品で表示する1つ以上のユーザインタフェースを生成して、インタラクションのためにユーザへコンピュータ制御の刺激又はインタラクション(CSI)、又は他のインタラクティブ要素を提示するようにプログラムすることができる。他の例では、1つ又は複数のプロセッサ、例えば1つ以上の処理部は、プラットフォーム製品の作動部品に(CSIを含む)コンピュータ制御の聴覚要素、触覚要素、又は振動要素を生じさせて刺激又はユーザとの他のインタラクションを生じさせるようにプログラムすることができる。1つ以上の処理部は、入力デバイスを使って提供される応答を含む、CSI又は他のインタラクティブ要素を用いたユーザのインタラクションに基づく1つ以上のユーザ応答を示すデータ(これに限定されないがcDataなど)をプログラム製品の構成要素に受信させるようにプログラムすることができる。一例では、1つ以上のユーザインタフェースがユーザへコンピュータ制御の刺激又はインタラクション(CSI)、又は他のインタラクティブ要素を提示するために生成される場合、1つ以上の処理部はユーザインタフェースに1つ以上のユーザ応答を示すデータを受信させるようにプログラムすることができる。また、1つ以上の処理部は、ユーザの応答の間の差異の判定に基づいて個人の成績の間の差異を分析する、及び/若しくは分析で判定された個人の成績に基づいてCSI又は他のインタラクティブ要素の難易度を調整する、並びに/又は、個人の成績、並びに/又は認知評価、及び/若しくは認知治療に対する応答を示す、プラットフォーム製品からの出力又は他のフィードバックを提供するようにプログラムすることができる。一部の例では、分析結果をCSI又は他のインタラクティブ要素の難易度又は他の特性を変更するのに使用できる。
【0069】
非限定な例では、コンピュータ制御要素は、ユーザインタフェースを介して聴覚課題、触覚課題、又は振動課題として提示される1つ以上の課題を含む。各課題は、cDataの収集のためにユーザが刺激を受けた後にユーザから応答を引き出すように設計されたインタラクティブな機構として描画できる。
【0070】
コンピュータ制御の聴覚課題の非限定的な例では、個人はコンピュータで描画された特定の経路をたどるように、又は個人に対して発せられた聴覚的合図に基づいて他の環境を進むように要求されることがある。処理部は、聴覚的コンポーネント要素に聴覚的合図(例えば、音声若しくは人間の声、又は音楽)を出させることで実行の進捗指標を個人へ提供し、コンピュータ環境内のコンピュータ制御のアバターの経路を維持する又は変更する、及び/又は、演算デバイスのセンサにより測定された、個人の物理的行為の実行の成功の度合いを個人へ示して、コンピュータ制御のアバターに期待される進路又は経路を維持させるように、構成できる。
【0071】
コンピュータ制御の振動課題の非限定的な例では、個人はコンピュータで描画された特定の経路をたどるように、又は個人に対して発せられた振動による合図に基づいて別の環境を進むように要求されることがある。処理部は、作動部品を制御して振動させる(演算デバイスの構成要素に振動させることを含む)ことで実行の進捗指標を個人へ提供し、コンピュータ環境内のコンピュータ制御のアバターの経路を維持する又は変更する、及び/又は、演算デバイスのセンサにより測定された、個人の物理的行為の実行の成功の度合いを個人へ示して、コンピュータ制御のアバターに期待される進路又は経路を維持させるように、構成できる。
【0072】
コンピュータ制御の聴覚課題の非限定的な例では、個人は触覚を通じて認識される1つ又は複数の感覚とインタラクションを行うように要求されることがある。非限定的な例では、コンピュータ制御調整可能要素は、1つ又は複数のプロセッサにより制御されて作動部品を作動させて、異なる種類の触刺激(例えば、接触、ざらついた表面、又は温度の知覚)を提示することができる。例えば、自閉症スペクトラム障害(ASD)を患っている個人は、特定の触覚による知覚(服を着る、又は身繕いをする際に触れられることを含む)に敏感である(嫌悪感を持つことを含む)ことがあり、アルツハイマー病及び他の認知症を患っている個人は、接触の知覚又は他の触覚による知覚から利益を得ることがある。例示的な触覚課題では、触覚が敏感な個人に手触りや触感とのインタラクションを行わせる物理的行為を行わせることがある。
【0073】
非限定的な例では、コンピュータ制御要素は、ユーザインタフェース上で描画されるプラットフォームの、又はプログラム製品の聴覚要素、触覚要素、若しくは振動要素としての、1つ以上のプラットフォームのインタラクション(ゲームプレー)要素を含む。プラットフォーム製品のプラットフォームのインタラクション(ゲームプレー)要素のそれぞれは、インタラクティブな機構(ビデオゲームのような機構の形態のものを含む)又は、cData収集の対象となりうる/対象とはならないこともある視覚的な(又は表面的な)特徴を含むことができる。
【0074】
本明細書で使用される場合、「ゲームプレー(gameplay)」という用語は、プラットフォーム製品の態様とユーザのインタラクション(他のユーザ体験を含む)を包含する。
【0075】
非限定的な例では、コンピュータ制御要素は、ユーザへの正のフィードバックを示すために1つ以上の要素を含む。そのような要素はそれぞれ、課題又は他のプラットフォームのインタラクティブ要素における成功、すなわち、プラットフォーム製品でのユーザ応答が課題又はプラットフォームのインタラクション(ゲームプレー)要素での成功指標しきい値を超えたことを示す、ユーザへ出される聴覚信号及び/若しくは視覚信号を含むことができる。
【0076】
非限定的な例では、コンピュータ制御要素は、ユーザへの負のフィードバックを示すために1つ以上の要素を含む。そのような要素はそれぞれ、課題又はプラットフォームのインタラクション(ゲームプレー)要素における失敗、すなわち、プラットフォーム製品でのユーザ応答が課題又はプラットフォームのインタラクション要素での成功指標しきい値を満たさなかったことを示す、ユーザへ出される聴覚信号及び/若しくは視覚信号を含むことができる。
【0077】
非限定的な例では、コンピュータ制御要素は、メッセージ交換、すなわち、正のフィードバックとも負のフィードバックとも異なるユーザへの連絡のための1つ以上の要素を含む。
【0078】
非限定的な例では、コンピュータ制御要素は、報酬を示すための1つ以上の要素を含む。報酬コンピュータ要素は、CSIへのユーザ満足を促進するためにユーザへ配送されて、結果的に正のユーザのインタラクション(それゆえユーザ体験の享受)を増加させる、コンピュータ生成される特徴とすることができる。
【0079】
非限定的な例では、認知プラットフォームは、1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素を描画するように構成できる。本明細書で使用される場合、「コンピュータ制御調整可能要素(computerized adjustable element)」は、課題及び/又は干渉に対する応答を提供する際の個人の成績に基づいて、コンピュータシステムを使ってその内容及び/又は外観が変更される、又はそうでなければ調節されるように構成されるコンピュータ制御要素である。例示的なシステム、装置、及び方法は、個人が課題及び/又は干渉(干渉を伴う、又は伴わない課題を含む)を実行する際にリアルタイムで、又はほぼリアルタイムでコンピュータ制御調整可能要素を調整して、個人の成績が所与の試行又はセッション内で特定の成績しきい値を達成したかどうか、所与の試行又はセッションにおける個人の成績が他の成績又は以前の成績と比べてどうか、及び/又は、個人が所与の試行又はセッションにおいて特定の達成水準に達したかどうか、を個人へ示すように構成できる。例えば、課題の一部を実行することにおける個人の成功の度合いに基づいたコンピュータ制御調整可能要素は、成功を表す、又はそうでなければ成功を具体化する方法で変更できる。一例では、コンピュータ制御調整可能要素の内容及び/又は外観は、感情、情動、気分、副交感神経の覚醒、及び/又は個人からの他の種類の応答を喚起するように構成できる。
【0080】
本明細書の様々な例では、コンピュータ制御調整可能要素(すなわち、情緒的要素、及び/又は情動的要素)は、個人の成績に基づいて、その数及び/又は複雑さが増加、又は減少する画像(顔の画像を含む)、音声(声を含む)、及び/又はオブジェクトを含むCSIとして描画できる。例えば、課題及び/又は干渉に対する応答を提供する際の個人の成績に基づいてコンピュータ制御調整可能要素の内容及び/又は外観を変更又は調節することは、コンピュータ制御調整可能要素に含まれる特徴の数、コンピュータ制御調整可能要素に含まれる特徴の種類、及び/又はコンピュータ制御調整可能要素に含まれる特徴の移動の速度又は軌跡を増加、又は減少させることの、1つ又は複数とすることができる。
【0081】
非限定的な例では、認知プラットフォームは、マルチタスクのインタラクティブ要素を描画するように構成できる。一部の例では、マルチタスクのインタラクティブ要素は、マルチタスクゲームプレー(MTG)と呼ばれる。マルチタスクのインタラクティブ要素は、ユーザを多くの時間的に重なる課題、すなわち、略同時に多くの応答をユーザに要求する課題に従事させるように構成されるインタラクティブな機構を含む。
【0082】
本明細書におけるいずれの例でも、マルチタスクの課題は2つ以上の課題の任意の組み合わせを含むことができる。一実装におけるマルチタスクのインタラクティブ要素は、個人を多くの時間的に重なる課題、すなわち、略同時に多くの応答を個人に要求する課題に従事させるように構成されるインタラクティブな機構を含む。本明細書の非限定的な例では、マルチタスクの課題の少なくとも一部を個人が実行する際には、システム、方法、及び装置は、リアルタイムで個人の多数の応答を示すデータを測定し、また(一次課題としての)課題に対する個人からの第1応答を測定し、略同時に(二次課題としての)干渉に対する個人からの第2応答を測定するように構成される。
【0083】
マルチタスクの課題を伴う実施形態では、演算デバイスは、(1つ以上の特別にプログラムされた処理部を使ったりして)認知プラットフォームに2つ以上の異なる種類の課題、例えばこれに限定されないが、標的識別課題及び/若しくはナビゲーション課題、並びに/又は、顔の表情認識課題若しくはオブジェクト認識課題、を短い期間の間に(リアルタイムで、及び/又は略同時であることを含む)ユーザへ提示させるように構成される。また、演算デバイスは、(1つ以上の特別にプログラムされた処理部を使ったりして)マルチタスクの課題に対して受信したユーザ応答の種類を示すデータを短い期間の間に(リアルタイムで、及び/又は略同時であることを含む)収集するように構成される。これらの例では、2つ以上の異なる種類の課題を短い期間の間に(リアルタイムで、及び/又は略同時であることを含む)個人へ提示することができて、演算デバイスは、2つ以上の異なる種類の課題に対するユーザ応答を示すデータを短い期間の間に(リアルタイムで、及び/又は略同時であることを含む)受信するように構成できる。
【0084】
認知プラットフォームを使って個人へ提示されるコンピュータ制御の課題の種類に基づき、個人が認知プラットフォームとインタラクションを行って課題を実行した結果期待される応答の種類と、認知プラットフォームを使って受信される(測定されることを含む)と期待されるデータの種類は、課題の種類に依存する。標的識別課題に対しては、認知プラットフォームは、(例えば、Go/No-Go課題において)標的と非標的から選択すること、又は、例えば二肢強制選択(2AFC)の課題において2つの異なる種類の標的から選択すること(顔の表情又は他の特性/特徴の2つの異なる度合いの差異の間で選択することを含む)を含む、時間的特異的な応答、及び/又は位置特異的な応答を個人に要求することがある。ナビゲーション課題に対しては、認知プラットフォームは、位置特異的な応答、及び/又は動作特異的な応答をユーザに要求することがある。顔の表情認識課題、又はオブジェクト認識課題に対しては、認知プラットフォームは、時間特異的な応答、及び/又は位置特異的な応答をユーザに要求することがある。非限定的な例では、これに限定されないが、標的設定課題及び/若しくはナビゲーション課題、並びに/又は顔の表情認識課題若しくはオブジェクト認識課題などの課題に対するユーザ応答は、認知プラットフォームの入力デバイスを使って記録できる。そのような入力デバイスの非限定的な例として、ユーザのインタラクションを記録するように構成される任意の形態のユーザインタフェースを含む、ユーザインタフェースに対してタッチ、スワイプ、又は他のジェスチャをキャプチャするためのデバイス、オーディオキャプチャデバイス(例えばマイク入力)、又は画像キャプチャデバイス(これに限定されないが、タッチパネル、若しくは、他の感圧式表面若しくはタッチ感知表面、又はカメラ)を挙げることができる。他の非限定的な例では、これに限定されないが、標的設定課題及び/若しくはナビゲーション課題、並びに/又は顔の表情認識課題若しくはオブジェクト認識課題などの課題に対する認知プラットフォームを使って記録されるユーザ応答として、認知プラットフォームを含む演算デバイスの位置、配向、又は動作を変化させるユーザの行為を挙げることができる。演算デバイスの位置、配向、又は動作のそのような変化は、演算デバイスに配置される、又はそうでなければ結合される、これに限定されないがセンサなどの入力デバイスを使って記録できる。センサの非限定的な例としては、モーションセンサ、位置センサ、及び/又は、(これに限定されないが、カメラなどの)画像キャプチャデバイスが挙げられる。
【0085】
本明細書の例では、「略同時に(substantially simultaneously)」は、互いから約5ミリ秒以内に、又は、約10ミリ秒以内に、若しくは約20ミリ秒以内に、若しくは約50ミリ秒以内に、若しくは約75ミリ秒以内に、若しくは約100ミリ秒以内に、若しくは約150ミリ秒以内に、若しくは約200ミリ秒以内に、若しくは約250ミリ秒以内に、複数の課題が描画される、又は複数の応答測定が行われることを意味する。本明細書のいずれの例においても「略同時に」は、人間の平均反応時間よりも短い時間である。別の例では、2つの課題は、あらかじめ設定された時間以内に個人が2つの課題を切替える場合に、略同時となりうる。「略同時に」と考えられる、切換えに設定される時間は、1秒の10分の1、1秒、約5秒、約10秒、約30秒、又はそれより長くすることができる。
【0086】
一部の例では、短い期間は、約1.0ミリ秒まで、又はそれ以上の分解能の任意の時間間隔とすることができる。時間間隔は、これに限定されないが、約2.0ミリ秒又はそれ以上で任意の合理的な終了時間までの周期を任意に分割した時間長とすることができる。時間間隔は、これに限定されないが、約3.0ミリ秒、約5.0ミリ秒、約10ミリ秒、約25ミリ秒、約40ミリ秒、約50ミリ秒、約60ミリ秒、約70ミリ秒、約100ミリ秒、又はそれより長くすることができる。他の例では、短い期間は、これに限定されないが、ほんの一瞬、約1秒、約1.0秒と約2.0秒の間、若しくは約2.0秒まで、又はそれより長くすることができる。
【0087】
本明細書のいずれの例においても、認知プラットフォームは、課題(課題を伴う干渉を含む)の提示時間に対するユーザの応答の反応時間を示すデータを収集するように構成できる。例えば、演算デバイスは、プラットフォーム製品又は認知プラットフォームに、難易度を調整する例示的な方法として、ユーザが課題に対する応答を提示するためのより小さな、又はより大きな反応時間ウインドウを提供させるように構成できる。
【0088】
非限定的な例では、認知プラットフォームは、シングルタスクのインタラクティブ要素を描画するように構成できる。一部の例では、シングルタスクのインタラクティブ要素は、シングルタスクゲームプレー(STG)と呼ばれる。シングルタスクのインタラクティブ要素は、所与の時間間隔でユーザを単一課題に従事させるように構成されるインタラクティブな機構を含む。
【0089】
本明細書の原理によれば、「認知(cognition)」という用語は、思考、体験、及び感覚を通して知識を獲得し、理解する、精神活動又はプロセスを指す。これには、限定されないが、実行機能、記憶、知覚、注意、感情、運動制御、及び干渉処理などの心理学的な概念/領域が含まれる。本明細書の原理による例示的なコンピュータ実装のデバイスは、プラットフォーム製品とユーザのインタラクションを示すデータを収集するように、かつユーザ成績を数値化する指標を計算するように構成できる。ユーザ成績の数量詞を(認知評価に対する)認知の尺度を提供する、又は認知治療の状況又は進捗の尺度を提供するのに使用できる。
【0090】
本明細書の原理によれば、「治療(treatment)」という用語は、これに限定されないが、認知、ユーザの気分若しくは認知のレベル、又は情動的偏見に関する改善などの、ユーザの能力の測定可能な改善につながる、プラットフォーム製品(アプリの形態のものを含む)内のCSIの任意の操作を指す。改善の度合い又はレベルは、本明細書で説明されているように、ユーザ成績の尺度に基づいて定量化することができる。
【0091】
本明細書の原理によれば、「セッション(session)」という用語は、明確な開始と終了を有する個別の期間を指し、その間にユーザはプラットフォーム製品とインタラクションを行って、プラットフォーム製品(アプリの形態のものを含む)から評価又は治療を受ける。本明細書の複数の例では、セッションは1回以上の試行を指しうる、又は、1回以上の試行と1回以上の他の種類の測定及び/又は他のユーザのインタラクションを含みうる。非限定的な例として、セッションは1回以上の試行と、生理学的コンポーネント若しくは監視コンポーネント及び/又は認知力テストコンポーネントを用いた1回又は複数回の測定を含みうる。他の非限定的な例として、セッションは1回以上の試行と、生理学的状態及び/又は認知状態を含む個人の状態の1つ又は複数の尺度を示すデータの受領を含みうる。
【0092】
本明細書の原理によれば、「評価(assessment)」という用語は、プラットフォーム製品のCSI又は他の特徴若しくは要素を用いたユーザのインタラクションの1回以上のセッションを指す。プラットフォーム製品(アプリの形態のものを含む)を使ってユーザにより行われた1回又は複数回の評価で収集されたデータを、認知の尺度若しくは他の数量詞、又はユーザの能力の他の態様を導き出すために使用できる。
【0093】
本明細書の原理によれば、「認知的負荷(cognitive load)」という用語は、課題を完了するために費やす費やす必要がありうる心的リソースの量を指す。また、この用語は、課題又はゲームプレーの課題又は難易度を指すのに使用できる。
【0094】
本明細書の原理によれば、「情動的負荷(emotional load)」という用語は、特に感情情報を処理すること、若しくは感情を制御することに関連する、又は、肯定的な感情、見方、又は結果と比べた時の否定的な感情、見方、又は結果へのユーザの好みにおける情動的偏見に関連する、認知的負荷を指す。情動的負荷を、例示的な装置、システム、又は方法を使って変更する(すなわち、増加させる、又は減少させる)ことで、個人が課題及び/又は干渉(干渉を伴う、又は伴わない課題を含む)の一部を実行する際の成功の度合いを個人に対して示すようにコンピュータ制御調整可能要素を構成することができる。
【0095】
本明細書の原理によれば、「自己消耗(ego depletion)」という用語は、努力して自己制御を行った期間の後の、更なる自己制御を行う能力の低下により特徴づけられる、ユーザが達した状態を指す。自己消耗の状態は、上記のプラットフォーム製品のユーザインタフェース上に描画される、又は聴覚要素、触覚要素、若しくは振動要素としてのインタラクティブ要素に対するユーザの応答に対して収集されたデータに基づいて測定できる。
【0096】
本明細書の原理によれば、「情動的処理(emotional processing)」という用語は、感情/情動/気分又は副交感神経の覚醒の認知的な処理及び/又は神経学的な処理に特有な認知の構成要素を指す。情動的処理の度合いは、上記のプラットフォーム製品のユーザインタフェース上に描画されたインタラクティブなコンピュータ制御調整可能要素(聴覚要素、触覚要素、若しくは振動要素としてのものを含む)に対するユーザの応答に対して収集されたデータに基づいて測定できる。
【0097】
本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素を描画するように構成される認知プラットフォームを使って、MTG又はSTGにおける課題に対するあからさまな構成要素として認知的負荷の追加の制御を提供する、プラットフォーム製品(アプリを使うことを含む)を含む。一例では、コンピュータ制御調整可能要素は、認知を評価する、又は感情に関連する認知を改善するように構成される課題において使用され、プラットフォーム製品内で描画されたコンピュータ制御調整可能要素とユーザのインタラクションの尺度として収集されるデータ(cDataを含む)は、プラットフォーム製品のユーザインタフェースを使った、又は聴覚要素、触覚要素、若しくは振動要素としてのインタラクション用に構成された治療の後に、認知の評価の尺度、又は認知の尺度に対する改善を判定するのに使用される。コンピュータ制御調整可能要素は、ユーザが実施する空間的な課題をユーザインタフェースに描画させるなどによって非情動的認知に対する感情の影響を測定するためにデータを収集する、及び/又は、実行機能の尺度を用いて感情を制御する特徴をユーザインタフェースに描画させるなどによって感情に対する非情動的認知の影響を測定するためにデータを収集するように構成できる。一実施形態では、ユーザインタフェースは、MTGによる認知的負荷を受けた状態で、(測定データに基づいて)CSIにより示される感情を識別し、その識別を作業記憶に保持して後続のCSIにより示される感情の尺度とその識別を比較するための課題を描画するように構成できる。
【0098】
一例では、ユーザインタフェースは、干渉処理に基づいて、認知プラットフォームに基づくプログラムプラットフォームをユーザへ提示するように構成できる。干渉処理を実現する例示的なシステム、方法、及び装置では、1つ以上の処理部は、1つ以上の第1ユーザインタフェース、又は聴覚信号、触覚信号、若しくは振動信号を生成してユーザに第1種類の応答を要求する第1課題を提示するようにプログラムされ、かつ、1つ以上の第2ユーザインタフェース、又は聴覚信号、触覚信号、若しくは振動信号を描画して第1課題を伴う第1干渉を提示するようにプログラムされて、第1干渉の存在下で第1課題に対する第2種類の応答をユーザに要求する。非限定的な例では、第2種類の応答は、第1課題に対する第1種類の応答及び第1干渉に対する二次応答を含むことができる。他の非限定的な例では、第2種類の応答は、第1種類の応答を含まないことがあり、また第1種類の応答とまったく異なることがある。また、1つ以上の処理部は、プラットフォーム製品とユーザのインタラクションに基づいて、これに限定されないが、1つ以上のユーザインタフェースを描画してデータを受信するなどによって、第1種類の応答及び第2種類の応答を示すデータ(これに限定されないが、cDataなど)を受信するようにプログラムされる。また、1つ以上の処理部は、ユーザの第1種類の応答の尺度と第2種類の応答の尺度の間の差異の判定に基づいて個人の成績の中の差異を分析する、及び/若しくは、分析において判定された個人の成績に基づいて第1課題及び/又は第1干渉の難易度を調整する、並びに/又は、個人の成績及び/若しくは認知評価並びに/若しくは認知治療に対する応答、並びに/又は評価された認知の尺度を示すことができる、プラットフォーム製品からの出力又は他のフィードバックを提供するようにプログラムすることができる。非限定的な例としては、干渉処理に基づく認知プラットフォームは、マサチューセッツ州ボストンのアキリ・インタラクティブ・ラブズ社によるProject:EVO(商標)プラットフォームとすることができる。
【0099】
本明細書の原理による、干渉処理に基づく例示的なシステム、方法、及び装置では、ユーザインタフェースは、干渉処理の構成要素として、ユーザが反応する標的設定課題の際立った特徴の一つが、干渉処理における干渉要素内で形状、色、及び/又は位置を使用することができる方法と同様に感情を表示するプラットフォーム内の特徴であるように構成される。
【0100】
本明細書の原理による、干渉処理に基づく他の例示的なシステム、方法、及び装置では、プラットフォーム製品はコンピュータ制御調整可能要素を用いる認知課題などの作業記憶課題を含むことがあり、この場合、情動的内容はMTG又はSTG内での照合に対する根拠、又はユーザのインタラクションの一部としての気を散らせる要素のいずれかである。
【0101】
本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、MTG又はSTGにおいて1つ以上の統合的なコンピュータ制御調整可能要素を描画するように構成される認知プラットフォームを使用するプラットフォーム製品(アプリを使うことを含む)を含み、この場合、ユーザインタフェースは非明示的にコンピュータ制御調整可能要素へ注意を促すように構成される。プラットフォーム製品のユーザインタフェースは、注意、解釈、又は記憶における情動的偏見を評価する又は調整するためにコンピュータ制御調整可能要素を描画するように、及び、プラットフォーム製品とユーザのインタラクションを示すデータを収集するように構成できる。
【0102】
本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、1つ又は複数の課題内で提供される正又は負のフィードバックを強化する1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素を描画するように構成される認知プラットフォームを使用するプラットフォーム製品(アプリを使うことを含む)を含む。
【0103】
本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、ユーザのインタラクションに対する一定又は調整可能なレベルの認知的負荷又は情動的負荷(ゲームプレーに対するものを含む)を導入する1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素を描画するように構成される認知プラットフォームを使用するプラットフォーム製品(アプリを使うことを含む)を含む。また、MTG又はSTGの難しさを調節するために使用することもできる。これには、1つ又は複数の課題の中で提供される正又は負のフィードバックと相反するコンピュータ制御調整可能要素を使うこと、又は、自己消耗を誘発してユーザの認知制御能力に影響を及ぼすためにコンピュータ制御調整可能要素を使うことを含む。
【0104】
本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、MTGの間に1つ以上の同時に存在する相反するコンピュータ制御調整可能要素を描画し、これらのコンピュータ制御調整可能要素を異なる課題へ統合するように構成される認知プラットフォームを使用するプラットフォーム製品(アプリを使うことを含む)を含む。また、ユーザの相反する感情情報の扱い方を示す、プラットフォーム製品とユーザのインタラクションに関連する認知の尺度を評価又は改善するために使用することもできる。
【0105】
本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、映像センサ又は音声センサを使って、課題内でのCSIに対する応答の手段としてのユーザによる物理的行為又は音声による行為の実行を検出するプラットフォーム製品(アプリを使うことを含む)を含む。こうした行為は、顔による表現若しくは音声表現、又は言葉などの感情表現でありうる。
【0106】
本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、感情制御戦略の一部として1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素を描画し、収集された日付の分析によりユーザが最適な情動状態ではないことが示されている場合のプラットフォーム製品へのユーザの関与をより良くすることができるように構成される認知プラットフォームを使用するプラットフォーム製品(アプリを使うことを含む)を含む。例えば、プラットフォーム製品の成績尺度をデータ分析することで、ユーザが不満を感じいていて、治療又は評価を適切に行うことができないと判定された場合、プラットフォーム製品は、ユーザが再び充分に作業を行う準備ができていると考えられる時間間隔まで、コンピュータ制御調整可能要素を用いる通常のインタラクションシーケンスに何らかの休止を取り入れるように構成することもできる。この休止は、一定の時間間隔、又はユーザの以前の成績データに基づいて計算された時間間隔とすることができる。
【0107】
本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、インタラクションシーケンスにおいて1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素を描画し、ユーザ応答を測定し、その結果に応じてCSIを調整するように構成される認知プラットフォームを使用するプラットフォーム製品(アプリを使うことを含む)を含む。これらの測定結果は、ユーザの情動的な反応性の尺度を決定するためにコンピュータ制御調整可能要素を提示しないプラットフォームにおけるインタラクションシーケンスに対するユーザ応答と比較しうる。この測定は、コンピュータ制御調整可能要素を提示しないインタラクションシーケンスの最中になされる測定と比較するかどうかに関わらず、ユーザの情動状態を評価するためでありうる。CSIの調整により、プラットフォーム製品へのより良い関与を可能にするために感情制御戦略が始められる、又は、特定の情動状態の下でのみ、これに限定されないが課題又は報酬などの特定のインタラクティブ要素を始められることがある。ユーザ応答の測定にはタッチパネル、キーボード、若しくは、加速度計若しくはビデオカメラ、マイク、視線追跡ソフトウェア/デバイス、バイオセンサなどの受動的外部センサ、及び/又は神経測定(例えば脳波図)などの入力を使用することができて、プラットフォーム製品とのインタラクションに直接は関連しない応答、及びプラットフォーム製品とユーザのインタラクションに基づく応答を含むことがある。プラットフォーム製品は、特定の気分の尺度、及び/又は情動的な反応性に影響を及ぼす一般的状態の自己消耗の尺度を含む、ユーザの情動状態の尺度を提示することができる。
【0108】
本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素を描画して取り得る適切な課題応答を提案するように構成される認知プラットフォームを使用するプラットフォーム製品(アプリを使うことを含む)を含む。また、ユーザの能力を評価して、感情のシグナルを見定める、又は適切な情動的応答を選択するのに使用できる。
【0109】
本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、時間制限のある課題において、1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素を描画するように構成される認知プラットフォームを使用するプラットフォーム製品(アプリを使うことを含む)を含み、制限時間は調節できる。これは、トップダウンの意識的な制御とボトムアップの反射的な応答などの、異なる認知過程を介したユーザ応答を測定するためである。
【0110】
本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、1つ又は複数のレベルの誘発性でのコンピュータ制御調整可能要素に対する以前のユーザ応答に基づいて判定された誘発性のレベルを持つ、1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素を描画するように構成される認知プラットフォームを使用するプラットフォーム製品(アプリを使うことを含む)を含む。これには、課題に対して予想される、刺激又は難易度に対するユーザ成績の心理測定曲線を作成するなどの特定の目標を達成するために適応的アルゴリズムを適用して誘発性のレベルを徐々に調整すること、又は、Go/No-Go課題においてユーザの課題成績が50%の正確さといった特定の基準を満たすであろう特定のレベルを判定することが含まれうる。
【0111】
上述したように、本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、プログラムされた演算デバイスの1つ以上の処理部を用いて実装して、認知プラットフォームを提供することができる。
図1は、本明細書で上述した認知プラットフォームを実現するのに使用できる、本明細書の原理による例示的なシステム又は装置100を示す。例示的なシステム又は装置100は、1つ以上のメモリ102と1つ又は複数のプロセッサ、例えば1つ以上の処理部104を備える。1つ以上の処理部104は、1つ以上のメモリ102と通信可能に結合されている。
【0112】
例示的なメモリ102は、これに限定されないが、ハードウェア記憶装置、非一時的有形媒体、磁気ディスク記憶装置、光ディスク、フラッシュドライブ、演算デバイス記憶装置、これに限定されないがDRAM、SRAM、EDO RAMなどのランダムアクセスメモリ、任意の他の種類の記憶装置、又はこれらの組み合わせを含むことができる。例示的な処理部104は、これに限定されないが、マイクロチップ、プロセッサ、マイクロプロセッサ、専用プロセッサ、特定用途向け集積回路、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、任意の他の適切なプロセッサ、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0113】
1つ以上のメモリ102は、プロセッサ実行可能命令106及び演算コンポーネント108を記憶するように構成される。非限定的な例では、演算コンポーネント108は、(i)課題に対する個人からの応答、(ii)干渉に対する個人の二次応答、及び(iii)1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答、のうちの2つ以上を略同時に受信する(測定することを含む)ために使用できる。別の非限定的な例では、演算コンポーネント108は、本明細書で説明されるような1つ以上のセンサ部品からのデータを分析する、及び/又は、第1応答及び1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答を示すデータを分析して、1つ以上の認知能力の数量的指標を含む1つ以上の成績指標を計算するのに使用できる。別の非限定的な例では、演算コンポーネント108は、コンピュータ実装の適応的応答期限手順において信号検出指標を計算するのに使用できる。また、
図1に示されるようにメモリ102は、これに限定されないが、測定データ112などのデータ110を記憶するのに使用できる。様々な例では、測定データ112は、生理学的コンポーネント(図示せず)から受信した個人の生理学的測定データ(1回又は複数回の測定果に基づいて収集されたデータを含む)、及び/若しくは課題に対する個人の応答を示すデータ、並びに/若しくは装置100のユーザインタフェース上に描画される(以下でより詳細に説明されるような)干渉、若しくは装置100の作動部品からの聴覚信号、触覚信号、若しくは振動信号を用いた干渉、並びに/又は、個人へ投与される、又は投与されるべき薬物、医薬品、生物製剤、又は他の医薬品の量、濃度、若しくは投与量滴定、又は他の治療計画のうちの1つ又は複数を示すデータを含みうる。
【0114】
非限定的な例では、1つ以上の処理部104はメモリ102に記憶されたプロセッサ実行可能命令106を実行して、少なくとも、(i)課題に対する個人からの応答、(ii)干渉に対する個人の二次応答、及び(iii)1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答、のうちの2つ以上を略同時に測定する。また、1つ以上の処理部104はメモリ102に記憶されたプロセッサ実行可能命令106を実行して、少なくとも、測定用部品を使って収集されたデータ(第1応答及び1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答を示すデータを含む)を分析して、演算コンポーネント108を使って1つ以上の認知能力の数量的指標を含む1つ以上の成績指標を計算する。また、1つ以上の処理部104は、プロセッサ実行可能命令106を実行し、送信部を制御して、計算された信号検出指標を示す値を送信する、及び/又はメモリ102を制御して信号検出指標を示す値を記憶するようにプログラムすることができる。
【0115】
また、非限定的な例では、1つ以上の処理部104はプロセッサ実行可能命令106を実行し、送信部を制御して、生成された成績指標を示す値を送信する、及び/又はメモリ102を制御して生成された成績指標を示す値を記憶する。
【0116】
別の非限定的な例では、1つ以上の処理部104はメモリ102に記憶されたプロセッサ実行可能命令106を実行して、少なくとも、コンピュータ実装の適応的応答期限手順において信号検出指標を適用する。
【0117】
本明細書のいずれの例においても、ユーザインタフェースはグラフィカルユーザインタフェースとすることができる。
【0118】
別の非限定的な例では、測定データ112は、1つ又は複数の生理学的コンポーネント若しくは監視コンポーネント、及び/又は認知力テストコンポーネントを使った測定から収集することができる。本明細書のいずれの例においても、1つ又は複数の生理学的コンポーネントは、生理学的測定を行うために構成される。生理学的測定は、生理的パラメータの定量的測定データ、及び/又は生理的な構造及び/又は機能の視覚化に使用できるデータを提供する。
【0119】
本明細書のいずれの例においても、測定データ112は、反応時間、応答の分散、的中、省略エラー、誤警報の数(これに限定されないが、非標的に対する応答)、学習率、空間的逸脱度、主観的評定、及び/若しくは成績しきい値、又は、最新の完了した試行又はセッションにおけるパーセント精度、的中、及び/又は失敗を含む、分析からのデータを含みうる。測定データ112の他の非限定的な例としては、応答時間、課題完了時間、設定された時間内に完了した課題の数、課題のための準備時間、応答の正確さ、設定された状態の下での応答の正確さ(例えば、刺激の難易度又は大きさのレベル、及び多数の刺激の関連)、参加者が設定された時間内に登録できる応答の数、参加者が制限時間なしでできる応答の数、完了する必要のある課題での試みの回数、動作の安定性、加速度計及びジャイロスコープのデータ、及び/又は自己評定が挙げられる。
【0120】
本明細書のいずれの例においても、1つ又は複数の生理学的コンポーネントは、電気的活動、心拍数、血流量、及び酸素化レベルを含む、体及び神経系の物理的特性を測定する任意の手段を含んで、測定データ112を提供することができる。この手段には、測定データ112を提供するためのカメラベースの心拍数検出、電気皮膚反応の測定、血圧測定、脳波図、心電図、磁気共鳴画像法、近赤外分光法、及び/又は瞳孔散大測定を含みうる。1つ又は複数の生理学的コンポーネントは、体及び神経系の物理的特性のパラメータ値を測定するための1つ又は複数のセンサと、1つ又は複数のセンサにより検出された信号を処理するための1つ又は複数の信号プロセッサを備えることができる。
【0121】
測定データ112を提供するための生理学的測定の他の例としては、これに限定されないが、心電計(ECG)を用いた体温、心臓又は他の心臓関連の機能の測定、脳波図(EEG)を用いた電気的活動、事象関連電位(ERP)、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)、血圧、皮膚の一部における電位、電気皮膚反応(GSR)、脳磁気図(MEG)、瞳孔散大の度合いを判定するようプログラムされた処理部を含む視線追跡デバイス又は他の光学的検出デバイス、機能的近赤外分光法(fNIRS)、及び/又は陽電子放出断層撮影法(PET)読取装置が挙げられる。EEG-fMRI又はMEG-fMRIによる測定により、電気生理学(EEG/MEG)データ及び血行動態(fMRI)データの同時取得が可能となる。
【0122】
図1の例示的なシステム又は装置は、本明細書で説明される例示的な方法のいずれかを実行するための演算デバイスとして構成できる。演算デバイスは、本明細書で説明される例示的な方法の機能性のいくつかを実行するためのアプリケーションプログラムを含みうる。
【0123】
本明細書のいずれの例においても、例示的な装置は、認知監視コンポーネント、疾病監視コンポーネント、及び生理学的測定用部品のうちの1つ又は複数と通信するように構成して、課題、干渉、及びコンピュータ制御調整可能要素のうちの1つ又は複数の種類又は難易度を調整して個人の所望の成績レベルを達成するために、データのバイオフィードバック及び/又はニューロフィードバックを演算デバイスへ提供することができる。非限定的な例としては、バイオフィードバックは個人が装置とインタラクションを行う際の個人の生理学的測定に基づいて、課題、干渉、及び、例えば個人の注意、気分、又は情動状態を示す測定データに基づくコンピュータ制御調整可能要素のうちの1つ又は複数の種類又は難易度を変更できる。非限定的な例としては、ニューロフィードバックは個人が装置とインタラクションを行う際の認知監視コンポーネント及び/又は疾病監視コンポーネントを用いた個人の測定及び監視に基づいて、課題、干渉、及び、例えば個人の認知状態や疾病状態(監視システムからのデータ又は疾病状態に関連する振る舞いに基づくものを含む)を示す測定データに基づくコンピュータ制御調整可能要素のうちの1つ又は複数の種類又は難易度を変更できる。
【0124】
図2は本明細書の原理によるの別の例示的なシステムを示し、本明細書の原理による認知プラットフォームを実現するのに使用できる演算デバイス200として構成される。例示的な演算デバイス200は、通信モジュール210及び分析エンジン212を備えることができる。通信モジュール210は、干渉がない場合の課題に対する個人の1つ以上の応答、及び/又は干渉の存在下で描画される課題に対する個人の1つ以上の応答を示すデータを受信するように実装できる。一例では、通信モジュール210は、(i)課題に対する個人からの応答、(ii)干渉に対する個人の二次応答、及び(iii)1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答、のうちの2つ以上を略同時に受信するように実装できる。分析エンジン212は、本明細書で説明されるような1つ以上のセンサ部品からのデータを分析する、及び/又は、第1応答及び1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答を示すデータを分析して、1つ以上の認知能力の数量的指標を含む1つ以上の成績指標を計算するように実装できる。別の例では、分析エンジン212は応答プロファイル、決定境界指標(これに限定されないが、応答基準など)、識別器、並びに/又は、本明細書で説明される他の指標及び分析を生成するように実装できる。
図2の例に示されるように、演算デバイス200は、ユーザが分析エンジン212を起動させるために実行することができるアプリケーションプログラム(アプリ214)をプロセッサ装置が実行できるように、プロセッサ実行可能命令を含むことができる。一例では、プロセッサ実行可能命令は、ソフトウェア、ファームウェア、又は他の命令を含みうる。
【0125】
例示的な通信モジュール210は、演算デバイス200と別の演算デバイス又はコンピュータシステムの間で情報の交換を行うことができる任意の有線及び/又は無線通信インタフェースを実現するように構成できる。有線通信インタフェースの非限定的な例としては、これに限定されないが、USBポート、RS232コネクタ、RJ45コネクタ、及びイーサネットコネクタ、並びにこれらに関連する任意の適切な回路が挙げられる。無線通信インタフェースの非限定的な例としては、これに限定されないが、ブルートゥース(登録商標)技術、Wi-Fi,Wi-Max,IEEE802.11技術、無線周波数(RF)通信、赤外線通信協会(IrDA)互換プロトコル、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、及び共有ワイヤレスアクセスプロトコル(SWAP)を実装するインタフェースを挙げることができる。
【0126】
例示的な実装では、例示的な演算デバイス200は、装置から第2演算デバイスへ信号を送信するように構成される1つ以上の他の構成要素を備える。例えば、1つ以上の構成要素は、1つ以上のセンサ部品による測定を示すデータを含む信号を第2演算デバイスへ送信するように構成される送信機又は送受信機を備えることができる。
【0127】
本明細書のいずれの例においても、演算デバイス200上のアプリ214は、演算デバイスのプロセッサ装置が分析エンジンを実現して、描画される課題及び/又は干渉(一方又は両方がコンピュータ制御調整可能要素を有する)に対する個人の応答、及び1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答を示すデータを分析して認知能力の1つ以上の数量的指標を含む1つ以上の成績指標を計算するように、プロセッサ実行可能命令を含むことができる。別の例では、演算デバイス200上のアプリ214は、演算デバイスのプロセッサ装置が分析エンジンを実現して、描画される課題及び/又は干渉(一方又は両方がコンピュータ制御調整可能要素を有する)に対する個人の応答、及び1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答を示すデータを分析して、計算された成績指標の値に基づいて識別器を提供し、個人の認知、気分、認識の偏りのレベル、又は情動的偏見の尺度を示す識別器出力を生成するように、プロセッサ実行可能命令を含むことができる。一部の例では、アプリ214は、演算デバイスの処理部が分析エンジンを実現して、応答プロファイルに関する識別器、(これに限定されないが、応答基準などの)決定境界指標、識別器、並びに、本明細書で説明される他の指標及び分析を提供するように、プロセッサ実行可能命令を含むことができる。一部の例では、アプリ214は、(i)個人の認知能力を示す識別器出力、(ii)個人が医薬品、薬物、又は生物製剤の投与に対して有害事象を経験する尤度、(iii)医薬品、薬物、又は生物製剤の量、濃度、又は投与量滴定のうちの1つ又は複数の変更、及び(iv)個人の認知反応能力の変化、推奨される治療計画、又は行動療法、カウンセリング、又は体操のうちの少なくとも1つの有効性の度合いを推奨する又は判定すること、のうちの1つ又は複数を提供するために、プロセッサ実行可能命令を含むことができる。
【0128】
本明細書のいずれの例においても、アプリ214は、生理学的コンポーネントから受信した個人の生理学的測定データ、及び/若しくは、装置100のユーザインタフェースに描画される課題及び/又は干渉に対する個人の応答を示すデータ、並びに/若しくは(以下でより詳細に説明されるような)課題及び/又は干渉に対する個人の応答を示すデータ、並びに/又は、個人へ投与される、又は投与されるべき薬物、医薬品、生物製剤、又は他の医薬品の量、濃度、若しくは投与量滴定、又は他の治療計画のうちの1つ又は複数を示すデータを含む測定データを受信するように構成できる。
【0129】
演算デバイスの非限定的な例としては、スマートフォン、タブレット、スレート、電子書籍リーダー、情報端末(digital assistant)、又は、上記の携帯通信デバイスのいずれかを含む任意の他の同等のデバイスが挙げられる。一例として、演算デバイスは、描画される課題及び/又は干渉(一方又は両方がコンピュータ制御調整可能要素を有する)に対する個人の応答を示すデータを分析するための分析モジュールを含むアプリケーションを実行するように構成されるプロセッサ装置を備えることができる。
【0130】
例示的なシステム、方法、及び装置は、コンピュータ実装の適応的心理物理学的手順を使って人間の実行を評価する、又は心理療法/知覚治療を行う演算デバイスを備える製品内の構成要素として実装できる。
【0131】
応答プロファイルに基づいて計算することができる種類の決定境界指標の特性の非限定的な例は、信号検出心理物理学的評価に対する応答基準を計算するための標準的な手順を用いて計算される応答基準(時点測定)である。例えば、「Macmillan and Creelman (2004),"Signal Detection: A Users Guide" 2nd edition, Lawrence Erlbaum USA」を参照されたい。
【0132】
他の非限定的な例では、決定境界指標は単一の定量的尺度以上のものでありえて、むしろ、定量的パラメータにより規定される曲線とすることができて、これに基づいて、限定されないが、応答プロファイル曲線の一方又は他方の側への面積などの決定境界指標を計算することができる。決定プロセスの時間的に変化する特性を評価するための決定境界曲線を特徴づけるために計算することができる他の非限定的な例示的な種類の決定境界指標は、初期バイアス点(信念蓄積軌跡の開始点)と基準の間の距離、決定境界までの距離、「待機コスト」(例えば、初期決定境界及び最大決定境界からの距離、又はその点までの曲線の総面積)、又は決定境界と基準線の間の面積(「平均決定境界」又は「平均基準」の尺度を生み出す応答期限に対して正規化された面積を含む)を含む。本明細書の例は応答基準の計算結果に基づいて説明することができるが、他の種類の決定境界指標も適用できる。
【0133】
以下は、人間の意思決定の(ドリフト拡散モデルに基づく)計算モデルの非限定的な例示的な使用の説明である。ドリフト拡散モデルが例として使用されるが、ベイズモデルを含む他の種類のモデルも適用される。ドリフト拡散モデル(DDM)は、二択意思決定を用いるシステムに対して適用できる。例えば、「Ratcliff, R.(1978),"A theory of memory retrieval.",Psychological Review,85,59-108」、「Ratcliff, R. & Tuerlinckx, F. (2002),"Estimating parameters of the diffusion model: Approaches to dealing with contaminant reaction times and parameter variability",Psychonomic Bulletin & Review,9,438-481」を参照されたい。拡散モデルは、二者択一プロセスは体系立てられたランダムな影響によって進められるという仮定に基づく。
【0134】
図3Aは、刺激からの信念の蓄積の例示的なパスを示す、線形ドリフト率をもたらす刺激による拡散モデルの例示的なグラフを示す。これは、標的(信号)及び非標的(雑音)に対する試行にわたるドリフト率の分布を示す。縦線は応答基準である。各試行におけるドリフト率は、ドリフト基準とドリフト分布からのサンプルの間の距離により決定される。このプロセスは点xで始まり、「A」における下限しきい値又は「B」における上限しきい値に達するまで時間の経過とともに移動する。DDMは、個人が各時間ステップにおける代替のしきい値のうちの一方又は他方に対する証拠を蓄積し、決定しきい値に達するまで、その証拠を統合して信念を発展させると仮定している。どのしきい値に達するかに応じて、異なる応答(すなわち、応答A又は応答B)が個人によって開始される。心理学的用途において、このことは、決定プロセスが終了し、応答システムが活性化されて、個人は対応する応答を開始することを意味する。以下で非限定的な例において説明されるように、これは、個人の物理的行為がシステム又は装置の構成要素を作動させて応答(これに限定されないが、標的に対してユーザインタフェースをタップすることなど)を提供することを要求しうる。体系立った影響はドリフト率と呼ばれ、これらは所与の方向にプロセスを駆動する。ランダムな影響は、一定のパスに不規則な変動を加える。所与の一組のパラメータにより、モデルは、プロセスの2つの取り得る結果に対するプロセス持続時間(すなわち、応答時間)の分布を予測する。
【0135】
図3Aはプロセスの例示的なドリフト拡散パスも示し、これはパスが真っ直ぐではなく、むしろ、ランダムな影響のために2つの境界の間で振動することを示している。個人が刺激を分類することを要求される状況において、このプロセスは、個人に2つの取り得る刺激の解釈のそれぞれを育てさせる、時間の経過とともに収集される情報の比率を記述する。充分に明瞭な信念点に達すると、個人は応答を開始する。
図3Aの例では、上限しきい値に達するプロセスは正のドリフト率を示す。いくつかの試行において、ランダムな影響はドリフトを上回ることがあり、プロセスは下限しきい値で終了する。
【0136】
ドリフト拡散モデルの例示的なパラメータは、しきい値(「A」又は「B」)の数量詞、開始点(x)、ドリフト率、及び応答時定数(t0)を含む。DDMは、保守主義の尺度を与える、すなわち、プロセスが一方のしきい値に達するのにより時間がかかること、及び、(ドリフトとは反対の)他方のしきい値にはあまり頻繁には達しないであろうということを示すことができる。開始点(x)は、バイアスの指標を与える(代替の応答が開始される前に要求される情報量の差異を反映する)。xが「A」により近い場合、個人は、個人が応答Bを実行するのに必要となるであろう情報量が(相対的に)より大きいことと比較して、信念を発展させて応答Aを実行するのに(相対的に)より少ない情報量を必要とする。開始点(x)としきい値の間の距離が小さいほど、個人が対応する応答を実行するためのプロセス持続時間は短くなる。ドリフト率(v)の正の値は、上限しきい値(「A」)への平均接近率の尺度となる。ドリフト率は、個人が応答を開始して実行するために、刺激に関する情報を吸収して信念を発展させる単位時間当たりの相対的な情報量を示す。一例では、一個人のデータから計算されたドリフト率と他の個人からのデータとの比較は、個人の相対的な知覚感度の尺度を与えうる。別の例では、ドリフト率の比較は、課題の難しさの相対的尺度を与えうる。応答時間の計算のために、DDMはその総持続時間を見積もることを可能にし、応答時定数(t0)は特別決定プロセスの持続時間を示す。DDMは、課題に対する人間データにおける精度及び反応時間を記述するために示されている。
図3Aの非限定的な例では、総応答時間は、刺激符号化に対する時間の長さ(tS)、個人が決定に要する時間、及び応答実行に対する時間の総和として計算される。
【0137】
線形ドリフト率をもたらす刺激に基づく従来のドリフト拡散モデルと比べて、本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、非線形ドリフト率をもたらす刺激を描画するように構成されており、この刺激は時間的に変化して指定された応答期限を有する課題及び/又は干渉(一方又は両方がコンピュータ制御調整可能要素を有する)に基づく。結果として、本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、非線形ドリフト率をもたらすこれらの刺激に基づいて変更された拡散モデル(修正DDM)を適用するように構成される。
【0138】
図3Bは、ドリフト拡散の計算における非線形ドリフト率の例示的なグラフを示す。また、修正DDMの例示的なパラメータは、しきい値(「A」又は「B」)の数量詞、開始点(x)、ドリフト率、及び応答時定数(t0)を含む。本明細書の例示的なシステム、方法、及び装置とユーザのインタラクションから収集されたデータに基づいて、システム、方法、及び装置は、非線形ドリフト率を有する修正DDMを適用して本明細書の例示的なプラットフォームとユーザのインタラクションにおいて用いられる戦略の保守主義又は衝動性の尺度を提供するように構成される。例示的なシステム、方法、及び装置は、修正DDMモデルに基づいて個人によって使用される戦略の保守主義又は衝動性の尺度を計算して、所与の個人が一方のしきい値に達するのにプロセスが要する時間を、(ドリフトとは反対の)他方のしきい値に達することと比べて示すように構成される。また、
図3Bにおける開始点(x)は、バイアスの指標を与える(代替の応答が開始される前に要求される情報量の差異を反映する)。応答時間の計算のために、DDMはその総持続時間を見積もることを可能にし、応答時定数(t0)は特別決定プロセスの持続時間を示す。
【0139】
本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置では、非線形ドリフト率は刺激の時間的に変化する性質から生じ、これは(i)ユーザ応答用のユーザインタフェースに描画される課題及び/又は干渉(一方又は両方がコンピュータ制御調整可能要素を有する)の一部の時間的に変化する特徴(その結果、信念を発展させるために個人が利用できる情報量は時間的に非線形な方式で提示される)、及び(ii)応答を開始するために信念を発展させるように個人のタイミングに関する感覚に影響を及ぼすことができる課題及び/又は干渉(一方又は両方がコンピュータ制御調整可能要素を有する)の応答期限の制限時間、を含む。この例においても同様に、ドリフト率(v)の正の値は、上限しきい値(「A」)への平均接近率の尺度となる。非線形のドリフト率は、個人が応答を開始して実行するために吸収して信念を発展させる単位時間当たりの相対的な情報量を示す。一例では、一個人から収集された応答データから計算されたドリフト率と他の個人から収集された応答データ計算されたドリフト率との比較は、個人の相対的な知覚感度の尺度を与えるために使用できる。別の例では、2つ以上の異なるインタラクションセッションからの所与の個人から収集された応答データから計算されたドリフト率の比較は、課題の難しさの相対的な尺度を提供するのに使用できる。また、個人の応答の応答時間の計算のために、修正DDMは応答時間の総持続時間を見積もることを可能にし、応答時定数(t0)は特別決定プロセスの持続時間を示す。
図3Aの非限定的な例では、総応答時間は、刺激符号化に対する時間の長さ(tS)、個人が決定に要する時間、及び応答実行に対する時間の総和として計算される。
【0140】
修正DDMに対して、しきい値の間(すなわち、「A」と「B」の間)の距離は、保守主義の尺度を与える、すなわち、分離が大きいほど、個人が応答を実行するより前に収集される情報が多くなる。また、開始点(x)は相対的な保守主義の推定値を与え、プロセスが2つのしきい値の間の中点よりも上又は下から始まる場合は、両方の応答に異なる情報量が必要である、すなわち、一方の応答に対してはより保守的な決定基準が適用され、反対の応答に対してはより自由主義的な基準(すなわち、衝動的)が適用される。ドリフト率(v)は、知覚感度又は課題の難しさのいずれかを表す、時間当たりに収集される(相対的な)情報量を示す。
【0141】
図4は、(以下でより詳細に説明されるように)本明細書の原理による演算デバイスのユーザインタフェース上で描画される課題及び/又は干渉に伴う個人の応答から収集されたデータに基づく、個人又はグループの心理物理学的データの信号(右曲線402)及び雑音(左曲線404)の分布の例示的なグラフ、及び、計算された応答基準400を示す。(Z単位による)X軸上の基準線の切片は、個人が「yes」(さらに右)又は「no」(さらに左)を答える傾向を示すのに使用できる。応答基準400はゼロバイアス決定点(ρ)、及び、信号分布及び雑音分布が交差する場所の左側に位置する。
図4の非限定的な例では、ρはZ単位による決定軸上のゼロバイアス決定場所であり、ρの左にある応答基準値は衝動的戦略を示し、ρの右にある応答基準値は保守的戦略を示し、ゼロバイアス点上の切片はバランスのとれた戦略を示す。
【0142】
本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、本明細書で説明される検出課題又は分類課題に基づいて応答基準を計算するように構成できて、これらの課題は、特徴又は多数の特徴を示す応答をユーザが示す信号及び(刺激としての)非信号応答標的からなり、一連の連続的な刺激の提示又は刺激の同時提示において存在する。
【0143】
本明細書の原理による個人の分類の結果を示すデータ(識別器出力を含む)は、(適切な同意をもって)信号として医療デバイス、医療コンピュータシステム、又は他のデバイスのうちの1つ又は複数へ、及び/又は医師、医療関係者、理学療法士、行動療法士、スポーツ医学専門家、薬剤師、又は他の専門家へ送信されることで、治療コースを個人向けに作成することを可能にする、又は既存の治療コースを修正することができて、これには個人へ投与される、又は投与されるべき薬物、生物製剤又は他の医薬品の量、濃度、又は投与量滴定のうちの1つ又は複数の変更を決定すること、及び/又は個人に投与されるべき薬物、生物製剤又は他の医薬品の最適な種類又は組合せを決定することを含む。
【0144】
本明細書の例示的なシステム、方法、及び装置は、個人の注意、作業記憶、及び目標管理の評価及び/又は強化の補助として医学、行動、医療、又は他の専門家によって使用されうるコンピュータ制御の識別器、治療ツール、及び他のツールを提供する。一実施形態では、本明細書の例示的なシステム、方法、及び装置は、修正DDMを収集されたデータヘ適用して、保守主義又は衝動性の尺度を提供する。本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置を使って行われる例示的な分析は、注意欠如及び衝動性(ADHDを含む)の尺度を提供するのに使用できる。本明細書の例示的なシステム、方法、及び装置は、これに限定されないが、注意、記憶、運動、反応、実行機能、意思決定、問題解決、言語処理、及び理解などの、他の認知領域における評価及び/又は強化の補助として使用できるコンピュータ制御の識別器、治療ツール、及び他のツールを提供する。一部の例では、システム、方法、及び装置は、認知監視及び/又は疾病監視に使用する尺度を計算するのに使用できる。一部の例では、システム、方法、及び装置は、1つ又は複数の認知状態、及び/若しくは疾病、並びに/又は実行機能障害の治療中に認知監視及び/又は疾病監視に使用する尺度を計算するのに使用できる。
【0145】
本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、例示的な識別器を実行して個人の認知スキルの数量詞を生成するように構成できる。例示的な識別器は、これに限定されないが、線形/ロジスティック回帰、主成分分析、一般化線形混合モデル、ランダムフォレスト、サポートベクターマシン、及び/又は人工ニューラルネットワークなどの機械学習ツールを使って構築できる。非限定的な例では、ラベル付けされた個体集団(例えば、既知の認知障害、実行機能障害、疾病、又は他の認知状態を有する個人)の成績尺度を使って識別器を訓練するのに分類手法を使用できる。訓練された識別器を計算された成績指標の値ヘ適用して、個人の認知の尺度、気分、認識偏りのレベル、又は情動的偏見を示す識別器出力を生成することができる。訓練された識別器を、課題及び/又は干渉(一方又は両方がコンピュータ制御調整可能要素を有する)に対する個人の応答の尺度ヘ適用して、個人を個体群ラベル(例えば、認知障害、実行機能障害、疾病、又は他の認知状態)に関して分類することができる。一例では、機械学習はクラスタ分析を使って実装できる。参加している個人の認知反応能力の各測定は、個人をサブセット又はクラスタにグループ分けするパラメータとして使用できる。例えば、サブセットラベル又はクラスタラベルは、認知障害、実行機能障害、疾病、又は他の認知状態の診断とすることができる。クラスタ分析を使って、各サブセットの類似度指標及び異なるサブセットの間の分離を計算することができて、これらの類似度指標を課題及び/又は干渉(一方又は両方がコンピュータ制御調整可能要素を有する)に対する個人の応答を示すデータヘ適用して、その個人をサブセットへ分類することができる。別の例では、識別器は、人工ニューラルネットワークに基づく教師あり機械学習ツールとすることができる。そのような場合は、既知の認知能力を有する個人の成績尺度は、異なる成績尺度の間の複雑な関係をモデル化するようにニューラルネットワークアルゴリズムを訓練するのに使用できる。訓練された識別器を所与の個人の成績尺度/応答尺度ヘ適用して、個人の認知反応能力を示す識別器出力を生成することができる。識別器を生成するための他の適用可能な手法は、個人の認知成績に基づいて認知能力を射影するための回帰法又はモンテカルロ法を含む。識別器は、生理学的尺度(例えばEEG)及び人口統計学的尺度を含む、他のデータを使って構築することができる。
【0146】
非限定的な例では、分類手法は、ラベル付けされた個体集団の成績尺度を使って、各個人の生成された成績指標、及び、これに限定されないが以下のカテゴリ、すなわち、(i)各個人が特定の医薬品、薬物、又は生物製剤の投与に対して経験する有害事象、(ii)個人に対して測定可能な結果、又は特徴的な結果(ポジティブかネガティブに関わらず)をもたらした、個人へ投与された、医薬品、薬物、又は生物製剤の量、濃度、又は投与量滴定、(iii)本明細書の演算デバイスを使って描画されるシングルタスク及びマルチタスクの課題との1つ又は複数のインタラクションに基づく個人の認知能力の何らかの変化、(iv)個人に対して測定可能な結果、又は特徴的な結果(ポジティブかネガティブに関わらず)をもたらした治療計画、又は行動療法、カウンセリング、又は体操のうちの少なくとも1つの有効性の度合いを推奨する又は判定すること、(v)認知力テスト又は行動テストのうちの1つ又は複数における個人の成績スコア、及び(vi)個人の認知状態、疾病、又は実行機能障害の進行状況又は進行度合い、の結果などの個人に関する他の既知の結果データに基づいて、識別器を訓練するのに使用できる。例示的な識別器を既知の個人の成績指標の計算された値に基づいて訓練して、取り得るカテゴリのうちのいずれかにおける取り得る結果に関して他のまだ分類されていない個人を分類することができる。
【0147】
一実施形態では、プログラムされた処理部は、プロセッサ実行可能命令を実行してユーザインタフェース上で干渉を伴う課題を描画するように構成される。本明細書でより詳細に説明されるように、課題及び干渉のうちの1つ又は複数は時間的に変化して、応答期限を有することができて、その結果、ユーザインタフェースは装置又はシステムとインタラクションを行う個人からの1種類以上の応答を受信するのに限られた期間を課す。処理部は、ユーザインタフェースを制御して、課題又は干渉に対する2つ以上の異なる種類の応答を示すデータを測定するように構成される。プログラムされた処理部はさらに、プロセッサ実行可能命令を実行して、例示的なシステム又は装置に、課題に対する個人の第1応答及び干渉に対する個人の第2応答を示すデータを受信させて、データの少なくとも一部を分析させて個人の成績を表す1つ以上の応答プロファイルを計算させて、応答プロファイルから決定境界指標(これに限定されないが、応答基準など)を決定させるように構成される。決定境界指標(これに限定されないが、応答基準など)は、個人が課題又は干渉に対する2つ以上の異なる種類の応答(応答Aと応答B)のうちの1種類以上の応答を提供する傾向の定量的尺度を与えることができる。プログラムされた処理部はさらに、プロセッサ実行可能命令を実行して、決定境界指標(これに限定されないが、応答基準など)の計算された値に基づいて識別器を実行し、個人の認知反応能力を示す識別器出力を生成するように構成される。
【0148】
一例では、処理部はさらに、医薬品、薬物、生物製剤又は他の医薬品の量、濃度、又は投与量滴定のうちの1つ又は複数の変更、個人が医薬品、薬物、生物製剤又は他の医薬品の投与に対して有害事象を経験する尤度の特定、個人の認知反応能力の変化の特定、治療計画の推奨、並びに/又は、行動療法、カウンセリング、又は体操のうちの少なくとも1つの有効性の度合いの推奨及び/若しくは判定、のうちの1つ又は複数のためにこの識別器出力を使用する。
【0149】
本明細書のいずれの例においても、例示的な識別器は、個人の認知能力の定量化可能な評価に対して知的なプロキシとして使用できる。すなわち、識別器が訓練されたら、識別器出力を使って他の認知テスト又は行動評価テストを使用せずに多数の個人の認知反応能力の指示を提供することができる。
【0150】
認知障害を監視することで、個人、及び/又は、医学、医療、行動、若しくは他の専門家が(同意の下で)認知状態、疾病、又は実行機能障害の状況又は進行を監視することが可能になる。例えば、アルツハイマー病を患っている個人は、最初は軽度の症状を示すことがあるが、他の個人は衰弱性の高い症状を有することがある。認知症状の状況又は進行が規則正しく、又は周期的に定量化できる場合、これは、ある形態の医薬品又は他の薬物がいつ投与されうるかの指示を提供することができる、又は、いつ生活の質が低下するおそれ(介護の必要性など)があるかを示すことができる。また、認知障害を監視することで、個人、及び/又は、医学、医療、行動、若しくは他の専門家が(同意の下で)、特に治療介入が特定の個人に対して選択的に有効であることが知られている場合に、治療又は治療介入に対する個人の応答を監視することが可能になる。一例では、本明細書の識別器に基づく認知評価ツールは、注意欠陥多動性障害(ADHD)を患っている個別の患者とすることができる。別の例では、本明細書の識別器及び他のツールは、これに限定されないが化学療法などの、又は特徴的ではないか、若しくは特徴付けが低い薬力学を伴う、既知の認知影響を有する療法からの認知副作用の有無及び/又は重症度の監視装置として使用できる。本明細書のいずれの例においても、認知能力測定及び/又はデータの識別器による分析は、30分毎、数時間毎、毎日、週2回以上、毎週、隔週、毎月、又は年に1回、行うことができる。
【0151】
一例では、識別器は、個人の成績の定量化可能な尺度に対して知的なプロキシとして使用できる。
【0152】
非限定的な一例では、課題及び干渉は、個人が第1応答及び第2応答を限られた時間内に提供することを要求されるように、ユーザインタフェース上で描画することができる。一例では、個人は、第1応答及び第2応答を略同時に提供することを要求される。
【0153】
一例では、処理部は、課題及び/又は干渉を変更するのに1つ以上の適応的手順を適用することを含む、さらなる命令を実行し、その結果、第1応答及び/又は第2応答を示すデータの分析が第1応答プロファイルの修正を示す。
【0154】
一例では、処理部はユーザインタフェースを制御して、応答期限手順に関連する応答ウインドウの時間的長さを変更する。
【0155】
一例では、処理部はユーザインタフェースを制御して、ユーザインタフェースに描画される課題又は干渉の一態様の時間的に変化する特性を変更する。
【0156】
図3A及び3Bに関連して説明されているように、課題及び/又は干渉の時間的に変化する特性が、標的についての情報の利用可能性に時間的な変化をもたらすことで、線形ドリフト率は信念の発展を時間の経過とともに捕捉するのにもはや充分ではない(むしろ、非線形ドリフト率を必要とする)。時間的に変化する特性は、これに限定されないが、標的と非標的を識別するために個人が必要とする色、形状、生き物の種類、顔の表情、又は他の特徴などの特徴でありえて、その結果、利用可能性の時間的特性が異なる。また、応答ウインドウの長さの試行毎の調整は、課題及び/又は干渉にうまく応答するために決定基準がどこにあるべきかについての個人の知覚を変える、時間的に変化する特性でありうる。変更することが可能な、別の時間的に変化する特性は、干渉が信念蓄積、並びに/又は応答の選択及び実行に割り込みを取り入れることができる並列課題を妨げる度合いである。
【0157】
一例では、課題又は干渉の一態様の時間的に変化する特性を変更することは、2つ以上のセッションの個人のインタラクションの間でユーザインタフェース上に課題又は干渉を描画する時間的長さを調整することを含む。
【0158】
一例では、時間的に変化する特性は、オブジェクトの速度、顔の表情の変化率、オブジェクトの軌跡の方向、オブジェクトの配向の変化、オブジェクトの1つ以上の色、オブジェクトの種類、又はオブジェクトの大きさのうちの1つ又は複数でありうる。
【0159】
一例では、時間的に変化する特性は、コンピュータ制御調整可能要素に含まれる特徴の数の増加もしくは減少の変化率、コンピュータ制御調整可能要素に含まれる特徴の種類の変化率、及び/又はコンピュータ制御調整可能要素に含まれる特徴の移動の速度又は軌跡の変化率のうちの1つ又は複数を含む、コンピュータ制御調整可能要素の内容及び/又は外観の変化率又は調節率でありうる。
【0160】
一例では、オブジェクトの種類の変化は、第1種類のオブジェクトから第2種類のオブジェクトへのモーフィングを使って、又は第1種類のオブジェクトと第2種類のオブジェクトの比例組合せとしてブレンドシェイプを描画することでもたらされる。
【0161】
非限定的な例では、処理部は、ユーザインタフェースを描画する、又は課題及び/若しくは干渉、又は、システム又は装置の別の特徴若しくは他の要素とインタラクションを行うことにおける成功の度合いに対する個人への報酬を示すための1つ以上の要素の実行を別の構成要素に行わせるように構成できる。報酬コンピュータ要素は、例示的なシステム、方法、又は装置へのユーザ満足を促進するためにユーザへ配送される、コンピュータ生成される特徴とすることができて、結果的に正のユーザのインタラクション、それゆえ個人の体験の享受を向上させる。
【0162】
一例では、処理部はさらに、第1応答及び第2応答を示すデータから導き出されたバイアス感度、並列課題への非決定時間の感度、並列課題の要求への信念蓄積の感度、報酬率感度、又は応答ウインドウ推定効率性のうちの1つ又は複数を示すパラメータを、識別器出力として算出する。バイアス感度は、個人が特定の課題に対してそのバイアスに基づいてどれだけ敏感であるかの尺度(一種類の応答に対して別の種類の応答(例えば、応答Aと応答B)の傾向)とすることができる。並列課題への非決定時間の感度は、干渉が一次課題の個人の成績をどれだけ妨げるかの尺度とすることができる。並列課題の要求への信念蓄積の感度は、個人が一次課題を実行する間に干渉へ応答するために個人が信念を発展させる/蓄積する速度の尺度とすることができる。報酬率感度は、応答期限ウインドウの時間的長さに基づいて個人の応答がどのように変化するかを測定するのに使用できる。応答期限ウインドウの終わり近くになったときに(例えば、干渉が視野から外れようとしているのを個人が見た際に)、個人は、自分が決定を下す時間がなくなりつつあることを認識する。こうして、個人の応答がそれに応じてどのように変化するかを測定する。応答ウインドウ推定効率性は、以下のように説明される。個人が行為を行う/応答する、又は行為を行わない/応答しない、と決定を下す際は、決定は、応答する時間がなくなりつつあると個人がいつ考えるかに基づく必要がある。変化するウインドウに対して、個人は、そのウインドウを完全に測定することができなくなるが、充分な試行/セッションを行えば、応答データに基づいて、個人が課題又は干渉におけるオブジェクトの時間的に変化する態様(例えば軌跡)に基づいて、その推定をどれだけ上手に行えるかを推論することが可能でありうる。
【0163】
本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、注目する認知能力の尺度に関してすでに分類されている個人に対する人間意思決定の計算モデルの出力からのフィードバックデータに基づいて、個人の認知能力の尺度の予測モデルを訓練するように構成できる。本明細書で使用される場合、「予測モデル」という用語は、連続的な出力値を提供するモデル、及び/又は個別のラベルに基づくモデルに基づいて訓練され、開発されたモデルを包含する。本明細書のいずれの例においても、予測モデルは、識別器モデルを包含する。例えば、識別器は、複数の訓練データセットを使って訓練することができて、各訓練データセットは個人のグループからすでに分類されている個人に関連付けられている。訓練データセットのそれぞれは、分類された個人の、本明細書で説明される例示的な装置、システム、又は演算デバイスとのインタラクションに基づいて、課題に対する分類された個人の第1応答を示すデータと、干渉に対する分類された個人の第2応答を示すデータとを含む。また、例示的な識別器は、入力として、認知力テスト、及び/又は行動テストでの分類された個人の成績を示すデータ、及び/又は、分類された個人の認知状態、疾病、又は疾患(実行機能障害を含む)の状況又は進行の診断を示すデータを受け取ることができる。
【0164】
本明細書のいずれの例においても、1つ以上の処理部は、装置(認知プラットフォームを含む)の作動部品にコンピュータ制御の聴覚要素、触覚要素、又は振動要素を生じさせて刺激又は個人との他のインタラクションを生じさせるようにプログラムすることができる。非限定的な例では、1つ以上の処理部は、入力デバイスを使って提供される応答を含む、課題及び/又は干渉とユーザのインタラクションに基づいて個人からの1つ以上の応答を示すデータを認知プラットフォームの構成要素に受信させるようにプログラムすることができる。一例では、1つ以上のグラフィカルユーザインタフェースが描画されて、個人へコンピュータ制御の刺激を提示し、1つ以上の処理部はグラフィカルユーザインタフェースに個人からの1つ以上の応答を示すデータを受信させるようにプログラムすることができる。
【0165】
本明細書のいずれの例においても、課題及び/又は干渉に対する個人の応答を示すデータは、本明細書の例示的なシステム又は装置内に収容され、及び/又は結合される1つ以上のセンサデバイス、例えばこれに限定されないが、ジャイロスコープ、加速度計、モーションセンサ、位置センサ、圧力センサ、光センサ、聴覚センサ、振動センサ、ビデオカメラ、感圧式表面、タッチ感知表面、又は他の種類のセンサを使って測定することができる。他の例では、課題及び/又は干渉に対する個人の応答を示すデータは、ビデオカメラ、マイク、ジョイスティック、キーボード、マウス、トレッドミル、エリプティカル、自転車、ステッパ、又はゲーム機(Wii(登録商標)、Playstation(登録商標)、若しくはXbox(登録商標)、又は他のゲーム機を含む)を含む、他の種類のセンサデバイスを使って測定することができる。データは、個人が課題及び/又は干渉とともに提示される刺激に対する応答を実行した際に、1つ以上のセンサデバイスを使って検出される、及び/又は測定される個人の物理的行為に基づいて生成することができる。
【0166】
ユーザは、演算デバイスとインタラクションを行うことにより、課題に応答することができる。一例では、ユーザは、とりわけ、英数字又は方向入力のためのキーボード、実行/中止のクリック、画面上の位置の入力、及び移動の入力のためのマウス、移動の入力、画面上の位置の入力、及びクリック入力のためのジョイスティック、オーディオ入力のためのマイク、静止又は動きの光学的入力のためのカメラ、デバイスの動作の入力のための加速度計及びジャイロスコープなどのセンサを使って、応答を実行することができる。ゲームシステムのための非限定的な例示的な入力は、これに限定されないが、ナビゲーション及びクリック入力のためのゲームコントローラ、加速度計及びジャイロスコープ入力を有するゲームコントローラ、及び動きの光学的入力のためのカメラを含む。モバイルデバイス又はタブレットのための例示的な入力は、とりわけ、画面上の位置情報の入力、仮想キーボード英数字入力、実行/中止のタップ入力、及びタッチパネル動作の入力のためのタッチパネル、加速度計及びジャイロスコープの移動入力、オーディオ入力のためのマイク、及び静止又は動きの光学的入力のためのカメラを含む。他の例では、個人の応答を示すデータは、ユーザの物理的状態からの入力を組み込むために、これに限定されないが、脳波図(EEG)、脳磁図(MEG)、心拍数、心拍変動性、血圧、体重、眼球の動き、瞳孔散大、電気皮膚反応などの皮膚電気反応、血糖値、呼吸数、及び血液酸素化などの、生理学的センサ/尺度を含むことができる。
【0167】
本明細書のいずれの例においても、個人は、ボタンをクリックする、及び/又はカーソルを画面上の正しい場所へと動かす物理的行為、頭部の動き、指又は手の動き、口頭での応答、眼球の動き、又は個人の他の行為を介して応答を提供するように指示されうる。
【0168】
非限定的な例として、ユーザに進路又は環境を進むこと、又は他の視覚的運動活動を実行することを要求するユーザインタフェース上に描画される課題又は干渉に対する個人の応答は、1種類以上のセンサデバイスを使って検出される、及び/又は測定される動作(これに限定されないが、操縦など)を個人が実行することを要求することがある。検出又は測定からのデータは、応答を示すデータに対する応答を与える。
【0169】
非限定的な例として、ユーザに標的と非標的を識別することを要求するユーザインタフェース上に描画される課題又は干渉に対する個人の応答は、1種類以上のセンサデバイスを使って検出される、及び/又は測定される動作(これに限定されないが、タップすること、又は、他の空間的又は時間的に識別する指示など)を個人が実行することを要求することがある。個人の動作の検出又は他の測定に基づいてシステム又は装置の構成要素によって収集されるデータ(これに限定されないが、本明細書で説明される1つ以上のセンサ又は他のデバイス若しくは構成要素など)は、個人の応答を示すデータを与える。
【0170】
例示的なシステム、方法、及び装置は、これに限定されないが、線形/ロジスティック回帰、主成分分析、一般化線形混合モデル、ランダムフォレスト、サポートベクターマシン、又は人工ニューラルネットワークなどの、計算手法及び機械学習ツールを使って、課題及び/又は干渉に対する個人の応答を示すデータ、並びに/又は1つ又は複数の生理学的尺度からのデータへ予測モデルを適用して、個人の認知反応能力を示す識別器出力を生成するために各測定単独と比べて感度が高い複合変数又はプロファイルを作成するように構成できる。一例では、識別器出力は、これに限定されないが、疾病、疾患、又は認知状態の兆候を検出すること、又は認知健全性を評価することなどの、他の指示に対して構成できる。
【0171】
本明細書の例示的な識別器を、認知プラットフォームとの個人のインタラクションセッションから収集されたデータヘ適用して出力を提供するように訓練することができる。非限定的な例では、予測モデルを使って標準テーブルを生成することができて、この標準テーブルを課題及び/又は干渉に対する個人の応答から収集されたデータヘ適用して、個人の認知反応能力を分類することができる。
【0172】
認知能力の評価の非限定的な例としては、ミニメンタルステート検査、CANTAB認知バッテリー、注意の変数のテスト(TOVA)、神経心理学的状況の評価のための反復可能なバッテリー、特定の状態に関連する臨床全般印象尺度、臨床医の問診に基づく変化の所見、重篤障害バッテリー、アルツハイマー病評価尺度、陽性及び陰性症候群尺度、統合失調症認知評価尺度、コナーズ成人期ADHD評価尺度、ハミルトン鬱病評価尺度、ハミルトン不安尺度、モンゴメリー・アスバーグ鬱病評価尺度、ヤング躁病評価尺度、小児鬱病評価尺度、ペンシルバニア州心配の自己評定式質問紙、病院不安及び鬱病尺度、異常行動チェックリスト、日常生活動作尺度、ADHD自己報告尺度、陽性及び陰性影響スケジュール、うつ不安ストレス尺度、簡易鬱症状尺度、及びPTSDチェックリストなどの評価尺度又は調査を含む。
【0173】
他の例では、評価では、知覚能力、反応及び他の運動機能、視力、長期記憶、作業記憶、短期記憶、論理、並びに意思決定のためのテスト、並びに、これに限定されないが、TOVA、MOT(移動オブジェクト追跡)、SART、CDT(変化検出課題)、UFOV(有効視野)、フィルタ課題、WAIS符号、トループ、サイモン課題、注意の瞬き、Nバック課題、PRP課題、課題切り替えテスト、及びフランカー課題を含む、他の特定の例示的な測定を含む、認知又は行動研究における認知領域の特定の機能をテストすることができる。
【0174】
非限定的な例では、本明細書で説明される原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、これに限定されないが、認知症、パーキンソン病、脳アミロイド血管症、家族性アミロイドニューロパチチー、ハンチントン病、若しくは他の神経変性状態、自閉症スペクトラム障害(ASD)、16p11.2重複の存在、及び/又は、これに限定されないが、注意欠陥多動性障害(ADHD)、感覚処理障害(SPD)、軽度認知障害(MCI)、統合失調症、大鬱病性障害(MDD)、若しくは不安(社会不安を含む)、双極性障害、心的外傷後ストレス障害、統合失調症、認知症、アルツハイマー病、及び/又は多発性硬化症などの実行機能障害などの、多くの異なる種類の神経心理学的状態ヘ適用することができる。
【0175】
本開示の実施形態は、1つ又は複数の課題におけるユーザの成績を示すデータを測定してユーザ成績指標を提供するためのソフトウェア及び/又は他のプロセッサ実行可能命令を実現するように構成される認知プラットフォームとして形成されるコンピュータ実装のデバイスを対象としている。例示的な成績指標は、ユーザの認知能力の評価を導き出すため、及び/若しくは認知治療に対するユーザの応答を測定するため、並びに/又はユーザの状態(生理学的状態及び/又は認知状態を含む)のデータ又は他の定量的な指示を提供するのに使用できる。本明細書の原理による非限定的な例示的認知プラットフォームは、認知プラットフォームとの個人のインタラクションから収集されたデータ及び/又はそのデータの分析(及び関連する計算)に基づき計算される指標に基づいて、個人が薬物、生物製剤、又は他の医薬品を投与されている(又は投与されようとしている)ときの、神経心理学的状態、自閉症スペクトラム障害(ASD)、16p11.2重複の存在、及び/若しくは実行機能障害、並びに/又は認知プラットフォームの使用の潜在的有効性に関して個人を分類するように構成できる。本明細書の原理によるさらに他の非限定的な例示的な認知プラットフォームは、認知プラットフォームとの個人のインタラクションから収集されたデータ及び/又はそのデータの分析(及び関連する計算)に基づき計算される指標に基づいて、神経変性状態を含む、神経心理学的状態の発症及び/又は進行度の尤度に関して個人を分類するように構成できる。神経変性状態は、これに限定されないが、アルツハイマー病、認知症、パーキンソン病、脳アミロイド血管症、家族性アミロイドニューロパチチー、及び/又はハンチントン病でありうる。
【0176】
本明細書の原理による神経変性状態の発症及び/又は進行度の尤度に関する個人の任意の分類は、信号として医療デバイス、医療コンピュータシステム、又は他のデバイスへ、並びに/又は医師、医療関係者、理学療法士、行動療法士、スポーツ医学専門家、薬剤師、又は他の専門家へ送信されることで、治療コースを個人向けに作成することを可能にする、又は既存の治療コースを変更することができて、これには個人に対する薬物、生物製剤又は他の医薬品の投与量の変更を決定すること、又は個人に対する薬物、生物製剤又は他の医薬品の最適な種類又は組合せを決定することを含む。
【0177】
本明細書のいずれの例においても、認知プラットフォームは、医療デバイスプラットフォーム、監視デバイスプラットフォーム、スクリーニングデバイスプラットフォーム、又は他のデバイスプラットフォームの任意の組合せとして構成できる。
【0178】
本開示は、1つ又は複数の生理学的コンポーネント若しくは監視コンポーネント及び/又は認知力テストコンポーネントと結合するように構成される認知プラットフォームを含む例示的なシステムも対象としている。一部の例では、システムは、1つ又は複数の他の生理学的コンポーネント若しくは監視コンポーネント及び/又は認知力テストコンポーネントと一体化されている認知プラットフォームを含む。他の例では、システムは、1つ又は複数の生理学的コンポーネント若しくは監視コンポーネント及び/又は認知力テストコンポーネントとは別々に収納されて、それらと通信するように構成される認知プラットフォームを含み、そのような1つ又は複数の構成要素を使って行われた測定結果を示すデータを受信する。
【0179】
一実施形態では、処理部はユーザインタフェースを制御して、応答期限手順に関連する応答ウインドウの時間的長さを変更するようにプログラムすることができる。
【0180】
一実施形態では、処理部はユーザインタフェースを制御して、ユーザインタフェースに描画される課題又は干渉の一態様の時間的に変化する特性を変更するように構成できる。例えば、課題又は干渉の一態様の時間的に変化する特性を変更することは、2つ以上のセッションの個人のインタラクションの間でユーザインタフェース上に課題又は干渉を描画する時間的長さを調整することを含みうる。別の例としては、時間的に変化する特性は、オブジェクトの速度、顔の表情の変化率、オブジェクトの軌跡の方向、オブジェクトの配向の変化、オブジェクトの1つ以上の色、オブジェクトの種類、又はオブジェクトの大きさのうちの1つ又は複数である。本明細書のいずれの例においても、前述の時間的に変化する特性をコンピュータ制御調整可能要素を含むオブジェクトヘ適用して、装置(例えば、演算デバイス又は認知プラットフォーム)との個人のインタラクションの認知的負荷又は情動的負荷を変更できる。
【0181】
例示的なシステム、方法、及び装置では、オブジェクトの種類の変化は、第1種類のオブジェクトから第2種類のオブジェクトへのモーフィングを使って、又は第1種類のオブジェクトと第2種類のオブジェクトの比例組合せとしてブレンドシェイプを描画することでもたらされる。
【0182】
例示的なシステム、方法、及び装置では、処理部はさらに、第1応答及び第2応答を示すデータから導き出されたバイアス感度、並列課題への非決定時間の感度、並列課題の要求への信念蓄積の感度、報酬率感度、又は応答ウインドウ推定効率性のうちの1つ又は複数を示すパラメータを、識別器出力として算出するようにプログラムすることができる。
【0183】
例示的なシステム、方法、及び装置では、処理部はさらに、ユーザインタフェースを制御して、課題を連続的な視覚運動追跡課題として描画するようにプログラムすることができる。
【0184】
例示的なシステム、方法、及び装置では、処理部はユーザインタフェースを制御して、標的識別課題として干渉を描画する。
【0185】
本明細書で使用される場合、標的識別課題は知覚反応課題と呼ぶこともできて、この課題では、個人は指定された形態の応答を通じて標的刺激及び非標的刺激を含む2特徴反応課題を実行するように指示される。非限定的な例として、その指定された種類の応答は、個人が標的刺激に対して指定された物理的行為を行い(例えば、デバイスを動かす若しくは方向を変える、画面などのセンサ結合表面をタップする、光センサに対して移動する、又は音を立てる、若しくはセンサデバイスを始動させる他の物理的行為を実行する)、非標的刺激に対してそのような指定された物理的行為を行うのを控えるとすることもできる。
【0186】
非限定的な例では、個人は、干渉(二次課題)としての標的識別課題とともに(一次課題としての)視覚的運動課題(一方又は両方がコンピュータ制御調整可能要素を含む)を実行することを要求される。視覚的運動課題を生じさせるために、プログラムされた処理部が、刺激に対する個人の反応として細かい運動動作を要求する視覚刺激を描画する。一部の例では、視覚的運動課題は、連続的視覚的運動課題である。処理部は視覚的刺激を変えて、時間の経過とともに(例えば、毎秒1回、5回、10回、又は30回を含む一定の間隔で)個人の運動動作を示すデータを記録するようにプログラムされる。細かい運動動作を要求する視覚的運動課題に対してプログラムされた処理部を使って描画される例示的な刺激は、アバターがその中に留まることを要求される経路の視覚的提示とすることができる。プログラムされた処理部は、個人が回避するか、又はそれに向かって進むかのいずれかを要求される特定の種類の障害を有する経路を描画することができる。一例では、これに限定されないが、デバイスを傾けたり回転させたりすることなどの、個人による微細な運動動作効果は、加速度計及び/又はジャイロスコープを使って、(例えば、指定されたように障害を回避、又は交差しながら経路上でアバターを操縦する、又はそうでなければ案内するために)測定される。標的識別課題(干渉として機能する)は、形状及び/又は色が異なる標的及び非標的に基づくことができる。
【0187】
いずれの例においても、装置は、コンピュータ制御調整可能要素に対する応答を1つ又は複数のセンサによって読み取られる行為(ジャイロスコープ若しくは加速度計又はモーションセンサ若しくは位置センサを使って検出される動作、又はタッチ感知センサ、圧力感知センサ、もしくは静電容量感知センサを使って検出される接触など)として提供するよう個人に指示するように構成できる。
【0188】
一部の例では、課題及び/又は干渉は、視覚的運動課題、標的識別課題、及び/又は記憶課題とすることができる。
【0189】
コンピュータ実装の適応的応答期限手順の文脈内で、応答期限を試行又は試行のブロックの間で調整して、特定の目標に向けて個人の成績の特性を操作することができる。共通の目標は、応答期限を制御することによって個人の平均応答精度を特定の値へ向かわせる。
【0190】
非限定的な例では、的中率は、標的刺激に対する正しい応答(正応答)の数を提示された標的刺激の総数で割ったもの、又は誤警報率(例えば、妨害刺激に対する応答の数を提示された妨害刺激の数で割ったもの)、誤応答率(例えば、標的刺激に対する無応答の数を標的刺激に対する無応答を含む誤った応答の数で割ったものに妨害刺激に対する応答の数を加えたもの)、正応答率(信号を含まない正応答の割合)として定義することができる。一例では、正応答率は、妨害刺激に対する無応答の数を、妨害刺激に対する無応答の数に標的刺激に対する応答の数を加算したもので割ったものとして計算することができる。
【0191】
本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、適応的実行手順を適用して特定の刺激強度に対して成績尺度を変更するように構成できる。この手順は、標的の感度の正答百分率(PC)信号検出指標に基づいて適合させることができる。例示的なシステムでは、正答百分率(すなわち、課題又はコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の正しい応答の百分率)は、適応的アルゴリズムにおいて、一方の試行から別の試行へのユーザのインタラクションのためにユーザインタフェース上に描画される課題及び/又は干渉の刺激レベルを適合させる根拠として使用できる。人間意思決定の計算モデル(これに限定されないが、修正DDMなど)、そのようなモデルの出力から構築された識別器、及び計算モデルの出力に基づく本明細書で説明される分析とに基づいた適応的手順は、特定の刺激レベルへの感度の個別の差異又は変化に関してより定量的に情報を与えうる。成績指標は、個人の成績を判定するための柔軟性の高いツールを与える。したがって、個人又はグループレベルの成績指標の測定に基づく適応的手順は、本明細書で説明される課題及びコンピュータ制御調整可能要素との繰り返されるインタラクションにより時間の経過とともに生じる個人又はグループレベルの成績の変化、並びにインタラクションに対する個人の応答の測定に関する、望ましい情報源となる。
【0192】
本明細書で説明される例示的なシステム、方法、及び装置によって実施されるような実行機能訓練は、適応的アルゴリズムを適用して、個人のニーズ又は好みに応じて、又は治療を受ける臨床的個体群に基づいて、ユーザの成績指標を所望のレベル(値)へ移行させるために、試行間の刺激レベル(実装されたコンピュータ制御調整可能要素に基づく認知的負荷もしくは情動的負荷を含む)を変更するように構成できる。
【0193】
本明細書で説明される例示的なシステム、方法、及び装置は、本明細書で説明されるような生成された成績指標に基づいて適合される適応的アルゴリズムを適用して、一方の試行から別の試行へのユーザのインタラクションのためにユーザインタフェース上に描画される課題及び/又は干渉(一方又は両方がコンピュータ制御調整可能要素を含む)の難易度を変更するように構成できる。
【0194】
一例では、課題及び/又は干渉(一方又は両方がコンピュータ制御調整可能要素を含む)は、指標の反復推定に基づき、試行が提供できる情報を最大化するために現在の推定を追跡して、標的設定課題の特徴、軌跡、及び応答ウインドウ、並びに次の試行に対する並列課題干渉のレベル/種類を選択することによって、変更/調整/適合させることができる。
【0195】
一部の例では、課題及び/又は干渉(一方又は両方がコンピュータ制御調整可能要素を含む)は、適応的課題である。課題及び/又は干渉は、上述のように、成績指標に基づき難易度に関して適合又は変更することができる。そのような難易度適合は、参加者の能力を判定するのに使用できる。
【0196】
一例では、課題(コンピュータ制御調整可能要素を潜在的に含む)の難しさは、提示されるあらゆる刺激に適合され、これは一定の間隔(例えば、5秒毎、10秒毎、20秒毎、又は他の一定のスケジュール)で複数回、起こりうる。
【0197】
別の例では、連続的課題(潜在的にコンピュータ制御調整可能要素を含む)の難しさは、これに限定されないが、30秒毎、10秒毎、1秒毎、1秒に2回、又は1秒に30回などの設定されたスケジュールで適合させることができる。
【0198】
一例では、試行の時間の長さは、(課題/干渉の)描画及び(個人の応答の)受信の反復回数に依存し、時間の点で変化しうる。一例では、試行は、約500ミリ秒、約1秒、約10秒、約20秒、約25秒、約30秒、約45秒、約60秒、約2分、約3分、約4分、約5分、又はそれより長くすることができる。各試行は、あらかじめ設定された長さを持つことがあり、又は処理部により動的に設定されることがある(例えば、個人の成績レベル、又は一つのレベルから別のレベルへの適合の必要条件に依存する)。
【0199】
一例では、課題及び/又は干渉(一方又は両方がコンピュータ制御調整可能要素を含む)は、1つ又は複数の特定の指標の標的設定の変化に基づき、装置が課題をうまく実行したことを個人へ示すために標的設定課題の特徴、軌跡、及び応答ウインドウ、並びに並列課題干渉のレベル/種類を選択してそれらの指標において徐々に改善することを要求することによって、変更することができる。これには、所望の目標に応じて実行を変更するように個人を案内する、明示的メッセージングを含む、特定の強化を含むこともできる。
【0200】
一例では、課題及び/又は干渉(一方又は両方がコンピュータ制御調整可能要素を含む)は、個人の成績を規範的データ又はコンピュータモデルと比較に基づいて、又はユーザ入力(課題/干渉を実行する個人又は臨床医などの別の個人)を受け取り、標的に対して特定の順番に変更する一組の指標を選択して、治療に対する被験者の応答に基いてこの手順を反復的に変更することで、変更することができる。これには、課題/干渉を実行する個人又は別の個人へのフィードバックも含むことができて、これは手順に対する変更の通知として機能し、潜在的にこれらの個人がこれらの変更が有効になる前に承認又は変更することを可能とする。
【0201】
様々な例では、難易度は、一定に保たれることがある、又は適応的な実装におけるセッションの少なくとも一部にわたって変化することがあり、適応的課題(一次課題又は二次課題)の難しさは、成績指標に基づいて増加又は減少する。
【0202】
本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、個人の認知スキルを高めるように構成できる。一実施形態では、プログラムされた処理部は、プロセッサ実行可能命令を実行してユーザインタフェース上で干渉を伴う課題を描画するように構成される。本明細書でより詳細に説明されるように、課題及び干渉(一方又は両方がコンピュータ制御調整可能要素を含む)のうちの1つ又は複数は時間的に変化して、応答期限を有することができて、その結果、ユーザインタフェースは装置又はシステムとインタラクションを行う個人からの1種類以上の応答を受信するのに限られた期間を課す。
【0203】
1つ又は複数のプロセッサは、ユーザインタフェースを介して干渉を伴う課題の第1インスタンスをユーザインタフェース上に提示して、干渉の存在下で課題の第1インスタンスに対する個人からの第1応答及び1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人からの応答を要求する。課題の第1インスタンス及び干渉の一方又は両方は、1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素を含む。ユーザインタフェースは、1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答を示すデータを測定するように構成することができて、このデータは個人の認知能力の1つ以上の尺度を含む。1つ又は複数のプロセッサは、課題の第1インスタンスに対する個人からの第1応答及び1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人からの応答を略同時に測定し、第1応答及び1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答を示すデータを受信するように構成できる。また、1つ又は複数のプロセッサは、第1応答及び1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答を示すデータを分析して、個人の認知能力の1つ以上の数量的指標を含む1つ以上の成績指標を生成するように構成できる。
【0204】
一例では、認知反応能力の変更の指示は、個人の認知反応能力の衝動性又は保守性の度合いの尺度の変化の観察結果に基づくことができる。
【0205】
一例では、認知能力の変更の指示は、情動的偏見、気分、認識の偏りのレベル、持続的注意、選択的注意、注意欠陥、衝動性、抑制、知覚能力、反応及び他の運動機能、視力、長期記憶、作業記憶、短期記憶、論理、並びに意志決定のうちの1つ又は複数の尺度の変化を含みうる。
【0206】
一例では、第1の成績指標に基づいて課題及び/又は干渉を適合させることは、応答ウインドウの時間的長さを変更すること、個人への報酬の種類又は報酬の提示の速度を変更すること、及び、課題及び/又は干渉(コンピュータ制御調整可能要素を含む)の時間的に変化する特性を変更すること、のうちの1つ又は複数を含む。
【0207】
一例では、課題又は干渉(コンピュータ制御調整可能要素を含む)の一態様の時間的に変化する特性を変更することは、2つ以上のセッションの個人のインタラクションの間でユーザインタフェース上に課題又は干渉を描画する時間的長さを調整することを含みうる。
【0208】
一例では、時間的に変化する特性は、オブジェクトの速度、顔の表情の変化率、オブジェクトの軌跡の方向、オブジェクトの配向の変化、オブジェクトの1つ以上の色、オブジェクトの種類、若しくはオブジェクトの大きさ、又はユーザインタフェース上で標的と非標的を描画する順序又はバランスを変更することのうちの1つ又は複数を含みうる。
【0209】
一例では、オブジェクトの種類の変化は、第1種類のオブジェクトから第2種類のオブジェクトへのモーフィングを使って、又は第1種類のオブジェクトと第2種類のオブジェクトの比例組合せとしてブレンドシェイプを描画することでもたらされる。
【0210】
決定境界の形状及び/又は面積を明示的に測定するという目標を使ってコンピュータ実装の適応的手順を設計することで、応答期限は、測定がこの境界を定義するのに有用な最大限の情報を生み出す点に合わせて調整することができる。これらの最適な期限は、情報理論の手法を使用して予想される情報エントロピーを最小化することで決定することができる。
【0211】
本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、1つ以上の処理部を備えるプログラムされた演算デバイスを用いて実装して、臨床的個体群に対する潜在的バイオマーカーを決定することができる。
【0212】
本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、1つ以上の処理部を備えるプログラムされた演算デバイスを用いて実装して、治療介入の使用後に個人又はグループの応答プロファイルの変化を測定することができる。
【0213】
本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、1つ以上の処理部を備えるプログラムされた演算デバイスを用いて実装して、本明細書の例示的な指標を適用することで、コンピュータ実装の適応的な心理物理学的手順に対する応答プロファイルの心理物理学的しきい値精度及び評価のより大規模な測定に対して実装することができる個人又はグループのデータの別の測定可能な特性を追加することができる。
【0214】
本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、1つ以上の処理部を備えるプログラムされた演算デバイスを用いて実装して、本明細書の例示的な指標を適用することで、心理物理学的テストから得た情報の量を増加させるのに使用できる利用可能なデータに新たな様相を加えることができる。
【0215】
本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、個人の認知スキルを高めるように構成できる。一実施形態では、プログラムされた処理部は、プロセッサ実行可能命令を実行してユーザインタフェース上で干渉を伴う課題を描画するように構成される。本明細書でより詳細に説明されるように、課題及び干渉のうちの1つ又は複数は、時間的に変化して、応答期限を有することができて、その結果、ユーザインタフェースは装置又はシステムとインタラクションを行う個人からの1種類以上の応答を受信するのに限られた期間を課す。例示的な処理部は、ユーザインタフェースを制御して干渉を伴う課題の第1インスタンスをユーザインタフェース上に描画するように構成され、干渉の存在下で課題の第1インスタンスに対する個人からの第1応答及び1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人からの応答を要求する。課題の第1インスタンス及び干渉の一方又は両方は、1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素を含む。ユーザインタフェースは、1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答を示すデータを測定するように構成することができて、このデータは個人の認知能力の1つ以上の尺度を含む。例示的な処理部は、課題の第1インスタンスに対する個人からの第1応答及び1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人からの応答を略同時に測定し、第1応答及び1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答を示すデータを受信するように構成される。また、例示的な処理部は、第1応答及び1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答を示すデータを分析して、個人の認知能力の1つ以上の数量的指標を含む第1成績指標を計算するように構成される。プログラムされた処理部はさらに、装置が第2の難易度で干渉を伴う課題を描画するように計算された1つ以上の第1成績指標に基づいて課題及び干渉のうちの1つ又は複数の難しさを調整し、第1応答及び1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答を示すデータに少なくとも部分的に基づいて、個人の認知能力を表す第2成績指標を計算するように構成される。
【0216】
本明細書の原理による別の例示的なシステム、方法、及び装置は、個人の認知スキルを高めるように構成できる。一実施形態では、プログラムされた処理部は、プロセッサ実行可能命令を実行してユーザインタフェース上で干渉を伴う課題を描画するように構成される。本明細書でより詳細に説明されるように、課題及び干渉のうちの1つ又は複数は時間的に変化して、応答期限を有することができて、その結果、ユーザインタフェースは装置又はシステムとインタラクションを行う個人からの1種類以上の応答を受信するのに限られた期間を課す。例示的な処理部は、ユーザインタフェースを制御して干渉を伴う課題の第1インスタンスをユーザインタフェースに描画するように構成され、干渉の存在下で課題の第1インスタンスに対する個人からの第1応答及び1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人からの応答を要求する。課題の第1インスタンス及び干渉の一方又は両方は、1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素を含む。ユーザインタフェースは、1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答を示すデータを測定するように構成することができて、このデータは個人の認知能力の1つ以上の尺度を含む。例示的な処理部は、課題の第1インスタンスに対する個人からの第1応答及び1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人からの応答を略同時に測定し、第1応答及び1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答を示すデータを受信するように構成できる。また、例示的な処理部は、、第1応答及び1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答を示すデータを分析して、個人の認知能力の1つ以上の数量的指標を含む1つ以上の成績指標を計算するように構成される。また、1つ以上の成績指標に少なくとも部分的に基づいて、例示的な処理部は、(i)個人が医薬品、薬物、又は生物製剤の投与に対して有害事象を経験する尤度、(ii)医薬品、薬物、又は生物製剤の量、濃度、又は投与量滴定のうちの1つ又は複数の推奨される変更、(iii)個人の認知反応能力の変化、(iv)推奨される治療計画、又は(v)行動療法、カウンセリング、又は体操のうちの少なくとも1つの有効性の推奨される又は判定される度合い、のうちの少なくとも1つを示す出力をユーザインタフェースへ生成するように構成される。
【0217】
非限定的な例では、1つ又は複数のプロセッサはさらに、課題の第1インスタンスに対する個人からの第1応答、干渉に対する個人の二次応答、及び1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する応答を略同時に測定するように構成できる。
【0218】
非限定的な例では、1つ又は複数のプロセッサはさらに、計算された1つ以上の成績指標を、個人に対して出力する、又は演算デバイスへ送信するように構成することができる。
【0219】
非限定的な例では、1つ又は複数のプロセッサはさらに、ユーザインタフェースを介して課題の第2インスタンスを提示して課題の第2インスタンスに対する個人からの第2応答を要求し、第1応答及び第2応答を示すデータの間の差異を分析して、個人の認知能力の1つ以上の追加の指示の尺度として干渉コストを計算するように構成できる。
【0220】
非限定的な例では、成績指標の分析の結果に基づいて、医学、医療、又は他の専門家が(個人の同意の下で)、潜在的に認知に影響を及ぼすことを含む、特定の種類、量、濃度、及び投与量滴定の医薬品、薬物、生物製剤、又は他の医薬品が個人に投与される場合に発生しうる(又は潜在的に起きている)潜在的な有害事象をより良く理解することができる。
【0221】
非限定的な例では、個人が体験した1種類以上の医薬品、薬物、生物製剤、又は他の医薬品の既知の有効性レベル、及び/又は、1種類以上の医薬品、薬物、生物製剤、又は他の医薬品の投与で個人が体験した1つ又は複数の有害事象に関する定量化可能な情報とともに、特定の個人に対する成績指標の分析の結果を示すデータを含む検索可能なデータベースが、本明細書において提供される。検索可能なデータベースは、演算デバイスで描画された課題及び/又は干渉とインタラクションを行う個人に対して得られた成績指標、応答尺度、応答プロファイル、及び/又は決定境界指標(これに限定されないが、応答基準など)に基づいて、所与の個人が特定の種類の医薬品、薬物、生物製剤、又は他の医薬品の恩恵を受ける対象であるかどうかを判定するのに使用する指標を提供するように構成できる。
【0222】
非限定的な例では、成績指標は、個人が特定の種類の薬物(これに限定されないが、覚醒剤、例えば、メチルフェニデート又はアンフェタミンなど)の対象であるかどうか、又は、個人が、演算デバイスで描画される課題及び/又は干渉との指定された繰り返されるインタラクションの連隊と併用して医薬品を投与されることが有益でありうるかどうかを識別するのを助けることができる。本明細書で説明される任意の例ヘ適用可能な生物製剤、薬物、又は他の医薬品の他の非限定的な例として、メチルフェニデート(MPH)、スコポラミン、ドネペジル塩酸塩、酒石酸塩リバスチグミン、メマンチンHCl、ソラネズマブ、アデュカヌマブ、及びクレネズマブが挙げられる。
【0223】
非限定的な例では、成績指標の分析の結果に基づいて、医学、医療、又は他の専門家が(個人の同意の下で)、潜在的に認知に影響を及ぼすことを含む、異なる量、濃度、及び投与量滴定の医薬品、薬物、生物製剤、又は他の医薬品が個人に投与される場合に発生しうる(又は潜在的に起きている)潜在的な有害事象をより良く理解することができる。
【0224】
非限定的な例では、個人が体験した1種類以上の医薬品、薬物、生物製剤、又は他の医薬品の既知の有効性レベル、及び/又は、1種類以上の医薬品、薬物、生物製剤、又は他の医薬品の投与で個人が体験した1つ又は複数の有害事象に関する定量化可能な情報とともに、特定の個人に対する成績指標の分析の結果を示すデータを含む検索可能なデータベースが、本明細書において提供される。検索可能なデータベースは、演算デバイスで描画された課題及び/又は干渉とインタラクションを行う個人に対して得られた応答尺度、応答プロファイル、及び/又は決定境界指標(これに限定されないが、応答基準など)に基づいて、所与の個人が特定の種類の医薬品、薬物、生物製剤、又は他の医薬品の恩恵を受ける対象であるかどうかを判定するのに使用する指標を提供するように構成することができる。非限定的な例として、演算デバイスのユーザインタフェース上に描画される課題及び/又は干渉(コンピュータ制御調整可能要素を含む)とユーザのインタラクションを示すデータに基づき、成績指標は、個人の認知能力に基づいて、個人に関する情報を提供することもできる。このデータは、個人が特定の種類の薬物(これに限定されないが、覚醒剤、例えば、メチルフェニデート又はアンフェタミンなど)の対象であるかどうか、又は、個人が、演算デバイスで描画される課題及び/又は干渉との指定された繰り返されるインタラクションの連隊と併用して医薬品を投与されることが有益でありうるかどうかを識別することを助けることができる。本明細書で説明される任意の例ヘ適用可能な生物製剤、薬物、又は他の医薬品の他の非限定的な例として、メチルフェニデート(MPH)、スコポラミン、ドネペジル塩酸塩、酒石酸塩リバスチグミン、メマンチンHCl、ソラネズマブ、アデュカヌマブ、及びクレネズマブが挙げられる。
【0225】
一例では、個人の認知反応能力の変化は、個人の認知反応戦略の衝動性又は保守性の度合いの変化の指示を含む。
【0226】
非限定的な例として、衝動的な挙動がADHDに付随するものである場合、治療(実行機能を含む)を実施するように構成されている例示的な認知プラットフォームは、計画において衝動性のより少ない挙動を促進することがある。これは、脳内のドーパミン系をターゲットとしうるものであり、通常の調節を高めて、結果的に衝動的な挙動の減少という利益を個人の日常生活に伝えることができる。
【0227】
メチルフェニデートやアンフェタミンなどの覚醒剤は、ADHDを患っている個人にも投与され、脳内のノルエピネフリン及びドーパミンのレベルを高める。それらの認知効果は、前頭前皮質におけるそれらの作用に起因しうるが、認知制御欠陥又は他の認知能力の改善はありえない。本明細書の認知プラットフォームの実施形態は、個人の認知制御欠陥を改善するために治療(実行機能を含む)を実施するように構成できる。
【0228】
本明細書で説明される原理による例示的なシステム、方法、及び装置の使用は、これに限定されないが、認知症、パーキンソン病、脳アミロイド血管症、家族性アミロイドニューロパチチー、ハンチントン病、若しくは他の神経変性状態、自閉症スペクトラム障害(ASD)、16p11.2重複の存在、並びに/又は、これに限定されないが、注意欠陥多動性障害(ADHD)、感覚処理障害(SPD)、軽度認知障害(MCI)、アルツハイマー病、多発性硬化症、統合失調症、鬱病、双極性障害、心的外傷後ストレス障害、大鬱病性障害(MDD)、及び/若しくは不安(社会不安を含む)、などの実行機能障害などの、多くの異なる種類の神経心理学的状態ヘ適用することができる。
【0229】
いずれの実施形態においても、個人からのデータ及び他の情報がその同意の下で収集され、送信され、分析される。
【0230】
非限定的な例として、干渉処理に基づく認知プラットフォームを含む、本明細書の例示的なシステム、方法、及び装置に関連して説明されている認知プラットフォームは、アキリ・インタラクティブ・ラブズ社によるProject:EVO(商標)プラットフォームに基づく、又は含むことができる。
【0231】
非限定的な例示的な課題及び干渉
以下は、個人が異なる認知的負荷又は情動的負荷の下で刺激とインタラクションを行う際に関わる(例えば、活性化される、又は抑制される)脳、神経活動、及び/又は神経経路機構の領域の広範な生理学的、行動的、及び認知的測定データ及び分析を示す、報告された結果の要約である。論文では、認知課題における個人の成績とコンピュータ制御調整可能要素による刺激における個人の成績に基づいて検出ができる、及び定量化可能に測定ができる差異も説明している。
【0232】
生理学的測定及び他の測定に基づいて、情動的処理、認知課題、及び課題に関係する脳の領域が報告されている。例えば、Pourtoisらによるレビュー論文「Pourtois et al., 2013, "Brain mechanisms for emotional influences on perception and attention: What is magic and what is not",Biological Psychology,92,492-512」では、扁桃体が刺激の情動的値を監視し、脳のいくつかの他の領域に投射し、フィードバックを感覚経路(有線視覚皮質及び有線外視覚皮質を含む)へ送ることが報告されている。また、個人の処理能力が制限されていることにより、個人は、同時刺激を並行して充分に分析することはできず、これらの刺激は、個人のより高い認知段階及び意識へアクセスするために処理リソースを奪い合うことも報告されている。個人が所与の刺激の場所又は特徴に注意を向けなければならない場合、この刺激を表す脳領域内の神経活動は、他の同時刺激を犠牲にして増大する。Pourtoisらは、この現象が神経細胞記録及び撮像方法(EEG、PET、fMRI)によって広範に示されており、利得制御に起因することを示している。Pourtoisらは、情動信号は、他の注意システムのものと似ているが扁桃体及び相互接続された前頭前野内の異なる神経機構が介在する利得制御機構を通じて情動的に有意な事象の処理効率及び競争力を高め、これらの脳の機構における変化が不安又は恐怖症などの、精神病理学的状態に関連付けられうることを示しうると結論している。また、不安又はうつ状態の患者は、ネガティブ情報に向かう不適応注意バイアスを示すことがあることも報告されている。また、Pourtoisらは、EEG及びfMRIからの撮像結果が、他の課題依存の、又は外因性刺激駆動の注意機構による任意の同時調節に加えて、又はそれと並行して、情動的(恐ろしい、又は脅威に関連するなどの)刺激の処理が視覚皮質において利得制御効果を生み出し、情動利得制御効果が脅威関連刺激のより効率的な処理の要因となりうるという結論を裏付けると報告している(「Brosch et al.,2011, "Additive effects of emotional, endogenous, and exogenous attention: behavioral and electrophysiological evidence",Neuropsychologia 49,1779-1787」も参照)。
【0233】
上述のように、情動的処理及び認知的処理はそれぞれ、特定の脳内ネットワーク内、及びその間のインタラクションを必要とする。大鬱病性障害及び他の類似する、又は関連する疾患は、注意(集中)、記憶(学習)、意思決定(判断)、理解(comprehension)、判断、推理、理解(understanding)、学習、及び想起を含む多数の認知領域内の認知能力の変化と関連付けることができる。鬱病に関連する認知的変化は、この疾患を患っている個人が体験する障害のうちのいくつかの一因となりうる。
【0234】
大鬱病性障害を患っている個人は、抗鬱剤などの何らかの治療法に反応して、認知と関連しない鬱病の症状が減少することがある。しかし、そのような治療法は個人の認知障害又は認知低下の客観的評価を提供せず、既存の臨床検査は認知における変化を評価する有用なツールをほとんど提供しない。気分の症状は解決できるが認知症状を解決できない個人は、特に認知障害が実行に影響を及ぼしうる複雑な作業環境及び社会環境で働こうとする場合に再発のリスクがある。
【0235】
「Shilyansky et al., 2016, "Effect of antidepressant treatment on cognitive impairments associated with depression: a randomized longitudinal study," The Lancet Psychiatry, 3, 425-435」は、大鬱と関連する認知障害に対する抗鬱治療の影響について報告している。Shilyanskyらは、大鬱病性障害を患っている18歳から65歳の、調査の開始時点では抗鬱剤を服用していない1000人を超える成人を対象とした調査報告書を記した。3種類の抗鬱剤のうちの1つを用いた治療の前後で、様々な神経心理学的試験を使って個人の認知の様々な態様が測定された。試験結果は、大鬱病性障害を患っているとは診断されていない、年齢及び教育が一致する個人に対してこれらの神経心理学的試験を行って導き出された結果と比較された。
【0236】
Shilyanskyらは、調査対象の個人は治療前には7つの認知領域、すなわち、注意、応答抑制、言語記憶、実行機能、認知的柔軟性、決定速度、及び情報処理で能力の減少を示したことを明らかにしている。治療及び臨床症状の寛解後には、神経心理学的試験の結果は、調査対象の個人で認知と関連しない鬱病の症状が改善した後で7つの認知領域のうちの5つが低下したままであることを示していた。実行機能及び認知的柔軟性は、抗鬱治療でいくらかの変化を示した。この結果では、鬱病の履歴がある個人は、(使用された抗鬱剤の種類と関係なく)他の鬱病の症状が改善した後でも、この病気の認知障害によりなおも障害が残ることがあることが示された。
【0237】
Shilyanskyらは、大鬱病性障害は認知障害と関連しており、この疾患の他の症状が治療された後でも持続することがあることを実証している。この認知障害が対処されなければ、鬱病を患っている個人は、気分の症状が抑えられていたとしても、複雑な環境で働くことはできない可能性がある。本明細書で説明されるシステム、方法、及び装置は、個人の成績の指示、及び/又は(例えば、認知障害の度合い判定するために)認知評価に対する指示を提供する、及び/又は認知治療を(すなわち、干渉処理を通じて適応的に課題及び/又は干渉を適用して認知能力を高めることで)行うことができるように構成される。
【0238】
上述したように、刺激に対する個人の応答は、個人の認知状態、疾病、又は実行機能障害に基づくことも含めて、個人の状態に応じて変化しうる。個人の成績の測定は、認知状態、疾病、又は実行機能障害の発症及び/又は進行度の尤度を含む、認知状態、疾病、又は実行機能障害に関連する個人の状態への洞察を与えることができる。
【0239】
生理学的測定データ、行動データ、及び他の認知データの前述の非限定的な例は、課題に対する個人の応答が刺激の種類に基づいて異なることがあることを示している。さらに、前述の例は、個人がコンピュータ制御調整可能要素の影響を受ける度合い、及び課題における個人の実行がコンピュータ制御調整可能要素の存在下で影響を受ける度合いは、個人が情緒的又は情動的偏見の形態を示す度合いに依存することを示している。本明細書で説明されているように、個人の成績の差異は、認知課題における個人の成績とコンピュータ制御調整可能要素(例えば、情緒的又は情動的要素)による刺激における個人の成績に基づいて定量的に検出、測定することができる。また、報告されている生理学的測定データ、行動データ、及び他の認知データも、刺激により喚起される認知的負荷又は情動的負荷が、個人の認知状態、疾病状態、又は実行機能障害の存在又は非存在に基づくことも含めて、個人の状態に応じて変化しうることを示している。本明細書で説明されているように、認知課題における個人の成績とコンピュータ制御調整可能要素による刺激における個人の成績の差異の測定は、これに限定されないが、不安、鬱病、双極性障害、大鬱病性障害、心的外傷後ストレス障害、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、注意欠如多動性障害、認知症、パーキンソン病、ハンチントン病、若しくは他の神経変性状態、脳アミロイド血管症、家族性アミロイドニューロパチチー、アルツハイマー病、多発性硬化症、、16p11.2重複の存在、注意欠陥多動性障害(ADHD)、感覚処理障害(SPD)、及び/又は軽度認知障害(MCI)などの、個人における、認知状態、疾病、及び/又は実行機能障害の発症及び/又は進行度の尤度に対する定量化可能な洞察を与えることができる。
【0240】
個人の認知制御能力に対する干渉処理の効果が報告されている。例えば、「A. Anguera,Nature 501,p. 97 (September 5, 2013)」(「ネイチャー誌論文」)を参照されたい。また、参照により本明細書に援用される、2011年11月10日に出願された米国特許出願公開第20140370479号明細書(A1)(米国特許出願第13/879,589号)も参照されたい。それらの認知能力のうちのいくつかは、注意(選択性、持続性など)、作業記憶(作業記憶の容量及び情報維持の質)、及び目標管理(2つの注意を要する課題を効果的に並列処理する、又は課題を切り替えるための能力)の領域における認知制御能力を含む。一例として、ADHD(注意欠陥多動性障害)と診断された子供は、注意を持続することに困難を示す。注意選択性は、目標に無関係の情報を無視することに関わる神経プロセス及び目標に関係する情報に集中することを容易にするプロセスに依存することがわかった。これらの出版物は、2つのオブジェクトが同時に視野内に置かれた場合に、一方へ注意を集中させると視覚的処理リソースを他方から引き離すことができることを示す神経データを報告している。また、記憶は注意を逸らすものを効果的に無視することにより大きく依存しており、情報を心に留めておく能力は、注意を逸らすもの及び妨害の両方による干渉に対して脆弱であることを示す研究が報告された。注意を逸らすものによる妨害は、例えば、一次課題から個人の注意を逸らすが、個人が応答すべきでないと指示により示される、非標的である干渉とすることができる。妨害/妨害するものによる干渉は、例えば、一次課題から個人の注意も逸らすが、個人が(例えば、単一の標的に対して)応答すべきである、又は(例えば、個人が特徴の異なる程度から決定を行う強制選択状況)から選択すべきと指示により示される、1つの標的又は2つ以上の標的である干渉とすることができる。
【0241】
注意を逸らすものの存在下での想起減退は、前頭前皮質、視覚野、及び海馬(記憶の固定化に関わる)を伴う神経回路網の途絶に関連しうることを示すfMRI結果も報告されている。(選択的注意に関与する)前頭前皮質ネットワークは、注意を逸らすものによる途絶に対して脆弱でありうる。また、これらの出版物では、作業記憶又は選択的注意の領域における認知制御を必要とする目標管理は、認知制御も要求する二次目標の影響を受けうることも報告している。これらの出版物は、干渉処理の有益な効果を個人の認知能力に効果を有する治療介入として示すデータも報告しており、これには注意を逸らすもの及び妨害の有害な影響を減少させることが含まれる。これらの出版物は、シングルタスク又はマルチタスクの成績を評価することを含む、個人の成績の数値化のために、計算可能な(干渉コストを含む)コスト量を説明していた。
【0242】
これらの出版物において開示されている例示的なコスト量は、マルチタスクの課題と比べた時のシングルタスクの課題における個人の成績の変化率であり、したがってより高いコスト(すなわち、より負であるコスト率)は、個人がシングルタスク及びマルチタスクに関わっている場合に干渉の増加を示す。これらの出版物では、孤立した課題における個人の成績と1つ又は複数の干渉が適用された課題における個人の成績の間の差異として判定された干渉コストを説明しており、干渉コストは干渉に対する個人の感受性の評価を与える。
【0243】
また、コンピュータ実装の干渉処理の有形の利益も報告されている。例えば、ネイチャー誌論文では、コンピュータ実装の干渉処理を使って評価されるマルチタスクの成績により、20歳から79歳の成人における成績の年齢に関連する直線的な低下を数値化することができたと述べている。また、ネイチャー誌論文はコンピュータ実装の干渉処理の適応的な形態とインタラクションを行う高齢者(60歳から85歳)は、マルチタスクのコストの低下を示し、利得は6ヶ月間にわたって持続したとも報告している。ネイチャー誌論文は、脳波記録を用いて測定された、認知制御の神経信号の年齢に関連する障害は、(コンピュータ実装の干渉処理を使った)マルチタスクの訓練によって改善され、正中線前頭シータパワー及び前頭-後頭部のシータコヒーレンスの増強があったことも報告した。コンピュータ実装の干渉処理とのインタラクションを行うことにより、未訓練の認知制御能力にも及ぶ成績に関する利益(持続的注意及び作業記憶が強化される)がもたらされ、正中線前頭シータパワーの増大によって、持続的注意が向上して6ヶ月後もマルチタスクの改善が維持されることが予測される。
【0244】
本明細書の原理による例示的なシステム、方法、及び装置は、コンピュータ制御の認知プラットフォームを使用する干渉処理の実装に基づいて認知能力に関して個人を分類する、及び/又はそれらの認知能力を高めるように構成される。例示的なシステム、方法、及び装置は、プログラムされた演算デバイスの能力を使ってマルチタスクの一形態を実現するように構成され、個人は課題及び干渉を略同時に実行することを要求され、課題及び/又は干渉はコンピュータ制御調整可能要素を含み、個人はコンピュータ制御調整可能要素に対して応答することを要求される。演算デバイスの検出能力及び測定能力は、応答実行時間内に個人により行われる物理的行為を示すデータを収集して、演算デバイスがコンピュータ制御調整可能要素に対して応答するため個人により行われる物理的行為を示すデータを収集するのと実質的に同時に課題に応答するように構成される。ユーザインタフェースを介して課題及び/又は干渉をリアルタイムで提示し、課題及び/又は干渉並びにコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答を示すデータをリアルタイムで実質的に同時に測定する演算デバイス及びプログラムされた処理部の能力は、異なる課題及び干渉に対する、並びに異なる課題及び干渉の間で素早く切り替えを行うための、又は、多数の異なる課題又は干渉(個人が設定された時間内に単一種類の課題を実行することを要求される、シングルタスクを含む)を連続的に実行するための、個人の認知能力の定量化可能な尺度を提供できる。
【0245】
本明細書のいずれの例においても、1つ又は複数のプロセッサは、課題又は干渉の少なくとも1つの実行の成功の度合いを示すものとして、リアルタイムで調整される1つ以上の調整可能要素を設定することができる。本明細書のいずれの例においても、リアルタイムの時間尺度は、ユーザが所定の時間内、例えばこれに限定されないが、数ミリ秒以内、若しくは数十ミリ秒以内、若しくは約1秒以内、若しくは約5秒以内、若しくは約10秒以内、若しくは約20秒以内、又はそれより長い時間(又は、他の類似の時間尺度)に課題及び/又は干渉に対して応答する期間内に1つ又は複数のプロセッサが測定データを処理して、調整可能要素の調整を提示するシステム又は装置に関連しうる。
【0246】
本明細書のいずれの例においても、課題及び/又は干渉は応答期限を含み、その結果、ユーザインタフェースは装置又は演算デバイスとインタラクションを行う個人からの1種類以上の応答を受信するのに限られた期間を課す。例えば、課題及び/又は干渉を実行するために個人が演算デバイス又は他の装置とインタラクションを行う必要がある時間は、これに限定されないが、約30秒、約1分、約4分、約7分、約10分、又は10分超などの、所定の時間とすることができる。
【0247】
例示的なシステム、方法、及び装置はマルチタスクの一形態を実装して、実行機能制御における個人の認知能力の尺度として、干渉が個人の注意を課題から逸らすように、一つの行為を別の行為の代わりに行って干渉の存在下で現在の課題の規則を活性化するかどうかを決定する際の個人の能力の尺度を提供するように構成することができる。
【0248】
例示的なシステム、方法、及び装置は、シングルタスクの一形態を実現するように構成することができて、設定された時間に対して単一種類の(すなわち、干渉を伴わない)課題(これに限定されないが、ナビゲーション課題のみ、又は標的識別課題のみ、など)とインタラクションを行う際の個人の成績の尺度も、個人の認知能力の尺度を提供するのに使用できる。
【0249】
例示的なシステム、方法、及び装置は、異なる順序及び組合せのシングルタスク及びマルチタスクの試行を伴うセッションを実施するように構成することができる。第1の例示的な実装において、セッションは、第1のシングルタスクの試行(第1種類の課題を有する)、第2のシングルタスクの試行(第2種類の課題を有する)、及びマルチタスクの試行(干渉を伴って描画される一次課題)を含むことができる。第2の例示的な実装において、セッションは、2つ以上のマルチタスクの試行(干渉を伴って描画される一次課題)を含むことができる。第3の例示的な実装において、セッションは、2つ以上のシングルタスク(すべて同じ種類の課題に基づくか、又は1つ以上が異なる種類の課題に基づく)の試行を含むことができる。
【0250】
成績は、様々な課題の実行に対する2つの異なる種類の干渉(例えば、注意を逸らすもの、又は妨害するもの)の影響を比較することでさらに分析することができる。いくつかの比較には、干渉を伴わない実行、注意を逸らすものを伴う実行、及び妨害を伴う実行を含みうる。課題の成績レベルに対する各種類の干渉のコスト(例えば、注意を逸らすもののコスト、及び妨害するもの/マルチタスクのコスト)が分析されて、個人へ報告される。
【0251】
本明細書のいずれの例においても、干渉は、(注意を逸らすものとしての)非標的又は(妨害するものとしての)標的のいずれかである刺激、又は異なる種類の標的(例えば、顔の表情又は他の特性/特徴の異なる度合いの差異)である刺激を含む二次課題とすることができる。
【0252】
多数の別のソース(センサ及び他の測定用部品を含む)の効果の発生を制御するプログラムされた処理部の能力、及び、これらの多数の異なるソースから略同時に(すなわち、ほぼ同時に、又は短い時間間隔内で)及びリアルタイムでデータを選択的に受信することに基づいて、本明細書の例示的なシステム、方法、及び装置を、通常の人間の能力を使って達成することができない課題及び/又は干渉に対する個人からの応答の定量的尺度を収集するのに使用できる。結果として、本明細書の例示的なシステム、方法、及び装置は、特定の期間にわたって課題と略同時に干渉を描画するようにプログラムされた処理部を実現するよう構成することができる。
【0253】
また、一部の例示的な実装では、本明細書の例示的なシステム、方法、及び装置は、干渉に対する個人の応答の度合い及び種類の尺度を示すデータが収集される(干渉が標的を含む、非標的を含むかに関わらず)のと略同時に、課題に対する個人の応答の度合い及び種類の尺度を示すデータを受信するように構成することができる。一部の例では、例示的なシステム、方法、及び装置は、(干渉コストを含む)コスト量を計算するために、標的に対する個人の応答を示す測定されたデータヘ適用される得点又は重み係数とは異なる得点又は重み係数を非標的に対する個人の応答を示す測定されたデータへ適用することによって分析を行うように構成される。
【0254】
本明細書の例示的なシステム、方法、及び装置において、コスト量は、干渉の存在下での1つ又は複数の課題における個人の成績の尺度と比べた時の、干渉が存在しない場合の1つ又は複数の課題における個人の成績の尺度の差異に基づいて計算することができて、1つ又は複数の課題及び/又は干渉は、1つ又は複数のコンピュータ制御調整可能要素を含む。本明細書で説明されているように、個人がコンピュータ制御調整可能要素とインタラクションを行う(及びコンピュータ制御調整可能要素に対して応答を提供する)必要があることで、コンピュータ制御調整可能要素に対して応答するための情動的処理に対する要件のために課題及び/又は干渉を実行する個人の能力に定量的に影響を与える認知的負荷又は情動的負荷を導入することができる。一例では、本明細書において収集されたデータに基づいて計算された干渉コストは、干渉に対する個人の感受性の定量化可能な評価を与えることができる。孤立した課題における個人の成績と1つ又は複数の干渉の存在下での課題(課題及び/又は干渉はコンピュータ制御調整可能要素を含む)における個人の成績の間の差異の判定により、個人の認知能力を評価し、分類するのに使用できる干渉コスト指標が与えられる。また、実行された課題及び/又は干渉の個人の成績に基づいて計算された干渉コストは、個人の認知状態、疾病状態、又は、これに限定されないが(社会不安を含む)不安、鬱病、双極性障害、心的外傷後ストレス障害、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥多動性障害、認知症、パーキンソン病、ハンチントン病、若しくは他の神経変性状態、アルツハイマー病、多発性硬化症、16p11.2重複の存在、注意欠陥多動性障害(ADHD)、感覚処理障害(SPD)、軽度認知障害(MCI)、及び大鬱病性障害(MDD)などの実行機能障害の存在又は段階の定量化可能な尺度を与えることができる。
【0255】
本明細書の例示的なシステム、方法、及び装置は、干渉(干渉コストなどのコスト量としてのものを含む)に対する個人の感受性の分析を、繰り返される循環プロセスとして行うように構成することができる。例えば、個人が所与の課題及び/又は干渉に対する最小化された干渉コストを有すると判定された場合、例示的なシステム、方法、及び装置は、個人の成績指標がその所与の条件で最小化された干渉コストを示すまで、より困難な(すなわち、より高い難易度を有する)課題及び/又は干渉を実行することを個人に要求するように構成することができて、その時点で、例示的なシステム、方法、及び装置は個人の成績指標がふたたびその条件に対する最小化された干渉コストを示すまで、より一層困難な課題及び/又は干渉を個人に提示するように構成することができる。これは、個人の成績の所望の終点が得られるまで何回でも繰り返すことができる。
【0256】
非限定的な例として、干渉コストを(干渉を伴う)マルチタスクの課題と比べた時の(干渉を伴わない)シングルタスクの課題での個人の成績の測定結果に基づいて計算して、評価を提供することができる。例えば、マルチタスクの課題(例えば、干渉を伴う標的設定課題)における個人の成績を、干渉を伴わないシングルタスクの標的設定課題における成績と比較して、干渉コストを提供することができる。
【0257】
本明細書の例示的なシステム、装置、及び方法は、個人がコンピュータ制御調整可能要素の影響を受ける度合い、及び/又は課題における個人の成績がコンピュータ制御調整可能要素の存在下で影響を受ける度合いを示すデータを分析して、個人の認知能力の数量的指標を含む成績指標を提供するように構成される。成績指標は、個人が情緒的又は情動的偏見の形態を示す度合いの指標として使用できる。
【0258】
また、一部の例示的な実装では、本明細書の例示的なシステム、方法、及び装置は、課題に対する個人の応答の度合い及び種類の尺度を示すデータが収集されるのと略同時に(すなわち、実質的に同時に)、標的刺激(すなわち、妨害するもの)を含む干渉に対する個人の応答の度合い及び種類の尺度を示すデータを選択的に受信し、課題に対する個人の応答の度合い及び種類の尺度を示すデータが収集されるのと略同時に(すなわち、実質的に同時に)、非標的刺激(すなわち、注意を逸らすもの)を含む干渉に対する個人の応答の度合い及び種類の尺度を選択的に集めないように構成することができる。すなわち、例示的なシステム、方法、及び装置は、時間的及び/又は空間的のいずれかで応答を測定するための検出/測定用部品の状態を選択的に制御することで標的に対する個人の応答のウインドウと非標的に対する個人の応答のウインドウを識別するように構成される。これは、標的又は非標的の提示に基づいて検出/測定用部品を選択的に活性化させる、又は非活性化することで、又は標的に対する個人の応答に対して測定されたデータを受信して、非標的に対する個人の応答に対して測定されたデータを選択的に受信しない(例えば、無視する、拒絶する、又は受け付けない)ことで、達成することができる。
【0259】
本明細書で説明されているように、本明細書の例示的なシステム、方法、及び装置を使用することは、時間の経過する中での注意の持続性、注意の選択性、及びび注意欠如の低減に対する能力に基づくことを含む、注意領域内の個人の認知能力の尺度を提供するように実現することができる。本明細書の例示的なシステム、方法、及び装置を使って測定できる個人の認知能力の他の領域は、情動的偏見、気分、認識の偏りのレベル、衝動性、抑制、知覚能力、反応及び他の運動機能、視力、長期記憶、作業記憶、短期記憶、論理、並びに意志決定を含む。
【0260】
本明細書で説明されているように、本明細書の例示的なシステム、方法、及び装置を使用することは、一つのユーザセッションからの課題及び/又は干渉(少なくとも1つはコンピュータ制御調整可能要素を含む)を別のユーザセッションへ適合させて(又はさらに、一つのユーザ試行から別のユーザ試行へ適合させて)脳の可塑性の科学に基づいて個人の認知スキルを高めるように実現することができる。適応性は、任意の有効な可塑性活用ツールに対して有益な設計要素である。例示的なシステム、方法、及び装置において、処理部は、これに限定されないが、刺激のタイミング、位置決め、及び性質などの、課題及び/又は干渉のパラメータを制御するように構成されており、その結果、個人の物理的行為をインタラクションの最中に記録することができる。上述のように、個人の物理的行為は、演算デバイスとインタラクションを行ってシングルタスクの課題とマルチタスクの課題を実行する間に神経活動の影響を受ける。干渉処理の科学は(生理学的測定及び行動測定からの結果に基づき)、適応性の様相によって、神経可塑性に基づいた多数のセッション(又は試行)からの訓練に対して個人の脳内に変化をもたらして、それにより、個人の認知スキルを高められることを示している。例示的なシステム、方法、及び装置は、1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素を用いる課題及び/又は干渉を実現するように構成され、個人は干渉処理を実行する。上記の公開されている研究結果において裏付けられているように、課題を実行することの個人に対する効果により、認知訓練の新規の態様を利用して個人の認知能力を高めることができる。
【0261】
図5A~
図11Hは、ユーザのインタラクションに対する課題及び/又は干渉(一方又は両方がコンピュータ制御調整可能要素を含む)を描画するために本明細書の例示的なシステム、方法、及び装置を使って生成することができる非限定的な例示的ユーザインタフェースを示す。また、
図5A~
図11Hの非限定的な例示的ユーザインタフェースは、個人に対して課題及び/又は干渉を実行する指示を表示すること、コンピュータ制御調整可能要素とインタラクションを行うこと、課題及び/又は干渉並びにコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答を示すデータを収集すること、進捗指標を示すこと、及び分析指標を提供すること、のうちの1つ又は複数に使用できる。
【0262】
図5A~
図5Dは、本明細書の例示的なシステム、方法、及び装置を使って描画される非限定的な例示的ユーザインタフェースを示す。
図5A~
図5Bに示されるように、例示的なプログラムされた処理部は、個人に対して課題及び/又は干渉を実行してコンピュータ制御調整可能要素とインタラクションを行う指示を表示するための表示特徴500、及び、進捗指標からの状況指標及び/又は個人のインタラクション(課題/干渉に対する応答を含む)から収集されたデータに対して分析を適用した結果を示す指標特徴502をユーザインタフェース(グラフィカルユーザインタフェースを含む)へ描画して分析指標を提供するのに使用できる。本明細書の例示的なシステム、方法、及び装置のいずれにおいても、識別器は、応答出力として提供される分析指標を提供するのに使用できる。本明細書の例示的なシステム、方法、及び装置のいずれにおいても、ユーザのインタラクションから収集されたデータは、識別器を訓練するための入力として使用できる。また、
図5A~
図5Bに示されるように、例示的なプログラムされた処理部は、個人が(これに限定されないが、視覚的運動課題において経路又は他の環境を進むため、及び/又は標的識別課題においてオブジェクトを選択するため、などで)制御することを要求されるアバター又は他のプロセッサ描画されるガイド504をユーザインタフェース(グラフィカルユーザインタフェースを含む)へ描画するのに使用することができる。一例では、コンピュータ制御調整可能要素は、視覚的運動課題の一構成要素として(例えば、経路に沿ったマイルストーンオブジェクトとして)又は標的識別課題の一構成要素として含むことができて、例えば、特定の種類のコンピュータ制御調整可能要素要素(これに限定されないが、怒った顔若しくは幸せな顔、大きな声若しくは怒った声、又は、脅威若しくは恐怖を誘発する言葉など)は標的であり、他の種類のコンピュータ制御調整可能要素(これに限定されないが、中間の顔、幸せな声、又は、中間の言葉など)はそうではない。
図5Bに示されるように、表示特徴500は、ユーザインタフェースがナビゲーション課題を実行するのに必要なアバター又は他のプロセッサ描画されるガイド504の動作の種類を(破線を使って)示している間にナビゲーション課題を実行するために何が期待されるかを個人に指示するのに使用できる。一例では、ナビゲーション課題は、得点を決定するために、個人がアバターを操って交差するか、又は回避する必要があるマイルストーンオブジェクト(場合によっては、コンピュータ制御調整可能要素を含む)を含むことができる。
図5Cに示されるように、表示特徴500は、ユーザインタフェースがユーザインタフェースへ描画されうるオブジェクト506及び508の種類を示している間に標的識別課題を実行するために何が期待されるかを個人に指示するのに使用することができて、一方の種類のオブジェクト506(場合によっては、標的のコンピュータ制御調整可能要素を含む)は標的として指定され、ユーザインタフェースへ描画されうる他の種類のオブジェクト508は、例えば、この例では線を引いて消されることで、非標的(場合によっては、非標的のコンピュータ制御調整可能要素を含む)として指定される。
図5Dに示されるように、表示特徴500は、ユーザインタフェースがナビゲーション課題を実行するために必要なアバター又は他のプロセッサ描画されるガイド504の動作の種類を(破線を使って)示している間に一次課題としてのナビゲーション課題及び二次課題(すなわち、干渉)としての標的識別を実行するために何が期待されるかを個人に指示するのに使用することができて、ユーザインタフェースは、標的オブジェクト506として指定されるオブジェクト種類及び非標的オブジェクト508として指定されるオブジェクト種類を描画する。
【0263】
図6A~6Dは、本明細書の原理による、時間的に変化する特性として例示的なユーザインタフェースへ描画することができる、(標的又は非標的の)オブジェクトの特徴の例を示す。
図6Aは、ユーザインタフェースに描画されるオブジェクト600の一態様の時間的に変化する特性に対する変更が、グラフィカルユーザインタフェース内に描画される環境に対するオブジェクト600の位置及び/又は速度の動的変化である例を示す。
図6Bは、ユーザインタフェースに描画されるオブジェクト602の一態様の時間的に変化する特性に対する変更が、グラフィカルユーザインタフェース内に描画される環境に対するオブジェクト602の軌跡/動きの大きさ及び/若しくは方向、又はオブジェクト602の配向の動的変化である例を示す。
図6Cは、ユーザインタフェースに描画されるオブジェクト604の一態様の時間的に変化する特性に対する変更が、グラフィカルユーザインタフェース内に描画される環境に対するオブジェクト604の形状又は他の種類の動的変化である例を示す。この非限定的な例では、オブジェクト604の時間的に変化する特性は、第1種類のオブジェクト(星形オブジェクト)から第2種類のオブジェクト(丸いオブジェクト)へのモーフィングを使ってもたらされる。別の非限定的な例では、対象604の時間的に変化する特性は、第1種類のオブジェクトと第2種類のオブジェクトの比例組合せとしてブレンドシェイプを描画することによってもたらされる。
図6Cは、ユーザインタフェースに描画されるオブジェクト604の一態様の時間的に変化する特性に対する変更が、グラフィカルユーザインタフェース内に描画される環境に対するオブジェクト604の(この非限定的な例では、星型オブジェクトから丸いオブジェクトへの)形状又は他の種類の動的変化である例を示す。
図6Dは、ユーザインタフェースに描画されるオブジェクト606の一態様の時間的に変化する特性に対する変更が、グラフィカルユーザインタフェース内に描画される環境に対するオブジェクト606の(この非限定的な例では、第1の模様を有する星型オブジェクトから第2の模様を有する丸いオブジェクトへの)模様、若しくは色、又は視覚的特徴の動的変化である例を示す。別の非限定的な例では、オブジェクトの時間的に変化する特性は、オブジェクトの上に、又はオブジェクトに対して示される顔の表情の変化率とすることができる。本明細書のいずれの例においても、前述の時間的に変化する特性をコンピュータ制御調整可能要素を含むオブジェクトヘ適用して、装置(例えば、演算デバイス又は認知プラットフォーム)との個人のインタラクションの認知的負荷又は情動的負荷を変更できる。
【0264】
図7A~7U及び8A~8Yは、本明細書の原理による、ユーザインタフェースを介して生成することができる、課題及び干渉の運動状態の非限定的な例を示す。この例では、課題は視覚的運動ナビゲーション課題であり、干渉は(二次課題としての)標的識別である。コンピュータ制御調整可能要素は、1つ以上のアバターオブジェクト803を含むベース車両802として描画される。例示的なシステムは、個人に視覚的運動課題及び標的識別を実行するように(特定の種類の標的オブジェクトを識別課題として特定することで)指示するようにプログラムされる。
図7A~7U及び8A~8Yに示されるように、個人はマイルストーンオブジェクト804と重なる経路に沿ってアバター車両802の動きを制御することでナビゲーション課題を実行するように要求される。
図7A~7U及び8A~8Yは、個人がナビゲーション課題における応答としてアバター車両802がマイルストーンオブジェクト804に重なるように装置又は演算デバイス(検出デバイスを含む)を作動させることを期待されている非限定的な例示的な実装を示し、得点は個人が経路をマイルストーンオブジェクト804と交差させる(例えば、当たる)のに成功することに基づく。別の例では、個人は、アバター802がマイルストーンオブジェクト804を外すように装置又は演算デバイス(又は他の検出デバイス)を作動させることを期待されており、得点は個人がマイルストーンオブジェクト804を回避するのに成功することに基づく。また、
図7A~7U及び8A~8Yは、非標的オブジェクト806及び標的オブジェクト808の運動状態を示し、時間的に変化する特性はオブジェクトの動きの軌跡であり、オブジェクトは形状ではなく色が異なる。干渉は、これに限定されないが、タップすること、又は他の指示などにより個人がオブジェクトに対する個人による識別(標的と非標的)を示すことを要求する二次課題である。
【0265】
また、
図7A~7U及び8A~8Yは、課題及び/又は干渉を実行することにおける個人の成功の度合いに基づくコンピュータ制御調整可能要素の変更の運動状態を示す。
図7B~7Fの例では、追加のアバターオブジェクト805がベース車両802へと伝搬してベース車両802上に置かれ、(i)一次課題における個人の成功(例えば、視覚的運動課題においてベース車両802を操ってマイルストーンオブジェクト804と重ねるのに成功)、(ii)二次課題(例えば、干渉としての標的識別)における個人の成功、又は(iii)(i)と(ii)の何らかの組み合わせ、に応答して他のアバターオブジェクト803に加わるのが示されている。すなわち、コンピュータ制御調整可能要素は調整/変更されて、課題及び/又は干渉を実行する際に課題及び/又は干渉を実行する特定の段階で(例えば第1時間間隔T-1)で個人の成功の度合いを示すものとしてアバターオブジェクト807を加える。
図8A~8Fの例では、さらに別のアバターオブジェクト807がベース車両802へと伝搬してベース車両802上に置かれ、(i)一次課題における個人の成功(例えば、視覚的運動課題においてベース車両802を操ってマイルストーンオブジェクト804と重ねるのに成功)、(ii)二次課題例えば、干渉としての標的識別)における個人の成功(、又は(iii)(i)と(ii)の何らかの組み合わせ、に応答して他のアバターオブジェクト802及び803に加わっているのが示されている。すなわち、コンピュータ制御調整可能要素はさらに調整/変更されて、課題及び/又は干渉を実行する際に課題及び/又は干渉を実行する別の段階で(例えば第2時間間隔T-2(T-1とは異なる))で個人の成功の度合い成功を示すさらに別のものとして別のアバターオブジェクトを加える。
【0266】
図8H、8P、8Qの非限定的な例では、標的オブジェクト808を選択することにおける個人の成功が標的オブジェクト808の周りの円810を使って示されている。
【0267】
図7A~7U及び8A~8Yの例では、1つ又は複数のプロセッサ、すなわち、例示的なシステム、方法、及び装置の処理部は、個人の物理的行為を示すデータを受信してアバター802に経路を進ませるように構成される。例えば、個人は物理的行為を行って、例えば回転方向を変更する、又はそうでなければ演算デバイスを動かすことでアバターを「操る」ことを要求されることがある。そのような行為によって、ジャイロスコープ若しくは加速度計、又は他のモーションセンサデバイス若しくは位置センサデバイスに動作を検出させることで、ナビゲーション課題の実行における個人の成功の度合いを示す測定データを提供することができる。
【0268】
図7A~7U及び8A~8Yの例では、例示的なシステム、方法、及び装置の1つ又は複数のプロセッサは、個人の物理的行為を示すデータを受信して、標的識別を実行するように構成される。例えば、個人は試行又は他のセッションよりも前に、指定された色を有する標的オブジェクト(標的オブジェクト808)の表示に応答してタップする、又は別の物理的指示を行い、非標的オブジェクト806の表示に応答してタップして物理的指示を行うことがないように指示されることがある。
図7A~
図7U及び
図8A~
図8Yにおいて、標的識別は、干渉処理マルチタスク実装において、一次ナビゲーション課題に対する干渉(すなわち、二次課題)の役割をする。上述のように、例示的なシステム、方法、及び装置は、処理部に表示特徴(例えば、表示特徴500)を描画させて、期待される実行(すなわち、標的識別課題においてどのオブジェクトへ反応するか、及びナビゲーション課題の実行で何が期待されるか)に関する指示を個人に対して表示させることができる。また上述のように、例示的なシステム、方法、及び装置の処理部は、(i)干渉に対する個人の応答の尺度を示すデータが収集されるのと略同時に一次課題に対する個人の応答の度合い及び種類の尺度を示すデータを受信する、又は(ii)課題に対する個人の応答の度合い及び種類の尺度を示すデータが収集されるのと略同時に(すなわち、実質的に同時に)標的刺激(すなわち、妨害するもの(標的オブジェクト))としての指定されたオブジェクトに対する個人の応答の尺度を示すデータを選択的に受信して、一次課題に対する個人の応答の度合い及び種類の尺度を示すデータが収集されるのと略同時に(すなわち、実質的に同時に)非標的刺激(すなわち、注意を逸らすもの(非標的オブジェクト))に対する個人の応答の尺度を選択的に収集しないように構成できる。
【0269】
図7A~7U及び8A~8Yにおいて、コンピュータ制御調整可能要素に対する変更、例えばアバター車両802に加えられるアバターオブジェクトの種類又は数は、ナビゲーション課題及び/又は標的識別干渉に対する個人の応答を示すデータの分析が満足できる成績を示していることを個人へ知らせるように構成される。この例では、コンピュータ制御調整可能要素に対する変更、例えばアバター車両802に加えられるアバターオブジェクトの種類又は数は、満足できる成績を示すものとして個人へ提示される報酬の種類の変化の例である。多くの他の種類の報酬要素を使用することができて、表示される報酬要素の割合と種類は、時間的に変化する要素として変更、調節することができる。
【0270】
図9A~9Vは、本明細書の原理による、ユーザインタフェース上で描画することができる、課題及び干渉の運動状態の別の非限定的な例を示す。この例では、課題は視覚的運動ナビゲーション課題であり、干渉は(二次課題としての)標的識別である。
図9A~9Vに示されるように、個人はマイルストーンオブジェクト904と重なる経路に沿ってアバター車両902の動きを制御することでナビゲーション課題を実行するように要求される。
図9A~9Vは、個人がナビゲーション課題における応答としてアバター車両902がマイルストーンオブジェクト904に重なるように装置又は演算デバイス(又は他の検出デバイス)を作動させることを期待されている非限定的な例示的な実装を示し、得点は個人が経路をマイルストーンオブジェクト904と交差させる(例えば、当たる)のに成功することに基づく。また、
図9A~9Vは、標的オブジェクト906及び非標的オブジェクト908の運動状態を示し、時間的に変化する特性はオブジェクトの動きの軌跡であり、オブジェクトは色ではなく形状が異なる。干渉は、これに限定されないが、タップすること、又は他の指示などにより個人がオブジェクトに対する個人による識別(標的と非標的)を示すことを要求する二次課題である。また、
図9A~9Vは、課題及び/又は干渉を実行することにおける個人の成功の度合いに基づくコンピュータ制御調整可能要素の変更の運動状態を示す。
図9G~9Kの例では、追加のアバターオブジェクト907がベース車両902へと伝搬してベース車両902上に置かれ、(i)一次課題における個人の成功(例えば、視覚的運動課題においてベース車両902を操ってマイルストーンオブジェクト904と重ねるのに成功)、(ii)二次課題(例えば、干渉としての標的識別)における個人の成功、又は(iii)(i)と(ii)の何らかの組み合わせ、に応答して他のアバターオブジェクト903に加わるのが示されている。すなわち、コンピュータ制御調整可能要素は調整/変更されて、課題及び/又は干渉を実行する際に課題及び/又は干渉を実行する特定の段階で(例えば第1時間間隔T-1)で個人の成功の度合いを示すものとしてアバターオブジェクト907を加える。
図9P~9Qの例では、個人が非標的908に対する指示を提供する(それにより標的識別に成功していない)のに基づいて、ユーザインタフェースは警告信号909を描画し、アバターオブジェクト907が二次課題(例えば、干渉としての標的識別)での個人の失敗に応答してベース車両802から取り除かれてベース車両802から離れていくのが示されている。すなわち、コンピュータ制御調整可能要素は、課題及び/又は干渉を実行する際に課題及び/又は干渉を実行する別の段階で(例えば第2時間間隔T-2(T-1とは異なる))で個人の失敗の度合いを示すものとして調整/変更される。
【0271】
図9B、9C、9Gの非限定的な例では、標的オブジェクト906を選択することにおける個人の成功が標的オブジェクト906の周りの円910を使って示されている。
【0272】
図9A~9Vの例では、1つ又は複数のプロセッサ、例えば、例示的なシステム、方法、及び装置の処理部は、個人の物理的行為を示すデータを受信してアバター車両902に経路を進ませるように構成される。例えば、個人は、例えば回転方向を変更する、又はそうでなければ演算デバイスを動かすことでアバターを「操る」ために、物理的行為を行うように要求されることがある。そのような行為によって、ジャイロスコープ若しくは加速度計、又は他のモーションセンサデバイス若しくは位置センサデバイスに動作を検出させることで、ナビゲーション課題を行う際の個人の成功の度合いを示す測定データを提供することができる。
【0273】
図9A~9Vの例では、例示的なシステム、方法、及び装置の処理部は、個人の物理的行為を示すデータを受信して、標的識別を実行して指定されたコンピュータ制御調整可能要素(すなわち、指定された顔の表情)を特定するように構成される。例えば、個人は試行又は他のセッションよりも前に、指定された標的オブジェクト906を有する標的オブジェクトの表示に応答してタップする、又は別の物理的指示を行い、非標的オブジェクト908の表示に応答してタップして物理的指示を行うことがないように、表示特徴500を使って指示されることがある。
図9A~
図9Vにおいて、標的識別は、干渉処理マルチタスク実装において、一次ナビゲーション課題に対する干渉(すなわち、二次課題)の役割をする。上述のように、例示的なシステム、方法、及び装置は、処理部に表示特徴(例えば、表示特徴500)を描画させて、期待される実行(すなわち、標的識別課題においてどのオブジェクトへ反応するか、及びナビゲーション課題の実行で何が期待されるか)に関する指示を個人に対して表示させることができる。また上述のように、例示的なシステム、方法、及び装置の処理部は、(i)コンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答の尺度を示すデータが(指定されたコンピュータ制御調整可能要素に対して)収集されるのと略同時に一次課題に対する個人の応答の度合い及び種類の尺度を示すデータを受信する、又は(ii)課題に対する個人の応答の度合い及び種類の尺度を示すデータが収集されるのと略同時に(すなわち、実質的に同時に)標的刺激(すなわち、妨害するもの)としての指定されたコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答の尺度を示すデータを選択的に受信して、課題に対する個人の応答の度合い及び種類の尺度を示すデータが収集されるのと略同時に(すなわち、実質的に同時に)非標的刺激(すなわち、注意を逸らすもの)としての指定されていないコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答の尺度を示すデータを選択的に収集しないように構成できる。
【0274】
図10A~10Z及び11A~11Hは、本明細書の原理による、ユーザインタフェース上で描画することができる、課題及び干渉の運動状態の別の非限定的な例を示す。この例では、課題は視覚的運動ナビゲーション課題であり、干渉は(二次課題としての)標的識別である。
図10A~10Z及び11A~11Hに示されるように、個人は2種類のマイルストーンオブジェクト(1004-1及び1004-2)を含む経路に沿ってアバター車両1002の動きを制御することでナビゲーション課題を実行するように要求される。
図10A~10Z及び11A~11Hは、個人がナビゲーション課題における応答として、装置又は演算デバイス(又は他の検出デバイス)を作動させてアバター車両1002をマイルストーンオブジェクト1004-1と重ならせて(すなわち、経路をマイルストーンオブジェクト1004-2と交差させて)、マイルストーンオブジェクト1004-2を回避させる(すなわち、経路をマイルストーンオブジェクト1004-2と交差させない)ことを期待される、より高い難易度の非限定的な例示的実装を示し、得点は、個人が経路をマイルストーンオブジェクト1004-1と交差させるのに成功すること、及び/又は、経路がマイルストーンオブジェクト1004-2と交差するのを回避するのに成功することに基づく。また、
図10A~10Z及び11A~11Hは、非標的オブジェクト1006及び標的オブジェクト1008の運動状態を示し、時間的に変化する特性はオブジェクトの動きの軌跡であり、オブジェクトは形状及び色の両方が異なる。干渉は、これに限定されないが、タップすること、又は他の指示などにより個人がオブジェクトに対する個人による識別(標的と非標的)を示すことを要求する二次課題である。また、
図10A~10Z及び11A~11Hは、課題及び/又は干渉を実行することにおける個人の成功の度合いに基づくコンピュータ制御調整可能要素の変更の運動状態を示す。
【0275】
図10O~10Qの例では、アバターオブジェクト1007が、(i)一次課題(例えば、視覚的運動課題においてベース車両1002を操ってマイルストーンオブジェクト1004-2と重ねる)における個人の失敗、(ii)二次課題における個人の失敗(例えば、干渉としての標的識別において非標的オブジェクト1006を選択する)、又は(iii)(i)と(ii)の何らかの組み合わせ、に応答してベース車両1002から取り除かれてベース車両1002から離れていくのが示されている。
図11A~11Gの例では、アバターオブジェクト1007がベース車両1002へと伝搬してベース車両1002上に置かれ、(i)一次課題における個人の成功(例えば、視覚的運動課題においてベース車両1002を操ってマイルストーンオブジェクト1004と重ねるのに成功)、(ii)二次課題における個人の成功(例えば、干渉としての標的識別において、標的オブジェクト1008を選択する)、又は(iii)(i)と(ii)の何らかの組み合わせ、に応答して他のアバターオブジェクト1003に再度加わるのが示されている。すなわち、コンピュータ制御調整可能要素は調整/変更されて、課題及び/又は干渉を実行する際に課題及び/又は干渉を実行する特定の段階で(例えば第1時間間隔T-1)で個人の失敗を示すものとしてアバターオブジェクト1007を取り除く。コンピュータ制御調整可能要素は調整/変更されて、課題及び/又は干渉を実行する際に課題及び/又は干渉を実行する別の段階で(例えば第2時間間隔T-2(T-1とは異なる))で個人の成功の度合いを示すものとしてアバターオブジェクト1007を加える。
【0276】
図10V及び11Bの非限定的な例では、標的オブジェクト1008を選択することにおける個人の成功が標的オブジェクト1008の周りの円1010を使って示されている。また、
図10A~11Hの非限定的な例として示されているように、個人は異なる2種類の標的オブジェクト(例えば、第1色の丸いオブジェクトと第2色の直方体状のオブジェクトの両方が標的オブジェクト1008として指定される)を特定して、これらの標的オブジェクトに基づいて選択する行為を行うことを要求されるため、難易度もより高くなる。
【0277】
図10A~11Hの例では、例示的なシステム、方法、及び装置の処理部は、個人の物理的行為を示すデータを受信してアバター車両1002に経路を進ませるように構成される。例えば、個人は、例えば回転方向を変更する、又はそうでなければ演算デバイスを動かすことでアバターを「操る」ために、物理的行為を行うように要求されることがある。そのような行為によって、ジャイロスコープ若しくは加速度計、又は他のモーションセンサデバイス若しくは位置センサデバイスに動作を検出させることで、ナビゲーション課題を行う際の個人の成功の度合いを示す測定データを提供することができる。
【0278】
図10A~11Hの例では、例示的なシステム、方法、及び装置の処理部は、個人の物理的行為を示すデータを受信して、標的識別を実行して指定されたコンピュータ制御調整可能要素(すなわち、指定された顔の表情)を特定するように構成される。例えば、個人は試行又は他のセッションよりも前に、指定された標的オブジェクト1008を有する標的オブジェクトの表示に応答してタップする、又は別の物理的指示を行い、非標的オブジェクト1006の表示に応答してタップして物理的指示を行うことがないように、表示特徴500を使って指示されることがある。
図10A~11Hにおいて、標的識別は、干渉処理マルチタスク実装において、一次ナビゲーション課題に対する干渉(すなわち、二次課題)の役割をする。上述のように、例示的なシステム、方法、及び装置は、処理部に表示特徴(例えば、表示特徴500)を描画させて、期待される実行(すなわち、標的識別課題においてどのオブジェクトへ反応するか、及びナビゲーション課題の実行で何が期待されるか)に関する指示を個人に対して表示させることができる。また上述のように、例示的なシステム、方法、及び装置の処理部は、(i)コンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答の尺度を示すデータが(指定されたコンピュータ制御調整可能要素に対して)収集されるのと略同時に一次課題に対する個人の応答の度合い及び種類の尺度を示すデータを受信する、又は(ii)課題に対する個人の応答の度合い及び種類の尺度を示すデータが収集されるのと略同時に(すなわち、実質的に同時に)標的刺激(すなわち、妨害するもの)としての指定されたコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答の尺度を示すデータを選択的に受信して、課題に対する個人の応答の度合い及び種類の尺度を示すデータが収集されるのと略同時に(すなわち、実質的に同時に)非標的刺激(すなわち、注意を逸らすもの)としての指定されていないコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答の尺度を示すデータを選択的に収集しないように構成できる。
【0279】
図7A~11Hの例は、バンドメンバーがベース車両1002へ加えられる、又は取り除かれる音楽バンドとしてのコンピュータ制御調整可能要素を示しているが、コンピュータ制御調整可能要素は、任意の他の種類の変更可能なオブジェクトとして描画できる。
【0280】
図5A~11Hの例では、例示的なシステム、方法、及び装置は、課題及び/又は干渉(一方又は両方がコンピュータ制御調整可能要素を含む)の提示の少なくとも一部に伴う音声又は音楽を調節するように構成できる。音声又は音楽を調節することには、音声又は音楽の1つ又は複数のパラメータ、例えば、これに限定されないが、音声又は音楽の音量、周波数、ビート、テンポ、音の高さ、メロディ、ハーモニー、リズム、パターン、スペクトル、包絡線、エネルギー、又は倍音を徐々に、又は個別に変更することを含みうる。音声又は音楽は、課題及び/又は干渉に対する個人の成功の度合いに基づき、試行及び/又はセッションでの課題及び/又は干渉の実行の成功の追加の進捗指標として調節することができる。非限定的な例として、音声又は音楽の1つ又は複数のパラメータ、例えば、これに限定されないが、テンポ及び/又は音量は、課題及び/又は干渉に対する応答を提示する際に、成功の度合いが高められた個人に対して聴覚的に示すものとして変更することができる(例えば、高められる、又は増大される)。
【0281】
一例では、課題及び/又は干渉の1つ又は複数の難しさの調整は、音声、音楽、励ましのメッセージのうちの1つ又は複数を調節すること、及び/又は、課題及び/又は干渉の描画に遅延を課すことを含む。
【0282】
様々な例において、個人の意思決定(すなわち、応答を実行するかどうかに関する)に対する信念の蓄積の非線形性の度合いは、課題及び/又は干渉の時間的に変化する特性を調整することに基づいて調節できる。非限定的な例として、時間的に変化する特性がオブジェクト(標的又は非標的)の軌跡、速度、配向、種類及び/又は大きさである場合、(応答を実行するかどうかに関して決定するために)信念を発展させるのに個人が利用可能な情報量は、例えば、オブジェクトがさらに遠くにあるもの又はより小さいものとして描画されることによって識別することがより困難にさせられる場合に、最初はより小さくすることができて、信念を発展させるのにより多くの情報がどれだけ速く個人に利用可能とされるかに応じて(例えば、オブジェクトがより大きくなるように見える、配向を変える、より遅く動く、又は環境内でより近づくように描画されるときに)、異なる速度で(非線形的に)増加させることができる。信念の蓄積の非線形性の度合いを調節するように調整できる課題及び/又は干渉の他の非限定的で例示的な時間的に変化する特性は、顔の表情の変化率、オブジェクトの1つ以上の色、オブジェクトの種類(1つ又は2つ以上の異なる種類の標的オブジェクトがあるかどうかを含む)、第1種類のオブジェクトが第2種類のオブジェクトへ変化するモーフィング速度、及び、コンピュータ制御調整可能要素のブレンドシェイプ、のうちの1つ又は複数を含む。
【0283】
課題に対する個人の応答及び1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答を示すデータは、個人の認知能力の1つ以上の数量的指標を含む1つ以上の成績指標を生成するのに使用される。非限定的な例では、成績指標は、計算された干渉コストを含むことができる。
【0284】
後続のセッションの難易度(課題及び/又は干渉の、並びにコンピュータ制御調整可能要素の難しさを含む)は、以前のセッションからの個人の成績に対して生成された成績指標に基づいて設定することができて、最適化して個人の成績指標を変更する(例えば、干渉コストを下げる、又は最適化する)ことができる。
【0285】
非限定的な例では、課題及び/又は干渉の難しさは、コンピュータ制御調整可能要素として提示されるそれぞれの異なる刺激とともに適合させることができる。
【0286】
別の非限定的な例では、本明細書で説明される例示的なシステム、方法、及び装置は、これに限定されないが、毎秒、10秒間隔、30秒毎、又は1秒に1回、1秒に2回、若しくはそれ以上(これに限定されないが、1秒に30回など)の頻度などの、固定された時間間隔又は他の設定されたスケジュールで1回又は複数回、課題及び/又は干渉(コンピュータ制御調整可能要素を含む)の難易度を適合させるように構成できる。
【0287】
一例では、課題又は干渉の難易度は、これに限定されないが、オブジェクトの速度、顔の表情の変化率、オブジェクトの軌跡の方向、オブジェクトの配向の変化、オブジェクトの1つ以上の色、オブジェクトの種類、若しくはオブジェクトの大きさなどの時間的に変化する特性を変更する、又は標的刺激と非標的刺激を提示する順序又はバランスを変更することで適合させることができる。
【0288】
視覚的運動課題(ナビゲーション課題の一種類)の非限定的な例では、ナビゲーション速度、進路の形状(ターンの変化する頻度、変化する回転半径)、並びに障害の数又は大きさのうちの1つ又は複数を変更してナビゲーションゲームレベルの難しさを変更することができて、難易度は速度の増加及び/又は障害(マイルストーンオブジェクト(例えば、回避すべきいくつかのマイルストーンオブジェクト、又は交差する/重なるべきいくつかのマイルストーンオブジェクト)の種類を含む)の数及び/又は大きさの増加とともに高くなる。
【0289】
また、非限定的な例では、後続のレベルの課題及び/又は干渉の難易度も、リアルタイムでフィードバックとして変更することができて、例えば、後続のレベルの難しさは、課題の成績を示すデータに関連して増加又は減少させることができる。
【0290】
図12Aは、1つ又は複数のプロセッサ、例えば1つ以上の処理部を備えるプラットフォーム製品を使って実装できる、非限定的な例示的な方法のフローチャートを示す。ブロック8102において、1つ以上の処理部はユーザインタフェースを生成し、ユーザインタフェースを介して干渉を伴う課題の第1インスタンスをユーザインタフェース上に提示するように構成され、第1干渉の存在下で第1課題の第1インスタンスに対する個人からの第1応答を要求する。ブロック8104において、1つ以上の処理部は1つ以上のユーザインタフェースを生成して課題の第1インスタンスを描画し、第1干渉がない場合の第1課題の第1インスタンスに対する個人からの第2応答を要求する。例えば、1つ以上の処理部は1つ以上のグラフィカルユーザインタフェースを生成して、コンピュータ制御の刺激又はインタラクション(CSI)、又は他のインタラクティブ要素をユーザへ提示する、又はプラットフォーム製品の作動部品に(CSIを含む)コンピュータ制御の聴覚要素、触覚要素、又は振動要素を生じさせて、刺激又はユーザとの他のインタラクションを生じさせる。第1課題の第1インスタンス及び/又は第1干渉は、1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素を含みうる。処理部は、1つ以上のコンピュータ制御調整可能要素に対する個人の応答を示すデータを測定するように構成される(このデータは個人の認知能力の1つ以上の尺度を含む)。装置は、第1課題の第1インスタンスに対する個人からの第1応答及び(二次課題としての)第1干渉に対する個人からの応答を略同時に測定するように構成される。ブロック8106において、1つ以上の処理部は、プログラム製品の構成要素に第1応答及び第2応答を示すデータを受信させる。例えば、1つ以上の処理部は、プログラム製品の構成要素にCSI又は他のインタラクティブ要素を用いたユーザのインタラクションに基づく1つ以上のユーザ応答を示すデータ(これに限定されないがcDataなど)を受信させる。一例では、1つ以上のグラフィカルユーザインタフェースがユーザへコンピュータ制御の刺激又はインタラクション(CSI)、又は他のインタラクティブ要素を提示するために生成される場合、1つ以上の処理部はグラフィカルユーザインタフェースに1つ以上のユーザ応答(第1応答及び第2応答を含む)を示すデータを受信させるようにプログラムすることができる。ブロック8108において、1つ以上の処理部は、プログラム製品の構成要素に第1応答及び第2応答を示すデータを分析させて、個人の認知能力の1つ以上の数量的指標を含む1つ以上の成績指標を計算する。例えば、1つ以上の処理部は、ユーザの応答(第1応答及び第2応答を含む)の間の差異の判定に基づいて個人の成績の間の差異を分析する、及び/若しくは分析で判定された個人の成績に基づいてコンピュータ制御の刺激又はインタラクション(CSI)又は他のインタラクティブ要素の難易度を調整する、並びに/又は、個人の成績、並びに/又は認知評価、及び/若しくは認知治療に対する応答を示す、プラットフォーム製品からの出力又は他のフィードバックを提供するように使用することもできる。一部の例では、分析結果をコンピュータ制御の刺激又はインタラクション(CSI)又は他のインタラクティブ要素の難易度又は他の特性を変更するのに使用できる。
【0291】
図12Bは、1つ又は複数のプロセッサ、例えば1つ以上の処理部を備えるプラットフォーム製品を使って実装できる、非限定的な例示的な方法のフローチャートを示す。ブロック8142において、1つ以上の処理部はユーザインタフェースを介して干渉を伴う課題の第1インスタンスをユーザインタフェース上に提示するように構成され、干渉の存在下で課題の第1インスタンスに対する個人からの第1応答を要求する。ブロック8144において、1つ以上の処理部はユーザインタフェースを介して課題の第1インスタンスを提示するように構成され、干渉がない場合の課題の第1インスタンスに対する個人からの第2応答を要求し、課題の第1インスタンス及び干渉の少なくとも1つは、課題又は干渉の少なくとも1つの実行の成功の度合いを示すものとしてリアルタイムで調整されるコンピュータ制御調整可能要素を含む。ブロック8146において、1つ以上の処理部はプログラム製品の構成要素に課題の第1インスタンスに対する個人からの第1応答及び干渉に対する個人からの応答を略同時に測定させるように構成される。ブロック8148において、1つ以上の処理部はプログラム製品の構成要素に第1応答及び第2応答を示すデータを受信させるように構成される。例えば、1つ以上の処理部はプログラム製品の構成要素にCSI又は他のインタラクティブ要素を用いたユーザのインタラクションに基づく1つ以上のユーザ応答を示すデータ(これに限定されないがcDataなど)を受信させる。一例では、1つ以上のグラフィカルユーザインタフェースがユーザへコンピュータ制御の刺激又はインタラクション(CSI)、又は他のインタラクティブ要素を提示するために生成される場合、1つ以上の処理部はグラフィカルユーザインタフェースに1つ以上のユーザ応答(第1応答及び第2応答を含む)を示すデータを受信させるようにプログラムすることができる。ブロック8150において、1つ以上の処理部は、プログラム製品の構成要素に第1応答及び第2応答を示すデータを分析させて、個人の認知能力の1つ以上の数量的指標を含む1つ以上の成績指標を生成するように構成される。例えば、1つ以上の処理部は、ユーザの応答(第1応答及び第2応答を含む)の間の差異の判定に基づいて個人の成績の間の差異を分析する、及び/若しくは分析で判定された個人の成績に基づいてコンピュータ制御の刺激又はインタラクション(CSI)又は他のインタラクティブ要素の難易度を調整する、並びに/又は、個人の成績、並びに/又は認知評価、及び/若しくは認知治療に対する応答を示す、プラットフォーム製品からの出力又は他のフィードバックを提供するように使用することもできる。一部の例では、分析結果をコンピュータ制御の刺激又はインタラクション(CSI)又は他のインタラクティブ要素の難易度又は他の特性を変更するのに使用できる。
【0292】
図12Cは、1つ又は複数のプロセッサ、例えば1つ以上の処理部を備えるプラットフォーム製品を使って実装できる、非限定的な例示的な方法のフローチャートを示す。ブロック8162において、1つ以上の処理部はユーザインタフェースを介して干渉を伴う課題の第1インスタンスをユーザインタフェース上に提示するように構成され、干渉の存在下で課題の第1インスタンスに対する個人からの第1応答を要求する。ブロック8164において、1つ以上の処理部はユーザインタフェースを介して課題の第1インスタンスを提示するように構成され、干渉がない場合の課題の第1インスタンスに対する個人からの第2応答を要求し、課題の第1インスタンス及び干渉の少なくとも1つは、課題又は干渉の少なくとも1つの実行の成功の度合いを示すものとしてリアルタイムで調整されるコンピュータ制御調整可能要素を含む。ブロック8166において、1つ以上の処理部はプログラム製品の構成要素に課題の第1インスタンスに対する個人からの第1応答及び干渉に対する個人からの応答を略同時に測定させるように構成される。ブロック8168において、1つ以上の処理部はプログラム製品の構成要素に第1応答及び第2応答を示すデータを受信させるように構成される。例えば、1つ以上の処理部はプログラム製品の構成要素にCSI又は他のインタラクティブ要素を用いたユーザのインタラクションに基づく1つ以上のユーザ応答を示すデータ(これに限定されないがcDataなど)を受信させる。一例では、1つ以上のグラフィカルユーザインタフェースがユーザへコンピュータ制御の刺激又はインタラクション(CSI)、又は他のインタラクティブ要素を提示するために生成される場合、1つ以上の処理部はグラフィカルユーザインタフェースに1つ以上のユーザ応答(第1応答及び第2応答を含む)を示すデータを受信させるようにプログラムすることができる。ブロック8170において、1つ以上の処理部は、プログラム製品の構成要素に第1応答及び第2応答を示すデータを分析させて、個人の認知能力の1つ以上の数量的指標を含む1つ以上の成績指標を計算する。ブロック8172において、1つ以上の処理部は、ユーザインタフェースが課題の第2インスタンス又は干渉の少なくとも1つを第2難易度で提示するように、課題及び干渉のうちの1つ又は複数の難しさを1つ以上の第1成績指標に基づいて調整するように構成される。1つ以上の処理部は、プログラム製品の構成要素に干渉を伴う課題及び干渉がない場合の課題の第2インスタンスを反復的に提示させて、干渉を伴う課題の第2インスタンスに対する第1応答及び干渉がない場合の課題の第2インスタンスに対する第2応答を測定させるように構成できる。ブロック8174において、1つ以上の処理部は、個人の認知能力を表す第2成績指標を、課題の第2インスタンスに対する第1応答及び第2応答を示すデータに少なくとも部分的に基づいて生成するように構成される。一例では、1つ以上の処理部は、ユーザの応答(第1応答及び第2応答を含む)の間の差異の判定に基づいて個人の成績の間の差異を分析する、及び/若しくは分析で判定された個人の成績に基づいてコンピュータ制御の刺激又はインタラクション(CSI)又は他のインタラクティブ要素の難易度を調整する、並びに/又は、個人の成績、並びに/又は認知評価、及び/若しくは認知治療に対する応答を示す、プラットフォーム製品からの出力又は他のフィードバックを提供するように使用することができる。一部の例では、分析結果をコンピュータ制御の刺激又はインタラクション(CSI)又は他のインタラクティブ要素の難易度又は他の特性を変更するのに使用できる。
【0293】
図13は、本明細書の原理による演算コンポーネントとして使用できる例示的な演算デバイス9110のブロック図である。本明細書のいずれの例においても、演算デバイス9110は、ユーザ入力を受信して、コンピュータ実装の適応的応答期限手順において信号検出指標を適用することを含む、演算コンポーネントを実現するコンソールとして構成できる。また、明確にするため、
図13では、
図1の例示的なシステム及び
図2の例示的な演算デバイスの様々な要素を再び参照し、それらの要素に関するさらなる詳細を示す。演算デバイス9110は、例を実現するための1つ若しくは複数のコンピュータ実行可能命令又はソフトウェアを記憶するための1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体を備えることができる。非一時的コンピュータ可読媒体は、これに限定されないが、1種類又は複数種類のハードウェア記憶装置、非一時的有形媒体(例えば、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、1つ又は複数の光ディスク、1つ又は複数のフラッシュドライブ)、及び同種のものを含むことができる。例えば、演算デバイス9110に含まれるメモリ102は、本明細書で開示されている作業を実行するためのコンピュータ可読かつコンピュータ実行可能な命令又はソフトウェアを記憶できる。例えば、メモリ102は、開示されている作業のうちの様々な作業を実行する(例えば、認知プラットフォーム測定データ及び応答データ(コンピュータ制御調整可能要素に対する応答を含む)を分析する、成績指標(干渉コストを含む)を計算する、又は本明細書で説明される他の計算を行う)ように構成されるソフトウェアアプリケーション9140を記憶することができる。また、演算デバイス9110は、メモリ102に記憶されているコンピュータ可読かつコンピュータ実行可能な命令又はソフトウェア並びにシステムハードウェアを制御するための他のプログラムを実行するために、構成可能及び/又はプログラム可能な処理部104及び関連するコア9114も備え、任意選択で、1つ又は複数の追加の構成可能及び/又はプログラム可能な処理装置、例えば、プロセッサ9112’及び関連するコア9114’(例えば、多数のプロセッサ/コアを有する演算デバイスの場合)を備える。プロセッサ104及びプロセッサ9112’は、それぞれ、シングルコアのプロセッサ又はマルチコア(9114及び9114’)のプロセッサとすることができる。
【0294】
演算デバイスデバイス9110では仮想化を使用可能であり、その結果、コンソール内のインフラストラクチャ及びリソースを動的に共有することができる。仮想マシン9124は、多数のプロセッサ上で動作するプロセスを扱うために提供可能であり、その結果、プロセスが多数の演算リソースではなくただ1つの演算リソースを使っているように見える。また、1つのプロセッサで多数の仮想マシンを使用することもできる。
【0295】
メモリ102には、DRAM、SRAM、EDO RAM、及び同種のものなどの演算デバイスメモリ又はランダムアクセスメモリを含むことができる。メモリ102には、他の種類のメモリも同様に含むことができて、又はその組合せも含むことができる。
【0296】
ユーザは、例示的なシステム及び方法に従って提供されうる1つ又は複数のユーザインタフェース(UI)9130を表示可能な、コンピュータモニタなどの視覚的表示部9128を通じて演算デバイス9110とインタラクションを行うことができる。演算デバイス9110は、ユーザから入力を受け取るための他のI/Oデバイス、例えば、キーボード若しくは適切なマルチポイントタッチインタフェース9118、又はポインティングデバイス9120(例えば、マウス)を備えることができる。キーボード9118及びポインティングデバイス9120は、視覚的表示部9128に結合することができる。演算デバイス9110は、他の適切な従来のI/O周辺機器を備えることができる。
【0297】
また、演算デバイス9110は、データと、本明細書で開示されている作業を行うコンピュータ可読命令及び/又はソフトウェアを記憶するために、ハードドライブ、CD-ROM、又は他のコンピュータ可読媒体などの1つ又は複数の記憶装置9134も備えることができる。例示的な記憶装置9134は、例示的なシステム及び及び方法を実現するために必要な任意の適切な情報を記憶するための1つ又は複数のデータベースも記憶することができる。データベースは任意の適切な時刻に手動で、又は自動的に更新されて、1つ又は複数の項目をデータベースに追加、削除、及び/又は更新することができる。
【0298】
演算デバイス9110は、これに限定されないが、、標準電話回線、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくは広域ネットワーク(WAN)リンク(例えば、802.11、T1、T3、56kb、X.25)、ブロードバンド接続(例えば、ISDN、フレームリレー、ATM)、ワイヤレス接続、コントローラエリアネットワーク(CAN)、又は上記のいずれか、若しくはすべての何らかの組合せを含む様々な接続を通じて1つ又は複数のネットワーク、例えば、LAN、WAN、又はインターネットと、1つ又は複数のネットワークデバイス9132を介してインタフェースするように構成されるネットワークインタフェース9122を備えることができる。ネットワークインタフェース9122は、内蔵ネットワークアダプタ、ネットワークインタフェースカード、PCMCIAネットワークカード、カードバスネットワークアダプタ、ワイヤレスネットワークアダプタ、USBネットワークアダプタ、モデム、又は演算デバイス9110を通信が可能な任意の種類のネットワークにインタフェースして本明細書で説明されている作業を行うのに適した任意の他のデバイスを備えることができる。さらに、演算デバイス9110は、ワークステーション、デスクトップコンピュータ、サーバ、ノートパソコン、ハンドヘルドコンピュータ、タブレットコンピュータ、又は通信が可能で、本明細書で説明されている作業を行うのに充分なプロセッサ能力及びメモリ容量を有する他の形態の演算デバイス若しくは通信機器などの、任意の演算デバイスとすることができる。
【0299】
演算デバイス9110は、Microsoft(登録商標)Windows(登録商標)オペレーティングシステムの任意のバージョン、Unix及びLinuxオペレーティングシステムの様々なリリース、Macintoshコンピュータ用のMacOS(登録商標)の任意のバージョン、任意の組み込みオペレーティングシステム、任意のリアルタイムオペレーティングシステム、任意のオープンソースオペレーティングシステム、任意の独自オペレーティングシステム、又はコンソール上で動作可能で、本明細書で説明されている作業を行うことができる任意の他のオペレーティングシステムなどの、任意のオペレーティングシステム9126を実行することができる。一部の例では、オペレーティングシステム9126は、ネイティブモード又はエミュレートされたモードで実行することができる。一例では、オペレーティングシステム9126は、1つ又は複数のクラウドマシンインスタンス上で実行することができる。
【0300】
本明細書で説明されるシステム、方法、及び作業の例は、デジタル電子回路で、又は本明細書及びその構造的等価物において開示されている構造を含む、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェアで、又はそれらのうちの1つ又は複数の組合せで実現することができる。本明細書で説明されるシステム、方法、及び作業の例は、1つ又は複数のコンピュータプログラム、すなわち、データ処理装置によって実行される、又はデータ処理装置の作業を制御するためにコンピュータ記憶媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つ又は複数のモジュールとして実現することができる。プログラム命令は、データ処理装置による実行のため適切な受信機装置へ送信される情報が符号化されるように生成される、人工的に作成された伝搬信号、例えば、機械で生成された電気、光、又は電磁信号上で符号化することができる。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読記憶装置、コンピュータ可読記憶基板、ランダムアクセス又はシリアルアクセスのメモリアレイ若しくはデバイス、又はそれらのうちの1つ又は複数の組合せとするか、又はこれらを含めることができる。さらに、コンピュータ記憶媒体は伝搬信号ではないが、コンピュータ記憶媒体は、人工的に作成された伝搬信号内に符号化されたコンピュータプログラム命令の送信元又は送信先とすることができる。また、コンピュータ記憶媒体は、1つ又は複数の別々の物理的構成要素又は媒体(例えば、多数のCD、ディスク、又は他の記憶装置)とするか、又はこれらを含めることができる。
【0301】
本明細書において説明されている作業は、1つ又は複数のコンピュータ可読記憶装置上に記憶された、又は他のソースから受信されたデータに対してデータ処理装置により行われる作業として実現することができる。
【0302】
「データ処理装置」又は「演算デバイス」という用語は、例えばプログラム可能プロセッサ、コンピュータ、システムオンチップ、又は前述のものを多数若しくはそれらの組合せを含む、データを処理するためのあらゆる種類の装置、デバイス、及びマシンを包含する。装置は、専用論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、又はASIC(特定用途向け集積回路)を含むことができる。また、装置は、ハードウェアに加えて、注目しているコンピュータプログラム用の実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、クロスプラットフォームランタイム環境、仮想マシン、又はこれらのうちの1つ又は複数のものの組合せを構成するコードも含むことができる。
【0303】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、アプリケーション、又はコードとしても知られる)は、コンパイラ型言語又はインタプリタ型言語や宣言型言語又は手続き型言語を含む、任意の形態のプログラミング言語で書くことができて、スタンドアロンプログラムとしての形態、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン、オブジェクト、若しくはコンピューティング環境において使用するのに適した他のユニットとしての形態を含む、任意の形態でデプロイすることができる。コンピュータプログラムは、ファイルシステム内のファイルに対応していてもよいが、そうである必要はない。プログラムは、他のプログラム又はデータ(例えば、マークアップ言語のドキュメントに記憶される1つ又は複数のスクリプト)を保持するファイルの一部に、注目するプログラム専用の単一ファイルに、又は複数の協調型ファイル(例えば、1つ若しくは複数のモジュール、副プログラム、又はコードの一部を記憶するファイル)に記憶することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、又は1つのサイトに配置された、又は複数のサイトにまたがって分散されて通信ネットワークにより相互接続されている多数のコンピュータ上で実行されるようにデプロイすることができる。
【0304】
本明細書で説明されるプロセス及び論理の流れは、入力データを操作し、出力を生成することによって行為を行うように1つ又は複数のプログラム可能なプロセッサによって1つ又は複数のコンピュータプログラムを実行することで、実行することができる。これらのプロセス及び論理の流れは、専用論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、又はASIC(特定用途向け集積回路)により実行することができて、また装置は、FPGA、又はASICとして実現することもできる。
【0305】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例えば、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサ、並びに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ又は複数のプロセッサを含む。概して、プロセッサはリードオンリーメモリ若しくはランダムアクセスメモリ、又はその両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの必須の要素は、命令に従って行為を実行するためのプロセッサと、命令及びデータを記憶するための1つ又は複数のメモリデバイスである。概して、コンピュータは、データを記憶するための、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、又は光ディスクである1つ又は複数の大容量記憶装置も備える、又は、これらからデータを受信するかこれらにデータを転送する、若しくはその両方を行うように動作可能に結合される。しかし、コンピュータはそのようなデバイスを有している必要はない。さらに、コンピュータは別のデバイス、例えば、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、携帯オーディオプレーヤー若しくはビデオプレーヤー、ゲーム機、全地球測位システム(GPS)受信機、又は携帯型記憶装置(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ)に組み込むことができる。コンピュータプログラムの命令及びデータを記憶するのに適したデバイスには、例として、例えばEPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイス、磁気ディスクである半導体メモリデバイス、例えば内蔵ハードディスク又はリムーバブルディスクである磁気ディスク、光磁気ディスク、並びにCD-ROMディスク及びDVD-ROMディスクを含む、あらゆる形態の不揮発性メモリ、媒体、及びメモリデバイスを含む。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補助される、又は専用論理回路に組み込むことができる。
【0306】
ユーザにインタラクションを提供するために、本明細書で説明される主題の実施形態は、ユーザに情報を表示するための表示デバイス、並びにユーザがコンピュータへ入力を与えるのに使用されるキーボード及びポインティングデバイス、例えばマウス、スタイラス、タッチパネル、又はトラックボールを有するコンピュータ上で実現することができる。他の種類のデバイスも、同様にユーザにインタラクションを提供するのに使用することができる。例えば、ユーザへ提供されるフィードバック(すなわち、出力)は、任意の形態の感覚フィードバック、例えば視覚的フィードバック、聴覚的フィードバック、又は触覚フィードバックとすることができて、ユーザからの入力は、音響、音声、又は触覚入力を含む、任意の形態で受信することができる。加えて、コンピュータはドキュメントをユーザにより使用されるデバイスへ送信し、そのデバイスからドキュメントを受信することによって、例えばユーザのクライアントデバイス上のウェブブラウザから受け取った要求に応答してウェブページをウェブブラウザへ送信することによって、ユーザとインタラクションを行うことができる。
【0307】
一部の例では、本明細書のシステム、方法、又は作業は、バックエンドコンポーネントを例えばデータサーバとして備える、若しくはミドルウェアコンポーネント、例えばアプリケーションサーバを備える、又はフロントエンドコンポーネント、例えばユーザが本明細書で説明される主題の実装とインタラクションを行うことを可能とするグラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを有するクライアントコンピュータを備えるコンピュータシステムで実現する、又は、1つ又は複数のそのようなバックエンドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネント、又はフロントエンドコンポーネントの任意の組合せで実現することができる。システムの構成要素は、デジタルデータ通信の任意の形態又は媒体、例えば通信ネットワークによって相互接続することができる。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)及び広域ネットワーク(「WAN」)、インターネットワーク(例えば、インターネット)、並びにピアツーピアネットワーク(例えば、アドホックピアツーピアネットワーク)が挙げられる。
【0308】
例示的なコンピュータシステム400は、クライアント及びサーバを含むことができる。クライアント及びサーバは、概して互いから離れており、典型的には、通信ネットワークを通じてインタラクションを行う。クライアントとサーバの関係は、コンピュータプログラムが各コンピュータ上で動作し、互いに対してクライアント-サーバの関係を有することによって発生する。一部の実施形態では、サーバはクライアントデバイスへ(例えば、クライアントデバイスとインタラクションを行うユーザへデータを表示し、ユーザからのユーザ入力を受信する目的で)データを送信する。クライアントデバイスで生成されるデータ(例えば、ユーザのインタラクションの結果)は、サーバにおいてクライアントデバイスから受信されうる。
【0309】
結論
上記の実施形態は、多くの方法のいずれかで実現することができる。例えば、一部の実施形態はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせを使って実現することができる。一実施形態の任意の態様が少なくとも部分的にソフトウェアで実装される場合、ソフトウェアコードを、単一のコンピュータに与えられているか、多数のコンピュータに分散されているかに関わらず、適切なプロセッサ又はプロセッサ群で実行することができる。
【0310】
この点で、本発明の様々な態様は少なくとも部分的にコンピュータ可読媒体(又は多数のコンピュータ可読記憶媒体)(例えば、コンピュータメモリ、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイ若しくは他の半導体デバイスの回路構成、又は他の有形コンピュータ記憶媒体若しくは非一時的媒体)として、1つ又は複数のコンピュータ又は他のプロセッサ上で実行された場合に上述した技術の様々な実施形態を実現する方法を実行する1つ又は複数のプログラムを用いて符号化されて実現することができる。コンピュータ可読媒体は運搬可能でありえて、そこに記憶される1つ又は複数のプログラムを1つ又は複数の異なるコンピュータ又は他のプロセッサへロードして、上述した現行の技術の様々な態様を具体化することができる。
【0311】
本明細書では、「プログラム」又は「ソフトウェア」という用語は一般的な意味で使用されており、コンピュータ又は他のプロセッサをプログラムするのに用いることで上述した現行技術の様々な態様を実現することができる任意の種類のコンピュータコード又はコンピュータ実行可能命令のセットを指す。加えて、本実施形態の一態様によれば、実行された場合に現行技術の方法を実行する1つ又は複数のコンピュータプログラムは単一のコンピュータ又はプロセッサ上に存在する必要はなく、多数の異なるコンピュータ又はプロセッサにモジュール形式で分散されて現行技術の様々な態様を実現することができることを理解されたい。
【0312】
コンピュータ実行可能命令は、1つ又は複数のコンピュータ又は他のデバイスにより実行される、プログラムモジュールなどの多くの形態であってよい。概して、プログラムモジュールは、特定の課題を実行する、又は特定の抽象データ型を実現するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。典型的には、プログラムモジュールの機能性は、様々な実施形態で望まれるように組み合わせる、又は分散することができる。
【0313】
また、本明細書で説明される技術は、その1つ以上の例が提供されてきた方法として具体化することができる。方法の一部として行われる行為は、任意の適切な方法で順序付けすることができる。したがって、実施形態において、例示の実施形態では連続する行為として示されていたとしても、示されたものと異なる順番で行為を行われるように構築することができて、その中にはいくつかの行為を同時に実行することも含みうる。
【0314】
本明細書で規定され、使用されるすべての定義は、辞書の定義、参照により援用される文献における定義、及び/又は規定される用語の通常の意味を超えて支配されると理解されたい。
【0315】
不定冠詞の「a」と「an」は、本明細書及び請求項で使用される場合、そうではないことが明確に示されていない限りは、「1つ以上の」を意味すると理解されたい。
【0316】
「及び/又は」という表現は、本明細書及び請求項で使用される場合、等位結合された要素の「一方又は両方」、すなわち、いくつかの場合には結合的に存在し、他の場合には選言的に存在する要素を意味すると理解されたい。「及び/又は」を用いて列挙された多数の要素は同じように、すなわち、要素の「1つ又は複数」が等位結合されていると解釈されるべきである。「及び/又は」の条項で具体的に特定された要素以外の他の要素が、具体的に特定されたそれらの要素と関連するか関連しないかに関わらず、任意選択で存在することがある。それゆえ、非限定的な例として、「A及び/又はB」への言及が「を備える(comprising)」(又は「を含む」)などのオープンエンドの用語が併用された場合、一実施形態ではAのみを指し(任意選択でB以外の要素を含む)、別の実施形態ではBのみを指し(任意選択でA以外の要素を含む)、さらに別の実施形態ではAとBの両方を指す(任意選択で他の要素を含む)、などとすることができる。
【0317】
本明細書及び請求項で使用される場合、「又は(or)」は、上で定義された「及び/又は」と同じ意味を持つと理解されたい。例えば、リスト形式で項目を分離する場合、「又は」又は「及び/又は」は両立的である、すなわち、1つ以上を包含するが多数の要素又は要素の一覧を2つ以上と、任意選択でさらなるリストされていない項目を含む、と解釈されるべきある。「のうち1つだけ」若しくは「のうち厳密に1つ」、又は請求項で使用される場合の「から成る(consisting of)」などの、そうではないことが明確に示されている表現のみが、多数の要素又は要素の一覧のうち厳密に1つを包含することを指す。一般的に、本明細書で使用される場合に「又は」という表現は、「どちらか(either)」、「のうち1つ」、「のうち1つだけ」、「のうち厳密に1つ」などの排他的な表現の後に置かれた場合、排他的な選択肢(すなわち、「一方又は他方であり、両方ではない」)を示しているという解釈のみがされるべきである。「から本質的に成る(Consisting essentially of)」は、請求項で使用される場合、特許法の分野で使用される通常の意味を有するものとする。
【0318】
本明細書及び請求項で使用される場合、1つ又は複数の要素のリストへ言及する際の「1つ以上の(at least one)」(又は、「少なくとも1つ」)という表現は、要素のリスト内の任意の1つ又は複数の要素から選択される1つ以上の要素を意味し、必ずしも要素のリスト内に具体的に挙げられたあらゆる要素を1つ以上含んではおらず、要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを除外していない、と理解されたい。また、この定義によって、「1つ以上の」という表現が指している要素のリスト内で具体的に特定された要素以外の要素が、それらの具体的に特定された要素に関連するか関連しないかに関わらず、任意選択で存在することが可能となる。それゆえ、非限定的な例として、「A及びBの少なくとも1つ」(又は同等であるが、「A又はBの少なくとも1つ」、若しくは同等であるが「A及び/又はBの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、少なくとも1つのAがあって任意選択で2つ以上のAを含み、Bが存在しない(及び、任意選択で、B以外の要素を含む)、別の実施形態では、少なくとも1つのBがあって任意選択で2つ以上のBを含み、Aが存在しない(及び、任意選択で、A以外の要素を含む)、さらに別の実施形態では、少なくとも1つのAがあって任意選択で2つ以上のAを含み、少なくとも1つのBがあって任意選択で2つ以上のBを含む(及び、任意選択で、他の要素を含む)、などを指すとすることができる。
【0319】
請求項において、上記の明細書と同様に、「を備える」、「を含む(including)」、「を搭載する(carrying)」、「有する(having)」、「を包含する(containing)」、「を伴う(involving)」、「保持する(holding)」、「から構成される(composed of)」、及び同種のものなどのすべての移行句は、オープンエンドである、すなわち、含むが限定されない、ということを意味すると理解されるべきである。移行句、「から成る(consisting of)」及び「から本質的に成る(Consisting essentially of)」のみが、米国特許商標庁米国特許審査基準のSection 21 11.03に記載されるように、それぞれクローズドエンドの移行句、又はセミクローズドエンドの移行句とされるべきである。