(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】ペンニードル組立体器具
(51)【国際特許分類】
A61M 5/34 20060101AFI20230421BHJP
【FI】
A61M5/34
(21)【出願番号】P 2020535992
(86)(22)【出願日】2018-12-19
(86)【国際出願番号】 US2018066533
(87)【国際公開番号】W WO2019133390
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】201721885567.7
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201711456020.X
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522179943
【氏名又は名称】エンベクタ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シー ゾン
(72)【発明者】
【氏名】ホワション ホアン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ フー
(72)【発明者】
【氏名】ジュンユー ジョウ
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/136193(WO,A1)
【文献】特開2007-014615(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0269227(US,A1)
【文献】特開2003-000658(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペンニードル組立体器具であって
、
内部空洞、上端及び下端を有するハウジング、及び、ペンニードルを受けるように構成された複数のウェルを有する支持体と、
前記ハウジングに結合され、前記ペンニードルの少なくとも1つにアクセスするための開口を有するカバーと、
前記ペンニードルがペンニードルをアクセスするための位置に連続して割出しされる位置に、前記支持体を移動するために接続されたアクチュエータ
と
を含
み、前記支持体が、前記ペンニードルの使用後に、前記ウェル内の使用済みペンニードルを受容するように構成され、前記器具が、前記カバー内の前記開口に近接してイジェクターを含み、前記支持体の回転が、使用済みペンニードルを第2の開口を通してウェルから排出する、ペンニードル組立体器具。
【請求項2】
前記支持体が、前記ハウジング内で回転可能であり、前記アクチュエータが前記支持体に接続され、前記支持体を前記位置に回転して前記ペンニードルのそれぞれに前記カバー内の前記開口を通してアクセスする、請求項1に記載のペンニードル組立体器具。
【請求項3】
前記アクチュエータが直線方向に移動可能であり、前記アクチュエータが前記支持体に操作可能に接続されたカム表面を有し、これによって前記アクチュエータの直線移動が前記支持体を回転する、請求項2に記載のペンニードル組立体器具。
【請求項4】
前記支持体が、第1の方向に前記支持体を回転させ、第2の方向に前記支持体の回転を制限するラチェットを含む、請求項1に記載のペンニードル組立体器具。
【請求項5】
前記イジェクターは、前記支持体の回転によってウェル内の使用済みペンニードルに接触し、ハウジング内の区画に排出されたペンニードルを移動する、スプリングで偏向されたアームを含む、請求項
1に記載のペンニードル組立体器具。
【請求項6】
前記カバーは、排出されたペンニードルを前記ウェルから前記区画に方向付けるための、前記イジェクターに対して配向され、前記区画と連通した第2の開口を有する、請求項
5に記載のペンニードル組立体器具。
【請求項7】
前記支持体は、前記スプリングで偏向されたアームとかみ合い、前記スプリングで偏向されたアームを押し、かつ、使用済みペンニードルの遠位端をたたくように前記スプリングで偏向されたアームを解放してそれぞれのウェルから使用済みペンニードルを排出するように構成された複数の歯状体を有する、請求項
6に記載のペンニードル組立体器具。
【請求項8】
前記支持体は、前記スプリングで偏向されたアームに接触し、負荷のかかった位置に前記スプリングで偏向されたアームを移動し、かつ使用済みペンニードルをたたくように前記スプリングで偏向されたアームを解放するように構成された、複数の歯状体を含む、請求項
7に記載のペンニードル組立体器具。
【請求項9】
前記ペンニードルの内側シールドを受容するためのトレーを更に含み、前記トレーは内側シールドをつかみ、トレー内に内側シールドを方向付けるための抜き取り機を有する、請求項1に記載のペンニードル組立体器具。
【請求項10】
ペンニードル組立体器具であって、
上端を有するハウジングと、
前記ハウジングに配置された回転可能な支持体であって、前記支持体がペンニードルを受容するための寸法を有する複数のウェルを有する回転可能な支持体と、
ペンニードルにアクセスするための少なくとも1つの開口を有する前記ハウジングの前記上端に結合されたカバーであって、前記支持体が、前記カバー内の前記開口を通して前記ペンニードルにアクセスするための位置に、前記ペンニードルの各々を連続して割出すように回転され、前記ウェルが使用後に使用済みペンニードルを受容することができるカバーと、
イジェクターであって、前記イジェクター及びハウジングに対して前記支持体を回転することにより、それぞれのウェルから前記ハウジングの区画に使用済みペンニードルを排出するためのイジェクターと
を含む、ペンニードル組立体器具。
【請求項11】
前記イジェクターは、前記ハウジングに対して前記支持体を回転することによって、ウェルに受容された使用済みペンニードルと接触する、請求項
10に記載のペンニードル組立体器具。
【請求項12】
前記支持体内の前記ウェルのそれぞれは、ペンニードルを受容するように構成された開口上端と、開口下端を有し、前記ペンニードルの遠位端が前記開口下端から突出して前記イジェクターに接触する、請求項
11に記載のペンニードル組立体器具。
【請求項13】
前記イジェクターは、支持体の回転によってそれぞれのウェルに受容されたペンニードルの遠位端と接触するように構成された可動アームを含み、前記アームは、ウェルの開口上端からハウジングの区画にペンニードルを排出する、請求項
12に記載のペンニードル組立体器具。
【請求項14】
前記カバーは、排出されたペンニードルを区画に通すための、前記イジェクターと整列された通路を形成する開口凹部領域を有する、請求項
12に記載のペンニードル組立体器具。
【請求項15】
前記ハウジング及びカバーに対して前記支持体を回転するためのアクチュエータをさらに含む、請求項
10に記載のペンニードル組立体器具。
【請求項16】
前記アクチュエータは、前記支持体に操作可能に接続され、前記支持体を第1の方向に回転させ、第2の方向への回転を防止するラチェットを有する、請求項
15に記載のペンニードル組立体器具。
【請求項17】
前記アクチュエータは、直線方向に移動可能であり、カム表面と前記カム表面に接触する回転要素を含み、前記アクチュエータは前記アクチュエータの直線運動によって前記支持体を回転するように前記支持体に接続される、請求項
15に記載のペンニードル組立体器具。
【請求項18】
送達ペンにペンニードルを結合する方法であって、前記方法が、
ハウジング、回転可能な支持体、アクチュエータ、及びペンニードルイジェクターを有するペンニードル器具を提供する工程であって、支持体がペンニードルを受容する複数のウェルを有する工程、
ペンニードルにアクセスするための位置に支持体を回転し、送達デバイスをペンニードルに結合する工程、
支持体内のそれぞれのウェルに使用済みペンニードルを戻す工程、及び
使用済みペンニードルが、イジェクターによってウェルからハウジング内の区画に排出
される位置に支持体を回転する工程
を含む、方法。
【請求項19】
ペンニードル器具が、ハウジングの開口上端にカバーを含み、当該カバーは、ペンニードルにアクセスするための少なくとも1つの開口を有し、前記方法は、前記支持体を回転させてカバー内の開口に対する位置にペンニードルを配向し、ペンニードルにアクセスする工程を含む、請求項
18に記載の方法。
【請求項20】
前記カバーは、イジェクターに対して配向された通路を形成する凹部を有し、前記方法は、イジェクターに対して支持体を回転し、区画への通路を介して使用済みペンニードルを排出する工程を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記イジェクターは、ペンニードルの遠位端とかみ合う可動アームを含み、前記方法は、支持体を回転し、イジェクターを作動して使用済みペンニードルをウェルから区画へ排出する工程を含む、請求項
20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年12月28日に出願された中国出願第2017/21885567.7、及び2017年12月28日に出願された中国出願第2017/11456020.Xの優先権を主張し、これらの出願は全体を参照により本出願に取り込む。
【0002】
本発明は、一般に、ペンニードル組立体器具に関し、ペン型送達デバイスにペンニードル組立体を取り付けるための器具に関する。この器具は、内側シールドを備えたニードルハブ保持するためのウェル又は開口を有し、使用の前後に、不注意な針の突き刺しの危険性を減少する。この器具は、使用されたペンニードルを使い捨て用の区画又は取り外し可能なトレーに移動することができる。この器具は、内側シールドに手を触れる必要なしにニードルハブからペンニードルの内側シールドを分離するための、内側シールドを受け入れる第2のウェルを有する。
【背景技術】
【0003】
インスリン及び他の注射可能な薬剤は、通常、薬物送達ペンで送達され、使い捨てのペンニードルハブがペンに取り付けられ、薬物容器へのアクセスを容易にし、針を通して容器から患者への流体の放出を可能にする。
【0004】
患者へ物質を供給するための種々のペンニードル送達デバイスが当分野で公知である。送達デバイスは、カニューレを有する使い捨てニードルハブ、又は患者に挿入するためのハブの患者側端から伸びた針をしばしば使用する。ハブの非患者側端は、患者に物質を送達するためのペン送達デバイスに結合される。
【0005】
ニードルハブ組立体は、しばしば、幾つかの固定していないニードルハブを含有する容器内にパッケージングされる。ニードルハブは、パッケージから選択され、患者に注射するためにペンニードル送達デバイスに取り付けられ、次いで除去されて廃棄される。ニードルハブパッケージは、ニードルハブを封入する外側カバーと、外側カバーから剥されてニードルハブが取り出せるように空洞を開ける除去可能なシールを含む。ニードルハブは、送達デバイスにねじ止めされた、固定非患者側端を有する。ニードルハブを取り付けた送達デバイスは、次いで外側カバーから除かれる。内側のニードルシールドは、ニードルハブに取り付けられ、デバイスが使用される状態になるまでカニューレを覆う。シールドが除去されて、患者に物質を送達するのに使用するためのカニューレが露出される。使用後、ニードルハブを外側カバーに差し戻し、露出したカニューレを封入する。ペン送達デバイスは、ニードルハブから分離され、外側カバー内にニードルハブが残る。
【0006】
従来のデバイスは、送達デバイスからニードルハブに接続するため、及び送達デバイスからニードルハブを取り除くために両手を使用する必要がある。外側カバーに戻す間に、カニューレが露出し、偶発的な針の突き刺しリスクが増加する。使用後のニードルハブとカニューレを外側カバーの空洞に位置付ける間に、外側カバーを保持する手動操作で、偶発的な針の突き刺しがないようにすることは困難である。
【0007】
既存のペンニードル組立体は、Marshらの米国特許出願公開第2006/0229562号明細書(特許文献1)、及びR. Marshの米国特許出願公開第2007/0149924号明細書(特許文献2)に開示されており、これら両文献の全内容は参照により本明細書に取り込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許出願公開第2006/0229562号明細書
【文献】米国特許出願公開第2007/0149924号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のデバイスは、意図した使用には適切であるが、当産業には、ペンニードルハブ組立体用の改良されたパッケージングに対する、引き続いた必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(本発明の概要)
本発明は、ペンニードル組立体器具、及び、送達ペンなどの送達デバイスにペンニードル組立体を取り付けるための少なくとも1つのペンニードル組立体を受け入れ、支持する器具を指向する。特に、本発明は、送達ペンからペンニードル組立体を取り付け、及び取り外す間の、及び使用済みペンニードルの廃棄の間の、有害な針の突き刺しのリスクを減少するように使用可能なペンニードル組立体用の器具を指向する。ペンニードル器具は、ペンニードルを送達ペンに結合することができる位置にペンニードルを進めるため、及び、使用済みペンニードルを貯蔵トレー又は収納容器(bin)に移すことができる位置にペンニードルを進めるための機構を含むことができる。
【0011】
本発明の一実施形態では、器具はペンニードル用の開口又はウェルを有する支持体を備える。典型的には、支持体はペンニードルを受けるための複数のウェルを有する。ペンニードルは外側カバー、カニューレ又は針を支持するためのニードルハブ、及びカニューレを覆う内側シールドを含む。除去可能なシールは外側カバーの開口端を閉じ、外側カバーは送達ペンにニードルハブを取り付ける前に除去される。器具は、送達ペン又は他の送達デバイスに接合している間、ペンニードル組立体並びにニードルハブ及びカニューレを保持し、支持する。器具は、使用済みニードルハブ及び廃棄のための外側カバーを保有する。
【0012】
器具は、ペンニードルの内側シールド受け、保持するための凹部又はウェルを有し、この内側シールドは、操作者が内側シールドに手を触れることなくニードルハブから内側シールドを取り除けるようにカニューレを覆う。使用済みニードルハブは、外側カバーに差し戻され、廃棄用の貯蔵トレー又は内部シャープスコンテナ(sharps container)を有する区画に移されうる。内側シールドは、貯蔵トレーに廃棄されうる。アクチュエータは、支持体及びペンニードルを、送達ペンなどの送達デバイスに取り付けるための位置に移動する。イジェクターは、個々のウェルから適切なトレー、コンテナ又はシャープスコンテナなどの廃棄用の収納容器(bin)へ使用済みペンニードルを移す。
【0013】
一実施形態では、内側シールドは開口に挿入され、この開口は抜き取り機(extractor)にかみ合い、抜き取り機は、内側シールドが摩擦嵌合又は干渉嵌合によって保持されるように、器具内にグリップ要素を有する。次に、ニードルハブ及びカニューレを引き離し、内側シールドを分離し、一方、内側シールドは、使用者が内側シールドに手を触れる必要なくウェル内に保持される。内側シールドは、グリップ要素を押しのけて、シャープスコンテナを形成する器具内のトレー又は空洞に入る。
【0014】
本発明の一態様は、複数のペンニードルを受け、支持して、使用者がニードルハブ上に露出したカニューレを有するニードルハブに手を触れる必要なく送達ペンなどの送達デバイスにニードルハブを取り付けるための器具を提供することである。送達デバイスをニードルハブの非患者側端に取り付けることができるように、ペンニードルを装置に配置する。次に、ニードルハブ上の内側ニードルシールドをデバイス内の開口に挿入し、抜き取り機構(extraction mechanism)によって内側シールドを保持し、これによって内側シールドに手を触れることなく内側シールドをニードルハブから分離することができる。使用後、ニードルハブを外側カバー内に配置し、外側カバーは器具の開口に保持され、送達デバイスから分離され、器具は使用済みニードルハブ及び外側カバーを保持する。
【0015】
器具は、使用済みペンニードル及び関連コンポーネントを受け、貯蔵するための内部空洞を有するハウジングを含む。ハウジングは、ペンニードルにアクセスするための開口を有し、これによりニードルハブが送達ペンに取り付けされうる。使用済みニードルハブは外側カバーに差し戻され、外側カバーは器具に保持され、送達ペンから分離される。
【0016】
一態様のペンニードル器具は、ハウジング、ペンニードル支持体、及びアクチュエータを含む。ハウジングは、内部空洞、上端及び下端を有する。ペンニードル支持体は、ペンニードルを受けるための複数のウェルを有する。支持体は、ペンニードルが送達デバイスによってアクセス可能な位置に、支持体とそれぞれのペンニードルを移動させるためのアクチュエータを作動させることによってハウジング内に移動可能である。次に、使用済みペンニードルを、ペンニードルの廃棄のためのトレーを含む区画に移すハウジング内の位置に、支持体を移動する。
【0017】
器具の特徴は、ペンニードルを受けるためのペンニードル組立体器具であって、ハウジング、移動可能な支持体及びアクチュエータを含む器具によって提供される。ハウジングは、廃棄用の使用済みペンニードルを受けるための内側区画を有する。支持体はハウジング内に提供され、当該支持体は複数のウェルを有する。ウェルの各々は、ペンニードルを受けるように構成される。カバーは、ハウジングに結合され、支持体に貯蔵されるペンニードルの少なくとも1つにアクセスするための開口を有する。アクチュエータは、所定位置に支持体を移動するために含まれ、この所定位置は、ペンニードルがカバー内の開口を通してアクセス可能な位置へ、ペンニードルを連続して割出す(index)位置である。
【0018】
ニードルハブとカニューレを使用した後、送達ペンに接続されたままのニードルハブが開口及び外側カバーに挿入され、外側カバーに摩擦嵌合又は干渉嵌合によって、ニードルハブを把持し、操作者がニードルハブに手を触れることなくペンニードル送達デバイスをニードルハブから分離し、これにより有害な針刺しのリスクを低減することができる。次に、ペンニードル用の支持体を、使用済みペンニードルが廃棄のための使用済みペンニードル用の区画に排出される位置に移動する。
【0019】
ペンニードル組立体器具の特徴は、上端を有するハウジング、該ハウジングに配置される回転可能な支持体、カバー及びイジェクターを備えることによって更に達成される。支持体は、ペンニードルを受けるための寸法を有する複数のウェルを有する。カバーはハウジングの上端に結合され、カバーはペンニードル組立体にアクセスするための開口を有し、支持体は所定位置に回転され、割り出されて、カバー内の開口を通して各ペンニードルにアクセスすることができる。ウェルは廃棄のために、使用済みペンニードルを受けることができる。イジェクターは、ハウジングに対して支持体を回転することによって、ウェルからハウジングの区画に使用済みペンニードルを排出する。
【0020】
更なる実施形態では、ペンニードル組立体器具を使用してペンニードルのニードルハブを送達デバイスに結合するための方法を提供する。器具は、回転可能な支持体及び支持体を回転するためのアクチュエータを備えたペンニードルハウジングを有する。支持体は、ペンニードルを受ける複数のウェルを有し、ハウジングは、使用後にウェルからペンニードルを排出するためのイジェクターを含む。本方法は、送達デバイスの結合端をウェル内のペンニードルに挿入するステップと、ニードルハブの開口端に結合するステップを含む。取り付けられたニードルハブを有する送達デバイスは、ハウジング内に保持された外側カバーを残して除去される。内側シールドは開口又はウェルに挿入され、ここで内側シールドは、ニードルハブが内側シールドから引っ張られて外れ、分離されて、患者に物質を送達するのに使用されるカニューレを露出するのに十分な力で把持される。使用後、ニードルハブは支持体のウェル内に保持された外側カバーに挿入され、送達デバイスから分離される。次に、アクチュエータを操作して、支持体を回転させてイジェクターとかみ合わせ、使用済みペンニードルをウェルから廃棄用の区画に排出する。
【0021】
本発明の目的、利点及び顕著な特徴は、添付の図面と組み合わせて、本発明の例示的な実施形態を開示する以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0022】
本発明の種々の実施形態の上記利益及び他の利点は、本発明の例示的な実施形態の以下の詳細な説明及び添付の図面から更に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、一実施形態のペンニードル送達デバイスの分解斜視図であり、カニューレを支持するニードルハブ、内側シールド、及び外側カバーを含むペンニードル組立体を示す。
【
図3】
図3は一実施形態のペンニードル組立体器具の左側斜視図である。
【
図4】
図4は、
図3の器具の右側斜視図であり、カバーの開口内に配置されたペンニードルを示す。
【
図7】
図7は器具のベース要素の上面斜視図である。
【
図8】
図8は器具の内側支持体の底面斜視図である。
【
図13】
図13は、アクチュエータの底面斜視図であり、ラチェット機構を示す。
【
図14】
図14は、ベース要素のない支持体及びラチェット機構の底面斜視図である。
【
図15】
図15は支持体及びラチェット機構の底面斜視図である。
【
図17】
図17は支持体及びイジェクター機構の底面斜視図である。
【
図18】
図18はイジェクター機構を示す支持体の底面斜視図である。
【
図19】
図19はイジェクター機構を示す支持体の底面斜視図である。
【
図20】
図20は、カバー、支持体及びイジェクター機構の上面斜視図である。
【
図21】
図21は、本器具の部分断面図であり、内側シールド用の内側シールド抜き取り機を示す。
【
図22】
図22は、本機器の断面図であり、内側シールド抜き取り機を示す。
【
図24】
図24は、内側シールド抜き取り機の蓋及びスプリングクリップの分解底面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面の全体を通して、同じ参照番号は同じ部品、コンポーネント、及び構造物を示すものと理解されたい。
【0025】
(例示的実施形態の詳細な説明)
送達ペンなどの送達デバイスと使用するための少なくとも1つの、好ましくは複数のペンニールを貯蔵し支持するためのペンニードル組立体器具。器具は、使用済みニードルハブを受容し、使用済みニードルハブは、使用後にデバイス内に戻され、ニードルハブに手を触れることなく廃棄され、偶発的な針の突き刺しのリスクを低減することができる。
【0026】
添付の図面に例示された本発明の実施形態に対して詳細に言及する。この図面において、全体を通して、類似の構成要素に対しては同じ参照番号を付した。本明細書で説明される実施形態は、図面を参照することによって本発明を例示するが、当該実施形態はこれらに限定されない。これらの実施形態の個々の特徴及び構成は、使用者の治療のニーズに合致するように幾つものやり方で組み合わせることができるが、例示的な実施形態は別々の説明で提供される。
【0027】
本開示が、その適用において、以下の説明に記載された、又は図面に示されたコンポーネントの構成及び配置の詳細に限定されないことは、当業者に理解されるであろう。本明細書の実施形態は、種々の方法で修飾され、実行され、又は実施されうる。また、本明細書で使用される語句及び用語は説明を目的とするものであり、制限とみなされるべきでないことは当業者に理解されるであろう。本明細書において、「含む(including)」、「含む(comprising)」、又は「有する(having)」、及びこれらの変形の使用は、この用語の後に列記された要素、及びこれらの等価物、並びに追加の要素を包含することを意味する。特に制限しない限り、本明細書において、用語「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」、及び「取り付けられた(mounted)」、並びにこれらの変形は広く使用され、直接的及び間接的な接続、結合及び取り付けを包含する。加えて、用語「接続された」及び「結合された」、並びにこれらの変形は、物理的な又は機械的な接続又は結合に限定されない。更に、上、下、底部及び頂部などの用語は相対的であり、例示を補助するために使用され、制限ではない。
【0028】
ペンニードル用の器具は、便利且つ容易な組立体と、露出したニードルカニューレのハンドリングを減らしつつ、ペン送達デバイス上のニードルハブを除去することができる。ペンニードル用の器具は、テーブルなどの平坦な表面に置くことができ、送達ペンなどの送達デバイスを、ニードルハブの一方に取り付けることができ、これによって、露出したニードルカニューレを有するニードルハブに手を触れることによる針の突き刺しのリスクを低減する。
【0029】
送達デバイスは、
図1において送達ペン10として示されている。送達ペンは、典型的には、用量ノブ/ボタン、外側スリーブ12、及びキャップを含む。用量ノブ/ボタンは、使用者が注入される薬物の用量を設定することを可能にする。外側スリーブ12は、薬物を注入する時に使用者によって握られる。キャップは、ペン注入デバイス10をシャツのポケット又は他の適切な場所に安全に保持するために使用者によって使用され、偶発的な針による損傷からの防衛/保護を提供する。
【0030】
標準的な送達ペン又はペンニードル送達デバイスにおいて、用量及び送達機構は、外側スリーブ12内に全て見いだされるが、これらは当業者によって理解されるので、ここではより詳細には述べない。薬物カートリッジは、典型的には、公知の取り付け手段によって標準的なペン注入器ハウジングに取り付けられる。薬物カートリッジ内のプランジャー又はストッパーの遠方への移動は、薬物を貯蔵ハウジング内に押しやる。薬物カートリッジは、隔壁によって密封され、貯蔵器又はハウジング内に配置された、隔壁を貫くニードルカニューレによって穴があけられる。貯蔵ハウジングは、好ましくは、薬物カートリッジ上にねじ止めされるが、他の取り付け手段が使用できる。ペンニードル送達デバイスは、当産業において公知の標準的なペン送達デバイスであり、このため、ペンニードル送達デバイスは詳細に示さない。
図2に示されるようなペンニードル組立体18は、カニューレ20を支持するニードルハブ16、外側カバー22、及び内側シールド24を含む。保護シール26は、
図2に示されるように外側カバーの開口端部に取り付けられ、清浄且つ滅菌の状態を維持するためにニードルハブ及びカニューレを封入する。シール26は、使用中にニードルハブにアクセスすることができるように、外側カバーから容易にはがすことができるラベル又は他のクロージャー部材でありうる。
【0031】
ペンニードル送達デバイス10は、
図1に示されるニードルハブに接続され、ニードルハブは、内部ねじ山を備えた接続用の患者と逆側の端部を有し、内部ねじ山は送達デバイス10のねじ山のついた端部18にねじ止めされる。ニードルカニューレ20は、患者に物質を送達するためのニードルハブ16の患者側端部から伸びている。外側カバー22はニードルカニューレを覆い、使用の前後で偶発的な針刺しから患者を保護するために提供される。外側カバー22は、使用中に外側カバーを握るのをアシストするためのリブを含む。内側シールド24には、ニードルハブ16の端部から伸びるポスト(柱状物(post))上に提供され、カニューレを囲む。使用中に、ニードルハブ16はペン送達デバイスに接続され、内側シールドが除去される。使用後、一般には外側カバーがニードルハブ上に戻され、ニードルカニューレを覆う。次に、カバーを有するニードルハブをペンニードル送達デバイスから取り外し、廃棄する。
【0032】
一実施形態の器具は、少なくとも1つのペンニードル、典型的には複数のペンニードルを所定位置で受容し、支持するように構成され、この所定位置で、送達デバイスは、ニードルハブに結合され、使用者が露出したカニューレを有するニードルハブに手を触れる必要なく患者に物質を注射するのに使用されうる。使用済みのニードルハブとカニューレは、次に、デバイス内に保持され、送達デバイスから分離された外側カバー内に戻されうる。使用済みの外側カバーとニードルハブ、並びに内側シールドは廃棄のための器具内の区画に移される。
【0033】
一実施形態では、器具は、ペンニードルを受容し、ペンニードルハブ16を送達ペンに結合し、使用後に送達ペンからペンニードルハブを分離するように構成される。一実施形態では、器具は、ハウジング30及び複数のペンニードルを保持するための支持体40を含む。
図3及び
図4に示されるハウジング30は、側壁48、上端36及び下端36を有する。
図6に示される下端36は、滑らない表面を含んでいてもよい底面を有する。滑らない表面は底面に直接に成形でき、又はエラストマー材料などの滑らない材料を底部表面に適用し、テーブル又は他の平坦な表面で使用する間、安定な位置にハウジングを保持することができる。
【0034】
図6に示されるように、ハウジング30は底壁を有し、この底壁は、組立体の移動可能なコンポーネントを支持するための、
図5及び
図7に示されるようなベース100を受ける開口を備える。ベース100は底壁106を有し、これは
図6に示されるようなハウジング30の底壁に結合するための構成を備える。センターポスト102は、ベース100の底壁106から上側に伸び、ハウジング30の中心に配置される。複数のガイドピン104がセンターポスト102の周りでベースから伸び、センターポスト102の軸方向の長さ未満の軸方向の長さを有する。
【0035】
図8に示される内側支持体110は、ベース100及びハウジング30の底壁に取り付けられる。内側支持体110は頂部壁112と、頂部壁112の外側周囲縁から内側に離れた実質的に円筒状の壁116によって形成される中心開口部114を有する。中心開口部114は、センターポスト102とベース100のガイドピン104とアクチュエータ56とを受けるための直径を有する通路を画定する。頂部壁112は、使用済みペンニードルを貯蔵するためのトレー94を受けるための側壁120によって形成される開口118を有する。ガイドレール122は、頂部壁112の内側面の周囲縁の一部に沿って伸び、支持体40を案内する。示された実施形態では、ガイドレール122は、側壁120に対向して配置され、周囲縁から内側に離れている。
【0036】
内側円筒状壁116は、頂部壁112と一体に形成された上端と、ハウジング30及び/又はベース100の底部壁に接続するための下端を有する。示されるとおり、円筒状壁116は、長手軸に垂直な平面に配向され、壁116の周りに円周方向に伸びるスロット124を有する。示された実施形態では、2つのスロット124が円筒状壁116の対向する側に形成され、スロット124にアクセスするための縦方向の脚状部分126を含む。
【0037】
図5及び9~11に示されるように、複数のペンニードル18を支持するための支持リング又は回転ラック(カルーセル、carousel)を形成した支持体40が提供される。一実施形態の支持体40は、複数のウェル42を備えた頂部表面130を有し、各ウェルはペンニードル18を支持し、受容するように構成された形状及び寸法を有する。支持体40は、ハウジング30内に受容されるのに適した形状を有しうる。一実施形態では、支持体40は可動であり、多数の角度位置に回転し、ペンニードル18がカバー60内の開口64に整列したときに、患者により使用される、ペンニードル18のそれぞれに連続してアクセスするのを可能にするものである。支持体40は、中心軸について回転するための、ハウジング40に取り付けられた円形のリング様の形状を有するように示されているが、他の形状も使用可能である。
【0038】
支持体40内のウェル42は、ペンニードル18を受容するための寸法を有する開口上端によって画定され、ペンニードルの患者と反対側の端部及びニードルハブがウェル42の上端に配向される。ウェル42は、
図11に示されるように、開口底部46を有する円形側壁44によって形成される。側壁44は、ペンニードル28の外側カバー22の形と相補的となるように先細りになっており、外側カバーの軸方向の長さ未満の軸方向の長さを有し、これによって、
図10及び
図15に示されるように開口下端46内の開口を通して外側カバーが突出する。例示の目的のために、それぞれの図の支持体のウェルに設置されるペンニードルは示されていないが、各ウェルには、使用の前に新しいペンニードルが装着されうることが理解されるであろう。側壁の内側表面は、
図9に示すような少なくとも1つのリブ又は凹部を含み、このリブ又は凹部は外側カバー22の外側表面上のリブ23にかみ合い、ウェル42内での外側カバー22の回転を阻止することができる。
【0039】
図9~11に示される実施形態では、支持体40は上面130を有するリングの形態であり、このリングは、ウェル42によって形成され、支持体40の円周周りに一定の間隔で配置された開口を備える。支持体40の下側132は、
図10に示されるように個々のウェル42の側壁44を含む。複数の所定角度に曲がった歯状体134が、支持体40の周囲端部の周りに提供され、
図10に示されるように軸方向に底部側から突出している。歯状体134は、支持体がハウジング30に対して一方向に回転し、イジェクター機構80を操作できるようにするためのラチェット機構を形成する。歯状体134は、周囲端部の周りに間隔を置いて配置され、傾斜した面136及び垂直面138を含む。
【0040】
図10に示される支持体40は、内側環状表面142を形成する中央開口部140を有する。複数のラチェット歯144は、
図10及び11に示されるように内側環状表面142から内側に放射状に突出する。ラチェット歯144は、ハウジングに対して支持体を回転するための回転装置と協働する傾斜表面146と垂直表面148を含む。
【0041】
アクチュエータ56は、ハウジングに接続され、支持体40に操作可能に接続し、ペンニードル18が
図4に示される送達ペンにアクセスされかつ接続される位置に支持体40を移動し、割出しするためのものである。示された実施形態のアクチュエータ56は、ハウジング30及び支持体40に対して直線方向に移動する。アクチュエータ56は、ボタンの形態であってもよく、このボタンは、手動で押下されてハウジング30に対して支持体40を回転させる。一実施形態では、アクチュエータ56は、ハウジング30に対して上下直線方向に移動する。他の実施形態では、アクチュエータ56は他の適切な位置に配置されうる。
【0042】
示された実施形態のアクチュエータ56はボタンの形態であり、このボタンは手動でユーザーにより押下され、支持体を回転し、新しいペンニードルを、カバー60に対して当該ペンニードルが送達ペンに結合される位置に割出し、かつ進める。
図12に示されるアクチュエータ56は、頂部壁152と開口下端154を備えた円筒状側壁150を有する。アクチュエータ56は、内側支持体110の中央開口部114の範囲内及びカバー60の開口内にスライドさせるための外側直径及び構成を有する。外側に伸びた突起156は側壁150の外側表面から突出し、開口下端154に配置される。示された実施形態では、4つの突起156が提供され、内側支持体110の円筒状側壁116に形成されたスロット158内にスライドされる。突起156は内側支持体110と協同して、アクチュエータ56を、支持体100とハウジング30に対して上下直線方向にスライドさせ、これらに対する回転を阻害することができる。スプリング160は、典型的には、アクチュエータ56と、ハウジング又はベース100の底部壁の間に提供され、
図3に示されるようにハウジング30に対して上に伸びた位置にアクチュエータ56を偏向させる。アクチュエータ56の下端154には、ガイドホールを形成する軸方向の通路155を有する複数の円筒形ガイドが提供され、この円筒形ガイドはベース100上の個々のガイドピン104を受け、直線方向にアクチュエータをスライドさせるためのものである。
【0043】
図12及び13を参照すると、アクチュエータ56の側壁150は、カム表面を形成するスロット162を含む。スロット162は、アクチュエータ56の長手軸に対して斜めに伸びる第1の部分を有する。斜めのセクションは、斜めのカム表面164及び166を形成する。示された実施形態では、開いた水平脚部分168が、スロット158の下端から円周方向に伸びている。ノッチ170はスロット162にアクセスするための脚の一端に形成される。
【0044】
回転子180は、
図13~15に示されるとおり、アクチュエータ56に操作可能に接続され、アクチュエータ56を支持体40に接続するものであり、ハウジングに対して支持体を回転する。示された実施形態では、回転子180は、センターポスト102に関して回転可能である円筒状の襟部(カラー)182を有する。第1のロッド184が襟部182上のリング188の第1の側から伸び、第2のロッド186は、襟部182上のリング188の第2の側から伸びている。
図13に示されるように、ロッド184及び186はスロット162内に受容され、アクチュエータ56に結合される。一実施形態では、コイルスプリングなどのスプリング160がポスト102上に提供され、上側の位置にアクチュエータ56を偏向する。
【0045】
回転子180の第1のロッド184は、支持体40の内側環状表面142上の歯144とかみ合う距離でアクチュエータの側壁150から伸びる。
図13に示されるように、第1のロッド184の遠位端は、支持体40の内側環状表面上のラチェット歯134とかみ合うラチェット要素190を含む。ラチェット190は可撓性の脚を含み、この脚は支持体30の歯134と接触してアクチュエータ56から外側に放射状に脚192を偏向するための可撓性のヒンジ部196によって本体194に接続された歯止め192を形成する。示された実施形態では、第1のロッド184及び第2のロッド186はラチェット190を含む。他の実施形態では、脚の一方は、支持体の環状内側表面上の歯とかみ合うラチェット及び歯止めを含まなくてもよい。表示を容易にするために、第2のロッド上のラチェット及び歯止めは、それぞれの図に示されていない。
【0046】
図14及び15に示されるように、アクチュエータ56の直線移動は、傾斜したカム表面136と噛み合うことによって、第1のロッド184及び第2のロッド188を矢印193で示される前方向に回転させ、これによって可撓性の脚194の遠位端が支持体40の内側環状表面上のそれぞれの歯134とかみ合い、矢印195の方向に支持体40を回転する。スプリング160は、アクチュエータ56を偏向して元の位置に戻す。アクチュエータ56の上方向の移動は、可撓性の脚192を元の位置に戻すように移動させ、矢印193と反対の方向にそれぞれの歯の上を滑り、次の隣接した歯148とかみ合い、アクチュエータ56を押すごとに支持体40を前に進める。
【0047】
カバー60は、ハウジング30上に提供され、使用の準備ができるまで支持体40及びペンニードル18を封じる。示された実施形態では、カバーは、ヒンジ62によってハウジング30に接続されるが、他の機構を使用してカバーをハウジングに取り付けて利用することができる。
図3に示されるように、カバー60は、ペンニードル18にアクセスするための少なくとも1つの開口64を含み、アクセスする際には、ペンニードルが開口64に進む。開口64は、ニードルハブが支持体40のウェル42内のそれぞれのペンニードルから除去できる寸法を持ったほぼU字型を有することができる。一実施形態では、外側カバー22が、ニードルハブを除去しつつ、支持体40のウェルに保持されるように、開口64はペンニードル18の外側カバー22の外側の直径未満の直径を有する。アクチュエータ56は支持体40を回転し、割出すことができ、アクチュエータ56を押し下げるごとにカバー内の開口64にペンニードル18を導入する。
【0048】
図3の実施形態に示すように、カバー60は、開口62に続いた又は開口62に隣接したカバーの頂部表面から突出したドーム型の突出部65を含む。突出部65は
図21に示したカバー60の底部表面に凹部(recess)66を形成する。凹部66は、支持体40に重ねられた第1の端部68と、ハウジング30の内側壁52から内側に伸びた第2の端部70を有し、凹部66はペンニードル18を受ける寸法を有する。区画72は、使用済みペンニードル18を受けるための貯蔵トレー又は収納容器を有するハウジング内に提供される。
【0049】
図16~19を参照すると、イジェクター80がハウジング30に提供され、これは、ハウジング30及びイジェクター80に対して支持体40を回転することによってそれぞれのウェル42から使用済みのペンニードル18を排出するためのものである。一実施形態では、イジェクターは
図16に示されるベース200を含み、これは
図6に示されるハウジング30の底部壁内の開口に取り付けられる。垂直な支持体202は、ベース20から伸び、ピボットアーム204を支持する。アーム204は、傾斜表面206を有する傾斜要素を形成する。アーム204は、アーム204が支持体202に対してピボットピン209について旋回するように、スプリング207によってベース200から離れるように偏向される。アーム204は、第1の端部208を有し、
図15に示されるような支持体40の底部表面を通してウェル42から突出した使用済みペンニードルと接触するように配置される。アーム204は、支持体40がペンニードルを回転させてイジェクター80とかみ合ったときに、それぞれのウェル42の下端から突出した外側カバー22の遠位端と接触するための形状及び寸法を有する。イジェクター80は、ハウジング30に取り付けられ、典型的には、支持体40の下のハウジングに固定される。図面に示されるように、カバー60は、ハウジング30に対して配向され、カバー60内の開口64は、イジェクター80の隣にあるか、又はイジェクター80に隣接しており、凹部66はイジェクター80の傾斜表面206の端部に配向される。
【0050】
イジェクター80は、
図16に示される位置に偏向されたスプリングである。この末端208には、アーム204の側から突出したピンとして示される移動止め211が設けられる。移動止め211は、支持体40の歯状体134とかみ合うように配置され、上下の動きにアームを動かし、支持体40が前方に回転し、反対方向に回転するのを防止することを可能にするラチェットとして機能する。
図18を参照すると、イジェクター80及びハウジング30に対して支持体が回転するにつれて、移動止め211は、歯状体134の傾斜表面136に沿ってスライドする。支持体40が回転するにつれて、移動止め211が傾斜表面を
図18に示される位置まで上にスライドし、支持体40から離れるようにアーム204を偏向し、このときに使用済みペンニードルがカバー60内の開口64から先に進められる。
図19は、イジェクターとラッチ用歯状体134を含まないリング40を示す。
【0051】
図20に示されるように、支持体40は、隣接する歯状体134の間の谷部139にスプリングを偏向するように進む。一実施形態では、アーム204は、スプリング207によって
図20に示される伸びた位置にはじかれ、ウェル42の底部の開口46から突出したペンニードルの遠位端をたたき、
図21及び22に示されるドーム64で画定される凹部66に使用済みペンニードルを上方向に排出する。支持体40は、再び回転し、新しいペンニードルをカバー60内の開口64の位置に進めるとともに、支持体40上の歯状体134が、スプリング207の偏向力に対抗した負荷のかかった位置にイジェクターアーム204を押し下げ、これと同時に、使用済みのペンニードルが先に進められる。
【0052】
図に示されるように、アクチュエータ56は押し下げられて先に進み、
図3に示すように、カバー40内の開口64の視野内にペンニードル18を割出す。シールは除去され、次にペンニードルが使用のためにペン送達デバイスと接続される。使用後、ニードルハブ16は外側カバー22に開口64を通して差し戻され、送達ペン10は、ネジをゆるめ、分離することによりニードルハブから取り外されうる。次に、アクチュエータ56を押し下げることで、使用済みペンニードルを先に進め、ペンニードル18がカバー60に形成された凹部66に上方向に押され、使用済みペンニードル用の区画に向けられるように、外側カバー22の遠位端がイジェクター80に対して配置される。
【0053】
図21~24に示されるように、ハウジング30、カバー30及びトレー74は協同して抜き取り機構210を形成し、患者が内側シールドに手を触れる必要なく、ペンニードル組立体の内側シールド24を除去するのをアシストする。内側シールド24を、使用前にニードルハブ16から除去し、使用後に廃棄するための抜き取り機210が提供される。抜き取り機210はグリップ機構を含み、このグリップ機構は、ニードルハブが引っ張られてはずれるように内側シールドをグリップでき、使用済みの内側シールドが廃棄用のトレー74又は他の貯蔵容器に入る。
【0054】
示された実施形態では、抜き取り機210は、
図21~24に示されるように、トレー74のふた212に結合される。器具のカバー60は、内側シールドを受け、ニードルハブが開口を通るのを防止するように構成された寸法を有する面取りした縁を持った開口214を含む。ふた212及びトレー74は、
図21に示されるように、開口214の下の器具内に配置される。ふた212は開口216を含み、この開口は上面に面取りした縁を持ち、カバー60内の開口214に整列される。ふた内の開口216とカバー内の開口214は、内側シールドを受容するウェルを形成する。開口216はまた、内側シールドを受容するように構成された寸法を有する。
【0055】
示された実施形態では、抜き取り機210は、開口216の反対側にふた212の下面220に設置された、スプリング金属クリップ218として示されたグリップ要素を含む。各クリップ218は、ふた212の下面のそれぞれのポスト221に結合される穴222を有する本体220を有する。クリップ218の遠位端は曲げられたタブ224を含み、このタブは、
図21及び22に示されるように開口216によって画定された通路に突出する縁226を有する。使用に際して、内側シールド24は開口214及び216を通して挿入され、スプリングクリップ218の縁226は、ニードルハブが内側シールドから分離されうるように、内側シールドをつかみ、カバー60に関して外側方向に内側シールドが除去されるのを防止する。本体220及び/又は曲げられたタブ224は、内側に曲がるように十分に柔軟であり、上側方向に内側シールドが引っ張られるのを防止しながら、内側シールドがトレーへ移動するのを可能にする。新しいペンニードルの内側シールドは、次に、開口を通って挿入され、前の内側シールドを、スプリングクリップ218を超えてトレー74に至るまで押し、これによりスプリングクリップは、内側シールドからのニードルハブの分離のために、新しい内側シールドをつかむことができる。
【0056】
一実施形態では、トレー74及びふた212は器具の形状に相補的な形状を有する。
図23に示されるように、トレー及びふたは、ハウジング30の概して湾曲した形状を有する。ふた212は頂部壁228と周囲側壁230を有する。成形されたハンドル232は、頂部壁228に形成され、トレーからの分離を補助する。開口234はペンニードルを受けるために提供され、ペンニードルはカバー内の通路66を通ってウェルから排出される。
【0057】
示された実施形態では、トレー74は底部壁236、側壁238及びふたとかみ合わせるための開いた上端240を有する。底部壁236には、ふた212の開口234から傾斜した傾斜面が形成され、使用済みペンニードルが開口の下に直接に集まるのを防止する。
【0058】
組立体は、ペンニードル組立体を受けることができ、使用者がニードルハブ及び露出したカニューレに手を触れる必要なく、送達ペンにハブを取り付ける際に使用者をアシストする。使用の間に、アクチュエータが押し下げられ、支持体40及びペンニードル18がカバー60の開口62と整列された位置に進み、ここでペンニードルが可視化され、アクセス可能になる。ラベルが、支持体40のウェルに受容されるペンニードルを含む外側カバーから除去される。
【0059】
次に、送達ペンは、ハウジングのカバー内の開口64を通して挿入され、ペンニードルのニードルハブとかみ合う。送達ペンは回転され、ニードルハブの内部ネジとかみ合い、ニードルハブが送達ペンに結合する。取り付けられたニードルハブ16を有する送達ペンは外側カバーから後退され、外側カバーはウェル42に保持されたまま残る。
【0060】
外側カバーから分離されたとき、内側シールド24はニードルハブに付着して、カニューレを覆っている。ペンニードルの内側シールドは、次に、
図21~24に示される抜き取り機210に装入され、ここで、内側シールド24は開口を通過して、クリップの縁226が内側シールドの外側表面とかみ合い、内側シールドをつかんで、上側への移動を防止する。次に、送達ペンが取り出され、抜き取り機内に内側シールド24が保持されたまま残る。
【0061】
送達ペン及びペンニードルの使用後、次いで、送達ペンはカバー60内の開口62を通して挿入され、ここでニードルハブが、ウェル42内に保持された外側カバー22に再度受容される。送達ペンは、次に、送達ペンをニードルハブの内部ネジから外すために回転されて、器具から除去される。アクチュエータ56が、次に、押し下げられ、支持体40を回転してウェル42及び使用済みペンニードルをイジェクター80に向けて割出す。支持体の動きは、イジェクターのスプリングで偏向されたアーム204が外側カバー22の遠位端をたたき、ウェル42の上側かつ外にペンニードルを排出する。使用済みペンニードル18は、次に、凹部66によって画定された通路を通り、ハウジングの区画内に収容されたトレー74に入る。カバーが開かれて使用済みペンニードルの廃棄のためにトレー74が除去される。
【0062】
上記の実施形態及び利点は、単に例示であり、本発明の範囲を制限すると解釈されるべきではない。本発明の例示的な実施形態の説明は、例示を意図しており、本発明の範囲を制限しない。種々の修飾、変更、及びバリエーションが当業者には明らかであり、これらは本発明の範囲内に入ることが意図される。異なる実施形態及び特許請求の範囲の特徴は、互いに矛盾することがなければ互いに組み合わされうる。従って、このような修飾は全て、添付の特許請求の範囲及びこれらの等価物で定義される本発明の範囲内に含まれうることが意図される。