(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】手乾燥システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A47K 10/48 20060101AFI20230421BHJP
【FI】
A47K10/48 A
A47K10/48 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021163881
(22)【出願日】2021-10-05
(62)【分割の表示】P 2017182092の分割
【原出願日】2017-09-22
【審査請求日】2021-11-04
(32)【優先日】2016-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チャイルドレス, ジェイミー
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特許第6956579(JP,B2)
【文献】国際公開第2016/016938(WO,A1)
【文献】特開2013-244248(JP,A)
【文献】特開2013-226415(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0198909(US,A1)
【文献】英国特許出願公開第02407038(GB,A)
【文献】欧州特許出願公開第02842870(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 10/48
B64D 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗面所(100)のための手乾燥システム(120)であって、
空気室(140)内で気流を生成するように構成されたブロワを含むブロワハウジング(130)、
前記洗面所に固定されるように構成された排気口(122)であって、空気出口を画定する、排気口
、
前記空気室(140)に流体連通した第1の端部と前記空気出口(124)に流体連通した第2の端部を有する導管(132)であって、前記洗面所から遠隔に前記ブロワハウジング(130)を位置付ける、導管、
並びに
前記ブロワハウジング(130)又は前記導管(132)の一方又は両方の範囲内に配置された紫外線(UV)光アセンブリ(158)であって、気流(146)が前記空気出口(124)を通過する前に、消毒用UV光を用いて前記気流(146)を消毒するように構成された、UV光アセンブリを備える、手乾燥システム。
【請求項2】
前記ブロワハウジング(130)に連結された防音材(150)を更に備える、請求項1に記載の手乾燥システム。
【請求項3】
前記空気室(140)内に配置された音響減衰バリア(153)を更に備える、請求項1又は2に記載の手乾燥システム。
【請求項4】
前記導管内に配置された少なくとも1つの音響減衰バリア(156)を更に備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の手乾燥システム。
【請求項5】
前記導管(132)内に配置された加熱コイル(160)であって、前記気流が前記空気出口(124)を通過する前に前記気流を加熱するように構成された、加熱コイルを更に備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の手乾燥システム。
【請求項6】
起動区域内の手の存在を検出し存在信号を出力するように構成された、起動センサ(126)を更に備え、前記起動センサが前記起動区域内の前記手の前記存在を検出したときに、前記ブロワ(142)が起動されるように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の手乾燥システム。
【請求項7】
前記ブロワ(142)と通信し、且つ、前記ブロワの動作を制御するように構成された、ドライヤー制御ユニット(170)を更に備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の手乾燥システム。
【請求項8】
前記UV光アセンブリ(158)が、前記導管(132)の第2の端部(139,137)の近くに位置決めされ、前記導管(132)が、前記UV光が前記空気出口(124)を通過して出ていくことを防ぐ、請求項1から7のいずれか一項に記載の手乾燥システム。
【請求項9】
洗面所のための手乾燥方法であって、
空気出口を有する排気口(122)を前記洗面所(100)に固定すること、
導管(132)の第1の端部をブロワハウジング(130)の空気室に流体結合すること、
前記ブロワハウジング(130)に防音材(150)を連結すること、
前記空気室内に少なくとも1つの第1の音響減衰バリア(153)を配置すること、
前記導管(132)内に少なくとも1つの第2の音響減衰バリア(156)を配置すること、
前記導管(132)内に紫外線(UV)光アセンブリ(158)を配置すること、
前記導管(132)の第2の端部を前記排気口(122)の前記空気出口(124)に流体結合すること、
前記流体結合することによって前記洗面所から遠隔に前記ブロワハウジング(130)を位置付けること、及び
ブロワ(142)を用いて前記ブロワハウジング(130)の前記空気室(140)内で気流を生成することを含む、手乾燥方法。
【請求項10】
前記ブロワ(142)の磁気モータにプロペラ(144)を磁気的に連結することを更に含む、請求項9に記載の手乾燥方法。
【請求項11】
前記気流が前記空気出口(124)を通過する前に、消毒用UV光を前記気流の中へ放射すること
、
前記放射することによって前記気流を消毒すること
、及び
前記導管(132)内に加熱コイル(160)を配置することを更に含み、
前記導管内に前記UV光アセンブリ(158)を配置することが、前記導管(132)の前記第2の端部(139,137)の近くに前記UV光アセンブリ(158)を位置決めすることを含
み、
前記導管内に前記加熱コイルを配置することが、前記導管の前記第2の端部の近くに前記加熱コイルを位置決めすることを含む、請求項9又は10に記載の手乾燥方法。
【請求項12】
加熱コイル(160)を使用して、前記気流が前記空気出口(124)を通過する前に、前記気流を加熱することを更に含む、請求項9から11のいずれか一項に記載の手乾燥方法。
【請求項13】
ドライヤー制御ユニット(170)を前記ブロワ(142)と動作可能に接続すること、及び
前記ドライヤー制御ユニットを使用して、前記ブロワの動作を制御することを更に含む、請求項9から12のいずれか一項に記載の手乾燥方法。
【請求項14】
輸送体の内部客室内の洗面所(100)であって、内部空間を画定する、洗面所と、
前記洗面所のための手乾燥システム(120)とを備える、輸送体であって、前記手乾燥システムが、
空気室(140)内で気流を生成するように構成されたブロワ(142)を含むブロワハウジング(130)、
前記洗面所に固定された排気口(122)であって、前記洗面所の前記内部空間に流体連通した空気出口(124)を画定する、排気口、
前記空気室(140)に流体連通した第1の端部と前記空気出口(124)に流体連通した第2の端部を有する導管(132)であって、前記洗面所の前記内部空間から遠隔に前記ブロワハウジング(130)を位置付ける、導管(132)、
前記ブロワハウジング(130)又は前記導管(132)の一方又は両方の範囲内に配置された紫外線(UV)光アセンブリ(158)、
前記ブロワハウジング(130)に連結された防音材(150)、
前記空気室内に配置された少なくとも1つの第1の音響減衰バリア(153)、
前記導管(132)内に配置された少なくとも1つの第2の音響減衰バリア(156)を備え、
前記防音材(150)、前記少なくとも1つの第1の音響減衰バリア(153)、及び前記少なくとも1つの第2の音響減衰バリア(156)が、前記ブロワ(142)によって生成された騒音を低減させ、
前記手乾燥システムが、更に、
前記導管(132)内に配置された加熱コイル(160)であって、前記気流が前記空気出口(124)を通過して前記洗面所の前記内部空間の中へ入る前に前記気流を加熱するように構成され、前記導管(132)の前記第2の端部の近くに位置決めされた、加熱コイル、
起動区域内の手の存在を検出し存在信号を出力するように構成された起動センサ(126)であって、前記起動センサが前記起動区域内の前記手の前記存在を検出したときに、前記ブロワ(142)が起動されるように構成された、起動センサ、並びに
前記ブロワ(142)、前記加熱コイル、及び前記起動センサと通信するドライヤー制御ユニット(170)であって、前記手乾燥システム(120)の動作を制御するように構成された、ドライヤー制御ユニットを備える、輸送体。
【請求項15】
前記紫外線(UV)光アセンブリ(158)が、
前記導管の前記第2の端部の近くに位置決めされていて、前記気流が前記空気出口(124)を通過して前記洗面所の前記内部空間の中へ入る前に、消毒用UV光を用いて前記気流を消毒するように構成されている、請求項14に記載の輸送体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、広くは、手乾燥システム及び方法に関し、特に、輸送体、特に、民間航空機に搭載された洗面所内での使用に特に適した、効率的且つ静かな手乾燥システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
民間航空機は、様々な場所の間で乗客を輸送するために使用される。通常の民間航空機は、内部客室内に1以上の洗面所を含む。
【0003】
航空機に搭載される通常の洗面所は、それによって個々人が彼らの手を洗うところの流し台及び蛇口を含む。洗った後に手を乾燥させ得るように、ペーパータオルが提供されている。使用されたペーパータオルはごみ容器の中へ捨てられ、そのようにして、大量の廃棄物が生み出される。更に、少なくとも一部の使用されたペーパータオルは、洗面所内で不注意にも床の上に落とされ、流し台の上に残されるなどし得る。
【0004】
既知の購入可能なハンドドライヤーは、概して大き過ぎ、嵩張り、及び、航空機に搭載された狭い洗面所内での使用において騒々しい。更に、そのようなハンドドライヤーは、比較的大きな量の電力を引き出す。
【発明の概要】
【0005】
航空機に搭載された洗面所内で使用され得る効率的な手乾燥システム及び方法が必要である。廃棄物をほとんど又は全く生み出さない静かで衛生的な手乾燥システム及び方法が必要である。
【0006】
それらの必要性を考慮して、本開示の特定の実施例は、洗面所用の手乾燥システムを提供する。手乾燥システムは、空気室内で気流を生成するように構成されたブロワを含むブロワハウジングを含む。排気口が、洗面所に固定されるように構成されている。排気口は、空気出口を画定する。導管が、空気室に流体連通した第1の端部と空気出口に流体連通した第2の端部を含む。導管は、洗面所から遠隔にブロワハウジングを位置付ける。
【0007】
防音材が、ブロワハウジングに連結され得る。音響減衰バリアが、空気室内に配置され得る。音響減衰バリアが、導管内に配置され得る。
【0008】
少なくとも1つの実施例では、ブロワが、磁気モータ、及び磁気モータと磁気的に連結されたプロペラを含む。
【0009】
手乾燥システムは、ブロワハウジング及び/又は導管内に配置された紫外線(UV)光アセンブリを含み得る。UV光アセンブリは、気流が空気出口を通過する前に、消毒用UV光を用いて気流を消毒するように構成されている。UV光アセンブリは、導管の第2の端部の近くに位置決めされ得る。
【0010】
手乾燥システムは、導管内に配置された加熱コイルを含み得る。加熱コイルは、気流が空気出口を通過する前に、気流を加熱するように構成されている。加熱コイルは、導管の第2の端部の近くに位置決めされ得る。
【0011】
手乾燥システムは、起動区域内の手の存在を検出し存在信号を出力するように構成された起動センサを含み得る。ブロワは、起動センサが起動区域内の手の存在を検出したときに起動されるように構成され得る。
【0012】
ドライヤー制御ユニットが、ブロワなどの手乾燥システムの様々な構成要素と通信し得る。例えば、ドライヤー制御ユニットは、ブロワの動作を制御するように構成されている。
【0013】
本開示の特定の実施例は、洗面所のための手乾燥方法を提供する。手乾燥方法は、空気出口を有する排気口を洗面所に固定すること、導管の第1の端部をブロワハウジングの空気室に流体結合すること、導管の第2の端部を排気口の空気出口に流体結合すること、流体結合することによって洗面所から遠隔にブロワハウジングを位置付けること、及びブロワを用いてブロワハウジングの空気室内で気流を生成することを含む。
【0014】
手乾燥方法は、防音材をブロワハウジングに連結すること、空気室内に少なくとも1つの第1の音響減衰バリアを配置すること、及び導管内に少なくとも1つの第2の音響減衰バリアを配置することも含み得る。
【0015】
手乾燥方法は、導管内に紫外線(UV)光アセンブリを配置すること、気流が空気出口を通過する前に消毒用UV光を気流の中へ放射すること、及び放射することによって気流を消毒することを含み得る。
【0016】
手乾燥方法は、導管内に加熱コイルを配置すること、及び加熱コイルを使用して気流が空気出口を通過する前に気流を加熱することを含み得る。
【0017】
本開示の特定の実施例は、内部客室、内部客室内の洗面所、及び洗面所のための手乾燥システムを含む、輸送体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本開示の一実施例による、洗面所の内部斜視図を示す。
【
図2】本開示の一実施例による、洗面所の壁内に取り付けられた手乾燥システムの排気口の前面斜視図を示す。
【
図3】本開示の一実施例による、手乾燥システムの概略図を示す。
【
図4】本開示の一実施例による、手乾燥システムを操作する方法のフローチャートである。
【
図5】本開示の一実施例による、航空機の上面斜視図を示す。
【
図6】本開示の一実施例による、航空機の内部客室の上面図を示す。
【
図7】本開示の一実施例による、航空機の内部客室の上面図を示す。
【
図8】本開示の一実施例による、手乾燥システムのネスト化された(nested)ブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
上記の概要、及び特定の実施例の以下の詳細な説明は、添付の図面を参照して読むことにより、より深く理解される。本明細書で使用される「一(a)」又は「1つの(an)」に続く単数形の要素又はステップは、複数の当該要素又はステップを必ずしも除外しないものと理解されたい。更に、「一実施例」への言及は、追加の実施例の存在を除外すると解釈されることを意図せず、それら追加の実施例もまた、本明細書に記載の特徴を内包する。更に、逆に明示的に記述されない限り、特定の性質を有する1以上の要素を「備える」、「含む」、又は「有する」実施例は、その性質を有しない追加の要素を含み得る。
【0020】
本開示の実施例は、航空機に搭載された洗面所内などで使用され得る、効率的で、静かで、衛生的な手乾燥システム及び方法を提供する。手乾燥システム及び方法は、通常のハンドドライヤーよりも実質的に少ない騒音を生成し、(通常のハンドドライヤーと比較して)低いレベルの電力を引き出す。手乾燥システム及び方法は、効率的なブロワを利用する。ブロワは、磁気モータに磁気的に連結されたプロペラを含み得る。少なくとも1つの実施例では、ブロワが、高性能モータと動作可能に連結された、ラジコン(RC)航空機のために使用されるプロペラなどの、プロペラを含む。例えば、プロペラと動作可能に連結された磁気モータは、コンパクトで高効率のシステムを提供する。(加熱コイルなどの)加熱要素が、空気出口に近い空気経路内に配置され得る。洗面所内の空気出口から遠隔に位置付けられた音響的に絶縁されたハウジング内にブロワを配置することによって、生成される騒音が最小化されるか又はさもなければ低減される。例えば、ハウジングは、洗面所の壁の後ろに位置決めされ、1以上の空気ダクトを通じて空気出口に連結され得る。
【0021】
少なくとも1つの実施例では、紫外線(UV)光アセンブリが、ハウジングと空気出口との間の空気経路内に配置されている。任意選択的に、UV光アセンブリが、ハウジング内に配置され得る。UV光アセンブリは、気流が空気出口を通過する前に、(遠UV光などの)UV光を気流の中へ放射するように構成されている。放射されたUV光は、空気が空気出口を通過する前に空気を消毒する。少なくとも1つの実施例では、UV光アセンブリが、ハウジング及び/又はハウジングと空気出口との間の空気経路の内面を消毒するように構成されている。
【0022】
図1は、本開示の一実施例による、洗面所100の内部斜視図を示している。例えば、洗面所100は、航空機に搭載され得る。任意選択的に、洗面所100は、自動車、バス、機関車及び列車、船、船舶などの、様々な他の輸送体にも搭載され得る。他の実施例では、洗面所100が、商業建物若しくは住居建物又は離れ家などの、固定された構造物内にあり得る。
【0023】
洗面所100は、便器104、キャビネット106、流し台108、及び蛇口110を支持する、床102を含む。洗面所100は、床102と天井114を連結する壁112によって取り囲まれている。壁112のうちの1つを通って敷居116が形成され、敷居116は、(
図1では示されていない)ドアを保持するように構成されている。ドアは、開いた位置と閉じた位置との間で移動可能である。
【0024】
手乾燥システム120は、流し台108及び蛇口110の近くで、壁112のうちの1つに形成され又はさもなければ連結された空気出口124を画定する排気口122を含む。例えば、排気口122は、手が洗われる蛇口110と湿った手を乾燥させる排気口122との間の短い経路を提供するために、蛇口110の上方に取り付けられ、及び/又は蛇口110の側方に取り付けられ得る。排気口122の空気出口124は、洗面所100の内部空間125と直接的に流体連通している。
【0025】
起動センサ126が、空気出口124の下方などの、排気口122の近くに位置決めされている。起動センサ126は、1以上の有線接続を通じて(
図3で示される電源148などの)電源に接続され得る。例えば、起動センサ126は、空気出口124の下方1~3インチに位置決めされ得るが、起動センサ126は、空気出口124の下方1インチ未満又は3インチを超えても位置決めされ得る。少なくとも1つの実施例では、起動センサ126が、所定の起動区域129内(例えば、空気出口124の半径6インチ以下の範囲内)で、(個人の手などの)物体の存在を検出するように構成された赤外線センサである。起動区域129は、洗面所100内の様々な位置であり得る。例えば、起動区域129は、排気口122の下方、排気口122の上方、排気口122の側方であり、又は洗面所100内の別の構造物に位置決めされ得る。起動センサ126が、起動区域129内で手の存在を検出したときに、手乾燥システム120は、空気出口124から乾燥した空気の流れを排出するために起動される。手が、起動区域129から除去されたときに、起動センサ126は、起動区域内に手がないことを検出し、手乾燥システム120は起動解除される。少なくとも1つの他の実施例では、起動センサ126が、空間の容積内で物体の存在を検出するために使用される、超音波センサ又は他の種類のセンサであり得る。代替的に、起動センサの代わりに、手乾燥システム120が、所定の期間にわたり手乾燥システム120を起動させるために個人が押す起動ボタンを含み得る。
【0026】
図2は、本開示の一実施例による、洗面所100の壁112に取り付けられた手乾燥システム120の排気口122の前面斜視図を示している。示されているように、起動センサ126は、排気口122の下方(1~3インチの間など)の短い距離に固定され得る。起動センサ126は、起動区域129を画定する所定の距離にわたり、(赤外線光などの)放出物を出力する。手が起動区域の中へ移動されると、手乾燥システム120が起動され、それによって、排気口122の空気出口124から乾燥した空気の流れが排出される。手が起動区域129から除去された後で、手乾燥システム120は起動解除される。
【0027】
図3は、本開示の一実施例による、手乾燥システム120の概略図を示している。手乾燥システム120は、1以上のチューブ、パイプ、ダクト、プレナムなどの、気流導管132を通じて排気口122に連結された、ブロワハウジング130を含む。
【0028】
ブロワハウジングは、気流146(すなわち、空気室140から導管132を通って、空気出口124に向けて及び空気出口124から出るように移動する空気の流れ)を生成するように構成されたブロワ142を含む。排気口122は、洗面所の壁112などの、(
図1で示された)洗面所100に固定されるように構成されている。排気口122は、空気出口124を画定する。導管132は、空気室140に流体連通した第1の端部137と排気口122の空気出口124に流体連通した第2の端部139を有する。
【0029】
ブロワハウジング130は、直立した支持壁138によって上壁136に連結された基部134を含む。空気室140は、基部134、上壁136、及び支持壁138の間で画定されている。ブロワ142は、ブロワハウジング130の一部分と、固定されるように取り付けられている。例えば、ブロワ142は、支持壁138、基部134、及び/又は上壁136と、固定されるように取り付けられ得る。ブロワ142は、モータ146と動作可能に連結されたファン144を含む。少なくとも1つの実施例では、ファン144が、RC航空機のプロペラなどのプロペラであり、又はさもなければプロペラを含む。少なくとも1つの実施例では、モータ146が、ファン144の上又はファン144の範囲内の磁気材料と磁気的に連結された1以上の永久磁石を含む、直流の磁気モータである。モータ146と磁気的に連結されたRC航空機のプロペラの形態を採るファン144は、実質的に通常の自動ハンドドライヤー未満の電力を引き出す、(90%の効率を超える)高エネルギー効率の及び(従来のハンドドライヤーと比較して)静かなブロワ142を提供することが分かってきた。モータ146の磁石が回転すると、磁気的な連結は、ファン144が回転し、それによって、空気室140内で気流が生成されることをもたらす。代替的に、ファン144は、RCプロペラの代わりに、翼、ホイールなどを有する他の種類の回転ファンであり又は回転ファンを含み得る。更に、代替的に、モータ146は、例えば、1以上の機械的リンクを通じてファンと動作可能に連結された、(電磁モータなどの)別の種類のアクチュエータであり得る。
【0030】
モータ146は、1以上の有線接続などを通じて、電源148に接続されている。少なくとも1つの実施例では、電源148が、1以上のバッテリなどの直流(DC)電源である。任意選択的に、電源148は、航空機内などの、別のDC電源であり、又は(標準的なAC電源に接続された壁コンセントなどの)交流(AC)電源であり得る。
【0031】
防音材150が、ブロワハウジング130に連結され得る(例えば、その上に又はその中に取り付けられる、その範囲内に埋め込まれるなど)。例えば、防音材150は、基部134、上壁136、及び支持壁138の上又は下に取り付けられ、その範囲内に埋め込まれ、一列に並べられ、又はさもなければ連結され得る。防音材は、閉じたセル又は開いたセルの音響的なフォーム(acoustic foam)などの、音響的なフォームであり得る。更に、音響減衰バリア153が、空気室140内に取り付けられ得る。音響減衰バリア153は、防音材150と同じ材料から形成され得る。音響減衰バリア153は、空気室140を通って延在し導管132の内部空気チャネル155に連結された、気流経路154内に配置されている。例えば、音響減衰バリア153は、音響エネルギーを減衰させ且つ音波を導管132内に固定された別の音響減衰バリア156に向けて反射するように角度が付けられている。減衰バリア153の角度は、示されているものよりも大きくても又は小さくてもよい。少なくとも1つの他の実施例では、ブロワハウジング130及び/又は導管132の1以上の内面に沿って、防音材が並べられていてもよい。
【0032】
導管132は、1以上の可撓性チューブ、パイプ、プレナムなどから形成され得る。示されているように、導管132は、直角などで第2のセグメント135に連結されている第1のセグメント133を含む。任意選択的に、第1のセグメント133は、様々な他の角度、弓状の曲げなどにおいて第2のセグメント135に連結され得る。音響減衰バリア156は、第1のセグメント133と第2のセグメント135の接合部において配置されている。導管132は、更なるセグメントを含み得る。少なくとも1つの他の実施例では、導管132が、排気口122にブロワハウジング130を連結する、単一の直線的なセグメントを含み得る。
【0033】
図1及び
図3を参照すると、導管132は、ブロワハウジング130を排気口122に連結している。排気口122は、洗面所100の壁112に連結されている。導管132は、ブロワハウジング130が、洗面所100から遠隔に位置付けられることを可能にする。例えば、ブロワハウジング130は、洗面所100の壁112の後ろ、床102の下、又は天井114の上に位置決めされ得る。少なくとも1つの実施例では、ブロワハウジング130が、洗面所100の如何なる部分にも接触していない。ブロワハウジング130を洗面所100から遠隔に位置付けることによって、手乾燥システム120によって生成された騒音が洗面所100の中へ伝達されない。更に、防音材150と音響減衰バリア153及び156は、音波が排気口122に到達する前に音波を減衰させる(例えば、吸収する)。
【0034】
UV光アセンブリ158は、排気口122の近くの導管132内に固定されている。UV光アセンブリ158は、1以上の有線接続などを通じて、電源148に接続されている。UV光アセンブリ158は、導管132を通って排気口122に向けて流れる気流の中へ消毒用UV光を放射するように構成されている。そのようにして、気流は、空気出口124を通って排出される前に消毒用UV光によって消毒される。示されているように、UV光アセンブリ158は、導管132内にある。したがって、放射されたUV光は、空気出口124から出ていくことはないだろう。このやり方で、(
図1及び
図2で示された)洗面所100内の個人は、概して、UV光アセンブリ158又は生成された消毒用UV光を見ることはない。この構成では、個人が、放射された消毒用UV光に直接的に晒されることはない。任意選択的に、UV光アセンブリ158は、ブロワ囲い130内及び/又は導管132の端部137の近くに配置され得る。少なくとも1つの他の実施例では、手乾燥システム120が、複数のUV光アセンブリ158を含み得る。
【0035】
少なくとも1つの実施例では、消毒用UV光が遠UV光である。代替的に、消毒用UV光は、UVA光、UVB光、UVC光、真空UV光などであり得る。少なくとも1つの実施例では、UV光アセンブリ158が、消毒用UV光を放射するように構成された、空気ランプ、発光ダイオード(LED)、フィラメント、光ファイバーなどの、1以上のUV光要素を含む。少なくとも1つの実施例では、UV光要素が、異なるUVバンド(例えば、異なる波長及び異なる周波数)を有するUV光を放射するように構成され得る。例えば、1つのUV光要素は、遠UV光を放射するように構成され、一方、別の1つのUV光要素は、UVC光を放射するように構成され得る。代替的に、手乾燥システム120は、UV光アセンブリ158を含まなくてもよい。
【0036】
加熱コイル160が、排気口122の近くの導管132内に配置され、1以上の有線接続などを通じて電源148に接続されている。示されているように、加熱コイル160は、UV光アセンブリ158と排気口122との間の導管132内に配置され得る。加熱コイル160を排気口の近くに位置決めすることによって、導管132を通って流れる気流が、空気出口124から出ていく直前に加熱される。このやり方では、加熱コイル160がブロワハウジング130の近くに配置された場合と比較して、空気出口124を出ていく気流が暖かいことが保証される。代替的に、加熱コイル160は、ブロワハウジング130の近くの導管132内に位置決めされ得る。少なくとも1つの他の実施例では、加熱コイル160が、ブロワハウジング130内に配置され得る。任意選択的に、手乾燥システム120は、導管132及び/又はブロワハウジング130内に配置された複数の加熱コイルを含み得る。代替的に、手乾燥システム120は、加熱コイル160を含まなくてもよい。
【0037】
ドライヤー制御ユニット170が、1以上の有線又は無線接続などを通じて、モータ146、UV光アセンブリ158、加熱コイル160、及び起動センサ126と通信する。ドライヤー制御ユニット170は、1以上の有線接続などを通じて、電源148にも接続され、又は任意選択的に個別の電源を含み得る。ドライヤー制御ユニット170は、(ブロワハウジング130などの)手乾燥システム120の一部分に取り付けられ、又は手乾燥システム120の他の構成要素から遠隔に位置付けられ得る。ドライヤー制御ユニット170は、電源148に接続され、又は別の電源によって電力供給され得る。ドライヤー制御ユニット170は、手乾燥システム120の動作を制御するように構成されている。
【0038】
図1~
図3を参照すると、動作では、個々人が彼らの手を乾燥させるために、個々人は、彼らの手を起動センサ126の起動区域129内に位置決めする。(1以上の)手が起動区域129内に位置決めされると、起動センサ126が、(赤外線放射などを通じて)それらの存在を検出し、ドライヤー制御ユニット170へ存在信号を放射する。起動センサ126から存在信号を受信すると、ドライヤー制御ユニット170はモータ146を起動する。モータ146は、ファン144を回転させ、それによって、空気室140内で気流146を生成する。
【0039】
ブロワ142によって生成された騒音は、ブロワハウジング130に連結された防音材150によって低減される(例えば、減衰される)。更に、空気室142内でブロワ142によって生成された騒音は、音響減衰バリア153に向かって伝播する音波180として放射される。音波の音響エネルギー180は、音響減衰バリア153によって更に減衰される。残りの音響エネルギー182は、音響減衰バリア153によって、音響減衰バリア156へ向けて反射され得る。音響減衰バリア153は、残りの音響エネルギー182が音響減衰バリア156に向けて反射されるように、空気室140内で角度が付けられている(例えば、入射角が反射角に等しい)。残りの音響エネルギー182は、音響減衰バリア156に向けて直線的に反射されるので、導管132は、防音材で完全に絶縁される必要がない。代わりに、音響減衰バリア156は、第1のセグメント133と第2のセグメント135との接合部に配置され、それによって、残りの音響エネルギー182を減衰させ(例えば、吸収し)、ブロワ142によって生成された任意の騒音が実質的に減衰され又はさもなければ低減されることを確実にする。代替的に、更なる防音材が、導管132に連結され得る。ブロワハウジング130は、導管132によって洗面所100から離れて配置されているので、ブロワ142によって生成された任意の騒音は、ブロワハウジング140と洗面所100との間の距離、並びに防音材150及び音響減衰バリア153と156のおかげで、洗面所100に到達する前に減衰される。
【0040】
気流146が、導管132を通過すると、ドライヤー制御ユニット170が、UV光アセンブリ158を起動し、気流146が空気出口124から排出されて(1以上の)手に届く前に、流れている空気を消毒する。このやり方では、気流146が、乾燥されている(1以上の)手に至る前に消毒される。
【0041】
更に、ドライヤー制御ユニット170は、加熱コイル160を操作して、気流146が空気出口124から排出される前に気流146を加熱する。したがって、気流146は、乾燥されている(1以上の)手に至る前に加熱され、それによって、乾燥の効率を高める。
【0042】
(1以上の)手が起動区域129から除去された後で、起動センサ126は、起動区域129内に何もないことを検出し、ドライヤー制御ユニット170へ対応する存在信号を送信する。起動センサ126から起動区域129内に何もないことを示す存在信号を受信すると、ドライヤー制御ユニット170は、モータ146を起動解除し、それによって、ファン144の回転を止め、UV光アセンブリ158と加熱コイル160を起動解除する。
【0043】
上述されたように、手乾燥システム120は、ブロワ142を音響的に絶縁されたハウジング130内に位置決めすることによって、及び、(洗面所100の壁の後ろなどの)洗面所100から遠隔に位置付けることによって、ブロワ142によって生成された騒音を低減させる。音響減衰バリア156は、導管132の直角曲がり部内に位置決めされ、残りの音響的エネルギー182を減衰させる。少なくとも1つの実施例では、ファン144が、モータ146に連結された高効率のRC航空機のプロペラであり、モータ146は、永久磁石モータであり、通常の自動ハンドドライヤーよりも実質的に少ない騒音を生成し得る。手乾燥システム120は、UV光アセンブリ156の使用を通じて高められた消毒も提供し、UV光アセンブリ156は、気流146が空気出口124から排出される前に気流146を消毒し、手乾燥システム120は、ドライヤー制御ユニット170と通信する起動センサ126を介してタッチレスな動作も提供する。
【0044】
本明細書で使用される際に、「制御ユニット」、「中央処理装置」、「CPU」などという用語は、マイクロコントローラ、縮小指示命令セットコンピュータ(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、及び、本明細書で説明される機能を実行することが可能なハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせを含む任意の他の回路又はプロセッサを使用するシステムを含む、任意のプロセッサベース又はマイクロプロセッサベースのシステムを含み得る。上述したものは例示的なものに過ぎず、したがって、そのような用語の定義及び/又は意味を何らかのやり方で限定することを意図していない。例えば、上述のように、ドライヤー制御ユニット170は、手乾燥システム120の動作を制御するように構成された、1以上のプロセッサであり又はそれらを含み得る。
【0045】
ドライヤー制御ユニット170は、データを処理するために、(1以上のメモリなどの)1以上のデータ記憶ユニット又は素子内に記憶された、一組の指示命令を実行するように構成されている。例えば、ドライヤー制御ユニット170は、1以上のメモリを含み得るか、又は1以上のメモリに接続され得る。データ記憶ユニットは、所望又は必要に応じて、データ又は他の情報も記憶し得る。データ記憶ユニットは、情報ソース、又は処理マシン内の物理メモリ要素という形態を採り得る。
【0046】
一組の指示命令は、ドライヤー制御ユニット170が、処理マシンとして、本明細書で説明される主題の様々な実施例の方法及びプロセスなどの、特定の動作を実行するように指示命令する、様々なコマンドを含み得る。一組の指示命令は、ソフトウェアプログラムの形態を採ってもよい。ソフトウェアは、システムソフトウェア又はアプリケーションソフトウェアなどの様々な形態を採り得る。更に、ソフトウェアは、分離したプログラムの集合、より大きなプログラム内のプログラムサブセット、又はプログラムの一部分の形態を採り得る。ソフトウェアは、オブジェクト指向プログラミングの形態を採るモジュラープログラミングも含み得る。処理マシンによる入力データの処理は、ユーザのコマンドに応じ、又は、従前の処理の結果に応じ、又は、別の処理マシンによってなされた要求に応ずるものであり得る。
【0047】
本明細書の実施例の図面は、ドライヤー制御ユニット170などの1以上の制御又は処理ユニットを示し得る。処理又は制御装置が、本明細書に記載の動作を実行する(例えば、コンピュータハードドライブ、ROM、RAMなどの、有形且つ非一過性のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたソフトウェアなど)、関連する指令を含むハードウェアとして実装され得る回路、又はその一部を表していることを理解されたい。ハードウェアは、本明細書に記載の機能を実行するようハードワイヤードされたステートマシン回路を含み得る。任意選択的に、ハードウェアが、マイクロプロセッサ、プロセッサ、コントローラなどの1以上の論理ベースのデバイスを含み、且つ/又はそれらに接続された電子回路を含んでもよい。任意選択的に、ドライヤー制御ユニット170は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、(1以上の)マイクロプロセッサなどのうちの1以上などの処理回路を表し得る。様々な実施例内の回路は、本明細書で説明される機能を実施するために、1以上のアルゴリズムを実行するように構成されてもよい。そのような1以上のアルゴリズムは、フローチャート又は方法において明示的に特定されているか否かに関わらず、本明細書に記載の実施例の諸態様を含み得る。
【0048】
本明細書で使用される際に、「ソフトウェア」及び「ファームウェア」という用語は、置き換え可能であり、RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、及び不揮発性RAM(NVRAM)メモリを含む、コンピュータによる実行のためのデータ記憶ユニット(例えば、1以上のメモリ)に記憶される任意のコンピュータプログラムを含む。上記のデータ記憶ユニットのタイプは例示的なものにすぎず、したがって、コンピュータプログラムを記憶するために使用することができるメモリのタイプを限定するものではない。
【0049】
図4は、本開示の一実施例による、手乾燥システムを操作する方法のフローチャートである。
図1~
図4を参照すると、該方法は、300で始まり、ドライヤー制御ユニット170が、起動センサ126によって出力された存在信号を受信しモニタする。302では、ドライヤー制御ユニット170が、起動センサ126から受信した存在信号に基づいて、手が起動センサ126の起動区域内にあるか否かを判定する。手が起動区域内にないならば、ドライヤー制御ユニット170は、ブロワ142を起動することを控える(304)。その後、該方法は300へ戻る。
【0050】
しかし、ドライヤー制御ユニット170が、手が起動区域内にあると判定したならば、該方法は、302から306へ進み、ドライヤー制御ユニット170が、ブロワ142を起動して、空気室140及び導管132内で空気出口124に向けて気流146を生成する。308では、ドライヤー制御ユニット170が、UV光アセンブリ158を起動して、気流146が空気出口124を通過する前に気流146を消毒する。310では、ドライヤー制御ユニット170が、加熱コイル160を起動して、気流が空気出口124を通過する前に気流を加熱する。
【0051】
312では、ドライヤー制御ユニット170が、起動センサ126によって出力された存在信号のモニタを継続する。314では、ドライヤー制御ユニット170が、起動センサ126から受信した存在信号に基づいて、(1以上の)手が未だ起動センサ126の起動区域内にあるか否かを判定する。(1以上の)手が未だ起動区域内にあるならば、該方法は、314から316へ進み、ドライヤー制御ユニット170が、ブロワ142、UV光アセンブリ158、及び加熱コイル160の操作を継続する。その後、該方法は314へ戻る。
【0052】
しかし、314で手がもはや起動区域内にないと判定したならば、該方法は、318へ進み、ドライヤー制御ユニット170が、ブロワ142、UV光アセンブリ158、及び加熱コイル160の各々を起動解除する。その後、該方法は300へ戻る。
【0053】
図5は、本開示の一実施例による、航空機600の上面斜視図を示している。航空機600には、例えば、2つのターボファンエンジン614を含み得る推進システム612が含まれる。任意選択的に、推進システム612には、図示したものよりも更に多くのエンジン614が含まれ得る。エンジン614は、航空機600の翼616によって担持される。他の実施例では、エンジン614が、胴体618及び/又は尾部620によって担持され得る。尾部620は、水平尾翼622と垂直尾翼624も支持し得る。
【0054】
航空機600の胴体618が内部客室を画定し、内部客室は、操縦室、1以上の作業セクション(例えば、調理室、乗務員の手荷物領域など)、1以上の乗客セクション(例えば、ファーストクラス、ビジネスクラス、及びエコノミークラス)、及び後方セクションを含み得る。各セクションは、1以上のクラス仕切りアセンブリを含み得る客室移行領域によって分離され得る。頭上荷物箱アセンブリは、内部客室全体に位置決めされ得る。内部客室は、(
図1及び
図2で示された)洗面所100を含む。(
図1~
図3で示された)手乾燥システム120は、各洗面所100内に配置されている。
【0055】
代替的に、航空機の代わりに、本開示の実施例が、自動車、バス、レクリエーショナルビークル、機関車及び列車、船、船舶などの、様々な他の輸送体で使用されてもよい。更に、本開示の実施例は、商業建物及び住居建物などの、固定された構造物に関して使用されてもよい。
【0056】
図6は、本開示の一実施例による、航空機の内部客室の上面図を示している。内部客室630は、航空機の胴体632内にあり得る。例えば、1以上の胴体壁により、内部客室630が画定され得る。内部客室630には、前方セクション633、ファーストクラスセクション634(又はファーストクラススイート、客室など)、ビジネスクラスセクション636、前方調理室ステーション638、拡張されたエコノミーすなわちコーチセクション640、標準のエコノミーすなわちコーチセクション642、及び後方セクション644を含む、複数のセクションが含まれ得る。それらの各々は、複数の洗面所100を含み、上述されたように、複数の洗面所100の各々は、(
図1~
図3で示された)手乾燥システム120を含み得る。内部客室630は、図示したものよりも多くの又は少ないセクションを含み得ると理解すべきである。例えば、内部客室630には、ファーストクラスセクションが含まれなくてもよく、図示したものよりも更に多くの又は少ない調理室ステーションが含まれてもよい。複数のセクションの各々は、通路648の間にクラス仕切りアセンブリを含み得る、客室移行領域646によって分離され得る。
【0057】
図6で示されるように、内部客室630は、後方セクション644につながっている2つの通路650及び652を含む。任意選択的に、内部客室630は、図示したものよりも少ない又は多い通路を有し得る。例えば、内部客室630には、後方セクション644につながっている内部客室630の中央を通って延在する単一の通路が含まれ得る。
【0058】
図7は、本開示の一実施例による、航空機の内部客室の上面図を示している。内部客室680は、航空機の胴体681内に含まれ得る。例えば、1以上の胴体壁により、内部客室680が画定され得る。内部客室680は、乗客席638を有する主要な客室682、及び主要な客室682の後ろの後方セクション685を含む、複数のセクションを含む。内部客室680は、図示したものよりも多くの又は少ないセクションを含み得ると理解すべきである。
【0059】
内部客室680には、後方セクション685につながる単一の通路684が含まれ得る。単一の通路684は、後方セクション685につながる内部客室680の中央を通って延在し得る。例えば、単一の通路684は、内部客室680の中央縦断面の同軸上に位置合わせされ得る。
【0060】
1以上の洗面所100が、内部客室680内に配置され得る。上述されたように、各洗面所100は、(
図1~
図3で示された)手乾燥システム120を含み得る。
【0061】
図8は、本開示の一実施例による、手乾燥システム120のネスト化されたブロック図を示している。手乾燥システム120は、(
図6で示された)内部客室630又は(
図7で示された)内部客室680内の洗面所の何れかなどの、洗面所100内で使用され得る。手乾燥システム120は、ブロワハウジング130を含む。ブロワハウジング130は、空気室140内で気流を生成するブロワ142を含む。少なくとも1つの実施例では、ブロワ142が、磁気モータなどのモータ146、及び磁気モータに磁気的に連結されたプロペラなどのファン144を含む。
【0062】
例えば、排気口122は、洗面所の内部空間に流体連通し得る空気出口124を画定する。
【0063】
導管132が、空気室140と空気出口124とに流体連通している。導管132は、洗面所の内部空間から遠隔にブロワハウジング130を位置付ける。
【0064】
防音材150が、ブロワハウジング130に連結され得る。少なくとも1つの音響減衰バリア153が、空気室140内に配置され得る。少なくとも1つの音響減衰バリア156が、導管132内に配置され得る。音響絶縁材150及び音響減衰バリア153と156は、ブロワ142によって生成された騒音を低減させる。
【0065】
加熱コイル160が、導管132内に配置され得る。加熱コイル160は、気流が空気出口124を通過して洗面所の内部空間の中に入る前に、気流を加熱するように構成されている。
【0066】
起動センサ126が、起動区域内の手の存在を検出し、ドライヤー制御ユニット170へ入力される存在信号を出力するように構成されている。すなわち、ドライヤー制御ユニット170は、存在信号を受信する。ブロワ142は、起動センサ126が起動区域内の手の存在を検出したときに、起動されるように構成されている。例えば、存在信号を受信したことに応じて、ドライヤー制御ユニットがブロワ142を起動する。
【0067】
ドライヤー制御ユニット170は、ブロワ142、加熱コイル160、及び起動センサ126と通信する。ドライヤー制御ユニット170は、手乾燥システム120の動作を制御するように構成されている。
【0068】
少なくとも1つの実施例では、手乾燥システム120が、ブロワハウジング130及び/又は導管132内に配置された紫外線(UV)光アセンブリ158を含む。UV光アセンブリ158は、気流が空気出口124を通過する前に、消毒用UV光を用いて気流を消毒する。
【0069】
図1~
図8を参照すると、本開示の実施例は、航空機に搭載された洗面所内での使用に特に良く適した、効率的な手乾燥システム及び方法を提供する。本開示の実施例は、廃棄物をほとんど又は全く生成しない静かで衛生的な手乾燥システム及び方法を提供する。
【0070】
本開示の実施例の説明のために、上部、底部、下方、中央、横方向、水平、垂直、前方などの空間及び方向に関する様々な語が用いられているが、そのような語は図面で示す方向に対するものとして用いられているにすぎないことを理解されたい。向きを、反転させる、回転させる、又はそうでなければ、上部が下部に、また下部が上部になるように、また水平が垂直になるように変化させることができる。
【0071】
本明細書で使用する、作業又は工程を実施する「ように構成される」構造、限定事項、又は要素は、特に作業又は工程に対応する方法で構造的に形成、構成、又は適合されている。明確さのため、及び誤解を避けるために、作業又は工程を実施するために変更可能であるに過ぎない対象物は、本明細書で使用する作業又は工程を実施する「ように構成」されてはいない。
【0072】
更に、本開示は以下の条項による例を含む。
条項1
洗面所のための手乾燥システムであって、空気室内で気流を生成するように構成されたブロワを含むブロワハウジングであって、前記ブロワが、磁気モータ及び前記磁気モータと磁気的に連結されたプロペラを含む、ブロワハウジング、前記洗面所に固定されるように構成された排気口であって、空気出口を画定する、排気口、並びに前記空気室に流体連通した第1の端部と前記空気出口に流体連通した第2の端部を有する導管であって、前記洗面所から遠隔に前記ブロワハウジングを位置付ける、導管を備える、手乾燥システム。
条項2
前記ブロワハウジングに連結された防音材を更に備える、条項1に記載の手乾燥システム。
条項3
前記空気室内に配置された音響減衰バリアを更に備える、条項1又は2に記載の手乾燥システム。
条項4
前記導管内に配置された少なくとも1つの音響減衰バリアを更に備える、条項1から3のいずれか一項に記載の手乾燥システム。
条項5
前記ブロワハウジング又は前記導管の一方又は両方の範囲内に配置された紫外線(UV)光アセンブリであって、前記気流が前記空気出口を通過する前に、消毒用UV光を用いて前記気流を消毒するように構成された、UV光アセンブリを更に備える、条項1から4のいずれか一項に記載の手乾燥システム。
条項6
前記UV光アセンブリが、前記導管の前記第2の端部の近くに位置決めされている、条項5に記載の手乾燥システム。
条項7
前記導管内に配置された加熱コイルであって、前記気流が前記空気出口を通過する前に前記気流を加熱するように構成された、加熱コイルを更に備える、条項1から6のいずれか一項に記載の手乾燥システム。
条項8
前記加熱コイルが、前記導管の前記第2の端部の近くに位置決めされている、条項7に記載の手乾燥システム。
条項9
起動区域内の手の存在を検出し存在信号を出力するように構成された、起動センサを更に備え、前記起動センサが前記起動区域内の前記手の前記存在を検出したときに、前記ブロワが起動されるように構成されている、条項1から8のいずれか一項に記載の手乾燥システム。
条項10
前記ブロワと通信し、且つ、前記ブロワの動作を制御するように構成された、ドライヤー制御ユニットを更に備える、条項1から9のいずれか一項に記載の手乾燥システム。
条項11
洗面所のための手乾燥方法であって、空気出口を有する排気口を前記洗面所に固定すること、導管の第1の端部をブロワハウジングの空気室に流体結合すること、前記ブロワハウジングに防音材を連結すること、前記空気室内に少なくとも1つの第1の音響減衰バリアを配置すること、前記導管内に少なくとも1つの第2の音響減衰バリアを配置すること、前記導管の第2の端部を前記排気口の前記空気出口に流体結合すること、前記流体結合することによって前記洗面所から遠隔に前記ブロワハウジングを位置付けること、及びブロワを用いて前記ブロワハウジングの前記空気室内で気流を生成することを含む、手乾燥方法。
条項12
前記ブロワの磁気モータにプロペラを磁気的に連結することを更に含む、条項11に記載の手乾燥方法。
条項13
前記導管内に紫外線(UV)光アセンブリを配置すること、前記気流が前記空気出口を通過する前に、消毒用UV光を前記気流の中へ放射すること、及び前記放射することによって前記気流を消毒することを更に含む、条項11又は12に記載の手乾燥方法。
条項14
前記導管内に前記UV光アセンブリを配置することが、前記導管の前記第2の端部の近くに前記UV光アセンブリを位置決めすることを含む、条項13に記載の手乾燥方法。
条項15
前記導管内に加熱コイルを配置すること、及び前記加熱コイルを使用して、前記気流が前記空気出口を通過する前に、前記気流を加熱することを更に含む、条項11から14のいずれか一項に記載の手乾燥方法。
条項16
前記導管内に前記加熱コイルを配置することが、前記導管の前記第2の端部の近くに前記加熱コイルを位置決めすることを含む、条項15に記載の手乾燥方法。
条項17
ドライヤー制御ユニットを前記ブロワと動作可能に接続すること、及び前記ドライヤー制御ユニットを使用して、前記ブロワの動作を制御することを更に含む、条項11から16のいずれか一項に記載の手乾燥方法。
条項18
内部客室と、前記内部客室内の洗面所であって、内部空間を画定する、洗面所と、前記洗面所のための手乾燥システムとを備える、輸送体であって、前記手乾燥システムが、空気室内で気流を生成するように構成されたブロワを含むブロワハウジングであって、前記ブロワが、磁気モータ及び前記磁気モータと磁気的に連結されたプロペラを含む、ブロワハウジング、前記洗面所に固定された排気口であって、前記洗面所の前記内部空間に流体連通した空気出口を画定する、排気口、前記空気室に流体連通した第1の端部と前記空気出口に流体連通した第2の端部を有する導管であって、前記洗面所の前記内部空間から遠隔に前記ブロワハウジングを位置付ける、導管、前記ブロワハウジングに連結された防音材、前記空気室内に配置された少なくとも1つの第1の音響減衰バリア、前記導管内に配置された少なくとも1つの第2の音響減衰バリアを備え、前記防音材、前記少なくとも1つの第1の音響減衰バリア、及び前記少なくとも1つの第2の音響減衰バリアが、前記ブロワによって生成された騒音を低減させ、前記手乾燥システムが、更に、前記導管内に配置された加熱コイルであって、前記気流が前記空気出口を通過して前記洗面所の前記内部空間の中へ入る前に前記気流を加熱するように構成され、前記導管の前記第2の端部の近くに位置決めされた、加熱コイル、起動区域内の手の存在を検出し存在信号を出力するように構成された起動センサであって、前記起動センサが前記起動区域内の前記手の前記存在を検出したときに、前記ブロワが起動されるように構成された、起動センサ、並びに前記ブロワ、前記加熱コイル、及び前記起動センサと通信するドライヤー制御ユニットであって、前記手乾燥システムの動作を制御するように構成された、ドライヤー制御ユニットを備える、輸送体。
条項19
前記手乾燥システムが、前記ブロワハウジング又は前記導管の一方又は両方の範囲内に配置された紫外線(UV)光アセンブリであって、前記気流が前記空気出口を通過して前記洗面所の前記内部空間の中へ入る前に、消毒用UV光を用いて前記気流を消毒するように構成された、UV光アセンブリを更に備える、条項18に記載の輸送体。
条項20
前記UV光アセンブリが、前記導管の前記第2の端部の近くに位置決めされている、条項19に記載の輸送体。
【0073】
上記の説明は、限定ではなく例示を意図するものであることを、理解されたい。例えば、上述の実施例(及び/又はそれらの態様)は、互いに組み合わせて使用され得る。加えて、本開示の様々な実施例の範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料に適応させるために、様々な実施例の教示に多数の改変を加え得る。本明細書に記載の材料の形状寸法及びタイプは、本開示の様々な実施例のパラメータを規定することを意図しており、これらの実施例は限定的なものではなく例示的な実施例である。本発明を精査することにより、当業者には他の多くの実施例が明らかであろう。本開示の様々な実施例の範囲は、添付の特許請求の範囲、並びに、かかる特許請求の範囲が認められる均等物の全範囲を参照して、決定されるべきである。添付の特許請求の範囲において、「含む(including)」及び「そこにおいて(in which)という用語は、それぞれ、「備える(comprising)」及び「そこで(wherein)」という用語の、明白な同義語として使用される。また、「第1」、「第2」、及び「第3」等の用語は単に符号として使用され、それらの対象物に数的要件を課すことを意図するものではない。更に、以下の特許請求の範囲の限定は、ミーンズ・プラス・ファンクション書式で記述されておらず、かかる特許請求の範囲の限定が、更なる構造のない機能の記述が後続する「のための手段(means for)」という言い回しを明示的に使用しない限り、米国特許法第112条、段落(f)、に基づいて解釈されることを意図するものではない。
【0074】
ここに記載した説明では、ベストモードを含む本開示の様々な実施例を開示し、且つ当業者が任意のデバイス又はシステムの作成及び使用、並びに組込まれた任意の方法の実行を含め、本開示の様々な実施例を実施することを可能にするために実施例を使用している。本開示の様々な実施例の特許性の範囲は、特許請求の範囲によって画定され、当業者が想起する他の実施例を含み得る。かかる他の実施例は、実施例が特許請求の範囲の文言と相違しない構造要素を有する場合、又は、実施例が、特許請求の範囲の文言とごくわずかな相違しかない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であることが意図される。