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特許7266654文書審査支援装置、文書審査支援方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】文書審査支援装置、文書審査支援方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20230421BHJP
【FI】
G06Q10/06
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021168998
(22)【出願日】2021-10-14
【審査請求日】2021-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000102739
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀野 美奈子
(72)【発明者】
【氏名】宮川 俊和
(72)【発明者】
【氏名】本木 悦広
(72)【発明者】
【氏名】杉田 莉奈
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-231743(JP,A)
【文献】特開平09-305655(JP,A)
【文献】特開2006-065421(JP,A)
【文献】特開2021-056614(JP,A)
【文献】特開2017-228092(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
審査の対象である文書と、契約時のリスクに関する確認項目を含むチェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供して前記文書と前記チェックリストとを同一画面上に表示させる提供部と、
少なくとも前記チェックリストに含まれる前記確認項目に対する確認結果として入力された内容を含む作業記録を作成する作業記録作成部と、
を備え
前記チェックリストには、前記文書に記載された内容と連動する第1の確認項目と、前記文書に記載された内容と連動しない第2の確認項目とが含まれ、
前記提供部は、
前記第1の確認項目において特定の操作がなされた場合に、前記文書の内容のうち、特定の操作がなされた前記第1の確認項目に関連する内容と、前記チェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供して前記第1の確認項目に関連する内容と前記チェックリストとを同一画面上に表示させ、
前記提供部は、
前記第2の確認項目において特定の操作がなされた場合に、参照先として予め前記第2の確認項目に対応付けられているリンク先で得られる内容と、前記チェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供して前記リンク先で得られる内容と前記チェックリストとを同一画面上に表示させる文書審査支援装置。
【請求項2】
前記文書は、契約書であり、
前記提供部は、
特定の操作がなされた前記第1の確認項目に関連する条項と、前記チェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供して前記第1の確認項目に関連する条項と前記チェックリストとを同一画面上に表示させる、
請求項に記載の文書審査支援装置。
【請求項3】
前記提供部は、
特定の権限を有するユーザによるアクセスがあった場合に、前記チェックリストを登録するための情報を表示させるための表示情報をさらに提供する、
請求項1又は2に記載の文書審査支援装置。
【請求項4】
前記チェックリストを登録する登録部をさらに備え、
前記登録部は、新たに登録の指示がなされた前記チェックリストと同じ種別のチェックリストが既に登録されている場合には、新たに登録の指示がなされた前記チェックリストで上書きして登録し、新たに登録の指示がなされた前記チェックリストと同じ種別のチェックリストが登録されていない場合には、新たに登録の指示がなされた前記チェックリストを登録する、
請求項1からのいずれか一項に記載の文書審査支援装置。
【請求項5】
前記作業記録作成部は、
前記確認項目に対する確認結果を入力したユーザに関する属性情報と、前記チェックリストの確認が完了した時刻とをさらに含む前記作業記録を作成する、
請求項1からのいずれか一項に記載の文書審査支援装置。
【請求項6】
前記作業記録作成部は、
ユーザが属する企業で指定するフォーマットで前記作業記録を作成する、
請求項1からのいずれか一項に記載の文書審査支援装置。
【請求項7】
前記作業記録は、加工可能な形式、又は、加工不可能な形式のいずれかの形式でダウンロード可能であり、
前記作業記録作成部は、ダウンロードする旨の選択がなされた場合に、指定された前記形式で前記作業記録を作成し、
前記提供部は、指定された形式で作成された前記作業記録を提供する、
請求項1からのいずれか一項に記載の文書審査支援装置。
【請求項8】
コンピュータが、
審査の対象である文書と、契約時のリスクに関する確認項目を含むチェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供して前記文書と前記チェックリストとを同一画面上に表示させ
少なくとも前記チェックリストに含まれる前記確認項目に対する確認結果として入力された内容を含む作業記録を作成し、
前記チェックリストには、前記文書に記載された内容と連動する第1の確認項目と、前記文書に記載された内容と連動しない第2の確認項目とが含まれ、
前記第1の確認項目において特定の操作がなされた場合に、前記文書の内容のうち、特定の操作がなされた前記第1の確認項目に関連する内容と、前記チェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供して前記第1の確認項目に関連する内容と前記チェックリストとを同一画面上に表示させ、
前記第2の確認項目において特定の操作がなされた場合に、参照先として予め前記第2の確認項目に対応付けられているリンク先で得られる内容と、前記チェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供して前記リンク先で得られる内容と前記チェックリストとを同一画面上に表示させる、
文書審査支援方法。
【請求項9】
審査の対象である文書と、契約時のリスクに関する確認項目を含むチェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供して前記文書と前記チェックリストとを同一画面上に表示させる提供部と
少なくとも前記チェックリストに含まれる前記確認項目に対する確認結果として入力された内容を含む作業記録を作成する作業記録作成部と、
前記チェックリストには、前記文書に記載された内容と連動する第1の確認項目と、前記文書に記載された内容と連動しない第2の確認項目とが含まれ、
前記提供部が、
前記第1の確認項目において特定の操作がなされた場合に、前記文書の内容のうち、特定の操作がなされた前記第1の確認項目に関連する内容と、前記チェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供して前記第1の確認項目に関連する内容と前記チェックリストとを同一画面上に表示させ、
前記提供部が、
前記第2の確認項目において特定の操作がなされた場合に、参照先として予め前記第2の確認項目に対応付けられているリンク先で得られる内容と、前記チェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供して前記リンク先で得られる内容と前記チェックリストとを同一画面上に表示させる文書審査支援装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書審査支援装置、文書審査支援方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業等の活動においては、合意内容や取引条件を記載した契約書等の文書を取り交わして当事者の地位や権利義務を明らかにすることで、企業等の様々な営みが遂行されている。文書に明記された権利と義務の内容が各当事者の目的に合致しているか否か、各当事者が負う可能性のある義務が許容されうるものであるか否か、法令に合致しているか否か等は、文書取り交わし後の活動や利益や不利益に大きな影響を持つ。そのため、文書締結時には慎重な検討や審査が必要となる。このような審査は契約書に限らず、例えば、融資等の申し込み書類や公募案件への応募書類、社内の稟議書等の何らかの文書の策定や承認の意思決定において都度必要となる。
【0003】
ここで審査とは、例えば社内のルールや契約ポリシー等の何らかの規定と、対象となる文書の内容を照合して、その適否を判断するプロセスと考えることができる。審査における照合には十分なスキルが必要のために一定のコストと時間を要するという課題があった。そこで、従来、経験や知識が乏しい契約担当者でも容易に契約書の審査を行うことができる支援装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の技術では、契約書の作成段階において、契約内容の審査に関係する契約書の記載を提示することによって、経験や知識が乏しい契約担当者でも容易に契約書の審査を行うことができるように支援している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-231743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実際の業務では、取引先との間で契約書の内容に合意が取れた後、自社内で契約書に押印する前に、契約時のリスクに関する確認項目を含むチェックリストを参照して契約書の確認を行う。この業務は、取引先との間で合意が取れた契約書をコンピュータの画面に表示して、別紙で用意されたチェックリスト見ながら行われる。そのため、経験や知識が乏しい契約担当者は、契約書の内容と、チェックリストとを比較してチェックリストの確認に時間を要してしまうという問題があった。なお、このような問題は契約書に限らず、融資等の申し込み書類や公募案件への応募書類、社内の稟議書等の何らかの文書の策定や承認の意思決定を示す文書に関連する問題である。
【0006】
上記事情に鑑み、本発明は、経験や知識が乏しい文書審査担当者においても、契約書審査時の契約時のリスクに関する確認項目を含むチェックリストの確認に要する時間を削減することができる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、審査の対象である文書と、契約時のリスクに関する確認項目を含むチェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供して前記文書と前記チェックリストとを同一画面上に表示させる提供部と、少なくとも前記チェックリストに含まれる前記確認項目に対する確認結果として入力された内容を含む作業記録を作成する作業記録作成部と、を備え、前記チェックリストには、前記文書に記載された内容と連動する第1の確認項目と、前記文書に記載された内容と連動しない第2の確認項目とが含まれ、前記提供部は、前記第1の確認項目において特定の操作がなされた場合に、前記文書の内容のうち、特定の操作がなされた前記第1の確認項目に関連する内容と、前記チェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供して前記第1の確認項目に関連する内容と前記チェックリストとを同一画面上に表示させ、前記提供部は、前記第2の確認項目において特定の操作がなされた場合に、参照先として予め前記第2の確認項目に対応付けられているリンク先で得られる内容と、前記チェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供して前記リンク先で得られる内容と前記チェックリストとを同一画面上に表示させる文書審査支援装置である。
【0009】
本発明の一態様は、上記の文書審査支援装置であって、前記文書は、契約書であり、前記提供部は、特定の操作がなされた前記第1の確認項目に関連する条項と、前記チェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供して前記第1の確認項目に関連する条項と前記チェックリストとを同一画面上に表示させる。
【0010】
本発明の一態様は、上記の文書審査支援装置であって、前記提供部は、前記第2の確認項目において特定の操作がなされた場合に、参照先として予め前記第2の確認項目に対応付けられているリンク先で得られる内容と、前記チェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供する。
【0011】
本発明の一態様は、上記の文書審査支援装置であって、前記提供部は、特定の権限を有するユーザによるアクセスがあった場合に、前記チェックリストを登録するための情報を表示させるための表示情報をさらに提供する。
【0012】
本発明の一態様は、上記の文書審査支援装置であって、前記チェックリストを登録する登録部をさらに備え、前記登録部は、新たに登録の指示がなされた前記チェックリストと同じ種別のチェックリストが既に登録されている場合には、新たに登録の指示がなされた前記チェックリストで上書きして登録し、新たに登録の指示がなされた前記チェックリストと同じ種別のチェックリストが登録されていない場合には、新たに登録の指示がなされた前記チェックリストを登録する。
【0013】
本発明の一態様は、上記の文書審査支援装置であって、前記作業記録作成部は、前記確認項目に対する確認結果を入力したユーザに関する属性情報と、前記チェックリストの確認が完了した時刻とをさらに含む前記作業記録を作成する。
【0014】
本発明の一態様は、上記の文書審査支援装置であって、前記作業記録作成部は、ユーザが属する企業で指定するフォーマットで前記作業記録を作成する。
【0015】
本発明の一態様は、上記の文書審査支援装置であって、前記作業記録は、加工可能な形式、又は、加工不可能な形式のいずれかの形式でダウンロード可能であり、記作業記録作成部は、ダウンロードする旨の選択がなされた場合に、指定された前記形式で前記作業記録を作成し、前記提供部は、指定された形式で作成された前記作業記録を提供する。
【0016】
本発明の一態様は、コンピュータが審査の対象である文書と、契約時のリスクに関する確認項目を含むチェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供して前記文書と前記チェックリストとを同一画面上に表示させ、少なくとも前記チェックリストに含まれる前記確認項目に対する確認結果として入力された内容を含む作業記録を作成し、前記チェックリストには、前記文書に記載された内容と連動する第1の確認項目と、前記文書に記載された内容と連動しない第2の確認項目とが含まれ、前記第1の確認項目において特定の操作がなされた場合に、前記文書の内容のうち、特定の操作がなされた前記第1の確認項目に関連する内容と、前記チェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供して前記第1の確認項目に関連する内容と前記チェックリストとを同一画面上に表示させ、前記第2の確認項目において特定の操作がなされた場合に、参照先として予め前記第2の確認項目に対応付けられているリンク先で得られる内容と、前記チェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供して前記リンク先で得られる内容と前記チェックリストとを同一画面上に表示させる、文書審査支援方法である。
【0017】
本発明の一態様は、審査の対象である文書と、契約時のリスクに関する確認項目を含むチェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供して前記文書と前記チェックリストとを同一画面上に表示させる提供部と、少なくとも前記チェックリストに含まれる前記確認項目に対する確認結果として入力された内容を含む作業記録を作成する作業記録作成部と、前記チェックリストには、前記文書に記載された内容と連動する第1の確認項目と、前記文書に記載された内容と連動しない第2の確認項目とが含まれ、前記提供部が、前記第1の確認項目において特定の操作がなされた場合に、前記文書の内容のうち、特定の操作がなされた前記第1の確認項目に関連する内容と、前記チェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供して前記第1の確認項目に関連する内容と前記チェックリストとを同一画面上に表示させ、前記提供部が、前記第2の確認項目において特定の操作がなされた場合に、参照先として予め前記第2の確認項目に対応付けられているリンク先で得られる内容と、前記チェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供して前記リンク先で得られる内容と前記チェックリストとを同一画面上に表示させる文書審査支援装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、経験や知識が乏しい文書審査担当者においても、契約書審査時の契約時のリスクに関する確認項目を含むチェックリストの確認に要する時間を削減することが可能となる。さらに、チェック結果をダウンロード出力することで、チェック結果を他者と共有することができ、改変不可のファイルとして出力すること及びチェック結果がシステム上に記録として残ることで、チェックリスト記入結果の偽造を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】文書審査支援システムの構成の一例を示す図である。
図2】実施形態における文書審査支援装置の構成の一例を示す図である。
図3】チェックリストの一例を示す図である。
図4】文書審査支援装置が提供するサービスへのログイン処理が完了した後に表示される表示画像の一例を示す図である。
図5】チェックリストを登録するための表示画像の一例を示す図である。
図6】チェックリストを確認するための表示画像の一例を示す図である。
図7】チェックリストによる確認を行うための表示画像の一例を示す図である。
図8】チェックリストを用いた確認を行うための表示画像の一例を示す図である。
図9】チェックリストを用いた確認を行うための表示画像の一例を示す図である。
図10】チェックリストを用いた確認を行うための表示画像の一例を示す図である。
図11】チェックリストを用いた確認を行うための表示画像の一例を示す図である。
図12】チェックリストを用いた確認を行うための表示画像の一例を示す図である。
図13】実施形態における文書審査支援装置で作成される作業記録の一例を示す図である。
図14】実施形態における文書審査支援装置で作成される作業記録の一例を示す図である。
図15】実施形態における文書審査支援システムにおけるチェックリストの登録の処理の流れを示すシーケンス図である。
図16】実施形態における文書審査支援システムにおけるチェックリストの登録の処理の流れを示すシーケンス図である。
図17】実施形態における文書審査支援システムにおけるチェックリストの確認時の処理の流れを示すシーケンス図である。
図18】実施形態における文書審査支援システムにおけるチェックリストの確認時の処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(概要)
本実施形態における文書審査支援システムでは、文書審査支援装置が提供するサービスを利用して、文書審査支援装置に登録された文書の審査時におけるチェックリストの確認を支援する。文書は、例えば契約書、融資等の申し込み書類や公募案件への応募書類、社内の稟議書等の何らかの文書の策定や承認の意思決定を示す文書である。チェックリストは、顧客側で事前に用意した契約時のリスクに関する確認項目を含むリストである。文書審査支援装置が提供するサービスとは、契約書等の文書の審査時におけるチェックリストの確認支援である。
【0021】
本実施形態におけるチェックリストの確認支援とは、例えば契約書等の文書と、チェックリストとを同一画面上に表示してユーザに対してチェックリストの確認を促したり、契約書等の文書を参照してユーザがチェックリストに記入したチェック結果の内容を、予め登録されているリストファイルに反映して出力することである。これにより、経験や知識が乏しい文書審査担当者においても、契約書審査時の契約時のリスクに関する確認項目を含むチェックリストの確認に要する時間を削減することが可能になる。以下の説明では、文書が契約書であるものとして説明する。
【0022】
図1は、文書審査支援システム100の構成の一例を示す図である。文書審査支援システム100は、1以上の管理者端末装置10と、1以上の顧客端末装置20と、文書審査支援装置30とを備える。管理者端末装置10と、顧客端末装置20と、文書審査支援装置30は、ネットワーク40を介して通信する。ネットワーク40は、どのように構成されたネットワークであってもよい。例えば、ネットワーク40は、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、移動体通信網等のいずれかを含む。
【0023】
管理者端末装置10は、文書審査支援装置30が提供するサービスを利用するユーザのうち管理者が利用する装置である。管理者は、管理者端末装置10を操作して、契約書の種類に応じたチェックリストを文書審査支援装置30に登録する。契約書の種類としては、例えば受注契約、再発注契約、売買契約等が一例として挙げられるが、契約書の種類はこれらに限定される必要はない。管理者端末装置10は、例えばVM(Virtual Machine)やコンテナ技術で構築されるOS(Operating System)、パーソナルコンピュータ、ノートパソコン、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等の情報処理装置を用いて構成される。
【0024】
顧客端末装置20は、文書審査支援装置30が提供するサービスを利用するユーザのうち管理者以外のユーザが利用する装置である。管理者以外のユーザとは、顧客端末装置20は、例えば文書審査担当者である。文書審査担当者は、顧客端末装置20を操作して、審査対象となる文書の登録及びチェックリストの記入等を行う。顧客端末装置20は、例えばVM(Virtual Machine)やコンテナ技術で構築されるOS(Operating System)、パーソナルコンピュータ、ノートパソコン、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等の情報処理装置を用いて構成される。
【0025】
上記では、説明の便宜上、管理者端末装置10と顧客端末装置20とを分けて説明しているが、管理者と文書審査担当者とが同一の端末装置(管理者端末装置10又は顧客端末装置20)を利用してもよい。文書審査支援装置30において、サービスを利用するユーザが管理者であるか文書審査担当者であるかは、ログインに利用するID及びパスワードで識別することができる。なお、上述したチェックリストの登録作業は、管理者の権限を持つユーザのみが行うことができる作業である。
【0026】
文書審査支援装置30は、契約書等の文書の審査支援のサービスを提供する。文書審査支援装置30は、顧客端末装置20によって登録された審査対象となる契約書と、文書審査支援装置30によって登録されたチェックリストとに基づいて契約書の審査の支援を行う。文書審査支援装置30は、例えばVMやコンテナ技術で構築されるOS、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて構成される。
【0027】
図2は、実施形態における文書審査支援装置30の構成の一例を示す図である。文書審査支援装置30は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備える。
【0028】
通信部31は、例えば管理者端末装置10及び顧客端末装置20との間で通信を行う。
【0029】
記憶部32には、ユーザ情報321、契約書ファイル322、チェックリスト323、一時保存データ324及びダウンロード用ファイル325等が記憶される。記憶部32は、磁気記憶装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。
【0030】
ユーザ情報321は、文書審査支援装置30が提供するサービスを利用するユーザに関する情報である。例えば、ユーザ情報321には、ログインID、ログインパスワード、企業名、属性情報等が含まれる。ログインIDは、文書審査支援装置30が提供するサービスを利用するためのIDである。ログインパスワードは、文書審査支援装置30が提供するサービスを利用するためのパスワードである。企業名は、文書審査支援装置30が提供するサービスを利用するユーザが属する企業の名称を表す。属性情報は、例えばユーザの属性を示す情報であり、ユーザの氏名と、所属組織(部署)と、職位と、社員番号と、ユーザが、管理者であるか、又は、管理者以外のユーザであるかを示す情報とを含む。ログインID及びログインパスワードに対応付けて、属性情報として管理者、又は、管理者以外のユーザのいずれかを示す情報がユーザ情報321として記憶部32に登録されている。そのため、文書審査支援装置30は、ログイン処理時に利用したログインID及びログインパスワードに基づいて、サービスを利用するユーザが管理者、又は、管理者以外のユーザであるかを判断することができる。
【0031】
契約書ファイル322は、審査対象の文書として登録された契約書である。
【0032】
チェックリスト323は、管理者端末装置10によって登録されたチェックリストである。記憶部32には、チェックリスト323として、契約書の種類に応じたチェックリストが企業毎に登録される。すなわち、記憶部32には、企業独自の契約時のリスクに関する確認項目を含むチェックリストがチェックリスト323として登録される。図3は、チェックリストの一例を示す図である。図3に示すチェックリストには、組織名、担当者名、確認年月日、チェック内容、判定、条件、参照条項、参照資料及び参照URL等の情報が含まれる。
【0033】
組織名は、チェックリストの確認を行ったユーザが属する企業の名称を表す。担当者名は、チェックリストの確認を行ったユーザの名前を表す。確認年月日は、チェックリストの確認を行った日付を表す。チェック内容は、契約書において確認すべき内容を表す。判定は、チェックリストの確認時に選択させる選択肢を表す。条件は、チェックリストの確認時に必要に応じてテキスト文章を入力させるか否かを表す。条件の項目に値が登録されている場合、対応するチェック内容において必要に応じてテキスト文章を入力させることを表す。条件の項目に値が登録されていない場合、対応するチェック内容においてテキスト文章を入力させないことを表す。参照条項は、対応するチェック内容を確認するために参照すべき契約書内の条項を表す。なお、参照条項の項目には、条項の番号が登録されてもよいし、条項の番号で特定される文字列が登録されてもよい。参照資料は、チェックリストの確認時に参照する他の資料を表す。参照URL(Uniform Resource Locator)は、参照資料を管理者端末装置10又は顧客端末装置20の画面上に表示するためのリンク先のウェブページアドレスを表す。
【0034】
チェックリストには、契約書に記載された内容と連動する第1の確認項目と、契約書に記載された内容と連動しない第2の確認項目とが含まれる。契約書に記載された内容と連動する第1の確認項目とは、同一画面上に表示される契約書の内容を変更させることができる項目である。例えば、顧客端末装置20の画面上において、チェックリストの各確認項目と、契約書とが同一画面上に表示されている場合、第1の確認項目においてユーザにより選択指示がなされると、文書審査支援装置30は契約書の内容のうち、選択指示がなされた第1の確認項目に対応付けられている参照条項に該当する内容を顧客端末装置20の画面上に表示させる。
【0035】
契約書に記載された内容と連動しない第2の確認項目とは、同一画面上に表示される契約書の内容に特に影響しない項目である。契約書に記載された内容と連動する第1の確認項目は、参照条項が対応付けられた項目である。契約書に記載された内容と連動しない第2の確認項目は、参照条項が対応付けられていない項目である。図3に示す例では、「業務内容が請負型/準委任型か」、「業務内容、契約目的等が明記されているか」、「検収期間は業務の完了報告後の何日間か」の3つの項目が第1の確認項目に該当し、「支払時期」が第2の確認項目に該当する。
【0036】
一時保存データ324は、確認途中のチェックリストのデータである。すなわち、一時保存データ324としては、チェックリストの少なくとも一部の確認項目に確認結果が入力された状態で保存される。
【0037】
ダウンロード用ファイル325は、ユーザがチェックリストの確認項目に記入したチェック結果の内容を含む作業記録を作成するためのフォーマットファイルである。ダウンロード用ファイル325には、チェックリストのファイルや、ユーザが属する企業で指定された独自のフォーマットが含まれてもよい。
【0038】
制御部33は、文書審査支援装置30全体を制御する。制御部33は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサやメモリを用いて構成される。制御部33は、プログラムを実行することによって、取得部331、登録部332、提供部333及び作業記録作成部334の機能を実現する。
【0039】
取得部331、登録部332、提供部333及び作業記録作成部334のうち一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)、FPGAなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置などの非一時的な記憶媒体である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0040】
取得部331、登録部332、提供部333及び作業記録作成部334の機能の一部は、予め文書審査支援装置30に搭載されている必要はなく、追加のアプリケーションプログラムが文書審査支援装置30にインストールされることで実現されてもよい。
【0041】
取得部331は、例えば管理者端末装置10から送信されたチェックリスト及び顧客端末装置20から送信された契約書ファイルを取得する。
【0042】
登録部332は、各種情報を登録する。例えば、登録部332は、ユーザ情報、契約書ファイル及びチェックリストを記憶部32に登録する。
【0043】
提供部333は、管理者端末装置10又は顧客端末装置20に対して、契約書の審査を支援するための表示情報を提供する。例えば、提供部333は、契約書と、チェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供する。
【0044】
作業記録作成部334は、少なくとも前記チェックリストに含まれる前記確認項目に対する確認結果として入力された内容を含む作業記録を作成する。
【0045】
次に、ユーザが、管理者端末装置10、又は、顧客端末装置20を操作したことに応じて、管理者端末装置10、又は、顧客端末装置20の表示部に表示される情報について説明する。図4は、文書審査支援装置30が提供するサービスへのログイン処理が完了した後に表示される表示画像IM1の一例を示す図である。表示画像IM1は、例えばGUI(Graphical User Interface)である。図4に示す表示画像IM1は、例えば管理者端末装置10に表示される画像の一例である。図4に示す表示画像IM1には、例えば、担当者の氏名、お知らせ、ボタンB1及びボタンB2が表示される。ボタンB1は、例えばチェックリストによる確認を行う画面に切り替えるためのボタンである。以下の説明では、ボタンB1をチェックリスト記入用ボタンともいう。ボタンB2は、例えばチェックリストを登録するための画面に切り替えるためのボタンである。以下の説明では、ボタンB2をチェックリスト管理用ボタンともいう。なお、顧客端末装置20によりログイン処理が行われた場合には、図4に示す表示画像IM1においてボタンB2が表示されない。
【0046】
ボタンB2が操作されると、顧客端末装置20の表示部には、図5の表示画像IM2が表示される。図5は、チェックリストを登録するための表示画像IM2の一例を示す図である。表示画像IM2は、例えばGUIである。図5に示す表示画像IM2には、例えば、契約書の種類毎に、更新日時、ファイル名及び各種ボタン51~53及びドロップダウンリストDDL1が対応付けられて表示される。ボタン51は、対応付けられているチェックリストが画面上でどのように表示されるのかを確認するためのボタンである。すなわち、ボタン51が選択されると、対応付けられているチェックリストで定義されている内容に基づくプレビュー画像が表示される。ボタン52は、対応付けられているチェックリストを更新して登録するためのボタンである。ボタン53は、対応付けられているチェックリストを削除するためのボタンである。ドロップダウンリストDDL1は、対応付けられているチェックリスト(ユーザが属する企業で指定された独自のフォーマットがある場合には、独自のフォーマットファイルも含む)の保存形式を指定するためのGUIである。ドロップダウンリストDDL1では、チェックリストの保存形式として、CSV(comma-separated values)やEXCEL形式等の改変可能な形式、又は、PDF(Portable Document Format)形式等の改変不可能な形式のいずれかの形式を指定することができる。
【0047】
管理者が、表示画像IM2に表示されているボタン51を選択すると、顧客端末装置20の表示部には、図6の表示画像IM3が表示される。図6は、チェックリストを確認するための表示画像IM3の一例を示す図である。表示画像IM3は、例えばGUIである。図6に示す表示画像IM3には、例えば、表示画像inf1が重畳して表示されている。表示画像inf1は、図5に示す表示画像IM2において管理者が、選択したチェックリスト(例えば、ファイル名「受注契約書1」)で定義されている内容に基づくプレビュー画像である。管理者は、表示画像inf1に表示されているスクロールバーSBを操作することで、表示画像inf1に表示される情報を上下に移動させることができる。表示画像inf1に表示されるボタン54は、確認を終了するためのボタンである。管理者が、表示画像inf1に表示されているボタン54を選択すると、顧客端末装置20の表示部には、図5の表示画像IM2が表示される。
【0048】
図4に示す表示画像IM1、又は、図5に示す表示画像IM2において、管理者によってボタンB1が操作されると、管理者端末装置10の表示部には、図7の表示画像IM4が表示される。なお、顧客端末装置20においても、図4に示す表示画像IM1、又は、図5に示す表示画像IM2(ボタンB1は表示されていない)において、管理者以外のユーザによってボタンB1が操作されると、顧客端末装置20の表示部には図7の表示画像IM4が表示される。図7は、チェックリストによる確認を行うための表示画像IM4の一例を示す図である。
【0049】
表示画像IM4は、例えばGUIである。図7に示す表示画像IM4には、例えば、契約書を新規で登録するための領域と、登録済みの契約書を選択するための領域とが表示される。契約書を新規で登録する場合、ユーザは、管理者端末装置10、又は、顧客端末装置20を操作して、新規登録に対応付けられている「契約書の種類を選択してください」の項目と、「契約書ファイルを選択してください」の項目とで、新たに登録する契約書の種類と、新たに登録する契約書を選択する。ここで登録された情報は、文書審査支援装置30の契約書ファイル322とチェックリスト323として登録される。文書審査支援装置30において、新規の契約書が登録されると、表示画像IM4の登録済みの契約書の領域に表示されている項目として追加される。なお、表示画像IM4の登録済みの契約書の領域におけるボタン55は、登録済みの契約書を削除するためのボタンである。
【0050】
例えば、契約書の種類「受注契約」、ファイル名「受注契約書1」が新たに登録されたとすると、表示画像IM4の登録済みの契約書の領域に、新たに登録された契約書に関する項目が追加される。契約書に関する項目として、表示画像IM4には、チェックボックスCB、状態、契約書の種類、ファイル名、登録日時及びボタン56が対応付けて表示される。チェックボックスCBは、チェックリストを用いた確認を行う契約書を選択するためのGUIである。状態は、チェックリストを用いた確認が行われている否かを示す。状態の項目において「チェック済み」は、チェックリストを用いた確認が行われたことを示す。状態の項目において「未チェック」は、チェックリストを用いた確認が行われていないことを示す。契約書の種類は、登録されている契約書の種類を表す。ファイル名は、登録されている契約書のファイル名を表す。登録日時は、契約書が文書審査支援装置30に登録された日時を表す。文書審査支援装置30に登録された日時は、例えば契約書が記憶部32に契約書ファイル322として登録された日時であってもよいし、文書審査支援装置30において新規に登録する契約書が受信された日時であってもよい。ボタン56は、チェックリストを用いた確認を行うためのボタンを表す。
【0051】
図7に示す表示画像IM4において、チェックボックスCBが選択され、ボタン55が選択されると、文書審査支援装置30はチェックボックスCBで選択された契約書に関するレコードを削除する。この場合、文書審査支援装置30は、記憶部32に記憶されている契約書ファイル322から、チェックボックスCBで選択された契約書を削除する。
【0052】
図7に示す表示画像IM4において、チェックボックスCBが選択され、ボタン56が選択されると、管理者端末装置10、又は、顧客端末装置20の表示部には、図8の表示画像IM5が表示される。図8は、チェックリストを用いた確認を行うための表示画像IM5の一例を示す図である。表示画像IM5は、例えばGUIである。図8に示す表示画像IM5には、例えば、領域R1~R3それぞれに異なる情報が表示される。領域R1には、ボタン57及び契約書の条項に関する内容が表示される。ボタン57は、契約書の一覧を表示させるためのボタンである。ユーザによりボタン57が選択されると、管理者端末装置10、又は、顧客端末装置20の表示部には図7に示す表示画像IM4が表示される。
【0053】
図8では、領域R1に表示されている契約書の条項に関する内容として、「契約不適合責任」、「損害賠償責任」及び「支払遅延利息」の情報が表示されているが、契約書の条項に関する内容はその他にも表示される。「契約不適合責任」、「損害賠償責任」及び「支払遅延利息」には、それぞれ判定ラベルM1~M3が付与されている。判定ラベルは、少なくとも該当する条項が契約書に記載されているか否かを判別するためのラベルである。該当する条項が契約書に記載されていることを示す判定ラベルは、さらに区別して用いられる。例えば、条項に関する各項目全てが契約書に記載されていることを示す判定ラベルと、条項に関する各項目のいずれかが契約書に記載されていないことを示す判定ラベルとに区別される。なお、判定ラベルによるこの区別に限定される必要はない。
【0054】
条項に関する各項目のいずれが契約書に記載されているかは、既存の技術により判定可能である。ここで、条項に関する各項目のいずれが契約書に記載されているかを判定するための既存の技術として、例えば参考文献1が用いられてもよい。
(参考文献1:特開2021-056614号公報)
【0055】
上述した参考文献1では、契約書における内容(例えば、条文の内容)、記載すべき事項の有無、記載の誤り等の顧客が文書の確認を行う際の審査支援を行う構成が記載されている。参考文献1では、例えば、契約書を特定の条件に従って複数の記述単位(例えば、条項単位)に分解し、条項単位毎に、条項単位で規定されている種別(規定種別)や各規定種別について契約書が規定している項目(規定項目)を判定する。例えば、例えば規定種別“損害賠償責任”について規定された規定項目であれば、通常損害に対する免責規定が記載されているか否かといった項目などが該当する。本発明では、このような処理を行う参考文献1の技術を用いることで、条項に関する各項目のいずれが契約書に記載されているか否かの判定がなされているものとする。なお、判定結果は、契約書に対応付けられて記憶部32に記憶されている。
【0056】
図8に示す表示画像IM5において、例えば、判定ラベルM1及びM3は、契約書に該当する条項が記載されていることを示し、判定ラベルM2は、契約書に該当する条項が記載されていないを示す。さらに、判定ラベルM1は、条項に関する各項目全てが契約書に記載されていることを示す判定ラベルであり、判定ラベルM3は、条項に関する各項目のいずれかが契約書に記載されていないことを示す判定ラベルである。このような判定ラベルが付与されることで、文書審査担当者は一目でどの条項の内容が契約書に記載されていて、どの条項の内容が契約書に記載されていないのかを把握することができる。
【0057】
図8に示す表示画像IM5において、確認項目58に列挙されるいずれかの条項(例えば、契約不適合責任)が選択されると、管理者端末装置10、又は、顧客端末装置20の表示部には、図9の表示画像IM6が表示される。図9は、チェックリストを用いた確認を行うための表示画像IM6の一例を示す図である。表示画像IM6は、例えばGUIである。図9に示す表示画像IM6の確認項目58には、選択された条項(例えば、契約不適合責任)に関する項目がブルダウン表示される。さらに、図9に示す表示画像IM6の領域R2には、選択された条項(例えば、契約不適合責任)が記載された契約文書の該当ページが表示される。
【0058】
図9に示す表示画像IM6において、領域R3に表示されているチェックリスト59が選択されると、管理者端末装置10、又は、顧客端末装置20の表示部には、図10の表示画像IM7が表示される。図10は、チェックリストを用いた確認を行うための表示画像IM7の一例を示す図である。表示画像IM7は、例えばGUIである。図10に示す表示画像IM7の領域R3には、図7の表示画像IM4で選択された契約書の種類(例えば、受注契約)に対応するチェックリストが表示される。チェックリストには、複数の確認項目が表示されている。例えば、図10に示す例では、複数の確認項目として、「業務内容が請負型/準委任型か」、「業務内容、契約目的等が明記されているか」、「検収期間は業務の完了報告後の何日間か」、「支払時期」が表示されている。
【0059】
各確認項目においてはチェックリストを記入する方法として、ドロップダウンリスト60、又は、コメント等を記入するための入力欄のいずれか又は両方が挙げられる。なお、図10に示す例は一例であり、他の方法でチェックリストを記入するように構成されてもよい。ユーザは、各確認項目において、ドロップダウンリスト60による選択、又は、入力欄への記入を行うことでチェックリストに確認結果を記入する。図10に示す例では、各確認項目に条文参照ボタン61、又は、参照ボタン62が対応付けられている。条文参照ボタン61は、契約書の条文を参照するためのボタンである。参照ボタン62は、契約書以外の文書を参照するためのボタンである。参照ボタン62には、例えば、ハイパーリンクが設定されており、ユーザが参照ボタン62を選択することで、設定されているリンク先にアクセスすることができる。
【0060】
条文参照ボタン61が対応付けられている確認項目は、契約書に記載された内容と連動する第1の確認項目であり、参照ボタン62が対応付けられている確認項目は、契約書に記載された内容と連動しない第2の確認項目である。ユーザにより条文参照ボタン61が選択されると、選択された条文参照ボタン61に対応する確認項目に応じて、領域R2には契約書の該当部分が表示される。ユーザにより参照ボタン62が選択されると、参照ボタン62のリンク先として設定されている場所に保存されている文書が領域R2に表示される。
【0061】
保存ボタン63は、現在表示部上に表示されている状態を一時的に保存するためのボタンである。ユーザにより保存ボタン63が選択されると、チェックリストの記入内容はそのまま一時的に保存される。そのため、チェックリストの記入途中で一時的に保存した場合に、チェックリストが更新されたとしても、一時的に保存されたチェックリストは更新されない。
【0062】
チェックリストダウンロードボタン64は、作業記録を作成するためのボタンである。ユーザによりチェックリストダウンロードボタン64が選択されると、チェックリストに記入された内容を含む作業記録が作成される。
【0063】
図10に示す表示画像IM7において、チェックリスト59の確認項目「業務内容が請負型/準委任型か」に対応付けられている条文参照ボタン61が選択されると、管理者端末装置10、又は、顧客端末装置20の表示部には、図11の表示画像IM8が表示される。図11は、チェックリストを用いた確認を行うための表示画像IM8の一例を示す図である。表示画像IM8は、例えばGUIである。図11に示すように、表示画像IM8の領域R1及びR2には、契約書の内容のうち、選択された条文参照ボタン61に対応付けられている確認項目「業務内容が請負型/準委任型か」に該当する内容が記載された箇所に切り替えた情報が表示される。領域R1における第A条に対応付けられている記号65は、契約書の評価結果を示す情報である。記号65の「〇」は、契約書に、該当する内容が記載されている、又は、該当する内容が所定の審査ルールに記載されている条件を満たしていることを示す。記号65の「×」は、契約書に、該当する内容が記載されていない、又は、該当する内容が所定の審査ルールに記載されている条件を満たしていないことを示す。
【0064】
ここで契約書の評価結果とは、契約書に記載の内容が、所定の審査ルールを満たすか否かに基づいてなされる評価である。契約書の評価結果は、上記の参考文献1に記載の技術が用いられる。上述した参考文献1では、例えば、規定種別と、規定項目と、審査ルールとに基づいて契約書を評価する。審査ルールは、契約書内の規定項目及び規定種別を審査するためのルールである。上述した参考文献1では、各記述単位における規定種別の適否(記述単位における規定種別が、審査ルールを満たすか否か)及び規定項目の適否(規定項目が、審査ルールを満たすか否か)で契約書の評価を行っている。本発明では、このような処理を行う参考文献1の技術を用いることで、契約書の評価がなされているものとする。なお、評価結果は、契約書に対応付けられて記憶部32に記憶されている。
【0065】
図10に示す表示画像IM7において、チェックリスト59の確認項目「支払時期」に対応付けられている参照ボタン62が選択されると、管理者端末装置10、又は、顧客端末装置20の表示部には、図12の表示画像IM9が表示される。図12は、チェックリストを用いた確認を行うための表示画像IM9の一例を示す図である。表示画像IM9は、例えばGUIである。図12に示す表示画像IM9には、例えば、表示画像inf2が重畳して表示されている。表示画像inf2は、参照ボタン62に設定されたハイパーリンクのリンク先に保存されている文書である。文書審査担当者は、表示画像inf2を参照しながら、チェックリストを確認することができる。
【0066】
図13及び図14は、実施形態における文書審査支援装置30で作成される作業記録の一例を示す図である。図13に示す作業記録は、チェックリストの確認項目に記入された内容を、該当するチェックリストのフォーマットファイルの確認項目に入力することで生成される。さらに、組織名、担当者等の情報は、ユーザ情報321に基づいて入力される。図14に示す作業記録は、チェックリストの確認項目に記入された内容を、ユーザが属する企業で指定された独自のフォーマットファイルの確認項目に入力することで生成される。なお、チェックリストの確認項目と、ユーザが属する企業で指定された独自のフォーマットファイルの確認項目とは、必ずしも一致しているとは限られないため、独自のフォーマットファイルを用いる場合には、予めチェックリストの確認項目と独自のフォーマットファイルの確認項目との対応付けが必要になる。
【0067】
図15及び16は、実施形態における文書審査支援システム100におけるチェックリストの登録の処理の流れを示すシーケンス図である。
管理者は、管理者端末装置10を操作して、文書審査支援装置30が提供するサービスを利用するために文書審査支援装置30にアクセスする(ステップS101)。文書審査支援装置30の提供部333は、アクセスに応じて、ユーザにログインを行わせるための表示情報をアクセス元である管理者端末装置10に提供する(ステップS102)。文書審査支援装置30から送信される表示情報は、例えばHTML(Hypertext Markup Language)で記述された情報である。
【0068】
管理者端末装置10は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を受信する。管理者端末装置10は、受信した表示情報を解釈し、ログイン処理を行うための情報(例えば、ログイン用の表示画像)を表示部に表示する。管理者は、管理者端末装置10を操作して、ID及びパスワードを入力することでログイン処理を行う(ステップS103)。管理者端末装置10は、入力されたID及びパスワードを含む認証情報を、ネットワーク40を介して文書審査支援装置30に送信する(ステップS104)。
【0069】
文書審査支援装置30の通信部31は、管理者端末装置10から送信された認証情報を受信する。文書審査支援装置30は、受信した認証情報と、記憶部32に記憶されているユーザ情報321とに基づいて認証を行う(ステップS105)。ここで、受信した認証情報に含まれるID及びパスワードの組み合わせと、記憶部32に記憶されているユーザ情報321として登録されているログインID及びログインパスワードの組み合わせとが一致する場合、文書審査支援装置30は認証がなされたと判定する。受信した認証情報に含まれるID及びパスワードの組み合わせと、記憶部32に記憶されているユーザ情報321として登録されているログインID及びログインパスワードの組み合わせとが一致しない場合、文書審査支援装置30は認証がなされなかったと判定し、エラーを示す通知を管理者端末装置10に送信する。
【0070】
文書審査支援装置30は、認証情報に含まれるID及びパスワードと一致したログインID及びログインパスワードに対応付けられている属性情報に基づいてユーザが管理者、又は、管理者以外のユーザのいずれであるかを判定する。ここでは、ログイン処理を行ったユーザが管理者であるとする。この場合、文書審査支援装置30の提供部333は、図4に示す表示画像IM1を表示させるための表示情報を管理者端末装置10に提供する(ステップS106)。
【0071】
管理者端末装置10は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を受信する。管理者端末装置10は、受信した表示情報を解釈することで、表示画像IM1を表示部に表示する(ステップS107)。管理者は、チェックリストの登録を行うために、管理者端末装置10を操作して、表示画像IM1に表示されたボタンB2を選択(押下)する(ステップS108)。管理者により、表示画像IM1に表示されたボタンB2が選択されると、管理者端末装置10はチェックリスト管理用ボタンが押下されたことを文書審査支援装置30に通知する(ステップS109)。
【0072】
文書審査支援装置30の提供部333は、チェックリスト管理用ボタン押下の通知に応じて、図5に示す表示画像IM2を表示させるための表示情報を管理者端末装置10に提供する(ステップS110)。管理者端末装置10は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を受信する。管理者端末装置10は、受信した表示情報を解釈することで、表示画像IM2を表示部に表示する(ステップS111)。管理者は、チェックリストの新規登録を行うために、管理者端末装置10を操作して、表示画像IM2に表示される新規登録ボタン(不図示)を選択(押下)する(ステップS112)。管理者により、表示画像IM2に表示される新規登録ボタンが選択されると、管理者端末装置10は登録用のチェックリストを選択させるための表示画像を表示部に表示させ、管理者からのチェックリストの選択を受け付ける(ステップS113)。さらに、管理者は、チェックリストを利用する契約書の種類を選択する。
【0073】
管理者端末装置10は、登録用のチェックリストの選択がなされた場合、選択されたチェックリスト及び契約書の種類の情報を文書審査支援装置30にアップロードする(ステップS114)。文書審査支援装置30の登録部332は、アップロードされたチェックリストを仮登録する(ステップS115)。具体的には、文書審査支援装置30の登録部332は、アップロードされたチェックリストを、一時保存データ324に一時的に保存することで仮登録する。文書審査支援装置30の提供部333は、チェックリストを仮登録したことを契機に、仮登録したチェックリストの情報を加えた更新後の図5に示す表示画像IM2を表示させるための表示情報を管理者端末装置10に提供する(ステップS116)。管理者端末装置10は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を受信する。管理者端末装置10は、受信した表示情報を解釈することで、表示画像IM2を表示部に表示する(ステップS117)。この際、管理者端末装置10の表示部に表示される表示画像IM2には、ステップS114の処理でアップロードされたチェックリストに関する情報(契約書の種類、更新日時、ファイル名等)が追加で表示される。
【0074】
管理者は、管理者端末装置10を操作して、ステップS114の処理でアップロードしたチェックリストに対応するボタン51(確認ボタン)を選択(押下)する(ステップS118)。管理者により、表示画像IM2に表示されたボタン51(確認ボタン)が選択されると、管理者端末装置10は確認ボタンが押下されたことを文書審査支援装置30に通知する(ステップS119)。文書審査支援装置30の提供部333は、確認ボタン押下の通知に応じて、図6に示す表示画像IM3を表示させるための表示情報を管理者端末装置10に提供する(ステップS120)。管理者端末装置10は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を受信する。管理者端末装置10は、受信した表示情報を解釈することで、表示画像IM3を表示部に表示する(ステップS121)。
【0075】
管理者は、表示部に表示された表示画像IM3における表示画像inf1の内容を確認し、特に問題がない場合には、表示画像inf1に表示されているボタン54(確認ボタン)を選択する(ステップS122)。管理者により、表示画像inf1に表示されているボタン54(確認ボタン)が選択されると、管理者端末装置10は確認ボタンが押下されたことを文書審査支援装置30に通知する(ステップS123)。文書審査支援装置30の登録部332は、確認ボタン押下の通知に応じて、ステップS114の処理でアップロードされたチェックリストに関する情報(契約書の種類、更新日時、ファイル名等)を登録する(ステップS124)。具体的には、文書審査支援装置30は、ステップS114の処理でアップロードされたチェックリストに関する情報をチェックリスト323として記録する。
【0076】
なお、文書審査支援装置30の登録部332は、新規で登録されたチェックリストにおいて、同一企業で同一の契約書の種類のチェックリストが登録された場合、新たに登録されたチェックリストで上書きすることでチェックリストを更新する。
【0077】
図17及び18は、実施形態における文書審査支援システム100におけるチェックリストの確認時の処理の流れを示すシーケンス図である。
管理者は、顧客端末装置20を操作して、文書審査支援装置30が提供するサービスを利用するために文書審査支援装置30にアクセスする(ステップS201)。文書審査支援装置30の提供部333は、アクセスに応じて、ユーザにログインを行わせるための表示情報をアクセス元である顧客端末装置20に提供する(ステップS202)。
【0078】
顧客端末装置20は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を受信する。顧客端末装置20は、受信した表示情報を解釈し、ログイン処理を行うための情報(例えば、ログイン用の表示画像)を表示部に表示する。ユーザ(例えば、文書審査担当者)は、顧客端末装置20を操作して、ID及びパスワードを入力することでログイン処理を行う(ステップS203)。顧客端末装置20は、入力されたID及びパスワードを含む認証情報を、ネットワーク40を介して文書審査支援装置30に送信する(ステップS204)。
【0079】
文書審査支援装置30は、認証情報に含まれるID及びパスワードと一致したログインID及びログインパスワードに対応付けられている属性情報に基づいてユーザが管理者、又は、管理者以外のユーザのいずれであるかを判定する。ここでは、ログイン処理を行ったユーザが管理者以外のユーザであるとする。この場合、文書審査支援装置30の提供部333は、図4に示す表示画像IM1を表示させるための表示情報を顧客端末装置20に提供する(ステップS206)。なお、ログイン処理を行ったユーザが管理者以外のユーザであるため、文書審査支援装置30はボタンB2を除いた表示画像IM1を表示させるための表示情報を顧客端末装置20に提供することになる。ここで、ボタンB2を除いた表示画像IM1とは、ボタンB2が表示されていない表示画像IM1である。
【0080】
顧客端末装置20は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を受信する。顧客端末装置20は、受信した表示情報を解釈することで、表示画像IM1(ボタンB2を除く)を表示部に表示する(ステップS207)。文書審査担当者は、チェックリストによる文書の確認を行うために、顧客端末装置20を操作して、表示画像IM1に表示されたボタンB1を選択(押下)する(ステップS208)。文書審査担当者により、表示画像IM1に表示されたボタンB1が選択されると、顧客端末装置20はチェックリスト記入用ボタンが押下されたことを文書審査支援装置30に通知する(ステップS209)。
【0081】
文書審査支援装置30の提供部333は、チェックリスト記入用ボタン押下の通知に応じて、図7に示す表示画像IM4を表示させるための表示情報を顧客端末装置20に提供する(ステップS210)。顧客端末装置20は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を受信する。顧客端末装置20は、受信した表示情報を解釈することで、表示画像IM4を表示部に表示する(ステップS211)。文書審査担当者は、チェックリストによる文書の確認を行うために、顧客端末装置20を操作して、表示画像IM4に表示される登録済みの契約書のうち、審査対象となる契約書を選択(押下)する(ステップS212)。図7に示す表示画像IM4の例では、文書審査担当者は、審査対象となる契約書に対応するボタン56(確認ボタン)を選択する。
【0082】
文書審査担当者により、表示画像IM4に表示されているボタン56(確認ボタン)が選択されると、管理者端末装置10は確認ボタンが押下されたこと及び選択された契約書の情報を文書審査支援装置30に通知する(ステップS213)。文書審査支援装置30の提供部333は、確認ボタン押下の通知に応じて、図8に示す表示画像IM5を表示させるための表示情報を顧客端末装置20に提供する(ステップS214)。顧客端末装置20は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を受信する。顧客端末装置20は、受信した表示情報を解釈することで、表示画像IM5を表示部に表示する(ステップS215)。
【0083】
文書審査担当者は、チェックリストの記入を行うために、表示画像IM5に表示されているチェックリストのボタンを選択(押下)する(ステップS216)。顧客端末装置20は、文書審査担当者により、表示画像IM5に表示されているチェックリストのボタンが押下されたことを文書審査支援装置30に通知する(ステップS217)。文書審査支援装置30の提供部333は、表示画像IM5に表示されているチェックリストのボタンが押下されたことを示す通知に応じて、図10に示す表示画像IM7を表示させるための表示情報を顧客端末装置20に提供する(ステップS218)。この際、文書審査支援装置30の提供部333は、表示画像IM7に表示するチェックリストの情報として、選択された契約書の種別と同じ種別であって、かつ、ログインしたユーザが属する企業のチェックリストの情報をチェックリスト323から取得する。
【0084】
顧客端末装置20は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を受信する。顧客端末装置20は、受信した表示情報を解釈することで、表示画像IM7を表示部に表示する(ステップS219)。顧客端末装置20は、表示画像IM7に表示されているチェックリストの入力を受け付ける(ステップS220)。文書審査担当者は、顧客端末装置20を操作して、表示画像IM7に表示されているチェックリストを入力する。文書審査担当者は、チェックリストの入力が完了すると、表示画像IM7に表示されているチェックリストダウンロードボタン64を選択(押下)する(ステップS221)。
【0085】
顧客端末装置20は、文書審査担当者により、表示画像IM7に表示されているチェックリストダウンロードボタン64が押下されたことを文書審査支援装置30に通知する(ステップS222)。顧客端末装置20から送信されるこの通知には、チェックリストに記入された情報も含まれる。文書審査支援装置30の通信部31は、顧客端末装置20から送信された情報を受信する。文書審査支援装置30の作業記録作成部334は、ダウンロードする旨の選択に応じて、顧客端末装置20から送信された情報と、ダウンロード用ファイル325とに基づいて作業記録を作成する(ステップS223)。作業記録作成部334がいずれのフォーマットファイルを用いて作業記録を作成するのかは、予め設定されていてもよいし、チェックリストダウンロードボタン64選択時に定められてもよい。
【0086】
なお、ダウンロード用ファイル325は、CSVやEXCEL形式等の改変可能な形式、及び、PDF形式等の改変不可能な形式の両方に対応しており、作成される作業記録はダウンロード用ファイル325の形式に応じた形式で作成されてもよいし、チェックリストダウンロードボタン64選択時に形式を選択させて選択された形式で作成されてもよい。文書審査支援装置30の提供部は、通信部31を介して、作成された作業記録を、顧客端末装置20に送信(提供)する(ステップS224)。
【0087】
以上のように構成された文書審査支援システム100によれば、審査の対象である契約書と、契約時のリスクに関する確認項目を含むチェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供し、少なくともチェックリストに含まれる確認項目に対する確認結果として入力された内容を含む作業記録を作成する。これにより、誤って古いチェックリストを用いてしまうことや、チェックリストの探索や入手の手間を省くことができる。さらに、契約書と、チェックリストとが同一画面上に表示されるため、文書審査担当者は、契約書が表示された画面を見ながら、同一画面上でチェックリストの確認ができる。そのため、経験や知識が乏しい文書審査担当者においても、契約書審査時の契約時のリスクに関する確認項目を含むチェックリストの確認に要する時間を削減することが可能になる。
【0088】
さらに、文書審査支援システム100では、チェックリストの確認項目と、契約書の該当箇所とを連動させて表示させることができる。具体的には、文書審査支援システム100では、文書審査支援装置30はチェックリストの確認項目が選択されると、選択された確認項目に関連する契約書内の記載部分を表示させるための表示情報を提供する。そのため、的確で迅速な文書チェックを可能にするとともに、確認項目に該当する部分を契約書内から探す時間を削減することが可能になる。
【0089】
さらに、文書審査支援システム100では、文書審査支援装置30は、チェックリストの確認項目のうち、参照先が対応付けられている確認項目があり、参照先が対応付けられている確認項目の選択がなされると、対応付けられている参照先で得られる内容と、チェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供する。これにより、チェックリストの確認時に、契約書以外の参考となる文書を用いる場合であっても、参考となる文書が表示された画面を見ながら、同一画面上でチェックリストの確認ができる。そのため、経験や知識が乏しい文書審査担当者においても、契約書審査時の契約時のリスクに関する確認項目を含むチェックリストの確認に要する時間を削減することが可能になる。
【0090】
さらに、文書審査支援システム100では、文書審査支援装置30は、特定の権限を有するユーザ(例えば、管理者)からのアクセスがあった場合には、チェックリストを登録するための表示情報を提供する。このように、特定の権限を有するユーザのみがチェックリストを登録、更新できるようにすることで、全てのユーザがチェックリストの登録を行うことがない。そのため、誤ったチェックリストの登録を抑制することができる。
【0091】
さらに、文書審査支援システム100では、文書審査支援装置30は、新たに登録の指示がなされたチェックリストと同じ種別、かつ、同じ企業のチェックリストが既に登録されている場合には、新たに登録の指示がなされたチェックリストで上書きしてチェックリストを更新する。これにより、同じ企業の同じ契約書の種類のチェックリストを1つにすることができる。そのため、常に最新のチェックリストを用いてチェックを行うことが可能になる。
【0092】
さらに、文書審査支援システム100では、文書審査支援装置30は、チェックリストの確認項目に対する確認結果を入力したユーザの氏名と、確認時刻と、チェックリストの記入内容とを含む作業記録を作成する。これにより、偽造が不可能な文書審査記録を作成することができる。
【0093】
さらに、文書審査支援システム100では、文書審査支援装置30は、ユーザが属する企業で指定したフォーマットファイルで作業記録を作成することもできる。そのため、ダウンロードした作業記録は、信頼できる社内決裁の決裁文書として利用でき、決済時間を短縮することができる。
【0094】
<変形例>
上記の実施形態では、文書審査支援装置30が、管理者端末装置10又は顧客端末装置20により選択された操作に応じた全ての処理を実行する構成を示した。すなわち、上記の実施形態では、管理者端末装置10及び顧客端末装置20は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を表示するのみの構成を示した。これに対して、管理者端末装置10及び顧客端末装置20は、文書審査支援装置30が行う一部の処理を実行するように構成されてもよい。例えば、管理者端末装置10及び顧客端末装置20は、Javaを利用することで文書審査支援装置30が行う一部の処理を実行するように構成されてもよい。
【0095】
上記の実施形態では、管理者端末装置10及び顧客端末装置20は、ブラウザ上で表示情報を解釈して表示部に情報を表示する構成を示した。管理者端末装置10及び顧客端末装置20は、文書審査支援装置30が提供するサービスを利用するためのアプリケーションプログラムをインストールして、専用のアプリケーションを用いて、文書審査支援装置30が提供するサービスを利用するように構成されてもよい。
【0096】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0097】
10…管理者端末装置, 20…顧客端末装置, 30…文書審査支援装置, 40…ネットワーク, 31…通信部, 32…記憶部, 33…制御部, 331…取得部, 332…登録部, 333…提供部, 334…作業記録作成部
【要約】
【課題】経験や知識が乏しい文書審査担当者においても、契約書審査時の契約時のリスクに関する確認項目を含むチェックリストの確認に要する時間を削減すること。
【解決手段】審査の対象である文書と、契約時のリスクに関する確認項目を含むチェックリストとを同一画面上に表示させるための表示情報を提供する提供部と、少なくともチェックリストに含まれる確認項目に対する確認結果として入力された内容を含む作業記録を作成する作業記録作成部と、を備える文書審査支援装置。
【選択図】図2
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