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▶ ジェジャン ホンシェン ニュー マテリアル テクノロジー グループ カンパニー リミテッドの特許一覧

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  • 特許-二層濾過材及びフィルターバッグ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】二層濾過材及びフィルターバッグ
(51)【国際特許分類】
   B01D 39/08 20060101AFI20230421BHJP
   B01D 46/02 20060101ALI20230421BHJP
   B01D 39/16 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
B01D39/08 Z
B01D46/02 B
B01D39/16 C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021517580
(86)(22)【出願日】2019-04-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 CN2019082798
(87)【国際公開番号】W WO2020082695
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-03-24
(31)【優先権主張番号】201811261795.6
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521124294
【氏名又は名称】ジェジャン ホンシェン ニュー マテリアル テクノロジー グループ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】ソン ペンゼ
(72)【発明者】
【氏名】リ ガン
(72)【発明者】
【氏名】シャオ リァンミン
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第206631327(CN,U)
【文献】中国実用新案第206566609(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第108472567(CN,A)
【文献】中国実用新案第204767934(CN,U)
【文献】特公昭44-022544(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 39/00-41/04
B01D 46/00-46/90
B03D 1/00-27/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工業用ダスト濾過処理に適用される二層濾過材であって、上濾過層、下濾過層、コーティング及び高温被覆膜層を有し、
前記上濾過層と前記下濾過層とは接続結合点のみを介して接続され、
前記高温被覆膜層は前記上濾過層の前記下濾過層から離れた側に設けられるとともに、前記コーティングを介して前記上濾過層に接続され、
前記上濾過層は交絡して設けられた上層経糸と上層緯糸とを有し、
前記下濾過層は交絡して設けられた下層経糸と下層緯糸とを有し、
前記接続結合点が、前記上層経糸での任意部位と前記下濾過層での対応する下層緯糸とが交絡した接続点であり、
前記接続結合点は前記上層緯糸での任意部位と前記下濾過層での対応する下層経糸とが交絡した接続点であることを特徴とする二層濾過材。
【請求項2】
前記接続結合点は前記上濾過層と前記下濾過層との間に設けられることを特徴とする請求項1に記載の二層濾過材。
【請求項3】
前記下濾過層、前記上濾過層、前記コーティング及び前記高温被覆膜層には、孔径が異なる濾過孔が分布され、
前記下濾過層、前記上濾過層、前記コーティング及び前記高温被覆膜層での濾過孔の直径が順に小さくなることを特徴とする請求項1に記載の二層濾過材。
【請求項4】
前記コーティングはPTFE樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の二層濾過材。
【請求項5】
前記高温被覆膜層の材質はPTFEエキスパンド微孔性フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の二層濾過材。
【請求項6】
前記コーティングには触媒が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の二層濾過材。
【請求項7】
前記触媒は脱硝触媒及び/または脱硫触媒であることを特徴とする請求項6に記載の二層濾過材。
【請求項8】
前記上濾過層の材料はガラス繊維、玄武岩繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、及び/またはポリテトラフルオロエチレン繊維であり、
及び/または、
前記下濾過層の材料はガラス繊維、玄武岩繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、及び/またはポリテトラフルオロエチレン繊維であることを特徴とする請求項1に記載の二層濾過材。
【請求項9】
フィルターバッグであって、請求項1~8のいずれか1項に記載の二層濾過材から製造されることを特徴とするフィルターバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2018年10月26日にて中国特許局に提出され、出願番号が201811261795.6であり、発明名称が「二層濾過材及びフィルターバッグ」である中国特許出願の優先権を主張して、その全ての内容は援用されることで、本出願に結合される。
【0002】
本発明は工業排気ガス濾過材という技術分野に関わり、特に、二層濾過材及びフィルターバッグに関わる。
【背景技術】
【0003】
現在、バッグ式除塵機は織物から製造されたバッグ式濾過素子を利用して、含塵ガスにおける固体粒子状物質を捕集する機器であり、微細、乾燥、非繊維性の粉塵を捕集するための乾式ダストフィルタである。新型濾過材及び各種形式の自動ゴミ取り方式の出現を介して、このような百年以上の歴史を有する除塵機器はだんだん完璧になり、現代工業の除塵に大幅に応用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術におけるバッグ式除塵機の濾過材は、強度が劣って、濾過効果が悪くて、化学的腐食がひどいから、除塵機の除塵効果に厳しく影響する。
【0005】
本発明は、従来技術に存在する技術問題を解決するための二層濾過材及びフィルターバッグを提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が提供した二層濾過材は、上濾過層と下濾過層とを有し、
前記上濾過層と前記下濾過層とは接続結合点を介して接続され、
前記高温被覆膜層は、前記上濾過層の前記下濾過層から離れた側に設けられるとともに、前記コーティングを介して前記上濾過層に接続される。
【0007】
さらに、前記上濾過層は交絡して設けられた上層経糸と上層緯糸とを有し、
前記下濾過層は交絡して設けられた下層経糸と下層緯糸とを有し、
前記接続結合点が、前記上層経糸での任意部位と前記下濾過層での対応する下層緯糸とが交絡した接続点であり、
及び/または、前記接続結合点は前記上層緯糸での任意部位と前記下濾過層での対応する下層経糸とが交絡した接続点である。
【0008】
さらに、前記接続結合点は前記上濾過層と前記下濾過層との間に設けられる。
【0009】
さらに、前記上濾過層、前記下濾過層、前記コーティング及び前記高温被覆膜層にはいずれも濾過孔が設けられ、
前記下濾過層、前記上濾過層、前記コーティング及び前記高温被覆膜層での濾過孔の直径が順に小さくなる。
【0010】
さらに、前記コーティングはPTFE樹脂である。
【0011】
さらに、前記高温被覆膜層の材質はPTFEエキスパンド微孔性フィルムである。
【0012】
さらに、前記コーティングには触媒が設けられている。
【0013】
さらに、前記触媒は脱硝触媒或及び/または脱硫触媒である。
【0014】
さらに、前記上濾過層の材料はガラス繊維、玄武岩繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、及び/またはポリテトラフルオロエチレン繊維であり、
及び/または、
前記下濾過層の材料はガラス繊維、玄武岩繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、及び/またはポリテトラフルオロエチレン繊維である。
【0015】
本発明はさらに、前記いずれの1項に記載の二層濾過材から製造されたフィルターバッグを提供する。
【0016】
本発明が提供した二層濾過材及びフィルターバッグにおいて、濾過材を上濾過層と下濾過層という2層構成に分けて、上下2層の異なる作用に応じて、濾過材の材質を合理に選択して、強度を増やすとともに、作業状況の使用要求をよりよく満たしている。前記高温被覆膜層、コーティング、上濾過層、及び下濾過層は4段の高効率濾過を形成し、超低発塵排出の要求を満たしている。本発明の二層濾過材の濾過精度が高く、引張強度が高く、耐用年数が長く、普及及び応用を容易にする。
【0017】
本発明の具体的な実施形態または従来技術における技術案を明らかに説明するために、以下は具体的な実施形態または従来技術の記載の必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の記載の図面はただ本発明のいくつかの実施形態であり、当業者にとって、進歩性に値する労働をしない前提で、これらの図面に応じて他の図面を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例が提供した二層濾過材の構成模式図である。
図2図1の平面図である。
図3】本発明の実施例が提供した二層濾過材の他の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下は図面を結合して本発明の技術案を明らか且つ完全に記載し、明らかに、記載の実施例は全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例である。本発明の実施例に基づき、当業者は進歩性に値する労働をしない前提で取得した他の全ての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に該当する。
【0020】
本発明に対する記載において、説明すべきことは、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」などの用語による指示される方位または位置関係は、図面に基づく方位または位置関係であり、指された装置または素子は必ず特定の方位を有し、特定の方位で構造され及び操作されるように指示しまたは暗示していなく、ただ本発明を記載し、及び記載を簡略化するから、本発明に対する限定として理解されるべきではない。
【0021】
また、「第1」、「第2」、「第3」という用語は、相対的な重要性を指示しまたは暗示すると理解されるわけではなく、ただ記載を目的とする。
【0022】
本発明において、明らかな規定及び限定がなければ、「装着」、「接続」、「連結」、「固定」などの用語に対して広義で理解され、例えば、固定接続、着脱可能な接続、または一体接続であってもよいし、機械接続、電気接続であってもよいし、直接的な接続であってもよし、中間媒体による間接的な接続であってもよいし、2つの素子内部の連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて、前記用語の本発明における具体的な意味を理解すればよい。
【0023】
図1~3に示すように、本発明は上濾過層1、下濾過層2、コーティング4及び高温被覆膜層5を有する二層濾過材を提供し、前記上濾過層1と前記下濾過層2との間は接続結合点3を介して接続され、前記高温被覆膜層5は前記上濾過層1の前記下濾過層2から離れた側に設けられるとともに、前記コーティング4を介して前記上濾過層1に接続される。
【0024】
本実施例において、濾過材は、それぞれ上濾過層1、下濾過層2、コーティング4及び高温被覆膜層5という4層になるように設けられる。上濾過層1と下濾過層2との間は接続結合点3を介して1つの全体に接続されることで、上濾過層1と下濾過層2との間は隙間を有するとともに、接続されることができ、さらに、本発明における濾過材は二層濾過を行うことができるとともに、濾過材の強度を強化でき、高温被覆膜層5はコーティング4を介して上濾過層1に接続されることで、上濾過層1の耐候性及び耐食性を強化でき、さらに、二層濾過材の耐用年数を増やす。
【0025】
指摘すべきことは、本明細書に記載の「二層濾過材」の「2層」は、濾過材の本体が上濾過層1と下濾過層2という2層であることを指すが、該本体には、コーティング4、高温被覆膜層5及び以下の触媒層6などのような機能層が設けられてもよく、「二層濾過材」の名称と矛盾しない。
【0026】
本実施例において、高温被覆膜層5には複数の濾過孔が設けられ、濾過孔の配置は濾過材の濾過・ゴミ取り性能を保証できる上に、濾過材の濾過精度を増やし、即ち、濾過孔の大きさを制御することで、濾過精度に対する制御を実現する。
【0027】
好適な実施形態として、高温被覆膜層5は耐熱膜である。
【0028】
高温被覆膜層5に対して耐熱膜を利用することで、濾過材は高温の環境でも、相変わらず正常なダスト濾過を行うことができ、濾過材の耐用年数を保障する。
【0029】
本実施例において、上濾過層1、下濾過層2、コーティング4及び高温被覆膜層5にはいずれも濾過孔が設けられ、下濾過層2、上濾過層1、コーティング4及び高温被覆膜層5での濾過孔の直径が順に小さくなる。
【0030】
このように配置すれば、4層の濾過材での濾過孔は共同で逆V状の濾過体系を構成し、吸気端の直径が排気端の直径より小さくて、高精度の濾過を効果的に実現でき、大粒径の粉塵の通過を避ける。
【0031】
このように配置すれば、4段の高効率の濾過を実現し、超低発塵排出の要求を満たす。
【0032】
本実施において、接続結合点3は上濾過層1及び下濾過層2にはいずれも突出していないので、上濾過層1の上面及び下濾過層2の下面にはいずれも顕れない。
【0033】
本実施例において、図3に示すように、下濾過層2における上濾過層1から離れた側にはさらに触媒層6が設けられ、触媒層6を介して多層濾過材に化学濾過の性能を具備させ、さらに濾過促進効果を提供する。
【0034】
本実施例において、触媒層6は触媒を溶融しまたは溶解した後、多層濾過材における下濾過層2を触媒液体に浸漬し、下濾過層2と触媒とが十分に接触した後、多層濾過材を触媒液体内から取り出し、触媒が冷却しまたは硬化した後、触媒層6を形成する。また、塗装方式で、前記触媒層6を形成してもよいし、または、多層濾過材全体を触媒液体に浸入させてもよく、この場合、形成された触媒層6は、下濾過層2だけではなく、多層濾過材の他の位置にも分布され、これによって、濾過促進効果を強化させる。
【0035】
本発明において、コーティング4と高温被覆膜層5との材質はいずれもPTFE、即ち、ポリテトラフルオロエチレンである。
【0036】
PTFEは優れた耐熱性を有し、その作業温度が250℃に達することができ、その同時、優れた耐低温性を有し、温度が-196℃に下がっても、5%の延伸率を保持でき、その同時、耐食性を有し、ほとんどの化学薬品及び溶剤に対して、不活性が表現され、強酸、強アルカリ、水及び各種の有機溶剤に耐えることができ、耐候性について、プラスチックにおける最適な劣化寿命を有し、高潤滑性について、PTFEは固体材料において摩擦係数が最も低いものであり、非付着性について、PTFEは固体材料において最小の表面張力を有し、いずれの物質も付着されず、毒性がないことについて、PTFEは生理不活性を有し、人工血管及び臓器として長期に体内に移植されても副反応もなく、電気絶縁性について、PTFEは1500ボルトの高電圧に抵抗できる。
【0037】
本実施例において、コーティング4は上濾過層1に塗布される前に、まず、触媒と混合して、触媒を混合したコーティング4を上濾過層1の表面に塗布することで、コーティング4を形成し、コーティング4に化学濾過作用を具備させる。
【0038】
具体的に、触媒は脱硫触媒であってもよいし、脱硝触媒であってもよく、さらに、他のタイプの触媒であってもよく、排気ガスに対して化学濾過を行うことができればよい。
【0039】
好適な実施形態として、前記上濾過層1は交絡して設けられた上層経糸と上層緯糸とを有し、前記下濾過層2は交絡して設けられた下層経糸と下層緯糸とを有し、
前記接続結合点3は前記上層経糸での任意部位と前記下濾過層2での対応する下層緯糸とが交絡した接続点であり、
及び/または、前記接続結合点3は前記上層緯糸での任意部位と前記下濾過層2での対応する下層経糸とが交絡した接続点である。
【0040】
つまり、本実施例において、接続結合点3は、
上層経糸と下層緯糸とが交絡して、接続結合点3を形成し、上濾過層1と下濾過層2とを接続し、即ち、上から下への連結、及び
上層緯糸と下層経糸とが交絡して、接続結合点3を形成し、上濾過層1と下濾過層2とを接続し、即ち、下から上への連結という2つの配置方式を有する。
【0041】
具体的な工程は以下の通り:
(一)「下から上へ」の連結組織の描画及び織り要点
1、「下から上へ」の組織の描画
(1)表裏組織を選択する。
織物の表層に下層経糸が露出しなく、織物の裏面に上層緯糸が露出しないようにするために、その各組織に対して以下のような要求を有する。即ち、表組織は、下層経糸(連結点)を隠蔽するための一定長さの経浮き糸を具備し、裏組織の裏面は、上層緯糸(連結点)を隠蔽するための一定長さの緯浮き糸(正面からみれば、裏組織の横方向は連続的な経組織点である)を具備し、連結組織の連結点は上層経浮き糸の中央に設けられる。
(2)連結組織と裏組織との開始点を特定する。
(3)組織の循環数を演算する。
(4)表層、下層の経糸緯糸番号を付けて、表裏組織と連結組織に書き込む。
(5)下層緯糸を織り込んだ際の、上層経糸の上昇符号を書き込む。
【0042】
(二)「上から下へ」の組織の描画及び織り要点
1、「上から下へ」の連結組織の描画
(1)表裏組織を選択する
表面に下層緯糸が露出しなく、裏面に上層経糸が露出しないようにするために、その各組織に対して以下のような要求を有する。即ち、表組織は、下層緯糸(連結点)を隠蔽するための一定長さの緯浮き糸を具備し、裏組織の裏面は、上層経糸(連結点)を隠蔽するための一定長さの経浮き糸(正面から見れば、裏組織の縦方向は連続的な緯組織点である)を具備する。
(2)連結組織と裏組織との方法を特定する。
(3)組織の循環数を演算する。
(4)表層、下層の経糸緯糸番号を付けて、表裏組織と連結組織に書き込む。
【0043】
(三)連合連結2層組織の描画及び織り要点
連合連結は「下から上へ」の連結と「上から下へ」の連結との連合応用であり、「下から上へ」及び「上から下へ」という2つの連結組織を具備する。
【0044】
具体的な配置において、上層経糸のみを利用して、下層緯糸と交絡し、接続結合点3を形成し接続してもよいし、上層緯糸のみを利用して下層経糸と交絡し、接続結合点3を形成し接続してもよく、さらに、図1及び図2に示すように、2つの方式を同時に使用し、即ち、異なる位置で、上層経糸または上層緯糸を利用して下濾過層2に接続することで、上濾過層1と下濾過層2との間の接続をより安定にして、単一方向の接続が解れやすいという問題を避ける。
【0045】
本実施例において、図2に示すように、第1接続結合点3-1の配置方式は、上層経糸と下層緯糸とが交絡して接続結合点を形成することであり、第2接続結合点3-2の配置方式は、上層緯糸と下層経糸とが交絡して接続結合点を形成することである。
【0046】
第1接続結合点3-1と第2接続結合点3-2との配列方式は任意の配列であってもよく、例えば、1行の第1接続結合点3-1、1行の第2接続結合点3-2という配置方式であってもよいし、同一行において、間隔を持って第1接続結合点3-1と第2接続結合点3-2を配置してもよい。
【0047】
指摘すべきことは、接続結合点3の配置方式は本実施例に記載の方式であってもよいが、前記方式に限定されず、他の接続結合点3を有する配置方式であってもよく、例えば、接着などであり、つまり、接続結合点3は他の紡績方式で接続配置されてもよく、他の構成または装置を利用して接続することで接続結合点3を形成してもよく、接続結合点3を介して上濾過層1と下濾過層2との間の固定接続を実現すればよい。
【0048】
好適な実施形態として、前記接続結合点3は前記上濾過層1と前記下濾過層2との間に設けられる。
【0049】
本実施例において、接続結合点3は上濾過層1と下濾過層2との間に設けられることで、接続結合点3が上濾過層1と下濾過層2との表面に浮き上がることを効果的に避け、外観の美しさを保証する。
【0050】
具体的な配置方式は図1に示すように、二層濾過材の各部位はいずれも上層経糸、上層緯糸、下層経糸及び下層緯糸からなるから、その交絡順序が変更されても、全体の厚さを変えないため、上濾過層1と下濾過層2との表面に接続結合点3が浮き上がる。
【0051】
その同時、図1及び図2に示すように、上層経糸が、下濾過層2における上濾過層1に近接する下層緯糸と交絡するから、この際、下層経糸による被覆のため、上層経糸は下濾過層2の表面に顕れなく、その同時、下濾過層2の下層緯糸は上層経糸に被覆されるから、上濾過層1の表面に顕れなく、上濾過層1と下濾過層2との材質は異なっても、外見から見えない。
【0052】
本実施例において、二層濾過材の2層編組方式は以下の通り:
2経糸2緯糸の構成であって、即ち、一面はモノフィラメント経糸によって支持層を形成し、他面はマルチフィラメント緯糸によってマルチフィラメント濾過層を形成することで、通気且つ透水であり、材料が透過しなく、該濾過布は表面が滑らかで、耐磨耗性が優れて、濾過ケーキが脱落しやすく、洗浄しやすく、濾過効率を向上させ、耐酸、耐アルカリ、耐熱性という特性を具備する。
【0053】
好適な実施形態として、前記上濾過層1の材料はガラス繊維、玄武岩繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、及び/またはポリテトラフルオロエチレン繊維であり、
及び/または、
前記下濾過層2の材料はガラス繊維、玄武岩繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、及び/またはポリテトラフルオロエチレン繊維である。
【0054】
本実施例において、二層濾過材に対して選択された原料は、ガラス繊維、玄武岩繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、及びポリテトラフルオロエチレン繊維を含むが、これらに限定されていない。
【0055】
本実施例において、二層濾過材の上濾過層1は単一の繊維から製造されてもよいし、2つまたは2つ以上の繊維を混合して製造されてもよい。
【0056】
同じように、本実施例において、二層濾過材の下濾過層2は単一の繊維から製造されてもよいし、2つまたは2つ以上の繊維を混合して製造されてもよい。
【0057】
指摘すべきことは、本実施例において、上濾過層1と下濾過層2との材料は同様であってもよく、異なってもよく、さらに、二層濾過材は組み合わせ方式が多様であるという特点を具備して、作業状況に対して強い適応性を備える。
【0058】
実施例において、上濾過層1と下濾過層2との材料を選択することで、上濾過層1と下濾過層2とはいずれも耐熱耐食、高強度、低延伸率、優れた濾過・ゴミ取り性、低抵抗、高効率、長寿命などの著しい特点を具備して、工業排気ガス濾過という分野に大幅に適用される。
【0059】
本発明はさらに、前記いずれの1項に記載の二層濾過材から製造されたフィルターバッグを提供する。
【0060】
本実施例において、前記二層濾過材を利用してフィルターバッグを製造することで、フィルターバッグの濾過効果及び耐用年数を増やす。
【0061】
本発明が提供した二層濾過材及びフィルターバッグにおいて、濾過材を上濾過層1と下濾過層2という2層構成に分けて、さらに、強度を増やすとともに、2回の濾過を行うことができ、濾過効果も増やす。本発明の構成が簡単で、利用が便利で、製造工程が簡単で、コストが低く、普及及び応用を容易にする。
【0062】
最後、説明すべきことは、以上の各実施例は本発明の技術案を限定していなく、ただ説明するために用いられ、前記各実施例を参照して本発明を詳しく説明したが、当業者であれば理解できるように、前記各実施例に記載の技術案を補正でき、または一部或いは全ての技術特徴に対して等価差し替えを行ってもよく、これらの補正または差し替えは、相応的な技術案の本質を本発明の各実施例の技術案の範囲から逸脱させない。
【0063】
また、当業者であれば理解できるように、ここで、いくつかの実施例は他の特徴ではなく、他の実施例に含まれたある特徴を含むが、異なる実施例の特徴の組み合わせは、本発明の範囲内にあり、異なる実施例を形成することを意味する。例えば、以上の請求項において、保護を請求する実施例のいずれか1つに対して、任意の組み合わせ方式で利用されてもよい。該背景技術部分に開示された情報は、該情報が、当業者の公知の従来技術を構成したことを認めまたはいずれの形式で暗示することと見なされるべきではなく、ただ本発明の総体背景技術に対する理解を深めるように意図する。
【符号の説明】
【0064】
1 上濾過層
2 下濾過層
3 接続結合点
3-1 第1接続結合点
3-2 第2接続結合点
4 コーティング
5 高温被覆膜層
6 触媒層
図1
図2
図3