(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】誘導性構成要素
(51)【国際特許分類】
H01F 17/04 20060101AFI20230421BHJP
H01F 27/32 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
H01F17/04 N
H01F27/32 101
H01F27/32 140
(21)【出願番号】P 2021541147
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(86)【国際出願番号】 EP2020073930
(87)【国際公開番号】W WO2021047914
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】102019213722.9
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507125295
【氏名又は名称】スミダ・コンポーネンツ・アンド・モジュールズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベルドル,ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ピルスル,ライナー
【審査官】井上 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-192848(JP,A)
【文献】実開平07-029812(JP,U)
【文献】特開2018-067674(JP,A)
【文献】特開平07-099120(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 17/04
H01F 27/32
H01F 30/10
H01F 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導性構成要素(100)であって、
磁性コア(10)と、
少なくとも1つの巻線(W)と、
前記少なくとも1つの巻線(W)が巻回されたコイル本体(30)とを備え、前記コイル本体(30)は、
前記磁性コア(10)が部分的に受容される磁性コア収容部(32)と、
前記磁性コア(10)が前記コイル本体(30)の前記磁性コア収容部(32)に受容される方向に関して前記コイル本体(30)の一方側(HS)に取り付けられ、前記少なくとも1つの巻線(W)への電気的接続のための少なくとも1つの接触要素(50)と、を含み、
前記誘導性構成要素(100)はさらに、
絶縁材料から形成されたカバーキャップ(20)を備え、前記カバーキャップ(20)は、前記コイル本体(30)に受容された前記磁性コア(10)を、部分的に、少なくとも4つの側面において覆い、
前記少なくとも1つの接触要素(50)を有する前記コイル本体(30)の前記一方側(HS)に面する前記磁性コア(10)の側面(12)は、前記カバーキャップ(20)の第1の壁部(22)によって少なくとも部分的に覆われ、
前記コイル本体(30)は、前記磁性コア(10)の下に形成される凹部(34)を含み、前記凹部(34)においては、前記磁性コア(10)の前記側面(12)に対して垂直に延びる前記カバーキャップ(20)の第2の壁部(24)が、前記コイル本体(30)と前記コイル本体(30)に受容される前記磁性コア(10)との間に延在し、
前記カバーキャップ(20)は、前記第2の壁部(24)の反対側に配置され、少なくとも部分的に前記磁性コア(10)の側面(14)を覆い、少なくとも部分的に前記巻線(W)を覆う第3の壁部(25)を含み、
前記カバーキャップ(20)は、それ自体を、互いに接続された5つの壁部(22、24、25、27、29)によって形成され、前記第2の壁部(24)と前記第3の壁部(25)との間には、これに対して垂直に、かつ前記磁性コア(10)において横方向に延在し、互いに向かい合って位置する2つの第4および第5の壁部(27,29)が配置される、誘導性構成要素(100)。
【請求項2】
誘導性構成要素(100)であって、
磁性コア(10)と、
少なくとも1つの巻線(W)と、
前記少なくとも1つの巻線(W)が巻回されたコイル本体(30)とを備え、前記コイル本体(30)は、
前記磁性コア(10)が部分的に受容される磁性コア収容部(32)と、
前記磁性コア(10)が前記コイル本体(30)の前記磁性コア収容部(32)に受容される方向に関して前記コイル本体(30)の一方側
である高電圧側HSに取り付けられ、前記少なくとも1つの巻線(W)への電気的接続のための少なくとも1つの接触要素(50)と、を含み、
前記誘導性構成要素(100)はさらに、
絶縁材料から形成されたカバーキャップ(20)を備え、前記カバーキャップ(20)は、前記コイル本体(30)に受容された前記磁性コア(10)を、部分的に、少なくとも4つの側面において覆い、
前記少なくとも1つの接触要素(50)を有する前記コイル本体(30)の前記一方側
である前記高電圧側HSに面する前記磁性コア(10)の側面(12)は、前記カバーキャップ(20)の第1の壁部(22)によって少なくとも部分的に覆われ、
前記コイル本体(30)は、前記磁性コア(10)の下に形成される凹部(34)を含み、前記凹部(34)においては、前記磁性コア(10)の前記側面(12)に対して垂直に延びる前記カバーキャップ(20)の第2の壁部(24)が、前記コイル本体(30)と前記コイル本体(30)に受容される前記磁性コア(10)との間に延在し、
前記カバーキャップ(20)は、前記第2の壁部(24)の反対側に配置され、少なくとも部分的に前記磁性コア(10)の側面(14)を覆い、少なくとも部分的に前記巻線(W)を覆う第3の壁部(25)を含み、
前記少なくとも1つの接触要素(50)は、前記コイル本体(30)の
前記高電圧側
HSの接触ストリップ(33)上に配置され、さらに、前記コイル本体(30)の前記高電圧
側HSの反対側に配置された前記コイル本体(30)の低電圧
側NSの接触ストリップ(35)上に、少なくとも1つのさらなる接触要素(52)が配置され、前記コイル本体(30)の前記高電圧
側HSの前記磁性コア(10)が前記コイル本体(30)の磁性コア収容部(32)に受容される方向における前記接触ストリップ(33)の幅は、前記コイル本体(30)の前記低電圧
側NSの前記磁性コア(10)が前記コイル本体(30)の磁性コア収容部(32)に受容される方向における前記接触ストリップ(35)の幅よりも大きい、誘導性構成要素(100)。
【請求項3】
前記第2の壁部(24)は、前記第1の壁部(22)から前記第1の壁部(22)に対して垂直な方向に沿って前記第1の壁部(22)から突出し、したがって、前記少なくとも1つの接触要素(50)を有する前記コイル本体(30)の前記一方側(HS)に面する前記磁性コア(10)の縁部(13)は、前記第1の壁部(22)および前記第2の壁部(22,24)によって完全に覆われる、請求項1または2に記載の誘導性構成要素(100)。
【請求項4】
前記カバーキャップ(20)は、前記巻線(W)を、前記コイル本体(30)と反対側の前記磁性コア(10)の側面(14)において、前記側面(14)とともに、完全に覆う、請求項1から3のいずれか1項に記載の誘導性構成要素(100)。
【請求項5】
前記第4および/または第5の壁部(27,29)には、前記磁性コア(10)の一部を露出する開口部が形成され、前記巻線(W)の、あるワイヤ端部は、前記少なくとも1つの開口部を通過して前記カバーキャップ(20)から外部に出て、前記カバーキャップ(20)に沿って前記接触要素(50)へと導かれる、請求項1に記載の誘導性構成要素(100)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの開口部は、前記コイル本体(30)の、ある側に形成された、スロット形状開口部を表し、前記スロット形状開口部は、前記磁性コア(10)が前記コイル本体(30)に受容される方向に関して、前記少なくとも1つの接触要素(50)を有する前記コイル本体(30)の前記一方側(HS)の反対側に配置される、請求項5に記載の誘導性構成要素(100)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの開口部は、この方向に沿って延びるスロット形状開口部(S)として形成される、請求項6に記載の誘導性構成要素(100)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの開口部は、前記少なくとも1つの接触要素(50)を有する前記コイル本体(30)の前記一方側(HS)の反対側に配置された前記コイル本体(30)の側において開口している、請求項7に記載の誘導性構成要素(100)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの接触要素(50)は、前記第2の壁部(24)に関して、それに対して垂直に、前記コイル本体(30)から離れる方向に、延在する、請求項1に記載の誘導性構成要素(100)。
【請求項10】
前記高電圧
側HSの前記少なくとも1つの接触要素(50)は、前記磁性コア(10)が前記コイル本体(30)に受容される方向に沿って、前記接触ストリップ(33)上において、前記磁性コア(10)の前記高電圧
側HSの縁部(13)から距離(V1)だけオフセットして配置される、請求項2に記載の誘導性構成要素(100)。
【請求項11】
前記距離(V1)は、前記低電圧
側NSにおける、前記縁部(13)の反対側に配置された前記磁性コア(10)の縁部から、前記低電圧
側NSの前記接触ストリップ(35)上の前記少なくとも1つのさらなる接触要素(52)までの距離よりも大きい、請求項10に記載の誘導性構成要素(100)。
【請求項12】
前記コイル本体(30)は、プリント回路基板のTHD実装用に構成される、請求項1~11のいずれか1項に記載の誘導性構成要素(100)。
【請求項13】
前記コイル本体(30)の前記凹部(34)は、前記磁性コア(10)と前記コイル本体(30)との間のアンダーカット(V3)に対応して延在する前記第2の壁部(24)のための停止面として機能する段差によって画定される、請求項1~12のいずれか1項に記載の誘導性構成要素(100)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの接触要素(50)は、前記磁性コア(10)が前記コイル本体(30)に受容される方向に沿って、前記アンダーカット(V3)に依存する距離だけ、前記コイル本体(30)における前記段差からオフセットされる、請求項13に記載の誘導性構成要素(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導性構成要素に関し、特に、非常にコンパクトな誘導性構成要素に対する絶縁要件に準拠することに関する。
【背景技術】
【0002】
変圧器およびチョークなどの誘導性構成要素は、様々な応用分野において使用される。この1つの適用例は、特にガス放電ランプまたはフィルタチョークのための点火変圧器として誘導性構成要素が使用される自動車における電子機器である。自動車分野で自動車用電子機器に関して追求された広範囲な発展は、例えば、自動車においてデータを表示するために使用される計器クラスタとして車両において使用するため、点火システムまたは注入システムを作動させることによってエンジン管理システムを制御するため、アンチロックブレーキおよび車両ダイナミクス制御システムにおいて、エアバッグの制御において、車体制御ユニットにおいて、運転者支援システムにおいて、自動車警報システムにおいて、ならびにナビゲーションシステム、TVチューナなどのようなマルチメディアデバイスなど、電子部品の数の急増をもたらした。
【0003】
自動車の電子装置の数は、このような開発により増加していくため、自動車における電子機器の一層の広範化および複雑化にも関わらず車両構造によって決まる自動車内の設置空間に適合させるためには、例えば、電子部品の構造寸法のさらなる調整が必要となる。一般に、自動車の電子機器には、堅牢性、温度範囲、耐振動性、耐衝撃性(車両運転時の振動によるもの)などの点でさらなる要件があり、それにより、電子機器の信頼性は、最も変動する条件および状態に関して長期間にわたって確保されることになる。例えば、-40℃~約120℃の温度範囲における部品の動作性を確保する必要がある。
【0004】
特に、所与の設置スペースに従うために電子部品のよりコンパクトな構成に向けられた部品サイズに関する使用関連条件に加えて、例えば電子部品が取り付けられるプリント回路基板などの支持体上で電子部品が最大占有し得る仕様最大実装面積として、電子部品の性能および品質を低下させることなく、一般的に所定の安全性規格を守る必要がある。例えば、一様な最低限の安全性規格の実現のための安全仕様は、指定されたエアギャップおよび沿面距離に対する準拠、ならびに指定された絶縁破壊強度に対する準拠など、電子部品が満たすべき絶縁要件を定める。
【0005】
エアギャップまたはクリアランスは、一般に、2つの導電性部品間の最短距離、特に、空気中を通り、凹部および間隙を横切り、基板に対して全表面にわたって間隙なく接続されない絶縁アタッチメントを横切る、最短の可能な接続を意味すると理解される。エアギャップは、とりわけ、印加される電圧に依存し、電子構成要素は、指定された過電圧カテゴリを割り当てられる。(電子部品の端子等の)接続部を介して外部から電子部品に進入する過電圧や、電子部品自体において生成され端子で発生する過電圧を考慮する必要がある。空気を介した電圧破壊が、空気を介した最短の可能な接続を介して生じることは、予め規定されたエアギャップによって排除されるべきである。この意味で、エアギャップは、破壊が生じないように、空気中の可能な最大電場を制限する。
【0006】
対照的に、沿面距離は、2つの電位の間に配置される絶縁材料の表面上での2つの電位間の最短接続を表す。沿面距離は、一般に、電子部品の有効動作電圧に依存し、とりわけ、絶縁材料表面上の汚染の程度および/または水分の程度によって影響を受ける。例えば、絶縁材料の沿面電流抵抗は、水分および/または汚染の影響下での絶縁材料表面の絶縁強度によって決定され、規定の試験構成において標準化された試験条件下で設定され得る最大沿面電流を示すと理解され得る。沿面電流抵抗は、実質的に、熱応力下での絶縁材料の吸水能力および挙動に依存する。
【0007】
さらに、絶縁距離は、絶縁材料の厚みを意味すると理解され、この量は、絶縁材料の絶縁強度を決定するのに重要である。
【0008】
エアギャップ、沿面距離および絶縁距離に要件を課す安全性規格により、潜在的な安全性リスクとして電圧破壊(例えば、電気アークまたは火花放電)および/または沿面電流を避けるために、寸法決めに依存して、十分な絶縁のために、電子部品に対する強制的な条件が存在する。例えば、電気アークまたは火花放電としての電圧破壊は、爆発安全性の文脈において回避されるべきであり、一方、沿面電流は、沿面電流源と接触する場合のユーザの安全性リスクを表す。
【0009】
コンパクトな誘導性構成要素の提供に対する現在のアプローチは、コイル本体上の延長された距離にわたって安全距離を実現すること、または巻線を容器に入れることを提案している。しかしながら、これは、延長された距離を提供する場合の空間要件の増加の問題、およびリフロー用途における容器に入れられたシステムとの問題につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の説明に鑑みて、本開示が基づく目的は、特に、指定されたエアギャップおよび/または沿面距離および/または絶縁距離をアンダーカットすることなく、指定された安全性規格に準拠しながら、小さな設置空間に取付けるためのコンパクトな設計を有する誘導性構成要素を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一態様では、本開示は、磁性コアと、少なくとも1つの巻線と、コイル本体とを備え、コイル本体は、少なくとも1つの巻線を巻回され、少なくとも1つの巻線に電気接続するためにコイル本体の一方側に取り付けられた少なくとも1つの接触要素と、磁性コアが少なくとも部分的に受容される磁性コア収容部とを含む、誘導性構成要素を提供する。誘導性構成要素は、さらに、絶縁材料から作製され、磁性コアの少なくとも4つの側面上において、コイル本体に受容された磁性コアを覆うカバーキャップを備える。少なくとも1つの接触要素を有するコイル本体の側に面する磁性コアの側面は、カバーキャップの第1の壁部によって少なくとも部分的に覆われている。
【0012】
カバーキャップは、誘導性構成要素の寸法に関係なく、エアギャップおよび沿面距離に対する要件が満たされることを可能にする。このようにして、誘導性構成要素に関連する安全性規格は、縮小された寸法を有するコンパクトな構成要素についても守られる。
【0013】
さらに、コイル本体は、磁性コアの下に形成される凹部を含み、凹部においては、磁性コアの側面に対して垂直に延びるカバーキャップの第2の壁部が、コイル本体とコイル本体に受容される磁性コアとの間に延在する。これは、カバーキャップが、少なくとも1つの接触要素を有する側において第1および第2の壁部によって磁性コアを取り囲むことを保証し、したがって、少なくとも1つの接触要素と磁性コアとの間の安全距離を増大させるためにコイル本体の寸法を増大させることなく導電性部品の有利な密封または絶縁が達成される。さらに、この凹部により、コイル本体上におけるカバーキャップの機械的に再現可能な位置決めが達成され、これは、例えば、巻回され、コアを備えたコイル本体の、カバーキャップとの機械的組み付けに対する利点を可能にする。
【0014】
加えて、カバーキャップは、第2の壁部の反対側に配置され、少なくとも部分的に磁性コアの側面を覆い、少なくとも部分的に巻線を覆う第3の壁部を含む。これにより、巻線と磁性コアとの間の沿面抵抗が向上するとともに、巻線に関する安全性規格の遵守が保証される。
【0015】
この局面の有利な実施形態では、第2の壁部は、第1の壁部から第1の壁部に対して垂直な方向に沿って第1の壁部から突出することができ、したがって、少なくとも1つの接触要素を有するコイル本体の側に面する磁性コアの縁部は、第1の壁部および第2の壁部によって完全に覆われる。これにより、磁性コアが、カバーキャップによって、少なくとも1つの接触要素を有する側に面する側において、十分に絶縁されることを保証することができる。
【0016】
この態様のさらなる有利な実施形態では、カバーキャップは、巻線を、コイル本体と反対側の磁性コアの側面において、この側面とともに、完全に覆うことができる。その結果、巻線および磁性コアは、カバーキャップによって有利に封止される。
【0017】
この態様のさらなる有利な実施形態では、カバーキャップは、それ自体を、互いに接続された5つの壁部によって形成することができる。第2の壁部と第3の壁部との間には、これに対して垂直に、かつ磁性コアにおいて横方向に延在し、互いに向かい合って位置する2つの第4の壁部と第5の壁部とが配置されることができる。これは、安全性規格に準拠する、カバーキャップの簡易な構造的構成である。この実施形態では、カバーキャップは、コイル本体に受容されるコアと、その上に配置される巻線とを機械的に安定して覆うことを可能にする、ポット形状またはボウル形状の絶縁体として提供され得る。
【0018】
この態様のさらなる有利な実施形態では、第4および/または第5の壁部に開口部が形成され得、この開口部を通して磁性コアの一部分が露出される。巻線の一方のワイヤ端部は、少なくとも1つの開口部を通過してカバーキャップから外部に出て、カバーキャップに沿って接触要素へと渡されることができる。開口部は、有利な沿面距離および絶縁距離を維持しながら、ワイヤ端部が接触要素に導かれることを可能にする。本明細書の例示的な例では、少なくとも1つの開口部は、コイル本体の、ある側に形成された、スロット形状開口部を表すことができ、このスロット形状開口部は、磁性コアがコイル本体に受容される方向に関して、少なくとも1つの接触要素を有するコイル本体の側の反対側に配置される。スロット形状の開口部を通して、ワイヤ端部のための方向付けられた通路を与えることができる。さらに、少なくとも1つの開口部は、この方向に沿って延びるスロット形状開口部として構成することができる。例えば、少なくとも1つの開口部は、少なくとも1つの接触要素を有するコイル本体の側の反対側に配置されるコイル本体の側において開口することができる。
【0019】
この態様のさらなる有利な実施形態では、少なくとも1つの接触要素は、第2の壁部に関して、それに対して垂直に、コイル本体から離れる方向に、延在することができる。これは、安全性規格に対する準拠を保証する接触要素およびカバーキャップの構造的構成を可能にする。
【0020】
この態様のさらなる有利な実施形態では、少なくとも1つの接触要素は、コイル本体の高電圧側の接触ストリップ上に配置することができる。これは、安全性規格が誘導性構成要素の高電圧側で遵守されることを確実にする。コイル本体の高電圧側の反対側に配置されたコイル本体の低電圧側の接触ストリップ上に少なくとも1つのさらなる接触要素を配置することもでき、コイル本体の高電圧側の接触ストリップの幅は、コイル本体の低電圧側の接触ストリップの幅よりも大きくあることができる。これにより、高電圧側について有利な絶縁強度を可能にする。
【0021】
この態様のさらなる有利な実施形態では、高電圧側の少なくとも1つの接触要素は、磁性コアがコイル本体に受容される方向に沿って接触ストリップ上でオフセットして配置され得る。これにより、十分な安全距離が確保される。本明細書のいくつかの例示的な例では、この距離は、低電圧側における、上記縁部の反対側に配置された磁性コアの縁部から、低電圧側の接触ストリップ上の少なくとも1つのさらなる接触要素までの距離よりも長くすることができる。これにより、高電圧側の絶縁強度を容易に高めることができる。
【0022】
この態様のさらなる有利な実施形態では、コイル本体は、回路基板のTHD実装用に構成することができる。これにより、例えば小型のフライバックトランスを実現することができる。
【0023】
この態様のさらなる有利な実施形態では、コイル本体の凹部は、磁性コアとコイル本体との間のアンダーカットに対応して延在する第2の壁部のための停止面として機能する段差によって画定され得る。これは、コイル本体上のカバーキャップの規定された位置決めを可能にする。少なくとも1つの接触要素は、そこで、磁性コアがコイル本体に受容される方向に沿ってアンダーカットに依存する距離だけ、コイル本体における段差からオフセットされ得る。これは、規定されたアンダーカットを保証する。
【0024】
本開示の文脈において、カバーキャップは、誘導性構成要素の寸法に関係なく、安全かつ確実な態様で十分なエアギャップおよび沿面距離を確保する。
【0025】
実施形態において、接触要素に面する磁性コアの側面部分は、漏洩電流が非常に効率的に抑制され得るように、カバーキャップの壁部によって少なくとも部分的に覆われる。カバーキャップは、コイル本体に加えて絶縁体を別途設けることを可能にし、それによって誘導性構成要素をモジュール化することができ、エアギャップおよび沿面距離を改修することができる。カバーキャップとコイル本体とは機械的に着脱可能に連結することができ、その結果、誘導性構成要素における沿面距離延長を簡易な態様で得ることができ、必要に応じて個々の構成要素を交換して改造することができる。さらに、カバーキャップは、例えば射出成形技術を用いて容易に製造でき、大量に安価に製造することができる。
【0026】
本開示のさらなる利点および特徴は、添付の図面の文脈において以下により詳細に説明される:
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本開示の実施形態による誘導性構成要素を斜視図で概略的に示す。
【
図2a】
図1に示される誘導性構成要素を側面断面図で概略的に示す。
【
図2b】
図1に示す誘導性構成要素を側面図で概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示による誘導性構成要素は、
図1および
図2aおよび
図2bを参照して本開示の様々な実施形態に従って以下に説明される。
図1は、本開示の実施形態による誘導性構成要素100を斜視図で示す。
図2aは、
図1に示される誘導性構成要素100の側面断面図を概略的に示し、
図2bは、その側面図を示す。
【0029】
図示の実施形態によれば、誘導性構成要素100は、磁性コア10と、少なくとも1つの巻線Wと、少なくとも1つの巻線Wを巻回したコイル本体30と、絶縁材料から形成されたカバーキャップ20とを備える。コイル本体30は、少なくとも1つの巻線Wへの電気接続のためにコイル本体30の一方側HSに取り付けられた少なくとも1つの接触要素50と、磁性コア10が部分的に受容される磁性コア収容部32とを含む。カバーキャップ20は、絶縁材料から形成され、コイル本体30に収容された磁性コア10を、その側面のうちの少なくとも4つにおいて覆っている。少なくとも1つの接触要素50を有するコイル本体30の側HSに面する磁性コア10の側面12は、カバーキャップ20の第1の壁部22によって少なくとも部分的に覆われる。
【0030】
いくつかの例示的な実施形態では、誘導性構成要素100の磁性コア10は、モジュール式磁性コアとして構成され得る。このモジュール式磁性コアは、2つのE形状磁性コアから二重Eコア構成のように形成することができ、その各々は、その中央脚部がコイル本体の磁性コア収容部32内にある状態で、部分的に受容される。これは限定ではなく、2つのCコア、EコアおよびCコア、EコアおよびIコア、ならびにCコアおよびIコアを、2つのEコアの代わりに誘導性構成要素100において組み合わせることができる。さらなる代替形態によれば、磁性コア10は、単一部品のコア、例えば単一部品のトロイダルコアまたはフレームコアとして構成され得る。
【0031】
図1、
図2aおよび
図2bに示されるように、カバーキャップ20は、カバーキャップ20の壁部22によって磁性コア10を側面12において完全に覆うことができる。磁性コア10の側面14とは反対側の側面16は、カバーキャップ20の壁部24によって部分的にのみ覆われている。
【0032】
いくつかの例示的な実施形態では、側面15および側面15の反対側に配置された側面(図示せず)も、カバーキャップ20の対応する壁部27および29によって完全に覆うことができる。カバーキャップ20の壁部25は、磁性コア10の側面14を少なくとも部分的に、好ましくは完全に覆うことができ、例えば、巻線Wを少なくとも部分的に、好ましくは完全に覆うことができる。したがって、具体例では、カバーキャップ20は、磁性コア10の露出側面19を除き、磁性コア10を巻線Wの一部とともに包み込むことができる。
【0033】
例示的な実施例によれば、カバーキャップ20は、互いに接続された合計5つの壁部によって形成することができる。これは、カバーキャップがポット形状またはボウル形状の絶縁体を提供し、それによって、コイル本体に受容されるコアおよびその上に配置された巻線の機械的に安定した被覆を可能にする、カバーキャップの簡単な構造構成を表す。それぞれのカバーキャップは、射出成形技術によって連続生産で容易に製造することができる。
【0034】
図2aおよび
図2bを参照すると、コイル本体30は、磁性コア10の下に形成され、カバーキャップ20の壁部24がその中へと延びる凹部34を備える。カバーキャップ20の壁部24は、コイル本体30と、コイル本体30に受容された磁性コア10との間において、磁性コア10の側面12に対して垂直に延びている。
【0035】
例示的な実施例によれば、
図2aおよび
図2bに示されるように、第2の壁部24は、第1の壁部22から第1の壁部22に対して垂直な方向に沿って第1の壁部22から突出することができ、それにより、少なくとも1つの接触要素50を有するコイル本体30の側に面する磁性コア10の縁部13は、第1および第2の壁部22、24によって完全に覆われる。互いに接続された壁部22および24は、磁性コア10の周りにおいて縁部13のところで係合し、その結果、磁性コア10のアンダーカットV3が、コア10の側面16上に生じ、特に壁部24は、磁性コア10を、磁性コア10の側面16において、セクションV3だけアンダーカットする。コイル本体30の凹部34は、コイル本体30において、磁性コア10の側面16の下において、アンダーカットV3に従って、壁部24のための停止面として構成される段差によって画定される。段差から少なくとも1つの接触要素50までの距離は、アンダーカットV3に依存する。カバーキャップ20の磁性コア10への装着動作は、コイル本体30が磁性コア10と嵌合される際に磁性コア10をコイル本体30の収容部32内に押し込む方向にカバーキャップを磁性コア10上で押す際に、段差によって制限される。
【0036】
本開示のいくつかの例示的な実施形態では、コイル本体30の側HSは、誘導性構成要素100の高電圧側を表すことができる。少なくとも1つの接触要素50は、側HSにおいて、コイル本体30の接触ストリップ33上に形成され、そこにおいては、少なくとも1つの接触要素50は、例えば、接触ストリップ33上に配置され、接触ストリップ33から少なくとも1つの方向に沿って突出する接触ピンとして実現され得る。凹部34は、接触ストリップ33に形成され、磁性コア10は、凹部34において、コアアンダーカットV3に対応する距離だけ、接触ストリップ33上を延在する。例示的かつ非限定的な例によれば、接触ストリップ33における凹部34は、凹部34が、段差と、段差から、段差に対して垂直に離れるように延在する接触ストリップ上の2つの壁部とによって画定されるように、構成される。凹部34を画定する接触ストリップ33上のこれらの壁部は、各々、カバーキャップ20を凹部34内に案内する横方向ガイドウェブを表す。カバーキャップ20は、それとともに、コイル本体30において有利な態様で案内され、これにより最適な組み付けが可能になる。
【0037】
例示的な実施例によれば、少なくとも1つの接触要素50は、コイル本体30と磁性コア10との間において部分的に延びる壁部24に関して、コイル本体30から、それに対して垂直な方向に離れるように延びることができる。
【0038】
少なくとも1つの接触要素52が配置される接触ストリップ35が、(コイル本体30が磁性コア10と嵌合される際に磁性コア10がコイル本体の磁性コア収容部32に受容される方向に関して)コイル本体30の側HSの反対側の、コイル本体30の側NSに配置される。接触ストリップ33上の凹部34は、凹部34のベース面が接触ストリップ35のベース面よりも深くなることを意味する。言い換えれば、凹部34のベース面の領域における接触ストリップ33の厚みは、この接触ストリップのベース面の領域における接触ストリップ35の厚みより小さい。接触ストリップ33のベース面は、接触ストリップ33上において磁性コア10の支持面として機能する接触ストリップ33の表面の領域を意味し、段差によって画定される。
【0039】
いくつかの具体的な例示的実施形態では、
図1を参照して図示されるように、接触ストリップ35は、磁性コア10がコイル本体30に受容される方向に沿って接触ストリップ35の両側に延びる2つの凹部を含むことができる。凹部は、接触ストリップ35上において磁性コア10のために支持表面を画定し、したがって、接触ストリップ35上の磁性コア10のための支持表面は、これらの凹部に対して接触ストリップ35の上昇した領域を表す。例えば、これらの凹部は、接触ストリップ35における溝形状の凹部として構成することができ、したがって、2つの横方向ガイド溝が、カバーキャップ20のために接触ストリップ35に設けられる。代替的に、カバーキャップ20は、2つの側壁部各々に凹部を含むことができ、カバーキャップ20に関する接触ストリップ33および35における厚みの差に対応する。
【0040】
いくつかの例示的な実施形態によれば、コイル本体30の側NSは誘導性構成要素100の低電圧側を表すことができ、コイル本体30の側HSは高電圧側を表すことができる。コイル本体30の側NSの低電圧側とコイル本体30の側HSの高電圧側との区別は、カバーキャップ20が、側NSに向かって、磁性コア10の側面19、すなわち、磁性コア10の、コイル本体の側NSに面する側、を露出させる開口部28を有する範囲で行うことができる。追加的または代替的に、高電圧側は、コイル本体30の側HSの接触ストリップ33が、コイル本体の側NSの接触ストリップ35よりも広い幅を有する(すなわち、接触ストリップ33は、コイル本体30が磁性コア10と嵌合されるときに磁性コア10がコイル本体の磁性コア収容部32に受容される方向における寸法が、接触ストリップ35と比較して大きい)という点で、誘導性構成要素100の低電圧側と区別することができる。
【0041】
磁性コア10に対する少なくとも1つの接触要素50のオフセットが、
図2bを参照して示される。このオフセットは、接触ストリップ33によって提供される。少なくとも1つの接触要素50は、コイル本体30が磁性コア10と嵌合されるときに磁性コア10がコイル本体の磁性コア収容部32に受容される方向に対して垂直な方向(あるいは巻線Wの巻回軸に対して垂直な方向)に沿って距離V2だけ磁性コアに対してオフセットして配置される。さらに、少なくとも1つの接触要素50は、(特に、凹部34の段差から測定された場合にコアアンダーカットV3に加えて)コアアンダーカットV3に平行な方向に沿って距離V1だけ磁性コア10の縁部13から離間され、距離V1は、縁部13の反対側に配置された側NSの磁性コア10の縁部から少なくとも1つの接触要素52までの距離よりも大きい。
【0042】
いくつかの例示的な実施形態によれば、
図1、
図2aおよび
図2bに示されるように、カバーキャップ20は、巻線Wの一部を覆う。例えば、カバーキャップ20は、巻線Wを、コイル本体30と反対側の磁性コア10の側面14において、この側面とともに、完全に覆うことができる。
【0043】
図1および
図2bを参照すると、いくつかの実施形態におけるカバーキャップ20は、例えば少なくとも1つのスロット形状開口部として、カバーキャップ20の壁部27および29に各々形成された、1つまたは複数のスロットなどの、少なくとも1つの開口部Sを含むことができる。1つ以上の開口部Sは、好ましくは、コイル本体30の側HSよりもコイル本体30の側NSの近くに配置される。これは、コイル本体の側HSが誘導性構成要素100の高電圧側を表す用途において有利であり、その理由は、これらの用途では、コイル本体の側HSの接触要素、例えば少なくとも1つの接触要素50に接続される巻線Wのワイヤ端部が、スロットを通って、カバーキャップ20から外部へ、カバーキャップ20およびコイル本体30に沿って接触ストリップ33に、およびそこで先へ進んで接触要素50まで、それに電気的および機械的に接続されるために導かれることができるからである。巻線Wのワイヤ端部を対応する接触要素に案内することができる案内ノブ37を、接触ストリップ33上での支持のために設けることができる。それぞれの案内ノブ39はまた、ワイヤ端部を少なくとも1つの接触要素52に案内するために接触ストリップ35上に設けることもできる。いくつかの例示的な例では、低電圧側NS上の少なくとも1つの開口部Sは、開口状態とすることができ、したがって、巻線Wのワイヤ端部を、開口部Sを通して面倒な方法で通す必要はない。
【0044】
これは限定を表すものではなく、代替的に、壁部27または29にスロットをまったく形成しないかまたは1つのみ形成することができ、または、少なくとも1つのスロットの代わりに、スロットから逸脱した形状を有し、磁性コア10の一部がカバーキャップ20の外側から露出する開口部を壁部27および/または29に形成することもでき、したがって、巻線Wのワイヤ端部は、カバーキャップの内部から少なくとも1つの開口部Sを通って外部に導かれる。
【0045】
図1、
図2aおよび
図2bに示す誘導性構成要素100は、コイル本体30を少なくとも1つの巻線Wで巻回するステップと、コイル本体30において磁性コア10を受容するステップと、巻回されたコイル本体30に受容される磁性コア10にカバーキャップ20を取り付けるステップとを含む方法によって製造することができる。磁性コア10は、コイル本体30の磁性コア収容部32に部分的に受容される。コイル本体30の巻回は、そこで、磁性コア10とは独立して行うことができ、磁性コア10のコイル本体30への嵌合は、例えば、時間的に別々に、または同時に行うことができる。磁性コア10はまた、例えば、モジュール式磁性コア10の場合に、個々のコアセグメントがコイル本体30に受容されるということで、コイル本体30に受容され得る。これにより、誘導性部品100を製造するための自動化された製造方法を提供することができる。
【0046】
例示的な実施形態によれば、誘導性構成要素100は、プリント回路基板(図示せず)上に実装することができ、コイル本体30は、プリント回路基板(図示せず)のTHD実装のために構成される。
【0047】
いくつかの例示的な実施形態によれば、カバーキャップ20はまた、例えば、自動化製造プロセスにおいて搬送装置(図示せず)上の吸引部材のために把持可能であるようにピックアンドプレースキャップとして機能することもできる。
【0048】
本開示の文脈において、動作電圧および高度使用の増加による、エアギャップおよび沿面距離の拡張が、しかしながら、構成要素の幾何学的形状に悪影響を及ぼすことなく行われる誘導性構成要素、例えば変圧器に対する需要の増加に対する解決策が提供される。1つの可能性は、距離を延長するために、磁性コアおよび接触要素などの導電性部分を封止/絶縁することである。導電性磁性コアと接触要素(特に、変圧器の高電圧側の接触要素)との間の距離は、いくつかの実施形態では、槽の形態(槽状)のカバーキャップ上において実現されるコアアンダーカットによって得られる。組み付け中、カバーキャップは、磁性コア上に押され、それによって誘導性構成要素は、ハウジングシャーシに対して絶縁され、カバーキャップは、ピックアンドプレース機能として同時に機能することができる。
【0049】
いくつかの例では、取り付けられた磁性コアを含む誘導性構成要素の巻回されたコイル本体は、カバーキャップによって覆われる。カバーキャップのアンダーカットは、高電圧側の接触要素までの距離をさらに増大させる。さらに、カバーキャップは、誘導性構成要素とハウジングシャーシとの間の安全距離を増加させる。
【0050】
本開示の目的の1つの効果は、EN 61558-2-16 A1に従って、基本的な絶縁または強化された絶縁に必要な安全距離を同時に維持しながら、誘導性構成要素のサイズは大きくされ得ず、好ましくは縮小され得ることである。シャーシへの安全距離も遵守される。
【0051】
要約すると、本明細書の文脈において、誘導性構成要素が提供され、それは、磁性コアと、少なくとも1つの巻線と、少なくとも1つの巻線を巻回されたコイル本体とを含み、コイル本体は、少なくとも1つの巻線に電気接続するためにコイル本体の一方側に取り付けられた少なくとも1つの接触要素と、磁性コアが少なくとも部分的に受容される磁性コア収容部とを伴う。これらの誘導性構成要素は、絶縁材料から形成され、磁性コアの少なくとも4つの側面上において、コイル本体に受容された磁性コアを覆うカバーキャップをさらに含む。少なくとも1つの接触要素を有するコイル本体の側に面する磁性コアの側面は、カバーキャップの第1の壁部によって少なくとも部分的に覆われている。さらに、コイル本体は、磁性コアの下に形成される凹部を含み、凹部においては、磁性コアの側面に対して垂直に延びるカバーキャップの第2の壁部が、コイル本体とコイル本体に受容される磁性コアとの間に延在する。カバーキャップは、第2の壁部の反対側に配置され、少なくとも部分的に磁性コアの側面を覆い、少なくとも部分的に巻線を覆う第3の壁部を含む。これらの誘導性構成要素は、例えば、フライバックトランスとして用いることができる。