(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】小売店のSCO作業領域を管理するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/20 20120101AFI20230421BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20230421BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
G06Q20/20
G07G1/00 301B
G07G1/00 331B
G08B25/00 510M
(21)【出願番号】P 2021547099
(86)(22)【出願日】2019-11-20
(86)【国際出願番号】 IB2019059992
(87)【国際公開番号】W WO2020165640
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2021-08-11
(32)【優先日】2019-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518072210
【氏名又は名称】エバーシーン リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Everseen Limited
【住所又は居所原語表記】4th Floor, The Atrium, Blackpool Retail Park, Blackpool, Cork, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アラン オハーリー
(72)【発明者】
【氏名】オヴィドゥーユ パルヴ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドル アリオン
【審査官】鈴木 香苗
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-029589(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0197741(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 20/20
G07G 1/00
G08B 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
小売店のセルフチェックアウト(SCO)作業領域の複数のSCO端末を管理するシステムであって、前記システムは、
前記SCO作業領域の概観画像を撮像する中央カメラと、
各
前記SCO端末のプロセッサ及び前記中央カメラと通信可能に結合される中央制御ユニットと、を備え、前記中央制御ユニットは、
1つまたは複数の命令を保存するメモリと、
前記1つまたは複数の命令を実行するため前記メモリと通信可能に結合する中央処理ユニットと、を含み、前記中央処理ユニットは、
SCO端末における非スキャンイベントを特定し、
既にロックされた他のSCO端末の数が第1の閾値より小さいかをチェックし、
既にロックされた他のSCO端末の数が前記第1の閾値より小さい場合に前記SCO端末をロックし、
既にロックされた他のSCO端末の数が前記第1の閾値に達した場合、前記SCO端末における連続する非スキャンイベントの数が第2の閾値に達したかを確定するためのチェックを実行し、及び、
前記SCO端末において検出された連続する非スキャンイベントの数が前記第2の閾値に達した場合、前記SCO端末をロックするように構成されることを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記中央カメラは、360°カメラ及び180°カメラで構成されるグループから選択されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記中央制御ユニットは、警告、通知及び命令を発行するため、前記SCO作業領域の店員のコンピュータ装置と通信可能に結合されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記中央処理ユニットは、
前記SCO端末において非スキャンイベントが検出され、前記SCO端末と店員との距離が予め決定された距離より短い場合に前記SCO端末を自動的にロックするように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記中央処理ユニットは、顧客に対応するショッピングカートの状態に基づいて、
前記SCO端末を自動的にロックするように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記中央処理ユニットは、対応するスキャンされた品物のリストに表示されることがなく、大きい品物が前記SCO作業領域の出口ゲートを通って移動されるとき、自動的に前記出口ゲートをロックし、店員に通知を発行するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記中央処理ユニットは、前記SCO作業領域の入り口における行列のサイズが第
3の閾値より大きくなったとき、店員に通知を発行するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
小売店のセルフチェックアウト(SCO)作業領域の複数のSCO端末を管理する方法であって、前記方法は、
中央カメラによって前記SCO作業領域の概観画像を撮像することと、
SCO端末において非スキャンイベントを特定することと、
既にロックされた他の前記SCO端末の数が第1の閾値より小さいかを
中央処理ユニットによってチェックすることと、
既にロックされた他のSCO端末の数が前記第1の閾値より小さい場合に
前記中央処理ユニットによって前記SCO端末をロックすることと、
既にロックされた他のSCO端末の数が前記第1の閾値に達した場合、前記SCO端末における連続する非スキャンイベントの数が第2の閾値に達したかを
前記中央処理ユニットによってチェックすることと、
前記SCO端末において検出された連続する非スキャンイベントの数が前記第2の閾値に達した場合、
前記中央処理ユニットによって前記SCO端末をロックすることと、を備えることを特徴とする方法。
【請求項9】
前記中央カメラは、360°カメラ及び180°カメラで構成されるグループから選択されることを特徴とする、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記SCO端末において非スキャンイベントが検出され、前記SCO端末と店員との距離が予め決定された距離より短い場合に前記SCO端末を自動的にロックすることをさらに含むことを特徴とする、請求項
8に記載の方法。
【請求項11】
顧客に対応するショッピングカートの状態に基づいて、
前記SCO端末を自動的にロックすることをさらに備えることを特徴とする請求項
8に記載の方法。
【請求項12】
対応するスキャンされた品物のリストに表示されることがなく、大きい品物が前記SCO作業領域の出口ゲートを通って移動されるとき、自動的に前記出口ゲートをロックし、店員に通知を発行することをさらに備えることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記SCO作業領域の入り口における行列のサイズが第
3の閾値より大きくなった場合、店員に通知を発行することをさらに備えることを特徴とする請求項
8に記載の方法。
【請求項14】
小売店のセルフチェックアウト(SCO)作業領域の複数のSCO端末を管理するコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは一連の命令を含み、前記一連の命令は、プロセッサによって実行されたとき、
中央カメラによって前記SCO作業領域の上面視のイメージを撮像する、
SCO端末における非スキャンイベントを特定する、
既にロックされた他のSCO端末の数が第1の閾値より少ないかチェックする、
ロックされた他のSCO端末の数が前記第1の閾値より少ない場合、前記SCO端末をロックする、
ロックされた他のSCO端末の数が前記第1の閾値に達した場合、前記SCO端末における連続する非スキャンイベントの数が第2の閾値に達したかを確定するためのチェックを実行する、及び、
前記SCO端末において検出された連続する非スキャンイベントの数が前記第2の閾値に達した場合、前記SCO端末をロックする、ことを前記プロセッサに起こさせることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項15】
SCO端末において非スキャンイベントが検出され、前記SCO端末と店員との間の距離が予め決定された距離よりも短い場合に前記SCO端末が自動的にロックされることを特徴とする、請求項
14に記載のコンピュータプログラム。
【請求項16】
対応するスキャンされた品物のリストに表示されることがなく、大きい品物が前記SCO作業領域の出口ゲートを通って移動されているとき、前記出口ゲートが自動的にロックされ、店員に通知が発行されることを特徴とする、請求項1
4に記載のコンピュータプログラム。
【請求項17】
前記SCO作業領域の入り口における行列のサイズが第
3の閾値より大きいとき、店員に通知が発行されることを特徴とする、請求項1
4に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に小売店に関し、より具体的には、小売店のセルフチェックアウト(SCO)作業領域を管理することに関する。
【背景技術】
【0002】
セルフチェックアウト(SCO)端末は、顧客に彼ら自身で小売店から購入するメカニズムを提供する。これらは従来のレジ係のチェックアウトの代替えとなる。典型的な小売店は、SCO作業領域、つまりいくつかのSCO端末が配置された領域を含む。SCO端末において、顧客はスキャナで各品物を自分自身でスキャンすることを要求され、そこで必要な支払いを実行する。
【0003】
顧客は、ほとんど、または全くSCO端末の操作のトレーニングをしていない可能性があり、それら品物をセルフチェックする際にエラーを起こす可能性がある。顧客は、いくつかの品物をスキャニングする間に意図しないミスをする可能性があり、そして、必要な支払いをすることなく店を出る可能性がある。さらに、万引きはSCO端末に関する重大な欠点である。例えば、顧客はいくつかの品物を意図してスキャンしない可能性があり、そしてスキャンされていない品物をショッピングカートにおき、全ての支払いをすることなく店を出る可能性がある。この結果、小売店舗は大きな損失を負う可能性がある。ユーザのショッピングバスケットにある品物とスキャナによって生成されたスキャンされた品物のリストとの間の不一致を検出するシステムが存在する。不一致イベントにおいて、このようなシステムは、店員にアラートを発行し、対応するSCO端末をロックする、つまり、顧客は品物のスキャニングを継続することができない。
【0004】
しかしながら、SCO端末のロックは、そこで対応するユーザによって費やされる全体的な時間の増加につながり、そのために順番待ちをする人が増加し、SCO作業領域における顧客満足度が減少する。また、SCO作業領域において、店員の数は制限されていて、SCO端末が店員の一層の注意を必要とするとなる場合、全体の待ち時間が増加する。以上のことから、SCO端末において、行列を待つ人を減らし、顧客満足度を増加する小売店舗を管理するシステム及び方法が要求されている。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様では、複数の小売店のSCO作業領域のセルフチェックアウト(SCO)端末を管理するためのシステムを提供する。このシステムは、SCO作業領域の概観画像を撮像する中央カメラと、各SCO端末のプロセッサと通信可能に結合された中央制御ユニットと、を含む。中央制御ユニットは、一つまたは複数の命令を保存するメモリと、メモリと通信可能に結合されて一つまたは複数の命令を実行する中央処理ユニットとを含む。中央処理ユニットは、SCO端末における非スキャンイベントを特定し、既にロックされている他のSCO端末の数が第1の閾値より少ないかをチェックし、ロックされている他のSCO端末の数が第1の閾値より少ない場合、SCO端末をロックするように構成され、ロックされている他のSCO端末の数が第1の閾値に達している場合、SCO端末での連続する非スキャンイベントの数が第2のしきい値に達したかを確定するチェックが実行され、SCO端末において検出された連続する非スキャンイベントの数が第2の閾値に達した場合、SCO端末がロックされる。
【0006】
本開示の他の態様において、小売店舗の1つのSCO作業領域の複数のセルフチェックアウト(SCO)の管理方法を提供する。この方法は、中央カメラによるSCO作業領域の概観画像の撮像、SCO端末における非スキャンイベントの特定、既にロックされている他のSCO端末の数が第1の閾値より少ないかのチェック、ロックされている他のSCO端末の数が第1の閾値より少ない場合のSCO端末のロック、ロックされている他のSCO端末の数が第1の閾値に達した場合、SCO端末における連続した非スキャンイベントの数が第2の閾値に達したかのチェック、及びSCO端末における連続した非スキャンイベントの数が第2の閾値に達した場合のSCO端末のロックを含む。
【0007】
さらに、本開示の他の態様は、小売店のSCO作業領域の複数のセルフチェックアウト(SCO)端末を管理するためのコンピュータプログラム可能な製品を提供し、このコンピュータプログラム可能な製品が一連の命令を含む。プロセッサによって実行されると、一連の命令は、プロセッサに、中央カメラによるSCO作業領域の概観画像の撮像、SCO端末における非スキャンイベントの特定、既にロックされている他のSCO端末の数が第1の閾値より少ないかのチェック、ロックされている他のSCO端末の数が第1の閾値より少ない場合のSCO端末をロックさせ、ロックされている他のSCO端末の数が第1の閾値に達した場合、SCO端末における連続する非スキャンイベントの数が第2の閾値に達したかを確定するチェックが実行され、及びSCO端末における連続する非スキャンイベントの数が第2の閾値に達した場合、SCO端末をロックさせる。
【0008】
本開示の特徴は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲から逸脱することなく、様々な組み合わせで組み合わせることができることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
上記の要約、ならびに例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むと、よりよく理解される。本開示を説明する目的で、本開示の例示的な構成が図面に示されている。しかしながら、本開示は、本明細書に開示される特定の方法および手段に限定されない。さらに、当業者は、図面が原寸に比例していないことを理解するであろう。可能な限り、同様の要素は同じ番号で示されている。
【0010】
【
図1】本発明の様々な実施形態で実施可能な小売店環境を示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態における、小売店のSCO作業領域を管理するための中央制御ユニットを示す図である。
【
図3】本開示の他の実施形態の、小売店のSCO作業領域の管理方法のステップを示す図である。
【0011】
添付の図面において、下線が引かれた番号は、下線が引かれた番号が配置されているアイテムまたは下線が引かれた番号が隣接しているアイテムを表すために使用される。下線のない番号は、下線のない番号をアイテムにリンクする線で識別されるアイテムに関連する。番号に下線がなく、関連する矢印が付いている場合、下線のない番号は、矢印が指している一般的な項目を特定するために使用される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明は、本開示の実施形態及び方法を実施可能に説明する。本開示を実施するための最良の形態が開示されているが、当業者は、本開示を実施または実践するための他の実施形態も可能であることを認識するであろう。
【0013】
図1を参照すると、様々な本開示の実施形態を実践できる小売店環境100が示されている。小売店環境100は、1つまたはそれ以上の品物を保管及び展示するための第1から第3の棚102aから102cを含む。小売店環境100は、さらに、第1から第3のキャッシャー端末104aから104cを含み、第1から第3のキャッシャー106aから106cの各々に配備され、顧客に対応するショッピングカート内の品物をスキャンして請求する。小売店環境100は、1つまたは複数のSCO端末を含み、顧客がそれぞれショッピングカートの中にある品物のスキャン及びを彼ら自身で可能にするセルフチェックアウト(SCO)作業領域108をさらに含む。SCO作業領域は、
図2を参照してさらに詳細に説明される。
【0014】
図2は、本開示の一実施形態に従う小売店舗のSCO作業領域108を管理する中央制御ユニット200を示す。SCO作業領域108は、第1から第5のセルフチェックアウト(SCO)端末202aから202e(以下、SCO端末202と呼ぶ)、対応する、第1から第5のショッピングカート206aから206eを伴う第1から第5の顧客204aから204e、中央カメラ208及び一人または複数の店員210を含んでいる。
【0015】
本開示の一実施形態において、SCO作業領域の様々な構成要素は、通信ネットワークを介して中央制御ユニット200と通信可能に結合される。通信ネットワークは、本開示の範囲を制限することがない、任意の適切な有線ネットワーク、無線ネットワーク、これらの組み合わせまたは任意の他の従来のネットワークであってもよい。いくつかの例では、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線LAN接続、インターネット接続、ポイントからポイントへの接続、または他のネットワーク接続及びそれらの組み合わせを含んでもよい。1つの例において、ネットワークは、例えば、2G、3G、4Gまたは5Gのモバイル通信ネットワークを含んでもよい。通信ネットワークは、1つまたは複数の他のネットワークと接続されてもよく、これにより、多数のデバイス間の結合を提供する。このようなことができるケースは、ネットワークが共にインターネットを介して結合されている場合である。
【0016】
各SCO端末202aから202eは、顧客が自身で1つまたは複数の品物をスキャンすることを可能にするスキャナ及び、ユーザが1つまたは複数の品物の選択または支払いの要求をすることを可能にするユーザデスプレイを備えている。1つの実施例において、スキャナは、品物について特定するために品物のバーコードを読み取るバーコードスキャナでもよい。好ましくは、スキャナは、スキャンゾーンに配置された品物をスキャンするスーパーマーケット及び他の小売店舗のチェックカウンタ用に設計された壁に固定され、またはテーブルに固定されたスキャナである。本開示の環境において、スキャン領域は、それらの品物を購入する目的でスキャンするためにユーザが品物を持ち出す、スキャナの前の領域である。各SCO端子202aから202eは、1つまたは複数の品物のスキャンの記録及び、1つまたは複数のスキャンされた品物の支払いをするユーザデスプレイに対応する命令を提供するするプロセッサ(図示しない)を含んでもよい。本開示の一実施形態において、SCO端末202aから202eは、中央制御ユニット200がSCO端末202を制御し、及び、また中央カメラ208によって撮像された情報を処理することを可能にするため、中央制御ユニット200と通信可能に結合されてもよい。
【0017】
本開示の一実施形態において、各SCO端末202aから202eは、それぞれのSCO端末202aから202eのスキャン領域を連続して撮像する1つまたは複数のオーバーヘッドカメラ207aから207eを備え、ユーザによってスキャンするために取り上げられた品物と、各SCO端末によって実際にスキャンされた品物とのミスマッチに起因するスキャンの不規則性の検出を容易にする。スキャンの不規則性は、予め定義された時間間隔中にスキャンして確認された品物が、対応する時間間隔中にスキャナによって生成されたリストの中に存在しない場合に発生する。一例において、ユーザは、スキャナのスキャン領域に品物を置いてもよいが、ユーザは品物をバーコードスキャナに見えないように品物を保持し得る。このような場合、ユーザは、スキャンの動作を実行した後、品物を彼らのショッピングバッグの中に配置し得るが、実際は、それはスキャナによってスキャンされておらず、ユーザは、その品物の請求を受け取らない可能性がある。本開示の一実施形態においては、中央制御ユニット200がオーバーラップカメラ207aから207eの操作を制御し、カメラ208によって撮像された情報を処理するように構成されるように、オーバーヘッドカメラ207aから207eを中央制御ユニット200に通信可能に接続してもよい。
【0018】
中央カメラ208は、SCO作業領域108全体の概観画像を生成するように構成される。中央カメラ208の例は、オバーヘッド360°カメラ、180°カメラ等を含む。本開示の一実施形態において、中央制御ユニット200が中央カメラ208の操作の制御し、また、中央カメラ208によって撮像された情報の処理を可能にするため、中央カメラ208は中央制御ユニット200に通信可能に結合されてもよい。中央カメラ208は、顧客のSCO作業領域108における体験向上を容易にし得て、例えば、子供を連れた顧客または溢れたショッピングカートを中央カメラ208によりSCO作業領域の入り口で検出してもよく、店員210は、チェックアウト処理のサポートを申し出るように警告を受けてもよい。案内係が利用できない場合、案内係が利用できるようになったときに優先的にサポートを提供するようにしてもよい。
【0019】
図示されていないが、中央制御ユニット200は、店員210のコンピュータ装置と通信可能に結合され、それらに警告/注意または命令を発行するようにしてもよい。
【0020】
本開示の一実施形態において、SCO作業領域108の様々な構成要素は、通信ネットワークを介して中央制御ユニット200と通信可能に結合されてもよい。通信ネットワークは、本開示の範囲を制限することがない、任意の適正な有線ネットワーク、無線ネットワーク、これらの組み合わせ、または任意の他の従来のネットワークであってもよい。いくつかの例では、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線LAN接続、インターネット接続、ポイントからポイントへの接続、または他のネットワーク接続及びそれらの組み合わせを含んでもよい。1つの例において、ネットワークは、例えば、2G、3G、4Gまたは5Gのモバイル通信ネットワークを含んでもよい。通信ネットワークは、1つまたは複数の他のネットワークと接続されてもよく、これにより、多数のデバイス間の結合を提供する。このようなことができるケースは、ネットワークが共にインターネットを介して結合されている場合である。
【0021】
本開示の一実施形態において、中央制御ユニット200は、中央処理ユニット214、メモリ216及び操作パネル218を含む。中央処理ユニット214は、プロセッサ、コンピュータ、マイクロコントローラまたは操作パネル218及びメモリ216のような様々な構成要素の操作を制御する他の回路を含む。中央処理ユニット214は、例えば、メモリ216のような揮発性または不揮発性のメモリに保存された、そうでなければ中央処理ユニット214に提供されるソフトウェア、ファームウェア及び/または他の命令を実行してもよい。中央処理ユニット214は、操作パネル218、メモリ216と、1つまたは複数のシステムバス、ケーブルまたは他のインターフェースのような有線または無線接続を通して接続されてもよい。
【0022】
操作パネル218は、ユーザインターフェースであってもよく、物理インターフェースまたはタッチスクリーンの形をとってもよい。操作パネル218は、一人またはそれ以上のユーザから選択された機能、好み、及び/または証明に関する入力を受け付けてもよく、視覚的及び/または聴覚的な入力を提供または受け付けてもよい。
【0023】
メモリ216は、中央処理ユニット214によって使用される命令及び/またはデータを保存することに加えて、一人またはそれ以上のSCO作業領域108のオペレータに関連付けてユーザの情報をも含んでもよい。例えば、ユーザ情報は、認証情報(例えば、ユーザネーム/パスワードのペア)、ユーザ情報及び他のユーザ固有の情報を含んでもよい。中央処理ユニット214は、このデータにアクセスし、操作パネル218及びメモリ216の操作に関する制御機能(例えば、1つまたは複数の制御信号の送信及び/または受信)を提供することを支援してもよい。
【0024】
本開示の一実施形態において、中央処理ユニット214は、オーバーヘッドカメラ207aから207e及びSCO端末202aから202eのスキャナから受信した情報に基づいて1つまたは複数の不正なスキャンを検出し、検出された不正なスキャンに基づいて対応する1つまたは複数のSCO端末202aから202eをロックし、即ち、顧客は製品のスキャンが継続できないように構成される。ロックしたうえで、中央処理ユニット214は、適宜店員210に警告を発行してもよい。本開示の状況において、SCO店員210は、報告された不正なスキャンが有効なものであるかを手動で検証するようにしてもよい。
【0025】
本開示の一実施形態において、中央処理ユニット214は、他のSCO端末のロックの状態に基づいて、自動的に第1のSCO端末202aなどのSCO端末をロックするように構成される。一例において、中央処理ユニット124は、不正なスキャンが検出された時点、及び、第2及び第3のSCO端末202b及び202cのような既にロックされたSCO端末の数が第1の閾値より少ないときに、第1のSCO端末202aをロックするように構成される。既にロックされている他のSCO端末の数が第1の閾値より多いとき、中央処理ユニット214は、第1のSCO端末202aにおいて検出された不正なスキャンが第2の閾値に達していない限り、第1のSCO端末202aのロックを無効にする。
【0026】
本開示の他の実施形態において、中央処理ユニット214は、店員またはSCO作業領域の管理者210の位置、及びそれらの状態に基づいて、すなわち彼が自由であるまたは忙しいことに関わらず、第1のSCO端末202aのようなSCO端末を自動的にロックする。位置は、実際の物理的な位置を意味し、店員の物理的な位置及び問題のSCO端末の位置は、それらの間の距離を確定することに使用される。より小さい距離は、店員210からの短い応答時間を意味するであろう。この優位性をとるために、中央処理ユニット214は、店員がSCO端末から予め決められた距離にいる間にだけ第1のSCO端末202aをロックする能力を有しているであろう。その距離が予め定められた距離より大きい場合、中央処理ユニット214は、SCO端末202aをロックしないであろう。
【0027】
本開示のさらに他の実施形態において、中央処理ユニット214は、最後のロック以降、SCO端末毎の非スキャンイベントの連続する長さに基づいて、第1のSCO端末202aのようなSCO端末を自動的にロックするように構成される。第1のSCO端末202aにおいて非スキャンイベントが発生したが、中央処理ユニット214は、顧客の軋轢を少なくさせるため、その端末をロックしないことができるようにしてもよい。一例では、ブラックフライデーの間、中央処理ユニット214は、第1のSCO端末202aの最初の3つの非スキャンイベントを無視するように構成されてもよい。しかしながら、第1のSCO端末202aにおいて第4の非スキャンイベントが発生した場合、第1のSCO端末202aはロックされてもよい。
【0028】
本開示のさらに他の実施形態において、中央処理ユニット214は、例えば、フルカート(多くの品物を伴うカート)、バルクローデッドカート(少数の品物を伴うが、多数である)、または大きな品物(つまりTV)といった対応するカートの状態に基づいて、第1のSCO端末202aのようなSCO端末を自動的にロックするように構成される。大きな品物は、予め定義されたサイズの閾値よりもサイズが大きい品物である。また、バルクローデッドカートのスキャンは、少数の品物のスキャン、及びそれらの存在の数の手入力を伴うので、はるかに高速である。一例において、中央処理ユニット204は、フルカートまたはバルクカートが検出され、かつ店員がすぐ対応できるときに第1のSCO端末202aをロックするように構成されてもよく、その結果、対応する顧客は店員210から支援を受けるであろう。中央処理ユニット214は、さらに、フルカートまたはバルクローデッドカートがSCO作業領域108の入り口において検出されたとき、積極的に支援するため、店員210に通知するように構成される。
【0029】
さらに、本開示の他の実施形態において、中央処理ユニット214は、スキャンされた品物のリストにスキャンされたことが表示されることがなく、大きな品物がSCO作業領域108の出口を通って移動するとき、SCO作業領域108の出口ゲートを自動的にロックし、店員210に通知を発行するように構成される。出口ゲートは、セルフチェックアウトの完了後に通った品物を持ち出し得る小売店のゲートである。
【0030】
さらに、本開示の実施形態において、中央処理ユニット214は、品物の所有権が一人の顧客から他の顧客に変わったとき、調査するために店員210に通知するように構成される。
【0031】
さらに、本開示の他の実施形態において、中央処理ユニット214は、SCO作業領域の入り口における行列のサイズが予め定められた第3の閾値より大きいとき、店員210のコンピュータ装置に警告を送るように構成され、この結果、より多くの潜在的に利用可能な店員をエリアに割り当てることができる。警告は、音声信号、視覚的な表示、感触的警告、インスタントメッセージ等であってもよい。SCO作業領域108の入り口は、顧客がセルフチェックアウト処理を開始するためにSCO作業領域108に入る入り口点であってもよい。中央処理ユニット214は、SCO作業領域の入り口において、行列の長さが第3の閾値より上になったとき、第1の閾値及び第2の閾値を変更するように構成されてもよい。本開示の状況において、行列の長さは360度のカメラを使って自動的に確定されてもよい。
【0032】
さらに、本開示の他の実施形態において、中央処理ユニット214は、例えば、何者かが銃を持っているという警報の発生に基づいてSCO端末を自動的にロックするように構成される。本開示の実施形態において、緊急事態は、ビデオカメラ及び中央カメラ208によって検出されてもよい。一例において、何者かが銃を持っている(実際には振っている)ことは、中央カメラ208を使って検出され得る。
【0033】
本開示の実施形態において、上記のパラメータは、小売店に対応するストアマネージャー、またはセキュリティシステム全体を管理する者によって予め構成されてもよい。予め構成されたパラメータ、中央カメラ208及びオーバーヘッドカメラ207aから207eによって撮像されたリアル情報、SCO端末202の状態、SCO店員210の状態に基づいて、中央処理ユニット214は、SCO端末202のロックを自動的に制御し、店員210及び小売店のマネージャーにメッセージを送る。本開示の一実施形態において、中央処理ユニット214は、小売店の顧客とSCO作業領域108の各SCO端末202aから202eとの相互作用を動的に生成及び適合させ、SCO端末202における顧客の流れを最適化するように構成される。SCO端末は、店員/随行員/SCO作業領域の管理人210の介入によって解除されてもよい。
【0034】
本開示の様々な実施形態において、中央処理ユニット214は、SCOの202aから202eにおける店員介在の損失と、潜在的な品物漏れ(請求されることなく小売店を離れ得る品物)の損失とを秤にかけることによって全体的な待機中の行列を減少させ、SCO作業領域108の顧客満足度を増加させるように構成される。本開示の一実施形態において、中央処理ユニット214は、顧客の待機時間及び漏れた品物の損失値を分毎に計算するように構成されてもよい。この損失は、他の漏れた品物に対して重み付けされてもよい。中央処理ユニット214は、さらに、ロックされた端末の数、エリア内の随行員の数及びSCOエリアへの入り口の行列の長さを考慮に入れることによって総待機時間を予測し、そして、新たな警告をきっかけにしてさらに待機時間が何分追加されるかを示唆するモデルを構築するように構成されてもよい。
【0035】
図2は、単なる例である。当業者は、本明細書の実施形態の多くの変形形態、代替形態、および修正形態を認識するであろう。
【0036】
図3は、中央処理ユニット214、本開示に従う中央制御ユニット200によるSCO作業領域108の管理方法300の工程の図である。この方法は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せにおいて実装されることが可能であるステップのシーケンスを表す、論理フロー図におけるステップの集合として表される。
【0037】
ステップ302において、非スキャンイベントは、SCO作業領域のSCO端末において特定される。非スキャンイベントは、ユーザがスキャン領域の対応するスキャナでスキャンするために品物を取り上げたときイベントとして参照されるが、スキャナにより正常にスキャンされる場合と、されない場合とがある。一例において、ユーザは、スキャナのスキャン領域内に品物を配置し得るが、ユーザは、品物のバーコードがバーコードスキャナに見えないように品物を持つ可能性がある。非スキャンイベントに対応する動作は、スキャナによって捕らえられないが、そこに配置されたオーバーヘッドカメラによって撮像され得る。
【0038】
ステップ304において、ロックされた他のSCO端末の数が第1の閾値より小さいかを確定するためのチェックが実行され、その数が第1の閾値よりも小さい場合、ステップ306においてSCO端末が実際にロックされる。第1の閾値の値は、対応するSCO作業領域内のSCO端末及び店員の数に基づいて設定されてもよい。
【0039】
ロックされた他のSCO端末の数が第1の閾値に達した場合、ステップ308において、SCO端末において連続する非スキャンイベントの数が第2の閾値に達したかを確定するためのチェックが実行される。
【0040】
検出された連続する非スキャンイベントの数が第2の閾値に達した場合、ステップ310においてSCO端末は実際にロックされる。一例において、第1の閾値の値は2であってもよく、第2の閾値の値は3であってもよい。したがって、すでに少なくとも2つの端末がロックされているとき、現在の非スキャンイベントが現在の処置において3番目の非スキャンイベントである場合にのみ3番目の端末がロックされる。
【0041】
図3は、単なる例に過ぎない。当業者は、本開示の実施形態の多くの変形形態、代替形態、および修正形態を認識するであろう。
【0042】
上記で説明された本開示の実施形態に対する変更は、付随する特許請求の範囲によって定義される通りの本開示の範囲から外れることなく可能である。本開示を説明し、請求するために使用される「~を含む」、「~を備える」、「~を組み込む」、「~からなる」、「~を有する」、「~である」などの言い回しは、非排他式にみなされることが意図されており、すなわち、明示的に説明されていないアイテム、コンポーネント、または要素もまた存在するように考慮する。単数形への言及もまた、複数形に関するようにみなされることになる。