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特許7266700アレルギー治療のためのエピトープベースアプローチ及びクローン病のための阻害薬
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】アレルギー治療のためのエピトープベースアプローチ及びクローン病のための阻害薬
(51)【国際特許分類】
   C07K 7/08 20060101AFI20230421BHJP
   A61K 38/10 20060101ALI20230421BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20230421BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
C07K7/08 ZNA
A61K38/10
A61P1/04
A61P37/08
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021552937
(86)(22)【出願日】2020-03-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-10
(86)【国際出願番号】 US2020022701
(87)【国際公開番号】W WO2020186190
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-09-06
(31)【優先権主張番号】62/817,621
(32)【優先日】2019-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/832,811
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/817,564
(32)【優先日】2019-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/824,095
(32)【優先日】2019-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/828,074
(32)【優先日】2019-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520021048
【氏名又は名称】プソマーゲン, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PSOMAGEN, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】アプト, ザカリー
(72)【発明者】
【氏名】リッチマン, ジェシカ
(72)【発明者】
【氏名】アルモナシッド, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】サアベドラ, マリオ
(72)【発明者】
【氏名】アラヤ, イングリッド
【審査官】松井 一泰
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-521064(JP,A)
【文献】特表2002-501748(JP,A)
【文献】Mol. Nutr. Food Res.,2005年,Vol. 49,P. 744-755
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 1/00- 19/00
CAplus/REGISTRY(STN)
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
101112131415(SEQ ID NO:1)の配列からなるペプチドであって、
は、Eであり、
は、E、又はTであり、
は、Q、又はPであり、
は、Gであり、
は、A、又はWであり、
は、Iであり、
は、Vであり、
は、Tであり、
は、Vであり、
10は、Kであり、
11は、G、又はQであり、
12は、Gであり、
13は、Lであり、
14は、Rであり、
15は、I、H、又はWであるペプチド。
【請求項2】
EEQGAIVTVKGGLRI(SEQ ID NO:3)の配列を有するペプチド。
【請求項3】
ETPGWIVTVKGGLRI(SEQ ID NO:4)の配列を有するペプチド。
【請求項4】
請求項1~のいずれか一項に記載のペプチドと90%、又は95%を超える配列同一性を有するペプチド。
【請求項5】
求項に記載のペプチドを含む、アレルギーの治療用の医薬組成
【請求項6】
投与対象者は、ヒトである請求項に記載の医薬組成物
【請求項7】
学的に許容可能な賦形剤をさらに含む請求項5または6に記載の医薬組成物
【請求項8】
前記薬学的に許容可能な賦形剤は、充填剤、希釈剤、崩壊剤、結合剤、及び潤滑剤からなる群より選択される請求項に記載の医薬組成物
【請求項9】
薬学的に許容可能な添加剤をさらに含む請求項5~8のいずれかに記載の医薬組成物
【請求項10】
前記添加剤は、着香料、着色剤、矯味剤、pH調整剤、緩衝剤、保存料、安定剤、酸化防止剤、湿潤剤、湿度調整剤、表面活性剤、懸濁化剤、及び吸収促進剤からなる群より選択される請求項に記載の医薬組成物
【請求項11】
経口的に投与される請求項5~10のいずれかに記載の医薬組成物
【請求項12】
前記アレルギーは、ピーナツにより引き起こされる請求項5~11のいずれかに記載の医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年3月13日出願の米国仮特許出願第62/817,564号の表題「病原因子のためのエピトープベースアプローチ、及び/又は、食物アレルギー治療及び検出方法、システム、及び/又は、療法」、2019年3月13日出願の米国仮特許出願第62/817,621号の表題「ピーナツアレルギーのための検出、及び/又は、治療方法、システム、及び/又は、治療用組成物、及び/又は、関連規定食としてのエピトープベースアプローチ」、2019年3月26日出願の米国仮特許出願第62/824、095号の表題「薬剤発見における新たな機会のための微生物叢の解明」、2019年4月2日出願の米国仮特許出願第62/828,074号の表題「クローン病関連I2スーパー抗原及びMHC-IIの阻害薬の設計」、2019年4月11日出願の米国仮特許出願第62/832,811号の表題「薬剤発見における新たな機会のための微生物叢の解明」の利益を主張するものであり、これら全体を参照として本明細書中に援用する。
【背景技術】
【0002】
食物アレルギーには、食物への露出、特に作用物質、通常はタンパク質によって引き起こされる過敏な免疫反応が含まれ得る。食物アレルギーの起源はわかっていない。提案されている因子の一部として、中でも、遺伝的因子、過度の清潔、地理的因子がある。
【0003】
アレルゲン及び病原体に由来する疾病の治療に使用される製品は、通常、天然の病原体を模倣して開発されたワクチンの典型的な概念を利用している。治療には、病原体又はアレルゲンに一般的ないくつかの抗原成分を含むものがあり、また場合によっては、使用する成分が不活化、弱化、及び/又は、模倣される。皮下免疫療法、組換ワクチン、経口免疫療法(OIT)、プロバイオティクス舌下免疫療法が、食物アレルギーを治療するものとして報告されている近年のアプローチである。
【0004】
しかしながら、微生物叢は、食物アレルギーの防止、及び/又は、有害反応の刺激において、重要な役割を果たし得る。エピトープは、病原体、アレルギー、又は感染作用因子に対する新たな方法を開発するのに、価値あるツールとして説明されてきており、特に、エピトープベースのワクチンは、病原体又はアレルゲンからの異なるタンパク質を通じて、免疫応答をトリガすることが意図されており、合理的に改変されるよう分離可能な、いくつかの特定の短いアミノ酸配列にフォーカスしている。in-silicaツールで目標にされるエピトープの配列を合理的に改変する能力により、結果として、これらのエピトープの活性の増減を生じることができ、さもなければ最適な免疫応答をトリガすることはない。この点に関して、エピトープは、抗原由来のフラグメントとすることができ、これは、抗体、或いは、B又はT細胞等の免疫細胞によって認識可能である。タンパク質抗原からのエピトープは、立体構造又は線形のエピトープに分類可能である。立体構造のエピトープは、タンパク質の不連続セクションからなる一方で、線形エピトープは、抗原からのアミノ酸の連続配列によって形成される。
【0005】
食物アレルゲンにおける潜在的なT細胞エピトープの同定は、ペプチドベース免疫療法の開発に重要となり得る。アレルゲンからT細胞エピトープを同定する従来の方法では、完全長のタンパク質に及ぶ短いペプチドを重ね合わせることを使用する。しかしながら、多くのペプチドを試験しなければならないため、このアプローチは高価となり得る。
【0006】
ピーナツアレルギーは、特に、米国の就学年齢の子供の間で、最も一般的な食物アレルギーであり、食物誘発アナフィラキシー、すなわち、早急な処置及び治療を必要とする、突発的且つ潜在的に死に至り得る症状の要因の1つである。アナフィラキシーの症候には、呼吸困難、喉の腫れ、血圧低下、蒼白又は唇が青くなる、失神、及びめまいが含まれる。アナフィラキシーは、エピネフリン(アドレナリン)で直ちに処置しなければ命に関わり得る。
【0007】
近年、報告されているピーナツアレルギーの数が増加している。2010年5月には、ある研究において、子どものピーナツアレルギーの割合が、1997年と2008年の間で3倍超になっていることが示されている。したがって、ピーナツ及びピーナツ由来製品を回避すること、及び/又は、アドレナリンで治療することが、アレルギーを防止する唯一の方法である。
【0008】
ピーナツアレルギーを治療するものとして報告された最近のアプローチには、皮下免疫療法、経口免疫療法(OIT)、及びプロバイオティクス舌下免疫療法が含まれる。しかしながら、このようなアプローチには、未加工ピーナツ抽出物(CPE)の使用が含まれ、これは、生命を脅かすアナフィラキシー反応を引き起こし得るか、又は有効性が低い。
【0009】
これとは異なり、T細胞エピトープベース免疫療法は、このような不利益が少なく、このようなエピトープは短過ぎて、CPEで達成できるようには、好塩基性細胞又はマスト細胞におけるアレルゲン特有IgEへの架橋を誘発することができないため、副作用を回避する脱感作をもたらすものである。このストラテジーは、完全アレルゲンに対する耐性を小アレルゲン由来ペプチドを使用して誘発可能であることを実証した実験結果に基づいて設計されてものであり、これは、アレルゲン特有T細胞によって認識される。したがって、規定のエピトープ、又は、標的エピトープを含むキメラタンパク質配置のカクテルにより、簡便な体液性又は細胞性の免疫反応を引き出すことができることが説明される。
【0010】
ピーナツの主要アレルゲンにおける潜在的なT細胞エピトープの同定は、ペプチドベース免疫療法の開発にとって必須である。アレルゲンからT細胞エピトープを同定する従来の方法では、Arah1等、完全長タンパク質に及ぶ短いペプチドを重ね合わせることを使用する。しかしながら、このアプローチは、多くのペプチドの試験を行わなければならないため、高価となり得る。
【0011】
クローン病(CD)は、炎症性腸疾患であり、消化管における慢性炎症を引き起こす異常免疫系応答と関連付けることができる。CDの一般的な症候には、腹痛、ひどい下痢、疲労、食欲不振、発熱、筋痙攣、及び体重減少が含まれる。この疾患の合併症として、腸内の潰瘍、肛門粘膜の亀裂、大腸癌リスクの増大、及び、循環器疾患、呼吸器疾患、癌、関節炎、腎臓及び肝臓の疾患を含む、慢性的な健康状態の進行も引き起こし得る。CDは、成人若年層により多く診断される。家族歴及び喫煙が、クローン病進行のリスク因子となり得る。
【0012】
CDの原因は未知であるものの、遺伝子的要因及び環境的要因が、発病機序において著しい役割を果たしている。共生細菌が発病機序において重要であり、このため、細菌がCDにおける免疫活性をトリガし得ることを証拠が示している。研究により、CDの発病機序に関与するPseudomonas Fluorescensから新たな微生物T細胞スーパー抗原I2を同定している。このスーパー抗原は、ヒトMHCクラスIIHLA-DRと相互作用し、T細胞の非特異的活性を生じ、これが多数のT細胞の活性と大量のサイトカイン放出に繋がり、治療のために腸に小さな手術を必要とし得る狭窄症、内部貫通、及び/又は、その他の合併症の頻度を大幅に上昇させてしまう。I2T細胞スーパー抗原(クローン病の発病機序に関与する)とヒトMHCクラスIIとの間の結合により、大量のサイトカイン放出と、多数のT細胞活性とを招き、狭窄症、内部貫通、及び腸の簡単な手術の頻度を大幅に上昇させてしまう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
いくつかの実施形態において、本開示は、X101112131415(SEQ ID NO:1)の配列を有するアレルギー治療のためのペプチドであって、
は、Eであり、
は、E、又はTであり、
は、Q、又はPであり、
は、Gであり、
は、A、又はWであり、
は、Iであり、
は、Vであり、
は、Tであり、
は、Vであり、
10は、Kであり、
11は、G、又はQであり、
12は、Gであり、
13は、Lであり、
14は、Rであり、
15は、I、H、又はWであるペプチドに関連する。
【0014】
いくつかの実施形態において、本開示は、X101112131415(SEQ ID NO:2)の配列を有するペプチドであって、
は、N、A、C、D、F、G、H、L、M、P、R、S、T、W、又はYであり、
は、Y、C、F、G、H、L、M、N、T、V、又はWであり、
は、A、C、E、F、G、H、I、K、L、Q、S、T、又はYであり、
は、Y、C、D、F、H、I、K、L、M、N、Q、R、又はSであり、
は、N、A、D、H、I、K、L、M、P、Q、S、T、V、又はWであり、
は、Y、A、C、D、E、F、G、L、P、R、T、V、又はWであり、
は、S、A、C、F、I、L、N、P、Q、R、T、V、W、又はYであり、
は、V、A、E、H、I、K、L、M、P、Q、R、W、又はYであり、
は、V、A、C、D、E、F、G、H、K、L、N、Q、T、又はWであり、
10は、G、A、E、F、H、I、K、L、N、P、Q、R、S、V、又はYであり、
11は、G、A、C、F、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、又はYであり、
12は、V、A、D、E、H、K、M、N、S、又はWであり、
13は、A、C、D、G、H、L、P、R、S、V、Y、又はLであり、
14は、L、A、D、F、G、H、M、N、P、R、S、T、W、又はYであり、
15は、P、D、F、H、I、K、M、T、又はWであるペプチドに関連する。
【0015】
一実施形態において、このペプチドは、EEQGAIVTVKGGLRI(SEQ ID NO:3)の配列を有し得る。一実施形態において、このペプチドは、ETPGWIVTVKGGLRI(SEQ ID NO:4)の配列を有し得る。
【0016】
一実施形態において、このペプチドは、上述のペプチドのうちの1つ以上と60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%を超える配列同一性を有する。上述のペプチドのうちの1つ以上は、医薬組成物の形態とすることができる。
【0017】
いくつかの実施形態において、本開示は、アレルギーの治療方法であって、上述のペプチドのうちのいずれか1つを含む有効量の医薬組成物を、それを必要とする対象者であって、例えばヒトの対象者に投与することを含む方法に関連する。このような医薬組成物は、例えば、充填剤、希釈剤、崩壊剤、結合剤、及び潤滑剤等、薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含むことができる。一実施形態において、この医薬組成物は、薬学的に許容可能な添加剤をさらに含む。一実施形態において、この添加剤は、着香料、着色剤、矯味剤、pH調整剤、緩衝剤、保存料、安定剤、酸化防止剤、湿潤剤、湿度調整剤、表面活性剤、懸濁化剤、及び吸収促進剤からなる群より選択される。
【0018】
いくつかの実施形態において、本開示は、アレルギーを治療するためのエピトープを同定する方法であって、
a)微生物叢のプロテオームとアレルゲンのプロテオームとに基づき、潜在的なエピトープを予測するステップと、
b)ステップa)において得られた潜在的なエピトープをフィルタリングすることにより、結果として、エピトープの一覧を得るステップと、
c)ステップb)において得られた前記エピトープの一覧を再設計することにより、結果として、新たなエピトープを得るステップと、
を含む方法に関連する。
【0019】
一実施形態において、フィルタ指標が、ステップb)において適用される。一実施形態において、フィルタ指標は、潜在的なエピトープが、本明細書中に記載のペプチドのいずれか1つ又はすべてと60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%を超える配列同一性を有することを含む。一実施形態において、フィルタ指標は、細菌に直接関連付けられない配列を除去することを含む。一実施形態において、フィルタ指標は、ヒト白血球抗原(HLA)クラスIIに対する分子ドッキングを含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、本開示は、クローン病の治療のためのペプチド阻害薬を製造する方法であって、
a)I2スーパー抗原に対する、HLAクラスIIタンパク質、及び/又は、ヘマグルチニンの1つ以上の結合領域を同定することと、
b)前記1つ以上の結合領域に対応する第1のペプチド配列を判定することと、
c)前記第1のペプチド配列の変異である第2のペプチド配列を有するペプチド阻害薬を製造することと、
を含み、前記第2のペプチド配列は、前記第1のペプチド配列よりも、前記I2スーパー抗原に対する結合親和性が高い方法に関連する。
【0021】
一実施形態において、前記変異は、前記第1のペプチド配列の単一のアミノ酸変異である。
【0022】
一実施形態において、第1のペプチド配列は、QGALANIAVDKA(SEQ ID NO:5)を含む。一実施形態において、第1のペプチド配列は、KQNTLK(SEQ ID NO:6)を含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、本開示は、薬学的に許容可能な化合物であって、
【化1】
及びこれらの薬学的に許容可能な塩からなる群より選択される化学的構造を有する化合物に関連する。
【0024】
いくつかの実施形態において、本開示は、クローン病の治療方法であって、本明細書に記載の化合物のうちのいずれか1つ以上を含む有効量の医薬組成物を、それを必要とする対象者に投与することを含む方法に関連する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】特定の症状に関連のアレルゲンタンパク質から「de novo」エピトープを同定するのに採用されるワークフローの一般図の具体例を示している。
図2】特定の症状に関連のアレルゲンタンパク質から「de novo」エピトープを同定するのに採用される、代替のフィルタリングオプションを含んだ、補足のワークフローの具体例を示している。
図3】病原性因子からのエピトープ予測方法の一般的プロセスを説明するための補足のワークフローの具体例を示している。
図4】ピーナツアレルギーに関連のアレルゲンタンパク質から「de novo」エピトープを同定するのに採用されるワークフローの一般図の具体例を示している。
図5】宿主代謝と大鬱病性障害との間の関連を同定するワークフローを示している。
図6】分類群及び機能と精神衛生状態との間の関連を同定するワークフローを示している。
図7】SI2-MHC複合3次元構造を示している。
図8】de novo分子「mol-6」のI2受容体とのドッキングを示している。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の詳細な説明
定義
本明細書及び添付の請求書において使用される不定冠詞は、文脈で明確に否定することのない限り、文法的対象が1つ、又は、1つ超(すなわち、少なくとも1つ)であることを意味する。例として、不定冠詞を付した「要素」は、1つ又は1つ超の要素を意味する。
【0027】
方法、及び/又は、システムの実施形態は、食物アレルゲンプロテオーム中に発見されたものとの照合等、細菌、及び/又は、微生物株、細菌由来製品、細菌に属するタンパク質、及び/又は、エピトープ、古細菌、及び/又は、その他の好適な分類群の使用、包含、及び/又は、これと関連付けることができる。一実施形態において、細菌由来エピトープを使用して、免疫反応、及び/又は、食物アレルゲン露出によって生じ得る応答、及び/又は、食物アレルゲン、病原性因子、及び/又は、同様の作用因子によって引き起こされる免疫反応の低下を模倣することにより、免疫応答(例えば、一般的なワクチンが行うようなもの等)をトリガする。このようなアプローチ(及び/又は、本明細書に記載のその他のアプローチ)を使用して、検出方法、及び/又は、予防ワクチン、免疫療法、及び/又は、その他の治療の開発、実施、生成を行うことができ、及び/又は、これらと関連付けることができる。一実施形態において、細菌由来製品は、細菌自体までを含んで、一般的なワクチンが行うように、アレルゲン、及び/又は、病原性因子由来の感染によって生じ得る応答を模倣することにより、免疫応答をトリガするのに使用される。
【0028】
例において、ワクチン開発に向けたエピトープベースアプローチは、アレルギー、自己免疫疾患、及び/又は、感染性疾患等、免疫系に影響する疾患に対する予防的アプローチとすることができる。具体例において、ワクチン、ペプチドをコードするDNAベクター(例えば、エピトープ)、ナノ粒子の使用、ポリマーベース法等、好適な伝達方法を含む、任意の好適なベクターを使用することができる。
【0029】
病原性作用因子に関連の病原性因子は、B又はT細胞からの免疫応答を説明するものである。食物アレルギーと同じ考え方に基づき、病原性因子からのエピトープを、検出及び治療に適用することができる。
【0030】
例において、T細胞ベース免疫療法は、これらのエピトープが短過ぎて、CPEが行うことのできるようには、好塩基性細胞又はマスト細胞に対するアレルゲン特有IgEへの架橋を誘発することができないため、一般的な不利益が少なく、副作用を回避する脱感作をもたらす。例において、本明細書に記載のアプローチは、アレルゲン特異T細胞によって認識される、小アレルゲン由来ペプチドを使用して完全アレルゲンに対する耐性を生じ得ることを実証する実験結果に基づくものとすることができる。具体例において、規定のエピトープと、標的エピトープを含むキメラタンパク質配置のカクテルにより、簡便な体液性応答、及び/又は、細胞免疫応答を導き出すことができる。
【0031】
ペプチドベース免疫療法の開発には、食物アレルゲンにおける潜在的なT細胞エピトープの同定が必須である。
【0032】
例において、エピトープの in-silica MHCクラスII「de novo」結合予測により、in-vivoアッセイにおけるスクリーニングをガイドするという著しい利益を生じることができる(例えば、これによる支出減等)。
【0033】
実施形態において、潜在的に、口腔、腸、膣、皮膚、生殖器、鼻、及び/又は、微生物叢に関する任意の好適な身体部位(例えば、健康な部位、不健康な部位等)に存在する細菌叢であり得る、病原体/アレルゲン作用因子に基づくもの、及び/又は、細菌種、及び/又は、好適な微生物分類群に基づくもの等、1つ以上の食物アレルギーに対するde novoエピトープを予測するための以下のワークフローを開発した。
【0034】
T細胞エピトープを同定するストラテジーには、最初に(及び/又は、任意の好適なタイミング及び頻度で)、in-silicaの方法で(及び/又は、その他好適なアプローチで)、HLA結合ペプチドを予測することが含まれ得る。具体例において、教師付き学習(例えば、ロジスティック回帰を使用したもの、逆伝搬ニューラルネットワークを使用したもの、ランダムフォレストを使用したもの、決定木等)、教師無し学習(例えば、Aprioriアルゴリズムを使用したもの、K平均クラスタリングを使用したもの等)、半教師付き学習、ディープラーニングアルゴリズム(例えば、ニューラルネットワーク、制限付きボルツマンマシン、ディープビリーフネットワーク法、畳み込みニューラルネットワーク法、回帰ニューラルネットワーク法、積層オートエンコーダ法等)、強化学習(例えば、Q学習アルゴリズムを使用したもの、時間差学習を使用したもの)、回帰アルゴリズム(例えば、最小二乗法、ロジスティック回帰、段階回帰、多変量適応的回帰スプライン、局所推定分散プロット平滑化等)、インスタンスベース法(例えば、k近傍法、学習ベクター定量化、自己組織マップ等)、正則化法(例えば、リッジ回帰LASSO、elastic net等)、決定木学習法(例えば、分類及び回帰木、反復二分法3、C4.5、カイ二乗自動相互作用検出、決定株、ランダムフォレスト、多変量適応的回帰スプライン、勾配ブースティングマシン等)、ベイジアン法(例えば、ナイーブベイズ、ADOE、ベイジアンビリーフネットワーク等)、カーネル法(例えば、サポートベクターマシン、放射基底関数、線形判別分析等)、クラスタリング法(例えば、k平均クラスタリング、期待値最大化等)、関連規則学習アルゴリズム(例えば、Aprioiriアルゴリズム、Eclatアルゴリズム等)、人工ニューラルネットワーク法(例えば、パーセプトロン法、逆伝搬法、ホップフィールドネットワーク法、自己組織化マップ法、学習ベクター定量化法等)、アンサンブル法(例えば、ブースティング、ブートストラップ・アグリゲーション、AdaBoost、積層一般化、勾配ブースティングマシン法、ランダムフォレスト法等)のうちのいずれか1つ以上を含む、ニューラルネットワーク(ANN)、サポートベクターマシン(SVM)、マトリクスベース(MB)アルゴリズム、及び/又は、これらの組み合わせ、及び/又は、任意の好適な人工知能アプローチ、及び/又は、分析技術により、長さの短いペプチド(8~20のアミノ酸)を予測する。追加又は代替として、方法、及び/又は、システムの実施形態の任意の好適な部分は、人工知能アプローチ、及び/又は、本明細書に記載の分析技術を包含、適用、採用、実施、使用、依拠、及び/又は、これに関連付けることができる。
【0035】
実施形態は、以上、及び/又は、本明細書中に記載のアプローチを利用することにより、ヒトバージョンの主要組織適合遺伝子複合体(MHC)であるヒト白血球抗原(HLA)クラスIIと結合可能なペプチドを予測することができる。HLA複合体は、これらのペプチド抗原をエピトープとして表すことができる。
【0036】
その後(及び/又は、任意の好適なタイミング及び頻度で)、実施形態において、プロセスワークフロー(例えば、方法の実施形態の一部等)は、以下のうちの少なくとも1つ以上を含むことができる。すなわち、最初に(及び/又は、任意の好適なタイミング及び頻度で)、実施形態は、1つ以上の疾患(例えば、微生物関連症状)に関連し得る健康体(例えば、健康なサンプル、健康な対象者等)に存在する微生物叢を同定することを含むことができる。同時に(及び/又は、任意の好適なタイミング及び頻度で)、実施形態は、食物アレルゲン、タンパク質、又は作用因子を同定することを含むことができる。
【0037】
その後(及び/又は、任意の好適なタイミング及び頻度で)、実施形態は、アミノ酸、及び/又は、遺伝子配列を通じて、いくつかの微生物叢にアレルゲンを関連付けることを含むことができる。同時に(及び/又は、任意の好適なタイミング及び頻度で)、実施形態は、エピトープ予測方法を通じた取得等、de novoエピトープの予備群を得ることを含むことができる。具体例において、de novoエピトープの予備群をフィルタリングし、微生物叢のプロテオームの解析に基づく等、エピトープの反復配列を除外する。具体例において、これらのフィルタリングしたエピトープにより、新たなデータベースを作成する。
【0038】
具体例において、これらのプロテオーム中に「de novo」予測エピトープを発見するために、ペアワイズアラインメントツール(及び/又は、その他の好適なツール、及び/又は、アプローチ)により、データベースからの各エピトープを、逆相関有機体プロテオームデータベースから得られたプロテオーム配列と相関させる。具体例において、「共通エピトープ」とみなすことのできるのは、以下の指標を満足する予測エピトープに基づくことができる。
1.60%超の同一性と90%超の類似性*とを有するアラインメント。
2.90%の同一性と8超の類似のアミノ酸*を有するアラインメント。ここで「合致」とは、ペアワイズアラインメントにおけるアミノ酸位置の局所類似性である。
【0039】
しかしながら、任意の好適な指標(例えば、50%の類似性等、任意の好適な同一性パーセンテージ、合致パーセンテージ、合致数、好適な類似性パーセンテージ等)を使用することができる。
【0040】
バリエーションとして、作用因子、同一性、及び/又は、MHCアレルの最良の親和性により、共通のエピトープをグループ化することができる。しかしながら、親和性の減少は、アレルゲンに対する感度の低さ、すなわち、より良好な免疫応答に関与し得ることを考慮し、エピトープの適用に応じて、親和性の減少も考慮することができる。
【0041】
実施形態において、受容体に対する親和性に応じて「共通エピトープ」を分類するために、分子ドッキングシミュレーションを使用して、タンパク質受容体クラス11構造に対するフィルタリングしたde novoエピトープを使用して、データベースの試験を行うことができるが、任意の好適なシミュレーション、及び/又は、プロセスを、追加又は代替として実施することができる。
【0042】
次の段階において(及び/又は、任意の好適なタイミング及び頻度で)、MHC受容体に対するエピトープの親和性を向上するバリエーションでは、最良のエピトープに再設計を施すこともでき、これは、すべての(及び/又は、任意の好適な数及び種別の)アミノ酸を、他の22のタンパク質を構成するアミノ酸(例えば、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、セレノシステイン、及びピロリシン)によって等、in-silicaで変異させることができる。例において、再設計によって得られるこれらの新たなエピトープは、ドッキング、及び/又は、その他好適な技術によって試験することができ、その後、受容体に対する結合エネルギーに応じて、分類することができ、このようにして、受容体に対する親和性の向上した新たなエピトープを得ることができる。
【0043】
具体例において、その後、1つ以上の疾患(例えば、微生物関連症状、自己免疫症状等)のための予防、治療、及び/又は、療法、及び/又は、診断として使用される最終候補であるエピトープのde-nova一覧を得る。
【0044】
したがって、具体例において、食物アレルギーに関連付けられたタンパク質から「de novo」エピトープを同定した後、これらを有機体からのタンパク質において検索するのに採用するワークフロー(及び/又は、本明細書に記載のその他好適なアプローチ)の一般図を図1に示すことができる。
【0045】
追加又は代替として、分泌タンパク質の検出、病原性因子、ドメイン同定、統計的フィルタリング、分類学的フィルタリング、及び/又は、その他の好適な態様のタンパク質に関連付けられるフィルタリング方法として使用される、その他のin-silicaの方法を、図2のように使用することができる。
【0046】
追加又は代替として、エピトープ予測は、潜在的なワクチン候補を説明する病原性因子(アレルゲンと類似)から、図3に示される方式として使用可能な診断、治療、又は任意の類似の両方への用途に適用可能である。
【0047】
実施形態は、本明細書に記載のアプローチに基づく等、本明細書に記載の診断、治療、及び/又は、予防、及び/又は任意の好適な症状のために、任意の細菌株、及び/又は、古細菌種、及び/又は、再設計されたもの、及び/又は、その他好適な微生物からの予測エピトープを、異なる製品において使用することを含むことができる。
【0048】
実施形態は、本明細書に記載のアプローチに基づく等、本明細書に記載の1つ以上の症状(喘息、気管支炎、癌、バセドウ病、橋本病、甲状腺機能低下症、ループス、ライム病、片頭痛、多発性硬化症、骨関節炎、リュウマチ関節炎、副鼻腔炎、連鎖球菌性咽頭炎、セリアック病、クローン病、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、酵母感染、ニキビ、湿疹、乾癬、酒さ様皮膚炎、虫歯、外胚葉形成不全症、歯肉炎、歯周病、シェーグレン症候群、風邪/咳、下痢、めまい、発熱、頭痛、不眠、片頭痛、筋肉痛、発疹、その他、ウィルス、細菌、又は何らかの外的な作用因子が関連するもの)等、診断、療法、及び/又は、その他好適な用途における使用等、本明細書に記載の微生物、及び/又は、その他好適な微生物に由来するエピトープ等、本明細書に記載に1つ以上のエピトープを含む治療用組成物を含むことができる。追加又は代替として、(例えば、方法、診断、治療用組成物の)実施形態は、以下のうちの1つ以上を含む、1つ以上の症状を包含するか、これを目的とするか、これを目的に実施されるか、適用するか、これに対応するか、これを診断するか(診断目的等)、これを治療するか(例えば、これを治療するエピトープを含む治療用組成物)、及び/又は、これに関連付けることができる。すなわち、疾病、症候、病因(例えば、トリガ等)、障害、関連リスク(例えば、傾向スコア等)、関連重症度、態度(例えば、カフェイン消費、習慣、食事法等)、及び/又は、症状に関連付けられたその他任意の好適な態様である。症状には、以下のうちの任意の1つ以上を含むことのできる、1つ以上の疾患関連症状を含むことができる。すなわち、胃腸関連症状(例えば、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、セリアック病、クローン病、膨満感、痔、便秘、逆流、血便、下痢等)、アレルギー関連症状(例えば、小麦、グルテン、乳製品、大豆、ピーナツ、貝、木の実、卵等に関連付けられたアレルギー、及び/又は、不寛容)、皮膚関連症状(例えば、ニキビ、皮膚筋炎、湿疹、酒さ様皮膚炎、乾燥肌、感染、フケ、光線過敏症等)、自発運動関連症状(例えば、痛風、リュウマチ関節炎、骨関節炎、反応性関節炎、多発性硬化症等)、自己免疫関連症状(例えば、スプルー、シェーグレン、ループス等)、内分泌関連症状(例えば、橋本病、代謝性疾患等)、コミュニケーション関連症状、睡眠関連症状、代謝関連症状、体重関連症状、痛み関連症状、遺伝子関連症状、慢性疾患、及び/又は、その他任意の好適な種別の疾病関連症状である。追加又は代替として、微生物関連症状は、以下のうちの任意の1つ以上を含み得る1つ以上のヒトの態度状況を含むことができる。すなわち、カフェイン消費、アルコール消費、その他食品消費、補助食品消費、プロバイオティック関連態度(例えば、消費、回避等)、その他の食事態度、習慣的態度(例えば、喫煙、低・中・高程度の運動状況等の運動状況等)、閉経、その他の生物学的過程、社会的態度、その他の態度、及び/又は、任意の好適なヒトの態度状況である。症状は、任意の好適な表現型(例えば、ヒト、動物、植物、菌体等に応じて測定可能な表現型)と関連付けることが可能である。
【0049】
実施形態は、本明細書に記載のアプローチに基づく等、本明細書に記載の好適な症状の治療、及び/又は、予防のために、好適な微生物由来のもの等、「de novo」予測エピトープ、及び/又は、再設計されたものを使用した、診断、及び/又は、治療用組成物のための方法を含むことができる。
【0050】
実施形態は、本明細書に記載のアプローチに基づく等、本明細書に記載の任意の1つ以上の症状に対して、免疫応答をトリガするように意図された、及び/又は、この診断、療法、及び/又は、予防のための、新たなエピトープベースワクチン、及び/又は、好適な治療用組成物を提案する等、1つ以上の病原体(例えば、本明細書に記載されたもの、その他好適な微生物)に属するタンパク質から、「de novo」エピトープ、及び/又は、再設計されたものを同定し、及び/又は、これらを、逆関連の細菌中に検索する方法(例えば、ワークフロー)を含むことができる。
【0051】
実施形態は、1つ以上の病原体(例えば、本明細書に記載のもの、その他好適な微生物)に属する「de novo」病原性因子、及び/又は、エピトープ、及び/又は、再設計されたものを同定し、本明細書に記載のアプローチに基づく等、本明細書に記載の任意の1つ以上の症状の免疫応答をトリガすることを意図された、及び/又は、この診断、療法、及び/又は予防のための、新たなエピトープベースワクチン、アジュバント、及び/又は、好適な治療用組成物として、これらを提案する方法(例えば、ワークフロー)を含むことができる。
【0052】
実施形態は、本明細書に記載のアプローチの使用に基づく等、診断、及び/又は、療法におけるエピトープの使用に関連した安全性の向上を促進するため等、病原性微生物エピトープと類似、再設計、及び/又は、これと相似の非病原性微生物を発見すること等、免疫学的応答を生じる病原性微生物又は作用因子由来のエピトープを基づく等、非病原性微生物(例えば、任意の好適な種別の微生物、ウィルス、細菌、古細菌等)由来のエピトープを同定する方法を含むことができる。
【0053】
実施形態は、本明細書に記載のアプローチに基づいて判定された1つ以上のエピトープを含む、1つ以上の治療用組成物を含むことができる。
【0054】
実施形態は、本明細書に記載のアプローチに基づく等、本明細書に記載のアレルギー、及び/又は、好適な症状の診断、治療、及び/又は、予防のために、アレルゲン、及び/又は、再設計されたもの、及び/又は、その他好適な微生物からの予測されたエピトープを、異なる製品において使用することを含むことができる。
【0055】
実施形態は、本明細書に記載のアプローチに基づく等、本明細書に記載の1つ以上の症状(例えば、癌、いぼ等)に関連するもの等、診断、治療、及び/又は、その他好適な用途のための使用等、本明細書に記載の微生物、及び/又は、その他の好適な微生物に由来するエピトープ等、本明細書に記載の1つ以上のエピトープを含む治療用組成物を含むことができる。
【0056】
実施形態は、本明細書に記載のアプローチに基づく等、本明細書に記載のアレルギー、及び/又は、好適な症状の治療、及び/又は、予防のために、本明細書に記載の微生物、及び/又は、その他好適な微生物に由来するもの等、「de novo」予測エピトープ、及び/又は、再設計されたものを使用した診断、及び/又は、治療用組成物のための方法を含むことができる。
【0057】
実施形態は、本明細書に記載のアプローチに基づく等、本明細書に記載の任意の1つ以上の症状に対して、免疫応答をトリガすることを意図し、及び/又は、この診断、療法、及び/又は、予防のために、新たなエピトープベースのワクチン、及び/又は、好適な治療用組成物として提案することを目的に、1つ以上の病原体(例えば、本明細書に記載のもの、他の好適な微生物)に属するタンパク質から、「de novo」エピトープ、及び/又は、再設計されたものを同定し、及び/又は、これらを、逆関連細菌中に検索する方法(例えば、ワークフロー)を含むことができる。
【0058】
実施形態は、本明細書に記載のアプローチの使用に基づく等、診断、及び/又は、療法へのエピトープの使用に関連して安全性の向上を促進するため等、病原性微生物エピトープと類似、再設計、及び/又は、相似の非病原体微生物エピトープを発見する等、病原性微生物由来のエピトープに基づく等、非病原性微生物(例えば、任意の好適な種別の微生物、ウィルス、細菌、古細菌等)からエピトープを同定する方法を含むことができる。
【0059】
実施形態は、本明細書に記載のアプローチに基づいて判定された1つ以上のエピトープを含む、1つ以上の治療用組成物を含むことができる。
【0060】
実施形態は、既知のアレルゲンからT細胞エピトープ「de novo」を予測し、及び/又は、その後、これらを上述の微生物中に同定する方法(例えば、ワークフロー等)を含むことができ、特に、ピーナツアレルギーに適用される。ここで、過去の出願(米国出願第62/434,917号)において得た証拠を使用した。これには、ピーナツアレルギーのある個人において、いくつかの微生物の存在量に高い低いがある旨の開示が少なくとも含まれている。しかしながら、ピーナツアレルギーに対する個人と微生物叢要素との間の関連付けについて、任意の好適な指標を使用することができる。
【0061】
実施形態は、in-vivoアッセイにおいて顕著な効果(例えば、支出減等)を表し得る、エピトープのin-silica MHCクラスII「de novo」結合予測を包含、実施、及び/又は、これと関連付けるように機能することができる。
【0062】
クロストリジウム含有微生物叢は、無菌マウスに対する食物アレルギー保護能力を与えることができる。実施形態は、クロストリジウムの保護効果を説明することができ、ピーナツアレルゲンタンパク質と共通のエピトープを有し得る、クロストリジウム、及び/又は、ピーナツアレルギーのない個人に存在するその他の微生物(例えば、任意の好適な微生物分類群等)からのタンパク質の判定、使用、及び/又は、これとの関連付けを含むことができる。
【0063】
ピーナツアレルゲンは、他の植物種と配列の重要な部分、すなわち、潜在的にアレルギーを引き起こし得る食事習慣の結果を共有し得る。実施形態は、ピーナツアレルギーとの好適な類似性を説明し、アレルギー原因となり得る野菜種の判定、使用、及び/又は、これとの関連付けを含むことができる。
【0064】
具体例において、アレルギーに共通のエピトープが発見された細菌性タンパク質の一部は、ニトロ酸モノオキシナーゼ及びピルビン酸りん酸ジキナーゼを含み、短鎖脂肪酸代謝に関連のタンパク質である。具体例において、これらのタンパク質は、油及び脂肪酸の代謝に関与するアレルゲンからのタンパク質である、Arah14及びArah15と合致を示した。
【0065】
一実施形態において、de novo(新規の)エピトープの開発は、以下のステップに従って行うことができる。
【0066】
アレルゲンタンパク質の取得(任意のタイミング及び頻度で実行可能)
一例において、当該方法には、学術的ソース(例えば、文献等)、データベース、及び/又は、その他好適なソース等、1つ以上のアレルゲンタンパク質を判定することが含まれ得る。これまでに説明されてきたArachis hypogaea(ピーナツ)からのアレルゲンタンパク質は、17の種別の下に分類されてきた。しかしながら、15についてのみが、文献中で説明されており、査定されている(Arah1~15、表1)。本例において、UniprotデータベースからのArah配列をクラスタリングして(90%の同一性)、各Arah種別に対して1つのみの代表的配列を得た。しかしながら、1つ以上の代表的配列を得るために、任意の好適な同一性閾値、及び/又は、任意の好適な条件を使用して、クラスタリング、及び/又は、その他の好適なアプローチを実施することができる。
【0067】
【表1】
【0068】
実施形態において、本方法は、ピーナツアレルゲンからde novaエピトープを予測し、及び/又は、その後、これらのエピトープが、健康的、及び/又は、非健康的な患者(例えば、ピーナツアレルギーの有無に関わらず)から腸の微生物叢に存在する(及び/又は、腸部位、口腔部位、鼻部位、生殖器部位、肌部位等のうちの1つ以上を含む任意の身体部位に関連付けられる、任意の好適な微生物叢に存在する)か否かを同定するための、以下のワークフローを含むことができる。
【0069】
実施例において、本方法は、最初に(及び/又は、任意の好適なタイミング及び頻度で)、in-silicaの方法により、1つ以上のde nova HLA結合ペプチドを予測することで、1つ以上のT細胞エピトープを同定することを含むことができる。一例として、最初に(及び/又は、任意の好適なタイミング及び頻度で)、表1に記載のAra-hアレルゲンを考慮し、エピトープ予測パイプラインの下で処理を行い、15merの予測ペプチドの一覧を得た(しかしながら、任意の好適なサイズの任意の好適なペプチドを予測することができる)。このパイプライン(及び/又は、本明細書に記載の好適なアプローチ)を通じて、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)のヒトのカウンターパートに対応するヒト白血球抗原(HLA)クラスIIを結合するペプチドを予測することができる。HLAクラスII感受性が、通常、9~20のアミノ酸の間で変動することを考慮すると、15merの長さの代わりに、この範囲が潜在的に含まれるが、任意の好適な範囲及びサイズを使用することができる。したがって、HLA複合体は、エピトープとして、それらのペプチド抗原を表すことができる。高い確率でピーナツアレルギーを引き起こすものとして説明したHLAアレルについて考慮した。
HLA-DRB1*O1;01、HLA-DRB1*03:01、HLA-DRB1*04:01、HLA-DRB1*04:05、HLA-DRB1*08:02、HLA-DRB1*09:01、HLA-DRB1*11:01、HLA-DRB1*12:01、HLA-DRB1*13:02、HLA-DRB1*15:01、HLA-DRB3*01;01、HLA-DRB3*02:02、HLA-DRB4*01;01、HLA-DRB5*01;01、HLA-DQA1*05:01/DQB1*02:01、HLA-DQA1*05:01/DQB1*03:01、HLA-DQA1*03:01/DQB1*03:02、HLA-DQA1*04:01/DQB1*04:02、HLA-DQA1*01;01/DQB1*05:01、HLA-DPA1*02:01/DPB1*01:01、HLA-DPA1*01:03/DPB1*02:01、HLA-DPA1*01/DPB1*04:01、HLA-DPA1*03:01/DPB1*04:02、HLA-DPA1*02:01/DPB1*05:01、HLA-DPA1*02:01/DPB1*14:01、HLA-DQA1*02:01/DQB1*06:02、HLA-DQA1*01:02/DQB1*06:02、HLA-DRB1*07:01
【0070】
しかしながら、HLAアレルの特定のグループ化又は選択を行うための任意の好適な指標を使用することができる。
【0071】
例において、重複したエピトープを破棄した後、特有のエピトープの一覧を得た。その後(及び/又は、任意の好適なタイミング及び頻度で)、関連の細菌からのプロテオーム中にこのようなエピトープを発見するために、局所的なペアワイズアラインメントツールを使用して、各エピトープを、各タンパク質配列に対してアラインメントした(しかしながら、任意の好適なアラインメントツール、及び/又は、好適なツールを使用することができる)。例において、ピーナツアレルゲンからのエピトープと細菌プロテオームからのエピトープとの間の「共通エピトープ」は、以下の指標に合致するものである。
a.70%の同一性及び90%の類似性を超えるアラインメント。
b.90%の同一性と11を超える同様のアミノ酸を有するアラインメント。
ここで「合致」とは、ペアワイズアラインメントにおけるアミノ酸位置の局所類似性である。
【0072】
しかしながら、任意の好適な指標(例えば、60%の同一性、8つの同様のアミノ酸等、任意の好適な同一性パーセンテージ、合致数、任意の好適な類似性パーセンテージ)を使用することができる。
【0073】
実施例において、その後(及び/又は、任意の好適なタイミング及び頻度で)、本方法は、分子ドッキングシミュレーションを使用して、タンパク質受容体クラスII構造に対するフィルタリングされたde novaエピトープのデータベースを試験すること等により、受容体に対する親和性に応じて、「共通エピトープ」の第1のスクリーニングを判定することを含むことができるが、任意の好適なシミュレーション、及び/又は、プロセスを追加又は代替で実施することができる。具体例において、エピトープを再設計して、20のタンパク質構成アミノ酸(アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン)(及び/又は、好適なアミノ酸)による変異等、MHCクラスII受容体に対する免疫応答を向上(及び/又は、最終的には低減)することができる。例において、ドッキング、及び/又は、その他の好適な技術により、再設計によって得られた新たなエピトープの試験を行い、及び/又は、受容体に対する結合のエネルギーに応じて(及び/又は、任意の好適な指標を使用して)、分類を行った。例においては、このようにして、受容体に対する親和性のより良好な新たなエピトープを得ることができる。
【0074】
例において、特定の症状に関連付けられた病原体タンパク質からの「de novo」エピトープを同定した後、関連有機体からのプロテオーム中にそれらを検索する(及び/又は、他の好適なアプローチ)のに採用されるワークフローの一般図を図4に示すことができる。
【0075】
実施例には、ピーナツアレルギーのない個人に豊富に存在する細菌が、その種のアレルギーに対する保護を導き出し得るタンパク質を含有することを包含、使用、及び/又は、これに関連付けることができ、この場合、F.saccharivorans等、このような細菌が、個人にアレルギーのトリガを生じさせない一助となるかもしれない。結果として、アレルギーの診断、及び/又は、治療方法、システム、及び/又は、治療用組成物として、このように逆相関の細菌からのタンパク質中に見出されたエピトープを考慮することができる。
【0076】
実施形態において、直接関連付けられた微生物(例えば、アレルギーが存在するときに豊富に含まれるもの)からのエピトープを、ピーナツアレルギー診断方法として使用することができる。
【0077】
実施形態において、エピトープ同定プラットフォームを使用して食物アレルギーに関連し得る、細菌性タンパク質/細菌、及び/又は、好適な微生物を検出することができる。
【0078】
実施形態には、新たなタンパク質の一部としての「de nova」エピトープ又は再設計されたものの統合と、ピーナツ又は任意のナッツアレルギーの治療、及び/又は、予防といった潜在的用途と、が含まれ得る。
【0079】
実施形態には、FlavonifraGtor plautii、LaGhnospira peGtinosGhiza、Dorea longiGatena、Anaerostipes sp.5_1_63FAA、Blautia sp.SerB、Die/ma fastidiosa、Barnesiella intestinihominis、Alistipes sp.EBA6-25Gl2、Anaerostipes sp.3_2_56FAA、BaGteroides vulgatus、Eisenbergiella tayi、Kluyvera georgiana、BaGteroides Glarus、AnaerotrunGus Golihominis、PhasGolarGtobaGterium faeGium、Alistipes sp.RMA 9912、FlavonifraGtor plautii、OdoribaGter splanGhniGus、BaGteroides fragilis、Bilophila sp.4_1_30、BaGteroides sp.D22、AdlerGreutzia equolifaGiens、ErysipelatoGlostridium ramosum、Eggerthella sp.HGA1、LaGtonifaGtor longoviformis、GordonibaGter pamelaeae、Blautia sp.YHC-4、BaGteroides massiliensis等、ピーナツアレルギーのある個人において拡張される(直接関連付けられる)細菌に属する、de-nova予測T細胞エピトープ、及び/又は、再設計されたものを、異なる製品中において、ピーナツ、又はピーナツアレルゲンに関連付けられる1つ以上のタンパク質を含有する任意の関連食物の診断、及び/又は、治療方法、システム、及び/又は、治療用組成物として使用することが含まれる。
【0080】
実施形態には、ピーナツアレルギーのある個人において減少する(逆関連する)細菌に属する、したがって、FusiGatenibaGter saGGharivorans、LaGtobaGillus sp.BL302、LaGtobaGillus Grispatus、FaeGalibaGterium prausnitzii、Roseburia sp.11SE39、Roseburia inulinivorans、Blautia luti、Alistipes sp.NML05A004、Collinsella aerofaGiens、Haemophilus parainfluenzae、Dorea formiGigenerans、BaGteroides thetaiotaomiGronのうちの1つ以上を含む、de-nova予測T細胞エピトープ、及び/又は、再設計されたものを、異なる製品中において、ピーナツ、及び/又は、任意のナッツに対するアレルギーの治療、及び/又は、予防のために使用することが含まれ得る。
【0081】
実施形態には、Ethanoligenens harbinense、AdlerGreutzia equolifaGiens、Alistipes sp.EBA6-25Gl2、Alistipes sp.NML05A004、Alistipes sp.RMA 9912,AnaeroGolumna aminovaleriGa、AnaeroGolumna GellulosilytiGa、AnaeroGolumna jejuensis、AnaeroGolumna xylanovorans、AnaerosalibaGter massiliensis、Anaerostipes sp.3_2_56FAA、Anaerostipes sp.5_1_63FAA、AnaerotrunGus rubiinfantis、BaGteroides Glarus、BaGteroides massiliensis、BaGteroides ovatus、BaGteroides plebeius、BaGteroides sp.D22、BaGteroides sterGoris、BaGteroides thetaiotaomiGron、BaGteroides uniformis、Barnesiella intestinihominis、Bifidobacterium adolescentis、Bilophila sp.4_1_30、Blautia caecimuris、Blautia coccoides、Blautia glucerasea、Blautia hansenii、Blautia hominis、Blautia hydrogenotrophica CAG:147、Blautia luti、Blautia marasmi、Blautia massiliensis、Blautia obeum、Blautia phocaeensis、Blautia producta、Blautia provencensis、Blautia sp.、Blautia sp.SerB、Blautia sp.YHC-4、Butyrivibrio cf. fibrisolvens EAT6,Butyrivibrio crossotus CAG:259、Butyrivibrio fibrisolvens、Butyrivibrio hungatei、Butyrivibrio proteoclasticus、Butyrivibrio sp.、Caproiciproducens galactitolivorans、Clostridia cluster /Va、Clostridia cluster X/Va、Clostridia cluster X/Vb、Clostridium difficile、Clostridium leptum、Collinsella aerofaciens、Coprococcus comes CAG:19、Coprococcus eutactus、Coprococcus eutactus CAG:665、Cysticercus cellulosi、Die/ma fastidiosa、Dorea formicigenerans、Dorea longicatena、Eggerthella sp.HGA1、Eisenbergiella tayi、Eubacterium aggregans、Eubacterium albensis、Eubacterium callanderi、Eubacterium dolichum CAG:375、Eubacterium eligens CAG:72、Eubacterium ha/Iii CAG:12、Eubacterium pectinii、Eubacterium rectale CAG:36、Eubacterium siraeum CAG:80、Eubacterium sp.、Eubacterium ventriosum、Eubacterium xylanophilum、Faecalibacterium sp.、Faecalicatena contorta、Faecalicatena fissicatena、Faecalicatena orotica、Flavonifractor sp.、Fusicatenibacter saccharivorans、Gordonibacter pamelaeae、Haemophilus parainfluenzae、Helicobacter pylori、Hungate/la effluvii、Hungate/la hathewayi、Kluyvera georgiana、Lachnoclostridium edouardi、Lachnoclostridium pacaense、Lachnoclostridium phocaeense、Lachnoclostridium sp.、Lachnoclostridium urinimassiliense、Lachnospira pectinoschiza、Lactobacillus crispatus、Lactobacillus sp.BL302、Odoribacter splanchnicus、Oscilibacter massiliensis、Peptostreptococcus anaerobius CAG:621、Peptostreptococcus glycinophilus、Peptostreptococcus sp.、Phascolarctobacterium faecium、Prevotella tannerae、Pseudoflavonifractor phocaeensis、Pseudoflavonifractor sp.、Roseburia cecicola、Roseburia intestinalis CAG:13、Roseburia sp.、Roseburia sp.11SE39、Ruminococcus gnavus、Ruminococcus obeum CAG:39、Ruminococcus spp.、Sporobacter sp.、Subdoligranulum variabile、Tissierella carlieri、Urmitella timonensis、[Clostridium] aerotolerans、[Clostridium] aldenense、[Clostridium] algidixylanolyticum、[Clostridium] aminophilum、[Clostridium] amygdalinum、[Clostridium] asparagiforme、[Clostridium] bolteae、[Clostridium] celerecrescens、[Clostridium] citroniae、[Clostridium] clostridioforme、[Clostridium] cocleatum、[Clostridium] fimetarium、[Clostridium] glycyrrhizinilyticum、[Clostridium] herbivorans、[Clostridium] hylemonae、[Clostridium] indolis、[Clostridium] innocuum、[Clostridium] lavalense、[Clostridium] methoxybenzovorans、[Clostridium] polysaccharolyticum、[Clostridium] populeti、[Clostridium] saccharogumia、[Clostridium] saccharolyticum、[Clostridium] scindens、[Clostridium] sphenoides、[Clostridium] symbiosum、[Clostridium] ultunense、[Clostridium] xylanolyticum、[Desulfotomaculum] guttoideum、[Eubacterium] cellulosolvens、[Eubacterium] eligens、[Eubacterium] ha/Iii、[Ruminococcus] gnavus、[Ruminococcus] gnavus CAG:126、[Ruminococcus] torques、[Ruminococcus] torques CAG:61、cetitomaculum ruminis、Subdoligranulum variabile、Lactonifactor longoviformis、Clostridia cluster X/Va、Clostridia cluster IVのうちの1つ以上を含む、ピーナツ関連アレルゲンへの細菌自体の関連付け等、de-nova予測T細胞エピトープ、及び/又は、再設計したものを使用することが含まれ得る。
【0082】
実施形態には、病原体に属するタンパク質から「de novo」エピトープ又は再設計されたものを同定し、それらを逆関連の細菌中に検索するワークフローを含むことができ、免疫応答をトリガするように意図された新たなエピトープエースワクチンとしてこれらを提案する。
【0083】
実施形態は、アレルゲンによる類似性により摂取される、ピーナツ関連の追加又は代替の種を包含、使用、及び/又は、これに関連付けることができる。
【0084】
Arah1、Arah2、Arah3、Arah4:Anacardium occidentale、Bertholletia excelsa、Cory/us ave/Jana、Fagopyrum esculentum、Glycine max、Jug/ans nigra、Jug/ans regia、Sesamum indicum
【0085】
Arah5:Ananas comosus、Apium graveolens、Arabidopsis thaliana、Arachis hypogaea、Betula verrucosa(Betula pendula)、Capsicum annuum、Chenopodium album、Cory/us ave/Jana、Cucumis melo、Cynodon dactylon、Daucus carota、Glycine max、Helianthus annuus、Hevea brasiliensis、Litchi chinensis、Lycopersicon esculentum、Ma/us domestica、Mercurialis annua、Musa acuminata、Olea europea、Parietaria judaica、Phleum pratense、Prunus avium、Prunus persica、Pyrus communis、Triticum aestivum
【0086】
Arah6、Arah7:Ambrosia artemisiifolia、Anacardium occidentale、Arachis hypogaea、Bertholletia excelsa、Brassica juncea、Brassica napus、Cory/us ave/Jana、Fagopyrum esculentum、Glycine max、Hevea brasiliensis、Hordeum vulgare、Jug/ans nigra、Jug/ans regia、Lycopersicon esculentum、Ma/us domestica、Oryza sativa、Parietaria judaica、Prunus armeniaca、Prunus avium、Prunus domestica、Prunus persica、Pyrus communis、Ricinus communis、Sesamum indicum、Sinapis alba、Triticum aestivum、Vitis vinifera、Zea mays
【0087】
Arah8:A/nus glutinosa、Apium graveolens、Arachis hypogaea、Betula verrucosa (Betula pendula)、Carpinus betulus、Castanea sativa、Cory/us ave/Jana、Daucus carota、Glycine max、Ma/us domestica、Petroselinum crispum、Phaseolus vulgaris、Prunus armeniaca、Prunus avium、Pyrus communis、Taraxacum officinale
【0088】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【0089】
しかしながら、この方法の実施形態には、対象者から生物学サンプルの受容と、対象者からの生物学サンプルの処理と、生物学サンプルから導き出されたデータの解析と、特定の微生物叢組成物、及び/又は、対象者の機能的特徴に応じて、カスタマイズされた診断、及び/又は、プロバイオティックベースの両方を提供するために使用可能なモデルを生成することを促進するように構成された、他の任意の好適なブロック又はステップを含むことができる。
【0090】
本方法、及び/又は、システムの実施形態には、任意の変形(例えば、実施形態、バリエーション、例、具体例、図等)を含む、種々のシステム要素及び種々の方法プロセスの各組み合わせ及び再配置を含むことができ、この場合、本明細書に記載の方法、及び/又は、プロセスの実施形態の一部は、非同期的(例えば、順次)、同時(例えば、並行的に)、又は、その他任意の好適な順に、本明細書に記載のシステム、及び/又は、その他の実体の例、要素、成分、及び/又は、その他の態様により、及び/又は、これを使用して実施可能である。
【0091】
本明細書に記載の変形のうちのいずれか(例えば、実施形態、バリエーション、例、具体例、図等)、及び/又は、本明細書に記載の変形のいずれかの部分は、追加又は代替として、組み合わせ、一体化、除外、使用、順次実施、並行的実施、及び/又は、適用可能である。
【0092】
本方法、及び/又は、システムの実施形態の一部は、少なくとも部分的に、コンピュータ可読指示を記憶したコンピュータ可読媒体を受け入れるように構成された機械として、実現、及び/又は、実装可能である。これらの指示は、このシステムに一体化可能なコンピュータ実行可能な要素により実行可能である。コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EEPROM、光学装置(CD又はDVD)、ハードドライブ、フロッピー装置、又は任意の好適な装置等、任意の好適なコンピュータ可読媒体に記憶可能である。コンピュータ実行可能な要素は、汎用又は専用のプロセッサとすることができるが、代替又は追加として、任意の好適な専用ハードウェア、又は、ハードウェア/ファームウェアの組み合わせ装置により、これらの指示を実行することができる。
【0093】
当業者は、以上の詳細な説明、図面、及び請求項より、クレームの範囲から逸脱することなく、これらの方法、システム、及び/又は、変形に修正及び変化を加えることができる旨、認識するであろう。
【0094】
他の態様において、本開示は、微生物叢から、神経学的障害と分類群及び機能との相関を発見することに関する。一実施形態において、この相関は、分類群及び機能と、不安、注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム、慢性疲労症候群、鬱、及び脳卒中を含む、精神衛生状態との間のものである。一実施形態において、この発見は、4つのステップ、1:変換、2:技術的バリエーションの除去、3:寸法収縮、及び4:モデリングからなる。この手順のワークフローを図6に示す。
【0095】
一実施形態において、この相関は、分類群及び機能と、不安との間のものである。不安は、例えば、炭水化物代謝等、20を超える腸内微生物叢代謝機能における変化に関連付けられるものであることが分かっている。炭水化物代謝経路の腸内細菌異常調節により、エネルギー要求が高くなり、不安の症候として、活動レベルが下がることがある。不安症患者の5947の腸サンプルと、健康な患者の1265の腸サンプルとに基づく試験結果を以下に示している。
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
【0098】
一実施形態において、この相関は、分類群及び機能と、鬱との間のものである。宿主代謝と大鬱病性障害(MDD)とを同定するワークフローを図5に示す。鬱は、例えば、スフィンゴ脂質代謝等、20を超える腸内微生物叢代謝機能における変化に関連付けられるものであることが分かっている。高脂質の食事は、スフィンゴ脂質代謝に逆影響する微生物叢中の変化に関連付けられたマウスに、鬱様挙動を誘発する。鬱患者の5767の腸サンプルと、健康な患者の1265の腸サンプルとに基づく試験結果を以下に示している。
【0099】
【表5】
【0100】
【表6】
【0101】
【表7-1】
【表7-2】
【表7-3】
【表7-4】
【0102】
【表8-1】
【表8-2】
【表8-3】
【表8-4】
【表8-5】
【表8-6】
【0103】
投与:
本発明の化合物/ペプチドは、経口、肺、非経口(筋肉内、腹腔内、静脈内(IV)、又は皮下への注射)、吸入(微粉末組成物)、経皮、鼻腔、膣、直腸、又は、舌といった投与ルートで投与されてもよく、服用形態に合わせた種々の投与ルートに合わせて調剤されてもよい。
【0104】
(例えば、方法、システム、治療用組成物等の)実施形態には、CDに対する治療(及び/又は、診断)としての使用のため等(例えば、CD等に関連付けられた1つ以上の症状、及び/又は、健康状態の改善等)、クローン病関連I2スーパー抗原とMHCクラスIIとの間の相互作用を阻害するための1つ以上(例えば、2等)のストラテジーが含まれ得る。具体例において、実施形態には、クローン病関連I2スーパー抗原とMHCクラスIIとの間の相互作用を阻害する、ペプチド阻害薬、及び/又は、小分子が含まれ得る。
【0105】
実施形態は、I2T細胞スーパー抗原とMHC-IIとの間の結合を阻害するように機能可能である。実施形態には、(例えば、I2T細胞スーパー抗原とMHC-IIとの間の結合を阻害する等)ペプチド、及び/又は、de novo分子阻害薬を設計することが含まれ得る。実施形態には、クローン病に対する新たな特定の阻害薬を設計するための、ドッキングを含むin-silicoアプローチ、及び/又は、構造的生物学的アプローチが含まれ得る。具体例において、判定された(例えば、設計された)具体的な阻害薬を、in vitroの実験によって試験することができるが、任意の好適な実験、及び/又は、査定アプローチを、追加又は代替として使用して、特定の阻害薬を評価することができる。
【0106】
この阻害薬を含む、及び/又は、これに関連付けられる実施形態(例えば、治療用組成物、調剤等)を、クローン病、及び/又は、炎症性腸疾患(IBD)、及び/又は、消化管の炎症に特徴付けられる他の任意の症状に対する治療、及び/又は、緩和として、使用することができる。症状には、追加又は代替として、異常免疫系応答、消化管の慢性炎症、異常な痛み、ひどい下痢、疲労、食欲不振、発熱、筋痙攣、体重減少、腸内の潰瘍、肛門膜の亀裂、大腸癌リスクの増大、大腸癌、慢性健康状態の進行、循環器疾患、呼吸器疾患、癌、関節炎、腎臓疾患、肝臓疾患、及び/又は、任意の好適な関連症状のうちの1つ以上が含まれ得る。症状には、症候、病因、疾病、障害、関連リスク、関連重症度、及び/又は、症状に関連付けられる他の任意の好適な態様のうちの1つ以上が含まれ得る。
【0107】
一実施形態において、クローン病関連I2スーパー抗原のペプチド阻害薬を生成する方法は、バイオインフォマティクス予測(及び/又は、その他の好適なアプローチ)を使用して、HLA-DRクラスIIとの相互作用の領域を同定することにより、I2スーパー抗原から潜在的な免疫原性ペプチドを同定することと、及び/又は、I2に対して親和性のより高い新たなペプチドを得て、結果として、I2スーパー抗原/HLA-DRクラスII相互作用を阻害するため等、in-silicoでのI2との相互作用のHLA-DRクラスIIエリアに対応するペプチドを再設計することと、を含む。
【0108】
一実施形態において、異なるエピトープ予測ソフトウェアを使用して、HLA-DRB1*37及びHLA-DRB1&*07アレルを結合するI2に属する潜在的な免疫原性ペプチドを同定した。これに対して、タンパク質データバンクデータベース(コード:4M07)より、pfiTからのI2スーパー抗原の配列を得た。この方法を使用して、I2配列の青領域を含む15のアミノ酸長さの5つのペプチドを、潜在的な免疫原性ペプチドとして同定した。
【0109】
>4M07:AIPDBIDICHAINISEQUENCEGPLGSMDEHKALGVMRTMVDSGQLTDPESARGKLLQTAAHLFRNKGFERTTVRDLASAVGIQSGSIFHHFKSKDEILRAVMEENHYNTAMMRASLEEASTVRERVLALIRCELQSIMGGSGEAMAVLVYEWRSLSAEGQAHVLALRDVYEQIWLQVLGEAKAAGYIRGDVFITRRFLTGALSWTTTWFRAQGSLTLEELAEEALLMVLKSD (SEQ ID NO:103)
【0110】
【表9】
【0111】
ペプチド1、2、3、及び4の間の共通領域に下線を付した。これらの間の共通のモチーフは、「ETHYNTAMMRA」(SEQ ID NO:109)配列(結合エリア1)に対応する。この領域は、「RGKLLQTAAHLFRNK」(SEQ ID NO:108)を含む結合エリア2に対応する。双方の領域は、HLA-DRに対するドッキングのための結合エリアとして使用される。
【0112】
他の一実施形態において、ペプチド阻害薬の設計には、I2に対する対応HLA結合領域を同定することが含まれ得る。具体例において、競合結合実験によって示されるとおり、予測されたHLA-DRへのI2-結合部位は、マイクロプラズマ関節炎マイトジェン(MAM)、系統発生学的及び構造的に異なるスーパー抗原の対応HLA結合部位に重なり得る。具体例において、MAM-MHC複合体(PDBコード:1R5I)の結晶構造に基づき、(アルファ及びベータ鎖からの)HLA結合領域と、ヘマグルチニンペプチド(図7)を同定した。具体例において、これらのペプチドは、1つ以上の配列、すなわち、(HLA-DRからの)QGALANIAVDKA(SEQ ID NO:110)、及び/又は、(ヘマグルチニンからの)KQNTLK(SEQ ID NO:111)を含み得る。
【0113】
具体例において、I2に対するHLA-DR及びヘマグルチニン結合領域に対応するペプチドを、以下の段階で再設計する。
【0114】
具体例において、第1段階において(及び/又は、任意の好適なタイミング及び頻度で、任意の好適な順に実施可能である)、構造分析を実施し、P.fluorescensからのI2スーパー抗原の免疫原性ペプチドが、溶媒に露出されるか、HLA-DRクラスII受容体と相互作用可能であるかを同定した。したがって、スーパー抗原のタンパク質構造のすべて(及び/又は、任意の好適な量)を考慮し、これら5つのペプチド(及び/又は、任意の好適な数のペプチド)について、溶媒アクセス可能表面積(SASA)を計算した。具体例において、すべてのペプチドが、タンパク質表面上にあるものとして予測された。
【0115】
その後(及び/又は、任意の好適なタイミング及び頻度で、任意の好適な順に実施可能である)、制御分子ドッキングを実施し、I2スーパー抗原と、HLA及びヘマグルチニン結合領域に対応する2つのペプチド(及び/又は、好適な数のペプチド)である「QGALANIAVDKA」(SEQ ID NO:110)及び「KQNTLK」(SEQ ID NO:111)との間の相互作用をモデル化した。しかしながら、任意の好適なモデリング、及び/又は、アプローチを実施して、任意の好適なペプチド、及び/又は、領域間の相互作用を評価することができる。具体例において、可能性のあるすべての立体構造について評価するために、ペプチドはドッキングに対してフレキシブルであると考えられた。具体例において、ドッキング結合エネルギーは、各々、-5.9kcal/mol及び-5.7kcal/molであった。
【0116】
具体例において、これを考慮し、2つの「QGALANIAVDKA」(SEQ ID NO:110)及び「KQNTLK」(SE ID NO:111)のペプチドの再設計に基づき、クローン病の治療又は緩和する、I2スーパー抗原に対する新たな阻害薬を設計した(しかしながら、任意の好適な指標に基づく再設計のため、任意の好適な種別のペプチドを設計、及び/又は、選択可能である)。このようにして、新たなペプチドは、2つのペプチドよりも良好なI2への親和性を有することができ、I2のHLA-DRに対する結合を防止することができる。この修飾には、残りの19のアミノ酸(及び/又は、任意の好適な数のアミノ酸)に対するペプチドの各位置を変異することを含むことができる。具体例において、続いて、修飾ペプチドとI2スーパー抗原との間のドッキングを実施した。最後に、I2受容体と阻害修飾ペプチドとの間の接触数解析を実施し、相互作用に関与する主なアミノ酸を判定した。具体例において、解析には5オングストロームの距離が考慮された(しかしながら、任意の好適な距離が使用可能である)。以上の具体例によると、その結果を表6及び表7に示すことができる。
【0117】
【表10-1】
【表10-2】
【0118】
【表11】
【0119】
一実施形態において、本明細書に記載のペプチド阻害薬は、以下の特性を有する。親和性エネルギーが、「KQNTLK」(SEQ ID NO:111)ペプチドの場合は、-5.7kcal/mol未満であり、「QGALANIAVDKA」(SEQ ID NO:110)ペプチド、及び/又は、接触総数の多いものについては、-5.9kcal/mol未満であること。
【0120】
一実施形態において、本開示は、「KQNTLK」(SEQ ID NO:111)ペプチド又は「QGALANIAVDKA」(SEQ ID NO:110)ペプチドと60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%の同一性を有する配列を備えたペプチドを含む治療用組成物に関連する。
【0121】
具体例において、ドッキングにより受容体に付着させた6つのアミノ酸ペプチド「WQNTLK」(SEQ ID NO:166)をベースとして使用して、キャビティ検出を行い、タンパク質表面上の位置及び結合部位を同定した。具体例において、この情報により、結合部位のペプチド幾何学構造及び物理化学特性を使用して、ファーマコフォアモデルを設計した。
【0122】
一実施形態において、有機フラグメントデータベース(及び/又は、その他任意の好適なデータベース)、及び/又は、遺伝的アルゴリズム(及び/又は、その他任意の好適なアルゴリズム)を使用して、1つ以上の分子を反復的に構築した。具体例において、スコアリング機能により、タンパク質分子結合親和性を評価した。具体例において、その後(及び/又は、任意の好適なタイミング及び頻度で、任意の好適な順に)、分子ドッキング方法論を使用して(任意の好適なアプローチも使用可能である)de novo分子をI2受容体とドッキングした。具体例において、その後(及び/又は、任意の好適なタイミング及び頻度で、任意の好適な順に)、異なるルールでde novo分子を評価し、ADME/T特性(吸収、分布、代謝、排泄、及び毒性)、創薬可能性、及び/又は、合成アクセス可能性に基づき、最良のリガンドを選択したが、及び/又は、任意の好適な指標を選択に使用することができる。
【0123】
追加又は代替として、変異ペプチドについて前のセクションで記載したとおり、HLA-DRとの結合において重要な、参考文献において報告されているアミノ酸を含む分子との相互作用を維持することを目的として、de novo分子とI2タンパク質との間の接触分析を実施することができる。
【0124】
具体例において、上述のいずれかの組み合わせ等により、実施形態は、以下の指標のうちの1つ以上に合致するI2スーパー抗原の阻害薬として保護される分子を包含、及び/又は、これに関連付けられる(例えば、判定、設計、生成等)任意の好適な方法、システム、及び/又は、治療組成物を含むことができる。
創薬可能な分子であること(例えば、Lipinskiルールに合致すること、任意の好適な創薬可能性ルールに合致すること)。
HLA結合ゾーンからのオリジナルペプチドよりも、I2タンパク質に対して高い結合親和性を有すること(例えば、-6.8kcal/mol未満のドッキングエネルギー、任意の好適なドッキングエネルギー)。
500g/mol未満の分子量(及び/又は、任意の好適な分子量)を有すること。
合成アクセス可能性のスコアが3未満である(及び/又は、その他の好適なスコア)こと。これは、合成実行可能であること、及び/又は、オリジナルペプチドと比較して、I2タンパク質との主要な接触(及び/又は、任意の好適な接触)を維持することを示す。
【0125】
I2スーパー抗原に対する分子の相互作用の領域を、図8に示した。分子mol-1~mol-7は、表8に詳細を示した。
【0126】
したがって、実施形態(例えば、治療用組成物等)は、薬学的に許容可能な形態の以下の化合物、又は、これらの薬学的に許容可能な塩のうちのいずれか1つ以上を含む、クローン病治療又は姑息治療のためのI2スーパー抗原の阻害化合物として保護されるde novo小分子を包含、及び/又は、これに関連付け可能である。
【0127】
【表12-1】
【表12-2】
【表12-3】
【0128】
【表13】
【実施例
【0129】
実施例1:ピーナツアレルギーを治療するためのエピトープ
一例として、Arachis hypogaea(ピーナツ)Ara-hアレルゲンタンパク質配列から、58002の潜在的なエピトープを予測した。これらのエピトープをランク、親和性によってフィルタリングし、重複した配列(及び/又は、本明細書に記載のアプローチの任意の好適な組み合わせ等)を除外して、結果として、305のde novoエピトープを得た。最終的にはピーナツアレルギーと関連付けられる種である、Clostridiales bacteria Fusicatenibacter sppに対するこれらの配列のサブデータベースのアラインメントを行い、最終的なエピトープ「EEQGAIVTVRGGLRI」(SEQ ID NO:167)を得た(しかしながら、本明細書に記載のアプローチと関連して、エピトープ配列の任意の好適なバリエーションを使用することができる)。方法論のセクションにおいて記載した指標に合わないエピトープを破棄した。候補のエピトープである「EEQGAIVTVKGGLRI」を再設計して、MHC受容体型II、各々、T、P、及びWによる変異位置2、3、及び5との親和性を向上した。
【0130】
実施例2:Arachis hypogaea Ara-hアレルゲンタンパク質配列由来のエピトープ
Arachis hypogaea Ara-hアレルゲンタンパク質配列より、我々は、T細胞予測エピトープパイプライン(及び/又は、本明細書に記載の好適なアプローチ)から58002の潜在的なエピトープを予測し、これらのうちの1614は、各サーバによって与えられたスコアリングにより、高ランクのエピトープであった。重複したシーケンスについては破棄し、305の「de nova」エピトープのみが、結果として、独自の配列であった。その後、これらの配列の、Fusicatenibacter saccharivorans及びFlavonifractor plautiiに対するアラインメントを行った。結果として、Arachis hypogaeaとF. saccharivoransのアレルゲン配列間の6つの「共通エピトープ」(EEQGAIVTVRGGLRI(SEQ ID NO:167)、EQGAIVTVRGGLRIL(SEQ ID NO:168)、GLMSLSWMINFIRQV(SEQ ID NO:169)、LVALALFLLAAHASA(SEQ ID NO:170)、QGAIVTVRGGLRILS(SEQ ID NO:171)、TGNVASFLTSFSFEM(SEQ ID NO:172))、及び、A.hypogaeaとF. plautiiとの間に9つ(ANYAYNYSVVGGVAL(SEQ ID NO:173)、FCIFFLILFLAQEYG(SEQ ID NO:174)、GFCIFFLILFLAQEY(SEQ ID NO:175)、GTIIGLAIATPVFTF(SEQ ID NO:176)、GTLLLFAGLALAGTL(SEQ ID NO:177)、LRRPFYSNAPQEIFI(SEQ ID NO:178)、NYAYNYSVVGGVALP(SEQ ID NO:179)、PAAITLALAAGGFLF(SEQ ID NO:180)、RRPFYSNAPQEIFIQ(SEQ ID NO:181))を得た。方法論のセクションで記載した指標に合わないエピトープについては破棄した。しかしながら、任意の好適な指標を使用することができる。
【0131】
プロテオーム:
【0132】
【表14】
【0133】
【表15】
【0134】
最後に(及び/又は、任意の好適なタイミング及び頻度で)、受容体の親和性応じて「共通のエピトープ」を分類するために、我々は、HLA-DPB1に対するArah型アレルゲンからの5つのフィルタリングされたde-novaエピトープと、MHCクラスII受容体構造(PDBコード:3LQZ)とのドッキングシミュレーションを行った。
【0135】
最良のエピトープを発見する具体例において、エピトープは、in-silicaの配列変異からなり、ドッキング親和性における効果をチェックすることにより、他の19のアミノ酸を一度に1つずつ考慮する、再設計プロセスを通じて評価可能である。逆関連の一例(EEQGAIVTVKGGLRI(SEQ ID NO:3)、ドッキングエネルギー:-7.2kcal/mol)及び関連付けられた有機体の1つ(NYANYSVVGGVALP(SEQ ID NO:182)、ドッキングエネルギー:-6.9kcal/mol)、各々、表12及び13に記載された、ドッキング結果から得られた結合エネルギーの値で、野生型エピトープを再設計した。太字は、WTエピトープに関して最もエネルギーを向上する単一の変異を表している。
【0136】
【表16】
【0137】
【表17】
【0138】
この表及び指標に係る具体例において、野生型と比較して結合エネルギーを向上した改良再設計エピトープには、以下のパターンのものが含まれ得る。
エピトープ:EEQGAIVTVKGGLRI(SEQ ID NO:3)
2:T
3:P
5:W
11:Q
15:H、Q
エピトープ:NYAYNYSVVGGVALP(SEQ ID NO:179)
1:A、C、D、F、G、H、L、M、P、R、S、T、W、Y
2:C、F、G、H、L、M、N、T、V、W
3:C、E、F、G、H、I、K、L、Q、S、T、Y
4:C、D、F、H、I、K、L、M、N、Q、R、S
5:A、D、H、I、K、L、M、P、Q、S、T、V、W
6:A、C、D、E、F、G、L、P、R、T、V、W
7:A、C、F、I、L、N、P、Q、R、T、V、W、Y
8:A、E、H、I、K、L、M、P、Q、R、W、Y
9:A、C、D、E、F、G、H、K、L、N、Q、T、W
10:A、E、F、H、I、K、L、N、P、Q、R、S、V、Y
11:A、C、F、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、Y
12:A、D、E、H、K、M、N、S、W
13:C、D、G、H、L、P、R、S、V、Y
14:A、D、F、G、H、M、N、P、R、S、T、W、Y
15:D、F、H、I、K、M、T、W
【0139】
【表18】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【配列表】
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