(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】移植片の断面を測定するためのテンプレートおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/04 20060101AFI20230421BHJP
A61F 2/46 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
A61B17/04
A61F2/46
(21)【出願番号】P 2021557544
(86)(22)【出願日】2020-03-24
(86)【国際出願番号】 IB2020052735
(87)【国際公開番号】W WO2020194178
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】102019000004331
(32)【優先日】2019-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】512073792
【氏名又は名称】メダクタ・インターナショナル・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】ルッキーニ,リッカルド
(72)【発明者】
【氏名】ベルベリッヒ,サッシャ
(72)【発明者】
【氏名】シッカルディ,フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】パリーシ,ジャンルカ
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第000009214448(DE,U1)
【文献】米国特許第05251642(US,A)
【文献】特開2008-264155(JP,A)
【文献】米国特許第05397357(US,A)
【文献】国際公開第2018/208437(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B13/00-18/18
A61F 2/00- 2/80
G01B 3/34
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移植片(22)の断面を測定するためのテンプレート(20)であって、第1の半体(201)および第2の半体(202)を備え、
前記第1の半体(201)および前記第2の半体(202)は、一方を他方に対して軸Xの周りに回転できるように相互に固定されており、
前記第1の半体(201)および前記第2の半体(202)のそれぞれは、既知の且つ異なるサイズを有する複数の開口部(24
a、24
b、24
c...)を備え、
前記第1の半体(201)および前記第2の半体(202)の前記複数の開口部(24)のそれぞれは、少なくとも部分的に半径方向のスロット(26)を通して外側に向かって開いており、
前記第1の半体(201)および前記第2の半体(202)は、軸Xの周りに開位置Aと閉位置Cの間で一方を他方に対して回転させることができ、
前記開位置Aでは、前記第1の半体(201)の前記スロット(26)は、前記第2の半体(202)の前記スロット(26)と軸方向に一致し、
前記閉位置Cでは、前記第1の半体(201)の前記複数の開口部(24)は、前記第2の半体(202)の前記複数の開口部(24)と軸方向に一致する、テンプレート(20)。
【請求項2】
前記複数の開口部(24)が、前記第1の半体(201)および前記第2の半体(202)の半径方向の外縁の近くに配置される、請求項1に記載のテンプレート(20)。
【請求項3】
前記第1の半体(201)および前記第2の半体(202)の相互回転が、所定の角度α内に制限される、請求項1または2に記載のテンプレート(20)。
【請求項4】
前記閉位置Cの到達を示すのに適した、ばね式ボールを有するタイプの停止部(32)をさらに含む、請求項1から3の
いずれか一項に記載のテンプレート(20)。
【請求項5】
前記第1の半体(201)および前記第2の半体(202)のそれぞれが、一連の開口部(24
a、24
b、24
c...)を備え
、前記第1の半体(201)の前記一連の開口部(24a、24b、24c...)は、前記第2の半体(202)の前記一連の開口部(24a、24b、24c...)と同一である、請求項1から4の
いずれか一項に記載のテンプレート(20)。
【請求項6】
前記第1の半体(201)の各開口部(24’
a)について、前記第2の半体(202)の共役の開口部(24’’
a)を特定することが可能である、請求項1から5の
いずれか一項に記載のテンプレート(20)。
【請求項7】
2つの共役の開口部(24’
a、24’’
a)が、軸Xから等しい半径方向距離、等しいサイズ、および等しい形状を有する、請求項6に記載のテンプレート(20)。
【請求項8】
2つの共役の開口部(24’
a、24’’
a)において、2つの関連するスロット(26’
a)のうちの少なくとも1つが、対応するそれぞれの開口部(24’
a)の中心と半径方向に位置合わせされていない、請求項6または7に記載のテンプレート(20)。
【請求項9】
移植片(22)の断面を測定するための方法であって、
請求項1から8の
いずれか一項に記載のテンプレート(20)を提供するステップと、
少なくとも一端にいくつかの縫合糸(40)を含む移植片(22)を提供するステップと、
前記移植片(22)の断面のサイズを推定するステップと、
前記テンプレート(20)において、前記移植片(22)の前記断面の前記推定されたサイズに対応する第1の試みのための開口部(24
1)を特定するステップと、
開位置Aの前記テンプレート(20)を提供するステップと、
前記特定された開口部(24
1)のスロット(26
1)に前記縫合糸(40)を半径方向に導入するステップと、
前記縫合糸(40)を前記特定された開口部(24
1)内にスライドさせるステップと、
前記テンプレート(20)の2つの半体(201、202)の一方を他方に対して回転させて、それらを閉位置Cにするステップと、
前記特定された開口部(24
1)が前記(22)の端部に近づくように、前記テンプレート(20)を前記縫合糸(40)に沿ってスライドさせるステップと、
前記特定された開口部(24
1)に前記移植片(22)を軸方向に導入しようとするステップと、
3つの可能な条件のどれが確認されるかを評価するステップであって、前記3つの可能な条件は、
前記移植片(22)が干渉なしに且つ隙間なしに前記特定された開口部(24
1)内でスライドする、
または、前記移植片(22)が前記特定された開口部(24
1)に容易に入り、隙間を伴ってその中でスライドする、
または、前記移植片(22)が前記特定された開口部(24
1)に全く入らない、あるいは前記移植片(22)が容易に入らず、その中でほとんどスライドしないことである、ステップと、を含む方法。
【請求項10】
前記移植片(22)が、干渉なしに且つ隙間なしに、前記特定された開口部(24
1)内でスライドする場合、前記方法は、前記特定された開口部(24
1)のサイズから前記移植片(22)の正しいサイズを取得するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記移植片(22)が前記特定された開口部(24
1)に容易に入り、隙間を伴ってその中でスライドする場合、前記方法は、さらに、
先に特定された開口部(24
1)から前記縫合糸(40)を引き抜くステップと、
前記テンプレート(20)において、先の試みで特定された開口部(24
1)よりも小さい後続の試みのための開口部(24
2)を特定するステップと、
前記開位置Aの前記テンプレート(20)を提供する前記ステップからの前記方法のステップを繰り返すステップと、を含む請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記移植片(22)が前記特定された開口部(24
1)に全く入らない、またはそれが容易に入らず、その中でほとんどスライドしない場合、前記方法は、さらに
先に特定された開口部(24
1)から前記縫合糸(40)を引き抜くステップと、
前記テンプレート(20)において、先の試みで特定された開口部(24
1)よりも大きい後続の試みのための開口部(24
2)を特定するステップと、
前記開位置Aの前記テンプレート(20)を提供する前記ステップからの前記方法のステップを繰り返すステップと、を含む請求項9に記載の方法。
【請求項13】
請求項1から8の
いずれか一項に記載の2つの異なるテンプレート(20)を提供するステップをさらに含み、第1のテンプレート(20)は、第1の範囲のサイズに関連する第1の一連の開口部(24
a、24
b、24
c…)を含み、第2のテンプレート(20)は、第2の範囲のサイズに関連する第2の一連の開口部(24
p、24
q、24
r…)を含む、請求項9から12の
いずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腱移植片を測定するためのテンプレート、特に移植片の断面を測定するためのテンプレートに関する。本発明はまた、移植片の断面を測定するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
靭帯および腱の再建のための外科的処置の分野では、元の腱の破壊された部分を置き換えることを目的とした、一般に移植片と呼ばれる腱の一部を挿入することが知られている。移植片は異なる起源を持つことができる。移植片は患者自身から得ることができるので、自家移植片と呼ばれる、または移植片はドナーから得ることができ、この場合、同種移植片と呼ばれ、最後に、移植片は人工的に形成することができる。
【0003】
関節の完全な機能を回復するために、移植片は強固に且つ確実に患者の骨に接続されなくてはならない。この目的のために、特別の(ad hoc)トンネルが骨に形成され、移植片は、トンネルに導入されて、移植片の骨への最終的な結合を確立するオッセオインテグレーションが達成されるまで所定の位置に保持される。縫合糸は通常、移植片を補強して一時的な機械的接続を達成するために移植片の両端に適用される。縫合糸は移植片を固定インプラントに接続し、いわゆる補強ステップを介して、移植片を両端でより強固にさせる。さらに、縫合糸はまた、移植片よりも骨トンネルに挿入するのが容易であり、挿入されると、所望の移植片セグメントをトンネルに引き込むことができる。介在の最適な結果は、骨トンネルの内径が移植片の外径と実質的に等しい場合に達成される。このようにして、2つの表面が干渉することなく接触し、それによってオッセオインテグレーションが促進される。
【0004】
したがって、手術中、外科医は、トンネルに導入される移植片セグメントの断面を測定する必要がある。移植片は、特に横方向に、かなり柔らかい組織からなる細長い構造であるため、このような測定は容易ではない。すなわち、天然であろうと人工であろうと、移植片の組織は、測定マッチング部分と接触するときに変形する傾向がある。
【0005】
現在まで、
図1に概略的に示されているタイプの静的測定テンプレートを使用して、このような測定が行われている。既知のタイプの測定テンプレートは、既知の且つ異なるサイズの一連の較正用開口部を備える、例えば円盤状の本体を備える。各開口部は、スロットを介して外部と連通するように配置されている。既知の測定テンプレートの使用法は次のとおりである。外科医は、移植片の妥当なサイズを推定して、測定テンプレートにおいて、そのようなサイズに対応する第1の試みのための開口部を特定する。移植片に接続された縫合糸は、測定テンプレートのスロットを通して、第1の試みのための開口部に導入される。次に、テンプレートは、第1の試みのための開口部が移植片の端に近づくまで、縫合糸に沿ってスライドされる。移植片が容易に隙間なしに開口部に入る場合、開口部は移植片の正しいサイズを規定し、骨トンネルはそのようなサイズに基づいて形成される。あるいは、第1の試みの結果に応じて、別のより大きなまたはより小さな開口部に当たってみて、第2の試みを続行することも可能である。このように、その後の試みによって、移植片が隙間なしに且つ干渉なしに入る開口部を特定することが可能である。
【0006】
このような手順は広く使用されているが、欠点がないわけではない。実際、移植片を形成する組織の横方向の降伏度の特性により、移植片が部分的に較正用開口部を超えて延びて関連するアクセススロットを部分的に占有する可能性がある。このように、較正用開口部は移植片の断面の一部しか収容しないので、そこから導き出されるサイズは低く見積もられ、形成される骨トンネルは実際の必要性と比較してわずかに小さすぎることになる。
【0007】
したがって、この手順により、移植片が小さすぎるトンネルに押し込まれ、それによって最適なオッセオインテグレーションが達成されない可能性がある。
【0008】
あるいは、外科医がすぐにエラーに気付いた場合、リーミングによってトンネルを拡大することができるが、手術のリスクと時間が増加する。
【発明の概要】
【0009】
したがって、本発明の目的は、従来技術に関して先に明確に示された欠点を克服することである。
【0010】
特に、本発明の課題は、エラーのリスクなしに移植片の断面を決定することを可能にする測定テンプレートおよび方法をそれぞれ提供することである。
【0011】
さらに、本発明の課題は、導入される利点に加えて、既知のタイプの解決策の利点を提供し続けることができる測定テンプレートおよび方法を提供することである。
【0012】
この目的およびこれらの課題は、請求項1に記載の測定テンプレートおよび請求項9に記載の測定方法によって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明をより良く理解し、その利点を評価するために、その例示的且つ非限定的な実施形態のいくつかが、添付の図面を参照して以下に説明される。
【
図1】従来技術による移植片測定テンプレートの軸方向の概略図を示す。
【
図2】本発明による移植片測定テンプレートの軸方向の図を示す。
【
図3】分解された構成での
図2の移植片測定テンプレートの軸方向の図を示す。
【
図4】本発明による移植片測定テンプレートの斜視図を示す。
【
図5】閉じた構成での
図4の移植片測定テンプレートの軸方向の図を示す。
【
図6】開いた構成での
図4の移植片測定テンプレートの軸方向の図を示す。
【
図7】本発明による移植片測定テンプレートの第1の軸方向の図を示す。
【
図8】
図7の移植片測定テンプレートの第2の軸方向の図を示す。
【
図10】
図7の移植片測定テンプレートの半径方向の図を示す。
【
図11】使用中の閉じた構成での
図7の移植片測定テンプレートの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
目下の考察との関連で、読むことをより簡単且つスムーズにするために、いくつかの用語の慣習が採用されている。これらの用語の慣習は、添付の図を参照して以下に明確にされている。
【0015】
本発明によるテンプレートは、回転軸Xを一意に規定する。したがって、軸方向とは、軸Xに平行な任意の線の方向を意味する。半径方向とは、軸X上に原点を持ち且つ軸Xに垂直な任意の半直線の方向を意味する。円周(またはそれぞれの接線)方向とは、軸Xを中心とし且つ軸Xに垂直な平面上にある任意の円周(またはそれぞれのその接線)方向を意味する。
【0016】
図1に示すように、同じ慣習がまた、従来技術の解決策を説明するために採用されている。この解決策には可動部分がない、したがって、回転軸がないとはいえ、テンプレートの円盤状の形状および本発明の解決策との明白な幾何学的類似性は、軸方向、半径方向、円周方向、および接線方向という用語の一義的であり、さらに直感的な適用を示唆している。
【0017】
その第1の態様によれば、本発明は、移植片22の断面を測定するためのテンプレート20に関する。本発明によるテンプレート20は、第1の半体201および第2の半体202を含み、
2つの半体201、202は、一方を他方に対して軸Xの周りに回転させることができるように相互に固定されており、
2つの半体201、202のそれぞれは、既知の且つ異なるサイズを有する複数の開口部24を備え、
2つの半体201、202の複数の開口部24のそれぞれは、少なくとも部分的に半径方向のスロット26を通して外側に向かって開いている。
【0018】
さらに、本発明によるテンプレート20では、2つの半体201、202は、一方を他方に対して軸Xの周りに開位置Aと閉位置Cの間で回転させることができ、その逆もまた同様であり、
開位置Aでは、第1の半体201のスロット26は、第2の半体202のスロット26と軸方向に一致し、
閉位置Cでは、第1の半体201の開口部24は、第2の半体202の開口部24と軸方向に一致する。
【0019】
上述の複数の開口部24は、好ましくは、2つの半体201、202の半径方向の外縁の近くに配置される。このようにして、スロット26であって、それを通して開口部24が外側に向かって開いているスロット26の長さを制限することが可能である。
【0020】
好ましくは、2つの半体201、202の相互回転は、所定の角度α内に制限され、その両端に開位置Aおよび閉位置Cが存在する。相互回転は、例えば、円周方向における支持部を規定するリミットスイッチによって制限することができる。
図3では、例えば、第1の半体201から軸方向に延在し且つ第2の半体202に形成されたアーチ型アイレット30内に収容されるように設計されたピン28が見える。アーチ型アイレット30は、ピン28のための2つの円周方向のリミットスイッチを規定している。
【0021】
好ましくは、テンプレート20は、閉位置Cの到達を示すのに適した、それ自体よく知られているばね式ボールタイプの停止部32を含む。このようなタイプの停止部では、一方の半体(例えば、
図3の第1の半体201)の内面38に、ばねにより軸方向に押されたボール34が配置されており、ボール34を収容するのに適したシート36は、他方の半体(例えば、
図3の第2の半体202)の内面38に配置されている。2つの半体201、202間の相対回転中に、ボール34は、第2の半体202の内面38を転がり、テンプレート20が閉位置Cに達すると、ボール34は、シート36に入る。このように、ボールの停止部32は、2つの半体201、202の相対回転がテンプレート20を閉位置Cに導くときに、ユーザに明確な感覚を伝達する。移植片22のサイズの評価は、テンプレート20が閉位置Cにある状態で実行されなければならないので、この特徴は特に有利である。テンプレート20が開位置Aと閉位置Cとの間の中間位置にある状態で実施される評価は、移植片22に関して誤ったサイズを返すことになり、通常、実際のサイズよりも大きい移植片22のサイズを返すことになる。
【0022】
添付の図に見られるように、2つの半体201、202のそれぞれは、一連の開口部24a、24b、24c…を含む。ここおよび以下では、より明確にするために必要な場合に、個々の開口部24と対応するスロット26との間の区別を可能にするインデックスが導入される。添え字付きのアルファベット順のインデックスa、b、c…は、異なるサイズの開口部24のそれぞれと、したがって、それに対応するスロット26とを示す。逆に、単一の逆コンマ’および二重の逆コンマ’’は、開口部24またはスロット26が、それぞれ、第1の半体201または第2の半体202に属することを示す。
【0023】
好ましくは、2つの半体201、202のそれぞれは、同等の一連の開口部24
a、24
b、24
c…を含む。すなわち、第1の半体201の各開口部24’
aについて、それに共役の第2の半体202の開口部24’’
aを特定することが可能である。このような特徴は
図3において明らかであり、ここでは、
図2のテンプレート20の2つの分解された半体201、202が示されている。
図3では、2つの半体201、202は、本のように開かれており、(
図2に示されるように)閉位置Cのテンプレート20から始まり、軸Rを中心にそれぞれを互いに対して180°回転させている。両方の半体201、202はそれぞれ、内面38、すなわち、使用中にテンプレート20の内部に面するその表面を示す。次に、テンプレート20の使用中に、
図3に示される2つの内面38が並んで配置される。同じテンプレート20の2つの軸方向に対向する面を示す
図7および8を比較することによって、同様の考察を行うことができる。
【0024】
好ましくは、2つの開口部24’a、24’’aは、互いに共役であり、それぞれが2つの半体201、202の一方に配置され、軸Xから等しい半径方向距離、等しいサイズ、および等しい形状を有する。これらの均一性により、テンプレート20の閉位置Cにおいて、2つの共役の開口部24’a、24’’aが完全に重なる。
【0025】
既に上で述べたように、スロット26は、少なくとも部分的に半径方向に延びる。再び
図3に見られるように、または
図7および8を互いに比較することにより、2つの共役の開口部24’
a、24’’
aを考慮すると、2つの関連するスロット26’
aまたは26’’
aのうちの少なくとも1つは、対応するそれぞれの開口部24’
aまたは24’’
aの中心と半径方向に位置合わせされていない。
図3の例では、第2の半体202(左)のスロット26’’
aのそれぞれは、対応する開口部24’’
aの中心と半径方向に位置合わせされている。対照的に、第1の半体201(右)のすべてのスロット26’
aは、対応するそれぞれの開口部24’
aの中心に対して半径方向にずれており、所定の角度だけ円周方向に移動している。対照的に、
図7および8の例では、両方の半体201、202のすべてのスロット26’
a、26’’
aは、対応するそれぞれの開口部24’
a、24’’
aの中心に対して半径方向にずれており、所定の角度だけ円周方向に移動している。
【0026】
好ましくは、一対の共役の開口部24’
a、24’’
aを考慮すると、2つの関連するスロット26’
a、26’’
aの円周方向の変位角の合計は、絶対値において、テンプレート20の開位置Aを閉位置Cから分離する角度αに等しい。
図3の例では、第2の半体202(左)のスロット26’’
aの円周方向の変位はゼロであるので、第1の半体201(右)のスロット26’
aの円周方向の変位角は正確に角度αに等しい。
図7および8の例では、2つの半体201、202のスロット26’
a、26’’
aの円周方向の変位は同じであるので、各角度は1/2αに等しい。
【0027】
添付の
図2から6に示される実施形態では、本発明によるテンプレート20は、円形の開口部24を含む。そうでなければ、添付の
図7から8および11に示される実施形態では、本発明によるテンプレート20は、細長い開口部24を備え、これは、特に2つの辺が実質的に真っ直ぐ且つ互いに平行な楕円形を有する。開口部24のこれらおよび他の異なる形状は、必要に応じて異なる形状をとり得る移植片22の横断面の形状を近似するのに有利である。移植片22の断面形状に近似する開口部24の使用は、過度の変形を発生させることなくその測定を可能にするという利点を有する。
【0028】
添付の図に示されている実施形態では、2つの半体201、202、したがって、全体としてのテンプレート20は、円盤状の形状をとる。そのような形状は、厳密には必ずしも必要ではないが、軸Xの周りの2つの半体201、202の相互回転に非常に適している。さらに、円盤状の形状は、複数の開口部24をより容易に配置するためにテンプレート20の外縁の展開を最大化しながら、テンプレート20の全体的なサイズを制限することを可能にする。
【0029】
別の態様によれば、本発明は、移植片22の断面を測定するための方法に関し、この方法は、
上記の説明によるテンプレート20を提供するステップと、
少なくとも一端に縫合糸40を含む移植片22を提供するステップと、
開位置Aのテンプレート20を提供するステップと、
移植片22の断面のサイズを推定するステップと、
テンプレート20において、移植片22の断面の推定されたサイズに対応する第1の試みのための開口部241を特定するステップと、
第1の試みのための開口部241のスロット261に縫合糸40を半径方向に導入するステップと、
縫合糸40を第1の試みのための開口部241にスライドさせるステップと、
テンプレート20の2つの半体201、202の一方を他方に対して回転させて、それらを閉位置Cにするステップと、
第1の試みのための開口部241が移植片22の端部に近づくようにテンプレート20を縫合糸40に沿ってスライドさせるステップと、
第1の試みのための開口部241に移植片22を軸方向に導入しようとするステップと、を含む。
【0030】
本発明の方法によれば、3つの可能な条件のどれが確認されるかを評価する必要がある。すなわち、3つの可能な条件は、1)移植片22は、干渉なしに且つ隙間なしに、第1の試みのための開口部241内でスライドする、または、2)移植片22は、容易に第1の試みのための開口部241に入り、隙間を伴ってその中でスライドする、または、3)移植片22が第1の試みのための開口部241に全く入らない、または移植片22が容易に入らず、その中でほとんどスライドしない、である。
【0031】
好ましくは、移植片22が干渉なしに且つ隙間なしに第1の試みのための開口部241内でスライドする場合、第1の試みのための開口部241は、移植片22の正しいサイズを提供し、これに基づいて骨トンネルが形成される。
【0032】
好ましくは、移植片22が第1の試みのための開口部241に容易に入り、隙間を伴ってその中でスライドする場合、その方法は、
第1の試みのための開口部241から縫合糸40を引き抜くことと、
テンプレート20において、第1の試みのための開口部241よりも小さい第2の試みのための開口部242を特定することと、
開位置Aのテンプレート20を提供するステップからの方法のステップを繰り返すことと、を含む。
【0033】
好ましくは、最後に、移植片22が第1の試みのための開口部241に全く入らない、または移植片22が容易に入らず、その中でスライドするのが困難である場合、この方法は、
第1の試みのための開口部241から縫合糸40を引き抜くことと、
テンプレート20において、第1の試みのための開口部241よりも大きい第2の試みのための開口部242を特定することと、
開位置Aのテンプレート20を提供するステップからの方法のステップを繰り返すことと、を含む。
【0034】
本発明の方法は、移植片22が、干渉なしに且つ隙間なしに、特定された開口部24内にスライドする状態が生じるまで、n回の試みを伴って、何回か繰り返され得る。この開口部24のサイズは、移植片22の断面の正しいサイズを表し、これに基づいて骨トンネルが形成される。
【0035】
当業者が良く理解できるように、方法の個々の繰り返しにおいて、「第1の試み」が「n回目の試み」に置き換えられ、「第2の試み」が「(n+1)回目の試み」に置き換えられるならば、上記の手順の説明が引き続き適用される。
【0036】
いくつかの実施形態では、この方法はまた、2つの異なるテンプレート20を提供するステップを含んでもよく、第1のテンプレート20は、第1の範囲のサイズに関連する第1の開口部24a、24b、24c…のセットを含み、第2のテンプレート20は、第2の範囲のサイズに関連する第2の開口部24p、24q、24r…のセットを含む。
【0037】
当業者が容易に理解できるように、本発明は、従来技術に関して先に強調された欠点を克服することを可能にする。
【0038】
特に、本発明は、移植片22の断面のサイズをエラーのリスクなしに決定することを可能にする測定テンプレート20および方法を提供する。
【0039】
さらに、本発明は、導入された利点に加えて、既知のタイプの解決策の利点を提供し続ける測定テンプレート20および方法を提供する。
【0040】
非限定的な例として本発明の様々な実施形態に関連して特定の特徴が説明されていることは明らかである。明らかに、当業者は、偶発的且つ特定の要件を満たすために、本発明にさらなる修正および変形を加えることができる。例えば、本発明の実施形態に関連して記載された技術的特徴は、それから推定され、本発明の他の実施形態に適用され得る。さらに、そのような修正および変形は、以下の特許請求の範囲によって定義されるように、本発明の範囲内に含まれる。