(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】ステータコア、ハウジング、電気車両のモーター冷却システム、および電気車両
(51)【国際特許分類】
H02K 9/19 20060101AFI20230421BHJP
H02K 5/20 20060101ALI20230421BHJP
H02K 1/32 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
H02K9/19 A
H02K5/20
H02K1/32 A
(21)【出願番号】P 2021559282
(86)(22)【出願日】2020-04-01
(86)【国際出願番号】 CN2020082845
(87)【国際公開番号】W WO2020253321
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2021-10-05
(31)【優先権主張番号】201910528024.7
(32)【優先日】2019-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521467113
【氏名又は名称】華為数字能源技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI DIGITAL POWER TECHNOLOGIES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Office 01, 39th Floor, Block A, Antuoshan Headquarters Towers, 33 Antuoshan 6th Road, Futian District, Shenzhen, 518043, P.R.C.
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】王 健▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】李 泉明
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼ 廷裕
(72)【発明者】
【氏名】汪 一波
【審査官】津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-005012(JP,U)
【文献】特開2017-093207(JP,A)
【文献】特開2016-144391(JP,A)
【文献】国際公開第2018/016267(WO,A1)
【文献】特開2018-085842(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0133222(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 9/19
H02K 5/20
H02K 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータコアであって、前記ステータコアは樽形であり、円周方向に連続的に接続された第1のセグメント、第3のセグメント、第2のセグメント、および第4のセグメントを備え、前記第1のセグメントは前記第2のセグメントの反対側にあり、
前記ステータコアの軸方向に延在し、前記ステータコアを通過するコイル冷却油通路溝が、前記第1のセグメントの外壁上に配設され、
前記ステータコアの前記軸方向に延在し、前記ステータコアを通過する油戻り溝が、前記第2のセグメントの外壁上に配設され、
前記ステータコアの前記円周方向に延在するコア冷却油通路溝が、前記第3のセグメントの外壁上に配設され、油入口領域が、前記第3のセグメントの前記コア冷却油通路溝の端部であって前記第2のセグメントに近い端部に配設され、前記油入口領域は、油入口
に対向する位置にあり、前記第3のセグメントの前記コア冷却油通路溝の端部であって前記第1のセグメントに近い端部が、油通過ポートを介して前記コイル冷却油通路溝に接続され、第1の方向において、前記油入口領域と前記油戻り溝との間の距離が、前記油通過ポートと前記油戻り溝との間の距離よりも小さく、前記第1の方向は、前記ステータコアが使用中のときに存在している重力方向であり、
前記ステータコアの前記円周方向に延在するコア冷却油通路溝またはコア油戻り通路溝が、前記第4のセグメントの外壁上に配設され、前記コア冷却油通路溝が前記第4のセグメントの前記外壁上に配設されたときは、油入口領域が、前記第4のセグメントの前記コア冷却油通路溝の端部であって前記第2のセグメントに近い端部に配設され、前記油入口領域は、前記油入口
に対向する位置にあり、前記第4のセグメントの前記コア冷却油通路溝の端部であって前記第1のセグメントに近い端部が、前記油通過ポートを介して前記コイル冷却油通路溝に接続され、前記第1の方向において、前記油入口と前記油戻り溝との間の距離が、前記油通過ポートと前記油戻り溝との間の距離よりも小さく、または前記コア油戻り通路溝が前記第4のセグメントの前記外壁上に配設されたときは、前記コア油戻り通路溝の端部であって前記第2のセグメントに近い端部が、前記油戻り溝に接続され、前記コア油戻り通路溝の端部であって前記第1のセグメントに近い端部が、前記コイル冷却油通路溝に接続される、ステータコア。
【請求項2】
前記ステータコアの前記軸方向に直角
なセクションに沿って、前記コイル冷却油通路溝の軸が、前記第1の方向において前記ステータコアの最も高い位置に配置された請求項
1に記載のステータコア。
【請求項3】
ステータコアを取り付けるために構成されたハウジングであって、前記ハウジングは、樽形内側キャビティを備え、前記ステータコアは、前記ハウジングの前記樽形内側キャビティ中に取り付けられ、前記ハウジングは、前記樽形内側キャビティの円周方向に連続的に接続された第1の部分、第3の部分、第2の部分、および第4の部分を備え、前記第1の部分は、前記第2の部分の反対側にあり、
前記樽形内側キャビティの軸方向に延在するコイル冷却油通路溝が、前記第1の部分の内壁上に配設され、
前記樽形内側キャビティの前記軸方向に延在する油戻り溝が、前記第2の部分の内壁上に配設され、
前記樽形内側キャビティの前記円周方向に延在するコア冷却油通路溝が、前記第3の部分の内壁上に配設され、油入口が、前記第3の部分の前記コア冷却油通路溝の端部であって前記第2の部分に近い端部に配設され、前記第3の部分の前記コア冷却油通路溝の端部であって前記第1の部分に近い端部が、油通過ポートを介して前記コイル冷却油通路溝に接続され、第1の方向において、前記油入口と前記油戻り溝との間の距離が、前記油通過ポートと前記油戻り溝との間の距離よりも小さく、前記第1の方向は、前記ハウジングが使用中のときに存在している重力方向であり、
前記樽形内側キャビティの前記円周方向に延在するコア冷却油通路溝またはコア油戻り通路溝が、前記第4の部分の内壁上に配設され、前記コア冷却油通路溝が前記第4の部分の前記内壁上に配設されたときは、前記油入口は、前記第4の部分の前記コア冷却油通路溝の端部であって前記第2の部分に近い端部に配設され、前記第4の部分の前記コア冷却油通路溝の端部であって前記第1の部分に近い端部が、前記油通過ポートを介して前記コイル冷却油通路溝に接続され、前記第1の方向において、前記油入口と前記油戻り溝との間の距離が、前記油通過ポートと前記油戻り溝との間の距離よりも小さく、または前記コア油戻り通路溝が前記第4の部分の前記内壁上に配設されたときは、前記コア油戻り通路溝の端部であって前記第2の部分に近い端部が、前記油戻り溝に接続され、前記コア油戻り通路溝の端部であって前記第1の部分に近い端部が、前記コイル冷却油通路溝に接続される、ハウジング。
【請求項4】
前記ステータコアは、前記ハウジングの前記樽形内側キャビティ中で締まりばめされた請求項
3に記載のハウジング。
【請求項5】
前記樽形内側キャビティの前記軸方向に直角
なセクションに沿って、前記コイル冷却油通路溝の軸が、前記第1の方向において前記樽形内側キャビティの最も高い位置に配置された請求項
3または4に記載のハウジング。
【請求項6】
電気車両のモーター冷却システムであって、請求項1
または2に記載のステータコアを備え、ハウジングおよびステータコイルをさらに備え、前記ステータコアは、前記ハウジング中に取り付けられ、前記ステータコアの内壁が、前記ステータコアの軸方向に延在する複数の歯部分を備え、前記歯部分は、間隔をおいて分散され、前記ステータコイルは、前記歯部分の周りに配設され、前記ステータコイルは、前記ステータコアの前記軸方向において前記ステータコアから突出する、電気車両のモーター冷却システム。
【請求項7】
レデューサ本体をさらに備え、レデューサ油通路が、前記レデューサ本体中に配設され、前記レデューサ油通路は、前記コア冷却油通路溝に接続されるか、または前記レデューサ油通路は、前記コイル冷却油通路溝に接続され、前記レデューサ油通路は、前記レデューサ本体の回転部材の動作領域に冷却油を噴霧するように構成された油出口を備える請求項
6に記載の電気車両のモーター冷却システム。
【請求項8】
前記レデューサ油通路は、曲げ部分を備え、前記曲げ部分は、複数の油出口を備え、各回転部材の動作領域が、前記油出口のうちの少なくとも1つに対応する請求項
7に記載の電気車両のモーター冷却システム。
【請求項9】
電気車両のモーター冷却システムであって、請求項
3乃至5のいずれか一項に記載のハウジングを備え、ステータコアおよびステータコイルをさらに備え、前記ステータコアは、前記ハウジング中に取り付けられ、前記ステータコアの内壁が、前記ステータコアの軸方向に延在する複数の歯部分を備え、前記歯部分は、間隔をおいて分散され、前記ステータコイルは、前記歯部分の周りに配設され、前記ステータコイルは、前記ステータコアの前記軸方向において前記ステータコアから突出する、電気車両のモーター冷却システム。
【請求項10】
レデューサ本体をさらに備え、レデューサ油通路が、前記レデューサ本体中に配設され、前記レデューサ油通路は、前記コア冷却油通路溝に接続されるか、または前記レデューサ油通路は、前記コイル冷却油通路溝に接続され、前記レデューサ油通路は、前記レデューサ本体の回転部材の動作領域に冷却油を噴霧するように構成された油出口を備える請求項
9に記載の電気車両のモーター冷却システム。
【請求項11】
前記レデューサ油通路は、曲げ部分を備え、前記曲げ部分は、複数の油出口を備え、各回転部材の動作領域が、前記油出口のうちの少なくとも1つに対応する請求項
10に記載の電気車両のモーター冷却システム。
【請求項12】
電気車両のモーター冷却システムであって、請求項1
または2に記載のステータコア、請求項
3乃至5のいずれか一項に記載のハウジング、およびステータコイルを備え、前記ステータコアは、前記ハウジング中に取り付けられ、前記ステータコアの内壁が、前記ステータコアの軸方向に延在する複数の歯部分を備え、前記歯部分は、間隔をおいて分散され、前記ステータコイルは、前記歯部分の周りに配設され、前記ステータコイルは、前記ステータコアの前記軸方向において前記ステータコアから突出する、電気車両のモーター冷却システム。
【請求項13】
レデューサ本体をさらに備え、レデューサ油通路が、前記レデューサ本体中に配設され、前記レデューサ油通路は、前記コア冷却油通路溝に接続されるか、または前記レデューサ油通路は、前記コイル冷却油通路溝に接続され、前記レデューサ油通路は、前記レデューサ本体の回転部材の動作領域に冷却油を噴霧するように構成された油出口を備える請求項
12に記載の電気車両のモーター冷却システム。
【請求項14】
前記レデューサ油通路は、曲げ部分を備え、前記曲げ部分は、複数の油出口を備え、各回転部材の動作領域が、前記油出口のうちの少なくとも1つに対応する請求項
13に記載の電気車両のモーター冷却システム。
【請求項15】
電気車両であって、請求項
6乃至13のいずれか一項に記載のモーター冷却システムを備え、前記
モーター冷却システム中の前記ステータコアは、前記電気車両のモーターに属し、前記電気車両は、バッテリーをさらに備え、前記バッテリーは、動作するように前記モーターを駆動するために前記モーターに電気的に接続され、前記モーターは、動作するように前記電気車両を駆動するように構成された、電気車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、モーター車両デバイス技術の分野に関し、詳細には、ステータコア、ハウジング、電気車両のモーター冷却システム、および電気車両に関する。
【背景技術】
【0003】
電気車両の発展とともに、それらのパワートレイン中のモーターの小型化の要件が高まっている。特に、モーターのパワー密度は、現在の5.7kW/Lから50kW/Lに増加される必要がある。パワー密度の増加とともに、モーターの熱放散効率を改善することが、喫緊に解決される必要がある技術的課題となっている。
【0004】
現在の技術では、モーターの熱を放散するために水冷熱放散技術が通常使用される。しかしながら、水冷熱放散のパワー密度は比較的低く、冷却水は絶縁を有しないので冷却水はモーターアセンブリと直接接触することができず、水冷リンクの比較的高い熱抵抗が生じることになる。加えて、水冷技術は、モーター構成要素の比較的高い構造的精度を要する。上記の課題を克服するために、油冷熱放散技術を使用してモーターの熱を放散することがある。現在の技術において使用される油冷熱放散技術では、モーターの中にある、ステータコアの熱放散のためのフロー通路と、ステータコイルの端部部分とは、並列処理方式になっている。具体的には、油ポンプによってポンピングされた冷却油の一部は、ステータコアの熱を放散するために使用され、油ポンプによってポンピングされた冷却油の一部は、ステータコイルの端部部分の熱を放散するために使用され、その結果、冷却油の両方の部分のフロー量が比較的小さくなり、冷却効果が比較的悪くなる。加えて、現在の技術では、冷却油は、通常、油ポンプを使用することによって比較的高い位置にポンピングされ、油出口から流出した冷却油は、重力によって下に流れ、それにより、一様でない油量の供給が容易に引き起こされる。異なる領域における冷却効果は異なり、これは、局所的な過熱を容易にもたらす。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、電気車両のモーター冷却通路の油フロー量を増加させ、冷却システムの冷却効率を改善するための、ステータコア、ハウジング、電気車両のモーター冷却システム、および電気車両を提供する。
【0006】
第1の態様によれば、本出願はステータコアを提供し、ステータコアは、樽形のステータコアであり、円周方向に連続的に接続された第1のセグメント、第3のセグメント、第2のセグメント、および第4のセグメントを含み、第1のセグメントおよび第2のセグメントは、反対方向に配設され、第3のセグメントおよび第4のセグメントは、第1のセグメントと第2のセグメントとの間で別々に接続される。第1のセグメントの外壁は、コイル冷却油通路溝を含む。コイル冷却油通路溝は、ステータコアの軸方向に延在し、ステータコアを通過し、したがって、冷却油は、ステータコアの2つの端部から流出してステータコアの端部部分を冷却し得る。第2のセグメントの外壁は、油戻り溝を含む。油戻り溝も、ステータコアの軸方向に延在し、ステータコアを通過し、したがって、油戻り溝に流入する冷却油は、再循環のために収集され得る。第3のセグメントの外壁は、コア冷却油通路溝を含む。コア冷却油通路溝は、ステータコアの円周方向に延在する。コア冷却油通路溝の端部であって第2のセグメントに近い端部に油入口領域があり、油入口領域は、油入口の反対側にある。コア冷却油通路溝の端部であって第1のセグメントに近い端部に油通過ポートがある。コア冷却油通路溝は、油通過ポートを介してコイル冷却油通路溝に接続され、したがって、冷却油は、コア冷却油通路溝からコイル冷却油通路溝に流れ得る。第1の方向において、油入口領域と油戻り溝との間の距離は、油通過ポートと油戻り溝との間の距離よりも小さく、第1の方向は、冷却システムが使用中のときに存在している重力方向である。言い換えれば、モーター冷却システムが使用中のとき、油入口は、油通過ポートよりも油戻り溝に近く、油戻り溝は、冷却システムの低い位置に配置される。第4のセグメントの外壁も、コア冷却油通路溝を含む。コア冷却油通路溝は、ステータコアの円周方向に延在する。コア冷却油通路溝の端部であって第2のセグメントに近い端部に油入口領域があり、油入口領域は、油入口の反対側にある。コア冷却油通路溝の端部であって第1のセグメントに近い端部に油通過ポートがある。コア冷却油通路溝は、油通過ポートを介してコイル冷却油通路溝に接続され、したがって、冷却油は、コア冷却油通路溝からコイル冷却油通路溝に流れ得る。この実施形態では、2つのコア冷却油通路溝を通って流れる冷却油は両方とも、コイル冷却油通路溝に入り、したがって、コイル冷却油通路に入る冷却油の量が増加されることが可能であり、冷却効果が改善されることが可能である。
【0007】
したがって、ステータコアを含む冷却システムでは、ステータコアはハウジング中に取り付けられ、したがって、ハウジングの内壁とステータコアの外壁は互いに嵌合して、コア冷却油通路およびコイル冷却油通路を形成する。冷却油は、油入口からコア冷却油通路に入り、次いで、パワー装置の駆動の下でコア冷却油通路に沿って上方へ油通過ポートに流れ、コイル冷却油通路に入り、次いで、コイル冷却油通路の第1の油出口から排出され、油戻り溝に戻って落ちて、次の冷却サイクルを容易にする。冷却システムでは、コア冷却油通路とコイル冷却油通路の両方において冷却油のより大きい油フロー量がある。したがって、冷却システムは、より高い熱伝達係数およびより高い冷却効率を有する。
【0008】
別の技術的解決策では、第4のセグメントの外壁は、コア油戻り通路溝を含む。コア油戻り通路溝の端部であって第2のセグメントに近い端部が、油戻り溝に接続され、コア油戻り通路溝の端部であって第1のセグメントに近い端部が、コイル冷却油通路溝に接続される。この技術的解決策では、コア油戻り通路溝およびコア冷却油通路溝は、油戻り溝の2つの側に配置される。冷却油は、油入口からコア冷却油通路溝に入り、コア冷却油通路溝に沿ってコイル冷却油通路溝に流れ、次いで、コア油戻り通路溝に流れる。コア油戻り通路溝に入る冷却油は、循環のために油戻り溝に戻って流れる。この実施形態では、ただ1つの油入口が配設されてよく、それにより、比較的単純な構造を達成する。加えて、すべての冷却油は、最初に、コア冷却油通路溝に入り、油の一部は、コア油戻り通路溝に入り、したがって、ステータコアを冷却するための冷却油のより大きい量がある。したがって、ステータコアへの冷却効果が改善されることが可能である。
【0009】
特定の技術的解決策では、ステータコアは、ハウジングの樽形内側キャビティ中で締まりばめされ、したがって、ハウジングの内壁は、ステータコアの外壁を包み込む。加えて、ハウジングの内壁は、ステータコアの外壁上にあるコイル冷却油通路溝、油戻り溝、およびコア冷却油通路溝で閉じられ、上記の溝の開口を密にカバーして、コイル冷却油通路、油戻り通路、およびコア冷却油通路を形成する。この実施形態では、モーター冷却システムは、溝がステータコアの外壁上に作られることのみを要求し、製造処理は比較的単純である。加えて、ステータコアのより大きい剛性は、コア冷却油通路の構造に、より多くの安定性をもたらす。この実施形態では、冷却油はまた、ステータコアと直接接触して、より良い冷却効果を達成し得る。
【0010】
任意選択の技術的解決策では、ステータコアのセクションであって油入口領域を通過し、ステータコアの軸方向に直角であるセクション上で、油戻り溝の軸と油入口領域との間の円周距離L1、およびステータコアの外側円周Lは、L1≦1/8Lを満たす。この技術的解決策では、コア冷却油通路の油入口は油戻り溝に近く、油戻り溝は、使用中のときに冷却システムの下部に配置される。したがって、油入口は、冷却システムの下部に配置され、油戻り溝に近く、したがって、冷却油は、冷却システムの下部から冷却システムに入り、上方へ油通過ポートに動く。このようにして、ステータコアのためのより長い冷却経路があり、それは、冷却効率を改善するのに役立つ。
【0011】
別の任意選択の技術的解決策では、ステータコアのセクションであって油通過ポートを通過し、ステータコアの軸方向に直角であるセクション上で、油戻り溝の軸と油通過ポートとの間の円周距離L2、およびステータコアの外側円周Lは、L2≧3/8Lを満たす。この技術的解決策では、コア冷却油通路の油通過ポートは油戻り溝から遠く離れており、油戻り溝は、使用中のときに冷却システムの下部に配置される。したがって、油通過ポートは、冷却システムの上部に配置される。冷却油は、冷却システムの下部から冷却システムに入り、パワー装置によって提供されるパワーで上部における油通過ポートに上方へ動く。このようにして、より長く延びる経路があり、それにより、ステータコアに対するより良い熱放散効果を達成する。
【0012】
さらに別の任意選択の技術的解決策では、ステータコアの軸方向に直角なセクションに沿って、コア冷却油通路溝の凸部の合計円周長さL3、およびステータコアの外側円周Lは、L3≧9/10Lを満たす。この技術的解決策では、コア冷却油通路は、ステータコアの円周側上の領域の少なくとも9/10をカバーし、それにより、ステータコアに対するより良い熱放散効果を達成する。
【0013】
任意選択の技術的解決策では、ステータコアの軸方向に直角なセクションに沿って、コイル冷却油通路溝の軸は、第1の方向においてステータコアの最も高い位置に配置される。この技術的解決策では、コア冷却油通路溝は、コイル冷却油通路溝の2つの側に配設されてよく、2つの側に配設されたコア冷却油通路溝の経路長さは、比較的近く、したがって、ステータコア冷却の均一性が増加されることが可能である。
【0014】
第2の態様によれば、本出願はハウジングを提供し、ハウジングは、樽形内側キャビティを有し、樽形ステータコアは、樽形内側キャビティ中に取り付けられ、ハウジングは、円周方向に連続的に接続された第1の部分、第3の部分、第2の部分、および第4の部分を含み、第1の部分および第2の部分は、反対方向に配設され、第3の部分および第4の部分は、第1の部分と第2の部分との間で別々に接続される。第1の部分の外壁は、コイル冷却油通路溝を含む。コイル冷却油通路溝は、樽形内側キャビティの軸方向に延在し、したがって、冷却油は、ステータコアの2つの端部から流出してステータコアの端部部分を冷却し得る。第2の部分の内壁は、油戻り溝を含む。油戻り溝はまた、ステータコアの軸方向に延在し、ステータコアを通過し、したがって、油戻り溝に流入する冷却油は、再循環のために収集され得る。第3の部分の内壁は、コア冷却油通路溝を含む。コア冷却油通路溝は、ステータコアの円周方向に延在する。コア冷却油通路溝の端部であって第2の部分に近い端部に油入口がある。コア冷却油通路溝の端部であって第1の部分に近い端部に油通過ポートがある。コア冷却油通路溝は、油通過ポートを介してコイル冷却油通路溝に接続され、したがって、冷却油は、コア冷却油通路溝からコイル冷却油通路溝に流れ得る。第1の方向において、油入口領域と油戻り溝との間の距離は、油通過ポートと油戻り溝との間の距離よりも小さく、第1の方向は、冷却システムが使用中のときに存在している重力方向である。言い換えれば、モーター冷却システムが使用中のとき、油入口は、油通過ポートよりも油戻り溝に近く、油戻り溝は、冷却システムの低い位置に配置される。第4の部分の内壁も、コア冷却油通路溝を含む。コア冷却油通路溝は、ステータコアの円周方向に延在する。コア冷却油通路溝の端部であって第2の部分に近い端部に油入口領域があり、油入口領域は、油入口の反対側にある。コア冷却油通路溝の端部であって第1の部分に近い端部に油通過ポートがある。コア冷却油通路溝は、油通過ポートを介してコイル冷却油通路溝に接続され、したがって、冷却油は、コア冷却油通路溝からコイル冷却油通路溝に流れ得る。この実施形態では、2つのコア冷却油通路溝を通って流れる冷却油は両方とも、コイル冷却油通路溝に入り、したがって、コイル冷却油通路に入る冷却油の量が増加されることが可能であり、冷却効果が改善されることが可能である。
【0015】
したがって、ハウジングを含む冷却システムでは、ステータコアはハウジング中に取り付けられ、したがって、ハウジングの内壁とステータコアの外壁は互いに嵌合して、コア冷却油通路およびコイル冷却油通路を形成する。冷却油は、油入口からコア冷却油通路に入り、次いで、パワー装置の駆動の下でコア冷却油通路に沿って上方へ油通過ポートに流れ、コイル冷却油通路に入り、次いで、コイル冷却油通路の第1の油出口から排出され、油戻り溝に戻って落ちて、次の冷却サイクルを容易にする。冷却システムでは、コア冷却油通路とコイル冷却油通路の両方において冷却油のより大きい油フロー量がある。したがって、冷却システムは、より高い熱伝達係数およびより高い冷却効率を有する。
【0016】
別の技術的解決策では、第4の部分の内壁は、コア油戻り通路溝を含む。コア油戻り通路溝の端部であって第2の部分に近い端部が、油戻り溝に接続され、コア油戻り通路溝の端部であって第1の部分に近い端部が、コイル冷却油通路溝に接続される。この技術的解決策では、コア油戻り通路溝およびコア冷却油通路溝は、油戻り溝の2つの側に配置される。冷却油は、油入口からコア冷却油通路溝に入り、コア冷却油通路溝に沿ってコイル冷却油通路溝に流れ、次いで、コア油戻り通路溝に流れる。コア油戻り通路溝に入る冷却油は、循環のために油戻り溝に戻って流れる。この実施形態では、ただ1つの油入口が配設されてよく、それにより、比較的単純な構造を達成する。加えて、すべての冷却油は、最初に、コア冷却油通路溝に入り、油の一部は、コア油戻り通路溝に入り、したがって、ステータコアを冷却するための冷却油のより大きい量がある。したがって、ステータコアへの冷却効果が改善されることが可能である。
【0017】
特定の実施形態では、ステータコアは、ハウジングの樽形内側キャビティ中で締まりばめされ、したがって、ハウジングの内壁は、ステータコアの外壁を包み込む。加えて、ステータコアの外壁は、ハウジングの内壁上にあるコイル冷却油通路溝、油戻り溝、およびコア冷却油通路溝で閉じられ、上記の溝の開口を密にカバーして、コイル冷却油通路、油戻り通路、およびコア冷却油通路を形成する。この実施形態では、モーター冷却システムは、溝がハウジングの内壁上に作られることのみを要求し、製造処理は比較的単純である。加えて、ハウジングのより大きい剛性は、コア冷却油通路の構造に、より多くの安定性をもたらす。この実施形態では、冷却油はまた、ステータコアと直接接触して、より良い冷却効果を達成し得る。
【0018】
任意選択の技術的解決策では、樽形内側キャビティのセクションであって油入口を通過し、樽形内側キャビティの軸方向に直角であるセクション上で、油戻り溝の軸と油入口との間の円周距離L1、および樽形内側キャビティの内側円周Lは、L1≦1/8Lを満たす。この技術的解決策では、コア冷却油通路の油入口は油戻り溝に近く、油戻り溝は、使用中のときに冷却システムの下部に配置される。したがって、油入口は、冷却システムの下部に配置され、油戻り溝に近く、したがって、冷却油は、冷却システムの下部から冷却システムに入り、上方へ油通過ポートに動く。このようにして、ステータコアのためのより長い冷却経路があり、それは、冷却効率を改善するのに役立つ。
【0019】
別の任意選択の技術的解決策では、樽形内側キャビティのセクションであって油通過ポートを通過し、樽形内側キャビティの軸方向に直角であるセクション上で、油戻り溝の軸と油通過ポートとの間の円周距離L2、および樽形内側キャビティの内側円周Lは、L2≧3/8Lを満たす。この技術的解決策では、コア冷却油通路の油通過ポートは油戻り溝から遠く離れており、油戻り溝は、使用中のときに冷却システムの下部に配置される。したがって、油通過ポートは、冷却システムの上部に配置される。冷却油は、冷却システムの下部から冷却システムに入り、パワー装置によって提供されるパワーで上部における油通過ポートに上方へ動く。このようにして、より長く延びる経路があり、それにより、ステータコアに対するより良い熱放散効果を達成する。
【0020】
さらに別の任意選択の技術的解決策では、樽形内側キャビティの軸方向に直角なセクションに沿って、コア冷却油通路溝の凸部の合計円周長さL3、およびステータコアの内側円周Lは、L3≧9/10Lを満たす。この技術的解決策では、コア冷却油通路溝は、ステータコアの円周側上の領域の少なくとも9/10をカバーし、それにより、ステータコアに対するより良い熱放散効果を達成する。
【0021】
任意選択の技術的解決策では、樽形内側キャビティの軸方向に直角なセクションに沿って、コイル冷却油通路溝の軸は、第1の方向においてステータコアの最も高い位置に配置される。この技術的解決策では、コア冷却油通路溝は、コイル冷却油通路溝の2つの側に配設されてよく、2つの側に配設されたコア冷却油通路溝の経路長さは、比較的近く、したがって、ステータコア冷却の均一性が増加されることが可能である。
【0022】
第3の態様によれば、本出願は、電気車両のモーター冷却システムを提供する。冷却システムは、第1の態様におけるステータコアを含み、ステータコアの外壁は、溝を含み、冷却システムは、ハウジングおよびステータコイルをさらに含み、ステータコアは、ハウジング中に取り付けられる。ステータコアの外壁およびハウジングの内壁上にあるコイル冷却油通路溝、油戻り溝、コア冷却油通路溝、およびコア油戻り通路溝は、互いに嵌合して、コイル冷却油通路、油戻り通路、コア冷却油通路、およびコア油戻り通路を形成する。ステータコイルはステータコアに取り付けられる。特に、ステータコアは、ステータコアの軸方向に延在する複数の歯部分を含む。歯部分は、間隔をおいて分散され、溝部が、2つの隣接する歯部分の間に形成され、ステータコイルは、歯部分の周りに配設される。ステータコイルは、ステータコアの軸方向にあり、ステータコイルの端部部分が、ステータコアから突出する。この場合、コイル冷却油通路中に配置された第1の油出口から流出する冷却油は、ステータコイルの端部部分に噴霧されて、ステータコイルが冷却され得る。特に、パワー装置によって駆動されて、冷却油は、最初に、油入口からコア冷却油通路に入り、次いで、油通過ポートを通ってコイル冷却油通路に入る。コア冷却油通路とステータ冷却油通路の両方において冷却油のより大きいフロー量がある。冷却油は、ステータコアおよびステータコイルを冷却するために十分に利用され得る。したがって、冷却システムは、より高い熱伝達係数を有し、モーターは、より高い熱放散効率を達成する。冷却油は、油入口からコア冷却油通路に入り、次いで、コア冷却油通路に沿って上方へ油通過ポートに流れ、コイル冷却油通路に入り、次いで、第1の油出口から排出される。冷却油は、ステータコイルの端部部分を冷却した後に油戻り溝に戻って落ちて、次の冷却サイクルを容易にする。冷却システムは、最初に、ステータコアを冷却し、次いで、ステータコイルの端部部分を冷却し、したがって、ステータとコイルの端部部分の両方を冷却するための冷却油のより大きい油フロー量がある。したがって、冷却システムは、より高い熱伝達係数およびより高い冷却効率を有する。
【0023】
さらなる技術解決策では、コイル冷却油通路の第1の油出口は、第1の方向においてステータコイルの端部部分よりも高い。言い換えれば、冷却システムが使用中のとき、第1の油出口から流出する冷却油は、重力の作用の下でステータコアの端部部分を通って直接流れ、それにより、ステータコアを冷却し、冷却システムの構造を簡略化し得る。
【0024】
さらなる技術解決策では、冷却システムは、レデューサ本体およびレデューサ油通路をさらに含む。レデューサ油通路は、コア冷却油通路に接続され得るか、またはコイル冷却油通路に接続され得る。レデューサ油通路は、第2の油出口を含む。したがって、ステータコアを冷却した後に、冷却油は、レデューサ本体の回転部材の動作領域に噴霧するために使用され得る。特に、回転部材の動作領域は、ベアリングが配置された領域およびギアかみ合い部分を含む。したがって、レデューサ本体の中にある、ベアリングおよびギアかみ合い部分の冷却および潤滑が実装される。この技術的解決策では、レデューサ本体のために油ループを別々に配設する必要がなく、それにより、冷却システムの構造が簡略化され、さらに、冷却システム中の冷却油の利用が改善されることが可能である。
【0025】
さらなる技術解決策では、レデューサ油通路は、曲げ部分を含み、曲げ部分は、ハウジング内のキャビティ中に配置される。曲げ部分は、複数の第2の油出口を含み、曲げ部分は、各回転部材の動作領域が、少なくとも1つの第2の油出口の反対側になるように、レデューサ本体の構造レイアウトに従って曲げられ得る。このようにして、第2の油出口からの冷却油は、ギアかみ合い部分またはベアリングの回転部分の方へ直接噴霧して、レデューサ本体中の回転部材の動作領域の、冷却システムによって実施される噴霧効果を改善し、冷却および潤滑を改善することが可能である。
【0026】
さらなる技術解決策では、冷却システムは、油冷熱交換器をさらに含む。油冷熱交換器は、油戻り溝に接続され、したがって、油戻り溝に戻って流れる冷却油は、冷却のために油冷熱交換器に入ることができる。このようにして、冷却油は、比較的低い温度に保たれ、冷却システムの冷却効果が改善される。
【0027】
さらなる技術解決策では、冷却システムは、フィルタをさらに含む。フィルタは、油戻り溝に接続され、したがって、油戻り溝に戻って流れる冷却油は、フィルタ処理のためにフィルタに入ることができる。このようにして、冷却油は、比較的清浄な状態に保たれる。これは、モーター本体の部品および構成要素ならびにレデューサ本体の部品および構成要素を清浄に保ち、油通路妨害を低減するのに役立ち、したがって、冷却システムの冷却効果を維持するのに役立つ。
【0028】
さらなる技術解決策では、油冷熱交換器およびフィルタは、一体構造として一体化され、それにより、冷却システムの一体化が改善されることが可能であり、より小さい空間が占有される。
【0029】
本出願の任意選択の技術的解決策では、冷却システムは、油入口通路をさらに含む。油入口通路は、コア冷却油通路に接続され、したがって、冷却油は、油入口通路を通ってコア冷却油通路に入る。油入口通路は、油戻り溝に対して平行である。この構造は、冷却システムの構造的一体化を改善することができる。
【0030】
本出願のさらなる技術解決策では、冷却システムは、油案内溝をさらに含む。油案内溝は、ステータコイルの端部部分に噴霧される冷却油の一部をモーター本体のベアリングに案内して、ベアリングを冷却および潤滑化し、それにより、ベアリングの動作効果を改善する。
【0031】
第4の態様によれば、本出願は、電気車両の別のモーター冷却システムを提供する。冷却システムは、第2の態様におけるハウジングを含み、ハウジングの内壁は、溝を含み、冷却システムは、ステータコアおよびステータコイルをさらに含み、ステータコアは、ハウジング中に取り付けられる。ハウジングの内壁およびステータコアの外壁上にあるコイル冷却油通路溝、油戻り溝、コア冷却油通路溝、およびコア油戻り通路溝は、互いに嵌合して、コイル冷却油通路、油戻り通路、コア冷却油通路、およびコア油戻り通路を形成する。ステータコイルはステータコアに取り付けられる。特に、ステータコアは、ステータコアの軸方向に延在する複数の歯部分を含む。歯部分は、間隔をおいて分散され、溝部が、2つの隣接する歯部分の間に形成され、ステータコイルは、歯部分の周りに配設される。ステータコイルは、ステータコアの軸方向にあり、ステータコイルの端部部分が、ステータコアから突出する。この場合、コイル冷却油通路中に配置された第1の油出口から流出する冷却油は、ステータコイルの端部部分に噴霧されて、ステータコイルが冷却され得る。特に、パワー装置によって駆動されて、冷却油は、最初に、油入口からコア冷却油通路に入り、次いで、油通過ポートを通ってコイル冷却油通路に入る。コア冷却油通路とステータ冷却油通路の両方において冷却油のより大きいフロー量がある。冷却油は、ステータコアおよびステータコイルを冷却するために十分に利用され得る。したがって、冷却システムは、より高い熱伝達係数を有し、モーターは、より高い熱放散効率を達成する。冷却油は、油入口からコア冷却油通路に入り、次いで、コア冷却油通路に沿って上方へ油通過ポートに流れ、コイル冷却油通路に入り、次いで、第1の油出口から排出される。冷却油は、ステータコイルの端部部分を冷却した後に油戻り溝に戻って落ちて、次の冷却サイクルを容易にする。冷却システムは、最初に、ステータコアを冷却し、次いで、ステータコイルの端部部分を冷却し、したがって、ステータとコイルの端部部分の両方を冷却するための冷却油のより大きい油フロー量がある。したがって、冷却システムは、より高い熱伝達係数およびより高い冷却効率を有する。
【0032】
第5の態様によれば、本出願は、電気車両の別のモーター冷却システムを提供する。冷却システムは、第1の態様におけるステータコアおよび第2の態様におけるハウジングを含む。具体的には、ステータコアの外壁は溝を含み、ハウジングの内壁も溝を含む。特に、ステータコアの外壁上の溝は、ハウジングの内壁上の溝の反対側にあり得るか、またはステータコアの外壁上の溝およびハウジングの内壁上の溝は、スタッガされ得る。冷却システムは、ステータコイルをさらに含む。ステータコアは、ハウジング中に取り付けられて、コイル冷却油通路、油戻り通路、コア冷却油通路、およびコア油戻り通路を形成する。ステータコイルはステータコアに取り付けられる。特に、ステータコアは、ステータコアの軸方向に延在する複数の歯部分を含む。歯部分は、間隔をおいて分散され、溝部が、2つの隣接する歯部分の間に形成され、ステータコイルは、歯部分の周りに配設される。ステータコイルは、ステータコアの軸方向にあり、ステータコイルの端部部分が、ステータコアから突出する。この場合、コイル冷却油通路中に配置された第1の油出口から流出する冷却油は、ステータコイルの端部部分に噴霧されて、ステータコイルが冷却され得る。特に、パワー装置によって駆動されて、冷却油は、最初に、油入口からコア冷却油通路に入り、次いで、油通過ポートを通ってコイル冷却油通路に入る。コア冷却油通路とステータ冷却油通路の両方において冷却油のより大きいフロー量がある。冷却油は、ステータコアおよびステータコイルを冷却するために十分に利用され得る。したがって、冷却システムは、より高い熱伝達係数を有し、モーターは、より高い熱放散効率を達成する。冷却油は、油入口からコア冷却油通路に入り、次いで、コア冷却油通路に沿って上方へ油通過ポートに流れ、コイル冷却油通路に入り、次いで、第1の油出口から排出される。冷却油は、ステータコイルの端部部分を冷却した後に油戻り溝に戻って落ちて、次の冷却サイクルを容易にする。冷却システムは、最初に、ステータコアを冷却し、次いで、ステータコイルの端部部分を冷却し、したがって、ステータとコイルの端部部分の両方を冷却するための冷却油のより大きい油フロー量がある。したがって、冷却システムは、より高い熱伝達係数およびより高い冷却効率を有する。
【0033】
第6の態様によれば、本出願は、電気車両を提供する。電気車両は、上記の技術的解決策のいずれか1つにおけるモーター冷却システムを含む。電気車両は、モーターおよびバッテリーを含む。バッテリーは、動作するようにモーターを駆動するためにモーターに電気的に接続される。モーターが動作するとき、電気車両は、動作するように駆動されることが可能である。上記のモーター冷却システム中のステータコアは、電気車両のモーターに属し、モーター冷却システムによって実施されるステータコアの冷却は、電気車両のモーターの冷却である。したがって、電気車両のモーターに対するより良い冷却効果が達成され、これは、電気車両の運動効率を改善し、電気車両の耐用年数を延長するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本出願の実施形態による冷却システム中の冷却油のフロー経路の概略図である。
【
図2】本出願の実施形態によるステータコアの概略構造図である。
【
図3】本出願の実施形態によるステータコアの別の概略構造図である。
【
図4】本出願の実施形態によるステータコアおよびコアコイルの概略構造図である。
【
図5】本出願の実施形態によるステータコアの別の概略構造図である。
【
図6】本出願の実施形態による冷却システムの概略断面構造図である。
【
図7】本出願の実施形態による冷却システムの別の概略断面構造図である。
【
図8】本出願の実施形態による冷却システムの概略構造図である。
【
図9】本出願の実施形態による冷却システムの概略部分図である。
【
図10】本出願の実施形態による冷却システムの別の概略部分図である。
【
図11】本出願の実施形態による冷却システムの概略部分図である。
【
図12】本出願の実施形態による冷却システムの別の概略部分図である。
【
図13】本出願の実施形態による冷却システムの別の概略部分図である。
【
図14】本出願の実施形態による冷却システムの別の概略部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
添付の図面中の参照符号は以下の通りである。
1:ハウジング、11:第1の部分、
111:コイル冷却油通路溝、12:第2の部分、
121:油戻り溝、13:第3の部分、
131:コア冷却油通路溝、14:第4の部分、
141:コア冷却油通路溝、142:コア油戻り通路溝、
2:ステータコア、21:第1のセグメント、
211:コイル冷却油通路溝、22:第2のセグメント、
221:油戻り溝、23:第3のセグメント、
231:コア冷却油通路溝、2311:油入口領域、
24:第4のセグメント、241:コア冷却油通路溝、
2411:油入口領域、242:コア油戻り通路溝、
3:ステータコイル、31:ステータコイルの端部部分、
4:パワー装置、5:コア冷却油通路、
5’:コア油戻り通路、501:油入口、
502:油通過ポート、503:第1の油通路、
504:第2の油通路、6:コイル冷却油通路、
601:第1の油出口、7:油戻り通路、
8:レデューサ本体、801:ベアリング、
802:ギアかみ合い部分、803:レデューサ油通路、
8031:第2の油出口、8032:第1の油通路部分、
8033:曲げ部分、9:モーター本体、
901:回転シャフト、902:ロータ、
903:ステータ、904:モーター本体のベアリング、
10:油プール、11:油冷熱交換器、
12:フィルタ、13:油入口通路、
14:油入口パイプ、141:油入口パイプ分岐、および
15:油案内溝
【0036】
本出願の目的、技術的解決策、および利点をより明らかにするために、以下で、添付の図面を参照しながら本出願について詳細にさらに説明する。
【0037】
以下の実施形態において使用される用語は、特定の実施形態について説明するためにすぎず、本出願を限定することを意図されていない。本出願の本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるとき、「one」、「a」、「the」、「the above」、「the」および「this」という単数形の表現は、それがそれの文脈において明確に反対に指示されない限り、「1つまたは複数の」などの表現を含むことも意図されている。
【0038】
本明細書に記載される「実施形態」、「いくつかの実施形態」などへの言及は、本出願の1つまたは複数の実施形態が、これらの1つまたは複数の実施形態に関して説明される特定の特徴、構造、または特性を含むことを意味する。したがって、本明細書の様々な場所に現れる「実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、「いくつかの他の実施形態では」などの句は、必ずしもすべて同じ実施形態を参照していることを意味せず、むしろ、別の方式で別段に特に強調されない限り、「すべてではないが1つまたは複数の実施形態」を意味する。「含む」、「備える」、「有する」という用語、およびそれらの変形体はすべて、別の方式で別段に特に強調されない限り、「含むが、それらに限定されない」を意味する。
【0039】
本出願の実施形態で提供されるステータコア、ハウジング、電気車両のモーター冷却システム、および電気車両の理解を容易にするために、以下で、ステータコア、ハウジング、電気車両のモーター冷却システム、および電気車両の適用シナリオについて説明する。電気車両のモーター冷却システムは、電気車両のモーターによって生成された熱を放散することができる。大量の熱が、モーターの動作処理中に生成される。したがって、モーターの安定した動作およびより長い耐用年数を保証するための重要な方策は、有効な熱放散を維持することである。したがって、本出願は、電気車両のモーターの動作安定性を改善し、モーターの耐用年数を延長し、電気車両の耐用年数を延長するための、ステータコア、ハウジング、電気車両のモーター冷却システム、および電気車両を提供する。特に、冷却システムは、モーターのステータコアおよびステータコイルの端部部分を冷却するためのシステムのみを含み得るか、またはモーターに接続されたレデューサ本体の回転部材を潤滑化および冷却するためのシステムを含み得る。特に、レデューサ本体の回転部材は、かみ合いギアを含み、また、ベアリングを含む。本出願で提供される冷却システムは、油冷熱放散技術を使用する。冷却油は、最初に、モーター本体のステータコアの熱を放散するために使用され、次いで、ステータコイルの2つの端部に流れてステータコイルの端部部分の熱を放散する。したがって、ステータコアとステータコイルの端部部分の両方を通って流れる冷却油のより大きいフロー量があり、これは、冷却システムの熱伝達係数を増加させ、冷却システムの冷却効率を改善するのに役立つ。以下で、添付の図面を参照しながら冷却システムについて詳細に説明する。
【0040】
図1に示されているように、本出願の実施形態は、電気車両のモーター冷却システムを提供する。冷却システムはハウジング1を含み、ステータコア2およびステータコイル3はハウジング1中に配設される。詳細には、
図2および
図3を参照されたい。
図2は、本出願の実施形態によるステータコアの概略構造図であり、
図3は、本出願の実施形態によるステータコアの別の概略構造図である。ステータコア2は、樽形のステータコアであり、特に、丸い樽形のステータコアであり得る。
図4は、本出願の実施形態によるステータコアおよびコアコイルの概略構造図である。通常、ステータコア2は、ステータコア2の軸方向に延在する複数の歯部分を含む。歯部分は、ステータコア2の円周方向に間隔をおいて分散され、溝部が、2つの隣接する歯部分の間に形成され、ステータコイル3は、歯部分の周りに配設される。ステータコイル3の転流領域、すなわち、ステータコイルの端部部分31が、軸方向にステータコア2から突出する。
【0041】
依然として
図1、
図2、および
図3を参照されたい。樽形ステータコア2は、円周方向に4つのセグメントに分割され、これらの4つのセグメントは、個別に、連続的に接続された第1のセグメント21、第3のセグメント23、第2のセグメント22、および第4のセグメント24である。第1のセグメント21は、第2のセグメント22の反対側にあり、第3のセグメント23は、第1のセグメント21の第1の端部と第2のセグメント22の第1の端部との間に接続され、第4のセグメント24は、第1のセグメント21の第2の端部と第2のセグメント22の第2の端部との間に接続され、このようにして、第1のセグメント21、第3のセグメント23、第2のセグメント22、および第4のセグメント24は、樽形ステータコア2を形成する。第1のセグメント21の外壁は、コイル冷却油通路溝211を含む。コイル冷却油通路溝211は、ステータコア2の軸方向に延在し、ステータコア2を通過する。コイル冷却油通路溝211およびハウジング1の内壁は、互いに嵌合してコイル冷却油通路6を形成し、したがって、冷却油は、コイル冷却油通路6に沿って軸方向にステータコア2の2つの端部から流出して、軸方向におけるステータコア2の端部部分領域、たとえば、領域中に配置されたステータコイルの端部部分31を冷却し得る。第2のセグメント22の外壁は、油戻り溝221を含む。油戻り溝221は、ステータコア2の軸方向に延在し、ステータコア2を通過する。油戻り溝221およびハウジング1の内壁は、互いに嵌合して油戻り通路7を形成し、したがって、冷却油は、油戻り溝221に沿って軸方向にステータコアの2つの端部から流出して油貯蔵領域に流れ、次のサイクルを容易にし得る。第3のセグメント23の外壁は、コア冷却油通路溝231を含む。コア冷却油通路溝231は、ステータコア2の円周方向に延在し、コア冷却油通路溝231およびハウジング1の内壁は、互いに嵌合してコア冷却油通路5を形成する。この場合、冷却油はコア冷却油通路5中を流れ、ステータコア2の円周側が冷却され、それにより、ステータコア2が冷却されることが可能である。コア冷却油通路溝231の端部であって第2のセグメント22に近い端部に油入口領域2311があり、コア冷却油通路溝231の端部であって第1のセグメント21に近い端部に油通過ポート502がある。油入口領域2311は、コア冷却油通路5の油入口501の反対側にあり、油通過ポート502は、コイル冷却油通路溝211に接続され、したがって、コア冷却油通路溝231は、コイル冷却油通路溝211に接続される。冷却油は、コア冷却油通路5から油通過ポート502を通ってコイル冷却油通路6に流れ得、冷却油の通路は、直列に接続されることが可能である。このようにして、ステータコア2とステータコイルの端部部分31の両方を冷却するための冷却油のより大きい量がある。したがって、冷却システムは、より高い熱伝達係数およびより高い冷却効率を有する。第4のセグメント24の外壁はまた、コア冷却油通路溝241を含む。コア冷却油通路溝241は、ステータコア2の円周方向に延在する。コア冷却油通路溝241の端部であって第2のセグメント22に近い端部に油入口領域2411があり、コア冷却油通路溝241の端部であって第1のセグメント21に近い端部に油通過ポート502がある。油入口領域2411は、コア冷却油通路5の油入口501の反対側にあり、油通過ポート502は、コイル冷却油通路溝211に接続され、したがって、コア冷却油通路溝241は、コイル冷却油通路溝211に接続される。冷却油は、コア冷却油通路5から油通過ポート502を通ってコイル冷却油通路6に流れ得、冷却油の通路は、直列に接続されることが可能である。さらに、第1の方向において、油入口501と油戻り溝221との間の距離は、油通過ポート502と油戻り溝221との間の距離よりも小さく、したがって、冷却油は、油入口501から入り、コア冷却油通路5に沿って上方へ流れてステータコア2を冷却し、次いで、油通過ポート502からコイル冷却油通路6に入り、第1の方向は、冷却システムが使用中のときに存在している重力方向である。
【0042】
特定の実施形態では、油入口は、ステータコア中に配設され得るか、またはハウジング中に配設され得る。これは、本明細書では特に限定されず、製品構造に従って選択されてよい。
【0043】
特定の実施形態では、ステータコア2は、ハウジングの樽形内側キャビティ中で締まりばめされ、したがって、ハウジングの内壁は、ステータコア2の外壁を包み込む。加えて、ハウジングの内壁は、ステータコア2の外壁上にあるコイル冷却油通路溝211、油戻り溝221、およびコア冷却油通路溝231(241)で閉じられ、上記の溝の開口を密にカバーして、コイル冷却油通路6、油戻り通路、およびコア冷却油通路5を形成する。この実施形態では、モーター冷却システムは、溝がステータコア2の外壁上に作られることのみを要求し、製造処理は比較的単純である。加えて、ステータコア2のより大きい剛性は、コア冷却油通路5の構造に、より多くの安定性をもたらす。この実施形態では、冷却油はまた、ステータコア2と直接接触して、より良い冷却効果を達成し得る。
【0044】
依然として
図1を参照されたい。特に、冷却システムは、連続的に接続されたパワー装置4、コア冷却油通路5、およびコイル冷却油通路6を含む。冷却油が、パワー装置4によって提供されるパワーの下でコア冷却油通路5およびコイル冷却油通路6を通って流れた後に、冷却油は油戻り通路7に戻り、油戻り溝221は、冷却油を受け入れるように構成される。油戻り通路7は、パワー装置4に接続される。パワー装置4は、油戻り通路7に戻って流れる冷却油を、再びコア冷却油通路5に流れるように駆動して、冷却油の再循環を実装する。特に、コア冷却油通路5は、ステータコア2の円周側に配置され、ステータコア2の円周方向に延在する。特に、コア冷却油通路5は、ステータコア2とハウジング1との間に配置されてよく、ステータコア2を冷却するように構成される。コア冷却油通路5は、ステータコア2の円周側壁に沿って延在して、コイル冷却油通路6に接続する。コイル冷却油通路6は、ステータコアの軸方向に延在する。コア冷却油通路5は、油通過ポート502を介してコイル冷却油通路6に接続される。コア冷却油通路5中の冷却油は、油通過ポート502を通ってコイル冷却油通路6に入る。加えて、コア冷却油通路5は、油入口501を含み、冷却油は、循環のために油入口501を通ってコア冷却油通路5に入る。第1の方向において、油戻り通路7は、冷却システムのハウジング1中の低い位置に配置される。第1の方向は、冷却システムが使用中のときに存在している重力方向であり、したがって、油戻り通路7は、下部に配置され、それにより、動作後の冷却油の収集が容易になる。さらに、第1の方向において、油入口501と油戻り通路7との間の距離は、油通過ポート502と油戻り通路7との間の距離よりも小さく、したがって、冷却油は、油入口501から入り、コア冷却油通路5に沿って上方へ流れてステータコア2を冷却し、次いで、油通過ポート502を通ってコイル冷却油通路6に入る。コイル冷却油通路6は、第1の油出口601を含み、第1の油出口601は、ステータコア2の端部部分に配置される。冷却油は、第1の油出口601から排出され、ステータコイルの端部部分31に噴霧されてステータコイル3を冷却し、次いで、油戻り通路7に戻って落ちる。収集された後に、冷却油はリサイクルされることが可能である。本出願のこの実施形態における冷却システムでは、コア冷却油通路5およびコイル冷却油通路6は、連続的に接続され、それにより、冷却油のための通路の直列接続が実装される。このようにして、ステータコア2とステータコイルの端部部分31の両方を冷却するための冷却油のより大きい量がある。したがって、冷却システムは、より高い熱伝達係数およびより高い冷却効率を有する。加えて、本出願の技術的解決策では、冷却油は、パワー装置4の駆動力を使用することによって冷却油通路中を流れ、各冷却油通路において冷却油の比較的一様なフロー量があり、したがって、冷却効果も良好である。
【0045】
図1および
図3を参照されたい。この実装では、冷却システムは、2つのコア冷却油通路5を含む。2つのコア冷却油通路5は、油戻り通路7の2つの側に配置され、個別に、第1の油通路503および第2の油通路504である。第1の油通路503は、円周方向にステータコア2の一方の側に延在し、第2の油通路504は、円周方向にステータコア2の反対側に延在する。言い換えれば、ステータコア2の軸方向に直角なセクションに沿って、油戻り通路7の凸部とコイル冷却油通路6の凸部との間のラインは、第1の油通路503の凸部と第2の油通路504の凸部との間に配置される。第1の油通路503および第2の油通路504は、1つの油入口501をそれぞれ有する。
図3は、油入口501に対応している油入口領域2311および油入口領域2411を示している。この実施形態では、コア冷却油通路5は、2つの油入口501を含む。冷却油は、第1の油通路503の油入口501から第1の油通路503に入り、第1の油通路503に沿ってコイル冷却油通路6に流れる。冷却油はまた、第2の油通路504の油入口501から第2の油通路504に入り、第2の油通路504に沿ってコイル冷却油通路6に流れる。この実施形態では、両方のコア冷却油通路5に入る油が、コイル冷却油通路6中を流れ得る。したがって、コイル冷却油通路6において冷却油のより大きいフロー量があり、これは、ステータコイル3に対する冷却システムの冷却効果を改善するのに役立つ。
【0046】
特定の実施形態では、パワー装置は、ポンプであってよく、より具体的には、冷却システム内を流れる冷却油のためのパワーを提供するように構成された油ポンプまたは水ポンプであり得る。
【0047】
本出願における「特定の方向に延在する」は、構造の延在方向が特定の方向とほぼ一致することを意味し、「延在」方向におけるサイズは、通常、「延在」方向に直角なサイズよりもはるかに大きいことに留意されたい。したがって、本出願では、「コイル冷却油通路溝がステータコアの軸方向に延在する」ことは、コイル冷却油通路溝の延在方向がステータコアの軸方向とほぼ一致することを意味し、コイル冷却油通路溝の延在方向は、コアの軸方向からある程度偏位することがある。同様に、「コア冷却油通路溝がステータコアの円周方向に延在する」ことは、コア冷却油通路溝の延在方向がステータコアの円周方向とほぼ一致することを意味し、コア冷却油通路溝の延在方向は、ステータコアの円周方向からある程度偏位することがある。
【0048】
加えて、本出願におけるコイル冷却油通路溝は、通常、まっすぐな線形構造であるが、別の非線形構造として実装されてもよい。たとえば、曲げまたは回転がある程度まである。本出願におけるコア冷却油通路溝は、通常、滑らかな遷移をもつ曲線構造であるが、滑らかでない遷移をもつ別の曲線構造として実装されてもよい。たとえば、何らかの曲げまたは回転がある。
【0049】
依然として
図1および
図4を参照されたい。本出願の特定の実施形態では、ステータコイル3の2つの端部が、軸方向においてステータコア2から突出する。コイル冷却油通路6は、少なくとも2つの第1の油出口601を含み得る。ステータコイルの各端部部分31は、少なくとも1つの第1の油出口601に対応する。コイル冷却油通路6に入る冷却油は、第1の油出口601を通って排出され、ステータコイルの端部部分31に噴霧する。言い換えれば、冷却油は、ステータコイル3の両方の端部から排出され、それにより、ステータコイル3を冷却する。コイル冷却油通路6から排出された冷却油が、ステータコイルの端部部分31の熱を放散した後に、冷却油は、重力の作用の下でハウジング1の下部に配置された油戻り通路7に戻って落ち、したがって、油戻り通路7に接続されたパワー装置4は、再びコア冷却油通路5に入るように冷却油を駆動して、冷却油の循環を実装することができる。
【0050】
依然として
図1を参照されたい。本出願の特定の実施形態では、コイル冷却油通路6の第1の油出口601は、第1の方向においてステータコイルの端部部分31よりも高い。この場合、第1の油出口601から流出する冷却油は、重力の作用の下でステータコイルの端部部分31に流れて、ステータコイル3を冷却する。他の嵌合構造は配設される必要がない。したがって、冷却システムの構造は比較的単純である。
【0051】
本出願の任意選択の実施形態では、油入口領域を通過し、ステータコアの軸方向に直角であるセクション上で、すなわち、油入口を通過し、ステータコアの軸方向に直角であるセクション上で、油戻り溝の軸と油入口領域との間の円周距離L1、およびステータコアの外側円周Lは、L1≦1/8Lを満たす。上記の「円周」は、ステータコアの円周方向を指す。この実施形態では、コア冷却油通路の油入口は油戻り溝に近く、油戻り溝は、使用中のときに冷却システムの下部に配置される。したがって、油入口は、冷却システムの下部に配置され、油戻り溝に近く、したがって、冷却油は、冷却システムの下部から冷却システムに入り、上方へ油通過ポートに動く。このようにして、ステータコアの冷却経路が伸張されることが可能であり、これは、冷却システムの冷却効率を改善するのに役立つ。特に、油入口と油戻り溝との間のより小さい円周距離が、より良く、それにより、ステータコアの冷却経路を伸張するのに役立ち、冷却システムによって実施されるステータコア冷却の均一性を改善する。
【0052】
別の任意選択の実施形態では、ステータコアのセクションであって油通過ポートを通過し、ステータコアの軸方向に直角であるセクション上で、油戻り溝の軸と油通過ポートとの間の円周距離L2、およびステータコアの外側円周Lは、L2≧3/8Lを満たす。この技術的解決策では、コア冷却油通路の油通過ポートは油戻り溝から遠く離れており、油戻り溝は、使用中のときに冷却システムの下部に配置される。したがって、油通過ポートは、冷却システムの上部に配置される。冷却油は、冷却システムの下部から冷却システムに入り、パワー装置によって提供されるパワーで上部における油通過ポートに上方へ動く。このようにして、より長く延びる経路があり、それにより、ステータコアに対するより良い熱放散効果を達成する。特に、油通過ポートと油戻り溝との間のより長い円周距離が、より良く、それにより、ステータコアの冷却経路を伸張するのに役立ち、冷却システムによって実施されるステータコア冷却の均一性をさらに改善する。
【0053】
さらに別の任意選択の技術的解決策では、ステータコアの軸方向に直角なセクションに沿って、コア冷却油通路溝の凸部の合計円周長さL3、およびステータコアの外側円周Lは、L3≧9/10Lを満たす。この技術的解決策では、コア冷却油通路は、ステータコアの円周側上の領域の少なくとも9/10をカバーし、より大きいカバレージ領域がより良く、それにより、ステータコアのより長い熱放散経路があり、熱放散均一性がより良好になり、それは、ステータコアに対する熱放散効果を改善し、冷却システム全体の冷却効率をさらに改善するのに役立つ。
【0054】
さらなる実施形態では、
図1を参照すると、ステータコア2の軸方向に直角なセクションに沿って、コイル冷却油通路溝211の軸は、第1の方向においてステータコア2の最も高い位置に配置される。この場合、コイル冷却油通路6の軸は、第1の方向においてステータコア2の最も高い位置に配置される。この技術的解決策では、コア冷却油通路5は、コイル冷却油通路6の2つの側に配設され得る。
図3に示されているように、第1の油通路503および第2の油通路504は、コイル冷却油通路6の2つの側に別々に配置され、第1の油通路503の経路長さおよび第2の油通路504の経路長さは、比較的近く設定されてよく、したがって、ステータコア1冷却の均一性が増加されることが可能である。加えて、この実施形態では、第1の油出口は、第1の方向においてステータコアの最も高い位置に配置されてよく、それにより、コイルの端部部分への冷却油噴霧が容易になる。特に、油戻り通路7は、第1の方向においてステータコアの最も低い位置に配置され、それにより、冷却油収集が容易になる。
【0055】
図1、
図2、および
図5を参照されたい。
図5は、本出願の実施形態によるステータコアの別の概略構造図である。本出願の別の特定の実施形態では、ステータコア2の第4のセグメント24の外壁は、円周方向に延在するコア油戻り通路溝242を含む。コア油戻り通路溝242の端部であって第2のセグメント22に近い端部が、油戻り溝221に接続される。コア油戻り通路溝242の端部であって第1のセグメント21に近い端部が、コイル冷却油通路溝211に接続される。ステータコア2がハウジング1中に取り付けられた後に、コア油戻り通路溝242およびハウジング1の内壁は、互いに嵌合してコア油戻り通路5’を形成する。
【0056】
この実施形態では、冷却システムは、コア油戻り通路5’をさらに含む。コア油戻り通路5’およびコア冷却油通路5は、油戻り通路7の2つの側に配置される。具体的には、コア油戻り通路5’は、円周方向にステータコア2の一方の側に延在し、コア冷却油通路5は、円周方向にステータコア2の反対側に延在する。言い換えれば、ステータコア2の軸方向に直角なセクションに沿って、油戻り通路7の凸部とコイル冷却油通路6の凸部との間のラインは、コア油戻り通路5’の凸部とコア冷却油通路5の凸部との間に配置される。コア油戻り通路5’の一方の端部は、コイル冷却油通路6に接続され、コア油戻り通路5’の反対側の端部は、油戻り通路7に接続される。この実施形態では、冷却システムは、ただ1つの油入口501を含む。
図5は、1つの油入口領域2311を示している。冷却油は、油入口501からコア冷却油通路5に入り、コア冷却油通路5に沿ってコイル冷却油通路6に流れ、次いで、コア油戻り通路5’に流れる。コア油戻り通路5’に入る冷却油は、循環のために油戻り通路7に戻って流れる。この実施形態では、ただ1つの油入口501が配設されてよく、それにより、比較的単純な構造を達成する。加えて、すべての冷却油は、最初に、コア冷却油通路5に入り、油の一部は、コア油戻り通路5’に入り、したがって、ステータコアを冷却するための冷却油のより大きい量がある。したがって、ステータコアへの冷却効果が改善されることが可能である。
【0057】
本出願の任意選択の実施形態では、コア冷却油通路は、ステータコアの円周方向においてまっすぐに延在する。この実施形態におけるコア冷却油通路は、比較的単純な構造を有し、それにより、製造が容易になる。別の任意選択の実施形態では、コア冷却油通路は、ステータコアの円周方向において斜めに延在し、それにより、冷却システムの冷却経路を伸張し、また、製造を容易にする。別の任意選択の実施形態では、コア冷却油通路は、ステータコアの円周方向において波形に延在する。この実施形態では、コア冷却油通路の経路は比較的長く、それにより、ステータコアに対するより良い冷却効果を達成する。
【0058】
図1、
図6、および
図7を参照されたい。
図6は、本出願の実施形態による冷却システムの概略断面構造図である。
図7は、本出願の実施形態による冷却システムの別の概略断面構造図である。本出願のさらなる実施形態では、冷却システムは、レデューサ本体8をさらに含み、レデューサ本体8は、レデューサ油通路803を含み、レデューサ本体8は、モーターの出力シャフトのレートを、生成に必要とされるレートに変換するために、モーター本体9の出力シャフトに接続される。レデューサ本体8およびモーター本体9は、使用のために低減モーターに一体化され得る。モーター本体9は、回転シャフト901、ロータ902、およびステータ903を含み、ステータ903は、ステータコア2およびステータコイル3を含む。レデューサ本体8は回転部材を含み、特に、回転部材は、ベアリング801およびかみ合い伝動のためのギアを含む。この実施形態では、レデューサ油通路803は、コア冷却油通路溝に接続され、すなわち、レデューサ油通路803は、コア冷却油通路5に接続されるか、またはレデューサ油通路803は、コイル冷却油通路溝211に接続され、すなわち、レデューサ油通路803は、コイル冷却油通路6に接続される。レデューサ油通路803は、第2の油出口8031を含み、したがって、冷却油は、第2の油出口8031から排出され、レデューサ本体8の回転部材の動作領域に噴霧することが可能である。回転部材の動作領域は、ベアリング801の回転部分およびギアかみ合い部分802を指す。一方では、レデューサ本体8の回転部材は潤滑化されることが可能であり、他方では、レデューサ本体8は冷却されることも可能である。この実施形態では、モーター本体9およびレデューサ本体8を含む低減モーターについて、レデューサ本体8のために油ループを別々に配設する必要がなく、それにより、冷却システムの構造を簡略化し、さらに、冷却システム中の冷却油の利用を改善することが可能である。
【0059】
図6および
図7を参照されたい。さらなる実施形態では、レデューサ油通路803は、ハウジング1中に配置された第1の油通路部分8032と、ハウジング1中に延在する曲げ部分8033とを含む。第1の油通路部分8032は、コア冷却油通路5に接続されるかまたはコイル冷却油通路6に接続される。曲げ部分8033は、複数の第2の油出口8031を含み、曲げ部分8033は、レデューサ本体8の各回転部材の動作領域が、少なくとも1つの第2の油出口8031に対応するように、レデューサ本体8の構造レイアウトに従って曲げられ得る。このようにして、第2の油出口8031からの冷却油は、ギアかみ合い部分802またはベアリング801の回転部分の方へ直接噴霧して、レデューサ本体8中の回転部材の動作領域の、冷却システムによって実施される噴霧効果を改善し、冷却および潤滑を改善することが可能である。
【0060】
図1、
図6、および
図7を参照されたい。特定の実施形態では、レデューサ本体8は、ハウジング1中に配設され、レデューサ油通路803の第1の油通路部分8032は、ハウジング1中に作られ、コア冷却油通路5に接続され得る。レデューサ油通路803の曲げ部分8033は、レデューサ本体8のギアおよびベアリング801が配置された領域に延在する。曲げ部分8033は、各ギアかみ合い部分802およびベアリング801の回転部分に対応する第2の油出口8031を含み、したがって、コア冷却油通路5からレデューサ油通路803に流れる冷却油は、レデューサ油通路803の第2の油出口8031から排出され、レデューサの回転部材の動作位置に落ち、それにより、レデューサ本体8を潤滑化および冷却することができる。さらに、ハウジング1の位置であってレデューサ本体8の反対側にある位置に、油プール10がある。レデューサ油通路803から排出された冷却油は、動作後に油プール10内に落ち、油プール10は、冷却油を貯蔵する。油戻り通路7も油プール10に接続され、パワー装置は、冷却油を油プール10からコア冷却油通路5に駆動し、それにより、冷却システム中の冷却油の再循環を実装し得る。
【0061】
図1および
図8を参照されたい。
図8は、本出願の実施形態による冷却システムの概略構造図である。本出願の別の実施形態では、冷却システムは、油冷熱交換器11をさらに含み、油冷熱交換器11は、油戻り通路7に接続される。油冷熱交換器11は冷却油を冷却し得、したがって、冷却システム中の冷却油は、比較的低い温度に保たれることが可能である。モーター本体9が比較的長い時間の間動作するかまたは比較的高い効率で動作する場合でも、冷却油の温度は、時間的に低減されることも可能である。比較的信頼性が高い冷却効果が、モーター本体9に提供されることが可能である。
【0062】
特に、油冷熱交換器は、冷却油の各循環処理中に冷却油に対して熱交換を1回実施して、冷却油を比較的低い温度に効果的に保ち得る。代替として、別の特定の実施形態では、冷却システムが制御され得る。冷却油の温度が設定値よりも高いとき、油冷熱交換器が開始されて、冷却油に対する冷却処理を実施する。冷却油の温度が設定値よりも低いとき、油冷熱交換器は開始される必要がない。この解決策は、油冷熱交換器の動作効率を改善し、油冷熱交換器の耐用年数を延長することができる。
【0063】
依然として
図1および
図8を参照されたい。さらなる実施形態では、冷却システムは、フィルタ12をさらに含み、フィルタ12は、油戻り通路7に接続される。フィルタ12は、冷却油が比較的清浄な状態に保たれるように、冷却油をフィルタ処理し得る。一方では、モーター本体9の部品および構成要素ならびにレデューサ本体8の部品および構成要素は、汚染が起こりやすくなく、他方では、清浄な冷却油は、油通路をブロックしにくく、これは、油通路を妨げられないように保つのに役立ち、それにより、冷却システムの冷却効果を維持する。
【0064】
依然として
図1および
図8を参照されたい。特定の実施形態では、油冷熱交換器11およびフィルタ12は、パワー装置4を使用することによって油プール10に接続され、レデューサ本体8が配置されたハウジング1の領域中に配置される。特に、油プール10中の冷却油は、パワー装置4によってフィルタ処理のためにフィルタ12に駆動され、次いで、熱交換および冷却のために油冷熱交換器11に駆動され、次いで、コア冷却油通路5に入り得る。
【0065】
依然として
図1および
図8を参照されたい。さらなる実施形態では、冷却システムの油冷熱交換器11およびフィルタ12は、一体構造として一体化され、それにより、冷却システムの構造は簡略化されることが可能であり、冷却システムは、より小さい空間を占有し、より高い一体化を特徴とする。
【0066】
図7を参照されたい。冷却システムは、油入口通路13をさらに含む。油入口通路13は、コア冷却油通路5の油入口501に接続される。冷却油は、油入口通路13からコア冷却油通路5に入る。油入口通路13および油戻り通路7は、平行に配設される。この構造は、冷却システムの構造的一体化を改善することができる。特に、油入口通路13および油戻り通路7は、ハウジング1中に作られてよく、それにより、冷却システムの一体化を改善することも可能である。加えて、油入口通路13の構造剛性が改善されることが可能であり、油入口通路13は損傷しにくい。
【0067】
特に、
図1、
図9、および
図10を参照されたい。
図9は、本出願の実施形態による冷却システムの概略部分図である。
図10は、本出願の実施形態による冷却システムの別の概略部分図である。さらなる実施形態では、油入口通路13は、油入口パイプ14に接続され、油入口パイプ14は、パワー装置4に接続され、このようにして、パワー装置は、油入口パイプ14を使用することによって油プール10中の冷却油を油入口通路13に駆動する。特定の実施形態では、
図9を参照すると、第1の油通路503および第2の油通路504が油入口501をそれぞれ含むとき、油入口パイプ14は、2つの油入口パイプ分岐141を含み得る。一方の油入口パイプ分岐141は、コア冷却油通路5の一方の油入口501に接続され、他方の油入口パイプ分岐141は、コア冷却油通路5の他方の油入口501に接続される。
図10を参照されたい。冷却システムは、コア油戻り通路5’をさらに含む。コア冷却油通路5のみが油入口501を含むとき、油入口パイプ14は、1つの油入口パイプ分岐141を含む。油入口パイプ分岐141は、コア冷却油通路5の油入口501に接続される。
【0068】
図1を参照されたい。さらなる実施形態では、冷却システムは、油案内溝15をさらに含む。油案内溝15は、ステータコイル3の端部部分31に噴霧する冷却油の一部をモーター本体のベアリング904に案内して、モーター本体のベアリング904を冷却および潤滑化し、それにより、モーター本体のベアリング904の動作効果を改善する。さらに、冷却油は、モーター本体のベアリング904の下に収集され、ステータコイルの端部部分31の部分であって油戻り通路7に近い部分に再び噴霧し、冷却油の利用を改善し得る。
【0069】
図1を参照されたい。本出願は、ハウジング1を含む、電気車両の別のモーター冷却システムをさらに提供し、ハウジング1は、樽形内側キャビティを含み、ステータコア2およびステータコイル3が、ハウジング1の樽形内側キャビティ中に取り付けられる。特に、ステータコア2は、樽形のステータコアであり、特に、丸い樽形のステータコアであり得る。通常、ステータコア2は、ステータコア2の軸方向に延在する複数の歯部分を含む。歯部分は、ステータコア2の円周方向に間隔をおいて分散され、溝部が、2つの隣接する歯部分の間に形成され、ステータコイル3は、歯部分の周りに配設される。ステータコイル3の転流領域、すなわち、ステータコイルの端部部分31が、軸方向にステータコア2から突出する。ここでの電気車両のモーター冷却システムは、以下における電気車両の上記のモーター冷却システムとは異なる。
【0070】
依然として
図1、
図11、および
図12を参照されたい。
図11は、本出願の実施形態による冷却システムの概略部分図である。
図12は、本出願の実施形態による冷却システムの別の概略部分図である。ハウジング1は、樽形内側キャビティの円周方向に連続的に接続された第1の部分11、第3の部分13、第2の部分12、および第4の部分14を含む。第1の部分11は、第2の部分12の反対側にあり、第3の部分13は、第1の部分11の第1の端部と第2の部分12の第1の端部との間に接続され、第4の部分14は、第1の部分11の第2の端部と第2の部分12の第2の端部との間に接続され、このようにして、第1の部分11、第3の部分13、第2の部分12、および第4の部分14は、樽形内側キャビティを含むハウジング1を形成する。第1の部分11の内壁は、コイル冷却油通路溝111を含む。コイル冷却油通路溝111は、ハウジングの樽形内側キャビティの軸方向に延在し、コイル冷却油通路溝111およびステータコア2の外壁は、互いに嵌合してコイル冷却油通路6を形成する。コイル冷却油通路6の2つの端部は、軸方向においてステータコア2の2つの端部から突出し、したがって、冷却油は、コイル冷却油通路6に沿って軸方向にステータコア2の2つの端部から流出して、軸方向におけるステータコア2の端部部分領域、たとえば、領域中に配置されたステータコイルの端部部分31を冷却し得る。第2の部分12の内壁は、油戻り溝121を含む。油戻り溝121は、ハウジングの樽形内側キャビティの軸方向に延在し、油戻り溝121およびハウジングの内壁は、互いに嵌合して油戻り通路を形成し、したがって、冷却油は、油戻り溝121に沿って油貯蔵領域に流れて、次のサイクルを容易にし得る。第3の部分13の内壁は、コア冷却油通路溝131を含む。コア冷却油通路溝131は、ハウジング1の樽形内側キャビティの円周方向に延在し、コア冷却油通路溝131およびハウジング1の内壁は、互いに嵌合してコア冷却油通路5を形成する。コア冷却油通路5は、ステータコア2の円周側に配置され、冷却油は、コア冷却油通路5中を流れ、したがって、ステータコア2の円周側は冷却され、それにより、ステータコア2を冷却することが可能である。コア冷却油通路溝131の端部であって第2の部分12に近い端部に油入口501があり、コア冷却油通路溝131の端部であって第1の部分11に近い端部に油通過ポート502がある。油通過ポート502は、コイル冷却油通路溝111に接続され、したがって、コア冷却油通路溝131は、コイル冷却油通路溝111に接続される。冷却油は、コア冷却油通路5から油通過ポート502を通ってコイル冷却油通路6に流れ得、冷却油の通路は、直列に接続されることが可能である。このようにして、ステータコア2とステータコイルの端部部分31の両方を冷却するための冷却油のより大きい量がある。したがって、冷却システムは、より高い熱伝達係数およびより高い冷却効率を有する。第4の部分14の内壁はまた、コア冷却油通路溝141を含む。コア冷却油通路溝141は、ハウジング1の樽形内側キャビティの円周方向に延在し、コア冷却油通路溝141およびハウジング1の内壁は、互いに嵌合してコア冷却油通路5を形成する。コア冷却油通路5は、ステータコア2の円周側に配置される。コア冷却油通路溝141の端部であって第2の部分12に近い端部に油入口があり、コア冷却油通路溝141の端部であって第1の部分11に近い端部に油通過ポート502がある。油通過ポート502は、コイル冷却油通路溝111に接続され、したがって、コア冷却油通路溝141は、コイル冷却油通路溝111に接続される。冷却油は、コア冷却油通路5から油通過ポートを通ってコイル冷却油通路6に流れ得、冷却油の通路は、直列に接続されることが可能である。さらに、第1の方向において、油入口501と油戻り溝121との間の距離は、油通過ポート502と油戻り溝121との間の距離よりも小さく、したがって、冷却油は、油入口501から入り、コア冷却油通路5に沿って上方へ流れてステータコア2を冷却し、次いで、油通過ポート502からコイル冷却油通路6に入り、第1の方向は、冷却システムが使用中のときに存在している重力方向である。
【0071】
特定の実施形態では、ステータコア2は、ハウジング1の樽形内側キャビティ中で締まりばめされ、したがって、ハウジング1の内壁は、ステータコア2の外壁を包み込む。この場合、ステータコア2の外壁は、ハウジング1の内壁上にあるコイル冷却油通路溝111、油戻り溝121、およびコア冷却油通路溝131(141)で閉じられ、上記の溝の開口を密にカバーして、コイル冷却油通路6、油戻り通路7、およびコア冷却油通路5を形成する。この実施形態では、モーター冷却システムは、溝がハウジング1の内壁上に作られることのみを要求し、製造処理は比較的単純である。加えて、ハウジング1のより大きい剛性は、コア冷却油通路5の構造に、より多くの安定性をもたらす。この実施形態では、冷却油はまた、ステータコア2と直接接触して、より良い冷却効果を達成し得る。
【0072】
特に、冷却システムは、連続的に接続されたパワー装置4、コア冷却油通路5、およびコイル冷却油通路6を含む。冷却油が、パワー装置4によって提供されるパワーの下でコア冷却油通路5およびコイル冷却油通路6を通って流れた後に、冷却油は油戻り通路7に戻り、油戻り溝121は、冷却油を受け入れるように構成される。油戻り通路7は、パワー装置4に接続される。パワー装置4は、油戻り通路7に戻って流れる冷却油を、再びコア冷却油通路5に流れるように駆動して、冷却油の再循環を実装する。特に、コア冷却油通路5は、ステータコア2の円周側に配置され、ステータコアの円周方向に延在する。特に、コア冷却油通路5は、ステータコア2とハウジング1との間に配置されてよく、ステータコア2を冷却するように構成される。コア冷却油通路5は、ステータコア2の円周側壁に沿って延在して、コイル冷却油通路6に接続する。コイル冷却油通路6は、ステータコアの軸方向に延在する。コア冷却油通路5は、油通過ポート502を介してコイル冷却油通路6に接続される。コア冷却油通路5中の冷却油は、油通過ポート502を通ってコイル冷却油通路6に入る。加えて、コア冷却油通路5は、油入口501を含み、冷却油は、循環のために油入口501を通ってコア冷却油通路5に入る。第1の方向において、油戻り通路7は、冷却システムのハウジング1中の低い位置に配置される。第1の方向は、冷却システムが使用中のときに存在している重力方向であり、したがって、油戻り通路7は、下部に配置され、それにより、動作後の冷却油の収集が容易になる。さらに、油入口501と油戻り通路7との間の距離は、油通過ポート502と油戻り通路7との間の距離よりも小さく、したがって、冷却油は、油入口501から入り、コア冷却油通路5に沿って上方へ流れてステータコア2を冷却し、次いで、油通過ポート502を通ってコイル冷却油通路6に入る。コイル冷却油通路6は、第1の油出口601を含み、第1の油出口601は、ステータコア2の端部部分に配置される。冷却油は、第1の油出口601から排出され、ステータコイルの端部部分31に噴霧してステータコイル3を冷却し、次いで、油戻り通路7に戻って落ちる。収集された後に、冷却油はリサイクルされることが可能である。本出願のこの実施形態における冷却システムでは、コア冷却油通路5およびコイル冷却油通路6は、連続的に接続され、それにより、冷却油のための通路の直列接続を実装する。このようにして、ステータコア2とステータコイルの端部部分31の両方を冷却するための冷却油のより大きい量がある。したがって、冷却システムは、より高い熱伝達係数およびより高い冷却効率を有する。加えて、本出願の技術的解決策では、冷却油は、パワー装置4の駆動力を使用することによって冷却油通路中を流れ、各冷却油通路において冷却油の比較的一様なフロー量があり、したがって、冷却効果も良好である。
【0073】
図13および
図14を参照されたい。
図13は、本出願の実施形態による冷却システムの別の概略部分図である。
図14は、本出願の実施形態による冷却システムの別の概略部分図である。本出願の別の特定の実施形態では、ハウジングの第4の部分14の内壁は、円周方向に延在するコア油戻り通路溝142を含む。コア油戻り通路溝142の端部であって第2の部分12に近い端部が、油戻り溝121に接続される。コア油戻り通路溝142の端部であって第1の部分11に近い端部が、コイル冷却油通路溝111に接続される。ステータコア2がハウジング1中に取り付けられた後に、コア油戻り通路溝142およびハウジング1の内壁は、互いに嵌合してコア油戻り通路5’を形成する。
【0074】
この実施形態では、冷却システムは、コア油戻り通路5’をさらに含む。コア油戻り通路5’およびコア冷却油通路5は、油戻り通路7の2つの側に配置される。具体的には、コア油戻り通路5’は、円周方向にステータコア2の一方の側に延在し、コア冷却油通路5は、円周方向にステータコア2の反対側に延在する。言い換えれば、ステータコア2の軸方向に直角なセクションに沿って、油戻り通路7の凸部とコイル冷却油通路6の凸部との間のラインは、コア油戻り通路5’の凸部とコア冷却油通路5の凸部との間に配置される。コア油戻り通路5’の一方の端部は、コイル冷却油通路6に接続され、コア油戻り通路5’の反対側の端部は、油戻り通路7に接続される。冷却油は、油入口501からコア冷却油通路5に入り、コア冷却油通路5に沿ってコイル冷却油通路6に流れ、次いで、コア油戻り通路5’に流れる。コア油戻り通路5’に入る冷却油は、循環のために油戻り通路7に戻って流れる。この実施形態では、ただ1つの油入口501が配設されてよく、それにより、比較的単純な構造を達成する。加えて、すべての冷却油は、最初に、コア冷却油通路5に入り、油の一部は、コア油戻り通路5’に入り、したがって、ステータコアを冷却するための冷却油のより大きい量がある。したがって、ステータコアへの冷却効果が改善されることが可能である。
【0075】
図1に示されているように、本出願の実施形態は、電気車両のモーター冷却システムを提供し、冷却システムは、ハウジング1を含み、ステータコア2およびステータコイル3が、ハウジング1の樽形内側キャビティ中に取り付けられる。特に、ステータコア2は、樽形のステータコアであり、特に、丸い樽形のステータコアであり得る。通常、ステータコア2は、ステータコア2の軸方向に延在する複数の歯部分を含む。歯部分は、ステータコア2の円周方向に間隔をおいて分散され、溝部が、2つの隣接する歯部分の間に形成され、ステータコイル3は、歯部分の周りに配設される。ステータコイル3の転流領域、すなわち、ステータコイルの端部部分31が、軸方向にステータコア2から突出する。この実施形態における電気車両のモーター冷却システムは、以下における電気車両の上記のモーター冷却システムとは異なる。
【0076】
依然として
図1、
図2、および
図3を参照されたい。樽形ステータコア2は、円周方向に4つのセグメントに分割され、これらの4つのセグメントは、個別に、連続的に接続された第1のセグメント21、第3のセグメント23、第2のセグメント22、および第4のセグメント24である。第1のセグメント21は、第2のセグメント22の反対側にあり、第3のセグメント23は、第1のセグメント21の第1の端部と第2のセグメント22の第1の端部との間に接続され、第4のセグメント24は、第1のセグメント21の第2の端部と第2のセグメント22の第2の端部との間に接続され、このようにして、第1のセグメント21、第3のセグメント23、第2のセグメント22、および第4のセグメント24は、樽形ステータコア2を形成する。第1のセグメント21の外壁は、コイル冷却油通路溝211を含む。コイル冷却油通路溝211は、ステータコア2の軸方向に延在し、ステータコア2を通過する。コイル冷却油通路溝211およびハウジング1の内壁は、互いに嵌合してコイル冷却油通路6を形成し、したがって、冷却油は、コイル冷却油通路6に沿って軸方向にステータコア2の2つの端部から流出して、軸方向におけるステータコア2の端部部分領域、たとえば、領域中に配置されたステータコイルの端部部分31を冷却し得る。第2のセグメント22の外壁は、油戻り溝221を含む。油戻り溝221は、ステータコア2の軸方向に延在し、ステータコア2を通過する。油戻り溝221およびハウジング1の内壁は、互いに嵌合して油戻り通路7を形成し、したがって、冷却油は、油戻り溝221に沿って軸方向にステータコアの2つの端部から流出して油貯蔵領域に流れ、次のサイクルを容易にし得る。第3のセグメント23の外壁は、コア冷却油通路溝231を含む。コア冷却油通路溝231は、ステータコア2の円周方向に延在し、コア冷却油通路溝231およびハウジング1の内壁は、互いに嵌合してコア冷却油通路5を形成する。この場合、冷却油はコア冷却油通路5中を流れ、ステータコア2の円周側が冷却され、それにより、ステータコア2を冷却することが可能である。コア冷却油通路溝231の端部であって第2のセグメント22に近い端部に油入口領域2311があり、コア冷却油通路溝231の端部であって第1のセグメント21に近い端部に油通過ポート502がある。油入口領域2311は、コア冷却油通路5の油入口501の反対側にあり、油通過ポート502は、コイル冷却油通路溝211に接続され、したがって、コア冷却油通路溝231は、コイル冷却油通路溝211に接続される。冷却油は、コア冷却油通路5から油通過ポート502を通ってコイル冷却油通路6に流れ得、冷却油の通路は、直列に接続されることが可能である。このようにして、ステータコア2とステータコイルの端部部分31の両方を冷却するための冷却油のより大きい量がある。したがって、冷却システムは、より高い熱伝達係数およびより高い冷却効率を有する。第4のセグメント24の外壁はまた、コア冷却油通路溝241を含む。コア冷却油通路溝241は、ステータコア2の円周方向に延在する。コア冷却油通路溝241の端部であって第2のセグメント22に近い端部に油入口領域2411があり、コア冷却油通路溝241の端部であって第1のセグメント21に近い端部に油通過ポート502がある。油入口領域2411は、コア冷却油通路5の油入口501の反対側にあり、油通過ポート502は、コイル冷却油通路溝211に接続され、したがって、コア冷却油通路溝241は、コイル冷却油通路溝211に接続される。冷却油は、コア冷却油通路5から油通過ポート502を通ってコイル冷却油通路6に流れ得、冷却油の通路は、直列に接続されることが可能である。さらに、第1の方向において、油入口501と油戻り溝221との間の距離は、油通過ポート502と油戻り溝221との間の距離よりも小さく、したがって、冷却油は、油入口501から入り、コア冷却油通路5に沿って上方へ流れてステータコア2を冷却し、次いで、油通過ポート502からコイル冷却油通路6に入り、第1の方向は、冷却システムが使用中のときに存在している重力方向である。
【0077】
依然として
図1、
図11、および
図12を参照されたい。ハウジング1は、樽形内側キャビティの円周方向に連続的に接続された第1の部分11、第3の部分13、第2の部分12、および第4の部分14を含む。第1の部分11は、第2の部分12の反対側にあり、第3の部分13は、第1の部分11の第1の端部と第2の部分12の第1の端部との間に接続され、第4の部分14は、第1の部分11の第2の端部と第2の部分12の第2の端部との間に接続され、このようにして、第1の部分11、第3の部分13、第2の部分12、および第4の部分14は、樽形内側キャビティを含むハウジング1を形成する。第1の部分11の内壁は、コイル冷却油通路溝111を含む。コイル冷却油通路溝111は、ハウジングの樽形内側キャビティの軸方向に延在し、コイル冷却油通路溝111およびステータコア2の外壁は、互いに嵌合してコイル冷却油通路6を形成する。コイル冷却油通路6の2つの端部は、軸方向においてステータコア2の2つの端部から突出し、したがって、冷却油は、コイル冷却油通路6に沿って軸方向にステータコア2の2つの端部から流出して、軸方向におけるステータコア2の端部部分領域、たとえば、領域中に配置されたステータコイルの端部部分31を冷却し得る。第2の部分12の内壁は、油戻り溝121を含む。油戻り溝121は、ハウジングの樽形内側キャビティの軸方向に延在し、油戻り溝121およびハウジングの内壁は、互いに嵌合して油戻り通路を形成し、したがって、冷却油は、油戻り溝121に沿って油貯蔵領域に流れて、次のサイクルを容易にし得る。第3の部分13の内壁は、コア冷却油通路溝131を含む。コア冷却油通路溝131は、ハウジング1の樽形内側キャビティの円周方向に延在し、コア冷却油通路溝131およびハウジング1の内壁は、互いに嵌合してコア冷却油通路5を形成する。コア冷却油通路5は、ステータコア2の円周側に配置され、冷却油は、コア冷却油通路5中を流れ、したがって、ステータコア2の円周側は冷却され、それにより、ステータコア2を冷却することが可能である。コア冷却油通路溝131の端部であって第2の部分12に近い端部に油入口があり、コア冷却油通路溝131の端部であって第1の部分11に近い端部に油通過ポート502がある。油通過ポート502は、コイル冷却油通路溝111に接続され、したがって、コア冷却油通路溝131は、コイル冷却油通路溝111に接続される。冷却油は、コア冷却油通路5から油通過ポート502を通ってコイル冷却油通路6に流れ得、冷却油の通路は、直列に接続されることが可能である。このようにして、ステータコア2とステータコイルの端部部分31の両方を冷却するための冷却油のより大きい量がある。したがって、冷却システムは、より高い熱伝達係数およびより高い冷却効率を有する。第4の部分14の内壁はまた、コア冷却油通路溝141を含む。コア冷却油通路溝141は、ハウジング1の樽形内側キャビティの円周方向に延在し、コア冷却油通路溝141およびハウジング1の内壁は、互いに嵌合してコア冷却油通路5を形成する。コア冷却油通路5は、ステータコア2の円周側に配置される。コア冷却油通路溝141の端部であって第2の部分12に近い端部に油入口があり、コア冷却油通路溝141の端部であって第1の部分11に近い端部に油通過ポート502がある。油通過ポート502は、コイル冷却油通路溝111に接続され、したがって、コア冷却油通路溝141は、コイル冷却油通路溝111に接続される。冷却油は、コア冷却油通路5から油通過ポートを通ってコイル冷却油通路6に流れ得、冷却油の通路は、直列に接続されることが可能である。さらに、第1の方向において、油入口501と油戻り溝121との間の距離は、油通過ポート502と油戻り溝121との間の距離よりも小さく、したがって、冷却油は、油入口501から入り、コア冷却油通路5に沿って上方へ流れてステータコア2を冷却し、次いで、油通過ポート502からコイル冷却油通路6に入り、第1の方向は、冷却システムが使用中のときに存在している重力方向である。
【0078】
図13および
図14を参照されたい。本出願の別の特定の実施形態では、ハウジング1の第4の部分14の内壁は、円周方向に延在するコア油戻り通路溝142を含む。コア油戻り通路溝142の端部であって第2の部分12に近い端部が、油戻り溝121に接続される。コア油戻り通路溝142の端部であって第1の部分11に近い端部が、コイル冷却油通路溝111に接続される。ステータコア2の第4のセグメント
24の外壁は、円周方向に延在するコア油戻り通路溝
242を含む。コア油戻り通路溝
242の端部であって第2のセグメント
22に近い端部が、油戻り溝
221に接続される。コア油戻り通路溝142の端部であって第1のセグメント11に近い端部が、コイル冷却油通路溝
211に接続される。ステータコア2がハウジング1中に取り付けられた後に、コア油戻り通路5’が形成される。
【0079】
この実施形態では、冷却システムは、コア油戻り通路5’をさらに含む。コア油戻り通路5’およびコア冷却油通路5は、油戻り通路7の2つの側に配置される。具体的には、コア油戻り通路5’は、円周方向にステータコア2の一方の側に延在し、コア冷却油通路5は、円周方向にステータコア2の反対側に延在する。言い換えれば、ステータコア2の軸方向に直角なセクションに沿って、油戻り通路7の凸部とコイル冷却油通路6の凸部との間のラインは、コア油戻り通路5’の凸部とコア冷却油通路5の凸部との間に配置される。コア油戻り通路5’の一方の端部は、コイル冷却油通路6に接続され、コア油戻り通路5’の反対側の端部は、油戻り通路7に接続される。冷却油は、油入口501からコア冷却油通路5に入り、コア冷却油通路5に沿ってコイル冷却油通路6に流れ、次いで、コア油戻り通路5’に流れる。コア油戻り通路5’に入る冷却油は、循環のために油戻り通路7に戻って流れる。この実施形態では、ただ1つの油入口501が配設されてよく、それにより、比較的単純な構造を達成する。加えて、すべての冷却油は、最初に、コア冷却油通路5に入り、油の一部は、コア油戻り通路5’に入り、したがって、ステータコアを冷却するための冷却油のより大きい量がある。したがって、ステータコアへの冷却効果が改善されることが可能である。
【0080】
この実施形態では、ハウジングの内面上のコア冷却油通路溝は、ステータコアの外面上のコア冷却油通路溝の完全に反対側にもしくは部分的に反対側にあり得るか、またはそれらは完全にスタッガされ得ることに留意されたい。ハウジングの内面上のコイル冷却油通路溝は、ステータコアの外面上のコイル冷却油通路溝の完全に反対側にもしくは部分的に反対側にあり得るか、またはそれらは完全にスタッガされ得る。ハウジングの内面上の油戻り溝は、ステータコアの外面上の油戻り溝の完全に反対側にもしくは部分的に反対側にあり得るか、またはそれらは完全にスタッガされ得る。ハウジングの内面上のコア油戻り通路溝は、ステータコアの外面上のコア油戻り通路溝の完全に反対側にもしくは部分的に反対側にあり得るか、またはそれらは完全にスタッガされ得る。本出願のこの実施形態では、ハウジングの内面とステータコアの外面の両方が溝を含み、それは、各油通路のフロー量を増加させ、冷却システムの冷却効果を改善するのに役立つ。
【0081】
本出願は、電気車両を提供する。電気車両は、上記の技術的解決策のいずれか1つにおけるモーター冷却システムを含む。電気車両は、モーターおよびバッテリーを含む。バッテリーは、動作するようにモーターを駆動するためにモーターに電気的に接続される。モーターが動作するとき、電気車両は、動作するように駆動されることが可能である。上記のモーター冷却システム中のステータコアは、電気車両のモーターに属し、モーター冷却システムによって実施されるステータコアの冷却は、電気車両のモーターの冷却である。したがって、電気車両のモーターに対するより良い冷却効果が達成され、これは、モーターの動作効率を改善し、モーターの耐用年数を延長するのに役立ち、したがって、電気車両の動作効率を改善し、電気車両の耐用年数を延長するのに役立つ。
【0082】
上記の説明は、本出願の特定の実装にすぎず、本出願の保護範囲を限定するものではない。本出願で開示される技術範囲内で当業者によって容易に想到されるいかなる変形形態または置換形態も、本出願の保護範囲内に入るものである。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従わなければならないものである。