(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230421BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2022026110
(22)【出願日】2022-02-22
【審査請求日】2022-03-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 実施期間:令和3年4月13日~令和3年4月18日 実施場所:VIVA LA ROCK公式アプリ(ダウンロードリンクiOS:https://apps.apple.com/us/app/viva-la-rock-2020/id1454487644、Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.eplus.vivalarock)
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500053414
【氏名又は名称】株式会社イープラス
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 勝一郎
(72)【発明者】
【氏名】吉田 将美
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-144621(JP,A)
【文献】特開2003-331171(JP,A)
【文献】特開2002-092237(JP,A)
【文献】特開2019-164691(JP,A)
【文献】特開2016-071544(JP,A)
【文献】特開2016-086342(JP,A)
【文献】特開2015-136037(JP,A)
【文献】特開2004-070565(JP,A)
【文献】特開2019-160268(JP,A)
【文献】特開2004-178521(JP,A)
【文献】特開2003-167973(JP,A)
【文献】特開2014-126958(JP,A)
【文献】国際公開第2015/016094(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置、通信装置、および記憶装置を備えた情報処理装置であって、前記記憶装置は、イベントにおいて開催される複数のサブイベントに対応するサブイベントデータを記憶し、前記サブイベントデータは、前記複数のサブイベントの各々が開催される場所への参加が許可された上限人数を含み、
前記通信装置は、
前記複数のサブイベントに対応するサブイベントリスト電文を送信し、前記サブイベントリスト電文は、前記複数のサブイベントが開催される時間に従って表示されるように構成され、
前記複数のサブイベントのうちの選択されたサブイベントへの参加要求電文を受信し、
前記制御装置は、
前記参加要求電文に基づいて、前記サブイベントデータから、前記選択されたサブイベントに対応する上限人数を判定し、
前記上限人数まで前記参加要求電文に対応する参加要求を許可し、
前記制御装置は、さらに、
前記参加要求のうちの第1の参加要求と第2の参加要求とが関連付けられているか否かを判定し、
前記第1の参加要求と前記第2の参加要求とが関連付けられていると判定した場合、前記上限人数まで前記第1の参加要求および前記第2の参加要求の両方を許可する、
ことを特徴とする、情報処理装置。
【請求項2】
制御装置、通信装置、および記憶装置を備えた情報処理装置であって、前記記憶装置は、イベントにおいて開催される複数のサブイベントに対応するサブイベントデータを記憶し、前記サブイベントデータは、前記複数のサブイベントの各々が開催される場所への参加が許可された上限人数を含み、
前記通信装置は、
前記複数のサブイベントに対応するサブイベントリスト電文を送信し、前記サブイベントリスト電文は、前記複数のサブイベントが開催される時間に従って表示されるように構成され、
前記複数のサブイベントのうちの選択されたサブイベントへの参加要求電文を受信し、
前記制御装置は、
前記参加要求電文に基づいて、前記サブイベントデータから、前記選択されたサブイベントに対応する上限人数を判定し、
前記上限人数まで前記参加要求電文に対応する参加要求を許可し、
前記サブイベントリスト電文は、前記イベントへの参加が許可されたユーザの過去の履歴に基づいて、表示された前記複数のサブイベントの中で特定のサブイベントを推薦することを示すインジケータが表示されるようにさらに構成され
、前記サブイベントリスト電文は、前記複数のサブイベントが開催される場所の位置関係に従って表示される、
ことを特徴とする、情報処理装置。
【請求項3】
前記制御装置は、予め設定された時間内に前記参加要求を受け付け、前記予め設定された時間が経過すると、前記上限人数まで前記参加要求を絞り込む、ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御装置は、無作為抽出によって前記参加要求を絞り込む、ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記憶装置は、前記イベントへの参加を許可したときに割り当てられたイベント参加識別子を含むイベント参加データを更に記憶し、
前記参加要求電文は、前記イベントへの参加が許可されたユーザによって入力されたイベント参加識別子を含み、
前記制御装置は、前記参加要求電文に含まれる前記イベント参加識別子に基づいて、前記イベント参加データから、前記イベント参加識別子を判定する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記参加要求電文のうちの第1の参加要求電文は、前記イベントへの参加が許可された第1のユーザによって入力された第1のイベント参加識別子を含み、
前記参加要求電文のうちの第2の参加要求電文は、前記イベントへの参加が許可された第2のユーザによって入力された第2のイベント参加識別子を含み、
前記第1のイベント参加識別子および前記第2のイベント参加識別子は、相互に関連付けられたことを示す値を含み、
前記制御装置は、前記第1のイベント参加識別子および前記第2のイベント参加識別子に含まれる値に基づいて、前記第1の参加要求と前記第2の参加要求とが関連付けられているか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
制御装置、通信装置、および出力装置を備えた情報処理装置であって、
前記制御装置は、
イベントにおいて開催される複数のサブイベントに対応するサブイベントリストを、前記複数のサブイベントが開催される時間に従って表示し、
前記複数のサブイベントに対する選択入力を受け付け、
前記通信装置は、
前記選択入力に対応するサブイベントへの参加を示す参加要求電文をサーバコンピュータに送信し、
前記サブイベントへの参加を示す参加許可電文を受信し、
前記サブイベントリストは、前記イベントへの参加が許可されたユーザの過去の履歴に基づいて、特定のサブイベントを推薦することを示すインジケータが含まれたサブイベントの情報を含
み、前記サブイベントリストは、前記複数のサブイベントが開催される場所の位置関係に従って表示される、
ことを特徴とする、情報処理装置。
【請求項8】
前記制御装置は、前記参加許可電文を受信したことに応答して、参加許可画面を前記出力装置に表示し、前記参加許可画面は、動画を含む、ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記動画は、現在時刻をカウントアップした動画を含む、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータデバイスによって実行される方法であって、前記コンピュータデバイスは、イベントにおいて開催される複数のサブイベントに対応するサブイベントデータを記憶し、前記サブイベントデータは、前記複数のサブイベントの各々が開催される場所への参加が許可された上限人数を含み、
前記複数のサブイベントに対応するサブイベントリスト電文を送信するステップであって、前記サブイベントリスト電文は、前記複数のサブイベントが開催される時間に従って表示されるように構成されている、ステップと、
前記複数のサブイベントのうちの選択されたサブイベントへの参加要求電文を受信するステップと、
前記参加要求電文に基づいて、前記サブイベントデータから、前記選択されたサブイベントに対応する上限人数を判定するステップと、
前記上限人数まで前記参加要求電文に対応する参加要求を許可するステップと、
を備え、前記許可するステップは、
前記参加要求のうちの第1の参加要求と第2の参加要求とが関連付けられているか否かを判定するステップと、
前記第1の参加要求と前記第2の参加要求とが関連付けられていると判定した場合、前記上限人数まで前記第1の参加要求および前記第2の参加要求の両方を許可するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
コンピュータデバイスによって実行される方法であって、前記コンピュータデバイスは、イベントにおいて開催される複数のサブイベントに対応するサブイベントデータを記憶し、前記サブイベントデータは、前記複数のサブイベントの各々が開催される場所への参加が許可された上限人数を含み、
前記複数のサブイベントに対応するサブイベントリスト電文を送信するステップであって、前記サブイベントリスト電文は、前記複数のサブイベントが開催される時間に従って表示されるように構成されている、ステップと、
前記複数のサブイベントのうちの選択されたサブイベントへの参加要求電文を受信するステップと、
前記参加要求電文に基づいて、前記サブイベントデータから、前記選択されたサブイベントに対応する上限人数を判定するステップと、
前記上限人数まで前記参加要求電文に対応する参加要求を許可するステップと、
を備え、
前記サブイベントリスト電文は、前記イベントへの参加が許可されたユーザの過去の履歴に基づいて、表示された前記複数のサブイベントの中で特定のサブイベントを推薦することを示すインジケータが表示されるようにさらに構成され
、前記サブイベントリスト電文は、前記複数のサブイベントが開催される場所の位置関係に従って表示されることを特徴とする方法。
【請求項12】
コンピュータデバイスによって実行される方法であって、
イベントにおいて開催される複数のサブイベントに対応するサブイベントリストを、前記複数のサブイベントが開催される時間に従って表示するステップと、
前記複数のサブイベントに対する選択入力を受け付けるステップと、
前記選択入力に対応するサブイベントへの参加を示す参加要求電文をサーバコンピュータに送信するステップと、
前記サブイベントへの参加を示す参加許可電文を受信するステップと、
を備え、前記サブイベントリストは、前記イベントへの参加が許可されたユーザの過去の履歴に基づいて、特定のサブイベントを推薦することを示すインジケータが含まれたサブイベントの情報を含
み、前記サブイベントリストは、前記複数のサブイベントが開催される場所の位置関係に従って表示される、ことを特徴とする方法。
【請求項13】
コンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラムであって、前記コンピュータ実行可能命令は、コンピュータデバイスによって実行されるとき、前記コンピュータデバイスに、請求項10乃至12のいずれか一項に記載の方法を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、方法、およびコンピュータプログラムに関する。特に、本開示は、イベント内のサブイベントへの参加を予約する情報処理装置、方法、およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の実演者(一般に、アーチストと称される)のそれぞれが実演を行うイベントが存在する。このようなイベントは、例えば、音楽に関連するイベントである場合、音楽フェスティバルなどと称される。主催者は、1つのイベントを主催し、そのイベントにおいて、複数の実演者のそれぞれが実演を行う(歌を歌い、音楽を演奏するなど)サブイベントが開催される。
【0003】
音楽フェスティバルでは、複数の会場(屋内または野外)において、予め定められたタイムテーブルに従って複数のサブイベントが開催される。音楽フェスティバルへの参加者(ユーザ)は、音楽フェスティバルに対して入場券を購入し、音楽フェスティバルへの参加が許可される。音楽フェスティバルへの参加が許可されると、ユーザは、自身が参加したいサブイベントの会場に訪問し、サブイベントに参加する。
【0004】
近年では、上述したイベントにおいて開催される複数のサブイベントは、コンピュータシステムにおいて管理されている。このようなコンピュータシステムでは、ユーザは、自身が使用するコンピュータデバイスを使用して、イベントの主催者(または、入場券を管理する事業者)が提供するアプリケーションに利用者登録を行う。利用者登録を行うと、ユーザは、イベントに対する入場券を、アプリケーションを通じて購入することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】株式会社オリエンタルランドホームページ、東京ディズニーリゾート(登録商標)・アプリ、“エントリー受付について”、[令和3年11月22日検索]、インターネット<URL:https://www.tokyodisneyresort.jp/tdl/guide/entry>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したイベントにおける複数のサブイベントが開催される会場では、入場者数に制限が設けられることがある。このことから、ユーザは、自身が参加を希望するサブイベントへの参加要求を行う必要がある。事業者は、参加要求を上限人数まで先着順によって受け付け、または参加要求を受け付けた後、上限人数まで絞り込む(抽選など)ことによって、上限人数まで参加要求を許可する。
【0007】
複数のサブイベントのそれぞれは、異なる会場で同時に行われることもある。ユーザがどのサブイベントがいつ開催されるかを視覚的に理解することができると共に、参加を希望するサブイベントへの参加要求を簡易的に行うことができることが望ましい。
【0008】
非特許文献1は、テーマパーク内の各施設への参加要求を受け付け、抽選により参加要求を絞り込むコンピュータシステムを開示している。非特許文献1に開示されたコンピュータシステムでは、ユーザは、自身のコンピュータデバイスにインストールされたアプリケーションを使用することによって、希望する施設への参加要求を行うことができる。
【0009】
非特許文献1に開示されたコンピュータシステムは、各施設のイベントがタイムテーブルに従って開催されることを表示するものではない。また、非特許文献1に開示されたコンピュータシステムは、タイムテーブルに従って表示された複数のサブイベントのうち希望するサブイベントを選択することによって、参加要求を行うことを可能にするものではない。非特許文献1に開示されたコンピュータシステムは、ユーザが、自身が参加を希望する施設を選択してから、参加を希望する時間を選択することによって参加要求を受け付けるものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態に係る情報処理装置は、制御装置、通信装置、および記憶装置を含む情報処理装置であって、前記記憶装置は、イベントにおいて開催される複数のサブイベントに対応するサブイベントデータを記憶し、前記サブイベントデータは、前記複数のサブイベントの各々が開催される場所への参加が許可された上限人数を含み、前記通信装置は、前記複数のサブイベントに対応するサブイベントリスト電文を送信し、前記サブイベントリスト電文は、前記複数のサブイベントが開催される時間に従って表示されるように構成され、前記複数のサブイベントのうちの選択されたサブイベントへの参加要求電文を受信し、前記制御装置は、前記参加要求電文に基づいて、前記サブイベントデータから、前記選択されたサブイベントに対応する上限人数を判定し、前記上限人数まで前記参加要求電文に対応する参加要求を許可する。
【0011】
また、別の実施形態に係る情報処理装置は、制御装置、通信装置、および出力装置を含む情報処理装置であって、前記制御装置は、イベントにおいて開催される複数のサブイベントに対応するサブイベントリストを、前記複数のサブイベントが開催される時間に従って表示し、前記複数のサブイベントに対する選択入力を受け付け、前記通信装置は、前記選択入力に対応するサブイベントへの参加を示す参加要求電文をサーバコンピュータに送信し、前記サブイベントへの参加を示す参加許可電文を受信する。
【0012】
一実施形態に係るコンピュータデバイスによって実行される方法は、コンピュータデバイスによって実行される方法であって、前記コンピュータデバイスは、イベントにおいて開催される複数のサブイベントに対応するサブイベントデータを記憶し、前記サブイベントデータは、前記複数のサブイベントの各々が開催される場所への参加が許可された上限人数を含み、前記複数のサブイベントに対応するサブイベントリスト電文を送信するステップであって、前記サブイベントリスト電文は、前記複数のサブイベントが開催される時間に従って表示されるように構成されている、ステップと、前記複数のサブイベントのうちの選択されたサブイベントへの参加要求電文を受信するステップと、前記参加要求電文に基づいて、前記サブイベントデータから、前記選択されたサブイベントに対応する上限人数を判定するステップと、前記上限人数まで前記参加要求電文に対応する参加要求を許可するステップと、を含む。
【0013】
また、別の実施形態に係るコンピュータデバイスによって実行される方法は、コンピュータデバイスによって実行される方法であって、イベントにおいて開催される複数のサブイベントに対応するサブイベントリストを、前記複数のサブイベントが開催される時間に従って表示するステップと、前記複数のサブイベントに対する選択入力を受け付けるステップと、前記選択入力に対応するサブイベントへの参加を示す参加要求電文をサーバコンピュータに送信するステップと、前記サブイベントへの参加を示す参加許可電文を受信するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0014】
一実施形態に係る情報処理装置および方法によれば、ユーザがどのサブイベントがいつ開催されるかを視覚的に理解することができると共に、参加を希望するサブイベントへの参加要求を簡易的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】情報処理システムの全体的な構成の例を示すブロック図である。
【
図2】コンピュータデバイスおよびクライアントコンピュータの詳細な構成要素の例を示すブロック図である。
【
図3】イベントデータテーブルの例を示す図である。
【
図4】サブイベントデータテーブルの例を示す図である。
【
図6】イベント参加データテーブルの例を示す図である。
【
図7】情報処理システムが実行する処理の例を示すフローチャートである。
【
図8】サブイベントリスト画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付した図面を参照して、一実施形態に係る情報処理システムを詳細に説明する。以下の説明では、情報処理システムは、イベントへの参加が許可された参加者(ユーザ)に対し、タイムテーブルに従って開催される複数のサブイベントを表示し、複数のサブイベントの各々に対して行われた参加要求を上限人数まで許可する。
【0017】
用語「イベント」は、音楽フェスティバルおよび展示会など、特定の主催者によって主催され、複数のユーザが参加する活動を指す。イベントは、1日または複数日にわたって開催される。ユーザは、イベントに参加するために入場券を購入し、その入場券を持参することによって、イベントへの参加が許可される。用語「サブイベント」は、イベントが開催される期間内の予め設定された時間および予め設定された会場において開催される個々の活動(個々の実演者による音楽の演奏など)を指す。
【0018】
用語「事業者」は、イベントを主催する事業者および/またはイベントに対する入場券の販売などを管理する事業者を指す。本実施形態に係る情報処理システムは、事業者によって実装される。事業者は、サブイベントが開催される会場に係員を配備し、係員がユーザの会場への入場をチェックする。
【0019】
<第1の実施形態>
図1を参照して、第1の実施形態に係る情報処理システム100の構成の例を説明する。情報処理システム100は、サーバコンピュータ1、ならびにクライアントコンピュータ2a、2b、および2n(以下、総称して「クライアントコンピュータ2」)を含む。サーバコンピュータ1およびクライアントコンピュータ2は、ネットワーク3(インターネットなどのパブリックネットワーク)を介して相互に接続される。
【0020】
サーバコンピュータ1は、事業者が実装するコンピュータデバイス(情報処理装置)であり、クライアントコンピュータ2と連動して、ユーザにサービスを提供する。サーバコンピュータ1は、イベントおよびイベントと関連付けられたサブイベントを管理し、ユーザのサブイベントへの参加要求を絞り込むなどの処理を実行する。サーバコンピュータ1が実行する具体的な処理は、本実施形態に関連して以下で説明する。なお、サーバコンピュータ1は、単独のコンピュータデバイスによって実装されてもよく、または複数のコンピュータデバイスによって実装されてもよい。
【0021】
クライアントコンピュータ2の各々は、ユーザが使用し、サーバコンピュータ1から提供されるサービスを提供するためのコンピュータプログラム(アプリケーション)を実行するコンピュータデバイス(情報処理装置)である。クライアントコンピュータ2は、タイムテーブルに従って開催される複数のサブイベントを表示し、ユーザによるサブイベントへの参加要求の入力を受け付けるなどの処理を実行する。クライアントコンピュータ2は、スマートフォンおよびタブレットなどの携帯型コンピュータデバイス、ラップトップ型コンピュータデバイス、ならびにノート型コンピュータデバイスなどであってもよいが、ユーザがイベント会場において使用するため、携帯型コンピュータデバイスであることが望ましい。本実施形態では、クライアントコンピュータ2は、スマートフォンによって実装されるものとする。
【0022】
次に、
図2を参照して、サーバコンピュータ1およびクライアントコンピュータ2の詳細な構成要素の例を説明する。サーバコンピュータ1は、制御装置11、メモリ12、記憶装置13、および通信装置14を含む。
図2に示すように、サーバコンピュータ1は、クライアントコンピュータ2と接続される。
【0023】
制御装置11は、プロセッサとも称され、上記各構成要素の制御やデータの演算を実行する。また、制御装置11は、本実施形態に係る各種処理を実行するための、記憶装置13に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムおよび本実施形態を実装するための各種プログラム)をメモリ12に読み出して実行する。ここで、上述したプログラムとは、情報処理システム100が実行する機能の一部を実装するためのプログラムであり、サーバコンピュータ1の記憶装置13に記憶されている。
【0024】
メモリ12は、クライアントコンピュータ2から送信されたデータ、コンピュータ実行可能な命令、および当該命令による演算処理後のデータなどを記憶した揮発性データ記憶装置である。メモリ12は、RAM(ランダムアクセスメモリ)(例えば、SRAM(スタティックRAM)およびDRAM(ダイナミックRAM))などで実装されてもよい。
【0025】
記憶装置13は、上述したプログラムおよびDBMS(Database Management System)によって使用されるデータテーブル13aなどを記憶した不揮発性データ記憶装置である。記憶装置13は、ROM(リードオンリメモリ)などの不揮発性半導体メモリ、磁気記憶装置(ハードディスクドライブなど)、および光ディスクなどで実装されてもよい。なお、プログラムおよびデータテーブルなどのデータは、記憶装置13に加えまたはその代わりに、NAS(Network Attached Storage)および/またはSAN(Storage Area Network)などに記憶されてもよい。
【0026】
通信装置14は、ネットワーク3を通じてクライアントコンピュータ2との間でデータおよび制御情報を送受信するネットワークインタフェースである。このネットワークインタフェースは、例えば、TCP/IPなどのプロトコルに準拠したネットワークカード(例えば、LANカード)などによって実装される。
【0027】
クライアントコンピュータ2は、制御装置21、メモリ22、記憶装置23、通信装置24、入力装置25、および出力装置26を含む。制御装置21、メモリ22、記憶装置23、および通信装置24は、上述した制御装置11、メモリ12、記憶装置13、および通信装置14と同等の機能を果たすので、詳細な説明は省略する。なお、記憶装置23も記憶装置13と同様に、データテーブル23aを記憶してもよい。
【0028】
入力装置25は、ユーザがイベントに参加するために必要な情報を入力するための装置であり、例えば、タッチパネル、キーボード、およびマウスなどを含む。本実施形態では、入力装置25は、ユーザによるタッチ入力を受け付けるタッチパネルによって実装されるものとする。
【0029】
出力装置26は、タイムテーブルに従って開催される複数のサブイベントのリストを表示および/または出力するための装置であり、例えば、ディスプレイおよびスピーカなどを含む。本実施形態では、出力装置26は、ユーザにサブイベントのリストを視覚的に表示する(タッチパネル)ディスプレイによって実装されるものとする。
【0030】
次に、
図3を参照して、イベントデータテーブル300の例を説明する。イベントデータテーブル300は、開催されるイベントに関する情報を記憶したデータテーブルであり、記憶装置13に記憶される。事業者は、開催されるイベントが決定すると、イベントに関する情報を入力し、その入力によって、イベントデータテーブル300にイベントデータレコードが追加される。情報の入力は、サーバコンピュータ1に接続されたコンピュータデバイス(図示しない)を通じて行われる。
【0031】
図3に示すように、イベントデータテーブル300は、データ項目として、イベント識別子(ID)301、開催日302、および入場料303を含む。イベントデータテーブル300は、イベントごとのイベントデータレコードを含む。
【0032】
イベント識別子301には、イベントごとに一意に割り当てられた識別子(例えば、数字および/またはアルファベットなどの組み合わせ)が設定される。開催日302には、対象のイベントの開催日が設定される。入場料303には、対象のイベントの入場料が設定される。なお、イベントデータテーブル300のデータ項目は例示にすぎず、これらのデータ項目の全てを含む必要はなく、また、
図3に示されていないデータ項目を含んでもよい(例えば、イベント名など)。
【0033】
次に、
図4を参照して、サブイベントデータテーブル400の例を説明する。サブイベントデータテーブル400は、開催されるイベントと関連付けられたサブイベントに関する情報を記憶したデータテーブルであり、記憶装置13に記憶される。事業者は、開催されるサブイベントが決定すると、サブイベントに関する情報を入力し、その入力によって、サブイベントデータテーブル400にサブイベントデータレコードが追加される。
【0034】
図4に示すように、サブイベントデータテーブル400は、データ項目として、サブイベント識別子(ID)401、イベント識別子402、サブイベント名403、開催日時404、会場405、および上限人数406を含む。サブイベントデータテーブル400は、サブイベントごとのサブイベントデータレコードを含む。
【0035】
サブイベント識別子401には、サブイベントごとに一意に割り当てられた識別子(例えば、数字および/またはアルファベットなどの組み合わせ)が設定される。イベント識別子402には、対象のサブイベントに対応するイベントに割り当てられたイベント識別子が設定される(イベントデータテーブル300のイベント識別子301に設定された値と同一の値)。サブイベント名403、開催日時404、および会場405には、対象のサブイベントの名称、開催日時、および会場(場所)がそれぞれ設定される。上限人数406には、対象のサブイベントが開催される会場への参加(入場)が許可される上限人数が設定される。なお、サブイベントデータテーブル400のデータ項目は例示にすぎず、これらのデータ項目の全てを含む必要はなく、また、
図4に示されていないデータ項目を含んでもよい(例えば、実演者名など)。
【0036】
次に、
図5を参照して、ユーザデータテーブル500の例を説明する。ユーザデータテーブル500は、ユーザに関する情報を記憶したデータテーブルであり、記憶装置13に記憶される。ユーザは、サーバコンピュータ1(事業者)によって提供されるイベント管理サービスおよび/または入場券販売サービスを受けるための会員になることができ、ユーザが会員登録を行うときに、ユーザに関する情報を入力し、その入力によって、ユーザデータテーブル500にユーザデータレコードが追加される。情報の入力は、例えば、クライアントコンピュータ2の制御装置21が所定のプログラムを実行することによって、情報を入力するためのインタフェースが起動し、そのインタフェースへの入力を通じて行われる(入力装置25および出力装置26を使用して)。
【0037】
図5に示すように、ユーザデータテーブル500は、データ項目として、ユーザ識別子(ID)501、連動設定502、および関連ユーザ識別子503を含む。ユーザデータテーブル500は、ユーザごとのユーザデータレコードを含む。
【0038】
ユーザ識別子501には、ユーザごとに一意に割り当てられた識別子(数字および/またはアルファベットなどの組み合わせ)が設定される。連動設定502には、詳細について後述する、サブイベントへの参加要求が無作為抽出(抽選)によって絞り込まれるときに、入場券を同時購入した同伴者と連動して無作為抽出が行われるか否かを示す値が設定され、例えば、「0:連動なし」または「1:連動あり」が設定される。関連ユーザ識別子503は、例えば、対象のユーザの友人として指定されたユーザ識別子が設定される(関連ユーザ識別子503に設定された値と同一の値が、別のユーザデータレコードのユーザ識別子501に設定される)。なお、ユーザデータテーブル500のデータ項目は例示にすぎず、これらのデータ項目の全てを含む必要はなく、また、
図5に示されていないデータ項目を含んでもよい(例えば、ユーザ名およびユーザ住所など)。
【0039】
上記説明したイベントデータテーブル300には、少なくとも対象のイベントが開催されるときまでに、対応するイベントデータレコードが記憶されていることになる。同様に、サブイベントデータテーブル400には、少なくとも対象のサブイベントが開催されるときまでに、対応するサブイベントデータレコードが記憶されていることになる。また、ユーザデータテーブル500には、対象のユーザに対応するユーザデータレコードが記憶されているものとする。なお、ユーザがイベントに参加するために、上述した会員登録を行うことは必須ではない。この場合、対象のユーザに対応するユーザデータレコードがユーザデータテーブル500に記憶されていないことになる。
【0040】
少なくとも、上述したイベントデータテーブル300に対象のイベントデータレコードが追加されると(つまり、対象のイベントの開催が決定されると)、その後のユーザは、対象のイベントの入場券を購入することができる。入場券は、紙媒体または電子媒体のいずれかの形式にあり、入場券を購入すると、対象のユーザが対象のイベントへの参加を許可されたことを示すイベント参加識別子(整理番号)がサーバコンピュータ1によって割り当てられる。イベント参加識別子は、1人のユーザおよび1つのイベントごとに一意な番号(例えば、数字および/またはアルファベットなどの組み合わせ)を有する。
【0041】
ユーザは、クライアントコンピュータ2を使用して、必要な情報を入力することによって、入場券を購入することができる。情報の入力は、例えば、クライアントコンピュータ2の制御装置21が所定のプログラムを実行することによって、情報を入力するためのインタフェースが起動し、そのインタフェースへの入力を通じて行われる(入力装置25および出力装置26を使用して)。入力インタフェースは、例えば、ユーザが上述した会員登録を行うことによって、サーバコンピュータ1からダウンロードされる、入場券購入プログラム(アプリケーション)を実行することによって起動される。
【0042】
また、入場券が電子媒体の形式にある場合、その電子データがサーバコンピュータ1からクライアントコンピュータ2に送信される(イベント参加識別子を含む)。後述するように、イベント参加識別子は、対象のイベントにおいてユーザがサブイベントへの参加要求を行うときに使用される。
【0043】
ユーザが入場券を購入し、イベント参加識別子が割り当てられると、サーバコンピュータ1の制御装置11は、イベント参加データテーブル600にイベント参加データレコードを追加する。
図6を参照して、イベント参加データテーブル600の例を説明する。イベント参加データテーブル600は、開催されるイベントへのユーザの参加に関する情報を記憶したデータテーブルであり、記憶装置13に記憶される。
【0044】
図6に示すように、イベント参加データテーブル600は、データ項目として、イベント識別子(ID)601、イベント参加識別子602、およびユーザ識別子603を含む。イベント参加データテーブル600は、1人のユーザおよび1つのイベントごとのイベント参加データレコードを含む。
【0045】
イベント識別子601には、対象のサブイベントに対応するイベントに割り当てられたイベント識別子が設定される(イベントデータテーブル300のイベント識別子301に設定された値と同一の値)。イベント参加識別子602には、対象のユーザおよびイベントに割り当てられたイベント参加識別子が設定される。なお、イベント参加データテーブル600のデータ項目は例示にすぎず、これらのデータ項目の全てを含む必要はなく、また、
図6に示されていないデータ項目を含んでもよい(例えば、入場券購入日時など)。
【0046】
次に、
図7に示すフローチャートを参照して、第1の実施形態に係る情報処理システム100が実行する処理の例を説明する。
図7に示す処理は、対象のイベントに対する入場券を購入したユーザが、イベント開催日にサブイベントが開催される会場への参加要求(予約)を行う例である。
図7に示す処理は、サーバコンピュータ1およびクライアントコンピュータ2のいずれもが所定のプログラムを実行し、両者が連動することによって実行される。クライアントコンピュータ2において実行されるプログラムは、対象のイベント専用のアプリケーションプログラムであり、例えば、入場券を購入し、または会員登録を行ったことに応答して、サーバコンピュータ1からダウンロードされる。
【0047】
まず、クライアントコンピュータ2の制御装置21が上述したプログラムを実行することによって、対象のイベントにおいて開催されるサブイベントへの参加要求を行うための入出力インタフェース(画面)のが表示される。ユーザは、この入出力インタフェースに対して入力操作を行うことによって、サブイベントに対する参加要求を行うことができる。
【0048】
ユーザが入出力インタフェースに表示されたサブイベント表示ボタンを押下すると、クライアントコンピュータ2の通信装置24は、サーバコンピュータ1にサブイベントリスト要求電文を送信する(ステップS701)。サブイベントリスト要求電文は、対象のイベントに対応するイベント識別子を含み、対象のイベント専用のアプリケーションプログラムを実行することによって生成される。
【0049】
次に、サーバコンピュータ1の通信装置14がサブイベントリスト要求電文を受信すると、制御装置11は、サブイベントリスト要求電文に含まれるイベント識別子に基づいて、サブイベントデータテーブル400から対応する全てのサブイベントデータレコードを取得する(ステップS702)。この処理によって、対象のイベントにおいて開催される全てのサブイベントに対応するサブイベントデータレコードが取得される。
【0050】
次に、制御装置11は、ステップS702において取得したサブイベントデータレコードに基づいて、サブイベントリストを生成し、通信装置14がサブイベントリスト電文としてクライアントコンピュータ2に送信する(ステップS703)。サブイベントリスト電文は、それぞれのサブイベントに対応するサブイベント名、開催日時、会場、および上限人数を少なくとも含む(ステップS702において取得したサブイベントデータレコードのサブイベント名403、開催日時404、会場405、および上限人数406に設定された値)。
【0051】
次に、クライアントコンピュータ2の通信装置24がサブイベントリスト電文を受信すると、制御装置21は、サブイベントリスト電文に含まれるそれぞれのサブイベントに対応するサブイベント名、開催日時、および会場をリスト形式(サブイベントリスト)で出力装置26に表示する(ステップS704)。表示されるリストは、サブイベントが開催される時間順に表示され、任意選択で、サブイベントが開催される会場の位置関係に従って(例えば、2つのサブイベントが開催される会場が同一である場合、開催される会場間の位置が近い場合など、それらのサブイベントを隣接して表示する)表示される。このようにして、対象のイベントにおいて開催されるサブイベントの全てがタイムテーブルに従って表示されることになる。
【0052】
図8は、出力装置26に表示されたサブイベントリスト画面800の例を示す。サブイベントリスト画面800は、複数のサブイベントの各々に対応するサブイベントインジケータ801a、801b、および801n(以下、総称して「サブイベントインジケータ801」)を含む。
【0053】
図8に示すように、サブイベントリスト画面800は、対象のイベントにおいて開催される複数のサブイベントに対応するサブイベントインジケータ801が、タイムテーブル(開催される時間)に従って表示される。本実施形態では、複数のサブイベントが3か所の会場で開催され、3か所の会場のそれぞれに関連付けてサブイベントが表示される。
図8に示す例では、同一の会場において開催される複数のサブイベントは、同一の列に表示される。なお、
図8に示す構成に代えて、サブイベントインジケータ801のそれぞれに、開催日時および会場が表示されてもよい。
【0054】
サブイベントリスト画面800において、例えば、対象のユーザの過去の履歴に基づいて、ユーザが希望するサブイベントを予測し、そのサブイベントを推薦するインジケータが表示されてもよい。インジケータは、例えば、推薦するサブイベントに対応するサブイベントインジケータ801の色を他のサブイベントインジケータ801の色と異なる色にすること、推薦するサブイベントに対応するサブイベントインジケータ801に特定の文言(例えば、「過去に参加した実演者が実演します」など)を挿入すること、などを含んでもよい。
【0055】
サブイベントの推薦は、例えば、ユーザが同一の実演者が実演するサブイベントに過去に参加したか(または、後述する参加要求を過去に行ったか)などの履歴に基づいて判定されてもよい。上述した履歴は、例えば、ユーザデータテーブル500に記憶されたユーザ識別子に対応するユーザが、参加要求を行ったことを示す情報を記憶装置に記憶することによって記録されてもよい。
【0056】
サブイベントの推薦は、サーバコンピュータ1によって行われてもよい。この場合、サーバコンピュータ1の制御装置11が、ユーザが参加要求を行ったときに、少なくともユーザおよび実演者などを特定する情報をデータテーブル13aに記憶してもよい。また、サブイベントの推薦は、クライアントコンピュータ2によって行われてもよい。この場合、クライアントコンピュータ2の制御装置21が、上述した情報をデータテーブル23aに記憶してもよい。
【0057】
ユーザが、参加を希望するサブイベントに対応するサブイベントインジケータ801を選択すると(例えば、タッチパネル上のサブイベントインジケータを押下)、参加要求画面に遷移することができる(制御装置21が参加要求画面を出力装置26に表示する)。参加要求画面が表示されると、ユーザは、割り当てられたイベント参加識別子を入力する(ステップS705)。この入力は、例えば、ユーザが入力装置25(タッチパネル)を使用してイベント参加識別子を入力することによって行われてもよい(入場券が電子媒体の場合)。また、入力は、例えば、入場券に印字されたイベント参加識別子(または、イベント参加識別子を符号化したコード(バーコードまたは二次元コードなど))を、カメラ(図示せず)を使用して撮影し、クライアントコンピュータ2にインストールされた専用プログラムが撮影したイベント参加識別子を認識することによって行われてもよい(入場券が紙媒体の場合)。
【0058】
イベント参加識別子が入力されると、通信装置24は、サーバコンピュータ1にサブイベント参加要求電文を送信する(ステップS706)。サブイベント参加要求電文は、対象のサブイベントに対応するサブイベント識別子および入力されたイベント参加識別子を含む。
【0059】
次に、サーバコンピュータ1の通信装置14がサブイベント参加要求電文を受信すると、制御装置11は、サブイベント参加要求電文に含まれるサブイベント識別子に基づいて、サブイベントデータテーブル400から対応するサブイベントデータレコードを取得する(ステップS707)。また、サブイベント参加要求電文に含まれるイベント参加識別子およびステップS707において取得したサブイベントデータレコードのイベント識別子402に設定された値に基づいて、イベント参加データテーブル600から対応するイベント参加データレコードを取得する(ステップS708)。
【0060】
ステップS708の処理は、ステップS705において正当なイベント参加識別子が入力されたか否かをチェックするものである(つまり、ユーザがサブイベントに対応するイベントに対する入場券を購入しているか否かをチェック)。ステップS708においてイベント参加データレコードを取得することができない場合、イベント参加データテーブル600に記憶されたイベント参加識別子が入力されていないことになり、例えば、通信装置14は、クライアントコンピュータにエラー電文を送信してもよい。
【0061】
ステップS704乃至ステップS708の処理によって、ユーザからの対象のサブイベントへの参加要求が行われることになる。次に、制御装置11は、ステップS707において取得したサブイベントデータレコードの上限人数406に設定された値(上限人数)に基づいて、参加要求を先着順によって受け付け、または受け付けた参加要求を無作為抽出によって上限人数まで絞り込む(ステップS709)。つまり、上限人数まで対象のサブイベントへの参加要求を許可する。
参加要求を
【0062】
先着順によって参加要求を受け付ける場合、制御装置11は、複数のユーザの各々から対象のサブイベントへの参加要求が行われる都度、カウンタを加算し、上限人数までは参加要求を受け付け、上限人数を上回った場合、通信装置14がクライアントコンピュータにエラー電文を送信する。
【0063】
無作為抽出によって参加要求を絞り込む場合、制御装置11は、予め設定された時間内に(例えば、対象のサブイベントの開催時間のn分前)複数のユーザの各々から対象のサブイベントへの参加要求を受け付け、予め設定された時間が経過すると受け付けた参加要求を絞り込む。参加要求の絞り込みは、例えば、参加要求に一意な連番を割り当てて行列に格納し、割り当てた連番内で乱数を生成し、生成した乱数に対応する連番が割り当てられた参加要求を行列から取り出すことによって行われてもよい。また、参加要求の絞り込みは、乱択アルゴリズム(ラスベガス法およびモンテカルロ法など)などの公知のアルゴリズムを使用して行われてもよい。
【0064】
また、対象のサブイベントが開催される会場内の区画(席)に優先度を割り当て(例えば、実演者に最も近い100人分の区画に第1の優先度が割り当てられ、2番目に近い100人分の区画に第2の優先度が割り当てられるなど)、先着順または無作為抽出によって、参加要求に対し、それぞれの優先度が割り当てられた区画を許可してもよい。つまり、先着順または無作為抽出によって参加要求を順位付け、順位付けに従って高い優先度の区画を割り当てる。
【0065】
上述した順位付けは、先着順の場合、参加要求が行われた時間順に従って行われてもよく、無作為抽出の場合、当選した時間順に従って行われてもよい。また、参加要求をランダムにグループ化し、グループに優先度が割り当てられてもよい。会場内の区画に割り当てる優先度は、サブイベントごとに優先度と区画とを関連付けて記憶装置13に記憶される。さらに、例えば、上述した乱択アルゴリズムにおいて優先度に重み付けを行うことによって、参加要求に対し、重み付けに対応する優先度が割り当てられた区画を許可してもよい。
【0066】
ステップS709の処理によって参加要求が許可されたユーザに対し、制御装置11は、サブイベント参加識別子(整理番号)を割り当て、通信装置14は、クライアントコンピュータ2に参加許可電文を送信する(ステップS710)。参加許可電文は、割り当てたサブイベント参加識別子、ならびに対象のサブベントが開催される開催日時および会場(ステップS707において取得したサブイベントデータレコードの開催日時404および会場405に設定された値)を含む。
【0067】
次に、クライアントコンピュータ2の通信装置24が参加許可電文を受信すると、制御装置21は、参加許可電文に含まれるサブイベント参加識別子を出力装置26に表示する(ステップS711)。クライアントコンピュータ2が参加許可電文を受信することによって、対象のサブイベントへの参加要求が許可されたことがユーザに通知される。
【0068】
図9は、出力装置26に表示された参加許可画面900の例を示す。参加許可画面900は、対象のサブイベントが開催される会場においてユーザがサブイベントへの参加を許可されていることを証明するために使用され、係員は、参加許可画面900を確認することによって、ユーザの会場への入場を許可する。
【0069】
参加許可画面900は、サブイベント参加識別子表示欄901、現在時刻表示欄902、開催日時表示欄903、および会場表示欄904を含む。サブイベント参加識別子表示欄901、開催日時表示欄903、および会場表示欄904には、参加許可電文に含まれるサブイベント参加識別子(および、許可された会場内の区画)、開催日時、および会場がそれぞれ表示される。
【0070】
現在時刻表示欄902は、現在の時刻が表示される。現在時刻表示欄902に表示される時刻は、例えば、クライアントコンピュータ2が基地局から受信した時刻情報に基づいており、時刻のカウントアップを継続した状態で現在時刻表示欄902に時刻が表示される(つまり、時刻の数字がカウントアップされる動画が表示される)。このようにして時刻を表示することによって、例えば、対象のサブイベントに参加が許可されなかったユーザが、参加許可画面900をスマートフォンなどのコンピュータデバイスに搭載されたカメラを使用して撮影して参加許可画面900に対応する画像を係員に提示することによるなりすましを防止することができる。
【0071】
なお、本実施形態では、現在時刻が動画で表示される例を説明したが、例えば、参加許可画面900のいずれかの部分に、文字、図形、および/または模様が動画で表示されるなど(例えば、特定も図形などが参加許可画面900上で移動および/または点滅するなど)、参加許可画面900に対して画像の加工が行われてもよい(動画エフェクトとも称される)。また、予めクライアントコンピュータ2に記憶された動画、またはサーバコンピュータ1からリアルタイムで配信された動画を参加許可画面900上で再生してもよい。いずれの方式においても、係員は、参加許可画面900上の動画を確認することによって、ユーザの会場への入場を許可するので、上述したなりすましを防止することができる。
【0072】
以上のように、第1の実施形態を説明した。本実施形態では、ユーザが使用するクライアントコンピュータにおいて、開催時間に従って複数のサブイベントを表示されるので、ユーザは、開催される複数のサブイベントの開催時間を把握しやすくなる。また、表示されたサブイベントを選択することによってサブイベントへの参加要求が受け付けられるので、ユーザは、サブベントへの参加(つまり、予約)を簡易的に行うことができる。
【0073】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係る情報処理システム100の構成の例を説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態において説明した特徴に加え、上述した参加要求が無作為抽出によって絞り込まれるときに、関連するユーザと連動して絞り込まれる特徴を含む。
【0074】
複数のユーザがイベントに参加することを計画している場合、複数のユーザのうちの一人が複数のユーザ全員分の入場券を一括して購入することがある。第2の実施形態では、このようにして複数の入場券を一括して購入した場合、それらの複数のユーザからの参加要求を連動させて絞り込む。本実施形態では、ユーザAがユーザA、ユーザB、およびユーザCに対して3枚の入場券(紙媒体または電子媒体のいずれかで)を購入するものとする。
【0075】
ユーザAが3枚の入場券を一括して購入すると、サーバコンピュータ1の制御装置11が3枚の入場券に対してそれぞれイベント参加識別子を割り当てるが、割り当てた3つのイベント参加識別子を関連付けることができるようにイベント識別子を割り当てる。例えば、イベント参加識別子が10桁の場合、制御装置11は、3つのイベント参加識別子が先頭からの9桁において同一の番号を有し、最後の10桁のみ異なる番号などを3つのイベント参加識別子に割り当てる。このようにイベント参加識別子を割り当てることによって、サーバコンピュータ1は、関連付けられたイベント参加識別子を識別することができる。
【0076】
このような状態で、例えば、ユーザA、ユーザB、およびユーザCのいずれもがサブイベントaについての参加要求を行った場合、
図7のステップS709の処理において、参加要求を絞り込む場合、制御装置11は、ユーザA、ユーザB、およびユーザCからの参加要求を以下のように絞り込む。なお、無作為抽出は、ユーザA、ユーザB、およびユーザCの順序で行われるものとする。
【0077】
【0078】
表1の例に示すように、第2の実施形態では、複数のユーザが複数の入場券を一括購入した場合、入場券に対応するイベント参加識別子が関連付けられ、イベント参加識別子に対応する参加要求の全てが許可されるか、または全てが許可されない。つまり、相互に関連付けられたイベント参加識別子に対応するサブイベントへの複数の参加要求が行われた場合、そのうち1つの参加要求が当選すれば、上限人数に到達していない限り、全ての参加要求が許可される。一方、そのうちの一部または全ての参加要求が当選しても、上限人数に到達している場合、全ての参加要求が許可されない。
【0079】
本実施形態では、複数の入場券を一括購入した場合、複数のユーザが同伴してイベントに参加するものと見なして、同一のサブイベントに対して複数の参加要求が行われた場合、その全てを許可し、または全てを許可しない(連動抽出方式)。このように構成することによって、希望するサブイベントに同伴者の一部のみが参加することができないような事態を回避することができる。
【0080】
なお、本実施形態では、入場券を一括購入した場合に、連動抽出方式が適用されるが、このような例に限定されない。例えば、対象のユーザがユーザ登録を行う際、連動抽出方式を希望するか否かを登録してもよい。この場合、ユーザデータテーブル500の連動設定502に、「0:連動なし」または「1:連動あり」が設定される。ステップS709の処理においては、制御装置11は、イベント参加データテーブル600から対象のイベント参加データレコードを取得し、対応してユーザデータテーブル500から対象のユーザデータレコードを取得し、連動設定502に設定された値を参照することによって、参加要求の絞り込みに連動抽出方式を適用するか否かを判定する。
【0081】
また、複数のユーザがユーザ登録を行う際、相互に関連付けられたユーザであることを登録してもよい。この場合、ユーザデータテーブル500の関連ユーザ識別子503に、相互のユーザに割り当てられたユーザ識別子が設定される(ユーザAおよびユーザBが関連付けられる場合、ユーザAのユーザデータレコードの関連ユーザ識別子503に、ユーザBに割り当てられたユーザ識別子が設定され、ユーザBのユーザデータレコードの関連ユーザ識別子503に、ユーザAに割り当てられたユーザ識別子が設定される)。ステップS709の処理においては、制御装置11は、イベント参加データテーブル600から対象のイベント参加データレコードを取得し、対応してユーザデータテーブル500から対象のユーザデータレコードを取得し、関連ユーザ識別子503に設定された値を参照し、複数の参加要求が関連付けられているかを判定することによって、絞り込みに連動抽出方式を適用するか否かを判定する。
【0082】
更に、ユーザがサブイベントへの参加要求を行うとき、サブイベントごとに参加要求の絞り込みに連動抽出方式を適用するか否かを選択することができるように構成されてもよい。例えば、
図8において説明したサブイベントインジケータ801を選択すると、参加要求の絞り込みに連動抽出方式を適用するか否かを選択することができる画面が表示されてもよい。この場合、ステップS706の処理においてサーバコンピュータ1に送信されるサブイベント参加要求電文に、参加要求の絞り込みに連動抽出方式を適用するか否かを示すインジケータが含まれる。
【0083】
以上のように、第2の実施形態を説明した。本実施形態では、同伴してイベントに参加する複数のユーザの一部のみが、希望するサブイベントに参加することができないような事態を回避することができる。また、サブイベントが開催される会場の上限人数を上回ると、複数のユーザからの参加要求の全てを許可しないので、上限人数を上回って参加要求を許可するような事態をも回避することができる。
【0084】
上記実施形態で説明したハードウェアの構成要素は例示的なものにすぎず、その他の構成も可能であることに留意されたい。また、上記実施形態で説明した処理の順序は、必ずしも説明した順序で実行される必要がなく、任意の順序で実行されてもよい。さらに、本実施形態の基本的な概念から逸脱することなく、追加のステップが新たに加えられてもよい。
【0085】
また、一実施形態に係る情報処理システム100は、サーバコンピュータ1によって実行されるコンピュータプログラムによって実装されるが、当該コンピュータプログラムは、非一時的記憶媒体に記憶されてもよい。クライアントコンピュータ2によって実行されるコンピュータプログラムも同様である。非一時的記憶媒体の例は、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリ装置、内蔵ハードディスクおよび取外可能ディスク装置などの磁気媒体、光磁気媒体、ならびにCD-ROMディスクおよびデジタル多用途ディスク(DVD)などの光学媒体などを含む。
【符号の説明】
【0086】
1 サーバコンピュータ
2a クライアントコンピュータ
2b クライアントコンピュータ
2n クライアントコンピュータ
3 ネットワーク
100 情報処理システム
【要約】
【課題】ユーザがどのサブイベントがいつ開催されるかを視覚的に理解し、参加を希望するサブイベントへの参加要求を簡易的に行うことを可能にする。
【解決手段】記憶装置は、イベントにおいて開催される複数のサブイベントに対応するサブイベントデータを記憶し、サブイベントデータは、複数のサブイベントの各々が開催される場所への参加が許可された上限人数を含む。通信装置は、複数のサブイベントに対応するサブイベントリスト電文を送信し、サブイベントリスト電文は、複数のサブイベントが開催される時間に従って表示されるように構成され、複数のサブイベントのうちの選択されたサブイベントへの参加要求電文を受信する。制御装置は、参加要求電文に基づいて、サブイベントデータから、選択されたサブイベントに対応する上限人数を判定し、上限人数まで参加要求電文に対応する参加要求を許可する。
【選択図】
図7