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特許7266748改良されたカバー組立体を備えるフィルタリングユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-20
(45)【発行日】2023-04-28
(54)【発明の名称】改良されたカバー組立体を備えるフィルタリングユニット
(51)【国際特許分類】
   B01D 29/90 20060101AFI20230421BHJP
   B01D 29/66 20060101ALI20230421BHJP
   B01D 29/46 20060101ALI20230421BHJP
【FI】
B01D29/42 501E
B01D29/38 520A
B01D29/46 C
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022511054
(86)(22)【出願日】2020-06-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-27
(86)【国際出願番号】 EP2020068240
(87)【国際公開番号】W WO2021032345
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-03-29
(31)【優先権主張番号】19306019.1
(32)【優先日】2019-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518268097
【氏名又は名称】アルファ・ラヴァル・モアッティ・エスアエス
(73)【特許権者】
【識別番号】509005513
【氏名又は名称】アルファ-ラヴァル・コーポレート・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アドリアン・ニコル
【審査官】谷本 怜美
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-538681(JP,A)
【文献】スイス国特許発明第00386989(CH,A)
【文献】仏国特許発明第02902024(FR,A)
【文献】特開昭58-040119(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0151512(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 24/00-37/04
B01D 46/00-46/90
F01M 11/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタリングユニット(10)であって、
内壁、前記内壁の周囲に配置され前記内壁との間に内部空間を画定する外壁、および前記内部空間をプリフィルタチャンバとポストフィルタチャンバに区分するフィルタリング媒体を有するフィルタリング構成要素(20)であって、少なくとも前記プリフィルタチャンバは、セクタへと円周方向に仕切られ、前記内壁および外壁の少なくとも一方は、それぞれ、前記セクタの対応するものと連通する通路を有する、フィルタリング構成要素(20)と、
前記フィルタリング構成要素(20)と同軸に配置され、別々の分配カラム(32)を有するデバイダ(30)と、
前記フィルタリング構成要素(20)の軸方向端部に配置されるカバー(40)と、
排出開放部(74)を備えるシャッタ(72)を有する回転逆洗分配器(70)であって、前記回転逆洗分配器(70)は、取り付けられて、前記排出開放部(74)が、各分配カラム(32)と周期的かつ選択的に連通状態になるように回転し、それにより、各分配カラム(32)が、前記排出開放部(74)と、前記通路のそれぞれのものとの間で連通を周期的かつ選択的に確立する、回転逆洗分配器(70)と
を備え、
前記フィルタリングユニットは、前記カバー(40)と前記回転逆洗分配器(70)の間に配置される分割プレート(60)をさらに備え、前記分割プレート(60)は、前記カバー(40)に対して取外し可能に固定され、かつ前記分配カラム(32)の中へと開く開口部(62)を有すること、および前記シャッタ(72)が、少なくとも前記排出開放部(74)を囲む閉じた輪郭上で前記分割プレート(60)の接触面(67)に当接すること
を特徴とするフィルタリングユニット(10)。
【請求項2】
前記回転逆洗分配器(70)の前記シャッタ(72)と接触するための、前記分割プレート(60)の前記接触面(67)は、軸対称である、請求項1に記載のフィルタリングユニット。
【請求項3】
前記開口部(62)は、前記分配カラム(32)と位置合わせされる、請求項1または2に記載のフィルタリングユニット。
【請求項4】
前記分割プレート(60)は、前記デバイダ(30)を越えて半径方向に延びる、請求項1から3のいずれか一項に記載のフィルタリングユニット。
【請求項5】
前記カバー(40)は、前記分配カラム(32)から、または前記分配カラム(32)への流体の循環を行うための軸方向開放部(42)を有し、前記分割プレート(60)は、前記軸方向開放部(42)よりも半径方向に大きい、請求項1から4のいずれか一項に記載のフィルタリングユニット。
【請求項6】
前記分割プレート(60)は、前記フィルタリング構成要素(20)とは反対の前記カバー(40)の側で、前記カバー(40)および前記デバイダ(30)に当接する、請求項1から5のいずれか一項に記載のフィルタリングユニット。
【請求項7】
前記分割プレート(60)を前記カバー(40)に締結するための締結具(82)をさらに備え、前記締結具(82)は、前記分割プレート(60)上の前記回転逆洗分配器(70)の経路の外側に配置される、請求項1から6のいずれか一項に記載のフィルタリングユニット。
【請求項8】
前記分割プレート(60)は、前記開口部(62)に対して半径方向に隣接する環状部分(66)を備え、前記締結具(82)は、前記環状部分(66)に設けられる、請求項7に記載のフィルタリングユニット。
【請求項9】
前記分割プレート(60)は、前記デバイダ(30)に固定される、請求項1から8のいずれか一項に記載のフィルタリングユニット。
【請求項10】
前記デバイダ(30)は穿孔(39)を有し、また前記分割プレート(60)は孔(64)を有し、またインサート(80)が前記穿孔(39)および前記孔(64)に嵌合されて、前記分割プレート(60)を前記デバイダ(30)に固定する、請求項9に記載のフィルタリングユニット。
【請求項11】
前記フィルタリング構成要素(20)は、フィルタ要素(22)のスタックを備える、請求項1から10のいずれか一項に記載のフィルタリングユニット。
【請求項12】
各フィルタ要素(22)は、内側縁部(24)および同心の外側縁部(26)、ならびに前記内側縁部(24)と前記外側縁部(26)の間で延びるフィルタリング媒体を有し、また前記内壁は、前記内側縁部(24)のスタックを備え、かつ前記外壁は、前記外側縁部(26)のスタックを備える、請求項11に記載のフィルタリングユニット。
【請求項13】
各フィルタ要素(22)は、内側面および外側面を有し、また前記スタックの少なくとも1対のフィルタ要素(22)の2つの隣接するフィルタ要素(22)は、それらの対向する内側面が、前記内側面の半径方向リブ(28)を接触させることにより、セクタへと半径方向に仕切られた空間を画定するように、互いに対して組み立てられ、前記外側縁部(26)および内側縁部(24)は、前記セクタの対応するものと連通する各通路を有する、請求項12に記載のフィルタリングユニット。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載のフィルタリングユニット(10)を備えるフィルタ(100)。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか一項に記載のフィルタリングユニット(10)を修復する方法であって、
回転逆洗分配器(70)を取り除くステップと、
分割プレート(60)を取り外すステップと、
カバー(40)に対して、交換分割プレート(60)を固定するステップと、
前記回転逆洗分配器(70)を戻すステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動逆洗を伴うフィルタリングユニットに関する。より詳細には、本開示は、このようなフィルタリングユニットのカバー組立体の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開WO2012/028824は、少なくとも2つのフィルタ要素を備えるフィルタリングユニットについて述べており、各フィルタ要素は、内側面と、外側面と、フィルタリングメッシュと、前記フィルタリングメッシュがその間で延びる、それぞれ、内側縁部および外側縁部である2つの同心の円形縁部と、少なくとも内側面上に設けられた半径方向リブとを有し、前記半径方向リブは、前記同心の縁部の間で延び、かつ前記内側面上に別々のセクタを形成するために、円周方向に配分される。前記フィルタ要素は、その各内側面が、それらの間で空間を画定するように互いに面するように、互いに対して組み立てられるように構成され、セクタの範囲を定める前記半径方向リブが、前記空間内に円周方向の区画を形成する。前記内側縁部および外側縁部の少なくとも一方は、それぞれ、セクタの対応するものと連通する通路を有する。フィルタ要素は、第1のカバーと第2のカバーの間で軸方向に沿って積み重ねられる。
【0003】
選択された数のフィルタ要素対を積み重ねることにより、意図される用途に対する望ましいフィルタ領域が得られる。通常、フィルタするための流体は、内側縁部の通路を介してスタックの中を貫通し、フィルタリングメッシュを通過し、浄化された後、外側縁部に画定された他の通路を介して出る。当然であるが、フィルタリングメッシュを通る流体の流れは、逆方向にする、または何らかの他の方法で構成することもできる。
【0004】
その公開で述べられているフィルタは、フィルタ要素と同軸に配置されたデバイダをさらに備え、デバイダは、別々の分配カラムを有し、回転逆洗分配器が第1のカバーに設けられる。回転逆洗分配器は、排出開放部を備えるシャッタを有し、かつ回転するように取り付けられ、したがって、前記排出開放部は、各分配カラムと周期的かつ選択的に連通状態になり、それにより、各分配カラムは、排出開放部と、通路のそれぞれのものとの間で連通を周期的かつ選択的に確立する。
【0005】
このようにして、流体の流れを、周期的に、排出開放部と流体連通している通路に対応するセクタにおいて逆流させるが、それは、フィルタリングメッシュにわたる圧力勾配、すなわち、外側面側と内側面側の間の圧力勾配に起因して、これらのセクタにおいて逆洗を実施できるようにする。逆洗に使用された流体は、次いで、排出開放部を通って排出される。
【0006】
従来技術のこのフィルタリングユニットは、第1のカバーの一体部分を形成する分配スペーサを備える。この分配スペーサは、前記分配カラムを延長する通路を有し、またシャッタは、前記通路が開いている分配スペーサの環状面と封止および摺動接触している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開WO2012/028824
【文献】ヨーロッパ特許出願EP3199219
【文献】ヨーロッパ特許出願EP3254743
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、改良された分配構成の必要性が生じてきている。このような1つの必要性は、より効率的なフィルタに対する要求である。したがって、新しいタイプのフィルタリングユニットが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この点において、本開示は、フィルタリングユニットに関し、フィルタリングユニットは、内壁、内壁の周囲に配置され内壁との間に内部空間を画定する外壁、および内部空間をプリフィルタチャンバとポストフィルタチャンバに区分するフィルタリング媒体を有するフィルタリング構成要素であって、少なくとも前記プリフィルタチャンバは、セクタへと円周方向に仕切られ、前記内壁および外壁の少なくとも一方は、それぞれ、セクタの対応するものと連通する通路を有する、フィルタリング構成要素と、フィルタリング構成要素と同軸に配置され、別々の分配カラムを有するデバイダと、フィルタリング構成要素の軸方向端部に配置されるカバーと、排出開放部を備えるシャッタを有する回転逆洗分配器であって、回転逆洗分配器は、取り付けられて、前記排出開放部が、各分配カラムと周期的かつ選択的に連通状態になるように回転し、それにより、各分配カラムが、排出開放部と、通路のそれぞれのものとの間で連通を周期的かつ選択的に確立する、回転逆洗分配器とを備える。フィルタリングユニットは、フィルタリングユニットが、カバーと回転逆洗分配器の間に配置される分割プレートをさらに備え、分割プレートは、カバーに対して取外し可能に固定され、かつ分配カラムの中へと開く開口部を有すること、およびシャッタが、少なくとも排出開放部を囲む閉じた輪郭上で分割プレートの接触面に当接することを特徴とする。
【0010】
プリフィルタチャンバは、フィルタされる流体が流れる内部空間の一部である。流体は、次いでフィルタリング媒体を横断し、それによりフィルタされて、ポストフィルタチャンバに入る。プリフィルタチャンバおよびポストフィルタチャンバは、フィルタリング媒体の両側にある。
【0011】
回転逆洗分配器は、デバイダに対して回転することができる。したがって、デバイダの分配カラムが、円周または同等のものに沿って配置された場合、排出開放部は容易に、連続的かつ周期的に分配カラムと流体連通状態に置かれ得る。
【0012】
本開示で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が明確にその他の形を示していない限り、複数形も同様に含むように意図される。例えば、フィルタリングユニットは、複数のフィルタリング構成要素を備えることができる。逆に、本明細書で使用される場合、複数形は包括的なものであり、特定の実施形態として単数形を含むこともできる。
【0013】
デバイダおよびフィルタリング構成要素の同軸の構成は、軸方向を画定する。半径方向は、軸方向に直角な方向、および軸方向と交差する方向である。
【0014】
カバーは、フィルタリング構成要素を定位置に保持するように、かつ/またはいくつかのフィルタリング構成要素を互いに対して、例えば、互いに封止接触するように保持するように、かつ/またはフィルタリングユニットの構造に加わるように構成することができる。特に、カバーは、逆洗機構の要素を構造的に支持することができる。加えて、カバーは、プリフィルタチャンバまたはポストフィルタチャンバの壁を画定することができる。特に、カバーは、フィルタリング構成要素の上流と、フィルタリング構成要素の下流の流体の流れを分離することができる。
【0015】
カバーと回転分配器の間に、例えば、カバーと回転分配器の間に軸方向に配置される分割プレートは、カバーと回転分配器の間の接触の少なくとも一部は間接的であり、中間部分としての分割プレートを介して達成されることを示唆する。これは、分割プレートの接触面に当接する回転逆洗分配器のシャッタにより確定される。カバーおよび分割プレートは、フィルタリング構成要素の同じ側に配置され、したがって、カバー組立体を形成する。
【0016】
分割プレートは、カバーに対して選択的に固定され(取り付けられ)、かつ取り外すことができる。すなわち、分割プレートは、カバーそれ自体に、またはカバーに対して固定された位置を有するようにする任意の他の部分に、選択的に固定され(取り付けられ)、かつそこから取り外すことができる。言い換えると、分割プレートは、カバーに直接的または間接的に、取外し可能に固定することができる。
【0017】
分割プレートの開口部は、貫通孔である。開口部は、回転逆洗分配器と分配カラムの間の流体連通を可能にするように構成される。言い換えると、開口部は、分配カラムを延長する。
【0018】
カバーは、多くの機能を有するフィルタリングユニットの重要な部分である。その結果、カバーは、費用がかかり、製作するのが比較的困難であることが多い。本発明者らは、カバーは、回転逆洗分配器とのその封止接触に起因して摩耗する傾向のあることに気が付いた。
【0019】
分割プレートがカバーとは別の部分であり、それに対して取外し可能に固定されているおかげで、カバーと分割プレートの両方は、その各機能を考慮して、別個に、したがって、より効率的に設計および製作することができる。さらに、分割プレートは、カバー全体を置き換えることなく交換することができ、それは、維持管理作業をより速く、かつ安くする。加えて、分割プレートを設けることは、摩耗を低減するのに役立つ、または少なくとも分割プレートを交換することによりその結果に対処するのに役立つ。さらに、回転逆洗分配器のシャッタは、少なくとも排出開放部を囲む閉じた輪郭上で分割プレートの接触面に当接する。したがって、回転逆洗分配器、特に排出開放部と、分割プレートの間の封止接触は、より高い信頼性が保証され、かつ避けられない場合、漏れを低減することができる。その結果、フィルタリングユニットの全体効率が向上する。
【0020】
加えて、回転逆洗分配器は、デバイダに接触することなく、それに代えて、分割プレートに当接するので、デバイダは、鋭利な縁部のままであり、さらに封止を向上させることができる。フィルタリングユニットの全体効率は、したがって、さらに改善される。
【0021】
いくつかの実施形態では、回転逆洗分配器のシャッタと接触するための分割プレートの接触面は軸対称である。前に述べた開口部は、軸対称の接触面の中へと開くことができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、回転逆洗分配器のシャッタと接触するための分割プレートの接触面は平坦である。前に述べた開口部は、平坦な接触面の中へと開くことができる。これらの実施形態では、封止は、回転逆洗分配器と分割プレートの間の接触面が平面に含まれない表面部分を含む実施形態と比較して、より高い信頼性が保証される。分割プレートと回転逆洗分配器との間の接触面全体は、平面内に含まれ得る。代替的に、分割プレートは、湾曲しているまたはわずかに円錐形であるなど、非平坦な接触面を備えることができるが、あるいは異なる半径のものなど、平坦な接触面部分と非平坦な接触面部分の両方を備えることもできる。
【0023】
いくつかの実施形態では、開口部は、分配カラムと位置合わせされる。すなわち、開口部は、それぞれ、分配カラムと同じ横断面を、または対応する横断面を有することができる。開口部は、分配カラムと連続するように配置され得る。これらの実施形態では、開口部と分配カラムの間の封止は、より信頼性があり、フィルタリングユニット内におけるさらなる圧力損失が回避される。
【0024】
いくつかの実施形態では、フィルタリングユニットは、デバイダに対する分割プレートの位置を割り出すように構成された割出具をさらに備える。割出具は、軸方向回りで、分割プレートの回転位置を、または分割プレートの方向付けを割り出すことができる。割出具は、直接的に、またはデバイダに対して固定された少なくとも第3の要素を介して、デバイダに対する分割プレートの位置を割り出すことができる。さらに、割出具は、分割プレートまたはデバイダと一体化することもできる。
【0025】
いくつかの実施形態では、分割プレートは、デバイダを越えて半径方向に延びる。すなわち、分割プレートは、デバイダおよびフィルタリング構成要素の構成に応じて、デバイダよりも、半径方向により内側に、かつ/またはより外側に延びる。したがって、分割プレートは、デバイダに対して軸方向に当接できるようにする。
【0026】
いくつかの実施形態では、カバーは、分配カラムから、または分配カラムへの流体の循環を行うための軸方向開放部を有し、また分割プレートは、軸方向開放部よりも半径方向に大きい。これらの実施形態では、分割プレートは、開口部を除いて、軸方向開放部を覆いながら、カバーに対して配置され得る。デバイダは、軸方向開放部を少なくとも部分的に通って延びることができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、分割プレートは、フィルタリング構成要素とは反対のカバーの側で、カバーおよびデバイダに当接する。分割プレートは、例えば、締結具などの静的手段により、または弾性的手段(ばね、弾性材料など)などの動的手段により、カバーおよびデバイダに対して維持され得る。したがって、流体密封性は、さらに信頼性が向上する。
【0028】
いくつかの実施形態では、フィルタリングユニットは、分割プレートをカバーに締結するための締結具をさらに備え、締結具は、分割プレート上の回転逆洗分配器の経路の外側に配置される。分割プレート上の回転逆洗分配器の経路は、回転逆洗分配器の完全な回転中に、回転逆洗分配器と接触することもある分割プレートの表面を含む。
【0029】
これらの実施形態では、締結具は、分割プレートをカバーに直接締結することができる。したがって、特に締結具が、回転逆洗分配器が当接する分割プレートの面上に配置された場合、回転逆洗分配器が締結具と接触する可能性もあり得る。しかし、締結具が分割プレート上の回転逆洗分配器の経路の外側に配置されているおかげで、これらの実施形態は、締結具と回転逆洗分配器の間で確実に接触しないようにする。その結果、回転逆洗分配器と分割プレートの間の封止接触は、より信頼性が向上する。いくつかの実施形態では、締結具は、分割プレート上の回転逆洗分配器の経路の近くに配置することもできる。
【0030】
いくつかの実施形態では、分割プレートは、開口部に対して半径方向に隣接する環状部分を備える。環状部分は、カバーに対して軸方向に面することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、締結具は、環状部分に設けられる。
【0032】
いくつかの実施形態では、分割プレートは、デバイダに固定される。これらの実施形態では、分割プレートを、デバイダに対して取外し可能に、または取外し不能に固定することができる、かつ/またはデバイダを、カバーに対して取外し可能に、または取外し不能に固定することができる。分割プレートがデバイダに固定されるおかげで、デバイダと分割プレートの相対位置は、フィルタリングユニットの動作全体を通して制御される。したがって、流体密封性および効率が改善される。
【0033】
いくつかの実施形態では、デバイダは穿孔を有し、分割プレートは孔を有し、またインサートが穿孔および孔に嵌合されて分割プレートをデバイダに固定する。インサートは中空にすることができ、したがって、機械的な部分および/または流体がインサートを通過することができる。インサートは、ねじを付けることができる、かつ/または分割プレートおよび/またはデバイダと協動するために、任意のタイプの突起もしくは凹部を有することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、回転逆洗分配器と接触するための分割プレートの接触面は、カバーの摩擦係数未満の摩擦係数を有する。カバーおよび分割プレートが2つの別々の部分であるため、そのそれぞれの材料は、異なる基準に従って選択することができる。摩耗を制限し、かつ流体密封性を高めるために、分割プレートの摩擦係数、または少なくとも回転逆洗分配器と接触するための分割プレートの接触面の摩擦係数は、カバーの摩擦係数より低く選択することができる。摩擦係数は、回転逆洗分配器が分割プレート上を(またはカバー上を、それぞれ)摺動するときに受ける抵抗に比例する。言い換えると、回転逆洗分配器が、分割プレートと当接するときに、所与の経路に従うようにするのに必要な力は、回転逆洗分配器が、カバーと当接するときに、同じ経路に従うようにするのに必要な力よりも低い。その結果、回転逆洗分配器の駆動トルクを低減することができ、エネルギーの節約および効率の向上につながる。
【0035】
いくつかの実施形態では、フィルタリング構成要素は、フィルタ要素のスタックを備える。
【0036】
いくつかの実施形態では、各フィルタ要素は、内側縁部および同心の外側縁部、ならびに内側縁部と外側縁部の間で延びるフィルタリング媒体を有し、また内壁が内側縁部のスタックを備え、外壁が外側縁部のスタックを備える。
【0037】
いくつかの実施形態では、各フィルタ要素は、内側面および外側面を有し、またスタックの少なくとも1対のフィルタ要素の2つの隣接するフィルタ要素は、それらの対向する内側面が、前記内側面の半径方向リブを接触させることにより、セクタへと半径方向に仕切られた空間を画定するように、互いに対して組み立てられ、前記外側縁部および内側縁部は、セクタの対応するものと連通する各通路を有する。前記空間は、プリフィルタチャンバの少なくとも一部を形成することができる。セクタは、デバイダの分配カラムに対応することができる。
【0038】
本開示は、前に述べたフィルタリングユニットを備えるフィルタをさらに対象とする。
【0039】
本開示は、前に述べたフィルタリングユニットを修復する方法をさらに対象とし、方法は、
- 回転逆洗分配器を取り除くステップと、
- 分割プレートを取り外すステップと、
- カバーに対して交換分割プレートを固定するステップと、
- 回転逆洗分配器を戻すステップと
を含む。
【0040】
これらのステップは、この順序で、または任意の技術的に可能な順序で実施することができる。回転逆洗分配器を取り除くステップは、分割プレートを取り外すために必要になり得るが、それは、分割プレートが、カバーと回転逆洗分配器の間に配置されているからである。回転逆洗分配器は、分割プレートが交換される間、横に置かれて、その後、動作位置に戻すことができる。戻される回転逆洗分配器はまた、交換分配器とすることもできる。
【0041】
取り外すステップは、交換(新しい、または修復された)分割プレートをカバーに対して固定するための十分な空間を提供するために、分割プレートをカバーから分離することを意味する。
【0042】
この修復方法は、フィルタリングユニットの容易かつ安価な維持管理を可能にする。
【0043】
本発明、およびその利点は、非限定的な例として与えられる諸実施形態の以下の詳細な説明を読めばよく理解されよう。この説明は添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】実施形態によるフィルタの横断面図である。
図2】実施形態によるフィルタリングユニットの斜視分解図である。
図3】実施形態の分割プレートの正面図である。
図4図3の平面IV-IVによるフィルタリングユニットの斜視横断面図である。
図5】別の実施形態による分配器および分割プレートの斜視横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
実施形態によるフィルタ100が図1で示されている。前に示したように、フィルタ100は、ケーシング110と、ケーシング110に収容される、自動逆洗を伴うフィルタリングユニット10とを備える。フィルタ100は、燃料、油、水などの流体をフィルタするのに適している。このようなフィルタに対する用途は、例えば、2サイクルおよび4サイクルエンジンなど、車両用エンジンに対する潤滑流体または制御流体のフィルタリングを含む。
【0046】
図2でより詳細に示されたフィルタリングユニット10は、フィルタリング構成要素20を備える。この実施形態では、フィルタリング構成要素20は、軸方向Xに沿って、フィルタ要素22のスタックを備える。フィルタ要素22は、諸図において簡略化されて示されている。このようなフィルタ要素の例は、ヨーロッパ特許出願EP3199219およびEP3254743においてより詳細に述べられている。しかし、本発明によるフィルタリングユニットは、他のフィルタ要素を用いて実施することもできる。
【0047】
フィルタ要素22は、フィルタリング媒体(図示せず)と、前記フィルタリング媒体がその間で延びる、それぞれ、内側縁部24および外側縁部26である2つの同心の円形縁部とを有する。フィルタリング媒体は、この例では、望ましい濾過サイズの単層または多層のフィルタリングメッシュを含むことができる。同心の円形縁部24、26は、軸方向X回りで円形である。内側縁部24(あるいは、外側縁部)は、主として、軸方向Xに直角である半径平面、すなわち、半径方向平面内で延びる。積み重ねられた内側縁部24は、内壁を形成し、また積み重ねられた外側縁部26は、フィルタ構成要素の外壁を形成する。
【0048】
例えば、フィルタされる液体は、図2で示されるフィルタ要素22のスタックに入り、フィルタ要素22の内側縁部24における通路(図示せず)を通って、フィルタリング媒体を通って流れ、前記フィルタ要素22の一方の面(この面上の空間はプリフィルタチャンバを形成する)から、前記フィルタ要素22の他方の面(この面上の空間はポストフィルタチャンバを形成する)へと通過し、それにより、液体はフィルタされ、外側縁部26における通路(図示せず)を通ってフィルタ要素22から流出することができる。反対の流れ方向も同様に可能である。
【0049】
半径方向リブ28は、内側縁部24と外側縁部26の間で半径方向に延びる。半径方向リブ28は、円周方向に配分され、フィルタされていない液体が導かれるフィルタリング媒体の少なくとも側部上にセクタを形成し、かつ逆洗によりフィルタリング媒体の詰まりを取り除くことができるようにするが、それは以降で説明する。16個のセクタが示されているが、フィルタ要素は、特に、その直径寸法に応じて、より少ない、またはより多くのセクタを有することができる。例えば、より小さい外径を有するフィルタ要素は、より少数のセクタを有することができ、またより大きい外径を有するフィルタ要素は、より多数のセクタを有することができる。
【0050】
内側縁部24および外側縁部26における各通路は、それぞれ、セクタの対応するものと連通している。
【0051】
デバイダ30は、フィルタ構成要素20と、すなわち、フィルタ要素22と、同軸に配置される。この実施形態では、デバイダ30は、フィルタ要素22のすべての1組の内側縁部24により画定される円筒形の空間の半径方向内側に配置される。デバイダ30は、別々の分配カラム32を有する。この実施形態では、デバイダ30は、フィルタ構成要素20と協動して、1組の分配カラム32を画定する。分配カラム32の数は、フィルタ要素22において画定されるセクタの数と同じであることが好ましい。カラムとセクタの数が一致しない他の実施形態もまた企図される。特に、カラムの数は、セクタの数未満にすることができ、したがって、単一のカラムが、同時に複数のセクタと連通することができる。
【0052】
図2で示された例によれば、デバイダ30は、円周方向に規則的に配分され、かつフィルタ要素22のすべての共通軸方向Xを含む平面内で延びる平面フィン34を有する。より正確には、フィン34は、軸方向の円筒形コア36に取り付けられ、またフィン34の縁部38は、積み重ねられたフィルタ要素22の各内側縁部24と接触している。
【0053】
各分配カラム32は、したがって、2つの隣接するフィン34と、積み重ねられた内側縁部24により形成される内壁の一部との間に画定される。各分配カラム32は、軸方向Xに対して平行な共通方向に沿って延びる内側縁部24の通路と連通している。これらの通路は、フィルタリングユニット10の所与の角度セクタに対応する、かつフィルタされた液体の流れ方向を逆にすることにより逆洗動作を受けるように分離され得るスタックにおける個々のフィルタ要素22の入口のすべてを構成する。
【0054】
この実施形態で述べられるデバイダ30は、一定の軸方向横断面を有し、したがって、押し出し成形によって製作できるので有利である。この実施形態では、デバイダ30は、単一部品から作られる。
【0055】
デバイダ30は、金属、プラスチック、もしくはセラミック材料、またはそれらの組合せを含むいくつかの異なる材料から作ることができる。
【0056】
デバイダ30に関するさらなる構造的な細部は、公開出願WO2012/028824において見出すことができる。本発明は、これだけに限らないが、公開出願WO2012/028824の図11で示されたタイプを含む、任意の他の適切なタイプのデバイダを用いて実施することもできる。
【0057】
フィルタリングユニット10は、フィルタリング構成要素20の軸方向端部に配置されたカバー40をさらに備える。この実施形態では、フィルタリング構成要素20は、第1のカバー40を形成するカバー40と、第2のカバー50の間に保持される。言い換えると、この実施形態では、フィルタリング構成要素20は、第1のカバー40および第2のカバー50と軸方向に接している。第2のカバー50は、それ自体当業者に知られている。
【0058】
第1のカバー40は、例えば、カバーの穴49およびフィルタ要素22の位置合わせ穴29を通過する組立ロッドにより、フィルタリング構成要素20を保持しながら、第2のカバー50に固定して取り付けることができる。第1のカバー40は、それ自体が当業者に知られている、示されていない保持プレートにより、さらに維持することができる。
【0059】
第1のカバー40は、概して環状の部品である。第1のカバー40は、デバイダ30が通って延びる軸方向の開放部42を有する。したがって、軸方向開放部42は、分配カラム32から、または分配カラム32への流体の循環を行うために提供される。
【0060】
フィルタリングユニット10は、分割プレート60をさらに備える。図3で示されるように、この実施形態では、分割プレート60は、概してディスク形状の部材である。分割プレート60は、複数の開口部62を有する。分配カラム32と同じ数の開口部62が存在し得るが、しかし、他の実施形態では、分配カラム32よりも多い、または少ない開口部62を設けることもできる。この実施形態では、開口部62は、互いに同一であり、分割プレート60の円周にわたって規則的に配分される。
【0061】
この実施形態では、分割プレート60は、ここでは分割プレート60の中心位置に位置する孔64を有する。孔64は、円形とすることができる。孔64からさらに外側に、開口部62が設けられている。開口部は、分割プレート60の中心(ここでは、孔64の中心に対応する)から開口部62の半径方向外側端部まで測定した半径R1まで延びる。
【0062】
分割プレート60は、開口部62に半径方向に隣接する環状部分66をさらに備える。この実施形態では、環状部分66は、開口部62から外方向にある。すなわち、環状部分は、半径R1から、分割プレート60の外側端部まで延びる。環状部分は、本質的にリングの形を有しており、また本実施形態では、円形とすることができる。
【0063】
この実施形態では、開口部62は、孔64の縁部65から環状部分66まで延びる半径方向リブ63の間で画定される。ここで、開口部62は、分配カラム32と実質的に同じ横断面を有する。この例では、開口部62は、丸みを帯びたコーナ部以外は、分配カラム32と同じセクタ形状の横断面を有する。丸みを帯びたコーナ部は、例えば、射出成形によるなど、製作を容易にすることができる。しかし、機械加工、フライス加工、鋳造、付加製造法、板抜きなどの他の製作工程も企図される。
【0064】
図4で最もよく分かるように、分割プレート60、ここでは、環状部分66は、第1のカバー40の軸方向開放部42よりも半径方向に大きい。加えて、分割プレート60は、デバイダ30を越えて半径方向に延びている。したがって、取り付けられたとき、分割プレート60は、軸方向Xにおいて、第1のカバー40とデバイダ30の両方に当接することができる。より一般的には、分割プレート60は、カバーまたはデバイダのいずれかと当接することができる。図4で示されるように、このような当接は、フィルタリング構成要素20とは反対側の第1のカバー40の側部で生ずる(軸方向Xにおいて)。
【0065】
図2で示されるように、分割プレート60は、第1のカバー40に対して取外し可能に固定される。分割プレート60が、第1のカバー40に対して固定されると、開口部62は、デバイダ30により形成された各分配カラム32の中へと開く。
【0066】
この実施形態では、分割プレート60は、第1のカバー40に直接固定される。加えて、図4で示すように、分割プレート60を、第1のカバー40に対して取外し可能に固定するために、ねじなどの、少なくとも1つの除去可能な締結具82を設けることができる。この実施形態では、複数の(すなわち、4本の)締結具が設けられているが、簡潔にするために、以下では、1本だけの締結具が述べられる。締結具82は、互いに同一であることもあり得、または互いに異なることもあり得る。
【0067】
この実施形態では、締結具82は、分割プレート60に、より具体的には、環状部分66に設けられた穴68、および第1のカバー40に設けられた対応する穴48に取り付けられる。したがって、締結具82は、分割プレート60の環状部分66上に配置される。示されるように、穴68には、テーパを付けることができる。
【0068】
フィルタリングユニット10は、回転逆洗分配器(または「分配器」)70をさらに備える。分配器70は、デバイダ30に対して回転するように取り付けられる。分配器70は、排出開放部74(図4を参照のこと)を備えるシャッタ72を有し、また前記排出開放部74が、各分配カラム32と周期的かつ選択的に連通状態になるように取り付けられ、それにより、各分配カラム32は、排出開放部74と、内側縁部24の通路のそれぞれのものとの間で連通を周期的かつ選択的に確立する。回転において分配器を保持し、駆動するための手段は、当技術分野においてそれ自体知られている。
【0069】
示された実施形態では、シャッタ72は、セクタ寸法に関連する明確な角度を有する延長部を備える分配器70の平面部分であり、分割プレート60の面と摺動および封止接触する平坦な表面を有する。それらの間で摺動および封止接触を可能にするように分割プレート60の形状に対応する限り、円錐形または湾曲した形状など、シャッタ72の他の形状もまた企図される。より一般的に、分配器70は、分割プレート60と当接する、または接触状態になるように構成され、それにより、分割プレート60は、第1のカバー40と回転逆洗分配器70の間に配置される。
【0070】
前に示したように、図1図4で示された実施形態では、分割プレート60は、回転逆洗分配器70と接触するための、軸対称の、ここでは平坦な接触面67を有する。より具体的には、この実施形態では、分割プレート60は、2つの平坦な端部表面を有し、その一方は、第1のカバー40とは反対にある分割プレート60の側部上の接触面67である。
【0071】
図3では、シャッタ72と分割プレート60(接触面67)の間の接触領域が破線で示され、その回転方向が矢印Rで示されている。任意の位置において、シャッタ72は、前記分配カラム32を孤立化し、かつそれ自体知られている方法で、前記分配カラム32を通る逆洗を可能にするために、少なくとも1つの開口部62を、またはより一般的には、少なくとも同じ分配カラム32に対応する開口部62を覆うように構成される。接触領域は、R1よりも大きい半径R2まで半径方向に延びる。このように、半径R1とR2の間の環状片における封止接触のおかげで、漏れを減少させることができる。
【0072】
締結具82、およびそれに関連する、例えば、穴68などの任意の手段は、R2よりも大きい半径R3に、またはそれを越えて位置することに留意されたい。したがって、締結具82と分配器70の間に相互作用はない。より一般的には、締結具82は、分割プレート60上の回転逆洗分配器70の経路の外側に配置することができる。
【0073】
したがって、この実施形態では、分配器70の半径方向の広がりは、開口部62の半径方向の広がりよりも大きく、締結具82の半径方向位置よりも小さい。
【0074】
図5は、別の実施形態を示しており、そこでは、分割プレート60が、回転逆洗分配器70と接触するための円錐形の接触面67を有する。分配器70、およびより具体的にはシャッタ72は、軸方向横断面において、例えば、傾斜面などの対応する形状を有する。円錐形の接触面67は、流体が分配カラム内に流入しやすくすることができる。分割プレート60は、例えば、図5で示すように、接触面67の半径方向外側に平坦な形状など、接触面67の外側に非円錐形の形状を有することができることに留意されたい。分割プレート60の反対側の端部表面は、少なくともデバイダ30とのその協動に応じて、平坦である、または別の形状を有することもできる。
【0075】
第1のカバー40は、例えば、アルミニウムなど、金属または合金から作ることができる。
【0076】
分割プレート60は、青銅、プラスチック(例えば、ポリアミド、ポリオキシメチレン、テフロンなどのポリテトラフルオロエチレンなど)などの低摩擦材料から作ることができる。これらの材料または他の可能な材料の場合、回転逆洗分配器70と接触するための分割プレート60の接触面67が、カバー40の摩擦係数未満の、すなわち、分配器70が、第1のカバー40に対して摺動する場合、第1のカバー40が有することになる摩擦係数未満の摩擦係数を有することが望ましい。
【0077】
例えば、接触面67の表面粗さは、5μm(マイクロメートル)未満、好ましくは2μm未満、より好ましくは1μm未満であるその平均値Raにより定量化することができる。
【0078】
回転逆洗分配器70は、例えば、硬鋼もしくはアルミニウムなどの金属もしくは合金、または異なるプラスチックから作ることができる。他の材料もまた包含される。
【0079】
例えば、化学反応、または腐食などに関して、フィルタすべき流体とのその適合性に従って、すべての材料を選択することができる。
【0080】
図4を参照すると、開口部62が、分配カラム32と位置合わせされていることが分かる。このために、前述のように、割出具89は、デバイダ30に対する分割プレート60の位置を割り出すように構成され得る。この実施形態では、割出具89は、分割プレート60の穴69に、またデバイダ30の対応する穴37に受け入れられるガイドピンである。この実施形態では、穴37は、デバイダ30のコア36に設けられる。しかし、例えば、第1のカバー40または別の固定部材に対して、分割プレート60とデバイダ30の両方を割り出すなど、他の実施形態もまた企図される。
【0081】
この実施形態では、分割プレート60は、デバイダ30に固定される。例えば、インサート80は、分割プレート60をデバイダ30に固定するために、デバイダ30の穿孔39、および分割プレート60の孔64内に嵌合され得る。ここで、インサート80は、穿孔39に設けられた整合するねじにねじ込まれるように構成された外側のねじ山84を有する。軸方向停止部86が、インサート80から半径方向に突き出すことができる。軸方向停止部86は、孔64よりも半径方向に大きい。インサート80が、孔64および穿孔39の中に挿入されたとき、軸方向停止部86は、分割プレート60を、デバイダ30に対して押し付けるのに役立ち、したがって、流体密封性を高める。図4で示される実施形態に対する代替として、軸方向停止部86を面取りし、それに対応して孔64にテーパを付けることができ、したがって、軸方向停止部86は、接触面67と同一平面になる。
【0082】
より一般的に、この構成において、分割プレートは、デバイダ30とインサート80の間に挟まれることにより、デバイダ30に固定される。
【0083】
インサート80は、それを通って、機械的もしくは電気的な構成要素、または流体の流れを通過できるようにするために、図4で示されるように、例えば、スリーブの形態など、中空とすることができる。
【0084】
インサート80は、回転逆洗分配器70と共に、流体移送チャンバ88を画定することができる。この実施形態では、流体移送チャンバ88は、環状のものであり、分配器70とインサート80の間で半径方向に画定される。排出開放部74により排出される逆洗流体は、出口ポート76(または、図示のように、少なくとも2つの出口ポート76)を通って排出される前に、流体移送チャンバ88へと流れることができる。本実施形態による出口ポート76における逆洗流体の回収が以下で述べられるが、当業者であれば、代替形態を実施することもできる。流体移送チャンバ88の容積を増加させるために、インサート80は、ここでは環状である凹部87を有することができる。封止を行うために、Oリングなどの封止を、凹部87の両側に設けることができる。
【0085】
インサート80を提供することに代えて、デバイダ30および分割プレートは、他の手段により、例えば、溶接、または互いに一体化するなど恒久的に、互いに固定することができる。恒久的に固定することは、取付けと割出しの両方の機能を提供する。これらの実施形態では、割出具89は、溶接ビードの形をとることができる。
【0086】
図1に戻ると、フィルタ100は、例えば、ケーシング110内に形成される、少なくとも1つの入口部分112、および少なくとも1つの出口部分114を備える。この実施形態では、フィルタ要素22の内側縁部24の通路に流体接続された1つの入口部分112と、外側縁部26の通路に流体接続された1つの出口部分114とが示されている。しかし、複数の入口部分112、および/または出口部分114もまた包含される。
【0087】
逆洗液のための少なくとも1つの出口116がまた、ケーシング110に形成され得る。
【0088】
フィルタ100は、フィルタヘッド106をさらに備える。フィルタヘッド106はまた、モータ104を軸方向に担持し、そのモータ104は、回転逆洗分配器70を回転駆動するように構成される。モータ104は、圧力モータとすることができる。蓋108は、モータ104を受け入れるケーシングの内部空間から、フィルタリングユニット10の側部において、フィルタされる流体を受け入れるケーシング110の内部空間を分離する。圧力モータ104と回転逆洗分配器70の間の接続は、蓋108を通って封止された状態で延びる。
【0089】
その分離機能とは別に、この実施形態では、蓋108は、少なくとも1つの、または図示のように複数のダクト109を画定し、出口ポート76と逆洗液出口116の間の流体連通を確立する。図示のように、環状のチャンバを、ダクト109のいずれの端部分にも設けることができ、異なる部分間の角度的な位置合わせにかかわらず、流体の流れを可能にする。
【0090】
動作において、浄化するための液体が、ケーシング110の入口部分112を介して挿入され、逆洗分配器70により分離されていない分配カラム32(フィン34の間)の中を貫通する。浄化された液体は、フィルタリング構成要素20の外側へと送達され、ケーシング110の出口部分114により取り出される。同時に、モータ104により、逆洗分配器70が駆動されて、ゆっくりと回転する。逆洗液は、排出開放部74から排出され、前述の構造により、逆洗液のための出口116へと導かれる。
【0091】
図2を参照すると、フィルタリングユニット10が、どのようにして交換され得るかを見ることができる。回転逆洗分配器70を取り除くことができる。次いで、分割プレート60を、例えば、インサート80、および/または適用可能な場合、締結具82を除去することにより、取り外すことができる。次いで、分割プレート60を修復して交換分割プレートを形成することができる、または新しい分割プレートを、交換分割プレートとして供給することもできる。次いで、交換分割プレートは、例えば、インサート80、および/または適用可能な場合、締結具82によって、カバーに対して固定され得る。次いで、回転逆洗分配器を、反対に、それが取り除かれた状態へと元に戻すことができる。
【0092】
本開示は、特定の例示的な実施形態を参照するが、特許請求の範囲により定義された本発明の全体的な範囲から逸脱することなく、変更をこれらの例に行うことができる。特に、デバイダ30は、述べられた実施形態において、フィルタリング構成要素20の半径方向内側に配置されるが、デバイダ30が、フィルタリング構成要素20の半径方向外側にあり、カバー40および分割プレート60などの他の構成要素に関してすべての変更が示唆される、実施形態もまた企図される。より一般的に、示された/述べられた異なる実施形態の個々の特性は、さらなる実施形態において組み合わせることができる。したがって、本記述および図面は、限定する意味ではなく例示的なものであると見なされるべきである。
【符号の説明】
【0093】
10 フィルタリングユニット
20 フィルタリング構成要素、フィルタ構成要素
22 フィルタ要素
24 内側縁部
26 外側縁部
28 半径方向リブ
29 位置合わせ穴
30 デバイダ
32 分配カラム
34 平面フィン
36 コア
37 穴
38 縁部
39 穿孔
40 第1のカバー
42 軸方向開放部
48 穴
49 穴
50 第2のカバー
60 分割プレート
62 開口部
63 半径方向リブ
64 孔
65 縁部
66 環状部分
67 接触面
68 穴
69 穴
70 回転逆洗分配器
72 シャッタ
74 排出開放部
76 出口ポート
80 インサート
82 締結具
84 外側のねじ山
86 軸方向停止部
87 凹部
88 流体移送チャンバ
89 割出具
100 フィルタ
104 モータ
106 フィルタヘッド
108 蓋
109 ダクト
110 ケーシング
112 入口部分
114 出口部分
116 出口
R 回転方向
R1 半径
R2 半径
R3 半径
X 軸方向
図1
図2
図3
図4
図5