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特許7266794ID統合システム、ID統合機およびコンピュータソフトウェア
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  • 特許-ID統合システム、ID統合機およびコンピュータソフトウェア 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】ID統合システム、ID統合機およびコンピュータソフトウェア
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230424BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20230424BHJP
【FI】
G06Q50/10
H02J7/02 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018243741
(22)【出願日】2018-12-26
(65)【公開番号】P2020106995
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-12-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000135759
【氏名又は名称】株式会社バンビ
(73)【特許権者】
【識別番号】398068509
【氏名又は名称】株式会社ホロンクリエイト
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 敏
(72)【発明者】
【氏名】三谷 悟志
(72)【発明者】
【氏名】平柳 勝己
(72)【発明者】
【氏名】高橋 克実
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/108032(WO,A1)
【文献】特開2010-086337(JP,A)
【文献】特開2006-236155(JP,A)
【文献】特開2016-170771(JP,A)
【文献】特開2013-252777(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H02J 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電又は交換を必要とする情報取得用機器に搭載されたRFIDに登録されている固有のIDと、当該情報取得用機器を取付又は保持して使用する携帯・常備物品に搭載されたRFIDに登録されている固有のIDとを統合する統合機能と、
当該携帯・常備物品の使用者情報を蓄積したデータベースサーバーとを備え、
当該情報取得機器から取得した取得情報と当該携帯・常備物品の使用者情報とを紐付けることを特徴としたID統合システム。
【請求項2】
統合機能は、さらに目的と用途の異なる登録が行われている別のRFIDに登録されている固有のIDをも統合することを特徴とした請求項1記載のID統合システム。
【請求項3】
携帯・常備物品に取付又は保持して使用される充電又は交換を必要とする情報取得用機器から取得した取得情報と、データサーバーに蓄積された当該携帯・常備物品の使用者情報とを紐付けるために、
当該情報取得用機器に搭載されたRFIDに登録されている固有のIDと、当該携帯・常備物品に搭載されたRFIDに登録されている固有のIDと、を統合することを特徴としたID統合機。
【請求項4】
さらには目的と用途の異なる登録が行われている別のRFIDに登録されている固有のIDをも統合することを特徴とした請求項3記載のID統合機。
【請求項5】
携帯・常備物品に取付又は保持して使用される充電又は交換を必要とする情報取得用機器から取得した取得情報と、データサーバーに蓄積された当該携帯・常備物品の使用者情報とを紐付けるために用いられるコンピュータソフトウェアであって、
当該情報取得用機器に搭載されたRFIDに登録されている固有のIDと、当該携帯・常備物品に搭載されたRFIDに登録されている固有のIDと、を統合することを特徴としたコンピュータソフトウェア。
【請求項6】
さらには目的と用途の異なる登録が行われている別のRFIDに登録されている固有のIDをも統合することを特徴とした請求項5記載のコンピュータソフトウェア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、多種(2種又は3種以上)のPFID照合による多種(2種又は3種以上)機器・物品の認識を同一化するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ウェアラブル機器やIoT機器では、人に通信端末を携帯させて、人の位置や体調などの情報を取得する状況が求められる(特許文献1及び特許文献2等)。また、計測やセンシングなど様々な機能を有する機器に固有のIDをふり、個人の情報を通信により取得することが求められている。
しかし、こうした通信装置は電気エネルギーの供給が必要で、定期的に充電する必要がある。
【0003】
小電力であれば、直接その機器に太陽光発電や振動発電などの発電機能を備えることができるが、電力の使用量がある程度必要な場合はやはり充電をすることになる。この場合(機器の充電を行う場合)、その都度特定の個人から機器を取り外し、充電が完了した時点で当該機器をまた装着する。このため、装着時に機器のIDと個人を結び付けて登録する作業が必ず必要になる。
しかし、この作業は多くの人を対象に行うと大変煩雑で間違いが起こりやすい。特に、1日1回の充電が必要な機能機器ではさらに頻繁な作業になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-195065号公報
【文献】特開2017-153708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本願出願人は、充電や交換等を必要とする機能機器を装着する際の煩雑な登録作業を不要にして、新たに装着した機器からの情報を特定の管理対象のものであると認識できる簡易且つ確実なシステム等を提供することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明者は、次のように考案した。
(1)機能充電や交換を必要とする通信,計測,センシング,アクチュエーション等の機能を有する機器に固有のIDを持ったRFID(Radio Frequency Identification)を搭載する。
(2)これが付けられる人や動物、設備等(管理対象)には、この機器を保持又は携帯させることのできるベルト,バンド,袋,バッグ,ホルダーなどを取り付ける。
(3)この機器を保持又は携帯させるベルト,バンド,袋,バッグ,ホルダーなどにも固有のIDを持ったRFIDを搭載する。
(4)機器と保持・携帯のための物品の両方のIDを同時又は続けて読み取り、この2つのIDが同一の人や動物、設備等の管理対象であることを機器を制御するソフトウェアに登録する。
(5)こうすることで、人や動物、設備等の管理対象に常備されている保持又は携帯する物品と、充電等による交換される機器とを瞬時にID統合して、当該機器からの情報が特定のIDからのものであることを確実に維持できる。
(6)そうとすると、特に、2つのIDを瞬時に統合できる装置及びコンピュータソフトウェアが大変便利である。
【0007】
そして、本願発明者の上記考案をまとめると、次のようになる。
第1の発明は、充電又は交換を必要とする情報取得用機器に搭載されたRFIDに登録されている固有のIDと、当該情報取得用機器を取付又は保持して使用する携帯・常備物品に搭載されたRFIDに登録されている固有のIDとを統合する統合機能と、当該携帯・常備物品の使用者情報を蓄積したデータベースサーバーとを備え、当該情報取得機器から取得した取得情報と当該携帯・常備物品の使用者情報とを紐付けることを特徴としたID統合システムである。
第2の発明は、統合機能が、さらに目的と用途の異なる登録が行われている別のRFIDに登録されている固有のIDをも統合することを特徴とした同ID統合システムである。
第3の発明は、携帯・常備物品に取付又は保持して使用される充電又は交換を必要とする情報取得用機器から取得した取得情報と、データサーバーに蓄積された当該携帯・常備物品の使用者情報とを紐付けるために、当該情報取得用機器に搭載されたRFIDに登録されている固有のIDと、当該携帯・常備物品に搭載されたRFIDに登録されている固有のIDと、を統合することを特徴としたID統合機である。
第4の発明は、さらには目的と用途の異なる登録が行われている別のRFIDに登録されている固有のIDをも統合することを特徴とした同ID統合機である。
第5の発明は、携帯・常備物品に取付又は保持して使用される充電又は交換を必要とする情報取得用機器から取得した取得情報と、データサーバーに蓄積された当該携帯・常備物品の使用者情報とを紐付けるために用いられるコンピュータソフトウェアであって、当該情報取得用機器に搭載されたRFIDに登録されている固有のIDと、当該携帯・常備物品に搭載されたRFIDに登録されている固有のIDと、を統合することを特徴としたコンピュータソフトウェアである。
第6の発明は、さらには目的と用途の異なる登録が行われている別のRFIDに登録されている固有のIDをも統合することを特徴とした同コンピュータソフトウェアである。
【発明の効果】
【0008】
本願発明によれば、充電や交換等を必要とする機能機器を装着する際の煩雑な登録作業を不要にして、新たに装着した機器からの情報を特定の管理対象のものであると認識できる簡易且つ確実なシステム等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本願発明の第1実施形態を説明する説明図。
図2】本願発明の第2実施形態を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本願発明の第1実施形態を図示したものであって、充電又は交換を必要とする情報取得用機器を「カードタイプ」のもので取り扱う場合を例示する。
図示するように、固有のID番号「1」「3」の登録されたRFIDを搭載するカードは充電中であり、充電の完了した固有のID番号「2」の登録されたRFIDを搭載するカードを管理対象であるAさんに貸与することになった。
【0011】
一方で、管理対象であるAさんが携帯して使用するカードホルダーにも固有のID番号「8」の登録されたRFIDを搭載する。また、そのカードホルダーについては固有のID番号「8」を使って使用者情報(使用者であるAさんの氏名等)をデータベースサーバーに蓄積する。
【0012】
そして、ID統合機でカードのID番号「2」とカードホルダーのID番号「8」とを瞬時に統合する(ID2=ID8)。
すると、カード(=ID2)から取得された情報(例えば、位置情報など)が、カードホルダー(=ID8)の情報となり、これがデータベースサーバーを介して(ID8=Aさん)、Aさんの情報であると認識できることになる。
【0013】
なお、図示省略するが、ID統合機が、さらに目的と用途の異なる登録が行われている別のRFIDに登録されている固有のID(例えば、機能を持たないカードのID)をも統合するようにしてもよい。そうすることで、入退出のIDや、プリペイドカード・クレジットカードなどによる買い物決済のIDと位置情報IDとが統合されて、入退出や買い物の効率を上げるなどの効果が期待できる。
【0014】
図2は、本願発明の第2実施形態を図示したものであって、充電又は交換を必要とする情報取得用機器を「バンドタイプ」のもので取り扱う場合を例示する。
図示するように、固有のID番号「1」「3」の登録されたRFIDを搭載する機器は充電中であり、充電の完了した固有のID番号「2」の登録されたRFIDを搭載する機器を管理対象であるAさんに貸与することになった。
【0015】
一方で、管理対象であるAさんが装着して使用するバンドにも固有のID番号「11」の登録されたRFIDを搭載する。また、そのバンドについては固有のID番号「11」を使って使用者情報(使用者であるAさんの氏名等)をデータベースサーバーに蓄積する。
【0016】
そして、ID統合機でカードのID番号「2」とカードホルダーのID番号「11」とを瞬時に統合する(ID2=ID11)。
すると、機器(=ID2)から取得された情報(例えば、体調など)が、バンド(=ID11)の情報となり、これがデータベースサーバーを介して(ID11=Aさん)、Aさんの情報であると認識できることになる。
【0017】
なお、図示省略するが、上記する第1実施形態と同様に、ID統合機が、さらに目的と用途の異なる登録が行われている別のRFIDに登録されている固有のID(例えば、機能を持たないカードのID)をも統合するようにしてもよい。そうすることで、入退出のIDや、プリペイドカード・クレジットカードなどによる買い物決済のIDと位置情報IDとが統合されて、入退出や買い物の効率を上げるなどの効果が期待できる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本願発明は、人だけではなく、動物や設備など様々なものを管理対象にして幅広く利用できるものである。
例えば、外国人観光客を案内するツアーガイドが本願発明を利用することで、自由行動している外国人の位置情報を極めて簡易な方法で確実に把握できる。同様に、動物の生態を把握することや機械設備の維持・管理などにも利用できる
図1
図2