IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オーエム機械の特許一覧

<>
  • 特許-合流装置 図1
  • 特許-合流装置 図2
  • 特許-合流装置 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】合流装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/30 20060101AFI20230424BHJP
   B65G 47/91 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
B65G47/30 G
B65G47/91 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018206479
(22)【出願日】2018-11-01
(65)【公開番号】P2020070175
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】515002377
【氏名又は名称】株式会社オーエム機械
(74)【代理人】
【識別番号】100116861
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 義博
(72)【発明者】
【氏名】田原 浩司
(72)【発明者】
【氏名】福井 保夫
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-324303(JP,A)
【文献】特開昭59-152089(JP,A)
【文献】特開2003-118833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/30
B65G 47/91
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定間隔離れた二個の物品が組となり、その重心を結ぶ線に直交する方向を進行方向として、上流から二列になって進行方向にも等間隔離れた組の物品が順次移送され、当該組の物品を上空から吸着し、別の移送路に一列にして載置する合流装置であって、
記所定間隔と同間隔離された二つの吸着カップを有する同形の吸着部であって、回転対称に配されて回転軸の回りを回転する吸着部と、
吸着部の二つの吸着カップを結ぶ方向が前記重心を結ぶ線の方向に向いた時に吸着カップの直下に順次組の物品が位置するように、回転軸を回転させる同期駆動手段と、
各吸着部の二つの吸着カップを結ぶ線を移送路の進行方向に配向させ、また、前記重心を結ぶ線の方向に戻すカップ配向手段と、
組の物品を吸着カップの真下で吸着し、移送路の上空に至ったとき開放する吸着制御手段と、
移送路上で物品の位相がそろうように各吸着カップを自転させるカップ自転手段と、
を具備したことを特徴とする合流装置。
【請求項2】
吸着部は回転軸を中心に据えた円盤体、円環体、もしくは、アーム体に取り付けられ、
カップ配向手段は二つの吸着カップを取り付ける基体と基体を軸回動させる基体回動手段とにより構成されていることを特徴とする請求項に記載の合流装置。
【請求項3】
組の物品は吸着前において進行方向に対して位相をそろえて移送されており、
回転軸と軸中心を同じくした親歯車と、
基体の回動軸と軸中心を同じくし、親歯車と歯合する子歯車と、
を具備し、
同期駆動手段による回転軸の回転により親歯車を介して子歯車が回転し、移送路上に一列にかつ位相をそろえて物品を載置可能としたことを特徴とする請求項に記載の合流装置。
【請求項4】
更に、吸着カップを自転させる自転軸と軸中心を同じくした孫歯車を具備し、
親歯車または子歯車を介して孫歯車が回転することにより、移送路上に一列にかつ位相をそろえて物品を載置可能としたことを特徴とする請求項に記載の合流装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上流から2列以上で移送されてくる物品を行方向にピックアップし、別の移送路に1列に並べ直して下流に送る合流装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、菓子箱その他の物品を整列し直す例として合流装置が知られている。これは、例えば、上流が箱詰ライン、下流が印字ラインであって、箱詰ラインが律速であるため2列として、下流で1列にし直して処理速度を上げる場合に用いられる。
【0003】
合流のさせ方は様々で、例えば、一方の列の箱の間に他方の列の箱をプッシャで順次押し込む方法や、上下に列が組まれる場合は、上の列の物品を端部で落下させて下の列に間挿させる方法などがある。
【0004】
しかしながら、従来の技術では以下の問題点があった。
プッシャ押込みによる整列や、上方ラインの下方ラインへの落とし込みによる整列では
、箱の位置、向き、間隔等の精度が必ずしもよくなく、下流がインクジェットによる印字ラインである場合は、印字ミスが生じやすいという問題点があった。
また、このような整列方法では、上流の移送方向と下流の移送方向を同じにする必要があり、ライン設計の自由度が低いという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-88749
【文献】特開2017-222483
【文献】特開2010-180020
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、上流から複数列にて移送されてくる物品を、任意の方向に向けた下流の移送路に精度よく1列に並べ直して載置する合流装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の合流装置は、所定間隔離れた二個の物品が組となり、その重心を結ぶ線に直交する方向を進行方向として、上流から二列になって進行方向にも等間隔離れた組の物品が順次移送され、当該組の物品を上空から吸着し、別の移送路に一列にして載置する合流装置であって、記所定間隔と同間隔離された二つの吸着カップを有する同形の吸着部であって、回転対称に配されて回転軸の回りを回転する吸着部と、吸着部の二つの吸着カップを結ぶ方向が前記重心を結ぶ線の方向に向いた時に吸着カップの直下に順次組の物品が位置するように、回転軸を回転させる同期駆動手段と、各吸着部の二つの吸着カップを結ぶ線を移送路の進行方向に配向させ、また、前記重心を結ぶ線の方向に戻すカップ配向手段と、組の物品を吸着カップの真下で吸着し、移送路の上空に至ったとき開放する吸着制御手段と、移送路上で物品の位相がそろうように各吸着カップを自転させるカップ自転手段と、を具備したことを特徴とする。
【0008】
請求項1に係る発明は、上流から2列で移送されてくる物品を1列に並べ直し、任意の方向に向けた下流の移送路に載置する。回転機構を採用して同期をとるため精度よい載置を実現する。移送路の移送速度を調整すれば下流にて総ての物品の等間隔移送も実現できる。
また、配向方向を含めより精度の高い1列載置が可能となる。
なお、上流側にて3列以上にて物品が移送されてくる場合であっても、同様の機構により下流での合流および1列載置が実現できるが、そのうちの2列に着目すれば請求項1の構成となる。
【0009】
同形とは広義であり、二つの吸着カップを組として、各組とも同一の動きが担保される構造であれば同形に該当するものとする。この点で、吸着部は外形が揃っていなくても同形であるといえる。
同期駆動手段は、回転軸の回転速度を調整し組の物品の到来と吸着部の到来とのタイミングをあわせる制御をおこない、簡単には等角速度運動などの角速度制御などをおこなう。
半径方向は、吸着カップの初期位置の配列方向ということもできる。
位相とは、向きを意味する。位相をそろえる方法は、特に限定されず、吸着時にそれぞれの物品の向きを検知し個々調整する例のほか、上流側で姿勢が揃っている場合には、単に一定角の自転によっても位相揃えを実現できる。
【0010】
請求項2に記載の合流装置は、請求項1に記載の合流装置において、移送路上で物品の位相がそろうように各吸着カップを自転させるカップ自転手段を具備したことを特徴とする。
【0011】
請求項に記載の合流装置は、請求項に記載の合流装置において、吸着部は回転軸を中心に据えた円盤体、円環体、もしくは、アーム体に取り付けられ、カップ配向手段は二つの吸着カップを取り付ける基体と基体を軸回動させる基体回動手段とにより構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項に係る発明は、装置構成を簡便化できる。
【0013】
請求項に記載の合流装置は、請求項に記載の合流装置において、組の物品は吸着前において進行方向に対して位相をそろえて移送されており、回転軸と軸中心を同じくした親歯車と、基体の回動軸と軸中心を同じくし、親歯車と歯合する子歯車と、を具備し、同期駆動手段による回転軸の回転により親歯車を介して子歯車が回転し、移送路上に一列にかつ位相をそろえて物品を載置可能としたことを特徴とする。
【0014】
請求項に係る発明は、ギア比を調整することにより、機械構成のみにより、位相もそろえた精度の高い1列配置を実現する。
【0015】
親歯車は、回転軸に固定されてともに回転してもよく、また、親歯車は不動であり、回転軸が回転してもよい。同様に、子歯車は、回動軸に固定されてともに回転してもよく、また、子歯車は回動軸とは別に回転してもよい。要は、二つの歯車を介して物品が移送路上に1列にかつ位相をそろえて載置されるのであれば、軸と歯車との間の回動ないし回転関係は任意に設計できるものとする。仕様の態様によっては、複数の歯車により親歯車が構成され、同様に、複数の歯車により子歯車が構成されていてもよい。また、内外や軸方向に位置を変え一つの歯車に異なるピッチの歯が設けられていても良いものとする。
【0016】
請求項に記載の合流装置は、請求項に記載の合流装置において、更に、吸着カップを自転させる自転軸と軸中心を同じくした孫歯車を具備し、親歯車または子歯車を介して孫歯車が回転することにより、移送路上に一列にかつ位相をそろえて物品を載置可能としたことを特徴とする。
【0017】
請求項に係る発明は、ギア比を調整することで機械構成のみにより、吸着開放の位置および移送路の方向の設計自由度をより高めた合流装置を提供できる。
【0018】
孫歯車も、自転軸に固定されてともに回転してもよく、孫歯車は自転軸とは別に回転してもよい。仕様の態様によっては、複数の歯車により孫親歯車が構成されまた、内外や軸方向に位置を変え一つの歯車に異なるピッチの歯が設けられていても良いものとする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、上流から複数列にて移送されてくる物品を、任意の方向に向けた下流の移送路に精度よく1列に並べ直して載置する合流装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の合流装置を中心とした合流ラインの平面図(a)と側面図(b)である。
図2】下流ラインの移送方向を上流ラインに対して垂直にとった合流装置の吸着の際の様子(a)と吸着開放の様子を(b)を描画した平面図である。
図3】吸着カップを自転させる機構を付加した合流ラインの平面図(a)と側面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、2列でやってくる菓子箱を合流して1列にする合流装置について説明する。2列の供給ラインを上流ライン、1列にまとめた後のラインを下流ラインと称し、上流ラインと下流ラインと合流装置とからなる構成を合流ラインと適宜称することとする。
【0022】
図1は、合流装置を中心とした合流ラインの平面図(a)と側面図(b)である。なお、歯車の歯の描画は便宜上省略している。また、図1(a)にては、子歯車の軌跡を一部点線で描画し、●にて歯車の回転の様子がわかるようにしている。また、これに付随した菓子箱も一部点線で描画している。更に、菓子箱Pは同一物であるが、移送の様子をあらわすために、片方を灰色にて描画している。また、図1(b)では、説明の便宜上、親アームおよびこれに従動する子歯車以下の構成は、図1(a)の右に延伸した部分のみを描画している。
【0023】
合流ラインLは、合流装置1と上流ライン2と下流ライン3とにより構成される。
上流ライン2は2列構成であり、無端の移送ベルト31と移送ベルト32とがそれぞれ同速(速度V)で回転ローラ(図示せず)により駆動され、菓子箱Pを連続的に移送する。
【0024】
この菓子箱Pは、向き(位相)と間隔がそろえられ順次移送される。図示した例では、菓子箱Pは進行方向に等間隔(間隔l)にて、その長手方向をいずれも進行方向に向けて整然と載置され、移送されるものである。
また、菓子箱Pは、短手方向にも揃えられ、所定間隔l離れて移送ベルト31と移送ベルト32とに一個ずつ二個並べられている。すなわち、この二個の菓子箱Pの重心を結ぶ線が短手方向となり、直交方向が長手方向かつ進行方向となるように載置されている。以降では、この短手方向に見た場合の二個(進行方向に直交する方向に並んだ二個)を「組の菓子箱P」と適宜称することとする。
【0025】
合流装置1は、上流ライン2の進行方向先端にある、組の菓子箱Pを上から吸着し、下流ライン3に1列にして下流ライン3に載置する。
【0026】
具体的には、合流装置1は、大きく、基盤体10と従動体20とにより構成される。
基盤体10は、同形であって90°回転対称に配された4本の親アーム11と、合流装置1の設置面に対して不動であって軸中心が鉛直方向に配された親歯車12と、親歯車12と軸中心を共通にし、親アームを回転させる回転軸13と、回転軸13を所望の回転数にて回転させるモータ14と、により構成される。
【0027】
従動体20は、子アーム21と、子アーム21をとりつけ親歯車12と歯合する子歯車22と、子歯車22を内部のベアリング(図示せず)により自由に回動させる回動軸23と、子アーム21の両端部に取り付けられた二個の吸着カップ24と、により構成される。なお、回動軸23は親アーム11の外端に固着させている。また、二個の吸着カップ24の中心位置の間隔は組の菓子箱Pの間隔lとしている。更に、二個の吸着カップ24の中心点は子歯車22の軸中心に位置するようにしている。
以降では、各子アーム21に取り付けられている二個の吸着カップ24を「組の吸着カップ24」と適宜称し、また、その二個の吸着カップ24を結ぶ方向を「組の吸着カップ24の方向」と適宜称することとする。
【0028】
吸着カップ24は、適宜鉛直方向に上下でき、菓子箱Pを上空から吸着し、また吸着開放する。この吸着制御は吸着制御部25がおこなう。
【0029】
また、親歯車12の歯数N1と子歯車22の歯数N2は、N1:N2=2:1としている。
【0030】
合流装置1の駆動の様子は次のとおりである。
なお、親アーム11が上流ライン2の進行方向に垂直な方向となるときに、組の吸着カップ24の方向も当該垂直な方向を向き、かつ、組の吸着カップ24の直下に上流ライン2上の先頭の組の菓子箱Pが位置するように位置決めがされているものとする。また、下流ライン3は、90°先行している親アーム11の直下に設けられているものとする。
【0031】
合流装置1は、モータ14により、回転軸13を角速度ω=(Vπ)/(2l)にて回転させる。この角速度とすることにより、組の菓子箱Pが吸着位置に来たときに、順次、親アーム11も吸着位置に到来する。
【0032】
吸着制御部25は、親アーム11の吸着カップ24を制御して吸着位置にて直下の菓子箱Pを吸着する。そして、90°回転したあと直下の下流ライン3に菓子箱Pを吸着開放し載置する。
【0033】
ここで便宜的に、着目する親アーム11を第一親アーム11とし、続いて到来する親アームを第二親アーム11とする。
第一親アーム11が組の菓子箱Pを吸着し、第二親アーム11が吸着位置にきたとき、第一親アーム11は平面視において90°進んだ位置にくる。このとき、N1:N2=2:1であるので、第一親アーム11の方向と第一親アーム11の組の吸着カップ24の方向がちょうど揃うこととなる。ここで吸着開放され、二つの菓子箱Pが下流ライン3に載置される。すなわち自動的に1列となるように載置される。
【0034】
下流ライン3は、無端の移送ベルト33が速度Vにて回転ローラ(図示せず)により駆動され菓子箱Pを移送する。ここでV=(l/l)・Vとしており、順次載置される菓子箱Pの間隔がすべてlの等間隔となって移送される。
【0035】
以上の構成および制御ないし初期設定により、上流から2列にて連続的に移送されてくる菓子箱Pを、下流に精度よく連続的に1列かつ等間隔に並べ直して載置することができる。
なお、菓子箱Pは、上流ライン2では長手が進行方向を向き、吸着後の子歯車22の公転及び自転により下流ライン3では短手が進行方向を向く。
【0036】
この例では、場所はずれるが上流ライン2と下流ライン3の移送方向は同じである。合流装置1は、下流ライン3の移送方向を上流ライン2の移送方向と異ならせることもできる。吸着位置からの回転軸13(親アーム11)の回転角をθとすると、回動軸23の親アーム11に対する回転角はギア比により2θとなり、組の吸着カップ24の吸着位置からの回転角θはθ=3θとなる。
したがって、例えば、吸着制御部25がθ=π/3のとき吸着開放すると、θ=πとなり下流ライン3の移送方向を上流ライン2に直交する方向とすることができる。このとき、ω=(Vπ)/(3l)とする。図2は、この様子を示した説明図である。
このように制御することにより、合流装置1は、下流ライン3の移送方向の設計自由度を高めた合流も実現する。
【0037】
以上の例では、下流ライン3上における菓子箱Pは、その短手方向を進行方向として載
置および移送されるが、合流装置1は、更に、吸着カップ24を自転させることにより、菓子箱Pの配向方向も任意とすることもできる。
【0038】
図3は、吸着カップを自転させる機構を付加した合流装置を中心とした合流ラインの平面図(a)と側面図(b)である。なお、図1と同様に、歯車の歯の描画は便宜上省略している。また、図3(a)では、子歯車と孫歯車の軌跡を一部点線で描画し、●にて歯車の回転位置がわかるようにしている。また、これに付随した菓子箱も一部点線で描画している。また、図3(b)でも、説明の便宜上、親アームおよびこれに従動する子歯車以下の構成は、図3(a)の右に延伸した部分のみを描画している。
【0039】
図示したように、二つの吸着カップ24は二つの孫歯車26にそれぞれ固着され、これらの孫歯車26はその自転軸27が子アーム21の両端に取り付けられており、子歯車22に歯合しつつ自転可能としている。なおこの例では、子アーム21は子歯車22の側周に延設されている。
また、親歯車12と孫歯車26との距離を一定に保つ保持棒28が回転軸13と自転軸27との間に設けられている。なお、図の例では、保持棒28の片端は、子アーム21先端にあけられた孔を介して自転軸27になめらかに貫入し、他端は、親アーム11先端にあけられた孔を介して回転軸13になめらかに貫入している。
【0040】
ここで、孫歯車の歯数N3をN3:N1=1:1とすると、図3に表したように、親アーム11が吸着位置から90°回転したときに、組の菓子箱Pは吸着位置における向きを合流装置1の設置面に保ったまま1列となる。すなわち、長手方向を進行方向として下流ライン3上に載置されることとなる。
【0041】
このように、合流装置1は、歯車機構を用いるだけで簡便に2列を1列に合流でき、また、歯数を調整して任意の方向に下流ライン3を向け、更には菓子箱Pの配向方向も調整できるので、合流ラインLの設計自由度を高めることが可能となる。
合流装置1を用いることにより、上流ライン2では律速となる菓子の箱詰めをおこない下流ライン3では高速で印字処理をすべく合流させて、工程全体の処理能力を上昇させることができる。
【0042】
本発明は上記の例に限定されない。孫歯車26に代えて、センサと自転モータとにより菓子箱Pの位相をそろえることもできる。特に、上流ライン2において菓子箱Pの向きがバラバラの場合に好適に実装できる。
【0043】
また、親アーム11に代えて、円盤や円環に回動軸23を取り付けてもよい。この場合も回動軸23の位置は、回転軸13に対して軸対称に配するものとする。
【0044】
なお、請求項にいう吸着部は、吸着カップ24、回転軸13、親アーム11などにより構成される。同期駆動手段は、回転軸13,モータ14などにより構成される。カップ配向手段は、親アーム11,親歯車12,子アーム21,子歯車22,回動軸23などにより構成される。吸着制御手段は、吸着制御部25などにより構成される。
カップ自転手段は、孫歯車26,自転軸27,保持棒28、子歯車22、親アーム11などにより構成される。
基体は、子アーム21などにより、基体回動手段は、回動治具23、親アーム11,親歯車12,子歯車22などにより、それぞれ構成される。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、吸着と開放を逆にすれば、等間隔の分流ラインとして使用することもできる。
【符号の説明】
【0046】
1 合流装置
2 上流ライン
3 下流ライン
10 基盤体
11 親アーム
12 親歯車
13 回転軸
14 モータ
20 従動体
21 子アーム
22 子歯車
23 回動軸
24 吸着カップ
25 吸着制御部
26 孫歯車
27 自転軸
28 保持棒
31 移送ベルト
32 移送ベルト
33 移送ベルト
L 合流ライン
P 菓子箱
図1
図2
図3