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特許7266861封入式遊技機の球磨装置及び封入式遊技機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】封入式遊技機の球磨装置及び封入式遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230424BHJP
【FI】
A63F7/02 351Z
A63F7/02 301C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019094126
(22)【出願日】2019-05-17
(65)【公開番号】P2020188834
(43)【公開日】2020-11-26
【審査請求日】2022-04-18
(73)【特許権者】
【識別番号】591044614
【氏名又は名称】株式会社足立ライト工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(74)【代理人】
【識別番号】100158067
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 基
(72)【発明者】
【氏名】原 徳昭
【審査官】堀 圭史
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-176416(JP,A)
【文献】特開2009-089838(JP,A)
【文献】特開2001-000723(JP,A)
【文献】特開平08-196735(JP,A)
【文献】特開2013-046738(JP,A)
【文献】特開2016-128080(JP,A)
【文献】特開2017-176396(JP,A)
【文献】特開2009-297149(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的駆動源と、
遊技球の球磨きをする球磨手段及び遊技球を移送する球移送手段を有する球磨通路と、
前記球磨通路を迂回する迂回通路と、
前記球磨通路及び前記迂回通路のいずれか一方に遊技球を導く切替弁と、を備え、
前記電気的駆動源は前記球移送手段を駆動するとともに、前記球移送手段を駆動している間、前記球磨通路を開放し前記迂回通路を閉じるように前記切替弁を切り替えることを特徴とする封入式遊技機の球磨装置。
【請求項2】
前記球磨通路は前記切替弁により通常時は閉じられており、所定の条件が成立した際に、前記電気的駆動源を駆動することで前記球磨通路を開放し、前記球磨手段により球磨きをすることを特徴とする請求項1に記載の封入式遊技機の球研磨装置。
【請求項3】
往復運動によって前記切替弁の切替位置を変更可能に形成された切替弁位置変更制御部材と、前記電気的駆動源に形成された駆動ギアと、を有し、
前記駆動ギアは、前記球移送手段に設けられた被動ギアと噛合し、かつ前記切替弁位置変更制御部材に形成されたラックと噛合していることを特徴とする請求項1に記載の封入式遊技機の球磨装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機等のパチンコ球を遊技媒体として用いる遊技機であって、遊技機内部に遊技球を封入して循環させる封入式遊技機に使用される球磨装置及び封入式遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機内部に所定数の遊技球を封入し、封入された遊技球を繰り返し発射して遊技盤の遊技領域に打ち込むことにより、遊技が行われる遊技機が知られている。遊技領域に設けられた入賞領域に入賞した場合には、景品球が払い出される代わりに遊技者に持球数が加算されることになる。このような封入式遊技機には球磨装置が設けられており、遊技機内部で循環する遊技球を球磨きする。例えば、遊技領域から回収された遊技球は、球磨装置で球磨きされた後、発射装置へ搬送される。球磨装置は例えば遊技球を球磨紙に接触させながら揚送する。これにより遊技球の表面の汚れが除去される。
【0003】
しかしながら、汚れた研磨紙を交換するなどの球磨装置の保守作業を遊技機ごとに行う必要があるため、封入式遊技機の保有台数が多い場合は相当の作業負担になっていた。このような問題を鑑みて、特許文献1では、回収した遊技球が通過する流路に分岐部を設け、研磨部に導入する流路と研磨部を迂回する流路に切り替える流路切替手段を設けて遊技球が研磨部を通過する頻度を減少させた研磨装置が提案されている。しかしながら、確かに保守作業は著しく軽減されるものの流路切替手段を作動させる電気的駆動源を新たに設ける必要があることから、制御が複雑化し、また装置が大型化してしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-128080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、球磨装置の保守作業の負担を低減するとともに、封入式遊技機に設置する球磨装置を小型化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明にかかる封入式遊技機の球磨装置は、
電気的駆動源と、
遊技球の球磨きをする球磨手段及び遊技球を移送する球移送手段を有する球磨通路と、
前記球磨通路を迂回する迂回通路と、
前記球磨通路及び前記迂回通路のいずれか一方に遊技球を導く切替弁と、を備え、
前記電気的駆動源は前記球移送手段を駆動するとともに、前記球移送手段を駆動している間、前記球磨通路を開放し前記迂回通路を閉じるように切替弁を切り替えることを特徴とする。
【0008】
本発明にかかる封入式遊技機の球磨装置によれば、球磨通路と迂回通路のいずれか一方に遊技球を導く切替弁を備えているので球磨装置の使用頻度を軽減でき、保守作業の負担を低減することができる。また、球磨通路を通過する遊技球を移送する球移送手段と切替弁とを1つの電気的駆動源により稼働できるようにしたので、制御を簡素化し装置自体をコンパクトにすることができる。そのため、封入式遊技機内部を有効に活用することができる。
【0009】
また、本発明にかかる封入式遊技機の球磨装置において、
往復運動によって前記切替弁の切替位置を変更可能に形成された切替弁位置変更制御部材と、前記電気的駆動源に形成された駆動ギアと、を有し、
前記駆動ギアは、前記球移送手段に設けられた被動ギアと噛合し、かつ前記切替弁位置変更制御部材に形成されたラックと噛合していることを特徴とするものであってもよい。
【0010】
かかる構成を採用することによって、モータギアに対して球移送手段に設けられたスクリューギア及び切替弁位置変更制御部材の位置を変更するラックに直接噛合しているので、簡易な構造でスクリューの回転運動と、切替弁位置変更制御部材の水平移動を同時に達成することができる。
【0011】
さらに、本発明にかかる封入式遊技機の球磨装置において、
前記切替弁は、前記球磨通路及び前記迂回通路の分岐部近傍に回転軸を有し、前記回転軸と反対側には、前記切替弁位置変更制御部材に形成された切替弁位置変更制御孔及び、前記切替弁位置変更制御孔と前記切替弁との間に形成された切替弁の回動移動と同様の軌跡となるように形成された弧状の貫通孔の両方に挿通する突起部を備え、
前記切替弁位置変更制御孔は、前記切替弁位置変更制御部材の位置を変更することによって前記切替弁が回動移動するように形成されていることを特徴とするものであってもよい。
【0012】
かかる構成を採用することによって、切替弁位置変更制御部材の往復運動を切替弁の回動運動に変換することができ、簡易な構造で球磨通路及び迂回通路の切替を行うことができる。
【0013】
さらに、前述した球磨装置を有する封入式遊技機は、
前記球磨装置と、遊技領域から排出された回収球を受け入れる回収球受け部との間に回収球検知センサを有し、
前記回収球検知センサによる回収球の通過数に基づいて電気的駆動源を駆動する制御回路を有することを特徴とする。
【0014】
かかる構成を採用することによって、球磨装置の使用頻度を回収球の排出数に応じて設定することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施形態にかかる封入式遊技機110の斜視図である。
図2図2は、実施形態にかかる封入式遊技機110の正面図である。
図3図3は、図2のA-A部の断面図である。
図4図4は、実施形態にかかる球磨装置100の分解斜視図である。
図5図5は、実施形態にかかる球磨装置100の平面図、上側ケーシングを外した状態を示す平面図及びB-B部の断面図である。
図6図6は、実施形態にかかる球磨装置100の平面図、上側ケーシングを外した状態を示す平面図及びB-B部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明にかかる封入式遊技機110の球磨装置100について、図面に沿って詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に球磨装置100を有する封入式遊技機110の斜視図である。図2は、本発明の実施形態に球磨装置100を有する封入式遊技機110の正面図である。図3は、図2のA-A部断面図である。
【0017】
本発明にかかる封入式遊技機110は、図1又は図2に示すように、前面略中央部に位置する遊技領域111を有し、発射装置112を操作するために前面下部の側方位置に配置される発射ハンドル113を備えている。遊技領域111には、入賞等の各種演出を演出する大型の液晶パネルを有する図柄変動表示装置、図柄変動表示装置の下方に位置する大入賞口、図柄変動表示装置の両側方向に位置する複数の入賞口、風車や多数の障害釘からなる障害釘群等(図示しない。)が適宜配置される。また、遊技領域111に供給された遊技球を排出するアウト口114を備えている。
【0018】
本発明にかかる封入式遊技機110は、球送り部材116によって一球ごとに発射レール115に供給された遊技球を発射ハンドル113の操作によって遊技機内部に封入された遊技球を発射装置112から遊技領域111に打ち出し、遊技領域111内に発射された遊技球が風車や障害釘群を通過して入賞口や大入賞口に入球(以下「セーフ球」という。)すると、入賞口や大入賞口に設けられた入賞球スイッチによって検出され、制御手段が入賞信号を受信することによって入賞として扱われる。この場合には、制御手段により球払出信号が発信され、景品球が払い出される代わりに遊技者の持球数が加算される。一方、入賞口又は大入賞口に入賞することなく遊技領域111を落下してきた球は、アウト口114へ導かれてアウト球として排出される。このように、セーフ球又はアウト球として遊技領域111から排出された遊技球(以下、セーフ球及びアウト球を合わせて「回収球」という。)は、回収球を受け入れる回収球受け部117で合流し、一列に整列された後、球磨装置100に導かれる。こうして球磨装置100を通過した回収球は、球送り部材116によって、発射レール115に供給され、発射ハンドル113の操作によって発射レール115上の遊技球は、発射装置112によって再度遊技領域111内に発射される。このように本発明にかかる封入式遊技機110は、遊技球が球受皿に払い出されることなく、遊技球が遊技機内で循環して使用される。
【0019】
球磨装置100は、図3に示すように、主として、回収球検知センサ10を通過した遊技球を球磨通路51と迂回通路52とに切り替えて送出する流路切替手段40と、電気的駆動源90と、を備えている。
【0020】
回収球検知センサ10は、セーフ球又はアウト球として排出された回収球の通過を検知する検知手段であり、遊技球の流路において流路切替手段40の前に配置され、遊技球の通過数を制御回路に報知する。
【0021】
流路切替手段40は、図4に示すように、主として、球磨通路51又は迂回通路52を有するケーシング50と、球磨通路51又は迂回通路52のいずれかに遊技球を送出するように切り替える切替弁53と、切替弁53の位置を制御する切替弁位置変更制御部材54と、球磨通路51に配置される球移送手段55及び球磨手段56と、を備えている。
【0022】
ケーシング50は、球移送手段55及び切替弁53を収納した状態で位置決め可能なように上下に分割された上側ケーシング50a及び下側ケーシング50bに分割されている。ケーシング50内は、アウト口114から排出された遊技球を前述した球磨通路51又は迂回通路52に誘導する誘導通路57を有し、この誘導通路57から球磨通路51又は迂回通路52に分岐し、球磨通路51又は迂回通路52を通過してきた遊技球を再度一つの通路に送出するために結合された送出通路68が形成されている。
【0023】
球磨通路51には、遊技球を移送する球移送手段55と遊技球を磨くための球磨手段56とが配置されている。球移送手段55は、遊技球を回転させつつ送出させる装置であり、既知の手段を採用することができる。球移送手段55は、後述する電気的駆動源90の駆動ギアと噛合する被動ギアが設けられており、電気的駆動源90の稼働に伴い駆動する。例えば、スクリュー式又はスプロケット式等があげられるがこれらに限定するものではない。本実施形態においては、スクリュー式の球移送手段55を採用した例を記載している。スクリュー式の球移送手段55は、スクリューの溝がほぼ遊技球の大きさと同様の大きさに形成されており、スクリューを回転させることによって、スクリューの羽によって進行方向に遊技球が回転しつつ送出されることになる。スクリューの一方端部には、被動ギアとしてのスクリューギア55aが設けられており、後述する電気的駆動源90の駆動ギアとしてのモータギア91と噛合されている。球磨手段56としては、例えば、研磨ブラシ、研磨紙、研磨布等があげられる。本実施形態では、研磨ブラシ56aを例として記載している。研磨ブラシ56aを有する球磨手段56は、球磨通路51に設けられた開口部51aから球磨通路51を通過する遊技球に接触するように球磨通路51内に研磨ブラシ56aの先端が配置されており、スクリューによって回転、送出されている遊技球を研磨ブラシ56aで磨くことができる。さらに、球磨通路51の下方には、球磨手段56によって研磨されたゴミを下方側に落とすことが可能なゴミ落下孔51bが設けられており、このゴミ落下孔51bの下方には、ゴミ収集部60が設けられる。本実施形態では、球磨手段56とゴミ収集部60が一体に形成されており、球磨手段56を外すことでゴミ収集部60を外すことができ、ゴミ収集部60に溜まったゴミを排除することができる。なお、球磨手段56とゴミ収集部60を別体に作製しても構わない。
【0024】
さらに、ケーシング50の球磨通路51又は迂回通路52との分岐には、切替弁53が設けられている。切替弁53は、球磨通路51又は迂回通路52との分岐部において、それぞれ球磨通路51又は迂回通路52のいずれかを閉じるように板状に形成されており、分岐部近傍に回転軸53aを有し、球磨通路51又は迂回通路52のいずれかを閉じるように回動することができる。また、切替弁53の回転軸53aの反対側には、上側ケーシング50aを貫通するように突起部53bが設けられている。一方、上側ケーシング50aには、切替弁53の回動による突起部53bの軌跡と同様の軌跡に形成された弧状の貫通孔58が形成されていて、切替弁53が回動する場合には、突起部53bが貫通孔58に沿って移動することになる。
【0025】
上側ケーシング50aの上面側には、突起部53bの位置を制御する切替弁位置変更制御部材54が配置されており、この切替弁位置変更制御部材54は、迂回通路52と直交する方向へ往復移動可能に設けられている。この切替弁位置変更制御部材54には、突起部53bが挿入される切替弁位置変更制御孔54aが設けられており、この切替弁位置変更制御孔54aは往復移動の方向に対して角度を有するように設けられている。そのため、切替弁位置変更制御孔54aが往復運動することで、突起部53bが弧状の貫通孔58の端部から端部まで移動させられることができる。さらに、切替弁位置変更制御部材54は、ばね等の付勢手段65が設けられており、切替弁位置変更制御部材54になんら力が加わっていない場合には、図5に示すように、切替弁53が迂回通路52を開放し、球磨通路51を閉じる位置となるように付勢されている。さらに、切替弁位置変更制御部材54は、図4に示すように、後述する電気的駆動源90のモータギア91と噛合するようにラック54bが形成されており、電気的駆動源90が駆動することによって、切替弁位置変更制御部材54が、図6に示すように、左側の位置に移動し、迂回通路52を閉じて球磨通路51を開放する。なお、切替弁位置変更制御部材54の往復運動の方向の精度を向上させるために、切替弁位置変更制御部材54に往復運動以外の方向に移動できないようにする直線状の規制孔54cを設け、ケーシング50にこの規制孔54cに挿入される規制突起59を設けてもよい。
【0026】
電気的駆動源90は、駆動ギアとしてのモータギア91を有するモータからなる。モータギア91は、直接又は中間ギア等を介して間接的に球移送手段55の被動ギア(本実施形態においてはスクリューギア55a)及び切替弁位置変更制御部材54のラック54bに噛合している。
【0027】
以上のように構成された球磨装置100を有する封入式遊技機110は、以下のようにして作動する。回収球(セーフ球又はアウト球)は、回収球検知センサ10を通過して球磨装置100に送られる。通常、球磨装置100は、電気的駆動源90は駆動しておらず、付勢手段65によって、図5に示すように、球磨通路51が閉じられ、迂回通路52が開放された状態にされているため、球磨きが行われることのない迂回通路52を経由して発射装置112に送られる。これは、封入式遊技機110では遊技機内部で遊技球を循環しているので封入式遊技機110ごとに球磨装置100を設けて、汚れた遊技球の球磨き及び洗浄を行っている。しかしながら、封入式遊技機110では、遊技球が遊技者に触れられることはないため、油分や汚れが付着しにくい。そのため、遊技球を毎回通過するたびに球磨きする必要はないと考えられるため、通常は球磨通路51を経由することなく迂回通路52を経由させることとしたものである。一方で、予め定められた数の回収球を回収球検知センサ10にて検知した場合や所定の時間が経過した場合等制御回路に予め定められた稼働条件に基づいて電気的駆動源90が稼働される。電気的駆動源90が稼働するとモータギア91及びスクリューギア55aを介して球移送手段55が稼働すると同時に、切替弁位置変更制御部材54のラック54bが電気的駆動源90のモータギア91と噛合しているので、切替弁位置変更制御部材54が図5のB-B断面図の矢印の方向に移動する。これにより、切替弁53の突起部53bは、切替弁位置変更制御孔54aによって位置が変更され、弧状の貫通孔58に沿って移動し、図6に示すように、迂回通路52を閉じ、球磨通路51を開放する。なお、この状態で電気的駆動源90のモータギア91は回転し続け、いわゆる空転した状態になり、切替弁位置変更制御部材54は、迂回通路52を閉じた状態でわずかに往復運動することになる。したがって、球移送手段55が稼働している間、切替弁53は球磨通路51を開放した状態を維持することになる。これにより、遊技球は球磨通路51を通過し、球移送手段55によって送出されつつ球磨手段56によって球磨きがされる。そして、回収球検知センサ10によって予め定められた球数の通過を検知すると、制御回路によって電気的駆動源90の駆動は停止される。電気的駆動源90の駆動は解除されると、球移送手段55の駆動は停止するとともに、切替弁位置変更制御部材54は付勢手段65によって初期位置に復帰して、再度、図5に示すように、球磨通路51を閉じ、迂回通路52を開放することになる。ここで、付勢手段65によることなく、電気的駆動源90であるモータは球移送手段55の稼働方向とは逆回転を行い、切替弁位置変更制御部材54を初期位置に復帰させてもよい。球磨装置100(球磨通路51または迂回通路52)を通過した遊技球は、図3に示すようにファール球通路85から排出されるファール球も誘導される第2誘導通路80へ導かれる。第2誘導通路80の終端には第2球検知センサ15及び球送り部材116が備えられる。この第2球検知センサ15によって遊技球の有無を検知し、遊技球がある場合には球送り部材116によって球技球は一球ごとに発射レール115に供給され、発射ハンドル113の操作によって発射レール115上の遊技球は、発射装置112によって、再度遊技領域111内に発射される。
【0028】
以上のように、本発明にかかる球磨装置100を有する封入式遊技機110によれば、球磨通路51と迂回通路52のいずれか一方に遊技球を導く切替弁53を備えているので、球磨装置100の使用頻度を軽減することができ、保守作業の負担を低減することができる。また、ブラシ等の球磨手段56の長寿命化を図ることができる。
【0029】
さらに、球磨通路51を通過する球を移送する球移送手段55を駆動する電気的駆動源90により、切替弁53を切り替えることができるようにしたので、制御を簡素化し、装置自体をコンパクトにすることができる。そのため、封入式遊技機110内部の空間を他の用途に用いる等有効に活用することが可能となる。
【0030】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施しうる。
【0031】
上述の実施形態においては、回収球検知センサ10を通過した遊技球の数に基づいて電気的駆動源90を稼働させるものとしたが、第2球検知センサ15を通過した遊技球の数に基づいて電気的駆動源90を稼働させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0032】
上述した実施の形態で示すように、封入式遊技機の球磨装置として産業上利用することができる。
【符号の説明】
【0033】
10…回収球検知センサ、15…第2球検知センサ、40…流路切替手段、50…ケーシング、50a…上側ケーシング、50b…下側ケーシング、51…球磨通路、51a…開口部、51b…ゴミ落下孔、52…迂回通路、53…切替弁、53a…回転軸、53b…突起部、54…切替弁位置変更制御部材、54a…切替弁位置変更制御孔、54b…ラック、54c…規制孔、55…球移送手段、55a…スクリューギア、56…球磨手段、56a…研磨ブラシ、57…誘導通路、58…貫通孔、59…規制突起、60…ゴミ収集部、65…付勢手段、68…送出通路、80…第2誘導通路、85…ファール球通路、90…電気的駆動源、91…モータギア、100…球磨装置、110…封入式遊技機、111…遊技領域、112…発射装置、113…発射ハンドル、114…アウト口、115…発射レール、116…球送り部材、117…回収球受け部
図1
図2
図3
図4
図5
図6