(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】ケーブル敷設装置
(51)【国際特許分類】
H02G 1/06 20060101AFI20230424BHJP
H02G 9/00 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
H02G1/06
H02G9/00
(21)【出願番号】P 2022545795
(86)(22)【出願日】2021-09-30
(86)【国際出願番号】 CN2021122371
(87)【国際公開番号】W WO2022127303
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2022-07-27
(31)【優先権主張番号】202110975277.6
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521550208
【氏名又は名称】中▲鉄▼九局集▲団▼▲電▼▲務▼工程有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHINA RAILWAY NO.9 GROUP ELECTRICAL ENGINEERING CO., LTD
【住所又は居所原語表記】No.36-5 Shenglibeijie Street, Heping District, Shenyang city, Liaoning, P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】王大▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】冀▲暁▼▲瑩▼
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲斉▼孟星
(72)【発明者】
【氏名】徐士彬
(72)【発明者】
【氏名】邱▲暁▼▲傑▼
(72)【発明者】
【氏名】程爽
(72)【発明者】
【氏名】孟祥久
【審査官】北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-030515(JP,U)
【文献】特開平06-014442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/06
H02G 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル敷設装置であって、
対向に配置された2つの調整装置であって、前記調整装置は、固定板と、取り付け組立体と、固定組立体とを備え、前記取り付け組立体及び前記固定組立体は両方とも前記固定板に設けられ、各前記固定板に各々4つの前記固定組立体が設けられ、前記固定板が前記固定組立体を介して地面に固定される、2つの調整装置と、
2つの平行なロープセットであって、前記ロープセットは、平行に配置された2本の長ロープと、複数の短ロープとを備え、前記長ロープの両端は各々2つの前記調整装置の前記取り付け組立体に固定され、前記短ロープの両端が各々2本の前記長ロープに連結され、隣り合う前記短ロープの一方の前記長ロープにおける位置間隔と他方の前記長ロープにおける位置間隔が同じである、2つの平行なロープセットと、
斜め中空ロッドと、複数の第1搬送ローラシャフトと、複数の第1搬送ローラとを含む斜め搬送部材と、を備え、
前記斜め中空ロッドは、前記短ロープを外嵌し、前記斜め中空ロッドの両端に第1環状端板を有し、
前記第1搬送ローラシャフトの両端は、2箇所の前記第1環状端板にそれぞれ固定され、前記複数の第1搬送ローラシャフトは、前記斜め中空ロッドの円周方向に均等に配置され、
前記第1搬送ローラは、前記第1搬送ローラシャフトを外嵌し、前記第1搬送ローラシャフトを中心にして回転して、ケーブルを支持及び搬送する、
ことを特徴とする、ケーブル敷設装置。
【請求項2】
真っ直ぐなロッドと、複数の第2搬送ローラシャフトと、複数の第2搬送ローラとを含む真っ直ぐな搬送部材をさらに備え、
前記真っ直ぐなロッドの軸線は、前記長ロープの延在方向に垂直であり、前記真っ直ぐなロッドは軸方向に垂直な方向に沿って2組の貫通穴が設けられ、2つの前記ロープセット間の隣り合う2本の前記長ロープが各々2組の前記貫通穴に通し、前記真っ直ぐなロッド上の対応する前記貫通穴にロック装置が設けられ、前記ロック装置は真っ直ぐなロッドを前記長ロープに固定し、前記真っ直ぐなロッドの両端に第2環状端板を有し、
前記第2搬送ローラシャフトの両端は、2箇所の第2環状端板にそれぞれ固定され、前記真っ直ぐなロッドの円周方向に均等に配置され、
前記第2搬送ローラは、前記第2搬送ローラシャフトを外嵌し、前記第2搬送ローラシャフトを中心にして回転して、前記ケーブルを支持及び搬送する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のケーブル敷設装置。
【請求項3】
前記ロック装置は、第1緊定ねじであることを特徴とする、請求項2に記載のケーブル敷設装置。
【請求項4】
前記真っ直ぐな搬送部材の両端部が、前記長ロープの延在方向に前記斜め搬送部材と部分的に重なっていることを特徴とする、請求項2に記載のケーブル敷設装置。
【請求項5】
前記取り付け組立体は、可動ブロックを備え、
前記可動ブロックに平らな穴が設けられ、前記長ロープが平らな穴を通して前記ロック装置で前記平らな穴に固定され、
前記ロック装置は、前記平らな穴の穴壁に設けられた緊定ねじ穴と、前記緊定ねじ穴に設けられた第2緊定ねじとを備え、前記第2緊定ねじは前記長ロープを前記平らな穴の穴壁に押し付けるために用いられる、
ことを特徴とする、請求
項2に記載のケーブル敷設装置。
【請求項6】
前記取り付け組立体は、スクリューをさらに備え、前記スクリューは前記固定板に回転可能に設けられ、前記スクリューの軸線が前記長ロープの延在方向に平行で、前記可動ブロックと前記スクリューがスクリューナット機構を形成することを特徴とする、請求項5に記載のケーブル敷設装置。
【請求項7】
前記取り付け組立体は、開口部が上に向き、凹溝を有するU字型部材をさらに備え、前記U字型部材の両端に閉止板が各々設けられ、前記閉止板は前記凹溝の側面を塞ぎ、
前記スクリューは、前記凹溝に設けられ、前記スクリューの両端が2箇所の前記閉止板を各々挿通し、前記閉止板に回転可能に設けられ、
前記可動ブロックの少なくとも一部が、前記凹溝に設けられ、前記凹溝内を移動する、
ことを特徴とする、請求項6に記載のケーブル敷設装置。
【請求項8】
前記短ロープと前記長ロープは、取り外し可能に連結されることを特徴とする、請求項7に記載のケーブル敷設装置。
【請求項9】
平らな穴の軸線は、前記長ロープの延在方向に平行であることを特徴とする、請求項5に記載のケーブル敷設装置。
【請求項10】
前記取り付け組立体は、固定板に穿設されアンカー孔と、アンカー孔に設けられたアンカーコーンとを備えることを特徴とする、請求項1に記載のケーブル敷設装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ケーブル敷設の技術分野に属し、特に、ケーブル敷設装置に関する。
【背景技術】
【0002】
長距離ケーブル敷設施工では、通常、機械的牽引又は手動牽引を使用してケーブルを敷設し、敷設過程でケーブル外被と地面の間の摩擦により、ケーブル外被上の印字が不鮮明になり、軸方向の引っかき傷などの状況が発生しやすく、印字の不鮮明はその後のケーブル点検に不利となり、また、深い引っかき傷がケーブルの外被を破損し、ケーブルの安全な使用に影響を与る原因となっていた。
【0003】
また、実際の使用時、往々にして並列敷設するケーブルは、機械的牽引又は手動牽引のどちらを使用する場合でも、1本のケーブルを同時に牽引しかできず、1本のケーブルを牽引して敷設した後、手動敷設を使用する場合、作業者はケーブルリールの置き場に戻って別のケーブルを牽引して再度敷設する必要があるため、作業者の労働負荷が大きくなり、機械的牽引を用いる場合、牽引装置をケーブルリールの置き場に移動してから次の牽引を開始できるため、敷設作業の効率が低下していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願の目的は、上述の背景技術で言及される課題を少なくとも解決するためのケーブル敷設装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本出願は次のような技術的手段を提示する。
【0006】
調整装置は、固定板と、取り付け組立体と、固定組立体とを備え、取り付け組立体及び固定組立体は両方とも固定板に設けられ、各前記固定板に各々4つの固定組立体が設けられ、前記固定板が固定組立体を介して地面に固定される対向に配置された2つの調整装置と、ロープセットは、平行に配置された2本の長ロープと、複数の短ロープとを備え、長ロープの両端は各々2つの前記調整装置の前記取り付け組立体に固定され、短ロープの両端が各々2本の長ロープに連結され、隣り合う短ロープの一方の長ロープにおける位置間隔と他方の長ロープにおける位置間隔が同じである2つの平行なロープセットと、斜め中空ロッドと、複数の第1搬送ローラシャフトと、複数の第1搬送ローラとを含む斜め搬送部材と、を備えたケーブル敷設装置であって、前記斜め中空ロッドは、前記短ロープを外嵌し、前記斜め中空ロッドの両端に第1環状端板を有し、前記第1搬送ローラシャフトの両端は、2箇所の第1環状端板にそれぞれ固定され、前記斜め中空ロッドの円周方向に均等に配置され、前記第1搬送ローラは、前記第1搬送ローラシャフトを外嵌し、前記第1搬送ローラシャフトを中心にして回転して、ケーブルを支持及び搬送する。
【発明の効果】
【0007】
1)本装置の固定板は、ケーブルが敷設されている地面に固定され、ケーブルを敷設する時、ケーブルを本装置の上に通過させ、ケーブルが牽引されて移動する時、ケーブルは真っ直ぐなローラシャフト、斜めローラシャフトとの転がり摩擦があり、地面との滑り摩擦を避け、転がり摩擦の摩擦力が小さいため、ケーブル外被と地面との接触摩擦後で発生する摩耗及び印字の不鮮明の問題を避け、かつ摩擦力が小さく、作業者の作業負荷が少なく、敷設効率が高い。
【0008】
2)真っ直ぐな搬送部材を設置することにより、ケーブルへの支持面積を増やし、一度により多くのケーブルを敷設し、ケーブルの落下を良く防ぐことができる。
【0009】
3)ロック装置は、緊定ねじの形を用い、構造が単純で、加工に便利である。
【0010】
4)真っ直ぐな搬送部材は、長ロープの延在方向に斜め搬送部材と部分的に重なっているため、ケーブルが真っ直ぐな搬送部材と斜め搬送部材との間の隙間に落下するのを防ぐことで、ケーブル詰まりにより敷設に影響することを避ける。
【0011】
5)本装置は、2つの調整構造上の可動ブロックの位置を変更することにより、ロープセットを調整して、斜めローラシャフトの方向を変化させることで、本装置に適したケーブルの牽引・敷設方向を変更し、ケーブルを反対方向に敷設する必要がある場合、作業者の作業負荷が低く、敷設効率が高くなる。
【0012】
6)スクリューナット機構の技術が成熟し、固定板への可動ブロックの固定を実現するだけでなく、可動ブロックの変位も実現できる。
【0013】
7)U字型部材を設置することにより、スクリューを保護し、スクリュー上のネジ部の損傷を防ぎ、また閉止板の確実な固定を確保する。
【0014】
8)短ロープと長ロープは、取り外し可能に連結されるので、斜め搬送部材のメンテナンスと交換に便利である。
【0015】
9)平らな穴の軸線は、長ロープの延在方向と平行であるため、長ロープの摩耗を低減する。
【0016】
10)アンカーコーンは、構造が単純で、迅速に着脱できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】
図1内の斜め搬送部材及び真っ直ぐな搬送部材を除く時の概略構成図である。
【
図5】真っ直ぐなローラシャフトの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1~
図5に示すように、本出願の実施形態により提供されるケーブル敷設装置は、対向に配置された2つの調整装置1と、2つの調整装置1間に設けられた2つのロープセット2とを備え、ロープセット2は平行に配置されている。
【0019】
調整装置1は、固定板101と、取り付け組立体と、固定組立体とを備え、各固定板101に各々4つの固定組立体が設けられ、固定板101にアンカー孔107が穿設され、アンカーコーンをアンカー孔107に挿通して地面に打ち込むと、固定板101を地面に固定することができ、アンカー孔107とアンカーコーンは固定組立体を構成する。取り付け組立体の数は、4で、2つのロープセット2内の4本の長ロープ201に対応する。取り付け組立体は、固定板101の上面に設けられ、U字型部材102と、スクリュー103と、可動ブロック104と、第2緊定ねじ105と、クランクハンドル106とを備え、U字型部材102は凹溝を有し、U字型部材102の両端に各々閉止板が設けられ、閉止板は凹溝の側面を塞いでいる。スクリュー103は、凹溝に設けられ、軸線が長ロープ202の延在方向に平行であり、両端が2箇所の閉止板を各々挿通し、閉止板に回転可能に設けられ、可動ブロック104の少なくとも一部が凹溝に設けられ、凹溝内を移動する。可動ブロック104にねじ穴が設けられ、可動ブロック104は、スクリュー103にねじ込み結合され、スクリュー103とスクリューナット機構を形成している。スクリュー103は、U字型部材102の外部にあり、かつ斜め搬送部材から離れた端に位置し、スクリュー103を回転するためのクランクハンドル106が固結され、クランクハンドル106を回転して凹溝における可動ブロック104の位置を調整することで、対応する長ロープ201を調整する目的を達成する。
【0020】
ロープセット2は、2本の長ロープ201と、2本の長ロープ201間に均等に配置された複数の短ロープ202とを備え、短ロープ202の両端は長ロープ201に取り外し可能に連結され、長ロープ201の両端が各々2つの調整装置1上の対応する可動ブロック104に固結される。具体的には可動ブロック104の凹溝から突出する部分に平らな穴が設けられ、長ロープ201が平らな穴を通してロック装置で平らな穴に固定されている。ロック装置は、平らな穴の穴壁に設けられた緊定ねじ穴と、緊定ねじ穴に設けられた第2緊定ねじ105とを備え、第2緊定ねじ105は長ロープ201を平らな穴の穴壁に押し付けるために用いられる。長ロープ201が平らな穴に固定された後、可動ブロック104は凹溝の延在方向に沿って凹溝を移動する時、対応する長ロープ201を移動させることができる。
【0021】
短ロープ202にケーブルを載置及び搬送するための斜め搬送部材3が外嵌される。2つのロープセット2間の隣り合う長ロープ201に複数のお互いに平行で、斜め搬送部材3と交互にずらして配置される真っ直ぐな搬送部材4が外嵌され、真っ直ぐな搬送部材4もケーブルを載置及び搬送するために用いられる。
【0022】
斜め搬送部材3は、短ロープ202を外嵌する斜め中空ロッド301を備え、斜め中空ロッド301の両端はそれぞれ第1環状端板を有し、第1環状端板の円周方向に第1搬送ローラシャフトが均等に配置され、第1搬送ローラシャフトの軸線が斜め中空ロッド301の軸線に平行であり、第1搬送ローラシャフトの両端がそれぞれ第1環状端板に固定され、第1搬送ローラシャフトn第1搬送ローラ302が外嵌され、第1搬送ローラ302は第1搬送ローラシャフトを中心にして回転して、ケーブルを支持及び搬送する。
【0023】
斜め中空ロッド301が地面に置かれた後、斜め中空ロッド301と地面との間の摩擦力により、斜め中空ロッド301が短ロープ202上で回転することは困難であり、複数の第1搬送ローラ302は斜め中空ロッド301に均等に配置されて、斜め中空ロッド301の頂部にある第1搬送ローラ302が地面の影響を受けずに正常に回転できるため、ケーブル搬送時の抵抗が小さいことで、ケーブルを載置及び搬送する目的を達成する。
【0024】
真っ直ぐな搬送部材4は、真っ直ぐなロッド401を備え、真っ直ぐなロッド401の半径方向に2組の貫通穴402(真っ直ぐなロッド401が中実ロッドの場合、1組の貫通穴402は1つの穴で、真っ直ぐなロッド402が中空ロッドの場合、1組の貫通穴402は対称的な2つの穴である)が穿設され、2組のロープセット2間の隣り合う2本の長ロープ201は各々貫通穴402を挿通して真っ直ぐなロッド401を長ロープ201に固定する。真っ直ぐなロッド401の両端に第1緊定ねじ403がねじ込み結合され、長ロープ201は第1緊定ねじ403で貫通穴402に固定される。真っ直ぐなロッド401の両端に第2環状端板が設けられ、第2環状端板の円周方向に真っ直ぐなロッド401の軸線に平行な第2搬送ローラシャフトが配置される。第2搬送ローラシャフトの両端は各々2つの第2環状端板に固定される。第2搬送ローラ404は、第2搬送ローラシャフトを外嵌し、第2搬送ローラシャフトを中心にして回転して、ケーブルを支持及び搬送する。
【0025】
真っ直ぐな搬送部材4を長ロープ201に取り付ける時、先に短ロープ202を長ロープ201から外し、長ロープ201を真っ直ぐな搬送部材4の的貫通穴に通してから、第1緊定ねじ403を回し、第1緊定ねじ403は長ロープ201を貫通穴の穴壁に押し付けると、真っ直ぐな搬送部材4の取り付けが完了する。真っ直ぐな搬送部材4が外力の影響を受けて長ロープ201上で変位した後、第1緊定ねじ403を緩めてから真っ直ぐな搬送部材4の位置を調整した後、第1緊定ねじ403を再度締め付け、真っ直ぐな搬送部材4を長ロープ201の所定の位置に固定すると、真っ直ぐな搬送部材4の位置調整を完了することができる。
【0026】
斜め中空ロッド301の円周方向に第1搬送ローラ302が均等に配置され、真っ直ぐなロッド401の円周方向に第2搬送ローラ404が配置され、ロープセット2を敷設する時、ロープセット2の表裏面を考慮する必要がなく、実際の敷設作業がスムーズに進行できる。長ロープ201の方向に沿って本装置を移動する必要がある時、二人で調整装置1を持ち上げ、調整装置1を直接移動するだけでよく、ロープセット上の第1搬送ローラ302及び第2搬送ローラ404は地面と接触する部分であるため、地面と転がり摩擦があり、敷設装置と地面との摩擦力が小さく、長ロープ201の方向に沿って本装置を移動するのに便利で、斜め搬送部材3及び真っ直ぐな搬送部材4の摩耗を減らすことができる。
【0027】
斜め搬送部材3の軸方向は、斜め於長ロープ201の長さに対して傾斜し、その傾斜角が30°~60°の範囲で、真っ直ぐな搬送部材4は2組の斜め搬送部材3間に位置し、長ロープ201の延在方向において、斜め搬送部材3と部分的に重なっている。ケーブルが斜め搬送部材3上を移動する時、斜め搬送部材3上の第1搬送ローラ302を回転させ、斜め搬送部材3と長ロープ201との間に一定の傾斜角があるため、第1搬送ローラ302は真っ直ぐな搬送部材4に向かってケーブルに力を加えることで、ケーブルを第1搬送ローラ302の回転の作用下で真っ直ぐな搬送部材4に移動させると、ケーブルが敷設装置の両側に変位して落下することを防止し、手作業の負担を軽減できる。
【0028】
斜め搬送部材3と長ロープ201との間の傾斜角が大きすぎる又は小さすぎる時、悪影響が生じ、夾角が小さい場合、斜め搬送部材3上でケーブルを引っ張った時受けた抵抗が大きくなる。夾角が大きい場合、第1搬送ローラ302が自転によりケーブルを移動させる時、ケーブルへの立ち直り効果が小さくなり、ケーブルを真っ直ぐな搬送部材4にうまく移動させることが困難になり、ケーブルが落下しやすく、30°~60°の夾角範囲を用い、上述の悪影響を回避できる。
【0029】
真っ直ぐな搬送部材4の長さは、2組の斜め搬送部材3間の距離よりも長く、真っ直ぐな搬送部材4の頂部にある第2搬送ローラ404の高さが斜め搬送部材3の頂部にある第1搬送ローラ302の高さに対応する。ケーブルが第1搬送ローラ302の作用下で真っ直ぐな搬送部材4に移動された時、真っ直ぐな搬送部材4の長さは2組の斜め搬送部材3間の距離より長く、かつ真っ直ぐな搬送部材4の頂部にある第2搬送ローラ404の高さが斜め搬送部材3の頂部にある第1搬送ローラ302の高さに対応するため、ケーブルが真っ直ぐな搬送部材4と斜め搬送部材3との間の隙間に落下するのを防ぐことで、ケーブル詰まりにより敷設に影響することを避けることができる。
【0030】
可動ブロック104の凹溝から突出する部分にU字型部材102の長さ方向に沿って平らな穴が設けられ、長ロープ201の端部は平らな穴を介して可動ブロック104を貫通し、第2緊定ねじ105が可動ブロック104の頂部にねじ込み結合し、長ロープ201は第2緊定ねじ105で平らな穴の内部に固結される。長ロープ201を可動ブロック104内部の平らな穴に取り付ける場合、まず長ロープ201を平らな穴に通してから、第2緊定ねじ105を締め付け、第2緊定ねじ105で長ロープ201を平らな穴の穴壁に押し付けるだけでよい。特別な状況殊情況時,例えばロープセット2の2本の長ロープ201の長さが異なるという特別な状況にあった場合、長い方の長ロープ201を平らな穴からもっと部分的に突出すると、ロープセット2の2つの調整装置1間にある部分の長さを同じにさせることができ、すなわち、可動ブロック104から突出する長ロープ201の長さを調整することにより、長ロープ201の固定板101間にある部分の長さが異なる問題を解決することができる。
【0031】
短ロープ202は、結束又は固定具で長ロープ201に固定され、どの固定方法を採用しても、短ロープ202が長ロープ201から分離した後、長ロープ201に再度固定できるようにする必要があり、上述の固定方法は従来技術であるため、ここでその説明を省略する。斜め搬送部材3が損傷した場合、前記斜め搬送部材3の内部を通る短ロープ202の一端を長ロープ201から分離すると、前記斜め搬送部材3を取り外して、新しい斜め搬送部材3が外嵌された後短ロープ202を元の位置通り長ロープ201に再固定することができるので、斜め搬送部材3が損傷した場合、斜め搬送部材3を交換することに便利である。
【0032】
作業者が調整装置1を調整する場合、1本の長ロープ201に対応する2つのクランクハンドル106を回転させて、前記調整装置上の2つの可動ブロック104を同じ方向に移動させ、前記ロープセット2上の一方の長ロープ201が自体の延在方向に沿って移動し、他方の長ロープ201が移動しない、又は反対方向に移動する時、前記ロープセット2上の斜め搬送部材3の傾斜方向を変更し、前記ロープセット2の調整が完了した後、他のロープセット2に対して同様の調整を行うことで、その上の斜め搬送部材3の傾斜方向を変更すると、調整装置1で斜め搬送部材3の傾斜角を調整する目的を達成でき、したがって、本装置に適したケーブル搬送方向を変更する。
【0033】
本敷設装置が直線道路に敷設され、ケーブルを反対方向に敷設する必要がある場合(例えば地下鉄トンネル内に敷設する場合、スペースの制限により、複数のケーブルリールの全てを直線道路の一端に置くことができず、複数のケーブルリールを2つの部分に分けて、それぞれ直線道路の両端に置く必要があるため、ケーブルを敷設する時、両端から引き出して、反対方向に敷設する)、2つの調整装置1の位置を交換する必要がなく、クランクハンドル106を回転することにより、本装置を逆方向敷設に適したように調整することで、敷設作業がスムーズに進行できる。特に、凹溝内での可動ブロック104のスライド長さの範囲は、斜め搬送部材3の長さよりも大きくなければならず、敷設装置に適したケーブル敷設方向が上記のステップによって調整される時、所定の位置に調整できることを確保する。
【0034】
本装置は、使用完了後、ロープセット2を調整装置1から取り外し、ロープセット2を巻き取って保管することができ、使用する場合は、適切な長さのロープセット2を選択して敷設し、次にロープセット2の両端を調整装置1に設置すると、調整装置1を長さが異なるが隣り合う長ロープの間隔が同じロープセット2に応用でき、調整装置1の汎用性が向上し、調整装置1の需要量が減ることで、コストが削減される。
【0035】
上記実施形態の的ケーブル敷設工法を以下のように採用する。すなわち、
1.現場の直線道路の敷設長さに応じて、適切な長さのロープセット2を選択し、ロープセット2を現場直線道路に敷設し、
2.2つの調整装置1を各々2つのロープセット2の両端に配置し、次に2つのロープセット2の端部を対応する可動ブロック104に固定し、
3.ケーブルの牽引・敷設方向に応じて、2つのロープセット2内の傾斜プーリーの傾斜方向を調整し、
4.本装置に牽引ロープを置き、ケーブルを細いロープで牽引ロープに固定し、牽引ロープによりケーブルを斜め搬送部材3、真っ直ぐな搬送部材4上で移動させることで、牽引敷設を実施する。
【符号の説明】
【0036】
1 調整装置
101 固定板
102 U字型部材
103 スクリュー
104 可動ブロック
105 第2緊定ねじ
106 クランクハンドル
107 アンカー孔
2 ロープセット
201 長ロープ
202 短ロープ
3 斜め搬送部材
301 斜め中空ロッド
302 第1搬送ローラ
4 真っ直ぐな搬送部材
401 真っ直ぐなロッド
402 貫通穴
403 第1緊定ねじ
404 第2搬送ローラ