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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】ペンスタンド
(51)【国際特許分類】
   B43K 23/00 20060101AFI20230424BHJP
【FI】
B43K23/00 200B
B43K23/00 100J
B43K23/00 100P
B43K23/00 200W
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023022043
(22)【出願日】2023-02-15
【審査請求日】2023-02-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】309013141
【氏名又は名称】豊川 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100207996
【弁理士】
【氏名又は名称】豊川 直樹
(72)【発明者】
【氏名】豊川 直樹
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-234622(JP,A)
【文献】実開昭49-101844(JP,U)
【文献】特許第4861531(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43K 23/00
B43M 99/00
A45C 11/34
B41K 1/36
B41K 1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の台部と筆記具を保持するホルダと該ホルダを支持する支持部とを有し、
該支持部は前記板状の台部に設けられており、
前記ホルダは筒状でありペン挿入口側に向かうに従い拡径されているペンスタンドにおいて、
前記板状の台部の上面に設けられたシャープペンシルの芯を押し戻すための柔軟性部材からなる押戻し用パッドを有し、
該押戻し用パッドは、小片部材であり、該小片部材は前記台部の上面のペン挿入口側角部に設けられており、
前記押戻し用パッドの柔軟性部材は、天然ゴムシート、合成ゴムシート、皮又は合皮であることを特徴とするペンスタンド。
【請求項2】
前記ホルダは、シート状の柔軟性部材をペン先側が先細り形状となるようにカールさせて筒状に固定したものであることを特徴とする請求項1に記載のペンスタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャープペンシルの芯を押し戻すためのシャープペンシルの芯押戻し具及びこれを備えたペンスタンド及び筆箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筆記具用のペンスタンドとして、図5に示すものが知られている(特許文献1参照)。図5に示すペンスタンド100は、万年筆用のものである。万年筆104を保持するホルダ101と、該ホルダ101を支持する支持部102と、該支持部102が取り付けられた台部103とを有するものである。ホルダ101は柔軟性部材からなりカールさせて筒状にテープ105で固定したものである。この筒のサイズを変更することでボールペンやシャープペンにも適用することができる。なお、ボールペンやシャープペンシルの径は様々なものが販売されている。
【0003】
ところで、主な筆記用具としては、ボールペン、シャープペンシル及び鉛筆等が挙げられる。芯の収納方法について述べると、ボールペンでは、例えば後端側のボタン部を押すことでペン先がペンの筐体内に収納される。鉛筆では、芯と物体との接触により汚れが発生するために鉛筆の先端側に鉛筆キャップを被せることが一般的に行われている。シャープペンシルでは、指で後端部を押し込みながら、芯先端を指で押し込むことで芯が収納される。
【0004】
シャープペンシルについて言えば、指で芯を押し込む際に指の腹に芯材が付着して指が汚れ、その汚れが書籍に転写しないかという不安が発生する。それを避ける方法として、机の上にシャープペンシルの先端を押し当てて芯を戻す方法が考えられるが、鋭利なものを机に突き刺すことになり、藁人形に五寸釘を打ち込む呪詛をイメージさせ、不謹慎である。直方体の筆箱の内壁に突き刺す場合も同様である。
しかし、上述したペンスタンド100の台部103に、シャープペンシルを突き刺すのであれば、机に突き刺す場合に比べて不謹慎さは緩和される
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4861531号公報
【文献】特開2019-184950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した特許文献1のペンスタンド100では、シャープペンシルの先端をペンスタンドの台部に突き刺して芯を押し戻すので、ものに対して鋭利なものを突き刺すという点で机に突き刺す場合と共通し、不謹慎さを拭えない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、シャープペンシルのペン先から飛び出している芯を指や机に押し当てることなく、芯を安心して押し戻すことができるシャープペンシルの芯押戻し具及びこれを備えたペンスタンド及び筆箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、このような課題に対して鋭意研究を重ねた結果、ゴムなどの柔軟性部材の小片をペンスタンドの台部上面に貼り付けたものを芯押戻し具として利用することにより、シャープペンシルのペン先から飛び出している芯を指や机に押し当てることなく、安心して押し戻すことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明のシャープペンシルの芯押戻し具は、板状の台部と、該台部の上面に設けられたシャープペンシルの芯を押し戻すための柔軟性部材からなる押戻し用パッドと、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明のシャープペンシルの芯押戻し具では、柔軟性部材からなる押戻し用パッドが板状の台部の上面に設けられているので、シャープペンシル使用後にシャープペンシルの後端を指の腹で押し込みながらシャープペンシルの先端を押戻し用パッドに当接させれば、ペン先から飛び出しているシャープペンシルの芯をペン先を損傷させることなく安心して押し戻すことができる。また、シャープペンシルの芯で指を汚すことがなく、また机に押し当てることもない。また、シャープペンシル専用の押戻し用パッドにペン先を当接させるので、大事なものに針を突き刺す場合の不謹慎感や藁人形に五寸釘を突き刺す場合の呪詛感が生じない。規則正しい生活をしている人や強迫神経症気味の人にとっては気になり感が減り、特に有効である。なお、板状とは、薄く平たい形状のことを言う。
【0010】
本発明のシャープペンシルの芯押戻し具は、前記板状の台部には、装飾加工又は装飾模様が施されていることを特徴とする。
【0011】
本発明のシャープペンシルの芯押戻し具では、装飾加工又は装飾模様を施すことで商品価値が増し、広く一般に普及するものと考えられる。
【0012】
本発明のシャープペンシルの芯押戻し具は、前記装飾加工又は装飾模様として前記板状の台部の上面に台部中央を周回する龍紋が形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明のシャープペンシルの芯押戻し具では、うねりながら周回して流れる龍の動きにより龍の内側の邪悪なるものを空にするイメージが湧く。そして、シャープペンシルの芯を押し戻す動作をしたとき、邪悪なるものを刺し懲らしめる心理的作用が起こる。鋭利な物の差込みによる不謹慎さが出るどころか、むしろ邪悪なるものを刺し懲らしめる謹慎さが出る。また、学習時間に神獣の神聖な雰囲気が生じ、学習効果の向上に寄与すると考えられる。なお、ここで神獣とは神聖さを備えた獣のことを言う。獣は「しし」のことであり、猪、鹿及び狼など広く動物のことを言う。
【0014】
本発明のシャープペンシルの芯押戻し具を備えたペンスタンドは、請求項1に記載のシャープペンシルの芯押戻し具を備えたペンスタンドであって、筆記具を保持するホルダと該ホルダを支持する支持部とを有し、該支持部は前記板状の台部に設けられていることを特徴とする。
【0015】
本発明のシャープペンシルの芯押戻し具を備えたペンスタンドでは、シャープペンシルの芯押戻し具と同様の効果が得られる上、別個に芯押戻し具を作製する必要がない。既存のペンスタンドの台部に柔軟性部材を貼るだけで作製することができる。
【0016】
本発明のシャープペンシルの芯押戻し具を備えたペンスタンドは、前記筆記具はシャープペンシルであることを特徴とする。
【0017】
本発明のシャープペンシルの芯押戻し具を備えたペンスタンドでは、シャープペンシル専用とすることで、押し戻し用パッドの存在意義を明示することができる。
【0018】
本発明のシャープペンシルの芯押戻し具を備えたペンスタンドは、前記ホルダは、柔軟性部材で形成されており、シート状の柔軟性部材をペン先側が先細り形状となるようにカールさせて筒状に固定したものであることを特徴とする。
【0019】
本発明のシャープペンシルの芯押戻し具を備えたペンスタンドでは、押戻し用パッド及びホルダが共に柔軟性部材からなるため、同一の素材を用いることができ、材料の入手が容易となる上、在庫管理及び在庫スペース上も良い。
【0020】
本発明のシャープペンシルの芯押戻し具を備えたペンスタンドは、前記押戻し用パッドは、小片部材であり、該小片部材は前記台部の上面のペン挿入口側角部に設けられていることを特徴とする。
【0021】
本発明のシャープペンシルの芯押戻し具を備えたペンスタンドでは、ペンスタンド使用時に、ペンの挿入口側を筆記者側に向けるので、小片部材をペン挿入口側角部に設けるとシャープペンシルの芯の押戻しを行い易い。右利きの人は、ペンスタンドをペン挿入口側から見た場合、右側の角部に押戻し用パッドを設けると良い。左側に設けるとシャープペンシルの芯押戻し時に手がホルダと接触し易くなる。左利きの人は、ペンスタンドをペン挿入口側から見た場合、左側の角部に押戻し用パッドを設けると良い。押戻し用パッドを予め両側に設けておいて、右利きの人と左利きの人との両方に対応させても良い。
【0022】
本発明のシャープペンシルの芯押戻し具を備えた筆箱は、請求項1に記載のシャープペンシルの芯押戻し具を備えた筆箱であって、前記板状の台部は、鉛筆収納部を有する箱形の筆箱の内壁であることを特徴とする。
【0023】
本発明のシャープペンシルの芯押戻し具を備えた筆箱では、芯押戻し具を別途所持せずとも良く、筆箱の内壁に押戻し用パッドを貼り付けるだけで良いので、既存の筆箱に適用することができる。
【0024】
本発明のシャープペンシルの芯押戻し具を備えた筆箱は、前記内壁の面は消しゴム置き場の底面であることを特徴とする。
【0025】
本発明のシャープペンシルの芯押戻し具を備えた筆箱では、押戻し用パッドが消しゴム置き場に設けられているので、筆記具の取出しの邪魔になることがない。押戻し用パッドを消しゴム置き場の隅部に設ければ、消しゴムの収納の邪魔にならないようにすることができ、見栄えも良い。
【発明の効果】
【0026】
本発明のシャープペンシルの芯押戻し具及びこれを備えたペンスタンド及び筆箱は、シャープペンシルのペン先から飛び出しているシャープペンシルの芯を指や机に押し当てることなく、芯を安心して押し戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明のシャープペンシルの芯押戻し具の一実施形態を示す説明図である。図1(a)は斜視図であり、図1(b)は正面図であり、図1(c)は平面図である。
図2図2は、図1の芯押戻し具の変形例を示す説明図である。図2(a)は台部の端部がR面となっている。図2(b)は神具感を有する形状であり、市販されていた木材加工品を参考にしたものである。
図3図3は、本発明のシャープペンシルの芯押戻し具を備えたペンスタンドの一実施形態を示す説明図である。
図4図4は、本発明のシャープペンシルの芯押戻し具を備えた筆箱の一実施形態を示す説明図である。
図5図5は、従来のペンスタンドの一実施形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明のシャープペンシルの芯押戻し具の一実施形態を示している。この芯押戻し具1は、正方形板状の台部2と、該台部2の上面に設けられシャープペンシルの芯を押し戻すための柔軟性部材からなる押戻し用パッド3とを有している。台部2の材質としては、例えば、木材、プラスチック又は金属が適用される。板状の台部2の形状は、特に限定されることなく、例えば、三角形、長方形、多角形、円であっても良い。板状でなくブロック状であっても良いが、資源の節約や配置のし易さの観点から板状が好ましい。
【0029】
台部2の端部は面取りされており、勾配を持たせているので見栄えが良い。面取りでなく、図2(a)に示すようにR状にしても良い。台部2Aの端部をR状にすると柔らかい感じがしてより見栄えが良い。また芯押戻し時に手元が狂ってペン先を台部2Aの隅R部に衝突させても曲面状であるが故にペン先を破損させてしまう危険が少ない。さらに、図2(b)に示すように、台部2Bの端部に装飾加工を施しても良い。具体的には、面取り面、R面及び段差部と続く形状とされており、神具感を出すことができる。芯押戻し具1に装飾加工を施すことで商品価値が増し、広く一般に普及するものと考えられる。装飾模様を入れても同様である。
【0030】
装飾加工又は装飾模様として板状の台部2,2A,2Bの上面に台部中央を周回する龍紋を形成しても良い。龍紋は彫刻により形成しても良いし、塗料で描いて形成しても良い。形成方法は特に限定されない。本実施形態では台部2,2A,2Bが正方形板状であるため、龍紋を各辺に沿って又は各角部に配置すると良い。台部が三角形、長方形でも同様である。多角形や円では、例えば、龍紋の数を縁起の良い3つとすると良い。1つの長い龍を周回させても良い。
【0031】
うねりながら周回して流れる龍の動きにより龍の内側の邪悪なるものを空にするイメージが湧く。そして、シャープペンシルの芯を押し戻す動作をしたとき、邪悪なるものを刺し懲らしめる心理的作用が起こる。鋭利な物の差込みによる不謹慎さが出るどころか、むしろ邪悪なるものを刺し懲らしめる謹慎さが出る。また、学習時間に神獣の神聖な雰囲気が生じ、学習効果の向上に寄与すると考えられる。
【0032】
同様なものとしては、中華蕎麦の丼にその例を見ることができる。丼の内壁上端側を周回する複数の龍が描かれた丼が広く知られている。より具体的には、赤巻三ツ竜の丼が広く知られている。そして、箸を麺に突き刺す動きが、シャープペンシルを押戻し用パッドに突き刺す動きに相当する。
【0033】
押戻し用パッド3は正方形板状であり、例えば、天然ゴムシートや合成ゴムシートを切断して作製することができる。材質は特に限定されないが、シャープペンシルの芯を押し戻すことでき且つ強めにペン先をシートに当接させてもシートに穴が開かない程度の強度が確保されていることが好ましい。
押戻し用パッド3は、例えば、両面テープによって台部2に貼り付けて固定させることができる。接着剤を用いても良い。固定方法は特に限定されない。
【0034】
押戻し用パッド3の色は黒色が好ましい。シャープペンシルの芯材が付着しても目立たないからである。
芯押戻し具1は板状のため、芯押戻し具1の大きさや筆箱の形状によっては、芯押戻し具1を筆箱に入れて持ち運ぶことが可能である。
【0035】
図3は、本発明のシャープペンシルの芯押戻し具を備えたペンスタンドの一実施形態を示している。本実施形態のペンスタンド4は、筆記具5を保持するホルダ6と、該ホルダ6を支持する支持部7と、該支持部7が固定された台部2Cとを有している。ホルダ6は柔軟性部材で形成されている。柔軟性部材としては、ゴムが用いられている。ゴム以外に皮、合皮などを用いることができる。筆記具として、図では万年筆が示されているが、シャープペンシル又はボールペンにも適用可能である。ペンスタンド4の落下時には、柔軟性部材が衝撃を吸収する役割を果たす。ホルダ6の内壁は筆記具5が滑り落ち易いように表面が滑らかであることが好ましい。柔軟性部材として、ポリエチレンテレフタラート(PET)などの硬質樹脂を用いても良い。筆記具5が万年筆の場合、ホルダ6が柔軟性部材であるので、ペン先を保護することができる。
【0036】
ホルダ6は、正方形のゴムシートを対角線を中心にカールさせ、テープ8で固定したものである。テープ止めでなく、接着剤やリベットなどで固定したものであっても良い。ホルダ6は、筆記具挿入部の開口面積が広いので、筆記具5を容易にホルダ6に挿入することができる。また、市場で容易に入手可能なゴムシートをカールさせるだけで良いので、廉価かつ簡易にホルダ6を作製することができる。また、美感も優れている。ゴムシートはゴムロールを裁断して得ても良い。
【0037】
ホルダ6は、筒状でありペン挿入口側に向かうに従い拡径されている。そのため、ホルダ6の内側空間の横断面積はペン挿入口側に向かうに従い大きくなっている。ホルダ6はペン挿入口側がペン先保持部側より上方にくるように傾けて設けられており、ホルダ6の内壁はペン挿入口側が上方となる傾斜面にされている。そのため、ホルダ6に筆記具5をある程度挿入してからホルダ内壁上に筆記具5を載せれば、筆記具5は重力により斜面を滑り落ち、ある位置で筆記具5がホルダ6に保持される。筆記具5が保持されるのはホルダ6が先細り形状であるためである。ホルダ6が先細り形状であると、筆記具5が滑り落ちるときにホルダ6が筆記具5をガイドする機能を有する。
【0038】
上述したようにホルダ6のペン挿入口側が拡径されているので、筆記具挿入時にあまり気を配ることなく、容易かつ手軽に筆記具5をペンスタンド4に保持させることができる。
【0039】
支持部7は図3では円柱状であるが、角柱状、円筒状、角筒状であっても良く、支持部7の形状は特に限定されることはなく、支持部7は台部2Cの上方でホルダ6を保持できるものであれば良い。また、支持部7の先端はホルダ6を斜めに保持するために、竹槍の先端形状のような斜面にすると良い。支持部7の材質としては、木材、樹脂、金属などを適用することができる。また、支持部7は可撓性のある材質であっても良い。ホルダ6と支持部7、及び支持部7と台部2Cは接着剤を用いて連結させることができる。
【0040】
台部2Cのペン挿入口側の角部には、押戻し用パッド3が設けられている。ペンスタンド4の使用時に、ホルダ6のペン挿入口側を筆記者側に向けるので、小片部材である押戻し用パッド3をペン挿入口側角部に設けるとシャープペンシルの芯の押戻しを行い易い。右利きの人は、ペンスタンド4をペン挿入口側から見た場合、右側の角部に押戻し用パッド3を設けると良い。図3では右利きの人用の押戻し用パッド3の配置となっている。左側に設けるとシャープペンシルの芯押戻し時に手がホルダ6と接触し易くなる。左利きの人は、ペンスタンド4をペン挿入口側から見た場合、左側の角部に押戻し用パッド3を設けると良い。押戻し用パッド3を予め両側に設けておいて、右利きの人と左利きの人との両方に対応させても良い。
押戻し用パッド3及びホルダ6が共に柔軟性部材からなるため、同一の素材を用いれば、材料の入手が容易となる上、在庫管理及び在庫スペース上も良い。
【0041】
上述した一実施形態のシャープペンシルの芯押戻し具及びこれを備えたペンスタンドでは、柔軟性部材からなる押戻し用パッド3が板状の台部2,2A,2B,2Cの上面に設けられているので、シャープペンシルの使用後にシャープペンシルの後端を指の腹で押し込みながらシャープペンシルの先端を押戻し用パッド3に当接させれば、ペン先から飛び出しているシャープペンシルの芯をペン先を損傷させることなく安心して押し戻すことができる。また、シャープペンシルの芯で指を汚すことがなく、また机に押し当てることもない。また、シャープペンシル専用の押戻し用パッド3にペン先を当接させるので、大事なものに針を突き刺す場合の不謹慎感や藁人形に五寸釘を突き刺す場合の呪詛感が生じない。規則正しい生活をしている人や強迫神経症気味の人にとっては気になり感が減り、特に有効である。
【0042】
また、上述した一実施形態のペンスタンドでは、別個に芯押戻し具1を作製する必要がない。既存のペンスタンド4の台部2Cに押戻し用パッド3を貼るだけで作製することができる。
【0043】
以上、本発明を説明してきたが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、その本質を逸脱しない範囲で、種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【0044】
例えば、上述した実施形態では、ホルダ6に筆記具5を挿入した例について説明したが、音声ペンを挿入しても良い。近年、音声ペンが普及してきており(特許文献2参照)、好適に適用できる。音声ペンは書籍に微細に印刷されたドットコードをペン先の読込み部で読み込むものである。音声ペンの後端側がマイク部となっているものが普及しており、その音声ペンであれば、先端側の読込み部はホルダ部に挿入され後端側のマイク部は顔へ向けられることになり、音声を聞きとり易い。
【0045】
また、上述した実施形態では、押戻し用パッド3を板状の台部2,2A,2B,2Cに適用した例について説明したが、図4に示すように、板状の台部は、鉛筆収納部10を有する箱形の筆箱9の内壁11であっても良い。筆箱9の内壁11に押戻し用パッド3Aを貼り付けるだけで良いので、既存の筆箱に適用することができる。図4では、押戻し用パッド3Aが設けられる内壁の面11aは消しゴム置き場の底面である。そのため、筆記具の取出しの邪魔になることがない。また、押戻し用パッド3Aは消しゴム置き場の隅部に設けられており、消しゴムの収納の邪魔にならないようにすることができ、見栄えも良い。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、シャープペンシルの芯押戻し具及びこれを備えたペンスタンド及び筆箱に好適に用いることができる。特に、規則正しい生活をしている人や強迫神経症気味の人にとっては気になり感が減り、有効である。
【符号の説明】
【0047】
1,1A,1B 芯押戻し具
2,2A,2B,2C 台部
3,3A 押戻し用パッド
4 ペンスタンド
5 筆記具
6 ホルダ
7 支持部
8 テープ
9 筆箱
10 鉛筆収納部
11 内壁
11a 面
100 ペンスタンド
101 ホルダ
102 支持部
103 台部
104 万年筆
105 テープ
【要約】
【課題】シャープペンシルのペン先から飛び出しているシャープペンシルの芯を指や机に押し当てることなく、芯を安心して押し戻すことができるシャープペンシルの芯押戻し具及びこれを備えたペンスタンド及び筆箱を提供する。
【解決手段】板状の台部2と、該台部2の上面に設けられたシャープペンシルの芯を押し戻すための柔軟性部材からなる押戻し用パッド3と、を有する芯押戻し具1を提供する。芯押戻し具を備えたペンスタンドでは、筆記具を保持するホルダと該ホルダを支持する支持部とを有し、該支持部は押戻し用パッド3と共通の台部に設けられている。芯押戻し具を備えた筆箱では、板状の台部は、鉛筆収納部を有する箱形の筆箱の内壁である。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5