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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/60 20100101AFI20230424BHJP
【FI】
H01L33/60
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2016256568
(22)【出願日】2016-12-28
(65)【公開番号】P2017120911
(43)【公開日】2017-07-06
【審査請求日】2019-12-26
(31)【優先権主張番号】104144679
(32)【優先日】2015-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】105126557
(32)【優先日】2016-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】598061302
【氏名又は名称】晶元光電股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Epistar Corporation
【住所又は居所原語表記】21,Li-hsin Rd.,Science-based Industrial Park,Hsinchu 300,TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】リゥ,チエン-リアン
(72)【発明者】
【氏名】シュ,ミン-チ
(72)【発明者】
【氏名】リアオ,シィ-アン
(72)【発明者】
【氏名】リゥ,チュン-フン
(72)【発明者】
【氏名】イェ,ジ-ティン
(72)【発明者】
【氏名】イェ,チョン-ポン
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ポ-チャン
(72)【発明者】
【氏名】チオウ,ション-チョ
【審査官】大西 孝宣
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-143496(JP,A)
【文献】特開2010-157638(JP,A)
【文献】国際公開第2011/093454(WO,A1)
【文献】特開2004-039778(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0030169(KR,A)
【文献】特開2015-095658(JP,A)
【文献】特開2005-072397(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0221623(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光装置であって、
側表面、上表面、及び前記上表面の対向側に位置する下表面を有する発光構造;
前記発光構造を包み覆い、且つ第一側表面、第二側表面、前記第一側表面の対向側に位置する第三側表面、及び前記第二側表面の対向側に位置する第四側表面を有する透光体;
前記発光構造の前記側表面並びに前記透光体の前記第一側表面及び前記第三側表面を覆い、且つ前記透光体の前記第二側表面及び前記第四側表面を覆わない第一反射層であって、外表面と、前記外表面に対向する内表面とを有し、且つ前記外表面と前記内表面との間の距離が前記発光構造の前記上表面から前記下表面への方向に減少する、第一反射層;
前記発光構造の前記下表面に位置し、且つ前記発光構造に電気接続される一対の延伸電極;及び
前記発光構造の前記下表面と、前記一対の延伸電極との間に位置し、且つ前記第一反射層に接続される第二反射層を含み、
前記第一反射層は基質及び該基質に混入される反射粒子を含み、前記基質は絶縁材料であり、
前記発光装置は、前記第一側表面に平行である方向において第一発光角度を有し、前記第二側表面に平行である方向において第二発光角度を有し、前記第二発光角度は、前記第一発光角度とは異なる、発光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発光装置であって、
前記第一反射層の前記内表面は、前記上表面に対して傾斜する弧形状構造を有し、前記弧形状構造は、前記第二反射層に向かって凸の弧形状構造であり、且つ前記外表面と前記弧形状構造との間の前記距離は、前記発光構造の前記上表面から前記下表面への方向に減少する、発光装置。
【請求項3】
請求項1に記載の発光装置であって、
前記一対の延伸電極は、前記第一反射層と直接接触しない、発光装置。
【請求項4】
請求項1に記載の発光装置であって、
前記第一発光角度は、130~150度である、発光装置。
【請求項5】
請求項1に記載の発光装置であって、
前記第二発光角度は、100~125度である、発光装置。
【請求項6】
請求項1に記載の発光装置であって、
前記発光装置は、3つの出光面のみを含む、発光装置。
【請求項7】
請求項1に記載の発光装置であって、
前記一対の延伸電極と前記第一反射層とは、一方向において重なり合う、発光装置。
【請求項8】
請求項1に記載の発光装置であって、
前記一対の延伸電極と前記第一反射層の側面とは、ほぼ共平面である、発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関し、特に、透光体の二つの側辺に形成される反射層を含む発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(Light-Emitting Diode;LED)は、エネルギー消費が低く、寿命が長く、体積が小さく、反応速度が速く、及び光学出力が安定であるなどの特性を有する。近年、発光ダイオードは、液晶表示器におけるバックライト光源に応用されつつある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様によれば、発光装置が提供され、それは、側表面(side surface)を有する発光構造及び側表面を覆う反射層を含む。発光装置は、第一発光角度及び第二発光角度を有する。第一発光角度と第二発光角度との差は15度よりも大きい。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】本発明の一実施例における発光装置の下面図である。
図1B図1Aの線分I-Iに沿った断面図である。
図1C図1Aの線分II-IIに沿った断面図である。
図1D図1Bの箇所Aの拡大図である。
図1E図1Cの箇所Bの拡大図である。
図1F】発光装置の測量方式を示す図である。
図2A】本発明の他の実施例における発光装置の断面図である。
図2B】本発明の他の実施例における発光装置の断面図である。
図2C】本発明の他の実施例における発光装置の断面図である。
図2D】本発明の他の実施例における発光装置の断面図である。
図3A】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図3B】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図3C】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図3D】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図3E】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図3F】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図3G】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図4A図3Aの上面図である。
図4B図3Bの上面図である。
図4C図3Cの上面図である。
図4D図3Dの上面図である。
図4E図3Eの上面図である。
図4F図3Fの上面図である。
図4G図3Gの上面図である。
図5A】本発明の一実施例における発光装置の断面図である。
図5B】本発明の一実施例における発光装置の断面図である。
図5C】本発明の一実施例における発光装置の断面図である。
図6A】本発明の他の実施例における第二反射層の形成に関する断面図である。
図6B】本発明の他の実施例における第二反射層の形成に関する断面図である。
図7A】本発明の他の実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図7B】本発明の他の実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図7C】本発明の他の実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図7D】本発明の他の実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図7E】本発明の他の実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図7F】本発明の他の実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図7G】本発明の他の実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図8A】本発明の一実施例における発光装置の断面図である。
図8B】本発明の一実施例における発光装置の断面図である。
図8C】本発明の一実施例における発光装置の断面図である。
図9A】本発明の他の実施例における発光装置の製造プロセスに関する上面図である。
図9B】本発明の他の実施例における発光装置の製造プロセスに関する上面図である。
図9C】本発明の他の実施例における発光装置の製造プロセスに関する上面図である。
図9D】本発明の他の実施例における発光装置の製造プロセスに関する上面図である。
図9E】本発明の他の実施例における発光装置の製造プロセスに関する上面図である。
図10A】本発明の一実施例における発光装置の断面図である。
図10B】本発明の一実施例における発光装置の断面図である。
図10C】本発明の一実施例における発光装置の断面図である。
図10D】本発明の一実施例における発光装置の断面図である。
図11A】一実施例における発光装置の製造プロセスのステップに関する断面図である。
図11B】一実施例における発光装置の製造プロセスのステップに関する上面図である。
図11C】本発明の一実施例における発光装置の断面図である。
図12A】本発明の一実施例における発光装置の上面図である。
図12B図12Aの線分I-Iに沿った断面図である。
図13A】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図13B】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図13C】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図13D】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図13E】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図13F】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図14A図13Aの上面図である。
図14B図13Bの上面図である。
図14C図13Cの上面図である。
図14D図13Dの上面図である。
図14E図13Eの上面図である。
図14F図13Fの上面図である。
図15A】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図15B】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図15C】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図15D】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図15E】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図15F】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図16A図15Aの上面図である。
図16B図15Bの上面図である。
図16C図15Cの上面図である。
図16D図15Dの上面図である。
図16E図15Eの上面図である。
図16F図15Fの上面図である。
図17A】上表面に波状がある透光体の製造プロセスに関する断面図である。
図17B】上表面に波状がある透光体の製造プロセスに関する断面図である。
図17C】上表面に波状がある透光体の製造プロセスに関する断面図である。
図17D】上表面に波状がある透光体の製造プロセスに関する断面図である。
図17E】上表面に波状がある透光体の製造プロセスに関する断面図である。
図17F】上表面に波状がある透光体の製造プロセスに関する断面図である。
図18A】上表面に形状がある透光体の断面図である。
図18B】上表面に形状がある透光体の断面図である。
図18C】上表面に形状がある透光体の断面図である。
図18D】上表面に形状がある透光体の断面図である。
図18E】上表面に形状がある透光体の断面図である。
図19】本発明の一実施例における発光装置の断面図である。
図19A】シミュレーションに用いられる発光装置の断面図である。
図19B】シミュレーションに用いられる発光装置の断面図である。
図19C】シミュレーションに用いられる発光装置の断面図である。
図20A】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図20B】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図20C】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図20D】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図20E】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図20F】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図20G】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図21A図20Aの上面図である。
図21B図20Bの上面図である。
図21C図20Cの上面図である。
図21D図20Dの上面図である。
図21E図20Eの上面図である。
図21F図20Fの上面図である。
図21G図20Gの上面図である。
図22A】本発明の一実施例における発光装置の断面図である。
図22B】本発明の一実施例における発光装置の断面図である。
図22C】本発明の一実施例における発光装置の断面図である。
図23A】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図23B】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図23C】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図23D】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図23E】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図23F】本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図である。
図24A図23Aの上面図である。
図24B図23Bの上面図である。
図24C図23Cの上面図である。
図24D図23Dの上面図である。
図24E図23Eの上面図である。
図24F図23Fの上面図である。
図25A】本発明の発光装置の製造プロセスに関する立体図である。
図25B】本発明の発光装置の製造プロセスに関する立体図である。
図25C】本発明の発光装置の製造プロセスに関する立体図である。
図25D】本発明の発光装置の製造プロセスに関する立体図である。
図26A図25Bの断面図である。
図26B図25Cの断面図である。
図26C図25Dの断面図である。
図27A】サイドプロジェクション型液晶表示器のバックライトユニットの断面図である。
図27B図12Aにおける発光源及び導光板の立体図である。
図28】サイドプロジェクション型液晶表示器のバックライトユニットの断面図である。
図29】サイドプロジェクション型液晶表示器のバックライトユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
【0007】
第1A図は、本発明の一実施例における発光装置100の下面図である。分かりやすいために、第1A図は、一部の層のみを示し、且つ各層は、その材料が透明、不透明又は半透明にもかかわらず、すべて、実線で描かれている(しかし、導電層1116は破線で示されており、その説明は後述する)。第1B図は、第1A図のI-I線分の断面図である。第1C図は、第1A図のII-II線分の断面図である。第1D図は、第1B図のA箇所の拡大図である。第1E図は、第1C図のB箇所の拡大図である。便宜のため、第1B図及び第1C図の発光構造11は、方形のみにより示されており、その詳細な構造は、第1D図及び第1E図に示されている。
【0008】
第1A、1B、及び1D図を参照する。発光装置100は、発光構造11、透光体12、波長変換体13、第一反射層14、延伸電極15A、15B、及び第二反射層17を含む。発光構造11は、パターン化基板110及び二つの発光本体111A、111Bを含む。パターン化基板(patterned substrate)110は、実質的に、長方体であり、上表面1101、上表面1101に対向する下表面1102、及び上表面1101と下表面1102との間に接続される四つの側表面(第一側表面1103、第二側表面1104、第三側表面1105及び第四側表面1106)を含む。下表面1102は、パターン化表面であり、それは、規則又は不規則に配列される凹凸構造を有する。透光体12は、上表面1101、四つの側表面1103~1106、及び一部の下表面1102を覆う。
【0009】
第1D図を参照する。本実施例では、発光構造11は、パターン化基板110、パターン化基板110に共同で形成される二つの発光本体111A、111B、及び二つの発光本体111A、111Bの間に形成されることで、二つの発光本体111A、111Bが互いに物理的に分離するようになるトレンチ112を含む。各発光本体111A、111Bは、第一型半導体層1111、活性層1112、及び第二型半導体層1113を含む。第一絶縁層1114は、トレンチ112中に形成され、発光本体111A、111Bの第一半型導体層1111を覆うことで、隣接する発光本体111A、111Bの間の不必要な回路経路(短絡)を避けることができる。第二絶縁層1115は、第一絶縁層1114に形成され、且つ発光本体111A、111Bの第二型半導体層1113を露出させる。導電層1116は、第二絶縁層1115に形成され、且つ発光本体111A、111Bの第二型半導体層1113を露出させる。また、第二絶縁層1115は、第一絶縁層1114の側壁を覆う。導電層1116は、一部の第二絶縁層1115の側壁を覆い、また、第一型半導体層1113に延伸する。第三絶縁層1117は、導電層1116に形成され、発光本体111A、111Bを覆い、また一部の導電層1116を露出させる。第一電極1118及び第二電極1119は、それぞれ、発光本体111A及び発光本体111Bに電気接続される。発光本体111A、111Bの間の電気接続は、後述する。オーム接触層1120は、第二型半導体層1113と導電層1116との間に選択のに形成され、発光装置100の駆動電圧を低減するために用いられる。
【0010】
分かりやすいために、第1A図の導電層1116は、破線で示されている。第1A、1D及び1E図を参照する。導電層1116は、第一領域1161、第二領域1162(第1A図の斜線部分)及び第三領域1163を有する。第一領域1161は、発光本体111Aのみに形成され、また第二領域1162と物理的に分離する。第二領域1162は、第一領域1161を囲む。第二領域1162は、発光本体111Aの第一型半導体層1111と接触し、また、さらにトレンチ112中での第二絶縁層1115に形成し、且つ発光本体111Bの第二型半導体層1113に延伸し、これにより、導電層1116は、発光本体111Aと発光本体111Bを直列接続する(なお、この接続関係は、第1D図に示されていない)。
【0011】
第1A、1D及び1E図を参照する。複数の孔1110は、第三絶縁層1117に形成され、且つ孔1110は、発光本体111Aのみに形成されるが、発光本体111Bに形成されない。第一電極1118は、孔1110に延伸し、また発光本体111A上での導電層1116の第一領域1161と電気接続を形成し、これにより、第一電極1118は、発光本体111Aの第二型半導体層1113と電気接続を形成することができる。導電層1116の第三領域1163は、発光本体111Bのみに形成される。第二電極1119は、第三絶縁層1117から露出する導電層1116の第三領域1163と直接接触する。導電層1116の第三領域1163は、発光本体111Bの第一型半導体層1111と接触する。本実施例では、例えば、第一電極1118が外部電極の正極に電気接続され、且つ第二電極1119が外部電極の負極に電気接続される時に、電流は、順に、孔1110内での第一電極1118、導電層1116の第一領域1161、発光本体111Aの第二型半導体層1113、発光本体111Aの活性層1112、発光本体111Aの第一型半導体層1111、導電層1116の第二領域1162、発光本体111Bの第二型半導体層1113、発光本体111Bの活性層1112、発光本体111Bの第一型半導体層1111、導電層1116の第三領域1163を流れ、最後に第二電極1119に到着し、そのため、発光本体111Aは、発光本体111Bと互いに直列接続される。また、以上のような全体的な設計により、孔1110を発光本体111Bに形成する製造プロセスを省くことができ、且つ導電層1116が発光本体111A、111Bの側壁を覆うことで、発光装置100の光強度(ルーメン)を向上させ、発光装置100全体の順方向バイアス(Vf)を増加させることができる。
【0012】
本実施例では、第一電極1118、第二電極1119、導電層1116の材料は、金属であっても良く、例えば、Au、Ag、Cu、Cr、Al、Pt、Ni、Ti、Sn又はその合金又はそのスタック層の組み合わせであっても良い。第一絶縁層1114は、単層又は複数層であっても良い。第一絶縁層1114が単層の時に、材料は、酸化物、窒化物、又はポリマー(polymer)であっても良く、酸化物は、Al2O3、SiO2、TiO2、Tantalum Pentoxide(Ta2O5)又はAlOxを含んでも良く、窒化物は、AlN、SiNxを含んでも良く、ポリマーは、polyimide(PI)又はbenzocyclobutane(BCB)を含んでも良い。第一絶縁層1114が複数層の時に、材料は、Al2O3、SiO2、TiO2、Nb2O5及びSiNxのスタック層を含み、これにより、DBR(Distributed Bragg Reflector)を形成することができる。第二絶縁層1115及び第三絶縁層1117の材料の選択は、第一絶縁層1114を参照することができる。
【0013】
第1A図及び第1C図を参照する。透光体12は、発光構造11を包み覆い、且つ実質的に長方体である。よって、第1A図では、透光体12は、実質的に長方形である。透光体12は、上表面121、上表面121に対向する下表面122、及び上表面121と下表面122との間に接続される四つの側表面(第一側表面123、第二側表面124、第三側表面125及び第四側表面126)を含む。第1A図では、第一側表面123は、実質的に、第三側表面125に平行であり、且つ長方体の長辺であり、第二側表面124は、第四側表面126に互いに平行であり、且つ長方体の短辺である。第二反射層17は、第一側表面123及び第三側表面125を覆うが、第二側表面124、第四側表面126、上表面121及び下表面122を覆わず、そのため、第二反射層17は、発光構造11の第一側表面1103及び第三側表面1105を覆い、且つ発光構造11の第二側表面1104及び第四側表面1106を覆わない。
【0014】
第1C図を参照する。第二反射層17は、外表面171及び内表面172を有し、外表面171は、実質的に、平面(第1C図では、直線である)であり、且つ内表面172は、弧形状を有する。詳しく言えば、内表面172と外表面171との間の距離(D1)は、透光体12の上表面121から下表面122への方向に次第に減少し、且つ内表面172は、第一反射層14まで延伸するが、外表面171と接しない。また、延伸電極15Aは、第二反射層17とZ方向上で互いに重なり合う。
【0015】
第二反射層17は、発光構造11が発する光を、発光装置100を離れるように、透光体12の上表面121及び/又は側表面124、126へ反射する。さらに、第二反射層17は、混合物であり、それは、基質及び基質にドーピングされる複数の反射粒子を含み、そのため、発光構造が発する光は、第二反射層17において反射され、且つその反射方式は、拡散反射(diffuse reflection)である。基質は、絶縁材料であり、且つsilicone-based又はepoxy-basedのものを含み、反射粒子は、二酸化チタン、二酸化ケイ素、硫酸バリウム、又は酸化アルミを含んでも良い。第二反射層17の異なる波長に対しての反射率がその厚みと相関性をあるので、第二反射層17の厚み(即ち、内表面172と外表面171との間の最大距離)は、50um~160umである。第二反射層17の厚みが50umより小さいとき、ピーク波長が430~450nmの光に対しての反射率は、90%より小さく、ピーク波長が540~570nmの光に対しての反射率は、88%より小さく、また、ピーク波長が620~670nmの光に対しての反射率は80%より小さい。第二反射層17の厚みが約160umであるとき、ピーク波長が430~450nmの光、540~570nmの光、及び620~670nmの光に対しての反射率は、すべて、95%より大きい。しかし、第二反射層17の厚みが160umより大きいとき、発光装置100のY方向上での厚み及び制作コストを増加させることができるため、その応用性(例えば、携帯電話、液晶表示器、ウェアラブルデバイス(ウォッチ、ブレスレット、ネックレスなど))を制限することがある。他の実施例では、異なる応用に応じて、第二反射層17の厚みは、160umより大きくても良く、或いは、50um~1000umであっても良い。
【0016】
第1B図及び第1D図を参照する。第一反射層14は、第三絶縁層1117に形成され、且つ第一部分141、第二部分142及び第三部分143を有する。延伸電極15A、15Bは、第一反射層14に形成される。詳しく言えば、第一反射層14の第一部分141は、一部の第一電極1118のみを覆い、且つ弧形状断面を有し、第一反射層14の第二部分142は、第一電極1118及び第二電極1119の間に形成され、且つ一部の第一電極1118及び一部の第二電極1119を覆い、第一反射層14の第三部分143は、一部の第二電極1119のみを覆う。延伸電極15Aは、第一反射層14の第一部分141及び第二部分142のみを含み、延伸電極15Bは、第一反射層14の第二部分142及び第三部分143のみを覆う。延伸電極15A及び延伸電極15Bは、それぞれ、第一電極1118及び第二電極1119と接触し、電気接続を形成する。延伸電極15Aは、第二側表面124と共面である第一端151を有し、第二端152は、第一反射層14の第二部分142に位置し、且つ弧形状断面を有する。延伸電極15Bは、延伸電極15Aに類似した構造を有する。第1D図では、第一反射層14の第二部分142は、第三絶縁層1117と直接接触し、また、完全に第一電極1118及び第二電極1119の間に充填され、且つ透光体12は、第一反射層14と第三絶縁層1117との間に形成されない。他の実施例では、製造プロセスにおいて、透光体12は、第一反射層14と第三絶縁層1117との間に形成することもできる。
【0017】
第1B及び1C図を参照する。波長変換体13は、透光体12に形成される。本実施例では、波長変換体13は、基体に分散している複数の波長変換粒子131を含む。波長変換粒子131は、パターン化基板110の上表面1101、第一側表面1103、第二側表面1104、一部の第三側表面1105及び一部の第四側表面1106を覆う。一部の第三側表面1105及び一部の第四側表面1106は、波長変換粒子131により覆われない。オプションとして、波長変換体13及び/又は透光体12は、さらに拡散粉を含んでも良い。基体は、Epoxy、Silicone、PI、BCB、PFCB、Su8、Acrylic Resin、PMMA、PET、PC、又はPolyetherimideを含む。透光体12は、Epoxy、Silicone、PI、BCB、PFCB、Su8、Acrylic Resin、PMMA、PET、PC、又はPolyetherimideを含んでも良い。波長変換体13の基体と透光体12の材料が同じである時に、その間の界面が電子顕微鏡下でぼんやりしており、又は、界面が波長変換体13の基体と透光体12との間に存在することが見えず、即ち、波長変換粒子131は、透光体12内に分散している。
【0018】
波長変換粒子131は、5um~100umの粒子サイズを有し、且つ一種又は二種以上の種類の無機蛍光粉(phosphor)、有機分子蛍光着色剤(organic fluorescent colorant)、半導体材料(semiconductor)、又は上述の材料の組み合わせを含んでも良い。無機蛍光粉材料は、黄緑色蛍光粉又は赤色蛍光粉を含んでも良いが、これに限定されない。黄緑色蛍光粉の成分は、例えば、アルミ酸化物(YAG又はTAG)、ケイ酸塩、バナジウム酸塩、アルカリ土類金属セレン化物、又は金属窒化物である。赤色蛍光粉の成分は、例えば、フッ化物(K2TiF6:Mn4+、K2SiF6:Mn4+)、ケイ酸塩、バナジウム酸塩、アルカリ土類金属硫化物、金属窒化酸化物、又はタングステンモリブデン酸塩族混合物である。波長変換粒子の基体における重量パーセント濃度(w/w)は、50~70%である。半導体材料は、ナノメータルサイズの結晶体(nano crystal)の半導体材料、例えば、量子ドット(quantum-dot)発光材料を含む。量子ドット発光材料は、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、CdS、CdSe、CdTe、GaN、GaP、GaSe、GaSb、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InP、InAs、Te、PbS、InSb、PbTe、PbSe、SbTe、ZnCdSeS、CuInS、CsPbCl3、CsPbBr3、及びCsPbI3からなるグループから選択されても良い。
【0019】
拡散粉は、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛又は酸化アルミを含み、発光構造11からの光を拡散することができる。拡散粉の基体における重量パーセント濃度(w/w)は、0.1~0.5%であり、且つ10nm~100nm又は10~50μmの粒子サイズを有する。一実施例では、拡散粉(又は、波長変換粒子)の基体における重量パーセント濃度は、TGA(thermogravimetric analyzer)により測定することができる。簡単に言えば、加熱プロセスにおいて、温度が次第に上昇して特定温度に達した後に、基体が除去(蒸発又は熱分解)され、拡散粉(又は、波長変換粒子)が残される。重量の変化を測定することで、基体及び拡散粉(又は波長変換粒子)の各自の重量、及び、拡散粉の基体における重量パーセント濃度を得ることができる。或いは、先に基体及び拡散粉(又は、波長変換粒子)の総重量を測量し、そして、溶剤を用いて接着体(にかわ体)を除去し、最後に、拡散粉(又は、波長変換粒子)の重量を測量し、これにより、拡散粉(又は、波長変換粒子)の基体における重量パーセント濃度を得ることもできる。
【0020】
波長変換粒子131は、発光構造11が発する第一光を吸収し、それを、第一光と異なる周波数スペクトルを有する第二光に変換することができる。第一光と第二光とが混合すると、第三光を生成することができる。本実施例では、第三光は、CIE1931色度図において、色度座標(x、y)を有し、そのうち、0.27≦x≦0.285及び0.23≦y≦0.26である。他の実施例では、第一光と第二光とが混合すれば、第三光、例えば、白色光を生成することができる。波長変換粒子の重量パーセント濃度及び種類に基づいて、発光装置が、熱安定状態において2200K~6500K(例えば、2200K、2400K、2700K、3000K、5700K、6500K)の相関色温度(CCT)を有し、CIE1931色度図において七つのMacAdam ellipseの範囲にある色度座標(x、y)を有し、また、80より大きく又は90より大きい演色性(CRI)を有するようにさせることができる。他の実施例では、第一光と第二光が混合したら、紫色光、琥珀色光、緑色光、黄色光、又は白色光でない他の色の光を生成することもできる。
【0021】
第1A~1C図から分かるように、透光体12の第一側表面123及び第三側表面125が第二反射層17により覆われ、且つ下表面122が第一反射層14及び延伸電極15A、15Bにより覆われるので、発光装置100は、実質的に、三つの出光(光取り出し)面のみを有する。言い換えると、発光構造11が発する光は、透光体12の上表面121、第二側表面124及び第四側表面126を直接通過して発光装置100を離れることができる。発光構造11の発光角度(その定義は、後述する)が約140度であるため、50%より大きい光は、上表面1101(又は、透光体12の上表面121)から外へ射出することができ、ここで、発光構造11の上表面1101は、発光構造11の主出光面として定義される。発光構造11と発光装置100との出光方向は、同じであり、すべては、Z軸方向に沿って外へ射出する(発光装置100を離れる)。よって、発光構造11の主出光面と発光装置100の出光面とは、実質的に、平行である。
【0022】
第2A~2C図は、それぞれ、本発明の他の実施例における発光装置100’、100’’、100’’’の断面図である。発光装置100’、100’’、100’’’は、発光装置100に類似した構造を有する。そのうち、同じ符号又は記号に対応する素子又は装置は、類似した又は同じである構造を有する素子又は装置である。第1C図と同様に、第2A~2C図は、第1A図のII-II線分に沿った断面図である。しかし、対応する下面図、I-I線分に沿った断面図は、第1A図、第1B図、及び第1D図を参照することができる。
【0023】
第2A図を参照するに、第二反射層17’は、外表面171’及び内表面172’を有する。外表面171’は、実質的に、平面(第2A図では、直線である)であり、且つ内表面172’は、弧形状を有する。詳しく言えば、内表面172’と外表面171’との間の距離(D1)は、透光体12の上表面121から下表面122への方向に沿って次第に減少し、且つ内表面172’は、外表面171’と接する。
【0024】
第2B図を参照するに、第二反射層17’’は、外表面171’’及び内表面172’’を有する。外表面171’’は、実質的に、平面(第2Bでは、直線である)であり、且つ内表面172’’は、弧形状を有する。詳しく言えば、内表面172’’と外表面171’’との間の距離(D1)は、透光体12の上表面121から下表面122への方向に沿って次第に増加する。
【0025】
第2C図を参照するに、第二反射層17’’’は、外表面171’’’及び内表面172’’’を有する。外表面171’’’及び内表面172’’’は、実質的に、平面(第2C図では、直線である)である。
【0026】
第2D図は、本発明の他の実施例における発光装置200の断面図である。発光装置200は、発光装置100と類似した構造を有する。そのうち、同じ符号又は記号に対応する素子又は装置は、類似した又は同じ構造を有する素子又は装置である。この実施例では、第二反射層27は、金属、例えば、Au、Ag、Cu、Cr、Al、Pt、Ni、又はRhを含み、そのため、発光構造11が発する光の、第二反射層27における反射方式は、鏡面反射(specular reflection)である。また、第二反射層27が金属であり、且つ第二反射層27の厚みが50~200Å(オングストローム)である時に、99%の反射率に達することができ、これにより、発光装置200のY方向上での厚みを小さくすることができる。比較的小さサイズは、発光装置200の応用性(例えば、携帯電話、液晶表示器、ウェアラブルデバイス(ウォッチ、ブレスレット、ネックレスなど)の広がりに繋がる。第二反射層27は、スパッタリング(sputter)、電気めっき又は化学めっきの方式で透光体12に形成されても良い。オプションとして、接着層(図示せず)、例えば、二酸化ケイ素を、第二反射層27と透光体12との間に、両者間の接著力を向上させるために追加しても良い。或いは、まず、透光体12に対して表面処理(例えば、ヘリウム、酸素又は窒素のプラズマ処理)を行い、そして、第二反射層27を直接形成し、即ち、第二反射層27が透光体12と直接接触し、これにより、透光体12と第二反射層27との間の接著力を向上させることができる。
【0027】
第二反射層の断面形状は、製程プロセスに用いられるカッター(切断用カッター)の形状及びサイズによるものである。カッターが弧形状断面を有する時に、第二反射層は、弧形状断面の内表面(第1C図、第2A図及び第2B図参照)を有し、カッターが直線断面を有する時に、第二反射層は、直線断面の内表面(第2C、2D図参照)を有する。もちろん、カッターの形状及びサイズは、弧形状の曲率を決定することができる。また、第二反射層の内表面の形状は、発光装置の明度(輝度)に影響することもできる。一般的に言えば、直線断面に比べ、弧形状断面の内表面を有する第二絶縁層は、比較的多くの光が発光装置から離れるようにさせることができる。さらに、第2B図の発光装置は、第2A図又は第1C図の発光装置に比べ、比較的大きい発光明度(例えば、光束(ルーメン値))を有する。
【0028】
第1A図を参照する。第二反射層17が第一側表面123及び第三側表面125のみを覆うから、発光構造11が発する光のうち、第一側表面123及び第三側表面125への光は、第二反射層17より反射され得るが、第二側表面124及び第四側表面126への光は、発光装置100を直接離れることができる。よって、発光装置100は、異なる方向において、異なる発光角度を有する。さらに言えば、第1F図は、発光装置100の測量方式を示す図である。発光装置100が発光するとき、Goniophotometer(AMA Optoelectronics Inc;LID-100CS)を用いて、円P1又は円P2の各点の発光強度を測定することができる。円P1又は円P2は、測定のために定義される仮想円である。円P1の各点に対応する角度及び発光強度を測定し記録することで、第一配光曲線図を取得し、第一発光角度を得ることができる。同様に、円P2の各点に対応する角度及び発光強度を測定し記録することで、第二配光曲線図を取得し、第二発光角度を得ることができる。円P1及び円P2の詳細については、台湾出願第105114875号明細書の内容を参照することができる。第一発光角度は、第二発光角度より大きい。一実施例では、長辺方向(X方向)の第一発光角度は、130~150度であり、短辺方向(Y方向)の第二発光角度は、100~125度である。或いは、第一発光角度と第二発光角度との差の範囲は、15度より大きく且つ15度~40度である。ここで言う発光角度は、明度が最大明度の50%である時に含まれる角度の範囲が発光角度であると定義される。なお、発光角度の詳細については、台湾出願第104103105号明細書の内容を参照することができる。
【0029】
第1A図における二つの発光本体は、互いに直接接続される。他の実施例では、発光構造11は、一つの発光本体を含み、又は、互いに直接接続、並列接続、串並列混合接続又はブリッジ接続される三つ以上の発光本体を含んでも良い。発光構造11が複数の発光本体を含む時に、複数の発光本体は、基板に共同形成されても良く、又は、複数の発光本体は各自が基板を有し、そして、載置板に固定されても良く、又は、一部の発光本体は、基板に共同形成され、他の部分の発光本体は各自が基板を有し、そして、両者は、載置板上に共同固定されても良い。また、実施例における二つの個発光本体は、フリップチップ構造で且つ導電層により互いに電気接続されても良いが、二つの発光本体は、水平構造で且つワイヤボンディング方式により互い電気接続されても良い。
【0030】
上述の発光本体が異質構造である時に、第一型半導体層及び第二型半導体層は、例えば、クラッド層(cladding layer)及び/又は閉じ込め層(confinement layer)であり、それぞれ、電子、正孔を提供し、且つ活性層より大きいエネルギーギャップを有し、これにより、電子及び正孔が活性層において結合して発光する確率を向上させることができる。第一型半導体層、活性層、及び第二型半導体層は、III-V族半導体材料、例えば、AlxInyGa(1-x-y)N又はAlxInyGa(1-x-y)Pを含んでも良く、そのうち、0≦x、y≦1、(x+y)≦1である。活性層の材料に基づいて、発光本体は、ピーク波長(peak wavelength)又は主波長(dominant wavelength)が610nm~650nmの間の赤色光、ピーク波長又は主波長が530nm~570nmの間の緑色光、ピーク波長又は主波長が450nm~490nmの青色光、ピーク波長又は主波長が400nm~440nmの紫色光、又は、ピーク波長が200nm~400nmの紫外光を発することができる。
【0031】
第3A~3G図は、それぞれ、本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図であり、第4A~4G図は、それぞれ、第3A~3G図の上面図である。第3A~3G図は、それぞれ、第4A~4G図におけるW-W線の断面図である。便宜のため、以下の発光構造11は、図中で長方形を例として説明されるが、上面図では、他の形状、例えば、正方形、台形、平行四辺形、菱形、三角形、五辺形、六辺形、円形も可能である。また、分かりやすいために、各構造は、不透明、透明又は半透明にもかかわらず、実線で示されている。
【0032】
第3A図及び第4A図を参照する。載置板22、載置板22に貼り付けられるにかわ材(接着材)21、及び接着材21に設置される複数の発光構造11を提供する。本実施例では、発光構造11は、第一電極1118及び第二電極1119の側で接着材21に貼り付けられる。なお、第4A図における発光構造11の数及び配列方式は、例示に過ぎず、本発明は、これに限定されない。
【0033】
第3B図及び第4B図を参照する。複数の波長変換粒子131を含む透明体は、完全に発光構造11を覆う。透明体は、spray、coating、dispensing、screen printingなどの方式で発光構造11に形成されても良い。その後、透明体を固化させて透光体12を形成する。透明体がspraying又はdispensingの方式で発光構造11に形成される場合、透明体は、領域全体の異なる位置に、異なる高さ(Z方向)を有する。硬化後に、透明体が透光体12になり、且つ透光体12も、異なる位置に、異なる高さを有する。よって、先に物理除去ステップを行って透光体12を平坦化することで、透光体12の上表面121が実質的に平坦であるようにさせても良い。なお、「物理除去ステップ」及び「実質的な平坦」の定義については、後述する。
【0034】
また、本実施例では、重力が原因で、固化プロセスにおいて、波長変換粒子131が自然に沈殿することができるので、大部分の波長変換粒子131は、発光構造11に接触し、一部のみの波長変換粒子131は、発光構造11の側表面(詳細構造について、第1B及び1C図の関連記載を参照することができる)に付着することができる。他の実施例では、固化の温度及び時間を制御することで、波長変換粒子131の透光体12における分布状態を決定することができる。例えば、波長変換粒子131がまだ底部まで沈殿していない時であって透明体が完全に固化した時に、波長変換粒子131は、透光体12に分散し、発光構造11に接触しない。或いは、透明体12に抗沈殿剤(例えば、:二酸化ケイ素)を添加することで、波長変換粒子131が固化プロセスにおいて底部に沈殿することを防止することができ、これにより、長変換粒子131を透光体12に均一に分散させることもできる。
【0035】
他の実施例では、複数の波長変換粒子131を含む透明体12は、先に波長変換片として形成され、そして、発光構造11上に貼り合わせられても良い。貼り合わせとは、上金型(図示せず)及び下金型(図示せず)を閉じると同時に、波長変換片を加熱及び加圧して波長変換片を軟化することにより、発光構造11と密に接合することである。また、上金型及び下金型が非常に接近しているが、波長変換片がまだ発光構造11に接触していない時に抽気を行うことにより、波長変換片と発光構造11との気泡を減少させ、波長変換片と発光構造11との間の接合力を向上させることもできる。
【0036】
第3C、3D図及び第4C、4D図を参照する。カッター23によりX方向の切断線Lに沿って切断を行う切断ステップを提供し、これにより、複数の溝231を透光体12に形成する。溝231の形状は、カッター23の形状に対応する。例えば、本実施例では、カッター23は、弧形状断面を有するため、溝231も弧形状断面を有する。また、透光体12も弧形状断面を有し、且つ弧形状断面が下表面122に接近し発光構造11を囲む。さらに、弧形状断面と発光構造11との距離は、Z方向に沿って次第に減少する。
【0037】
第3E図及び第4E図を参照する。複数の反射粒子(図示せず)が基質に混入され、未固化状態の接着層(接着層の色は、混入された反射粒子によるものであり、よくある色は、白色である)を形成する。続いて、接着層を以て透光体12及び溝231を覆い(好ましくは、溝231が接着層により完全に覆われ、或いは、一部の領域のみが覆われず、或いは、気泡が残留する)、そして、完全に接着層を固化させて第二反射層17を形成する。第二反射層17の高さは、透光体12の高さより大きい。第二反射層17は、spray、coating、dispensing、screen printingなどの方式で形成することができる。同様に、第二反射層17も、先に反射片としてされ、そして、透光体12上に貼合されても良い。貼合については、上述の記載を参照することができる。
【0038】
第3F図及び第4F図を参照する。物理除去ステップ(研磨又は切削)により、一部の第二反射層17を除去して透光体12を露出させる。本実施例では、接着層がspraying又はdispensingの方式で形成されるので、接着層は、領域全体の異なる位置に、異なる高さ(Z方向)を有する(第3E図参照)。硬化後に、接着層が第二反射層17になり、且つ第二反射層17も、異なる位置に、異なる高さを有する。物理除去ステップでは、先に、一部の第二反射層17を、透光体12を露出させるまで除去する。さらに、除去ステップを継続して行うことにより、第二反射層17及び透光体12を同時に除去することができる。これにより、このプロセスを用いて透光体12の高さを小さくすることができる。第3F図では、透光体12の高さは、第3E図の透光体12の高さ以下であっても良い。また、第二反射層17は、透光体12の上表面127と実質的に共面である上表面173を有し、且つ上表面127、173は、実質的に平坦であるようになる。
【0039】
「実質的に平坦である」とは、ここで、電子顕微鏡を用いて60~100倍の拡大倍率下で発光装置100を観察する時に、その上表面121、173に激しい凹凸が無い平面と定義される。しかし、発光装置100が、電子顕微鏡を用いて400倍より大きい拡大倍率下で分析されるる時に、或いは、alpha step film thickness measuring instrument又はatomic force microscope(AFM)を用いて測量される時に、透光体12及び第二反射層17は、粗い上表面121、173を有する可能性がある。また、本実施例では、透光体12は、硬度(Shore D)が30~90であるシリカゲルであり、第二反射層17の基質は、硬度(Shore D)が10~70のシリカゲルである。透光体12の硬度と第二反射層17の基質の硬度との差が30より小さいから、物理除去ステップ後に、透光体12の上表面121の最大粗さ差(Ra1)は、第二反射層17の上表面173の最大粗さ差(Ra2)より、少し大きく、小さく、又はそれに等しい。Alpha step film thickness measuring instrumentにより透光体12の上表面121を測量する時に、0.5mmの測量長さにおいて、透光体12の上表面121における最高点と最低点との差(最大粗さ差と定義される)はRa1であり、同様に、第二反射層17の上表面173を測量する時に、50μmの測量長さにおいて、第二反射層17の上表面における最高点と最低点との差は、Ra2であり、そのうち、2μm≦Ra1≦15μm、2μm≦Ra2≦15μm、0≦|Ra1-Ra2|≦13μmである。
【0040】
物理除去ステップは、機械切断機を用いて行われる。機械切断機の材料は、高炭素鋼、ダイヤモンド、セラミック又は酸化硼素を含んでも良い。除去プロセスでは、水のみ(研磨液(slurry)又は化学溶液を要せず)を添加し、切断機と第二反射層17との間の摩擦による温度上昇を抑えることができ、また、水により、除去された第二反射層17及び除去された透光体12を洗浄することもできる。それに、選択された切断機の硬度が、第二反射層17及び透光体12の硬度より大きい時に、複数のかすり傷(図示せず)が反射絶縁層12及び透光体12上に形成され、それは、光学顕微鏡により観察することができる。しかし、一実施例では、切断パラメータ(例えば、切断速度又は切断機の材料)を調整することで、光学顕微鏡によってかすり傷を観察することができないようにさせることもできる。
【0041】
第3G、4G図及び第5A~5C図を参照する。切断線L(X方向及びY方向)に沿って切断ステップを行い、複数個の互いに独立した発光装置300を形成する。続いて、接着材21を加熱し又はUV光を接着材21に照射を行い、発光構造11及び透光体12が接着材21から分離するようにさせる。オプションとして、第一反射層14及び延伸電極15A、15Bをさらに形成しても良く、その詳細については、他の段落の記載を参照することができる。
【0042】
第3C及び4C図を参照する。切断位置の違いにより、透光体12と発光構造11との相対位置を変更することができ、即ち、第一側表面1103と第一側表面123との距離、及び、第三側表面1105と第三側表面125との距離(第1図参照)を変更することができる。続いて、第3F及び4F図を参照する。第二反射層17は、溝231に充填され、且つ透光体12の側表面を覆う。発光構造11が発する光は、第二反射層17に入射する時に、透光体12と第二反射層17との界面(例えば、第1C図に示すように透光体12の第一側表面123及び第二反射層17の内表面172である)又は第二反射層内において、反射及び/又は屈折され得る。以上を纏めると、第3C図のプロセスを制御することで、所定の発光装置のファーフィールド(far field)光形及び発光明度(例えば、光束(ルーメン値))を達成することができる。
【0043】
第6A~6B図は、本発明の他の実施例における第二反射層17の形成に関する断面図である。切断ステップ後に(第3D図に示すように)、上金型251及び下金型252を提供し、載置板22を上金型251に固定し、且つ下金型252の凹部2521に未固化状態の接着層(基質及び反射粒子であり、接着層の色は、混入された反射粒子によるものであり、よくある色は、白色である)を入れる。上、下金型を互に接近させることで圧縮形成ステップ(compression molding)を行い、これにより、接着層は、透光体12を覆い、且つ完全に溝231に入れられる。熱処理ステップを経て完全に接着層を固化させることで、第二反射層17を形成する。本実施例では、金型により第二反射層17を形成するため、透光体12上での第二反射層17は、異なる位置に、同じ高さを有する。また、後続の動作は、第3F~3G図に関する記載を参照することができる。
【0044】
第7A~7G図は、それぞれ、本発明の他の実施例における発光装置400の製造プロセスに関する断面図である。関連する上面図は、第4A~4G図を参照することができる。
【0045】
第7A図を参照する。載置板22、載置板22に貼り付けられる接着材21、及び接着材21に設置される複数の発光構造11を提供する。本実施例では、発光構造11は、電極1118、1119の側で接着材21に貼り付けられる。また、載置板22を上金型251に固定し、且つ発光構造11は、基板110の側が下金型252に面する。下金型252の凹部2521に複数の波長変換粒子131を含む透明体を入れる。続いて、圧縮形成ステップ(compression molding)を行い、これにより、透明体は、完全に発光構造11を覆ことができる。重力の影響で、透明体固化プロセスでは、波長変換粒子131が下金型252の底部に沈殿することができるので、完全固化で透光体12を形成する時に、波長変換粒子131は、透光体12の上表面121に集中することができる。他の実施例では、固化時間及び固化温度を制御することで、波長変換粒子131がまだ下金型252の底部に沈殿していない時に、透明体を完全固化し透光体12を形成することができる。或いは、透明体に抗沈殿剤を添加し、固化プロセスにおける波長変換粒子131の沈殿を防止することもできる。
【0046】
第7B~7D図を参照する。載置板27に貼り付けられる接着材26を提供する。第7B図の構造を透光体12により接着材26上に貼り付けた後に、接着材21を加熱し又はUV光を接着材21に照射することで、発光構造11及び透光体12が接着材21から(接着材21及び載置板22が第7C図に示されない)分離し、電極1118、1119(電極1119が図中に示されない)を露出させるようにさせることができる。電極層211を電極1118、1119上に形成する。電極層212は、それぞれ、単一発光構造11の電極1118、1119に形成することができる。或いは、電極層211は、発光構造の電極1118及び隣接する発光構造の電極1119上に形成され、これにより、隣接する発光構造は、互いに直列接続されるようになる(図示せず)。さらに、カッター23により切断線Lに沿って切断することで、複数の溝231を透光体12に形成することができる。溝231の形状は、カッター23の形状に対応する。例えば、本実施例では、カッター23は、弧形状断面を有するため、溝231も弧形状断面を有する。
【0047】
第7E及び7F図を参照する。同様に、載置板27を上金型251に固定し、且つ下金型252の凹部2521に未固化状態の接着層を入れる。圧縮形成ステップ(compression molding)を行い、これにより、未固化状態の接着層は、透光体12、電極層211を覆い、且つ完全に溝231に入れられる。その後、熱処理ステップを経て接着層を完全に固化させ、第二反射層17を形成する。本実施例では、金型により第二反射層17を形成するので、電極層211上での第二反射層17は、異なる位置に、同じ高さを有する。また、第二反射層17の高さは、透光体12の高さより高い。
【0048】
第7G図を参照する。物理除去ステップ(研磨又は切削)にて一部の第二反射層17を除去して電極層211を露出させる。さらに除去ステップを継続して行い、これにより、第二反射層17及び電極層211を同時に除去することができる。これにより、このプロセスを利用して電極層211の高さを減少させることができる。第7G図における電極層211の高さは、第7F図の電極層211の高さ以下であっても良い。第二反射層17は、電極層211の上表面2111と実質的に共面である上表面173を有する。本実施例では、物理除去ステップ後に、電極層211の上表面2111の最大粗さ差(Ra3)は、第二反射層17の上表面173の最大粗さ差(Ra1)より、少し大きく、少し小さく、又はそれに等しくても良い。Alpha step film thickness measuring instrumentにより、電極層211の上表面2211を測量する時に、50μmの測量長さにおいて、電極層211の上表面1124における最高点と最低点との差(最大粗さ差と定義される)はRa3であり、同様に、第二反射層17の上表面173を測量する時に、50μmの測量長さにおいて、第二反射層17の上表面における最高点と最低点との差は、Ra4であり、そのうち、2μm≦Ra3≦15μm、2μm≦Ra4≦15μm、0≦|Ra4-Ra3|≦13μmである。
【0049】
第7G図を参照する。切断線Lに沿って切断ステップを行い、複数の互いに独立した第8A~8C図のような発光装置400を形成する。接着材26を加熱し又はUV光を接着材26に照射することで、発光構造11及び透光体12が接着材26から分離するようにさせる。第5A~5C図の発光構造300との相違点は、第8A~8C図における発光構造400の透光体12の弧形状断面が、発光構造11を囲まず、且つ透光体12の上表面121に接近することにある。
【0050】
接着材21、26及び載置板22、27は、製作プロセスにおいて発光構造又は発光装置を一時的に固定するためのものである。接着材21、26は、ブルーフィルム、散熱片/にかわ、UVテープ(UV release tape)又はPETを含む。載置板22、27は、ガラス又はサファイアを、接着材21、26を支持するために含む。
【0051】
第9A~9E図は、本発明の他の実施例における発光装置500の製造プロセスに関する上面図である。関連する断面図は、他の段落を参照することができる。
【0052】
第9A及び9B図を参照する。カッター(図示せず)は、X方向及びY方向の切断線Lに沿って切断ステップを行い、複数の溝231を透光体12に形成する。
【0053】
第9C図を参照する。第二反射層17を、透光体12を覆い且つ完全に溝231に入れられるように形成する。第二反射層17の形成方式は、上述の関連段落を参照することができる。
【0054】
第9D図を参照する。物理除去ステップ(研磨又は切削)を用いて、一部の第二反射層17を除去して、透光体12を露出させる。その他の関連記載は、第4F図に関する記載を参照することができるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。
【0055】
第9E図を参照する。切断線L(X方向及びY方向)に沿って切断ステップを行い、複数の互いに独立した発光装置500を、第10A~10Dに示すように形成する。第10A及び10B図を参照する。第二反射層17は、透光体12の四つの側表面を覆い、且つ下表面122も第一反射層14及び延伸電極15A、15Bにより覆われる時に、発光装置500は、実質的に、一つのみの出光面を有する。第10C及び10D図を参照する。第二反射層17は、透光体12の三つの側表面を覆い、且つ下表面122も第一反射層14及び延伸電極15A、15Bにより覆われる時に、発光装置500は、実質的に、二つのみの出光面を有する。同様に、切断位置の違いにより、透光体12と発光構造11との相対位置を変更することができる以外に、異なる形式の発光装置を形成し、所定のファーフィールド光形及び発光明度(例えば、光束(ルーメン値))を、異なるニーズを満足するように達成することもできる。
【0056】
同様に、第11A及び11B図に示すように、第4G図の構造では、透光にかわ12と第二反射層17との界面の切断線(L)に沿って切断を行い、第二反射層17が透光体12の一つの側表面のみを覆う発光装置600を得ることができる(第11C図に示すように)。一実施例では、第二反射層1が透光体12の一つの側表面を覆い、且つ下表面122も第一反射層14及び延伸電極15A、15Bにより覆われる時に、発光装置600は、実質的に、四つの出光面をを有する。第1A図の発光装置100に比べ、発光装置600は、比較的大きい発光明度(例えば、光束(ルーメン値))を有する。
【0057】
第12A図は、本発明の一実施例における発光装置700の上面図である。分かりやすいために、本図では、すべての素子が示されず、且つ各層すべてが、不透明、透明又は半透明の材料にもかかわらず、実線で示されている。第12B図は、第12A図のI-I線分の断面図である。便宜のために、第12A図及び第12B図の発光構造11は、長方形のみを例として説明されるが、上面図では、他の形状、例えば、正方形、台形、平行四辺形、菱形、三角形、五辺形、六辺形、円形も可能である。第12A図及び第12B図は、上面図及び一方向の断面図のみである。その他の関連図面及び発光構造11の構造は、本明細書中の対応する段落及び図面を参照することができる。
【0058】
第12A及び12B図を参照する。発光装置700は、発光構造11、波長変換体13、透光体12、第一反射層14、延伸電極15A及び第二反射層17を含む。発光構造11は、上表面1101、上表面1101に対向する下表面1102、及び上表面1101と下表面1102との間に接続される四つの側表面(第一側表面1103、第二側表面1104、第三側表面1105及び第四側表面1106)を含む。波長変換体13は、上表面1101、四つの側表面1103~1106、及び一部の下表面1102を覆う。同様に、透光体12は、波長変換体を包み覆い、即ち、透光体12は、波長変換体13の上表面及び四つの側表面を覆う。透光体12は、上表面121、上表面121に対向する下表面122、及び上表面121と下表面122との間に接続される四つの側表面(第一側表面123、第二側表面124、第三側表面125及び第四側表面126)を含む。第二反射層17は、上表面121、第一側表面123、第二側表面124及び第四側表面126を覆うが、第三側表面125及び下表面122を覆わない。言い換えれば、第二反射層17は、発光構造11の第一側表面1103、第二側表面1104及び第四側表面1106を覆うが、第三側表面1105を覆わない。
【0059】
第12A及び12B図を参照する。発光構造11の発光角度が約140度であるため、50%より大きい光は、上表面1101から外へ射出することができ、ここで、発光構造11の上表面1101は、発光構造11の主出光面として定義される。発光構造11の上表面1101及び三つの側面(1103、1104、1106)が第二反射層17により覆われ、且つ下表面1102が第一反側層14により覆われるため、発光構造11が発する光は、第二反射層17又は/及び第一反射層14で反射され、そして、第三側表面1105及び透光体12の第三側表面125を経由して発光装置700を離れることができる。言い換えると、発光構造11及び発光装置700の出光方向は、異なり、発光構造11の多数の光線は、Z軸方向に沿って外へ射出し(しかし、発光装置700を離れず)、発光装置700の多数の光線は、Y軸方向に沿って外へ射出する(発光装置700を離れる)。よって、発光構造11の主出光面は、発光装置700の出光面と実質的に垂直である。
【0060】
また、第12B図では、第二反射層17の下表面174は平面であるが、本発明はこれに限定されず、光を発光装置700から取り出すことができる任意の光学設計を第二反射層17に応用しても良い。例えば、透光体12の上表面121(第二反射層17の下表面174)の形状を変更することにより、発光構造11の光を、発光構造700を離れるように、第三側表面1105へ導くことができる。関連構造及びプロセスは、後述する。
【0061】
発光装置700は、0.3mm以下(≦0.3mm)の高さ(H0)を有し、比較的薄い高さは、発光装置700の応用分野(例えば、携帯電話、液晶表示器、ウェアラブルデバイス(ウォッチ、ブレスレット、ネックレスなど))を広げることができる。上述のように、発光構造11の主出光面が発光装置700の出光面と異なり、即ち、発光構造11及び発光装置700が、異なる出光方向を有するので、発光構造11の主出光面積(XY平面)を増やす時に、発光装置700の全体の高さ(Z方向)を増加させることがない。発光構造11の出光量の向上のため、発光装置700全体の光束もそれに伴って向上するが、発光装置700の全体高さは、それに伴って増加せず、これにより、発光装置700の応用分野を制限することがない。
【0062】
第13A~13F図は、それぞれ、本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関連する断面図であり、第14A~14F図は、それぞれ、第13A~13F図の上面図である。そのうち、第13A~13F図は、それぞれ、第14A~14F図におけるW-W線の断面図である。便宜のために、以下の発光構造11は、図中で長方形を例として説明されるが、上面図では、他の形状、例えば、正方形、台形、平行四辺形、菱形、三角形、五辺形、六辺形、円形も可能である。また、分かりやすいため、各構造すべては、不透明、透明又は半透明にもかかわらず、実線で示されている。
【0063】
第13A図及び第14A図を参照する。載置板22、載置板22に貼り付けられる接着材21、及び接着材21に設置される複数の発光構造11を提供する。本実施例では、発光構造は、第一電極1118の側で接着材21に貼り付けられている。なお、第13A図における発光構造11の数及び配列方式は、例示に過ぎず、本発明は、これに限定されない。
【0064】
第13B図及び第14B図を参照する。波長変換体13は、完全に発光構造11の上表面1101、側表面1103~1106、及び一部の下表面1102を覆う。波長変換体13は、spray、coating、dispensing、screen printing、又はmoldingなど方式で発光構造11上に形成され得る。
【0065】
第13C~13D図及び第14C~14D図を参照する。波長変換粒子を含まない透明体は、完全に波長変換体13を包み覆う。その後、透明体を固化させて透光体12を形成する。透明体も、spray、coating、dispensing、screen printing、又はmoldingなど方式で形成されても良い。続いて、カッター23を用いてX方向及びY方向の切断線Lに沿って切断ステップを行い、複数の溝231を形成し、溝231は、透光体12及び波長変換体13に位置し、接着材21を露出させる。この切断ステップでは、溝231は、二つの発光構造11の間に位置し、且つ透光体12は、複数の互いに接続されない領域に分割される。透光体12及び波長変換体13は、発光構造11の四つの側面及び上表面を覆う。
【0066】
第13E~13F図及び第14E~14F図を参照する。複数の反射粒子(図示せず)が基質に混入され、未固化状態の接着層(接着層の色は、混入される反射粒子によるものであり、良くある色は、白色である)を形成する。続いて、接着層を以て透光体12及び溝231を覆い(好ましくは、溝231が接着層により完全に覆われ、又は、僅か一部の領域が覆われず、又は、気泡が残される)、そして、完全に接着層を固化させて第二反射層17を形成する。第二反射層17の高さは、透光体12の高さより高く、即ち、第二反射層17は、透光体12の四つの側表面123~126及び上表面121(第12A及び12B図参照)を覆う。第二反射層17は、spray、coating、dispensing、screen printingなどの方式で形成することができる。他の実施例では、第二反射層17は、予め形成された反射片であっても良く、その後に、透光体12に貼り合わせられても良い。貼合の方式は、前述の関連段落を参照することができる。最後に、切断線L(X方向及びY方向)に沿って切断ステップを行う。続いて、接着材21を加熱し又はUV光を接着材21に照射することで、発光構造11、透光体12、波長変換体13、及び第二反射層17が接着材21から分離して複数の互いに独立した発光装置を形成するようにさせることができる。
【0067】
第13E~13F及び14E~14F図を参照する。X方向の切断線Lが透光体12を切る又は通り抜けるので、第二反射層17、透光体12の三つの側面のみを覆い、透光体の一つの側面を露出させる。切断位置を変えることにより、透光体1が発光構造11を覆う第一側面1103及び第三側面1105の二つの辺の厚み(T1及びT2)が同じである又は異なるようにさせることができる。例えば、一部の透光体12が切断ステップにおいて除去された時に、透光体12の二つの側面の厚みが異なる(T1≠T2)ようになる。或いは、切断位置を制御することにより、透光体12が切断ステップにおいて除去されないようにさせ、これにより、透光体12の二つの側面の厚みが同じ(T1=T2)であるようにさせることもできる。
【0068】
最後に、オプションとして、第12B図に示すような第一反射層14及び延伸電極15A、15Bをさらに形成することもできる。詳細は、他の関連段落を参照することができる。
【0069】
第15A~15F図は、それぞれ、本発明の他の実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図であり、第16A~16F図は、それぞれ、第15A~15F図の上面図である。そのうち、第15A~15F図は、それぞれ、第16A~16F図におけるW-W線の断面図である。第15A~15B図の細部については、第13A~13B図に対応する段落を参照することができる。
【0070】
第15C~15D、16C~16D図を参照する。カッター23Aを用いてX方向の切断線Lに沿って切断ステップを行い、これによって、複数の溝231を透光体12に形成し、また、波長変換体13を露出させる。さらに、カッター23AがY軸に沿って異なるZ軸の深さで切断を行い、カッター23Aが弧形状断面を有するため、透光体12の上表面121は、波状の形状を有するようになる。
【0071】
例えば、第17A図を参照するに、カッター23Aは、発光構造11D、11E間に位置し、下へ(-Z方向)接着材21まで切断して溝231を形成し、この時の切断の深さは、H1である。
【0072】
第17B図に示すように、カッター23AをY軸に沿って第一距離(S1)移動させ、発光構造11Eの上方に位置させ、そして、カッター23Aを以て一部の透光体12を切断し、この時の切断の深さは、H2(H2<H1)である。
【0073】
第17C図に示すように、カッター23AをさらにY軸に沿って第二距離(S2)移動させるが、カッター23Aは、依然として発光構造11Eの上方に位置し、そして、一部の透光体12を切断し、この時にの切断の深さは、H3(H3>H2;H3<H1)である。
【0074】
第17D図に示すように、カッター23AをさらにY軸に沿って第三距離(S3)移動させるが、カッター23Aは、依然として発光構造11Eの上方に位置し、そして、一部の透光体12をさらに切断し、この時の切断の深度さは、H4(H4>H3>H2;H4<H1)である。
【0075】
第17E図に示すように、カッター23AをさらにY軸に沿って第四距離(S4)移動されるが、カッター23Aは、依然として発光構造11Eの上方に位置し、そして、一部の透光体12をさらに切断し、この時の切断の深さは、H5(H5>H4>H3>H2;H5<H1)である。
【0076】
第17F図に示すように、カッター23AをさらにY軸に沿って第五距離(S5)を移動させるが、カッター23Aは、依然として発光構造11Eの上方に位置し、そして、一部の透光体12をさらに切断し、この時の切断の深さは、H6(H6>H5>H4>H3>H2;H6<H1)である。
【0077】
最後に、第17A図に示すように、カッター23Aが発光構造11Eから離れ(発光構造11E上に位置せず)、且つ、発光構造11E、11F間に位置するようになる時に、下へ(-Z方向)切断し、且つ接着材21まで(切断の深さがH1である)切断し、溝231を形成する。よって、透光体12の上表面12には、波状の形状を有する。
【0078】
上述の方法に従って、カッター23Aは、連続してY軸に沿って移動しながら、Z軸上で切断の深さを変えることにより、透光体12が異なる形状の上表面121を有するようにさせることができる。また、カッターの形状は、上表面121が異なる輪郭を有するようにさせることもできる。例えば、第18A図に示するように、透光体12の上表面121は、階段状の形状を有し、第18B図に示すように、透光体12の上表面121は、連続した平らな斜面であり、また、第18C図に示すように、透光体12の上表面121は、鋸歯状の輪廓を有する。
【0079】
また、切断位置を変えることにより、透光体12の上表面に異なる形状を持たせることができる。第18D図に示すように、カッターが発光構造の上方に移動し、そして、下へ切断するので、透光体12は、平面127及び斜面128を有する。平面127及び斜面128は、ともに、発光構造の上方に位置する一部を有する。第12図に示す透光体12の上表面に平面を有する構造に比べ、発光構造の上方に位置する透光体12の上表面121は、一部又は全部が非平面(例えば、斜面、波状、階段状など)である構造を有し、これは、発光構造が発した光を、発光構造から離れるように、側表面へ反射し(第12B図参照)、また、発した光の輝度を向上させることに繋がっている。
【0080】
第18E図に示すように、非対称のカッターを使用することにより、平面127及び斜面128を有する上表面121を形成することもできる。また、一回のみの切断ステップを行うことで、第18図に示す構造を形成することができる。よって、第17A図乃至第17F図に示すプロセスに比べ、本実施例におけるプロセスは、簡単であり、且つ、製造コストを低減し製造時間を短縮することができる。
【0081】
第15E~15F図及び第16E~16F図を参照する。複数の反射粒子(図示せず)が基質に混入され、未固化状態の接着層(接着層の色は、混入された反射粒子によるものであり、よくある色は、白色である)を形成する。接着層により透光体12及び溝231を覆う(好ましくは、溝231が接着層により完全に覆われ、又は、僅か一部の領域が覆われず、又は、気泡が残される)。そして、接着層を完全に固化させて第二反射層17を形成する。第二反射層17については、前述の関連段落を参照することができる。続いて、切断線L(X方向及びY方向)に沿って切断ステップを行う。その後、接着材21を加熱し又はUV光を接着材21に照射することで、接着材21を分離し、複数の互いに独立した発光装置を形成する。
【0082】
第15F図に示すように、X方向の切断線Lが透光体12を切る又は通り抜けるので、第二反射層17は、透光体12の三つの側面のみを覆い、透光体の一つの側面を露出させる。また、透光体12の上表面に波状の形状があるため、第二反射層17の下表面174(透光体12の上表面121と接触する表面)も波状の形状を有する。
【0083】
第19図は、本発明の一実施例における発光装置800の断面図である。便宜のため、第一9図の発光構造11は、長方形のみを例として説明されるが、上面図では、他の形状、例えば、正方形、台形、平行四辺形、菱形、三角形、五辺形、六辺形、円形も可能である。
【0084】
発光装置800は、発光装置100に類似した構造を有する。そのうち、同じ符号又は記号に対応する素子又は装置は、類似した又は同じ構造を有する素子又は装置である。第19図は、発光装置800の断面図のみを示し、他の図は、発光装置100を参照することができる。発光装置800は、発光構造11、複数の波長変換粒子131を含む透光体12、第一反射層14、延伸電極15A、15B、及び第二反射層17を含む。
【0085】
第19図は、第2C図に類似したが、その相違点は、第二反射層17の形状にある。第19図に示すように、第二反射層17Aは、外表面171A及び内表面172Aを有する。外表面171Aは、実質的に、平面(第19図では、直線である)であり、且つ内表面172Aは、斜面(第19図では、斜線である)172A1及び平面(第19図では、直線である)172A2を有する。斜面172A1は、第一反射層14からZ軸に沿って延伸し、且つ発光構造11よりも大きい高さを有し、斜面172A1は、発光構造11が発する光を、該光が発光装置800から離れるように透光体12の上方へ反射することができる。透光体12の第一側表面123及び第三側表面125は、第二反射層17Aの内表面172Aと直接接触するので、第一側表面123及び第三側表面125の形状は、第二反射層17Aの内表面172Aと同じである。斜面172A1は、第一反射層14と60~80度の夾角(θ)を有する。平面172A2は、斜面172A1からZ軸に沿って延伸する。
【0086】
第19A~19C図は、簡略化された之発光装置の断面図である。この簡略化された発光装置は、シミュレーション実験に用いられ、これにより、斜面の高さ(μm)、平面の高さ(μm)、角度(θ)及び光束(mW)間の関係を得る。表1は、異なる夾角(θ)及び光束のシミュレーション結果である。このシミュレーション結果は、発光装置の厚み(Y方向)が1.1mmであり、且つ高さ(Z方向)が0.35mmであるという仮定によるものである。表1から分かるように、角度(θ)が大きいほど、発光構造11が発する光は、斜面172A1で透光体12へ反射されにくく、即ち、発光装置を離れにくいので、発光装置の光束は、小さい。また、平面172A2が斜面172A1の上方に位置し、これにより、三つの角度の発光装置の出光面積(Ea)はすべて同じである。よって、第19A~19C図の発光装置の出光角度は、実質的に同じである。以上から分かるように、傾斜角度(θ)は、発光装置の光束を変更することができ、また、平面172A2は、発光装置の発光角度が特定値(例えば、120度)に固定されるようにさせることもできる。言い換えると、斜面及び平面の設計により、発光装置は、所定光束及び所定発光角度を有するようになる。
【0087】
【表1】

発光装置の高さが固定値である時に、斜面172A1の傾斜角度(θ)が小さいほど、発光装置の厚み(Y方向)が大きい。発光装置のサイズが大きくなるため、幾つかの分野に応用されにくくなる可能性がある。よって、斜面172A1の傾斜角度を設計する時に、その応用を考慮する必要があり、つまり、任意の角度でも良いとは言えない。
【0088】
第20A~20G図は、それぞれ、本発明の発光装置の製造プロセスに関連する断面図であり、第21A~21G図は、それぞれ、第20A~20G図の上面図である。第20A~20G図は、それぞれ、第21A~21G図におけるW-W線の断面図である。便宜のため、後述の発光構造11は、図中で、長方形のみを例として説明されるが、上面図では、その他の形状、例えば、正方形、台形、平行四辺形、菱形、三角形、五辺形、六辺形、円形も可能である。また、分かりやすいために、各構造は、非透明、透明又は半透明にもかかわらず、すべて、実線で示されている。そのうち、第20A~20B図及び第21A~21B図の細部については、第3A~3B図及び第4A~4B図並びにその対応する段落を参照することができる。
【0089】
第20C~20D及び21C~21D図を参照する。接着材26を載置板27に貼り付ける。第20B図の構造を透光体12により接着材26上に貼り付けた後に、接着材21を加熱し又はUV光を接着材21に照射することで、発光構造11及び透光体12を接着材21から分離させ(接着材21及び載置板22は、第20C図に示されていない)、また、電極1118、1119を露出させる(電極1119は、図に示されていない)。
【0090】
続いて、第一カッター23Bを用いて切断線L(X方向)に沿って切断ステップを行い、且つ電極1118の側から透光体12を切断する。第一カッター23Bは、三角形の断面を有し、且つ切断の深さ(H7)は、透光体12の高さ(Z方向)よりも小さいが、発光構造11の高さよりも高い。第一カッターが透光体12を完全に切断しないので、一部の透光体12は依然として互いに接続される。
【0091】
第20D、20E、21D及び21E図を参照する。第二カッター23Aを用いて切断線L(X方向)に沿って接着材26まで切断し、この時に、第二カッター23Aは、完全に透光体21を切断し、溝231を形成する。
【0092】
第20F~20G及び21F~21G図を参照する。複数の反射粒子(図示せず)が基質に混入され、未固化状態の接着層を形成する(接着層の色は、混入された反射粒子によるものであり、よくある色は、白色である)。接着層を用いて透光体12及び溝231を覆う(好ましくは、溝231が接着層により完全に覆われ、又は、僅か一部の領域が覆われず、又は、気泡が残される)。完全に接着層を固化させて第二反射層17を形成する。第二反射層17については、前述の関連段落を参照することができる。続いて、第二カッター23Aを用いて切断線L(X方向及びY方向)に沿って切断ステップを行う。その後、接着材26を加熱し又はUV光を接着材26に照射することで、発光構造11、透光体12及び第二反射層17を接着材26から分離させ、複数の互いに独立した発光装置を形成する。
【0093】
接着層が電極1118の側から透光体12を覆い且つ溝231に充填されるため、このステップでは、接着層は、一部の電極1118、1119を覆う可能性がある(電極1119は、図に示されていない)。他の実施例では、先に電極1118に保護層(例えば、フォトレジスト(図示せず))を形成し、そして、接着層形成ステップを行っても良い。このようにして、接着層は、保護層を覆い、電極1118、1119に直接接触しない。以上のステップ完成後に、保護層を除去して電極1118、1119を露出させる。保護層により、後続の電極1118、1119上での接着層を除去するステップを省くことができる。オプションとして、さらに第一反射層14及び延伸電極15A、15Bを形成することもでき、その詳細は、他の関連図面又は段落を参照することができる。
【0094】
第20A~20G図の製造プロセスでは、二つの形状が異なるカッターを用いて、斜面及び平面を有する透光体12(第19図参照)を形成する。しかし、カッターの形状を設計し、一回切断ステップを行うことにより、第20C図及び第20D図の切断ステップを二回採用する時と同様な構造を得ることもできる。
【0095】
第22A図は、本発明の他の実施例における発光装置900の断面図である。第22A図を参照するに、第二反射層17Bは、外表面171B及び内表面172Bを有する。外表面171Bは、実質的に、平面(第22A図では、直線である)であり、且つ内表面172Bは、斜面(第22A図では、斜線である)である。内表面172Bは、第一反射層14からZ軸に沿って透光体12の上表面121まで延伸する。内表面172Bは、第一反射層14と60~80度の夾角(θ)を有する。内表面172Bは、発光構造11が発する光を、透光体12の上表面121へ反射する。
【0096】
第22B図は、本発明の一実施例における発光装置1000の断面図である。第22C図は、本発明の一実施例における発光装置1100の断面図である。第22B及び22C図を参照するに、第二反射層17Cは、外表面171C及び内表面172Cを有する。外表面171Cは、実質的に、平面であり、且つ内表面172Cは、斜面である。内表面172Cは、第一反射層14からZ軸に沿って延伸し、且つ透光体12の上表面121に達せず、また、上表面との間に距離(D2)を有し、そのち、1μm≦D2≦800μm(D2=20μm、50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm)であり、異なるD2値により、異なる分野に応用することができる。言い換えると、透光体12の第一側表面123(又は第二側表面125)の一部は、第二反射層17により覆われず、且つ外部環境に露出する。外部に露出した第一側表面123(又は第二側表面125)は、大体、第二反射層17Cの外表面171Cと同一平面にある。第22B及び22C図の構造のように、透光体12が第二反射層17を覆うので、上面図では、透光体12が見えるが、第二反射層17が見えない。内表面172Cは、発光構造11が発する光を透光体12の上表面121へ反射することができる。
【0097】
第22B図では、発光装置1000の斜面(172C)は、発光構造11の高さよりも高い。第22C図では、発光装置1100の斜面(172C)は、発光構造11の高さよりも低い。第22C図に示すように、斜面(172C)は、高さ(D3)を有し、且つ発光構造11は、高さ(D4)を有し、そのうち、ΔD=D3-D4である。表2は、ΔD及び発光装置の発光角度の実験結果である。
【0098】
【表2】

表2から分かるように、D3がD4よりも小さいとき、ΔDの絶対値が大きいほど、発光装置1100の発光角度が大きい。発光装置1100の発光角度は、透光体12を覆わない発光構造11の発光角度に接近することができる。第19図との相違点は、第22B及び第22C図では、斜面172Cの上方が透光体12により覆われ、且つ、第19図における平面172A2を含む部分を有しないことにある。第22B図に示すように、斜面172Cを含む部分が、発光構造11よりも大きい高さを有する時に、発光装置1000が発する光は、斜面172Cを経由して透光体12の上方へ反射されて、発光装置1000を離れることができる。発光構造11の発光角度(例えば、140度)は、斜面172Cにより、発光装置1000の発光角度を小さくさせることができる(例えば、120度)。一方、第22C図に示すように、斜面172Cが、発光構造11よりも小さい高さを有する時に、発光構造11が発する一部の光は、斜面172Cで反射されず、発光装置1100を直接離れるので、発光装置1100の発光角度は、発光装置1000の発光角度よりも大きいが、発光構造11の発光角度よりも小さい(例えば、120度よりも大きく、140度よりも小さい)。斜面のところの部分の高さの設計により、発光装置が異なる発光角度を有すようにさせることができ、これにより、発光装置の応用分野を広げることができる。
【0099】
また、表1及び表2から分かるように、平面及び斜面の混合配置(例えば、第19図に示す構造)、又は、斜面が発光構造よりも高い(例えば、第22B図に示す構造)配置により、発光装置が比較的小さい所定発光角度(例えば、120度)を有するようにさせることができる。しかし、第二反射層に平面のみが配置され(例えば、第2C図に示す構造)又は第二反射層が配置されない発光装置に比べ、斜面のみが配置される第二反射層(発光構造よりも高く又は発光構造よりも低い)は、依然として発光装置の発光輝度を向上させることができる。
【0100】
第23A~23F図は、それぞれ、本発明の一実施例における発光装置の製造プロセスに関する断面図であり、第24A~24F図は、それぞれ、第23A~23F図の上面図である。そのうち、第23A~23F図は、それぞれ、第24A~24F図のW-W線の断面図である。便宜のため、後述の発光構造11は、図中で長方形のみを例として説明されるが、上面図では、その他の形状、例えば、正方形、台形、平行四辺形、菱形、三角形、五辺形、六辺形、円形も可能である。また、分かりやすいために、各構造は、非透明、透明又は半透明にもかかわらず、実線で示されている。第23A~23B図及び第24A~24B図については、第3A~3B図及び第4A~4B図並びにその対応する段落を参照することができる。
【0101】
第23C~23D及び24C~24D図を参照する。接着材26を載置板27に貼り付ける。第23B図の構造を透光体12の一方側から接着材26に貼り付けた後に、接着材21を加熱し又はUV光を接着材21に照射することで、発光構造11及び透光体12を接着材21から分離させ(接着材21及び載置板22は、第23C図に示されていない)、また、電極1118、1119を露出させる(電極1119は、図中に示されていない)。
【0102】
続いて、カッター23Bを以て切断線L(X方向)に沿って切断ステップを行い、且つ電極1118の側から透光体12を接着材26まで切断し(即ち、切断の深さ(H8)は、実質的に、透光体12の高さに等しい)、溝231を形成する。透光体12は、複数の互いに接続されない領域(A1~A3)に分割される。
【0103】
第23E~23F及び24E~24F図は、複数の反射粒子(図示せず)が基質に混入され、未固化状態の接着層を形成することを示している(接着層の色は、混入された反射粒子によるものであり、よくある色は、白色である)。接着層により透光体12及び溝231を覆う(好ましくは、溝231が接着層により完全に覆われ、又は、僅か一部の領域が覆われず、又は、気泡が残される)。完全に接着層を固化させて第二反射層17を形成する。第二反射層17については、前述の関連段落を参照することができる。続いて、切断線L(X方向及びY方向)に沿って切断ステップを行う。その後、接着材26を加熱し又はUV光を接着材26に照射することで、発光構造11、透光体12及び第二反射層17を接着材26から分離させ、複数の互いに独立した発光装置を形成する。一実施例では、切断プロセスにおいて、同時に透光体12及び第二反射層17を切断することができるため、一部の透光体12は、第二反射層17により覆われず、外部環境に露出する(詳細については、第22B図の記載を参照することができる)。或いは、切断位置を変更することで、第二反射層17の高さ、又は、透光体12と第二反射層17との接触のところの面積の大小、又は、透光体12が外部に露出する面積(高さ)を変更することができる。また、切断位置を変更するあことで、第二反射層17のみを切断し、これにより、第二反射層17は透光体12を覆い、第22A図に示すような発光装置を形成することもできる。
【0104】
第25A~25Dは、本発明の発光装置の製造プロセスに関する立体図である。第26A~26C図は、第25B~25D図の上面図である。同様に、便宜のため、後述の発光構造11は、図中で長方形のみを例として説明されるが、上面図では、その他の形状、例えば、正方形、台形、平行四辺形、菱形、三角形、五辺形、六辺形、円形も可能である。また、分かりやすいため、各構造は、不透明、透明又は半透明にもかかわらず、すべて、実線で示されている。
【0105】
第25A図を参照する。載置板22、載置板22に貼り付けられる接着材21、及び接着材21に設置される複数の発光構造11を提供する。一実施例では、発光構造11は、第一電極1118及び第二電極1119(図示せず)の側で接着材21に貼り付けられている。なお、第25A図の発光構造11の数及び配列方式は、例示に過ぎず、本発明は、これに限定されない。
【0106】
第25B及び26A図を参照する。複数のスルー孔371(through hole)を有する反射フレーム37を接着材21に設置し、これにより、複数の発光構造11がスルー孔371内に位置し且つ反射フレーム37が複数の発光構造11を囲むようにさせる。反射フレーム37と接着材21は共同で凹部38を形成し、反射フレーム37は、傾斜した内側壁371を有する。
【0107】
第25C及び26B図を参照する。波長変換粒子を含む透明体は、凹部38内に充填され、完全に発光構造11を覆う。その後、透明体を固化させて透光体12を形成する。
【0108】
第25D及び26C図を参照する。X方向に沿って切断ステップを行うことで、反射フレーム37を切断し、且つさらにY方向に沿って透光体12及び反射フレーム37を切断し、複数の互いに独立した発光装置を形成する。同様に、切断プロセスでは、反射フレーム37(第二反射層17)のみを切断した場合、第22A図のような発光装置900を形成することができる。或いは、同時に透光体12及び反射フレーム37(第二反射層17)を切断した場合、第22B図のような発光装置1000を形成することができる。
【0109】
第27A図は、サイドプロジェクション型液晶表示器のバックライトユニットの断面図である。バックライトユニットは、発光源901、導光板902、及び拡散板903を含む。発光源901は、載置板9011、載置板9011に設置される複数の発光装置100、及び載置板9011に形成されて発光装置を制御するための回路構造(図示せず)を含む。発光源901は、導光板902の二つの側辺に設置される。発光装置100が光を発する時に、発した光線(R)は、Z軸方向に沿って外へ射出する(発光装置100を離れる)ので、載置板9011は、導光板902と垂直である(即ち、発光装置100の発光面と載置板9011とが垂直である。)ように設置され、これにより、光線(R)を有効に導光板902に入射させることができる。光線(R)が導光板902に入射する時に、導光板902は、光線(R)の方向を拡散板903へ変更することができる。オプションとして、反射器904を、拡散板903に対向する導光板902に、光線(R)を反射するために設置されても良い。発光装置100の延伸電極15A、15Bは、半田(solder)により載置板9011の回路構造に固定される。一実施例では、載置板9011及び反射器904は、一体成形された構造であり且つL字形を有しても良く、また、発光装置100は、導光板902の一つの側辺のみに設置され、これにより、製造コストを低減し、組み立てプロセスを簡素化することができる。
【0110】
第27B図は、第27A図における発光源901及び導光板902の立体図である。発光装置100は、X方向に沿って一次元アレーに配列され、且つ第二反射層17は、載置板9011の長辺に平行である。本実施例では、発光装置100の数及び配列方式は、例示に過ぎず、本発明は、これに限定されない。発光装置100の長辺方向(X方向)における発光角度が130~150度であるため、本発明の発光装置100の間の距離(D5)は、12mm~15mmであり、且つ導光板902に暗い領域を生じさせることがない。異なる応用により、距離(D5)は、4mm~15mmであっても良い。
【0111】
第28図は、サイドプロジェクション型液晶表示器のバックライトユニットの断面図である。第27A図と同様であるが、第28図では、発光装置600により発光装置100を置換する。発光装置600は、一方側のみに第二反射層17が設置され、且つ第二反射層17が設置されない側が反射器904に面する。よって、発光装置100の光線(R)は、第二反射層17により反射されて反射器904へ射出し得る時に、さらに反射器904により拡散板903へ導かれ、これにより、サイドプロジェクション型液晶表示器の全体の明度(輝度)を向上させることができる。
【0112】
第29図は、サイドプロジェクション型液晶表示器のバックライトユニットの断面図である。発光源901は、載置板9011及び載置板9011に設置される複数個発光装置700を含む。発光装置700の多数の光線が、Y軸方向に沿って外へ射出する(発光装置700を離れる)ので、載置板9011が、導光板902と平行に設置される(即ち、発光装置700の発光面と載置板9011とが平行である)ため、有効に光線(R)を導光板902に入射させることができる。
【0113】
本発明の上述した各実施例は、本発明を説明するためだけのものであり、本発明の範囲を限定しない。本発明に対して行われる当業者に自明の修飾や変更はすべて本発明の精神及び範囲に属する。
【符号の説明】
【0114】
100、100’、100’’、100’’’、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100 発光装置
11、11D、11E、11F 発光構造
110 パターン化基板
1101 上表面
1102 下表面
103 第一側表面
1104 第二側表面
1105 第三側表面
1106 第四側表面
1110 孔
111A、111B 発光本体
1111 第一型半導体層
1112 活性層
1113 第二型半導体層
1114 第一絶縁層
1115 第二絶縁層
1116 導電層
1117 第三絶縁層
1118 第一電極
1119 第二電極
1120 オーム接触層
1161 第一領域
1162 第二領域
1163 第三領域
112 トレンチ
211 電極層
1124 上表面
12 透光体
121 上表面
122 下表面
123 第一側表面
124 第二側表面
125 第三側表面
126 第四側表面
13 波長変換体
131 波長変換粒子
14 第一反射層
15A、15B 延伸電極
151 第一端
152 第二端
17、17A、17B、17C 第二反射層
171、171’、171’’、171’’’、171A、171B、171C 外表面
172、172’、172’’、172’’’、172A、172B、172C 内表面
172A1 斜面
172A2 平面
173 上表面
174 下表面
21、26 接着材
22、27 載置板
23、23A、23B カッター
231 溝
251 上金型
252 下金型
2521、38 凹部
37 反射フレーム
371 スルー孔
901 発光源
9011 載置板
902 導光板
903 拡散板
904 反射器
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図13F
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図14F
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図15F
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図16F
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図17F
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図19
図19A
図19B
図19C
図20A
図20B
図20C
図20D
図20E
図20F
図20G
図21A
図21B
図21C
図21D
図21E
図21F
図21G
図22A
図22B
図22C
図23A
図23B
図23C
図23D
図23E
図23F
図24A
図24B
図24C
図24D
図24E
図24F
図25A
図25B
図25C
図25D
図26A
図26B
図26C
図27A
図27B
図28
図29