(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】仙腸関節インプラントシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/32 20060101AFI20230424BHJP
A61B 17/68 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
A61F2/32
A61B17/68
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017197687
(22)【出願日】2017-10-11
【審査請求日】2020-09-15
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-07
(32)【優先日】2016-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506298792
【氏名又は名称】ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・エス・サリヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ジェアダン・ブラール
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・シー・マリク
(72)【発明者】
【氏名】ニュートン・エイチ・メトカルフ
(72)【発明者】
【氏名】ドマゴイ・コリック
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・ヴァカロ
(72)【発明者】
【氏名】ヒューゴ・ベナルカサル
【合議体】
【審判長】内藤 真徳
【審判官】安井 寿儀
【審判官】松田 長親
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0310188(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0105833(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0012340(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0043378(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/56
A61F 2/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仙腸インプラントであって、
近位部分および遠位先端部を有し、
外側側面において近位端から遠位端まで全長にわたって延在するねじ山を備えたボディ
を備え、
前記近位部分が
内側側面と、均一の直径
を備えた外側側面と、を有し、
前記
内側側面が、前記ボディの前記近位端に配置されるとともに第1の器具表面に係合可能である第1の対合面と、前記第1の対合面に直接隣接するとともに第2の器具表面に係合可能である第2の対合面とを有し、
前記ボディの内部には、遠位先端部まで延在する長手方向のキャビティと、前記第2の対合面により画定され前記長手方向のキャビティに連通するソケットと、が設けられて
いる、
仙腸インプラント。
【請求項2】
前記第1の対合面が、外科用インサータとの接続インターフェース内で前記第1の器具表面に係合する、請求項1に記載の仙腸インプラント。
【請求項3】
前記第1の対合面が前記近位部分のねじ切りされた
内側側面を有する、請求項1に記載の仙腸インプラント。
【請求項4】
前記第2の対合面が、外科用ドライバーとのトルクインターフェース内で前記第2の器具表面に係合する、請求項1に記載の仙腸インプラント。
【請求項5】
前記第2の対合面が前記近位部分のヘクサロビュラ断面を画定する、請求項1に記載の仙腸インプラント。
【請求項6】
前記遠位先端部がテーパ状構成を有する、請求項1に記載の仙腸インプラント。
【請求項7】
前記ボディが長手方向軸を画定し、前記遠位先端部が、前記軸を基準として0度から15度の範囲内の角度で方向づけられた
外側側面を有する、請求項1に記載の仙腸インプラント。
【請求項8】
前記ボディが、前記長手方向のキャビティに連通した複数の側方開口部を画定する、請求項1に記載の仙腸インプラント。
【請求項9】
前記ボディの内部に配置される骨移植片をさらに備える、請求項1に記載の仙腸インプラント。
【請求項10】
仙腸インプラントであって、
シャフトおよび遠位先端部を有し、
外側側面において近位端から遠位端まで全長にわたって延在するねじ山を備えたボディ
を備え、
前記シャフトが、長手方向のキャビティを画定する
内側側面と、均一の直径を有する
外側側面とを有し、
前記
内側側面が、連続する配置で配置された接続インターフェース表面およびトルクインターフェース表面を有し、
前記長手方向のキャビティは、前記遠位先端部まで延在しており、
前記トルクインターフェース表面に対応するトルクインターフェースは、前記接続インターフェース表面に対応する接続インターフェースと、前記長手方向のキャビティとに連通して
いる、
仙腸インプラント。
【請求項11】
仙腸インプラントシステムであって
近位部分および遠位先端部を有し、
外側側面において近位端から遠位端まで全長にわたって延在するねじ山を備えた仙腸インプラントであって、前記近位部分が
内側側面と、均一の直径
を備えた外側側面と、を有し、前記
内側側面が、前記近位部分に配置された接続インターフェース表面と、前記接続インターフェース表面に直接隣接するトルクインターフェース表面を有し、長手方向のキャビティを備えた仙腸インプラントと、
前記接続インターフェース表面に係合可能である第1の表面および前記トルクインターフェース表面に係合可能である第2の表面を有する外科器具と、
を備え、
前記仙腸インプラントの前記長手方向のキャビティは、前記遠位先端部まで延在して
いる、
仙腸インプラントシステム。
【請求項12】
前記外科器具が、前記仙腸インプラントの位置を表す信号を通信するための、センサを基準として方向づけられる画像ガイドを有する、請求項11に記載の仙腸インプラントシステム。
【請求項13】
前記仙腸インプラントは、組織に接続されるガイドワイヤを配置するために、カニューレとして機能する、請求項11に記載の仙腸インプラントシステム。
【請求項14】
前記接続インターフェース表面が、ねじ切りされた表面を有し、前記トルクインターフェース表面は、前記近位部分のヘクサロビュラ断面を画定する、請求項11に記載の仙腸インプラントシステム。
【請求項15】
前記外科器具の前記第1の表面と前記第2の表面が、連続する配置で配置された、前記第1の表面に対応するねじ切りされた表面と前記第2の表面に対応するヘクサロビュラ形の駆動部分とを有する、請求項11に記載の仙腸インプラントシステム。
【請求項16】
前記第1の表面が、遠位側のねじ切りされた表面を有するスリーブを有し、前記第2の表面が駆動部分を有する、請求項11に記載の仙腸インプラントシステム。
【請求項17】
前記仙腸インプラントの内部に配置される骨移植片をさらに備える、請求項11に記載の仙腸インプラントシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、概して、筋骨格障害の治療のための医療デバイスに関し、より詳細には、仙腸関節を治療するための外科システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]仙腸関節は仙骨を骨盤の腸骨に接合する可動関節である。仙腸関節では、仙骨表面が、腸骨表面の線維軟骨に接触して動く硝子軟骨を有する。脊椎骨が、上半身の重量を仙骨と腸骨の接合部のところにおいて仙腸関節の上で支えるように構成される。身体の立位において仙腸関節に加えられる応力により腰背部が損傷しやすくなる。
【0003】
[0003]仙腸関節の障害は、仙腸関節の劣化および弛緩を患う患者の腰背部および周囲の臀部ならびに脚部に痛みを生じさせる可能性がある。一部の事例では、仙腸関節が他の軟骨性連結と同様に脱水症および不安定化を発症する可能性があり、これは大きな痛みの原因となる。また、仙腸関節は骨折および不安定性から外傷および劣化を受けやすい。仙腸関節の障害は背骨および神経根の症状を患う何百万の人々の痛みの原因であると推定される。
【0004】
[0004]薬物治療、注射、モビリゼーション、リハビリテーションおよび運動などの非外科治療は効果的であり得るが、これらの障害に付随する症状を和らげることができない可能性もある。これらの障害の外科治療には、治療領域に安定性を提供することを目的とした結合および/または固定のためにインプラントを使用することが含まれ得る。外科治療中、骨に固定して関節を固定化するためにインプラントを手術部位に送達するのに外科器具が使用され得る。本開示はこれらの従来の技法に対する改善を説明する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第6,021,343号
【文献】米国特許第6,725,080号
【文献】米国特許第6,796,988号
【文献】米国特許第8,842,893号
【文献】米国特許第7,188,998号
【文献】米国特許第7,108,421号
【文献】米国特許第7,106,825号
【文献】米国特許第7,001,045号
【文献】米国特許第6,940,941号
【文献】米国特許第8,057,407号
【文献】米国特許第5,913,820号
【文献】米国特許第5,592,939号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0005]一実施形態では、仙腸インプラントが提供される。仙腸インプラントは、近位部分および遠位先端部を有するボディを有する。近位部分は内側表面および均一の直径を有する。内側表面は、第1の器具表面に係合可能である第1の対合面と、第2の器具表面に係合可能である第2の対合面とを有する。システム、構成、器具および方法が開示される。
【0007】
[0006]一実施形態では、仙腸インプラントシステムが提供される。仙腸インプラントシステムは、近位部分および遠位先端部を有する仙腸インプラントを備える。近位部分は内側表面および均一の直径を有する。内側表面は、接続インターフェース表面およびトルクインターフェース表面を有する。外科器具が、接続インターフェース表面に係合可能である第1の表面と、トルクインターフェース表面に係合可能である第2の表面とを有する。
【0008】
[0007]以下の図面を伴う具体的な説明から本開示がより容易に明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】[0008]本開示の原理によるシステムの一実施形態の構成要素を示す斜視図である。
【
図2】[0009]
図1に示される構成要素を示す側面図である。
【
図3】[0010]
図1に示される構成要素を示す断面図である。
【
図4】[0011]
図1に示される構成要素を示す端面図である。
【
図5】[0012]
図3に示される構成要素を示す拡大切取図である。
【
図6】[0013]
図2に示される構成要素を示す拡大図である。
【
図7】[0014]本開示の原理によるシステムの一実施形態の構成要素を示す斜視図である。
【
図8】[0015]本開示の原理によるシステムの一実施形態の構成要素を示す側面図である。
【
図9】[0016]本開示の原理によるシステムの一実施形態の構成要素を示す側面図である。
【
図10】[0017]本開示の原理によるシステムの一実施形態の構成要素を示す側面図である。
【
図11】[0018]本開示の原理によるシステムの一実施形態の構成要素を示す側面図である。
【
図12】[0019]
図11に示される構成要素を示す断面図である。
【
図13】[0020]
図11に示される構成要素を示す斜視図である。
【
図14】[0021]
図11に示される構成要素を示す拡大切取図である。
【
図15】[0022]椎骨のところに配置された本開示の原理によるシステムの一実施形態の構成要素を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0023]開示される外科システムおよび関連の使用方法の例示の実施形態を、筋骨格障害の治療のための医療デバイスに関連させて、より具体的には、仙腸(SI:sacro-iliac)関節を治療するための外科システムおよび方法に関連させて考察する。いくつかの実施形態では、開示される外科システムおよび使用方法が、SI関節にかかる応力を低減しながら、安定性を提供し、構造的完全性を維持する。いくつかの実施形態では、本開示は、SIの機能障害または症候群、脱水症、不安定化、ならびに/あるいは、弛緩を含めた、筋骨格障害を治療するのに採用され得る。
【0011】
[0024]いくつかの実施形態では、本開示の外科システムはSIインプラントを備える。いくつかの実施形態では、SIインプラントはねじ切りされたボディを有する。いくつかの実施形態では、SIインプラントに、カニューレが挿入される。いくつかの実施形態では、SI関節の結合を強化するため、および骨盤の大きい骨および大きい骨片の固定を実現するために、SIインプラントが、有窓のボディを有する。いくつかの実施形態では、本システムは、患者の解剖学的構造に対応するように多様な長さを有するように提供される1つまたは複数のSIインプラントを有する1つまたは複数の脊椎構造物を有する。いくつかの実施形態では、SIインプラントが、SI関節の断裂および劣化的な仙腸関節炎を含めた状態のための、SI関節結合手技で利用される。
【0012】
[0025]いくつかの実施形態では、SIインプラントは、近位端から遠位端の先端部までボディの全長にわたって延在するねじ山の形状を有する全体にねじ切りされたボディを有する。いくつかの実施形態では、SI関節に跨る結合を促進することを目的として、骨の内方成長を可能にするために、ならびに、SIインプラントの内部におよび脊椎構造物の1つまたは複数の構成要素の上にまたはその周りに骨移植材料を詰め込むのを可能にするために、SIインプラントは、カニューレを挿入され、有窓である。いくつかの実施形態では、SIインプラントが、例えばインサータなどの外科器具とのねじ係合を容易にするために近位端に凹部を有する。いくつかの実施形態では、インサータが、ナビゲーションおよび/または動力付きドライバーの補助により手動で挿入を行うように構成される。
【0013】
[0026]いくつかの実施形態では、本外科システムは、SI関節の安定化および結合のための、テーパ状で、全体がねじ切りされ、カニューレを挿入され、有窓であるSIインプラントを有する。いくつかの実施形態では、本外科システムが、SI関節に起因する腰背部の痛みを治療するための方法で採用され得る。いくつかの実施形態では、本外科システムは、ねじ切りされたSIインプラントを有し、このSIインプラントは、カニューレを挿入され、有窓であり、SI関節の結合を強化し骨盤の大きい骨および大きい骨片の固定を実現するように設計される。いくつかの実施形態では、SIインプラントが、尖っていない構成を有する遠位先端部を有する。いくつかの実施形態では、SIインプラントが、ねじ切りされた部分を有する孔を有する。いくつかの実施形態では、ねじ切りされた部分が、修正手技を容易にするように構成される。いくつかの実施形態では、孔が接続部分および/またはトルク部分を有する。
【0014】
[0027]いくつかの実施形態では、本システムが、例えばX線透視装置または画像ガイダンスなどの手術ナビゲーションと共に使用される方法で採用される。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるシステムおよび方法は、例えば、1つの体位でシステムの構成要素を移植することで手技ステップおよび患者の体位の変更を排除することにより、外科手技の手術時間を短縮し、X線透視装置または画像ガイダンスによる放射線被曝を軽減する。
【0015】
[0028]いくつかの実施形態では、本システムが、手術台上で腹臥位をとる患者に対して上後腸骨棘を特定するステップを含むSI関節を治療するための方法で採用される。いくつかの実施形態では、特定ステップは、切開を行うための目印として上後腸骨棘を使用することを含む。いくつかの実施形態では、上後腸骨棘を特定することが、外科的アプローチによる血管破裂および筋肉の断裂を制限する。いくつかの実施形態では、この方法は、X線透視装置、または、例えばSI関節の腸骨側で上後腸骨棘に挿入されるガイドワイヤを使用して、軌道経路を確立するステップを含む。いくつかの実施形態では、例えば自家移植片および/または同種異系移植片などの骨移植材料がSI関節腔に挿入され、腸骨側と仙骨側との間の骨接触を引き起こす。いくつかの実施形態では、骨移植材料がねじのカニューレに挿入される。
【0016】
[0029]いくつかの実施形態では、本システムは、外科用ドライバーに取り付けられるSI固定ねじを有する。いくつかの実施形態では、SI固定ねじがSI関節を治療するための方法で採用され、この方法は、下向きの力を加えて、ねじを腸骨と面一にして仙骨の中に入れるまでねじをリーマーによって作られた経路に従わせて腸骨を通してさらには移植材料を通して腸骨の中へと移動させるステップを含む。いくつかの実施形態では、ねじの配置がX線透視装置および/または画像ガイダンスによって確認され、切開部が閉じられる。
【0017】
[0030]いくつかの実施形態では、本システムが、SI関節結合からのねじの取り外しのための方法で採用される。いくつかの実施形態では、この方法は、ねじに取り付けられるように構成されたインプラントインサータを提供するステップを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、SI結合手技を受けた患者のSI関節の腸骨側を露出するステップを含む。いくつかの実施形態では、チューブが切開部位の上に配置され得る。いくつかの実施形態では、ねじの背側面が明確に特定される。いくつかの実施形態では、ねじの背側面がX線透視装置および/または画像ガイダンスによって特定される。いくつかの実施形態では、インプラントインサータがねじの背側端部に再び取り付けられ、ねじが取り外される。
【0018】
[0031]いくつかの実施形態では、本システムは、SIインプラントと、例えば手術ナビゲーションなどの画像ガイダンスを採用する外科用インサータ(surgical insert)とを有する。いくつかの実施形態では、本システムは、SIインプラントと、SIインプラントを選択的に、精密に、かつ/または正確に外科用インサータに接続する外科用インサータとを有し、その結果、手術ナビゲーションに関連して、SIインプラントが外科用インサータから選択される距離だけ延在するようになる。いくつかの実施形態では、SIインプラントが、±1.0ミリメートル(mm)の精度および/または公差の範囲内で外科用インサータから選択される距離だけ延在する。いくつかの実施形態では、SIインプラントが外科用インサータから選択される距離だけ延在し、±0.5mmの精度および/または公差の範囲内で選択される距離を有する第1の構成要素インターフェースのところで接続される。いくつかの実施形態では、構成要素インターフェースが、±0.2mmの精度および/または公差の範囲内で選択される距離を有する。いくつかの実施形態では、構成要素インターフェースがSIインプラントのねじ切りされたポケットを有する。いくつかの実施形態では、外科用インサータが、ドライバーのシャフトに沿うように配置される浮動式相対回転スリーブを有する。いくつかの実施形態では、スリーブは、ドライバーがスリーブを通過してSIインプラントの第2の構成要素インターフェースに係合するのを可能にしながら、SIインプラントをドライバーの端部のところに選択的に位置させるための構成要素インターフェースの一部分を備える。いくつかの実施形態では、SIインプラントが、高い信頼性の外植のストラテジのために組織に対してSIインプラントを位置決めするための画像ガイダンスに関連して、外科用インサータから選択される距離だけ延在して外科用インサータに固定され、このストラテジには、SIインプラントを組織のところに位置させてSIインプラントを外植することが含まれてよい。
【0019】
[0032]いくつかの実施形態では、システムの構成要素のうちの1つまたはすべてが、使い捨てのピールパックのまたは予めパッキングされている無菌デバイスである。システムの構成要素のうちの1つまたはすべてが再使用可能であってよい。システムは、複数のサイズおよび構成にされた構成要素を備えるキットとして構成され得る。
【0020】
[0033]本開示の一部をなす添付図面の図に関連して実施形態の以下の詳細な説明を参照することにより、本開示がより容易に理解され得る。本出願が本明細書で説明されるおよび/または示される特定のデバイス、方法、状態またはパラメータのみに限定されないこと、ならびに、本明細書で説明される用語が単に例として特定の実施形態を説明するのを目的とし、限定することを意図されないこと、を理解されたい。いくつかの実施形態では、添付の特許請求の範囲を含めた本明細書で使用される場合の単数形「a」、「an」および「the」は複数も含み、特定の数値の参照は、文脈により他の意味で明記されない限り、少なくともその特定の値を含む。範囲は、本明細書では、「約(about)」または「およそ(approximately)」1つの特定の値から、ならびに/あるいは、「約」または「およそ」別の特定の値まで、と表されることがある。このような範囲が表される場合、別の実施形態が、その1つの特定の値から、ならびに/あるいは、その別の特定の値まで、を含む。同様に、値が、その前に置かれた語「約」を使用して近似値として表される場合、その特定の値が別の実施形態を形成することを理解されたい。また、例えば、水平、垂直、上部、上側(upper)、下側(lower)、下部、左側、および、右側などの、すべての空間的な参照は単に例示を目的としており、本開示の範囲内で変更され得ることを理解されたい。例えば、「上側(upper)」および「下側(lower)」という参照は相対的なものであり、他方との関係でのみ使用され、必ずしも「上位(superior)」および「下位(inferior)」ではない。
【0021】
[0034]添付の特許請求の範囲を含めた本明細書で使用される場合の、病気または状態の「治療の実施(treating)」および「治療(treatment)」とは、1つまたは複数の薬物を患者(通常のもしくはそれ以外の人間、または他の哺乳動物)に投与すること、移植可能なデバイスを採用すること、ならびに/あるいは、例えば、病気または状態の徴候または症状を軽減するために膨らんだ部分あるいは椎間板ヘルニアおよび/または骨棘などを除去するのに使用される微小の椎間板切除器具などの、病気を治療する器具を採用すること、を含み得る手技を実施することを意味する。病気または状態の兆候または症状が現れる前に、さらにはそれらが現れた後に、緩和を生じさせることができる。したがって、治療の実施または治療には、病気または望ましくない状態を防ぐことまたはその予防(例えば、その病気にかかりやすい可能性があるがまだその病気を有していない患者にその病気が発症するのを予防すること)が含まれる。加えて、治療の実施または治療は、兆候または症状の完全な緩和を必要とせず、治癒を必要とせず、具体的には、患者に対して限界効果のみを有する手技を含む。治療には、例えば病気の発現を止めるなど、病気を抑制すること、または、例えば病気の回復を引き起こすなど、病気を和らげることが含まれてよい。例えば、治療には、手術および/または任意の修復手技に付随するものとして、急性炎症または慢性炎を縮小すること、痛みを軽減および緩和すること、ならびに、新しい靭帯、骨および他の組織の再生を誘発することが含まれてよい。添付の特許請求の範囲を含めた本明細書で使用される場合の「組織」という用語は、特に明記しない限り、軟組織、筋肉、靭帯、腱、軟骨、および/または、骨を含む。
【0022】
[0035]以下の考察は、本開示の原理による、SIインプラントを有する外科システム、関連の構成要素、および、外科システムを採用する方法の説明を含む。代替的実施形態も開示される。添付図に示される本開示の例示の実施形態を詳細に参照する。
図1~6を参照すると、SIインプラントシステム10の構成要素が示されている。
【0023】
[0036]SIインプラントシステム10の構成要素は、金属、合成重合体、セラミック、および、骨物質、ならびに/あるいは、それらの複合材料を含めた、医療用途に適する生物学的に許容される材料から製作され得る。例えば、SIインプラントシステム10の構成要素は、個別にまたはまとめて、ステンレス鋼合金、アルミニウム、商用の純チタン、チタン合金、グレード5チタン、超弾性チタン合金、コバルト-クロム合金、超弾性金属合金(例えば、ニチノール、GUM METAL(登録商標)などの超弾塑性型金属)、セラミックおよびリン酸カルシウムなどのその複合材料(例えば、SKELITE(商標))、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)およびポリエーテルケトン(PEK)を含めた、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)などの熱可塑性物質、炭素-PEEK複合材料、PEEK-BaSO4、重合ゴム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、繊維、シリコーン、ポリウレタン、シリコーン-ポリウレタン・コポリマー、重合ゴム、ポリオレフィンゴム、ヒドロゲル、半剛性材料および剛性材料、エラストマ、ゴム、熱可塑性エラストマ、熱硬化性エラストマ、エラストマ複合材、ポリフェニレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンを含めた剛性ポリマー、エポキシ、自家移植片、同種異系移植片、異種移植片あるいは遺伝子組み換えの皮質骨および/または皮質海綿骨、ならびに、組織成長因子または組織分化因子を含めた骨材料、例えば、金属とカルシウムベースのセラミックとの複合材料、PEEKとカルシウムベースのセラミックとの複合材料、PEEKと再吸収可能ポリマーとの複合材料などの部分的に再吸収可能な材料、リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム(TCP)、ヒドロキシアパタイト(HA)-TCP、硫酸カルシウムなどの例えばカルシウムベースのセラミックなどの完全に再吸収可能な材料、あるいは、ポリアエチド、ポリグリコライド、ポリチロシンカーボネート、ポリカプロラクトンおよびそれらの組み合わせなどの他の再吸収可能なポリマー、などの材料から製作され得る。
【0024】
[0037]SIインプラントシステム10の種々の構成要素は、強度、剛性、弾性、適合性、生体力学的性能、耐久性、および、放射線透過性または撮像性能などの種々の所望の特性を得るために、上記の材料を含む材料複合材を有することができる。SIインプラントシステム10の構成要素はまた、個別にまたはまとめて、上で説明した材料のうちの2つ以上の材料の組み合わせなどの、不均一材料から製作されてもよい。SIインプラントシステム10の構成要素は、モノリシックに形成され得るか、一体に接続され得るか、あるいは、本明細書で説明されるような固定要素および/または器具を有することができる。
【0025】
[0038]SIインプラントシステム10は、例えばSIインプラント12などのインプラントを有する。SIインプラント12は、本明細書で説明されるような、および、劣化または外傷によって生じるものを含めて、SI関節障害の治療で使用されるように構成される。SIインプラント12はボディ14を有する。ボディ14は軸X1を画定する。いくつかの実施形態では、ボディ14は、例えば、楕円構成、長円構成、三角形構成、正方形構成、多角形構成、不規則な構成、一様な構成、非一様な構成、変化する構成、中空構成、および/または、テーパ状構成など、多様に構成されてよい。ボディ14は、例えばシャフト16などの近位部分、および、遠位先端部18を有する。
【0026】
[0039]シャフト16は、円筒形断面を有し、端部52と端部54との間を延在する。シャフト16は、長手方向のキャビティ22を画定する内側表面20を有する。いくつかの実施形態では、キャビティ22が軸X1に沿って延在する。いくつかの実施形態では、キャビティ22が、軸X1を基準として、例えば、垂直、横方向、および/または、鋭角もしくは鈍角などの角度付きの方向などの、種々の向きで配置されてよい。キャビティ22はボディ14を通って延在し、その結果、SIインプラント12がカニューレ挿入構成を有するようになる。いくつかの実施形態では、キャビティ22がシャフト16の全体または一部分のみを通って延在する。いくつかの実施形態では、キャビティ22が先端部18の全体または一部分のみを通って延在する。
【0027】
[0040]端部52がシャフト16の最も近位側の端面を有する。最も近位側の端面は実質的に平坦なプロフィールを有し、軸X1に対して実質的に垂直な平面内に配置される。いくつかの実施形態では、最も近位側の端面は、軸X1を基準として、例えば、垂直、横方向、および/または、鋭角もしくは鈍角などの角度付きの方向などの、種々の向きで配置されてよい。端部52および表面20が対合面32を有し、対合面32はねじ切りされており、隣接する最も近位側の端面に隣接して配置される。いくつかの実施形態では、表面32のすべてまたは一部分がねじ切りされる。いくつかの実施形態では、端部52が、表面32を有する凹部またはポケットを画定する。
【0028】
[0041]表面32は、本明細書で説明されるように、選択される位置で外科器具に対してSIインプラント12を解放可能に固定して手術部位へのSIインプラント12の誘導、挿入および操作を容易にするために、本明細書で説明されるような外科器具との接続インターフェースの一部分を備える。いくつかの実施形態では、表面32が、外科器具に対してSIインプラント12を固定するために、本明細書で説明されるように、外科器具とのねじ切りされた接続部を提供する。いくつかの実施形態では、SIインプラント12が外科器具に接続され、その結果、本明細書で説明されるように、手術ナビゲーションを使用する治療に関連して、SIインプラント12が外科器具から選択される距離だけ延在するようになる。
【0029】
[0042]表面32は、
図3に示されるように、シャフト16の最も近位側にある端面からキャビティ22の中まで測定される距離Aだけ延在する。いくつかの実施形態では、距離Aは、本明細書で説明されるように外科器具を基準としてSIインプラント12を配置しおよび/またはSIインプラント12を外科器具から延在させるために、ならびに、外科器具および/または組織を基準としたSIインプラント12の位置の印を提供するために、本明細書で説明されるように画像ガイダンスに関連してSIインプラント12を外科器具に接続するように選択される。いくつかの実施形態では、選択される距離Aが、高い信頼性の外植のストラテジのために組織に対してSIインプラント12を位置決めするための画像ガイダンスに関連して外科器具に対してSIインプラント12を効果的に固定し、このストラテジにはSIインプラント12を組織のところに位置させてSIインプラント12を外植することが含まれてよい。いくつかの実施形態では、距離Aが2mmから8mmの範囲内で選択され得る。いくつかの実施形態では、選択される距離Aが4mmである。いくつかの実施形態では、表面32が±5mmの精度および/または公差の範囲内で選択される距離Aだけ延在する。いくつかの実施形態では、表面32が±0.2mmの精度および/または公差の範囲内で選択される距離Aだけ延在する。
【0030】
[0043]端部52および表面20が、ソケット42を画定する対合面を有する。ソケット42は、表面32に接続され、および/または、表面32に直接に隣接する。いくつかの実施形態では、ソケット42が表面32から離間されて表面32に隣接して配置されてよい。ソケット42が表面32の遠位側で直接に隣接して配置され、ソケット42および表面32が軸X1に沿う連続する配置で同軸に配置される。いくつかの実施形態では、ソケット42および表面32が、例えば、近位-遠位、横方向、垂直、オフセット、非同心、または、スタガードなどの、互いに互い違いの配置で配置され得る。いくつかの実施形態では、端部52が、表面32を有する凹部またはポケット、およびソケット42を画定する。
【0031】
[0044]ソケット42を画定するシャフト16の表面は、本明細書で説明されるように、外科器具の駆動表面に係合するように構成される。ソケット42は、駆動表面に対応するように成形された部分を配置するためおよびそれと係合するためのヘクサロビュラ断面を画定する。いくつかの実施形態では、ソケット42が、駆動表面の対応するように成形される部分を配置するためのおよびそれと係合するための、十字形、フィリップスねじ、正方形、多角形または星形の断面構成を画定する。いくつかの実施形態では、ソケット42を画定するシャフト16の表面と外科器具の駆動表面との間で、緊密な嵌合係合および/または締まり嵌めが形成される。ソケット42を画定するシャフト16の表面は、本明細書で説明されるように、SIインプラント12を駆動するため、SIインプラント12を回転させるため、SIインプラント12にトルクを与えるため、SIインプラント12を挿入するため、SIインプラント12を移植するため、または、例えば、SI関節の関節面、仙骨および腸骨などの組織にSIインプラント12をその他の形で接続するために、本明細書で説明されるように、駆動表面とのトルクインターフェースの一部分を備える。
【0032】
[0045]シャフト16は、ねじ山56を有する外側表面50を有する。ねじ山56は、
図6に示されるように、端部52と端部54の間でシャフト16の長さLに沿って延在する。ねじ山56は表面50に沿って連続する。いくつかの実施形態では、ねじ山56が、断続的、スタガード、不連続であってよく、ならびに/あるいは、一筋のねじ山または複数の別個のねじ山を有することができる。いくつかの実施形態では、シャフト16を組織に係合させるのを容易にするための、例えば、爪構成、逆とげ、拡張要素、隆起要素、リブ、および/または、とげ、などの、他の貫通要素がシャフト16上に位置してよい。いくつかの実施形態では、ねじ山56がセルフタッピングであるかまたは断続的であってよい。いくつかの実施形態では、長さLは、25mmから75mmを含む範囲から選択される距離である。
【0033】
[0046]ねじ山56は、
図3および
図4に示されるように、外形D2および内径D3を有する。いくつかの実施形態では、径D2および/または径D3が長さLに沿って一様である。いくつかの実施形態では、ねじ山の形状56の後縁58が、組織からSIインプラント12が後方に外れるのに抵抗するためにおよび/またはそれを防止するために、表面50に対して垂直に配置される。いくつかの実施形態では、ねじ山の形状56の前縁60が、SIインプラント12を組織に係合させるのを容易にするために表面50に対して横向きに配置される。いくつかの実施形態では、ねじ山56が経関節(trans-articular)であり、仙腸関節の安定化および固定化を目的として仙腸関節に対してSIインプラント12を固着するために、骨を含めた仙骨の組織を貫通する。いくつかの実施形態では、シャフト16の全体または一部分のみが、例えば、ねじ切りされない構成、弓形構成、起伏を有する構成、実質的に滑らかな構成、粗い構成、爪付きの構成、半多孔質構成、窪みを有する構成および/もしくは研磨された構成、摩擦嵌合のためのテクスチャ加工された構成、および/または、組織に対する固定を容易にするために圧着向けにオーバーサイズにされた構成などの、ボディのキャビティ有する代替の固定構成のための代替の表面構成を有してもよく、ならびに/あるいは、アンカー、逆とげ、爪、戻り止めおよび/またはスロットなどの、固定要素を有してもよい。
【0034】
[0047]いくつかの実施形態では、シャフト16が例えば窓62などの複数の側方開口部を有する。窓62は、表面20と表面50との間を延在し、キャビティ22に連通する。いくつかの実施形態では、窓62は、手術部位に隣接する箇所で骨成長を促進するために、キャビティ22内に配置された薬剤が流れるのを可能にする。
【0035】
[0048]いくつかの実施形態では、薬剤が、例えば、本明細書で説明されるように、組織に対しての脊椎構造物のSIインプラント12および/または他の構成要素の固定を強化するための例えば骨移植片などの、骨成長促進材料を含むことができる。この薬剤には、例えば、インプラントデバイス、骨の同種異系移植片、骨の異種移植片、任意の数の骨ではないインプラント(例えば、セラミック、金属、重合体)、骨形態形成タンパク質、および/または、生体吸収性の組成物、を受ける患者から採取される例えば自家骨などの骨形成材料が含まれてよい。例えば、骨形成材料は、リン酸カルシウムまたは硫酸カルシウムのミネラルなどのミネラル、異種移植片、同種異系移植片または自家移植片の骨を含めた骨を含むことができる。骨形成材料は、無機質減少骨マトリックス(DBM:demineralized bone matrix)、組織から組み換え技術によって作られるかまたは組織から精製されるかのいずれかの場合の骨形成タンパク質などの骨誘導因子(例えば、ヒトBMP-2またはヒトBMP-7あるいはそのヘテロダイマー)、あるいは、LIM石灰化タンパク質(LMP:LIM mineralization protein)、などをさらに含むことができる。骨形成材料は、SIインプラント12および/または脊椎構造の他の構成要素のキャビティ内でコンパクトになるときに三次元的に安定した塊となるように、血液、凝結可能な血液分画、血小板ゲル、コラーゲン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、あるいは、より固い粒子またはミネラル粒子などの材料(例えば、骨材料または合成ミネラルの粒子)に結合するように機能する他の同様の材料などの、結合材料をさらに含むことができる。
【0036】
[0049]いくつかの実施形態では、薬剤が他の生物活性剤または他の活性剤を含むことができ、これには、例えば、痛み、炎症および劣化を治療するためにSI関節の中に持続放出されることを含めて放出されるための1つまたは複数の治療薬および/または薬理作用のある物質が含まれてよい。薬剤は、例えば、抗生物質、鎮痛剤、鎮痛薬、麻酔薬、限定しないがステロイドを含めた抗炎症薬、抗ウイルス化合物および抗レトロウイルス化合物、治療用タンパク質または治療用ペプチド、治療用核酸(ネイキッドプラスミド、または、integratingもしくはnon-integratingの遺伝子療法のベクトルシステムの構成要素として)、ならびにそれらの組み合わせなどの薬理作用のある物質を含むことができる。
【0037】
[0050]先端部18は、
図6に示されるように、端部72と端部74との間を延在する外側表面70を有する。表面70は、先端部18のテーパ状構成を形成する、軸X1に対して横向きに配置されるプロフィールを画定する。いくつかの実施形態では、表面70が軸X1を基準として10度から15度の範囲内にある角度αのところに配置される。端部72は径D4を画定し、表面70は端部74のところで径D5となるように先細であり、それにより先端部18のテーパ状のプロフィールを画定し、これが組織を貫通するのを容易にする。いくつかの実施形態では、先端部18が、腸骨および仙骨の皮層などの組織への挿入を容易にしてその組織が裂けるのを低減するための例えば面取り部分を有するような、テーパ状である。先端部18の最も遠位側の表面は尖っていない構成を有する。いくつかの実施形態では、先端部18の最も遠位側の表面は鋭利なポイントを有する。
【0038】
[0051]表面70が、先端部18の長さL1に沿って延在するねじ山76を有する。ねじ山76は表面70に沿って連続する。いくつかの実施形態では、ねじ山76は、断続的、スタガード状、不連続であってよく、ならびに/あるいは、一筋のねじ山または複数の別個のねじ山を有することができる。いくつかの実施形態では、先端部18を組織に係合させるのを容易にするための、例えば、爪構成、逆とげ、拡張要素、隆起要素、リブ、および/または、とげ、などの、他の貫通要素が先端部18上に位置してよい。いくつかの実施形態では、ねじ山76がセルフタッピングであるかまたは断続的であってよい。いくつかの実施形態では、ねじ山56が第1のねじ山の形状を有し、ねじ山76が、ねじ山56と同じであってもまたは異なっていてもよい第2のねじ山の形状を有する。いくつかの実施形態では、ねじ山76が、ねじ山56とは異なるピッチ、径および/またはクレスト形状を有することができる。いくつかの実施形態では、ねじ山76がねじ山76と一体である。
【0039】
[0052]組立て時、手術時および使用時、SIインプラントシステム10は、本明細書で説明されるシステムおよび方法と同様に、患者のSI関節を治療するための外科手技で採用される。SIインプラントシステム10は他の外科手技で採用されてもよい。いくつかの実施形態では、SIインプラントシステム10が、本明細書で説明されるように、多様な構成および/または寸法の複数のSIインプラント12を有するキットを備える。いくつかの実施形態では、SIインプラント12が、手術部位での治療で採用されるためのキットから選択される。SIインプラント12は、本明細書で説明されるように、例えば、医療撮像およびナビゲーションシステム(図示せず)の
図7に示されるようなナビゲーション構成要素200などの、画像ガイドを利用したSIインプラント12の挿入および操作を容易にするために、外科器具120に接続される。
【0040】
[0053]外科器具120は、
図7~10に示されるようなドライバー124を有する。ドライバー124は、端部126と端部128との間を延在するシャフト125を有する。ドライバー124は長手方向軸X1を画定する。いくつかの実施形態では、シャフト125の全体または一部分が、例えば、円形構成、楕円構成、長円構成、三角形構成、正方形構成、六角形構成、多角形構成、不規則な構成、一様な構成、非一様な構成、および/または、テーパ状構成など、交互的な断面構成を有することができる。いくつかの実施形態では、外科器具120が、タップ、ドリルまたはスクリュドライバーを備えることができ、ならびに/あるいは、タップ、ドリルまたはスクリュドライバーに接続され得る。
【0041】
[0054]端部126は、ヘクサロビュラ形の駆動部分132を有する対合面130を有する。駆動部分132は、ソケット42を画定するシャフト16の表面に係合可能である。駆動部分132は端部126の最も遠位側の表面を有する。いくつかの実施形態では、駆動部分132が、緊密な嵌合係合および/または締まり嵌めでソケット42の表面に接触する。駆動部分132は、SIインプラント12を駆動するため、SIインプラント12を回転させるため、SIインプラント12にトルクを与えるため、SIインプラント12を挿入するため、SIインプラント12を移植するため、または、腸骨および仙骨の骨に隣接するところでSI関節の関節面にSIインプラント12をその他の形で接続するために、ソケット42の表面とのトルクインターフェースの一部分を備える。いくつかの実施形態では、駆動部分132が、ソケット42の表面に係合するように構成された、正方形、三角形、多角形、星形またはトルクス(登録商標)の断面を有することができる。
【0042】
[0055]端部128は、端部128に隣接した位置でシャフト125に配置される円周方向フランジ136を有し、これは、本明細書で説明されるように、シャフト125に沿った選択される位置でナビゲーション構成要素200に接続されて、手術部位へのSIインプラント12の誘導、挿入および操作を容易にする。いくつかの実施形態では、フランジ136がドライバー124に沿う他の種々の位置に配置されてもよい。フランジ136は、最も近位側の表面を有し、ナビゲーション構成要素200との組立てを容易にするように構成される。フランジ136は、本明細書で説明されるように、手術ナビゲーションシステムを使用する治療に関連してSIインプラントシステム10の構成要素をナビゲーションシステム200から選択される距離にするのに採用される。アダプタ140が、例えば、動力付きのドリル、ハンドドリルまたは他のツールなどのアクチュエータ142との解放可能な係合を容易にするために、シャフト125に係合可能である。
【0043】
[0056]外科器具120は、手術部位に送達するためのSIインプラント12の挿入および操作を容易にするために、
図8~14に示されるようなインサータ150を有する。インサータ150はスリーブ152を有する。スリーブ152は端部154と端部156との間を延在する。端部154は、遠位側を向く表面を画定するショルダ170を有する。
【0044】
[0057]スリーブ152は、カラー180に取り付けられるハウジング153を有する。カラー180は、スリーブ152をドライバー124に接続するためにピン182を介してシャフト125に固定される。カラー180は、軸X1に沿って固定され、本明細書で説明されるように、手術部位へのSIインプラント12の誘導、挿入および操作を容易にするように、シャフト125を用いてスリーブ152を捕捉して軸X1に沿うスリーブ152の軸方向位置を固定するために、ハウジング153の開口部183の中まで延在する。スリーブ152は、ドライバー124を基準として軸X1を中心に回転可能である。例えば、本明細書で説明されるように、シャフト125が駆動部分132にトルクを与えるために回転させられるとき、スリーブ152の回転に抵抗するようにおよび/またはスリーブ152の回転を防止するように、スリーブ152が手動で保持され得る。したがって、スリーブ152が固定され、シャフト125が回転させられ、その結果、カラー180がハウジング153を基準として開口部183を通って回転するようになる。別の実施例では、シャフト125が固定され得、スリーブ152がドライバー124を基準として手動で回転させられ得、その結果、開口部183が、例えば、本明細書で説明されるように、スリーブ152をSIインプラント12に接続するためにおよびスリーブ152をSIインプラント12から解放するために、カラー180を中心として回転するようになる。スリーブ152は、表面158を有するシャフト155を有する。表面158は、その中にドライバー124を配置して相対的に回転させるように構成される通路160を画定する。
【0045】
[0058]スリーブ152がシャフト125に接続され、その結果、SIインプラント12が、本明細書で説明されるように、手術ナビゲーションを使用する治療に関連して外科器具120から選択される距離だけ延在するようになる。ショルダ170の遠位側を向く表面が、フランジ136の最も近位側の表面から測定される距離Yだけ延在する。いくつかの実施形態では、外科器具120を基準としておよび/または外科器具120から延在するようにSIインプラント12を配置するために、ならびに、外科器具120および/または組織を基準としたSIインプラント12の位置の印を提供するために、ナビゲーション構成要素200に接続されるドライバー124に対してスリーブ152を接続するように、距離Yが選択される。いくつかの実施形態では、距離Yが170mmから225mmの範囲内で選択され得る。いくつかの実施形態では、選択される距離Yが201mmである。いくつかの実施形態では、距離Yが、±0.25mmの精度および/または公差の範囲内の選択される距離だけ延在する。いくつかの実施形態では、距離Yが、±0.12mmの精度および/または公差の範囲内の選択される距離だけ延在する。
【0046】
[0059]ショルダ170の遠位側を向く表面は実質的に平坦なプロフィールを有し、軸X1に対して実質的に垂直な平面内に配置される。いくつかの実施形態では、ショルダ170の遠位側を向く表面が、軸X1を基準として、例えば、垂直、横方向、および/または、鋭角もしくは鈍角などの角度付きの方向などの、種々の向きで配置されてよい。端部152は、例えばねじ切りされた表面162などの対合面を有する。いくつかの実施形態では、表面162の全体または一部分がねじ切りされる。表面162は、本明細書で説明されるように、手術部位へのSIインプラント12の誘導、挿入および操作を容易にするように、ナビゲーション構成要素200を基準とした選択される位置で外科器具120に対してSIインプラント12を解放可能に固定するために、表面32との接続インターフェースの一部分を備える。
【0047】
[0060]表面162は、ショルダ170の遠位側を向く表面から距離A1だけ延在する。いくつかの実施形態では、スリーブ152および/またはドライバー124を基準としてならびに/あるいはスリーブ152および/またはドライバー124から延在するようにSIインプラント12を配置するために、また外科器具120および/または組織を基準としたSIインプラント12の位置の印を提供するために、外科器具120に対してSIインプラント12を接続するように、距離A1が選択される。いくつかの実施形態では、距離A1が2mmから8mmの範囲内で選択され得る。いくつかの実施形態では、選択される距離A1が3.5mmである。いくつかの実施形態では、表面162が、±0.5mmの精度および/または公差の範囲内の選択される距離A1だけ延在する。いくつかの実施形態では、表面162が、±0.2mmの精度および/または公差の範囲内の選択される距離A1だけ延在する。いくつかの実施形態では、距離A1が距離Aに等しい。表面162が表面32に接続され、その結果、本明細書で説明されるように、SIインプラント12が外科器具120およびナビゲーション構成要素200から選択される距離だけ延在する。
【0048】
[0061]外科器具120は、例えば本明細書で説明されるようなナビゲーション構成要素200などの、画像ガイドを有する。ナビゲーション構成要素200は、外科器具120およびSIインプラント12の位置を表す信号をナビゲーションシステムに対して発生させるように構成される。いくつかの実施形態では、画像ガイドが、X線、X線透視装置、CTまたは他の撮像技術で識別するためのマーカーを有する1つまたは複数の構成要素、少なくとも1つの発光ダイオード、無線コンポーネント、有線コンポーネント、近距離無線通信コンポーネント、ならびに/あるいは、音波信号、磁気信号、電磁信号および/または放射線学的な信号を発する1つまたは複数の構成要素を有することができる。
【0049】
[0062]ナビゲーション構成要素200は、シャフト125を用いて配置されるように構成されるハウジング202を有する。ハウジング202は、シャフト125を基準として軸A1を中心として回転可能である。いくつかの実施形態では、ハウジング202がシャフト125に対して軸方向に固定され、その結果、ハウジング202がシャフト125に接続され、シャフト125を基準としたハウジング202の軸方向の平行移動が抵抗および/または防止される。
【0050】
[0063]ナビゲーション構成要素200は、ハウジング202から延在してポスト206を介してハウジング202に接続されるエミッタアレイ204を有する追跡デバイスを有する。エミッタアレイ204は、シャフト125を基準として軸A1を中心としてハウジング202と共に回転可能である。いくつかの実施形態では、エミッタアレイ204がシャフト125に対して軸方向に固定され、その結果、シャフト125を基準としたエミッタアレイ204の軸方向の平行移動が抵抗および/または防止される。いくつかの実施形態では、エミッタアレイ204が回転方向および/または軸方向において調整され得る。いくつかの実施形態では、エミッタアレイ204が、軸A1を基準として、例えば、平行方向、垂直方向、横方向、および/または、鋭角もしくは鈍角などの角度付きの方向などの、代替的な配置で配置されてよい。
【0051】
[0064]エミッタアレイ204は、患者の解剖学的構造の一部分を基準とした外科器具120およびSIインプラント12の空間位置および/または軌道、ならびに/あるいは、患者の解剖学的構造内でのSIインプラントの深さを表す信号を発生させるように構成される。エミッタアレイ204は、概略X形状を有する4つの離間されたアームを有する。エミッタアレイ204は、例えば基準208などのマーカーを有する。基準208は、基準点または測定点として使用されるために、手術ナビゲーションシステム(図示せず)によって作られる画像内に現れる。エミッタアレイ204は、患者の解剖学的構造の種々の身体基準点の位置を表す信号を発生させる。
【0052】
[0065]外科器具120が手術部位に隣接して配置されるように構成され、その結果、ナビゲーション構成要素200が手術ナビゲーションシステムのセンサアレイを基準として方向づけられる。センサアレイを基準としてナビゲーション構成要素200を方向づけることで、本明細書で説明されるように、外科手技中でのナビゲーション構成要素200とセンサアレイとの間の通信が容易となる。センサアレイは、本明細書で説明されるように、患者の解剖学的構造の一部分を基準とした外科器具120およびSIインプラント12の空間位置および/または軌道に関する情報を提供するためのエミッタアレイ204からの信号を受信する。例えば、参照により参考文献の各々のその開示全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,021,343号、第6,725,080号、第6,796,988号で説明される同様の手術ナビゲーション構成要素およびその使用を参照されたい。いくつかの実施形態では、ナビゲーション構成要素200が少なくとも1つの発光ダイオードを有する。いくつかの実施形態では、ナビゲーション構成要素200が、例えば、音波信号、磁気信号、電磁信号、放射線信号を能動的に発する追跡デバイスなどの、センサアレイによって追跡され得る他の追跡デバイスを有してもよい。
【0053】
[0066]手術ナビゲーションシステムは、例えば、所与の外科手技に適するX線画像などの、医療画像を取得および表示するように構成される。いくつかの実施形態では、患者の予め取得された画像が収集される。いくつかの実施形態では、手術ナビゲーションシステムは、米国、コロラド州、Louisvilleに事業所を有するMedtronic Navigation,Inc.から販売されるO-arm(登録商標)撮像デバイスを有することができる。撮像デバイスが、画像捕捉部分を囲む概略環状のガントリハウジングを有することができる。
【0054】
[0067]いくつかの実施形態では、画像捕捉部分が、画像捕捉部分の軌道を基準として互いに概略180度となるようにまたは実際的に可能な限り180度となるように位置してロータ上に設置される、X線源またはX線放射部分と、X線受信部分または画像受信部分とを有することができる。画像捕捉部分は、画像取得中、360度回転するように動作可能であり得る。画像捕捉部分が中心点または中心軸の周りを回転することができ、それにより、複数の方向からまたは複数の面において患者の画像データを取得することが可能となる。この手術ナビゲーションシステムには、参照により参考文献の各々のその開示全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,842,893号、第7,188,998号、第7,108,421号、第7,106,825号、第7,001,045号および第6,940,941号で開示されるものが含まれてよい。
【0055】
[0068]いくつかの実施形態では、手術ナビゲーションシステムが、患者の三次元像を生成することができるC-armX線透視撮像システムを有することができる。画像捕捉部分の位置は、撮像デバイスの任意の他の部分を基準として正確に知られ得る。いくつかの実施形態では、画像捕捉部分の位置を正確に知ることが、患者を基準とした画像捕捉部分および画像データの位置を決定するために、追跡システムと併せて利用され得る。
【0056】
[0069]追跡システムが、手術ナビゲーションシステムに付随するかまたは含まれる種々の位置を有することができる。いくつかの実施形態では、追跡システムが、例えばセンサアレイなどの光学ローカライザを有する光学追跡システム、ならびに/あるいは、EMローカライザを有することができるEM追跡システムなどの、複数のタイプの追跡システムをさらに有することができる。種々の追跡デバイスが追跡システムによって追跡され得、その情報が、例えばナビゲーション構成要素200などの、例えば、患者追跡デバイス、撮像デバイス追跡デバイス、および、器具追跡デバイスなどのアイテムの位置を表示するのを可能にために、手術ナビゲーションシステムによって使用され得、それにより、適切な追跡システムを用いて、選択される位置を互いを基準として追跡することが可能となる。
【0057】
[0070]いくつかの実施形態では、EM追跡システムが、コロラド州、Louisvilleに事業所を有するMedtronic Navigation,Inc.から販売されるSTEALTHSTATION(登録商標)AXIEM(商標)ナビゲーションシステムを有することができる。また、例示の追跡システムが、参照により参考文献の各々のその開示全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,057,407号、第5,913,820号、第5,592,939号に開示されている。
【0058】
[0071]撮られたX線透視画像がコンピュータに送信され、そこで、X線透視画像が手術ナビゲーションコンピュータに転送される。有線および無線を含めた標準的なビデオ接続またはデジタルリンク上で画像の伝達が実施され得る。コンピュータは、受信された画像をモニタを介して表示する能力、さらには、受信された画像を保存する、デジタル操作する、または、受信した画像のハードコピーを印刷する能力を提供する。いくつかの実施形態では、画像がさらに、ヘッドアップディスプレイを通して外科医に対して表示される。
【0059】
[0072]いくつかの実施形態では、手術ナビゲーションシステムが、外科器具120およびSIインプラント12の実時間での追跡を可能にする。センサアレイが、本明細書で説明されるエミッタアレイ204との間に明瞭な視線を提供するように位置する。いくつかの実施形態では、エミッタアレイ204が赤外線技術を介してセンサアレイと通信する。センサアレイはコンピュータに連結され、このコンピュータが、検出装置の空間内の各物体の位置を決定するためにセンサアレイによって送信される信号を分析するソフトウェアモジュールを用いてプラグラムされ得る。プロセッサがその情報をモニタに送り、モニタが、患者の解剖学的構造を基準とした外科器具120およびSIインプラント12の位置の視覚的表現を可能にし、それにより医師が外科器具120およびSIインプラント12を患者の解剖学的構造内の所望の場所まで移動させることが可能となる。
【0060】
[0073]いくつかの実施形態では、患者追跡デバイスが基準フレームを提供する。基準フレームは、インプラントを受ける身体の領域内で解剖学的構造にしっかりと取り付けられ得る。患者追跡デバイスを感知することにより、コンピュータが検出装置空間内での解剖学的構造の位置を決定することができる。センサアレイがエミッタアレイ204によって発生される信号を受信して三角測量し、基準点ならびに外科器具120およびSIインプラント12の各々の相対位置を特定する。プロセッサおよびコンピュータが手技中に基準点の各々の特定された相対位置に従って画像データのセットを修正する。エミッタアレイ204によって提供される外科器具120およびSIインプラント12の位置および軌道がプロセッサおよびコンピュータによって処理され、コンピュータ内に記憶された術前の画像データセットと対比して視覚的に表示され、それにより、患者の解剖学的構造の一部分を基準とした外科器具120およびSIインプラント12の位置、経路および/または軌道、ならびに、深さの視覚的表現を医師に提供する。
【0061】
[0074]例えば、SIインプラントシステム10が、
図15に示されるように、病変部であるSI関節Jの適用可能な状態または怪我の治療のための例えば結合などの、外科的関節固定手技で採用される。SIインプラント12が、本明細書で説明されるように、ナビゲーション構成要素200およびナビゲーションシステムを利用したSIインプラント12の挿入および操作を容易にするために、外科器具120に接続される。いくつかの実施形態では、SIインプラントシステム10の構成要素がSI関節Jに挿入され、関節の関節表面を離間し、関節張力を確立し、仙腸関節Jを支持してその安定性を最大にする。いくつかの実施形態では、SIインプラントシステム10の構成要素がSI関節スペーサとしてSI関節Jに挿入され、靭帯張力を回復させ、有痛性の微小運動を排除し、ならびに/あるいは、痛みの原因である対向する関節の表面を分離してその衝撃を和らげる。いくつかの実施形態では、SIインプラントシステム10が骨成長を促進することなく関節張力を維持することができる。
【0062】
[0075]使用中、SI関節Jの選択される部分を治療するために、患者の身体が、例えば手術台(図示せず)などの、表面上で腹臥位をとる。身体の上後腸骨棘(PSIS:posterior superior iliac spine)の外科的経路が特定される。いくつかの実施形態では、患者の皮膚に触れることによる操作または感覚的フィードバックを通してPSISが特定される。いくつかの実施形態では、PSISが、例えば、X線および/またはX線透視装置などの、医療撮像を通して特定される。患者の身体に切開部が作られ、切断器具(図示せず)がSIインプラントシステム10の構成要素の移植のための外科的経路を作る。SI関節Jの組織表面に対して前処理を行うのに、さらには、手術領域の吸引および洗浄を行うのに、前処理器具(図示せず)が採用され得る。
【0063】
[0076]スリーブ152が本明細書で説明されるドライバー124に取り付けられ、その結果、駆動部分132が表面162に直接に隣接して配置される。このようにして、駆動部分132が表面162の遠位側に直接に隣接して配置され、その結果、駆動部分132および表面162が軸X1に沿う連続する配置で同軸に配置される。表面162の遠位側を向く表面が、フランジ136およびナビゲーション構成要素200の最も近位側の表面から測定される距離Y2だけ延在し、それにより、本明細書で説明されるように、ナビゲーションシステムによる表示のために、外科器具120を基準としておよび/または外科器具120から延在するようにSIインプラント12を配置する。いくつかの実施形態では、距離Y2が175mmから225mmの範囲内で選択され得る。いくつかの実施形態では、選択される距離Y2が204.5mmである。いくつかの実施形態では、距離Y2が、±0.25mmの精度および/または公差の範囲内の選択される距離だけ延在する。いくつかの実施形態では、距離Y2が、±0.12mmの精度および/または公差の範囲内の選択される距離だけ延在する。
【0064】
[0077]SIインプラント12が外科器具120に係合される。スリーブ152が、本明細書で説明されるねじ切りされた接続インターフェース内の表面32に対して表面162に係合させるために、時計回り方向に、本明細書で説明されるシャフト125を基準として手動で回転させられる。SIインプラント12が外科器具120に接続され、その結果、スリーブ152が端部52を捕捉し、駆動部分132が表面42のところに配置される。表面32は表面162と共にねじ切りされ、その結果、ショルダ170の遠位側を向く表面が実質的に面一の係合で端部52の最も近位側の表面に当接する。このようにして、SIインプラント12は、本明細書で説明されるように外科器具120から高い信頼性で測定され得る選択される距離だけ延在する。本明細書で説明されるようなナビゲーションシステムによる表示のために、SIインプラント12および外科器具120は、本明細書で説明されるように、一定の精度および/または公差の範囲内でフランジ136およびナビゲーション構成要素200の最も近位側の表面から測定される選択される距離で、接続インターフェースのところで接続される。
【0065】
[0078]SIインプラント12を含めたSIインプラントシステム10の構成要素の移植のために、SIインプラント12が外科器具120を用いて外科的経路に沿って送達される。遠位側先端部18の最も遠位側の表面は、フランジ136およびナビゲーション構成要素200の最も近位側の表面から測定される距離Y3だけ延在し、それにより、外科器具120を基準としておよび/または外科器具120から延在するようにSIインプラント12を配置する。いくつかの実施形態では、距離Y3が200mmから275mmの範囲内で選択され得る。いくつかの実施形態では、選択される距離Y3が241mmである。いくつかの実施形態では、距離Y3が、±0.25mmの精度および/または公差の範囲内の選択される距離だけ延在する。いくつかの実施形態では、距離Y3が、±0.12mmの精度および/または公差の範囲内の選択される距離だけ延在する。この構成は、SIインプラント12、外科器具120を含めた、SIインプラントシステム10の構成要素の印を提供するかまたは本明細書で説明されるようなナビゲーションシステムによる表示を可能にし、さらには、本明細書で説明されるように、外科治療に関連して、SI関節Jの組織表面に対してのそれらの相対位置を提供する。
【0066】
[0079]ドライバー124がSIインプラント12に係合され、その結果、本明細書で説明されるように、部分132がソケット42に係合される。SI関節Jの組織表面のところに移植するためにSIインプラント12をSI関節Jの組織表面を用いて方向づけるために、SIインプラント12が操作される。アクチュエータ142からドライバー124へとトルクを伝達するためにアクチュエータ142が作動され、その結果、駆動部分132は、SIインプラント12を駆動するため、SIインプラント12を回転させるため、SIインプラント12にトルクを与えるため、SIインプラント12を挿入するため、SIインプラント12を移植するため、または、腸骨および仙骨の骨に隣接するところでSI関節の関節面にSIインプラント12をその他の形で接続するために、ソケット42の表面とのトルクインターフェースの一部分を備えるようになる。いくつかの実施形態では、アクチュエータ142によって生じてSIインプラント12に伝達されるトルクの範囲が、概して、0から21ニュートン-メートル(Nm)の範囲内にある。
【0067】
[0080]SIインプラント12が手術部位のところに移植され、外科器具120がSIインプラント12から外される。スリーブ152が、表面32、162のねじ切りされた接続インターフェースを外すために、反時計回り方向に、本明細書で説明されるシャフト125を基準として手動で回転させられる。SIインプラント12がSI関節Jの組織表面に留められ、スリーブ152から解放され、その結果、スリーブ152およびドライバー124がSIインプラント12を外す。いくつかの実施形態では、SIインプラント12からスリーブ152を外すために伝達されるトルクは、SI関節Jの組織表面に対してSIインプラント12を留めるためにSIインプラント12に伝達されるトルクより小さい。したがって、スリーブ152はそこからSIインプラント12を解放するためにシャフト125を基準として回転可能であり、SIインプラント12の回転に抵抗し、および/または、SIインプラント12の回転を防止し、それにより、阻害、組織の損傷、インプラントの固定の緩みまたは干渉を回避する。いくつかの実施形態では、本明細書で説明される接続インターフェースに係合して接続インターフェースを形成するために伝達されるトルクは、手によって締め付けられるゼロより大きいわずかなトルク、ならびに/あるいは、本明細書で説明されるような、トルクインターフェースに係合してトルクインターフェースを形成するために伝達されるトルクを含む。いくつかの実施形態では、接続インターフェースに係合して接続インターフェースを形成するために伝達されるトルクは、トルクインターフェースとは異なるか、トルクインターフェースと同じであるか、または、トルクインターフェースより小さい。
【0068】
[0081]手技の完了後、SIインプラントシステム10の外科器具、組立体、および移植されない構成要素が手術部位から取り除かれ、切開部が閉じられる。SIインプラントシステム10の構成要素のうちの1つまたは複数の構成要素は、重合体などの放射線透過材料で作られ得る。X線、X線透視装置、CTまたは他の撮像技術で識別するために、ラジオマーカーが含まれてよい。いくつかの実施形態では、手術ナビゲーション技術、マイクロ手術技術および画像誘導技術の使用が、SIインプラントシステム10の補助と共に、脊椎の劣化部分または損傷部分へのアクセス、その視認、およびその修復を行うのに採用され得る。いくつかの実施形態では、例えばK-ワイヤ(図示せず)などのガイドワイヤを介して、および/または、本明細書で説明される画像ガイドを利用することなく、SIインプラント12が手術部位まで誘導される。
【0069】
[0082]本明細書で開示される実施形態に対して種々の修正形態が作られ得ることを理解されたい。したがって、上記の説明は限定的であると解釈されるべきではなく、単に、種々の実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者であれば、本明細書に添付される特許請求の範囲の範囲および精神内で他の修正形態を想定するであろう。
【符号の説明】
【0070】
10 SIインプラントシステム
12 SIインプラント
14 ボディ
16 シャフト
18 遠位先端部
20 内側表面
22 長手方向のキャビティ
32 対合面
42 ソケット
50 外側表面
52 端部
54 端部
56 ねじ山
58 後縁
60 前縁
62 窓
70 外側表面
72 端部
74 端部
76 ねじ山
120 外科器具
124 ドライバー
125 シャフト
126 端部
128 端部
130 対合面
132 駆動部分
136 円周方向フランジ
140 アダプタ
142 アクチュエータ
150 インサータ
152 スリーブ
153 ハウジング
154 端部
155 シャフト
156 端部
158 表面
160 通路
162 表面
170 ショルダ
180 カラー
182 ピン
183 開口部
200 ナビゲーション構成要素
202 ハウジング
204 エミッタアレイ
206 ポスト
208 基準
D2 外形
D3 内径
D4 径
D5 径
L1 長さ
X1 軸