(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、及び、画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 5/00 20060101AFI20230424BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20230424BHJP
G08G 1/017 20060101ALI20230424BHJP
G08G 1/04 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
G06T5/00 710
G06T7/00 300F
G08G1/017
G08G1/04 C
(21)【出願番号】P 2018189662
(22)【出願日】2018-10-05
【審査請求日】2021-04-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】松本 公佑
(72)【発明者】
【氏名】和氣 勝
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-232765(JP,A)
【文献】特開2017-158067(JP,A)
【文献】特開平07-296164(JP,A)
【文献】特開平11-306283(JP,A)
【文献】柴田 剛志,学習型超解像を用いた自動車ナンバープレート画像推定,画像電子学会誌,日本,一般社団法人画像電子学会,2015年,第44巻、第2号,p.363-367
【文献】Chunhe Song,Blurred License Plate Recognition based on Single Snapshot from Drive Recorder,2015 IEEE International Conference on Communications ,IEEE,2015年09月10日,<URL:https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=7249460>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00-19/20
G08G 1/017
G08G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影された画像から抽出された劣化画像の一部のエリアであって鮮明化の対象となる鮮明化エリアを、当該鮮明化エリアに対応する属性情報に基づいて前記劣化画像のなかに設定するエリア設定部と、
前記鮮明化エリアに対応する前記属性情報に基づいて
当該属性情報に対応するクラスの学習モデルが適用される鮮明化方式を
複数の鮮明化方式のなかから特定し、特定した鮮明化方式を用いて前記鮮明化エリアを鮮明化した鮮明化画像を生成する画像鮮明化部と
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記属性情報は、前記鮮明化エリアの属性を含む
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記属性情報は、前記劣化画像における前記鮮明化エリアの位置情報を含む
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記エリア設定部は、所定の画素単位で前記鮮明化エリアを調節可能である
請求項1~3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記劣化画像および前記鮮明化エリアに対応付けて前記鮮明化画像の表示制御を行う表示制御部をさらに備える
請求項1~4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、第1の鮮明化エリアを鮮明化した第1の鮮明化画像と、第2の鮮明化エリアを鮮明化した第2の鮮明化画像とを並列して表示する
請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記第2の鮮明化エリアは、前記第1の鮮明化エリアに基づき設定されたエリアである
請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記画像鮮明化部により前記属性情報に基づいて特定される鮮明化方式が複数であるとき、複数の鮮明化方式の中から少なくとも1つの鮮明化方式の選択を受け付け、受け付けた鮮明化方式に対応する鮮明化画像を表示する
請求項5~7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、鮮明化の対象となるエリアを指定するための基準画像を表示制御し、
前記エリア設定部は、前記基準画像における鮮明化の対象となるエリアを指定し、指定したエリアに基づいて前記鮮明化エリアを設定する
請求項5~8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記画像鮮明化部は、前記属性情報に基づいて特定する鮮明化方式が複数であるとき、複数の鮮明化方式の中から少なくとも1つの鮮明化方式の選択を受け付け、受け付けた鮮明化方式を用いて鮮明化画像を生成する
請求項1~9のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記エリア設定部は、前記劣化画像に対して鮮明化の対象としない非対象エリアを設定し、
前記画像鮮明化部は、前記鮮明化エリアと前記非対象エリアとが重複する領域を、鮮明化の対象から除外して前記鮮明化画像を生成する
請求項1~10のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記劣化画像は、ナンバープレートの画像である
請求項1~11のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の画像処理装置と、
前記画像処理装置により生成される鮮明化画像を表示する表示部と
を備える
画像処理システム。
【請求項14】
撮影された画像から抽出された劣化画像の一部のエリアであって鮮明化の対象となる鮮明化エリアを、当該鮮明化エリアに対応する属性情報に基づいて前記劣化画像のなかに設定するエリア設定処理と、
前記鮮明化エリアに対応する前記属性情報に基づいて
当該属性情報に対応するクラスの学習モデルが適用される鮮明化方式を
複数の鮮明化方式のなかから特定し、特定した鮮明化方式を用いて前記鮮明化エリアを鮮明化した鮮明化画像を生成する画像鮮明化処理と
を含む画像処理方法。
【請求項15】
コンピュータに、
撮影された画像から抽出された劣化画像の一部のエリアであって鮮明化の対象となる鮮明化エリアを、当該鮮明化エリアに対応する属性情報に基づいて前記劣化画像のなかに設定するエリア設定処理と、
前記鮮明化エリアに対応する前記属性情報に基づいて
当該属性情報に対応するクラスの学習モデルが適用される鮮明化方式を
複数の鮮明化方式のなかから特定し、特定した鮮明化方式を用いて前記鮮明化エリアを鮮明化した鮮明化画像を生成する画像鮮明化処理と
を実行させる画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、及び、画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、劣化画像から鮮明化画像を生成する技術が提案されている。例えば特許文献1に記載の装置では、複数の文字の特徴パターンを複数にクラス分けすることで生成された各クラスの代表パターンを予め記憶する。そして、劣化画像の特徴パターンと各クラスの代表パターンとの類似度を評価し、類似度が最大となるクラスに含まれる特徴パターンを評価の対象とする。また、評価の対象となるグループに含まれる特徴パターンと劣化画像の特徴パターンとの類似度を評価し、類似度が最大となる特徴パターンを特定する。そして、こうして特定した特徴パターンに基づいて、劣化画像で失われている細部の情報までを復元するように鮮明化画像を生成し、文字認識を高精度に行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載の装置では、例えばナンバープレートの画像における一部の画像領域から地名等を認識する場合であっても、劣化画像の全体を鮮明化の対象としているため、処理負荷が増大してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、劣化画像から鮮明化画像を生成する際の処理負荷を低減することのできる画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、及び、画像処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する画像処理装置は、劣化画像に対して鮮明化の対象となる鮮明化エリアを設定するエリア設定部と、前記鮮明化エリアに対応する属性情報に基づいて鮮明化方式を特定し、特定した鮮明化方式を用いて前記鮮明化エリアを鮮明化した鮮明化画像を生成する画像鮮明化部とを備える。
【0007】
上記課題を解決する画像処理方法は、劣化画像に対して鮮明化の対象となる鮮明化エリアを設定するエリア設定処理と、前記鮮明化エリアに対応する属性情報に基づいて鮮明化方式を特定し、特定した鮮明化方式を用いて前記鮮明化エリアを鮮明化した鮮明化画像を生成する画像鮮明化処理とを含む。
【0008】
上記課題を解決する画像処理プログラムは、コンピュータに、劣化画像に対して鮮明化の対象となる鮮明化エリアを設定するエリア設定処理と、前記鮮明化エリアに対応する属性情報に基づいて鮮明化方式を特定し、特定した鮮明化方式を用いて前記鮮明化エリアを鮮明化した鮮明化画像を生成する画像鮮明化処理とを実行させる。
【0009】
上記構成によれば、劣化画像に設定した鮮明化エリアを鮮明化の対象とするため、劣化画像の全体を鮮明化の対象とする場合と比較して、劣化画像から鮮明化画像を生成する際の処理負荷を低減することができる。また、鮮明化エリアに対応する鮮明化方式を用いるため、鮮明化画像を好適に生成することができる。
【0010】
上記画像処理装置において、前記属性情報は、前記鮮明化エリアの属性を含むことが好ましい。
【0011】
上記構成によれば、鮮明化エリアに含まれる対象領域を好適に鮮明化することができる。
【0012】
上記画像処理装置において、前記属性情報は、前記劣化画像における前記鮮明化エリアの位置情報を含むことが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、劣化画像における所定の位置に含まれる対象領域を好適に鮮明化することができる。
【0014】
上記画像処理装置において、前記エリア設定部は、所定の画素単位で前記鮮明化エリアを調節可能であることが好ましい。
【0015】
上記構成によれば、鮮明化エリアを細かく調節しつつ、鮮明化画像を生成することができる。
【0016】
上記画像処理装置において、前記劣化画像および前記鮮明化エリアに対応付けて前記鮮明化画像の表示制御を行う表示制御部をさらに備えることが好ましい。
【0017】
上記構成によれば、鮮明化エリアに対応付けて鮮明化画像が把握しやすくなる。
【0018】
上記画像処理装置において、前記表示制御部は、第1の鮮明化エリアを鮮明化した第1の鮮明化画像と、第2の鮮明化エリアを鮮明化した第2の鮮明化画像とを並列して表示することが好ましい。
【0019】
上記構成によれば、複数の鮮明化エリアに対応する鮮明化画像を把握しやすくなる。
【0020】
上記画像処理装置において、前記第2の鮮明化エリアは、前記第1の鮮明化エリアに基づき設定されたエリアであることが好ましい。
【0021】
上記構成によれば、調節前後の鮮明化エリアに対応する鮮明化画像を把握しやすくなる。
【0022】
上記画像処理装置において、前記表示制御部は、前記画像鮮明化部により前記属性情報に基づいて特定される鮮明化方式が複数であるとき、複数の鮮明化方式の中から少なくとも1つの鮮明化方式の選択を受け付け、受け付けた鮮明化方式に対応する鮮明化画像を表示することが好ましい。
【0023】
上記構成によれば、鮮明化エリアに対応する属性情報に基づいて複数の鮮明化方式が特定される場合であっても、ユーザの意図に合致した鮮明化方式に対応する鮮明化画像を把握しやすくなる。
【0024】
上記画像処理装置において、前記表示制御部は、鮮明化の対象となるエリアを指定するための基準画像を表示制御し、前記エリア設定部は、前記基準画像における鮮明化の対象となるエリアを指定し、指定したエリアに基づいて前記鮮明化エリアを設定することが好ましい。
【0025】
上記構成によれば、基準画像における鮮明化の対象となるエリアを指定することにより鮮明化エリアが設定されるため、鮮明化エリアを設定する際の操作性を向上することができる。
【0026】
上記画像処理装置において、前記画像鮮明化部は、前記属性情報に基づいて特定する鮮明化方式が複数であるとき、複数の鮮明化方式の中から少なくとも1つの鮮明化方式の選択を受け付け、受け付けた鮮明化方式を用いて鮮明化画像を生成することが好ましい。
【0027】
上記構成によれば、鮮明化エリアに対応する属性情報に基づいて複数の鮮明化方式が特定される場合であっても、それらの鮮明化方式の中から選択された鮮明化方式を用いて鮮明化画像が生成されるため、鮮明化画像の生成に要する処理負荷をより一層低減することができる。
【0028】
上記画像処理装置において、前記エリア設定部は、前記劣化画像に対して鮮明化の対象としない非対象エリアを設定し、前記画像鮮明化部は、前記鮮明化エリアと前記非対象エリアとが重複する領域を、鮮明化の対象から除外して前記鮮明化画像を生成することが好ましい。
【0029】
上記構成によれば、非対象エリアの設定を通じて鮮明化の対象となるエリアが制限されるため、鮮明化画像の生成に要する処理負荷を低減することができる。
【0030】
上記画像処理装置において、前記劣化画像は、ナンバープレートの画像であることが好ましい。
【0031】
上記構成によれば、ナンバープレートの画像を鮮明化した鮮明化画像を好適に生成することができる。
【0032】
上記課題を解決する画像処理システムは、上記構成の画像処理装置と、前記画像処理装置により生成される鮮明化画像を表示する表示部とを備える。
【0033】
上記構成によれば、劣化画像から生成された鮮明化画像をユーザに提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】画像処理システムの第1の実施の形態の概略構成を示すブロック図。
【
図2】劣化画像を鮮明化するときの処理の流れを説明するための模式図。
【
図3】鮮明化画像の信頼度を評価するときの処理の流れを説明するための模式図。
【
図4】鮮明化エリアの設定画面の一例を示す模式図。
【
図6】鮮明化画像の生成処理の処理内容を示すフローチャート。
【
図7】鮮明化エリアの設定画面の一例を示す模式図。
【
図9】鮮明化画像の生成処理の処理内容を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(第1の実施の形態)
以下、画像処理システムの第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0036】
本実施の形態の画像処理システムは、屋外に設置されたカメラの撮影画像から、道路を走行している車両のナンバープレートの画像を取得する。ナンバープレートの画像はブレなどにより画質が劣化していることが多いため、こうした劣化画像を鮮明化した鮮明化画像を生成する。鮮明化画像の生成過程では、学習モデルを画像鮮明化部に適用した上で、劣化画像の画像情報を画像鮮明化部に入力し、画像鮮明化部から出力された画像情報を鮮明化画像として取得する。学習モデルは、クラス毎に設定される。クラスとは、文字、数字、記号等を含む。本実施の形態では、クラスは、鮮明化の対象となるナンバープレートの地名を含み、学習モデルは、ナンバープレートの地名毎(例えば、「品川」、「横浜」等)に設定される。また、劣化画像の画像情報は、鮮明化の対象となる地名毎に設定された複数の学習モデルが適用された画像鮮明化部に入力される。また、各々の学習モデルが適用された画像鮮明化部から出力された画像情報を鮮明化の対象に個別に対応する複数の鮮明化画像として取得する。また、劣化画像から生成された複数の鮮明化画像をユーザに表示する。そして、ユーザは、表示された複数の鮮明化画像を視認することにより、ナンバープレートの劣化画像に含まれる地名を判別する。
【0037】
図1に示すように、画像処理システム100は、画像処理装置110と、表示部140とを備える。
【0038】
画像処理装置110は、鮮明化画像の生成処理を制御する制御部120と、制御部120が鮮明化画像の生成処理の際に実行する画像処理プログラムを含めた各種のプログラムや当該プログラムの実行の際に制御部120が読み書きする各種のデータを保存する記憶部130とを有するコンピュータである。記憶部130は、不揮発性のメモリであってもよいし、揮発性のメモリであってもよい。そして、制御部120は、記憶部130に保存された画像処理プログラムを実行することにより、画像取得部121、画像抽出部122、エリア設定部123、画像鮮明化部124、信頼度算出部125、及び、表示制御部126として機能する。
【0039】
画像取得部121は、カメラ10により撮影された動画像から画像フレームを取得する。本実施の形態では、カメラ10が屋外に設置されており、道路を走行している車両を含む動画像を撮影し、当該動画像から画像フレームを取得する。画像取得部121は、動画像の撮影時に、当該動画像から画像フレームを取得してもよいし、動画像の録画後に、録画した動画像から画像フレームを取得してもよい。
【0040】
画像抽出部122は、画像取得部121により取得された画像フレームの画素値のデータに基づいて、画像フレームに含まれる車両を識別する。次に、画像抽出部122は、車両のエリアから車両に取り付けられているナンバープレートを指定する。なお、画像抽出部122は、車両のエリアに含まれる画素値のデータに基づいて、車両に取り付けられているナンバープレートを識別してもよい。
【0041】
エリア設定部123は、ユーザが操作部20を通じて選択したナンバープレートのエリアを受け付ける。操作部20は、例えばPC(パーソナル・コンピューター)からなり、表示部140に表示されたナンバープレートの画像からナンバープレートのエリアを選択する。この場合、ナンバープレートのエリアは、地名、かな、数字等を含む。より詳細には、表示部140は、ナンバープレートの基準画像と、画像フレームから識別したナンバープレートの劣化画像とを並列して表示する。ナンバープレートの基準画像は、鮮明化の対象となるエリアを指定するための画像である。そして、操作部20は、ナンバープレートの基準画像から鮮明化の対象となるエリアが選択されると、基準画像から選択されたエリアに対応するナンバープレートの劣化画像のエリアをエリア設定部123に出力する。
【0042】
エリア設定部123は、操作部20から入力されたナンバープレートの劣化画像のエリアを取得し、取得したエリアを鮮明化の対象となるエリア(以下、「鮮明化エリア」という)として設定する。また、エリア設定部123は、ユーザが操作部20を通じて鮮明化エリアを調節した場合、調節後のエリアを新たな鮮明化エリアとして設定する。
【0043】
画像鮮明化部124は、機械学習のモデルの一種である畳み込みニューラルネットワークを適用したオートエンコーダーにより構成されている。画像鮮明化部124は、記憶部130に保存された学習モデル131を取得し、取得した学習モデル131を用いてエリア設定部123により設定された鮮明化エリアを鮮明化する。
【0044】
図2に示す例では、画像抽出部122は、入力画像G0からナンバープレートの領域を抽出する。そして、画像抽出部122は、ナンバープレートの領域に含まれる画素値のデータを劣化画像G1として抽出する。次に、エリア設定部123は、操作部20を通じて受け付けたナンバープレートのエリアを鮮明化エリアS1として設定する。画像鮮明化部124は、クラス毎に設定された学習モデル131が適用されている。
図2の画像鮮明化部124の地名は、学習モデル131のクラスを表している。本実施の形態では、クラスは、鮮明化の対象となる地名を示す文字群を1組ずつ含み、学習モデル131は、鮮明化の対象となる地名毎(「品川」、「横浜」、「成田」等)に個別に対応している。また、学習モデル131は、高画質画像とその画像を劣化させた劣化画像G1を教師データとして画像鮮明化部124の学習を行ったときに生成されるパラメータである。学習は、鮮明化の対象となる地名毎に行っておく。各学習モデル131が適用された画像鮮明化部124は、劣化画像G1の鮮明化エリアS1の画像領域G2を鮮明化した鮮明化画像G3を出力する。
【0045】
信頼度算出部125は、学習モデル131が適用された画像鮮明化部124により変換された鮮明化画像G3の信頼度を算出する。信頼度とは、鮮明化画像の生成過程において鮮明化された画像の尤もらしさを示している。信頼度とは、例えば0~10などの一定の数値範囲に限定される。
【0046】
図3に示す例では、信頼度算出部125は、各地名に対応する学習モデル131が適用された画像鮮明化部124により変換された各鮮明化画像G3と、学習モデル131と同一のクラス(地名)の基準テンプレート132とを比較し、鮮明化画像G3と基準テンプレート132との類似度を評価する。基準テンプレート132は、ナンバープレートのフォントなどの情報を用いて生成される画像である。そして、信頼度算出部125は、基準テンプレート132と鮮明化画像G3との比較により算出される類似度を鮮明化画像G3の信頼度として算出する。
【0047】
表示制御部126は、表示部140による鮮明化画像の表示を制御する。より詳細には、表示制御部126は、第1の表示処理として、鮮明化エリアの設定画面を表示部140に表示する。
【0048】
図4に示す例では、表示制御部126は、表示部140の表示領域を左右に分割して、第1の表示領域D1及び第2の表示領域D2を設定する。
【0049】
第1の表示領域D1には、カメラ10により撮影された動画像の画像フレームのうちナンバープレートを示す劣化画像G1と、劣化画像G1における鮮明化エリアS1及び非対象エリアS2とが重ねて表示される。
【0050】
第2の表示領域D2には、鮮明化の対象となるナンバープレートの属性を示す選択ボタンF1が表示される。同図に示す例では、ナンバープレートの属性は、地名、分類、かな、一連指定番号を含む。
【0051】
また、第2の表示領域D2には、ナンバープレートの基準画像GSが表示される。ナンバープレートの基準画像GSは、ナンバープレートの属性である地名(「品川」)、分類(「500」)、かな(「あ」)、一連指定番号(「00-00」)の規定位置が定義されている。また、ナンバープレートの基準画像GSには、選択ボタンF1により選択されたナンバープレートの属性に対応する第1の選択枠T1が重ねて表示される。第1の選択枠T1は、劣化画像G1における鮮明化エリアS1と関連付けられている。より詳細には、ナンバープレートの基準画像GSにおける第1の選択枠T1の中心位置の相対座標と、劣化画像G1における鮮明化エリアS1の中心位置の相対座標とが一致している。同図に示す例では、ナンバープレートの属性として「地名」が選択されていることから、ナンバープレートの基準画像GSのうち「地名」に対応する「品川」の画像領域を囲むように第1の選択枠T1が表示される。
【0052】
また、ナンバープレートの基準画像GSには、ナンバープレートを車両に取り付けるためのボルトの規定位置が定義されている。また、ナンバープレートの基準画像GSには、ボルトの画像領域を囲むように第2の選択枠T2が重ねて表示される。第2の選択枠T2は、劣化画像G1における非対象エリアS2と関連付けられている。より詳細には、ナンバープレートの基準画像GSにおける第2の選択枠T2の中心位置の相対座標と、劣化画像G1における非対象エリアS2の中心位置の相対座標とが一致している。
【0053】
また、第2の表示領域D2には、第1の選択枠T1の位置及び大きさを調節するための調節ボタンF2が表示される。調節ボタンF2は、第1の選択枠T1の調節箇所を選択するための第1の調節ボタンF2Aと、第1の選択枠T1を上下左右に調節するための第2の調節ボタンF2Bとを含む。例えば、第1の調節ボタンF2Aを通じて「左上」を選択した上で、第2の調節ボタンF2Bを通じて「上」を選択すると、第1の選択枠T1の左上隅部の位置が上方に移動する。同図に示す例では、第2の調節ボタンF2Bを通じて第1の選択枠T1の位置座標がナンバープレートの基準画像GSの画素単位で調節される。その結果、劣化画像G1における鮮明化エリアS1の位置座標が画素単位で調節される。
【0054】
また、表示制御部126は、第1の表示処理に続いて実行される第2の表示処理として、鮮明化画像の出力画面を表示部140に表示する。
【0055】
図5に示す例では、表示制御部126は、表示部140の表示領域を左右に分割して、第3の表示領域D3及び第4の表示領域D4を設定する。
【0056】
第3の表示領域D3には、カメラ10により撮影された動画像の画像フレームのうちナンバープレートを示す劣化画像G1と、劣化画像G1における鮮明化エリアS1及び非対象エリアS2とが重ねて表示される。また、第3の表示領域D3には、劣化画像G1における鮮明化エリアS1を調節するために調節ボタンF2が劣化画像G1と並列して表示される。調節ボタンF2は、
図4に示した調節ボタンF2と同様の機能を有しており、劣化画像G1における鮮明化エリアS1の位置座標を画素単位で調節する際に用いられる。また、第3の表示領域D3には、劣化画像G1における鮮明化エリアS1を鮮明化する際に操作される鮮明化ボタンF3が表示される。同図に示す例では、劣化画像G1における鮮明化エリアS1と非対象エリアS2とが部分的に重なっていることから、劣化画像G1における鮮明化エリアS1から非対象エリアS2を除外した領域が鮮明化の対象となる。
【0057】
第4の表示領域D4には、各地名に対応する学習モデル131が適用された画像鮮明化部124により変換された鮮明化画像G3が信頼度SCと対応付けて一覧表示される。同図に示す例では、一覧表示された鮮明化画像G3のうち、「成田」という地名に対応する信頼度が最も高い値を示す。そのため、第3の表示領域D3には、この地名に対応する鮮明化画像G3が劣化画像G1及び信頼度SCと並列して表示される。
【0058】
次に、本実施の形態の画像処理システム100が実行する鮮明化画像の生成処理について、その具体的な処理内容を説明する。
【0059】
図6に示すように、この鮮明化画像の生成処理ではまず、画像取得部121は、カメラ10により撮影された動画像の画像フレームを取得する(ステップS10)。そして、画像抽出部122は、先のステップS10において取得した画像フレームから所定のエリア(本実施の形態では、ナンバープレート)を対象領域として抽出する(ステップS11)。続いて、エリア設定部123は、先のステップS11において抽出した対象領域から鮮明化の対象となる鮮明化エリアの属性(本実施の形態では、地名)を操作部20から入力される信号に基づいて選択する(ステップS12)。そして、エリア設定部123は、先のステップS12において選択された鮮明化エリアの属性に関連付けられた劣化画像G1のエリアを鮮明化エリアS1として設定する(ステップS13)。そして次に、エリア設定部123は、鮮明化エリアの属性に対応する学習モデル131が適用された画像鮮明化部124を特定する(ステップS14)。続いて、エリア設定部123は、先のステップS14において特定した画像鮮明化部124に対して鮮明化エリアS1の画像情報を入力する(ステップS15)。そして次に、画像鮮明化部124により変換された鮮明化エリアS1の鮮明化画像G3を取得する(ステップS16)。また、信頼度算出部125は、先のステップS16において取得した鮮明化エリアS1の複数の鮮明化画像G3を各々のクラス(地名)に対応する基準テンプレート132と比較することにより、鮮明化画像G3の信頼度を算出する(ステップS17)。そして、表示制御部126は、先のステップS16において取得した鮮明化エリアS1の鮮明化画像G3を、先のステップS17において算出された信頼度の値に対応付けて表示部140に表示する(ステップS18)。
【0060】
次に、本実施の形態の画像処理システム100の作用について説明する。
【0061】
従来、ナンバープレートの劣化画像を鮮明化した鮮明化画像を生成する際には、劣化画像の画像全体の画像情報を画像鮮明化部に入力していた。ただし、ナンバープレートにおける所定の属性を視認の対象とする場合には、必ずしもナンバープレートの劣化画像の画像全体を鮮明化することは不要である。なお、ナンバープレートは、属性ごとの位置が規格により定まっている。そのため、ナンバープレートの画像が劣化していたとしても、鮮明化の対象となるナンバープレートの属性の大まかな位置を特定することは可能である。
【0062】
そこで、本実施の形態では、ナンバープレートの基準画像GSにおける属性ごとの相対位置と、ナンバープレートの劣化画像G1における属性ごとの相対位置とを予め関連付けておく。相対位置とは、例えば、ナンバープレートの画像の左下隅部を基準とした位置である。また、鮮明化の対象となるナンバープレートの属性が選択されたときには、上述のように関連付けられた情報に基づき、ナンバープレートの基準画像GSとナンバープレートの劣化画像G1との対比により、ナンバープレートの劣化画像G1における選択された属性の相対位置を特定する。そして、鮮明化の対象として特定された属性の位置を鮮明化エリアとして設定する。また、鮮明化の対象として特定された属性に対応する学習モデルを画像鮮明化部に適用する。その後、鮮明化エリアの画像情報を画像鮮明化部に入力することにより、鮮明化画像を生成する。これにより、ナンバープレートの入力画像のうち、鮮明化の対象となるエリアが制限されるため、鮮明化画像の生成の際の処理負荷が低減される。
【0063】
以上説明したように、上記第1の実施の形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
【0064】
(1)鮮明化エリアS1に対応する属性情報に基づいて学習モデル131を特定し、特定した学習モデル131を適用した画像鮮明化部124を用いて鮮明化エリアS1を鮮明化した鮮明化画像G3を生成する。これにより、劣化画像G1に設定した鮮明化エリアS1を鮮明化の対象とするため、劣化画像の全体を鮮明化の対象とする場合と比較して、劣化画像G1から鮮明化画像G3を生成する際の処理負荷を低減することができる。また、鮮明化エリアS1に対応する学習モデル131を適用した画像鮮明化部124を用いるため、鮮明化画像G3を好適に生成することができる。
【0065】
(2)鮮明化エリアS1に対応する属性情報は、鮮明化エリアS1の属性を含む。これにより、鮮明化エリアS1に含まれる対象領域を好適に鮮明化することができる。
【0066】
(3)エリア設定部123は、所定の画素単位で鮮明化エリアS1を調節する。これにより、鮮明化エリアS1を細かく調節しつつ、鮮明化画像G3を生成することができる。
【0067】
(4)表示制御部126は、基準画像GSを表示し、エリア設定部123は、基準画像GSにおける鮮明化の対象となるエリアを指定し、指定したエリアに基づいて鮮明化エリアS1を設定する。すなわち、基準画像GSにおける鮮明化の対象となるエリアを指定することにより鮮明化エリアS1が設定されるため、鮮明化エリアS1を設定する際の操作性を向上することができる。
【0068】
(5)表示制御部126は、劣化画像G1および鮮明化エリアS1に対応付けて鮮明化画像G3の表示制御を行う。これにより、鮮明化エリアS1に対応付けて鮮明化画像G3が把握しやすくなる。
【0069】
(6)エリア設定部123は、劣化画像G1に対して鮮明化の対象としない非対象エリアS2を設定し、画像鮮明化部124は、鮮明化エリアS1と非対象エリアS2とが重複する領域を、鮮明化の対象から除外して鮮明化画像G3を生成する。これにより、非対象エリアS2の設定を通じて鮮明化の対象となるエリアが制限されるため、鮮明化画像G3の生成に要する処理負荷を低減することができる。
【0070】
(7)劣化画像G1は、ナンバープレートの画像を含む。そのため、ナンバープレートの画像を鮮明化した鮮明化画像G3を好適に生成することができる。
【0071】
(第2の実施の形態)
次に、画像処理システムの第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、第2の実施の形態は、調節前後の鮮明化エリアを鮮明化した鮮明化画像を一覧表示する点が第1の実施の形態と異なる。したがって、以下の説明においては、第1の実施の形態と相違する構成について主に説明し、第1の実施の形態と同一の又は相当する構成については重複する説明を省略する。
【0072】
本実施の形態の画像処理システムでは、
図7に示すように、表示制御部126が鮮明化エリアS1の設定画面を表示部140に表示する場合、第1の表示領域D1には、調節ボタンF2の操作を通じて調節される前後の鮮明化エリアS1がナンバープレートの劣化画像G1に重ねて表示される。なお、調節後の鮮明化エリアS1は、鮮明化ボタンF3の操作を通じて鮮明化エリアを第1の鮮明化エリアS1Aとして一旦確定させた後に、調節ボタンF2の操作を通じて第1の鮮明化エリアS1Aの位置座標を画素単位で調節した上で鮮明化ボタンF3を再び操作することで第2の鮮明化エリアS1Bとして決定される。
【0073】
また、本実施の形態の画像処理システム100では、
図8に示すように、表示制御部126が鮮明化画像G3の表示画面を表示部140に表示する場合、第3の表示領域D3には、調節ボタンF2の操作を通じて調節される前後の鮮明化エリアS1A,S1Bがナンバープレートの劣化画像G1に重ねて表示される。また、調節後の鮮明化エリアS1Bは、調節ボタンF2の操作を通じて繰り返し調節することが可能である。第4の表示領域D4には、調節ボタンF2の操作を通じて鮮明化エリアS1Aが調節されつつ鮮明化ボタンF3が操作されるごとに、調節後の鮮明化エリアS1Bを鮮明化した鮮明化画像G3Bが表示される。また、第4の表示領域D4には、各地名に対応する学習モデル131が適用された画像鮮明化部124により変換された鮮明化画像G3Bが信頼度SCBと対応付けて一覧表示される。同図に示す例では、一覧表示された鮮明化画像G3Bのうち、「成田」という地名に対応する信頼度が最も高い値を示す。そのため、第3の表示領域D3には、この地名に対応する鮮明化画像G3Bが劣化画像G1の鮮明化エリアS1B及び信頼度SCAと並列して表示される。なお、第4の表示領域D4には、鮮明化エリアS1が調節されるごとに、最新の鮮明化エリアS1Bを鮮明化した鮮明化画像G3Bの表示に更新される。また、第3の表示領域D3には、鮮明化エリアS1Bが調節されつつ鮮明化画像G3Bが生成されるごとに、生成された鮮明化画像G3Bが鮮明化エリアS1B及び信頼度SCBと対応付けられた状態で追加表示される。同図に示す例では、第3の表示領域D3には、調整前の第1の鮮明化エリアS1Aを鮮明化した第1の鮮明化画像G3Aと、調整後の第2の鮮明化エリアS1Bを鮮明化した第2の鮮明化画像G3Bとが履歴情報として信頼度SCA,SCBとともに上下に並列して表示される。
【0074】
次に、本実施の形態の画像処理システム100が実行する鮮明化画像の生成処理について、その具体的な処理内容を説明する。
【0075】
図9に示すように、この鮮明化画像G3A,G3Bの生成処理ではまず、画像取得部121は、カメラ10により撮影された動画像の画像フレームを取得する(ステップS20)。そして、画像抽出部122は、先のステップS20において取得した画像フレームから所定のエリア(本実施の形態では、ナンバープレート)を対象領域として抽出する(ステップS21)。続いて、エリア設定部123は、先のステップS21において抽出した対象領域から鮮明化の対象となる鮮明化エリアの属性(本実施の形態では、地名)を操作者の操作により操作部20から入力される信号に基づいて選択する(ステップS22)。そして、エリア設定部123は、先のステップS22において選択された鮮明化エリアの属性に関連付けられた劣化画像G1のエリアを鮮明化エリアS1Aとして設定する(ステップS23)。そして次に、エリア設定部123は、鮮明化エリアの属性に対応する学習モデル131が適用された画像鮮明化部124を特定する(ステップS24)。続いて、エリア設定部123は、先のステップS24において特定した画像鮮明化部124に対して鮮明化エリアS1の画像情報を入力する(ステップS25)。続いて、エリア設定部123は、先のステップS24において特定した画像鮮明化部124に対して鮮明化エリアS1の画像情報を入力する(ステップS25)。そして次に、画像鮮明化部124により変換された鮮明化エリアS1の鮮明化画像G3Aを取得する(ステップS26)。また、信頼度算出部125は、先のステップS26において取得した鮮明化エリアS1の鮮明化画像G3Aを各々のクラス(地名)に対応する基準テンプレート132と比較することにより、鮮明化画像G3Aの信頼度を算出する(ステップS27)。続いて、エリア設定部123は、操作部20を通じて入力された信号に基づいて、鮮明化エリアS1Aを調整する(ステップS28)。そして次に、画像鮮明化部124は、調整後の鮮明化エリアS1Bの画像情報を入力する(ステップS29)。続いて、画像鮮明化部124により変換された調整後の鮮明化エリアS1Bの鮮明化画像G3Bを取得する(ステップS30)。そして、信頼度算出部125は、先のステップS30において取得した調整後の鮮明化エリアS1Bの鮮明化画像G3Bを各々のクラス(地名)に対応する基準テンプレート132と比較することにより、鮮明化画像G3Bの信頼度を算出する(ステップS31)。その後、表示制御部126は、調整前後の鮮明化画像G3A,G3Bを信頼度SCA,SCBに対応付けて表示部140に一覧表示する(ステップS32)。
【0076】
次に、本実施の形態の画像処理システム100の作用について説明する。
【0077】
本実施の形態の画像処理システム100では、第1の鮮明化エリアS1Aを鮮明化した第1の鮮明化画像G3Aと、第2の鮮明化エリアS1Bを鮮明化した第2の鮮明化画像G3Bとを並列して表示する。そのため、複数の鮮明化エリアS1A,S1Bに対応する鮮明化画像G3A,G3Bを並行して確認することができる。また、複数の鮮明化エリアの属性を鮮明化の対象とする場合であっても、各々の属性に対応付けて鮮明化エリアS1A,S1Bを設定することにより、複数の鮮明化エリアの属性を並行して確認することができる。
【0078】
特に、本実施の形態では、第1の鮮明化エリアS1A及び第2の鮮明化エリアS1Bが共通の鮮明化エリアの属性を対象としており、第1の鮮明化エリアS1Aが調整前の鮮明化エリアS1に相当し、第2の鮮明化エリアS1Bが調整後の鮮明化エリアS1に相当する。そして、鮮明化エリアS1Aを調整するごとに、調整後の鮮明化エリアS1Bを鮮明化した鮮明化画像G3Bを履歴情報として一覧表示する。そのため、調整前後の鮮明化画像G3A,G3Bの画質を比較することが容易となる。そのため、鮮明化エリアS1A,S1Bの調整が鮮明化画像G3A,G3Bの出力結果に及ぼす影響を確認しつつ、鮮明化エリアS1A,S1Bの調整を行うことが可能となる。
【0079】
以上説明したように、上記第2の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態の効果(1)~(7)に加えて、以下に列挙する効果を得ることができる。
【0080】
(8)表示制御部126は、第1の鮮明化エリアS1Aを鮮明化した第1の鮮明化画像G3Aと、第2の鮮明化エリアS1Bを鮮明化した第2の鮮明化画像G3Bとを並列して表示する。そのため、複数の鮮明化エリアS1A,S1Bに対応する鮮明化画像G3A,G3Bを把握しやすくなる。
【0081】
(9)第2の鮮明化エリアS1Bは、第1の鮮明化エリアS1Aを調節したエリアである。そのため、調節前後の鮮明化エリアS1A,S1Bに対応する鮮明化画像G3A,G3Bを把握しやすくなる。
【0082】
(その他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は、以下のような形態にて実施することもできる。
【0083】
・上記各実施の形態においては、鮮明化の対象がナンバープレートの地名である場合を例に挙げて説明した。ただし、鮮明化の対象としてはその他にも、ナンバープレートの数字(「0~9」)、記号(「‐(ハイフン)」)であってもよい。また、鮮明化の対象が地名である場合、鮮明化の対象は、必ずしも地名を示す文字群である必要はなく、一文字ずつ鮮明化を行ってもよい。この場合、鮮明化の対象として、ナンバープレートの地名に含まれる文字を適用することも可能となる。
【0084】
・上記第2の実施の形態においては、表示制御部126は、調整前後の鮮明化エリアS1に対応する鮮明化画像G3を並列して表示していた。これに対し、表示制御部126は、調整後の最新の鮮明化エリアS1に対応する鮮明化画像G3を表示してもよい。
【0085】
・上記第2の実施の形態においては、第1の鮮明化エリアS1A及び第2の鮮明化エリアS1Bが共通のナンバープレートの属性を対象としており、第1の鮮明化エリアS1Aが調整前の鮮明化エリアS1に相当し、第2の鮮明化エリアS1Bが調整後の鮮明化エリアS1に相当していた。これに対し、第1の鮮明化エリアS1A及び第2の鮮明化エリアS1Bが互いに異なるナンバープレートの属性を対象としてもよい。
【0086】
・上記各実施の形態においては、表示制御部126は、鮮明化の対象となる鮮明化エリアの属性に基づいて特定される学習モデル131が複数であるとき、全ての学習モデル131を個別に適用した画像鮮明化部124から生成される鮮明化画像G3,G3A,G3Bを全て表示していた。これに対し、表示制御部126は、鮮明化エリアの属性に基づいて特定される複数の学習モデル131の中から操作者による少なくとも1つの学習モデル131の選択を受け付け、受け付けた学習モデル131を適用した画像鮮明化部124から生成される鮮明化画像G3,G3A,G3Bを表示してもよい。
【0087】
・上記各実施の形態においては、画像鮮明化部124は、鮮明化の対象となる鮮明化エリアの属性に基づいて特定される学習モデル131が複数であるとき、全ての学習モデル131を個別に適用して鮮明化画像G3,G3A,G3Bを生成していた。これに対し、画像鮮明化部124は、鮮明化エリアの属性に基づいて特定される複数の学習モデル131の中から操作者による少なくとも1つの学習モデル131の選択を受け付け、受け付けた学習モデル131を適用して鮮明化画像G3,G3A,G3Bを生成してもよい。
【0088】
・上記各実施の形態においては、鮮明化エリアS1に対応する属性情報は、鮮明化エリアS1に含まれるナンバープレートの属性であった。これに対し、鮮明化エリアS1に対応する属性情報は、劣化画像G1における鮮明化エリアS1の位置情報であってもよい。この場合、劣化画像G1の基準画像GSからエリアが指定されると、指定されたエリアの位置情報に基づき、劣化画像G1における鮮明化エリアS1の位置が特定される。また、劣化画像G1の基準画像GSにおけるエリアの指定位置が変更されると、変更後のエリアの位置情報を反映するように、劣化画像G1における鮮明化エリアS1の位置が変更される。
【0089】
・上記各実施の形態において、教師データを用いて学習した画像鮮明化部124に代えて、ユーザが事前にパラメータを最適化した関数モデルを用いて、劣化画像G1から鮮明化画像G3を生成してもよい。
【0090】
・上記各実施の形態においては、鮮明化の対象がナンバープレートである場合を例に挙げて説明した。ただし、鮮明化の対象はナンバープレートに限らず、例えば、スキャナにより読み取った文書データ等、文字、数字、記号等を含む劣化画像であれば、鮮明化の対象として適用することは可能である。
【符号の説明】
【0091】
100…画像処理システム、110…画像処理装置、124…画像鮮明化部(鮮明化方式の一例)、126…表示制御部、140…表示部、G1…劣化画像、G3…鮮明化画像、G3A…第1の鮮明化画像、G3B…第2の鮮明化画像、GS…基準画像、S1…鮮明化エリア、S1A…第1の鮮明化エリア、S1B…第2の鮮明化エリア、S2…非対象エリア。