(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】改善された挿入先端部を有するタンポン・アプリケータ
(51)【国際特許分類】
A61F 13/20 20060101AFI20230424BHJP
A61F 13/32 20060101ALI20230424BHJP
A61F 13/30 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
A61F13/20 210
A61F13/32
A61F13/30
(21)【出願番号】P 2018545947
(86)(22)【出願日】2017-07-24
(86)【国際出願番号】 US2017043534
(87)【国際公開番号】W WO2018018046
(87)【国際公開日】2018-01-25
【審査請求日】2020-07-20
(32)【優先日】2016-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】315017030
【氏名又は名称】エッジウェル パーソナル ケア ブランズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Edgewell Personal Care Brands, LLC
【住所又は居所原語表記】1350 Timberlake Manor Parkway, Chesterfield, MO 63017 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ビュエル セゼン
(72)【発明者】
【氏名】ヒレガス カイル
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-145658(JP,A)
【文献】米国意匠特許発明第00572362(US,S)
【文献】特表2016-500023(JP,A)
【文献】米国特許第05792096(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バレル領域に隣接した挿入端部を有するタンポンアプリケータを含むタンポン組立体であって、
前記挿入端部は、スリットにより分離される3個と8個との間のペタルを有し、前記ペタルは、前記挿入端部の最前方端部を定める自由端を有し、前記挿入端部は、前記スリットの終端部により定められる最後方端部を有し、前記挿入端部は、0.400インチを超える、前記最前方端部と前記最後方端部との間の前記挿入端部の外部幾何学的形状を概ね定める曲率半径を有し、前記スリットは正確に成形され、前記スリットの前記終端部は、0.028インチと0.030インチとの間の曲率半径を有する涙滴形状を形成
し、
前記タンポンアプリケータの前記バレル領域内に含まれるタンポン綿撒糸を更に有し、
前記挿入端部を通して前記タンポン綿撒糸を前記バレル領域から放出するのに必要な放出力が、10オンスから12オンスの間である、
ことを特徴とする、タンポン組立体。
【請求項2】
前記ペタルの各々は、0.24インチと0.42インチとの間のペタル幅を有することを特徴とする、請求項1に記載のタンポン組立体。
【請求項3】
前記ペタルの各々の前記自由端は内接多角形を定め、前記内接多角形は、0.075インチと0.150インチとの間の直径を有する内接円を定めることを特徴とする、請求項2に記載のタンポン組立体。
【請求項4】
前記内接円と前記ペタルの前記スリットの前記終端部との間の閉鎖度は、0.1と0.3との間であることを特徴とする、請求項3に記載のタンポン組立体。
【請求項5】
前記ペタルの各々は、同じペタル長を有する、
請求項1に記載のタンポン組立体。
【請求項6】
前記スリットの各々は、長さが等しい、
請求項1に記載のタンポン組立体。
【請求項7】
前記ペタルの各々は、領域を有し、各ペタルは、前記ペタルの前記領域にわたり25%より多く変化しない厚さを有する、
請求項1に記載のタンポン組立体。
【請求項8】
前記ペタルの前記厚さは、前記ペタルの前記領域にわたり10%より多く変化しない、
請求項7に記載のタンポン組立体。
【請求項9】
前記ペタルの前記厚さは、前記ペタルの前記領域にわたり2%より多く変化しない、
請求項7に記載のタンポン組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、使用中の快適さ及び信頼性の向上を可能にする改善された挿入先端部を有するテーパ状タンポン・アプリケータに関する。
関連出願の相互参照
本出願は、2016年7月22日に出願された米国仮出願番号第62/365,564号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
市販のタンポン・アプリケータは、一般に、2つの構成部品、すなわち、吸収性綿撒糸(absorbent pledget)が保持されるバレル及びプランジャから形成される。バレルは、先の丸い(blunt)開口式であるが、多くの場合、丸い、例えばドーム形の挿入端部を有し、一般的に、放出中、綿撒糸が押し付けられたときに開口する多数のペタル(花弁部、petal)を含む。先の丸い開口式設計とは対照的に、テーパ状挿入端部は、ユーザに対する挿入の容易さ及び挿入の快適さに適している。
【0003】
特許文献1は、略球状の先端部とは対照的に、プランジャと、向上した挿入の快適さを与えるテーパ状挿入先端部をもつバレルとを有するタンポン・アプリケータを開示する。挿入先端部のテーパは、バレルの長手方向軸に沿ったテーパ突起部の長さの、挿入先端部の基部領域におけるバレルの半径に沿ったテーパ突起部の長さに対する比によって定められる。バレルの挿入端部は、好ましくは実質的に均一の厚さを有する2つ又はそれより多いペタルを含む。質的及び量的の両方の消費者調査を通じて、テーパ状挿入先端部を設けることは、タンポン・アプリケータの挿入と関連した実際の知覚される快適さのレベルを大きく向上させることが分かっている。タンポン・アプリケータは、ボール紙及び熱可塑性ポリマーを含む種々の材料から作成することができる。
【0004】
さらに、特許文献1では、ペタルの厚さが、タンポン性能の2つの主要要因である、放出力、すなわち、アプリケータから綿撒糸を放出するためにユーザがプランジャに加える力の量と、ペタル先端部の安定性とに影響を及ぼすことがさらに開示される。一般に、25ozを上回る放出力は、消費者に受け入れられず、一般的に、20ozを下回る放出力が好ましい。ペタル先端部が不安定な場合、これらは開口して潰れるか又は他の方法で変形することがあり、それにより、タンポンの使用が不快なものになること、又はさらにタンポンが使用不能になることさえある。アプリケータ・ペタルの厚さを変えて、アプリケータの放出力及び/又はペタル安定性に影響を与えることができる。薄いペタル、特に厚さが約0.022インチを下回る薄いペタルは、放出力を低下させる傾向があり、ペタル厚さの減少により、放出力がさらに低下され得る。
【0005】
他方、アプリケータ材料が十分に堅くない又は剛性でない場合、より薄いペタルは、先端部の安定性問題に直面する、又は挿入時に内方に潰れることがある。特許文献1のペタルは、約0.004インチから約0.022インチまでの厚さ、好ましくは約0.008インチから約0.018インチまでの厚さ、より好ましくは約0.009インチから約0.013インチまでの厚さを有する。約0.025インチを上回るまでペタル厚さが増大すると、ペタル安定性及び/又は潰れ問題の向上を助けることができるが、これにより、放出力が増大することが開示される。
【0006】
特許文献2は、挿入先端部が4個から6個までのペタルを含み、それらのペタルは、非線形であり、バレルの長手方向軸と平行ではないスリットにより互いから分離される、タンポン・アプリケータを開示する。多くの市販のアプリケータにおいては、ペタルを分離する線形のペタルが一般的である。特許文献2で述べられるように、挿入先端部のペタルは、最小の力で開口するように、薄くかつ可撓性であるように設計されるので、ペタルは、タンポン・アプリケータからタンポンを放出するのを困難にする大きい抵抗をもたらさない。
【0007】
特許文献1に述べられるように、この理由から、ペタルが、アプリケータの残りの部分より「脆弱」であるように設計されることが多い。しかしながら、特許文献2において指摘されるように、過度に脆弱なペタルは、挿入中に損傷する可能性があり、一部のユーザは、タンポンがアプリケータから排出された後、そうしたペタルはピンチング(pinching)もたらすと不平を言う。特許文献2にさらに述べられるように、より脆弱なペタルは、湾曲する、従って、略ドーム形の表面を破壊する可能性が高く、タンポン・アプリケータを膣に挿入する際、又はタンポンの排出後に膣から除去する際、引っ掻き又は他の損傷をもたらすことがある。
【0008】
特許文献3は、特許文献1のものに類似したテーパ状挿入先端部を備えたアプリケータ・バレルを有するタンポン・アプリケータ組立体を開示し、このアプリケータ組立体には、例えば挿入先端部を含むバレルの端部の形状と類似した方法で成形された、成形綿撒糸が提供される。従って、ペタル内に支持するために、成形綿撒糸を挿入先端部内に少なくとも部分的に収容することができ、引っ掻き、ピンチング等をもたらし得る薄く非常に可撓性のペタルの変形を防ぐのを助ける。
【0009】
特許文献3の綿撒糸を支持する成形ペタルは、エンドユーザにとっての快適さを改善し、テーパ状挿入先端部及び非常に薄い可撓性ペタルを使用する際の信頼性を高めることはできるが、消費者の観点及び製造者の観点の両方から、依然としてさらなる改善が必要とされる。
【0010】
過度に脆弱なペタルにより引き起こされるユーザへの損傷の可能性に加えて、非常に薄いセクションを有する物品の効率的な大量生産は、極めて要求水準が高いことがある。例えば、多くのタンポン・アプリケータは、ポリオレフィンなどの熱可塑性ポリマー、又は熱可塑性プラスチックとエラストマーとの配合を成形することにより作成される。タンポン・アプリケータに望まれる機能的及び美的特性、すなわち、可撓性、潤滑性、滑らかさ、一貫した色等を与えることができる多くのポリマー組成物は、物品の破壊、引き裂き、又は他の損傷が原因で、特定の成形技術を用いる際に過剰な廃棄物を生じさせることがある。このことは、例えば、薄壁のペタルのようなデリケートな、又はペタルを定めるスリットがバレルの主本体と交わる点など、加工中に高い応力に曝される物品のセクションにおいては、特に問題である。
【0011】
より厚いペタル、又は僅かに堅いポリマー組成物で形成されたペタルを組み込むことによって、構造的により丈夫なアプリケータを作成する概念的に簡単な手段は、より効率的な又はより柔軟な製造プロセスを可能にする一方、挿入又は引き抜き時に不快感を引き起こす可能性が低いアプリケータも提供する。しかしながら、当技術分野において、上述のように、この変更を、現在構成されているタンポン・アプリケータに直接組み込むことにより、アプリケータを作動させるために必要な放出力が増大する可能性が高く、エンドユーザにとって、これを受け入れることはできない。
【0012】
受け入れ可能なほど低い放出力で動作しながら、エンドユーザの快適さに関連する問題を克服することができる、再構成されたテーパ状挿入先端部を有するタンポン・アプリケータが、非常に望ましい。典型的には、5ozと25ozとの間の放出力が望ましく、10ozと20ozとの間の放出力が、通常好ましい。挿入先端部の終端部により広い閉鎖部を設けること、及び/又はペタルの長さを延長することによって、アプリケータから綿撒糸を放出するのに必要な力が低減され得ることが分かっている。現在販売されているタンポン・アプリケータの構造に対してこの変更を行うことは、僅かな程度であっても、有用性及び快適さの著しい改善をもたらすことができ、同じく、エンドユーザ及び製造者の両方に付加的な改善を与える、より厚い又はより丈夫なペタルの使用といった、アプリケータの設計及び構成の他の変更も可能にすることができる。
【0013】
とりわけ、快適さ及び放出力の点でユーザ・フレンドリーな製品を提供することに加えて、こうした製品の製造は、等しく困難であり得る。材料のコストは、特定の好ましい材料の可用性が変動とともに、変動する。さらに、改善された特徴を有する新しい製品を支援するための工具は高価であり、材料調達の問題とともに問題を提示し得る。あえて言うなら、さらなる固有の好ましい及び/又は改善された消費者製品を依然としてもたらしながら、製造業者が複数の手段又は選択肢を選択するのを可能にする、柔軟な製品戦略を有することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】米国特許第8,444,590号明細書
【文献】米国特許第8,162,872号明細書
【文献】米国特許第9,192,522号明細書
【発明の概要】
【0015】
タンポン・アプリケータ及びタンポン綿撒糸を含む、タンポン・アプリケータ組立体が提供される。タンポン綿撒糸は、挿入端部及び後方端部を有する。後方端部は、一般に、引き抜き用紐を含む。挿入端部は、随意的にテーパ状である。
【0016】
タンポン・アプリケータ組立体は、その長さに沿って軸方向に通る真っ直ぐな中心長手方向軸を定める。タンポン・アプリケータは、この中心長手方向軸に沿って実質的に真っ直ぐであり、アプリケータの構成部品は、この真っ直ぐな中心長手方向軸の周りに同軸である。タンポン・アプリケータは、バレル及びプランジャを含む。プランジャは、単一部品であるか、又は随意的に2部品のプランジャである。いずれの構成においても、プランジャは、バレル内に収容されるタンポン綿撒糸に入れ子式に係合するか、又は別の言い方をすれば、プランジャは、バレルに入れ子式に係合し、力をタンポン綿撒糸の後端部に加える。2部品のプランジャを有する構成において、プランジャ・セグメント(すなわち、内側セグメント)は、他方のセグメント(すなわち、外側プランジャ)内に入れ子式に嵌まり込み、不使用又は貯蔵状態においてより短いアプリケータ・フットプリントを提供する。
【0017】
バレルは、挿入端部、主本体領域、及び随意的に変曲領域(inflection region)を含む。挿入先端部領域と変曲領域は、別個であるか、重なるか、又は一致する。いずれかの実施形態において、挿入先端部領域は、ペタルの長さ(すなわち、ペタルの自由端から、ペタルを分離するスリットが終端する基部までの長さ)を定める。一方、変曲領域は、バレルの挿入端部の変曲湾曲部(inflection curvature)に対応する長さを定める。アプリケータは、挿入端部を定める3個と8個との間のペタルを有する。
【0018】
ペタルを介する挿入端部は、閉鎖幾何学的形状を定め、又は別の言い方をすれば、ペタル自由端間の空間の量を定める。閉鎖幾何学的形状は、ペタル先端部間の内接形状により定められ、この内接形状は、一般的に、多角形形状である。例えば、挿入端部が4つのペタルを有する場合、内接多角形は、四辺形に似ている。閉鎖幾何学的形状(多角形を定める)は、多角形内に内接する円をさらに定める。円の直径は、約0.075インチと約0.150との間である。
【0019】
円形又は楕円形の挿入先端部開口部(すなわち、アプリケータの長手方向軸に沿ったスライスにより定められる)は、正多角形内に内接する円又は楕円により定められ、ここで、ペタルの終端部(すなわち、自由端)は、多角形の各辺の中点又は端点を表す。例えば、略円形の内部領域及び4つのペタルにより定められる挿入端部を有するバレルの場合、挿入端部開口部は、正方形内に内接する円であり、ペタルの終端部は、正方形の各辺の中点を表す。5つのペタルを有する実施形態において、挿入端部は、五角形の端点を定め、円は五角形内に内接するので、円は五角形の各辺の中点に接する。
【0020】
閉鎖度(degree of closure)は、ペタルの自由端により定められるような内接円の、ペタルの基部領域の断面に対する比として定められる。別の言い方をすれば、閉鎖度は、挿入端部開口部の直径の、挿入先端部が主本体に隣接する領域における主本体の中空内部の対応する直径に対する比である。この比は、内接円の相対直径を比較する。閉鎖度は、約0.1と約0.3の間、又は約0.1と約0.25の間、又は約0.12から約0.20まで、又は約0.14から約0.20までである。
【0021】
例えば、略円形の内部領域及び略円形の挿入先端部開口部を有するタンポン・アプリケータ・バレルの場合、閉鎖度は、挿入先端部開口部の直径の、挿入端部が主本体に隣接するバレルの内部の直径に対する比である。例えば、0.1の閉鎖度は、挿入先端部開口部が、挿入端部が主本体に隣接する領域内の点においてバレル内部の1/10のサイズであることを意味する。偶数のペタルにより定められる円形開口部の場合、これは、2つの対向するペタルの終端間の距離でもある。
【0022】
上述のように、挿入先端部領域及び変曲領域は別個であるか、重なるか、又は一致する。従って、挿入先端部領域及び/又は変曲領域は、約1.0を超えるテーパ比、又は約1.3から約3.5まで、例えば、約1.3から約2.5まで、約1.5から約2.5まで、又は約1.7から約2.3まで、又は約1.6から約2.2までのテーパ比を有する。テーパ比は、成形されたアプリケータ(すなわち、ペタルが湾曲形状に形成された)。
【0023】
従って、成形された挿入先端部領域の長さは、成形されたペタル自由端の間の軸方向長さであり、そこで、ペタルを互いから分離するスリット(又は、切れ目)が終端する。挿入先端部のテーパ比は、成形挿入先端部領域長さの、ペタルを分離するスリットが終端するバレルの半径に対する比である。挿入先端部テーパ比は、約1.0を上回る。
【0024】
成形された変曲領域長さは、挿入湾曲部が終了する場所と、互いからペタルを分離する切れ目が終端する場所との間の長さである。幾つかの実施形態において、変曲テーパ比は、(a)成形された挿入先端部領域長さと成形された変曲領域長さの和の、(b)挿入湾曲部が終了するバレルの半径及びペタルの間のスリットが終端する半径の大きい方に対する比である。変曲テーパ比は、約1.0を上回る。
【0025】
成形された挿入先端部領域の長さは、成形された変曲領域の長さと等しくない。幾つかの実施形態において、成形された挿入先端部領域の長さは、成形された変曲領域の長さを上回る。他の実施形態において、成形された挿入先端部領域の長さは、成形された変曲領域の長さを下回る。挿入先端部領域の長さは、変曲領域の長さとは異なる。主本体領域は、挿入先端部領域及び/又は変曲領域とは別個のテーパを有する。幾つかの実施形態において、主本体領域は、実質的に直線的な壁に囲まれ、テーパを有さない。幾つかの実施形態において、主本体領域は線形テーパを有し、一方、挿入湾曲部は非線形である。幾つかの実施形態において、挿入湾曲部は、主本体領域のテーパの湾曲部とは異なる。本明細書で述べられるように、挿入曲線は、幾つかの実施形態において、複数の曲率半径を有する。幾つかのこうした実施形態において、主本体領域に隣接する曲率半径は、主本体領域とは異なる曲率半径を有する。他のこうした実施形態において、挿入湾曲部は、主本体領域により定められるテーパ方程式とは異なる一般的な曲率方程式を定める。従って、主本体領域が実質的に直線ではない実施形態において、当業者であれば、挿入湾曲部が終わる場所と主本体領域が始まる場所を識別できるであろう。
【0026】
同じく、本開示のタンポン・アプリケータと、アプリケータ・バレル内に保持される吸収性綿撒糸とを含むタンポン組立体も提供され、そこでは、綿撒糸を放出するために、約5オンスから約25オンスまで、すなわち約1.4ニュートン(N)から約6.9ニュートン(N)までの力が必要とされ、例えば、綿撒糸を放出するために、約8ozから約20ozまで、すなわち2.2Nから5.6Nまで、例えば、約10ozから約20ozまで、すなわち2.8Nから5.8Nまで、約10ozから約15ozまで、すなわち2.8Nから4.2Nまで、又は約10ozから約12ozまで、すなわち2.8Nから3.3Nまでの力が必要とされる。
【0027】
楕円形のバレル及び楕円形の挿入先端部開口部の場合、比は、バレル内部の対応する部品及び挿入先端部開口部の幅、例えば、各々における最も幅の広い長さ又は各々における最も幅の狭い長さよって決定される。
【0028】
挿入先端部テーパ比は、バレルの長手方向軸に沿ったテーパ突起部の長さの、挿入先端部の基部領域、すなわち、挿入先端部領域(及び/又は変曲領域)がバレルの主本体に隣接する領域におけるバレルの半径に沿ったテーパ突起部に対する比により定められる。略円形のバレルの場合、これは、挿入先端部の長さの、挿入先端部の基部におけるバレルの外接円の半径に対する比に変換される。本開示において、楕円形のバレルのテーパ比は、挿入先端部の長さの、挿入先端部の基部におけるバレルの最も広い部分における半径に対する比である。
【0029】
場合によっては、挿入先端部の開口部を拡大する又はペタル全長を増大させる度合いは、ある程度、ペタルの形状によって決まる。本開示のペタルは、成形されていない(すなわち、真っ直ぐな)状態において、略三角形、半円形、放物線、楕円、及び/又は双曲線の形状を有し、幾つかの実施形態においては、例えばペタルの基部付近のペタルの一部は、略線形の形状を有する。本開示の幾つかの実施形態において、より丸い又はさらに先の丸いペタル終端部、より長い線形領域、又はあまり急峻ではない放物曲線を与えることが、放出力への影響を有し得ることが分かっており、幾つかの実施形態においては、これらの相互作用を考慮するように、ペタルの設計に対して調整が行われる。他の実施形態において、2つの隣接するペタルは、バレル領域において(すなわち、ペタルの基部において)収束し、涙滴形状を形成する。更に別の実施形態において、1つ又はそれ以上のペタルは、1つより多い曲率半径を有するので、1つ又はそれ以上の半径の少なくとも1つは、約放物線、双曲線、及び/又は楕円形の形状を有する。幾つかの実施形態において、ペタルは、少なくとも2つの曲率半径、少なくとも3つの曲率半径、又は少なくとも4つの曲率半径を有する。
【0030】
従って、本開示のアプリケータは、テーパ状アプリケータと関連した快適さを与える改善されたテーパ状挿入先端部構成を有し、この構成は、アプリケータの放出力も低下させる。より低い放出力を有する構成を用いることにより、設計及び組成に対する他の変更も可能であり、例えば、極めて薄い又は脆弱なペタルに対する必要性が低減され、そのことは、より少ない先端部の変形及びより大きい使用中の快適さをもたらし得る。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】丸い又はドーム形挿入先端部を有するタンポン・アプリケータを示す。
【
図2】テーパ状挿入先端部を有するタンポン・アプリケータを示す。
【
図3】テーパ状挿入先端部を有するタンポン・アプリケータを示す。
【
図4】変更された挿入先端部を有するタンポン・アプリケータを示す。
【
図5】丸い又はドーム形挿入先端部を有するタンポン・アプリケータを示す。
【
図6A】アプリケータ挿入先端部及び変曲領域の断面図の概略表現である。
【
図6B】アプリケータ挿入先端部及び変曲領域の断面図の概略表現である。
【
図6C】アプリケータ挿入先端部及び変曲領域の断面図の概略表現である。
【
図7】アプリケータ挿入先端部及び変曲領域の断面図の概略表現である。
【
図8】アプリケータ挿入先端部及び変曲領域の断面図の概略表現である。
【
図9】アプリケータ挿入先端部及び変曲領域の断面図の概略表現である。
【
図10】アプリケータ挿入先端部及び変曲領域の前面図である。
【
図11】アプリケータ挿入先端部及び変曲領域の前面図である。
【
図12】アプリケータ挿入先端部及び変曲領域の前面図である。
【
図13】アプリケータ挿入先端部及び変曲領域の詳細図である。
【
図14】コンパクトな又は収納構成におけるコンパクトなアプリケータ組立体の線断面である。
【
図15】拡張又は準備構成におけるコンパクトなアプリケータ組立体の線断面である。
【
図16】綿撒糸がアプリケータから放出されているコンパクトなアプリケータ組立体の線断面である。
【
図19】挿入先端部及び変曲領域の部分傾斜図である。
【
図20】挿入先端部及び変曲領域の部分傾斜図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本開示のタンポン・アプリケータ組立体10は、当技術分野において周知のタンポン・アプリケータと共通する多くの一般的な特徴、すなわち、プランジャ16と、中空キャビティ15を定める略管状の形状であり、かつ、2つの対向する端部44、84(最前方端44及び最後方端84)を有し、各端部44、84は開口部を含む、バレル14とを有する。バレル14は、挿入端部26、主本体領域36、及び逆テーパ領域38、把持領域40のうちの1つ又はそれ以上を含む。主本体領域36は長さ72を有し、指把持領域40は長さ74を有し、逆テーパ領域38は長さ76を有する。タンポン・アプリケータ12は、中空キャビティ15及び最後方端部84内に摺動可能に配置されるプランジャ16を有する。最前方端部44は、挿入端部26を有する。挿入端部26は、複数のペタル45を含む。ペタル45は、最初に形成されていないすなわち真っ直ぐな位置にあり、タンポン・アプリケータ組立体10の組み立て後、十分に完成し(すなわち、少なくとも
図7に示されるように、少なくともタンポン綿撒糸22が中空キャビティ15の内部にある)、挿入端部26が閉鎖又形成される。バレル14内に収容された綿撒糸22が(プランジャ16によりかけられた圧力により)ペタル45に対して押し付けられると、挿入端部26が開口し、挿入端部44の最前方端部44の開口部30が大きくなり、その大きい開口部30を通って、綿撒糸22が放出される。綿撒糸は、引き抜き端部28を有し、引き抜き用紐24を含む。
【0033】
タンポン・アプリケータ12は、フルサイズのバレル14及び随意的に
図1に示されるような一体成形のプランジャ16を有するフルサイズのアプリケータ12、及び/又は、
図14~
図16に示されるようなコンパクトなアプリケータである。コンパクトなアプリケータは、一体成形のプランジャ(
図14~
図16には図示されていない)、及び/又は
図14~
図16に示されるような2部品のプランジャ16を有することができる。2部品のプランジャは、内側プランジャ18及び外側プランジャ20を含み、内側プランジャ18は、外側プランジャ20に入れ子式に係合する。内側プランジャ18及び外側プランジャ20の両方とも、接続/拡張構成にあるとき、バレル14に入れ子式に係合する。随意的に、コンパクトなアプリケータは、
図2~
図5に示されるようなフルサイズのバレル14を有することができる。タンポン・アプリケータ12は、ボール紙、熱可塑性物質、及び/又はエラストマー・ポリマーを含む種々の材料から作成することができ、アプリケータ12は、該アプリケータ12の快適さ又は有用性をさらに助けることができる材料で被覆することもできる。
【0034】
例えば、
図1は、プランジャ16と、テキスチャ加工された指把持領域、主本体領域36及び挿入端部26を含むバレル14とを有するよく知られたタンポン・アプリケータ12を示す。
図1において、プランジャは、指把持領域40を通してバレル14に入る。
【0035】
アプリケータ12の挿入の容易さを改善するために、挿入端部26の構造が再構成されている。アプリケータ12の作動前、タンポン・アプリケータ組立体の構成部品の組み立て後、挿入端部26は、規定のテーパ、長さ、及び閉鎖を有する。こうした特徴は、個々のペタル45の形状及び長さ、及び/又は変曲湾曲部54によって決定される。本開示のタンポン・アプリケータ12と従来技術のものとの間の差は、挿入端部26の最前方端部44における固有の又は大きい閉鎖度の導入、挿入端部26を形成するペタル45の延長、又は変曲湾曲部54の延長、固有のペタル・ギャップ51を有すること、及び/又は異なるように成形されたペタル45(すなわち、曲率、幅、厚さ)の使用のうちの1つ又はそれ以上を含むことができる。後者について、異なるように成形されたペタルは、異なる又は複数の曲率半径、異なるように成形されたスリット48、異なる曲率半径を有するスリット48を有するペタル45を含む。こうした実施形態において、ペタル45の形状は、固有の変曲湾曲部54、及び/又は複数の曲率半径を有する挿入端部26をもたらす。
【0036】
挿入端部26は、挿入先端部領域32、及び随意的に変曲領域34を含む。挿入先端部領域32及び変曲領域34は、別個の、重なる、又は一致する。任意の実施形態において、挿入先端部領域32は、成形されたペタル45の長さ62(すなわち、ペタル45を分離するスリット48が終端する50基部までのペタル45の自由端46の長さ)を定める。一方、変曲領域34は、挿入端部26の変曲湾曲部54に対応する長さ66(すなわち、変曲領域長さ66)を定める。アプリケータ12は、挿入端部26を定める3個と8個の間のペタル45を有する。
【0037】
挿入端部26は、ペタル45を介して閉鎖幾何学的形状を定める、又は別の言い方をすれば、ペタル自由端46の間の空間の量を定める。閉鎖部幾何学的形状は、ペタル自由端46(すなわち、ペタル先端部)の間の内接形状56により定められ、一般に、多角形の形状である。例えば、挿入端部26が4つのペタル45を有する場合、内接多角形56は、四辺形に類似している。閉鎖部幾何学的形状(多角形を定める)は、多角形56内に内接する円58をさらに定める。円58の直径60は、約0.075インチと約0.150インチの間である。
【0038】
図1は、湾曲領域が挿入端部と実質的に同じである(すなわち、変曲湾曲部の長さが成形されたペタルの長さに対応する)、大部分が半球状の挿入端部を有するタンポン・アプリケータを示す。
図2は、
図1のタンポン・アプリケータ12のものと比べて著しくテーパした挿入端部26を有するタンポン・アプリケータ12を示す。
図2~
図3のタンポン・アプリケータ12は、挿入端部26に向かって進むにつれて僅かにテーパし、指把持領域40に向けて進むにつれてより著しくする主本体領域36を有するバレル14も示す。
図1、
図4~
図5のアプリケータ12は、より線形の主本体領域36を示す。
【0039】
本開示のタンポン・アプリケータ12は、線形又はテーパ状の主本体領域36を含むバレル14を含み、一般に、テキスチャ加工された42指把持領域40を含むが、幾つかの実施形態は、明確なテキスチャ加工された42指把持領域40がない。テキスチャ加工された42の指把持領域40は、リブ、エンボス加工、スリット、及び/又は他の3次元トポグラフィを含む。
【0040】
本開示のタンポン・アプリケータ12は、テーパ比により部分的に定められるテーパ状挿入端部26を有する。テーパ比は、挿入端部26の境界により定められる。つまり、変曲領域34が挿入先端部領域32を超えて延びる場合、「境界」は、湾曲曲線54の長さ、直径、及び半径(すなわち、挿入先端部領域32の長さ62、及び変曲領域34により与えられる任意の付加的な長さ66、並びに変曲領域の直径86及び半径82)により定められる。代替的に、変曲領域34が挿入先端部領域32に重なる場合、「境界」は、挿入先端部領域32の長さ、直径及び半径(すなわち、挿入先端部領域32の長さ62、並びに挿入先端部領域32の直径78及び半径80)によって定められる。従って、挿入先端部領域32のテーパ比は、バレル14の長手方向軸11に沿ったテーパ突起部の長さ(すなわち、成形された挿入先端部領域32の長さ62)の、挿入端部の複数のスリット48の終端部50におけるバレル14の半径80に沿ったテーパ突起部の長さに対する比により定められる。挿入先端部領域32及び変曲領域34を有する挿入先端部26のテーパ比は、バレル14の長手方向軸11に沿ったテーパ突起部の長さ(すなわち、挿入先端部領域32の成形された長さ62及び変曲領域34の成形された長さ66の加算又は減算を一般的に含む、変曲曲線54の成形された長さ66)の比により定められる。例えば、
図7、
図8及び
図9は、
図1~
図5のタンポン・アプリケータ12内に見出されるようなテーパ状挿入端部26の概略図を示す。明確にするために、
図7~
図9において、「a」又は「b」の付かない任意の数を、「a」及び「b」のいずれか又は両方により示すことができる。例えば、半径82を参照する場合、外寸に対する82a及び内寸に対する82bに関して(及び
図7~
図9に示されるように)考えることができる。バレル14の主本体領域36は、直径86(半径82を含む)により指定される、挿入端部26と主本体領域36の境界に位置する垂直軸13の左の部分に部分的に示され、挿入端部26は、直径86(外部幾何学形状については86a及び内部幾何学的形状については86bで表される)の右の湾曲部分(すなわち、変曲湾曲部54)に示される。本開示の全体を通して示されるように、垂直軸13は、タンポン・アプリケータ組立体10の長さの種々の位置に沿って示される(これが長手方向軸11に対して垂直である限り)。バレル14の長手方向軸11に沿ったテーパ突起部の長さは、長手方向軸11により示され、長さ62及び66により指定され、垂直軸13に沿った突起部の長さは、ライン半径82により示される。テーパ状挿入端部26は、(a)62と成形された変曲領域34の長さ66により生じるあらゆる偏差を、(b)半径82により除算した、1より大きいテーパ比を有する。
【0041】
図6Aは、以下に論じられるように、本質的に半球状のドーム形挿入端部を有するバレルの同じ部分の概略図であり、ペタル45の長さ49は、おおよそ半径80に等しく、1のテーパ比をもたらす。テーパ状挿入先端部(すなわち、1を上回るテーパ比を有する)が好ましいが、本開示の全体にわたり種々の実施形態は、1を下回る又は1に等しいテーパ比を有する利点をもつ。
【0042】
本開示のタンポン・アプリケータ12は、少なくとも1.0、又は1.2、又は典型的には少なくとも1.3、及び多くの場合1.4、1.5、1.6、1.7又はそれより大きいテーパ比を有するテーパ状挿入端部26を有する。
【0043】
幾つかの実施形態において、挿入端部26がペタル45の基部領域47を超えて(すなわち、ペタル45の間のスリット48を超えて)延びるように、挿入端部26を変更することは有利である。これらの実施形態において、挿入端部26は、挿入先端部領域32を超えて、主本体領域36まで、変曲領域34であるペタル45の基部領域47まで延びる部分を含む。これらの実施形態において、変曲湾曲部54は、挿入先端部26により定められる(又はこれを定める)ペタル45の自由端46から延び、ペタル45の基部領域47を超えて、変曲領域34内の主本体領域36まで、変曲湾曲部54の一部分を引き続き有する。ペタルの基部領域47と主本体領域36との間のこの部分は、変曲領域54として説明される。
【0044】
代替的に、幾つかの実施形態において、変曲領域54及び挿入先端部領域32は重なり、及び/又は少なくとも部分的に一致する。幾つかの実施形態において、変曲湾曲部54は、ペタル45の自由端46と基部領域47の間のペタル45の軸方向長さ62(すなわち、ペタル45の間のスリット48が終端する場所50)で終わる。これらの実施形態において、変曲領域34は、変曲湾曲部54の端部とペタル45を分離するスリット48の終端部50との間の長さ66の部分である。
【0045】
図6A~
図6Cは、挿入端部26の変形を示す本開示の構成を示す。
図6A~
図6Cは、挿入端部26の半径に対応する斜辺88及び90を示す。
図6Aは、挿入端部26が挿入先端部領域32に対応する本開示の実施形態を示す。点「y」と「z」との間のペタルの軸方向長さ49と挿入先端部領域の半径80(点「z」と「x」との間の)は、直角αを形成する。斜辺90は、点「y」及び「z」に対応する。
【0046】
図6Bは、挿入端部26が「不十分に形成された(under-formed)」本開示の実施形態を示す。つまり、挿入先端部領域32及び変曲領域34は重なる。変曲領域34の軸方向長さ66は、「x」及び「x’」により境界付けられ、挿入先端部領域32は、「x」と「y」との間の軸方向長さ49を有する。挿入先端部領域32は、下方に形成された挿入端部に起因して他の方法でシフトされ、今や半径80は、「z」から「z’」へのシフトのために80’となる。角度αは、角度α’とβの和であり、ここでα’は、「z’」の偏差及び変曲領域34を介して形成される。変曲領域の軸方向長さ66(又は68)が長さlに対して平行である限り、角度φは角度αの相補的な外角である。さもなければ、角度φは、直角以外である。
図6Bは、
図6Aの基礎となるペタルの幾何学的形状のみを示すが、変曲湾曲部54の斜辺88は、より短くより急峻になる。特定の実施形態において、これは、変曲湾曲部54を超えて延びるペタル45を有することにより、放出力を低減させる。特定の実施形態において、これは、ペタル45の支持を改善し、ペタル45が偶発的に撓む機会を減らす。
【0047】
図6Cは、挿入端部26が「過剰に形成された(over-formed)」本開示の実施形態を示す。つまり、変曲領域34は、挿入先端部領域32を超えて挿入端部26の長さを延びる。変曲領域34の軸方向長さ66は、「x」と「x”」により境界付けられ、挿入先端部領域32は、「x」と「y」との間の軸方向長さ49を有する。変曲領域34は、過剰に形成された挿入端部26を提供し、今や半径80は、点「z」から「z”」へのシフトのために80”となる。角度αは、角度α’により拡張され、角度αは、角度α’とβの和であり、ここで、α’は、「z”」の偏差と変曲領域34により形成される。角度θは、半径80”及び長さl’により定められる。
図6Cは、
図6Aの基礎を成すペタル幾何学形状のみを表すが、変曲湾曲部54の斜辺88は、より長くより緩やかである。特定の実施形態において、これは、放出力を低減させ、挿入の快適さを改善し、及び/又はペタル45の支持を改善し、ペタル45が偶発的に撓む機会を減らす。
【0048】
図7、
図8及び
図9は、内部バレル14aの幾何学的形状、外部バレル14bの幾何学的形状の両方の種々の態様及び寸法、並びにバレル14の厚さ14cと共に本開示の構成を示す。
図7は、挿入端部26の半径に対応する斜辺88及び90を示す。
図8~
図9は、挿入端部26の直径に対応する斜辺88及び90を示す。当業者であれば、こうした図の斜辺は異なるが、直径及び半径、並びに内寸及び外寸に関して本開示により教示されるように、斜辺を含む異なる幾何学的形状の関係は、多数の方法で描くことができる。
図8は、挿入端部26を形成する前のバレル14を示す。
図9は、成形された(すなわち、ドーム形)挿入端部26を有するバレル14を示し、ここで、挿入端部26はテーパ状である。
図8及び
図9は、図式による表示であり、他のバレル14の幾何学的形状を同様に説明することができる。変曲領域34は、外部幾何学的形状14a及び内部幾何学的形状14bの両方により説明することができる。外部幾何学的形状は、特に、挿入の快適さのために、アプリケータ12がどれだけ伝導性がある(conductive)かに関係する。外部幾何学的形状14aは、ペタル45の間のスリット48が終端する50バレル14aの外径80a、及び同じく変曲領域34におけるバレル14aの外径82aの相関関係、並びにそれらが成形されたペタル45の長さ62と変曲領域の長さ66をどのように比較するかに焦点を置く(例えば、成形されたペタル45を有する実施形態についての
図9を参照されたい)。ペタル45の自由端46の間の長さ62(成形時)と変曲領域34の長さ66(成形時)が、変曲領域34が終わり、主本体領域36が始まる外面の半径82aより大きくなる限り、より長い又はより緩やかなテーパが達成される。幾つかの実施形態において、ペタル自由端46aの外部とペタル45の間のスリット48の終端部50との間の長さは、挿入先端部領域32が主本体領域36と交わる外面の半径82aより大きい。幾つかの実施形態において、ペタル自由端46aの外部と変曲領域34が主本体領域36と交わる場所との間の長さは、変曲領域34が主本体領域36と交わる外半径82aより大きい。数は、挿入端部26内のバレル14の厚さ14cに応じて変わり得るが、同様の関係を、内寸においても有することができる。例えば、内径80b及び82bは、それぞれ外径80a及び82aに対応し、それぞれの差は厚さ14cに起因する。当業者であれば、厚さ14cは、多くの実施形態において変化することを理解する。
【0049】
幾つかの実施形態において、変曲領域34の軸方向長さ66が、変曲湾曲部54が終端する直径86を超えない場合、ペタル45の基部領域47を超えて変曲湾曲部54を増加させる、変曲領域34に起因する挿入端部26の付加的な長さ66に鑑みて、(a)挿入先端部領域32の軸方向長さ62、(b)変曲領域34の軸方向長さ66、及び(c)変曲湾曲部54の斜辺88との間の相関関係を引き出すことができ、以下の式により検討することもできる。
【0050】
変曲湾曲部54の斜辺88>√((挿入先端部領域の軸方向長さ)2+(挿入先端部領域32の軸方向長さ62+変曲領域34の軸方向長さ66)2)
【0051】
明確にするために、上記の式は、直角三角形の三辺を反映しないので、ピタゴラスの定理を使用していない。むしろ、上記の式は、特定の実施形態において、変曲湾曲部54の斜辺88の二乗が、上述の軸方向長さ62、66の二乗の和より大きいことを示す。言い換えれば、挿入端部26は、変曲湾曲部54が終端するバレル14の直径86より少ない距離だけ、変曲領域34を介して長くされ62、従って、通常のものは挿入先端部領域32の斜辺90(すなわち、ペタル自由端46からペタル45間のスリット48の終端部50までの斜辺90)である。この概念は、以下に説明されるように、外部の幾何学的形状及び同じく内部の幾何学的形状14bにも関連するので、成形状態及び非成形状態の両方で用いることができる。例えば、直径86は、外部幾何学的形状の文脈においては直径86aと呼ばれ、内部幾何学的形状14bの文脈においては直径86bと呼ばれ、同様に、斜辺88及び90は、外部幾何学的形状の「a」及び内部幾何学的形状の「b」について88a及び88b、並びに90a及び/又は90bとなる。同様に、挿入先端部領域32の長さ62及び64は、それぞれ成形状態及び非成形状態において、それが外部幾何学的形状14aに関連するとき、それぞれ62a及び64aとなり、それが外部幾何学的形状14bに関連するとき、それぞれ62b及び64bとなる。付加的に、変曲領域34の長さ66及び68は、それぞれ成形状態及び非成形状態において、それが外部幾何学的形状14aに関連するとき、それぞれ66a及び68aとなり、それが内部幾何学的形状14bに関連するとき、それぞれ成形状態及び非成形状態において、66b及び68bとなる。さらに、変曲湾曲部54は、成形状態にあるときに求められるが、変曲湾曲部54は、成形状態における挿入端部26の幾何学計算により求めることができる成形されていない長さ68も有する。同様に、挿入先端部領域32は、成形されていない長さ64を有する。
【0052】
内部幾何学的形状14bは、特に、放出効率に関係する。内部幾何学的形状14bは、ペタル45の間のスリット48が終端する50バレル14の内径80aの相関関係に焦点を置き、内径82aは、変曲領域34における内径を述べ、内部幾何学的形状は、内径80b及び82bのいずれか及び両方が成形されたペタル45の長さ62とどのように比較されるかに関連する。変曲領域34(成形時)のペタル45(成形時)の長さ66の自由端46の間の長さ62が、変曲領域34が終わり、主本体領域36が始まる内面の半径82b又は外面の半径82aより大きくなる限り、放出効率に向けてより伝導性があり、より長い又はより緩やかなテーパが達成される。幾つかの実施形態において、ペタル45のスリット48の終端部50の自由端46bの内面間の長さは、挿入先端部領域32が主本体領域36に交わるバレル14の内半径80bを上回る。幾つかの実施形態において、ペタル自由端46bの内部と変曲領域34が主本体領域36に交わる場所の間の長さは、変曲領域34が主本体領域36に交わる内半径82bを上回る。
【0053】
内斜辺88b及び/又は90bは、綿撒糸22が挿入端部領域26内にどれだけうまく入れ子になるかを特徴付け、そのことが改善した挿入の容易さをもたらすという点で、特に有用であり。綿撒糸22の少なくとも一部が内斜辺88b及び/又は90bと交差するように成形された綿撒糸22は、該綿撒糸22が挿入先端端部26の少なくとも一部分を支持することを示す。幾つかの実施形態において、綿撒糸22は、挿入先端部領域26の斜辺88及び/又は90と交差する。幾つかの実施形態において、綿撒糸26は、変曲曲線の斜辺90と交差する。さらに他の実施形態において、綿撒糸22は、挿入先端部領域26の斜辺88及び変曲曲線54の斜辺90の両方と交差する。簡単にするために、内部幾何学的形状14bが好ましいが、厚さ14cが薄い場合、外部幾何学的形状14bから測定を行うこともできる。別の言い方をすれば、アプリケータ12は、一般的に、薄い部品であり、従って、綿撒糸22が外斜辺88a又は90aと交差する場合、綿撒糸がいずれのそうした内斜辺88b又は90bと交差する可能性が高い。さらに、斜辺88及び/又は90は、成形状態で計算される。幾つかの実施形態において、綿撒糸22が放出されるとき、綿撒糸22は、ペタル45の少なくとも自由端46を支持する。幾つかの実施形態は、挿入端部領域26に実質的に類似した綿撒糸22の形状を有するが、幾つかの実施形態は、身体内への挿入などを必要とせず、アプリケータ12を押し下げる身体的な力(すなわち、挿入端部領域26における)を必要とし、従って、挿入端部26を押して綿撒糸22と接触させる。従って、挿入端部領域26及び綿撒糸22の形状が、本開示の全体にわたって説明される特徴の少なくとも一部に幾分類似している限り、より大きい挿入の容易さ又は快適さが達成され、改善される。
【0054】
外部幾何学的形状14aは、これが内部幾何学的形状14bに関連するとき、同じく放出効率に影響を与える。より薄いペタル45は、一般的には、より厚いペタル45よりも少ない力で撓み、従って、ペタル45の相対的厚さ14cは、放出効率に影響を与え得る。非常に薄いペタル45を作成するのは困難であり得るので、ペタル45の部分をペタル45の他の部分よりも局所的に薄くし、改善した放出効率を与えることができる。これらの局所的に薄い領域は、アプリケータ12が改善された挿入の容易さ(すなわち、放出効率及び挿入の快適さの少なくとも一方)を有することを消費者に示す美的外観を与えることができる。
【0055】
本開示はさらに、細長いペタル45を考える。ペタル45の長さ49の増大も、バレル14から綿撒糸22を放出するのに必要な力の量を低減させ、従って、放出効率を改善することも分かっている。種々の実施形態において、ペタルの長さ49は、挿入先端部領域32の長さ62(又は64)及び変曲領域34の長さ66(又は68)のいずれか又は両方と同じであることに留意されたい。同様に、本開示の全体を通して教示されるように、外部幾何学的形状14aに関するペタル長さ49a及びペタル長さ49bは、内部幾何学的形状14bに対応する。例えば、
図18のスリット48を考える。
図17に示されるように、スリット48がバレル14の主本体領域36内にさらに延長すると、タンポン・アプリケータ12を作動させるのに必要な放出力が低減する。
【0056】
示唆されるようなスリット48の延長は、ペタル45の形状及びテーパ比も変える。つまり、大部分が半円形又は放物線状だったペタル45は、今や、大部分が線形の基部領域47付近の部分を有する。例えば、
図17及び
図18は、それぞれペタル45の設計の平坦なセクションを示し、
図18のペタル45は、ほとんど全体的に湾曲しており、線形セクションを有さないか又は僅かな線形セクションしか有さず、
図17は、
図18のものと類似した湾曲領域を有するペタル45を示すが、
図17のペタル45は、2つの破線98と100との間の領域として示されるようなより長い線形セクションを有する。ペタル45の長さ49の増大は、これが線形領域の延長によって達成されたとしても、挿入先端部のテーパ比を増大させることを理解されたい。
【0057】
本開示は、ペタル45の間に様々な間隔を有する挿入端部26の構成をさらに考える。
図10~
図11は、4つのペタル45を有し、ペタル45は、タンポン・アプリケータ12の長手方向軸11に対して平行に走るスリット48により分離される、挿入端部26の前面図を表す。ペタル45の領域の自由端46におけるスリット48は、「X」形状をなす。最前方端部44(すなわち、ペタル45の自由端における)には、バレル14の主本体領域36の直径92よりずっと小さい開口部30もある。本開示の全体を通して述べられるように、直径92aは(主本体領域36の)外径であるが、直径92bは(主本体領域36の)内径である。開口部30は、ペタル45の自由端46をさらに分離する。開口部30は、「X」の中央部分、又は「X」の2つの傾斜した線の交差部により示される。
図12は、
図10のアプリケータ挿入端部26の前面図の概略図であり、そこで、点線は、上で定められたような開口部30の内接円58を表し、より大きい外円は、バレル14が挿入端部26と交わるバレル14の内径92bを表す。閉鎖度は、挿入端部26の開口部30の直径60の、挿入端部26がバレル14の主本体領域36に隣接するバレル14の内径92bに対する比として定められる。
【0058】
閉鎖部の直径(すなわち、挿入端部開口部30)及び放出力へのその影響が、以下の表1に示される。
【表1】
【0059】
上記の表1は、閉鎖部直径30を0.76mm(0.030インチ)だけ変えることによって、放出力を1ニュートン(3.6オンス)だけ変更する能力を示す。言い換えれば、閉鎖部直径30を、それぞれ、0.76mmだけ増大又は減少させることにより、1ニュートンだけ放出力を増大又は減少させることができる。閉鎖部直径30と放出力の関係を説明する別の方法は、閉鎖部直径30を1mm(0.039インチ)だけ変更することによるものであり、放出力は、1.312ニュートン(4.719オンス)だけ変更する。
【0060】
上記に示されるように、挿入端部26の開口部30を拡大することで、バレル14から綿撒糸22を放出するのに必要な力の量は低減する。この効果は、例えば
図6の概略図に示される挿入端部26などの、先の丸い又はより球状の挿入端部26におけるよりも、例えば
図7の概略図に示される挿入端部26などの、より大きいテーパを有する挿入端部26において相対的により顕著であることが見出された。
【0061】
以下の表2に示されるように、ペタル45の長さも放出力に影響を与える。
【表2】
【0062】
上記の表1は、ペタル45の長さ49を1.33mm(0.052インチ)だけ変えることによって、放出力を1ニュートン(3.6オンス)だけ変更する能力を示す。言い換えれば、ペタル45の長さ49を1.33mmだけ増大又は減少させることによって、それぞれ、放出力を1ニュートンだけ増大又は減少させることができる。ペタル45の長さ49と放出力の関係を説明する別の方法は、ペタル45の長さ49を1mm(0.039インチ)だけ変更することによるものであり、放出力は、0.75ニュートン(2.698オンス)だけ変更される。
【0063】
ペタル45のギャップ51の幾何学的形状は、ペタル45の基部領域47におけるペタル・スリット48を述べ、同じく本開示の範囲内にある。涙滴形状のギャップ51は、挿入の容易さを改善する。ギャップ51の曲率半径52は、約0.028インチと約0.030インチとの間である。ギャップ51の直径は、約0.020インチと約0.056インチとの間である。幾つかの実施形態において、隣接するペタル45間のギャップ51は、約0.005インチを上回る。
【0064】
挿入端部26は、約0.200インチと約0.420インチとの間の曲率半径96を有する。他の実施形態において、挿入端部26は、約0.400インチを超える、又は約0.420インチを超える曲率半径96を有する。幾つかの実施形態において、挿入端部26は、約0.202インチと約0.220インチとの間の第1の曲率半径96aを有する。幾つかの実施形態において、挿入端部26は、約0.336インチと約0.409インチとの間の第2の曲率半径96bを有する。幾つかの実施形態において、挿入端部26は、約0.373インチと約0.392インチとの間の第3の曲率半径96cを有する。幾つかの実施形態において、挿入端部26は、約0.201インチと約0.399インチとの間の曲率半径96を有する。
【0065】
本開示の挿入端部26は、成形されたアプリケータ・バレル14全体の長さ70の少なくとも10パーセント(10%)である。幾つかの実施形態において、長さ70は、約2.0インチと約3.5インチとの間であり、より好ましくは、約2.5インチと約3.0インチとの間である。幾つかの実施形態において、この長さは、約2.0インチを上回るか、又は約3.5インチを下回る。更に別の実施形態において、この長さは、約2.75インチと約3.0インチとの間である。幾つかの実施形態において、挿入端部26の長さは、成形されたアプリケータ・バレル14全体の長さ70の少なくとも15パーセント(15%)である。更に別の実施形態において、挿入端部26の長さは、成形されたアプリケータ・バレル14全体の長さ70の少なくとも20パーセント(20%)である。本開示の全体を通して説明されるように、実施形態に応じて、挿入端部26の長さの想起、それぞれ、挿入先端部領域32の長さ62又は64、及び/又は、それぞれ、変曲領域34の長さ66又は68のいずれか又は両方である。
【0066】
主本体領域の長さ72は、少なくとも1.25インチ、又は最大約2.0インチまでであり、より好ましくは、約1.25インチと約1.75インチとの間である。指把持領域40の長さ74は、少なくとも約0.5インチ、又は最大約1.0インチまでであり、より好ましくは、約0.50インチと約0.75インチとの間である。逆テーパ領域38の長さ76は、少なくとも0.10インチ、又は最大約0.5インチまでであり、又はより好ましくは、約0.125インチと約0.4インチとの間である。
【0067】
本開示のアプリケータ12は、変更されたカンチレバー・ビーム方程式(cantilevered beam equation)と同様にモデル化することができる。アプリケータ撓み係数と呼ばれるこうしたモデルは、ペタル22の数、ヤング係数、慣性モーメント、撓み、ペタル45の長さ49、ペタル45の幅43、基部領域47におけるペタル45の厚さ14c、スリットの終端部50におけるバレル14の直径78、及び基部領域47における隣接するペタル45間のギャップ51の曲率半径52に関連する。モデルは、PLAYTEX SPORTアプリケータ及びPLAYTEX GENTLE GLIDEアプリケータを含む、現在周知のアプリケータに対して検証された。本開示の発明のサンプルもモデル化された。モデルは、改善されたタンポン組立体10の性能を促進するために、挿入端部26、挿入先端部領域32、変曲領域34、及び/又はペタル45の測定の態様を変更するための基礎を与える。
【0068】
上述のカンチレバー・ビーム方程式は、ペタルの長さの観点及びペタルび厚さの観点の両方から、次のように定義される。
【0069】
カンチレバー・ビーム方程式-ペタルの厚さ
定義:
Fpb=ペタルの曲げ力
Fe=放出力
N=ペタルの数
E=ヤング弾性係数
I=第2の慣性モーメント
Lf=成形されたペタルの長さ
δ=撓み
b=基部におけるペタルの幅
t=ペタルの厚さ
dbarrel=ペタル基部におけるバレルの外径
dtear=ペタル内の「涙滴部」の直径
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
Eはpsiの単位を有し、dbarrel、dtear、t、Lf及びδは、インチの単位を有すると仮定する。
【0074】
カンチレバー・ビーム方程式-ペタルの厚さ
定義:
Fe=放出力
N=ペタルの数
E=ヤング弾性係数
I=第2の慣性運動
Lf=成形されたペタルの長さ
δ=撓み
b=基部におけるペタルの幅
t=ペタルの厚さ
dbarrel=ペタル基部におけるバレルの外径
dtear=ペタル内の「涙滴部」の直径
te=有効厚さ
tmax=最大ペタル厚さ
tmin=最小ペタル厚さ
α=「厚い」ペタル領域の百分率(0<α<1)
β=「薄い」ペタル領域の百分率(0<β<1)
n=厚さ「i」の領域の数
ti=厚さ「i」
εi=ペタル全体にわたるtiの百分率
【0075】
【0076】
2つの異なる厚さの関数として表される有効厚さ:
te=αtmax+βtmin
【0077】
一連の厚さの関数として表される有効厚さ:
【数5】
【0078】
様々な厚さを有するペタルに基づいた放出力:
【数6】
【0079】
オンス単位での様々な厚さを有するペタルについての放出力:
【数7】
【0080】
Eはpsiの単位を有し、dbarrel、dtear、t、Lf及びδは、インチの単位を有すると仮定する。
【0081】
多くのタンポン・アプリケータ12は、プラスチック材料から作成され、従って、剛性率は、通常、約27,000psiと約70,000psiとの間である。
【0082】
図19~
図20は、成形状態のペタル45の幅43、並びにペタル45のギャップ51及びスリット48を強調する、バレル14の角度の付けられた図を示す。ペタル45の幅43(並びに、スリット48又はギャップ51)は、ペタル45の長さ49に沿って変わり得るが、一般に、ペタル45の基部領域47におけるバレル14の一部の周りのアプリケータの円周を取得し、スリット48又はギャップ51の直径を減算して除き、次にペタルの数で除算することによって求められる。本開示のペタル45の幅43は、約0.14インチから約0.68インチまで変わる。幾つかの実施形態において、ペタル45の幅43は、約0.20インチと約0.45インチとの間であり、さらに他の実施形態においては、約0.24インチと約0.42インチとの間である。更に別の実施形態において、ペタル45の幅43は、約0.25インチと約0.40インチとの間である。
【0083】
以下の
図3は、理論上及び実際の測定値を用いる幾つかの実施形態を説明する。
【表3】
【0084】
このモデルは、PLAYTEX GENTLE GLIDEのもののような周知の半円形挿入先端部に基づいている。これが理論モデルに基づくため、PLAYTEX GENTLE GLIDEの理論上の数は、実際の数から逸脱する。それにも関わらず、上記の表3により示されるように、理論上のモデルは、ペタル・ギャップ51及びペタル長さ49が、どのように放出力に影響を与え得るかを示す。表3は例示であり、限定ではない。
【0085】
例えば、より先の丸い終端部などのペタル22の湾曲部分の形状、曲線の部分に沿った又は曲線全体に沿った傾斜の差に対する他の変更もまた、放出力又は挿入の快適さに影響を与え得ることも理解することができる。さらに、バレル14の長手方向軸11に向けて内方にカールする度合いは、これらの特徴に影響を与え得る。
【0086】
本開示のタンポン・アプリケータ12は、特定の性能特徴も有し、例えば、タンポン・アプリケータ12のバレル14から綿撒糸22を放出するために、約5ozから約25ozまでの放出力を必要とし、典型的には、綿撒糸22を放出するために、25oz未満、例えば20oz又はこれより少ない放出力を必要とし、多くの場合、15oz又はこれより少ない放出力を必要とする。従って、種々の実施形態において、タンポン・アプリケータ12は、綿撒糸22を放出するために、約8ozから約20ozまで、すなわち2.2Nから5.6Nまで、例えば約10ozから20ozまで、すなわち2.8Nから5.8Nまで、約10ozから15ozまで、すなわち2.8Nから4.2Nまで、又は10ozから12ozまで、すなわち2.8Nから3.3Nまでを必要とする。
【0087】
本開示の実施形態は、これらの発見の1つ又はそれ以上を組み込むタンポン・アプリケータ12を提供する。本開示の一般的な実施形態は、プランジャ16及びバレル14を含むタンポン・アプリケータ12を提供し、バレル14は、略管状の形状であり、かつ、略円形若しくは楕円形の中空内部キャビティ15、3個から8個までのペタル45により形成されたテーパ状挿入端部26を定める最前方端部44を有する主本体領域36を含み、挿入端部26は、ペタル45の自由端46により定められる開口部30で終端する。挿入端部26は、該挿入端部26が主本体領域36に隣接する、主本体領域36の中空内部キャビティ15の形状に類似した略円形又は楕円形状を有し、最後方端部84は最前方端部44に対向し、該最後方端部84は、プランジャ16が摺動可能に配置される開口部31を有し、挿入端部26は、約1.3から約3.5までの上で定められたようなテーパ比を有し、挿入端部26の開口部30は、約0.1から約0.3までの上記で定められたような閉鎖度を有し、タンポン・アプリケータ12は、吸収性綿撒糸22を放出するために、約5ozから約25ozまでの放出力を必要とする。
【0088】
大部分の実施形態において、バレル14は、円形の内部を有し、すなわち、バレル14の主本体領域36の断面は閉じた円を定め、挿入端部26の開口部30は、内接円60を有する。挿入端部26の開口部30の実際の形状は単純な円のものではなく、ペタルの自由端46の形状及びペタル45を定めるスリット48のサイズは、不規則な形状の開口部30をもたらすことを理解されたい。挿入端部26の開口部30との関連で用いられる円形は、ペタル45の自由端46により定められる規則的な曲線の図が、この場合は、楕円形ではなく円形であることを意味する。
【0089】
多くの実施形態において、挿入端部26は、3個から6個まで又は3個から5個までのペタル45、例えば、3個、4個、又は5個のペタル45によって形成される。
【0090】
本開示のタンポン・アプリケータ12の放出力は、25ozを上回らない。多くの実施形態において、必要な放出力は、約8ozから約20ozまでである。多くの好ましい実施形態において、必要な放出力は、約10ozから約20ozまで、又は約10ozから約15ozまで、例えば、約10ozから約12ozまでである。
【0091】
多くの実施形態において、タンポン・アプリケータ12は、約1.3から約2.5までのテーパ比、例えば、少なくとも1.5、1.6、又は1.7から約2.3、2.2、又は2.0までのテーパ比を有し、多くの実施形態において、タンポン・アプリケータ12は、約0.1から約0.25まで、約0.1から約0.20まで、例えば、約0.12から約2.0まで又は約0.14から約0.25までの閉鎖度を有する。
【0092】
タンポン・アプリケータ12は、アプリケータ12の外寸14aに関連するが、閉鎖度は、内寸14bに関連する。テーパと閉鎖度との間の直接的関係は、主本体領域36が挿入端部26に隣接するバレル14の壁の厚さ14c、及びペタルの自由端46におけるペタル45の厚さ14cによるものである。本開示のバレル14の壁の厚さ14c及びペタル45は、一般的に、当技術分野において経験するものであり、幾分変わることがある。
【0093】
上述のように、挿入端部26のこの再構成による放出力の減少を考慮して、挿入端部26の望ましくない変形を防止することができる幾分厚いペタル45を有するアプリケータ12を作成することが可能であり得る。例えば、多くの実施形態において、ペタル45は、例えば、約0.004インチから約0.022インチまで、約0.008インチから約0.018インチまで、又は約0.009インチから約0.013インチまでといった、特許文献1に見出される範囲の厚さを有するが、多くの実施形態において、ペタル45の厚さは、そうした範囲のより上端にあり得る。幾つかの実施形態において、ペタル45は、例えば、0.025インチ、0.03インチ、又は0.035インチなど、特許文献1のものより厚いものであり得る。
【0094】
一般に、ペタル45は、高度の厚さ均一性を有する。幾つかの理由で、各ペタル45の全領域にわたるペタル45の厚さ14cの均一性は、有利である。第1に、ペタル45の厚さ14cの均一性は、アプリケータ12を作成する際の加工効率につながり得る。第2に、均一な厚さ14cは、アプリケータ12の保管の際及び輸送の際の両方の間、そしてより重要なことには、女性が使用する際、各ペタル45が適切に機能することを保証する。さらに、均一なペタル45は、消費者にとって見た目がより美しい。
【0095】
本開示の多くの実施形態において、所定のペタル45上の任意の点で測定された厚さ14cは、ペタル45の全領域にわたり約25%より多く変化せず、多くの場合、厚さ14cは、ペタルの全領域にわたり約10%より多く変化せず、幾つかの実施形態において、厚さ14cは、ペタル45の全領域にわたり約2%より多く変化しない。
【0096】
バレル14及びプランジャ16は、同じ材料又は異なる材料から作成することができ、内側プランジャ18及び外側プランジャ20を有する2部品のプランジャ16を有する実施形態についても同様である。例えば、タンポン・アプリケータ12のプランジャ16及び/又はバレル14は、ボール紙から作成することができるが、多くの実施形態においては、例えばバレルなどのタンポン・アプリケータ12の少なくとも一部、又はアプリケータ全体は、熱可塑性ポリマー、エラストマー性ポリマー、又は熱可塑性ポリマーとエラストマー性ポリマーの混合物を含む組成物から作成される。例えば、タンポン・アプリケータは、1又はそれ以上の合成ポリマー、及び/又はポリオレフィンポリマー、又はコポリマー、ポリエステル、ポリイミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレート、ポリメタクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸、又は成形性デンプンのような天然素材の材料を含むポリマー組成物から作成することができる。殆どの場合、ポリマーは、熱可塑性ポリマー、熱可塑性ポリマーとエラストマー性ポリマーの配合を含み、例えば、ポリマーは、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、近低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、又はエチレン、スチレン、イソプレン、若しくはブタジエンモノマーからなるコポリマーを含むことが多い。多くの実施形態において、有機ポリマーは、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、又は低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンの混合物を含む。
【0097】
幾つかの実施形態において、有機ポリマーは、例えば低密度ポリエチレンのようなポリエチレン及び熱可塑性エラストマーの配合物を含む。例えば、有機ポリマーは、組成物の総重量に基づき、約50重量%から約90重量%まで、例えば80重量%の低密度ポリエチレンと、約50重量%から約10重量%まで、例えば20重量%の熱可塑性エラストマーとの配合物を含むことができる。有用な熱可塑性エラストマーは、モノマーBがモノマーAと同じではない、A-B-A構成のモノマーを有するトリブロック(ターポリマー)である。一般的に、ブロックは、スチレン、ブタジレン、又はイソプレンモノマーを含む。他のクラスの有用な熱可塑性エラストマーとして、例えば、熱可塑性ポリウレタンエラストマーが挙げられる。
【0098】
タンポン・アプリケータ12が熱可塑性又はエラストマー性ポリマー組成物を含むとき、その組成物は、一般に、加工助剤、スタビライザ、潤滑剤、着色剤等のような種々の一般的な添加剤の1つ又はそれ以上も含む。例えば、ポリマー組成物は、1つ又はそれ以上の可塑剤、相溶化剤、流れ調整剤、酸化防止剤、帯電防止剤、充填剤、補強材、界面活性剤、熱安定剤、衝撃改質剤、ステアレート塩、潤滑剤、難燃剤、殺生物剤、オゾン分解防止剤、発泡剤、消泡剤等のような加工助剤を含むことができる。適切な柔らかさ及び/又は潤滑性を保持又は維持するために、組成物は、一般に、少なくとも0.05の潤滑剤を含み、例えば、潤滑剤は、エルカミド、オレアミド、ステアルアミド、ステアリルエルカミド、ビスエルカミド、エチレンビスステアラミド、エチレンビスオレアミドのような脂肪酸アミドを含む。
【0099】
本開示の幾つかの実施形態は、本開示のタンポン・アプリケータ12と、(ユーザの身体内に使用されるときにバレル14から放出する前に)バレル14内に収容される吸収性タンポン綿撒糸22とを含むタンポン組立体10を提供する。綿撒糸22は、バレル12の主本体領域36の内部幾何学的形状14bに対応する形状を有することができ、又は、綿撒糸22の少なくとも一部は、特許文献3におけるような挿入端部26の内部幾何学的形状14bの少なくとも一部に対応するように成形することができる。綿撒糸22を形成するのに適した材料は、例えば、セルロース誘導体、レーヨン、綿、パルプ、Oasisなどの高吸収性物質、親水性ポリウレタンフォームのような吸収性フォーム、又はこれらのいずれかの組み合わせを含む。
【0100】
本開示の再構成された挿入端部26は、放出力とペタル45の安定性、特にペタル自由端46における安定性の両方の適切なバランスを見つけようとする試みを推進する。バレル14又はプランジャ16の主本体領域36に加えられる特定の制限はなく、その各々が、当技術分野において周知の種々の特徴のいずれかを含むことができる。
【0101】
本文書において、「1つ(a)」又は「1つ(an)」という用語は、特許文書においてよく見られるように、1つ又は1つより多くを含むように用いられる。本文書において、「又は(or)」という用語は、特に指定のない限り、非排他的であることを指すために用いられる。上記の説明は、例示することを意図しており、制限することを意図していないことを理解されたい。例えば、上述の実施形態(及び/又は、その態様)は、互いに組み合わせて用いることができる。上記の説明を検討すれば、当業者には、多くの他の実施形態が明らかになるであろう。従って、本開示の範囲は、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とともに、添付の特許請求の範囲を参照しながら決定されるべきである。添付の特許請求の範囲において、「含んでいる(including)」及び「その中で(in which)」のような用語は、「備えている(comprising)」及び「そこにおいて(wherein)」というそれぞれの用語の平易な英語に対応する語として使用される。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1の」、「第2の」、及び「第3の」等の用語は、これらが含まれる場合、単にラベルとして使用されており、それらの対象物に数の要件を課すことは意図したものではない。上記に与えられる詳細な説明において、本開示を簡素化するために、種々の特徴が互いにグループ化されることがある。この開示の方法は、特許請求される実施形態が、各特許請求の範囲に明確に述べられるよりも多くの特徴を必要とするという意図を示すものとして解釈すべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が示すように、本発明の主題は、決して、単一の開示される実施形態の全ての特徴内にあるものではない。従って、以下の特許請求の範囲は、これにより詳細な説明に組み込まれ、各々の特許請求の範囲は、別個の実施形態として自立している。