(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】電流モードが制御された電力コンバータのための負荷電流フィードフォワードスキーム
(51)【国際特許分類】
H02M 3/155 20060101AFI20230424BHJP
【FI】
H02M3/155 H
(21)【出願番号】P 2019012970
(22)【出願日】2019-01-29
【審査請求日】2022-01-17
(32)【優先日】2018-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519383544
【氏名又は名称】アナログ・ディヴァイシス・インターナショナル・アンリミテッド・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヨンファン チョ
(72)【発明者】
【氏名】キース ゾルシャ
(72)【発明者】
【氏名】ミン チェン
【審査官】栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-281742(JP,A)
【文献】特開2004-173353(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0043942(US,A1)
【文献】特開2012-213248(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0291623(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力回路ノードから入力エネルギーを受取るように配置されたインダクタと、
前記インダクタに連結されたスイッチ回路と、
前記インダクタと直列に連結された、前記インダクタのインダクタ電流を検知するためのインダクタ電流検知回路素子と、
前記インダクタに連結された調整済み回路ノードおよび出力回路ノードに連結された負荷電流検知回路素子と、
前記負荷電流検知回路素子および補償回路に連結され、検知された負荷電流に比例する電流を前記補償回路に印加して、前記スイッチ回路の変調を調節するために前記補償回路における電圧を調節するように構成されたフィードフォワード回路と、
前記検知された負荷電流に比例する前記電流を受け取るために前記フィードフォワード回路の出力に連結され、補償回路ノードに連結された
、RC回路である補償回路と、
前記補償回路ノードおよび前記スイッチ回路に連結され、
前記調整済み回路ノードにおける電圧を調整するために
、前記インダクタ電流と基準電圧および前記調整済み回路ノードにおける電圧の間の差とを使用して前記スイッチ回路の起動を変調するように構成された制御回路と
、
を含むスイッチング電力コンバータ回路。
【請求項2】
前記フィードフォワード回路は、前記負荷電流検知回路素子に連結された増幅器入力と、前記補償回路ノードにおける電圧を調節するために前記補償回路に動作可能に連結された増幅器出力とを有する電圧増幅器を含む、請求項1に記載のスイッチング電力コンバータ回路。
【請求項3】
前記補償回路および前記フィードフォワード回路の出力に連結され、前記補償回路ノードにおける電圧をさらに調節するように構成されたチューニング回路を含む、請求項2に記載のスイッチング電力コンバータ回路。
【請求項4】
前記フィードフォワード回路は、前記負荷電流検知回路素子に連結された増幅器入力と、前記補償回路ノードにおける電圧を調節するために前記補償回路に動作可能に連結された増幅器出力とを有するトランスコンダクタンス増幅器を含む、請求項1に記載のスイッチング電力コンバータ回路。
【請求項5】
前記制御回路は、
比較器回路と、
前記インダクタ電流検知
回路素子に連結された入力および前記比較器
回路の第1の入力に連結された出力を含む電圧増幅器と、
基準電圧と調整済み回路ノードにおける電圧との差に比例する電流を生成するように構成されたエラー増幅器と、を含み、前記エラー増幅器の出力は前記比較器
回路の第2の入力に連結され、
前記比較器
回路の出力は、前記スイッチ回路の起動を変調するために使用される、請求項1に記載のスイッチング電力コンバータ回路。
【請求項6】
前記スイッチング電力コンバータ回路はバックコンバータ回路であ
る、
請求項1に記載のスイッチング電力コンバータ回路。
【請求項7】
前記スイッチング電力コンバータ回路はブーストコンバータ回路であり、前記フィードフォワード回路は、前記補償回路に、前記入力回路ノードにおける電圧に対する前記調整済み回路ノードにおける電圧の比を乗算した、前記検知された負荷電流に比例する電流を印加する、請求項1に記載のスイッチング電力コンバータ回路。
【請求項8】
前記スイッチング電力コンバータ回路は単一端一次インダクタンスコンバータ(SEPIC)回路であり、前記フィードフォワード回路は、前記補償回路に、前記入力回路ノードにおける電圧に対する前記調整済み回路ノードにおける電圧の比を乗算した、前記検知された負荷電流に比例する電流を印加する、請求項1に記載のスイッチング電力コンバータ回路。
【請求項9】
前記負荷
電流検知回路素子は、前記調整済み回路ノードと前記出力回路ノードとの間に配置された抵抗回路素子である、請求項1~8のいずれか1項に記載のスイッチング電力コンバータ回路。
【請求項10】
前記負荷
電流検知回路素子は磁気電流センサである、請求項1に記載のスイッチング電力コンバータ回路。
【請求項11】
スイッチング電力コンバータ回路を動作させる方法であって、
前記
スイッチング電力コンバータ回路の入力回路ノードに提供されるエネルギーを使用してインダクタを充電することと、
前記インダクタと直列に連結されたインダクタ電流検知回路素子によって、前記インダクタのインダクタ電流を検知することと、
前記インダクタに連結された調整済み回路ノードおよび出力回路ノードに連結された負荷電流検知回路素子によって、出力回路ノードに提供される負荷電流を検知すること、
前記インダクタ電流と基準電圧および前記調整済み回路ノードにおける電圧の間の差とに基づいて前記スイッチング電力コンバータ回路の調整済み回路ノードに連結された制御回路ループを使用して、前記調整済み回路ノードの電圧を調節するためにインダクタの充電を変調することと、
前記負荷電流検知回路素子および補償回路に連結されたフィードフォワード回路によって、検知された負荷電流に比例する電流を前記補償回路に印加すること、
前記スイッチング電力コンバータ回路の補償回路ノードに連結された
、RC回路である補償回路を使用して
制御ループをフィルタリングすることと、
前記フィードフォワード回路を使用して前記補償回路ノードの電圧を調節することにより前記インダクタの充電の変調を調節することと、を含む方法。
【請求項12】
前記調整済み回路ノードの電圧を調節するために前記インダクタの充電を変調することが、前記入力回路ノードにおける入力電圧より小さい調整済み電圧を前記調整済み回路ノードで生成するために前記インダクタの充電を変調することを含み、
前記補償回路ノードの電圧を調節することが、前記負荷電流に比例する電流を前記補償回路に印加することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記調整済み回路ノードの電圧を調節するために前記インダクタの充電を変調することが、前記入力回路ノードにおける入力電圧より大きい調整済み電圧を前記調整済み回路ノードで生成するように前記インダクタの充電を変調することを含み、
前記補償回路ノードの電圧を調節することが、前記補償回路に、前記入力回路ノードにおける電圧に対する前記調整済み回路ノードにおける電圧の比を乗算した、前記検知された負荷電流に比例する電流を印加することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記調整済み回路ノードの電圧を調節するために前記インダクタの充電を変調することが、前記入力回路ノードにおける入力電圧より大きいまたは小さい調整済み電圧を前記調整済み回路ノードで生成するように前記インダクタの充電を変調することを含み、
前記補償回路ノードの電圧を調節することが、前記補償回路に、前記入力回路ノードにおける電圧に対する前記調整済み回路ノードにおける電圧の比を乗算した、前記負荷電流に比例する電流を印加することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記補償
回路ノードの電圧を調節することが、分圧器回路を使用して電圧調節をチューニングすることを含む、請求項11~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
入力回路ノードから入力エネルギーを受取るように配置されたインダクタと、
前記インダクタに連結されたスイッチ回路と、
前記インダクタと直列に連結された、前記インダクタのインダクタ電流を検知するためのインダクタ電流検知回路素子と、
前記インダクタに連結された調整済み回路ノードおよび出力回路ノードに連結された負荷電流検知回路素子と、
前記負荷電流検知回路素子および補償回路に連結され、検知された負荷電流に比例する電流を前記補償回路に印加して、前記スイッチ回路の変調を調節するために前記補償回路における電圧を調節するように構成されたフィードフォワード回路と、
前記検知された負荷電流に比例する前記電流を受け取るために前記フィードフォワード回路の出力に連結され、補償回路ノードに連結された
、RC回路である補償回路と、
前記補償回路ノードおよび前記スイッチ回路に連結され、前記調整済み回路ノードにおける電圧を調節するために
、前記インダクタ電流と基準電圧および前記調整済み回路ノードにおける電圧の間の差とを使用して前記スイッチ回路の起動を変調するように構成された制御回路と
、
を含むスイッチング電力コンバータ回路と、
第1の増幅器供給接続として前記調整済み電圧ノードに動作可能に連結され、かつ第2の増幅器供給接続として回路接地に動作可能に連結された第1の増幅器回路と、を含む、電子システム。
【請求項17】
前記フィードフォワード回路は第2の増幅器回路を含み、前記第2の増幅器回路は、前記負荷電流検知回路素子に連結された増幅器入力と、前記補償回路ノードにおける電圧を調節するために前記補償回路に動作可能に連結された増幅器出力とを有する電圧増幅器回路である、請求項
16に記載の電子システム。
【請求項18】
前記補償回路および前記フィードフォワード回路の出力に連結され、前記補償回路ノードにおける電圧をさらに調節するように構成されたチューニング回路を含む、請求項
16または請求項
17に記載の電子システム。
【請求項19】
前記フィードフォワード回路は第2の増幅器回路を含み、前記第2の増幅器回路は、前記負荷電流検知回路素子に連結された増幅器入力と、前記補償回路ノードにおける電圧を調節するために前記補償回路に動作可能に連結された増幅器出力とを有するトランスコンダクタンス増幅器回路である、請求項
16に記載の電子システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書は集積回路に関し、特に、入力電圧から調整済み電圧を提供する電力コンバータ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電子システムは、調整済み電源を必要とするデバイスを含み得る。電力コンバータ回路は、負荷に調整済み電圧を提供するために使用され得る。電力コンバータ回路の負荷における電流の大きな階段状変化は、調整済み出力電圧が所望の調整範囲を超える要因となる場合がある。これは、負荷デバイスの動作に悪影響を及ぼす場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本文書は、概して、スイッチング電力コンバータ回路およびそれらの動作方法に関する。いくつかの態様では、スイッチング電力コンバータ回路は、入力回路ノードから入力エネルギーを受取るように回路内に配置されたインダクタと、インダクタに連結されたスイッチ回路と、調整済み回路ノードおよび出力回路ノードに連結された負荷電流検知回路素子と、補償回路ノードに連結された補償回路と、補償回路ノードおよびスイッチ回路に連結された制御回路(調整済み回路ノードにおける電圧を調整するようにスイッチ回路の起動を変調するように構成された制御回路)と、負荷電流検知回路素子および補償回路に連結され、検知された負荷電流に従ってスイッチ回路の変調を調節するように構成されたフィードフォワード回路と、を含む。
【0004】
いくつかの態様では、電力コンバータ回路を動作させる方法は、
電力コンバータ回路の入力回路ノードに提供されるエネルギーを使用してインダクタを充電することと、調整済み回路ノードに連結された制御回路ループを使用してスイッチング電力コンバータ回路の調整済み回路ノードの電圧を調整するためにインダクタの充電を変調することと、スイッチング電力コンバータ回路の補償回路ノードに連結された補償回路を使用して制御ループをフィルタリングすることと、出力回路ノードに提供される負荷電流を検知することと、検知された負荷電流に従って補償回路ノードの電圧を調節することによりインダクタの充電の変調を調節することと、を含む。
【0005】
本節は、本特許出願の主題の概要を提供することを意図する。本発明の排他的または網羅的な説明を提供することは意図されていない。詳細な説明は、本特許出願に関するさらなる情報を提供するために含まれる。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
入力回路ノードから入力エネルギーを受取るように配置されたインダクタと、
前記インダクタに連結されたスイッチ回路と、
調整済み回路ノードおよび出力回路ノードに連結された負荷電流検知回路素子と、
補償回路ノードに連結された補償回路と、
前記補償回路ノードおよび前記スイッチ回路に連結され、調整済み回路ノードにおける電圧を調整するために前記スイッチ回路の起動を変調するように構成された制御回路と、
前記負荷電流検知回路素子および前記補償回路に連結され、検知された負荷電流に従って前記スイッチ回路の変調を調節するように構成されたフィードフォワード回路と、を含むスイッチング電力コンバータ回路。
(項目2)
前記フィードフォワード回路は、前記負荷電流検知回路素子に連結された増幅器入力と、前記補償回路ノードにおける電圧を調節するために前記補償回路に動作可能に連結された増幅器出力とを有する電圧増幅器を含む、上記項目に記載のスイッチング電力コンバータ回路。
(項目3)
前記補償回路および前記フィードフォワード回路の出力に連結され、前記補償回路ノードにおける電圧をさらに調節するように構成されたチューニング回路を含む、上記項目のいずれか一項に記載のスイッチング電力コンバータ回路。
(項目4)
前記フィードフォワード回路は、前記負荷電流検知回路素子に連結された増幅器入力と、前記補償回路ノードにおける電圧を調節するために前記補償回路に動作可能に連結された増幅器出力とを有するトランスコンダクタンス増幅器を含む、上記項目のいずれか一項に記載のスイッチング電力コンバータ回路。
(項目5)
前記インダクタと直列に連結されたインダクタ電流検知回路素子を含み、
前記制御回路は、
比較器回路と、
前記インダクタ電流検知素子に連結された入力および前記比較器の第1の入力に連結された出力を含む電圧増幅器と、
基準電圧と調整済み回路ノードにおける電圧との差に比例する電流を生成するように構成されたエラー増幅器と、を含み、前記エラー増幅器の出力は前記比較器の第2の入力に連結され、
前記比較器の出力は、前記スイッチ回路の起動を変調するために使用される、上記項目のいずれか一項に記載のスイッチング電力コンバータ回路。
(項目6)
前記スイッチング電力コンバータ回路はバックコンバータ回路であり、前記フィードフォワード回路は、検知された負荷電流に比例する電流を前記補償回路に印加する、上記項目のいずれか一項に記載のスイッチング電力コンバータ回路。
(項目7)
前記スイッチング電力コンバータ回路はブーストコンバータ回路であり、前記フィードフォワード回路は、前記補償回路に、前記入力回路ノードにおける電圧に対する前記調整済み回路ノードにおける電圧の比を乗算した、前記検知された負荷電流に比例する電流を印加する、上記項目のいずれか一項に記載のスイッチング電力コンバータ回路。
(項目8)
前記スイッチング電力コンバータ回路は単一端一次インダクタンスコンバータ(SEPIC)回路であり、前記フィードフォワード回路は、前記補償回路に、前記入力回路ノードにおける電圧に対する前記調整済み回路ノードにおける電圧の比を乗算した、前記検知された負荷電流に比例する電流を印加する、上記項目のいずれか一項に記載のスイッチング電力コンバータ回路。
(項目9)
前記負荷検知回路素子は、前記調整済み回路ノードと前記出力回路ノードとの間に配置された抵抗回路素子である、上記項目のいずれか一項に記載のスイッチング電力コンバータ回路。
(項目10)
前記負荷検知回路素子は磁気電流センサである、上記項目のいずれか一項に記載のスイッチング電力コンバータ回路。
(項目11)
スイッチング電力コンバータ回路を動作させる方法であって、
前記電力コンバータ回路の入力回路ノードに提供されるエネルギーを使用してインダクタを充電することと、
前記スイッチング電力コンバータ回路の調整済み回路ノードに連結された制御回路ループを使用して、前記調整済み回路ノードの電圧を調節するためにインダクタの充電を変調することと、
前記スイッチング電力コンバータ回路の補償回路ノードに連結された補償回路を使用して前記制御ループをフィルタリングすることと、
出力回路ノードに提供される負荷電流を検知することと、
前記検知された負荷電流に従って前記補償回路ノードの電圧を調節することにより前記インダクタの充電の変調を調節することと、を含む方法。
(項目12)
前記調整済み回路ノードの電圧を調節するために前記インダクタの充電を変調することが、前記入力回路ノードにおける入力電圧より小さい調整済み電圧を前記調整済み回路ノードで生成するために前記インダクタの充電を変調することを含み、
前記補償回路ノードの電圧を調節することが、前記負荷電流に比例する電流を前記補償回路に印加することを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
前記調整済み回路ノードの電圧を調節するために前記インダクタの充電を変調することが、前記入力回路ノードにおける入力電圧より大きい調整済み電圧を前記調整済み回路ノードで生成するように前記インダクタの充電を変調することを含み、
前記補償回路ノードの電圧を調節することが、前記補償回路に、前記入力回路ノードにおける電圧に対する前記調整済み回路ノードにおける電圧の比を乗算した、前記検知された負荷電流に比例する電流を印加することを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
前記調整済み回路ノードの電圧を調節するために前記インダクタの充電を変調することが、前記入力回路ノードにおける入力電圧より大きいまたは小さい調整済み電圧を前記調整済み回路ノードで生成するように前記インダクタの充電を変調することを含み、
前記補償回路ノードの電圧を調節することが、前記補償回路に、前記入力回路ノードにおける電圧に対する前記調整済み回路ノードにおける電圧の比を乗算した、前記負荷電流に比例する電流を印加することを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
前記補償ノードの電圧を調節することが、分圧器回路を使用して電圧調節をチューニングすることを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目16)
前記インダクタの充電を変調することが、インダクタ電流を使用し、かつ前記調整済み回路ノードの電圧と基準電圧との差に比例する電圧を使用し、前記インダクタの充電を変調することを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
入力回路ノードから入力エネルギーを受取るように配置されたインダクタと、
前記インダクタに連結されたスイッチ回路と、
調整済み回路ノードおよび出力回路ノードに連結された負荷電流検知回路素子と、
補償補償回路ノードに連結された補償回路と、
前記補償回路ノードおよび前記スイッチ回路に連結され、前記調整済み回路ノードにおける電圧を調節するために前記スイッチ回路の起動を変調するように構成された制御回路と、
前記負荷電流検知回路素子および前記補償回路に連結され、検知された負荷電流に従って前記スイッチ回路の変調を調節するように構成されたフィードフォワード回路と、を含むスイッチング電力コンバータ回路と、
第1の増幅器供給接続として前記調整済み電圧ノードに動作可能に連結され、かつ第2の増幅器供給接続として回路接地に動作可能に連結された第1の増幅器回路と、を含む、電子システム。
(項目18)
前記フィードフォワード回路は第2の増幅器回路を含み、前記第2の増幅器回路は、前記負荷電流検知回路素子に連結された増幅器入力と、前記補償回路ノードにおける電圧を調節するために前記補償回路に動作可能に連結された増幅器出力とを有する電圧増幅器回路である、上記項目のいずれか一項に記載の電子システム。
(項目19)
前記補償回路および前記フィードフォワード回路の出力に連結され、前記補償回路ノードにおける電圧をさらに調節するように構成されたチューニング回路を含む、上記項目のいずれか一項に記載の電子システム。
(項目20)
前記フィードフォワード回路は第2の増幅器回路を含み、前記第2の増幅器回路は、前記負荷電流検知回路素子に連結された増幅器入力と、前記補償回路ノードにおける電圧を調節するために前記補償回路に動作可能に連結された増幅器出力とを有するトランスコンダクタンス増幅器回路である、上記項目のいずれか一項に記載の電子システム。
(摘要)
スイッチング電力コンバータ回路は、入力回路ノードから入力エネルギーを受取るように配置されたインダクタと、インダクタに連結されたスイッチ回路と、調整済み回路ノードおよび出力回路ノードに連結された負荷電流検知回路素子と、補償回路ノードに連結された補償回路と、補償回路ノードおよびスイッチ回路に連結され、調整済み回路ノードにおける電圧を調整するためにスイッチ回路の起動を変調するように構成された制御回路と、負荷電流検知回路素子および補償回路に連結され、検知された負荷電流に従ってスイッチ回路の変調を調節するように構成されたフィードフォワード回路と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
必ずしも原寸に比例して描かれる必要はない図面では、異なる図において、同様の数字は同様の構成要素を描写する場合がある。異なる接尾辞を有する同様の数字は、同様の構成要素の異なる例を表す場合がある。図面は概して、限定的なものとしてではなく、例として、本文書に論じられる様々な実施形態を示す。
【0007】
【
図1A】
図1Aおよび
図1Bは、一態様におけるスイッチング電力コンバータ回路の回路図である。
【
図1B】
図1Aおよび
図1Bは、一態様におけるスイッチング電力コンバータ回路の回路図である。
【
図2A】
図2Aおよび
図2Bは、別の態様におけるスイッチング電力コンバータ回路の回路図である。
【
図2B】
図2Aおよび
図2Bは、別の態様におけるスイッチング電力コンバータ回路の回路図である。
【
図3】
図3は、別の態様におけるフィードフォワード回路の回路図である。
【
図4】
図4は、別の態様におけるスイッチング電力コンバータ回路の部分の回路図である。
【
図5】
図5は、別の態様におけるスイッチング電力コンバータ回路の部分の回路図である。
【
図6】
図6は、別の態様におけるフィードフォワード回路の回路図である。
【
図7】
図7は、別の態様におけるスイッチング電力コンバータ回路の部分の回路図である。
【
図8】
図8は、一態様におけるスイッチング電力コンバータ回路を動作させる方法の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
電力コンバータ回路は、電子システムのために調整済み電圧出力を提供するために使用される場合がある。いくつかの電力コンバータ回路は、入力電圧を調整済み出力電圧へ変換するスイッチング電力コンバータ回路である。調整済み電圧変換は、調整器の入力電圧より高い、入力電圧より低い、または入力電圧から反転された調整済み出力電圧を提供し得る。調整は、典型的には、エネルギー源からインダクタを充電し、次いでインダクタのエネルギーを放電して負荷を駆動することを繰り返すことによって達成される。充電および放電は、トランジスタを含む電子スイッチを使用して達成され得る。
【0009】
電力コンバータの制御における課題は、負荷電流の変化にかかわらず、調整済み出力電圧を提供することである。負荷電流が、高いスルーレートおよび大きな振幅で階段状変化を有すると、出力電圧は所望の調整範囲から逸脱し得、それが負荷デバイスの動作に悪影響を及ぼす可能性がある。1つの可能な解決策は、出力静電容量を増加させることである。しかしながら、より高い効率ならびにより小さい容積およびコストのため、出力における静電容量を最小化することがほとんどの用途で望ましい。別のアプローチは、最小化された出力静電容量で出力電圧が所望の範囲内で調整されるように、電力コンバータ回路の制御器の帯域幅を増大させることである。
【0010】
電力コンバータはインダクタを含み得る。エネルギーがインダクタに切り替えられ、インダクタのエネルギーが、調整済み電圧を提供するために使用される。電流モードが制御された電力コンバータは、インダクタ電流を直接制御する。このタイプの電力コンバータは、スイッチトランジスタの過電流不全に対して堅牢性を提供し得、比較的簡単な補償は、出力電圧制御ループの大きな位相および利得のマージンを提供し得る。本明細書に記載のデバイスおよび方法は、電流モードが制御された電力コンバータの制御構造を利用することによって、出力電圧制御ループの帯域幅を増大させる制御スキームを含む。
【0011】
図1Aおよび
図1Bは、一態様におけるスイッチング電力コンバータ回路100の回路図である。
図1Aでは、回路は、インダクタ102、ダイオード104、およびスイッチ回路106を含む。インダクタ102は、スイッチ回路106が起動されると、入力回路ノード110から入力エネルギーを受取る。スイッチング電力コンバータ回路100の回路トポロジーは、入力回路ノード110とインダクタ102との間に配置されたスイッチ回路106と、調整済み回路ノード108に連結されたインダクタと、スイッチ回路から回路接地ノードに連結されたダイオードと、を備えるバックコンバータである。バックコンバータは、調整済み回路ノードの電圧を入力電圧Vinの値未満の電圧に調整する。
【0012】
図1Bは、スイッチング電力コンバータ回路100のための制御回路112を示す。制御回路112は、(例えば、パルス幅変調、すなわちPWMを使用して)スイッチ回路の起動を変調して、調整済み回路ノード108の電圧を調整する。
図1Bの例では、制御回路112は、調整済み回路ノードの電圧を調整するためにフィードバック制御ループを実施する。制御回路112は、基準電圧(Vref)と調整済み回路ノードにおける電圧(Vout)との差に比例する電流を生成するエラー増幅器114を含む。Vrefの値に応じて、調整済み電圧Voutは、Vrefとの比較に対して増減され得る(例えば、より小さな電圧値に低減される)。エラー増幅器114の出力は、制御回路112の比較器120の一方の入力に提供される。
【0013】
スイッチング電力コンバータ回路100は、インダクタ102と直列に連結されたインダクタ電流検知回路素子116を含む。インダクタ電流検知素子は、スイッチ回路106と直列にまたはダイオード104と直列に配置される場合がある。
図1Aの例では、インダクタ電流検知回路素子116は抵抗回路素子(例えば、抵抗器R
SENSE)であり得、抵抗回路素子にかかる電圧は、増幅器利得A
Lを有する電圧増幅器118の入力に提供される。電圧増幅器118の出力は、比較器120の他方の入力に提供される。比較器120の出力は、フリップフロップ回路122に提供される。フリップフロップ回路122は、比較器の出力がスイッチ回路106の起動を変調するために使用されるように、スイッチ回路106に連結されている。したがって、スイッチング電力コンバータ回路は、インダクタ電流I
LおよびVoutの、Vrefとの差を使用して制御される。
【0014】
スイッチング電力コンバータ回路の遷移応答を向上すべく制御回路112の帯域幅を増大するために、負荷電流(ILOAD)が制御回路にフィードフォワードされる。このようにして、インダクタへの入力エネルギーは、負荷電流が変化するのと同じ速度で直ちに調節され得る。したがって、出力電圧は、負荷電流のスルーレートが高いときでさえ、有意な逸脱なしに調整される。
【0015】
制御回路112はフィードフォワード回路124を含み、スイッチング電力コンバータ回路は負荷電流検知回路素子126を含む。フィードフォワード回路124は、検知された負荷電流に従ってスイッチ回路106の変調を調節する。制御回路112は、補償回路ノードVcに連結された補償回路128を含む。補償回路128は、エラー増幅器114の出力へのフィルタリングを提供する。
図1Bの例では、補償回路128は、フィードフォワード回路124の出力に接続されたRC回路を含む。フィードフォワード回路124は、補償回路における電圧を調節し、それゆえに比較器120の入力を調節し、スイッチ回路106の変調を調節する。したがって、負荷における変化に応答するインダクタ電流の変化が改善される。
【0016】
例えば、スイッチング電力コンバータ回路の出力電圧は、平均インダクタ電流I
Lが平均負荷電流と等しいときには、一定に保たれる。負荷において電流に階段状変化がある場合、負荷電流I
LOADが
図1Aおよび
図1Bのような制御回路112にフィーフフォフォワードされると、インダクタ電流が負荷電流に追随するのに2または3PWMサイクルしかかからない。応答に必要な実際のPWMサイクルの数は、入力電圧VinおよびインダクタンスLに依存する。
【0017】
図2Aおよび
図2Bは、別の態様におけるスイッチング電力コンバータ回路200の回路図である。
図1Aおよび
図1Bの例のように、スイッチング電力コンバータ回路はバックコンバータである。
図2Aの例では、負荷電流検知回路素子226は抵抗回路素子(例えば、抵抗器R
IS)である。抵抗器にかかる電圧降下は、フィードフォワード回路224にフィードフォワードされる。フィードフォワード回路224は、利得A
Iを有する電圧増幅器230およびバッファ回路232を含む。理想的には、補償回路228にフィードフォワードされる電流の量は、検知された負荷電流I
LOADに等しい。
図2Bの実施例では、フィードフォワード回路224は、
【化1】
に等しいフィードフォワード電流I
FFを印加する。
【0018】
図3は、別の態様におけるフィードフォワード回路324の回路図である。回路は、印加されるフィードフォワードの量にさらなる調節を提供するためのチューニング回路334を含むことを除いて、
図2Bの例と同じである。
図3の例では、チューニング回路334は、分圧器として抵抗器R
FF1およびR
FF2を含む。フィードフォワード電流I
FFは、
【化2】
である。
フィードフォワード回路324のインピーダンスR
FF1およびR
FF2は制御回路の安定性に寄与する。
図2Bの例では、フィードフォワード回路224のインピーダンスのみが存在する。フィードフォワード回路224のインピーダンスが補償回路228のインピーダンスよりも十分に小さい場合、制御回路の安定性は、
図2Bの例では劣化されない。
【0019】
図4は、別の態様におけるスイッチング電力コンバータ回路400の部分の回路図である。スイッチング電力コンバータはブーストコンバータ回路である。
図4の例における負荷は増幅器440(例えば、電力増幅器)であり、ブーストコンバータは調整済み電圧を増幅器に提供する。増幅器440への供給接続は、調整済み回路ノードおよび回路接地である。ブーストコンバータは、調整済み回路ノードの電圧を入力電圧Vinの値より大きい電圧に調整する。スイッチ回路406はインダクタ402と接地ノードとの間に配置されており、ダイオード404はインダクタ402と調整済み回路ノード408との間に配置されている。スイッチング電力コンバータ回路400はインダクタ電流検知回路素子416および負荷電流検知回路素子426を含む。制御回路(図示せず)は、
図2Bまたは
図3のいずれかのフィードフォワード回路を含み得る。
【0020】
理想的には、補償回路にフィードフォワードされる電流の量は、
【化3】
に等しく、
式中、αは、比(Vout/Vin)である。
図2Bのフィードフォワード回路224の実施において、ブーストコンバータに対するフィードフォワード電流I
FFは式(1)に示されるようなものである。
図3のフィードフォワード回路324に対しては、フィードフォワード電流I
FFは式(2)に示されるようなものである。
【0021】
図5は、別の態様におけるスイッチング電力コンバータ回路500の部分の回路図である。スイッチング電力コンバータはバックブーストコンバータ回路である。バックブーストコンバータは、調整済み回路ノードの電圧を、入力電圧Vinの値より大きいまたはより小さい電圧に調整し、出力電圧は負の極性を有す場合がある。
図5の例は、単一端一次インダクタンスコンバータ(SEPIC)である。第1のインダクタ502は、入力回路ノードとスイッチ回路506との間に配置されている。第2のインダクタ503は、ダイオード504と回路接地ノードとの間に配置されている。スイッチ回路は、第1のインダクタ502と回路接地ノードとの間に配置されている。ダイオード504は、第2のインダクタ503と調整済み回路ノード508との間に配置されている。スイッチング電力コンバータ回路500は、インダクタ電流検知回路素子516および負荷電流検知回路素子526を含む。制御回路(図示せず)は、
図2Bまたは
図3のいずれかのフィードフォワード回路を含み得る。
【0022】
図6は、別の態様におけるフィードフォワード回路624の回路図である。
図2および
図3のような電圧増幅器の代わりに、
図6のフィードフォワード回路624は、負荷電流検知回路素子(例えば、
図1、
図4、および
図5の126、426、526のいずれか)に連結された増幅器入力と、補償回路ノードVcにおける電圧を調節するために補償回路628に動作可能に連結された増幅器出力とを有するトランスコンダクタンス増幅器636を含む。フィードフォワード回路624は、フィードフォワード抵抗器R
FFも含み得る。
図6のフィードフォワード回路の増幅器は電流型増幅器であるため、フィードフォワード回路624は、補償回路628のインピーダンスに影響を及ぼさない。
【0023】
フィードフォワード回路624によって補償回路628に印加されるフィードフォワード電流I
FFは、
【化4】
であり、
式中、g
Iは、トランスコンダクタンス増幅器636のトランスコンダクタンスである。
【0024】
式(4)から、抵抗器R
FFを使用して、補償回路628に提供されるフィードフォワード電流の量をチューニングし得ることが分かる。
図3のフィードフォワード回路324はフィードフォワード量を減少させ得るだけであるが、フィードフォワード回路624は、RFFを調節することによりフィードフォワード量を増加または減少させ得るので、
図3の例によりも柔軟性をもたらす。
【0025】
しかしながら、バックブーストコンバータについては、入力電圧は典型的に幅広く変化し、RFFを変化させることによってIFFをチューニングすることは実用的ではない場合がある。バックブーストコンバータへの入力Vinが幅広く変化する場合、補償回路に提供されるフィードフォワード電流の量を固定することがより実用的である場合がある。フィードフォワード電流の量が適切に設定されるならば、負荷電流フィードフォワードは、反転バックブーストコンバータ、チュックコンバータ、4スイッチバックブーストコンバータ回路、またはフライバックコンバータなど、他の電流モードが制御されたコンバータに印加され得ることに留意されたい。
【0026】
図1Aに戻ると、いくつかの態様では、負荷電流検知回路素子126は磁気電流センサである。磁気電流センサのいくつかの例は、電流トランスデューサ(またはホール効果センサ)および異方性磁気抵抗(AMR)センサである。磁気電流センサに電圧型フィードフォワード回路が使用されるかまたは電流型フィードフォワード回路が使用されるかは、センサの出力が電圧であるかまたは電流であるかに依存する。
【0027】
図7は、別の態様におけるスイッチング電力コンバータ回路700の部分の回路図である。回路トポロジーは、
図2Aのようなバックコンバータ回路であるが、負荷電流検知回路素子は電流トランスデューサ738である。この例における電流トランスデューサの出力は電流源であるため、フィードフォワード回路724は、補償回路728に連結されたフィードフォワード抵抗器R
FFを含む電流型フィードフォワード回路である。フィードフォワード回路724によって補償回路628に印加されるフィードフォワード電流I
FFは、
【化5】
であり、
式中、nは巻数比(例えば、巻数比1:n(ここで、nは、センサのフィードフォワード回路側の巻数であり、1は電力コンバータ回路側のものである))である。
【0028】
電流トランスデューサと同様に、AMRセンサに対して、電圧型フィードフォワード回路または電流型フィードフォワード回路のいずれかが、AMRセンサの出力型に応じて選択され得る。個別の磁気センサ製品は、測定された電流を電流源または電圧源に変換するために磁気センサと一体化された追加回路(例えば、増幅器など)を含む場合がある。本明細書に記載のフィードフォワードスキームは、フィードフォワード回路が電力コンバータ回路と一体化されていないときでさえ、容易に実施される場合がある。
【0029】
完全性のために、
図8は、本明細書に記載のスイッチング電力コンバータ回路のうちのいずれかなど、スイッチング電力コンバータ回路を動作させる方法800の一例のフロー図である。805において、インダクタが、電力コンバータ回路の入力回路ノードにおいて提供されるエネルギーを使用して充電される。
【0030】
810において、調整済み回路ノードに連結された制御回路ループを使用して、電力コンバータ回路の調整済み回路ノードの電圧を調整するために、インダクタの充電が変調される。いくつかの態様では、PWMを使用して、インダクタの充電を変調する。スイッチに印加される起動信号のパルス幅は、インダクタ電流に従って、かつ調整済み回路ノードの電圧と標的電圧との差に比例する電圧に従って、変調される。
【0031】
815において、制御ループは、電力コンバータ回路の補償ノードに連結された補償回路を使用してフィルタリングされる。補償回路の例は、調整済み回路ノードと標的電圧との電圧差をモニタするために使用されるエラー増幅器の出力に連結された直列接続抵抗器コンデンサ(RC)回路である。
【0032】
820において、スイッチング電力コンバータの負荷電流が検知される。負荷電流は、負荷回路に動作可能に連結され得るスイッチング電力供給回路の出力回路ノードに提供される。825において、インダクタの充電の変調は、検知された負荷電流に従って補償回路ノードの電圧を調節することによって調節される。補償回路ノードはエラー増幅器の出力に位置するため、補償ノードの電圧を調節することが、インダクタの充電を調節する。補償ノードに印加される電圧または電流のチューニングは、補償ノードにおける電圧をさらに調節するために使用され得る。
【0033】
いくつかの態様では、変換されるスイッチング電力はバックコンバータであり、インダクタの充電は、入力回路ノードにおける入力電圧より小さい調整済み電圧を調整済み回路ノードで生成するように変調される。補償の電圧は、例えば、式(1)~(5)のうちのいずれかのように、負荷電流に比例する電流を補償回路ノードに印加することによって調節され得る。
【0034】
いくつかの態様では、スイッチング電力コンバータ回路はブーストコンバータであり、インダクタの充電は、入力回路ノードにおける入力電圧より大きい調整済み電圧を調整済み回路ノードにおいて生成するように変調される。補償回路ノードの電圧は、負荷電流に比例する電流を補償回路ノードに印加することによって調節され得る。
【0035】
いくつかの態様では、スイッチング電力コンバータ回路はバックブーストコンバータであり、インダクタの充電は、入力回路ノードにおける入力電圧より大きいまたはより小さい調整済み電圧を調整済み回路ノードにおいて生成するように変調される。補償回路ノードの電圧は、負荷電流に比例する電流を補償回路ノードに印加することによって調節され得る。
システム、デバイス、および方法のいくつかの例は、電子システムのための電気回路供給として調整済み電圧を提供するために使用され得る。調整済み回路供給には、負荷電流の大きな変化に対して改善された遷移応答が提供されている。
【0036】
追加の説明および態様
第1の態様(態様1)は、入力回路ノードから入力エネルギーを受取るように配置されたインダクタと、インダクタに連結されたスイッチ回路と、調整済み回路ノードおよび出力回路ノードに連結された負荷電流検知回路素子と、補償回路ノードに連結された補償回路と、補償回路ノードおよびスイッチ回路に連結され、調整済み回路ノードにおける電圧を調節するためにスイッチ回路の起動を変調するように構成された制御回路と、負荷電流検知回路素子および補償回路に連結され、検知された負荷電流に従ってスイッチ回路の変調を調節するように構成されたフィードフォワード回路と、を含む主題(スイッチング電力コンバータ回路など)を含む。
【0037】
態様2では、態様1の主題は、任意選択で、負荷電流検知回路素子に連結された増幅器入力と、補償回路ノードにおける電圧を調節するために補償回路に動作可能に連結された増幅器出力とを有する電圧増幅器を含むフィードフォワード回路を含む。
【0038】
態様3では、態様1および態様2のうちの1つまたは両方の主題は、任意選択で、補償回路およびフィードフォワード回路の出力に連結され、補償回路ノードにおける電圧をさらに調節するように構成されたチューニング回路を含む。
【0039】
態様4では、態様1~2のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題は、任意選択で、負荷電流検知回路素子に連結された増幅器入力と、補償回路ノードにおける電圧を調節するために補償回路に動作可能に連結された増幅器出力とを有するトランスコンダクタンス増幅器を含むフィードフォワード回路を含む。
【0040】
態様5では、態様1~4の1つまたは任意の組み合わせの主題は、任意選択で、インダクタと直列に連結されたインダクタ電流検知回路素子を含む。制御回路は、任意選択で、比較器回路と、インダクタ電流検知素子に連結された入力および比較器の第1の入力に連結された出力を含む電圧増幅器と、基準電圧と調整済み回路ノードにおける電圧との差に比例する電流を生成するように構成されたエラー増幅器と、を含む。エラー増幅器の出力は比較器の第2の入力に連結され、比較器の出力は、スイッチ回路の起動を変調するために使用される。
【0041】
態様6では、態様1~5のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題は、任意選択で、スイッチング電力コンバータ回路としてのバックコンバータ回路を含む。フィードフォワード回路は任意選択で、検知された負荷電流に比例する電流を補償回路に印加する。
【0042】
態様7では、態様1~5のうちの1つまたは任意の組み合わせは任意選択で、スイッチング電力コンバータ回路としてのブーストコンバータ回路を含む。フィードフォワード回路は、任意選択で、補償回路に、入力回路ノードにおける電圧に対する調整済み回路ノードにおける電圧の比を乗算した、検知された負荷電流に比例する電流を印加する。
【0043】
態様8では、態様1~5のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題は、任意選択で、スイッチング電力コンバータ回路としてのバックブーストコンバータ回路を含む。フィードフォワード回路は、任意選択で、補償回路に、入力回路ノードにおける電圧に対する調整済み回路ノードにおける電圧の比を乗算した、検知された負荷電流に比例する電流を印加する。
【0044】
態様9では、態様1~8のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題は、任意選択で、調整済み回路ノードと出力回路ノードとの間に配置された抵抗回路素子を含む負荷検知回路素子を含む。
【0045】
態様10では、態様1~8のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題は、任意選択で、磁気電流センサである負荷検知回路素子を含む。
態様11は、電力コンバータ回路の入力回路ノードに提供されるエネルギーを使用してインダクタを充電することと、調整済み回路ノードに連結された制御回路ループを使用してスイッチング電力コンバータ回路の調整済み回路ノードの電圧を調整するためにインダクタの充電を変調することと、スイッチング電力コンバータ回路の補償回路ノードに連結された補償回路を使用して制御ループをフィルタリングすることと、出力回路ループに提供される負荷電流を検知することと、検知された負荷電流に従って補償回路ノードの電圧を調節することによりインダクタの充電の変調を調節することと、を含む主題(スイッチング電力コンバータ回路の動作を制御するための動作を含む方法など)を含むか、または、任意選択で、そのような主題を含むために態様1~10のうちの1つまたは任意の組み合わせと組み合わされ得る。
【0046】
態様12では、態様11の主題は、任意選択で、入力回路ノードにおける入力電圧より小さい調整済み電圧を調整済み回路ノードで生成するようにインダクタの充電を変調することと、負荷電流に比例する電流を補償回路に印加することと、を含む。
【0047】
態様13では、態様11の主題は、任意選択で、入力回路ノードにおける入力電圧より大きい調整済み電圧を調整済み回路ノードで生成するようにインダクタの充電を変調することと、補償回路に、入力回路ノードにおける電圧に対する調整済み回路ノードにおける電圧の比を乗算した、検知された負荷電流に比例する電流を印加することと、を含む。
【0048】
態様14では、態様11の主題は、任意選択で、入力回路ノードにおける入力電圧より大きいまたはより小さい調整済み電圧を調整済み回路ノードで生成するようにインダクタの充電を変調することと、補償回路に、入力回路ノードにおける電圧に対する調整済み回路ノードにおける電圧の比を乗算しかつインダクタの充電を変調する負荷サイクルの逆数を乗算した、負荷電流に比例する電流を印加することと、を含む。
【0049】
態様15では、態様11~14のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題は、任意選択で、分圧器回路を使用して電圧調節をチューニングすることを含む。
【0050】
態様16では、態様11~14のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題は、任意選択で、インダクタ電流を使用しかつ調整済み回路ノードの電圧と基準電圧との差に比例する電圧を使用し、インダクタの充電を変調することを含む。
【0051】
態様17は、スイッチング電力コンバータ回路および第1の増幅器回路を含む主題(電子システムなど)を含むか、または、任意選択で、このような主題を含むために態様1~16のうちの1つまたは任意の組み合わせと組み合わされ得る。スイッチング電力コンバータ回路は、入力回路ノードから入力エネルギーを受取るように配置されたインダクタと、インダクタに連結されたスイッチ回路と、調整済み回路ノードおよび出力回路ノードに連結された負荷電流検知回路素子と、補償補償回路ノードに連結された補償回路と、調整済み回路ノードにおける電圧を調整するためにスイッチ回路の起動を変調するように構成された制御回路と、負荷電流検知回路素子および補償回路に連結され、検知された負荷電流に従ってスイッチ回路の変調を調節するように構成されたフィードフォワード回路と、を含む。第1の増幅器回路は、第1の増幅器供給接続として調整済み電圧ノードに動作可能に連結され、かつ第2の増幅器供給接続として回路接地に動作可能に連結される。
【0052】
態様18では、主題または態様17は、任意選択で、第2の増幅器回路を含むフィードフォワード回路を含む。第2の増幅器回路は、負荷電流検知回路素子に連結された増幅器入力と、補償回路ノードにおける電圧を調節するために補償回路に動作可能に連結された増幅器出力とを有する電圧増幅器回路である。
【0053】
態様19では、態様17および態様18のうちの1つまたは両方の主題は、任意選択で、補償回路およびフィードフォワード回路の出力に連結され、補償回路ノードにおける電圧をさらに調節するように構成されたチューニング回路を含む。
【0054】
態様20では、態様17および態様18のうちの1つまたは両方の主題は、任意選択で、第2の増幅器回路を含む。第2の増幅器回路は、負荷電流検知回路素子に連結された増幅器入力と、補償回路ノードにおける電圧を調節するために補償回路に動作可能に連結された増幅器出力とを有するトランスコンダクタンス増幅器回路である。
【0055】
これらの非限定的な態様は、任意の順番または組み合わせで組み合わされ得る。上記詳細説明は、詳細説明の一部を形成する添付の図面への参照を含む。図面は、説明のために、本発明が実施され得る具体的な実施形態を示す。これらの実施形態は「例」または「態様」とも称される。本文書において言及される全ての刊行物、特許、および特許文献は、参照により個々に組み込まれているが、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。本文書と、参照により組み込まれる文献との間で使用法が一致しない場合、組み込まれた参考文献における使用法は、本文書のもの補足と見なされるべきであり、相容れない矛盾については、本文書における使用法が支配する。
【0056】
本文書において、特許文献において一般的であるように、「1つ(a,an)」なる用語は、1つまたは1つを超えるを含むとして使用され、他の場合、すなわち「少なくとも1つ」または「1つ以上」とは無関係である。本文書において、「または(or)」なる用語は、別段の指示がない限り、「AまたはB」が「AだがBではない」、「BだがAではない」、ならびに「AおよびB」を含むように、非排他的なまたは(or)を指して使用される。本文書において、「含む(including)」および「ここで(in which)」なる用語はそれぞれ「含む(comprising)」および「ここで(wherein)」なる用語の平易な英語の同等物として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、「含む(include)」および「含む(comprising)」なる用語は、無制限であり、請求項においてそのような用語のあとに列挙されたものに加えて、要素を含むシステム、デバイス、物品、またはプロセスもその請求項の範囲内であると考えられる。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1の」、「第2の」、および「第3の」などの用語は、単にラベルとして使用され、それらの対象物に数字的な要件を課すことは意図されていない。本明細書で説明された方法例は、少なくとも部分的に、機械またはコンピュータによって実施され得る。
【0057】
上記の説明は例示的なものであり、制限するものではないことが意図されている。例えば、上述の例(または、それらの1つ以上の態様)は、互いに組み合わせて使用してよい。他の実施形態が、上記説明を検討する際に、例えば当業者によって使用され得る。要約書は、読者が技術的な開示の性質を速やかに確認できるように、37C.F.R.§1.72(b)を順守するために提供される。請求項の範囲または意味を解釈または限定するためには使用されないという理解で提出される。また、上記の詳細な説明で、開示を簡素化するために、様々な特徴がグループ化されている場合がある。これは、未請求の開示された特徴が任意の請求項に不可欠であることを意図していると解釈されるべきではない。むしろ、発明の主題は、特定の開示された実施形態の全ての特徴よりも少ないところにある場合がある。したがって、以下の特許請求の範囲は「詳細な説明」に組込まれ、各請求項は、別の実施形態としてそれ自体に立脚する。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲、およびかかる特許請求の範囲が権利を与えられる同等物の範囲全体を参照して決定されるべきである。