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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】蓋付き塵取り
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/52 20060101AFI20230424BHJP
【FI】
A47L13/52 103
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019043636
(22)【出願日】2019-03-11
(65)【公開番号】P2020146099
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000133445
【氏名又は名称】株式会社ダスキン
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100118625
【弁理士】
【氏名又は名称】大畠 康
(72)【発明者】
【氏名】西村 和竹
(72)【発明者】
【氏名】足立 知志
【審査官】家辺 信太郎
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3186531(JP,U)
【文献】特開2004-065591(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00870441(EP,A1)
【文献】実開昭57-051445(JP,U)
【文献】中国実用新案第204520575(CN,U)
【文献】登録実用新案第3194583(JP,U)
【文献】特開平09-271458(JP,A)
【文献】登録実用新案第3065720(JP,U)
【文献】実開昭57-067661(JP,U)
【文献】特開2010-253225(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L13/51-13/52
A47L13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非作業状態と作業状態との間で変態可能な、蓋付き塵取りであって、
集塵口を有する集塵箱と、前記集塵口を開閉する蓋体と、前記集塵箱を幅方向両側から回動可能に支持する連結アーム部と、前記連結アーム部から上下方向である長手方向に延びたハンドル柄部と、を備えており、
前記集塵箱は、前記連結アーム部に対して回動することによって、前記非作業状態と前記作業状態との間で変態するように、設けられており、
前記集塵箱は、前記非作業状態においては前記集塵口を上に向けて自立し、且つ、前記作業状態においては前記集塵口を前後方向である長手方向前方に向ける、形態を、有しており、
前記蓋体は、前記集塵口を閉じるための本体板部と、前記本体板部から長手方向に延びた付属板部と、を有しており、
前記蓋体は、前記集塵箱に対して前記長手方向にスライドしながら回動することによって、前記非作業状態と前記作業状態との間で変態するように、設けられており、
前記蓋体は、前記非作業状態においては前記本体板部が前記集塵口を閉じるとともに前記付属板部が前記集塵箱に収容され、且つ、前記作業状態においては前記付属板部が前記集塵口から上向きに延びるとともに前記本体板部が前記付属板部から上向きに延びるように、構成されており、
前記付属板部は、清掃払拭部用塵埃掻き取り部を備えており、
前記掻き取り部は、前記作業状態において前方に向いて機能するように、前記付属板部に設けられており、
前記付属板部は、前記作業状態において前記掻き取り部によって掻き取られた塵埃を前記集塵箱内に落下させるように、構成されている、
ことを特徴とする蓋付き塵取り。
【請求項2】
清掃払拭部と清掃柄部とを備えた清掃具を、更に備えており、
前記清掃具は、前記非作業状態において、前記清掃払拭部が前記集塵箱に収容されるとともに前記清掃柄部が前記本体板部に形成された溝部を通って起立しており、
前記蓋体は、前記非作業状態の前記清掃具を長手方向上方へ引き上げると、前記清掃払拭部とともに前記集塵箱内を長手方向上方へスライドしながら前記集塵箱の回動に伴って回動して、前記作業状態に移行するように、設けられている、
請求項1記載の蓋付き塵取り。
【請求項3】
前記付属板部は、前記本体板部側から前記長手方向に沿って、順に、塵埃受部と塵埃落下部と塵埃掃き込み部とを、有しており、
前記掻き取り部は、前記塵埃受部及び前記塵埃落下部を空間を隔てて覆うように配置されたメッシュ板部と、前記メッシュ板部の前記長手方向の一部に配置されたブラシ部と、を有している、
請求項1又は2に記載の蓋付き塵取り。
【請求項4】
前記集塵箱は、前記集塵口内に、前記長手方向に沿って突出した清掃払拭部用ガイド部を、有している、
請求項3記載の蓋付き塵取り。
【請求項5】
前記掻き取り部は、前記付属板部に対して着脱可能に、且つ、分解可能に、構成されている、
請求項1~4のいずれか一つに記載の蓋付き塵取り。
【請求項6】
前記集塵口は、作業状態において、側面視で、下辺側が上辺側よりも前記前後方向である長手方向前方へ突出するように傾斜した形態を、有している、
請求項1~5のいずれか一つに記載の蓋付き塵取り。


【請求項7】
前記集塵箱は、前記作業状態における下壁の内面の長手方向先端に、前記集塵箱内に掃き込まれた塵埃が前記集塵口から流出するのを防止するための突出ストッパを、有しており、
前記突出ストッパは、上向きに突出し且つ前記幅方向に連続して延びている、
請求項1~6のいずれか一つに記載の蓋付き塵取り。
【請求項8】
前記集塵箱は、前記作業状態における下壁の内面に、前後方向に延びた多数本の縦リブを、有している、
請求項1~7のいずれか一つに記載の蓋付き塵取り。
【請求項9】
前記蓋体は、前記本体板部の内面に、清掃払拭部用引掛部材を有している、
請求項1~8のいずれか一つに記載の蓋付き塵取り。
【請求項10】
前記集塵箱は、前記幅方向両側壁の外面に、非作業状態における前記連結アーム部を挟持して固定するための、挟持ボス部を、有している、
請求項1~9のいずれか一つに記載の蓋付き塵取り。
【請求項11】
前記蓋体は、作業状態から非作業状態へ移行する際の前記本体板部の外面と前記連結アーム部との間の摺動性を高めるための摺動リブを、前記本体板部の外面に、有している、
請求項1~10のいずれか一つに記載の蓋付き塵取り。
【請求項12】
前記ハンドル柄部は、前記長手方向の途中に、清掃具の清掃柄部を固定するためのフックを、有している、
請求項1~11のいずれか一つに記載の蓋付き塵取り。
【請求項13】
前記ハンドル柄部は、先端に把手を有しており、
前記把手は、清掃具の清掃柄部を受けるための凹部を、有している、
請求項1~12のいずれか一つに記載の蓋付き塵取り。
【請求項14】
前記集塵箱は、非作業状態において、収容されている清掃具の清掃払拭部を前記集塵箱の底から浮かして支持する、再付着防止部材を、有している、
請求項1~13のいずれか一つに記載の蓋付き塵取り。
【請求項15】
前記再付着防止部材は、前記集塵箱に対して着脱可能に、設けられている、
請求項14記載の蓋付き塵取り。
【請求項16】
前記蓋体は、前記集塵箱内にスライド回動機構を介して支持されており、
前記スライド回動機構は、
前記蓋体の前記幅方向両側に設けられた凸軸と、
前記集塵箱の前記幅方向両壁の内面に形成され、且つ、前記凸軸が摺動可能に嵌入する、スライド溝と、を有している、
請求項1~15のいずれか一つに記載の蓋付き塵取り。
【請求項17】
前記連結アーム部は、作業状態における前記蓋体が前方に倒れるのを防止するために前記蓋体に解除可能に係合する、前方倒れ防止部材を、有している、
請求項1~16のいずれか一つに記載の蓋付き塵取り。
【請求項18】
前記連結アーム部は、作業状態と非作業状態との間で変態する際に前記蓋体が後方に倒れ込むのを防止するために前記蓋体に後方から当接する、後方倒れ防止部材を、有している、
請求項1~17のいずれか一つに記載の蓋付き塵取り。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非作業状態と作業状態との間で変態可能な蓋付き塵取りであって、特に塵埃掻き取り部を備えた蓋付き塵取りに関する。
【背景技術】
【0002】
塵埃掻き取り部を備えた塵取りは、従来から、種々のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭49-128085号
【文献】実開昭51-109655号
【文献】実開昭52-62682号
【文献】実開昭56-155753号
【文献】実開昭57-51445号
【文献】実開昭60-2463号
【文献】実開平2-146560号
【文献】登録実用新案第3003410号公報
【文献】特開2015-130983号公報
【文献】特許第5108466号公報
【文献】特許第6315466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の塵取りでは、作業性や清掃効率、又は、非作業時の収納性等に関して、一長一短があった。
【0005】
本発明は、作業性や清掃効率、更には、非作業時の収納性等が、優れている、蓋付き塵取りを、提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、非作業状態と作業状態との間で変態可能な、蓋付き塵取りであって、
集塵口を有する集塵箱と、前記集塵口を開閉する蓋体と、前記集塵箱を幅方向両側から回動可能に支持する連結アーム部と、前記連結アーム部から長手方向に延びたハンドル柄部と、を備えており、
前記集塵箱は、前記連結アーム部に対して回動することによって、前記非作業状態と前記作業状態との間で変態するように、設けられており、
前記集塵箱は、前記非作業状態においては前記集塵口を上に向けて自立し、且つ、前記作業状態においては前記集塵口を長手方向前方に向ける、形態を、有しており、
前記蓋体は、前記集塵口を閉じるための本体板部と、前記本体板部から長手方向に延びた付属板部と、を有しており、
前記蓋体は、前記集塵箱に対して前記長手方向にスライドしながら回動することによって、前記非作業状態と前記作業状態との間で変態するように、設けられており、
前記蓋体は、前記非作業状態においては前記本体板部が前記集塵口を閉じるとともに前記付属板部が前記集塵箱に収容され、且つ、前記作業状態においては前記付属板部が前記集塵口から上向きに延びるとともに前記本体板部が前記付属板部から上向きに延びるように、構成されており、
前記付属板部は、清掃払拭部用塵埃掻き取り部を備えており、
前記掻き取り部は、前記作業状態において前方に向いて機能するように、前記付属板部に設けられており、
前記付属板部は、前記作業状態において前記掻き取り部によって掻き取られた塵埃を前記集塵箱内に落下させるように、構成されている、
ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の蓋付き塵取りによれば、次のような効果を発揮できる。
(a)蓋付き塵取りは、蓋体が集塵箱に対してスライドしながら回動することによって、非作業状態と作業状態との間で変態できる。よって、非作業状態から作業状態への移行作業、及び、作業状態から非作業状態への移行作業を、簡単に実行でき、したがって、清掃作業性が優れている。
【0008】
(b)清掃払拭部用塵埃掻き取り部によって、清掃具の清掃払拭部に付着している塵埃を掻き取ることができる。よって、清掃払拭部を、塵埃が付着していない綺麗な状態で繰り返し使用でき、したがって、清掃効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態の蓋付き塵取りの作業状態を清掃具と共に示す前方斜視図である。
図2】本実施形態の蓋付き塵取りの非作業状態であって清掃具を収納した状態を示す後方斜視図である。
図3】蓋付き塵取りの作業状態を示す前方斜視図である。
図4】蓋付き塵取りの作業状態を示す後方斜視図である。
図5】蓋付き塵取りの非作業状態を示す後方斜視図である。
図6】非作業状態と作業状態との間の蓋付き塵取りの変化を示す縦断面図である。
図7図3のVII矢視図である。
図8図3の要部拡大図である。
図9図2のIX矢視図である。
図10図2のX矢視図である。
図11図4のXI矢視図である。
図12図4のXII矢視図である。
図13図3の蓋付き塵取りの分解図である。
図14】非作業状態の集塵箱の内部を示す一部破断斜視図である。
図15】前方倒れ防止部材が作動している状態を示しており、図7のA部拡大図である。
図16】前方倒れ防止部材を示す、図15のXVI矢視図である。
図17】後方倒れ防止部材の作動を説明する図である。
図18】前方倒れ防止部材の別の例を示す、図15に相当する図である。
図19図18のXIX矢視図である。
図20】作業状態の蓋付き塵取りの集塵箱の第1変形例を示す前方斜視図である。
図21図20のXXI矢視図である。
図22図21のXXII-XXII断面図である。
図23】作業状態の蓋付き塵取りの清掃払拭部用塵埃掻き取り部の第1変形例を示す正面図である。
図24】作業状態の蓋付き塵取りの清掃払拭部用塵埃掻き取り部の第2変形例を示す正面図である。
図25】作業状態の蓋付き塵取りの清掃払拭部用塵埃掻き取り部の第3変形例を示す正面図である。
図26】連結アーム部を固定するための挟持ボス部の第1変形例を示す分解斜視図である。
図27】作業状態における第1変形例の挟持ボス部を示す斜視図である。
図28】非作業状態における第1変形例の挟持ボス部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の一実施形態の蓋付き塵取りを、図を参照しながら、説明する。
【0011】
[全体構成]
図1は、本実施形態の蓋付き塵取りの作業状態を清掃具と共に示す前方斜視図である。図2は、本実施形態の蓋付き塵取りの非作業状態であって清掃具を収納した状態を示す後方斜視図である。蓋付き塵取り10は、集塵口11を有する集塵箱1と、集塵口11を開閉する蓋体2と、集塵箱1を幅方向Yの両側から回動可能に支持する連結アーム部3と、連結アーム部3から長手方向Xに延びたハンドル柄部4と、を備えている。なお、長手方向Xは、幅方向Yに対して直交する方向であり、前後方向及び上下方向を意味している。清掃具9は、清掃払拭部91と清掃柄部92とを備えており、例えば、モップである。清掃払拭部91は、清掃柄部92の一端に、設けられている。図1の作業状態において、蓋付き塵取り10は、清掃具9の清掃払拭部91によって集塵口11内に塵埃を掃き込むように、使用される。図2の非作業状態において、清掃具9の清掃払拭部91は、集塵箱1内に収容されており、清掃柄部92は、蓋体2の溝部27を通って起立してフック41に固定されている。
【0012】
図3及び図4は、それぞれ、蓋付き塵取り10の作業状態を示す前方斜視図及び後方斜視図である。図5は、蓋付き塵取り10の非作業状態を示す後方斜視図である。蓋付き塵取り10は、非作業状態と作業状態との間で変態可能である。ここで、変態可能とは、2つの状態の間で変化可能であることを意味する。図6は、非作業状態と作業状態との間の蓋付き塵取り10の変化を示す縦断面図である。図6において、(a)から(d)への変化は非作業状態から作業状態への変化であり、(d)から(a)への変化は作業状態から非作業状態への変化である。図7は、図3のVII矢視図である。図8は、図3の要部拡大図である。図9は、図2のIX矢視図である。図10は、図2のX矢視図である。図11は、図4のXI矢視図である。図12は、図4のXII矢視図である。図13は、図3の蓋付き塵取り10の分解図である。
【0013】
[集塵箱]
集塵箱1は、連結アーム部3に対して回動することによって、非作業状態と作業状態との間で変態するように、設けられている。連結アーム部3は、ハンドル柄部4の基端から幅方向Yに沿って両側に延びた水平部31、32と、水平部31、32から長手方向Xに延びた縦部33、34とを、有している。縦部33の先端は、水平軸330を介して集塵箱1の左側壁12に回動可能に連結しており、縦部34の先端は、水平軸340を介して集塵箱1の右側壁13に回動可能に連結しており、これにより、集塵箱1は、連結アーム部3に対して回動するようになっている。
【0014】
集塵箱1は、非作業状態においては図5に示されるように集塵口11を上に向けて自立し、且つ、作業状態においては図3に示されるように集塵口11を長手方向Xの前方に向ける、形態を、有している。具体的には、集塵箱1は、作業状態において、前側に集塵口11である開口を有する箱体であり、左側壁12及び右側壁13の他に、上壁14、下壁15、及び底壁16を、有している。
【0015】
集塵箱1は、特に図11から明らかなように、作業状態において、下壁15が上壁14よりも前方へ延在している。すなわち、集塵口11は、作業状態において、側面視で、下辺側111が上辺側112よりも長手方向Xの前方へ突出するように傾斜した形態を、有している。
【0016】
(再付着防止部材)
図14は、非作業状態の集塵箱1の内部を示す一部破断斜視図である。集塵箱1は、底壁16上に、再付着防止部材61を有している。再付着防止部材61は、格子状のフレームからなる板体であり、複数個のリブ161によって底壁16上に着脱可能に固定されている。再付着防止部材61は、底壁16上に固定された状態で、集塵箱1内に収容した清掃払拭部91を底壁16から浮かして支持するようになっている。よって、再付着防止部材61は、非作業状態において、集塵箱1内の底壁16に溜まっている塵埃が、収容されている清掃具9の清掃払拭部91へ再付着するのを、防止するように機能する。なお、集塵箱1内の底壁16に溜まった塵埃は、作業後に、できるだけ廃棄するのが望ましい。
【0017】
(清掃払拭部用ガイド部)
集塵箱1は、集塵口11内に、長手方向Xに沿って突出した清掃払拭部用ガイド部62を、有している。具体的には、図3に示されるように、ガイド部62は、集塵箱1の下壁15の内面から上方に向けて突出した略半円状の突片であり、2個設けられており、幅方向Yにおいて両側壁12、13から等間隔の位置に設けられている。ガイド部62の突出高さは、後述する蓋体2の塵埃掃き込み部223の上下寸法の略半分である。
【0018】
(突出ストッパ)
集塵箱1は、作業状態における下壁15の内面の長手方向Xの先端に、上向きに突出し且つ幅方向Yに連続して延びた、突出ストッパ63を、有している。突出ストッパ63は、集塵箱1内に掃き込まれた塵埃が集塵口11から流出するのを防止するように機能する。
【0019】
(挟持ボス部)
集塵箱1は、左側壁12及び右側壁13のそれぞれの外面に、図3に示される作業状態における連結アーム部3の縦部33、34をそれぞれ挟持して固定するための、挟持ボス部64、65を、有している。挟持ボス部64は、図9に示されるように、2個の並設された凸部641、642からなっており、凸部641と凸部642との間隔は、縦部33を着脱可能に挟持できる大きさに設定されており、更に、凸部641は、縦部33が回動する際に乗り越えることができる突出高さに、設定されている。挟持ボス部65も、図10に示されるように、2個の並設された凸部651、652からなっており、凸部651と凸部652との間隔は、縦部34を着脱可能に挟持できる大きさに設定されており、更に、凸部651は、縦部34が回動する際に乗り越えることができる突出高さに、設定されている。
【0020】
更に、集塵箱1は、左側壁12及び右側壁13のそれぞれの外面に、図5に示される非作業状態における連結アーム部3の縦部33、34をそれぞれ挟持して固定するための、挟持ボス部66、67を、有している。挟持ボス部66は、図11に示されるように、2個の並設された凸部661、662からなっており、凸部661と凸部662との間隔は、縦部33を着脱可能に挟持できる大きさに設定されており、更に、凸部661は、縦部33が回動する際に乗り越えることができる突出高さに、設定されている。挟持ボス部67も、図12に示されるように、2個の並設された凸部671、672からなっており、凸部671と凸部672との間隔は、縦部34を着脱可能に挟持できる大きさに設定されており、更に、凸部671は、縦部34が回動する際に乗り越えることができる突出高さに、設定されている。
【0021】
[蓋体]
蓋体2は、集塵口11を閉じるための本体板部21と、本体板部21から長手方向Xに延びた付属板部22と、を有している。蓋体2は、図5に示されるように非作業状態においては本体板部21が集塵口11を閉じるとともに付属板部22が集塵箱1内に収容され、且つ、図3に示されるように作業状態においては付属板部22が集塵口11から後方に且つ斜め上向きに延びるとともに本体板部21が付属板部22から前方に且つ斜め上向きに延びるように、構成されている。なお、付属板部22は、集塵箱1内に収容された状態において、付属板部22側の部分220(図2)が露出して集塵箱1の上壁14と同一面を構成している。
【0022】
図2の非作業状態において清掃柄部92が通る溝部27は、本体板部21の前側の中央に、長手方向Xに沿って本体板部21の中央付近まで、形成されている。
【0023】
(スライド回動機構)
蓋体2は、集塵箱1内にスライド回動機構を介して支持されている。スライド回動機構は、蓋体2の幅方向Yの両側に設けられた凸軸28と、集塵箱1の左側壁12及び右側壁13のそれぞれの内面に形成され、且つ、凸軸28が摺動可能に嵌入する、スライド溝29と、を有している。このスライド回動機構によって、蓋体2は、図6に示されるように集塵箱1に対して長手方向Xにスライドしながら回動することによって、非作業状態と作業状態との間で変態するようになっている。そして、蓋体2は、図2の非作業状態の清掃具9を長手方向Xに沿って上方へ引き上げると、清掃払拭部91とともに集塵箱1内を長手方向Xの上方へスライドしながら集塵箱1の回動に伴って回動して、作業状態に移行するようになっている。
【0024】
(清掃払拭部用塵埃掻き取り部)
付属板部22は、清掃払拭部用塵埃掻き取り部23を備えている。掻き取り部23は、図3に示されるように、作業状態において前方に向いて機能するように、付属板部22に設けられている。付属板部22は、掻き取り部23によって掻き取られた塵埃を集塵箱1内に落下させるように、構成されている。具体的には、付属板部22は、図13に示されるように、本体板部21側から長手方向Xに沿って、順に、塵埃受部221と塵埃落下部222と塵埃掃き込み部223とを、有している。塵埃落下部222は、格子状の貫通孔2221を有している。塵埃掃き込み部223は、空間で構成されている。掻き取り部23は、メッシュ板部231とブラシ部232とを有している。メッシュ板部231は、塵埃受部221及び塵埃落下部222を、空間を隔てて覆うように、配置されている。ブラシ部232は、メッシュ板部231の長手方向Xの一部、ここでは長手方向Xの中央部に、配置されている。掻き取り部23は、図13に示されるように、付属板部22に対して着脱可能に、且つ、分解可能に、構成されている。
【0025】
(清掃払拭部用引掛部材)
蓋体2は、本体板部21の内面に、清掃払拭部用引掛部材71を有している。具体的には、引掛部材71は、溝部27の左右の縁に沿って且つ前方に突出して設けられた突片であり、ここでは2個設けられている。
【0026】
(摺動リブ)
蓋体2は、本体板部21の外面に、摺動リブ72を有している。摺動リブ72は、長手方向Xに沿って複数本(ここでは3本)形成されている。摺動リブ72は、作業状態から非作業状態へ移行する際の本体板部21の外面と連結アーム部3の水平部31、32との間の摺動性を高めるように機能する。
【0027】
[連結アーム部]
連結アーム部3の縦部33、34は、図11及び図12に示されるように、側面視で、ハンドル柄部4と一直線の関係にある直線部331、341と、前方に向けて傾斜している傾斜部332、342と、を有している。
【0028】
(前方倒れ防止部材)
連結アーム部3は、作業状態の蓋体2が前方に倒れるのを防止するための前方倒れ防止部材81を、有している。図15は、前方倒れ防止部材81が作動している状態を示しており、図7のA部拡大図である。図16は、前方倒れ防止部材81を示す、図15のXVI矢視図である。前方倒れ防止部材81は、連結アーム部3の水平部31、32の幅方向Yの中央に、下方に向けて固定されている。前方倒れ防止部材81は、ベース部811と水平軸812とロック部813とスプリング814とを有している。ベース部811は、水平部31、32に固定されている。なお、ベース部811は、水平部31、32と一体的に形成されてもよい。ロック部813は、ベース部811の2個の凸部8111間に、水平軸812回りに矢印Rに示されるように回動可能に設けられている。ロック部813は、スプリング814によって常時前方(R1方向)へ向けて付勢されており、ベース部811の前部8113によって回動止めされている。ロック部813は、下端に係合爪8131を有している。ロック部813は、作業状態への移行の際に、前方から本体板部21の溝部27の底端部271が係合爪8131に当接するに伴って、後方(R2方向)へ回動し、溝部27の底端部271が係合爪8131を乗り越えると、前方(R1方向)へ回動復帰し、その結果、係合爪8131が本体板部21の底端部271に前方から係合するようになっている。このとき、係合爪8131が前側に傾斜面8132を有しているので、溝部27の底端部271は、傾斜面8132に沿って後方へ移動しやすい。
【0029】
これによって、前方倒れ防止部材81は、作業状態の蓋体2を前方からロックでき、蓋体2が前方に倒れるのを防止できる。なお、本体板部21の底端部271に前方から係合している係合爪8131は、作業状態から非作業状態へ移行する際に、連結アーム部3の回動軸(水平軸330、340)と蓋体2の回動軸(凸軸28)とが異なった位置に存在していることに起因して、自動的に、底端部271への係合を解除するようになっている。すなわち、前方倒れ防止部材81は、作業状態の蓋体2を解除可能にロックできる。
【0030】
(後方倒れ防止部材)
連結アーム部3は、蓋付き塵取り10が作業状態と非作業状態との間で変態する際に蓋体2が後方に倒れ込むのを防止するための後方倒れ防止部材82を、有している。図17は、後方倒れ防止部材82の作動を説明する図である。後方倒れ防止部材82は、連結アーム部3の縦部33、34の直線部331、341のそれぞれ内面に、設けられている。後方倒れ防止部材82は、前方に突出した凸部であり、前方から後方に向けて漸次低くなる傾斜面821を有している。
【0031】
そして、後方倒れ防止部材82は、次のように作動するようになっている。すなわち、図17(a)に示されるように、連結アーム部3が、作業状態から、矢印R3のように前方へ倒されると、蓋体2の本体板部21が傾斜面821に沿いながら前方へ倒れて行く。更に、連結アーム部3が、倒されながら上方へ引き上げられて行くと、蓋体2が起立して行くとともに蓋体2の本体板部21が傾斜面821に沿いながら起立して行き、蓋体2が起立した時に、本体板部21は、図17(b)に示されるように、前端が傾斜面821に当接した状態となる。したがって、本体板部21は、図17(b)に示される状態よりも後方へ倒れ込むことはなく、矢印R4のように前方に倒れて、集塵口11を塞ぐ。以上は、蓋付き塵取り10が図17(a)の状態から図17(b)の状態へ移行する場合の作動であるが、蓋付き塵取り10が図17(b)の状態から図17(a)の状態へ移行する場合も、同様に、後方倒れ防止部材82は、蓋体2の本体板部21に後方から当接している。したがって、後方倒れ防止部材82は、蓋付き塵取り10が作業状態と非作業状態との間で変態する際に蓋体2が後方に倒れ込むのを防止できる。
【0032】
[ハンドル柄部]
ハンドル柄部4は、細長い棒体である。清掃具9を収納した蓋付き塵取り10の非作業状態を示す図2に示されるように、ハンドル柄部4は、長手方向Xの途中に、清掃具9の清掃柄部92を固定するためのフック41を、有している。フック41によって、清掃柄部92を安定して固定できる。
【0033】
更に、ハンドル柄部4は、先端に把手42を有している。把手42は、図1に示されるように作業途中に清掃具9の清掃柄部92を受けるための、凹部421を、有している。作業者は、図1に示されるように、作業途中に、清掃具9の清掃柄部92を凹部421に立てかけることができるので、作業の利便性を向上できる。
【0034】
[清掃具]
清掃具9は、清掃払拭部91と清掃柄部92とを備えている。清掃具9は、非作業状態においては、清掃払拭部91が集塵箱1に収容されるとともに清掃柄部92が本体板部21に形成された溝部27を通って起立している。
【0035】
[作用効果]
蓋付き塵取り10は、図2の非作業状態から図1の作業状態へ移行して使用され、使用後は、図2の非作業状態へ移行して片付けられる。
【0036】
(1)図2の非作業状態の蓋付き塵取り10においては、集塵箱1が底壁16を接地して起立しており、連結アーム部3及びハンドル柄部4が鉛直に起立しており、蓋体2が集塵口11を閉じており、清掃払拭部91が集塵箱1内に収容されており、清掃柄部92が蓋体2の溝部27を通って起立するとともにフック41に固定されている。
【0037】
図2の非作業状態において、連結アーム部3の縦部33、34は、蓋体2の挟持ボス部66、67に挟持されている。したがって、連結アーム部3及びハンドル柄部4は、起立状態を安定して維持できる。
【0038】
(2)作業者が、図2の非作業状態において、把手42を掴み、清掃柄部92をフック41から外し、把手42を倒すようにして挟持ボス部66、67を解除して、清掃具9を上方へ引き上げて行くと、蓋付き塵取り10は、図6(a)から図6(d)に示されるように、非作業状態から作業状態へと移行する。
【0039】
この移行の際、蓋体2には後方から後方倒れ防止部材82が当接している。よって、移行の際に蓋体2が後方に倒れ込んでしまうのを防止できる。
【0040】
(2-1)まず、清掃具9を上方へ引き上げて行くと、清掃具9の清掃払拭部91が、蓋体2の本体板部21に内面側から当接し、そのまま蓋体2を引き上げて行く。
【0041】
このとき、清掃払拭部91は、本体板部21の内面の清掃払拭部用引掛部材71に引っ掛かるので、蓋体2を確実に引き上げることができる。
【0042】
これにより、蓋付き塵取り10は、図6(a)の状態から図6(b)の状態、更には図6(c)の状態へ、移行する。
【0043】
(2-2)蓋付き塵取り10が図6(a)の状態から図6(c)の状態へ移行する際、蓋体2は、スライド回動機構によって、集塵箱1内を長手方向Xの上方へスライドしながら集塵箱1の回動に伴って回動する。
【0044】
このとき、スライド回動機構は、凸軸28及びスライド溝29という簡素な構成を有しているので、蓋体2は、安定的に、スライドしながら回動できる。
【0045】
(2-3)蓋体2は、回動する際、図6(b)及び図6(c)に示されるように、本体板部21の外面が連結アーム部3の水平部31、32に当接する。
【0046】
このとき、本体板部21の外面の摺動リブ72が、連結アーム部3の水平部31、32に対して摺動する。これにより、本体板部21と水平部31、32との間の摺動性を高めることができ、その結果、本体板部21と連結アーム部3との接触抵抗を緩和して、両者が傷付くのを防止できる。
【0047】
(2-4)そして、集塵箱1が連結アーム部3に対して回動し、これにより、蓋付き塵取り10は、図6(d)の状態すなわち作業状態となる。このとき、蓋体2は、前方倒れ防止部材81によって、前方からロックされる。また、連結アーム部3の縦部33、34は、蓋体2の挟持ボス部64、65に挟持される。
【0048】
(3)蓋付き塵取り10は、作業状態において、次のように使用される。
【0049】
(3-1)作業者は、清掃具9の清掃柄部92を把持し、図1に示されるように、清掃払拭部91を前後に動かしながら塵埃を集塵口11から集塵箱1内へ掃き込む。
【0050】
このとき、集塵口11が図9に示されるように側面視で傾斜した形態を有しているので、掃き込まれた塵埃を下壁15上に一旦載せて集塵箱1の奥へ押し込むことができる。よって、塵埃を集塵箱1内に確実に収集できる。しかも、突出ストッパ63は、集塵箱1内に掃き込まれた塵埃が集塵口11から流出するのを防止できる。よって、塵埃の清掃効率を向上できる。
【0051】
また、連結アーム部3の縦部33、34は、蓋体2の挟持ボス部64、65に挟持されているので、連結アーム部3及びハンドル柄部4を集塵箱1に対して安定して維持できる。よって、掃き込み作業を安定して実行できる。
【0052】
(3-2)作業者は、塵埃の掃き込みが終了すると、清掃払拭部91を、集塵口11から引き上げて、蓋体2の掻き取り部23のメッシュ板部231とブラシ部232とに、上下動させながら擦りつける。
【0053】
このとき、作業者は、清掃払拭部91を、ガイド部62に沿わせながら集塵口11から引き上げることができる。したがって、作業性を向上できる。
【0054】
また、清掃払拭部91を掻き取り部23に擦りつけることにより、清掃払拭部91に付着している塵埃が、メッシュ板部231とブラシ部232とによって削ぎ取られる。特に、ブラシ部232は、清掃払拭部91に付着している塵埃を強力に削ぎ取ることができる。そして、削ぎ取られた塵埃は、付属板部22の塵埃受部221と塵埃落下部222とに落下して、塵埃落下部222の貫通孔2221を通って集塵箱1内に落下する。すなわち、清掃払拭部91に付着している塵埃も、掻き取り部23によって、集塵箱1内に収集できる。このように、蓋体2の掻き取り部23によって、清掃払拭部91に付着している塵埃を削ぎ取ることができるので、清掃払拭部91を、塵埃が付着していない綺麗な状態にしながら繰り返し使用できる。したがって、清掃効率を向上できる。
【0055】
なお、掻き取り部23が付属板部22に対して着脱可能に設けられているので、清掃払拭部91に対して掻き取り効率の良い掻き取り部を、選択して採用できる。しかも、掻き取り部23がメッシュ板部231とブラシ部232とに分解可能であるので、清掃払拭部91に対して掻き取り効率の良いメッシュ板部又はブラシ部を、選択して採用できる。
【0056】
更に、図6(d)の作業状態において、蓋体2は、前方倒れ防止部材81によってロックされている。したがって、蓋付き塵取り10は、作業状態において、蓋体2が前方に倒れるのを防止できる。よって、清掃払拭部91による塵埃の掃き込み作業及び清掃払拭部91を掻き取り部23に擦りつける作業を、蓋体2が安定した状態で行うことができ、その結果、清掃効率を向上できる。
【0057】
(4)そして、作業者は、清掃作業が終了すると、蓋付き塵取り10を次のようにして図2の非作業状態に移行させる。
【0058】
作業者は、清掃具9の清掃払拭部91を集塵箱1に軽く当てながら、ハンドル柄部4を、前方に倒すようにして挟持ボス部66、67を解除して、引き上げる。そして、作業者は、ハンドル柄部4を引き上げながら、蓋体2に、前方への力を加える。そうすると、蓋体2に対する前方倒れ防止部材81によるロックが解除されて、清掃払拭部91を収容した状態の集塵箱1の集塵口11が蓋体2によって塞がれるとともに、清掃柄部92が蓋体2の溝部27を通って起立する。すなわち、蓋付き塵取り10は、図6(d)の状態から図6(a)の状態に移行する。そして、作業者は、起立した清掃柄部92をハンドル柄部4のフック41に固定する。これにより、蓋付き塵取り10は、清掃具9を収納した図2の非作業状態となる。
【0059】
以上のように、清掃具9の清掃払拭部91を集塵箱1内に押し込みながらハンドル柄部4を引き上げるという簡単な作業で、清掃具9を収納した図2の非作業状態を実現できるので、収納作業の作業性を向上できる。
【0060】
また、集塵箱1内に収容された清掃払拭部91は、再付着防止部材61によって底壁16から浮かして支持されているので、集塵箱1内の底壁16に溜まっている塵埃が、収容されている清掃払拭部91へ再付着するのを、防止することができる。また、再付着防止部材61は、底壁16に対して着脱可能であるので、収容される清掃払拭部91の種類や形態に適した部材を、採用できる。
【0061】
以上のように、本実施形態の蓋付き塵取り10によれば、非作業状態から作業状態への移行作業、及び、作業状態から非作業状態への移行作業を、簡単に実行でき、非作業状態においては清掃具9を一体的に収納でき、作業状態においては塵埃掻き取り部23を利用して清掃効率を向上できる。
【0062】
[変形例]
(1)前方倒れ防止部材81に代えて、図18及び図18のXIX矢視図である図19に示される前方倒れ防止部材83を採用してもよい。前方倒れ防止部材83は、L型の、硬質片831及び弾性片832からなっている。硬質片831及び弾性片832は、共に、連結アーム部3の水平部31、32の幅方向Yの中央に、下方に向けて固定されており、リベット833によって前後からかしめられて一体となっている。弾性片832は、硬質片831の後方に位置しており、弾性片832の先端部8321が前方から見て硬質片831より下方に露出している。それ故、弾性片832の先端部8321は、前後に弾性変形するが、前方へは変形し難く後方へは変形しやすくなっている。したがって、前方倒れ防止部材83は、次のような作用効果を発揮できる。
(a)先端部8321は前後に弾性変形するので、蓋体2の溝部27の底端部271をロック(前方から係合)したり解除したりできる。
(b)先端部8321は前方へは変形し難く後方へは変形しやすくなっているので、底端部271をロックしやすく、解除し難い。
(c)作業状態において作業者が本体板部21を強制的に前方へ押した場合、先端部8321が前方へ変形するので、前方倒れ防止部材81は、破損することなくロックを解除できる。
【0063】
(2)図20図22に示されるように、集塵箱1の下壁15の内面に、前後方向に延びた多数本の縦リブ151を設けてもよい。図20は、作業状態の蓋付き塵取りの要部を示す前方斜視図である。図21は、図20のXXI矢視図である。図22は、図21のXXII-XXII断面図である。この構成によれば、作業者が清掃払拭部91を前後に動かしながら塵埃を集塵口11から集塵箱1内へ掃き込む際に、掃き込まれて下壁15上に溜まった塵埃が清掃払拭部91に再付着するのを、防止できる。
【0064】
(3)塵埃掻き取り部23におけるブラシ部232の長手方向の位置は、中央部に限らず、任意であり、例えば、図23に示されるように上端部でもよく、図24に示されるように下端部でもよく、図25に示されるように上端部及び下端部でもよい。この構成によれば、ブラシ部232の機能を、清掃払拭部91の種類及び付着している塵埃の種類にとって最適な位置で、発揮させることができる。
【0065】
(4)作業状態における連結アーム部3を固定するための挟持ボス部64、65、及び、非作業状態における連結アーム部3を固定するための挟持ボス部66、67、に代えて、図26図28に示されるような2対の挟持ボス部691、692、695、696を設けてもよい。図26は、連結アーム部3の縦部33の水平軸330の部分の分解図である。図26に示されるように、水平軸330の外周には凸部68が設けられている。一方、集塵箱1の左側壁12の、水平軸330が取り付けられる部分には、1対の大きなボス部691及び小さなボス部692と、1対の小さなボス部695及び大きなボス部696とが、間隔D(図26)を置いて、設けられている。そして、水平軸330の凸部68は、作業状態においては図27に示されるように小さなボス部692を乗り越えてボス部691とボス部692との間に挟持され、非作業状態においては図28に示されるように小さなボス部695を乗り越えてボス部695とボス部696との間に挟持されるようになっている。間隔Dは、作業状態と非作業状態との間で水平軸330が回動する距離に設定されている。なお、連結アーム部3の縦部34の水平軸340及び右側壁13にも、同様に、2対の挟持ボス部が設けられている。この構成によれば、挟持ボス部64、65、66、67のように目立つこと無く、確実に連結アーム部3を固定できる。
【0066】
この前方倒れ防止部材83によれば、蓋付き塵取り10の構成を簡素化できる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の蓋付き塵取りは、作業性や清掃効率、更には、非作業時の収納性等が、優れているので、産業上の利用価値が大である。
【符号の説明】
【0068】
1 集塵箱
11 集塵口
111 下辺側
112 上辺側
12 左側壁
13 右側壁
2 蓋体
21 本体板部
22 付属板部
221 塵埃受部
222 塵埃落下部
223 塵埃掃き込み部
23 清掃払拭部用塵埃掻き取り部
231 メッシュ板部
232 ブラシ部
27 溝部
28 凸軸
29 スライド溝
3 連結アーム部
4 ハンドル柄部
41 フック
42 把手
421 凹部
61 再付着防止部材
62 清掃払拭部用ガイド部
63 突出ストッパ
66、67 挟持ボス部
71 清掃払拭部用引掛部材
72 摺動リブ
81、83 前方倒れ防止部材
82 後方倒れ防止部材
9 清掃具
91 清掃払拭部
92 清掃柄部
10 蓋付き塵取り
図1
図2
図3
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