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特許7267042情報処理装置、プログラムおよび勤怠管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラムおよび勤怠管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20230424BHJP
【FI】
G06Q10/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019044135
(22)【出願日】2019-03-11
(65)【公開番号】P2020149147
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】509161738
【氏名又は名称】株式会社チームスピリット
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荻島 浩司
(72)【発明者】
【氏名】小泉 剛
(72)【発明者】
【氏名】倉谷 彰
【審査官】西村 直史
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-219745(JP,A)
【文献】特開2006-018793(JP,A)
【文献】特開2012-032978(JP,A)
【文献】特開2003-058781(JP,A)
【文献】特開2014-241085(JP,A)
【文献】特開2007-293834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
従業員を識別する従業員識別子を含むコードを読み取った読取装置から、前記コードを読み取った時刻を含む時刻情報と、前記コードに含まれている従業員識別子とを取得する取得手段と、
前記取得手段が前記時刻情報および前記従業員識別子を取得すると、前記従業員識別子を含むコードと、前記従業員の勤務状況を含む情報を生成する生成手段と、
前記取得手段が取得した前記従業員識別子で識別される従業員の携帯端末へ、前記生成手段が生成した前記情報を送信する送信手段と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記生成手段は、前記従業員の勤務状況が次の勤務状況に遷移するときに前記読取装置に読み取られるコードを生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記生成手段は、過去に生成されたコードと異なるコードを生成する
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報は、前記従業員のスケジュールを含む
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生成手段は、前記情報が含む勤務状況が出社を示す場合、出社当日のスケジュールを含む情報を生成する
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記生成手段は、前記情報が含む勤務状況が退社を示す場合、次の出社日のスケジュールを含む情報を生成する
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータを、
従業員を識別する従業員識別子を含むコードを読み取った読取装置から、前記コードを読み取った時刻を含む時刻情報と、前記コードに含まれている従業員識別子とを取得する取得手段と、
前記取得手段が前記時刻情報および前記従業員識別子を取得すると、前記従業員識別子を含むコードと、前記従業員の勤務状況を含む情報を生成する生成手段と、
前記取得手段が取得した前記従業員識別子で識別される従業員の携帯端末へ、前記生成手段が生成した情報を送信する送信手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
従業員を識別する従業員識別子を含むコードを読み取った読取装置から、前記コードを読み取った時刻を含む時刻情報と、前記コードに含まれている従業員識別子とを取得する取得手段と、
前記取得手段が前記時刻情報および前記従業員識別子を取得すると、前記従業員識別子を含むコードと、前記従業員の勤務状況を含む情報を生成する生成手段と、
前記取得手段が取得した前記従業員識別子で識別される従業員の携帯端末へ、前記生成手段が生成した情報を送信する第1送信手段と
を有する情報処理装置と、
前記情報を受信した前記携帯端末が表示した前記コードから前記従業員識別子を読み取る読取手段と、
前記読取手段が読み取った前記従業員識別子と、前記読取手段が前記コードを読み取った時刻を含む時刻情報とを前記情報処理装置へ送信する第2送信手段と
を有する読取装置と、
を備える勤怠管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラムおよび勤怠管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
二次元コードを用いて勤怠管理を行う発明として、特許文献1や特許文献2に開示されたシステムがある。特許文献1に開示されたシステムは、作業者の携帯電話機に送信された作業者IDおよび日勤または夜勤の勤務形態情報を含む二次元コードを読み取り装置で読み取り、読み取った勤務形態情報と読み取り時刻をサーバへ送信して勤怠管理を行う。特許文献2に開示されたシステムは、勤務先に設置された置時計で現在時刻を含む二次元コードを表示し、表示された二次元コードを勤務者が所持する携帯電話機で読み取り、読み取った二次元コードに含まれる現在時刻をサーバへ送信して勤怠管理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-293834号公報
【文献】特許第3713039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばタイムカードで勤怠管理を行う場合、打刻されたタイムカードを見ることにより打刻された時刻が出社時刻と退社時刻のいずれであるのかを従業員は知ることができ、間違っていた場合にはすぐに修正ができる。しかしながら、前述のシステムにて二次元コードの読み取りで勤怠管理を行う場合、読み取った時刻は管理されるものの、出社と退社のいずれの状況であるのかが従業員には不明であり、従業員が勤務状況を知る術がない。
【0005】
本発明は、コードの読み取りで勤怠管理を行う際に、勤務状況を従業員が容易に知ることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、従業員を識別する従業員識別子を含むコードを読み取った読取装置から、前記コードを読み取った時刻を含む時刻情報と、前記コードに含まれている従業員識別子とを取得する取得手段と、前記取得手段が前記時刻情報および前記従業員識別子を取得すると、前記従業員識別子を含むコードと、前記従業員の勤務状況を含む情報を生成する生成手段と、前記取得手段が取得した前記従業員識別子で識別される従業員の携帯端末へ、前記生成手段が生成した前記情報を送信する送信手段とを備える情報処理装置を提供する。
【0007】
本発明においては、前記生成手段は、前記従業員の勤務状況が次の勤務状況に遷移するときに前記読取装置に読み取られるコードを生成する構成としてもよい。
【0008】
本発明においては、前記生成手段は、過去に生成されたコードと異なるコードを生成する構成としてもよい。
【0009】
本発明においては、前記情報は、前記従業員のスケジュールを含む構成としてもよい。
【0010】
本発明においては、前記生成手段は、前記情報が含む勤務状況が出社を示す場合、出社当日のスケジュールを含む情報を生成する構成としてもよい。
【0011】
本発明においては、前記生成手段は、前記情報が含む勤務状況が退社を示す場合、次の出社日のスケジュールを含む情報を生成する構成としてもよい。
【0012】
本発明は、コンピュータを、従業員を識別する従業員識別子を含むコードを読み取った読取装置から、前記コードを読み取った時刻を含む時刻情報と、前記コードに含まれている従業員識別子とを取得する取得手段と、前記取得手段が前記時刻情報および前記従業員識別子を取得すると、前記従業員識別子を含むコードと、前記従業員の勤務状況を含む情報を生成する生成手段と、前記取得手段が取得した前記従業員識別子で識別される従業員の携帯端末へ、前記生成手段が生成した情報を送信する送信手段として機能させるためのプログラムを提供する。
【0013】
本発明は、従業員を識別する従業員識別子を含むコードを読み取った読取装置から、前記コードを読み取った時刻を含む時刻情報と、前記コードに含まれている従業員識別子とを取得する取得手段と、前記取得手段が前記時刻情報および前記従業員識別子を取得すると、前記従業員識別子を含むコードと、前記従業員の勤務状況を含む情報を生成する生成手段と、前記取得手段が取得した前記従業員識別子で識別される従業員の携帯端末へ、前記生成手段が生成した情報を送信する第1送信手段とを有する情報処理装置と、前記情報を受信した前記携帯端末が表示した前記コードから前記従業員識別子を読み取る読取手段と、前記読取手段が読み取った前記従業員識別子と、前記読取手段が前記コードを読み取った時刻を含む時刻情報とを前記情報処理装置へ送信する第2送信手段とを有する読取装置と、を備える勤怠管理システムを提供する。
【0014】
本発明は、設置端末に表示されたコードを読み取った携帯端末から、前記コードを読み取った時刻を含む時刻情報と、当該携帯端末を所持する従業員を識別する従業員識別子を取得する取得手段と、前記取得手段が前記時刻および前記従業員識別子を取得すると、取得した前記従業員識別子で識別される前記従業員の勤務状況を含む情報を生成する生成手段と、前記取得手段が取得した前記従業員識別子で識別される従業員の携帯端末へ、前記生成手段が生成した前記情報を送信する送信手段とを備える情報処理装置を提供する。
【0015】
本発明においては、前記情報は、前記従業員のスケジュールを含む構成としてもよい。
【0016】
本発明においては、前記生成手段は、前記情報が含む勤務状況が出社を示す場合、出社当日のスケジュールを含む情報を生成する構成としてもよい。
【0017】
本発明においては、前記生成手段は、前記情報が含む勤務状況が退社を示す場合、次の出社日のスケジュールを含む情報を生成する構成としてもよい。
【0018】
本発明は、コンピュータを、設置端末に表示されたコードを読み取った携帯端末から、前記コードを読み取った時刻を含む時刻情報と、当該携帯端末を所持する従業員を識別する従業員識別子を取得する取得手段と、前記取得手段が前記時刻および前記従業員識別子を取得すると、取得した前記従業員識別子で識別される前記従業員の勤務状況を含む情報を生成する生成手段と、前記取得手段が取得した前記従業員識別子で識別される従業員の携帯端末へ、前記生成手段が生成した前記情報を送信する送信手段として機能させるためのプログラムを提供する。
【0019】
本発明は、設置端末に表示されたコードを読み取った携帯端末から、前記コードを読み取った時刻を含む時刻情報と、当該携帯端末を所持する従業員を識別する従業員識別子を取得する取得手段と、前記取得手段が前記時刻および前記従業員識別子を取得すると、取得した前記従業員識別子で識別される前記従業員の勤務状況を含む情報を生成する生成手段と、前記取得手段が取得した前記従業員識別子で識別される従業員の携帯端末へ、前記生成手段が生成した前記情報を送信する送信手段とを有する情報処理装置と、前記コードを表示する設置端末と、を備える勤怠管理システムを提供する。
【0020】
本発明においては、前記設置端末は、表示する前記コードを、予め定められた周期で過去に表示したコードと異なるコードに更新する構成としてもよい。
【0021】
また、本発明は、設置端末から送信された位置情報を含むコードを生成するコード生成手段と、前記コード生成手段が生成したコードを前記設置端末へ送信するコード送信手段とを有するコード生成装置と、少なくとも自装置の位置情報を前記コード生成装置へ送信する位置送信手段と、前記コード生成装置から送信される前記コードを受信するコード受信手段と、前記コード受信手段が受信したコードを表示するコード表示手段とを有し、複数の勤務地のそれぞれに設置される前記設置端末と、を備える勤怠管理システムを提供する。
この勤怠管理システムにおいては、前記設置端末に表示されたコードを読み取った携帯端末から、前記コードを読み取った時刻を含む時刻情報と、当該携帯端末を所持する従業員を識別する従業員識別子を取得する取得手段と、前記取得手段が前記時刻および前記従業員識別子を取得すると、取得した前記従業員識別子で識別される前記従業員の勤務状況を含む情報を生成する生成手段と、前記取得手段が取得した前記従業員識別子で識別される従業員の携帯端末へ、前記生成手段が生成した前記情報を送信する送信手段とを有する情報処理装置を備える構成としてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、コードの読み取りで勤怠管理を行う際に、勤務状況を従業員が容易に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態の勤怠管理システム1に係る装置を示した図。
図2】サーバ装置20のハードウェア構成を示したブロック図。
図3】勤怠テーブルTB1の一例を示した図。
図4】スケジュールテーブルTB2の一例を示した図。
図5】サーバ装置20のソフトウェアモジュールのブロック図。
図6】設置端末30のハードウェア構成を示したブロック図。
図7】設置端末30のソフトウェアモジュールのブロック図。
図8】第1実施形態の動作例を説明するためのシーケンス図。
図9】サーバ装置20が生成する電子メールの一例を示した図。
図10】サーバ装置20が生成する電子メールの一例を示した図。
図11】第2実施形態に係る設置端末30のソフトウェアモジュールのブロック図。
図12】携帯端末10のブロック図。
図13】第2実施形態の動作例を説明するためのシーケンス図。
図14】サーバ装置20が送信する電子メールの一例を示した図。
図15】サーバ装置20が送信する電子メールの一例を示した図。
図16】勤怠管理システム1Aに係る装置を示した図。
図17】設置端末30A~30Cのソフトウェアモジュールのブロック図。
図18】コード生成装置40の構成を示した図。
図19】第3実施形態の動作例を説明するためのシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
(全体構成)
図1は、本実施形態に係る勤怠管理システム1の一例を示す図である。勤怠管理システム1は、従業員3の勤怠管理やスケジュール管理を行うシステムである。通信網2は、音声通信やデータ通信などの通信サービスを提供する通信網である。通信網2は、インターネットや固定電話網、移動体通信網などを含む。
【0025】
携帯端末10は、通信網2を介して通信を行うコンピュータ装置であり、本発明に係る携帯端末の一例である。携帯端末10は、例えばスマートフォンであり、勤怠管理システム1を導入した企業の従業員3が使用する。携帯端末10は、スマートフォンに限定されるものではなく、通信網2を介して通信を行うタブレット端末やフィーチャフォン、データ通信に特化したコンピュータ装置などであってもよい。携帯端末10は、通信網2の無線基地局と通信を行い、音声通信やデータ通信を行う。
【0026】
設置端末30は、通信網2を介してデータ通信を行うコンピュータ装置であり、本発明に係る読取装置の一例である。設置端末30は、例えばカメラ機能を備えたタブレット端末であり、従業員3が勤務する職場に設置される。設置端末30は、タブレット端末に限定されるものではなく、通信網2を介して通信を行うラップトップ型のコンピュータ装置やデスクトップ型のコンピュータ装置などであってもよい。
【0027】
サーバ装置20は、従業員3の勤怠管理やスケジュール管理を行う装置であり、本発明に係る情報処理装置の一例である。サーバ装置20は、携帯端末10や設置端末30と通信を行い、従業員3の勤怠に係る時刻の取得や、従業員3へのスケジュールの通知を行う。
【0028】
図1においては、図面が煩雑になるのを防ぐため一つの携帯端末10を図示しているが、携帯端末10は、複数の従業員の各々が所持する。また、設置端末30についても、設置される場所が一か所に限定されるものではなく、例えば、支社やサテライトオフィスなどの複数の場所の各々に設置してもよい。また、在宅勤務を行う従業員3については、従業員3の自宅に設置してもよい。
【0029】
図2は、サーバ装置20の構成を示したブロック図ある。通信部205は、通信網2を介したデータ通信を行う通信インターフェースである。記憶部202は、ハードディスク装置を有し、従業員3の勤怠管理に係る情報やスケジュールに係る情報、勤怠管理やスケジュール管理の機能を実現するプログラムなどを記憶する。
【0030】
記憶部202は、勤怠管理に係る情報として、例えば、図3に示す勤怠テーブルTB1を記憶する。勤怠テーブルTB1は、従業員を識別する従業員IDに対応付けて、出社日時、退社日時、外出を開始した日時(外出時刻)、外出から戻った日時(復帰時刻)などを格納する。また、記憶部202は、スケジュールに係る情報として、例えば、図4に示すスケジュールテーブルTB2を記憶する。スケジュールテーブルTB2は、従業員IDに対応付けて、予定の日付、予定の時間帯、予定のタイトルなどを格納する。従業員IDは、本発明に係る従業員識別子の一例である。
【0031】
制御部201は、CPU(Central Processing Unit)およびメモリを有し、記憶部202に記憶されているプログラムを実行する。CPUがメモリを使用してプログラムを実行することにより、勤怠管理の機能やスケジュール管理の機能が実現する。
【0032】
図5は、制御部201のCPUがプログラムを実行することにより実現するソフトウェアモジュールのうち、本発明に係るモジュールを示した図である。取得部2001は、設置端末30から送信される従業員IDと、従業員3の勤怠管理に係る時刻情報を取得する。取得部2001は、本発明に係る取得手段の一例である。生成部2002は、取得部2001が取得した従業員IDで特定される従業員3の勤務状況を通知するメッセージと、従業員3の勤怠に係る時刻を取得するための二次元コードを含む電子メールを生成する。生成部2002が生成する二次元コードは、例えば従業員3の従業員IDを含む。生成部2002は、本発明に係る生成手段の一例である。送信部2003は、生成部2002が生成した電子メールを携帯端末10へ送信する。送信部2003は、本発明に係る送信手段および第1送信手段の一例である。
【0033】
図6は、設置端末30の構成を示したブロック図である。通信部305は、通信網2を介した通信を行う通信インターフェースである。通信部305は、有線で通信網2に接続する構成に限定されず、無線LANを介した通信や移動体通信網を介した通信で通信網2に接続してもよい。カメラ306は、イメージセンサを有し、イメージセンサに結像した像を示す画像データを出力する。記憶部302は、不揮発性メモリであり、設置端末30を識別するための設置端末IDを記憶し、アプリケーションプログラムとして、カメラ306で撮影した二次元コードに含まれる情報や、従業員3の勤怠管理に係る時刻の情報をサーバ装置20へ送信する機能を実現するアプリケーションプログラムを記憶する。ディスプレイ303は、液晶ディスプレイである。ディスプレイ303は、例えば、設置端末30を操作するためのGUIや、カメラ306が出力した画像データが示す画像を表示する。スピーカ307は、制御部301から出力される信号に対応した音を出力する。
【0034】
制御部301は、CPUおよびメモリを有し、記憶部302に記憶されているアプリケーションプログラムを実行する。CPUがメモリを使用してアプリケーションプログラムを実行することにより、撮影した二次元コードから取得した従業員IDと、従業員3の勤怠管理に係る時刻の情報をサーバ装置20へ送信する機能が実現する。
【0035】
図7は、制御部301のCPUがプログラムを実行することにより実現するソフトウェアモジュールのうち、本発明に係るモジュールを示した図である。読取部3001は、カメラ306が撮影した二次元コードを読み取り、読み取った二次元コードに含まれる情報を取得する。読取部3001は、本発明に係る読取手段の一例である。送信部3002は、読取部3001が二次元コードから取得した情報と、二次元コードを読み取ったときの日時を示す時刻情報をサーバ装置20へ送信する。送信部3002は、本発明に係る第2送信手段の一例である。
【0036】
(第1実施形態の動作例)
次に第1実施形態の動作例について、図8のシーケンス図を用いて説明する。本実施形態においては、サーバ装置20は、従業員3の勤怠に係る時刻を取得するための電子メールを、従業員3が所持する携帯端末10へ送信する(ステップSA1)。この電子メールが送信される契機は、例えば、従業員3の勤怠に係る時刻をサーバ装置20が記憶部202の勤怠テーブルTB1に格納したタイミングである。例えば、サーバ装置20は、従業員3について退社日時を勤怠テーブルTB1に格納した場合、次の出社日の出社日時を取得するための電子メールを生成して携帯端末10へ送信する。
【0037】
図9は、サーバ装置20が生成する電子メールの一例を示した図である。図9において領域A1は、二次元コードが挿入される領域である。領域A1に挿入される二次元コードは、例えば、マトリクス式またはスタック式であり、従業員3の従業員IDを含む。二次元コードは、本発明に係るコードの一例である。サーバ装置20が退社日時を勤怠テーブルTB1に格納した場合、サーバ装置20が生成する電子メールにおいては、図9に示すように勤怠に係る状況として退社を受け付けたことが記載され、勤怠テーブルTB1に格納されている出社日時および退社日時から算出した残業時間が記載される。なお、電子メールにおいては、出社した月の残業時間に加えて出社当日の残業時間も記載してもよい。また、ここで生成される電子メールにおいては、記憶部202に記憶されたスケジュールテーブルTB2から、従業員3の次の出社日のスケジュールが抽出されて記載される。なお、図9に示す電子メールの本文においては、残業時間やスケジュールを記載しないようにしてもよい。
【0038】
携帯端末10は、サーバ装置20が送信した電子メールを受信する。従業員3は、次に職場へ出社する場合、図9に示した電子メールを携帯端末10に表示させる。従業員3は、携帯端末10で表示された二次元コードを設置端末30のカメラ306に向ける。設置端末30は、カメラ306で二次元コードを撮影する(ステップSA2)。設置端末30は、撮影した二次元コードを読み取り、二次元コードに含まれている従業員IDを取得する(ステップSA3)。設置端末30は、二次元コードを読み取ったときの日時を取得し(ステップSA4)、二次元コードから取得した従業員IDと、取得した日時を示す時刻情報を、サーバ装置20へアクセスして送信する(ステップSA5)。
【0039】
サーバ装置20は、設置端末30から送信された従業員IDと時刻情報を受信すると、受信した従業員IDを格納している勤怠テーブルTB1に、受信した時刻情報が示す日時を格納する(ステップSA6)。ここでサーバ装置20は、これまでに記憶された最新の日時が退社日時である場合、新たに受信した時刻情報が示す日時を、出社日時として勤怠テーブルTB1に格納する。サーバ装置20は、従業員3について出社日時を勤怠テーブルTB1に格納すると、次の退社日時を取得するための電子メールを生成して携帯端末10へ送信する(ステップSA7)。
【0040】
図10は、ここでサーバ装置20が生成する電子メールの一例を示した図である。図10において領域A2は、二次元コードが挿入される領域である。領域A2に挿入される二次元コードは、例えば、マトリクス式またはスタック式であり、従業員3の従業員IDを含む。サーバ装置20が出社日時を勤怠テーブルTB1に格納した場合、サーバ装置20が生成する電子メールにおいては、図10に示すように、勤怠に係る状況として出社を受け付けたことが記載される。また、ここで生成される電子メールにおいては、受信した従業員IDを格納したスケジュールテーブルTB2から、出社当日のスケジュールが抽出されて記載される。なお、図10に示す電子メールの本文においては、スケジュールを記載しないようにしてもよい。
【0041】
携帯端末10は、サーバ装置20が送信した電子メールを受信する。従業員3は、職場から退社する場合、図10に示した電子メールを携帯端末10に表示させる。従業員3は、携帯端末10で表示された二次元コードを設置端末30のカメラ306に向ける。設置端末30は、カメラ306で二次元コードを撮影する(ステップSA8)。設置端末30は、撮影した二次元コードを読み取り、二次元コードに含まれている従業員IDを取得する(ステップSA9)。設置端末30は、二次元コードを読み取ったときの日時を取得し(ステップSA10)、二次元コードから取得した従業員IDと、取得した日時を示す時刻情報を、サーバ装置20へアクセスして送信する(ステップSA11)。
【0042】
サーバ装置20は、設置端末30から送信された従業員IDと時刻情報を受信すると、受信した従業員IDを格納している勤怠テーブルTB1に、受信した時刻情報が示す日時を格納する(ステップSA12)。ここでサーバ装置20は、これまでに記憶された最新の日時が出社日時である場合、新たに受信した時刻情報が示す日時を、退社日時として勤怠テーブルTB1に格納する。サーバ装置20は、従業員3について退社日時を勤怠テーブルTB1に格納すると、上述したように、次の出社日時を取得するための電子メールを生成して携帯端末10へ送信する(ステップSA13)。
【0043】
なお、設置端末30は、サーバ装置20へアクセスできず、従業員IDと時刻情報をサーバ装置20へ送信できなかった場合、未送信の従業員IDと時刻情報の組を記憶し、サーバ装置20へアクセスが可能となると、記憶していた未送信の従業員IDと時刻情報の組をサーバ装置20へ送信してもよい。
【0044】
また、第1実施形態においては、設置端末30が複数存在する場合、各設置端末30は、従業員IDと日時情報に加え、設置端末30を識別する設置端末IDをサーバ装置20へ送信してもよい。サーバ装置20は、設置端末30から送信された時刻情報が示す日時に対応付けて、設置端末30から送信された設置端末IDを勤怠テーブルTB1に格納してもよい。この構成によれば、出社日時や退社日時に対応付けられている設置端末IDにより、時刻情報を送信した設置端末30が、どの場所に設置された設置端末30であるのかを特定し、従業員3が出社した場所や退社した場所を特定することができる。
【0045】
以上説明したように第1実施形態によれば、設置端末30が二次元コードを読み取った日時が出社日時と退社日時のいずれで処理されたかを通知する電子メールが、従業員3が所持する携帯端末10へ送られるため、従業員3は、自身の出社または退社の勤務状況を容易に知ることができる。また、第1実施形態においては、設置端末30は、既存のタブレット端末であり、アプリケーションプログラムを実行することにより、出社や退社の日時をサーバ装置20へ送信する機能が実現するため、システムの導入コストを抑えることができる。また、第1実施形態においては、設置端末30は、既存のタブレット端末であり、無線通信で通信網2を介してサーバ装置20へアクセスすることも可能であるため、設置される場所が限定されることがない。
【0046】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係る勤怠管理システムについて説明する。第2実施形態に係る勤怠管理システムは、第1実施形態と同じく、携帯端末10、サーバ装置20および設置端末30を含む。第2実施形態においては、勤怠に係る時刻を取得するための二次元コードを設置端末30が表示し、設置端末30が表示した二次元コードを携帯端末10で撮影することにより、従業員3の勤怠に係る時刻がサーバ装置20に記憶される。以下の説明においては、第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0047】
設置端末30の記憶部302は、従業員3の勤怠に係る時刻を取得するための二次元コードを表示する機能を実現するアプリケーションプログラムを記憶する。制御部301のCPUは、このアプリケーションプログラムを実行する。
【0048】
図11は、制御部301のCPUが第2実施形態に係るアプリケーションプログラムを実行することにより実現するソフトウェアモジュールのうち、本発明に係るモジュールを示した図である。生成部3003は、従業員3の勤怠に係る時刻を取得するための二次元コードを生成する。表示部3004は、生成部3003が生成した二次元コードをディスプレイ303で表示する。表示部3004は、本発明に係るコード表示手段の一例である。
【0049】
図12は、携帯端末10のハードウェア構成と、携帯端末10がアプリケーションプログラムを実行することにより実現するソフトウェアモジュールのうち、本発明に係るモジュールを示した図である。通信部105は、無線通信で通信網2を介した通信を行う通信インターフェースである。カメラ106は、イメージセンサを有し、イメージセンサに結像した像を示す画像データを出力する。記憶部102は、不揮発性メモリであり、アプリケーションプログラムとして、カメラ306で撮影した二次元コードに含まれる情報や、従業員3の勤怠管理に係る時刻の情報をサーバ装置20へ送信する機能を実現するアプリケーションプログラムを記憶する。ディスプレイ103は、液晶ディスプレイである。ディスプレイ103は、例えば、携帯端末10を操作するためのGUIや、カメラ106が出力した画像データが示す画像を表示する。スピーカ107は、制御部101から出力される信号に対応した音を出力する。制御部101は、CPUおよびメモリを有し、記憶部102に記憶されているアプリケーションプログラムを実行する。
【0050】
読取部1002は、カメラ106が撮影した二次元コードを読み取り、読み取った二次元コードに含まれる情報を取得する。送信部1001は、読取部1002が二次元コードから取得した情報と、二次元コードを読み取ったときの日時を示す時刻情報をサーバ装置20へ送信する。
【0051】
(第2実施形態の動作例)
次に第2実施形態の動作例について、図13のシーケンス図を用いて説明する。設置端末30は、例えば、設置端末の位置を示す位置情報、ハッシュ値および設置端末IDを含む二次元コードを生成し、生成した二次元コードをディスプレイ303で常時表示する(ステップSB1)。ハッシュ値は、例えば設置端末IDと時刻を用いて生成する。設置端末30が生成する二次元コードは、例えば、マトリクス式またはスタック式の二次元コードである。設置端末30は、予め定められた周期で二次元コードに含めるハッシュ値を変更し、表示する二次元コードを更新する。二次元コードを更新することにより、過去に表示した二次元コードと異なるコードが表示されることとなる。二次元コードに含める位置情報は、例えば、GPS(Global Positioning System)で取得した位置情報であるが、GPSで取得した位置情報に限定されるものではなく、無線LANやBluetooth(登録商標)を用いた測位システムで取得した位置情報であってもよい。
【0052】
従業員3は、職場へ出社する場合、アプリケーションプログラムを起動した携帯端末10のカメラ106で、設置端末30で表示された二次元コードを撮影する(ステップSB2)。携帯端末10は、撮影した二次元コードを読み取り、二次元コードに含まれている設置端末IDと位置情報を取得する(ステップSB3)。携帯端末10は、二次元コードを読み取ったときの日時を取得し(ステップSB4)、従業員ID、二次元コードから取得した設置端末ID、位置情報、取得した日時を示す時刻情報を、サーバ装置20へアクセスして送信する(ステップSB5)。
【0053】
サーバ装置20は、携帯端末10から送信された従業員ID、設置端末ID、位置情報および時刻情報を受信すると、受信した従業員IDを格納している勤怠テーブルTB1に、受信した時刻情報が示す日時を格納する(ステップSB6)。ここでサーバ装置20は、これまでに記憶された最新の日時が退社日時である場合、新たに受信した時刻情報が示す日時を、出社日時として勤怠テーブルTB1に格納する。なお、サーバ装置20は、格納する日時に対応付けて、取得した設置端末IDと位置情報を格納してもよい。サーバ装置20は、従業員3について出社日時を勤怠テーブルTB1に格納すると、勤怠の状況を通知するための電子メールを生成して携帯端末10へ送信する(ステップSB7)。
【0054】
図14は、ここでサーバ装置20が生成する電子メールの一例を示した図である。サーバ装置20が出社日時を勤怠テーブルTB1に格納した場合、サーバ装置20が生成する電子メールにおいては、図14に示すように、勤怠に係る状況として出社を受け付けたことが記載される。また、ここで生成される電子メールにおいては、受信した従業員IDを格納したスケジュールテーブルTB2から、出社した日のスケジュールが抽出されて記載される。
【0055】
携帯端末10は、サーバ装置20が送信した電子メールを受信する。従業員3は、携帯端末10が受信した電子メールを開封すると、自身の勤務状況と、出社した日のスケジュールを容易に知ることができる。
【0056】
従業員3は、職場から退社する場合、アプリケーションプログラムを起動した携帯端末10のカメラ106で、設置端末30で表示された二次元コードを撮影する(ステップSB8)。携帯端末10は、撮影した二次元コードを読み取り、二次元コードに含まれている設置端末IDと位置情報を取得する(ステップSB9)。携帯端末10は、二次元コードを読み取ったときの日時を取得し(ステップSB10)、従業員ID、二次元コードから取得した設置端末ID、位置情報、取得した日時を示す時刻情報を、サーバ装置20へアクセスして送信する(ステップSB11)。
【0057】
サーバ装置20は、設置端末30から送信された従業員ID、設置端末ID、位置情報および時刻情報を受信すると、受信した従業員IDを格納している勤怠テーブルTB1に、受信した時刻情報が示す日時を格納する(ステップSB12)。ここでサーバ装置20は、これまでに記憶された最新の日時が出社日時である場合、新たに受信した時刻情報が示す日時を、退社日時として勤怠テーブルTB1に格納する。なお、サーバ装置20は、格納する日時に対応付けて、取得した設置端末IDと位置情報を格納してもよい。サーバ装置20は、従業員3について退社日時を勤怠テーブルTB1に格納すると、勤怠の状況を通知するための電子メールを生成して携帯端末10へ送信する(ステップSB13)。
【0058】
図15は、ここでサーバ装置20が生成する電子メールの一例を示した図である。サーバ装置20が退社日時を勤怠テーブルTB1に格納した場合、サーバ装置20が生成する電子メールにおいては、図15に示すように、勤怠に係る状況として退社を受け付けたことが記載される。また、ここで生成される電子メールにおいては、受信した従業員IDを格納したスケジュールテーブルTB2から、次の出社日のスケジュールが抽出されて記載される。
【0059】
携帯端末10は、サーバ装置20が送信した電子メールを受信する。従業員3は、携帯端末10が受信した電子メールを開封すると、自身の出社または退社の勤務状況と、次の出社日のスケジュールを容易に知ることができる。
【0060】
なお、本実施形態においては、携帯端末10は、サーバ装置20へアクセスできず、従業員ID、設置端末ID、位置情報および時刻情報をサーバ装置20へ送信できなかった場合、未送信の従業員ID、設置端末ID、位置情報および時刻情報の組を記憶し、サーバ装置20へアクセスが可能となると、記憶していた未送信の従業員ID、設置端末ID、位置情報および時刻情報の組をサーバ装置20へ送信してもよい。
【0061】
以上説明したように第2実施形態によれば、携帯端末10が二次元コードを読み取った日時が出社時刻と退社時刻のいずれで処理されたかを通知する電子メールが、従業員3が所持する携帯端末10へ送られるため、従業員3は、自身の出社または退社の勤務状況を容易に知ることができる。また、第2実施形態においても、設置端末30は、既存のタブレット端末であり、アプリケーションプログラムを実行することにより、勤怠に係る日時を取得するための二次元コードを表示する機能が実現するため、システムの導入コストを抑えることができる。また、第2実施形態においても、設置端末30は、既存のタブレット端末であるため、設置される場所が限定されることがない。
【0062】
なお、上述した動作例では、ハッシュ値を二次元コードに含め、二次元コードを予め定められた周期で更新しているが、ハッシュ値を含めず、二次元コードを更新しない構成としてもよい。また、第2実施形態においては、二次元コードに位置情報を含めない構成としてもよい。
【0063】
また、第2実施形態においては、携帯端末10のアプリケーションプログラムを起動するリンクを携帯端末10へ送信する電子メールに含め、リンクがタップされると、携帯端末10は、アプリケーションプログラムを起動して設置端末30が表示している二次元コードを撮影し、二次元コードから取得した情報をサーバ装置20へ送信してもよい。
【0064】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態に係る勤怠管理システム1Aについて説明する。図16は、本発明の第3実施形態に係る勤怠管理システム1Aの一例を示す図である。勤怠管理システム1Aは、携帯端末10、サーバ装置20A~20C、設置端末30A~30C、コード生成装置40を含む。
【0065】
設置端末30Aは、企業Aに設置される端末であり、サーバ装置20Aは、企業Aに所属する従業員の勤怠管理やスケジュール管理を行う装置である。設置端末30Bは、企業Bに設置される端末であり、サーバ装置20Bは、企業Bに所属する従業員の勤怠管理やスケジュール管理を行う装置である。設置端末30Cは、企業Cに設置される端末であり、サーバ装置20Cは、企業Cに所属する従業員の勤怠管理やスケジュール管理を行う装置である。サーバ装置20A~20Cは、それぞれ第2実施形態のサーバ装置20と同じ構成である。
【0066】
設置端末30A~30Cは、第2実施形態の設置端末30と同じハードウェア構成である。設置端末30A~30Cは設置されている位置を示す位置情報を記憶している。位置情報は、例えば、設置端末30A~30Cが設置されているオフィスの住所であるが、GPSで取得した位置情報、無線LANやBluetooth(登録商標)を用いた測位システムで取得した位置情報であってもよい。
【0067】
図17は、設置端末30A~30Cの制御部301のCPUがプログラムを実行することにより実現するソフトウェアモジュールのうち、本発明に係るモジュールを示した図である。位置送信部3005は、記憶している位置情報をコード生成装置40へ送信する。位置送信部3005は、本発明に係る位置送信手段の一例である。コード受信部3006は、コード生成装置40が生成した二次元コードを受信する。コード受信部3006は、本発明に係るコード受信手段の一例である。表示部3004は、コード受信部3006が受信した二次元コードをディスプレイ303で表示する。
【0068】
図18は、コード生成装置40のハードウェア構成と、コード生成装置40がプログラムを実行することにより実現するソフトウェアモジュールのうち、本発明に係るモジュールを示した図である。コード生成装置40は、本発明に係るコード生成装置の一例である。通信部405は、通信網2を介したデータ通信を行う通信インターフェースである。記憶部402は、本発明に係る二次元コードを生成する機能を実現するプログラムを記憶する。制御部401は、CPUおよびメモリを有し、記憶部402に記憶されているプログラムを実行する。CPUがメモリを使用してプログラムを実行することにより、二次元コードを生成して設置端末30A~30Cに提供する機能が実現する。
【0069】
取得部4001は、設置端末30A~30Cから送信される情報を取得する。生成部4002は、取得部4002が取得した情報を用いて、本発明に係る二次元コードを生成する。生成部4001は、本発明に係るコード生成手段の一例である。提供部4003は、生成部4002が生成した二次元コードを設置端末30A~30Cに提供する。提供部4003は、本発明に係るコード送信手段の一例である。
【0070】
勤怠管理システム1Aにおいては、勤怠に係る時刻を取得するための二次元コードを設置端末30A~30Cの各々がコード生成装置40から取得して表示し、設置端末30A~30Cが表示した二次元コードを携帯端末10で撮影することにより、従業員の勤怠に係る時刻が、従業員が所属する企業のサーバ装置に記憶される。
【0071】
(第3実施形態の動作例)
次に第3実施形態の動作例について、図19のシーケンス図を用いて説明する。設置端末30Aは、記憶している位置情報および設置端末IDをコード生成装置40へ送信する(ステップSC1)。コード生成装置40は、設置端末30Aから送信された位置情報と設置端末IDを取得すると、取得した設置端末IDと現在時刻を用いてハッシュ値を生成し、取得した位置情報、取得した設置端末ID、生成したハッシュ値を含む二次元コードを生成する(ステップSC2)。コード生成装置40は、生成した二次元コードを設置端末30Aへ送信する(ステップSC3)。
【0072】
設置端末30Aは、コード生成装置40から送信された二次元コードを受信して表示する(ステップSC4)。設置端末30Aとコード生成装置40は、予め定められた周期でステップSC1~SC3の処理を実行する。これにより、設置端末30Aで表示される二次元コードが予め定められた周期で更新され、過去に表示した二次元コードと異なるコードが表示されることとなる。なお、設置端末30Bと設置端末30Cも、設置端末30Aと同様にコード生成装置40と通信を行い、自身の位置情報と設置端末IDを含む二次元コードをコード生成装置40から受信して表示する。
【0073】
企業Aに所属する従業員3は、職場へ出社する場合、アプリケーションプログラムを起動した携帯端末10のカメラ106で、設置端末30Aで表示された二次元コードを撮影する(ステップSC5)。携帯端末10は、撮影した二次元コードを読み取り、二次元コードに含まれている設置端末IDと位置情報を取得する(ステップSC6)。携帯端末10は、二次元コードを読み取ったときの日時を取得し(ステップSC7)、従業員ID、二次元コードから取得した設置端末ID、位置情報、取得した日時を示す時刻情報を、サーバ装置20Aへアクセスして送信する(ステップSC8)。
【0074】
サーバ装置20Aは、携帯端末10から送信された従業員ID、設置端末ID、位置情報および時刻情報を受信すると、受信した従業員IDを格納している勤怠テーブルTB1に、受信した時刻情報が示す日時を格納する(ステップSC9)。ここでサーバ装置20Aは、これまでに記憶された最新の日時が退社日時である場合、新たに受信した時刻情報が示す日時を、出社日時として勤怠テーブルTB1に格納する。なお、サーバ装置20Aは、格納する日時に対応付けて、取得した設置端末IDと位置情報を格納してもよい。出社日時に対応付けて格納されている位置情報を参照することにより、従業員3がどこのオフィスに出社したかを把握することができる。サーバ装置20Aは、従業員3について出社日時を勤怠テーブルTB1に格納すると、勤怠の状況を通知するための電子メールを生成して携帯端末10へ送信する(ステップSC10)。ここで送信される電子メールは、第2実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0075】
なお、企業Bに所属する従業員3は、設置端末30Bで表示されている二次元コードを自身の携帯端末10で撮影する。この場合、携帯端末10は、ステップSC6とステップSC7の処理を行い、従業員ID、二次元コードから取得した設置端末ID、位置情報、取得した日時を示す時刻情報を、サーバ装置20Bへアクセスして送信する。サーバ装置20Bは、携帯端末10から送信された従業員ID、設置端末ID、位置情報および時刻情報を受信すると、受信した従業員IDを格納している勤怠テーブルTB1に、受信した時刻情報が示す日時を格納する。サーバ装置20Bは、従業員3について出社日時を勤怠テーブルTB1に格納すると、勤怠の状況を通知するための電子メールを生成して携帯端末10へ送信する。
【0076】
また、企業Cに所属する従業員3は、設置端末30Cで表示されている二次元コードを自身の携帯端末10で撮影する。この場合、携帯端末10は、ステップSC6とステップSC7の処理を行い、従業員ID、二次元コードから取得した設置端末ID、位置情報、取得した日時を示す時刻情報を、サーバ装置20Cへアクセスして送信する。サーバ装置20Cは、携帯端末10から送信された従業員ID、設置端末ID、位置情報および時刻情報を受信すると、受信した従業員IDを格納している勤怠テーブルTB1に、受信した時刻情報が示す日時を格納する。サーバ装置20Cは、従業員3について出社日時を勤怠テーブルTB1に格納すると、勤怠の状況を通知するための電子メールを生成して携帯端末10へ送信する。
【0077】
第3実施形態によれば、複数の企業について、コードの読み取りで勤怠管理を行う際に、勤務状況を従業員が容易に知ることができる。
【0078】
なお、第3実施形態においては、設置端末30A~30Cは、異なる企業に設置される構成に限定されるものではない。例えば、設置端末30Aを企業Aの第1勤務地に設置し、設置端末30Bを企業Aの第2勤務地に設置し、設置端末30Cを企業Aの第3勤務地に設置する構成としてもよい。この場合、例えば従業員3は、第1勤務地で仕事を行う日においては、設置端末30Aに表示されている二次元コードを携帯端末10で撮影し、第3勤務地で仕事を行う日においては、設置端末30Cに表示されている二次元コードを携帯端末10で撮影する。この構成によれば、従業員3は、どの勤務地においても、出社および退社の処理を行うことができる。
【0079】
また、第3実施形態においては、設置端末30A~30Cは、一つの企業の従業員のみが使用する構成に限定されるものではない。例えば、設置端末30Aが設置される場所は、複数の企業が共同で使用するシェアオフィスであってもよい。この場合、設置端末30Aで表示されている二次元コードを企業Aの従業員3が自身の携帯端末10で出社時に撮影すると、出社日時がサーバ装置20Aに記憶され、勤怠の状況を通知するための電子メールがサーバ装置20Aから企業Aの従業員3の携帯端末10へ送信される。また、設置端末30Aで表示されている二次元コードを企業Bの従業員3が自身の携帯端末10で出社時に撮影すると、出社日時がサーバ装置20Bに記憶され、勤怠の状況を通知するための電子メールがサーバ装置20Bから企業Bの従業員3の携帯端末10へ送信される。
【0080】
また、第3実施形態においては、設置端末30A~30Cとコード生成装置40とが通信を行う際に、送信する情報を暗号化して送信する構成としてもよい。
【0081】
また、第3実施形態においては、コード生成装置40は、設置端末30Aから取得した位置情報、設置端末ID、生成したハッシュ値を、サーバ装置20Aへ送信し、送信する際には暗号化して送信してもよい。この構成の場合、携帯端末10は、読み取った二次元コードから取得した位置情報、設置端末ID、ハッシュ値を、二次元コードを読み取った時刻とともに送信してもよい。サーバ装置20Aは、コード生成装置40から取得した位置情報、設置端末IDおよびハッシュ値と、携帯端末10から受信した位置情報、設置端末IDおよびハッシュ値が一致した場合、携帯端末10から受信した時刻情報を勤怠テーブルTB1に格納するようにしてもよい。
【0082】
また、第3実施形態においては、コード生成装置40とサーバ装置20A~20Cが一体化した構成であってもよい。
【0083】
また、第3実施形態においては、サーバ装置20A~20Cは、従業員3の退社時に出社当日の残業を算出し、出社当日の残業の申請がされていない従業員については、設置端末30A~30Cと通信し、設置端末30A~30Cにおいて、出社当日の残業の申請がされていない旨を通知してもよい。
【0084】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態及び以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。
【0085】
上述した実施形態においては、携帯端末10は、勤怠に係る日時を取得するための二次元コードやスケジュール、出社や退社などの勤怠の状況を電子メールでサーバ装置20から取得しているが、携帯端末10は、勤怠管理を行うためのアプリケーションプログラムを実行し、携帯端末10へ送信される電子メールの内容を、アプリケーションプログラムで実現するモジュールを用いた通信でサーバ装置20から取得してもよい。また、携帯端末10は、SNSのアプリケーションでサーバ装置20と通信を行い、勤怠に係る日時を取得するための二次元コードやスケジュール、出社や退社などの勤怠の状況をSNSのアプリケーションのメッセージ機能で取得してもよい。
【0086】
サーバ装置20は、従業員3の職場がフリーアドレスの職場である場合、出社した従業員3の座席を決定し、決定した座席のアドレスを、携帯端末10へ送信する退社日時を取得するための電子メールに含めるようにしてもよい。この構成によれば、従業員3は出社したときに当日に使用するフリーアドレスの座席を知ることができる。
【0087】
第1実施形態においては、電子メールに含める二次元コードにハッシュ値を含めてもよい。この構成の場合、サーバ装置20は、二次元コードに含めたハッシュ値を勤怠テーブルTB1に格納する。また、設置端末30は、携帯端末10が表示している二次元コードから読み取ったハッシュ値を取得し、従業員IDおよび日時情報と共にサーバ装置20へ送信する。サーバ装置20は、受信した従業員IDが格納されている勤怠テーブルTB1に格納されているハッシュ値と、設置端末30から受信したハッシュ値とを比較する。サーバ装置20は、比較したハッシュ値が一致した場合、受信した日時情報を勤怠テーブルTB1に格納する。サーバ装置20は、比較したハッシュ値が一致しない場合、勤怠に係る日時を正しく処理できなかったことを通知する電子メールを携帯端末10へ送信する。例えば、最新ではない電子メールの二次元コードを設置端末30が読み取った場合、比較したハッシュ値が一致しないこととなる。この構成によれば、携帯端末10へ送信された二次元コードが使用できるのは一回限りとなる。
【0088】
上述した第1実施形態においては、サーバ装置20が二次元コードを生成しているが、二次元コードを生成するのはサーバ装置20に限定されるものではない。例えば、サーバ装置20は、図示した電子メールの本文に記載している文をプッシュ通信で携帯端末10へ送信する。携帯端末10は、電子メールの本文に記載していた文を受信すると、記憶している従業員IDを含む二次元コードを生成し、生成した二次元コードを受信した文と共に表示する。この構成によれば、二次元コードに含まれる従業員IDは、携帯端末10が記憶している従業員IDとなるため、他の従業員がなりすまして出社や退社を行うのを防ぐことができる。なお、上述した変形例のように二次元コードにハッシュ値を含める場合には、サーバ装置20は、生成したハッシュ値も携帯端末10へ送信し、携帯端末10は、受信したハッシュ値と記憶している従業員IDを含む二次元コードを生成して表示する。この変形例によれば、生成した二次元コードの使用を一回限りとすることができる。
【0089】
第2実施形態においては、設置端末30は、アプリケーションプログラムを実行して二次元コードを表示しているが、設置端末30が二次元コードを表示する構成は、上述の構成に限定されるものではない。例えば、設置端末30は、Webブラウザによりサーバ装置20へアクセスし、サーバ装置20が生成する二次元コードを含むWebページを取得して表示してもよい。
【0090】
本発明においては、図9図10図14図15に記載されたURLがタップされた場合、携帯端末10はサーバ装置20へアクセスして勤怠に係る情報の修正を申請するWebページを取得し、従業員3は、携帯端末10が取得したWebページから出社日時、退社日時、外出日時、復帰日時の修正を申請してもよい。また、従業員3は、携帯端末10が取得したWebページから出張の直行直帰の申請をしてもよい。
【0091】
第1実施形態においては、携帯端末10へ送信する電子メールを生成する際に従業員3のスケジュールを参照し、出社した後に出張で直帰の予定がある場合、次の出社日時を取得するための電子メールを生成して携帯端末10へ送信してもよい。
【0092】
本発明においては、例えば、出社に係る日時を取得するための電子メールに含める二次元コードには「出社」との情報を含め、退社に係る日時を取得するための電子メールに含める二次元コードには「退社」との情報を含めるようにしてもよい。この構成の場合、第1実施形態においては、設置端末30は、二次元コードに含まれている「出社」または「退社」の情報を取得してサーバ装置20へ送信する。サーバ装置20は、時刻情報と共に受信した情報が「出社」である場合には、取得した時刻情報が示す日時を勤怠テーブルTB1の出社日時のセルに格納し、時刻情報と共に受信した情報が「退社」である場合には、取得した時刻情報が示す日時を勤怠テーブルTB1の退社日時のセルに格納してもよい。
【0093】
上述した実施形態については、出社日時と退社日時の処理を例に説明しているが、勤怠管理システム1において処理する日時は、出社日時と退社日時に限定されるものではない。例えば、サーバ装置20は、携帯端末10へ送信する電子メールについて、「外出」との情報をさらに含む二次元コードと、「復帰」との情報をさらに含む二次元コードを含めるようにしてもよい。この構成の場合、第1実施形態においては、従業員3は、外出する場合には、「外出」の情報を含む二次元コードを設置端末30のカメラ306に向ける。設置端末30は、二次元コードに含まれている「外出」との情報を取得して従業員IDおよび日時情報と共にサーバ装置20へ送信する。サーバ装置20は、時刻情報と共に受信した情報が「外出」である場合には、取得した時刻情報が示す日時を勤怠テーブルTB1の外出日時のセルに格納する。従業員3は、外出から戻った場合には、「復帰」の情報を含む二次元コードを設置端末30のカメラ306に向ける。設置端末30は、二次元コードに含まれている「復帰」との情報を取得して従業員IDおよび日時情報と共にサーバ装置20へ送信する。サーバ装置20は、時刻情報と共に受信した情報が「復帰」である場合には、取得した時刻情報が示す日時を勤怠テーブルTB1の復帰日時のセルに格納する。
【0094】
本発明においては、設置端末30は、複数の企業が利用するシェアハウスに設置してもよい。この構成によれば、複数の企業の従業員について勤怠管理を行うことができる。
【0095】
上述した実施形態においては、時刻情報は日時を表す情報であるが、日付を含まずに時刻のみを含む構成であってもよい。
【0096】
本発明においては、サーバ装置20は、従業員3の残業について予め申請を受け付ける構成であってもよい。この変形例の場合、サーバ装置20は、従業員3の退社時に出社当日の残業を算出し、出社当日の残業の申請がされていない場合、従業員3へ送信する電子メールに、残業申請がなされていないことを記載してもよい。また、サーバ装置20は、格納している出社日時や退社日時から遅刻や早退を判定し、遅刻や早退の申請がなされていない場合、従業員3へ送信する電子メールに、申請がなされていないことを記載してもよい。
【0097】
本発明においては、従業員3が退社したときに送信される電子メールにおいて、勤務間インターバルの時間を記載してもよい。また、従業員3が退社したときに送信される電子メールにおいて、退社日時と勤務間インターバルの時間に基づいて、次に勤務開始が可能となる日時を記載してもよい。
【0098】
第1実施形態および第2実施形態においても、装置間の通信を暗号化して行うようにしてもよい。
【0099】
本発明に係る各装置のプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD(Hard Disk Drive)、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供し、インストールしてもよい。また、通信回線を介してプログラムをダウンロードしてインストールしてもよい。
【符号の説明】
【0100】
1…勤怠管理システム、2…通信網、3…従業員、10…携帯端末、20…サーバ装置、30…設置端末、101…制御部、102…記憶部、103…ディスプレイ、105…通信部、106…カメラ、107…スピーカ、201…制御部、202…記憶部、205…通信部、301…制御部、302…記憶部、303…ディスプレイ、305…通信部、306…カメラ、307…スピーカ、1001…送信部、1002…読取部、2001…取得部、2002…生成部、2003…送信部、3001…読取部、3002…送信部、3003…生成部、3004…表示部、3005…位置送信部、3006…コード受信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19