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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】椅子式マッサージ機
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20230424BHJP
【FI】
A61H7/00 323S
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019121108
(22)【出願日】2019-06-28
(65)【公開番号】P2021006186
(43)【公開日】2021-01-21
【審査請求日】2022-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000136491
【氏名又は名称】株式会社フジ医療器
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】児玉 将吾
【審査官】関本 達基
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-054599(JP,A)
【文献】国際公開第2005/122995(WO,A1)
【文献】特開2006-034735(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1886634(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者が着座する本体部と、
前記被施療者による入力操作を受け付ける第1操作部と、
前記本体部に形成されて前記第1操作部を収容可能な収容凹部と、
少なくとも一部が前記収容凹部内に配置されて前記第1操作部を支持する支持部と、
前記支持部を移動させる移動機構と、
前記本体部に配置されて前記被施療者による操作に基づき、前記移動機構による前記支持部の移動を実行させる第2操作部と、
前記被施療者の着座を検知する検知部と、
有し、
前記支持部は、前記移動機構によって、前記第1操作部の少なくとも一部が前記収容凹部に収容された第1位置と、前記第1操作部の前記収容凹部から露出している部分の割合が前記第1位置よりも大きい第2位置との間を往復移動可能であり、
前記移動機構は、前記支持部を前記第1位置と前記第2位置との間で往復移動させることができる電動アクチュエータを有し、
前記移動機構は、前記検知部が前記被施療者の着座を検知したとき、前記支持部を前記第2位置に移動させることができる椅子式マッサージ機。
【請求項2】
記移動機構は、前記第2操作部が操作されたとき、前記支持部が前記第1位置にあるときには前記支持部を前記第2位置に移動させ、前記第2位置にあるときには前記第1位置に移動させる請求項1に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項3】
前記本体部は、前記被施療者が着座している状態で、上半身が起こされた座位と上半身が後方に倒された寝位とに変位可能であり、
前記移動機構は、前記本体部が前記座位から前記寝位に変位するときに前記支持部を前記第2位置に向けて移動させ、前記本体部が前記座位に変位するときに前記支持部を前記第1位置に向けて移動させることができる請求項または請求項に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項4】
前記移動機構は、前記支持部を前記第1位置と前記第2位置の中間位置である第3位置で停止させる請求項から請求項のいずれかに記載の椅子式マッサージ機。
【請求項5】
前記本体部は、
前記被施療者の臀部および腿部を支持する座部の側方に配置されて前記被施療者の前腕部を支持可能な肘掛部と、
前記被施療者の上半身を支持する背もたれ部と、を有し、
前記収容凹部が、前記肘掛部の上面または前記背もたれ部の側部の前面のいずれかに形成される請求項1から請求項のいずれかに記載の椅子式マッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部の収容が可能な椅子式マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2017-140275号公報は、リモコン装置が収納可能なポケット部を備える椅子型マッサージ機を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-140275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2017-140275号公報に記載の椅子型マッサージ機はリモコン装置を収納可能な構成を有するが、リモコン装置を使用するとき、被施療者はポケット部からリモコン装置をつかんで引き出す必要があり、リモコン装置の取り出しが煩わしい。
【0005】
本発明は、使用しないときに被施療者の邪魔になりにくく、使用するときに容易に取り出すことができる操作部を有する椅子式マッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の椅子式マッサージ機は、被施療者が着座する本体部と、前記被施療者による入力操作を受け付ける第1操作部と、前記本体部に形成されて前記第1操作部を収容可能な収容凹部と、少なくとも一部が前記収容凹部内に配置されて前記第1操作部を支持する支持部と、前記支持部を移動させる移動機構と、を有し、前記支持部は、前記第1操作部の少なくとも一部が前記収容凹部に収容された第1位置と、前記第1操作部の前記収容凹部から露出している部分の割合が前記第1位置よりも大きい第2位置との間を往復移動可能であり、前記本体部に配置されて前記被施療者による操作にもとづき、前記移動機構による前記支持部の移動を実行させる第2操作部を有する。
【0007】
上記構成において、前記移動機構は、前記収容凹部内に配されて前記支持部を前記第1位置から前記第2位置に向かう方向に付勢する付勢部と、前記収容凹部内に配されて前記第1位置にある前記支持部の移動を制限するロック部と、を有し、前記第2操作部が操作されたときに、前記ロック部は前記支持部の移動の制限を解除してもよい。
【0008】
上記構成において、前記移動機構は、前記支持部を前記第1位置と前記第2位置との間で往復移動させることができる電動アクチュエータを有し、前記第2操作部が操作されたとき、前記移動機構は、前記支持部が前記第1位置にあるときには前記支持部を前記第2位置に移動させ、前記第2位置にあるときには前記第1位置に移動させてもよい。
【0009】
上記構成において、前記被施療者の着座を検知する検知部をさらに有し、前記検知部が前記被施療者の着座を検知したとき、前記移動機構は前記支持部を前記第2位置に移動させてもよい。
【0010】
上記構成において、前記本体部は、前記被施療者が着座している状態で、上半身が起こされた座位と上半身が後方に倒された寝位とに変位可能であり、前記移動機構は、前記本体部が前記座位から前記寝位に変位するときに前記支持部を前記第2位置に向けて移動させ、前記本体部が前記座位に変位するときに前記支持部を前記第1位置に向けて移動させてもよい。
【0011】
上記構成において、前記移動機構は、前記支持部を前記第1位置と前記第2位置の中間位置である第3位置で停止させてもよい。
【0012】
上記構成において、前記本体部は、前記被施療者の腰部を支持する座部の側方に配置されて前記被施療者の前腕部を支持可能な肘掛部と、前記被施療者の上半身を支持する背もたれ部と、を有し、前記収容凹部が、前記肘掛部の上面または前記背もたれ部の側部の前面のいずれかに形成されてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、使用しないときに被施療者の邪魔になりにくく、使用するときに容易に取り出すことができる操作部を有する椅子式マッサージ機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明にかかる椅子式マッサージ機の斜視図である。
図2】第1操作部が収容凹部に収容された状態を示す概略断面図である。
図3】第1操作部が収容凹部から外部に露出した状態を示す概略断面図である。
図4】押しボタンを押したときの第2操作部の動作を示す図である。
図5】第1位置に収容させるときの第2操作部の動作を示す図である。
図6】第1操作部が収容凹部に収容された状態を示す概略断面図である。
図7図6に示す椅子式マッサージ機の概略ブロック図である。
図8】椅子式マッサージ機の動作を示すフローチャートである。
図9】着座連動機能の動作を示すフローチャートである。
図10】リクライニング連動機能を示すフローチャートである
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明にかかる椅子式マッサージ機100の斜視図である。図2は、第1操作部20が収容凹部40に収容された状態を示す概略断面図である。図3は、第1操作部20が収容凹部40から外部に露出した状態を示す概略断面図である。なお、図2図3において、第1操作部20が正面向きとしているが、その方向は説明を容易にするためのものであり、実際とは異なる場合がある。
【0016】
なお、以下の説明において椅子式マッサージ機100および構成部材の位置及び方向を「左」、「右」、「上」、「下」で示す場合があるが、これらは図1に示す椅子式マッサージ機100を基準としている。さらに言うと、椅子式マッサージ機100に着座する被施療者から見た方向と一致する。
【0017】
<椅子式マッサージ機100>
椅子式マッサージ機100は、支持した被施療者の全身を揉みほぐす(以下、施療と称する)。図1図3に示すように、椅子式マッサージ機100は、本体部10と、第1操作部20と、第2操作部30と、収容凹部40と、支持部50と、移動機構60とを有する。なお、椅子式マッサージ機100には、不図示のカバーが取り付けられる。
【0018】
<本体部10>
被施療者は本体部10に着座する。本体部10は、座部11と、背もたれ部12と、肘掛部13と、足施療部14とを有する。座部11は、被施療者の臀部および腿部を支持する。座部11は、臀部または腿部を施療する膨縮部を有してもよい。膨縮部は、例えば、空気を充填、排出することで、膨張および収縮を反復可能な袋体(いわゆるエアバッグ)を有する。なお、以下の説明において、用いられる膨縮部は、同様の構成を有する。
【0019】
背もたれ部12は、座部11の後方に配置され、座部11よりも上方に立設される。詳細は後述するが、背もたれ部12は、座部11に対して上部が後方に傾倒する機能、いわゆる、リクライニング機構101を有する。なお、リクライニング機構101は、背もたれ部12を駆動するためのモータ(不図示)を含む。
【0020】
背もたれ部12は、長手方向に移動しつつ、被施療者の背中を施療する背面施療部(不図示)を有する。また、背もたれ部12は、背もたれ部12に支えられた被施療者の肩部および上腕側部を施療する膨縮部を有してもよい。
【0021】
肘掛部13は、被施療者が座部11に着座した被施療者の腕が載置される。肘掛部13は座部11の左右に対をなして配置される。肘掛部13は、被施療者の腕、すなわち、前腕、手首および手指を施療する腕施療部を有してもよい。また、肘掛部13の上面131に、第1操作部20が収容される収容凹部40が形成される。収容凹部40の詳細については、後述する。
【0022】
足施療部14は、座部11の前方に配置され、座部11よりも下方に垂設される。足施療部14は、足施療部14の上端を支点として、足施療部14の下端側の部分が回動可能に構成されている。足施療部14は、左右両方のふくらはぎおよび足部を施療する膨縮部有している。また、足施療部14は、足裏に接触しつつ回転して、足裏を施療する施療部(不図示)を備えてもよい。なお、足施療部14は、背もたれ部12のリクライニング機構101と連動して下端側の部分が上方に回動してもよい。
【0023】
椅子式マッサージ機100は、各施療部によって、被施療者に対して全身の施療が可能になる。以下の説明では、各施療部を総合して、マッサージ機構102と称する場合がある。マッサージ機構102は、膨縮部に圧縮空気を圧送する不図示のポンプ、背部施療部を動作させる不図示のアクチュエータ(例えば、モータ)等を含む。
【0024】
<第1操作部20>
第1操作部20は、被施療者による入力操作を受け付ける。椅子式マッサージ機100において、第1操作部20は、リモコン装置である。ここで、第1操作部20の詳細について説明する。
【0025】
図2に示すように、第1操作部20は、表示部21と、入力部22とを有する。表示部21は、表示パネルとタッチ検知パネルとを含む、いわゆる、タッチパネル式の表示部である。表示部21は、複数のメニューが表示される。そして、メニューをタッチすることで、メニューに関連付けられた入力操作を行うことができる。また、これら以外にも被施療者の要求に応じて、画像(静止画、動画)を表示することも可能である。
【0026】
入力部22は、被施療者による押下が可能なボタン、いわゆる、物理キーを複数個有する。入力部22の物理キーは、電源キー221、緊急停止キー222、姿勢調整キー223、背面施療部位置調整キー224およびヒータキー225等を有する。
【0027】
第1操作部20において、例えば、表示部21のタッチパネルを用いた設定は、施療前の設定の入力を行うために主に用いられ、入力部22は、施療中の設定の調整を行うために主に用いられる。
【0028】
第1操作部20には、不図示のケーブルが接続されている。第1操作部20は、ケーブルを介して電力が供給される。また、第1操作部20は、ケーブルを介して、リクライニング機構101、マッサージ機構102等に信号を送信する。本実施形態では、第1操作部20から、リクライニング機構101、マッサージ機構102を直接操作する構成としているが、これに限定されない。第1操作部20とは別に制御部を有していてもよい。
【0029】
上述したとおり、第1操作部20は、施療前に被施療者によって施療内容の設定に用いられる。一方で、被施療者が本体部10に着座するとき、または、被施療者が本体部10から離脱するときに邪魔になる虞がある。そのため、本実施形態にかかる椅子式マッサージ機100では、被施療者が使用しないとき、換言すると、被施療者が必要としないときに、第1操作部20を収容凹部40に収容する。
【0030】
収容凹部40は肘掛部13の上面131から下方に凹んだ凹穴である。収容凹部40は、内部に、第1操作部20を挿入可能である。なお、収容凹部40には、第1操作部20以外にも、支持部50および移動機構60の一部が挿入される。
【0031】
支持部50は、第1操作部20を支持する。支持部50は、支持枠部51と、ガイド柱部52とを有する。支持枠部51は、第1操作部20を掴んで第1操作部20を支持する。なお、第1操作部20は、支持枠部51に対して分離可能であってもよいし、支持枠部51と一体的に形成されていてもよい。
【0032】
支持部50は少なくとも一部が、収容凹部40の内部に配置される。支持部50は、第1操作部20が収容凹部40の内部に収容された第1位置P1(図2参照)と、第1操作部20が露出した第2位置P2(図3参照)との間で往復可能である。
【0033】
なお、本実施形態において、第1位置P1は、第1操作部20が収容凹部40に完全に収容される位置としているが、これに限定されない。被施療者が座部11に着座するときにまたは座部11から離脱するときに邪魔になりにくい程度に収容凹部40より突出していてもよい。さらに、第2位置P2は、第1操作部20が完全に露出した位置としているが、これに限定されない。第2位置P2は、被施療者による入力操作が可能な位置であればよく、一部が収容凹部40の内部に収容されていてもよい。すなわち、第1位置P1は、第1操作部20の少なくとも一部が収容凹部40に収容される位置であり、第2位置P2は、第1操作部20の収容凹部40から露出している部分の割合が第1位置P1よりも大きくなる位置である。
【0034】
支持枠部51は、収容凹部40の内部を上下方向に直線的に移動する。ガイド柱部52は、支持枠部51の下面から下方に延びる柱状の部材である。ガイド柱部52は、収容凹部40の底板部41に形成されたガイド孔42に挿入される。ガイド柱部52は、ガイド孔42に沿って、上下方向に移動可能である。
【0035】
また、ガイド柱部52の支持枠部51と接続する部分、すなわち、上端よりも下部に、ばね受け部53を有する。ばね受け部53は、移動機構60のばね61の端部が接触し、ばね61の弾性力を受ける。
【0036】
移動機構60は、支持部50の移動を行う。移動機構60は、収容凹部40の内部に配置される。移動機構60は、弾性部材であるばね61を有する。なお、移動機構60は、ばね61に限定されず、例えば、空気ばね等、支持部50を上方に付勢できる構成を広く採用することができる。ばね61は、ガイド柱部52を囲んで配置される。ばね61の一方の端部は収容凹部40の底板部41と接触し、他方の端部はばね受け部53と接触して配置される。
【0037】
支持部50が第1位置P1にあるとき、ばね61は、自然長よりも短くなるように圧縮されている。そのため、支持部50が第1位置P1にあるときは、ばね61は、弾性力で支持部50を上方に付勢する。また、ばね61は、支持部50が第2位置P2にあるときも、自然長よりも短くなるように圧縮されている。これにより、支持部50は、第2位置P2にあるときにもばね61による付勢力で上方に押される。この付勢力によって支持部50は第2位置P2に停止する。なお、支持部50、移動機構60または収容凹部40の少なくとも1つに、支持部50が第2位置P2にあるとき、下方への移動を制限する機構を有してもよい。
【0038】
移動機構60は、支持部50の移動速度を制限する減速部(不図示)を有してもよい。減速部としては、例えば、ガイド柱部52と接触して、摩擦により支持部50の移動速度を制限する構成、ダンパーのように、速度に対向して抵抗が増える部材を取り付ける構成等を挙げることができる。また、減速部を設ける替わりに、ばね61のばね定数および自然長を調整して、支持部50の移動速度を調整してもよい。
【0039】
移動機構60は、第2操作部30の操作に基づいて、起動する。第2操作部30について説明する。図2図3に示すように、第2操作部30は、押しボタン31と、スライダーロック32と、支軸33と、リンク部34と、ねじりばね35と、ピン36とを有する。
【0040】
押しボタン31は、肘掛部13の座部11側の側面に形成された貫通孔であるボタン孔132に摺動可能に配置される。つまり押しボタン31は肘掛部13の座部11側に形成されているが、これに限定されない。例えば、肘掛部13の座部11と反対側の側面に設けてもよい。
【0041】
押しボタン31は、軸方向の両端が中央部に比べて大径の円柱状である。これにより、押しボタン31は、ボタン孔132の収容凹部40の内部または外部のどちらに対しても抜けとめされる。また、押しボタン31の収容凹部40の内部側は、球状である。これにより、リンク部34を押すときにリンク部34と接触する部分が常に球の一部となり、接触部に応力が集中しにくくなる。なお、本実施形態では、押しボタン31を円柱状としたがこれに限定されない。例えば、直方体形状として、収容凹部40の内部側の先端をリンク部34が伸びる方向に湾曲する曲面としてもよい。
【0042】
スライダーロック32は、収容凹部40の内周面から外側に凹んだ摺動凹部133に摺動可能に挿入される。スライダーロック32の先端部に、先端に向かうにつれて下方に延びる傾斜面321が形成される。スライダーロック32は、下面が支持部50のばね受け部53と接触する。すなわち、スライダーロック32は、支持部50の上方への移動を制限する。
【0043】
支軸33は、リンク部34の回動中心となる中心軸である。支軸33は、リンク部34と一体に形成されていてもよいし、リンク部34を貫通し、リンク部34を回転可能に支持してもよい。リンク部34は、支軸33を介して収容凹部40に回転可能に支持される。リンク部34は、押しボタン31が押されたときの変位(力)をスライダーロック32に伝達する。リンク部34の下部は、押しボタン31と接触可能である。また、リンク部34の上部は、ピン36を介してスライダーロック32と接続される。なお、押しボタン31の操作でスライダーロック32を操作できるようにリンク部34の構成を一部変更することで、押しボタン31を肘掛部13の上面に設けることも可能である。
【0044】
ピン36は、スライダーロック32に取り付けられて、支持部50の移動方向およびスライダーロック32の摺動方向と直交する方向に延びる。リンク部34は、長孔形状のピン孔を有しており、ピン孔にピン36が移動可能に配置される。長孔形状のピン孔にピン36が挿入されていることで、スライダーロック32の摺動による、支軸33の中心からの距離の差を吸収することができる。これにより、支軸33周りにリンク部34が回転するときに、ピン36を介してスライダーロック32を摺動凹部133に沿って摺動させることができる。
【0045】
ねじりばね35は、支軸33に巻き付けられている。ねじりばね35によって、リンク部34は、支軸33よりも上部が支持部50に接近する方向に付勢される。そして、リンク部34は、押しボタン31の先端と接触して停止する。これにより、押しボタン31が突出した状態を維持できるとともに、スライダーロック32をばね受け部53の移動を制限する位置に配置することができる。椅子式マッサージ機100は、以上示した構成を有している。
【0046】
以上示した、第2操作部30は、一例であり、この構成に限定されない。例えば、押しボタン31が直接スライダーロック32を操作する構成としリンク部を省略してもよいし、押しボタン31自体がスライダーロックを兼ねる構成であってもよい。また、押しボタン31の配置場所も、移動機構60を操作可能な位置であれば、限定されない。
【0047】
<第1操作部20の動作>
次に、本実施形態にかかる椅子式マッサージ機100における第1操作部20の収容凹部40からの突出動作および収容凹部40への挿入動作について図面を参照して説明する。図4は、押しボタン31を押したときの第2操作部30の動作を示す図である。図5は、支持部50を下方に移動させて第1位置P1に収容させるときの第2操作部30の動作を示す図である。
【0048】
支持部50が第1位置P1にあるとき、ねじりばね35によってリンク部34の支軸33よりも上端が収容凹部40の中央側に押される。このリンク部34の変位(力)がピン36を介してスライダーロック32に伝達される。スライダーロック32は収容凹部40の中央側に移動され、付勢される。これにより、スライダーロック32の下面が、支持部50のばね受け部53の上面と接触して、支持部50の上方への移動が制限される。なお、ばね61から支持部50に作用する力の向きと、スライダーロック32の可動方向が異なるため、スライダーロック32は、ばね61の力で摺動凹部133内に押し込まれにくい。そのため、スライダーロック32は、支持部50の移動を制限できる。
【0049】
図4に示すように、押しボタン31の肘掛部13の外部に突出している部分が被施療者によって押されると、押しボタン31が収容凹部40の内部に押し込まれる。このとき、リンク部34の下部が押しボタン31によって押されて、リンク部34が支軸33を中心に回転する。リンク部34の回転によって、ピン36を介してリンク部34に連結されたスライダーロック32が摺動凹部133の内部に移動する。
【0050】
スライダーロック32が摺動凹部133内部に移動することで、スライダーロック32がばね受け部53の上面から外れる。これにより、支持部50に対するスライダーロック32の移動制限が解除され、支持部50は、移動機構60のばね61の弾性力によって第1位置P1から第2位置P2に移動する。
【0051】
被施療者は、支持部50に支持された第1操作部20をばね61の弾性力よりも大きい力で押し下げることで、支持部50を第2位置P2から第1位置P1に移動させることができる。
【0052】
図5に示すように、支持部50が第1位置P1に近接したとき、ばね受け部53の端部がスライダーロック32の傾斜面321と接触する。支持部50がさらに下方に移動されることで、傾斜面321がばね受け部53の端部により押され、スライダーロック32が摺動凹部133内に移動する。そして、支持部50が第1位置P1に至ったとき、ばね受け部53がスライダーロック32の下方に移動する。ばね受け部53によって摺動凹部133に押されていたスライダーロック32がねじりばね35の力でもとの位置に戻り、ばね受け部53の上部と重なる。これにより、支持部50の上方への移動が制限される。
【0053】
以上のように、本実施形態にかかる椅子式マッサージ機100では、第1操作部20を収容凹部40の内部に収容することができる。第1操作部20を収容凹部40に収容することで、被施療者が本体部10に着座するときに第1操作部20が邪魔にならない。また、本体部10に着座した被施療者が、第2操作部30の押しボタン31を操作することで、支持部50が第1位置P1から第2位置P2に移動する。これにより、第1操作部20が、肘掛部13の上面131より上方に突出する。これにより、被施療者は第1操作部20を操作することが可能となる。
【0054】
また、被施療者は、第1操作部20の操作を終えたのち、第1操作部20または第1操作部20を保持した支持部50を下方に押し下げることで、支持部50を第1位置P1に移動させるとともに、第1位置P1に固定できる。第1操作部20が収容凹部40の内部に収容された状態で維持される。被施療者は、施療終了後、第1操作部20を収容凹部40に収容させることで、本体部10から離脱するときに第1操作部20が邪魔にならない。
【0055】
以上のように、被施療者は、必要に応じて簡単に第1操作部20を収容凹部40から容易に取り出すことができる。また、不要の場合は第1操作部20を収容凹部40に収容できる。これにより、第1操作部20が被施療者の本体部10への着座および本体部10からの離脱の邪魔になりにくい。これらのことより、被施療者の利便性を高めることが可能である。
【0056】
<第2実施形態>
本発明にかかる椅子式マッサージ機の他の例について図面を参照して説明する。図6は、第1操作部20が収容凹部40に収容された状態を示す概略断面図である。図7は、第2実施形態の椅子式マッサージ機100aの概略ブロック図である。第2実施形態の椅子式マッサージ機100aは、第2操作部30aおよび移動機構70が異なるとともに、蓋部134、レール部43および検知部80を有する点で、椅子式マッサージ機100と異なる。また、第1実施形態で図示を省略した制御部200についても図示している。椅子式マッサージ機100aの椅子式マッサージ機100と実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分についての詳細な説明を省略する。
【0057】
図7に示すように、椅子式マッサージ機100aは、第1操作部20と、第2操作部30aと、移動機構70と、検知部80と、リクライニング機構101と、マッサージ機構102とは、いずれも制御部200と接続される。
【0058】
制御部200は、椅子式マッサージ機100aの各部の動作を制御する。制御部200は、例えばCPUや専用プロセッサ等の演算処理回路を有するコンピュータ装置を含む。制御部200は、回路自体が演算を行う構成であってもよいし、図示を省略した記憶部に記憶されている制御プログラムを読み出して実行する構成であってもよい。なお、記憶部は、記憶回路で構成され、上述の制御プログラム以外にも、被施療者の個人情報、個別設定等の情報を記憶することも可能である。
【0059】
なお、本実施形態において、制御部200は、第1操作部20と別部材として記載しているが、これに限定されない。例えば、第1操作部20が制御部200を兼ねる構成であってもよい。
【0060】
第2操作部30aは、操作されたときに信号を制御部200に出力可能な回路を有する。例えば、第2操作部30aは、押しボタンスイッチを有しており、押しボタンスイッチが押されたときに、信号を制御部200に送信するものを挙げることができる。また、これ以外の構成であってもよい。第2操作部30aは、本体部10に着座した被施療者が操作可能な位置に配置される。なお、第2操作部30aが制御部200を兼ねる構成であってもよい。
【0061】
リクライニング機構101およびマッサージ機構102は、制御部200からの制御信号を受信し、制御信号に従って動作する。なお、これに限定されず、第1操作部20aが制御を行う信号を直接送信してもよい。
【0062】
検知部80は、本体部10に被施療者が着座したこと、あるいは、着座していることを検知する検知センサーを有する。検知センサーとしては、例えば、圧力センサー、光センサー、赤外線センサー等を挙げることができる。また、これら以外にも、被施療者の着座を検知できるセンサーを広く採用することができる。
【0063】
<移動機構70>
移動機構70の詳細について説明する。図6に示すように、移動機構70は、モータ71と、ピニオンギヤ72と、ラックギヤ73とを有する。モータ71は、電動モータであり、電動アクチュエータの一例である。モータ以外にも電動にて動力を出力することができるものを広く採用できる。ピニオンギヤ72は、モータ71の出力軸に固定される。ピニオンギヤ72は、モータ71の出力軸の回転によって回転される。ラックギヤ73は、ギヤ歯を直線状に配列しており、支持部50のガイド柱部52の外面に取り付けられる。
【0064】
ピニオンギヤ72はラックギヤ73と噛み合っており、ピニオンギヤ72とラックギヤ73とで、モータ71の回転運動をラックギヤ73の直線運動に変換する。モータ71の回転力は、ピニオンギヤ72およびラックギヤ73を介して、支持部50を上下方向に移動させる力として伝達される。なお、移動機構70は、支持部50の移動を制限するための機構、例えば、ブレーキ機構を有してもよい。ブレーキ機構によって、モータ71への通電を停止しても、支持部50の位置を維持することができる。
【0065】
椅子式マッサージ機100aは、移動機構70の不図示の駆動機構によって開閉される蓋部134を有する。なお、蓋部134は、支持部50の移動時に支持部50によって押されるまたは引かれて、開閉してもよい。収容凹部40は、開いた蓋部134を収容凹部40内部にガイドするレール部43を有する。蓋部134は、収容凹部40の開口を開いたのちレール部43に沿って移動し、収容凹部40の内部に収容される。蓋部134によって、硬貨等の小物の収容凹部40の内部への落下を抑制することができる。
【0066】
<椅子式マッサージ機100aの動作>
以上示した椅子式マッサージ機100aの動作について図面を参照して説明する。図8は、椅子式マッサージ機100aの動作を示すフローチャートである。なお、図8に示すフローチャートは、被施療者が着座したのち、被施療者が第2操作部30aを操作する動作を示している。
【0067】
まず、制御部200は、第2操作部30aが操作されるまで待機する。(ステップS101でYesになるまで、ステップS101を繰り返す)。第2操作部30aが操作されたとき(ステップS101でYesのとき)、制御部200は、移動機構70のモータ71を駆動させて支持部50を第2位置P2に移動させる(ステップS102)。なお、移動機構70は、支持部50を移動させる前に、蓋部134を開く。支持部50が第2位置P2にあるとき、第1操作部20は肘掛部13の上部に露出する。この状態で、被施療者は、第1操作部20に対して入力操作を行う。
【0068】
制御部200は、第1操作部20に対する入力操作が完了するまで待機する。(ステップS103でYesになるまで、ステップS103を繰り返す)。なお、第1操作部20の入力操作は、表示部21のタッチパネルに表示される開始ボタン(不図示)、完了ボタン(不図示)等の特定のボタンが操作される等の特定の操作が行われたことを検知したときに完了したと判断するものを挙げることができる。また、これら以外であってもよい。
【0069】
第1操作部20に対する入力操作が完了したとき(ステップS103でYesのとき)、制御部200は、モータ71を駆動させて支持部50を第1位置P1に移動させる(ステップS104)。支持部50が第1位置P1に配置された後に、移動機構70は蓋部134を閉じる。そして、制御部200は、リクライニング機構101およびマッサージ機構102に指示を送り、施療を開始する(ステップ105)。
【0070】
制御部200は、施療が完了したか否か確認する(ステップS106)。なお、施療の完了は、第1操作部20で設定されたプログラムをすべて消化したとき、設定された時間が経過したとき等を挙げることができるがこれに限定されない。
【0071】
被施療者は、施療が実行されている間にも、リクライニング機構101、ヒータ等の操作をしたい場合がある。そのため、椅子式マッサージ機100aでは、施療中において支持部50を第2位置P2に移動させることができる。
【0072】
施療が完了していないとき(ステップS106でNoのとき)、制御部200は第2操作部30aが操作されたか否か確認する(ステップS107)。第2操作部30aが操作されたことを確認できないとき(ステップS107でNoのとき)、制御部200は、施療の完了の確認を繰り返す(ステップS106に戻る)。第2操作部30aが操作されたことを確認したとき(ステップS107でYesのとき)、制御部200は、支持部50が第2位置P2にあるか否か確認する(ステップS108)。
【0073】
支持部50が第2位置P2にあるとき(ステップS108でYesのとき)、制御部200はモータ71を駆動させて支持部50を第1位置P1に移動させ(ステップS109)、施療の完了の確認を繰り返す(ステップS106に戻る)。支持部50が第2位置P2にないとき(ステップS108でNoのとき)、制御部200はモータ71を駆動させて支持部50を第2位置P2に移動させ(ステップS110)、施療の完了の確認を繰り返す(ステップS106に戻る)。
【0074】
また、施療の完了を確認したとき(ステップS106でYesのとき)、制御部200は、支持部50が第1位置P1以外にあるか否か確認する(ステップS111)。支持部50が第1位置P1以外にあるとき(ステップS111でYesのとき)、制御部200は、モータ71を駆動させて支持部50を第1位置P1に移動させ(ステップS112)、処理を終了する。また、支持部50が第1位置P1にあるとき(ステップS111でNoのとき)、処理を終了する。
【0075】
以上示したとおり、被施療者は、必要に応じて簡単な操作で第1操作部20を収容凹部40から取り出すことができる。また、不要の場合は第1操作部20を収容凹部40に収容できる。これにより、第1操作部20が被施療者の本体部10への着座および本体部10からの離脱の邪魔になりにくい。これらのことより、被施療者の利便性を高めることが可能である。
【0076】
また、被施療者は、施療中であっても、第1操作部20の操作が容易である。第2操作部30aが信号を送信する電気素子であるため、設置自由度が高い。また、複数配置することも可能である。
【0077】
<第1変形例>
椅子式マッサージ機100aは、検知部80を有する。そのため、移動機構70は、検知部80を利用して、被施療者の着座を検知して支持部50を連動して動作させる着座連動機能を有することができる。着座連動機能について図面を参照して説明する。図9は、着座連動機能の動作を示すフローチャートである。図9に示すフローチャートは、図8のフローチャートのステップS101と置き換えられる。第1変形例の説明では、着座連動機能についてのみ説明する。
【0078】
図9に示すように、制御部200は、着座が検知されるまで待機する。(ステップS201でYesになるまで、ステップS201を繰り返す)。着座が検知されたとき(ステップS201でYesのとき)、制御部200は、着座連動機能がONになっているか否か確認する(ステップS202)。着座連動機能がONでないとき(ステップS202でNoのとき)、制御部200は第2操作部30aが操作されたか否か確認する(ステップS203)。第2操作部30aの操作が確認されないとき(ステップS203でNoのとき)、制御部200は着座連動機能がONであるか否かの確認に戻る(ステップS202)。
【0079】
着座連動機能がONのとき(ステップS202でYesのとき)または第2操作部30aが操作されたことを確認したとき(ステップS203でYesのとき)、制御部200は、モータ71に指示を送り支持部50を第2位置P2へ移動させる(図8のステップS102)。以下の動作は、図8に示す動作と同じであるため省略する。
【0080】
着座連動機能によって、被施療者が着座すると、自動的に第1操作部20が収容凹部40から外部に出てくる。そのため、第2操作部30aを操作する必要がなく、被施療者の利便性を高めることができる。また、第2操作部30aの位置がわからなくても第1操作部20が外部に出るため、被施療者の利便性を高めることができる。なお、最初の第1操作部20への入力操作時に、第2操作部30aの位置を被施療者に通知するようにしてもよい。
【0081】
なお、本実施形態では、着座連動機能がONまたはOFFになる構成を例に説明したが、常に着座連動機能が動作するようにしてもよい。
【0082】
<第2変形例>
椅子式マッサージ機100aにおいて、移動機構70は、リクライニング機構101に連動して支持部50を移動させるリクライニング連動機能を有している。図10は、リクライニング連動機能を示すフローチャートである。リクライニング機構101は、マッサージ機構102の動作にかかわらず、動作可能である。つまり、リクライニング連動機能は、椅子式マッサージ機100aの動作において、ある程度自由に実行可能な割り込み動作である。
【0083】
図10に示すように、制御部200は、リクライニング機構101の動作開始が確認されるまで待機する。(ステップS301でYesになるまで、ステップS301を繰り返す)。リクライニング機構101の動作開始が確認されたとき(ステップS301でYesのとき)、制御部200は、リクライニング連動機能がONになっているか否か確認する(ステップS302)。リクライニング連動機能がONではないとき(ステップS302でNoのとき)、処理を終了する。
【0084】
リクライニング連動機能がONのとき(ステップS302でYesのとき)、制御部200は、リクライニング機構101の動作が、座位から寝位向きの移動かどうか確認する(ステップS303)。リクライニング機構101の動作が座位から寝位向きであるとき(ステップS303でYesのとき)、制御部200は、支持部50が第2位置P2以外の位置にあるか否か確認する(ステップS304)。
【0085】
支持部50が第2位置P2以外にあるとき(ステップS304でYesのとき)、制御部200は、モータ71に指示を送り支持部50を第2位置P2に移動するように動作させて(ステップS305)、処理を終了する。支持部50が第2位置P2にあるとき(ステップS304でNoのとき)、処理を終了する。
【0086】
リクライニング機構101の動作が寝位から座位向きであるとき(ステップS303でNoのとき)、制御部200は、支持部50が第1位置P1以外の位置にあるか否か確認する(ステップS306)。
【0087】
支持部50が第1位置P1以外にあるとき(ステップS306でYesのとき)、制御部200は、モータ71に指示を送り支持部50を第1位置P1に移動するように動作させて(ステップS307)、処理を終了する。支持部50が第1位置P1にあるとき(ステップS306でNoのとき)、処理を終了する。
【0088】
以上示したように、移動機構70は、リクライニング機構101の動作に連動して支持部50を動作させて、第1操作部20を出すまたは収容する。これにより、被施療者の利便性を高めることが可能である。本変形例の椅子式マッサージ機100aにおいてリクライニング連動機能がONまたはOFFになる構成であるが、これに限定されず、リクライニング連動機能が常時機能する構成であってもよい。
【0089】
例えば、被施療者は、座位の状態から本体部10の外部に離脱する。そのため、被施療者が座位にあるときは、第1操作部20が邪魔になりやすい。そのため、被施療者が座位にあるときは、第1操作部20を収容凹部40に収容する。一方で、被施療者は寝位の状態から本体部10の外部に離脱することはほとんどない。そして、被施療者は、姿勢を変化させたり、施療を延長させたり等の入力操作を行いたい場合がある。そのため、被施療者が、寝位にあるとき、椅子式マッサージ機100aは、第1操作部20を外部に露出させる。椅子式マッサージ機100aでは、リクライニング連動機能によって、上述の動作を自動的に行うことができる。これにより、被施療者の利便性を高めることができる。
【0090】
なお、リクライニング連動機能は、例えば、図8に示すフローチャートにおいて、施療スタート(ステップS105)以降のリクライニング動作に連動するようにしてもよい。被施療者が、施療の途中でリクライニング機構101のみを動作させた場合であっても、リクライニング機構101の動作に連動して第1操作部20を自動的に外部に出すことができる。
【0091】
<第3変形例>
子式マッサージ機100aにおいて、被施療者は、寝位の状態のときに第1操作部20の表示部21に表示された画像のみを確認したい場合がある。この画像は、動画、静止画等を含む。また、例えば、音楽を再生するときの再生動作を切り替える切替キーを含んでもよい。このように、表示部21の少なくとも一部だけを収容凹部40より外部に出した状態が望まれる場合もある。そこで制御部200は、支持部50を第1位置P1と第2位置P2の間の第3位で停止可能なようにモータ71を制御してもよい。例えば、第1位置P1と第2位置P2との移動の途中で予め決められた第3位で停止させるようにしてもよい。また、被施療者からの第2操作部30aへの操作入力を受け付けることで停止するようにしてもよい。この場合、被施療者が任意の場所を第3位として、停止させることができるようにしてもよい。
【0092】
上述の各例において、収容凹部40が肘掛部13の上面に配置したものとしているが、これに限定されない。収容凹部40の配置場所は、例えば、背もたれ部12の側部の前面等、被施療者が第1操作部20を容易に操作できる位置を広く採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、被施療者の身体を揉みほぐす椅子式のマッサージ機に利用することができる。
【符号の説明】
【0094】
100 椅子式マッサージ機
10 本体部
11 座部
12 背もたれ部
13 肘掛部
131 上面
132 ボタン孔
133 摺動凹部
14 足施療部
20 第1操作部
30 第2操作部
31 押しボタン
32 スライダーロック
33 支軸
34 リンク部
36 ピン
40 収容凹部
41 底板部
42 ガイド孔
50 支持部
51 支持枠部
52 ガイド柱部
53 ばね受け部
60 移動機構
61 ばね
70 移動機構
71 モータ
72 ピニオンギヤ
73 ラックギヤ
80 検知部
200 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10