(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】時計
(51)【国際特許分類】
G04B 19/06 20060101AFI20230424BHJP
G04B 19/14 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
G04B19/06 R
G04B19/14 Z
(21)【出願番号】P 2019148559
(22)【出願日】2019-08-13
【審査請求日】2022-05-20
(31)【優先権主張番号】P 2018241742
(32)【優先日】2018-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【氏名又は名称】萩原 良一
(72)【発明者】
【氏名】黒田 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】多田 和樹
(72)【発明者】
【氏名】松下 優也
(72)【発明者】
【氏名】可知 節郎
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-074880(JP,A)
【文献】特開2018-128443(JP,A)
【文献】特開2011-149880(JP,A)
【文献】実開平03-070389(JP,U)
【文献】特開2001-159875(JP,A)
【文献】特開2014-215050(JP,A)
【文献】特開2013-050419(JP,A)
【文献】特開2009-250674(JP,A)
【文献】実開平04-066597(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 19/06
G04B 19/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時針、分針および秒針で構成される指針と、
前記指針を駆動するためのムーブメントと、
第1文字板と、
上面に設けられた上面側凸部および下面に設けられた下面側凸部を有し、前記第1文字板の上に配置され、前記下面側凸部によって前記第1文字板に対して位置決めされた環状の第1見返し部材と、
前記第1見返し部材の上に配置され、前記上面側凸部によって前記第1見返し部材に対して位置決めされた透明な第2文字板と、を有し、
前記指針のうちのいずれかは前記第1文字板と前記第2文字板の間に配置され、前記指針のうちの残りは前記第2文字板の上側に配置されて
おり、
前記時針は前記第1文字板と前記第2文字板の間に配置され、前記分針および前記秒針は前記第2文字板の上側に配置されていることを特徴とする時計。
【請求項2】
前記第1文字板は、凹凸嵌合によって前記ムーブメントに対して位置決めされている、請求項
1に記載の時計。
【請求項3】
時針、分針および秒針で構成される指針と、
前記指針を駆動するためのムーブメントと、
第1文字板と、
上面に設けられた上面側凸部および下面に設けられた下面側凸部を有し、前記第1文字板の上に配置され、前記下面側凸部によって前記第1文字板に対して位置決めされた環状の第1見返し部材と、
前記第1見返し部材の上に配置され、前記上面側凸部によって前記第1見返し部材に対して位置決めされた透明な第2文字板と、
前記第2文字板の上における前記上面側凸部と厚さ方向に重なる位置に配置され、凹凸嵌合によって前記第2文字板に対して位置決めされた環状の第2見返し部材
と、を有し、
前記指針のうちのいずれかは前記第1文字板と前記第2文字板の間に配置され、前記指針のうちの残りは前記第2文字板の上側に配置されていることを特徴とする時計。
【請求項4】
内周面が前記第2見返し部材の外周面に接触し、上面に第1目盛が形成され、円周方向に歯車が形成された環状の第3見返し部材と、
前記歯車に嵌合し、使用者によって操作されることで前記第3見返し部材を回転させるリューズと、をさらに有し、
前記第2見返し部材の上面には、前記第1目盛との組合せで回転計算尺として機能する第2目盛が形成されている、請求項
3に記載の時計。
【請求項5】
時針、分針および秒針で構成される指針と、
前記指針を駆動するためのムーブメントと、
第1文字板と、
上面に設けられた上面側凸部および下面に設けられた下面側凸部を有し、前記第1文字板の上に配置され、前記下面側凸部によって前記第1文字板に対して位置決めされた環状の第1見返し部材と、
前記第1見返し部材の上に配置され、前記上面側凸部によって前記第1見返し部材に対して位置決めされた透明な第2文字板と、
前記指針が表示する時刻とは異なる情報を表示するための小指針
と、を有し、
前記指針のうちのいずれかは前記第1文字板と前記第2文字板の間に配置され、前記指針のうちの残りは前記第2文字板の上側に配置されており、
前記小指針は、前記ムーブメントにより駆動され、前記第1文字板と前記第2文字板の間において前記指針とは厚さ方向に異なる位置に配置されている
ことを特徴とする時計。
【請求項6】
時針、分針および秒針で構成される指針と、
前記指針を駆動するためのムーブメントと、
第1文字板と、
上面に設けられた上面側凸部および下面に設けられた下面側凸部を有し、前記第1文字板の上に配置され、前記下面側凸部によって前記第1文字板に対して位置決めされた環状の第1見返し部材と、
前記第1見返し部材の上に配置され、前記上面側凸部によって前記第1見返し部材に対して位置決めされた透明な第2文字板と、を有し、
前記指針のうちのいずれかは前記第1文字板と前記第2文字板の間に配置され、前記指針のうちの残りは前記第2文字板の上側に配置されており、
前記第2文字板の中央には開口部が設けられ、前記第2文字板の上方から前記開口部を通して前記指針を視認可能であることを特徴とする時計。
【請求項7】
前記第2文字板には時刻を表示するための指標が設けられ、前記指標は樹脂と装飾粒子との混合物で構成されている、請求項1~
6のいずれか一項に記載の時計。
【請求項8】
前記装飾粒子は夜光性無機化合物である、請求項
7に記載の時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、所定箇所に開口部が設けられた上文字板と、上文字板の上方を運針する指針と、上文字板の下側位置に配置された下文字板と、下文字板と上文字板との間でかつ上文字板における開口部の位置に対応する位置に設けられた見切枠部材と、見切枠部材内に運針可能に設けられた副針部材とを備え、見切枠部材と下文字板とが見切枠部材を下文字板に対して位置決めするための位置規制部を備える文字板が記載されている。
【0003】
特許文献2には、時計のケース内に収納される文字板組立体であって、リング部材、第1の文字板、リング状のスペーサ、および第2の文字板を順に備え、第1および第2の文字板とスペーサとムーブメントとの互いの位置関係を規制する規制手段を備えるものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4595977号公報
【文献】特許第5853504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多機能時計は多様な情報を表示する必要があるが、個々の情報に対応した文字や指標(インデックス)などを文字板に配置すると、文字板の表示面が煩雑になり、時刻の視認性が低下する。そこで、特に時刻に関係する指標(時字)が目立つように、文字板の上方に透明な第2文字板を設けてそこに時字を配置し、環状の見返し部材で第2文字板を支持することが考えられる。第2文字板と見返し部材を一体の部品にすると部品の製造工程が煩雑になるため、それらは別体とすることが望ましく、この場合、第2文字板を見返し部材に対して確実に位置決め固定する必要がある。また、文字板を2重に設けるとその分、時計全体が厚くなるため、薄型化のための工夫も必要になる。
【0006】
本発明は、時刻の視認性に優れ、全体の厚さが抑えられ、かつ文字板と見返し部材との位置決めが容易な時計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
時針、分針および秒針で構成される指針と、指針を駆動するためのムーブメントと、第1文字板と、上面に設けられた上面側凸部および下面に設けられた下面側凸部を有し、第1文字板の上に配置され、下面側凸部によって第1文字板に対して位置決めされた環状の第1見返し部材と、第1見返し部材の上に配置され、上面側凸部によって第1見返し部材に対して位置決めされた透明な第2文字板とを有指針のうちのいずれかは第1文字板と第2文字板の間に配置され、指針のうちの残りは第2文字板の上側に配置されていることを特徴とする時計が提供される。
【0008】
時針は第1文字板と第2文字板の間に配置され、分針および秒針は第2文字板の上側に配置されていることが好ましい。第1文字板は、凹凸嵌合によってムーブメントに対して位置決めされていることが好ましい。
【0009】
上記の時計は、第2文字板の上における上面側凸部と厚さ方向に重なる位置に配置され、凹凸嵌合によって第2文字板に対して位置決めされた環状の第2見返し部材をさらに有することが好ましい。
【0010】
上記の時計は、内周面が第2見返し部材の外周面に接触し、上面に第1目盛が形成され、円周方向に歯車が形成された環状の第3見返し部材と、歯車に嵌合し、使用者によって操作されることで第3見返し部材を回転させるリューズとをさらに有し、第2見返し部材の上面には、第1目盛との組合せで回転計算尺として機能する第2目盛が形成されていることが好ましい。
【0011】
上記の時計は、指針が表示する時刻とは異なる情報を表示するための小指針をさらに有し、小指針は、ムーブメントにより駆動され、第1文字板と第2文字板の間において指針とは厚さ方向に異なる位置に配置されていることが好ましい。
【0012】
第2文字板の中央には開口部が設けられ、第2文字板の上方から開口部を通して指針を視認可能であることが好ましい。
【0013】
第2文字板には時刻を表示するための指標が設けられ、指標は樹脂と装飾粒子との混合物で構成されていることが好ましい。装飾粒子は夜光性無機化合物であることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
上記の時計は時刻の視認性に優れ、全体の厚さが抑えられ、かつ文字板と見返し部材とを容易に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図6】第1見返し30の上面図および断面図である。
【
図7】第1見返し30の裏面図および斜視図である。
【
図8】第2文字板40の上面図および指標41の断面図である。
【
図9】第2見返し50の上面図、断面図および裏面図である。
【
図10】第2見返し50の目盛52,54を示す図である。
【
図11】回転見返し60の上面図および断面図である。
【
図12】回転見返し60および別の回転見返しの目盛66,67を示す図である。
【
図13】ムーブメント10、第1文字板20、第1見返し30、第2文字板40および第2見返し50の接続関係を説明するための模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、時計について説明する。ただし、本発明は図面または以下に記載される実施形態には限定されないことを理解されたい。
【0017】
図1は時計1の上面図であり、
図2および
図3は時計1の断面図である。
図2および
図3では、それぞれ、
図1のII-II線およびIII-III線に沿った時計1の断面を示している。時計1は、主要な構成要素として、指針5、ソーラセル9、ムーブメント10、第1文字板20、第1見返し30、第2文字板40、第2見返し50、回転見返し60、外装ケース70、裏蓋75、ベゼル80および風防ガラス90を有する。第1見返し30、第2見返し50および回転見返し60は、見返しリングと呼ばれる環状の部材(見返し部材)であるが、簡単のため以下では単に「見返し」と呼ぶ。
図1に示すように、外装ケース70の側面における3時、8時、2時および4時の位置には、第1リューズ71、第2リューズ72および操作ボタン73,74がそれぞれ配置されている。
【0018】
時計1は、特に航空機の操縦士向けのデザインが施されたモデルであり、円筒形のベゼル80の上面には、
図1に示すように、地対空可視信号(GROUND-AIR VISUAL SIGNAL CODE)を示す文字列が印字されている。この文字列としては、「I-REQUIRE DOCTOR」(医者が必要)、「II-REQUIRE MEDICAL SUPPLIES」(医療品が必要)、「F-REQUIRE FOOD AND WATER」(食料と水が必要)、「Y-Yes」(はい)、「N-No」(いいえ)、「LL-All WELL」(全員安全)、「X-UNABLE TO PROCEED」(進行不可能)および「K-INDICATE DIRECTION TO PROCEED」(進行方向を示せ)が、12時の位置から時計回りに順に記載されている。
【0019】
ベゼル80の内側に配置された回転見返し60およびその内側に配置された第2見返し50の上面には、航空計算尺(回転計算尺)として機能する目盛が形成されている。回転見返し60の目盛は、使用者が第2リューズ72を回すことで回転する。航空計算尺については、
図10および
図12(A)を参照して後述する。
【0020】
指針5は、時針5h、分針5mおよび秒針5sで構成され、第1文字板20の中央に設けられた回転軸19を中心としてそれぞれ時計周りに回転することで、現在時刻(時分秒)を表示する。指針5の形状は、略棒状であればよく、時計のデザインに応じて適宜変更可能である。
【0021】
図1に示すように、時計1は、第1文字板20上における3時、6時、9時および4時半の位置に、第1表示部110、第2表示部120、第3表示部130および第4表示部140を有する。これらの表示部は、航空計算尺の目盛(より正確には、第1見返し30、第2見返し50および回転見返し60)よりも第1文字板20の中心側に配置されている。
【0022】
第1表示部110は、円板針111で時計1のモードを表示する。円板針111の上面には、「CHR」、「TME」、「UTC」、「SET」、「LLI」および「ALM」の文字列(マーク)が60度間隔で印字されている。これらのマークは、順に、クロノグラフ(ストップウォッチ)、通常時刻表示、協定世界時の表示、時刻修正などの設定変更、時計の光量表示、およびアラーム設定の各機能に対応する。円板針111は、使用者が第1リューズ71を外側に引いて回すと、第1表示部110の中央に設けられた回転軸を中心として回転する。時計1では、3時の位置における3角形状の時字が第1表示部110の指標を兼ねており、使用者が切り換えたいモードに対応するマークを3時の位置に合わせると、そのマークに対応する機能が実行される。
【0023】
第2表示部120は、例えば、使用者がいる都市とは時差がある別の都市における現在時刻(ローカルタイム)を小指針121,122で表示する。小指針121は分針、小指針122は時針であり、第2表示部120の中央に設けられた回転軸19a(
図2を参照)を中心としてそれぞれ時計周りに回転する。第2表示部120では、時刻を24時間表示するため、通常の時計の6時、12時の位置が12時、24時にそれぞれ対応し、小指針122は24時間で第2表示部120内を1回転する。
【0024】
第3表示部130は、サマータイムのON/OFF、曜日、および電池(後述する
図4の2次電池17)の充電量の情報を、円板針131で表示する。円板針131の上面には、サマータイムの「ON」および「OFF」の文字、「S」(日曜)、・・・、「T」(火曜)、・・・、「T」(木曜)、・・・、「S」(土曜)の文字、ならびに充電量を示す「F」(最大)~「E」(最小)の目盛が、円周方向に順に形成されている。円板針131は、例えば使用者が第1リューズ71を外側に引いて操作ボタン73または74を押下すると、第3表示部130の中央に設けられた回転軸を中心として回転する。時計1では、9時の位置における3角形状の時字と、それに向かい合う3角形状のマーク(後述する
図8(A)のマーク44)が第3表示部130の指標に相当する。
【0025】
円板針131が曜日を表示するときには、「S」、・・・、「T」、・・・、「T」、・・・、「S」のうちで現在の曜日に対応する文字が9時の位置に配置される。サマータイムを表示させたいときには、例えば使用者が第1リューズ71を外側に引いて操作ボタン73または74を押下すると、押下するたびに「ON」と「OFF」の文字が交互に9時の位置に回転する。指針5は、「ON」が9時の位置に設定されるとサマータイムを表示し、「OFF」が9時の位置に設定されると標準時刻を表示する。充電量を表示させたいときには、例えば使用者が第1リューズ71を外側に引かずに操作ボタン73または74を押下すると、「F」~「E」のうちで充電量に対応する目盛が9時の位置に回転する。
【0026】
第4表示部140は、日付を表示するための窓部であり、図示しない日板に記載された数字のうちの1つを表示する。日板は、円周方向に「1」~「31」の数字が順に記載された円板状の部材であり、第1文字板20の下方に配置され、1か月で1回転する。図示した例では、第4表示部140には、7日であることを示す「7」が表示されている。
【0027】
図4は、ムーブメント10の模式的な上面図である。ムーブメント10は、機械的な部品と電気的な部品を含む時計1の駆動機構であり、指針5および小指針121,122の回転軸19,19aを駆動する。ムーブメント10は、外装ケース70内の裏蓋75側に配置された円形の枠体11、ならびにその内部に配置されたモータ12a~12d、輪列13a~13d、アンテナ14、時計制御IC15a,15b、通信制御IC16および2次電池17などの部品を有する。枠体11の円周上には、第1文字板20の溝部(後述する
図5の溝部27)に嵌合する4個の凸部18が、略90度の間隔で形成されている。
【0028】
モータ12a~12dは、指針5、小指針121,122および円板針131を駆動するステップモータである。モータ12aは、時針5hと分針5mを互いに連動して回転させ、モータ12bは、小指針121,122を互いに連動して回転させる。モータ12cは秒針5sを、モータ12dは円板針131をそれぞれ回転させる。輪列13aは、第1リューズ71と円板針111の回転軸とを連結する歯車列である。輪列13bは小指針121,122の回転軸19aとモータ12bとを連結し、輪列13cは指針5の回転軸19とモータ12a,12cとを連結し、輪列13dは円板針131の回転軸とモータ12dとを連結する歯車列である。図示した形態とは異なり、すべての指針が別々のモータにより互いに独立に回転してもよい。
【0029】
アンテナ14は、枠体11内における12時の位置の周辺を面状に覆うように配置された矩形の部材であり、矩形のアンテナ電極14aでGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)などの衛星電波、標準電波またはその他の無線電波を受信する。時計制御IC15a,15bは、モータ12a~12dによる指針5などの駆動を制御するための電子部品であり、通信制御IC16は、アンテナ14による受信動作を制御し、受信された信号を処理するための電子部品である。これらのICは、枠体11内に配置された図示しない回路基板上に実装されている。時計1はアンテナ14により時刻情報を受信して現在時刻を設定可能な電波時計であるが、アンテナ14および通信制御IC16は必須の部品ではなく、電波の受信機能(通信機能)はなくてもよい。
【0030】
2次電池17は、第1文字板20とムーブメント10の間に配置されたソーラセル9により充電可能な電池であり、モータ12a~12d、時計制御IC15a,15bおよび通信制御IC16に電力を供給する。2次電池17はモータ12a~12c、輪列13b,13cおよび時計制御IC15a,15bと時計1の厚さ方向に重なって配置されているため、
図4ではその位置を破線で示している。時計1の電源としては、2次電池17ではなく1次電池を使用してもよく、この場合にはソーラセル9はなくてもよい。
【0031】
図5は、第1文字板20の上面図である。第1文字板20は、外装ケース70内におけるムーブメント10(かつソーラセル9)の上に配置される略円板状の部材であり、風防ガラス90を通して入射した光が下側のソーラセル9に届くように、透光性の材料で構成される。第1文字板20は、第1表示部110、第2表示部120、第3表示部130および第4表示部140に対応して、上面における3時、6時、9時および4時半の位置に、第1表示領域21、第2表示領域22、第3表示領域23および第4表示領域24を有する。
【0032】
第1表示領域21、第2表示領域22および第3表示領域23はいずれも円形であり、それぞれの中央には、円板針111、小指針121,122および円板針131の回転軸が通る軸穴21a,22a,23aが設けられている。第4表示領域24は矩形の開口部である。第1文字板20の中央には、指針5の回転軸19が通る軸穴26が設けられている。
【0033】
第1表示領域21では、軸穴21aを中心とする3時の方向における中心角60度程度の扇形の領域に、現在選択されているモードのマークを強調して示すための縞模様のパターン21bが形成され、第3表示領域23では全域に同様のパターンが形成されている。第2表示領域22では、「4」、「AM」、「8」、「12」、「16」、「PM」、「20」および「24」の文字が円周上に記載され、その外側における2重の円周上に、24個の目盛と60個の目盛がそれぞれ等間隔に形成されている。時計1では、円板針111,131は透明な円板であり、上方(風防ガラス90側)から円板針111,131を通して第1表示領域21および第3表示領域23の縞模様のパターンを視認可能であるが、このパターンはなくてもよく、円板針111,131は不透明であってもよい。
【0034】
第1文字板20における上側(12時側)には、中心角120度程度の円弧上に、衛星電波の受信に関する指標25として、「RX-TME」(時刻情報の取得)、「NO」(受信失敗)、「OK」(受信成功)および「RX-GPS」(位置情報の取得)の文字列が印字されている。受信に関する情報を表示するときには、指針5は、これらの指標25のいずれかを指すことで、対応する情報を使用者に報知する。
【0035】
第1文字板20の外周部には、第1文字板20の面内で径方向に凹凸が形成されており、第1文字板20は、この凹凸により計8個の溝部を有する。これらの溝部は、凹凸形状だけでも第1文字板20の表裏が分かるように、12時と6時の方向を結ぶ中心線に関して左右非対称に配置されている。このうち、符号27で示した4個の溝部は、ムーブメント10の4個の凸部18にそれぞれ嵌合する。すなわち、第1文字板20は、凹凸嵌合によってムーブメント10に対して位置決めされている。符号28で示した他の4個の溝部には、第1見返し30の4個の凸部(後述する
図7(A)の凸部37)がそれぞれ嵌合する。
【0036】
図6(A)~
図6(E)は、第1見返し30の上面図および断面図である。
図7(A)および
図7(B)は、第1見返し30の裏面図および斜視図である。
図6(B)~
図6(E)では、それぞれ、
図6(A)のVIB-VIB線、VIC-VIC線、VID-VID線およびVIE-VIE線に沿った第1見返し30の断面を示している。
【0037】
第1見返し30は、第1文字板20の外周上に配置され、時計1の装飾的な役割と、第1文字板20と上方の第2文字板40との間の空間を埋め第2文字板40を支持するスペーサの役割とを兼ねる環状の見返しリング(第1見返し部材の一例)である。第1見返し30は、第1表示部110、第2表示部120および第3表示部130に対応して、3時、6時および9時の位置に、第1突出部31、第2突出部32および第3突出部33を有する。これらの突出部における第1見返し30の中心側には、第1文字板20の円形の第1表示領域21、第2表示領域22および第3表示領域23に沿うように、半円形の傾斜面31a,32a,33aが形成されている。これらの傾斜面は、
図6(B)に示すように、それぞれ、外周側が最も高く、中心側に向かって低くなる。
【0038】
第1見返し30の中心側における符号34で示す領域は開口部であり、この内部に第1表示部110、第2表示部120、第3表示部130、第4表示部140および回転軸19が配置される。開口部34の内側端部における第1突出部31、第2突出部32および第3突出部33以外の部分にも、傾斜面31a,32a,33aと同様の傾斜面36が形成されている。また、第1見返し30の内周面における4時半の位置には、第4表示部140に対応する略矩形の溝部が形成されている。
【0039】
第1見返し30は、上面と下面がともに平坦(互いに平行)な円環状の外周部35を有する。外周部35の下面には4個の凸部37が、上面には4個の凸部38が、それぞれ略90度の間隔で形成されている。凸部37と凸部38は、円周方向の同じ位置に重なって配置されていてもよいが、第1見返し30では互いに異なる位置にずれて配置されている。両者の位置関係が分かるように、
図6(A)の上面図でも、下面側の凸部37の位置を破線で示している。凸部37は下面側凸部の一例であり、第1文字板20の溝部28に嵌合する。すなわち、第1見返し30は、凸部37によって第1文字板20に対して位置決めされている。凸部38は上面側凸部の一例であり、第2文字板40の溝部(後述する
図8(A)の溝部47)に嵌合する。
【0040】
図8(A)および
図8(B)は、第2文字板40の上面図および指標41の断面図である。第2文字板40は、第1見返し30を介して第1文字板20の上方に配置された透明な板材であり、第2文字板40の外周部が第1見返し30の外周部35の上面に載ることで、第1文字板20の略全体を覆っている。第2文字板40は、12個の指標41、都市表示42、時差表示43、マーク44、開口部45および目盛46を有する。
【0041】
第2文字板40には、第1文字板20が視認できる程度に透明であれば着色された部材や着色層を設けた部材を使用することができる。例えば、空をイメージした薄い青色や夕日をイメージした薄い橙色に第2文字板40を着色しておくことで、時計1が航空機の操縦士向けのデザインが施されたモデルであることをより強調する視覚的効果を付与することができる。
【0042】
指標41は、第2文字板40の外周側における円周上に等間隔に配置された時刻表示用の図形(時字、インデックス)である。個々の指標41は、例えば、
図8(B)に示すように夜光塗料41a、樹脂フィルム41bおよび接着層(粘着層)41cの3層構造を有し、樹脂フィルム41b上に夜光塗料41aが塗布されたものを接着層41cで第2文字板40の上面に貼り付けることで形成される。図示した例では、12個の指標41のうちで、12時のものが最も大きく、1時、5時、7時および11時のものが次に大きく、その他のものはさらに小さい。また、3時と9時の指標41は略3角形状(尖った台形)であるが、その他の指標41は長方形またはそれに近い台形である。このように、指標同士で大きさ、形状および径方向の位置などが互いに異なっていてもよい。また、指標41の代わりに、文字、数字、記号または突起などを第2文字板40上に形成してもよい。
【0043】
夜光塗料41aは、例えば、アルミン酸ストロンチウム蛍光体や硫化亜鉛などの夜光性無機化合物である装飾粒子を樹脂に混合させたものであり、光を蓄え夜間の暗い場所で発光する性質を有する。指標41は上記の3層構造のものに限らず、夜光塗料41aを第2文字板40上に直接印刷してもよい。あるいは、指標41として、夜光塗料以外に、反射性もしくは光沢性を有する粒状の材料または着色用の顔料などの装飾粒子を樹脂に混合させたものを使用してもよい。
【0044】
従来の時計は、時刻に関係するインデックス(時字)を目立つように配置することで、時刻視認性を確保している。しかしながら、電波時計の場合には、時字を大きく目立つように配置するとそれによって電波の受信が阻害されやすく、受信感度が低下し得る。時計1では、第1文字板20の上方に離れて配置された第2文字板40の上に指標41が形成されているので、第1文字板20に時字を形成した場合と比べて受信感度の低下を防ぐことができる。また、時計1では、
図2、
図4および
図8(A)から分かるように、特に12時の位置の指標41がアンテナ14の直上に配置されているが、指標41の材質は樹脂と装飾粒子との混合物であるため、指標41によって電波の受信が阻害されることはない。
【0045】
都市表示42は、世界共通の標準時に基づく時差に応じた順序で、複数の都市または地域の略称を円周方向に配列したものである。各都市または地域の略称はアルファベット3文字で表され、これらの文字列は、12個の指標41と同じ円周上における指標41同士の間に配置されている。時差表示43は、都市表示42に含まれる各都市または地域について世界協定時基準の時差を示す「-12」~「+14」の数字であり、各都市または地域の略称の上段または下段に配置されている。
図1の第2表示部120は、例えば、都市表示42に含まれる都市または地域であって、指針5が表示する時刻と時差がある別の都市における現在時刻を表示する。
【0046】
マーク44は、9時の位置における指標41に向かい合う3角形状のマークであり、
図1の第3表示部130の指標に相当する。開口部45は、第2文字板40の中央を中心とし6時側に配置された直径が相対的に大きい半円と、同じく第2文字板40の中央を中心とし12時側に配置された直径が相対的に小さい半円とを組み合わせた形状を有する。目盛46は、開口部45の12時側の半円に沿って形成されており、時計1が「LLI」(時計の光量表示)のモードにあるときに、ソーラセル9の発電量の大きさを指針5で示すためのものである。目盛46では、9時の位置が発電量最小を、3時の位置が発電量最大をそれぞれ表す。
【0047】
図2および
図3に示すように、時計1では、時針5hが第2文字板40の下側(第1文字板20との間)に配置されている。透明文字板は透明であっても一定の反射率を有するため、このように透明文字板の下側に指針を配置すると、その指針の視認性が低下するおそれがある。また、文字板を2重に配置すると、それらによりソーラセルへの入射光の一部が遮蔽されて充電効率が低下するおそれもある。しかしながら、時計1では、第2文字板40が開口部45を有するため、第2文字板40によって時針5hの視認性が低下することはなく、開口部45がない場合と比べて充電効率の低下も抑制される。
【0048】
第2文字板40の外周部には、中心側に向けて窪んだ10個の溝部が形成されている。
図8(A)では、これらの溝部のうちで、2時と4時の位置に形成された2個を除く8個を、符号47,48で示している。このうち、符号47で示した4個の溝部は、第1見返し30の4個の凸部38にそれぞれ嵌合する。すなわち、第2文字板40は、凸部38によって第1見返し30に対して位置決めされている。符号48で示した残りの4個の溝部には、第2見返し50の4個の凸部(後述する
図9(A)~
図9(C)の凸部56)がそれぞれ嵌合する。
【0049】
図9(A)~
図9(C)は、第2見返し50の上面図、断面図および裏面図である。
図9(B)では、
図9(A)のIXB-IXB線に沿った第2見返し50の断面を示している。第2見返し50は、第2文字板40の外周上に配置され、時計1の装飾的な役割と、航空計算尺を構成する一方の目盛の役割とを兼ねる環状の見返しリング(第2見返し部材の一例)である。第2見返し50は中央に円形の開口部55を有し、この内部に第2文字板40の指標41、都市表示42、時差表示43、マーク44、開口部45および目盛46が配置される。第2見返し50の外周側と内周側には、傾斜角度が互いに異なる傾斜面51,53がそれぞれ形成されている。水平方向(
図9(B)の横方向)に対する傾斜角度は傾斜面51よりも傾斜面53の方が大きく、第2見返し50の枠の太さ(水平方向の幅)は傾斜面53の部分よりも傾斜面51の部分の方が大きい。
【0050】
図9(C)に示すように、第2見返し50の下面には、第2文字板40の溝部48に嵌合する4個の凸部56が、90度の間隔で形成されている。すなわち、第2見返し50は、凹凸嵌合によって第2文字板40に対して位置決めされている。
図9(A)の上面図でも、凸部56の位置を破線で示している。
【0051】
第2見返し50は、第2文字板40の上における溝部47,48や溝部48に嵌合する凸部56と厚さ方向に重なる位置に配置されている。第2見返し50を不透明の材料で構成し、こうした溝部や凸部を風防ガラス90側から見えなくなるように覆い隠すと、時計1の美観が向上し、デザインの観点で好ましい。ただし、溝部48を第2文字板40の厚さ方向の下面側だけに設け、かつ第2文字板40の外周部を不透明にするなど、第1見返し30と第2文字板40との嵌合部分を隠す必要がない場合には、第2見返し50を省略してもよい。
【0052】
図10は、第2見返し50の目盛52,54を示す図である。第2見返し50の傾斜面51,53には、
図10に示す目盛52,54がそれぞれ形成されている。外周側の傾斜面51には、「10」~「90」の数字も併せて印字されている。目盛52,54は、第2目盛の一例であり、以下で説明する回転見返し60の目盛との組合せで航空計算尺(回転計算尺)として機能する。
図9(A)では、第2見返し50の形状が分かるように、目盛52,54の記載を省略している。
【0053】
図11(A)~
図11(C)は、回転見返し60の上面図および断面図である。
図11(B)および
図11(C)では、それぞれ、
図11(A)のXIB-XIB線およびXIC-XIC線に沿った回転見返し60の断面を示している。回転見返し60は、円形の開口部65を有する環状の部材(第3見返し部材の一例)であり、インジケータリングとも呼ばれる。回転見返し60は、内周面が第2見返し50の外周面に接触するように、第2見返し50とベゼル80の間かつ外装ケース70の上に配置されている(
図2および
図3を参照)。
図11(B)に示すように、回転見返し60の縦断面は、水平部61と鉛直部62とがつなぎ合わされた略「く」の字型の形状を有し、両者のつなぎ目の部分における外周側には、ベゼル80の凸部が収まる凹部64が形成されている。水平部61の上面は、回転見返し60の外周側よりも中心側が低い傾斜面61aになっている。
【0054】
鉛直部62の下端には、
図11(C)に示す歯車63が、回転見返し60の全周にわたって形成されている。
図11(C)では、左側が回転見返し60の下側(ムーブメント10側)に、右側が回転見返し60の上側(風防ガラス90側)にそれぞれ相当する。歯車63は第2リューズ72に嵌合しており、回転見返し60は、使用者が第2リューズ72を回すことで、第2見返し50の周囲を円周方向に回転する。
【0055】
図12(A)は、回転見返し60の目盛66を示す図である。回転見返し60の傾斜面61aには、
図12(A)に示す目盛66が形成されており、「10」~「90」の数字も併せて印字されている。目盛66は、第1目盛の一例であり、航空計算尺(回転計算尺)を構成する他方の目盛に相当する。
図11(A)では、回転見返し60の形状が分かるように、目盛66の記載を省略している。航空計算尺は、第2見返し50の目盛52,54(内側スケール)に対して回転見返し60の目盛66(外側スケール)を適宜回転させることで簡易的な計算を行うものである。目盛52,54,66は、風防ガラス90の直下に配置されており、時計1の内部で使用者の目に最も近い位置にあるため、使用者にとって見易い。
【0056】
図12(B)は、別の回転見返しの目盛67を示す図である。目盛67は、数字以外の目盛部分の裏地が白色に塗られている点のみが
図12(A)の目盛66とは異なり、その配置自体は目盛66と同じである。時計のデザインによっては、回転見返し60の傾斜面61aには、目盛66の代わりに目盛67を形成してもよい。
【0057】
図13(A)および
図13(B)は、ムーブメント10、第1文字板20、第1見返し30、第2文字板40および第2見返し50の接続関係を説明するための模式的な断面図である。
図13(A)は、これらの部材が組み合わされた状態を示し、
図13(B)は、接続関係が分かるように部材同士を上下に離した状態を示している。
図13(A)に示すように、ムーブメント10、第1文字板20、第1見返し30、第2文字板40および第2見返し50の外径は略同じである。
【0058】
上記の通り、ムーブメント10の凸部18は第1文字板20の溝部27に、第1見返し30の下面側の凸部37は第1文字板20の溝部28に、それぞれ嵌合する。第1見返し30の上面側の凸部38は第2文字板40の溝部47に、第2見返し50の凸部56は第2文字板40の溝部48に、それぞれ嵌合する。このように、第1見返し30の上下の面に凸部37,38を設けて、それらを第1文字板20と第2文字板40に嵌合させることで、第2文字板40などの各部材の位置を容易に合わせることができる。
【0059】
ただし、凸部18,37,38,56の一部または全部は、第1文字板20または第2文字板40を厚さ方向に貫通していなくてもよい。この場合、例えば、第1文字板20の溝部27は下面側のみに、溝部28は上面側のみに開放されていてもよい。また、溝部27,28,47,48の一部または全部は、第1文字板20または第2文字板40の外周側に開放されてなくてもよく、文字板の径方向の内側に形成された開口部であってもよい。また、上記の形態とは逆に、例えば、第1文字板20に凸部を、第1見返し30に溝部をそれぞれ形成したり、第2文字板40に凸部を、第2見返し50に溝部をそれぞれ形成したりして、部材同士を互いに凹凸嵌合させてもよい。
【0060】
図13(A)に示すように、時計1では、指針5のうちで、時針5hは第1文字板20と第2文字板40の間に配置され、分針5mと秒針5sは、第2文字板40の上側(第2文字板40と風防ガラス90の間)に配置されている。また、
図2に示すように、第2表示部120の小指針121(および小指針122)も第1文字板20と第2文字板40の間に配置され、時針5hと小指針121,122は、互いに接触しないように、文字板間における厚さ方向に異なる位置に配置されている。図示した形態とは異なり、分針5mまたは秒針5sを第1文字板20と第2文字板40の間に、残りの指針5を第2文字板40の上側に配置してもよい。あるいは、例えば時針5hと分針5mなど、指針5のうちの2本を第1文字板20と第2文字板40の間に、残りの指針5を第2文字板40の上側に配置してもよい。
【0061】
このように、3本の指針5の厚さ方向の位置を第2文字板40の上下に分けることで、第2文字板40の上に3本の指針5を配置した場合と比べて時計全体の厚さを薄くしつつ、文字板を立体的に表現することができるので、時計1の美観が向上する。また、時計1では、第1文字板20と第2文字板40の間に3本の指針5を配置した場合と比べて指針5の(すなわち時刻の)視認性が高くなる。
【符号の説明】
【0062】
1 時計
5 指針
10 ムーブメント
18,37,38,56 凸部
20 第1文字板
27,28,47,48 溝部
30 第1見返し
40 第2文字板
50 第2見返し
60 回転見返し
70 外装ケース
75 裏蓋
80 ベゼル
90 風防ガラス