IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 九電ビジネスソリューションズ株式会社の特許一覧

特許7267223通信メッセージ変換方法、通信メッセージ変換装置、及び通信メッセージ変換プログラム
<>
  • 特許-通信メッセージ変換方法、通信メッセージ変換装置、及び通信メッセージ変換プログラム 図1
  • 特許-通信メッセージ変換方法、通信メッセージ変換装置、及び通信メッセージ変換プログラム 図2
  • 特許-通信メッセージ変換方法、通信メッセージ変換装置、及び通信メッセージ変換プログラム 図3
  • 特許-通信メッセージ変換方法、通信メッセージ変換装置、及び通信メッセージ変換プログラム 図4
  • 特許-通信メッセージ変換方法、通信メッセージ変換装置、及び通信メッセージ変換プログラム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】通信メッセージ変換方法、通信メッセージ変換装置、及び通信メッセージ変換プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/02 20220101AFI20230424BHJP
【FI】
H04L67/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020037184
(22)【出願日】2020-03-04
(65)【公開番号】P2021140431
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-12-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504283220
【氏名又は名称】Qsol株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(72)【発明者】
【氏名】小崎 一彦
(72)【発明者】
【氏名】松尾 泰成
(72)【発明者】
【氏名】豊永 泰史
(72)【発明者】
【氏名】平峰 祐一
【審査官】高野 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-122655(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0312313(US,A1)
【文献】特開2001-195391(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0344831(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク網を介してサーバと通信するクライアント端末において、前記クライアント端末及び前記サーバとの通信メッセージを中継する通信メッセージ変換装置で前記クライアント端末環境の変更後に発生するWEBブラウザの画面構成の差分を吸収する通信メッセージ変換方法であって、
前記クライアント端末環境の変更前に、前記通信メッセージ変換装置が、前記クライアント端末から前記サーバに送信されるリクエストと、前記サーバから前記クライアント端末に送信されるレスポンスと、前記リクエストと前記レスポンスが紐付けされた紐付け情報とを記録すること、
前記通信メッセージ変換装置が、前記レスポンスに基づいて、前記クライアント端末環境の変更後のWEBブラウザの仕様に合わせた雛形レスポンスを、前記レスポンスに含まれる言語毎に作成すること、
前記クライアント端末環境の変更後に、前記通信メッセージ変換装置が、前記サーバから前記クライアント端末に送信されるレスポンスを受信し、前記紐付け情報に基づいて、前記受信したレスポンスを前記クライアント端末環境の変更後のWEBブラウザの仕様に合わせた雛形レスポンスに置き換え、前記クライアント端末に送信すること
を含む通信メッセージ変換方法。
【請求項2】
前記クライアント端末環境の変更後に、前記通信メッセージ変換装置が、前記受信したレスポンスを前記クライアント端末環境の変更後のWEBブラウザの仕様に合わせた雛形レスポンスに置き換えてから、前記受信したレスポンスに含まれる可変情報を前記置き換えた雛形レスポンスに反映させ、前記クライアント端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の通信メッセージ変換方法。
【請求項3】
ネットワーク網を介してサーバと通信するクライアント端末において、前記クライアント端末環境の変更後に発生するWEBブラウザの画面構成の差分を吸収するための通信メッセージ変換装置であって、
前記クライアント端末及び前記サーバとの通信メッセージを中継する通信部と、
前記クライアント端末環境の変更前に、前記クライアント端末から前記サーバに送信されるリクエストと、前記サーバから前記クライアント端末に送信されるレスポンスと、前記リクエストと前記レスポンスが紐付けされた紐付け情報とを記録する記録部と、
前記レスポンスに基づいて、前記クライアント端末環境の変更後のWEBブラウザの仕様に合わせた雛形レスポンスを作成する変換部と、
前記クライアント端末環境の変更後に、前記サーバから前記クライアント端末に送信されるレスポンスを受信した場合、前記紐付け情報に基づいて、前記受信したレスポンスを前記クライアント端末環境の変更後のWEBブラウザの仕様に合わせた雛形レスポンスに置き換え、前記クライアント端末に送信する静的置換部と、
を含む通信メッセージ変換装置。
【請求項4】
前記静的置換部で置き換えられた雛形レスポンスに、前記受信したレスポンスに含まれる可変情報を反映させ、前記クライアント端末に送信する動的置換部を含むことを特徴とする請求項3に記載の通信メッセージ変換装置。
【請求項5】
ネットワーク網を介してサーバと通信するクライアント端末において、前記クライアント端末環境の変更後に発生するWEBブラウザの画面構成の差分を吸収するための通信メッセージ変換装置としてコンピュータを機能させるための通信メッセージ変換プログラムであって、
前記クライアント端末及び前記サーバとの通信メッセージを中継する通信部と、
前記クライアント端末環境の変更前に、前記クライアント端末から前記サーバに送信されるリクエストと、前記サーバから前記クライアント端末に送信されるレスポンスと、前記リクエストと前記レスポンスが紐付けされた紐付け情報とを記録する記録部と、
前記レスポンスに基づいて、前記クライアント端末環境の変更後のWEBブラウザの仕様に合わせた雛形レスポンスを作成する変換部と、
前記クライアント端末環境の変更後に、前記サーバから前記クライアント端末に送信されるレスポンスを受信した場合、前記紐付け情報に基づいて、前記受信したレスポンスを前記クライアント端末環境の変更後のWEBブラウザの仕様に合わせた雛形レスポンスに置き換え、前記クライアント端末に送信する静的置換部と、
を含む通信メッセージ変換装置としてコンピュータを機能させるための通信メッセージ変換プログラム。
【請求項6】
前記静的置換部で置き換えられた雛形レスポンスに、前記受信したレスポンスに含まれる可変情報を反映させ、前記クライアント端末に送信する動的置換部を含むことを特徴とする請求項5に記載の通信メッセージ変換プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバと通信するクライアント端末において、前記クライアント端末環境の変更後に発生するWEBブラウザの画面構成の差分を吸収するための通信メッセージ変換方法、通信メッセージ変換装置、及び通信メッセージ変換プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
クライアントサーバシステムにおいては、定期的にシステムの更新、例えば、クライアント端末のOS、業務アプリケーション、及びWEBブラウザ等のアップデートが行われる。そして、アップデート後のクライアント端末では、WEBブラウザのバージョンの違い等から、クライアント端末上で動作する業務アプリケーション画面のレイアウト崩れや動作不良等が発生し得る。
【0003】
そのため、アップデート後のクライアント端末環境に合わせたサーバ側のプログラム改修が必要となり、その改修や検証には多大な時間とコストが必要となる。
【0004】
特許文献1には、ウェブサーバから取得したページデータを、転送先の端末装置のリソース情報に基づいて、当該端末装置に適合するようなデータ変換を行った後、変換したページデータを当該端末装置に転送するウェブサーバ装置が開示されている。
【0005】
特許文献2には、各種プロトコルに汎用的に対応可能な変換処理技術が利用可能となるように、既存システムをAPI(Application Programming Interface)化するためのAPI変換アダプタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平11-250009号公報
【文献】特開2017-54411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、WEBブラウザの画面構成に関する通信メッセージには、単純変換が可能な言語(例えば、HTML(Hyper Text Markup Launguage)やCSS(Cascading Style Sheets)等)が含まれる一方、単純変換が不可能な言語(JavaScript(登録商標)等)も含まれる。
【0008】
そこで、本発明は、WEBブラウザの画面構成に関する通信メッセージに含まれる言語に影響されない通信メッセージ変換方法、通信メッセージ変換装置、及び通信メッセージ変換プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するため、本発明の通信メッセージ変換方法は、ネットワーク網を介してサーバと通信するクライアント端末において、前記クライアント端末及び前記サーバとの通信メッセージを中継する通信メッセージ変換装置で前記クライアント端末環境の変更後に発生するWEBブラウザの画面構成の差分を吸収する通信メッセージ変換方法であって、前記クライアント端末環境の変更前に、前記通信メッセージ変換装置が、前記クライアント端末から前記サーバに送信されるリクエストと、前記サーバから前記クライアント端末に送信されるレスポンスと、前記リクエストと前記レスポンスが紐付けされた紐付け情報とを記録すること、前記通信メッセージ変換装置が、前記レスポンスに基づいて、前記クライアント端末環境の変更後のWEBブラウザの仕様に合わせた雛形レスポンスを、前記レスポンスに含まれる言語毎に作成すること、前記クライアント端末環境の変更後に、前記通信メッセージ変換装置が、前記サーバから前記クライアント端末に送信されるレスポンスを受信し、前記紐付け情報に基づいて、前記受信したレスポンスを前記クライアント端末環境の変更後のWEBブラウザの仕様に合わせた雛形レスポンスに置き換え、前記クライアント端末に送信することを含む。これにより、WEBブラウザの画面構成に関する通信メッセージに含まれる言語に影響されずに通信メッセージの変換を行うことができる。
【0010】
また、本発明の通信メッセージ変換方法は、前記クライアント端末環境の変更後に、前記通信メッセージ変換装置が、前記受信したレスポンスを前記クライアント端末環境の変更後のWEBブラウザの仕様に合わせた雛形レスポンスに置き換えてから、前記受信したレスポンスに含まれる可変情報を前記置き換えた雛形レスポンスに反映させ、前記クライアント端末に送信することが望ましい。これにより、サーバからのレスポンスに含まれる可変情報(例えば、日付等)についても変換することができる。
【0011】
本発明の通信メッセージ変換装置は、ネットワーク網を介してサーバと通信するクライアント端末において、前記クライアント端末環境の変更後に発生するWEBブラウザの画面構成の差分を吸収するための通信メッセージ変換装置であって、前記クライアント端末及び前記サーバとの通信メッセージを中継する通信部と、前記クライアント端末環境の変更前に、前記クライアント端末から前記サーバに送信されるリクエストと、前記サーバから前記クライアント端末に送信されるレスポンスと、前記リクエストと前記レスポンスが紐付けされた紐付け情報とを記録する記録部と、前記レスポンスに基づいて、前記クライアント端末環境の変更後のWEBブラウザの仕様に合わせた雛形レスポンスを作成する変換部と、前記クライアント端末環境の変更後に、前記サーバから前記クライアント端末に送信されるレスポンスを受信した場合、前記紐付け情報に基づいて、前記受信したレスポンスを前記クライアント端末環境の変更後のWEBブラウザの仕様に合わせた雛形レスポンスに置き換え、前記クライアント端末に送信する静的置換部と、を含む。
【0012】
また、本発明の通信メッセージ変換装置は、前記静的置換部で置き換えられた雛形レスポンスに、前記受信したレスポンスに含まれる可変情報を反映させ、前記クライアント端末に送信する動的置換部を含む。
【0013】
本発明の通信メッセージ変換プログラムは、ネットワーク網を介してサーバと通信するクライアント端末において、前記クライアント端末環境の変更後に発生するWEBブラウザの画面構成の差分を吸収するための通信メッセージ変換装置としてコンピュータを機能させるための通信メッセージ変換プログラムであって、前記クライアント端末及び前記サーバとの通信メッセージを中継する通信部と、前記クライアント端末環境の変更前に、前記クライアント端末から前記サーバに送信されるリクエストと、前記サーバから前記クライアント端末に送信されるレスポンスと、前記リクエストと前記レスポンスが紐付けされた紐付け情報とを記録する記録部と、前記レスポンスに基づいて、前記クライアント端末環境の変更後のWEBブラウザの仕様に合わせた雛形レスポンスを作成する変換部と、前記クライアント端末環境の変更後に、前記サーバから前記クライアント端末に送信されるレスポンスを受信した場合、前記紐付け情報に基づいて、前記受信したレスポンスを前記クライアント端末環境の変更後のWEBブラウザの仕様に合わせた雛形レスポンスに置き換え、前記クライアント端末に送信する静的置換部と、を含む通信メッセージ変換装置としてコンピュータを機能させる。
【0014】
また、本発明の通信メッセージ変換プログラムは、前記静的置換部で置き換えられた雛形レスポンスに、前記受信したレスポンスに含まれる可変情報を反映させ、前記クライアント端末に送信する動的置換部を含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る通信メッセージ変換方法、通信メッセージ変換装置、及び通信メッセージ変換プログラムによれば、WEBブラウザの画面構成に関する通信メッセージに含まれる言語に影響されない通信メッセージ変換方法、通信メッセージ変換装置、及び通信メッセージ変換プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態に係る通信メッセージ変換装置と、クライアント端末及びサーバとの通信イメージを示すイメージ図である。(A)はクライアント端末環境の変更前、(B)はクライアント端末環境の変更後の通信イメージである。
図2】本発明の実施の形態に係る通信メッセージ変換装置を示す機能ブロック構成図である。
図3】本発明の実施の形態に係る通信メッセージ変換手順を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施の形態に係る通信メッセージ変換手順を説明するための説明図である。
図5】本発明の実施の形態に係る通信メッセージ変換手順を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の実施の形態における通信メッセージ変換装置1と、クライアント端末C及びサーバSとの通信イメージを示すイメージ図である。
【0018】
クライアント端末Cは、例えば、企業の社員が業務処理を行うために所有しているパソコン等である。ここで、クライアント端末C環境の変更とは、クライアント端末CのOSアップデートにおけるWEBブラウザのバージョンアップ(例えば、IE(Internet Explore)10からIE11へのバージョンアップや、IEからGoogle Chromeへのブラウザの変更)等であり、クライアント端末C環境の変更前とは該アップデート前、変更後とは該アップデート後のことをいう。
また、サーバSは、例えば、クライアント端末Cからのリクエストに応じて業務処理を行う企業内サーバ(業務サーバ)等である。
【0019】
図1(A)はクライアント端末C環境の変更前の通信イメージであり、図1(B)はクライアント端末C環境の変更後の通信イメージである。業務アプリケーション202やOS203がアップデートされ、業務アプリケーション212やOS213となった場合、WEBブラウザ201も合わせてWEBブラウザ211のようにバージョンアップされる。
【0020】
その際、環境変更後のクライアント端末Cでは、WEBブラウザのバージョンアップを理由に、クライアント端末C上で動作する業務アプリケーションのレイアウト崩れや動作不良等が発生し得る。このような場合、一般的にはアップデート後のクライアント端末C側に合わせたサーバS側のプログラム改修等が必要となるため、その改修や検証には多大な時間とコストがかかる。
【0021】
よって、環境変更後のクライアントサーバ間通信において、通信メッセージ変換装置1を用いて、サーバSからのレスポンスをバージョンアップされたクライアント端末CのWEBブラウザの仕様に合わせて変換することで、サーバSのプログラム改修等を不要とすることができる。
【0022】
図2は、本発明の実施の形態における通信メッセージ変換装置1を示す機能ブロック構成図である。図2において、本発明の実施の形態における通信メッセージ変換装置1は、通信部11と、記録部12と、変換部13と、静的置換部14と、動的置換部15とを備える。
【0023】
通信部11は、クライアント端末CやサーバSとLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等のネットワーク通信網を介して通信する。また、受信したクライアント端末CやサーバSからの通信メッセージを解析して、上記各部12~15に通信メッセージを振り分ける。
【0024】
記録部12は、クライアント端末CとサーバS間との通信メッセージを記録する。また、クライアント端末Cからのリクエストと、そのリクエストに対してサーバSから返ってくるレスポンスを紐付けして紐付け情報として記録する。
【0025】
変換部13は、受信したサーバSからのレスポンスに基づいて、前記クライアント端末C環境の変更後のWEBブラウザの仕様に合わせた雛形レスポンスを、前記レスポンスに含まれる言語毎に作成する。
【0026】
静的置換部14は、クライアント端末C環境の変更後に、受信したサーバSからのレスポンスを、記録部12が記録した紐付け情報に基づいて、クライアント端末C環境の変更後のWEBブラウザの仕様に合わせた雛形レスポンスに置き換える。
【0027】
動的置換部15は、静的置換部14で置き換えられたレスポンスに、受信したサーバSからのレスポンスに含まれる可変情報を反映させる。
【0028】
静的置換部14や動的置換部15が作成したレスポンスは、通信部11を介してクライアント端末Cに送信される。
【0029】
通信メッセージ変換装置1は、上記各部11~15として機能させるための通信メッセージ変換プログラムをコンピュータ上で実行することによっても実現することができる。
【0030】
(実施例)
通信メッセージ変換装置1を用いた通信メッセージ変換方法を、図3に示すフローチャートを参照して説明する。通信メッセージ変換方法は、図3(A)に示す紐付け方法と、図3(B)に示す置換方法からなる。紐付け方法はクライアント端末C環境の変更前に行い、置換方法はクライアント端末C環境の変更後に行う。
【0031】
[紐付け方法]
最初に、紐付け手順について、図3(A)に示すフローチャートを参照して説明する。通信メッセージ変換装置1の通信部11は、クライアント端末CとサーバS間の通信を中継する(図2参照)。紐付け処理が開始されると、クライアント端末Cからのリクエストを受信した通信部11は、該リクエストを記録部12に通知し、記録部12は、該リクエスト内容を記録する(S101,S102)。そして該リクエストは、通信部11からサーバSに送信(中継)される(S103)。
【0032】
リクエストを受信したサーバSは、該リクエストに応じた業務処理を行い、レスポンスをクライアント端末Cに返す(S104)。
【0033】
サーバSからの該レスポンスを受信した通信部11は、該レスポンスを記録部12に通知し、記録部12は、該レスポンス内容を記録する(S105,S106)。
【0034】
また、記録部12は、S102で記録したリクエストと該レスポンスとを紐付けし(どのようなリクエストに対し、どのようなレスポンスが返ってきたか)、記録する(S107)。
【0035】
また、記録部12は、該レスポンスに基づいて、クライアント端末環境の変更後のWEBブラウザの仕様に合わせた雛形レスポンスを、該レスポンスに含まれる言語毎に作成する(S108)。言語毎に作成するとは、例えば、HTMLやCSS、JavaScript(登録商標)毎に雛形レスポンスを作成することである。雛形レスポンスは、予め、WEBブラウザの仕様に合わせたファイルを、WEBブラウザで表示されるページ毎に用意してもよいし、それ以外の方法で用意又は作成してもよい。
【0036】
そして、該レスポンスは、通信部11からクライアント端末Cに送信(中継)される(S109)。
【0037】
[クライアント端末C環境の変更]
紐付け方法の実施後に、クライアント端末C環境の変更を行う。該変更は、クライアント端末Cの所有者が手動で行ってもよく、OSの自動アップデート機能等を利用してもよく、それ以外の方法でもよい。該変更の完了は、クライアント端末Cの所有者が目視確認してもよく、クライアント端末Cから通信メッセージ変換装置1へ完了通知を送信してもよく、それ以外の方法でもよい。該変更が完了後、通信メッセージ変換装置1は、処理を紐付け方法から置換方法へ切り替える。
【0038】
[置換方法]
次に、置換手順について、図3(B)に示すフローチャートを参照して説明する。置換処理が開始されると、クライアント端末Cからのリクエストを受信した通信部11は、該リクエストを記録部12に通知し、記録部12は、該リクエスト内容を記録する(S201,S202)。そして該リクエストは、通信部11からサーバSに送信(中継)される(S203)。
【0039】
リクエストを受信したサーバSは、該リクエストに応じた業務処理を行い、レスポンスをクライアント端末Cに返す(S204)。
【0040】
サーバSからの該レスポンスを受信した通信部11は、該レスポンスを静的置換部14に通知する(S205)。静的置換部14は、記録部12がS107で記録した紐付け情報に基づいて、該レスポンスをS108で用意されたクライアント端末C環境の変更後のWEBブラウザの仕様に合わせた雛形レスポンスに置き換える(S206)。
【0041】
図4,5を参照して説明すると、クライアント端末C環境の変更後のWEBブラウザがIE11、サーバSのWEBブラウザ(つまり、クライアント端末C環境の変更前のWEBブラウザ)がIE6であった場合、図4,5の(1)~(2)に示すように、サーバSから受信したレスポンス(IE6)を雛形レスポンス(IE11)に置き換える。
【0042】
これにより、サーバSから受信したレスポンスに、IE11では利用できないタグが含まれている場合でも、雛形レスポンスに置き換えることで、容易に、かつ一括で利用可能なタグに変換することができる(図5参照)。
【0043】
このように、クライアント端末C環境の変更前のWEBブラウザがIE6で、変更後のWEBブラウザがIE11のようにブラウザのバージョンが異なる場合でも、変更後のWEBブラウザの仕様(IE11の仕様)に合った通信メッセージの正しい変換が行われるため、クライアント端末CのWEBブラウザ上でレイアウト崩れや文字化けが発生することはない。
【0044】
また、WEBブラウザの画面構成に関する通信メッセージに含まれる、単純変換が不可能な言語(JavaScript(登録商標)等)に対しても、高精度の変換を行うことができる。
【0045】
このような静的置換が行われた後、動的置換部15は、該レスポンスに含まれる可変情報を、静的置換部14がS206で置き換えたレスポンスに反映させる(S207)。可変情報とは、サーバが返すレスポンスに含まれる可変的な情報であり、例えば、ユーザーの画面入力やデータベース取得結果の画面表示等である。具体的には、業務システムへ画面(WEBブラウザ)からユーザー毎に個別のIDやパスワードを入力してログインする場合、そのログイン時に表示される「ようこそxx(ID)さん」や「ようこそxx(ユーザ名)さん」といった表示である。
【0046】
図4,5を参照して説明すると、図4,5の(2)~(3)に示すように、静的置換部14が置き換えたレスポンスに、サーバ処理結果の値(日付)を反映させる。
【0047】
よって、クライアント端末C環境の変更後のWEBブラウザの仕様に合わせて可変情報を変更することにより、クライアント端末CのWEBブラウザ上で文字化けや表示情報の欠落が発生することはない。
【0048】
そして該レスポンスは、通信部11からクライアント端末Cに送信(中継)される(S208)。該レスポンスは、クライアント端末C環境の変更後のWEBブラウザの仕様に合わせて変換が行われたものであるため、該レスポンスに応じた画面表示にレイアウト崩れや動作不良等は発生しない。
【0049】
このように、システム更新等によりクライアント端末Cで使用するWEBブラウザのバージョン等が変わった場合においても、ユーザーはそれを気にすることなく、かつサーバ側のプログラム改修も不要で運用を続けることができる。
【0050】
また、本実施例は一例であり、通信メッセージ変換装置1は、各部11~15として機能させるための通信メッセージ変換プログラムをクライアント端末C上で実行することによっても実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の通信メッセージ変換方法は、クライアント端末のOS、業務アプリケーション、及びWEBブラウザ等のアップデートにおいて発生するWEBブラウザバージョンの差異を吸収する通信メッセージ変換方法として有用であり、特に、通信メッセージに含まれる言語に影響されない通信メッセージ変換方法として好適である。
【符号の説明】
【0052】
1 通信メッセージ変換装置
11 通信部
12 記録部
13 変換部
14 静的置換部
15 動的置換部
201 WEBブラウザ(クライアント端末環境変更前)
202 業務アプリケーション(クライアント端末環境変更前)
203 OS(クライアント端末環境変更前)
211 WEBブラウザ(クライアント端末環境変更後)
212 業務アプリケーション(クライアント端末環境変更後)
213 OS(クライアント端末環境変更後)
301 Aシステム
302 Bシステム
303 Cシステム
C クライアント端末
S サーバ
図1
図2
図3
図4
図5