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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】動作検出装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/73 20150101AFI20230424BHJP
   E05B 81/78 20140101ALI20230424BHJP
   E05B 77/34 20140101ALI20230424BHJP
   G01B 7/00 20060101ALI20230424BHJP
   B60J 5/10 20060101ALN20230424BHJP
【FI】
E05F15/73
E05B81/78
E05B77/34
G01B7/00 101C
B60J5/10 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020069903
(22)【出願日】2020-04-08
(65)【公開番号】P2021165513
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000155067
【氏名又は名称】ミネベアアクセスソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】高妻 宏行
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-173121(JP,A)
【文献】実開平02-080048(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2011/0012744(US,A1)
【文献】国際公開第2012/098027(WO,A1)
【文献】特開2019-158790(JP,A)
【文献】特開2019-127804(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0123649(US,A1)
【文献】特表2007-500345(JP,A)
【文献】特開2020-111233(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 15/00-15/79
E05B 81/78
G01B 7/00
B60J 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取り付けられ、車両近くの人の動作を検出する動作検出装置であって、
静電容量を検出するセンサ電極と、
前記センサ電極を保持するセンサ保持部を有するとともに、車体側の被取付部材の内側面に取り付けられるセンサブラケットと、を備え、
前記センサ保持部は、前記内側面と離間する側から前記内側面に近接する側に延びて、前記センサ電極を保持する保持片を備え、
前記保持片は、前記センサ電極の軸芯を前記内側面に対して少なくとも15mm以上離間させる位置にて前記センサ電極を保持し、
前記センサ保持部は、
前記内側面に向かって開口する断面略コ字状の支持ブロック部と、
前記支持ブロック部の頂壁から前記内側面に近接する側に延びて、前記センサ電極を挟持する一対の前記保持片と、を備えていることを特徴とする動作検出装置。
【請求項2】
前記支持ブロック部の周域の一部には、水抜き用の貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項に記載の動作検出装置。
【請求項3】
前記水抜き用の貫通孔は、前記支持ブロック部よりも上方側位置に形成されていることを特徴とする請求項に記載の動作検出装置。
【請求項4】
前記内側面と前記センサブラケットの間には、前記支持ブロック部よりも下方側位置において、排水隙間が確保されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の動作検出装置。
【請求項5】
前記保持片は、保持された前記センサ電極が前記内側面のうちの水平方向に対して傾斜した部位と対向するように形成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の動作検出装置。
【請求項6】
一対の前記保持片は、前記内側面と離間する側から前記内側面に近接する側に向かって互いの離間幅が狭まるように形成されていることを特徴とする請求項に記載の動作検出装置。
【請求項7】
前記被取付部材は、車幅方向に沿って延びるバンパーであり、
前記センサブラケットは、前記バンパーの延び方向に沿って複数の前記センサ保持部が配置され、
前記センサ電極は、前記バンパーの延び方向に沿うように長尺に形成されるとともに、複数の前記センサ保持部の前記保持片の対に挟持されていることを特徴とする請求項に記載の動作検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の動作を静電容量式のセンサ電極によって検出する動作検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両のテールゲート等の開閉部の技術として、人のキック動作を検知して開閉部を開閉動作させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、人の動作を検出するセンサとして静電容量式のセンサ電極を備えた動作検出装置が用いられている。
【0003】
この種の動作検出装置は、静電容量式の変化を検出するための複数のセンサ電極が、センサブラケットを介してリヤバンパー等の車体側の被取付部材に取り付けられている。複数のセンサ電極は、検出される静電容量の変化を基にキック動作等の人の動作を判断するためのコントロールユニットに接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-44329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の動作検出装置は、複数のセンサ電極を上下方向に離間して配置し、複数のセンサ電極から検出される静電容量の変化を基にして、人の動作とその他のノイズ(例えば、小動物の移動によるノイズや、被取付部材の内部に進入した水によるノイズ)を区別するようにしている。しかし、例えば、バンパー等の被取付部材の形状やサイズによる制約によって複数のセンサ電極の離間幅を充分に確保できない場合には、各センサ電極の静電容量の検出精度(解像度)を高めざるを得なくなり、被取付部材の内部に進入した少量の水がノイズとして検出され易くなる。
【0006】
そこでこの発明は、被取付部材の内部に進入した水がセンサ電極にノイズとして検出されるのを抑制することができる動作検出装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る動作検出装置では、上記課題を解決するために以下の構成を採用した。
請求項1に係る発明は、車両に取り付けられ、車両近くの人の動作を検出する動作検出装置であって、静電容量を検出するセンサ電極と、前記センサ電極を保持するセンサ保持部を有するとともに、車体側の被取付部材の内側面に取り付けられるセンサブラケットと、を備え、前記センサ保持部は、前記内側面と離間する側から前記内側面に近接する側に延びて、前記センサ電極を保持する保持片を備え、前記保持片は、前記センサ電極の軸芯を前記内側面に対して少なくとも15mm以上離間させる位置にて前記センサ電極を保持し、前記センサ保持部は、前記内側面に向かって開口する断面略コ字状の支持ブロック部と、前記支持ブロック部の頂壁から前記内側面に近接する側に延びて、前記センサ電極を挟持する一対の前記保持片と、を備えていることを特徴とする。
【0008】
上記の構成により、センサブラケットの保持片に保持されたセンサ電極は、被取付部材の内側面に対して離間している。このため、被取付部材の内部に進入した水が被取付部材の内側面に沿って流れてもセンサ電極に水が直接当たり難くなる。また、センサブラケットの保持片は、被取付部材の内側面と離間する側から内側面に近接する側に延びているため、被取付部材の内側面に沿って流れる水は保持片を通してセンサ電極に回り込み難くなる。さらに、本動作検出装置では、センサ電極の軸芯が被取付部材の内側面に対して少なくとも15mm以上離間するため、被取付部材の内側面に沿って流れる水がセンサ電極によって大きなノイズとして検出され難くなる。
【0010】
この場合、一対の保持片に挟持されたセンサ電極は、支持ブロック部の頂壁から被取付部材の内側面側に延びているため、被取付部材の内側面に沿って流れる水がセンサ電極に回り込むのをより確認に抑制することができる。
【0011】
前記支持ブロック部の周域の一部には、水抜き用の貫通孔が形成されるようにしても良い。
【0012】
この場合、支持ブロック部の周域に流れ込んだ水を貫通孔から被取付部材の内側面側に排出することができる。このため、支持ブロック部の上面側の周囲に水が滞留したり、支持ブロック部と保持片を伝ってセンサ電極に水が回り込むのを抑制することができる。
【0013】
前記水抜き用の貫通孔は、前記支持ブロック部よりも上方側位置に形成されることが望ましい。
【0014】
この場合、支持ブロック部の周域に流れ込む水を支持ブロック部よりも上方側で被取付部材の内側面側に排出することができる。このため、支持ブロック部と保持片を伝ってセンサ電極に水が回り込むのをより確実に抑制することができる。
【0015】
前記内側面と前記センサブラケットの間には、前記支持ブロック部よりも下方側位置において、排水隙間が確保されるようにしても良い。
【0016】
この場合、被取付部材の内側面に沿って流れる水が、支持ブロック部よりも下方側で排水隙間を通してセンサブラケットの下方側に排出される。このため、被取付部材の内側面のうちの、センサ電極と対向する領域に水が滞留するのを回避することができる。
【0017】
前記保持片は、保持された前記センサ電極が前記内側面のうちの水平方向に対して傾斜した部位と対向するように形成されることが望ましい。
【0018】
この場合、被取付部材の内部に入り込んだ水が、内側面に沿ってセンサ電極と対向する位置に流れ込んでも、その部位は水平方向に対して傾斜しているため、水をセンサ電極よりも下方側に速やかに排出することができる。
【0019】
一対の前記保持片は、前記内側面と離間する側から前記内側面に近接する側に向かって互いの離間幅が狭まるように形成されるようにしても良い。
【0020】
上記の構成により、センサ電極を保持片に取り付ける場合には、保持片の間の離間幅の広い位置にセンサ電極を配置し、その状態からセンサ電極を保持片の間の離間幅の狭い位置にスライド移動させる。これにより、センサ電極を保持片に容易に取り付けることができる。
【0021】
前記被取付部材は、車幅方向に沿って延びるバンパーであり、前記センサブラケットは、前記バンパーの延び方向に沿って複数の前記センサ保持部が配置され、前記センサ電極は、前記バンパーの延び方向に沿うように長尺に形成されるとともに、複数の前記センサ保持部の前記保持片の対に挟持されるようにしても良い。
【0022】
この場合、長尺なセンサ電極をセンサブラケットの複数のセンサ保持部に保持させることができる。センサ電極をセンサブラケットに取り付ける場合には、センサ電極を各センサ保持部の保持片の離間幅の広い位置に配置し、その状態でセンサ電極を各センサ保持部の保持片の離間幅の狭い位置にスライドさせる。これにより、長尺なセンサ電極をセンサブラケットに容易に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、被取付部材の内部に進入した水がセンサ電極にノイズとして検出されるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態の車両の後面図。
図2】実施形態の車両の側面図。
図3】第1実施形態の動作検出装置の斜視図。
図4】第1実施形態の動作検出装置を取り付けた被取付部材の図3のIV-IV断面に対応する部分の断面図。
図5】第2実施形態の動作検出装置の斜視図。
図6図5のVI矢視図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態においては、共通部分に同一符号を付し、重複する説明を省略するものとする。
【0026】
図1は、実施形態に係る動作検出装置を採用した車両1の後面図であり、図2は、車両1の後部の左側面図である。図1図2中の矢印FRは、車両1の前方を指し、矢印UPは車両1の上方を指し、矢印LHは車両1の左側方を指している。
図1図2において、符号4は、後部に開口4aを有する車両1の車両本体部であり、符号5は、車両本体部4に取り付けられて開口4aを開閉するテールゲートである。また、符号6は、車両本体部4の後部の開口4aの下方位置に取り付けられたリヤバンパーであり、符号2は、キック動作(リヤバンパー6付近の特定の領域に足先を近付ける動作)によってテールゲート5を開閉操作する作業者である。
【0027】
本実施形態では、リヤバンパー6が車体側の被取付部材を構成している。リヤバンパー6の内部には、後述するセンサブラケット7(図3図4参照)を介して上側センサ電極10と下側センサ電極12が取り付けられている。本実施形態では、上側センサ電極10及び下側センサ電極12と、センサブラケット7が動作検出装置3の主要部を構成している。
【0028】
上側センサ電極10と下側センサ電極12は、物体の接近によって変化する静電容量を検出するセンサである。上側センサ電極10と下側センサ電極12は、例えば、長尺な金属線が樹脂によって被覆されて構成されている。
【0029】
図3は、リヤバンパー6の内部に取り付けられる第1実施形態の動作検出装置3の斜視図である。図4は、動作検出装置3を取り付けたリヤバンパー6の図3のIV-IV断面に対応する断面図である。
リヤバンパー6は、車両本体部4の開口4aの下方において、車幅方向の一端側から他端側に亘るように略水平に延びている。リヤバンパー6の車両後方側に向く外側面6oと車両前方側に向く内側面6iとは、上方から下方に向かって前方側に滑らかに湾曲するように形成されている。
センサブラケット7は、リヤバンパー6の内側面6iの車幅方向の中央領域に、リヤバンパー6の延び方向(車幅方向に沿う方向)に沿うように取り付けられている。
【0030】
センサブラケット7の主要部は、リヤバンパー6の延び方向に沿う方向に長尺な樹脂ブロックによって構成されている。センサブラケット7は、リヤバンパー6の内側面6iに略沿うように上下方向に湾曲したベース部13と、ベース部13の上端寄り部分に長手方向に沿って複数形成された上側センサ保持部14と、ベース部13の下端寄り部分に長手方向に沿って複数形成された下側センサ保持部15と、を備えている。複数の上側センサ保持部14には上側センサ電極10が取り付けられ、複数の下側センサ保持部15には下側センサ電極12が取り付けられている。また、センサブラケット7の下縁部と上縁部の長手方向に離間した複数個所には取付片16が延設されている。各取付片16は、リヤバンパー6の車体取付部において、リヤバンパー6にボルト締結等によって固定される。
【0031】
センサブラケット7の長手方向の一端部側にはユニット保持部17が形成されている。ユニット保持部17には、上側センサ電極10と下側センサ電極12から検出信号を受けてその信号を処理するコントロールユニット18が取り付けられている。コントロールユニット18は、検出信号を受け、リヤバンパー6の後下方付近で人によるキック動作が行われたか否かを判定する。コントロールユニット18で処理された信号は、図示しない統合コントローラに出力される。統合コントローラは、キック動作の判定を基に、図示しない開錠装置とアクチュエータに信号を出力しテールゲート5を開放動作させる。
【0032】
上側センサ保持部14は、ベース部13の上端寄り部分から上方に延び、その上端部から車両後部下方に向かって円弧状に湾曲する上方係止爪19と、ベース部13の上端寄り部分から上方にボックス状に隆起した隆起ブロック20と、隆起ブロック20から車両後部上方に向かって略Z字状に屈曲して延びる下方係止爪21と、を備えている。隆起ブロック20と下方係止爪21は、センサブラケット7の長手方向(車幅方向)において、二つの上方係止爪19の間に配置されている。上方係止爪19と下方係止爪21とは、センサブラケット7の長手方向において交互に並んで配置されている。
【0033】
下方係止爪21は、隣接する上方係止爪19とともに上側センサ電極10を上下方向から挟み込み、それによって上側センサ電極10を固定する(保持する)。下方係止爪21は上側センサ電極10を下方から支持し、上方係止爪19は上側センサ電極10を上方から支持する。上側センサ電極10は、センサブラケット7の上端寄り部分において、複数の上側センサ保持部14(下方係止爪21及び上方係止爪19)によって長手方向の複数個所を保持される。
【0034】
下側センサ保持部15は、ベース部13の下端寄り部分から上方に隆起する支持ブロック部22と、支持ブロック部22の頂壁22aから下方に向かって延びる一対の保持片23と、を備えている。支持ブロック部22は、図4に示すように、車両前後方向に沿う断面が下方に向かって(リヤバンパー6の内側面6iに向かって)開口する断面略コ字状に形成されている。支持ブロック部22の頂壁22aの略中央には、センサブラケット7の長手方向方向(車幅方向)に沿って延びるスリット24が形成されている。一対の保持片23は、頂壁22aのスリット24の前後の縁部から下方に向かって(リヤバンパー6の内側面6iに近接する側に向かって)延びている。一対の保持片23は、支持ブロック部22の頂壁22a側(内側面6iと離間する側)から下方に向かって(内側面6iに近接する側)に向かって互いの離間幅が狭まるように形成されている。一対の保持片23の間には下側センサ電極12が挟持される。一対の保持片23の延出端側で相互に対向する面には係止突起23aが形成されている。下側センサ電極12は、保持片23の延出端側で係止突起23aに係止された状態で一対の保持片23によって挟持される。
【0035】
ここで、一対の保持片23は、下側センサ電極12の軸芯からリヤバンパー6の内側面6iまでの離間距離Wが15mm以上となる位置にて、下側センサ電極12を保持する。下側センサ保持部15の一対の保持片23に保持された下側センサ電極12は、リヤバンパー6の内側面6iに対して所定の隙間をもって離間する。なお、本実施形態では、リヤバンパー6の形状やサイズの制約により、上側センサ電極10と下側センサ電極12の離間距離が50mm~80mmの範囲となっている。センサ電極間の離間距離がこの範囲あるときに、下側センサ電極12の軸芯からリヤバンパー6の内側面6iまでの離間距離Wを15mm以上に設定すると、リヤバンパー6の内側面6iを流れる水aが各センサ電極によってノイズとして検出され難くなる。
また、一対の保持片23は、保持された下側センサ電極12がリヤバンパー6の内側面6iのうちの水平方向に対して傾斜した部位と対向するように形成されている。
【0036】
センサブラケット7の各支持ブロック部22の周域のうちの、支持ブロック部22よりも上方側位置には、センサブラケット7のベース部13を上下方向に貫通する水抜き用の貫通孔30が形成されている。この貫通孔30は、リヤバンパー6の内部に進入した水aがセンサブラケット7の上面側に流入したときに、その水aが支持ブロック部22の壁で堰き止められる前に水aをセンサブラケット7の下方側(リヤバンパー6の内側面6i側)に流出させる。
【0037】
また、センサブラケット7の下縁部には、リヤバンパー6の内側面6iとの間に排水隙間40を形成するための隆起部35が形成されている。隆起部35による排水隙間40は、リヤバンパー6の内側面6iのうちの、下側センサ保持部15(支持ブロック部22)の下方部分に流れ込んだ水aをセンサブラケット7の配置部よりも低位側に排出する。
【0038】
以上のように、本実施形態の動作検出装置3は、センサブラケット7の下側センサ保持部15がリヤバンパー6の内側面6iから離間する側から内側面6iに近接する側に延びる保持片23を有し、その保持片23の延出端側に、内側面6iから離間するように下側センサ電極12が保持されている。このため、リヤバンパー6の内部に進入した水aがリヤバンパー6の内側面6iに沿って流れても下側センサ電極12に直接水aが当たり難くなる。また、保持片23がリヤバンパー6の内側面6iから離間する側から内側面6iに近接する側に延びていることから、リヤバンパー6の内側面6iに沿って流れる水aは保持片23を伝って下側センサ電極12に回り込み難くなる。
さらに、本実施形態の動作検出装置3では、下側センサ電極12の軸芯をリヤバンパー6の内側面6iに対して少なくとも15mm以上離間させる位置にて、センサブラケット7の保持片23が下側センサ電極12を保持する。このため、リヤバンパー6の内側面6iに沿って流れる水aが、下側センサ電極12によって大きなノイズとして検出され難くなる。
【0039】
また、本実施形態の動作検出装置3は、上側センサ保持部14が断面略コ字状の支持ブロック部22と、支持ブロック部22の頂壁22aから内側面6iに近接する側に延びて、下側センサ電極12を挟持する一対の保持片23と、を備えている。このため、リヤバンパー6の内側面6iに沿って流れる水aが下側センサ電極12に回り込むのをより確実に抑制することができる。
【0040】
さらに、本実施形態の動作検出装置3は、支持ブロック部22の周域の一部に水抜き用の貫通孔30が形成されている。このため、支持ブロック部22の上面側の周域に流れ込んだ水aを貫通孔30を通してリヤバンパー6の内側面6i側に排出することができる。したがって、本構成を採用した場合には、支持ブロック部22の上面側の周囲に水aが滞留したり、支持ブロック部22と保持片23を伝って下側センサ電極12に水aが回り込むのを抑制することができる。
【0041】
特に、本実施形態の動作検出装置3では、水抜き用の貫通孔30が支持ブロック部22よりも上方側位置に形成されているため、水aが支持ブロック部22上に乗り上げ、支持ブロック部22と保持片23を伝って下側センサ電極12に水aが回り込むのをより確実に抑制することができる。
【0042】
また、本実施形態の動作検出装置3では、支持ブロック部22よりも下方側位置において、リヤバンパー6の内側面6iとセンサブラケット7の間に排水隙間40が確保されている。このため、リヤバンパー6の内側面6iに沿って流れる水aは、支持ブロック部22よりも下方側で排水隙間40を通ってセンサブラケット7の下方側に排出される。したがって、本構成を採用した場合には、リヤバンパー6の内側面6iのうちの、下側センサ電極12と対向する領域に水aが滞留するのを回避することができる。
【0043】
また、本実施形態の動作検出装置3では、リヤバンパー6の内側面6iのうちの傾斜した部分に対向しているため、リヤバンパー6の内側面6iに沿って水aが下側センサ電極12の下方に流れ込んでも、内側面6iの傾斜によってその水aを下側センサ電極12よりも下方に速やかに排出することができる。
【0044】
さらに、本実施形態の動作検出装置3は、一対の保持片23がリヤバンパー6の内側面6iと離間する側から内側面6iに近接する側に向かって互いの離間幅が狭まるように形成されている。このため、下側センサ電極12を一対の保持片23に取り付ける場合には、一対の保持片23の間の離間幅の広い位置に下側センサ電極12を配置し、その状態から下側センサ電極12を一対の保持片23の間の離間幅の狭い位置にスライド移動させることで、下側センサ電極12を保持片23に容易に取り付けることができる。
【0045】
また、本実施形態の動作検出装置3は、リヤバンパー6の延び方向に沿うように複数の下側センサ保持部15がセンサブラケット7に配置され、長尺な下側センサ電極12が複数のセンサ保持部15の保持片23の対によって挟持されている。このため、長尺な下側センサ電極12をセンサブラケット7の複数個所に安定して保持させることができる。また、下側センサ電極12をセンサブラケット7に取り付ける場合には、下側センサ電極12を下側センサ保持部15の保持片23の離間幅の広い位置に配置し、その状態で下側センサ電極12を各下側センサ保持部15の保持23片の離間幅の狭い位置にスライドさせることで、長尺な下側センサ電極12をセンサブラケット7に容易に取り付けることができる。
【0046】
図5は、第2実施形態の動作検出装置103の斜視図であり、図6は、図5のVI矢視図である。
第2実施形態の動作検出装置103は、基本的な構成は第1実施形態とほぼ同様であるが、センサブラケット107の上側センサ保持部114の構成が第1実施形態のものと異なっている。
【0047】
センサブラケット107の上側センサ保持部114は、下側センサ保持部15とほぼ同様の構成が採用されている。即ち、上側センサ保持部114は、ベース部13の上端寄り部分から上方に隆起する支持ブロック部22と、支持ブロック部22の頂壁から下方に向かって延びる一対の保持片23と、を備えている。支持ブロック部22は、車両前後方向に沿う断面が下方に向かって開口する断面略コ字状に形成され、頂壁の略中央にスリット24が形成されている。スリット24は、センサブラケット107の長手方向に沿う方向に延びている。そして、一対の保持片23は、頂壁のスリット24の前後の縁部から下方に向かって延び、延出端側において上側センサ電極10を挟持する。
【0048】
本実施形態の動作検出装置103は、基本構成が第1実施形態と同様とされているため、第1実施形態とほぼ同様の基本的な効果を得ることができる。ただし、本実施形態の動作検出装置103では、上側センサ保持部114が下側センサ保持部15とほぼ同様の構成とされているため、上側センサ保持部114に対する上側センサ電極10の取付作業が容易になるという利点がある。
【0049】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、センサ電極がセンサブラケットを介して被取付部材であるリヤバンパーに取り付けられているが、センサ電極の取付部位(被取付部材)はリヤバンパーに限らずフロントバンパーやサイドシル等であっても良い。また、動作検出装置の用途もテールゲート開閉用に限らず、非接触で車両回りの装置を操作する用途であれば他の用途であっても良い。
【符号の説明】
【0050】
1…車両
3,103…動作検出装置
6…リヤバンパー(バンパー、被取付部材)
6i…内側面
7,107…センサブラケット
12…下側センサ電極(センサ電極)
15…下側センサ保持部(センサ保持部)
22…支持ブロック部
22a…頂壁
23…保持片
30…貫通孔
40…排水隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6