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特許7267258超純水製造システム及び超純水製造システムの運転方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】超純水製造システム及び超純水製造システムの運転方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/44 20230101AFI20230424BHJP
   B01D 61/58 20060101ALI20230424BHJP
   B01D 61/18 20060101ALI20230424BHJP
   B01D 65/00 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
C02F1/44 J
B01D61/58
B01D61/18
C02F1/44 D
B01D65/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020510063
(86)(22)【出願日】2019-03-25
(86)【国際出願番号】 JP2019012460
(87)【国際公開番号】W WO2019188963
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】P 2018060127
(32)【優先日】2018-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000245531
【氏名又は名称】野村マイクロ・サイエンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 幸男
(72)【発明者】
【氏名】永田 しおり
(72)【発明者】
【氏名】丹治 輝
【審査官】池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/050125(WO,A1)
【文献】特開昭61-200811(JP,A)
【文献】特開2016-064342(JP,A)
【文献】特開2013-086049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/44
B01D 61/00-71/82
C02F 1/42
C02F 1/46
C02F 1/58
C02F 1/72
C02F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子径20nm以上の微粒子数が100000pcs./L以下である一次純水を製造する一次純水製造部と、
前記一次純水を処理することにより、粒子径20nm以上の微粒子数が1000pcs./L以下である超純水を製造する二次純水製造部と、
を具備する超純水製造システムであって、
前記二次純水製造部は、直列に接続された複数の限外ろ過膜モジュールを有し、
前記複数の限外ろ過膜モジュールは、
被処理水を内部に導入する第1の導入口と、透過水を流出させる第1の透過水流出口と、濃縮水を流出させる第1の濃縮水流出口を有し、内部に第1の限外ろ過膜を収容する第1の限外ろ過膜モジュールと、
被処理水を内部に導入する第2の導入口と、透過水を流出させる第2の透過水流出口と、濃縮水を流出させる第2の濃縮水流出口を有し、内部に第2の限外ろ過膜を収容する第2の限外ろ過膜モジュールと、を含み、
前記第1の限外ろ過膜モジュールと前記第2の限外ろ過膜モジュールの形状及び大きさが共通であって、前記第1の導入口と前記第2の導入口、前記第1の透過水流出口と前記第2の透過水流出口、前記第1の濃縮水流出口と前記第2の濃縮水流出口、のそれぞれが各モジュール内で共通する位置に配設されており、かつ、前記第1の限外ろ過膜と前記第2の限外ろ過膜が共通の分画分子量及び/又は有効膜面積を有し、
前記被処理水の流路が、前記第1の限外ろ過膜モジュールから前記第2の限外ろ過膜モジュールへ順に通流する第1の流路と、前記第2の限外ろ過膜モジュールから前記第1の限外ろ過膜モジュールへ順に通流する第2の流路と、で接続する配管のつなぎ替え又は前記配管のバルブの切り替えによって変更可能に構成されることを特徴とする超純水製造システム。
【請求項2】
前記複数の限外ろ過膜モジュールの形状及び大きさがすべて共通し、前記複数の限外ろ過膜モジュールは、導入口、透過水流出口及び濃縮水流出口がすべて共通する位置に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の超純水製造システム。
【請求項3】
前記複数の限外ろ過膜モジュールが有する前記限外ろ過膜の分画分子量及び有効膜面積がすべて共通することを特徴とする請求項1又は2に記載の超純水製造システム。
【請求項4】
前記第1の透過水流出口に接続された第1の透過水流出管と、
前記第1の透過水流出管から分岐して接続された第1の移送配管及び第1の超純水配管と、
前記第1の移送配管及び第1の超純水配管にそれぞれ介装され、前記第1の透過水流出管からの透過水の流路を前記第1の移送配管と前記第1の超純水配管で切り替えられる、2つの開閉バルブと、
前記第2の透過水流出口に接続された第2の透過水流出管と、
前記第2の透過水流出管に分岐して接続された第2の移送配管及び第2の超純水配管と、
前記第2の移送配管及び第2の超純水配管にそれぞれ介装され、前記第2の透過水流出管からの透過水の流路を前記第2の移送配管と前記第2の超純水配管で切り替えられる、2つの開閉バルブと、
前記第1の導入口に接続された第1の被処理水供給管と、
前記第2の導入口に接続された第2の被処理水供給管と、
前記第1の被処理水供給管と第2の被処理水供給管に介装され、被処理水の供給流路を前記第1の被処理水供給管と前記第2の被処理水供給管で切り替えられる、2つの開閉バルブとを有し、
前記第1の移送配管は前記第2の被処理水供給管に接続され、
前記第2の移送配管は前記第1の被処理水供給管に接続され、
前記6つの開閉バルブの開閉の組み合わせによって、
被処理水の流路を、前記第1の限外ろ過膜モジュールから前記第2の限外ろ過膜モジュールへ通流する第1の流路と、前記第2の限外ろ過膜モジュールから前記第1の限外ろ過膜モジュールへ通流する第2の流路と、で切替可能に構成されたことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の超純水製造システム。
【請求項5】
前記流路を切り替えられる組み合わせの前記2つの開閉バルブに代えて、内部に2つの流路を切替可能な1つの三方バルブを、前記分岐して接続された配管の分岐点に有し、
前記三方バルブによって、
被処理水の流路を、前記第1の限外ろ過膜モジュールから前記第2の限外ろ過膜モジュールへ通流する第1の流路と、前記第2の限外ろ過膜モジュールから前記第1の限外ろ過膜モジュールへ通流する第2の流路と、で切替可能に構成されたことを特徴とする請求項に記載の超純水製造システム。
【請求項6】
前記第1の透過水流出口に接続された第1の透過水流出管と、
前記第1の導入口に接続された第1の被処理水供給管と、
前記第2の透過水流出口に接続された第2の透過水流出管と、
前記第2の導入口に接続された第2の被処理水供給管と
前記第1の被処理水供給管又は第2の被処理水供給管に被処理水を供給する被処理水管と、
前記第1の透過水流出管又は前記第2の透過水流出管からの透過水を超純水の使用場所に送る超純水配管と、
前記第1の限外ろ過膜モジュールの透過水を前記第2の被処理供給管へ又は前記第2の限外ろ過膜モジュールの透過水を前記第1の被処理水供給管へ移送する移送配管と、
前記被処理水管からの被処理水の流路を、前記第1の被処理水供給管と前記第2の被処理水供給管とで切り替えられる第1の流路切替部と、
前記超純水配管に流入させる限外ろ過膜の透過水の流路を、前記第1の透過水流出管と前記第2の透過水流出管とで切り替えられる第2の流路切替部と、
前記移送配管からの透過水の流路を前記第1の被処理水供給管と前記第2の被処理水供給管とで切り替えられる第3の流路切替部と、
前記移送配管に流入させる透過水の流路を、前記第1の透過水流出管と前記第2の透過水流出管とで切り替えられる第4の流路切替部を有し、
前記第1乃至第4の流路切替部の切替により、被処理水の流路を、前記第1の限外ろ過膜モジュールから前記第2の限外ろ過膜モジュールへ通流する第1の流路と前記第2の限外ろ過膜モジュールから前記第1の限外ろ過膜モジュールへ通流する第2の流路で切替可能に構成されたことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の超純水製造システム。
【請求項7】
前記第1及び第3の流路切替部並びに前記第2及び第4の流路切替部のそれぞれの組み合わせに代えて、内部に少なくとも2つの流路を有してこれらの接続の切替が可能な2つの四方バルブを有し、
前記四方バルブによって、
被処理水の流路を、前記第1の限外ろ過膜モジュールから前記第2の限外ろ過膜モジュールへ通流する第1の流路と前記第2の限外ろ過膜モジュールから前記第1の限外ろ過膜モジュールへ通流する第2の流路で切替可能に構成されたことを特徴とする請求項に記載の超純水製造システム。
【請求項8】
粒子径20nm以上の微粒子数が100000pcs./L以下である一次純水を製造する一次純水製造部と、
前記一次純水を処理することにより、粒子径20nm以上の微粒子数が1000pcs./L以下である超純水を製造する二次純水製造部と、
を具備する超純水製造システムの運転方法であって、
前記二次純水製造部は、直列に接続された複数の限外ろ過膜モジュールを有し、前段の限外ろ過膜モジュールの有する限外ろ過膜と後段の限外ろ過モジュールの有する限外ろ過膜の分画分子量及び/又は有効膜面積が共通し、
超純水製造時に前記複数の限外ろ過膜モジュールのうち後段の限外ろ過膜モジュールは前段の限外ろ過膜モジュールの透過水を処理し、
前記複数の限外ろ過膜モジュールのうち少なくとも1つを交換する際に、
前記超純水製造時における後段の限外ろ過膜モジュールを新品の限外ろ過膜モジュールに交換し、
前記新品の限外ろ過膜モジュールを前段とし、交換されない限外ろ過膜モジュールを後段として流路を切り替え、前記複数の限外ろ過膜モジュールに洗浄水を通流させて超純水製造システムの立ち上げを行うことを特徴とする超純水製造システムの運転方法。
【請求項9】
前記限外ろ過膜モジュールの交換は、
前記超純水製造時における後段の限外ろ過膜モジュールの透過水中に含まれる粒子径20nm以上の微粒子が1000pcs./L以上となったときに行う請求項に記載の純水製造システムの運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超純水製造システム及び超純水製造システムの運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体製造工程で使用する超純水は、超純水製造システムを用いて製造されている。超純水製造システムは、例えば、原水中の懸濁物質を除去して前処理水を得る前処理部、前処理水中の全有機炭素(TOC)成分やイオン成分を、逆浸透膜装置やイオン交換装置を用いて除去して一次純水を製造する一次純水製造部及び一次純水中の極微量の不純物を除去して超純水を製造する二次純水製造部で構成されている。原水としては、市水、井水、地下水、工業用水等が用いられる他、超純水の使用場所(ユースポイント:POU)で回収された使用済みの超純水(以下、「回収水」と称する。)が用いられる。
【0003】
二次純水製造部では、紫外線酸化装置、イオン交換純水装置及び限外ろ過膜(UF)装置等により一次純水が高度に処理されて超純水が生成する。限外ろ過膜装置は、この二次純水製造部の最後段付近に配置され、イオン交換樹脂などから生じる微粒子を除去する。
【0004】
ところで、超純水については、高純度化に対する要求が年々高まってきており、例えば微粒子濃度は、粒子径が50nm以上の微粒子数で、1pcs./mL以下が求められている。さらに、要求水質はより厳しくなる傾向にあり、粒子径が50nm未満、例えば10nm程度の微粒子の低減も求められてきている。そのため、より粒子径の小さな微粒子を高度に除去する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0005】
超純水製造システムの新規建設後の立ち上げ時や定期検査などによる休止後の再立ち上げ時には、超純水製造システム系内に混入・発生する不純物を除去してユースポイント近辺における超純水が所望の水質に至るまで洗浄試運転(立ち上げ運転)を行う。近年、省資源や工場の稼動効率の向上を目的として、立ち上げ運転時間の短縮が強く求められている。しかしながら、微細微粒子を高度に除去しようとするほど立ち上げ運転時間は長期化する傾向にある。
【0006】
また、特許文献3には、通常運転時に使用する限外ろ過膜(第1の微粒子除去膜装置)の後段に洗浄用の限外ろ過膜(第2の微粒子除去膜装置)を設置しておいて、洗浄時にこの限外ろ過膜に洗浄水を通水し、第1の微粒子除去膜装置については、洗浄水を膜透過させずに給水側のみの洗浄を行うか、あるいは、第1の微粒子除去膜装置には洗浄水を通水せずに予め殺菌処理した微粒子除去膜と交換する方法が開示されている。しかし、この方法では、通常運転時は第2の微粒子除去膜装置が長期間運転されないため、この場所に菌が発生したり、配管のデッドスペースに不純物の蓄積が起きるなどの問題があった。したがって、このような装置においても短時間での立ち上げを行うことは困難であった。
【0007】
また、上記のような微細微粒子以外にも、限外ろ過膜の劣化又は破断時に特徴的な大きさ、形状の粗大粒子が超純水中に発生することも知られている(例えば、特許文献4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2016-064342号公報
【文献】国際公開2015/050125号
【文献】国際公開2015/012248号
【文献】特開2016-083646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであって、限外ろ過膜装置を有する超純水製造システムの立ち上げ運転時間を短縮することのできる超純水製造システム及び超純水製造システムの運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の超純水製造システムは、直列に接続された複数の限外ろ過膜モジュールを有する超純水製造システムであって、前記複数の限外ろ過膜モジュールは、被処理水を内部に導入する第1の導入口と、透過水を流出させる第1の透過水流出口と、濃縮水を流出させる第1の濃縮水流出口を有し、内部に第1の限外ろ過膜を収容する第1の限外ろ過膜モジュールと、被処理水を内部に導入する第2の導入口と、透過水を流出させる第2の透過水流出口と、濃縮水を流出させる第2の濃縮水流出口を有し、内部に第2の限外ろ過膜を収容する第2の限外ろ過膜モジュールとを含み、前記第1の限外ろ過膜モジュールと前記第2の限外ろ過膜モジュールの形状及び大きさが共通であって、前記第1の導入口と前記第2の導入口、前記第1の透過水流出口と前記第2の透過水流出口、前記第1の濃縮水流出口と前記第2の濃縮水流出口、のそれぞれが各モジュール内で共通する位置に配設されており、かつ、前記第1の限外ろ過膜と前記第2の限外ろ過膜が共通の分画分子量及び/又は有効膜面積を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の超純水製造システムにおいて、前記被処理水の流路が、前記第1の限外ろ過膜モジュールから前記第2の限外ろ過膜モジュールへ順に通流する第1の流路と、前記第2の限外ろ過膜モジュールから前記第1の限外ろ過膜モジュールへ順に通流する第2の流路と、で接続する配管のつなぎ替え又は前記配管のバルブの切り替えによって変更可能に構成されたことが好ましい。
【0012】
本発明の超純水製造システムにおいて、前記複数の限外ろ過膜モジュールの形状及び大きさがすべて共通し、前記複数の限外ろ過膜モジュールは、導入口、透過水流出口及び濃縮水流出口がすべて共通する位置に配設されていることが好ましい。
【0013】
本発明の超純水製造システムにおいて、前記第1の透過水流出口に接続された第1の透過水流出管と、前記第1の透過水流出管から分岐して接続された第1の移送配管及び第1の超純水配管と、前記第1の移送配管及び第1の超純水配管にそれぞれ介装され、前記第1の透過水流出管からの透過水の流路を前記第1の移送配管と前記第1の超純水配管で切り替えられる、2つの開閉バルブと、前記第2の透過水流出口に接続された第2の透過水流出管と、前記第2の透過水流出管に分岐して接続された第2の移送配管及び第2の超純水配管と、前記第2の移送配管及び第2の超純水配管にそれぞれ介装され、前記第2の透過水流出管からの透過水の流路を前記第2の移送配管と前記第2の超純水配管で切り替えられる、2つの開閉バルブと、前記第1の導入口に接続された第1の被処理水供給管と、前記第2の導入口に接続された第2の被処理水供給管と、前記第1の被処理水供給管と第2の被処理水供給管に介装され、被処理水の供給流路を前記第1の被処理水供給管と前記第2の被処理水供給管で切り替えられる、2つの開閉バルブとを有し、前記第1の移送配管は前記第2の被処理水供給管に接続され、前記第2の移送配管は前記第1の被処理水供給管に接続され、前記6つの開閉バルブの開閉の組み合わせによって、被処理水の流路を、前記第1の限外ろ過膜モジュールから前記第2の限外ろ過膜モジュールへ通流する第1の流路と、前記第2の限外ろ過膜モジュールから前記第1の限外ろ過膜モジュールへ通流する第2の流路と、で切替可能に構成されたことが好ましい。
【0014】
本発明の超純水製造システムにおいて、前記流路を繰り替えられる組み合わせの前記2つの開閉バルブに代えて、内部に2つの流路を切替可能な1つの三方バルブを、前記分岐して接続された配管の分岐点に関し前記三方バルブによって、被処理水の流路を、前記第1の限外ろ過膜モジュールから前記第2の限外ろ過膜モジュールへ通流する第1の流路と前記第2の限外ろ過膜モジュールから前記第1の限外ろ過膜モジュールへ通流する第2の流路と、で切替可能に構成されたことが好ましい。
【0015】
また、本発明の超純水製造システムにおいて、前記第1の透過水流出口に接続された第1の透過水流出管と、前記第1の導入口に接続された第1の被処理水供給管と、前記第2の透過水流出口に接続された第2の透過水流出管と、前記第2の導入口に接続された第2の被処理水供給管と、前記第1の被処理水供給管又は第2の被処理水供給管に被処理水を供給する被処理水管と、前記第1の透過水流出管又は前記第2の透過水流出管からの透過水を超純水の使用場所に送る超純水配管と、前記第1の限外ろ過膜モジュールの透過水を前記第2の被処理水供給管へ又は前記第2の限外ろ過膜モジュールの透過水を前記第1の被処理水供給管へ移送する移送配管と、前記被処理水管からの被処理水の流路を、前記第1の被処理水供給管と前記第2の被処理水供給管とで切り替えられる第1の流路切替部と、前記超純水配管に流入させる限外ろ過膜の透過水の流路を前記第1の透過水流出管と前記第2の透過水流出管とで着かえられる第2の流路切替部と、前記移送配管からの透過水の流路を前記第1の被処理水供給管と前記第2の被処理水供給管とで切り替えられる第3の流路切替部と、前記移送配管に流入させる透過水の流路を、前記第1の透過水流出管と前記第2の透過水流出管とで切り替えられる第4の流路切替部を有し、前記第1乃至第4の流路切替部の切替により、被処理水の流路を、前記第1の限外ろ過膜モジュールから前記第2の限外ろ過膜モジュールへ通流する第1の流路と前記第2の限外ろ過膜モジュールから前記第1の限外ろ過膜モジュールへ通流する第2の流路で切替可能に構成されたことが好ましい。
【0016】
本発明の超純水製造システムにおいて、前記第1及び第3の流路切替部並びに前記第2及び第4の流路切替部のそれぞれの組み合わせに代えて、内部に少なくとも2つの流路を有してこれらの接続の切替が可能な2つの四方バルブを有し、前記四方バルブによって、被処理水の流路を、前記第1の限外ろ過膜モジュールから前記第2の限外ろ過膜モジュールへ通流する第1の流路と前記第2の限外ろ過膜モジュールから前記第1の限外ろ過膜モジュールへ通流する第2の流路で切替可能に構成されたことが好ましい。
【0017】
本発明の超純水製造システムの運転方法は、直列に接続された複数の限外ろ過膜モジュールを有し、前段の限外ろ過膜モジュールの有する限外ろ過膜と後段の限外ろ過モジュールの有する限外ろ過膜の分画分子量及び/又は有効膜面積が共通する超純水製造システムの運転方法であって、
超純水製造時に前記複数の限外ろ過膜モジュールのうち後段の限外ろ過膜モジュールは前段の限外ろ過膜モジュールの透過水を処理し、前記複数の限外ろ過膜モジュールのうち少なくとも1つを交換する際に、前記超純水製造時における後段の限外ろ過膜モジュールを新品の限外ろ過膜モジュールに交換し、前記新品の限外ろ過膜モジュールを前段とし、交換されない限外ろ過膜モジュールを後段として流路を切り替え、前記複数の限外ろ過膜モジュールに洗浄水を通流させて超純水製造システムの立ち上げを行うことを特徴とする。
【0018】
本発明の超純水製造システムの運転方法において、前記限外ろ過膜モジュールの交換は、超純水製造時における後段の限外ろ過膜モジュールの透過水中に含まれる粒子径20nm以上の微粒子が1000pcs./L以上となったときに行うことが好ましい。
【0019】
なお、新品とは、必ずしも製造直後のものでなくてもよく、交換前のものよりも使用された期間が短く、経時劣化の少ないものをいう。
【発明の効果】
【0020】
本発明の超純水製造システム及び超純水製造方法によれば、限外ろ過膜装置を有する超純水製造システムの立ち上げ運転時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態に係る超純水製造システムを概略的に表すブロック図である。
図2A】2つの限外ろ過膜装置を接続する配管の構成の一態様を概略的に表す図である。
図2B図2Aに示される限外ろ過膜モジュールの構造を概略的に表す図である。
図3A】2つの限外ろ過膜装置を接続する配管の構成の他の一態様を概略的に表す図である。
図3B図3Aに示される限外ろ過膜モジュールの構造を概略的に表す図である。
図4】2つの限外ろ過膜装置を接続する配管の構成と、被処理水の流路を概略的に表す図である。
図5図4に示す構成において、被処理水の他の流路を概略的に表す図である。
図6図4に示す構成に対して、三方バルブを用いた場合の配管の構成の一態様を概略的に表す図である。
図7図4に示す構成に対して、流路切替部を用いた場合の配管の構成と、被処理水の流路を概略的に表す図である。
図8図7に示す構成において、被処理水の他の流路を概略的に表す図である。
図9A図7に示す構成において、流路切替を配管のつなぎ替えにより行う構成の一態様を示す図である。
図9B図9Aに示す構成に対して、配管のつなぎ替えを行い、流路を切り替えた構成の一例を示す図である。
図10図4に示す構成に対して、四方バルブを用いた場合の配管の構成の一態様を概略的に表す図である。
図11図4に示す構成に対して、六方バルブを用いた場合の配管の構成の一態様を概略的に表す図である
図12】直列に接続された2台の限外ろ過膜装置からなる限外ろ過膜ユニットを2つ以上並列に接続した構成を表す概略図である。
図13】直列に接続された2台の限外ろ過膜装置からなる限外ろ過膜ユニットにおいて、1段の限外ろ過膜装置が、複数並列した限外ろ過膜モジュールを有する構成を表す概略図である。
図14】直列に接続された2つの限外ろ過膜装置からなる限外ろ過膜ユニットを2つ以上並列に接続し、1段の限外ろ過膜装置が複数並列した限外ろ過膜モジュールを有する構成を表す概略図である。
図15】実施例及び比較例の立ち上げ運転における処理時間と微粒子数の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、実施形態を詳細に説明する。
一般に超純水製造システムでは、その新規建設後の立ち上げ時や、装置交換又は定期検査などによる休止後の再立ち上げ時に、超純水製造システム系内に混入・発生する不純物を除去してユースポイントにおける超純水が所望の水質に至るまで洗浄試運転(立ち上げ運転)を行う。例えば、装置交換や定期検査などによる装置の休止後には、超純水製造システム系内に過酸化水素水を通水することで殺菌して、その後に立ち上げ運転を行う。この立ち上げ運転では、超純水製造システム内に純水を連続通水して、超純水製造システム内の水処理装置や配管などの流路内に付着した不純物を洗い流す。立ち上げ運転で除去される不純物は、超純水製造システムの製造時や検査・交換時に外部から混入した不純物や、超純水製造システムに配置された水処理装置の構成部材からの発塵などである。特に、新規に製造された水処理装置では、経年使用された水処理装置に比べて発塵が多く、装置交換等により新品の水処理装置を配設した後の立ち上げ運転には長期間を要する場合があった。
【0023】
本発明者らは、上記のような立ち上げ運転時間の短縮を目的として鋭意検討を行ったところ、立ち上げ時に発生する微粒子は、比較的粒子径が大きく、40nmを超え1μm以下の微粒子であることを見出した。例えば、特許文献4には限外ろ過膜の中空糸が破断した場合には、0.4~10μmの粗大微粒子が発生することが記載されている。立ち上げ運転時にも、殺菌時の過酸化水素による化学的ダメージや、膜交換、あるいは通水開始や停止時の急速な流量の変化による物理的ダメージにより、上記粗大微粒子に似たようなメカニズムで微粒子が発生するため、立ち上がりが遅くなることが分かった。また、このように、立ち上げ時の微粒子は、通常の純水製造時の微粒子よりも粒子径が大きいために、超純水製造に用いられて除去率が多少低下した限外ろ過膜でも、立ち上げ時に発生する粗大微粒子の除去は十分に可能であることを見出した。
そこで、超純水製造時の通水を経た限外ろ過膜を、立ち上げ時の新品のフィルターの後段に設置することで早期立ち上げが可能であることを見出した。
【0024】
上記知見に基づき、本実施形態の超純水製造システムは、超純水製造システムの末端付近に配置される限外ろ過膜装置として、共通の構造及び仕様の限外ろ過膜モジュールを備えた限外ろ過膜装置を2つ以上直列に配置する構成にした。
【0025】
(第1の実施形態)
図1に示すように、第1の実施形態に係る超純水製造システム1は、前処理部14と、一次純水製造部15と二次純水製造部13とを有する。二次純水製造部13は、水中の微粒子を除去する2つの限外ろ過膜装置11、12を有する。
【0026】
前処理部14は、原水中の懸濁物質を除去して、前処理水を生成し、この前処理水を一次純水製造部15に供給する。前処理部14は例えば、原水中の懸濁物質を除去するための砂ろ過装置、精密ろ過装置等を適宜選択して構成され、さらに必要に応じて原水の温度調節を行う熱交換器等を備えて構成される。なお、原水の水質によっては、前処理部14は省略してもよい。
【0027】
原水は、例えば、市水、井水、地下水、工業用水、半導体製造工場などで使用され、回収されて処理された水(回収水)である。
【0028】
一次純水製造部15は、逆浸透膜装置、脱気装置(脱炭酸塔、真空脱気装置、膜脱気装置等)、イオン交換装置(陽イオン交換装置、陰イオン交換装置、混床式イオン交換装置等)、紫外線酸化装置のうち1つ以上を適宜組み合わせて構成される。一次純水製造部15は、前処理水中のイオン成分及び非イオン成分、溶存ガスを除去して一次純水を製造し、この一次純水を二次純水製造部13に供給する。一次純水は例えば、全有機炭素(TOC)濃度が5μgC/L以下、抵抗率が17MΩ・cm以上、粒子径20nm以上の微粒子数が100000pcs./L以下である。
【0029】
二次純水製造部13は、一次純水中の微量不純物を除去して超純水を製造する。二次純水製造部13は、限外ろ過膜ユニット(第1の限外ろ過膜装置11及び第2の限外ろ過膜装置12を総称して限外ろ過膜ユニットと称する。以下同じ。)の上流側に、必要に応じて紫外線酸化装置、膜脱気装置、非再生型混床式イオン交換装置等のうち1つ以上を適宜組み合わせて構成される。
【0030】
限外ろ過膜装置11、12は、それぞれ、内部に限外ろ過膜を収容した限外ろ過膜モジュールを1つ以上備えており、前段の限外ろ過膜装置の透過水が後段の限外ろ過膜装置に供給されるように直列に接続されている。
【0031】
第1の限外ろ過膜装置11及び第2の限外ろ過膜装置12は、水中の例えば粒子径50nm以上の微粒子、好ましくは20nm以上の微粒子を除去する。これにより生成した超純水が使用場所(ユースポイント:POU)16に供給される。超純水は、例えば、全有機炭素(TOC)濃度が1μgC/L以下、抵抗率が18MΩ・cm以上、粒子径20nm以上の微粒子数が1000psc./L以下である。
【0032】
ここで用いられる限外ろ過膜としては、一般的に、三酢酸セルロース系非対称膜や、芳香族ポリアミド系の複合膜、ポリビニルアルコール系の複合膜等が用いられる。限外ろ過膜としては、上記のうち、ポリスルホン製の複合材を有する芳香族ポリアミド系の膜の複合膜を用いることが好ましい。膜形状は、シート平膜、スパイラル膜、管状膜、中空糸膜等であるが、これらに限定されない。第1の限外ろ過膜装置11及び第2の限外ろ過膜装置12は、いずれも共通する材料、共通する形状からなる2以上の限外ろ過膜を備えることが好ましく、第1の限外ろ過膜装置11及び第2の限外ろ過膜装置12の有するすべての限外ろ過膜で上記膜の材料及び形状が共通することがより好ましい。第1の限外ろ過膜装置11及び第2の限外ろ過膜装置12の有する限外ろ過膜で互いに材料及び形状が異なる場合、限外ろ過膜モジュールの移し替えを行った場合に、交換周期が著しく短くなりやすく、また、微粒子の除去性能が下がって水質が悪化しやすくなることがあるためである。
【0033】
このような限外ろ過膜を収容する限外ろ過膜モジュールの仕様は、一例として、限外ろ過膜の分画分子量が4000~6000、有効膜面積が10m~35m、設計運転差圧は0.1MPa~0.4MPaであることが好ましい。また微粒子除去性能は、粒子径20nm以上の微粒子の除去率で65%以上であることが好ましい。第1の限外ろ過膜装置11及び第2の限外ろ過膜装置12の有する2以上の限外ろ過膜は、その少なくとも一部において上記仕様のうち、分画分子量又は有効膜面積が共通することが好ましく、分画分子量及び有効膜面積が共通することがより好ましい。また、複数の限外ろ過膜モジュールにおいて、その外径、長さ、導入口の配設位置、透過水流出口の配設位置、濃縮水流出口の配設位置、対応する配管の口径及び対応する配管の継手の形状、が全て共通することが好ましい。また、第1の限外ろ過膜装置11及び第2の限外ろ過膜装置12の有する2以上の限外ろ過膜モジュールの、すべての限外ろ過膜モジュールで上記仕様が共通することがより好ましい。限外ろ過膜モジュールで上記仕様が共通しない場合、限外ろ過膜モジュールの移し替えを行った場合に、交換周期が著しく短くなりやすく、微粒子の除去性能が下がって水質が悪化しやすくなることがあるためである。
【0034】
このような限外ろ過膜モジュールの市販品として、(製品名:OAT-6036、OLT-6036、OLT-5026、製造元:旭化成)等を使用することができる。
【0035】
二次純水製造部13の直後には、微粒子計18が配置されている。微粒子計18は、水中の好ましくは粒子径50nm以上の微粒子数、より好ましくは、粒子径20nm以上の微粒子数を計測する。微粒子計18としては、例えば、Particle Measuring Systems社製の微粒子計UltraDI-20を使用することができる。微粒子計18は、これらのうち下流側(後段)の限外ろ過膜装置の透過水中の微粒子数を計測する。
【0036】
本実施形態の超純水製造システム1では、微粒子計18による微粒子計測数が、例えば、粒子径50nm以上の微粒子5000pcs./L以上、好ましくは粒子径20nm以上の微粒子1000pcs./L以上になったときに、限外ろ過膜ユニットにおいて、前段の限外ろ過膜装置における限外ろ過膜モジュールを後段の限外ろ過膜装置における限外ろ過膜モジュールに移設し、前段に新品の限外ろ過膜モジュールが配設されるようにする。なお、ここでの前段は水の通流時に上流側に位置することをいい、後段は下流側に位置することをいう。
【0037】
ここで、図1に示す超純水製造システム1は、2つの限外ろ過膜装置を有しているが、超純水製造システム1は、3つ以上の直列に接続された限外ろ過膜装置を備えていてもよい。また、超純水製造システム1は、2つ以上の直列に接続された限外ろ過膜装置ユニットを2つ以上並列に接続した構成を有していてもよい。
【0038】
次に、図2A及び図2Bを参照して第1の実施形態に係る限外ろ過膜モジュールの構成及び配管構成について説明する。図2Aは、本実施形態の第1の限外ろ過膜装置11及び第2の限外ろ過膜装置12を接続する配管の構成の一態様を概略的に表す図である。図2Aに示すように、第1の限外ろ過膜装置11は、第1の限外ろ過膜モジュール110を有し、第2の限外ろ過膜装置12は、第2の限外ろ過膜モジュール120を有してなる。
【0039】
ここで、図2Aには、1つの限外ろ過膜装置が1台の限外ろ過膜モジュールを備えた例を示しているが、これに限定されず、1つの限外ろ過膜装置が2台以上の限外ろ過膜モジュールを備えていてもよい。
【0040】
図2Bは、本実施形態で使用される限外ろ過膜モジュール110の構造を概略的に表す図である。限外ろ過膜モジュール110は内空円筒状のハウジング11h内に、限外ろ過膜11mを収容している。ハウジング11hの両端は液密に封止され、それぞれ透過水流出口11bが開口している。また、ハウジング11hには、被処理水の導入口11aと濃縮水流出口11cが、それぞれ、ハウジング11hの長さ方向中央よりも両端付近の壁面に設けられている。限外ろ過膜モジュール110において、被処理水の導入口11aからハウジング11hの内部に導入された被処理水は、限外ろ過膜11mの一次側(給水側)から二次側(透過水側)に通流する過程でろ過処理され、透過水が生成する。生成した透過水は透過水流出口11bから流出する。濃縮水は限外ろ過膜11mの一次側を通流して、濃縮水流出口11cから流出する。第2の限外ろ過膜モジュール120の構造も同様であり、ハウジングの側壁に処理水の導入口12aと濃縮水流出口12cとを有し、両端に、透過水流出口12bを備えている。限外ろ過膜モジュール120内には、限外ろ過膜が収容されている。
【0041】
また、図3Aは、本実施形態における第1の限外ろ過膜装置11及び第2の限外ろ過膜装置12を接続する配管の構成の他の一態様を概略的に表す図である。図3Aに示すように、第1の限外ろ過膜装置11は、第1の限外ろ過膜モジュール210を有し、第2の限外ろ過膜装置12は、第2の限外ろ過膜モジュール220を有してなる。
【0042】
ここで、図3Aでは、1つの限外ろ過膜装置が1台の限外ろ過膜モジュールを備えた例を示しているが、これに限定されず、1つの限外ろ過膜装置が2台以上の限外ろ過膜モジュールを備えていてもよい。
【0043】
図3Bは、本実施形態で使用される他の限外ろ過膜モジュール210の構造を概略的に表す図である。図3Bに示す限外ろ過膜モジュール210は、図2Bに示す限外ろ過膜モジュール110とは、被処理水の導入口、透過水流出口及び濃縮水流出口の、ハウジングに対する配設位置が異なるが、その他の構成は同様である。限外ろ過膜モジュール210においては、ハウジング21hの一端に被処理水の導入口21aが開口し、他端に透過水流出口21bが開口している。また、ハウジンング21hの壁面に濃縮水流出口21cが開口している。このような、限外ろ過膜モジュール210の市販品としては、日東電工(株)社製のNTU-3306-K6R等が使用できる。第2の限外ろ過膜モジュール220も同様である。
【0044】
ここで、図3Bに示す構成の限外ろ過膜モジュールを直列に接続する場合には、限外ろ過膜モジュール210の透過水流出口21bと第2の限外ろ過膜モジュール220の導入口22aを接続する。この接続は配管を用いてもよいし、第1の限外ろ過膜モジュール210の透過水流出口21bと第2の限外ろ過膜モジュール220の導入口22aを直接接続してもよい。被処理水は第1の限外ろ過膜モジュールの導入口21aから第1の限外ろ過膜モジュール210内に供給されて、ここで限外ろ過処理される。濃縮水は濃縮水流出口21cから流出し、透過水は透過水流出口21bから第2の限外ろ過膜モジュール220の導入口22aに供給される。透過水は、第2の限外ろ過膜モジュール220内に導入され、ここでろ過処理される。第2の限外ろ過膜モジュール220の濃縮水は濃縮水流出口22cから流出し、透過水が透過水流出口22bから流出する。このようにして、第2の限外ろ過膜モジュール220の透過水が超純水として得られる。
【0045】
本実施形態の限外ろ過膜ユニットにおいて、図2A、Bに示す第1の限外ろ過膜モジュール110の導入口11aと第2の限外ろ過膜モジュール120の導入口12aの配置、第1の限外ろ過膜モジュール110の透過水流出口11bと第2の限外ろ過膜モジュール120の透過水流出口12bの配置、第1の限外ろ過膜モジュール110の濃縮水流出口11cと第2の限外ろ過膜モジュール120の濃縮水流出口12cの配置、のそれぞれの配置はすべて共通する。すなわち、第1の限外ろ過膜モジュール110と第2の限外ろ過膜モジュール120のハウジングにおける導入口、透過水流出口及び濃縮水流出口の配設位置がそれぞれ互いに共通する。そのため、限外ろ過膜モジュールの導入口、透過水流出口及び濃縮水流出口に接続される超純水製造システムの配管の配置や形態を変更せずに、任意の限外ろ過膜モジュールを移し替えて、これらを交換することもできる。図3A、Bにおいても同様である。
【0046】
図2Aに示すように、本実施形態の限外ろ過膜ユニットにおいて、第1の限外ろ過膜装置11には、第1の限外ろ過膜装置11に被処理水(例えば、一次純水製造部15で製造された一次純水である。一次純水は、紫外線酸化装置、膜脱気装置、非再生型混床式イオン交換装置等のうち1つ以上を経て得られ、第1の限外ろ過膜モジュール110に供給されてもよい(以降同様)。)を供給する被処理水供給管111が接続されている。被処理水供給管111は、限外ろ過膜モジュール110の導入口11aに接続されている。被処理水供給管111には、開閉可能なバルブV1が介装されている。
【0047】
第1の限外ろ過膜装置11において、限外ろ過膜モジュール110の濃縮水流出口11cには、濃縮水流出管114が接続されている。透過水流出口11bには、透過水流出管112が接続されている。透過水流出管112には、透過水を後段の第2の限外ろ過膜装置12に移送する移送配管115が接続されている。移送配管115にはバルブV4が介装されている。バルブV4は開閉可能に構成されている。移送配管115は、第2の限外ろ過膜モジュール120の導入口12aに接続されている。
【0048】
第2の限外ろ過膜装置12において、限外ろ過膜モジュール120の濃縮水流出口12cには、濃縮水流出管124が接続されている。透過水流出口12bには、透過水流出管122が接続されている。透過水流出管122には、第2の限外ろ過膜装置12の透過水をユースポイントに移送する超純水配管123が接続されている。超純水配管123にはバルブV6が介装されている。バルブV6は開閉可能に構成されている。
【0049】
次に、第1の限外ろ過膜装置11及び第2の限外ろ過膜装置12を用いた水処理方法について説明する。まず、超純水製造システム1における超純水の製造時には、原水が前処理部14に供給されて、前処理部14及び一次純水製造部15の順に処理されて、一次純水を生成する。
【0050】
この一次純水が二次純水製造部13に供給される。このとき、バルブV1、バルブV4、バルブV6は開かれている。
【0051】
二次純水製造部13に供給された一次純水は、第1の限外ろ過膜装置11及び第2の限外ろ過膜装置12に順に通水されて処理される。具体的には、一次純水は、被処理水供給管111から、導入口11aを介して第1の限外ろ過膜モジュール110に供給され、ここでろ過処理される。第1の限外ろ過膜モジュール110の透過水は、透過水流出口11bから透過水流出管112及び移送配管115を経て第2の限外ろ過膜モジュール120の導入口12aに供給される。第1の限外ろ過膜モジュール11の濃縮水は、濃縮水流出口11cを経て濃縮水流出管114から流出する。このとき、一次純水は、紫外線酸化装置、膜脱気装置、非再生型混床式イオン交換装置等のうち1つ以上を経て、第1の限外ろ過膜モジュール110に供給されてもよい。
【0052】
第2の限外ろ過膜モジュール120の導入口12aに供給された上記透過水は、第2の限外ろ過膜モジュール120内に導入され、ここで、ろ過処理される。第2の限外ろ過膜モジュール120の透過水は、透過水流出口12bから透過水流出管122及び超純水配管123を経てユースポイントに供給される。第2の限外ろ過膜モジュール120の濃縮水は、濃縮水流出口12cを経て濃縮水流出管124から流出する。このようにして所定の期間超純水を製造することができる。
【0053】
超純水の製造を続けていると、限外ろ過膜が劣化して、超純水の水質が低下してくる。このときに、超純水製造システム1が一旦停止されて、限外ろ過膜モジュールの交換が行われる。この限外ろ過膜モジュールの交換は次に説明するように、新品の限外ろ過膜モジュールを最も前段に配置するとともに、使用された限外ろ過膜モジュールをその後段に配置する。このとき、より長期間使用された限外ろ過膜モジュールを、より後段に配置する方式で行われる。
【0054】
図2Aの限外ろ過膜ユニットにおいては、まず、後段の第2の限外ろ過膜モジュール120の交換を先に行う。第2の限外ろ過膜モジュール120を除去し、ここに第1の限外ろ過膜モジュール110を移設する。そして、第1の限外ろ過膜装置11に新品の限外ろ過膜モジュールを配設する。この限外ろ過膜モジュールの交換の際には、被処理水供給管111からの水の流入や、下流側からの水の逆流を防止し、配管内部を清浄に保つため、バルブV1、バルブV4、バルブV6は閉じられることが好ましい。
【0055】
次いで、第1の限外ろ過膜モジュール110として配設された新品の限外ろ過膜モジュールを有する第1の限外ろ過膜装置11の立ち上げを行う。この立ち上げ運転時には、各バルブは上記超純水の製造時の状態と同じ、すなわち、バルブV1、バルブV4、バルブV6が開かれている。この状態で、限外ろ過膜ユニットに、洗浄水として一次純水が通流されて、立ち上げ運転がなされる。洗浄水(一次純水)は、被処理水供給管111を経て、新品の限外ろ過膜モジュールが配設された第1の限外ろ過膜装置11、次いで第2の限外ろ過膜装置12と順に通流する。なお、立ち上げ運転に際しては、洗浄水は第1の限外ろ過膜装置11及び第2の限外ろ過膜装置12を通流すればよいが、第2の限外ろ過膜装置12を通流した後は、前処理部14、一次純水製造部15及び二次純水製造部13に任意に設けられる装置に通流させてもよい。
【0056】
この立ち上げ運転は、第2の限外ろ過膜装置12の透過水中の微粒子数が所定の値以下になるまで行われる。立ち上げ運転に際して、第1の限外ろ過膜装置11に備えられた新品の限外ろ過膜モジュールからは、多くの発塵があるが、これらは第2の限外ろ過膜装置12で捕捉される。そのため、この立ち上げ運転は、新品のモジュールに交換された第1の限外ろ過膜装置11を単体で立ち上げるのよりも早期に完了することができる。このように、新品の限外ろ過膜モジュールを前段に配置し、経時使用された限外ろ過膜モジュールを後段に配置することで、立ち上げ運転時間を短縮することができる。また、立ち上げ運転を行うための特別な配管や機器なしで行うことが可能である。
【0057】
立ち上げ運転が完了した後、上記と同様に、被処理水が被処理水供給管111に供給されて、超純水の製造が開始される。
【0058】
次に、上記の限外ろ過膜モジュールの交換及び立ち上げを、バルブの開閉によって実現する方法について説明する。この方法によれば、限外ろ過膜モジュールの新品交換時に、交換しない限外ろ過膜モジュールの移動を伴わずに、交換及び立ち上げ運転を行うことができるため、作業負荷を低減することができる。
【0059】
この方法では、図4に示すように、図2Aに示す構成にさらに、被処理水を、第1の限外ろ過膜モジュール110から第2の限外ろ過膜モジュール120へ通流させる第1の流路と第2の限外ろ過膜モジュール120から第1の限外ろ過膜モジュールへ通流させる第2の流路のいずれの流路に流すかを切替可能にする配管及びバルブを有する構成を使用する。
【0060】
図4に示すように、透過水流出管112には、ユースポイントに接続されて第1の限外ろ過膜装置の透過水をユースポイントに移送できる超純水配管113が接続されている。超純水配管113にはバルブV3が、介装されている。バルブV3はバルブV4と同様に開閉可能に構成され、これらの開閉により、第1の限外ろ過膜モジュール110の透過水の流路が、超純水配管113又は移送配管115に切り替えられる。なお、超純水配管113は、ユースポイントとの接続を解除することができ、これにより限外ろ過膜装置11の透過水を外部に排出することもできる。
【0061】
また、移送配管115の経路には、第1の限外ろ過膜装置11ではなく第2の限外ろ過膜装置12に被処理水(例えば、紫外線酸化装置、膜脱気装置、非再生型混床式イオン交換装置等のうち1つ以上を経た一次純水)を供給できる被処理水供給管121が接続されている。被処理水は、被処理水供給管121から移送配管115を介して導入口12aに供給される。被処理水供給管121には、開閉可能なバルブV2が介装されている。
【0062】
第2の限外ろ過膜モジュール120の透過水流出管122には、透過水を前段の第1の限外ろ過膜装置11に移送できる移送配管125が接続されている。移送配管125にはバルブV5が介装されている。バルブV5は開閉可能に構成され、バルブV5及びバルブV6の開閉により、透過水流出管122を通流した第2の限外ろ過膜装置12の透過水の流路が、超純水配管123又は移送配管125に切り替えられる。
【0063】
移送配管125は、被処理水供給管111のバルブV1の下流側に接続されており、第2の限外ろ過膜装置12の透過水は、移送配管125から、被処理水供給管111を介して第1の限外ろ過膜装置11の導入口11aに供給できるようになっている。
【0064】
まず、図4に示すようにバルブV1、バルブV4、バルブV6が開かれ、バルブV2、バルブV3、バルブV5が閉じられた状態、すなわち、第1の限外ろ過膜装置11が前段、第2の限外ろ過膜装置12が後段の配置で超純水の製造を行う。このときの被処理水の流れは、図2Aで説明した流れと同様である。製造開始から所定の期間経過後、限外ろ過膜が劣化して超純水の水質が低下してきたときに、超純水製造システム1が一旦停止されて、限外ろ過膜モジュールの交換が行われる。限外ろ過膜モジュールの交換は、後段の第2の限外ろ過膜モジュール120の交換を先に行う。第2の限外ろ過膜モジュール120を取り外し、ここに新品の限外ろ過膜装置モジュールを配設する。なお、図4において、黒色のバルブは閉じられていて、白色のバルブは開かれていることを示す。図5も同様である。また、図4図5において太線は被処理水の通流する流路を示す
【0065】
次いで、新品の第2の限外ろ過膜モジュール120を有する第2の限外ろ過膜装置12の立ち上げを行う。この立ち上げ運転時には、各バルブは、図5に示すように、バルブV1、バルブV4、バルブV6が閉じられて、バルブV2、バルブV3、バルブV5が開かれる。これにより、第2の限外ろ過膜装置12が前段、第1の限外ろ過膜装置11が後段の配置に変更される。そして、限外ろ過膜モジュールに、洗浄水として純水が通流されて、立ち上げ運転がなされる。洗浄水(一次純水)は、被処理水供給管121を経て交換後の第2の限外ろ過膜モジュール120、次いで第1の限外ろ過膜モジュール110と順に通流する。
【0066】
具体的には、洗浄水は、被処理水供給管121から、移送配管115を経て第2の限外ろ過膜モジュール120の導入口12aに供給される。そして、洗浄水は、第2の限外ろ過膜モジュール120内を通流した後、透過水流出口12bから透過水流出管122及び移送配管125を経て第1の限外ろ過膜モジュール110の導入口11aに供給される。
【0067】
第1の限外ろ過膜モジュール110の導入口11aに供給された洗浄水は、第1の限外ろ過膜モジュール110内を通流した後、透過水流出口11bから流出し、透過水流出管112及び超純水配管113を順に経て排出される。このとき、超純水配管とユースポイントの接続は解除しておく。
【0068】
この立ち上げ運転は、後段となる第1の限外ろ過膜装置11の透過水中の微粒子数が所定の値以下になるまで行われる。立ち上げ運転に際して、第2の限外ろ過膜装置12に配設された新品の限外ろ過膜モジュールからは、多くの発塵があるが、これらは第1の限外ろ過膜装置11で捕捉される。そのため、この立ち上げ運転は、新品のモジュールに交換された第2の限外ろ過膜装置12を単体で立ち上げるよりも早期に完了することができる。
【0069】
立ち上げ運転が完了した後、被処理水が被処理水供給管111に供給されて、超純水の製造が開始される。このときには、各バルブは上記立ち上げ時と同様、バルブV1、バルブV4、バルブV6が閉じられて、バルブV2、バルブV3、バルブV5が開かれて、第2の限外ろ過膜装置12が前段、第1の限外ろ過膜装置11が後段の配置である。一次純水製造部5から供給された一次純水は、第2の限外ろ過膜装置12、次いで第1の限外ろ過膜装置11と順に通流する。
【0070】
この状態で超純水の製造を続けていると、長期間使用された第1の限外ろ過膜モジュール110が、新品に交換された第2の限外ろ過膜モジュール120よりも先に劣化してくる。このときには、後段となる第1の限外ろ過膜モジュール110の交換を行う。このときには、第1の限外ろ過膜モジュール110を取り外し、新品の限外ろ過膜モジュールを配設する。
【0071】
そして、新品の第1の限外ろ過膜モジュール110を有する第1の限外ろ過膜装置11の立ち上げを行う。このときは、各バルブは図4に示されるように、バルブV1、バルブV4、バルブV6が開かれ、バルブV2、バルブV3、バルブV5が閉じられている。これにより、第1の限外ろ過膜装置11が前段、第2の限外ろ過膜装置12が後段の配置に変更される。この状態で、限外ろ過膜モジュールに、洗浄水として一次純水が通流されて、立ち上げ運転がなされる。洗浄水は、上記と同様に、新品の限外ろ過膜モジュールが配設された第1の限外ろ過膜装置11、次いで第2の限外ろ過膜装置12と順に通流する。
【0072】
この立ち上げ運転は、第2の限外ろ過膜装置12の透過水中の微粒子数が所定の値以下になるまで行われる。立ち上げ運転に際して、第1の限外ろ過膜装置11に配設された新品の限外ろ過膜モジュールからは、多くの発塵があるが、これらは第2の限外ろ過膜装置12で捕捉される。そのため、この立ち上げ運転は、新品のモジュールに交換された第1の限外ろ過膜装置11を単体で立ち上げるよりも早期に完了することができる。
【0073】
立ち上げ運転が完了した後、被処理水が被処理水供給管111に供給されて、超純水の製造が開始される。このときには、各バルブは上記立ち上げ時と同様、バルブV1、バルブV4、バルブV6が開かれて、バルブV2、バルブV3、バルブV5が閉じられて、第1の限外ろ過膜装置11が前段、第2の限外ろ過膜装置12が後段の状態を維持する。これにより、一次純水製造部5から供給された一次純水は、第1の限外ろ過膜装置11、次いで第2の限外ろ過膜装置12と順に通流する。
【0074】
上記操作を繰り返すことで、第1の限外ろ過膜モジュール110と第2の限外ろ過膜モジュール120を順に交換、立ち上げしながら超純水を製造することができる。このとき、新品のモジュールに交換後の立ち上げ運転時間が著しく短縮されるため、高水質の超純水を効率よく製造することができる。また、第1の限外ろ過膜装置11と第2の限外ろ過膜装置12に備えられる限外ろ過膜モジュールのハウジングにおける導入口、透過水流出口及び濃縮水流出口の配設位置が、それぞれ互いに共通した配置となっている。そのため、限外ろ過膜モジュールの導入口、透過水流出口及び濃縮水流出口に接続される超純水製造システムの配管の配置や形態を変更せずに、任意の限外ろ過膜モジュールを移し替えて、これらを交換することもできる。
【0075】
なお、後段に配置される限外ろ過膜装置は、濃縮水流出管(114又は124)にバルブを設け、このバルブを閉じることにより、後段に配置される限外ろ過膜装置のみ全量ろ過とすることも可能である。この全量ろ過を用いると、限外ろ過膜装置の水回収率を向上することができる。この全量ろ過は、立ち上げ時と立ち上げ終了後の両方で行うことも可能であるが、立ち上げ終了後のみ実施することも可能である。なお、この全量ろ過は、他の実施形態においても同様に実施可能である。
【0076】
図6は、上記開閉バルブに代えて三方バルブを用いた場合の限外ろ過膜ユニットの配管構成を表す。図6において、図2~5と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する。図6に示すように、図4及び図5におけるバルブV3とバルブV4の組み合わせ、及びバルブV5とバルブV6の組み合わせに代えて、それぞれ三方バルブV31及び三方バルブV32を備えていてもよい。この場合には、三方バルブV31は、超純水配管113と移送配管115の分岐箇所に、三方バルブV32は、超純水配管123と移送配管125の分岐箇所に設けられ、上記同様に流路の切替をすることができる。具体的には上記操作において三方バルブV31は、透過水流出管112からの透過水の流路を超純水配管113と移送配管115とで切り替える。また、上記操作において、三方バルブV32は、透過水流出管122からの透過水の流路を超純水配管123と移送配管125とで切り替える。
【0077】
開閉バルブに代えて三方バルブを用いた場合には、超純水製造システム1内の水の滞留部を減少させることができるので、超純水水質の劣化が少なく、より長期間にわたって高純度の超純水を製造することができる。
【0078】
(第2の実施形態)
次に、図7及び図8を参照して第1の限外ろ過膜装置11及び第2の限外ろ過膜装置12を接続する配管の構成の他の一態様を説明する。図7及び図8において、図2~6と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0079】
第2の実施形態の限外ろ過膜ユニットは、第1の限外ろ過膜装置11及び第2の限外ろ過膜装置12への通水順序の切り替えを、開閉バルブを用いずに、配管のつなぎ替えによって行うものである。
【0080】
図7に示す本実施形態の限外ろ過膜ユニットでは、被処理水を限外ろ過膜ユニットに供給する被処理水管40と、被処理水管40からの被処理水の流路を、第1の限外ろ過膜装置11の導入口11aへの流路と、第2の限外ろ過膜装置12の導入口12aへの流路とで切り替える流路切替部R1を有している。流路切替部R1は被処理水管40に接続されている。
【0081】
流路切替部R1は、上記流路に配管を切り替える切替機構によって構成される。後述する流路切替部R2~R4も同様である。切替機構は、例えば、図7において、流路切替部(切替機構)R1~R4を接続されている配管から切り離して、切替中心Rpを中心として180度回転移動したところで、流路切替部(切替機構)R1~R4を限外ろ過膜装置の各配管につなぎこむことにより、切り替えを可能にした構造となっている。
【0082】
切替機構は、配管や継手等の配管部品を用いて組み立てることが可能である。これらの市販品としては、例えば、セキスイ化学製のものがある。切換機構の、配管と接続する末端(接続部)には、ユニオン継手、バルブ継手を用いることで、特に工具等を用いずに容易に取り外しが可能となるので、切り替えが容易に行える。接続部の形状は、TS式、フランジ式等が好適である。ねじ込み式、溶着式は、取り外しが容易でないので、好ましくない。切替機構はポリフッ化ビニリデン(PVDF)、塩素化塩化ビニル樹脂(CPVC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の素材のものが好ましく、PVDF製が特に好ましい。
【0083】
また、本実施形態の限外ろ過膜ユニットは、超純水をユースポイントに移送する超純水配管30に流入させる限外ろ過膜装置の透過水を第1の限外ろ過膜装置11の透過水と第2の限外ろ過膜装置12の透過水とで切り替えることができる構成となっており、超純水配管30と接続する流路を、第1の限外ろ過膜装置11の透過水流出管112を通流する透過水の流路と第2の限外ろ過膜装置12の透過水流出管122を通流する透過水の流路とで切り替える流路切替部R2を有している。流路切替部R2は超純水配管30に接続されている。
【0084】
また、本実施形態の限外ろ過膜ユニットは、第1の限外ろ過膜装置11の透過水を移送配管115を経由させて第2の限外ろ過膜装置12の被処理水供給管121に供給するか、又は、第2の限外ろ過膜装置12の透過水を移送配管115を経由させて第1の限外ろ過膜装置11へ供給する構成となっており、移送配管115と接続する流路を、第2の限外ろ過膜装置12の被処理水供給管121と第1の限外ろ過膜装置11の被処理水供給管111とで切り替える流路切替部R3を有している。流路切替部R3は移送配管115に接続されている。
【0085】
また、本実施形態の限外ろ過膜ユニットは、移送配管115に流入させる限外ろ過膜装置の透過水を第1の限外ろ過膜装置11の透過水と第2の限外ろ過膜装置12の透過水とで切り替えることができる構成となっており、移送配管115と接続する流路を、第1の限外ろ過膜装置11の透過水流出管112を通流する透過水の流路と第2の限外ろ過膜装置12の透過水流出管122を通流する透過水の流路とで切り替える流路切替部R4を有している。流路切替部R4は移送配管115に接続されている。
【0086】
移送配管115は第1の実施形態における移送配管115と移送配管125を兼ねている。また、超純水配管30は第1の実施形態における超純水配管113と超純水配管123を兼ねている。
【0087】
次に、本実施形態の限外ろ過膜ユニットにおける水処理方法について説明する。まず、超純水製造システム1における超純水の製造時には、原水が前処理部14に供給されて、前処理部14及び一次純水製造部15で順に処理されて、一次純水が生成する。このとき図7に示すように流路切替部R1によって被処理水管40と被処理水供給管111が接続される。また、流路切替部R2によって透過水流出管112と移送配管115の一端が接続される。また、流路切替部R3によって移送配管115の他端と被処理水供給管121が接続される。また、流路切替部R4によって透過水流出管122と超純水配管30が接続される。これにより、第1の限外ろ過膜装置11が前段、第2の限外ろ過膜装置12が後段の配置になる。図7に示す限外ろ過膜ユニットにおいては、被処理水管40、流路切替部R1、被処理水供給管111、導入口11a、第1の限外ろ過膜モジュール110、透過水流出口11b、透過水流出管112、流路切替部R4、移送配管115、流路切替部R3、被処理水供給管121、導入口12a、第2の限外ろ過膜モジュール120によって、第1の限外ろ過膜モジュールから第2の限外ろ過膜モジュールへ通流する流路が形成される。
【0088】
一次純水製造部から、被処理水管40を介して限外ろ過膜ユニットに供給された一次純水は、第1の限外ろ過膜モジュール110及び第2の限外ろ過膜モジュール120で順に処理される。これにより生成した超純水は、超純水配管30を経てユースポイントに供給される。具体的には、一次純水は、被処理水供給管111から導入口11aを経て第1の限外ろ過膜モジュール110に供給される。第1の限外ろ過膜モジュール110を通流した透過水は、透過水流出管112、移送配管115、被処理水供給管121を経て導入口12aから第2の限外ろ過膜モジュール120に供給される。さらに、第2の限外ろ過膜モジュール120を通流して生成した超純水は、透過水流出管122、超純水配管30を経てユースポイントに流出する。
【0089】
超純水の製造を続けていると、限外ろ過膜が劣化して、超純水の水質が低下してくる。そのため、超純水配管30に例えば、Particle Measuring Systems社製の微粒子計UltraDI-20を設置して、微粒子数をモニターすると、次第に微粒子数が増加してくる。このときに、超純水製造システム1が一旦停止されて、上記実施形態と同様に後段の第2の限外ろ過膜モジュール120の交換が行われる。第2の限外ろ過膜装置12に新品の限外ろ過膜モジュールを配設し、第2の限外ろ過膜装置12の立ち上げを行う。このような限外ろ過膜の交換、立ち上げは、定期的に行っても良い。
【0090】
第2の限外ろ過膜装置12の立ち上げ運転時には、図8に示すように流路切替部の接続を切り替える。すなわち、流路切替部R1によって被処理水管40と被処理水供給管121が接続される。また、流路切替部R2によって透過水流出管112と超純水配管30が接続される。また、流路切替部R3によって移送配管115と被処理水供給管111が接続される。また、流路切替部R4によって透過水流出管122と移送配管115が接続される。これにより、第2の限外ろ過膜装置12が前段、第1の限外ろ過膜装置11が後段の配置に変更される。図8に示す限外ろ過膜ユニットにおいて、被処理水管40、流路切替部R1、被処理水供給管121、導入口12a、第2の限外ろ過膜モジュール120、透過水流出口12b、透過水流出管122、流路切替部R4、移送配管115、流路切替部R3、被処理水供給管111、導入口11a、第1の限外ろ過膜モジュール110によって、第2の限外ろ過膜モジュール120から第1の限外ろ過膜モジュール110へ通流する流路が形成される。
【0091】
この状態で被処理水管40から限外ろ過膜ユニットに洗浄水が供給される。洗浄水は、新品の第2の限外ろ過膜モジュール120、次いで第1の限外ろ過膜装モジュール110と順に通流する。具体的には、洗浄水は、被処理水供給管121から導入口12aを経て第2の限外ろ過膜モジュール120に供給される。第2の限外ろ過膜モジュール120を通流した洗浄水は、透過水流出管122、移送配管115、被処理水供給管111を経て導入口11aから第1の限外ろ過膜モジュール110に供給される。さらに、洗浄水は第1の限外ろ過膜モジュール110を通流して、透過水流出管112、超純水配管30を経て排出される。なお、立ち上げ運転時には、超純水配管30とユースポイントの接続は解除される。
【0092】
この立ち上げ運転は、第1の限外ろ過膜装置11の透過水中の微粒子数が所定の値以下になるまで行われる。立ち上げ運転に際して、新品の第2の限外ろ過膜モジュール120からは、多くの発塵があるが、これらは第1の限外ろ過膜装置11で捕捉される。そのため、この立ち上げ運転は、新品の第2の限外ろ過膜モジュール120を単体で立ち上げるよりも早期に完了することができる。
【0093】
立ち上げ運転が完了した後、流路切替部の接続は図8に示すように切り替えたまま、原水が前処理部14に供給されて超純水の製造が開始される。一次純水製造部15から送られた一次純水は、被処理水として第2の限外ろ過膜モジュール120、第1の限外ろ過膜モジュール110の順に通流して、第1の限外ろ過膜モジュール110の透過水がユースポイントに送水される。これにより高純度の超純水を安定的にユースポイントに供給することができる。
【0094】
超純水の製造を続けていると、限外ろ過膜が劣化して、超純水の水質が低下してくる。このときには、第1の限外ろ過膜モジュール110の交換が行われる。第1の限外ろ過膜装置11に新品の限外ろ過膜モジュールを配設し、第1の限外ろ過膜装置11の立ち上げを行う。
【0095】
この第1の限外ろ過膜装置11の立ち上げ時には、図7に示すように流路切替部R1によって被処理水管40と被処理水供給管111が接続される。また、流路切替部R2によって透過水流出管112と移送配管115の一端が接続される。また、流路切替部R3によって移送配管115の他端と被処理水供給管121が接続される。また、流路切替部R4によって透過水流出管112と超純水配管30が接続される。これにより、第1の限外ろ過膜装置11が前段、第2の限外ろ過膜装置12が後段の配置に変更される。この状態で、被処理水管40から限外ろ過膜ユニットに洗浄水が供給される。
【0096】
限外ろ過膜装置に供給された洗浄水は、被処理水供給管111から導入口11aを経て第1の限外ろ過膜モジュール110に供給される。第1の限外ろ過膜モジュール110を通流した洗浄水は、透過水流出管112、移送配管115、被処理水供給管121を経て導入口12aから第2の限外ろ過膜モジュール120に供給される。さらに、第2の限外ろ過膜モジュール120を通流した洗浄水は、透過水流出管122、超純水配管30を経て排出される。なお、立ち上げ運転時には、超純水配管30とユースポイントの接続は解除される。
【0097】
この立ち上げ運転は、第2の限外ろ過膜装置12の透過水中の微粒子数が所定の値以下になるまで行われる。立ち上げ運転に際して、新品の第1の限外ろ過膜モジュール110からは、多くの発塵があるが、これらは第2の限外ろ過膜装置12で捕捉される。そのため、この立ち上げ運転は、新品の第1の限外ろ過膜モジュール110を単体で立ち上げるよりも早期に完了することができる。
【0098】
立ち上げ運転が完了した後、流路切替部の接続は図7に示すように切り替えたまま、原水が前処理部14に供給されて超純水の製造が開始される。一次純水製造部15から送られた一次純水は、上記同様、第1の限外ろ過膜装置11、第2の限外ろ過膜装置12の順に通水して、第2の限外ろ過膜装置12の透過水がユースポイントに送水される。これにより高純度の超純水を安定的にユースポイントに供給することができる。
【0099】
上記操作を繰り返すことで、第1の限外ろ過膜装置11と第2の限外ろ過膜装置12を順に交換、立ち上げしながら超純水を製造することができる。このとき、新品のモジュールとの入れ替え後の立ち上げ運転時間が著しく短縮されるため、高水質の超純水を効率よく製造することができる。また、第1の限外ろ過膜装置11と第2の限外ろ過膜装置12に備えられる限外ろ過膜モジュールのハウジングにおける導入口、透過水流出口及び濃縮水流出口の配設位置がそれぞれ互いに共通する。そのため、限外ろ過膜モジュールの導入口、透過水流出口及び濃縮水流出口に接続される超純水製造システムの配管の配置や形態を変更せずに、任意の限外ろ過膜モジュールを移し替えて、これらを交換することもできる。
【0100】
上記流路切替部R1~R4は例えば図9A及び図9Bに示すように、切替機構Rpを構成する2つの開閉バルブRpvと、それぞれの開閉バルブRpvに接続されて流路切替部を構成する2本の曲管L1、L2と、切替機構と流路切替部を一体化した配管L115によって構成される。
【0101】
図9A及び図9Bに示すように、図7及び図8に示す流路切替部R1は、被処理水管40に接続された開閉バルブRpvと、開閉バルブRpvに接続された曲管L1とで構成される。図7に示す流路を構成するときは、曲管L1の開閉バルブRpvの反対側の端部は、第1の限外ろ過膜モジュール110の導入口11aに接続され、図8に示す流路を構成するときは、図9Bに示すように曲管L1の開閉バルブRpvの反対側の端部は、第2の限外ろ過膜モジュール120の導入口12aに接続される。
【0102】
図9A及び図9Bに示すように、図7及び図8に示す流路切替部R2は、超純水配管30に接続された開閉バルブRpvと、開閉バルブRpvに接続された曲管L2とで構成される。図7に示す流路を構成するときは、図9Aに示すように、曲管L2の開閉バルブRpvの反対側の端部は、開閉バルブV122を介して第2の限外ろ過膜モジュール120の透過水配管122に接続される。図8に示す流路を構成するときは、図9Bに示すように、曲管L2の開閉バルブRpvの反対側の端部は、開閉バルブV121を介して第1の限外ろ過膜モジュール110の透過水流出管112の端部に接続される。
【0103】
図9A及び図9Bに示すように、図7及び図8に示す移送配管115、流路切替部R3及び流路切替部R4は、切替機構としての曲がり部を有した配管L115によって構成される。図7に示す流路を構成するときは、図9Aに示すように、配管L115の一方の端部が開閉バルブV121を介して第1の限外ろ過膜モジュール110の透過水配管121に接続され、その他端が第2の限外ろ過膜モジュール120の導入口12aに接続される。図8に示す流路を構成するときは、図9Bに示すように、配管L115の一方の端部が第1の限外ろ過膜モジュール110の導入口11aに接続され、その他端が開閉バルブV122を介して第2の限外ろ過膜モジュール120の透過水配管122に接続される。
【0104】
これらの配管L115、曲管L1、L2のつなぎ替えは、各開閉バルブV121、V122、Rpvを閉じた状態で、配管L115、曲管L1、L2を取り外し、接続箇所を変更して再度接続することで行うことができる。
【0105】
図10は上記流路切替部に代えて四方バルブを用いた場合の限外ろ過膜ユニットの配管構成を表す。図10において、図2~9と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する。図10に示すように、図7及び図9における流路切替部R1と流路切替部R3の組み合わせ、及び流路切替部R2及び流路切替部R4の組み合わせに代えて、それぞれ四方バルブV41及び四方バルブV42を用いてもよい。四方バルブは4つの出入口と、内部に2本の流路とを備えており、2本の流路によって接続する出入口の組み合わせを変えることで、被処理水の流路を切り替えることができる。
【0106】
四方バルブV41は、被処理水管40と被処理水供給管111と移送配管115の一端と被処理水供給管121との分岐箇所に、四方バルブV42は、超純水配管30と移送配管115の他端と透過水流出管112と透過水流出管122との分岐箇所に設けられ、上記同様に流路の切替をすることができる。具体的には、四方バルブV41は、被処理水管40から被処理水供給管111への流路、及び移送配管115から被処理水供給管121への流路と、被処理水管40から被処理水供給管121への流路、及び移送配管115から被処理水供給管111への流路とを切り替える。四方バルブV42は、透過水流出管112から超純水配管30への流路、及び透過水流出管122から移送配管115への流路と、透過水流出管112から移送配管115への流路、及び透過水流出管122から超純水配管30への流路とを切り替える。
【0107】
開閉バルブに代えて四方バルブを用いた場合には、超純水製造システム1内の水の滞留部を減少させることができるので、超純水水質の劣化が少なく、より長期間にわたって高純度の超純水を製造することができる。
【0108】
(第3の実施形態)
次に、図11を参照して第1の限外ろ過膜装置11及び第2の限外ろ過膜装置12を接続する配管の構成の他の一態様を説明する。第3の実施形態の二次純水製造部133は、第1の限外ろ過膜装置11及び第2の限外ろ過膜装置12への通水順序の切り替えを、六方バルブによって行うものである。六方バルブは、6つの水の出入口と、内部に3本の流路とを備えており、3本の流路によって接続する出入口の組み合わせを変えることで、被処理水の流路を切り替えることができる。
【0109】
本実施形態の二次純水製造部133において、図7~8に示す第2の実施形態の限外ろ過膜ユニットにおいて、移送配管115及び流路切替部R1~R4の機能を六方バルブV60に持たせて、装置を集約したものである。本実施形態の二次純水製造部133において、被処理水管40は六方バルブV60内の第1の流路61によって被処理水供給管111に接続される。また、第1の限外ろ過膜装置11の透過水を通流させる透過水流出管112は六方バルブV60の第2の流路62によって、被処理水供給管121に接続される。また、また、第2の限外ろ過膜装置12の透過水を通流させる透過水流出管122は六方バルブV60の第3の流路63によって超純水配管30に接続される。これにより、被処理水は第1の限外ろ過膜装置11、第2の限外ろ過膜装置12を順に通流する。
【0110】
そして、限外ろ過膜モジュールの交換等によって第1の限外ろ過膜装置11、第2の限外ろ過膜装置12の被処理水の通流順序を変更する場合には、六方バルブV60を切り替えて、第1の流路61によって透過水流出管122と被処理水供給管111を接続させる。また、第2の流路62によって、被処理水管40と被処理水供給管121を接続させる。また、第3の流路63によって、透過水流出管112と超純水配管30を接続させる。これにより、被処理水は第2の限外ろ過膜装置12、第1の限外ろ過膜装置11を順に通流する。
【0111】
上記超純水の製造と限外ろ過膜装置の立ち上げの各工程において、上記のように六方バルブV60を操作することで、第1の限外ろ過膜装置11、第2の限外ろ過膜装置12の被処理水の通流順序を変更することができる。これにより、第1の限外ろ過膜装置11と第2の限外ろ過膜装置12を順に交換、立ち上げしながら超純水を製造することができる。このとき、新品のモジュールとの入れ替え後の立ち上げ運転時間が著しく短縮されるため、高水質の超純水を効率よく製造することができる。また、第1の限外ろ過膜装置11と第2の限外ろ過膜装置12に備えられる限外ろ過膜モジュールのハウジングにおける導入口、透過水流出口及び濃縮水流出口の配設位置がそれぞれ互いに共通する。そのため、限外ろ過膜モジュールの導入口、透過水流出口及び濃縮水流出口に接続される超純水製造システムの配管の配置や形態を変更せずに、任意の限外ろ過膜モジュールを移し替えて、これらを交換することもできる。
【0112】
(第4の実施形態)
図12は、直列に接続された2台の限外ろ過膜装置からなる限外ろ過膜ユニットを2つ以上並列に接続した構成を表す概略図である。図12に示す二次純水製造部13は、第1の限外ろ過膜装置11x及び第2の限外ろ過膜装置12xを備える限外ろ過膜ユニット17xと、第1の限外ろ過膜装置11y及び第2の限外ろ過膜装置12yを備える限外ろ過膜ユニット17yと、第1の限外ろ過膜装置11z及び第2の限外ろ過膜装置12zを備える限外ろ過膜ユニット17zとを並列に備えている。限外ろ過膜ユニット17x、限外ろ過膜ユニット17y、限外ろ過膜ユニット17zはそれぞれ被処理水の通流する被処理水管171x、171y、171zと、各限外ろ過膜ユニットの前段において、被処理水供給管171x、171y、171zにそれぞれ介装された開閉バルブV17x、V17y、V17zを有している。
【0113】
図12に示す構成では、同一ユニット内でそれぞれ上記同様に新品の限外ろ過膜モジュールを前段に配置し、経時使用された限外ろ過膜モジュールを後段に配置する方式によって、限外ろ過膜モジュールの交換、限外ろ過膜装置の立ち上げを行うことができる。また、開閉バルブV17x、V17y、V17zの開閉を組み合わせて、3つの限外ろ過膜ユニットのうち、1つのユニットにおいて上記第1~第3の実施形態と同様の方式による限外ろ過膜モジュールの交換、限外ろ過膜装置の立ち上げを行うとともに、他の2つのユニットにおいて超純水の製造を継続することができる。なお、図12では、限外ろ過膜ユニットを3つ並列に接続した態様を示したが、並列に接続される限外ろ過膜ユニットの数は2つあるいは4つ以上でも同様である。また上述と同様、各限外ろ過膜装置が有する限外ろ過膜モジュールの数は、1以上であれば複数であってもよい。限外ろ過膜装置が複数の限外ろ過膜モジュールを有する場合、例えば、前段の限外ろ過膜装置11xが有する限外ろ過膜モジュールの数と、後段の限外ろ過膜装置12xが有する限外ろ過膜モジュールの数は同じであることが好ましい。すなわち、限外ろ過膜装置11xと12xが有する限外ろ過膜モジュールの数が同じであることが好ましく、限外ろ過膜装置11yと12y、及び限外ろ過膜装置11zと12zも同様である。また、各ユニットの前段に備えられる限外ろ過膜装置が有する限外ろ過膜モジュールの数も同じであることが好ましい。すなわち、限外ろ過膜装置11x、11y、11zが有する限外ろ過膜モジュールの数もすべて同じであることが好ましい。これらの限外ろ過膜モジュールの数が同じでない場合には、各ユニットや装置の流量に偏りが生じる片流れ等が起こることがあり、交換周期が著しく短くなったり、水質が悪化するおそれがある。
【0114】
(第5の実施形態)
図13は、1段の限外ろ過膜装置が複数並列した限外ろ過膜モジュールを有する構成を表す概略図である。図13に示す二次純水製造部13は、第1の限外ろ過膜モジュール110p、110q、110rを並列に接続した構成の第1の限外ろ過膜装置11及び第2の限外ろ過膜モジュール120p、120q、120rを並列に接続した構成の第2の限外ろ過膜装置12を備えている。この構成では、1段の限外ろ過膜装置の有する並列接続された限外ろ過膜モジュール群を一まとめとして、前段側の限外ろ過膜モジュール群(限外ろ過膜装置11の有する限外ろ過膜モジュール)と後段側の限外ろ過膜モジュール群(限外ろ過膜装置12の有する限外ろ過膜モジュール)の間において、上記第1~第3の実施形態と同様に、新品の限外ろ過膜モジュールを前段に配置し、経時使用された限外ろ過膜モジュールを後段に配置する方式によって、限外ろ過膜モジュールの交換、限外ろ過膜装置の立ち上げを行うことができる。なお、図13では、1つの限外ろ過膜装置が並列に接続した3つの限外ろ過膜モジュールを有する態様を示したが、並列に接続される限外ろ過膜モジュールの数は2つあるいは4つ以上でも同様である。
【0115】
(第6の実施形態)
図14は、直列に接続された2つの限外ろ過膜装置からなる限外ろ過膜ユニットを2つ以上並列に接続し、1段の限外ろ過膜装置が複数並列した限外ろ過膜モジュールを有する構成を表す概略図である。
【0116】
図14に係る構成は、第1の限外ろ過膜装置11x及び第2の限外ろ過膜装置12xを備える限外ろ過膜ユニット17xと、第1の限外ろ過膜装置11y及び第2の限外ろ過膜装置12yを備える限外ろ過膜ユニット17yとを並列に備えている。そして、第1の限外ろ過膜装置11x及び限外ろ過膜装置11yは、いずれも、第1の限外ろ過膜モジュール110p、110q、110rを並列に接続した構成であり、第2の限外ろ過膜装置12x及び限外ろ過膜装置12yは、いずれも、第2の限外ろ過膜モジュール120p、120q、120rを並列に接続した構成である。
【0117】
図14に係る構成においては、限外ろ過膜ユニットごとに、1段の限外ろ過膜装置の有する並列接続された限外ろ過膜モジュール群を一まとめとして、前段側の限外ろ過膜モジュール群と後段側の限外ろ過膜モジュール群の間において、上記第1~第3の実施形態と同様に、新品の限外ろ過膜モジュールを前段に配置し、経時使用された限外ろ過膜モジュールを後段に配置する方式によって、限外ろ過膜モジュールの交換、限外ろ過膜装置の立ち上げを行うことができる。
【0118】
上記複数の限外ろ過膜ユニットを、1つの限外ろ過膜装置に複数の限外ろ過膜モジュールを並列接続して有する構成においても、新品のモジュールとの入れ替え後の立ち上げ運転時間が著しく短縮されるため、高水質の超純水を効率よく製造することができる。また、第1の限外ろ過膜装置11と第2の限外ろ過膜装置12に備えられる限外ろ過膜モジュールのハウジングにおける導入口、透過水流出口及び濃縮水流出口の配設位置がそれぞれ互いに共通する。そのため、限外ろ過膜モジュールの導入口、透過水流出口及び濃縮水流出口に接続される超純水製造システムの配管の配置や形態を変更せずに、任意の限外ろ過膜モジュールを移し替えて、これらを交換することもできる。
【実施例
【0119】
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。本発明は以下の実施例に限定されない。
(実施例)
原水を原水タンクから、熱交換器、紫外線酸化装置(日本フォトサイエンス社製、JPW-2)、Pd担持樹脂(LANXESS社製、Lewatit K7333)、膜脱気装置(3M社製X40 G451H)及び非再生型混床式イオン交換装置(野村マイクロ・サイエンス製 N-Lite MBSPを200L充填)に順に通水して処理した。この非再生型混床式イオン交換装置の処理水を第1の限外ろ過膜装置及び第2の限外ろ過膜装置に順に通水した。第1の限外ろ過膜装置及び第2の限外ろ過膜装置としては仕様(限外ろ過膜の形状及び性質、限外ろ過膜モジュールの形状など)の同じ限外ろ過膜装置(旭化成社製、OLT-6036)を用いた。
【0120】
上記原水の処理を1年連続して行った後、第2の限外ろ過膜装置を新品に交換して、新品の第2の限外ろ過膜装置、第1の限外ろ過膜装置の順に通液して立ち上げ運転を20時間行った。立ち上げ運転は上記熱交換器に超純水を供給して行った。立ち上げ運転における、第1の限外ろ過膜装置の処理水中に含まれる粒子径20nm以上の微粒子数の経時変化を調べた。微粒子数の測定には、Particle Measuring Systems社製の微粒子計UltraDI-20を用いた。結果を図15に示す。
【0121】
(比較例)
実施例と同様に、原水の処理を連続して行った後、第2の限外ろ過膜装置を新品に交換して、第1の限外ろ過膜装置、新品の第2の限外ろ過膜装置の順に通液して実施例と同様に立ち上げ運転を20時間行った。実施例と同様に、立ち上げ運転における、第2の限外ろ過膜装置の処理水中に含まれる粒子径20nm以上の微粒子数の経時変化を調べた。結果を実施例とあわせて図15に示す。図15において黒四角が実施例であり白四角が比較例である。
【0122】
実施例及び比較例により、新品の限外ろ過膜モジュールを前段に配置し、経時使用された限外ろ過膜モジュールを後段に配置することで、立ち上げ運転時間を短縮することができたことが分かる。
【符号の説明】
【0123】
11、12…限外ろ過膜装置、13,131…二次純水製造部、14…前処理部、15…一次純水製造部、16…ユースポイント(POU)、18…微粒子計、110…第1の限外ろ過膜モジュール、120…第2の限外ろ過膜モジュール、11a,12a…導入口、11b,12b…透過水流出口、11c,12c…濃縮水流出口、111,121…被処理水供給管、112,122…透過水流出管、113,123…超純水配管、114,124…濃縮水流出管、115,125…移送配管。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15