(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】空間データ処理システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06T 17/05 20110101AFI20230424BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
G06T17/05
G09B29/00 A
(21)【出願番号】P 2020513804
(86)(22)【出願日】2018-09-07
(86)【国際出願番号】 AU2018050969
(87)【国際公開番号】W WO2019046899
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-08-13
(32)【優先日】2017-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】509351568
【氏名又は名称】シーエムティーイー ディベロップメント リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シャーロット・セナーステン
(72)【発明者】
【氏名】クレイグ・エー・リンドリー
(72)【発明者】
【氏名】ベン・エヴァンズ
(72)【発明者】
【氏名】アレックス・グレース
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン・ワイズ
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-514205(JP,A)
【文献】特開2014-139538(JP,A)
【文献】特開2006-277562(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0267705(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0086352(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0007148(US,A1)
【文献】特開2014-089104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 17/05
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
緯度、経度及び高度によって表現される測地基準フレーム内に地理的に位置する3次元空間情報を扱うためのシステムであって、
前記3次元空間情報に関連付けられた視覚対話型アプリケーションの作成のための特殊アプリケーションレイヤと、
メッセージ受渡しインターフェースを含む、3次元空間情報照会ルーチンを提供する汎用基礎クライアントと、
ボクセルデータベースとして3次元空間情報を記憶するために前記メッセージ受渡しインターフェースを介して前記汎用基礎クライアントに相互接続されるボクセルサーバと
を含
み、
前記ボクセルデータベースが、前記3次元空間情報を、前記測地基準フレーム内の緯度、経度及び高度に対応する座標によってインデックス付けされた複数の地理参照ロケーションボクセルの形態で構造化する、システム。
【請求項2】
前記ボクセルデータベースは、
前記測地基準フレーム内で位置決めされた個々のx、yおよびz座標によってインデックス付けされた
前記3次元
空間情報を記憶し、xおよびyは
緯度および経度に対応する平面座標であり、zは
高度に対応する深度座標である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ボクセルデータベースは、前記3次元空間情報を再帰的に、階層方式で再帰的に構造化する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記3次元
空間情報は、
前記測地基準フレーム内で測地可能な測地空間またはユークリッド空間のいずれかとして記憶される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記3次元空間情報は、ロケーション
ボクセルに関連付けられた物質プロパテ
ィを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記3次元空間情報は、点、線、面、表面、ポリゴン、形状または体積
を含むデータオブジェクトを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記3次元空間情報は、テクスチャ、画像およびビデオ
を含む構造化されたデータオブジェクトを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記特殊アプリケーションレイヤは、3次元空間化された空間中を動き、空間化されたデータを記録するリアルタイムオブジェクトを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記3次元空間情報は、
前記ロケーションボクセルに関連付けられた鉱物資源値見積を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記鉱物資源値見積は、前記
ロケーションボクセルに関連付けられた複数のモデルのマージから導出される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記3次元空間情報は、ブロックチェーン検証可能データを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
緯度、経度及び高度によって表現される測地基準フレーム内に地理的に位置する地理的、測地学的または幾何学的ベースのデータの記憶、アクセスおよび更新のための方法であって、
個々のx、yおよびz座標によってインデックス付けされた
複数の地理参照ロケーションボクセルの形態で前記データを記憶するステップであって、x、yは
前記測地基準フレーム内の緯度および経度に対応する平面座標を示し、zは
前記測地基準フレーム内の高度に対応する深度座標を示す、ステップを含む方法。
【請求項13】
時間座標によってインデックス付けされた前記データを記憶するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記地理的、測地学的または幾何学的ベースのデータは、再帰的に下位分割可能な3D体積方式で地理参
照空間ロケーションデータとともに記憶される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
物質の体積を空間的量子化する体積要素を有する物質ボクセルを形成するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記物質ボクセルは階層的に構成可能および分解可能である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記xおよびy座標は、スケーラビリティのある、
1mの距離を表す、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
デフォルトz座標は、
20kmのデフォルト高さから
5kmの深度に及ぶ、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記
ロケーションボクセルは、点、線および面を含むデータオブジェクト(テクスチャ、画像およびビデオであってよい)を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記
ロケーションボクセルは、空間境界によって境界される体積データを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
前記
ロケーションボクセルは時間的時系列要素を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
前記
ロケーションボクセルは、ボクセル内での物質の確率的分布を定義する構造を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項23】
ボクセルを編集するためのボクセルエディタをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間化されたデータの処理のためのシステムおよび方法に関し、詳細には、ボクセルデータ構造を扱うためのシステムを開示する。
【背景技術】
【0002】
本明細書を通しての、背景技術のいかなる考察も、そのような技術が広く知られているか、または本分野における共通一般知識の一部を形成することの容認と見なされるべきではまったくない。
【0003】
ほとんどのソフトウェア、ならびにデータ、情報および知識モデルの形のモデルはあまりにも非連結であり、物理的世界にあまりにもつながっていないので、それらは、継続中の必要性に対処するためのモデルであると称する(たとえば、ウェブは依然として、主として2Dプリントマガジンモデルに基づく)。最も大きい難題は、計算可能モデルと、過去、現在または未来(予測)にかかわらず、それらがモデル化することを意図するものとの同期である。
【0004】
地理的、空間的、幾何学的および物質的データセットの効率的記憶および処理を提供することが望ましいであろう。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】OpenGIS(登録商標)Simple Features Access(SFA)(ISO19125)
【文献】OpenGIS(登録商標) Implementation Standard for Geographic information - Simple feature access -Part 1: Common architecture, and Part 2: SQL option, (OGC 06-103r4, Version: 1.2.1)
【文献】OGC:06-103r4 Part 1、subsection 6.1.2.1
【文献】OGC:06-103r4 Part 1
【文献】OGC:12-063r5 (ISO19111:2007、4.10)
【文献】ISO19111:2007、4.8
【文献】ISO19111:2007、4.14
【文献】ISO19111:2007、4.23
【文献】ISO19111:2007、4.24
【文献】ISO19111:2007、4.18
【文献】ISO19111:2007、4.33
【文献】ISO19111:2007、4.21
【文献】ISA-95
【文献】ISO8601:2004
【文献】ISO/IEC WD 13249-3 Information technology - SQL Multimedia and Application Packages - Part 3: Spatial 3rd Edition
【文献】http://www.json.org/
【文献】https://www.isa.org/isa95/
【文献】http://www.mesa.org/en/B2MML.asp
【文献】https://www.iso.org/standard/53698.html
【文献】OGC06-104r4、http://www.opengeospatial.org/standards/sfs
【文献】Rossi M. E.およびDeutsch C. V., 2014, Mineral Resource Estimation, Springer
【文献】Journel, A. G & Huijbregts, C. J. (Charles J.) (2003). Mining geostatistics. The Blackburn Press, New York
【文献】Sinclair A. and Blackwell G. 2002 Applied Mineral Inventory Estimation. Cambridge University Press, United Kingdom
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、その好まれる形において、地理的および幾何学的データセットの効率的記憶および処理のための、ならびにそれらの操作のためのシステムおよび方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によると、地理的ベースのデータの記憶、アクセスおよび更新のための方法が提供され、この方法は、個々のx、yおよびz座標によってインデックス付けされたデータを記憶するステップを含み、x、yは平面座標を示し、zは深度座標を示す。いくつかの実施形態では、本発明は、再帰的に構造化された測地幾何学データセットを含み得る。いくつかの実施形態では、データは、量子化されたx、y、zによってインデックス付けされた、階層的にボクセル化されたデータとして記憶され得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、データを記憶することは、時間座標によってインデックス付けされ得る。時間データも含められ、次いで、時間座標によってインデックス付けされ、取り出され得る。実施形態は、ロケーションボクセルと物質ボクセルとの間の重要な区別を含み得る。すべてのタイプのボクセルは、再帰的/階層的に構造化され得る。
【0009】
ロケーションボクセルは、測地学的またはユークリッドであってよい。測地ボクセルは、ボクセルのジオメトリでの地球の曲率を含む、天体のボクセル化における単位である。ユークリッドボクセルは、3つの直交軸を有するユークリッド空間基準フレーム内にあり、ユークリッド基準フレームと整列されたボクセルにボクセル化された単位であり、本質的には曲線状でない。ユークリッド基準フレームおよび/またはユークリッドボクセルは、測地基準フレーム内に地理的に位置し得る(すなわち、それらは地理的に位置し得る)。たとえば、地下鉱山をマップするのに使われるユークリッド基準フレームであって、ここで、この基準フレームは、緯度、経度および高度によって表される測地ロケーションも有する。
【0010】
いくつかの実施形態では、ロケーションボクセルのx、yおよびz座標は、約1mの寸法へのデフォルト量子化を有するが、再帰的構造は、これらが、それぞれ、より大きいか、またはより小さいスケールのロケーションボクセルに再帰的に構成または分解され得ることを意味する。いくつかの実施形態では、デフォルトのz座標は、20kmの高さから10kmの深度に及ぶ。
【0011】
物質ボクセルは、物質の体積を空間的に量子化する体積要素である。物質ボクセルは、階層的に構成可能および分解可能であり得る。すべての物質ボクセルは、ロケーションボクセルからなるシステムにおいて、適切な階層スケールに位置し得る。ただし、ロケーションおよび物質ボクセルの間の決定的な違いは、ロケーションボクセルはロケーションが変わらないが、物質ボクセルはロケーションが変わり得ることである。物質ボクセルは、それらの物質特性が変わり、かつ/または有限寿命を有する場合があり、続いて、変換され、他の物質ボクセルと混合されて、より大きいスケールの物質ボクセルを形成するか、または1つもしくは複数のより小さいスケールの物質ボクセルに分離される。したがって、物質ボクセルは、時間とともに形成され、破壊され得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、地理的ベースのデータは、地理参照された空間ロケーションデータとともに、再帰的に下位分割可能な3D体積方式で記憶され得る。成形物質ボクセルは、物質の体積を空間的に量子化する体積要素を有する。物質ボクセルは好ましくは、階層的に構成可能および分解可能である。x、yおよびz座標は、スケーラビリティのある、約1mの距離を表すデフォルト量子化を有する。デフォルトz座標は、約20kmのデフォルト高さから約5kmの深度に及ぶ。
【0013】
ボクセルは、点、線、面、表面、ポリゴン、形状および体積を含むデータオブジェクト、ならびにテクスチャ、画像およびビデオなどの構造化された空間オブジェクトを含み得る。
【0014】
ボクセルは、空間境界によって境界される体積データを含み得る。ボクセルは、時間的時系列要素およびアニメーションを含み得る。ボクセルは、エージェントとして機能するとともに互いおよび外部環境と通信する能力を有するオブジェクトも備え得る。
【0015】
ボクセルは、ボクセル内での物質の確率的分布を定義する構造を含み得る。原点、構造および表面も確率的であってよい。本発明の第1の態様によると、3次元空間情報を扱うためのシステムが提供され、このシステムは、3次元空間情報に関連付けられた視覚的対話型アプリケーションの作成のための特殊アプリケーションレイヤと、メッセージ受渡しインターフェースを含む、3次元空間情報照会ルーチンを提供する汎用基礎クライアントと、ボクセルデータベースとして3次元空間情報の記憶するために前記メッセージ受渡しインターフェースを介して前記汎用基礎クライアントに相互接続されるボクセルサーバとを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、ボクセルデータベースは、個々のx、yおよびz座標によってインデックス付けされた3次元情報を記憶し、xおよびyは平面座標であり、zは深度座標である。いくつかの実施形態では、3次元空間情報は、測地学的またはユークリッド空間中において、再帰的に、階層式に記憶される。
【0017】
3次元空間情報は、ロケーション情報を、前記ロケーション情報に関連付けられた物質プロパティに加えて含み得る。3次元空間情報は、点、線、面、表面、ポリゴン、形状または体積などのデータオブジェクトと、テクスチャ、画像およびビデオなどの構造化されたデータオブジェクトとを含み得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、特殊アプリケーションレイヤは、3次元空間化された空間中で動くとともに、空間化されたデータを記録するリアルタイムオブジェクトを含み得る。3次元空間情報は、前記3次元空間ロケーションに関連付けられた鉱物資源値見積を含み得る。鉱物資源値見積は、3次元空間情報に関連付けられた複数のモデルのマージから導出され得る。いくつかの実施形態では、3次元空間情報は、ブロックチェーン検証可能データを含む。
【0019】
次に、本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、例としてのみ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】地球を1m
3の地理位置ボクセルに分割するVoxelNETのプロセスを示す図である。
【
図2】典型的なインターネットプロトコルスタック内での、ボクセル通信のためのVoxelNETプロトコルレイヤの相互関係を示す図である。
【
図3】単一のリポジトリ上に構築されるときのVoxelNETシステムの全体的構造を示す図である。
【
図4】VoxelNETによって使われ、拡張されるオープンジオメトリクラス用のOpen Geospatial Consortiumのジオメトリクラス階層を示す図である。
【
図5】VoxelNETによって大きく拡張される、ジオメトリオブジェクトタイプに対する例示的な、および拡張されたクラス動作を示す図である。
【
図6】例示的ボクセルエディタインターフェースを示す図である。
【
図7】ボクセルエディタインターフェースのさらなる例を示す図である。
【
図8】ボクセルデータへの曲線および表面フィッティングのプロセスを示す図である。
【
図9】アクティブなプロジェクトにおいて現在実装されているVoxelNETシステムの可能な使用法を示す図である。
【
図10】VoxelNETシステムの一点クライアント実証機を示す図である。
【
図11】VoxelNETシステム用のマルチクライアント実証機を示す図である。
【
図12】ボクセル空間および実空間中で一斉に光線追跡する例示的プロセスを示す図である。
【
図13】複数のモデルをマージするプロセスを概略的に示す図である。
【
図14】形状と交差する交差プロセスを概略的に示す図である。
【
図15】voxelNetに発破孔データを追加するプロセスを概略的に示す図である。
【
図16】voxelNetに牽引および検定データを追加するプロセスを概略的に示す図である。
【
図17】モデルへのミルデータの追加を示す図である。
【
図18】高解像度モデルを生じるプロセスを示す図である。
【
図19】データプランニングにおいて高解像度モデルを使うプロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
好ましい実施形態は、インターネットのテキストベース構造およびセマンティクスを超える、物理空間および時間に根差した多次元データ、情報、知識および機能的ハイパー構造を提供する。好ましい実施形態は、時空エンティティおよびそれらの表現の、このデータ、知識および機能情報エコシステムのための新規インフラストラクチャを提供して、部分的ソリューションを、知的、産業、経済、政治、社会、および創造的理論および実践のための汎用計算プラットフォームに統合する。
【0022】
多次元の、相互接続された情報基盤は、3次元(3D)空間ロケーション、体積、物質、オブジェクトおよび時間分布の上に、認知、分析、解釈、物語論的などであってよい、関連付けられたプロパティ、挙動、プロセスおよびメタプロセスとともに設置される。
【0023】
好ましい実施形態は、再帰的に構造化されたボクセルに関してデータが記憶され、操作されるシステムおよび方法を提供する。
【0024】
最初に
図1に移ると、デジタルアースは、個々のID(x、y、またはz、および時間)/(緯度、経度、高さ/深度および時間)中心点アドレスをもつ、デフォルトの1m
2ボクセルに下位分割される。ボクセルプロトコル(VP)は、ボクセル「との」またはボクセル(アドレスによって識別される)間での通信を可能にする。z次元が、所定の高さおよび深さまで、1m間隔でさらに定義される。アーキテクチャ構造は、ボクセル固有地球IDによってインデックス付けられ得る再帰的測地および幾何学構造を含む。
【0025】
図2に示すように、VoxelNETおよびそれに関連付けられたプロトコルが、ネットワークアクセスの上のレイヤ、インターネット(TCP/IP)プロトコルレイヤのインターネットおよびトランスポートレイヤを構成する(これ以降でより詳しく記載する)。これにより、アプリケーションと基底インフラストラクチャとの間の、いくつかのレベルの抽象化が可能になる。
【0026】
VoxelNETマルチクライアント、単一リポジトリ(MCSR)システムの機能的概論が、
図3において30と示される。ユーザは、特殊化アプリケーション31を介してVoxelNETシステムにアクセスすることができる。アプリケーションは、VoxelNETネットワークへのアクセスのために、VoxelNET汎用基礎クライアントレイヤ32を呼び出す。VoxelNET汎用基礎クライアントレイヤ32は、VoxelNETプロトコルレイヤ33を介してVoxelNETサーバ34にアクセスする。サーバは、VoxelNETデータをスケーラブルデータストアに記憶する様々なVoxelNETリポジトリ35にアクセスする。
【0027】
VoxelNET-MCSRリポジトリ/データベース35
【0028】
VoxelNETコア概念および論理的構造は、VoxelNetでの記憶のために、VoxelNETリポジトリスキーマおよびデータベース設計において表される。空間、空間オブジェクト、ジオメトリおよび時間の表現は、以下を含む、いくつかのコア基礎によるものであってよい。
【0029】
ロケーションボクセル:特定のジオロケーションにある構成可能および分解可能体積要素であって、再帰的に下位分割可能な3D体積および地理参照された空間ロケーションシステムを構成する。
【0030】
物質ボクセルであって、物質の体積を空間的に量子化するとともに、ボクセルが表す物質の移動/修正を反映するように動かされ、かつ/または修正され得る、構成可能および分解可能体積要素。
【0031】
空間的に位置するオブジェクト:たとえば、点、線(直線または曲線)、面(平面または曲面)、3Dオブジェクト(単純なユークリッド基本要素および複合構造)、任意の必須空間境界によって境界される体積。
【0032】
さらに、構造は、これらの形のうちの任意のものの空間アセンブリ、これらの形のうちの任意のものの空間分布、これらの形の組合せの空間分布またはアセンブリ、これらの形のうちの任意のものの空間分布/アセンブリの空間分布/アセンブリを(再帰的に)含む。時間とともに変わるすべてのものは、タイムスタンプ付き変化を有し、それらのオブジェクトの履歴を記録し、時系列分析をサポートする。
【0033】
OGC用語では、実世界オブジェクトを表す幾何学的構造は特徴と呼ばれる。VoxelNETにおける単純素性ジオメトリは、OpenGIS(登録商標)Simple Features Access(SFA)(ISO19125とも呼ばれる)、OpenGIS(登録商標) Implementation Standard for Geographic information - Simple feature access -Part 1: Common architecture, and Part 2: SQL option, (OGC 06-103r4, Version: 1.2.1)に準拠して記述される。
【0034】
図4は、OGC: 06-103r4 Part 1からのジオメトリクラス階層40を示す。基本Geometryクラスは、Point、Curve、Surface41~43およびGeometryCollection44のためのサブクラスを有する。各幾何学オブジェクトは、基本Geometryクラスに関連付けられた空間基準システムから継承されるSpatial Reference System46に関連付けられる。
【0035】
拡張Geometryモデルは、それぞれ、Point、LineStringsおよびPolygonの集合体に対応するモデリングジオメトリについての、Multipoint、MultiLineStringおよびMultiPolygon47という名称の、特殊化された0、1および2次元集合体クラスを有する。MultiCurveおよびMultiSurfaceは、集合体インターフェースを、CurveおよびSurfaceを扱うように一般化する抽象スーパークラスとして採り入れられる。
【0036】
OGC:06-103r4 Part 1、subsection 6.1.2.1から、この規格において定義されるGeometryのインスタンス化可能なサブクラスは、2、3または4次元座標空間(R2、R3またはR4)(R=次元性)中に存在する0、1および2次元幾何学オブジェクトに限定される。R2中のGeometry値は、xおよびyについての座標値をもつ点を有する。R3中のGeometry値は、x、yおよびzについての、またはx、yおよびmについての座標値をもつ点を有する。R4中のGeometry値は、x、y、zおよびmについての座標値をもつ点を有する。座標の解釈は、点に関連付けられた座標基準システムに支配される。ジオメトリオブジェクト内のすべての座標は、同じ座標基準システム中にあるべきである。各座標は、直接、またはそれが含むジオメトリを通してのいずれかで、座標基準システムに明確に関連付けられるものとする。
【0037】
Geometryオブジェクトタイプ向けの例示的クラス動作が、
図5において50と示される。点のz座標は通常、高度または海抜を表すが、必ずしもそうであるとは限らない。m座標は、測定値を表す。記述されるすべてのGeometryクラスは、Geometryのインスタンスが位相的に閉じている、すなわち、すべての表されるジオメトリがそれらの境界を点集合として含むように定義され得る。このことは、それらの表現には影響せず、位相的表現など、同じクラスのオープンバージョンが、他の状況において使われ得る。Point値は、m座標値を含み得る。m座標値により、アプリケーション環境は、点値に何らかの測度を関連付けることができる。
【0038】
これらの形のうちのいくつかのための、ドラフトのテーブル作成ステートメントの例は、次の通りであり得る。
【0039】
CREATE TABLE spatialObject (
spatialObject_pk SERIAL primary key,
SRSI smallint,
originPointLatLongHeight GEOGRAPHY(POINTZ,4326),
originPointXYZ GEOMETRY(POINTZ,4326),
objectType TEXT,
objectName TEXT,
authourOwner TEXT,
notes TEXT
);
CREATE TABLE pointDataSet(
pointDataSet_pk SERIAL primary key,
pointDataSetName VARCHAR(20) NOT NULL,
dateOfCollection DATE
) INHERITS (spatialObject);
CREATE TABLE pointData(
pointData_pk SERIAL primary key,
pointDataSet_fk SERIAL references pointDataSet(pointDataSet_pk),
dataLabel VARCHAR(20) NOT NULL,
dataValue VARCHAR(20),
pointXYZ GEOMETRY(POINTZ,4326)
) INHERITS (spatialObject);
CREATE TABLE _3DPrimitive
(
_3DPrimitive_pk SERIAL primary key,
_3DPolygon GEOMETRY(POLYGONZ,4326)
) INHERITS (spatialObject);
【0040】
以下の表は、OGC:06-103r4 Part 1において定義されるクラスを、VoxelNETシステムのこのセクションにおいて定義される空間オブジェクトタイプと比較する。
【0041】
【0042】
空間(座標)基準システム
【0043】
VoxelNETは、空間(座標)基準システム、すなわちSRSが、「座標が点にどのように割り当てられるべきであるかを特定するための数学的規則のセット」であるというOGC:12-063r5からの定義(ISO19111:2007、4.10)を使う。座標基準システムとは、データによってオブジェクトに関連した座標系であり(ISO19111:2007、4.8より)、ここでデータとは、「座標系の原点の位置、スケール、および配向を定義する、パラメータ、またはパラメータのセット」である(ISO19111:2007、4.14)。座標系のいくつかの形は、以下を含む。
【0044】
・直交座標は、ゼロ曲率を各々が有するn個の互いに垂直な軸に相対した点の位置を与える(OGC:12-063r5)。3Dのケースでは、これは、通常はx、yおよびzとして標示される3つの直交軸を有する共通座標系であり、ここで、点は、(x,y,z)座標によって位置決めされる。
【0045】
・測地座標(ときには地理座標と呼ばれる)は、「測地データに基づく座標基準システム...」(ISO19111:2007、4.23)であり、ここで、測地データとは、「...2または3次元座標系と地球の関係を記述するデータ...」(ISO19111:2007、4.24)である。測地座標系の主たる例は、(φ,λ,h)によって表される、「測地緯度、測地経度および楕円高さによって位置が特定される」(ISO19111:2007、4.18)楕円座標系である。
【0046】
・投射座標、またはマップ投射は、地表面の2次元マップを作成するのに使われる、楕円座標系から面への座標コンバージョンである(ISO19111:2007、4.33)。異なる目的のために使われる、多くのそのような数学的マッピングが存在する。
【0047】
・局所座標は、非地球(非地理参照)座標系における直交座標を含む。局所座標系はしばしば、CADアプリケーションおよびローカル測量に使われる。
【0048】
・工学座標基準システムは、工学データに基づく座標基準システムであり(ISO19111:2007、4.21)、ここで、工学データは、局所基準点を、より大きいスケールの座標系にマップする(ISO19111:2007、4.21)。例は、採鉱地(表面および地下)をマップするための局所デカルト座標系であり、ここで、局所座標軸は、測地座標データに関して回転され得る。
【0049】
異なる様々な座標系において表される座標は概して、座標変換によって相互置換され得る。OGC:12-063r5において定義される他の座標および座標基準システムも、適応されることが可能であり得る。
【0050】
物質ボクセル:物質ボクセルは、ISA-95における物質ロットの定義に一致する、物質の特定の量を有するボクセルであり得る。物質ボクセルは階層的に構成可能および分解可能であり、このケースでは、より大きいスケールの物質ボクセル内の物質ボクセルの定義は、より大きいスケールの物質ボクセルの他のサブセットから区別するためのボクセル定義を使う。これらのより小さいスケールのボクセルは、ISA-95における物質サブロットの定義に一致する。物質ボクセルは、本質的には空間的に位置決めされないクラスまたはタイプ情報に関連付けられ得る。
【0051】
空間的に位置するオブジェクトおよびエージェント:物質ボクセルは、体積を有する空間オブジェクトの(任意の形状の)サブセットであり、物質ボクセルの記述子も、他の空間形態(たとえば、点、または点からなる線、など)に従って空間的に構造化されるか、または分散されてよい。空間構造とは、それらの間の特定の、表される関係を有する空間オブジェクトのセットである。物質ボクセルを含む空間オブジェクトは、1)絶対的に存在し、位置し、かつ/または境界されてよく、単一のロケーションと、オブジェクトの中または外にものがあるときは明快な境界表面マーキングとを有する。2)確率的に存在し、位置し、かつ/または境界されてよく、オブジェクトがロケーションにあるか、またはオブジェクトの近くの点がその境界の内部もしくは外側にある確率を表す、ロケーションおよび/または境界表面のセットまたは区域を有する。
【0052】
空間ロケーションおよびオブジェクトは、属性、およびそれらに関連付けられた属性値を有し得る。たとえば、採鉱ブロックモデル内のブロックは、ブロック内の平均金属グレード、硬度、および密度を表す属性を有し得る。属性値は、オブジェクト記述が多次元であり、3空間次元および1時間次元を超えることを意味する。データ属性は、追加次元を表す。
【0053】
たとえば、物質ボクセルは最初、鉱床の中の岩のブロックを表す場合がある。ブロックが爆破されると、物質ボクセルは、その作成周期における、あらゆる爆破された物質を表す他のボクセルとアグリゲートされる。爆破の後、アグリゲートされたブロックは、3次元での確率的ロケーション、ならびにロケーションの関数である確率的サイズ分布を有する、より小さい物質ボクセルの関連付けによって表され得る。
【0054】
物質ボクセルは、他の空間形態(たとえば、点、または点からなる線のパターン、など)に従って空間的に構造化されるか、または分散され得る。物質ボクセルは、本質的に空間的でないクラス、タイプおよびインスタンス情報にも関連付けられ得る。
【0055】
非物質ボクセル:非物質ボクセルは、関連付けられた物質特性をもたない、一意に識別可能な形状および体積である。それらは、ロケーションボクセルおよび物質ボクセルと重なる場合があり、静的または可動、構造化されている場合があり、階層的に構成可能および分解可能である仮想構成体である。非物質ボクセルは、空間的に位置するオブジェクトおよびエージェントも有する(下記参照)特徴を有することができ、それらは、本質的に空間的でないクラス、タイプおよびインスタンス情報に関連付けられ得る。
【0056】
非物質ボクセルは、クラス分け、使用の差別化、分析などの目的のために、空間の境界を定めるように機能する。例として、空域形状、ジオフェンス、制限された(たとえば、安全な)エリア、安全性緩衝、および社会政治的区域がある。このテキストでは、物質ボクセルの特徴は、特徴が、質量を有することに直接または間接的に依存しないとき、非物質ボクセルに潜在的に当てはまるように理解される。
【0057】
確率的ロケーションおよび境界:物質ボクセルを含む空間オブジェクトは、絶対的に存在し、位置し、かつ/または境界されてよく、単一のロケーションと、オブジェクトの中または外にものがあるときは明快な境界表面マーキングとを有する。確率的に存在し、位置し、かつ/または境界されてよく、オブジェクトがロケーションにあるか、またはオブジェクトの近くの点がその境界の内部もしくは外側にある確率を表す、ロケーションおよび/または境界表面のセットまたは区域を有する。
【0058】
たとえば、物質ボクセルは最初、鉱床の中の岩のブロックを表す場合がある。ブロックが爆破されると、物質ボクセルは、その作成周期における、あらゆる爆破された物質を表す他のボクセルとアグリゲートされる。爆破の後、アグリゲートされたブロックは、3次元での確率的ロケーション、ならびにロケーションの関数である確率的サイズ分布を有する、より小さい物質ボクセルの関連付けによって表され得る。
【0059】
空間オブジェクトの属性および注釈:ロケーションボクセル、物質ボクセルおよび空間オブジェクトは、属性およびそれらに関連付けられた属性値を有し得る。たとえば、採鉱ブロックモデル内のブロックは、ブロック内の平均金属グレード、硬度、および密度を表す属性を有し得る。属性値は、オブジェクト記述が多次元であり、3空間次元および1時間次元を超えることを意味する。データ属性は、追加次元を表す。
【0060】
時間の表現:OGC:12-063r5と一致し、カレンダー日付および時間は、ISO8601:2004において定義されるように、グレゴリオ暦、24時間時計およびUTCに限定される。どの精度も認められ、地質時代またはグレゴリオ以外の暦などの他の日付フォーマットは、フリーフォーマット引用符付きテキスト列を通して述べられ得る。
【0061】
動きの表現:物質、オブジェクトおよびエージェントの動きは、1)幾何学アセンブリの一部であるスケルトンモデルの接合部の回転および置換に関して特定される、あらかじめ定義されたアニメーションステップのセット、2)衝突体積/メッシュ、鋼体ダイナミクス、軟体および流体ダイナミクスに基づく衝突検出を含む特定の物理エンジンを使う、物理的現象のシミュレーション、3)動きおよび軌道を記述する数学関数のうちの1つまたは複数によって表される。
【0062】
データセットの表現:インポートされるべきデータセットは、点群と、メッシュモデル、オブジェクトスケルトンモデル、物質およびテクスチャ、アニメーションセットのうちの1つまたは複数を組み込む任意のフォーマットでの3Dオブジェクトと、地形、地域およびGISマップおよびモデルと、穿孔データと、発破孔データと、鉱体モデルと、鉱山ブロックモデルと、鉱山アーキテクチャおよび現場モデルと、アーカイブおよびライブストリーミングの両方を含む多様なセンサーデータとを含み得る。
【0063】
VoxelNET空間データオブジェクトおよびエンティティに対して定義される標準動作および方法は、座標系に対して定義される標準動作および方法、ロケーションボクセルに対して定義される標準動作および方法、物質ボクセルに対して定義される標準動作および方法、ならびに空間的に位置するオブジェクトおよびエージェントに対して定義される標準動作および方法を含み得る。
【0064】
ボクセルカウント:いくつかの実施形態では、地球に対して、ボクセルは、地球表面にわたって、20kmの高さおよび10kmの深度をもつ1m3の解像度で定義される。ボクセルの総デフォルト数はしたがって、約1.2782×1019m3または12.782エクサボクセルであり、アドレスを表すのに、約23ビットを必要とする。
【0065】
一実施形態では、球面状の地球を覆う立方体が提供され、これは、測地システムを、ユークリッド系統化との組合せで使うことを意味する。立方体は、地球を覆う構造を有さなければならず、歪められるべきではない。赤道外周(0度)のそばでは、すべての立方体は、無視できる重なりを有して、完璧に形成され、整列され、個々のIDを携える。極のそばでは、すべての立方体が重ねられ、極の所で(赤道から90度の所で)ただ1つの立方体ロケーションに収束している。赤道と極との間で、隣接する立方体は、縦方向に漸進的に重なる必要があり、明快なあらかじめ定義された識別子を依然として有する。極に向かって赤道から60度の所で、立方体は、経度方向において50%/50%だけ重ねられる。
【0066】
主要VoxelNET-MCSRサーバ(
図3の34)
【0067】
API(アプリケーションプログラミングインターフェース)サーバインターフェースが、VoxelNETサーバにアクセスするために定義される。インターフェースは、機能および手順のセットに関して定義され、プログラムが、アプリケーション内の機構へのアクセスを得ることを可能にする。インターフェースは、機能、物理的相互接続、信号交換に関する様々な特性、および適宜に、他の特性によって定義される、2つの機能ユニットの間のメッセージ受渡し境界36、37を提供する。APIの値は、ソフトウェアシステムの構成要素の間のよく知られているインターフェースを提供するものである。APIは、モジュール方式をサポートするので、ソフトウェア開発において有用である。明確に定義されたインターフェースは、独立、交換可能モジュールへの、機能性の分離を可能にする。APIはしばしば、ウェブサービスとして実体化されるが、共通して、Javaスクリプトなど、特定のプログラミング言語もターゲットとする。パブリックAPIは、他の組織からの開発者が、APIの背後で提供される機能性にアクセスすることを可能にする。APIは、「プラットフォーム」の役割に密接に関連する。パブリックAPIは、オープンAPIであっても、そうでなくてもよい。「パブリック」であることは、APIが、APIを所有する組織の外において可視的であり、アクセス可能であることを意味する。
【0068】
VoxelNETコア挙動は、VoxelNETリポジトリに関係して実行される機能および動作である。VoxelNETコア挙動は、1)空間、幾何学的および体積データ、エンティティおよび属性/値を探索し、フィルタリングし、追加し、更新し、変換し、消去するための、空間、幾何学的および体積データベース機能、方法および動作、2)点群、メッシュモデル、オブジェクトスケルトンモデル、物質、ビデオ、画像およびテクスチャ、アニメーションセット、地形、地域およびGISマップおよびモデル、ならびにアニメーション実行および標準物理的シミュレーションのうちの1つまたは複数を組み込む、任意のフォーマットでの3Dオブジェクトを含むデータをVoxelNETリポジトリとの間でインポートし、エクスポートするための機能を含む。
【0069】
インポートされるデータファイルタイプは、点群、地学および地域データ、穿孔データ、発破孔データ、ブロックモデルデータ、リアルタイム車両データ、鉱山設計データ、2Dおよび3Dマップ、ならびに海洋ソナーデータを含み得る。
【0070】
適用可能および実用的である限り、VoxelNETコア挙動は、ISO/IEC WD 13249-3 Information technology - SQL Multimedia and Application Packages - Part 3: Spatial 3rd Editionから構成体を組み込み、または導出するスーパーセットである。
【0071】
サーバ側(バックエンド)
【0072】
サーバ側バックエンドは、任意のプログラミング言語で実装されたデータストアに接続された稼動サービスからなる。それらのサービスは、どの既存クライアントおよび将来のクライアントにも公開される。サービスは、局所座標システムを、選ばれた標準グローバル座標系に変換するデータを、データストアに記憶すること、ロケーション照会(場所および天体の周りの近くの場所の緯度、経度、高度、名称など)を使ってデータストアを照会すること、ストリーミングにより、データストアへのボクセル情報を更新すること、ストリーミングによりボクセル情報を取り出すこと、サーバ側アクセスパターンおよび関連データの履歴をとること、クライアントアプリケーション使用収集メトリックを、将来の改良のためにデータストアに記憶すること、クライアントプロファイルをVoxelNETユーザのデータストア、登録、認証および認可に記憶すること、VoxelNETクライアントユーザが、スクリーンショットを閲覧し、編集し、更新し、共有し、撮り、標準ビデオファイルを作成し、ボクセル情報のサーバ/認可されたクライアントデバイスにおいてリアルタイムに共有し、記憶することを可能にする、ユーザの共同のために、メッセージをリアルタイムに受信し、ブロードキャストすることを含む。サービスは、標準REST HTTPプロトコルおよび標準ウェブソケットプロトコルにより公開されることになる。データストアは、RDBMSおよび/またはNoSQLソリューションのいずれでも、組合せでもよい。
【0073】
任意のプログラミング言語で実装される分析サービスは、我々のデータストアの中に記憶されたデータの上で、クライアントアプリケーションユーザ挙動を識別するように、データ駆動洞察を集めるように、およびVoxelNETユーザエクスペリエンスを向上するように稼働する。
【0074】
任意のプログラミング言語で実装される報告サービスは、分析結果のデータの上で、人間可読社会的、経済的、技術的または科学的VoxelNETレポートを提供するように稼働する。
【0075】
オープンソース技術スタックが、VoxelNETサーバ側バックエンドプラットフォームの開発のために使われる。
【0076】
【0077】
VoxelNETシステムは、エディタを含み得るので、ユーザは、ボクセルの機能性にアクセスし、対話することができる。例示的編集スタイルが、
図6に61で示される。エディタは、ボクセル/体積を探索することである、単語により情報を探索するための単なるテキストダイアログウィンドウではなく、対象の体積を定義し、数字、2Dおよび3Dデータ、好ましいレイアウトオプション、ズーム機能、データ列連結、空間ロケーションによるボクセル連結、データが移動するためのボクセル定義経路、いくつかの変数/クロス相関された変数にあらかじめ定義されたアラートを挿入するなど、ボクセル対話をサポートするための、トップスクリーンメニューおよびツールバーなどをもつドロップダウンウィンドウでスクリーンの大部分を覆う3D地球を含み得る。
【0078】
エディタは、目指す使用法に依存して、様々なユーザ要件を満たすように設計される。インターフェースは、異なるロケーションにおいて様々なセンサーを選び、これら(リアルタイムおよび記憶されたデータ)をクロス相関するための手段を提供する。エディタは、すでに記憶されているデータファイルにアクセスするように、様々なデータベースに接続することができるべきである。3Dデータを可視化し、それ(レンダリングされた、ボクセル化された、熱マップ、グレードなど)を表示することも重要である。エディタは、様々な3Dファイル(.obj.、.pcl、.stlなど)をスティッチングして合わせ、ユーザがあらかじめ定義した空間/体積を通して、手動定義および機械学習3Dアルゴリズムを稼働し、アクセス可能な機械学習機能、状態監視およびアラートシステム、時間および体積ユーザ定義オプションなどを有することができるべきである。
【0079】
汎用使用ケースおよびワークフロー:汎用使用ケースおよびワークフローを実証するために、ユーザフレンドリなインターフェースが所望される。VoxelNETデータに対する汎用可視化機能は、ティルト、パニング、ズーム、および3D表現の周りの横断と、すべての形のジオメトリの表示と、点群と、色と、テクスチャおよび物質と、特定のフィルタリングされた値向けの色の設定を用いる、オブジェクト属性値および値の組合せによるフィルタリングと、異なる視覚表現のこれらの同時ビューによる幾何学的サブセット化、スライス化、選択、およびフィルタリングとを含み得る。
【0080】
図8は、ボクセルデータ80の表示の1つの形を示す。第1および第3の人、等距離図法などのような、様々な視点が提供され得る。汎用可視化機能は、ティルト、パニング、ズーム、および3D表現の周りの横断と、すべての形のジオメトリと、点群と、色、テクスチャおよび物質と、特定のフィルタリングされた値向けの色の設定を用いる、オブジェクト属性値および値の組合せによるフィルタリングと、異なる視覚表現のこれらの同時ビューによる幾何学的サブセット化、スライス化、選択、およびフィルタリングと、第1および第3の人、等距離図法などの様々な視点と、非常に大型のモデルビューのためのサポートと、高速リアルタイムレンダリング(ディスクからグラフィックスカードへの直接ストリーミング)とを含み得る。
【0081】
ボクセルエディタは、新規ボクセルを追加すること、ボクセルを選択すること、ボクセルを削除すること、既存ボクセルの属性を修正することによって、既存のデータセットに変更を行うための能力を提供し得る。
【0082】
マルチユーザ対話にも、共有データセット、共有可視化パラメータ、すべてのユーザにプッシュされる可視化更新、すべてのユーザにプッシュされる分析更新(新たに生成された処理済みデータセットを含む)、分析エディタ、カーネルベースの体積分析との1つのセッションにおいて複数のユーザが共同するための能力が提供され得る。
【0083】
既存のデータセットに対して3D画像処理技法を実施して、3次元での画像フィルタリングに類似した新規データセットを生じる。これは、異なる使用法(エッジ検出など)のためのプリセットされたカーネルのリストからの選択、データセットおよび属性選択/隔離、付加プロセス(可視的ボクセルに対して処理が実施される)とオフラインプロセス(データセット全体に対して処理が実施される)との間の選択のような機能を含み得る。
【0084】
クライアント側(フロントエンド)メッセージハンドラ(
図3の37)。
【0085】
一般的フォーマット:データトランザクションは、JSON(http://www.json.org/参照)を使って表されるメッセージの形を有し得る。基本的メッセージタイプは以下を含むことができ、すなわち、「NEW」は新規オブジェクト、エンティティ、または関係を示し、「UPDATE」はオブジェクトまたはエンティティの属性または関係に対する変更を示し、「DELETE」は、オブジェクト、エンティティまたは関係の除去を示す。
【0086】
メッセージのJSONフォーマットは、{"VoxelNET" : [ {"message-type" : message type, data name 1 : data value 1, data name 2 : data value 2, data name 3 : data value 3, ... to the number of data fields and values} ] }となる。
【0087】
メッセージタイプ:データベースをアクティブに変えることができるメッセージは、状態およびイベントについての情報を通信するものに、大部分が限定される。
【0088】
相互運用性:相互運用性は、オープンデータスキーマおよびフォーマットと、ANSI/ISA-95 Enterprise Control System Integration and ISO/IEC WD 13249-3 Information technology - SQL Multimedia and Application Packages - Part 3: Spatial 3rd Editionを含む関連規格への準拠と、広範なデータフォーマット(展開可能)のためのインポートおよびエクスポート機能と、サードパーティモジュールを統合するためのプラグインアーキテクチャと、VoxelNETシステムユーザ向けの、すべての機能および新規デファクト標準特徴のための規格へのオープン拡張のためのアプリケーションプログラミングインターフェース(API)とによってサポートされ、実装されることになる。
【0089】
ANSI/ISA-95企業制御システム統合、https://www.isa.org/isa95/参照を含む、データ転送に使われ得る他の規格。Business To Manufacturingマークアップ言語(B2MML)、http://www.mesa.org/en/B2MML.asp参照。B2MMLは、ISA-95規格におけるデータモデルを実装する、ワールドワイドウェブコンソーシアムのXMLスキーマ言語(XSD)を使って書かれたXMLスキーマのセットからなる。ISO/IEC WD13249-3 Information technology、すなわち、SQL Multimedia and Application Packages - Part 3: Spatial 3rd Edition、https://www.iso.org/standard/53698.html参照。ISO/IEC13249-3:2011は、汎用空間データの取り扱いのための、空間ユーザ定義タイプ、ルーチンおよびスキーマを定義する。それは、ジオメトリ、ロケーションおよびトポロジーなどの空間データの態様に基づいて情報を記憶し、管理し、取り出す必要性に対処する。ISO/IEC13249-3:2011の実装は、地理的情報、決定サポート、データマイニング、およびデータウェアハウジングシステムもサポートする環境に存在し得る。ISO/IEC13249-3:2011の実装によって対処されるアプリケーションエリアは、自動化マッピング、デスクトップマッピング、機構管理、地球工学、グラフィックス、ロケーションベースサービス、地域モデリング、マルチメディア、およびリソース管理アプリケーションを含むが、それらに限定されない。
【0090】
OGC06-104r4:http://www.opengeospatial.org/standards/sfs参照
【0091】
VoxelNETシステムは、多くの改良およびオプションを含み得る。たとえば、VoxelNETコアは、ローカルおよびグローバルスケールで実装され得る統合空間および体積データ管理システムである。物質ボクセルを含む空間オブジェクトは、1)絶対的に位置し、かつ/または境界されてよく、単一のロケーションと、オブジェクトの中または外にものがあるときは明快な境界表面マーキングとを有する。2)確率的に位置し、かつ/または境界されてよく、オブジェクトがロケーションにあるか、またはオブジェクトの近くの点がその境界の内部もしくは外側にある確率を表す、ロケーションおよび/または境界表面のセットまたは区域を有する。
【0092】
空間ロケーションおよびオブジェクトは、属性、およびそれらに関連付けられた属性値を有し得る。たとえば、採鉱ブロックモデル内のブロックは、ブロック内の平均金属グレード、硬度、および密度を表す属性を有し得る。属性値は、オブジェクト記述が多次元であり、3空間次元および1時間次元を超えることを意味する。データ属性は、追加次元を表す。たとえば、物質ボクセルは最初、鉱床の中の岩のブロックを表す場合がある。ブロックが爆破されると、物質ボクセルは、その作成周期における、あらゆる爆破された物質を表す他のボクセルとアグリゲートされる。爆破の後、アグリゲートされたブロックは、3次元での確率的ロケーション、ならびにロケーションの関数である確率的サイズ分布を有する、より小さい物質ボクセルからなる関連付け物質ボクセルタイプによって表され得る。
【0093】
VoxelNETが提供し得るプラットフォームソフトウェア機能およびサービスの例は以下を含む。高度汎用空間、幾何学的および体積データモデル化、表現、操作、アクセスおよび管理。ユーザ管理、許可およびアクセス制御のための汎用機能。リポジトリの複数のクライアント側ユーザ向けのサポート。仲介仮想化レイヤを介した、異質リポジトリの統合および共有のためのサポート。ユーザ定義分析スクリプトおよびプログラムの標準化された分析ライブラリおよびフリーフォームスクリプト記述。データアーカイブ化、時系列分析およびデータマイニング。スケーラブルなクラウドベースの記憶および処理。標準化およびオープンデータモデル、スキーマおよびアプリケーションプログラムインターフェース(API)。特注プラグインのためのサポート。特殊空間、幾何学および体積構成体を提供する一体化プログラミング環境。
【0094】
VoxelNETコンピューティングは、そのエージェントが上位例である、いくつかのプログラミングパラダイムにより達成される。これらのパラダイムは、ボクセル構造の外側にあるとともに、i)いくつかの基準を満たすボクセルを見つけること(すなわちデータベース照会、データフィルタリング)、ii)ボクセル集合体を分析すること、iii)ボクセル空間のサブセットを解析し、編集することなどの成果を達成するためにボクセル構造を横断するスクリプト化プログラムを含む。特定のボクセルに関連付けられたトリガは、(論理的または概念的に)ボクセル内にあり、そうであることによって、それらに関連付けられたデータが変わった場合、1つまたは複数の定義された計算が実践される。例として、ロケーションボクセルがマイニングされた場合、このことが、物質ボクセルの産出をトリガし得る。ボクセル構造は階層であり、ボクセルは、より大きいスケールのボクセルまたは関連付けのメンバーであり得るので、トリガは(上流または下流へ)継承され得る。
【0095】
特定のボクセルに関連付けられたプロセスは、(論理的または概念的に)ボクセル/構造内にあり、絶えず稼働して、1つまたは複数の定義された計算を実践する。例として、ボクセルプロセスが、ボクセルの定義された近傍に問い合わせて、いずれかがマイニングされているかどうかを調べ、そのネイバーのマイニングされた状態、ネイバーの岩硬度、グレードなどから、コスト/値仮説を導出する。
【0096】
有限状態機械(FSM)は、ボクセルのシーケンスを、ボクセルのうちの1つまたは複数における変化(すなわち入力、または内部駆動状態変化)に応答して、ある状態から別の状態に移す状態遷移エンジンである。FSMは、複合シーケンスであるが、絶えず稼動するのではなく、トリガイベントによって駆動されるので、トリガとプロセスの間に起こる。
【0097】
エージェントは、広範囲の計算認知モデルのうちのいずれかに基づく、より複雑な計算プロセスである。エージェントの最も決定的な特徴は、宣言型知識モデリングおよび目標指向決定処理を含む。社会的エージェントは、共同または競合挙動(たとえば)に関与し得る計算エージェントの特殊化である。ボクセルまたはボクセル関連付けは、その挙動の何らかの一部が認知モデルによって制御される場合、エージェントであり得る。
【0098】
VoxelNETインフラストラクチャが与えられると、一連の相互依存アプリケーション(たとえば、
図3の31)が、VoxelNETプラットフォーム上で構築され、鉱物資源モデリング、評価および鉱山プランニングのための従来のブロックモデル方法への代替を提供し得る。いくつかの例示的アプリケーションについて、これ以降で記載する。
【0099】
センサー管理例:リアルタイムUAV/ロボットマッピング
【0100】
リンクされたUAV飛行(または、人、ロボットもしくは車両など、ビデオを記録し、ビデオ(フレーム単位)もしくは点群により環境を記録する任意の移動オブジェクト)が、ボクセル化デジタル世界において複製され得る。UAVから外に向かってポイントする、記録されたビデオは、どの一意のボクセルがリポジトリ中でソートされ、関連付けられることになるかを示すレイキャスティングビーム/線を利用することになる。UAVのジオロケーションおよびUAV上に位置するカメラは、どの開始ロケーションをレイが有するかを示すことになり、UAVが前進する間、レイは、ビデオ中のどのフレームが関連付けられることになるかを示す。
図12は、この手法の例を示す。
【0101】
VoxelNETは、2次元および3次元空間、時間、物質および工業プロセスを表し、それらについて推論するためのプラットフォームを提供する。本文書に記載するアプリケーションは、これらのVoxelNET能力を、リソースモデリングのための新規手法を実現し、実証するのに使う。これらは、1.コスト/値算出のためのリソースモデル融合を伴う多次元リソースモデリング、2.動的マルチジオメトリリソースボクセル化、3.多次元およびマルチジオメトリリソースモデルに基づく、最適化された動的鉱山プランニングおよびスケジューリングを含む。
【0102】
従来のリソースモデリングブロックモデルの適応
【0103】
ほとんどの鉱物資源値見積が、3次元ブロックモデル(ブロックモデリングは、たとえば、Rossi M. E.およびDeutsch C. V., 2014, Mineral Resource Estimation, Springerによる標準教本に記載されている)を使って取得される。ブロックモデリングは、規則的3Dグリッドに並べられた矩形プリズムへの、リソースのモザイク細工を伴う。ブロックモデルは、高度に層状の堆積(このケースでは、深度次元は一致するものと仮定される)用に2次元であってよく、1つの層の内容を表すか、または異なる層に対して別々のモデルをもち、深度次元での重大な構造または変動性を有する堆積用には、3Dブロックモデルが使われる。本実施形態は、3Dブロックモデルに焦点を当てるが、記載するすべての原理が、2D形において2Dブロックモデルに当てはまる。両方のケースにおけるブロックモデルの主機能は、ブロックによって表される体積要素に空間的に量子化されるとともに、地表面からの岩試料から導出されるか、または探索掘削からコアとして取得される、堆積の特性を、これらの試料、表面位相的特徴などに基づく地質学的解釈とともにマップアウトすることである。
【0104】
ブロックモデル内の位置は通常、走向(その方位角配向)もしくは傾斜(表面からの傾きの角度)など、鉱床の主要な空間特徴に通常は基づいて、局所鉱山固有3次元ユークリッド空間基準システム(SRS)に関係して定義されるか、または地域測地SRSと整列される。
【0105】
ブロックモデルのブロック形状、サイズおよび全体的ジオメトリは、堆積特性、モデリングされる地質学的特徴、ならびに採鉱のタイプ、機器サイズおよびタイプなどの鉱山プランニング検討事項に依存する重要決定である。
【0106】
ブロックサイズは、より多くの穿孔サンプルデータをカプセル化する、より大きいブロックを好む、ブロックレベルでの予測の正確さと、シフト、毎日、毎週または毎月のプランニング周期のスケールに適する、より小さいブロックを好む鉱山プランニングとの間のトレードオフである。Journel, A. G & Huijbregts, C. J. (Charles J.) (2003). Mining geostatistics. The Blackburn Press, New Yorkは、ブロックサイズが、穿孔データ間隔の約1/3~1/2であり、モデルの人為的平滑化を避けるために、それより小さくはなく、穿孔データ解像度の低利用を避けるために、より大きくはないべきであることを提案する。ブロックサイズは、鉱石または廃石のいずれかとして選択的にクラス分けされ、抽出され得る物質の最も小さい体積として理解される選択的採鉱単位(SMU)のサイズによっても影響され得る(Sinclair A. and Blackwell G. 2002 Applied Mineral Inventory Estimation. Cambridge University Press, United Kingdom)。SMUサイズは、作成方法、機器サイズ、予想グレード制御実践、利用可能データ、およびエクスペリエンスに基づく。地下採鉱のための典型的なSMUサイズは、5m×5m×5mである。
【0107】
ブロックは、一貫したサイズである傾向があり、通常は早期探索および予備的な実現可能性フェーズにおいて、利用可能な限られた穿孔および地質データがある。小さいサイズのブロック(たとえば、下位分割によって取得される)が、最も頻繁には、鉱石および脈石ドメインの間の接触区域をモデリングして、これらの境界における希釈のより正確な推定をできるようにするために、地質学的複雑さおよび利用可能な関連付けられたデータの対応するスケーリングによって揃えられる。RossiおよびDeutsch(2014)は、サブブロックグレードが親ブロックから継承されるべきであると提唱する。概して、サブブロックを作成する代わりに、ブロックにより多くの属性を追加し、地質単位の別々の3Dモデルに基づくか、またはより高い空間解像度ドリルコアデータから導出される、ブロック内の複数の地質単位の特性を属性値として推定し、表すのに属性を使うことも可能である。
【0108】
最も基本的なブロックモデルデータは、ブロックの位置およびサイズ、鉱石および脈石鉱物の両方を含み得る、対象である鉱物のその内容のグレード、異なる地質単位の原位置かさ密度、空気および/または水の存在、岩質についてのコード、無機化タイプ、酸化の程度、変化、構造的情報、推定ドメイン、粘土または不成層物質の存在、岩硬度、ボンドミルインデックス、砕石プラントスループット推定および冶金回収を含む。
【0109】
ブロックモデルの属性は、目標金属または鉱物グレードに応じて、ブロック当たりの鉱山、ならびにブロック当たりの値に対するコストの見積を生成するのに使われる。
【0110】
たとえば、鉱石、鉱石タイプ、または特定の鉱石グレードを示すためにのみ、ブロックモデリングし、ブロックモデルの可視化を提供し、ブロックモデルをフィルタリングさせ、カラーコーディングさせ、結果を表示させるための、採鉱産業によって使われる、いくつかの商用ソフトウェアパッケージがある。たとえば、ブロックモデルの中の目標鉱物についての異なるグレード範囲の体積および質量を表す、フィルタリングされた結果から、レポートが生成され得る。ブロックモデルは、対象となっている属性値および属性が表す空間ロケーションについての(x,y,z)座標を含むサンプルデータ(たとえば、穿孔データベース)から作成され、充填され得る。ブロックモデルの中の属性値は、サンプルデータから導出された見積であってよい。
【0111】
商用ソフトウェアは、最近傍法、逆距離、通常クリギングおよびインジケータクリギングを含む、いくつかの推定方法も提供する。鉱体の構造的特徴を表す異方性楕円体パラメータ(ベアリング、沈下角、傾斜、軸および最大探索距離)が、サンプルデータが、ブロックに割り当てられるために生じるはずである区域を定義するのに使われ得る。ブロックモデルおよび最小ブロックサイズは、ユーザ、通常は長期間鉱山プランナーによって特定され得る。ブロック属性は、ユーザによって特定されるとともに他の属性の値に適用される公式から導出される、算出された属性を含み得る(たとえば、block_volume=x*y*z;block_mass=block_volume*特定の重力)。既存のブロックモデルは再ブロック化されてよく、これは、異なる最小ブロックサイズを使って再構造化されることを意味し、ここで、新規ブロックについての属性値は、ユーザ特定基準による前のブロックモデル属性から自動的に算出される。得られた再ブロック化は次いで、アクセスのためにVoxelNETストレージにアップロードされてよい。
【0112】
開発1:コスト/値算出のためのリソースモデル融合を用いる多次元リソースモデリング
【0113】
初期問題は、コスト評価のための他のリソースモデルとの限られた統合による、リソース評価に対する限られた正確さである。これの1つの現れは、採鉱地についての単一のカットオフグレードの使用であり、ここで、実際の経済的グレードは、ロケーションによる抽出のコストに影響する地質工学および地質学的特性など、金属グレード以外のパラメータの係数として、現場内のロケーションによって変わる。
【0114】
実施形態は、VoxelNETアーキテクチャの下で実装されると、資源中の異なるロケーションにおける物質プロパティの変動に応じて、コスト変動性を占める可変性のカットオフグレードの、はるかに正確な査定を提供する、コスト/値算出のためのリソースモデル融合を用いる多次元リソースモデリングを提供する。
【0115】
既存および発展しつつある実践に従って、資源の任意の数の3次元(3D)モデルが作成されてよく、各々は、資源の、いくつかのデータ値、および構造、形状、プロセスなどの成分を伴う。所与の資源のためのこれらのモデルのいくつかの典型的な例は、以下を含む。
【0116】
1. リソースから取得される探索ドリルコアデータのモデル。穿孔は、広範囲の技術および/または人間観察を使って、線に沿って系統的に収集されたデータ点をもつ、資源を通るほぼ直線として見なされ得る。収集されたデータは高度に複雑な場合があるが、単純な方式は、詳細な検定に基づく、岩硬度、タイプ、湿度内容、破砕および充填、断絶、分離、粗さおよび金属グレードなどの測度を含み得る。サンプル値は、規則的な間隔(たとえば、手動で収集されたデータに対しては1m、自動化走査に対しては1mm以下)でとることができる。ログをとられたドリルコアデータ値は、より具体的なモデルがそれらに基づいて構築され得る、資源を通る点群を提供する。これらは次いで、VoxelNET記憶設備にアップロードされてよい。
【0117】
2. ドリルコアデータの既存(おそらくレガシー)鉱山および分析からの広域地質学的理解、表面位相特徴、表面試料、データに基づく地質モデル。地質モデリング(Geological modelling)は、重力および地磁気マッピング、放射測定、および地震学研究など、広範囲および比較的低解像度データを考慮に入れる場合がある。地質モデリングは、他の鉱物堆積との比較を利用し、鉱体形成プロセスの理論を考慮に入れる場合がある。したがって、それらは、特に、堆積がより複雑であるか、またはほとんど知られていない/理解されていないタイプであるとき、それらに関連付けられた解釈および/または仮説の大型要素を有し得る。地質モデルの内容は、地質レイヤおよび厚さ、岩型、貫入、世代、沈殿環境およびシーケンス、海底および川床ロケーションおよび変化、酸化および風化などを含む。
【0118】
3. 地質工学モデルは、硬度、破砕性、マイクロまたはマクロスケール破砕の存在、透磁率、強度、圧縮率、水位、弾力性/可塑性などを含む、堆積中の物質の機械的プロパティおよび挙動と関係がある。地質工学モデルは、採鉱が進行するとき、堆積の工学的特性に関係した、岩質量を通しての、エネルギーおよび安定性/不安定性の分布に対する変化とも関係がある。
【0119】
4. 地形モデルは、表面と地下の両方にある、採掘現場内、およびその周りの、過去、現在および未来の水流と関係がある。これは、自然に形成された地下水路(たとえば、洞穴)内の、破砕、割れ目および断層線を通る流れと、帯水層の存在と、気象現象および採鉱プロセスによる流れ変化とを含む。
【0120】
5. 無機化のエリアをポイントし得る異常化学パターンを判断するための、岩、土、ストリーム堆積物またはプラントの化学的性質の測定から導出された地球化学モデル。鉱物堆積が形を成すと、周辺岩の中での鉱石「金属」およびいくつかの他の要素の濃度は通常、正常よりも高い。これらのパターンは、1次化学的ハローとして知られる。鉱物堆積が、風化および浸食などの表面プロセスに曝されると、これらの要素は、土、地下水、ストリーム堆積物またはプラントの中にさらに分散され、このパターンは、2次化学的ハローと呼ばれる。堆積は通常、より大きいエリアを覆い、したがって、これらのエリアからサンプルを選択する化学測量のチャンスは、1次ハローエリアからよりも大きいので、2次ハローは、堆積の探索を助ける。異なる要素は、水の中での分解しやすさ、密度、他の元素と化合物を形成する能力、および環境の酸性度(pH)に基づいて、環境中で異なる「可動性」を有する。続いて、2次ハローは、地球化学測量が探索している「金属」を含まないが、他の「マーカ」要素を含む場合がある。
【0121】
6. リソースを(通常、規則的な)3D行列に量子化する従来のリソースブロックモデル。ブロックモデルの機能は、資源掘削および地質モデリングによって取得された点データから、資源掘削によって提供された点測度から導出された完成ブロックについてのデータ値の見積を提供するように外挿することである。ブロックモデルは、これを行うための唯一の方法ではないが、鉱山作業プランニングのためにすぐに使えることにより、現代の採鉱において支配的である。異なる鉱山は、異なるモデルまたはモデルの変形体/組合せを使ってよく、モデルの作成は、現場と企業との間でやはり変わり得るワークフローから続く。
【0122】
ブロックモデルは、地質、地質工学、地形および地球化学モデルなど、他のモデルタイプからのデータのためのリポジトリになる傾向がある。これは通常、これらのデータについての記述子およびデータ値とモデルカテゴリとを、ブロックモデル中のブロックに追加することによって行われる。これは、情報の大幅な損失を生じ得るが、というのは、モデルの詳細は、たとえば、露天掘り鉱山における15m×15m×ベンチ高さ、の寸法を有し得るブロックにわたって平均されるからである。穿孔データからのグレード推定のためのブロックの寸法決めは、大きすぎるブロックを使うこと、または小さすぎるブロックに対する、より高い空間精度の錯覚を生じることによって不必要な平滑化または平均化を避けることによって影響を受ける。ただし、グレード推定に使われる寸法は、ブロックを通して平均される値をもつ他のモデルから導出された測度についての詳細の損失を表し得る。後者の特徴は採鉱コストを圧迫し得るので、これは、VoxelNETアーキテクチャにデータをアップロードする際に、本記載発明によってサポートされるものよりも低い品質コスト見積につながる場合がある。
【0123】
図13は、いくつかのタイプのリソースモデルを、統一された高解像度多次元コスト/値モデルにマージする簡略化表現を示す。
【0124】
この技術ソリューションのための一般的手順は、以下のステップを含む。
【0125】
1.共通空間座標基準システム(SRS)を指定または特定する。これは、通常は一般に使われるSRSデータである地域SRSへの知られている変換を伴って、通常は現場固有である(たとえば、WGS84)。
【0126】
2.使われるべきリソースモデル1~nを指定/選択する。
【0127】
3.各モデルについて、その空間座標基準システム(SRS)を、指定された共通局所ユークリッドSRSに変換する。
【0128】
4.Merged Model=Model 1に設定する。
【0129】
5.このステップにおいて、モデルはマージされ、VoxelNETにサブボクセル化される。擬似コードは、次の通りであり得る。
【0130】
For モデルi=2からn-1、nはモデルの数である:
For Merged Model中のあらゆるShape j =:
For モデルi中のあらゆるShape k:
以下のIntersectingまたはOverlapping 形状をとる
Shape jおよびShape k;(Intersect= Intersection(Shape j, Shape k))
Shape jから、Shape jおよびShape kのIntersectionの一部ではないSubshapesをとる:
(NoIntersectWithK= Difference(Shape j,Intersection(Shape j, Shape k)))
Shape kから、Shape jおよびShape kのIntersectionの一部ではないSubshapesをとる
(NoIntersectWithJ= Difference(Shape k,Intersection(Shape j, Shape k)))
End For
If Intersectが空でない
Merged ModelからShape jを削除する
Merged ModelにIntersectを追加する
Shape jおよびShape kのAttribute Types/Valuesを、Intersectに追加する(サブボクセル化された体積/初期ボクセル体積によって分割されるべき、総初期ボクセルについての測度、たとえば、質量)
Merged ModelにNoIntersectWithKを追加する
Shape jおよびShape kのAttribute Types/Valuesを、NoIntersectWithKに追加する(サブボクセル化された体積/初期ボクセル体積によって分割されるべき、総初期ボクセルについての測度、たとえば、質量)
Merged ModelにNoIntersectWithJを追加する
Shape jおよびShape kのAttribute Types/Valuesを、NoIntersectWithJに追加する(サブボクセル化された体積/初期ボクセル体積によって分割されるべき、総初期ボクセルについての測度、たとえば、質量)
Else If Intersectが空である
Merged Modelに、Shape kおよびその属性を追加する
End If
End For
End For
【0131】
6. For mが、Merged Model中の原子形状の数である、Merged Model中のすべての形状i=1~m:
形状のすべてのAttribute Types/Valuesに応じて、形状iの値を算出する。
End For
【0132】
マージプロセスは、
図13において、高度に簡略化された、2Dコマ割り形で、130と示される。この例において、第1のブロックモデル131は、地質モデル(Geotech model)132、地質工学モデル133とマージされて、統合モデル134を生じる。この統合モデルは次いで、多次元コスト/値モデル136を生じるように、再査定および再評価135を受ける。
【0133】
上のステップ5におけるIntersectおよびDifference機能は、2つの初期楕円形状j(141)およびk(142)について、
図14において140と示される。
【0134】
ステップ6における値関数は可能性として、その公式化において使われる分析プロセスに応じて、多くのやり方で公式化され得る。単純な例が、以下の通りである。
【0135】
【0136】
上式で、Vはボクセルxの体積であり、Cvoxel_xはボクセルxの予測コストであり、Wij項は、ボクセルを採鉱するコストに対するそれらの全体的影響を設定するタイプjのそれぞれのコスト係数iに対する重み項であり、これは、予測値として始まり得るが、時間をかけた経験的分析から導出され得る。Wは、1になるか、またはコストを表すのにコスト係数のみで十分である場合は省かれてもよい。ただし、その文字通りのコストを表す以外に、記述子のコストを増大または減少するための他の理由があってよく、これの例は、ミルの供給の全体的地球化学的性質が与えられた場合、処理回路が、金属または濃縮物から汚染物質を十分に除去することができないとき、ヒ素など、高汚染レベルを有するブロックを効果的に排除することである可能性があり、Cfij項は、コスト係数の記述子タイプにより、質量の単位を採鉱する予測および/または実際のコストへの寄与を表すタイプjのコスト係数iであり、Dijは、ボクセルxについてのタイプjの記述子iの値である。
【0137】
式(1)は、i)すべての重みWij、コスト係数Cfijおよび記述子値Dijが独立しており、ii)ボクセルの特定の属性または記述子の、ボクセルへのコスト寄与が、その重みWij、コスト係数Cfijおよび記述子Dijの線形倍数であると仮定する。項が独立していない、および/または項の組合せが非線形である他の値関数が使われ得る。値関数は、プランニングおよび予想コストから導出されるか、または鉱山が作業を開始した後、経験的、履歴データから導出されるかのいずれかであってよい。
【0138】
動的マルチジオメトリリソースボクセル化
【0139】
さらなる問題は、採鉱作業プロセスにおいて分離および/またはマージされるリソースブロック部からのプロセスコスト/値の不正確な表現である。
【0140】
適用例:鉱物堆積およびブロックチェーン検証
【0141】
VoxelNET技術の使用は、他のアプリケーションを有する。たとえば、ボクセルを描写する能力は、鉱物堆積の値付けを可能にし得る。1つのアプリケーションは、商品価格が、金融ベースの堆積オプションを通して、現在のレートから変わったとき、買い手が、鉱物堆積を将来購入する権利を購入することができるように、価格予測モデルを提供するためのものである。金融取引は、誘導品の取引についての契約トレーサビリティを保証するための、地理位置および体積データとの検証のために、ブロックチェーンデータベースに記憶されてよい。基底VoxelNET技術は、採鉱組織によるデータ駆動意思決定を促進するための、現場ベースのデータソースのクロス相関を可能にする。
【0142】
周辺グレード鉱石堆積は通常、非流動資産であり、金属抽出プロセスが収益あるものとなるためには、商品価格が増大することを必要とする。鉱石堆積は、採掘現場において、数千トン規模のオーダーで、遊休資産として格納されてよい。
【0143】
金属の商品価格により、収益ある金属抽出が可能になるまで何年も待つのではなく、VoxelNetアーキテクチャの使用により、鉱物堆積の誘導品価値が、意欲的な買い手に売られることが可能になる。誘導品は、資産が、将来収益があることになり、将来の価格について今日合意された場合、意欲的な買い手に時間資産を将来売るための権利として定義される、堆積商品オプションの形になる。そうする際、ソリューションは、業界確立値付けモデルを使って、時間値および関連付けられた利益およびリスクを、意欲的な買い手に振り替える。採鉱企業は、そうすることによって、より大きい現在の業務運用のために、キャッシュフローをフリーにすることができる。VoxelNETフレームワークを用いると、ブロックチェーンについての情報は、市場対象から現場ベースの作業を、および現場から複数のデータソースを最適化する機会を識別するために、にロードされた、他の現場ベースのデータとクロス相関され得る。
【0144】
このVoxelNETアプリケーションを用いると、ユーザとしてのオプションライターが、地理位置鉱石堆積を現場で識別し、時間価値のある商品オプションを書くための価格予測値を導出することができる。アプリユーザとしてのオプショントレーダーは、堆積誘導品の単位を売買することができる。ジオロケーション堆積監視を用いると、ユーザは、鉱山寿命値および拡張された時間枠にわたる、予測される収益をより効果的に定量化することが可能になる。このアプリケーションの支配的有用性は、現在の市場レート、価格変動、リスクのない収益率などのようなパラメータ入力が与えられると、資産の価格予測を可能にすることである。現在の使用ケースは、周辺グレード堆積に適用されるが、ユーザは、原位置鉱物堆積を含む、他の資産についての時間関連値を導出することができるようになる。これは、導関数を書く前に鉱石を精製することを伴う、現在の誘導品交換とは区別されるべきである。
【0145】
VoxelNETアーキテクチャの使用は、資産と、値付けプロセスにおいて伴われる、関連付けられたコストにおける差を考慮する。たとえば、鉱石牽引および抽出プロセスのためのコストは、これまでに商品誘導品とは試みられていない値付け機構に含められる。さらに、ソリューションは、物質および値導出商品のロケーショントレーサビリティを保証するために、地理位置データを有するブロックチェーンに基づいてよい。VoxelNETのプラットフォームを活用することによって、ユーザは、市場挙動および興味によって駆動される戦略的意思決定を支援するために、将来の商品抽出におけるユーザ対象についてのデータを、他の現場ベースのデータソースとクロス相関させることが可能になる。
【0146】
解釈
【0147】
本明細書を通しての「一実施形態」、「いくつかの実施形態」または「ある実施形態」への言及は、実施形態に関して説明する特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態中に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたる様々な箇所において「一実施形態では」、「いくつかの実施形態では」または「ある実施形態では」という句が記載されている場合、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すとは限らないが、そうであってもよい。さらに、1つまたは複数の実施形態において、本開示から当業者には明らかであるように、特定の特徴、構造または特性は、どの適切なやり方で組み合わせられてもよい。
【0148】
本明細書で使用する限り、別様に特定されない限り、共通オブジェクトを記述するための、順序形容詞「第1の」、「第2の」、「第3の」などの使用は、同様のオブジェクトの異なる事例が参照されていることを単に示し、そのように記述されたオブジェクトが、時間的に、空間的に、順位づけにおいて、またはどの他の様式でも、与えられた順序でなければならないことを含意することは意図していない。
【0149】
以下の請求項および本明細書における記述において、comprising、comprised ofおよびwhich comprisesという用語のうちのどの1つも、後に続く要素/特徴を少なくとも含むが、他のものを除外しないことを意味する非限定語である。したがって、comprisingという用語は、請求項において使われるとき、その後に列挙される手段または要素またはステップに制限的であると解釈されるべきでない。たとえば、AおよびBを備える(comprising)デバイスという表現の範囲は、要素AおよびBのみからなる(consisting)デバイスに限定されるべきでない。本明細書で使用するincludingまたはwhich includesまたはthat includesという用語のうちのどの1つもまた、用語に続く要素/特徴を少なくとも含むが、他のものを除外しないことをやはり意味する非限定語である。したがって、含む(including)は、備える(comprising)と同義であり、それを意味する。
【0150】
本明細書で使用する「例示的な」というという用語は、品質を示すのとは反対に、例を与える意味で使われる。つまり、「例示的な実施形態」とは、必然的に、例示的な品質の実施形態であるのとは反対に、例として与えられる実施形態である。
【0151】
本発明の例示的な実施形態の上記記述では、本発明の様々な特徴が、ときには、単一の実施形態、図、またはその記述において、本開示を合理化し、様々な発明性のある態様のうちの1つまたは複数の、理解を助ける目的のためにグループ化されることが理解されるべきである。この開示方法は、ただし、請求項に記載されている本発明は、各請求項において明確に具陳されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものと解釈されるべきでない。そうではなく、添付の請求項が反映するように、発明性のある側面は、単一の前述の開示した実施形態の、すべてよりも少ない特徴の中にある。したがって、詳細な説明に続く請求項は、本明細書によってこの詳細な説明に明確に組み込まれ、各請求項は、本発明の別個の実施形態として自立している。
【0152】
さらに、本明細書に記載したいくつかの実施形態は、いくつかの特徴を含むが、他の実施形態に含まれる他の特徴は含まず、異なる実施形態の特徴の組合せは本発明の範囲内であることが意図され、当業者によって理解されるであろうように、異なる実施形態を形成する。たとえば、添付の請求項において、請求される実施形態のうちのいずれもが、どの組合せでも使われ得る。
【0153】
さらに、実施形態のうちのいくつかは、コンピュータシステムのプロセッサによって、または機能を実践する他の手段によって実装され得る、方法、または方法の要素の組合せとして本明細書に記載されている。したがって、そのような方法、または方法の要素を実践するための必要な命令を有するプロセッサは、方法、または方法の要素を実践するための手段を形成する。さらに、装置実施形態の、本明細書に記載する要素は、本発明を実践する目的のために、要素によって実施される機能を実践するための手段の例である。
【0154】
本明細書において提供される記述では、多数の具体的詳細について説明した。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの具体的な詳細なしに実施され得ることを理解されたい。他の事例では、よく知られている方法、構造、および技術は、本記述の理解を不明瞭にしないために、詳細には示されていない。
【0155】
同様に、結合されるという用語は、請求項において使われるとき、直接接続のみに限定されると解釈されるべきでないことに留意されたい。「結合される」および「接続される」という用語は、それらの派生形とともに使われる場合がある。これらの用語は、互いに対する同義語として意図されていないことを理解されたい。したがって、デバイスBに結合されたデバイスAという表現の範囲は、デバイスAの出力がデバイスBの入力に直接接続されているデバイスまたはシステムに限定されるべきでない。それは、Aの出力とBの入力との間に、他のデバイスまたは手段を含む経路であってよい経路が存在することを意味する。「結合される」は、2つ以上の要素が、直接的な物理もしくは電気的接触のいずれかにあること、または2つ以上の要素が、互いと直接接触にないが、それでも依然として互いと協力もしくは相互作用することを意味し得る。
【0156】
したがって、本発明の好ましい実施形態であると思われるものを記載したが、それらに対して、他の、およびさらなる修正が、本発明の趣旨から逸脱することなく行われてよく、すべてのそのような変更および修正が、本発明の範囲内であると請求することを意図されることが、当業者には理解されよう。たとえば、上に挙げたどの公式も、使うことができる手順を単に表す。ブロック図からは機能性が追加または消去されてよく、機能ブロックの間では動作が入れ替えられてよい。本発明の範囲内で記載した方法に、ステップが追加または消去されてよい。
【符号の説明】
【0157】
31 特殊化アプリケーション、アプリケーション
32 VoxelNET汎用基礎クライアントレイヤ
33 VoxelNETプロトコルレイヤ
34 VoxelNETサーバ、VoxelNET-MCSRサーバ
35 VoxelNETリポジトリ、VoxelNET-MCSRリポジトリ/データベース
37 メッセージハンドラ
40 ジオメトリクラス階層
60 ボクセルエディタ