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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】車輌用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/27 20180101AFI20230424BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20230424BHJP
   F21S 41/39 20180101ALI20230424BHJP
   F21W 102/10 20180101ALN20230424BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20230424BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20230424BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20230424BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20230424BHJP
   F21W 103/30 20180101ALN20230424BHJP
   F21W 103/45 20180101ALN20230424BHJP
   F21W 102/30 20180101ALN20230424BHJP
【FI】
F21S43/27
F21V17/00 200
F21S41/39
F21W102:10
F21W103:10
F21W103:20
F21W103:35
F21W103:55
F21W103:30
F21W103:45
F21W102:30
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020516243
(86)(22)【出願日】2019-04-15
(86)【国際出願番号】 JP2019016158
(87)【国際公開番号】W WO2019208307
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-01-25
(31)【優先権主張番号】P 2018083735
(32)【優先日】2018-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003410
【氏名又は名称】弁理士法人テクノピア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100116942
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 雅信
(74)【代理人】
【識別番号】100167704
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 裕人
(72)【発明者】
【氏名】提坂 裕至
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正和
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-012460(JP,A)
【文献】特開2003-109412(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/27
F21V 17/00
F21S 41/39
F21W 102/10
F21W 103/10
F21W 103/20
F21W 103/35
F21W 103/55
F21W 103/30
F21W 103/45
F21W 102/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を有し溶着面が形成されたランプハウジングと前記内部空間を覆うカバーとを備え前記カバーが前記ランプハウジングにレーザー溶着によって接合されると共に他の車輌用灯具に隣接される車輌用灯具であって、
前記カバーには外面が車輌の外方を向き一部が前記溶着面に溶着される意匠面部と前記意匠面部における外周部の一部から突出され前記溶着面に溶着される溶着脚部とが設けられ、
前記意匠面部の外周部のうち前記他の車輌用灯具側の端部が隣接側端部として設けられ、
前記溶着脚部は前記隣接側端部から突出され前記他の車輌用灯具に対向する対向面部を有し、
前記対向面部が前記隣接側端部の上端部から下端部に亘る位置に設けられ
前記溶着脚部には前記対向面部の上端部に連続され前記対向面部に対して屈曲された上側部と前記対向面部の下端部に連続され前記対向面部に対して屈曲された下側部とが設けられ、
前記上側部と前記下側部がそれぞれ前記カバーの上縁と下縁に沿って位置された
車輌用灯具。
【請求項2】
内部空間を有し溶着面が形成されたランプハウジングと前記内部空間を覆うカバーとを備え前記カバーが前記ランプハウジングにレーザー溶着によって接合されると共に他の車輌用灯具に隣接される車輌用灯具であって、
前記カバーには外面が車輌の外方を向き一部が前記溶着面に溶着される意匠面部と前記意匠面部における外周部の一部から突出され前記溶着面に溶着される溶着脚部とが設けられ、
前記意匠面部の外周部のうち前記他の車輌用灯具側の端部が隣接側端部として設けられ、
前記溶着脚部が前記隣接側端部における上下両端部を除く部分から突出され、
前記隣接側端部の上下両端部がそれぞれ前記溶着面に溶着される隣接側接合部として形成され、
前記溶着面における前記隣接側接合部が接する部分が溶着用端部として形成され、
前記溶着用端部の幅が前記溶着脚部の幅と略同じにされた
車輌用灯具。
【請求項3】
前記ランプハウジングには前記溶着用端部の幅方向における両側に、幅方向において前記溶着用端部から離隔するに従ってそれぞれ前記カバーから離隔する傾斜面が形成された
請求項2に記載の車輌用灯具。
【請求項4】
前記溶着脚部の幅は前記溶着面のうち前記溶着脚部が溶着される部分の幅より小さくされ、
前記溶着面のうち前記意匠面部が溶着される部分の幅は前記溶着脚部の幅より大きくされた
請求項2又は請求項3に記載の車輌用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カバーがランプハウジングにレーザー溶着によって接合される車輌用灯具についての技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
テールランプ等の車輌用灯具には、例えば、車輌の非可動部と可動部にそれぞれ配置され、隣接して位置された状態で双方の車輌用灯具が恰も一つの車輌用灯具であるように一体的に認識される所謂シームレスタイプの車輌用灯具がある(例えば、特許文献1参照)。例えば、非可動部である車輌の本体部に一方の車輌用灯具が配置され、可動部であるトランクリッドに他方の車輌用灯具が配置され、トランクリッドが閉じられた状態において一方の車輌用灯具と他方の車輌用灯具とが隣接して位置される。
【0003】
このようなシームレスタイプの車輌用灯具において、一方の車輌用灯具と他方の車輌用灯具のそれぞれには、外面が車輌の外方を向く意匠面部の他に、隣接した状態で互いに対向して位置され光の透過が可能な対向面部(特許文献1においては「脚部」)が設けられている。対向面部は意匠面部に対して屈曲され意匠面部の外周部から意匠面部に略直交する方向へ突出されている。
【0004】
シームレスタイプの車輌用灯具において、例えば、一方の車輌用灯具の光源から光が出射されると、出射された光が、一方の車輌用灯具におけるカバーの意匠面部を透過されて外部へ向けて照射されると共に対向する二つの対向面部を透過されて他方の車輌用灯具に入射され他方の車輌用灯具におけるカバーの意匠面部を透過されて外部へ向けて照射される。
【0005】
このように対向面部は光を透過させて隣接する車輌用灯具側に導く機能を有するため、意匠面部の外周部のうち隣接する車輌用灯具側の端部である隣接側端部からのみ突出されて形成されている。対向面部は隣接する車輌用灯具側へ向けて光を透過させるために必要かつ十分な位置に存在すればよいため、特許文献1に記載された車輌用灯具における対向面部は、隣接側端部のうち上下両端部を除く部分から突出されて形成されている。
【0006】
一方、車輌用灯具においては、カバーがランプハウジングに接合されるが、カバーのランプハウジングに対する接合作業は、近年、良好な接合状態の確保や生産性の向上等を目的としてレーザー溶着により行われることが多くなっている。
【0007】
従って、上記のようなシームレスタイプの車輌用灯具においても、レーザー溶着によるカバーのランプハウジングに対する良好な接合状態等が確保されることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2017-189887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
シームレスタイプの車輌用灯具においては、上記したように、カバーに意匠面部から突出された対向面部が設けられており、対向面部のランプハウジングに対するレーザー溶着が行われるときに、意匠面部から入射されたレーザー光が対向面部に入射される。レーザー光は対向面部の意匠面部からの突出方向において対向面部の内部を透過されランプハウジングの溶着面に到達する。
【0010】
ところで、レーザー溶着によってカバーがランプハウジングに接合される車輌用灯具において、溶着面の幅と対向面部の幅とを同じにすると、接合時におけるランプハウジングに対するカバーの位置精度によっては対向面部の一部が溶着面からはみ出してしまい、対向面部の全体が溶着面に溶着されず接合不良が生じるおそれがある。
【0011】
そこで、レーザー溶着によってカバーがランプハウジングに接合される車輌用灯具においては、接合時におけるランプハウジングに対するカバーの位置精度に拘わらず、対向面部の全体が溶着面に接合されるようにするために、溶着面の幅が対向面部の幅より大きくされている。従って、カバーの溶着面に対する溶着幅は対向面部の幅によって定められる。
【0012】
一方、カバーのうち意匠面部の外周部が溶着面に接合される部分においては、カバーの溶着面に対する溶着幅が溶着面の幅によって定められる。
【0013】
上記のようなランプハウジングに対するカバーのレーザー溶着による接合作業においては、隣接側端部に対して照射されるレーザー光が上端部から下端部まで対向面部の幅でスキャンされる。このとき、隣接側端部のうち対向面部が設けられていない上下両端部においては、対向面部より幅が大きくされた溶着面に意匠面部が接しており、この接した部分にも対向面部の幅でレーザー光が照射されるため、カバーが溶着面に接した部分であるにも拘わらず溶着が行われない未溶着部分が形成されることになる。
【0014】
しかしながら、カバーが溶着面に接した部分において未溶着部分が生じてしまうと、未溶着部分に隣接する溶着部分において溶融した樹脂がバリとなって未溶着部分にはみ出してしまったり、残留した発泡痕が未溶着部分にはみ出してしまったりして、透明なカバーの外部からバリや発泡痕が目立ち、カバーのランプハウジングに対する良好な接合状態を確保することができなくなるおそれがある。
【0015】
そこで、本発明車輌用灯具は、カバーのランプハウジングに対する良好な接合状態を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
第1に、本発明に係る車輌用灯具は、内部空間を有し溶着面が形成されたランプハウジングと前記内部空間を覆うカバーとを備え前記カバーが前記ランプハウジングにレーザー溶着によって接合されると共に他の車輌用灯具に隣接される車輌用灯具であって、前記カバーには外面が車輌の外方を向き一部が前記溶着面に溶着される意匠面部と前記意匠面部における外周部の一部から突出され前記溶着面に溶着される溶着脚部とが設けられ、前記意匠面部の外周部のうち前記他の車輌用灯具側の端部が隣接側端部として設けられ、前記溶着脚部は前記隣接側端部から突出され前記他の車輌用灯具に対向する対向面部を有し、前記対向面部が前記隣接側端部の上端部から下端部に亘る位置に設けられ、前記溶着脚部には前記対向面部の上端部に連続され前記対向面部に対して屈曲された上側部と前記対向面部の下端部に連続され前記対向面部に対して屈曲された下側部とが設けられ、前記上側部と前記下側部がそれぞれ前記カバーの上縁と下縁に沿って位置されたものである。
【0017】
これにより、カバーは他の車輌用灯具側の端部において、上端部から下端部に亘る位置に設けられた溶着脚部が溶着面に溶着されるため、カバーにおける他の車輌用灯具側の端部に未溶着部分が存在しない。
【0019】
これにより、カバーの他の車輌用灯具側における上端部に対向面部の上端部と上側部が連続して位置され、カバーの他の車輌用灯具側における下端部に対向面部の下端部と下側部が連続して位置される。
【0022】
に、別の本発明に係る車輌用灯具は、内部空間を有し溶着面が形成されたランプハウジングと前記内部空間を覆うカバーとを備え前記カバーが前記ランプハウジングにレーザー溶着によって接合されると共に他の車輌用灯具に隣接される車輌用灯具であって、前記カバーには外面が車輌の外方を向き一部が前記溶着面に溶着される意匠面部と前記意匠面部における外周部の一部から突出され前記溶着面に溶着される溶着脚部とが設けられ、前記意匠面部の外周部のうち前記他の車輌用灯具側の端部が隣接側端部として設けられ、前記溶着脚部が前記隣接側端部における上下両端部を除く部分から突出され、前記隣接側端部の上下両端部がそれぞれ前記溶着面に溶着される隣接側接合部として形成され、前記溶着面における前記隣接側接合部が接する部分が溶着用端部として形成され、前記溶着用端部の幅が前記溶着脚部の幅と略同じにされたものである。
【0023】
これにより、カバーは他の車輌用灯具側の端部において、隣接側接合部が溶着脚部と略同じ幅にされた溶着用端部にのみ接した状態で溶着面に溶着され、カバーにおける他の車輌用灯具側の端部に未溶着部分が存在しない。
【0024】
に、上記した別の本発明に係る車輌用灯具においては、前記ランプハウジングには前記溶着用端部の幅方向における両側に、幅方向において前記溶着用端部から離隔するに従ってそれぞれ前記カバーから離隔する傾斜面が形成されることが望ましい。
【0025】
これにより、溶着用端部の幅が両側の傾斜面の形成により定まる。
に、上記した別の本発明に係る車輌用灯具においては、前記溶着脚部の幅は前記溶着面のうち前記溶着脚部が溶着される部分の幅より小さくされ、前記溶着面のうち前記意匠面部が溶着される部分の幅は前記溶着脚部の幅より大きくされる
ことが望ましい。




【0026】
これにより、射出成形による冷却時にヒケが生じ易い溶着脚部の接合される部分の幅が小さくされ、射出成形による冷却時にヒケが生じ難い意匠面部の接合される部分の幅が大きくされる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、カバーにおける他の車輌用灯具側の端部に未溶着部分が存在しないため、カバーのランプハウジングに対する良好な接合状態を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図2乃至図13と共に本発明車輌用灯具の実施の形態を示すものであり、本図は、車輌用灯具が車輌に配置された状態を示す背面図である。
図2図3乃至図8と共に第1の実施の形態に係る車輌用灯具を示すものであり、本図は、車輌用灯具の斜視図である。
図3】ランプハウジングとカバーを分離した状態で示す車輌用灯具の斜視図である。
図4図2のIV矢視図である。
図5図2のV矢視図である。
図6図2のVI-VI線に沿う断面図である。
図7図2のVII-VII線に沿う断面図である。
図8】ランプハウジングにおける溶着部分を示す背面図である。
図9図10乃至図13と共に第2の実施の形態に係る車輌用灯具を示すものであり、本図は、車輌用灯具の斜視図である。
図10】ランプハウジングとカバーを分離した状態で示す車輌用灯具の斜視図である。
図11図9のXI-XI線に沿う断面図である。
図12図9のXII-XII線に沿う断面図である。
図13】ランプハウジングにおける溶着部分を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、本発明車輌用灯具を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
【0030】
以下に示した実施の形態は、本発明車輌用灯具をテールランプの機能を有するコンビネーションランプに適用したものである。尚、本発明は、ヘッドランプ、ターンシグナルランプ、クリアランスランプ、ストップランプ、デイタイムランニングランプ、コーナーリングランプ、ハザードランプ、ポジションランプ、バックランプ、フォグランプ又はこれらの組み合わせであるコンビネーションランプ等の各種の車輌用灯具に広く適用することができる。
【0031】
以下の説明にあっては、光源からの光の外部への照射方向を後方として前後上下左右の方向を示すものとする。但し、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本発明の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0032】
<車輌の概略構成>
先ず、車輌用灯具の配置状態等に関する車輌の概略構成について説明する(図1参照)。
【0033】
車輌用灯具1、1は、例えば、車輌100の左右両端部にそれぞれ取り付けられて配置されている。車輌用灯具1は、例えば、車輌100の本体部101等の非可動部に配置されている。
【0034】
可動部であるトランクリッド102の左右両端部には他の車輌用灯具1A、1Aが配置され、トランクリッド102が閉じられた状態において車輌用灯具1A、1Aがそれぞれ車輌用灯具1、1の内側において隣接して位置される。
【0035】
車輌用灯具1は、例えば、テールランプの機能の他にストップランプ及びターンシグナルランプの機能を有するコンビネーションランプとして設けられ、車輌用灯具1Aは、例えば、テールランプの機能の他にバックアップランプの機能を有するコンビネーションランプとして設けられている。
【0036】
尚、上記には、車輌用灯具1が車輌100の本体部101等の非可動部に配置され、車輌用灯具1Aがトランクリッド102等の可動部に配置された例を示したが、逆に、車輌用灯具1がトランクリッド102等の可動部に配置され、車輌用灯具1Aが車輌100の本体部101等の非可動部に配置さていてもよい。
【0037】
<第1の実施の形態に係る車輌用灯具>
次に、第1の実施の形態に係る車輌用灯具1Xについて説明する(図2乃至図8参照)。尚、車輌用灯具1Xは、例えば、上記した車輌用灯具1に適用される。
【0038】
車輌用灯具1Xは、例えば、後方に開口されたランプハウジング2とランプハウジング2の内部空間2aを閉塞するカバー3とを備えている(図2及び図3参照)。ランプハウジング2とカバー3によって灯具外筐4が構成されている。
【0039】
灯具外筐4の内部には光を出射する図示しない光源の他に、例えば、光源から出射された光を所定の方向へ導く図示しない導光体等が配置されている。
【0040】
ランプハウジング2は、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル共重合体樹脂)等の不透明な樹脂材料によって形成され、例えば、略前後方向を向く略矩形状のベース面部5とベース面部5の外周部から略後方に突出された周面部6と周面部6の後端に連続された枠状の環状部7とを有している。環状部7は外周側の端部が周面部6から外方に張り出され、フランジ状に形成されている。
【0041】
環状部7の後面は溶着面8として形成されている(図3参照)。溶着面8は、例えば、略矩形状に形成され、側方部9と側方隣接部10と延設部11、11から成る。側方部9は略上下に延びる部分であり、側方隣接部10は略上下に延び車輌用灯具1Aに隣接する側の部分であり、延設部11、11は上下に位置され略左右に延びる部分である。
【0042】
側方隣接部10の上下方向における中間の部分は他の部分より前方に位置された前側部10aとして形成されている。側方隣接部10の前側部10aの上下にそれぞれ連続された部分は傾斜部10b、10bとして形成され、傾斜部10b、10bはそれぞれ前側部10aから離隔するに従って後方へ変位するように傾斜されている。側方隣接部10の上下両端部は前側部10aより後方に位置された後側部10c、10cとして形成され、後側部10c、10cはそれぞれ傾斜部10b、10bに連続されている。
【0043】
延設部11、11における側方隣接部10側の端部はそれぞれ他の部分より前方に位置された前方部11a、11aとして形成されている。延設部11、11の前方部11a、11aに連続された部分は斜部11b、11bとして形成され、斜部11b、11bはそれぞれ前方部11a、11aから離隔するに従って後方へ変位するように傾斜されている。延設部11、11の斜部11b、11bを挟んだ前方部11a、11aの反対側の部分はそれぞれ前方部11a、11aより後方に位置された後方部11c、11cとして形成されている。前方部11a、11aは前後方向においてそれぞれ後側部10c、10cと同一平面上に位置されている。
【0044】
溶着面8においては、側方部9と延設部11、11の幅は同じにされ、側方隣接部10の幅は側方部9と延設部11、11の幅より大きくされている。
【0045】
カバー3は、例えば、アクリル等の透明な材料によって形成され、外面3aが車輌100の外方を向く意匠面部12と意匠面部12の内面12aにおける一部から前方に突出された溶着脚部13とが一体に形成されて成る。
【0046】
意匠面部12は、例えば、略矩形の板状に形成され、車輌用灯具1Aに隣接する側の端部が隣接側端部14として設けられている。意匠面部12は隣接側端部14側を除き外形の大きさがランプハウジング2における環状部7の外形より一回り大きくされている。
【0047】
溶着脚部13は意匠面部12の隣接側端部14と上端部15の一部と下端部16の一部とに亘る位置から突出されている(図3乃至図5参照)。溶着脚部13の幅はランプハウジング2における溶着面8の幅より小さくされている。溶着脚部13は隣接側端部14から突出された対向面部17と上端部15における隣接側端部14側の端部から突出された上側部18と下端部16における隣接側端部14側の端部から突出された下側部19とから成る。
【0048】
対向面部17は上下に延びる形状に形成され、隣接側端部14の上端部から下端部に亘る位置に設けられている。上側部18と下側部19は左右に延びる形状に形成され、対向面部17に対して略直交する方向へ屈曲されている。
【0049】
溶着脚部13の先端面は溶着面8にレーザー溶着によって接合される接合面20として形成されている。接合面20は一定の幅に形成され溶着面8の幅より小さくされている。
【0050】
対向面部17の接合面20は、上下方向における中間の部分が他の部分より前方に位置された第1の接合部21として形成されている。対向面部17の接合面20は、第1の接合部21、21の上下にそれぞれ連続された部分が第2の接合部22、22として形成され、第2の接合部22、22はそれぞれ第1の接合部21から離隔するに従って後方へ変位するように傾斜されている。対向面部17の接合面20は、上下両端部がそれぞれ第1の接合部21、21より後方に位置された第3の接合部23、23として形成されている。
【0051】
上側部18と下側部19の接合面20は、対向面部17側の端部がそれぞれ他の部分より前方に位置された第4の接合部24、24として形成されている。上側部18と下側部19の接合面20は、第4の接合部24、24に連続された部分が第5の接合部25、25として形成され、第5の接合部25、25はそれぞれ第4の接合部24、24から離隔するに従って後方へ変位するように傾斜されている。第4の接合部24、24は前後方向においてそれぞれ第3の接合部23、23と同一平面上に位置されている。
【0052】
従って、溶着脚部13は、対向面部17の各部分として設けられた第1の部分13a、第2の部分13b、13b及び第3の部分13c、13cと、上側部18又は下側部19の各部分として設けられた第4の部分13d、13d及び第5の部分13e、13eとから成る。
【0053】
第1の部分13aは第1の接合部21を有し意匠面部12からの突出量が最大にされている。第2の部分13b、13bはそれぞれ第2の接合部22、22を有し第1の部分13aの上下にそれぞれ連続され上下方向において意匠面部12からの突出量が変化されている。第3の部分13c、13cはそれぞれ第1の接合部23、23を有し意匠面部12からの突出量が第1の部分13aの突出量より小さくされている。第4の部分13d、13dはそれぞれ第4の接合部24、24を有し意匠面部12からの突出量が第3の部分13c、13cと同じにされている。第5の部分13e、13eはそれぞれ第5の接合部25、25を有しそれぞれ第4の部分13d、13dに連続され左右方向において意匠面部12からの突出量が変化されている。
【0054】
上記のように構成された車輌用灯具1Xにおいては、レーザー溶着によりカバー3がランプハウジング2に接合される。レーザー溶着によるカバー3のランプハウジング2への接合は、レーザー光Bが意匠面部12の外面側から照射されることにより行われる(図4乃至図7参照)。
【0055】
レーザー光Bは意匠面部12又は意匠面部12と溶着脚部13を透過され、ランプハウジング2の溶着面8に到達する。レーザー光Bが溶着面8に到達することにより、接合面20又は意匠面部12の内面と溶着面8とが溶融されてカバー3がランプハウジング2に接合される。
【0056】
このとき対向面部17は、図4及び図5に示すように、第1の接合部21が側方隣接部10の前側部10aに溶着され、第2の接合部22、22がそれぞれ側方隣接部10の傾斜部10b、10bに溶着され、第3の接合部23、23がそれぞれ側方隣接部10の後側部10c、10cに溶着される。また、上側部18と下側部19の第4の接合部24、24がそれぞれ延設部11、11の前方部11a、11aに溶着され、上側部18と下側部19の第5の接合部25、25がそれぞれ延設部11、11の斜部11b、11bに溶着され、上側部18と下側部19の第6の接合部26、26がそれぞれ延設部11、11の後方部11c、11cに溶着される。意匠面部12の左右方向において隣接側端部14と反対側の端部の内面は側方部9に溶着される。
【0057】
尚、ランプハウジング2に対するカバー3の溶着の方式としては、照射ヘッドを意匠面部12の外周部に沿って移動させてレーザー光の照射を行うスキャン式や照射ヘッドを固定した状態で照射ヘッドの内部でガルバノミラーを動作させてレーザー光の照射を行うガルバノ式が用いられる。ランプハウジング2に対するカバー3の溶着は、例えば、溶着面8に溶着脚部13を接合させる部分については、溶着面8に対して垂直にレーザー光Bを照射して溶着脚部13に対するレーザー光Bの良好な透過状態を確保する必要があるため、スキャン式によって行われることが望ましく、溶着面8に意匠面部12を接合させる部分については略同時に広範囲にレーザー光Bを照射することが可能なガルバノ式によって行われることが望ましい。但し、隣接側端部14に対するレーザー光の照射においてスキャン式が用いられ、他の部分に対するレーザー光の照射においてガルバノ式が用いられてもよい。
【0058】
カバー3がランプハウジング2に接合された状態においては、隣接側端部14を除いて意匠面部12の外周面が環状部7の外周面より外側に位置され、左右方向において隣接側端部14の側面の位置が側方隣接部10の外側の側縁の位置に略一致される。
【0059】
また、上記したように、接合面20は一定の幅に形成され溶着面8の幅より小さくされているため、接合面20は、例えば、溶着面8の幅方向における中央部に溶着される(図6参照)。
【0060】
このように接合面20が溶着面8の幅より小さくされることにより、カバー3のランプハウジング2に対する位置精度に拘わらず、接合面20の全体が溶着面8に溶着されて接合されるため、カバー3のランプハウジング2に対する良好な接合状態を確保することができる。また、接合面20を溶着面8の幅より小さくして溶着脚部13の幅を小さくすることにより、カバー3の射出成形による冷却時に溶着脚部13のヒケを抑制することが可能になり、カバー3の高い加工精度を確保することができる。
【0061】
また、溶着脚部13が設けられていない部分においては、カバー3の意匠面部12が溶着面8に溶着されて接合されるが、上記したように、隣接側端部14を除いて意匠面部12の外周面が環状部7の外周面より外側に位置されるため、意匠面部12は外周より稍内側の部分が溶着面8に溶着されて接合される(図7参照)。
【0062】
このように意匠面部12の外形が環状部7の外形より大きくされ隣接側端部14を除いて意匠面部12の外周面が環状部7の外周面より外側に位置されることにより、カバー3のランプハウジング2に対する位置精度に拘わらず、溶着面8の全体に意匠面部12が溶着されて接合されるため、カバー3のランプハウジング2に対する良好な接合状態を確保することができる。
【0063】
尚、カバー3のランプハウジング2に対する高い接合性を確保するためには、カバー3のランプハウジング2に対する溶着面積が広くされることが望ましく、車輌用灯具1Xにおいては、意匠面部12が接合される部分の幅H1が、溶着脚部13が接合される部分の幅H2より大きくされている(溶着部分を図8に斜線で示す。)。
【0064】
このように射出成形による冷却時にヒケが生じ難い意匠面部12の接合される部分の幅H1を大きくし、射出成形による冷却時にヒケが生じ易い溶着脚部13の接合される部分の幅H2を小さくすることにより、十分な溶着面積を確保してカバー3のランプハウジング2に対する高い接合性を図った上でカバー3の高い成形精度を確保することができる。
【0065】
以上に記載した通り、車輌用灯具1Xにあっては、溶着脚部13は隣接側端部14から突出され他の車輌用灯具1Aに対向する対向面部17を有し、対向面部17が隣接側端部14の上端部から下端部に亘る位置に設けられている。
【0066】
従って、カバー3は車輌用灯具1A側の端部において、上端部から下端部に亘る位置に設けられた溶着脚部13が溶着面8に溶着され、カバー3における車輌用灯具1A側の端部に未溶着部分が存在しないため、バリや発泡痕の未溶着部分へのはみ出しと言う不具合を生じることがなく、カバー3のランプハウジング2に対する良好な接合状態を確保することができる。
【0067】
また、溶着脚部13には対向面部17の上端部に連続され対向面部17に対して屈曲された上側部18と対向面部17の下端部に連続され対向面部17に対して屈曲された下側部19とが設けられ、上側部18と下側部19がそれぞれカバー3の上縁と下縁に沿って位置されている。
【0068】
従って、カバー3の車輌用灯具1A側における上端部に対向面部17の上端部と上側部18が連続して位置され、カバー3の車輌用灯具1A側における下端部に対向面部17の下端部と下側部19が連続して位置されるため、カバー3の車輌用灯具1A側の部分の厚みが厚くなり、カバー3の剛性を高くすることができる。
【0069】
<第2の実施の形態に係る車輌用灯具>
次に、第2の実施の形態に係る車輌用灯具1Yについて説明する(図9乃至図13参照)。尚、車輌用灯具1Yは、例えば、上記した車輌用灯具1に適用される。
【0070】
車輌用灯具1Yは、例えば、後方に開口されたランプハウジング32とランプハウジング32の内部空間32aを閉塞するカバー33とを備えている(図9及び図10参照)。ランプハウジング32とカバー33によって灯具外筐34が構成されている。
【0071】
灯具外筐34の内部には光を出射する図示しない光源の他に、例えば、光源から出射された光を所定の方向へ導く図示しない導光体等が配置されている。
【0072】
ランプハウジング32は、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル共重合体樹脂)等の不透明な樹脂材料によって形成され、例えば、略前後方向を向く略矩形状のベース面部35とベース面部35の外周部から略後方に突出された周面部36と周面部36の後端に連続された枠状の環状部37とを有している。環状部37は外周側の端部が周面部36から外方に張り出され、フランジ状に形成されている。
【0073】
環状部37の後面は溶着面38として形成されている(図10参照)。溶着面38は、例えば、略矩形状に形成され、側方部39と側方隣接部40と延設部41、41から成る。側方部39は略上下に延びる部分であり、側方隣接部40は略上下に延び車輌用灯具1Aに隣接する側の部分であり、延設部41、41は上下に位置され略左右に延びる部分である。
【0074】
環状部37のうち上下に延びる車輌用灯具1A側に位置する端部は側端部42として設けられている。従って、側端部42の後面が側方隣接部40として形成されている。
【0075】
側方隣接部40の上下方向における中間の部分は他の部分より前方に位置された中間部40aとして形成されている。側方隣接部40の中間部40aの上下にそれぞれ連続された部分は斜面部40b、40bとして形成され、斜面部40b、40bはそれぞれ中間部40aから離隔するに従って後方へ変位するように傾斜されている。側方隣接部40の上下両端部は中間部40aより後方に位置された溶着用端部40c、40cとして形成されている。
【0076】
側方隣接部40において、中間部40aと斜面部40b、40bの幅は同じにされ、溶着用端部40c、40cの幅は中間部40aと斜面部40b、40bの幅より小さくされている。溶着用端部40c、40cは側端部42の上下両端部の幅方向における両側に傾斜面42a、42a、42b、42bが形成されることにより、幅が中間部40aと斜面部40b、40bの幅より小さくされている(図10及び図11参照)。傾斜面42a、42aと傾斜面42b、42bはそれぞれ側端部42の幅方向において離隔するに従って前方に変位するように傾斜されている。
【0077】
即ち、側端部42の上端部の幅方向における両側にランプハウジング32の一部が切り欠かれて傾斜面42a、42aが形成されることにより、上側の溶着用端部40cの幅が中間部40aと斜面部40b、40bの幅より小さくされ、側端部42の下端部の幅方向における両側にランプハウジング32の一部が切り欠かれて傾斜面42b、42bが形成されることにより、下側の溶着用端部40cの幅が中間部40aと斜面部40b、40bの幅より小さくされている。
【0078】
溶着面38において、側方部39と延設部41、41は幅が同じにされ溶着用端部40c、40cの幅より大きくされている。側端部40の中間部40aと斜面部40b、40bの幅は側方部39と延設部41、41の幅より大きくされている。
【0079】
カバー33は、例えば、アクリル等の透明な材料によって形成され、外面33aが車輌100の外方を向く意匠面部43と意匠面部43の内面43aにおける一部から前方に突出された溶着脚部44とが一体に形成されて成る。
【0080】
意匠面部43は、例えば、略矩形の板状に形成され、車輌用灯具1Aに隣接する側の端部が隣接側端部45として設けられている。隣接側端部45の内面における上下両端部は溶着面38に接合される隣接側接合部45a、45aとして形成されている。意匠面部43は隣接側端部45側を除き外形の大きさがランプハウジング32における環状部37の外形より一回り大きくされている。
【0081】
溶着脚部44は隣接側端部45の上下両端部を除く部分から突出されている。溶着脚部44の幅は側方隣接部40における中間部40aと斜面部40b、40bの幅より小さくされているが、側方隣接部40における溶着用端部40c、40cの幅W1と溶着脚部44の幅W2とは略同じにされている(図11及び図12参照)。
【0082】
溶着脚部44は全体が隣接する車輌用灯具1Aに対向する対向面部46として設けられている(図10参照)。対向面部46は上下に延びる形状に形成されている。
【0083】
溶着脚部44の先端面は溶着面38にレーザー溶着によって接合される接合面47として形成されている。
【0084】
接合面47は、上下両端部を除く部分が上下両端部より前方に位置された第1の接合部48として形成され、上下両端部がそれぞれ第1の接合部48から離隔するに従って後方へ変位するように傾斜された第2の接合部49、49として形成されている。
【0085】
従って、溶着脚部44は第1の部分44aと第2の部分44b、44bから成る。第1の部分44aは第1の接合部48を有し意匠面部43からの突出量が最大にされている。第2の部分44b、44bはそれぞれ第2の接合部49、49を有し第1の部分44aの上下にそれぞれ連続され上下方向において意匠面部43からの突出量が変化されている。
【0086】
上記のように構成された車輌用灯具1Yにおいては、レーザー溶着によりカバー33がランプハウジング32に接合される。レーザー溶着によるカバー33のランプハウジング32への接合は、レーザー光Bが意匠面部43の外周部における外面側から照射されることにより行われる(図11及び図12参照)。
【0087】
レーザー光Bは意匠面部43又は意匠面部43と溶着脚部44を透過され、ランプハウジング32の溶着面38に到達する。レーザー光Bが溶着面38に到達することにより、接合面47と溶着面38又は意匠面部43の内面43aと溶着面38が溶融されてカバー33がランプハウジング32に接合される。
【0088】
このとき対向面部46は、第1の接合部48が側方隣接部40の中間部40aに溶着され、第2の接合部49、49がそれぞれ側方隣接部40の斜面部40b、40bに溶着され、隣接側端部45の隣接側接合部45a、45aがそれぞれ側方隣接部40の溶着用端部40c、40cに溶着される。また、意匠面部43の内面43aが延設部41、41と側方部39に溶着される。
【0089】
上記のように、隣接側端部45の隣接側接合部45a、45aはそれぞれ側方隣接部40の溶着用端部40c、40cに溶着されるが、溶着用端部40c、40cの幅W1と溶着脚部44の幅W2とが略同じにされているため、側方隣接部40には意匠面部43の内面43aと溶着脚部44の接合面47とが同じ溶着幅で溶着される(溶着部分を図13に斜線で示す。)。このとき側方隣接部40においては、意匠面部43の溶着用端部40c、40cに対する溶着部分と溶着脚部44の中間部40a及び斜面部40b、40bに対する溶着部分とが左右方向おいてずれることなく上下方向において連続して位置される。
【0090】
尚、ランプハウジング32に対するカバー33の溶着の方式としては、照射ヘッドを意匠面部43の外周部に沿って移動させてレーザー光の照射を行うスキャン式や照射ヘッドを固定した状態で照射ヘッドの内部でガルバノミラーを動作させてレーザー光の照射を行うガルバノ式が用いられる。ランプハウジング32に対するカバー33の溶着は、例えば、溶着面38に溶着脚部44を接合させる部分については、溶着面38に対して垂直にレーザー光Bを照射して溶着脚部44に対するレーザー光Bの良好な透過状態を確保する必要があるため、スキャン式によって行われることが望ましく、溶着面38に意匠面部43を接合させる部分については略同時に広範囲にレーザー光Bを照射することが可能なガルバノ式によって行われることが望ましい。但し、隣接側端部45に対するレーザー光の照射においてスキャン式が用いられ、他の部分に対するレーザー光の照射においてガルバノ式が用いられてもよい。
【0091】
カバー33がランプハウジング32に接合された状態においては、隣接側端部45を除いて意匠面部43の外周面が環状部37の外周面より外側に位置され、左右方向において隣接側端部45の側面の位置が側方隣接部40の外側の側縁の位置に略一致される。
【0092】
また、上記したように、接合面47は一定の幅に形成され溶着面38の幅より小さくされているため、接合面47は、例えば、溶着面38の幅方向における中央部に溶着される(図12参照)。
【0093】
このように接合面47が溶着面38の幅より小さくされることにより、カバー33のランプハウジング32に対する位置精度に拘わらず、接合面47の全体が溶着面38に溶着されて接合されるため、カバー33のランプハウジング32に対する良好な接合状態を確保することができる。また、接合面47を溶着面38の幅より小さくして溶着脚部44の幅を小さくすることにより、カバー33の射出成形による冷却時に溶着脚部44のヒケを抑制することが可能になり、カバー33の高い加工精度を確保することができる。
【0094】
また、溶着脚部44が設けられていない部分においては、カバー33の意匠面部43が溶着面38に溶着されて接合されるが、上記したように、隣接側端部45を除いて意匠面部43の外周面が環状部37の外周面より外側に位置されるため、意匠面部43は外周より稍内側の部分が溶着面38に溶着されて接合される。
【0095】
このように意匠面部43の外形が環状部37の外形より大きくされ隣接側端部45を除いて意匠面部43の外周面が環状部37の外周面より外側に位置されることにより、カバー33のランプハウジング32に対する位置精度に拘わらず、溶着面38の全体に意匠面部43が溶着されて接合されるため、カバー33のランプハウジング32に対する良好な接合状態を確保することができる。
【0096】
尚、カバー33のランプハウジング32に対する高い接合性を確保するためには、カバー33のランプハウジング32に対する溶着面積が広くされることが望ましく、車輌用灯具1Yにおいては、隣接側端部45を除く意匠面部43が接合される部分の幅H1が溶着脚部44が接合される部分の幅H2より大きくされている(図13参照)。
【0097】
このように射出成形による冷却時にヒケが生じ難い意匠面部43の接合される部分の幅H1を大きくし、射出成形による冷却時にヒケが生じ易い溶着脚部44の接合される部分の幅H2を小さくすることにより、十分な溶着面積を確保してカバー33のランプハウジング32に対する高い接合性を図った上でカバー33の高い成形精度を確保することができる。
【0098】
以上に記載した通り、車輌用灯具1Yにあっては、溶着脚部44が隣接側端部45における上下両端部を除く部分から突出され、隣接側端部45の上下両端部がそれぞれ溶着面38に溶着される隣接側接合部45a、45aとして形成され、溶着面38における隣接側接合部45a、45aが接する部分が溶着用端部40c、40cとして形成され、溶着用端部40c、40cの幅が溶着脚部44の幅と略同じにされている。
【0099】
従って、カバー33は車輌用灯具1A側の端部において、隣接側接合部45a、45aが溶着脚部44と略同じ幅にされた溶着用端部40c、40cにのみ接した状態で溶着面38に溶着され、カバー33における車輌用灯具1A側の端部に未溶着部分が存在しないため、バリや発泡痕の未溶着部分へのはみ出しと言う不具合を生じることがなく、カバー33のランプハウジング32に対する良好な接合状態を確保することができる。
【0100】
また、ランプハウジング32には溶着用端部40c、40cの幅方向における両側に、幅方向において溶着用端部40c、40cから離隔するに従ってそれぞれカバー33から離隔する傾斜面42a、42a、42b、42bが形成されている。
【0101】
従って、溶着用端部40c、40cの幅が両側の傾斜面42a、42a、42b、42bの形成により定まるため、溶着用端部40c、40cを容易に形成することができると共に溶着脚部44の幅に対する溶着用端部40c、40cの幅に関して寸法精度の向上を図ることができる。
【0102】
<その他>
上記には、車輌用灯具1X、1Yが車輌用灯具1に適用される例について説明したが、車輌用灯具1X、1Yはそれぞれ車輌用灯具1Aに適用されてもよい。また、車輌用灯具1X、1Yはそれぞれ車輌用灯具1と車輌用灯具1Aの双方に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0103】
100…車輌、1…車輌用灯具、1A…車輌用灯具、1X…車輌用灯具、2…ランプハウジング、2a…内部空間、3…カバー、8…溶着面、12…意匠面部、13…溶着脚部、14…隣接側端部、17…対向面部、18…上側部、19…下側部、1Y…車輌用灯具、32…ランプハウジング、32a…内部空間、33…カバー、38…溶着面、40c…溶着用端部、42a…傾斜面、42b…傾斜面、43…意匠面部、44…溶着脚部、45…隣接側端部、45a…隣接側接合部、46…対向面部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13