(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】患者装着型の外科用リトラクタ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/70 20060101AFI20230424BHJP
【FI】
A61B17/70
(21)【出願番号】P 2020516705
(86)(22)【出願日】2018-09-24
(86)【国際出願番号】 IB2018057367
(87)【国際公開番号】W WO2019058344
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-07-02
(32)【優先日】2017-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514046806
【氏名又は名称】メドス・インターナショナル・エスエイアールエル
【氏名又は名称原語表記】Medos International SARL
【住所又は居所原語表記】Chemin-Blanc 38, CH-2400 Le Locle, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ブートワラ・ゾヘル
(72)【発明者】
【氏名】メデイロス・アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ミラー・ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ロメリ・ロマン
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第09615818(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2011/0034779(US,A1)
【文献】米国特許第06083154(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0021285(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0313585(US,A1)
【文献】特表2009-528134(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B13/00-18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具であって、
埋め込み可能なアンカーに連結するように構成された本体であって、前記本体は、ボールソケット継手を形成するようにボールを受容して捕捉するように構成された複数のソケットを含む、本体と、
前記複数のソケットのうちの1つを介して前記本体に連結され、連結されると前記ソケットに対する多軸運動が可能になるように構成されたボールを含む、第1の組織操作用具と、
前記複数のソケットのうちの1つを介して前記本体に連結され、連結されると前記ソケットに対する多軸運動が可能になるように構成されたボールを含む、第2の組織操作用具と、
変形可能な拡張部材を備えるロックであって、前記変形可能な拡張部材は、前記ロックの遠位端部に形成され、前記ボールの内側に配置され、前記変形可能な拡張部材は、半径方向に拡張して前記ボールの変形可能な外面部分を半径方向外側に拡張させ、連結されると前記ソケットに対する運動に対抗するよう前記ボールを選択的にロックするように構成されている、ロックと、を備え、
前記第1の組織操作用具と前記第2の組織操作用具は、連結されると互いに対向し、それらが互いに向かう方向及び互いから離れる方向のいずれかに移動し得るように構成されている、外科用器具。
【請求項2】
前記本体と前記埋め込み可能なアンカーとの間に延在するアンカー延長部を更に備える、請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記本体に連結され、前記アンカー延長部とインターフェースして前記アンカー延長部に対する前記本体の位置を選択的にロックするように構成された延長部ロックを更に備える、請求項2に記載の器具。
【請求項4】
前記延長部ロックは、前記本体に対して運動し、かつ前記アンカー延長部上に形成されたラチェットとインターフェースするように構成された爪を含む、請求項3に記載の器具。
【請求項5】
前記第1の組織操作用具と前記第2の組織操作用具のうちの少なくとも1つは平面状のブレードである、請求項1に記載の器具。
【請求項6】
前記第1の組織操作用具と前記第2の組織操作用具のうちの少なくとも1つは、骨から組織を擦り取るように構成された遠位先端部を含む、請求項5に記載の器具。
【請求項7】
前記第1の組織操作用具と前記第2の組織操作用具のうちの少なくとも1つは、尖った遠位先端部を含む、請求項1に記載の器具。
【請求項8】
前記本体に連結された延長ポストを更に備える、請求項1に記載の器具。
【請求項9】
前記延長ポストは前記本体に対して枢動する、請求項
8に記載の器具。
【請求項10】
前記本体に対する前記第1の組織操作用具と前記第2の組織操作用具の多軸運動は、前記第1の組織操作用具の遠位端部の先と前記第2の組織操作用具の遠位端部の先が、互いに向かう方向及び互いから離れる方向のいずれかに移動することを含む、請求項1に記載の器具。
【請求項11】
前記ロックは、前記第1の組織操作用具の前記ボールを選択的にロックする第1のロックと、前記第2の組織操作用具の前記ボールを選択的にロックする第2のロックを含む、請求項1に記載の器具。
【請求項12】
前記第1の組織操作用具と前記第2の組織操作用具にそれぞれ連結された第1のアームと第2のアームを更に備え、前記第1のアームと前記第2のアームのそれぞれは、内部に形成された1つ又は2つ以上のレリーフスロットを含んだ概ねボール形状の近位端部を有し、前記近位端部が前記変形可能な外面部分を備える前記ボールを画定している、請求項1に記載の器具。
【請求項13】
前記ロックは、前記第1の組織操作用具の前記ボールを選択的にロックする第1のロックと、前記第2の組織操作用具の前記ボールを選択的にロックする第2のロックを含み、
前記第1のロックと前記第2のロックは、前記第1のアームと前記第2のアームにそれぞれ、そのロック上に形成されたねじ山とそのアーム内のスルーホールの内側表面上に形成されたねじ山との間の協働によって連結されるように構成されている、請求項
12に記載の器具。
【請求項14】
前記変形可能な拡張部材が前記第1のロックと前記第2のロックそれぞれの遠位端部に形成されている、請求項
13に記載の器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広義には、外科用器具、システム、及び方法に関するものであり、より具体的には、患者装着型の構成要素を使用して手術部位へのアクセスを提供するための器具、システム、及び方法に関する。このような器具、システム、及び方法は、様々な手技、例えば、脊椎融合手術などの整形外科的又は神経学的外科手技において用いられ得る。
【背景技術】
【0002】
外科処置は、広範な疾患、病気、及び外傷を処置及び治療するために用いられる。外科医はしばしば、観血的又は低侵襲的な外科処置によって内部組織にアクセスする必要がある。「低侵襲」なる用語は、内視鏡手術、腹腔鏡手術、関節鏡手術、自然開口部腔内手術、及び自然開口部経管的手術などのあらゆる種類の低侵襲的外科処置を指す。低侵襲手術は、従来の開腹外科処置と比べて、外傷が少ない、回復が早い、感染の危険性が少ない、及び傷痕が小さいなどの多数の利点を有し得る。
【0003】
低侵襲性であるか否かにかかわらず、多くの外科処置では、患者内の手術部位へのアクセスを提供するために、患者内にワーキングチャネルを形成することが望ましい場合がある。1つのこうした例は、例えば、脊椎固定術を含む整形外科的又は神経学的外科処置であり、ここでは患者の組織を通るワーキングチャネルを形成して、患者の椎骨、及び/又は隣接する椎骨間に配置される椎間板にアクセスすることが望ましい場合がある。
【0004】
患者が配置される手術台に係留される様々な装置、他のいかなる構造にも係留されることなく組織を貫通する装置、又は患者の骨に埋め込まれた複数のアンカーに係留する装置を含めて、このようなワーキングチャネルを提供するための様々な方法が知られている。このような装置構成において、装置は、不適切に支持されることがあり、患者が手術台又は他の外部構造体に対して移動する場合に患者に対して不所望に移動することがあり、あるいは手技のいくつかの態様を実施する際に外科医又は他のユーザーを妨害することがある。
【0005】
例として、隣接する椎骨間に配置された患者の椎間板上での操作を伴う脊椎手技において、椎間板腔へのアクセスは困難となり得る。従来のアプローチは、隣接する椎骨に椎弓根ねじを埋め込む前に、椎間板上で作業を実施することを伴い得る。しかしながら、椎間板手術は、隣接する椎骨から骨の一部分を除去することを伴う場合があり、このことがその後の椎弓根ねじの埋め込みをより困難することがある。したがって、椎骨を除去する前にねじを埋め込むことが望ましい場合があるが、レシーバヘッド(及び典型的にはそれに連結された延長ポスト)が椎間板腔へのアクセスを妨げることがあるため、外科医は、椎間板作業を行う前に椎弓根ねじをレシーバヘッドと共に埋め込むことができない。結果として、外科医は、多くの場合、椎弓根ねじのためのガイドワイヤを挿入し、ガイドワイヤを椎間腔から離れるように曲げてガイドワイヤの周りで椎間板手術を実施し、次いで椎弓根ねじを埋め込むという方式を取ることになる。
【0006】
モジュール式椎弓根ねじの出現により、椎間板手術を実施する前に椎弓根アンカーを埋め込むことが可能となり得る。これは、モジュール式椎弓根ねじが、例えば椎間板へのアクセスを妨害することなく埋め込まれ得る、より薄い埋め込み型アンカーを含み得るからである。脊椎固定エレメントレシーバは、任意の椎間板手術の埋め込み及び完了後にアンカーに連結され得る。このようなアンカーはまた、患者の解剖学的構造の指標となる硬質なアクセスポイントを提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、様々な外科処置の器具類及び方法論を合理化することができる、改善されたアクセス装置、システム、及び方法が必要とされている。例えば、外科用器具を支持するために患者の解剖学的構造に埋め込まれたアンカーを利用し得る、改善されたアクセス装置、システム、及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
いくつかの実施形態では、例えば、アンカーに連結する外科用支持体又は延長部によって、埋め込まれたアンカーに連結し得る患者装着型の外科用リトラクタが提供される。リトラクタは、組織とインターフェースするように構成され得る1つ又は2つ以上の組織操作用具を含み得る。いくつかの実施形態では、リトラクタは、少なくとも第1及び第2の対向する組織操作用具を含み得るが、それらの組織操作用具は、互いに向かう方向及び互いから離れる方向に運動すること及び/又は枢動することの様々な組合せを含めて、多様な様式で運動するように構成され得るものである。例えば、単一の埋め込まれた椎弓根ねじ又は他のアンカーに連結することができ、また対向する組織操作用具を互いに向かう方向又は互いから離れる方向に運動させることによって内側-外側の組織後退をもたらし得るリトラクタが提供され得る。更に、リトラクタは、対向する組織操作用具の先を内側-外側方向に移動させることが可能であり、例えば、その近位端部の間の距離が不変のままで、その遠位端部が互いに向かう方向から互いから離れる方向に運動するように、組織操作用具を枢動又は運動させることが可能である。組織をそのような様式で操作することにより、リトラクタを使用して、患者の皮膚及び下にある組織に形成された切開部を広げて、患者の椎間板腔などの手術部位にワーキングチャネルを設けることができる。そのようなリトラクタは、有利にも、埋め込まれたアンカーと連結することによって患者に向けられてもよく、また、器具のサイズ及び複雑さを最小限に抑えながら、内側-外側又は他の組織後退をもたらし得る。本明細書に記載されるシステム、装置、及び方法は、様々な外科処置で利用することができるが、これらは、脊椎手術などの様々な整形外科的又は神経外科的処置において特段の有用性を有し得る。
【0009】
一態様では、埋め込み可能なアンカーに連結するように構成された本体と、本体に連結され、本体に対する多軸運動が可能な第1の組織操作用具と、本体に連結され、本体に対する多軸運動が可能な第2の組織操作用具と、を備え得る外科用器具が提供される。更に、第1及び第2の組織操作用具は互いに対向してもよく、したがって、それらは互いに向かう方向及び互いから離れる方向のいずれかに移動し得る。
【0010】
本明細書で説明する装置及び方法は、多くの追加の特徴及び/又は変形形態を有することが可能であり、それらの全ては、本開示の範囲に含まれる。いくつかの実施形態では、例えば、器具は、本体と埋め込み可能なアンカーとの間に延在するアンカー延長部を更に備え得る。いくつかの実施形態では、本器具はロックを更に備えてもよく、そのロックは、本体に連結され、アンカー延長部とインターフェースしてアンカー延長部に対する本体の位置を選択的にロックするように構成されたものである。特定の実施形態では、そのロックは、本体に対して運動し、かつアンカー延長部上に形成されたラチェットとインターフェースするように構成された爪を含み得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の組織操作用具のそれぞれは、ボールソケット継手を介して本体に連結し得る。更にまた、いくつかの実施形態では、ボールソケット継手のそれぞれは、運動に対してボールソケット継手を選択的にロックするように構成された拡張部材を含み得る。
【0012】
組織操作用具は様々な形態を有し得る。いくつかの実施形態では、組織操作用具のうちの少なくとも1つは、平面状のブレードであり得る。特定の実施形態では、組織操作用具は、組織操作用具の全長を調節するために互いに対して並進するように構成された第1のブレード及び第2のブレードを含み得る。更に、いくつかの実施形態では、組織操作用具のうちの少なくとも1つは、骨から組織を擦り取るように構成された遠位先端部を含み得る。他の実施形態では、組織操作用具のうちの少なくとも1つは、尖った遠位先端部を含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、器具は、本体に連結された延長ポストを更に備えてもよい。延長ポストは、いくつかの実施形態では、本体に対して枢動することができる。延長ポストは、例えば、いくつかの実施形態では、器具を外部構造体に連結するために利用されてもよい。
【0014】
組織操作用具の様々な運動が可能である。例えば、上述のように、用具は、互いに向かう方向及び互いから離れる方向のいずれかに、例えば、患者の身体に対して内向き及び外向きの方向に移動するように構成され得る。特定の実施形態では、本体に対する組織操作用具の多軸運動は、組織操作用具の遠位端部の先が、互いに向かう方向及び互いから離れる方向のいずれかに移動することを含み得る。例えば、組織操作用具の遠位端部は、組織操作用具の近位端部間の距離が変化しないまま、互いに向かう方向及び互いから離れる方向のいずれかに移動し得る。
【0015】
別の態様では、互いに枢動可能に連結され、埋め込み可能なアンカーに連結するように構成された第1及び第2の対向するハンドル、並びに、第1のハンドルに連結された第1の組織操作用具及び第2のハンドルに連結された第2の組織操作用具を備え得る外科用器具が提供される。更に、第1及び第2のハンドルの互いに向かう方向及び互いから離れる方向のいずれかの運動が、第1及び第2の組織操作用具の互いに向かう方向及び互いから離れる方向のいずれかの運動を引き起こし得る。
【0016】
上記のシステムと同様に、多くの変形例及び追加の特徴が可能である。例えば、いくつかの実施形態では、本器具は、対向するハンドルと埋め込み可能なアンカーとの間に延在するアンカー延長部を更に備え得る。特定の実施形態では、本器具はロックを更に含み得るが、そのロックは、対向するハンドルに連結され、アンカー延長部とインターフェースしてアンカー延長部の長さに沿って対向するハンドルの位置を選択的にロックするように構成されたものである。更に、いくつかの実現形態では、第1及び第2の組織操作用具は、アンカー延長部に対して多軸的に運動するように構成され得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、本器具は、対向するハンドルの互いに対する運動を選択的に防止するように構成されたロックを更に備え得る。このようなロックはまた、組織操作用具の互いに対する運動を防止するように働き得る。
【0018】
組織操作用具は様々な構成を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、組織操作用具のうちの少なくとも1つは、平面状のブレードであり得る。特定の実施形態では、組織操作用具は、組織操作用具の全長を調節するために互いに対して並進するように構成された第1のブレード及び第2のブレードを含み得る。他の実施形態では、組織操作用具のうちの少なくとも1つは、骨から組織を擦り取るように構成された遠位先端部を含み得る。更にまた、いくつかの実施形態では、組織操作用具のうちの少なくとも1つは、尖った遠位先端部を含み得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、本器具は、対向するハンドルに連結された延長ポストを更に含み得る。延長ポストは、特定の実施形態において、対向するハンドルに対して調節するように構成され得る。延長ポストは、特定の実施形態において、器具を手術台などの外部構造体に連結するために利用され得る。
【0020】
組織操作用具の様々な運動が可能である。いくつかの実施形態では、例えば、第1及び第2の組織操作用具は、互いに対して先が移動するように構成され得る。そのような運動において、組織操作用具の遠位端部は、組織操作用具の近位端部よりも大きな量だけ互いに向かう方向及び互いから離れる方向のいずれかに移動し得る。
【0021】
別の態様では、アンカーを患者の骨に埋め込むことと、アンカーにアンカー延長部を連結することと、を含み得る外科的方法が提供される。本方法は、リトラクタアセンブリの第1及び第2の組織操作用具が、患者の組織内に形成された切開部の中へと延在するように、リトラクタアセンブリをアンカー延長部に連結することを更に含み得る。更に、本方法は、患者の組織に形成された切開部の大きさを増大させるために、リトラクタアセンブリの第1及び第2の用具を内側-外側方向に互いから離して移動させることを含み得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の組織操作用具のうちの少なくとも1つは、平面状のブレードであり得る。特定の実施形態では、本方法は、組織操作用具のうちの少なくとも1つの遠位端部を使用して骨から組織を擦り取ることを更に含み得る。例えば、平面状のブレードの遠位端部がこの目的のために利用され得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、本方法は、組織操作用具の遠位端部が、組織操作用具の近位端部よりも大きな量だけ互いに向かう方向及び互いからから離れる方向のいずれかに移動するように、第1及び第2の組織操作用具の先を互いに対して移動させることを更に含み得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、本方法は、組織操作用具のうちの少なくとも1つの長さを調節することを更に含み得る。更に、特定の実施形態では、本方法は、アンカー延長部の長さに沿ってリトラクタアセンブリの位置をロックすることを更に含み得る。本方法はまた、いくつかの実施形態において、アンカーに対するアンカー延長部の位置をロックすることを更に含み得る。更にまた、いくつかの実施形態では、本方法は、アンカー延長部に対する組織操作用具のうちの少なくとも1つの位置をロックすることを更に含み得る。
【0025】
上述した特徴又は変形例のいずれも、多くの異なる組み合わせで、本開示の任意の特定の態様又は実施形態に適用することができる。任意の特定の組み合わせの明確な記述はないが、それは単に本概要での重複を回避するためである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本明細書で提示される教示による外科用器具アセンブリの一実施形態の図である。
【
図2】
図1のアセンブリのリトラクタの詳細図である。
【
図5】
図2のリトラクタの部分的に透明な詳細図である。
【
図6】
図2のリトラクタの部分的に透明な底面詳細図である。
【
図7】
図2のリトラクタの組織操作用具の詳細図である。
【
図8A】本明細書で提示される教示による作動器具の一実施形態の斜視図である。
【
図9】
図1の外科用アセンブリに連結された
図8Aの作動器具の正面斜視図である。
【
図10】本明細書で提示される教示による外科用器具アセンブリの別の実施形態の正面斜視図である。
【
図16】
図11のリトラクタの組織操作用具の別の実施形態の詳細図である。
【
図20A】本明細書で提示される教示による外科用器具アセンブリの一実施形態の正面斜視図である。
【
図23A】組織操作用具及びドライバの一実施形態の詳細図である。
【
図26】
図23Aの組織操作用具の長さを調節するところの正面斜視図である。
【
図27】
図23Aの組織操作用具をロックするドライバの正面斜視図である。
【
図28】
図21のアセンブリに第2の組織操作用具を連結するところの正面斜視図である。
【
図29】
図28の第2の組織操作用具の多軸運動を選択的に誘導し、そのような動きに対して選択的にロックするドライバの正面斜視図である。
【
図30】本明細書で提示される教示による外科用器具の一実施形態の側面斜視図である。
【
図31】アンカー延長部に連結する
図30の器具の側面斜視図である。
【
図32】
図30の器具に連結され得る複数の交換式組織操作用具の側面斜視図である。
【
図33】
図30の器具に連結され得る代替的な複数の交換式組織操作用具の側面斜視図である。
【
図34A】組織操作用具及び
図30の器具の対向するハンドルの可動域の一実施形態の上面図である。
【
図35】互いに対向するハンドルの位置を選択的に維持するためのロックの一実施形態の上面図である。
【
図36】本明細書で提示される教示による外科用器具の別の実施形態の正面斜視図である。
【
図40】本明細書で提示される教示による外科用器具アセンブリの一実施形態の正面斜視図である。
【
図41】
図40の外科用器具アセンブリの第1の構成要素の正面斜視図である。
【
図42】
図41の第1の構成要素に連結している
図40の外科用器具アセンブの第2の構成要素の正面斜視図である。
【
図43】組織操作用具の一実施形態の第1の構成要素の正面斜視図である。
【
図44】
図43の組織操作用具の第2の構成要素の正面斜視図である。
【
図47】組織操作用具の様々な自由度を示す、
図46のアセンブリの正面斜視図である。
【
図48】組織操作用具の運動を選択的に妨げるためのロックの一実施形態を示す、
図46のアセンブリの詳細図である。
【
図49】第1のドライバの除去を示す、
図47のアセンブリの正面斜視図である。
【
図50】第2のドライバの除去を示す、
図47のアセンブリの正面斜視図である。
【
図51】
図40のアセンブリに連結している組織操作用具の代替的な実施形態を示す詳細図である。
【
図52】組織操作用具を外科用器具アセンブリの別の構成要素に結合する際の第1の工程を示す詳細図である。
【
図53】組織操作用具を外科用器具アセンブリの別の構成要素に結合する際の第2の工程を示す詳細図である。
【
図54】外科用器具アセンブリに対する組織操作用具の自由度を示す詳細図である。
【
図55】外科用器具アセンブリに連結され得る様々な交換式組織操作用具を示す詳細図である。
【
図56】外科用器具の組織操作用具の様々な自由度を示す詳細図である。
【
図57】外科用器具の組織操作用具の様々な自由度の代替的な図である。
【
図58】椎骨の伸延を実施し得る外科用器具アセンブリの一実施形態の正面斜視図である。
【
図59】
図58の外科用器具アセンブリを操作する際の第1の工程を示す詳細図である。
【
図60】
図58の外科用器具アセンブリを操作する際の第2の工程を示す詳細図である。
【
図61】
図58の外科用器具アセンブリを操作する際の第3の工程を示す詳細図である。
【
図62A】多軸ねじレシーバヘッドに連結された組織操作用具を含む外科用器具アセンブリの一実施形態の側面斜視図である。
【
図62B】多軸ねじに連結されたアンカー延長部を含む、
図62Aのアセンブリの上面図である。
【
図63】患者の骨にアンカーを埋め込むための方法の一実施形態の側面斜視図である。
【
図64】多軸ねじレシーバヘッドに連結され得る複数の交換式組織操作用具の側面斜視図である。
【
図65】
図64の組織操作用具及び多軸ねじレシーバヘッドの代替的な反対側の側面斜視図である。
【
図66】多軸ねじレシーバヘッドに連結された組織操作用具の一実施形態の正面斜視図である。
【
図67】
図66の組織操作用具及びレシーバヘッドの背面斜視図である。
【
図68】埋め込まれたアンカーに第1の組織操作用具及び第1のレシーバヘッドを連結するための方法の一実施形態の側面斜視図である。
【
図69】埋め込まれたアンカーに第2の組織操作用具及び第2のレシーバヘッドを連結するための方法の一実施形態の側面斜視図である。
【
図70】レシーバヘッドを多軸ロックアウトポストとインターフェースさせるための方法の一実施形態の側面斜視図である。
【
図71A】多軸レシーバヘッド及び組織操作用具の様々な自由度の側面斜視図である。
【
図71B】多軸レシーバヘッド及び組織操作用具の様々な自由度の代替的な上面図である。
【
図72】使用後に組織操作用具を取り外すための方法の一実施形態の側面斜視図である。
【
図73】本明細書で提示される教示による脊椎伸延器具の一実施形態の側面斜視図である。
【
図74A】本明細書に記載される他の外科用器具と連結する
図73の伸延器具の側面斜視図である。
【
図75】
図74Aに示される他の外科用器具に伸延力を加える、
図73の脊椎伸延器具の側面斜視図である。
【
図76】本明細書で提示される教示による脊椎伸延器具の別の実施形態の側面斜視図である。
【
図77】本明細書に記載される他の外科用器具と連結する
図76の伸延器具の側面斜視図である。
【
図79】リトラクタの別の実施形態の部分的に透明な斜視図である。
【
図80】
図79のリトラクタの一部分の部分的に透明な詳細図である。
【
図82】
図79のリトラクタの多軸ロッキング機構の部分的に透明な詳細図である。
【
図84】リトラクタの別の実施形態の部分的に透明な斜視図である。
【
図85】
図84のリトラクタの一部分の部分的に透明な詳細図である。
【
図91A】組織操作用具と連結する前の作動器具の別の実施形態の側面図である。
【
図93】外科用器具アセンブリの一実施形態の斜視図である。
【
図94】
図93の外科用器具アセンブリの構成要素の分解組立図である。
【
図96】
図93のアセンブリの伸延ラックカプラの斜視図である。
【
図97A】
図93のアセンブリのリトラクタに連結している
図93のアセンブリの安定ハンドルの斜視図である。
【
図97B】
図93のアセンブリのリトラクタに連結された
図93のアセンブリの安定ハンドルの斜視図である。
【
図97C】
図93のアセンブリの安定ハンドル及びリトラクタに連結された
図93のアセンブリの光源の斜視図である。
【
図98】
図93のアセンブリの光源及び
図93のアセンブリの様々な組織操作用具の側面図である。
【
図100A】
図93のアセンブリのアームと位置合わせされたモジュール式組織操作用具の一実施形態の詳細図である。
【
図101A】
図93のアセンブリの拡張可能な組織操作用具と位置合わせされた組織操作用具アジャスタの一実施形態の上面斜視図である。
【
図101B】
図93のアセンブリの静止型組織操作用具と位置合わせされた、
図101Aの組織操作用具アジャスタ及び展開式組織操作用具の側面図である。
【
図101D】
図101Cの組織操作用具アジャスタ、展開式組織操作用具、及び静止型組織操作用具の詳細図である。
【
図101E】組織操作器具アジャスタを連結解除した後の
図101Dの展開式及び静止型組織操作用具の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本願で開示する装置、システム、及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理が総括的に理解されるように、特定の例示的実施形態について、これから説明する。これらの実施形態のうちの1つ又は2つ以上の実施例が、添付の図面に例示されている。当業者であれば、本明細書で詳細に説明され、添付の図面に示される装置、システム、及び方法は、非限定的な例示的実施形態である点を理解するであろう。1つの例示的な実施形態に関連して図示又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。そのような修正及び変形は、本開示の範囲内に含まれるものとする。
【0028】
更に、直線又は円形の寸法が、開示される装置及び方法の説明で使用される限りにおいて、このような寸法は、このような装置及び方法と共に使用され得る形状のタイプを限定することを意図しない。当業者には、任意の幾何学的形状についてかかる直線寸法及び円寸法に相当する寸法を容易に決定することができる点が認識されるであろう。更に、本開示において、実施形態の同様の番号が付された構成要素は、概して類似する特徴を有する。更に、装置の寸法及び形状、並びにその構成要素は、装置が使用されることになる患者の解剖学的形態、装置と共に使用されることになる構成要素の寸法及び形状、並びに装置が使用されることになる方法及び手技に少なくとも依存し得る。
【0029】
図1~
図9は、本明細書で提示される教示による例示的な外科用器具アセンブリ100を示す。アセンブリ100は、マイクロサージャリーによる骨切除術、脊髄減圧術、脊椎固定などの脊椎手術を含む様々な外科処置において使用され得る。一般に、アセンブリ100は、椎弓根ねじ又は他の骨ねじなどの埋め込まれたアンカー104に連結する支持器具102を含むことができる。アセンブリ100は、支持器具102に連結されたリトラクタ106を更に含むことができる。本明細書に図示されていない他の構成要素は、アセンブリ100に含まれるか、あるいは連結されてもよい。このような構成要素は、例えば、様々なカメラ又は可視化システムのいずれか、及び様々な他の外科用器具のいずれかを含み得る。
【0030】
図1~
図9のアセンブリ100を使用する例示的な方法は、様々な順序のうちのいずれかで実施される以下の工程、すなわち、a)患者の皮膚に切開部を作る工程、b)椎弓根ねじ又は他の骨ねじなどの埋め込み可能なアンカーを、切開部を通して経皮的に挿入する工程、c)埋め込まれたアンカー(例えば、椎弓根アンカー)に支持器具102を連結する工程、d)器具に組織リトラクタを連結する工程、e)切開部を取り囲む組織の内側-外側の後退をもたらす工程、f)組織リトラクタ及び/又は器具に光学的可視化器具を連結する工程、g)上関節突起の一部分を切除し、かつ/又はマイクロサージェリーによる減圧手技を実施する工程、h)椎骨終板からの軟骨質の物質を除去することを含んだ、椎間板物質を摘出する工程、i)椎体間装置を挿入する工程、及び、j)椎間部分を安定化させるために、安定化機構を配置する工程、のうちの1つ又は2つ以上を含み得る。
【0031】
図1~
図9に戻ると、
図1は、埋め込み可能なアンカー104及び組織リトラクタ106に連結された支持器具102を含む外科用器具アセンブリ100の一実施形態を示す。支持器具102の実施形態に関する更なる詳細は、本明細書と同時に出願された米国特許出願第_____号、発明の名称「PATIENT-MOUNTED SURGICAL SUPPORT」に見出され得る。埋め込み可能なアンカー104の実施形態に関する更なる詳細は、2016年7月13日出願の米国特許出願第15/208,872号、発明の名称「BONE ANCHOR ASSEMBLIES AND RELATED INSTRUMENTATION」に見出され得る。更に、外科用アセンブリ100において使用され得るリトラクタの特定の実施形態に関する詳細は、下記及び米国特許第7,491,168号に見出され得る。これらの参考文献のそれぞれの全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0032】
一般に、支持器具は細長本体108を含み得るが、その細長本体の遠位端部には、アンカー104の狭小ネックとインターフェースし得る、横方向に延在するフォークが形成されている。フォークは、対向する突出部を含み得るが、この突出部は、細長本体の遠位部分から横方向に延在し、埋め込み可能なアンカー104の一部分を受容するように寸法決めされ得るU字型の又は別様に端部が開放された凹部を画定する。例えば、突出部は、モジュール式の単軸又は多軸椎弓根ねじの一部であり得る骨アンカーの近位部分の周囲に嵌合するように構成され得る。このようなアンカーは、骨にタッピングするためのねじ山を有する概ね円筒形の遠位シャンク部分、並びにシャンク部分の近位の狭小ネック、及びより幅広の近位ヘッドを含むことができる。近位ヘッドは、形状において概ね球状又は半球状であってもよく、また患者の骨内への埋め込みの前又は後にレシーバヘッドと連結するように構成され得る。細長本体はまた、アンカー104に対する器具102の多軸運動を制御するためにアンカーのヘッドに抗力を発揮するように構成されたロックを含むことができる。
図3に示すように、ロックはロック本体302を含むことができ、このロック本体は、細長本体108に連結されるものであり、細長本体の長手方向軸線304に沿って細長本体に対して並進可能である。ロック本体302は、細長本体108と連結すること及び細長本体に沿ってあるいは細長本体に対して並進すること又は摺動することを容易にするために、概ね細長い形状を有し得る。ロックは、細長本体108に更にねじ込まれる際にロック本体302の遠位並進を引き起こし得るロックねじ305によって作動され得る。ロック本体302は、その遠位端部に、横方向に延在するリング形状突出部306を更に含んでもよく、このリング形状突出部は、アンカー104の近位ヘッドに接触し、その近位ヘッドに抗力を及ぼすように構成され得る。リング形状突出部306は、アンカー104のヘッドの近位端部上に形成された駆動特徴部へのアクセスを維持するためのルーメンを画定し得る。このルーメンは、突出部306の横方向延長部及び細長本体108の遠位端部に形成されたフォークと共に、器具の長手方向軸線がアンカー104の長手方向軸線と横方向にオフセットされるかあるいは非同軸になるように、器具100を方向付けることができる。そのような構成は、器具100が連結されている場合であっても、ドライバ又は他の器具がアンカー104の駆動特徴部にアクセスすることを可能にし得る。これにより、器具100をアンカー104に連結する前及び後のいずれにおいても、アンカーを埋め込むための柔軟性を得ることが可能となる。
【0033】
図2に戻ると、組織リトラクタ106の一実施形態のより詳細な略図が提示されている。リトラクタ106は、支持器具又はアンカー延長部102に連結するように構成され得る本体202を含むことができる。第1及び第2の組織操作用具204、206は、例えば、それぞれ剛性アーム208、210によって本体202に連結され得る。第1及び第2の組織操作用具204、206のそれぞれは、ボールソケット継手などの多軸継手212、214を介して、本体に対する多軸運動が可能となり得る。このような継手は、組織操作用具204、206が様々な様式で互いに対して移動することを可能にし得る。例えば、用具204、206は、支持器具102の長手方向軸線(例えば、
図3の軸304に平行な軸線)に平行に延在する軸線を中心として、互いに向かって又は互いから離れる方向に枢動され得る。用具204、206はまた、例えば軸線304に対して横行又は斜行する軸線を中心として、互いに向かって又は互いから離れる方向に枢動され得る。例えば、用具204、206は、互いに対して先を移動され得るが、ここで、用具の遠位端部は、用具の近位端部よりも大きな量だけ互いに向かってあるいは互いから離れて移動される。いくつかの実施形態において、先が移動することは、用具の近位端部が互いに向かって移動されるか、あるいは移動せず、したがって用具の近位端部間の距離が依然として不変である一方で、用具の遠位端部を互いから離して移動させることを含み得る。更に、各多軸継手212、214は、関連する組織操作用具204、206の位置を選択的にロックしたり、少なくとも閾値レベルの力の非存在下での移動を阻止する抗力を負わせたりするために使用され得るロック216、218を含み得る。
【0034】
上述のように、組織リトラクタ106は、支持器具又はアンカー延長部102に連結するように構成されてもよく、また、埋め込まれたアンカー104に対するリトラクタの高さを調節するために、そのような器具の長さに沿って摺動するように構成されてもよい。
図2に示されるように、リトラクタの本体202は、閉鎖された又は部分的に開放されたルーメン又は凹部220を含むことができ、そのルーメン又は凹部は、概ね円筒状の細長本体108(
図1を参照)など、支持器具102の一部分を受容するように構成されている。リトラクタ106は、支持器具の細長本体108上に形成されたラチェットラック又は他の一連の凹部若しくは他の表面特徴部と係合し得るばね付勢型の突出部又は爪222など、支持器具102に対するリトラクタの位置を選択的にロックする特徴部を更に含み得る。更に、いくつかの実施形態において、ロッキング特徴部222は、支持器具102の長さに沿った移動だけでなく、その周りの回転をも防止するように構成され得る。ユーザーが、リトラクタ106の本体202内に配設されたばね又は他の付勢要素の付勢力に対抗して、突出部222を容易に引っ込めることを可能にするために、図示の摺動部材又は並進部材などのアクチュエータ224が含められ得る。
【0035】
支持器具102の長さに沿ったリトラクタ106の位置を調節することに加えて、組織操作用具204、206のそれぞれの長さも調節され得る。例えば、いくつかの実施形態において、組織操作用具204、206はそれぞれ、組織操作用具204、206に対して並進するように構成され得る延長部226、228を含み得る。関連する用具204、206に対して近位又は遠位のいずれかに延長部226、228を並進させることにより、用具の全長を変化させることができ、また例えば、リトラクタ106が支持器具の細長本体108のより近位側の部分に沿って患者の皮膚表面よりも高い高さに装着されている場合にも、器具が組織の中へとより深く到達することが可能となり得る。
【0036】
図3は、リトラクタを支持器具の近位部分の上で下方にあるいは遠位方向に摺動させることによって、リトラクタ106がどのように支持器具102に連結され得るかを示す部分分解図を示す。例えば、リトラクタ106の凹部又はルーメン220は、支持器具の略円筒状の細長本体108と整列されてもよく、またリトラクタは、軸線304に沿って下方又は遠位側に前進されてもよい。支持器具に対してリトラクタを前進させている間、ユーザーは、支持器具に対するリトラクタの自由な運動を可能にするために、摺動レバー224を使用してばね付勢型の爪又は突出部222を手動で後退させ得る。所望の位置に到達させると、リトラクタ及び支持器具の相対的な位置付けを維持するために、ユーザーはレバー224を解放して、突出部222が前進されて細長本体108上に形成された相補的な凹部又は他の特徴部と係合するようにし得る。他の実施形態では、細長本体108及び突出部222上に形成された相補的特徴部は、付勢されたラチェットとして形成されてもよく、ここで、例えば、リトラクタの遠位側への前進は、レバー224を作動させることなく達成され得るが、器具102に対するリトラクタ106の近位側への後退は、付勢された突出部222を引っ込めるためにレバー224を作動させることが必要となる。
【0037】
図4~
図7は、リトラクタ106の様々な構成要素の相互作用をより分かりやすく説明するために、様々な分解図及び部分的に透明な図でリトラクタ106を示している。例えば、多軸継手212、214は、より詳細に見ることができる。各多軸継手212、214は、リトラクタ106の本体202に形成されたソケット402、404を含み得る。組織操作用具204、206に連結されたアーム208、210のそれぞれは、近位端部の様々な部分がその他の部分に対して変形し得るように、内部に形成された1つ又は2つ以上のレリーフスロットを含んだ概ねボール形状の近位端部406、408を有し得る。ロック216、218は、ロック上に形成されたねじ山410、412とアーム208、210内のスルーホールの内側表面上に形成されたねじ山414、416との間の協働によって、各アーム208、210に連結され得る。更に、変形可能な拡張部材418、420が各ロック216、218の遠位端部に形成され得る。
【0038】
組み立てられたとき、
図5及び
図6に示されるように、拡張部材418、420は、概ねボール形状の近位端部406、408内に配設され得る。更に、これらの構成要素の両方が、本体202のソケット402、404のうちの1つの内部に配設されてもよい。使用の際、ロック216、218は、アーム208、210に対して回転されると、アーム208、210とロック216、218との間のねじ連結により、ソケット402、404の中へと更に前進し得る。ソケット402、404の中へのロック216、218の前進は、各ロックの遠位端部に形成された変形可能な拡張部材418、420を圧迫して、半径方向外向きに拡張させることになり得る。変形可能な拡張部材418、420は、半径方向に拡張すると、アーム208、210のボール形状の近位端406、408の様々な部分を圧迫してソケット402、404の側壁と接触させ得る。これにより、ソケット402、404とアーム208、210のボール形状の近位端406、408との間の摩擦力の増加が引き起こされ得る。更に、ロック216、218が十分に前進すると、拡張部材418、420の力により、ボール形状の近位端部406、408が所定の位置に効果的にロックされ、それによって、アーム208、210又はそれに連結された組織操作用具204、206の任意の運動が防止され得る。
【0039】
図4~
図7はまた、組織操作用具204、206、並びにそれに連結された延長部226、228の更なる特徴を示す。例えば、組織操作用具204、206はそれぞれ、組織の後退を効果的に実施するために、組織に当接し、組織を引き戻すように構成された、概ね平面状のブレード又は表面であってもよい。しかしながら、他の実施形態では、任意の軸線に沿った湾曲を有する非平面状のブレード又は表面を含めて、様々な他の形状が利用され得る。図示の用具204、206はまた、その長さに沿って形成されたアーム702、704を含み、それらのアームは、延長部226、228と用具204、206との分離を防止するように、延長部226、228の縁部を受容し得る凹部を画定している。延長部226、228は、用具204、206に対して平行移動することができ、延長部及び用具の相対位置は、各用具204、206上に形成されたラチェットラック422と、各延長部226、228上に形成された爪426を有する板ばね424との間の相互作用によって維持され得る。爪426及び/又はラチェットラック422上に形成された歯若しくは他の表面特徴部は、例えば、延長部226、228が用具204、206に対して一方向に前進することを可能にしながら、板ばね424の付勢力に対抗して爪426を圧迫することなく反対方向に後退することを防止するように付勢され得る。
【0040】
図8A~
図9は、リトラクタ106のロック216、218を作動させるために使用され得るドライバ800の一実施形態を示す。
図8A及び
図8Bに示されるように、ドライバ800は、駆動シャフト804を取り囲むハウジング802を含み得る。駆動シャフト804は、その近位端部においてハンドル806に、またその遠位端部において駆動インターフェース808に連結され得る。後述のように、ハウジングはまた、第2の安定化シャフト810を取り囲んでもよく、この第2の安定化シャフトは、駆動シャフト804に加えられるトルクが、埋め込まれたアンカー104を中心として、リトラクタ106及び/又は支持器具102を回転させたり、あるいは別様に運動させることを防止するのを支援し得るものである。駆動インターフェース808は、
図9に示されるように、ロック216、218のうちの1つの近位端部に当接するように構成され得る。したがって、駆動インターフェースは、ロック216、218の近位端部上に形成された1対又は2対以上の対向する平坦表面に当接し得る、1対又は2対以上の対向する平坦表面812a、812bを含むソケットなど、ロックにトルクを伝達するのを支援するための特徴部を含んでもよい。
【0041】
使用の際、
図9に示されるように、ドライバ800は、駆動インターフェース808がロック216、218のうちの一方の近位端部を受容するように位置付けられ得る。安定化シャフト810は、対応するアーム208、210に当接し、遠位方向への力を加えるように、遠位側に前進され得る。特定の実施形態において、アーム208、210は、以下の
図23A~
図29に関連して説明されるように、中に形成された凹部を含んでもよく、その凹部は、安定化シャフト810の遠位端部を受容し得るものである。次いで、ロック218を作動させるために、トルクがユーザーによってハンドル806を介して加えられてもよく、また安定化シャフト810は、そのトルクがリトラクタアセンブリ106全体を回転させることを防止し得る。
【0042】
上述のリトラクタアセンブリ106は、支持器具又はアンカー延長部102及び埋め込まれたアンカー104と組み合わせて、例えば、患者の皮膚及び組織に形成された切開部を拡幅し、手術部位へのより良好なアクセスを可能にするために使用され得る。更なる実施例として、いくつかの実施形態において、これらの構成要素は、単一の埋め込まれたねじ又はアンカーに係留され、様々な外科処置のためのアクセスを増加させるための内側-外側組織後退をもたらすアセンブリを形成してもよい。切開部を取り囲む皮膚及びその下にある組織を内側及び外側に後退させることは、患者の脊椎又は椎間腔にアクセスするために、組織操作用具間により広い開口部及びワーキングチャネルを設けることになり得る。いくつかの実施形態では、ワーキングチャネルは、隣接する椎骨に埋め込まれた隣接するアンカーを包囲するように延在し得る。切開壁の組織が後退してワーキングチャネルを形成すると、リトラクタアセンブリの組織操作用具によって画定されるワーキングチャネルを通じて1つ又は2つ以上の器具を導入することによって、様々な外科処置のいずれかが実施され得る。例えば、椎間板交換、椎間板切除、終板調製、固定ケージ挿入、骨移植片送達などの椎間板腔に対する処置は、器具又はインプラントをワーキングチャネルに通すことによって実施され得る。
【0043】
図10~
図19は、埋め込み可能なアンカー104及び組織後退アセンブリ1006に連結された支持器具1002を含む外科用器具アセンブリ1000の代替的な実施形態を示す。また、後退アセンブリ1006の本体1018に対する対向する組織操作用具1014、1016の多軸運動を選択的に許可又は阻止し得るロック1010、1012を作動させるために使用され得るドライバ1008の代替的な実施形態も示されている。
【0044】
図11~
図14に示されるように、外科用器具アセンブリ1000は、支持器具1002及びリトラクタアセンブリ1006の基本構成を含めて、上述のアセンブリ100と同様である。支持器具1002は、
図11に示されるように、支持器具1002に沿ったリトラクタアセンブリ1006のより広範な調節を可能にするために、延長された長さを有している。当然のことながら、支持器具1002に対し、様々な長さのうちのいずれもが利用され得る。更に、組織操作用具1014、1016は、異なる構成を有する。例えば、器具1014は、平面状の組織後退ブレードではなく、代わりに、骨に接触するのに有用であり得る尖った先端部を有する。
【0045】
更に、
図12に示されるように、組織リトラクタアセンブリ1006は、延長ポスト1206に枢動可能に連結し得る本体1018から延在する突出部1204を含み得る。延長ポスト1206は、延長ポスト1206が本体1018に対して様々な角度で位置付けられ得るように、突出部1204及び本体1018に対して軸線P
1を中心に枢動し得る。延長ポスト1206は、組織リトラクタアセンブリ1006を手術台などの外部構造体に連結するために使用され得る。いくつかの実施形態では、手術台などの外部構造とは対照的に、患者の身体に、特に単一の埋め込まれた骨ねじ又は他のアンカーに係留されるアセンブリを利用することが有利となり得る。例えば、患者の身体に対する係留は、患者が処置中に動く場合でも、アクセス装置と患者との間の相対位置を維持することによって利点をもたらし得る。更に、単一の骨ねじ又は他のアンカー(例えば、複数の埋め込まれたアンカーにわたってまたがる構造体とは対照的に)に係留することが有利であり得るが、それは、この係留によって、器具のフットプリントが低減され得、処置で用いられる他の用具のためにより大きな作業空間が得られるためである。しかしながら、いくつかの実施形態では、本明細書に記載される器具及びアセンブリを、手術台などの外部構造体に係留することも可能となり得る。延長ポスト1206は、いくつかのこのような実施形態において利用され得る。外部固定が採用されるいくつかの実施形態では、患者が動く場合に、埋め込まれたアンカーに対するいくらかの調節が可能となるようにするため、埋め込まれたアンカーに対する運動に対して支持器具又はアンカー延長部をロックすることが回避されてもよい。
【0046】
図12及び
図14に示されるように、延長ポスト1206は、突出部1204の端部に形成された一連の凹部1208又は他の相補的な表面特徴部のいずれかと選択的に係合し得る爪1402を使用して、本体1018に対して様々な角度のうちのいずれかでロックされ得る。爪を選択的に、凹部1208のうちの1つと係合するように前進させるか、あるいは接触しないように後退させて、本体1018の突出部1204に対する延長ポスト1206の枢動を可能にするために、親指スライド1210が、爪1402に連結され使用され得る。
【0047】
図13及び
図15~
図17は、組織操作用具、並びに異なる用具を容易に交換するためのモジュール式接続機構の様々な実施形態を示す。例えば、本体1018に多軸式で連結される組織リトラクタアセンブリ1006のアーム1302、1304は、その遠位端部に形成されたスロット1306、1308を含み得、それらのスロットは、組織操作用具1014、1016の近位部分を受容し得るものである。
図15に示されるように、例えば、組織操作用具1014は、アーム1302、1304のスロット1306、1308のいずれか1つに受容されるように構成された近位部分1502を含み得る。アームの近位部分1502は、例えばアーム1302からの用具1014の意図しない分離を防止するのに役立ち得る、例えば肩部、隆起部、張り出し部、アームなどの特徴部を含む、スロット1306、1308に対して相補的な形状を含み得る。
図15はまた、近位部分1502から延在するシャフト1504及び横方向に延在するテーパ付き遠位先端部1506を含む非平面状の組織操作用具の一実施例をより詳細に示している。このような用具は、骨などの硬質表面に接触するのに有用であり得る。
【0048】
図16及び
図17は、様々な実施形態で用いられ得る平面状の組織操作用具又はブレードの様々な実施形態を示す。例えば、
図16の用具1016は、組織リトラクタアセンブリ1006のアーム1302、1304のスロット1306、1308のいずれか1つの中へと摺動するように構成された近位部分1602を含み得る。用具1016は、その長さに沿って延在する複数のフィンガー1604を有する平面状の本体を更に含み得る。フィンガー1604は、組織操作用具1016から離れて延在する遠位先端部1606を含み得る。このような特徴部は、例えば、組織操作用具1016が手術部位で適所へと移動される際に、組織を骨から擦り取るために使用され得る。
【0049】
図17は、概ね平面状の組織操作用具の様々な代替的な実施形態を示す。これらは、直線状の遠位縁部1704を有する用具1702、並びにその遠位縁部に形成された尖った突出部1708を有する用具1706を含み得る。用具1710は、延長部、例えば、器具1702、1706などの平面状の器具の別の実施形態と嵌合して、調節可能な長さの組織操作用具を提供するように構成され得る。用具1710及びそれに連結された任意の延長部の相対位置は、上述のように、ラチェットラック1712又は他の一連の表面特徴部及び延長部上の爪若しくは他の突出部を使用して維持され得る。用具1710はまた、上述のように、モジュール式組織リトラクタアセンブリ上に形成された相補的なスロットとインターフェースするための近位部分1716と共に図示されている。組織リトラクタアセンブリアーム上のスロットとインターフェースするための同様の近位部分1718を含み得る代替的な用具1714も図示されている。用具1714は、用具1016に関連して上述したように、その長さに沿って延在する複数の指部1720を、曲線状の遠位先端部と共に含み得る。
【0050】
図18A~
図19はドライバ1008を更に詳細に示している。いくつかの実施形態では、ドライバ1008は、その近位端部でハンドル1806に連結する駆動シャフト1804の周りに配設されたハウジング1802を含み得る。駆動シャフト1804の遠位端部1812は、組織リトラクタアセンブリ1006のロック1010、1012の近位端部とインターフェースして作動トルクを付与するように構成され得る。ドライバ1008はまた、駆動シャフト1804の周りに同軸状に配設され、ハウジング1802及びインターフェース1808に連結される安定化シャフト1810を含み得る。インターフェース1808は、対向するスロット又は切り欠き1814、1816を含んでもよく、それらのスロット又は切り欠きは、駆動シャフト1804の遠位端部1812がロックと係合するように、インターフェースがロック1010、1012の一方の上に配設されるときに、アーム1302、1304の一方の各部分を受容し得るものである。次いで、ユーザーは、ハウジング1802を安定した状態に保持することによって、リトラクタアセンブリ1006が、ハンドル1806の旋回に応答して、回転したり若しくは別様に運動する傾向に対抗し得る。より具体的には、ハウジング1802と安定化シャフト1810とインターフェース1808との間の強固な非回転連結は、スロット1814、1816があるが故にインターフェース1808がアーム1302、1304に対して回転できないことと相まって、ユーザーが基部1802を保持しながらハンドル1806を旋回させるときに、有効な安定性をもたらし得る。
【0051】
図20A~
図29は、アンカー104及び組織後退アセンブリ2003に連結された外科用支持器具2002を含む外科用器具アセンブリ2000の更に別の実施形態を示す。組織リトラクタアセンブリ2003は、支持器具2002の長さに沿って摺動する本体2004に多軸式で連結される、対向する第1及び第2の組織操作用具2006、2008を含めて、上記のものと同様である。組織操作用具2006、2008は、長さを調節するための延長部2010を含んだ用具2006を少なくとも備えた曲線状の本体として示されている。更に、延長部2010は、その遠位端部から延在する複数のフィンガー2012を含み得、それらのフィンガーは、例えば、用具2006及び延長部2010が手術部位に位置付けられたときに、骨から組織を擦り取るために使用され得るものである。上記の実施形態と同様に、多軸継手2014、2016は、組織操作用具2006、2008を移動させるときに抗力を誘発するために、あるいはリトラクタアセンブリ2003の本体2004に対するそれらの移動を完全に防止するために、選択的にロック可能であり得る。
【0052】
図に示されるように、組織リトラクタアセンブリ2003は、支持器具2002の長さに沿って形成された相補的形状の隆起部又は突出部2022を受容し得る、本体2004に形成されたスロット2020を介して、支持器具2002に摺動可能に連結され得る。例えば、
図21に示されるように、組織リトラクタアセンブリ2003の本体2004は、隆起部2022がスロット2020内に受容されるように、支持器具2002の上に位置合わせされ、下向き又は遠位側に前進され得る。支持器具2002及びリトラクタアセンブリ2003を自由に摺動させるために、ロックレバー2018は、
図22Aに示されるように、支持器具2002上に形成されたラチェットラック2204から爪2202を解放するように、枢動軸線を中心として運動され得る。
図22Bに示されるように、支持器具2002に対するリトラクタアセンブリ2004の所望の位置(例えば、患者の皮膚表面と位置合わせされた高さ、又は皮膚表面の上の所望の距離)に到達すると、ロックレバー2018は、爪2202をラチェットラック2204と係合させるように動かされ、それによって、2つの構成要素を互いに対してロックし得る。当然ながら、様々な実施形態において、ロックレバー2018は付勢されてもよく、かつ/又は爪及びラチェットラックは、例えば、支持器具2002の長さに沿って下向き若しくは遠位側に移動する一方で、反対方向への移動に抵抗することを可能にする相補的な形状を有してもよい。
【0053】
図23A~
図29に示されるように、組織操作用具は、組織リトラクタアセンブリ2003にモジュール式で連結され得る。例えば、ドライバ2300は、
図23A及び
図23Bに示されるように、組織操作用具2006の近位端部に連結され得る。ドライバ2300の駆動シャフト2302の遠位端部は、組織操作用具2006のロック2306とインターフェースすることができ、安定化シャフト2304の遠位端部は、ロック2306に連結する接続アームなどの用具2006の近位部分に形成された凹部2308内に受容され得ることに留意されたい。器具2006がドライバ2300に連結された状態で、ドライバは、
図24及び
図25に示されるように、ロック2306のボール形状の遠位部分が組織リトラクタアセンブリ2003の本体2004内に形成されたソケット内に受容されるように、器具を位置付けることができる。組織操作用具2006は、ドライバ2300又はユーザーによる直接的な操作を用いて、本体2004、支持器具2002、及びアンカー104に対して多軸的に運動され得る。そのような多軸的な運動が
図25に矢印2502によって示されている。更に、
図26の矢印2602によって示されるように、組織操作用具2006の長さは、組織操作用具に対して延長部2010を近位方向又は遠位方向に並進させることによって調節され得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、ユーザーは、筋肉又は他の組織を骨から分離するためのコブ(cobb)又は他の外科用器具の代わりに、組織操作用具2006に連結されたドライバ2300を使用することができる。例えば、ユーザーは、組織操作用具を本体2004に連結する前に、骨から組織を擦り取るために、組織操作用具又はブレード2006の遠位端部にある複数のフィンガー又は歯2012を利用し得る。更に他の実施形態では、用具2006は、本体2004に連結した後に同様の方式で利用され得るが、リトラクタアセンブリ2003の位置を調節し、器具2006を多軸的に運動させて組織を骨から分離することができる。
【0055】
組織操作用具2006の所望の位置が得られると、ユーザーは、
図27の矢印2702に示されるようにドライバ2300のハンドルを回転させて、上述のようにロック2306を作動させ、用具2006の位置を設定することができる。ドライバ2300は、対向する器具2008に連結された器具2006から分離され得、プロセスは、
図29の矢印2902によって示されるように、器具を多軸的に位置決めすること、及び
図29の矢印2904によって示されるように、ドライバを作動させることによって多軸的な運動に対して選択的にロックすることを含めて反復され得る。
【0056】
上述の実施形態において、例えば組織の後退を達成するために、組織操作用具が互いに向かって運動すること及び互いから離れて運動することは、いずれも、例えば、組織操作用具に連結されたドライバ又はユーザーによる直接的な操作を用いて達成され得る。
図30~
図39は、対向する組織操作用具の互いに対する運動を制御し得る一対の対向するハンドルを含んだ、鉗子又はプライヤ様の設計を利用する代替的な実施形態を示す。
【0057】
例えば、
図30を参照すると、上述した器具と同様の支持器具3002を含む外科用器具アセンブリ3000が示されている。組織リトラクタ3004が、支持器具3002に連結されており、また第1及び第2の組織操作用具3006、3008を含んでいる。リトラクタ3004はまた、組織操作用具3006、3008に対して支持器具3002の反対側に配設された第1及び第2のハンドル3010、3012を含む。リトラクタ3004は、矢印3014によって示されるように、リトラクタが支持器具に対して多軸的に運動することを可能にする様式で、支持器具3002に連結され得る。以下でより詳細に説明されるように、対向するハンドル3010、3012の互いに向かう運動又は互いから離れる運動は、それに対応する組織操作用具3006、3008の互いに向かう運動又は互いから離れる運動を引き起こし得る。いくつかの実施形態では、ハンドル3010、3012は、ばね3016又は他の付勢要素によって、図示の開放構成に向かって付勢され得る。いくつかの実施形態では、ハンドルの開放構成は、用具が互いに近くにある組織操作用具3006、3008の閉鎖構成に対応し得る。そのような実施形態では、ばね3016の付勢力に対抗してハンドル3010、3012を互いに向かって圧迫することにより、組織操作用具3006、3008は互いから離れるように枢動されて、例えば、切開部の壁を形成する組織を後退させることができる。また、
図30には、対向するハンドル3010、3012の(またそれによって、対向する組織操作用具3006、3008の)互いに対する位置を選択的に維持するために使用され得るロック3018が示されている。
【0058】
図31は、リトラクタ3004を支持器具3002に連結するための方法の一実施形態を示す。リトラクタ3004は、その内部を貫いて形成されたルーメン3103を有する継手3102を含むことができ、このルーメンは、支持器具3002の近位部分を受容するように寸法決めされ得る。継手3102はまた、支持器具の長さに沿ったリトラクタ3004の位置を選択的にロックするために、支持器具3002内に形成された相補的な凹部又は他の特徴部と係合し得る、バネ付勢型のロッキングピン、突出部、又は他の特徴部などのロッキング要素3104を含み得る。継手3102は、リトラクタ3004のソケット3108内に着座され得るボール形状の遠位部分3106を含むことができ、それによって、継手3102及びそれに連結された支持器具3002に対する組織操作用具及び対向するハンドルの多軸運動をもたらし得る。多軸運動は、様々な様式で選択的にロックされ得る。例えば、いくつかの実施形態では、対向するハンドル3010、3012の運動は、継手3102のボール形状の遠位部分3106を締め付け、それによって、継手3102及び支持器具3002に対する運動に対してリトラクタ3004をロックすることができる。しかしながら、他の実施形態では、多軸運動のための別個に係合可能なロック機構が含まれ得る。
【0059】
図32は、対向する作動ハンドル3202、3204を有するリトラクタ3200が、複数の組織操作用具3206、3208のいずれかとモジュール式に接続するように構成され得る代替的な実施形態を示す。例えば、リトラクタ3200の遠位部分は、様々な組織操作用具3206、3208のうちのいずれかの近位端部を受容するように構成され得る凹部3210、3212を含むことができる。ロックピン、クリップ、磁石などを含む、様々な保持機構のいずれかが組織操作用具3206、3208をリトラクタ3200に固定するために利用され得る。上述したように、様々な組織操作用具3206、3208は、様々な形状及びサイズのいずれかを有することができ、また軟組織を後退させたり、軟組織を骨から擦り取るか若しくは分離させたり、骨と接触したりなどするように構成され得る。
【0060】
図33は、対向する組織操作用具3302、3304及び対向する作動ハンドル3301、3303を含むリトラクタ3300の別の実施形態を示す。組織操作用具3302、3304は、調節可能な長さを用具3302、3304に与えるために、様々な延長部3306のいずれかと連結するように構成され得る。上述のように、用具とそれに連結された延長部との間の相対位置は、様々な方法で維持され得る。例えば、延長部3306は、爪、突出部、又は組織操作用具3302、3304上に形成された他の表面特徴部によって係合され得る、その上に形成されたラチェットラック3308又は他の一連の表面特徴部を含んでもよい。
【0061】
図34A~
図35は、上述のリトラクタ3004の動作をより詳細に示す。
図34A及び
図34Bに示されるように、対向するハンドル3010、3012を矢印3402、3404の方向に互いに向かって運動させると、それに対応して、対向する組織操作用具3006、3008を矢印3406、3408の方向に互いから離れるように運動させることができる。したがって、ユーザーが対向するハンドル3010、3012を互いに向かって締め付けると、組織操作用具3006、3008は離れるように運動し、それによって組織操作用具の外側表面に当接する組織を後退させることができる。ロック3018は、ばね3016の付勢力又は後退する組織によって組織操作用具に加えられる任意の圧縮力に対抗して、ハンドル3010、3012の位置を互いの近くに維持するように係合されてもよい。
【0062】
ユーザーが任意の後退した組織を解放することを望む場合、ロック3018は、
図35に示す矢印3502の方向に移動されることによって解放され得る。これにより、対向するハンドル3010、3012が矢印3504、3506の方向に互いから離れて運動することが可能となり得る。そのような運動は、それに対応して、組織操作用具3006、3008が矢印3508、3510の方向に互いに向かって運動するようにし得る。そのような運動は、後退した組織をその元の位置に復帰させ、また、組織操作用具を、切開部への挿入又は切開部からの引き抜きに用いられ得る、より流線形の構成へと復帰させ得る。
【0063】
図36~
図39は、対向する組織操作用具3602、3604及び作動ハンドル3606、3608を含むリトラクタ3600の代替的な実施形態を示す。リトラクタ3600は、上述のリトラクタ3004とわずかに異なる構成を有することができ、組織操作用具の互いに対する更なる運動をもたらすことができる。例えば、図示された実施形態では、リトラクタ3600は、作動ハンドル3606、3608の対応する運動によって、組織操作用具3602、3604を互いに向かう方向及び互いから離れる方向のいずれかに移動させることができるが、回転アクチュエータ3624、3626を使用して、組織操作用具の先を互いに対して移動させることもできる。
【0064】
図37及び
図38の部分的に透明な図に見られるように、回転アクチュエータ3624、3626は、上述のように、スロット3806、3807を介して組織操作用具3602、3604に連結するアーム3706、3707の横方向の回転へと、アクチュエータの回転を伝達するために、ギヤ3704、3804と噛み合うねじ山を含むことができる。アーム3706、3707の回転は、連結された組織操作用具3602、3604の先を互いに対して移動させ得るが、それにより、その遠位端部は、その近位端部よりも高い度合いで、互いに向かう方向及び互いから離れる方向のいずれかに移動し、それにより、対向する組織操作用具が互いに対して平行に延在しなくなる。
【0065】
先の移動に加えて、組織操作用具3602、3604は、対向するハンドル3606、3608の運動によって、互いに向かう方向及び互いから離れる方向のいずれかに移動され得る。各ハンドル及び関連する組織操作用具は、中央本体3610に対して枢動することができる。更に、本体3610に対する各ハンドル及び組織操作用具の位置を選択的にロックするために、回転ロック3612、3614が設けられ得る。更に、各ハンドル3606、3608の近位部分は、例えば、ハンドルが使用されていないときにリトラクタ3600のフットプリントを低減するために、あるいは周囲の用具の周りでハンドルを角度付けするために、その遠位部分に対して枢動され得る。ラチェット3616、3618又は他の一連の凹部若しくは表面特徴部が、各ハンドル3606、3608の遠位部分の曲線状の近位表面の周りに形成されてもよく、また各ハンドルの近位部分が、それらに枢動可能に連結されてもよい。各アーム内の爪3710又は他の同様の構成要素が、ばね3712によって付勢されてラチェット3616、3618とインターフェースしてもよい。更に、ユーザーが爪をラチェットから選択的に引き出すことを可能にし、各ハンドルの近位部分のその遠位部分に対する枢動運動を可能にするために、摺動レバー3620、3622が各ハンドルの爪に連結されてもよい。
【0066】
リトラクタ3600は、上記のリトラクタ3004と同様の様式で、支持器具に多軸的に連結されてもよい。例えば、支持カプラ3630は、選択的にロック可能な多軸継手3628、例えば、本明細書に記載されるボールソケット形ロッキング継手と同様の継手を使用して本体3610に連結されてもよい。支持カプラ3630は、支持器具の細長本体と連結するように構成されたルーメン又は凹部3703、並びに支持器具の長さに沿って形成された相補的な凹部又は他の特徴部と係合して、支持器具に対するリトラクタ3600の位置を選択的にロックし得るばね付勢型の可動爪又は突出部3702を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ユーザーがロッキング特徴部3702を選択的に係合解除して、支持器具に対するリトラクタ3600の自由な摺動運動を可能にするために、レバー3705が設けられ得る。突出部3702を使用して支持カプラ3630を支持器具の長さに沿って所望の位置にロックすることに加えて、多軸継手3628は、支持カプラ3630に対する組織操作用具3602、3604及びハンドル3606、3608の運動を防止するために選択的にロックされ得る。本明細書に記載される他の実施形態と同様に、様々なモジュール式組織操作用具3602、3604、3902のいずれかがリトラクタ3600と共に利用され得る。
【0067】
図40~
図61は、モジュール式スカフォールドの概念に基づく組織リトラクタアセンブリの更に他の実施形態を示しており、このモジュール式スカフォールドは、所望に応じて加えられ得るものであり、また単一の埋め込み可能なアンカーに連結された支持器具に連結され得るものである。例えば、
図40は、そのようなリトラクタアセンブリ4000の一実施例を示しており、このリトラクタアセンブリは、骨ねじなどの埋め込み可能なアンカーに連結された支持器具4002に連結された基部4004を含むものである。基部4004は、例えば、支持器具4002上の相補的な特徴部と係合し得る爪又はロッキングピンがその一方の端部に連結された枢動レバー4018を使用して、支持器具4002の長さに沿って所望の位置に選択的にロックされ得る。2つの組織操作用具が互いに対向して配設されるように、第1の組織操作用具4006は基部4004に連結され得、第2の組織操作用具4008は、基部の反対側に連結され得る。組織操作用具4006の位置は、用具4006が対向する用具4008に向かってあるいはそれから離れて並進することが可能となるように、そこから延在する横方向調節シャフト4007に沿って調節され得る。用具4006はまた、用具4008に対して回転され、ロック4010を使用して所望の位置にロックされ得る。第2の用具4008は、基部4004から延在する延長シャフト4009に連結され得る。この用具は、シャフト4009の長さに沿って位置付けられ、そのシャフトを中心として所望の位置まで回転され得、次いで、基部4004に対する用具4008の更なる運動を防止するために、ロッキングねじ4012が使用され得る。上述の実施形態と同様に、例えば、第1及び第2の組織操作用具4006、4008のいずれかの長さを調節するための延長部4016の使用を含めて、多数の付加的な特徴が考えられる。
【0068】
図41~
図50は、
図40に示される組織リトラクタアセンブリ4000を構築するための方法の一実施形態を示す。例えば、
図41に示されるように、基部4004は、支持器具4002の近位部分が基部に形成されたルーメン内に受容されるように、基部を矢印4102の方向に下方又は遠位側に送ることによって、支持器具4002に連結され得る。ロック4018は、支持器具4002の長さに沿って基部4004の所望の位置を設定するために利用され得る。
図42に示されるように、組織操作用具4008は次いで、基部4004の一方の側から延在するシャフト4009に連結され得る。器具4008は、シャフト4009の長さに沿って矢印4202の方向に並進されるだけでなく、シャフトを中心として回転もされ得る。所望の位置に到達すると、ロッキングねじ4012は矢印4204の方向に回転されて、シャフト4009に対する用具4008の位置をロックすることができる。
【0069】
組織操作用具4006とその延長部4016は、異なる方法で組み付けられてもよい。
図43に示されるように、例えば、組織操作用具4006及びそこから延在する横方向調節シャフト4007は、器具の遠位端部がシャフト4007に連結された嵌合ポスト4306とインターフェースする(例えば、受容する、その中へと延在する、ないしは別様にそれと連結される)ように、器具を矢印4304の方向に前進させることによって、挿入器具4302に連結され得る。別個に、第2の器具4402は、
図44に示されるように、器具の遠位端部を矢印4404の方向に前進させることによって延長部4016に連結し得る。用具4006と延長部4016は、
図45の矢印4502の方向に延長部4016を摺動させることによって接合されて、組織操作器具アセンブリ4500を形成し得る。
【0070】
図46は、組織操作用具アセンブリ4500を基部4004に連結するための方法の一実施形態を示す。具体的には、アセンブリ4500の横方向調節シャフト4007は、基部4004の回転部分4604に形成されたスルーホール4602を通して挿入され得る。シャフト4007がスルーホール4602に挿入されると、器具4302の遠位部分に沿って形成された隆起部4606は、基部4004の回転部分4604から離れる付勢力に対抗してロック4010を圧迫し、それによって基部4004に対する回転部分の運動を自由にすることができる。したがって、
図47に示されるように挿入されると、
図47の矢印4702、4704、4706のうちのいずれかの方向にアセンブリ4500を基部4004に対して運動させることによって、組織操作用具4006の位置が複数の次元で調節され得る。
【0071】
器具4006の所望の位置が達成されると、器具4302は
図48の矢印4804の方向に回転されて、隆起部4606をロック4010との係合から外れるように運動させ得る。次いで、ロック4010は、付勢力によって基部4004の回転部分4604と接触するように圧迫され、それによって基部4004に対するこの部分4604の更なる回転を防止することができる。いくつかの実施形態では、ロック4010はまた、スルーホール4602を通じた並進に対して横方向調節シャフト4007をロックするように構成されてもよく、そのため、ロック4010は、用具4006の横方向位置並びに基部4004に対する回転角度を設定し得る。しかしながら、他の実施形態では、スルーホール4602を通じたシャフト4007(及びそれに連結された用具4006)の並進を選択的に可能にする又は阻止するために、別個のロックが採用され得る。
【0072】
図49に示されるように、器具4302は、解放ボタン4902を押して器具の遠位端部を嵌合ポスト4306から解放し、矢印4904の方向に器具を引き抜くことによって、用具4006から分離され得る。器具4402は、例えば、矢印5002の方向に解放ボタン5001を押下し、矢印5004の方向に器具4402を引き抜くことによって、延長部4016から分離され得る。
【0073】
図51~
図54は、埋め込み可能なアンカーに連結された支持器具5002が、基部に対する組織操作用具5006の多軸運動を可能にするためのボールソケット形多軸継手5005を含むモジュール式スカフォールド基部5004に連結され得る、リトラクタアセンブリ5100の別の実施形態を示す。上述の実施形態と同様に、組織操作用具5006は、そこに連結された延長部5016を含んでもよく、この延長部は、用具に対して並進してその全長を調節し得るものである。用具5006に対する延長部5016の所望の位置は、ラチェットラック5008及びばね爪5010又は他の同様の協働する構成要素を使用して維持され得る。
【0074】
図52~
図54は、モジュール式スカフォールドリトラクタアセンブリ5100を構築するための方法の一実施形態を示す。上述のように、モジュール式スカフォールド基部5004は、それ自体が埋め込み可能なアンカーに連結された支持器具5002に連結され得る。基部5004に形成されたソケット5202内に受容されるように構成されたボール形状の近位部分5204を含み得る組織操作用具5006は、器具5206に連結され得る。更に、別の器具5304に連結され得る延長部5016は、
図52に矢印5208によって示されるように、用具5006に摺動可能に連結され得る。次いで、
図53に示されるように、器具5206及び5304が使用されて、用具5006及び延長部5016が矢印5302の方向に基部5004に向けて案内され、ボール形状の部分5204がソケット5202内に着座され得る。次いで、
図54に矢印5402によって示されるように、組織操作用具5006は基部5004に対して多軸的に運動され得る。更に、器具5006に対する延長部5016の位置が、器具5304を使用して矢印5406の方向に延長部を運動させることによって調節され得る。所望の位置が達成されると、多軸継手5004は、器具5206を使用してロックされ得、用具5006に対する延長部5016の位置がロックされ得、また両方の器具5206、5304がリトラクタアセンブリ5100から分離され得る。
【0075】
図55~
図57は、組織操作用具4008の反対側に配設された組織操作用具4006を連結するための代替的な実施形態を示す。例えば、
図55のリトラクタ5500は、支持器具5502に連結し得る基部5504を含み、また様々な組織操作用具5508のいずれかを基部に連結するために使用され得るモジュール式連結具5506を含み得る。例えば、モジュール式連結具5506は、基部から延在する突出部を含んでもよく、モジュール式組織操作用具5508のそれぞれは、基部5504との連結を可能にするためにその中に形成された相補的形状の凹部5510を含んでもよい。上述のように、この種類の連結の多数の変形形態も考えられる。
【0076】
図56のリトラクタアセンブリ5600は、
図40のリトラクタ4000と同様であり、支持器具5602に連結された基部5604から延在するシャフト5606を用いている。組織操作用具5608は、ロックねじ5612によってシャフト5606の周りで選択的に締め付けられ得るリンク5610によってシャフト5606に連結される。したがって、ねじ5612が適切に緩められると、用具5608及びリンク5610は、矢印5614の方向にシャフト5606に沿って並進され、かつ/又は、リンク5610とシャフト5606との間の運動を防止するのに十分な程度にロックねじ5612が矢印5616の方向に回転されるまで、シャフトを中心として回転され得る。
【0077】
図57のリトラクタアセンブリ5700は、支持器具5702に連結された基部5704が、それから延在するシャフト5706を含む更に別の実施形態を示しており、このシャフトは、ラチェットラック、ギヤ歯、又はその上に形成された他の一連の表面特徴部を含んでいる。組織操作用具5708は、シャフト5706の周囲に配設された近位部分5710を含んでもよく、またギヤなどのアクチュエータ5712を含んでもよい。矢印5716の方向にアクチュエータ5712が回転することは、組織操作用具5708を矢印5714の方向にシャフト5706に沿って横方向に前進させ得る。このような前進は、例えば、組織操作用具5708に当接する組織を後退させるために利用され得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、モジュール式スカフォールド基部の組織リトラクタアセンブリが、例えば椎骨伸延を含む他の操作を実施するために更に拡張され得る。
図58~
図61は、そのような目的のために使用され得る組織リトラクタアセンブリ5800の一実施形態を示す。
図58に示されるように、リトラクタアセンブリ5800は、埋め込まれたアンカー(図示せず)に連結された支持器具5802に連結された基部5804を含み得る。上述の実施形態と同様に、基部5804は、組織操作用具(図示せず)と結合するための、その一方の端部から延在するシャフト5806、並びに第2の組織操作用具(図示せず)と連結するためのソケット5808を含み得る。
【0079】
また、基部5804には、バネ付勢型のロックピン又は爪などのロック5817を使用して基部5804に固定し得る伸延ラック5810が連結されている。ポスト5812が伸延ラック5810に連結され、ねじ延長レシーバ5814がそのポストに連結される。ポスト5812は、例えば、伸延ラックの長さに沿って形成されたギヤ歯又は他の表面特徴部とインターフェースし得るギヤに連結され得る回転アクチュエータ5816を使用して、伸延ラック5810の長さに沿って矢印5820の方向に並進され得る。ねじ延長レシーバ5814は、矢印5822の方向にポスト5812に沿って並進され、矢印5824の方向にポストを中心として回転され、ポストを横断する軸線を中心として矢印5826の方向に回転し得る。更に、カム5818又は他のロックが、レシーバ5814の上記の自由度のいずれか又は全てをロックするために含められ得る。
【0080】
伸延のためにアセンブリ5800を使用する例示的な方法が
図59~
図61に示されている。
図59に示されるように、この方法は、伸延ラック5810、ポスト5812、及びレシーバ5814を、支持器具5802に連結されたスカフォールド基部5804に連結することを含み得る。支持器具5802は、患者の第1の椎骨内に埋め込まれた椎弓根ねじなどの埋め込み可能なアンカーに連結され得る。支持器具は、アンカーに、それら2つの構成要素間に相対運動がないようにロックされ得る。同様に、基部5804は、支持器具5802に対する運動に対してロックされ得る。更に、レシーバ5814は、患者の隣接する椎骨に埋め込まれた第2の埋め込み可能なアンカーと整列されるように位置付けられかつ運動に対してロックされ得る。
【0081】
図60は、第2の埋め込み可能なアンカーに係合し、ロックするための、レシーバ5814を通じたシャンク延長器具6002の挿入を示す。全ての構成要素がロックされて強固な構造体を形成すると、アクチュエータ5816は、矢印6102の方向に回転されて、伸延ラック5810に沿って矢印6104の方向にポスト5812及びレシーバ5814を前進させ得る。この構造体は、埋め込まれたアンカーのそれぞれに対する運動に対してロックされるため、ポスト5812及びレシーバ5814の運動は、シャンク延長部6002及び第2の埋め込まれたアンカーの対応する運動を引き起こし、それによって隣接する椎骨を伸延し、それらを互いから離れるように圧迫することができる。
【0082】
図62A~
図72は、組織操作用具が、埋め込み可能なアンカーに連結された多軸レシーバヘッドに連結されている、更に他の実施形態を示す。このような実施形態において、組織の後退は、多軸レシーバヘッドに直接的に連結された組織操作用具を使用して達成され得るため、上述の支持器具及び組織リトラクタアセンブリは排除されてもよい。実際に、レシーバヘッドの実施形態は多くの場合、様々な処置を補助するための延長タブを含むが、その延長タブは、処置を終了する前に、レシーバヘッドから切り離されるか、ないしは別様に取り外される。このようなタブは、組織操作用具が組織の後退を実施するための装着箇所として機能し得る。
【0083】
図62A及び
図62Bは、第1のアンカー6202及び第2のアンカー6204を含み得るアセンブリ6200の一実施形態を示しており、これらのアンカーはそれぞれ、多軸レシーバヘッド6206、6208に連結され得る。更に、第1の組織操作用具6210がレシーバヘッド6206に連結されてもよく、また第2の組織操作用具6212がレシーバヘッド6208に連結されてもよい。組織操作用具は、様々な様式で装置構成され得るが、アンカー6202、6204が患者の脊椎又は正中の軸線に沿ってあるいはそれに対して平行に埋め込まれる一実施形態において、用具6210は、外側の組織後退を実施するように構成されてもよく、また器具6212は内側の組織後退を実施するように構成されてもよい。
【0084】
上述のアセンブリ6200を使用するための例示的な方法が
図63~
図72に示されている。例えば、
図63に示されるように、アンカー6202、6204は、延長管6302、6304及びドライバ6306、6308を使用して患者の椎骨に埋め込まれ得る。埋め込みの後、ドライバ6306、6308は取り除かれ得る。更に、更なる操作を容易にするために後退を必要とする1つの表面からの組織の深さを測定するために、拡張部6302、6304上に形成されたマーキング6310が利用され得る。
【0085】
適切なサイズの組織操作用具6210及び6212が、
図64及び
図65に示されるように、レシーバヘッド6206、6208のそれぞれに対して選択され得る。上述のように、組織操作用具の様々なサイズ及び形状のいずれも、組織の深さ、組織の種類などの要素に基づいて、所望に応じて交換され得る。適切な組織操作用具6210、6212が選択された後、用具は、埋め込まれたアンカー6202、6204に連結されるレシーバヘッド6206、6208に連結され得る。例えば、
図66及び
図67に示されるように、第1の組織操作用具6210は、ロックねじ6702を使用してレシーバヘッド6206の延長タブ6704に連結されてよく、第2の組織操作用具6212は、ロックねじ6602を矢印6604の方向に回転させることによって、レシーバヘッド6208の延長タブ6606に連結されてよい。
【0086】
図68及び
図69に示されるように、組織操作用具6210、6212が連結されたレシーバヘッド6206、6208は次いで、埋め込まれたアンカー6202、6204に連結され得、延長ポスト6302、6304は取り外され得る。次いで、レシーバヘッド6206、6208及びそれに連結された組織操作用具6210、6212の向きを操作するためのレバーを設けるために、多軸ロックアウトポスト7002、7004が、
図70に示されるように挿入され得る。例えば、ユーザーは、
図71Aに矢印7102、7104によって示されるように、埋め込まれたアンカー6202、6204に対してレシーバヘッド6206、6208及び組織操作用具6210、6212を多軸的に運動させるようにロックアウトポスト7002、7004を把持し得る。このような運動はまた、
図71Bに矢印7110、7112によって示されるように、内側-外側の組織後退を実施するために外側及び内側組織操作用具6210、6212を互いから離して運動させることを含み得る。所望の位置に(例えば、所望の組織後退を含めて)到達すると、ロックアウトポスト7002、7004は、
図71A及び
図71Bの矢印7106、7108の方向に回転されて、レシーバヘッド6206、6208及びそれらに連結された組織操作用具を、埋め込まれたアンカー6202、6204に対する運動に対してロックし得る。
【0087】
脊椎処置の完了後、多軸ねじレシーバヘッドの延長タブは多くの場合、切り離されるか、又は別様に取り外されて、患者内により薄い移植片を残す。
図72に示されるように、いくつかの実施形態では、延長タブ6606、6704に連結された組織操作用具6210、6212は、レシーバヘッド6206、6208から延長タブを切り離すために利用され得る。例えば、組織操作用具及びそれに連結された延長タブをレシーバヘッドから切り離すために、組織操作用具6210、6212の近位部分が把持され、矢印7202、7204の方向に屈曲され得る。
【0088】
図73~
図78Bは、隣接する椎骨を伸延させるための器具の様々な実施形態、並びに本明細書に記載される支持器具及びリトラクタアセンブリと組み合わせたそれらの使用法を示す。例えば、
図73は、ラック7302と、アンカー又はアンカーに連結された器具のいずれかと連結するための2つのインターフェース7304、7306とを含む伸延具7300の一実施形態を示す。インターフェース7304はラック7302の一方の端部に固定され得、インターフェース7306は、ラックの長さに沿って形成された一連の歯、凹部、又は他の特徴部とインターフェースし得る爪、はめ歯、ギヤ、又は他の特徴部を介してラック7302に連結され得る。ラック7302に沿ったインターフェース7306の運動を制御するために、サムホイール7308が、はめ歯又はギヤに連結され得る。
【0089】
図74A~
図75に示されるように、インターフェース7304、7306は、隣接する椎骨に埋め込まれたアンカーに連結され得、サムホイール7308は、ラック7302に沿って互いから離れる方向にインターフェースを運動させることによって、椎骨を伸延させるように回転され得る。図示の実施形態では、インターフェースは、埋め込まれたアンカーに連結され、それに対する運動に対してロックされ得る、本明細書に記載の延長タワー及び/又は支持器具を介して、隣接する椎骨に埋め込まれたアンカーに連結し得る。したがって、
図74B及び
図75に示されるように、インターフェース7304は、第1の椎骨内に埋め込まれたアンカー7404に連結された延長タワー7402の近位端部に連結することができ、インターフェース7306は、第2の椎骨に埋め込まれた第2のアンカー7408に連結された支持器具7406の近位端部に連結することができる。
図74Bに示されるように、インターフェース7304、7306は、延長タワー7402及び支持器具7406の近位端部上に形成された特徴部と連結するように構成された遠位端部を含み得る。また、リトラクタアセンブリ7410は、例えば、処置中に内側-外側組織の後退をもたらすように支持器具7406に連結されることに留意されたい。
【0090】
伸延器具7300が、延長タワー7402及び支持器具7406を介して隣接する椎骨に埋め込まれたアンカー7404、7408に連結され、タワー及び支持器具が、アンカーに対する運動に対してロックされると、サムホイール7308又は他の伸延アクチュエータが、
図75の矢印7502によって示されるように回転され得る。これにより、インターフェース7306が、ラック7302に沿ってインターフェース7304から離れて運動することになり得るが、それによって、矢印7504、7506によって示されるように、アンカー7404、7408及びそれらが埋め込まれた隣接する椎骨の対応する伸延が引き起こされる。
【0091】
図76~
図78Bに示される代替的な実施形態では、上述の伸延具7300の代わりに、鉗子様の伸延具7602が利用され得る。更に、伸延具7602はインターフェース7702、7704を含み得るが、それらのインターフェースは、上述のように、支持器具7406の近位端部とインターフェースするのではなく、それらの長さに沿った位置でその延長タワー7402及び支持器具と横方向に当接するように構成され得る。操作の方法は上記と同様であってもよく、延長タワー7402及び支持器具7406は、埋め込まれたアンカー7404、7408に対する運動を防止するようにロックされ得る。次に、インターフェース7702、7704は、リトラクタアセンブリ7410の対向する組織操作用具の間に設けられたワーキングチャネル内に挿入され得、また
図78Aの矢印7806、7808によって示されるように、伸延具7602の対向するハンドル7802、7804は互いに向かって圧迫され得る。これにより、
図78Bの矢印7810、7812によって示されるように、インターフェース7702、7704が互いに離れて移動し、タワー7402及び支持器具7406と接触し、それら2つの構成要素を互いから離れるように圧迫し得る。隣接する椎骨(図示せず)内にアンカー7404、7408が強固に埋め込まれることを考慮すると、椎骨は、同じように互いから引き離され得る。
【0092】
図79~
図101Eは、外科用器具アセンブリの更なる実施形態を示す。例えば、
図79~
図81は、リトラクタアームの運動を制御するための代替的な機構、及びそれに連結された組織操作用具を含む外科用リトラクタ7900の実施形態を示す。リトラクタ7900は、上述の器具102などの支持器具に、例えば、凹部7902及びばね付勢型の突出部又は爪7904を使用して、上述のリトラクタ106と同様の様式で連結するように構成され得る。しかしながら、固定された多軸継手212、214ではなく、リトラクタ7900は、例えば主ねじ機構を使用して、凹部7902に向かってあるいはその凹部から離れて並進するように構成された多軸継手7906、7908を含み得る。そのような構成において、継手7906、7908、並びにそれらに連結された任意の組織操作用具は、組織操作用具間の空間を増加又は減少させるために、互いに向かってあるいは互いから離れるように(例えば、患者に対して内側又は外側に)運動され得る。
【0093】
図示の実施形態では、各継手7906、7908は、ロッドの回転がロッドの長さに沿ったそれぞれの継手の並進をもたらすように、それぞれのロッド7910、7912にねじ方式で連結される。対応する各ロッド7910、7912の周りに配設されたギヤ7914、7916は、駆動特徴部7922、7924に連結されるかあるいはそれらと一体に形成された駆動ギヤ7918、7920と相互作用することができる。ユーザーは、駆動特徴部7922、7924を回転させて、リトラクタ本体7926の長さに沿ってそれぞれの継手7906、7908を並進させることができる。図示の実施形態では、各継手7906、7908の位置は、2つの駆動特徴部7922、7924を使用して互いに独立して制御され得る。上述の継手並進機構は、
図80の部分的に透明な詳細図及び
図81の断面詳細図により詳細に示されている。
【0094】
リトラクタ7900の継手7906、7908はまた、多軸運動機構の代替的な実施形態を含む。
図82は、例えば、継手7906の部分的に透明な詳細図を示す。この継手は、その一方の端部と、組織操作用具に(例えば、直接的にあるいは別のアーム又は他の連結機構を介して)取り付けられるように構成された反対側の端部とに形成されたボール8204(非圧縮性であってよい)を有するアーム8202を含み得る。ボール8204は、キャップ内に形成されたホール8210を通じて取り外されたり、ホールを通り抜けさせられたりし得ないように、基部8206とキャップ8208との間に捕捉され得る。継手機構は、ボール8202が基部8206及びキャップ8208に対して運動するのをロックするように付勢されてもよく、解放ボタン8212は、基部及びキャップに向かって内向きに押圧されたときにボールを解放するように構成されてもよい。このような構成は、単一のボタン又はレバーの作動によってボール8204及びアーム8202のロックを制御できるという点で、利点を提供することができる。更に、ボタン8212は、ボールを締め付けるか又はロックするために作動が必要とされないように付勢されてもよく、またユーザーからの単一の入力(例えば、ボタンを内向きに押下すること)によって、多軸運動のためにボールが選択的に解放されてもよい。
【0095】
図83の断面図は、上述のボタン8212及び継手7906の挙動を実現するための機構の一実施形態を示す。圧縮部材8302が、基部8206及びキャップ8208によって形成された凹部内に配設されてもよく、ボール8204に対して相補的な表面を含んでいる。圧縮部材8302は、図の平面内で上下に並進するように構成されてもよく、また、ばね、皿ばねワッシャなどの付勢要素8304によって、図の平面内で上向きに付勢されてもよい。ボタン8212は、圧縮部材8302上に形成された傾斜部8310と係合する斜行端部8308を有する舌部8306に連結され得る。ボタン8212が基部8206の中へと(すなわち、図の平面において右に)押下されると、斜行表面8308、8310は相互作用して、圧縮部材8302をボール8204から離れるように(すなわち、図の平面において下に)運動させ、それによって、ボールを解放して継手7906の圧縮部材、キャップ、及び基部に対して関節運動させ得る。ボタン8212を解放すると、付勢要素8304は圧縮部材8302をボール8204に向かって圧迫し、それによって圧縮部材に対するボールの位置をロックし、ボタン8212を基部8206からその開始位置へと外向きに移動させることになる。
【0096】
図84~
図86は、リトラクタ7900と類似しているが、単一の駆動特徴部8402を利用して両方の継手8404、8406をそれらの中心に向かってあるいはそれらの中心から離れて運動させる、リトラクタ8400の別の実施形態を示す。各継手8404、8406は、そこから延在するねじ付きシャフトを含む(継手8406から延在するシャフト8405のみが図に示されている)。これらのねじ付きシャフトは、ギヤ8410、8412に連結されたねじ付きソケット8407、8409内に受容される。ギヤ8410、8412は、駆動特徴部を旋回させるとソケット8407、8409の回転及びリトラクタ本体8414に対する継手8404、8406の並進が引き起こされ得るように、単一の駆動特徴部8402に連結されたギヤ8408と噛み合う。リトラクタ7900及び8400の運動機構の1つの利点は、継手の位置的ロックアウトを制御するために、あるいはそれに連結された任意のアタッチメントの運動の方向性を制御するために、別個の機構が必要とされないことである。主ねじ機構は、作動されていないときに継手を適所に効果的に保持することができ、また移動方向は、駆動特徴部の回転方向を逆転させることによって変更され得る。
【0097】
図87~
図92Bは、本明細書に記載のリトラクタ及び外科用アセンブリと共に使用され得る作動器具又はドライバの様々な実施形態を示す。
図87は、上述のリトラクタ106の継手212などの多軸継手をロックアウトするために使用され得る作動器具8700の一実施形態を示す。この器具は、例えば、継手212のロック216を回転させるために、上述のドライバ1008と同様に機能し得る。ドライバ1008と同様に、ドライバ8700は、ロック216の駆動特徴部内に受容されるように構成された遠位端部を備えた駆動シャフト8702を含むことができ、駆動シャフトは、駆動シャフト8702が回転されたときに逆回転トルクを与えるようにリトラクタ本体の一部分を受容し得るスロットを備えた遠位端部インターフェース8706を有する安定化シャフト8704内に配設され得る。器具の近位端部に向かうハウジング8708は、駆動シャフト8702を回転させるように押下され、それによって器具8700の片手での使用を促進し得るトリガー8710を含み得る。具体的には、トリガー8710をハウジング8708に向かって引くことにより、爪8712がラック8714と係合し、ラックをハウジング8708に対して遠位に前進させると共に、その回転位置をロックすることができる。ラック8714に連結され、駆動シャフト8702内に形成された螺旋溝8718内に受容されるピン8716は、ラックと共に遠位方向に前進することができる。回転なしにラックを遠位に前進させることにより、ピンが螺旋溝8718内で遠位に進むにつれて、駆動シャフト8702の回転を引き起こすことができる。完全に押下されると、トリガー8710は解放され得、付勢要素8719は、トリガーをハウジング8708から離れるように圧迫することができる。これによって爪8712をラック8714から引き出すことができ、それによってその回転位置を解放し、付勢要素8720からの力に応答して近位に復帰させることができる。結果として、ラックの復帰(すなわち、近位移動)ストロークにおいて、ラックは、静止した駆動シャフト8702を中心として回転し、最近位の位置に復帰することができ、この位置で、トリガーは、ラックの前進(すなわち、遠位移動)ストローク中に駆動シャフトを回転させるために、再び押下され得る。したがって、ユーザーは、トリガー8710を繰り返し押下及び解放することによって、駆動シャフト8702を迅速に回転させることができる。これは、駆動軸8702の初期の粗調節又は張力調整のために特に有用であり得る。付加的な微調節又は張力調整は、ハウジング8708から近位方向に突出し得る駆動シャフト8702の近位端部を直接回転させることによって達成され得る。
【0098】
図88~
図92Bは、組織操作用具をリトラクタ本体に連結するために使用され得る器具の様々な実施形態を示す。
図88は、例えば、組織操作用具に連結し、連結された多軸継手を使用してリトラクタに対して用具を位置決めし、多軸継手を介して用具の位置をロックアウトし、組織操作用具から連結解除するために、片手で利用され得る器具8800の一実施形態を示す。図示の実施形態では、組織操作用具8802は、上述のように、アーム8804及びリトラクタ本体内のソケット内に受容され得る展開式ボール8806に連結される。このアセンブリは次に、作動器具8800に連結されて、ユーザーが組織操作器具アセンブリをリトラクタに連結し、それを所望の位置へと多軸的に運動させることを可能にする。定位置に位すると、ユーザーはノブ8808を回転させてボール8806を拡張させ、(矢印8809によって示されるように)リトラクタ本体に対する組織操作用具の位置をロックすることができる。位置付けられ、ロックされると、ユーザーは(矢印8811によって示されるように)ボタン8810を押下して、器具8800を組織操作用具アセンブリから取り外すことができる。図にはまた、更なる力が必要とされるとき、例えば、組織操作用具を叩くかあるいは使用して骨から組織を擦り取るかあるいは分離するときなどに、ユーザーのもう一方の手によって把持され得る平滑な遠位ステム8812を器具8800が含んでいることが示されている。
【0099】
図89は、作動器具8900の別の実施形態を示す。器具8900は、器具8800と同様であるが、異なって方向付けられたロックアウトアクチュエータと分離アクチュエータを含んでいる。図示の実施形態は、器具8800の平行な回転軸線の向きではなく、(矢印8901によって示されるように)器具8900の長手方向軸線に垂直な軸線を中心に回転する向きに配置されたサムホイール8902を含む。更に、器具8900を組織操作用具アセンブリから分離することは、(矢印8903によって示されるように)シースを引き戻し、器具を分離することによって達成され得る。器具8900は同様に、例えば、外科処置中に叩くときに、もう一方の手を楽にするために、滑らかな遠位ステム8904を同様に含む。
【0100】
図90は、作動器具9000の更に別の実施形態を示す。器具は、上述の器具と同様であるが、リトラクタ本体に対する組織操作用具アセンブリの多軸運動のロックアウトを制御するために、その近位端部にあるレバー9002を利用する。具体的には、ユーザーは、矢印9001の方向にレバー9002を押下して、リトラクタのソケット内でボール8806を拡張させることによって多軸運動をロックアウトすることができる。戻り止めが、最大のロックアウトを伝えることができ、組織操作用具アセンブリからの器具の取り外しは、距離9005だけ戻り止めを越えて矢印9003の方向にレバーを押すことによって達成され得る。器具9000は同様に、例えば、外科処置中に叩くときに、もう一方の手を楽にするために、滑らかな遠位ステム9004を同様に含む。
【0101】
図91A~
図91Dは、アーム9106及び拡張可能なボール9108に連結された組織操作用具9104を含む組織操作用具アセンブリ9102に対する作動器具9100の別の実施形態の連結及び連結解除を示す。開始するために、ユーザーは、
図91Aに示すように、器具を「装填」構成にするために、器具9100の近位端部のボタン9110を矢印9111の方向に押下し得る。次いで、ユーザーは、器具9100を組織操作用具アセンブリ9102上に押圧して、2つの構成要素を連結することができる。この連結により、ボタン9110は、
図91Bの矢印9113によって示されるように、上にあるいは近位側に飛び出すことになる。次いで、ユーザーは、器具9100を使用してアセンブリ9102の位置を操作することができ、また、所望の位置に達すると、ユーザーは、ボール9108を拡張させて、サホイール9112を使用してリトラクタ本体に対するアセンブリ9102の位置をロックすることができる。位置付けられ、ロックされると、器具9100は、
図91Cの矢印9115によって示されるように、ボタン9110を再び押すことによって、アセンブリ9102から取り外され得る。そうすることにより、
図91Dに示されるように、器具がアセンブリから連結解除されることになる。
【0102】
器具9100は、有利にも、ユーザーによって完全に片手で利用され得、ユーザーは、器具を把持し、ボタン9110及びサムホイール9112を親指で操作することのみを必要とする。更に、器具9100は、その遠位端部上に形成された溝付きの特徴部9202を含むことができ、この溝付きの特徴部は、ユーザーが2つの構成要素を互いに対して様々な回転の向きで連結することを可能にするために、アセンブリ9102の近位端部上に形成された溝付きの特徴部9204と相補的であり得る。
【0103】
図93~
図101Eは、本明細書で提示される教示による外科用リトラクタシステム9300の一実施形態を示す。このシステムは、例えば、患者の脊椎の様々な部分にアクセスするために、皮膚、筋肉、及び他の軟組織の後退を促進するために使用され得る。更に、このシステムは、例えば、椎骨を介して、患者の身体に支持器具を介してドッキングされたリトラクタ及び他の構成要素を含み得、その結果、椎骨伸延などを含む様々な処置を実施するために利用され得る。
【0104】
図93の組み立てられたシステム及び
図94の分解された図によって示されるように、システム9300は、患者の椎骨に埋め込まれたねじに連結された1つ又は2つ以上の支持器具9302と、支持器具に連結されたリトラクタ9304と、リトラクタに連結された1つ又は2つ以上の組織操作用具9306と、リトラクタ9304に連結された光源9310を有する安定ハンドル9308と、リトラクタ9304から別の支持器具9302に連結された伸延モジュール9312と、例えば、隣接する椎骨の間で伸延を実施するためにリトラクタ9304及び伸延モジュール9312に連結された伸延ラック9314と、を含み得る。また、
図94には、組織操作用具9306をリトラクタ9304に連結し、その位置付け/ロックを制御するために使用され得る上述の作動器具9100、並びに、本明細書に記載されるように、拡張可能な組織操作用具の位置、深さなどを調節するために利用され得る組織操作用具アジャスタ9402が示されている。
【0105】
図95A~
図95Dは、本明細書に記載された他のリトラクタの実施形態と同様のリトラクタ9304の様々な図を示す。例えば、リトラクタ9304は、そこに様々な構成要素を、例えば、安定ハンドル9308又は手術台に連結されるマウントを取り付けるために利用され得るポスト9502を含んでいる。リトラクタ9304はまた、伸延ラック9314上のポストを受容するためのソケット9504を含んでいる。更に、リトラクタ9304は、上述のように、組織操作用具アセンブリの拡張可能なボールを受容し得る組織操作用具ソケット9510、9512の並進を独立して制御するための駆動特徴部9506、9508を含んでいる。最後に、リトラクタ9304は、凹部9514と、凹部内に受容された支持器具の長さに沿ったリトラクタの位置を調節するためのロッキング特徴部9516と、を含んでいる。
【0106】
図96は、伸延モジュール9312をより詳細に示している。伸延モジュールは、凹部9602と、凹部内に受容された支持器具に伸延モジュールを連結し、支持器具の長さに沿って調節することが可能な、リトラクタモジュール9304と同様のロッキング特徴部9604と、を含んでいる。伸延モジュールはまた、伸延ラック9314上に形成されたポストを受容するためのソケット9606を含む。
【0107】
図97A~
図97Cは、ポスト9502を介してリトラクタ9304に連結された安定ハンドル9308を示す。例えば、安定ハンドルは、
図97Aの矢印9701の方向にポスト9502上へと摺動して、
図97Bに示される構成に至ることができる。安定ハンドルは、例えば、組織操作用具の位置付けの間の更なる安定化のために使用され得る。ハンドルは、単独で利用されてもよく、あるいはいくつかの実施形態では、
図97Cに示されるように、追加の照明が手術部位において所望される場合、光源9310が安定ハンドル9308内に形成された凹部内に配置されてもよい。
【0108】
図98は、光源9310を更に詳細に示している。光源9310は、いくつかの実施形態では、電池又は他の電源及び光源を含み得る。いくつかの実施形態では、光源及び電池は、そこから光を運ぶ光ファイバ9802又は他の光ガイドと共にハウジング内に配設され得る。他の実施形態では、発光ダイオードなどの光源は、電池又は他の電源を収容するハウジングとは別個に配設されてもよく、ワイヤ9802は、各ワイヤ9802の遠位端部に配設された光源に電力を伝送することができる。更に、リード又は光ファイバ9802は、リトラクタ9304に連結され得る様々な種類の組織操作用具内に形成された凹部内にドッキングするように構成され得る。
図99A~
図99Cは、リード又は光ファイバ9802を受容するように構成された、内部に形成された凹部9902を有する様々な組織操作用具9306を示す。更に、
図99Cに示されるように、組織操作用具9306は、最適な分布のために光を手術用の通路に方向付けるための斜行反射ファセット9904を含み得る。
【0109】
図100A及び
図100Bは、組織操作用具10002のためのモジュール式取り付け機構、及びリトラクタ9304のソケット9510、9512内に受容され得る拡張可能なボール10006を含んだアームアセンブリ10004を示す。図示の実施形態では、アームアセンブリ10004は、組織操作用具10002内に形成されたスロット10010内に受容され得る突出部10008を含む。更に、アームアセンブリ10004上の並進ロッキング特徴部10012は、組織操作用具をアームアセンブリに選択的にロックすることができる。
図100Aに示されるように、組織操作用具をアームアセンブリに連結することは、ロッキング特徴部10012を矢印10013の方向に摺動させてロッキング爪10014を引っ込め、次いで、組織操作用具10002を矢印10015の方向に摺動させて突出部10008をスロット10010内に位置付けることを含み得る。この図及び矢印10015は、用具10002がアームアセンブリ10004の下方から矢印10015の方向に上向きに運動されて2つの構成要素を連結する底部ローディング構成を示しているが、逆転した頂部ローディング動作も可能であることに留意されたい。このような構成では、器具10002は、アームアセンブリ10004の突出部10008の上方へと、上から降下され得る。2つの構成要素を互いに対して位置決めした後、ロッキング特徴部10012は、(それが付勢される実施形態においては)解放されるか、あるいは、ロッキング爪10014が2つの構成要素の分離を防止するように組織操作用具の戻り止め(図示せず)内に着座される位置へと反対方向に摺動され得る。2つの構成要素を連結解除することは、この手順を逆転させることによって達成され得る。
図100Bは、互いに連結及びロックされた2つの構成要素を示す。
【0110】
図101A~
図101Eは、拡張可能な組織操作用具10102の位置、深さなどを調節するために利用され得る組織操作用具アジャスタ9402の使用を示す。
図101Aに示されるように、アジャスタ9402は、用具10102上に形成された相補的なスロット10106にダブテール突出部10104を整列させ、アジャスタの遠位端部をスロット10106に挿入することによって、調節可能な又は拡張可能な組織操作用具10102に連結され得る。拡張可能な用具がアジャスタに連結されている状態で、ユーザーは、ボタン10108を矢印10109の方向に押下して、(例えば、深さの調節が可能な組織操作用具に関して上述されたように)拡張可能な用具を静的な組織操作用具10110にロックし得るばね又は他の接続機構を後退させることができる。
図101C及び
図101Dに示されるように、ボタン10108を押下する間、ユーザーは、静的な用具10110に沿って拡張可能な器具10102を摺動させて所望の高さを達成し、次いでボタン10108を解放して、静的な用具10110に対する拡張可能な用具10102の位置をロックすることができる。次に、
図101Eに示されるように、ブレードアジャスタは、スロット10106からダブテール突出部10104を引っ込めることによって取り除かれて、拡張可能でかつ静的な組織操作用具のロックされたアセンブリが残され得る。
【0111】
上述の伸延と組み合わせて、支持器具7406及びリトラクタアセンブリ7410(又は本明細書に記載されるそのような構成要素の他の実施形態のいずれか)によって設けられるワーキングチャネルを利用して、様々な外科処置のいずれかが実施され得る。例えば、ユーザーは、リトラクタアセンブリ7410の対向する組織操作用具間のワーキングチャネルを介して脊椎固定ケージ挿入処置を実施することができる。他の例示的な処置としては、椎間板置換、椎間板切除、終板調製、骨移植片送達などが挙げられる。
【0112】
上記の説明若しくは添付図面において表現された又は示唆された方法工程の任意の順序は、開示された方法を、その順序で工程を実施することに限定するものと解釈すべきではないことに留意すべきである。むしろ、本明細書で開示される方法のそれぞれの種々の工程は、任意の種々の順序で行うことができる。なお、記載した方法は、代表的実施形態に過ぎず、追加の工程を含む、又はより少ない工程を含む、種々のその他の方法もまた本開示の範囲内である。
【0113】
本明細書に開示される器具は、様々な既知の材料のうちのいずれかから構成されることができる。例示的な材料としては、例えば、ステンレス鋼、チタン、ニッケル、コバルトクロム、又はそれらの合金及び組み合わせのような金属、PEEKなどのポリマー、セラミックス、炭素繊維などを含む、外科用途で使用するのに適した材料が挙げられる。本明細書に開示される器具の様々な構成要素は、それらの使用に適切な様々な程度の剛性又は可撓性を有することができる。装置のサイズもまた、使用目的及び手術部位の生体構造によって大きく異なり得る。更に、特定の構成要素は、他の構成要素とは異なる材料から形成され得る。器具の1つ又は2つ以上の構成要素又は部分は、蛍光透視法及び他の画像処理技法下の視覚化を容易にするために、放射線不透過性材料から形成されてもよく、あるいは他の構造物の可視化を干渉しないように放射線透過性材料から形成されてもよい。例示的な放射線透過性の材料としては、炭素繊維及び高強度のポリマーが挙げられる。
【0114】
本明細書で開示された装置及び方法は、低侵襲手術及び/又は切開手術で用いることができる。本明細書に開示される装置及び方法は、一般に、ヒト患者における脊椎手術の文脈で説明されているが、本明細書に開示される方法及び装置は、任意のヒト若しくは動物の対象との様々な外科処置のいずれかで、又は非外科処置で使用され得ることが理解されるであろう。
【0115】
本明細書に開示される装置は、1回の使用後に廃棄されるように設計することができ、又は複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、装置は、少なくとも1回の使用後に再使用のために再調整することができる。再調整には、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄工程又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含むことができる。特に、装置は分解することができ、装置の任意の数の特定の部品又は部分を、任意の組み合わせで選択的に交換するか又は取り外すことができる。特定の部分を洗浄及び/又は交換した後、装置を後の使用のために、再調整施設で、又は外科手技の直前に外科チームによってのいずれかで再組み立てることができる。当業者であれば、装置の再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用できることを理解するであろう。こうした技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本出願の範囲内にある。
【0116】
本明細書に記載の装置は、外科手術に使用される前に処理されてもよい。まず、新品又は使用済みの器具を入手し、必要に応じて洗浄してもよい。次いで、器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられてもよい。次に、容器及びその内容物は、γ線、X線、又は高エネルギー電子などの、容器を貫通できる放射線場の中に設置されてもよい。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌された器具を滅菌容器内で保管することができる。密封された容器は、医療施設において開封されるまで器具を滅菌状態に保つことができる。当技術分野で既知の別の形態の滅菌も可能である。これにはβ線又はその他の放射線、酸化エチレン、蒸気、又は液体浴(例えば寒冷浸漬)を挙げることができる。使用される材料、電気部品の存在などによって、特定の形態の滅菌技術が、装置の異なる部分で使用するのにより好適であり得る。
【0117】
当業者は、上記で説明された実施形態に基づき、更なる特徴及び利点を理解するであろう。したがって、本開示は、具体的に示され、かつ説明されている内容によって限定されるものではない。本明細書において引用されている全ての刊行物及び参照文献は、それらの全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれている。
【0118】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
埋め込み可能なアンカーに連結するように構成された本体と、
前記本体に連結され、前記本体に対する多軸運動が可能な第1の組織操作用具と、
前記本体に連結され、前記本体に対する多軸運動が可能な第2の組織操作用具と、を備え、
前記第1の組織操作用具と第2の組織操作用具は、互いに対向しており、したがって、それらは互いに向かう方向及び互いから離れる方向のいずれかに移動し得る、外科用器具。
(2) 前記本体と前記埋め込み可能なアンカーとの間に延在するアンカー延長部を更に備える、実施態様1に記載の器具。
(3) 前記本体に連結され、前記アンカー延長部とインターフェースして前記アンカー延長部に対する前記本体の位置を選択的にロックするように構成されたロックを更に備える、実施態様2に記載の器具。
(4) 前記ロックは、前記本体に対して運動し、かつ前記アンカー延長部上に形成されたラチェットとインターフェースするように構成された爪を含む、実施態様3に記載の器具。
(5) 前記第1及び第2の組織操作用具のそれぞれが、ボールソケット継手を介して前記本体に連結する、実施態様1に記載の器具。
【0119】
(6) 前記ボールソケット継手のそれぞれが、運動に対して前記ボールソケット継手を選択的にロックするように構成された拡張部材を含む、実施態様5に記載の器具。
(7) 前記組織操作用具のうちの少なくとも1つは平面状のブレードである、実施態様1に記載の器具。
(8) 前記組織操作用具は、前記組織操作用具の全長を調節するために互いに対して並進するように構成された第1のブレード及び第2のブレードを含む、実施態様7に記載の器具。
(9) 前記組織操作用具のうちの少なくとも1つは、骨から組織を擦り取るように構成された遠位先端部を含む、実施態様7に記載の器具。
(10) 前記組織操作用具のうちの少なくとも1つは、尖った遠位先端部を含む、実施態様1に記載の器具。
【0120】
(11) 前記本体に連結された延長ポストを更に備える、実施態様1に記載の器具。
(12) 前記延長ポストは前記本体に対して枢動する、実施態様11に記載の器具。
(13) 前記本体に対する前記組織操作用具の多軸運動は、前記組織操作用具の遠位端部の先が、互いに向かう方向及び互いから離れる方向のいずれかに移動することを含む、実施態様1に記載の器具。
(14) 外科用器具であって、
互いに枢動可能に連結され、埋め込み可能なアンカーに連結するように構成された第1及び第2の対向するハンドルと、
前記第1のハンドルに連結される第1の組織操作用具と、
前記第2のハンドルに連結される第2の組織操作用具と、を備え、
前記第1及び第2のハンドルの互いに向かう方向及び互いから離れる方向のいずれかの運動は、前記第1及び第2の組織操作用具の互いに向かう方向及び互いから離れる方向のいずれかの運動を引き起こす、外科用器具。
(15) 前記対向するハンドルと前記埋め込み可能なアンカーとの間に延在するアンカー延長部を更に備える、実施態様14に記載の器具。
【0121】
(16) 前記対向するハンドルに連結され、前記アンカー延長部とインターフェースして前記アンカー延長部の長さに沿って前記対向するハンドルの位置を選択的にロックするように構成されたロックを更に備える、実施態様15に記載の器具。
(17) 前記第1及び第2の組織操作用具は、前記アンカー延長部に対して多軸的に運動するように構成されている、実施態様15に記載の器具。
(18) 前記対向するハンドルの互いに対する運動を選択的に防止するように構成されたロックを更に備える、実施態様14に記載の器具。
(19) 前記組織操作用具のうちの少なくとも1つは平面状のブレードである、実施態様14に記載の器具。
(20) 前記組織操作用具は、前記組織操作用具の全長を調節するために互いに対して並進するように構成された第1のブレード及び第2のブレードを含む、実施態様19に記載の器具。
【0122】
(21) 前記組織操作用具のうちの少なくとも1つは、骨から組織を擦り取るように構成された遠位先端部を含む、実施態様19に記載の器具。
(22) 前記組織操作用具のうちの少なくとも1つは、尖った遠位先端部を含む、実施態様14に記載の器具。
(23) 前記対向するハンドルに連結された延長ポストを更に備える、実施態様14に記載の器具。
(24) 前記第1及び第2の組織操作用具は、先が互いに対して移動するように構成されており、前記組織操作用具の遠位端部は、前記組織操作用具の近位端部よりも大きな量だけ互いに向かう方向及び互いから離れる方向のいずれかに移動する、実施態様14に記載の器具。
(25) 外科的方法であって、
患者の骨にアンカーを埋め込むことと、
前記アンカーにアンカー延長部を連結することと、
リトラクタアセンブリの第1及び第2の組織操作用具が、患者の組織内に形成された切開部の中へと延在するように、前記リトラクタアセンブリを前記アンカー延長部に連結することと、
前記患者の組織内に形成された前記切開部の大きさを増大させるために、前記リトラクタアセンブリの前記第1及び第2の用具を内側-外側方向に互いから離して移動させることと、を含む、方法。
【0123】
(26) 前記第1及び第2の組織操作用具のうちの少なくとも1つは平面状のブレードである、実施態様25に記載の方法。
(27) 前記組織操作用具の遠位端部が、前記組織操作用具の近位端部よりも大きな量だけ互いに向かう方向及び互いからから離れる方向のいずれかに移動するように、前記第1及び第2の組織操作用具の先を互いに対して移動させることを更に含む、実施態様25に記載の方法。
(28) 前記組織操作用具のうちの少なくとも1つの長さを調節することを更に含む、実施態様25に記載の方法。
(29) 前記組織操作用具のうちの少なくとも1つの遠位端部を使用して骨から組織を擦り取ることを更に含む、実施態様25に記載の方法。
(30) 前記アンカー延長部の長さに沿って前記リトラクタアセンブリの位置をロックすることを更に含む、実施態様25に記載の方法。
【0124】
(31) 前記アンカーに対する前記アンカー延長部の位置をロックすることを更に含む、実施態様25に記載の方法。
(32) 前記アンカー延長部に対する前記組織操作用具のうちの少なくとも1つの位置をロックすることを更に含む、実施態様25に記載の方法。